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審決分類 審判 一部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  G01F
審判 一部申し立て 2項進歩性  G01F
管理番号 1102780
異議申立番号 異議2003-73176  
総通号数 58 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-05-21 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-22 
確定日 2004-07-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3422100号「流量計測装置」の請求項1ないし4、6ないし10及び12に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3422100号の請求項1ないし4、6ないし10及び12に係る特許を維持する。 
理由 1.特許第3422100号「流量計測装置」の特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された発明についての出願は、平成6年11月2日に特許出願され、平成15年4月25日にその特許の設定登録がなされたものであり、その後、平成15年12月22日に市川 良より請求項1ないし4、6ないし10、及び、12に係る特許について特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その所定の期間内である平成16年6月7日に特許異議意見書と共に、訂正請求書が提出されたものである。

2.訂正の適否について
(1)訂正の内容
訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1および2中の記載「前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段」を、「前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段」と訂正する。
訂正事項b
特許請求の範囲の請求項7中の記載「前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」を、「前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」と訂正する。
訂正事項c
特許請求の範囲の請求項8中の記載「前記2つの工程から得られた超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」を、「前記2つの工程から前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」と訂正する。
訂正事項d
特許請求の範囲の請求項1、2、7及び8を訂正するのに伴い、特許異議の申立ての対象となっていない請求項5及び11を独立形式に書き改める。
訂正事項e
明細書の段落0006及び0007中の記載「前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段」を「前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段」と訂正する。
訂正事項f
明細書の段落0009中の記載「前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」を「前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」と訂正する。
訂正事項g
明細書の段落0010中の記載「前記2つの工程から得られた超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」を「前記2つの工程から前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項aないしcについて;
「前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段」を「前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段」と、「前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」を「前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」と、及び、「前記2つの工程から得られた超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」を「前記2つの工程から前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」と訂正することは、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落0013中の記載「繰り返しの回数設定回路10で設定された回数が繰り返されたときの時間をタイマカウンタのような計時手段14で求める。次に切換手段15で第1振動子5と第2振動子6の発信受信を切り換えて、第2振動子6から第1振動子5すなわち下流から上流に向かって超音波信号を発信し、この発信を前述のように繰り返し、その時間を計時する。そしてその時間差から管路の大きさや流れの状態を考慮して流量演算手段16で流量値を求める。」に基づき、超音波伝播の累積時間は、繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求めることにより求まることを具体的に特定するものであり、当該訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするもので、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。
訂正事項dについて;
訂正後の請求項5および11は、引用形式の記載を独立形式に書き改めたものであって、実質的に請求項を訂正するものではない。
訂正事項eないしgについて;
訂正事項eないしgは、それぞれ、上記訂正事項aないしcによる訂正との整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。

(3)むすび
したがって、本件訂正は、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断
(1)本件発明
上述のとおり、本件訂正請求は認められるので、本件発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、「本件発明1」、「本件発明2」・・・・・「本件発明12」という。)
【請求項1】流体管路に設けられ、かつ送受信面が相対向し超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設ける遅延手段と、前記遅延時間の後に超音波信号の発信駆動を行い、発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回行う繰り返し手段と、前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段とを備え、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定された流量計測装置。
【請求項2】流体管路に設けられ、かつ送受信面が相対向し超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設ける遅延手段と、前記遅延時間の後に超音波信号の発信駆動を行い、発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回行う繰り返し手段と、前記第1振動子及び第2振動子の発信受信を切り換える切換手段と、前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段とを備え、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定された流量計測装置。
【請求項3】遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射され、前記反射された超音波信号が前記発信側の振動子にて再度反射される超音波信号と、発信側の振動子から発信される超音波信号との影響を低減するように設定された請求項1又は2項に記載の流量計測装置。
【請求項4】遅延手段の遅延時間を設定する時間設定手段と、前記時間設定手段を任意に変更する設定可変手段とを備えた請求項1から3のいずれか1項に記載の流量計測装置。
【請求項5】流体管路に設けられ、かつ送受信面が相対向し超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設ける遅延手段と、前記遅延時間の後に超音波信号の発信駆動を行い、発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回行う繰り返し手段と、前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段とを備え、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定され、遅延時間は、超音波受信信号時間の1.5倍以上である流量計測装置。
【請求項6】時間設定手段は遅延時間をランダムに変化させる請求項3記載の流量計測装置。
【請求項7】流体が流れる流体管路に設けられ、送受信面が相対向し、超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子を備えた流量計測装置における流量計測方法であって、超音波信号を発信し、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設け、前記遅延時間の後に超音波信号の発信して、超音波信号の発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回繰り返し、前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定される流量計測方法。
【請求項8】流体が流れる流体管路に設けられ、送受信面が相対向し、超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子を備えた流量計測装置における流量計測方法であって、流体が流れる流体管路に超音波信号を第1振動子から発信し、発信された超音波信号を第2振動子にて受信し、前記超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設け、前記遅延時間の後に前記第1振動子から超音波信号の発信して、超音波信号の発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回繰り返す工程と、前記第1振動子と前記第2振動子との発信受信を切り換えて上記一連の工程を行う工程と、前記2つの工程から前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定される流量計測方法。
【請求項9】遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射され、前記反射された超音波信号が前記発信側の振動子にて再度反射される超音波信号と、発信側の振動子から発信される超音波信号との影響を低減するように設定された請求項7又は8に記載の流量計測方法。
【請求項10】遅延時間は任意に変更可能な請求項7から9のいずれか1項に記載の流量計測方法。
【請求項11】流体が流れる流体管路に設けられ、送受信面が相対向し、超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子を備えた流量計測装置における流量計測方法であって、超音波信号を発信し、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設け、前記遅延時間の後に超音波信号の発信して、超音波信号の発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回繰り返し、前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定され、遅延時間は、超音波受信信号時間の1.5倍以上である流量計測方法。
【請求項12】遅延時間をランダムに変化させる請求項10記載の流量計測装置。

(2)申立ての理由の概要
特許異議申立人市川 良は、請求項1ないし4、6ないし10及び12に係る発明は、下記の甲第1号証と周知慣用技術(甲第2ないし8号証)に記載されている発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明であり、また、当該発明は、課題を発明特定事項としているので、特許法第36条の規定に適合してないから、それらの特許は取り消されるべきものである旨主張している。



甲第1号証:特開昭61-104224号公報
甲第2号証:特開昭59-81515号公報
甲第3号証:特開昭59-43314号公報
甲第4号証:特開昭53-93076号公報
甲第5号証:特開平4-328423号公報
甲第6号証:特開平4-309817号公報
甲第7号証:特開平4-248466号公報
甲第8号証:特開平2-47521号公報

(3)対比・判断
特許異議の申立てがなされた請求項1ないし4、6ないし10及び12は、上記訂正により本件発明1ないし4、6ないし10及び12のように訂正されているので、当該本件発明について検討する。
〈特許法第36条に関する申立てについて〉
本件発明1について;
特許異議申立人は、本件発明1における事項「遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定され」が課題だけを発明特定事項とした全く不明確な記載となっていると主張しているが、当該事項は、本件発明1における事項「遅延時間を設ける遅延手段」にいう「遅延時間」を、その必要な機能でもって表記することにより限定するものであって、明確な記載であることは明らかである。
本件発明2ないし4、6ないし10及び12について;
上記本件発明1と同趣旨である。

〈特許法第29条第2項に関する申立てについて〉
本件発明1について;
特許異議申立人が提出した各刊行物(甲第1ないし8号証)に記載された発明と本件発明1とを対比すると、当該刊行物のいずれにも、本件発明1の「前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段」(以下、「構成A」という。)という事項が記載も示唆もされていない。そして、本件発明1は、当該事項を備えることにより、明細書記載の作用効果を奏するものと認められる。したがって、本件発明1は、上記刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
なお、特許異議申立人は、特許異議申立書において「審査段階の引例でもある複数の公報(甲第2〜4号証)には、シングアラウンド方式の超音波流量計が開示されている。シングアラウンド方式の超音波流量計では、1対の振動子の間において、一方から出力した超音波信号を他方が受信してから、再度、超音波信号を出力する構成になっており、この構成は本件出願時において複数の公報に開示されている点から、周知慣用技術であると言える。そして、本件発明に係る流量計測装置は、このような周知なシングアラウンド方式の超音波流量計に遅延手段を備えたものであるということができる。
これに対し、甲第1号証の超音波流量計は、非シングアラウンド方式の超音波流量計に遅延回路(10)を備えたものである。ここで、非シングアラウンド方式の超音波流量計では、超音波の受信に関係なく、一定周期の送信指令パルスに基づいて、トランスデューサ(P1),(P2)の間で、超音波信号を複数回送受信する構成になっている。・・・・・そして、甲第1号証に記載された非シングアラウンド方式の超音波流量計では、・・・一定周期の送信指令パルス(TC)の出力時から遅延時間(τ)を遅らせたタイミングで、超音波信号を発信する構成になっている。・・・・・そして、シングアラウンド方式と非シングアラウンド方式の両方の超音波流量計が、本件出願時には公知になっているから、甲第1号証に開示された非シングアラウンド方式の超音波流量計に備えた遅延手段を、シングアラウンド方式の超音波流量計に適用して、発明特定事項(A)(B)(C)(D)(E)(F)(b1)(c1)を備えた構成にすることは、当業者にとって容易である。」(特許異議申立書第5頁第2〜35行)と主張しているが、異議申立人の提示した甲第2ないし4号証に記載されたものは、そのいずれもが、いわゆるシングアラウンド周波数を求めることにより流体管路の流体の流量を算出するものであるのに対し、本件発明1のものは、「繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め」ることにより流体管路の流体の流量を算出するものであるから、甲第2ないし4号証に記載されているシングアラウンド方式の超音波流量計とはその原理を異にするものである。したがって、甲第1号証に開示された非シングアラウンド方式の超音波流量計に備えた遅延手段を、甲第2ないし4号証に示されるような周知慣用技術であるシングアラウンド方式の超音波流量計に適用して本件発明1の構成とすることには、困難性がある。よって、特許異議申立人の主張は採用できない。
本件発明2ないし4及び6について;
本件発明2ないし4及び6は、そのいずれもが構成Aを有しているから、判断は、本件発明1と同趣旨である。
本件発明7について;
特許異議申立人が提出した各刊行物(甲第1ないし8号証)に記載された発明と本件発明1とを対比すると、当該刊行物のいずれにも、本件発明7の「前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに」(以下、「構成B」という。)という事項が記載も示唆もされていない。そして、本件発明7は、当該事項を備えることにより、明細書記載の作用効果を奏するものと認められる。したがって、本件発明7は、上記刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
本件発明8ないし10及び12について;
本件発明8ないし10及び12は、そのいずれもが構成Bを有しているから、判断は、本件発明7と同趣旨である。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件の請求項1ないし4、6ないし10及び12に係る特許を取り消すことができない。
また、他に本件の請求項1ないし4、6ないし10及び12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
流量計測装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】流体管路に設けられ、かつ送受信面が相対向し超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設ける遅延手段と、前記遅延時間の後に超音波信号の発信駆動を行い、発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回行う繰り返し手段と、前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段とを備え、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定された流量計測装置。
【請求項2】流体管路に設けられ、かつ送受信面が相対向し超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設ける遅延手段と、前記遅延時間の後に超音波信号の発信駆動を行い、発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回行う繰り返し手段と、前記第1振動子及び第2振動子の発信受信を切り換える切換手段と、
前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段とを備え、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定された流量計測装置。
【請求項3】遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射され、前記反射された超音波信号が前記発信側の振動子にて再度反射される超音波信号と、発信側の振動子から発信される超音波信号との影響を低減するように設定された請求項1又は2項に記載の流量計測装置。
【請求項4】遅延手段の遅延時間を設定する時間設定手段と、前記時間設定手段を任意に変更する設定可変手段とを備えた請求項1から3のいずれか1項に記載の流量計測装置。
【請求項5】流体管路に設けられ、かつ送受信面が相対向し超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設ける遅延手段と、前記遅延時間の後に超音波信号の発信駆動を行い、発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回行う繰り返し手段と、前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段とを備え、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定され、遅延時間は、超音波受信信号時間の1.5倍以上である流量計測装置。
【請求項6】時間設定手段は遅延時間をランダムに変化させる請求項3記載の流量計測装置。
【請求項7】流体が流れる流体管路に設けられ、送受信面が相対向し、超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子を備えた流量計測装置における流量計測方法であって、超音波信号を発信し、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設け、前記遅延時間の後に超音波信号の発信して、超音波信号の発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回繰り返し、前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定される流量計測方法。
【請求項8】流体が流れる流体管路に設けられ、送受信面が相対向し、超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子を備えた流量計測装置における流量計測方法であって、流体が流れる流体管路に超音波信号を第1振動子から発信し、発信された超音波信号を第2振動子にて受信し、前記超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設け、前記遅延時間の後に前記第1振動子から超音波信号の発信して、超音波信号の発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回繰り返す工程と、前記第1振動子と前記第2振動子との発信受信を切り換えて上記一連の工程を行う工程と、前記2つの工程から前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに、
前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定される流量計測方法。
【請求項9】遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射され、前記反射された超音波信号が前記発信側の振動子にて再度反射される超音波信号と、発信側の振動子から発信される超音波信号との影響を低減するように設定された請求項7又は8に記載の流量計測方法。
【請求項10】遅延時間は任意に変更可能な請求項7から9のいずれか1項に記載の流量計測方法。
【請求項11】流体が流れる流体管路に設けられ、送受信面が相対向し、超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子を備えた流量計測装置における流量計測方法であって、超音波信号を発信し、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設け、前記遅延時間の後に超音波信号の発信して、超音波信号の発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回繰り返し、前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定され、遅延時間は、超音波受信信号時間の1.5倍以上である流量計測方法。
【請求項12】遅延時間をランダムに変化させる請求項10記載の流量計測装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を利用してガスなどの流量を計測する流量計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の流量計測装置は、図10に示すように、流体管路1の一部に超音波振動子2と3を流れの方向に相対して設け、振動子1から流れ方向に超音波を発生しこの超音波を振動子2で検出すると再び振動子1から超音波を発生させ、この繰り返しを行ってその時間を計測し、逆に振動子2から流れに逆らって超音波を発生し同様の繰り返し時間を計測し、その時間の差から流体の速度を演算していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の流量計測装置では振動子間の超音波の反射によって検出信号にノイズが発生する。すなわちまず振動子2から発信された超音波信号は振動子3に到達し、この信号が増幅・比較されて検出されるとただちに次のトリガ信号が励起されて2回目の発信が行われる。一方振動子3で反射された超音波信号は振動子2に向かい、2回目の信号が振動子3に到達し第3の信号のトリガが開始するとき1回目の反射信号が到達する。なぜなら超音波の伝幡時間が500マイクロ秒程度であるのに比べ信号が増幅比較され再トリガされる時間が0.1マイクロ秒以下の極めて短い時間であるからである。したがって発信するときに反射波を受けるので乱れた波形の発信信号になる。さらに1回目の反射信号は振動子2で再び反射され振動子3に向かい、3回目の発信信号に重畳されて振動子に到達することになり、検出信号はこれら反射信号の影響を受け、測定管路1内の流速によってこの反射波の到達時間が異なるので、複雑なノイズを受け測定精度に影響を与え、高精度の測定が困難であった。
【0004】
本発明は上記課題を解決するもので、主として流量計測精度を向上することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の流量計測装置は、以下の構成とした。
【0006】
すなわち、流体管路に設けられ、かつ送受信面が相対向し超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設ける遅延手段と、前記遅延時間の後に超音波信号の発信駆動を行い、発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回行う繰り返し手段と、前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段とを備え、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定された構成とした。
【0007】
また、流体管路に設けられ、かつ送受信面が相対向し超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設ける遅延手段と、前記遅延時間の後に超音波信号の発信駆動を行い、発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回行う繰り返し手段と、前記第1振動子及び第2振動子の発信受信を切り換える切換手段と、前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出する流体演算手段とを備え、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定された構成とした。さらに、遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射され、前記反射された超音波信号が前記発信側の振動子にて再度反射される超音波信号と、発信側の振動子から発信される超音波信号との影響を低減するように設定された構成とした。
【0008】
遅延手段の遅延時間を設定する時間設定手段と、前記時間設定手段を任意に変更する設定可変手段とを備えた構成とした。遅延時間は、超音波受信信号時間の1.5倍以上である構成とした。時間設定手段は遅延時間をランダムに変化させる構成とした。
【0009】
流体が流れる流体管路に設けられ、送受信面が相対向し、超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子を備えた流量計測装置における流量計測方法であって、超音波信号を発信し、発信された超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設け、前記遅延時間の後に超音波信号の発信して、超音波信号の発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回繰り返し、前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め前記超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定される構成をした。
【0010】
流体が流れる流体管路に設けられ、送受信面が相対向し、超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子を備えた流量計測装置における流量計測方法であって、流体が流れる流体管路に超音波信号を第1振動子から発信し、発信された超音波信号を第2振動子にて受信し、前記超音波信号の受信を検出した後に遅延時間を設け、前記遅延時間の後に前記第1振動子から超音波信号の発信して、超音波信号の発信、超音波伝播、受信、遅延時間経過、発信というサイクルを複数回繰り返す工程と、前記第1振動子と前記第2振動子との発信受信を切り換えて上記一連の工程を行う工程と、前記2つの工程から得られた前記繰り返し手段により複数回繰り返されたときの時間を求め超音波伝播の累積時間に基づいて流体管路の流体の流量を算出するとともに、前記遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射された超音波信号の影響を低減するように設定される構成とした。遅延時間は、発信側の振動子から発信された超音波信号が受信側の振動子で反射され、前記反射された超音波信号が前記発信側の振動子にて再度反射される超音波信号と、発信側の振動子から発信される超音波信号との影響を低減するように設定された構成とした。遅延時間は任意に変更可能な構成とした。遅延時間は、超音波受信信号時間の1.5倍以上である構成とした。
【0011】
遅延時間をランダムに変化させる構成とした。
【0012】
本発明は上記構成によって、繰り返しの超音波発信振動を遅延させ反射波の影響を小さくするものである。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の第1の実施例を図面にもとづいて説明する。図1において、流体管路4の途中に超音波を発信する第1振動子5と受信する第2振動子6が流れ方向に配置されている。7は第1振動子5への発信回路、8は第2振動子6で受信した信号の増幅回路で、この増幅された信号は基準信号と比較回路9で比較され、基準信号以上の信号が検出されたとき回数設定回路10で設定された回数だけ繰り返し手段11で遅延回路12で信号を遅延させた後トリガ回路13で超音波信号を繰り返し発信する。繰り返しの回数設定回路10で設定された回数が繰り返されたときの時間をタイマカウンタのような計時手段14で求める。次に切換手段15で第1振動子5と第2振動子6の発信受信を切り換えて、第2振動子6から第1振動子5すなわち下流から上流に向かって超音波信号を発信し、この発信を前述のように繰り返し、その時間を計時する。そしてその時間差から管路の大きさや流れの状態を考慮して流量演算手段16で流量値を求める。
【0014】
次に振動子の発信受信信号について述べる。図2は第1振動子4から発信された超音波信号を第2振動子5で受信する場合を示したものである。第1振動子4からバースト発信された第1発信信号は第2振動子5で第1受信信号として受信され増幅比較され遅延回路11を介して再びトリガされて第2発信信号となる。一方第2振動子の超音波は一部が反射され第1振動子へと向かい第1振動子に到着する時間と、第2発信信号が受信され遅延回路11を介して再び第3発信信号として発信する時間とは遅延回路の遅延時間Tdの2倍ほどの差が生じる。さらにこの第1発信信号は第1振動子5で反射して第2振動子6に向かうが、第3発信信号が到達する第3受信信号とは遅延時間Tdの2倍の時間差が生じる。図3は遅延回路11がない場合の発信受信の関係を示すもので、第3発信信号が第1発信信号の反射波とかさなり、さらに第3受信信号が第3発信信号と第1発信信号の2回反射波と重なることになる。以降繰り返しの回数設定回路10で設定された回数が繰り返される発信受信のすべてが反射波の影響を受け、正確な発信あるいは受信信号が得られない。受信信号が基準信号を越えないと再トリガされないので、遅延回路11の遅延時間Tdは超音波のバースト発信によって得られる受信信号の時間幅Trの少なくとも1.5倍以上あれば反射波の影響を受けない。この遅延時間により計測に要する時間が長くなるが、超音波の伝幡時間が一回あたり500マイクロ秒であるのに対し遅延時間は20マイクロ秒程度であり、大きな遅れにはならない。
【0015】
図4は第2の実施例であり、遅延回路の時間を時間設定回路17で任意に変えられるもので、例えば設定可変回路をバースト信号の長さによって比例させるようにしたりあるいはある時間以上でランダムに変えて周期的ノイズの影響を小さくすることもできる。
【0016】図5は第3の実施例であり、計時回路14の信号によって時間設定回路17の遅延時間設定を変更させるものであり、繰り返しが終了し計時が行われすなわち流量演算が行われた後に遅延時間を変更するもので、繰り返し中は一定の遅延時間で測定するものである。
【0017】
図6は第4の実施例であり、遅延時間の繰り返し中の総和を総和設定回路19で一定になるように遅延時間を変化させるものであり、繰り返し時間にあらかじめ明らかな常に一定の遅延時間が加算される。
【0018】
図7は第5の実施例であり、遅延時間の総和は変えることができるが、上流から下流への繰り返し中と下流から上流への繰り返し中のそれぞれの遅延時間を均等設定回路20で等しく保つものである。
【0019】
図8は第6の実施例であり、遅延時間を可変抵抗器のような外部設定回路21で任意に変えることができるものであり、据えつけ工事の生産時に調整するものである。
【0020】
図9は第7の実施例であり、遅延時間を流量演算手段16の値に応じて変えるものであり、流量が多い場合には第2振動子6から反射して第1振動子5に向かう超音波は流れに逆らって進むため到達時間が遅れるので、遅延時間が不十分になる可能性があるため、流れの量に応じて遅延時間を補正するものである。すなわち流量の値が大きいとき遅延時間の値を大きくし、流量の値が小さいとき遅延時間の値を小さくし、相対的な遅延時間を一定に保つものである。
【0021】
以上の説明から明らかなように本実施例の流量計測装置によれば次の効果が得られる。
(1)流体管路に設けられ超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子の発信受信の切換手段と、前記振動子間相互の超音波伝達を複数回行う繰り返し手段と、前記繰り返し時に信号伝達を遅らせる遅延手段と、超音波伝幡の累積時間に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備えたので、超音波振動子の反射信号によるノイズを低減することができ測定精度が向上する。
(2)流体管路に設けられ超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子の発信受信の切換手段と、前記振動子間相互の超音波伝達を複数回行う繰り返し手段と、前記繰り返し時に信号伝達を遅らせる遅延手段と、前記遅延手段の遅延時間を設定する時間設定手段と、前記時間設定手段を任意に変更する設定可変手段と、超音波伝幡の累積時間に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備えたので、受信信号の長さが変化しても遅延時間を変えることでノイズを防止でき、振動子以外の反射信号にも対応することができ、回路の標準化ができる。
(3)流体管路に設けられ超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子の発信受信の切換手段と、前記振動子間相互の超音波伝達を複数回行う繰り返し手段と、前記繰り返し時に信号伝達を遅らせる遅延手段と、遅延時間を繰り返し終了時に変更する時間設定手段と、超音波伝幡の累積時間に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備えたので、繰り返し中に遅延時間が変更されることがないので時間計測に基づく流量演算が容易で誤差が小さい。
(4)流体管路に設けられ超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子の発信受信の切換手段と、前記振動子間相互の超音波伝達を複数回行う繰り返し手段と、前記繰り返し時に信号伝達を遅らせる遅延手段と、前記遅延手段の遅延時間を設定する時間設定手段と、繰り返し中の遅延時間の総和が一定値となるように前記時間設定手段を任意に変更する総和設定手段と、繰り返し中の超音波伝幡の累積時間に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備えたので、繰り返し中に遅延時間を変化させることができ反射波の時間的な変動に対応することができ、かつ遅延時間の総和が一定であるので計時手段に基づく流量演算が容易であり誤差が小さい。
(5)流体管路に設けられ超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子の発信受信の切換手段と、前記振動子間相互の超音波伝達を複数回行う繰り返し手段と、前記繰り返し時に信号伝達を遅らせる遅延手段と、前記遅延手段の遅延時間を設定する時間設定手段と、上流から下流に向けての発信繰り返し中と下流から上流に向けての発信繰り返し中のそれぞれの遅延時間の総和が等しくなるように前記時間設定手段を任意に変更する均等設定手段と、繰り返し中の超音波伝幡の累積時間に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備えたので、繰り返し中に遅延時間を変化させることができ反射波の時間的な変動に対応することができ、かつ上流から下流の場合と下流から上流の場合と遅延時間の総和が一定であり時間差を求めて流量を演算するときに相殺されるので流量演算が容易で誤差が小さい。
(6)流体管路に設けられ超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子の発信受信の切換手段と、前記振動子間相互の超音波伝達を複数回行う繰り返し手段と、前記繰り返し時に信号伝達を遅らせる遅延手段と、前記設定手段を外部より変更可能な外部設定手段と、超音波伝幡の累積時間に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備えたので、生産時や据えつけ時に遅延時間の設定が変更でき計測精度が高い。
(7)流体管路に設けられ超音波信号を発信受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子の発信受信の切換手段と、前記振動子間相互の超音波伝達を複数回行う繰り返し手段と、前記繰り返し時に信号伝達を遅らせる遅延手段と、超音波伝幡の累積時間に基づいて流量を算出する流量演算手段と、前記流量演算手段の値によって前記遅延手段の遅延時間を設定する時間設定手段とを備えたので、流量の値に関わらず反射波にたいして一定時間の遅延を与えるので流量精度が高い。
【0022】
【発明の効果】
従って、精度の高い構成を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施例の流量計測装置の制御ブロック図
【図2】
同装置の発信受信信号波形図
【図3】
従来の流量計測装置の発信受信信号波形図
【図4】
本発明の第2の実施例の流量計測装置の制御ブロック図
【図5】
本発明の第3の実施例の流量計測装置の制御ブロック図
【図6】
本発明の第4の実施例の流量計測装置の制御ブロック図
【図7】
本発明の第5の実施例の流量計測装置の制御ブロック図
【図8】
本発明の第6の実施例の流量計測装置の制御ブロック図
【図9】
本発明の第7の実施例の流量計測装置の制御ブロック図
【図10】
従来の流量計測装置の制御ブロック図
【符号の説明】
4 流体管路
5 第1振動子
6第2振動子
11 繰り返し手段
12 遅延手段
14 計時手段
15 切換手段
16 流量演算手段
17 時間設定手段
18 設定可変手段
19 総和設定手段
20 均等設定手段
21 外部設定手段
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-06-22 
出願番号 特願平6-269528
審決分類 P 1 652・ 534- YA (G01F)
P 1 652・ 121- YA (G01F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 白石 光男  
特許庁審判長 瀧 廣往
特許庁審判官 樋口 信宏
三輪 学
登録日 2003-04-25 
登録番号 特許第3422100号(P3422100)
権利者 松下電器産業株式会社
発明の名称 流量計測装置  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 坂口 智康  
代理人 坂口 智康  

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