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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
審判 全部申し立て 発明同一  A63F
管理番号 1104438
異議申立番号 異議2003-70860  
総通号数 59 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-04-07 
確定日 2004-08-02 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3331961号「パチンコ機」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3331961号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1・手続の経緯
特許第3331961号の請求項1に係る発明(以下、本件発明という)についての特許出願(以下、本件出願という)は、平成2年8月16日に出願された特許出願(特願平2-216536号、以下、原出願という)の一部が特許法第44条第1項の規定により、平成10年1月13日に新たな特許出願(特願平10-17774号、以下、第1分割出願という)とされ、この新たな特許出願の一部が特許法第44条第1項の規定により、平成10年2月12日に新たな特許出願(特願平10-48858号、以下、第2分割出願という)とされ、この新たな特許出願の一部が特許法第44条第1項の規定により、平成10年3月13日に新たな特許出願(特願平10-82741号、以下、第3分割出願という)とされ、この新たな特許出願の一部が特許法第44条第1項の規定により、平成10年4月13日に新たな特許出願とされたものであって、平成14年7月26日にその特許権の設定登録がなされ、その後、河井清悦及び中西正幸よりそれぞれ特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年2月10日に訂正請求(後日取下げ)がなされ、再度の取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年5月21日に訂正請求がなされたものである。
2・訂正の適否についての判断
(2-1)訂正の内容
ア・訂正事項a
【特許請求の範囲】の【請求項1】を、
「所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な大入賞口と、複数の小入賞口とを備え、当該各小入賞口のうち所定の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ2回変換され、その他の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ1回変換される始動入賞口として構成したパチンコ機において、
前記大入賞口には、特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を形成し、該特別入賞領域への入賞を条件に大入賞口が更に第2状態に変換される機会を付与し、大入賞口の下方には大入賞口より狭い小入賞口を並設し、当該小入賞口には前記特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を非具備とし、
前記各小入賞口のうち前記大入賞口が第2状態へ2回変換される始動入賞口として構成された小入賞口についてのみ、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が所定位置で検出器によって検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となるように構成し、更に、当該小入賞口はタイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されることを特徴とするパチンコ機。」
と訂正する。
イ・訂正事項b
特許明細書の段落【0004】の【課題を解決するための手段】を、
「上記した目的を達成するために、本発明においては、
所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な大入賞口と、複数の小入賞口とを備え、当該各小入賞口のうち所定の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ2回変換され、その他の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ1回変換される始動入賞口として構成したパチンコ機において、
前記大入賞口には、特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を形成し、該特別入賞領域への入賞を条件に大入賞口が更に第2状態に変換される機会を付与し、大入賞口の下方には大入賞口より狭い小入賞口を並設し、当該小入賞口には前記特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を非具備とし、
前記各小入賞口のうち前記大入賞口が第2状態へ2回変換される始動入賞口として構成された小入賞口についてのみ、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が所定位置で検出器(実施例中、玉検出器17a,17bが対応する。)によって検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段(実施例中、変動表示器26に対応する)に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となるように構成し、更に、当該小入賞口はタイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されることを特徴とするものである。」
と訂正する。
ウ・訂正事項c
特許明細書の段落【0037】の【発明の効果】を、
「以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、可変入賞装置として大入賞口と小入賞口とを上下に並設することによって、入賞態様に変化を与えることができる。また、小入賞口といえども、大入賞口を第2状態に2回変換させる小入賞口については、第1状態と第2状態とに変換可能であるため、大入賞口への入賞機会の多い小入賞口に対する入賞の期待感を損なうことはなく、一方、小入賞口は一定時間を越えて第2状態を維持することがないので、出玉が多くなり過ぎたり、小入賞口が第2状態を維持し続けることによる遊技の中断・中止が円滑に行われない等の不都合も回避し得る。さらに、小入賞口が第2状態となる条件として、打球が検出器にて検出されて変動表示手段が変動表示されその結果が予め定めた図柄である場合としていることから、大入賞口に集中しがちな遊技者に対して小入賞口に注目させることができる。」
と訂正する。
(2-2)訂正の目的、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、小入賞口が複数存在すること、各小入賞口について所定の入賞口が大入賞口を第2状態へ2回変換させるものであるのに対し他の小入賞口が1回変換させるものであること、及び、小入賞口のうち2回変換に関わる小入賞口についてのみ第1状態と第2状態とに変換可能であること,を限定するものであり、かつ、これらのことは、特許明細書の段落【0007】に「始動入賞口9a〜9cが設けられている」と、段落【0008】に「中央の始動入賞口9aに打球が入賞すると後述する可変入賞装置20の開閉翼片23a,23bが・・・2回開閉動作をし、左右の始動入賞口9b,9cに打球が入賞すると開閉翼片23a,23bが1回開閉動作する」と、及び、段落【0007】に「始動入賞口9a〜9cのうち中央の始動入賞口9aは、電気的駆動源であるチューリップソレノイド16によって開閉制御される小入賞口たる電動始動入賞口となっており」と、それぞれ記載されており、したがって、これらは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、また、「当該小入賞口には前記特別スイッチを望ませた」における「望ませた」を「臨ませた」と訂正することは、当該記載より前の請求項1に「特別スイッチを臨ませた特別入賞領域」という記載があって、「望ませた」は、「臨ませた」の明らかな誤記であるから、誤記の訂正を目的とした明細書の訂正に該当し、
訂正事項bは、上記訂正事項aと整合を図るとともに、「変動表記器26」を「変動表示器26」と訂正するものであり、この訂正は、特許明細書の段落【0016】に「回数表示器26は・・・変動表示器としての機能を有している」と記載されていることから、明らかな誤記に該当し、したがって、明りょうでない記載の釈明及び誤記の訂正を目的とした明細書の訂正に該当し、
訂正事項cは、上記訂正事項aと整合を図るもの、すなわち、小入賞口として大入賞口を第2状態に1回変換させるものと2回変換させるものとが存在し、2回変換させる小入賞口についてのみ第1状態と第2状態とに変換可能としたことが特許請求の範囲において特定されたことに基づいて、対応関係を図る訂正に過ぎないから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、
いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張し、変更するものではない。
(2-3)むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3・特許異議の申立ての理由及び取消理由についての判断
(3-1)特許異議の申立ての理由の概要
(3-1-1)申立人・河井清悦は、
(3-1-1-1)甲第1号証(特開平2-114979号公報)、甲第2号証(特開平2-41186号公報)、甲第3号証(特開昭63-234988号公報)及び甲第4号証(特開平2-98379号公報)を引用し、
本件発明は、当業者が甲第1号証に記載された発明に周知技術である甲第2〜4号証を適用することにより、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとし、
(3-1-1-2)本件発明における「大入賞口の下方には大入賞口より狭い小入賞口を並設し、当該小入賞口には前記特別スイッチを望ませた特別入賞領域を非具備」とした構成における「望ませ」の意味が技術的に明りょうでなく、本件発明に係る請求項1の記載は、特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものではないから、本件出願は特許法第36条第4項第2号に規定する要件を満たしていないとし、
(3-1-2)申立人・中西正幸は、
(3-1-2-1)本件発明は、「当該小入賞口には前記特別スイッチを望ませた特別入賞領域を非具備と」することを構成要件としているところ、この構成要件は、原出願の明細書、第1分割出願の明細書、第2分割出願の明細書、第3分割出願の明細書及び本件出願の当初明細書の何れにも記載されておらず、平成13年4月2日付け手続補正によって加わったものであり、したがって、この補正は明細書の要旨を変更するものであるから、本件特許の出願日は当該補正をした平成13年4月2日であるとし、また、当該補正が要旨変更でないとしても、出願の分割の要件を満たしていないから出願日は遡及せず、本件出願の出願日は、平成10年4月13日であるとし、
甲第1号証(特開平4-97767号公報 平成4年3月30日公開)及び甲第2号証(白夜ムック61 パチンコ必勝大図鑑(増補改訂)2000年度版 2000年2月27日(株)白夜書房発行)を引用し、
本件発明は、当業者が甲第1及び2号証に記載された各発明に基いて容易に発明をすることことができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとし、
(3-1-2-2)甲第3号証(特願平2-207613号(特開平4-92687号))を引用し、
本件出願の出願日が平成2年8月7日まで遡及するとしても、本件発明は、甲第3号証に係る先願の当初明細書又は図面に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであるとし、
(3-1-2-3)本件発明は、いわゆる第1種遊技機を含むものであるところ、本件特許明細書には、いわゆる第2種遊技機についての実施例しか記載されていないので、第1種遊技機については発明の詳細な説明に記載されたものではなく、また、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、第1種遊技機について当業者が容易に実施することができる程度に記載されておらず、したがって、本件出願は特許法第36条第5項第1号及び第4項に規定する要件を満たしていないとし、
本件発明についての特許は、取り消されるべきものであると主張している。
(3-2)取消理由の概要
本件発明は、本件出願の日前の他の特許出願(特願平2-209138号)であって当該特許出願後に出願公開されたもの(特開平4-92688号)の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができず、
本件発明についての特許は、取り消されるべきものである。
(3-3)本件発明
上記(2-3)の所に記したように、上記訂正が認められるので、本件発明は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記2・(2-1)ア・訂正事項a参照)
(3-4)特許法第36条に規定する要件について
(3-4-1)申立人・河井清悦の(3-1-1-2)の主張について
上記(2-1)の訂正事項aによって、「望ませ」は「臨ませ」と訂正されたから、上記主張は採用できない。
(3-4-2)申立人・中西正幸の(3-1-2-3)の主張について
上記(2-1)の訂正事項a〜cによって、本件発明は、いわゆる第2種遊技機についてのものとなったから、上記主張は採用できない。
(3-4-3)したがって、本件出願は、特許法第36条に規定する要件を満たしているものと認められる。
(3-5)特許法第29条第2項の規定について
(3-5-1)申立人・中西正幸の(3-1-2-1)の主張について
申立人・中西正幸は、本件出願の出願日は、平成13年4月2日又は平成10年4月13日であると主張している。確かに、「当該小入賞口には前記特別スイッチを望ませた特別入賞領域を非具備と」するという記載は、原出願の明細書、第1分割出願の明細書、第2分割出願の明細書、第3分割出願の明細書及び本件出願の当初明細書の何れにもないものと認められる。しかし、上記各明細書を仔細に検討しても、上記各明細書には、「当該小入賞口」が「前記特別スイッチを望ませた特別入賞領域を」「具備」していると認めるに足る記載もないから、上記記載が何のためにあるのかという若干の疑問は残るとしても、上記記載が有っても無くても実質的に変わりがないというべきであり、したがって、本件出願の出願日は、平成2年8月16日である。
そうすると、申立人・中西正幸が引用する甲第1及び2号証は、何れも、本件出願前に日本国内において頒布された刊行物ということができないから、上記(3-1-2-1)の主張は採用できない。
(3-5-2)申立人・河井清悦の(3-1-1-1)の主張について
(3-5-2-1)甲号各証に記載された発明
甲第1号証である特開平2-114979号公報(以下、引用例1という)には、
「始動入賞口に打球が入賞したときに閉と開とに変換可能な入賞装置20と、複数の始動入賞口とを備え、当該各始動入賞口のうち中央の始動入賞口9aについては打球が入賞すると前記入賞装置20が開へ2回変換され、左右の始動入賞口9b、9cについては打球が入賞すると前記入賞装置20が開へ1回変換される始動入賞口として構成したパチンコ機において、
前記入賞装置20には、V入賞検出スイッチ33を臨ませたV入賞口24を形成し、該V入賞口24への入賞を条件に入賞装置20が更に開に変換される機会を付与し、入賞装置20の下方には入賞装置20より狭い始動入賞口を並設し、当該始動入賞口には前記V入賞検出スイッチ33を臨ませたV入賞口24を非具備とし、
前記各始動入賞口のうち前記入賞装置20が開へ2回変換される始動入賞口として構成された中央の始動入賞口9aについてのみ、チューリップとしたパチンコ機」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
甲第2号証である特開平2-41186号公報(以下、引用例2という)には、
「所定条件が成立したときにチャッカーH閉とチャッカーH開とに変換可能なフィーバ部Iを備えたパチンコ機において、
前記フィーバ部Iには、更にチャッカーH開に変換される機会を付与し、フィーバ部Iの下方にはフィーバ部Iより狭いフィーバ部Jを並設し、
前記フィーバ部Jについて、所定条件が成立したときにチャッカーK閉とチャッカーK開とに変換可能な構成として、落下する打球がホールA、B、Cに打球が入ることに基づいて歩進する表示部Gに客が組合せ設定器CSで設定した数値が停止表示された場合にチャッカーK開となるように構成し、更に、当該フィーバ部Jはタイマによって一定時間だけチャッカーK開となった後にチャッカーK閉に戻されるパチンコ機」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
甲第3号証である特開昭63-234988号公報(以下、引用例3という)には、
「所定条件が成立したときに閉と開とに変換可能な複数の第1の入賞口521、第2入賞口531、第3の入賞口541を備えたパチンコ機において、
前記第2入賞口531の下方には第3の入賞口541、第1の入賞口521を並設し、
前記各第1の入賞口521、第2入賞口531、第3の入賞口541のうち最下方の第1の入賞口521について、所定条件が成立したときに閉と開とに変換可能な構成として、落下する打球が特定入賞口13で検出されたことに基づいて循環作動する可変表示装置31に奇数のゾロ目が停止表示された場合に開となるように構成し、更に、当該第1の入賞口521はタイマによって一定時間だけ開となった後に閉に戻されるパチンコ機」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
甲第4号証である特開平2-98379号公報(以下、引用例4という)には、
「所定条件が成立したときに閉鎖と開放とに変換可能な複数の第1中央入球口73,第2中央入球口79を備えたパチンコ機において、
前記第1中央入球口73の下方には第2中央入球口79を並設し、
前記各第2中央入球口79及び第1中央入球口73について、所定条件が成立したときに閉鎖と開放とに変換可能な構成として、落下する打球が第1通過口83及び第2通過口87で表示体作動スイッチ82及び表示体停止スイッチ86によって検出されたことに基づいて変動表示及び変動表示停止する第1図柄表示体66及び第2図柄表示体69に000,111,222,333,444,555,666,777,888,999及び3,7が停止表示された場合に開放となるように構成し、更に、第1中央入球口73はタイマによって一定時間だけ開放となった後に閉鎖に戻されるパチンコ機」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
(3-5-2-2)本件発明と引用例1〜引用例4に記載された各発明との対比及び判断
先ず、本件発明(前者)と引用例1に記載された発明(後者)とを対比すると、
後者の
「始動入賞口に打球が入賞した」、「閉」、「開」、「入賞装置20」、「始動入賞口」、「中央の始動入賞口9a」、「左右の始動入賞口9b、9c」、「V入賞検出スイッチ33」及び「V入賞口24」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「所定条件が成立した」、「遊技者に不利な第1状態」、「遊技者に有利な第2状態」、「大入賞口」、「小入賞口」、「所定の小入賞口」、「その他の小入賞口」、「特別スイッチ」及び「特別入賞領域」
に相当するものと認められるから、
両者は、
「所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な大入賞口と、複数の小入賞口とを備え、当該各小入賞口のうち所定の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ2回変換され、その他の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ1回変換される始動入賞口として構成したパチンコ機において、
前記大入賞口には、特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を形成し、該特別入賞領域への入賞を条件に大入賞口が更に第2状態に変換される機会を付与し、大入賞口の下方には大入賞口より狭い小入賞口を並設し、当該小入賞口には前記特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を非具備とし、
前記各小入賞口のうち前記大入賞口が第2状態へ2回変換される始動入賞口として構成された小入賞口についてのみに適用される構成を備えたパチンコ機」である、
点において一致し、
各小入賞口のうち大入賞口が第2状態へ2回変換される始動入賞口として構成された小入賞口についてのみに適用される構成が、
前者は、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成、すなわち、落下する打球が所定位置で検出器によって検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となり、タイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻される、というものである、
のに対し、
後者は、チューリップである、
点において相違するものと認められる。
次いで、この相違点の前者の構成が引用例2〜4に記載された各発明に存在するか否かについてみるに、
引用例2に記載された発明の
「チャッカーH閉」、「チャッカーH開」、「フィーバ部I」、「チャッカーK閉」、「チャッカーK開」、「ホールA、B、Cに打球が入る」、「歩進」、「表示部G」、「客が組合せ設定器CSで設定した数値」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「遊技者に不利な第1状態」、「遊技者に有利な第2状態」、「大入賞口」、「遊技者に不利な第1状態」、「遊技者に有利な第2状態」、「所定位置で検出器によって検出された」、「変動表示」、「変動表示手段」、「予め定めた図柄」
に相当するものと認められるから、
引用例2に記載された発明には、
「所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な大入賞口を備えたパチンコ機において、
前記大入賞口には、更に第2状態に変換される機会を付与し、大入賞口の下方には大入賞口より狭いフィーバ部Jを並設し、
フィーバ部Jについて、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が所定位置で検出器によって検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となるように構成し、更に、当該フィーバ部Jはタイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されるパチンコ機」という構成が、
また、
引用例3に記載された発明の
「閉」、「開」、「第1の入賞口521、第2入賞口531、第3の入賞口541」、「第2入賞口531」、「第3の入賞口541、第1の入賞口521」、「第1の入賞口521、第2入賞口531、第3の入賞口541」、「第1の入賞口521」、「特定入賞口13」、「循環作動」、「可変表示装置31」、「奇数のゾロ目」及び「第1の入賞口521」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「遊技者に不利な第1状態、第1状態」、「遊技者に有利な第2状態、第2状態」、「入賞口」、「入賞口」、「入賞口」、「入賞口」、「入賞口」、「所定位置」、「変動表示」、「変動表示手段」、「予め定めた図柄」及び「入賞口」
に相当するものと認められるから、
引用例3に記載された発明には、
「所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な複数の入賞口を備えたパチンコ機において、
入賞口の下方には入賞口を並設し、
前記各入賞口のうち最下方の入賞口について、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が所定位置で検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となるように構成し、更に、当該入賞口はタイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されるパチンコ機」という構成が、
また、
引用例4に記載された発明の
「閉鎖」、「開放」、「第1中央入球口73,第2中央入球口79」、「第1中央入球口73」、「第2中央入球口79」、「第2中央入球口79及び第1中央入球口73」、「第1通過口83及び第2通過口87」、「表示体作動スイッチ82及び表示体停止スイッチ86」、「第1図柄表示体66及び第2図柄表示体69」、「000,111,222,333,444,555,666,777,888,999及び3,7」及び「第1中央入球口73」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「遊技者に不利な第1状態、第1状態」、「遊技者に有利な第2状態、第2状態」、「入賞口」、「入賞口」、「入賞口」、「入賞口」、「所定位置」、「検出器」、「変動表示手段」、「予め定めた図柄」及び「入賞口」
に相当するものと認められるから、
引用例4に記載された発明には、
「所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な複数の入賞口を備えたパチンコ機において、
入賞口の下方には入賞口を並設し、
前記各入賞口について、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が所定位置で検出器によって検出されたことに基づいて変動表示及び変動表示停止する変動表示手段に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となるように構成し、更に、入賞口はタイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されるパチンコ機」という構成が、
それぞれ認められる。
そこで検討するに、上記相違点の前者の構成の内、「所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成、すなわち、落下する打球が所定位置で検出器によって検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となり、タイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻される」という構成自体は、引用例2〜4に記載された各発明に存在しているものと認められる。
そこでさらに、後者に、引用例2〜4に記載された各発明に存在している構成を適用し得るか否かについてみるに、後者において、引用例2〜4に記載された各発明に存在している構成が適用されるべき「入賞口」は、「各小入賞口のうち大入賞口が第2状態へ2回変換される始動入賞口として構成された小入賞口」であり、このような「入賞口」を持つパチンコ機は、いわゆる第2種遊技機、すなわち、いわゆるハネモノと呼ばれるタイプのパチンコ機であって、引用例2〜4に記載された各発明とはそもそもタイプが異なり、しかも、後者において、引用例2〜4に記載された各発明に存在している構成が適用されるべき「入賞口」は、「始動入賞口」として機能する「入賞口」であるのに、引用例2〜4に記載された各発明に存在している構成が適用される引用例2〜4に記載された各発明の「入賞口」は、「始動入賞口」としての機能を持たないから、当業者といえども、後者に、引用例2〜4に記載された各発明に備わっている構成を直ちに適用することはできないというべきである。
しかも、前者は、上記相違点の前者の構成によって、
特許明細書の段落【0037】に記載された「小入賞口が第2状態となる条件として、打球が検出器にて検出されて変動表示手段が変動表示されその結果が予め定めた図柄である場合としていることから、大入賞口に集中しがちな遊技者に対して小入賞口に注目させることができる」
という効果を奏するものと認められるから、
前者は、当業者が引用例1〜4に記載された各発明に基いて容易に発明をすることができたものであるということはできない。
したがって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないという上記(3-1-1-1)の主張は採用できない。
(3-6)特許法第29条の2の規定について
(3-6-1)申立人・中西正幸の上記(3-1-2-2)の主張について
(3-6-1-1)甲第3号証である特願平2-207613号(特開平4-92687号)(以下、先願明細書1という)に記載された発明
先願明細書1には、
「所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な変動入賞装置12と、可変入賞口13とを備えたパチンコ機において、
前記変動入賞装置12には、継続スイッチ30’を臨ませた継続入賞口30を形成し、該継続入賞口30への入賞を条件に変動入賞装置12が更に第2状態に変換される機会を付与し、変動入賞装置12の下方には変動入賞装置12より狭い可変入賞口13を並設し、
前記可変入賞口13について、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が特定入賞口11で第1始動スイッチ10によって検出されたことに基づいて可変表示する可変表示装置9に賞態様が成立しなかった場合に第2状態となるように構成し、更に、当該小入賞口は所定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されるパチンコ機」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
(3-6-1-2)対比及び判断
本件発明(前者)と先願明細書1に記載された発明(後者)とを対比すると、
前者の
「変動入賞装置12」、「可変入賞口13」、「継続スイッチ30’」、「継続入賞口30」、「特定入賞口11」、「第1始動スイッチ10」、「可変表示」、「可変表示装置9」、「賞態様が成立しなかった場合」及び「所定時間」
がそれぞれの機能に照らし、前者の
「大入賞口」、「小入賞口」、「特別スイッチ」、「特別入賞領域」、「所定位置」、「検出器」、「変動表示」、「変動表示手段」、「予め定めた図柄が停止表示された場合」及び「一定時間」
に相当するものと認められるから、
両者は、
「所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な大入賞口と、小入賞口とを備えたパチンコ機において、
前記大入賞口には、特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を形成し、該特別入賞領域への入賞を条件に大入賞口が更に第2状態に変換される機会を付与し、大入賞口の下方には大入賞口より狭い小入賞口を並設し、
前記小入賞口について、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が所定位置で検出器によって検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となるように構成し、更に、当該小入賞口は一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されるパチンコ機」である、
点において一致し、
前者においては、小入賞口が複数有り、各小入賞口のうち所定の小入賞口については打球が入賞すると大入賞口が第2状態へ2回変換され、その他の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ1回変換される始動入賞口として構成されており、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能なのが、各小入賞口のうち前記大入賞口が第2状態へ2回変換される始動入賞口として構成された小入賞口のみである、
のに対し、
後者においては、かかる構成が備わっていない、
点において相違するものと認められる。
要するに、この相違は、前者がいわゆる第2種遊技機であるのに、後者がそうではないというタイプの相違に基づくものであるから、前者が後者と同一であるなどとは到底いえない。
(3-6-2)上記(3-2)の取消理由について
(3-6-2-1)取消理由において引用された特願平2-209138号(特開平4-92688号)(以下、先願明細書2という)に記載された発明
先願明細書2には、
特に、
(ア)特開平4-92688号の公開公報第6頁右上欄第1〜5行の「所定時間内に打球が補助変動入賞装置12に入賞すると、第2始動スイッチ30がこの球を検出して特定入賞信号を発生して入賞記憶手段50に送るので、可変表示装置9の可変表示が開始され、別遊技を行うことができる」の記載、
(イ)同公開公報第7頁右上欄第18行〜左下欄第9行の「球が始動口に入賞することを条件として変動入賞装置の可動球受け部材が・・・遊技者にとって不利な第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に所定回数変換し、この第2状態に変換したときに球が特定の入賞口(V入賞口)に入賞すると特別遊技の権利が発生し、特別遊技では変動入賞装置が所定回数第1状態と第2状態とに変換し、球が特定の入賞口(V入賞口)に入賞することによってサイクルの更新が行われて特別遊技を継続できるような遊技内容のパチンコ機(所謂ハネモノタイプ)であってもよい」の記載、
(ウ)同公開公報第7頁左上欄第6〜11行の「変動入賞装置13を上に補助変動入賞装置12を下に配置し・・・てもよい」の記載、
(エ)同公開公報第7頁右下欄第19行〜第8頁右上欄第2行の「補助変動入賞装置12の作動開始条件は、遊技盤6に設けた特別な入賞口に入賞することを第1条件とし、この第1条件が成立することを前提として別個な遊技で第2条件が成立した場合に、補助変動入賞装置12を遊技者にとって有利な第2状態に変換するように構成してもよい。例えば・・・特別入賞口17に入賞した球を特別入賞検出器17’により検出し・・・補助可変表示装置73・・・の変換表示を開始し・・・上記補助可変表示装置73の変換表示を停止する。そして・・・賞態様が成立していると判別した場合・・・補助変動入賞装置12をタイマ62に設定した所定時間・・・だけ第1状態から第2状態に変換して球を入賞し易い状態とする」の記載、
からみて、
「所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な変動入賞装置13と、補助変動入賞装置12とを備え、当該補助変動入賞装置12について打球が入賞すると前記変動入賞装置13が第2状態へ所定回数変換される始動口として構成したパチンコ機において、
前記変動入賞装置13には、V入賞口を形成し、該V入賞口への入賞を条件に変動入賞装置13が更に第2状態に変換される機会を付与し、変動入賞装置13の下方には変動入賞装置13より狭い補助変動入賞装置12を並設し、
前記補助変動入賞装置12について、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が特別入賞口17で特別入賞検出器17’によって検出されたことに基づいて変換表示する補助可変表示装置73に賞態様が成立していると判別した場合に第2状態となるように構成し、更に、当該補助変動入賞装置12はタイマ62によって所定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されるパチンコ機」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
(3-6-2-2)対比及び判断
本件発明(前者)と先願明細書2に記載された発明(後者)とを対比すると、
前者の
「変動入賞装置13」、「補助変動入賞装置12」、「始動口」、「V入賞口」、「特別入賞口17」、「特別入賞検出器17’」、「変換表示」、「補助可変表示装置73」、「賞態様が成立していると判別した場合」及び「所定時間」
がそれぞれの機能に照らし、前者の
「大入賞口」、「小入賞口」、「始動入賞口」、「特別スイッチを臨ませた特別入賞領域、特別入賞領域」、「所定位置」、「検出器」、「変動表示」、「変動表示手段」、「予め定めた図柄が停止表示された場合」及び「一定時間」
に相当するものと認められるから、
両者は、
「所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な大入賞口と、小入賞口とを備え、当該小入賞口について打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へある回数変換される始動入賞口として構成したパチンコ機において、
前記大入賞口には、特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を形成し、該特別入賞領域への入賞を条件に大入賞口が更に第2状態に変換される機会を付与し、大入賞口の下方には大入賞口より狭い小入賞口を並設し、
前記小入賞口について、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が所定位置で検出器によって検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となるように構成し、更に、当該小入賞口はタイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されるパチンコ機」である、
点において一致し、
ア・前者が、小入賞口を複数備え、当該各小入賞口のうち所定の小入賞口については打球が入賞すると大入賞口が第2状態へ2回変換され、その他の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ1回変換される、
のに対し、
後者が、かかる構成を明らかにしていない、
イ・落下する打球が所定位置で検出器によって検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段に予め定めた図柄が停止表示された場合に遊技者に不利な第1状態となり、タイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻される小入賞口が、
前者は、各小入賞口のうち大入賞口が第2状態へ2回変換される始動入賞口として構成された小入賞口のみである、
のに対し、
後者は、この点が明らかではない、
点において相違するものと認められる。
そこで検討するに、小入賞口を複数有し、各小入賞口のうち所定の小入賞口については打球が入賞すると大入賞口が第2状態へ2回変換され、その他の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ1回変換される、いわゆるハネモノと呼ばれるパチンコ機は、従来周知であるから、やはりハネモノといえる後者において、上記相違点ア・の前者の構成を備えるように工夫することは、単なる設計事項にすぎないものと認められるものの、複数有る小入賞口の何れを、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成とするかという上記相違点イ・に関する構成は、例えば、複数の全てをその構成とする、1回変換されるものだけをその構成とする、2回変換されるものだけをその構成とする、というように、種々の選択の余地が残るから、上記相違点イ・の前者の構成が単なる設計事項にすぎないということはできず、したがって、両者が同一であるとはいえない。
(3-6-3)したがって、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないという上記(3-1-2-2)の主張及び(3-2)の取消理由は採用しない。
(3-7)まとめ
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠並びに取消理由及び証拠によっては、本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。
なお、申立人・河井清悦が提出した平成16年3月16日及び平成16年6月7日付けの各上申書をみたが、上記結論に影響を与えない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
パチンコ機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な大入賞口と、複数の小入賞口とを備え、当該各小入賞口のうち所定の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ2回変換され、その他の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ1回変換される始動入賞口として構成したパチンコ機において、
前記大入賞口には、特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を形成し、該特別入賞領域への入賞を条件に大入賞口が更に第2状態に変換される機会を付与し、大入賞口の下方には大入賞口より狭い小入賞口を並設し、当該小入賞口には前記特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を非具備とし、
前記各小入賞口のうち前記大入賞口が第2状態へ2回変換される始動入賞口として構成された小入賞口についてのみ、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が所定位置で検出器によって検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となるように構成し、更に、当該小入賞口はタイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されることを特徴とするパチンコ機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な大入賞口と小入賞口とを備えるパチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、始動入賞口と、該始動入賞口への打球の入賞に基づいて開閉部材を所定回数開閉する可変入賞装置と、その所定回数の開閉中に受け入れられた打球が可変入賞装置内に設けられる特定入賞口に入賞したときに大当り状態を発生させる大当り発生手段と、を備えたパチンコ機が多数市場に提供されていた。このようなパチンコ機にあっては、その大きさが変化しない入賞口として形成されていた。また、可変入賞装置の入賞態様の変化が乏しいものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、始動入賞口の上方に植立される障害釘の調整によって始動入賞口に打球が入り易いか否かが決定され、障害釘の調整の辛いものは、遊技者が遊技しないと言う問題があった。本発明は上記した問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、障害釘の調整に関係なく打球が始動入賞口に入賞する可能性があるパチンコ機を提供し、また、入賞態様に変化を与えるパチンコ機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、
所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な大入賞口と、複数の小入賞口とを備え、当該各小入賞口のうち所定の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ2回変換され、その他の小入賞口については打球が入賞すると前記大入賞口が第2状態へ1回変換される始動入賞口として構成したパチンコ機において、
前記大入賞口には、特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を形成し、該特別入賞領域への入賞を条件に大入賞口が更に第2状態に変換される機会を付与し、大入賞口の下方には大入賞口より狭い小入賞口を並設し、当該小入賞口には前記特別スイッチを臨ませた特別入賞領域を非具備とし、
前記各小入賞口のうち前記大入賞口が第2状態へ2回変換される始動入賞口として構成された小入賞口についてのみ、所定条件が成立したときに遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換可能な構成として、落下する打球が所定位置で検出器(実施例中、玉検出器17a,17bが対応する。)によって検出されたことに基づいて変動表示する変動表示手段(実施例中、変動表示器26に対応する)に予め定めた図柄が停止表示された場合に第2状態となるように構成し、更に、当該小入賞口はタイマによって一定時間だけ第2状態となった後に第1状態に戻されることを特徴とするものである。
【0005】
可変入賞装置において大入賞口と小入賞口とを上下に並設することによって入賞態様に変化を与えることができる。また、小入賞口は一定時間を越えて第2状態を維持することがないので、出玉が多くなり過ぎたり、小入賞口が第2状態を維持し続けることによる遊技の中断・中止が円滑に行われない等の不都合も回避し得る。
【0006】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。図1は、この発明の実施例が適用されるパチンコ機を示し、図1はパチンコ機の正面図である。図1において、パチンコ機1の前面枠2には、金枠3、ガラス扉枠4、前面板5等が取り付けられ、また前面枠2の裏面には遊技盤6が着脱自在に取り付けられている。
【0007】
遊技盤6には、打球を誘導するとともに遊技領域7を区画形成する誘導レール8がほぼ円状に植立されている。遊技領域7のほぼ中央には、この実施例の特徴である大入賞口たる可変入賞装置20が取着されている。なお、可変入賞装置20ついては後に詳述する。更に、遊技領域7には、その下方に始動入賞口9a〜9cが設けられている。この始動入賞口9a〜9cのうち中央の始動入賞口9aは、電気的駆動源であるチューリップソレノイド16によって開閉制御される小入賞口たる電動始動入賞口となっており、その翼片部分に動作ランプが内蔵されている。
【0008】
また、他の始動入賞口9b,9cの下方部分にも動作ランプが内蔵されている。そして、この動作ランプは、打球が当該始動入賞口に入賞したことを遊技客に知らせている。なお、中央の始動入賞口9aに打球が入賞すると後述する可変入賞装置20の開閉翼片23a,23bが短い時間間隔で2回開閉動作をし、左右の始動入賞口9b,9cに打球が入賞すると開閉翼片23a,23bが1回開閉動作するようになっている。そして、この打球の入賞を検出するために始動入賞検出スイッチ31a〜31c(図3参照)が内蔵されている。
【0009】
更に、遊技領域7には、打球の入賞を通常の入賞とする入賞口10a,10b,11a,11bや、遊技後述する特別遊技状態となったときに点灯、あるいは点滅してその旨を報知する大当りランプ12a,12b等がそれぞれ設けられ、遊技領域7の下方には各種入賞口に入賞しなかった打球を回収するアウト口18が設けられている。前記入賞口のうち可変入賞装置20の左右に設けられる入賞口10a,10bには、入賞した打球を検出する玉検出器17a,17bが内蔵されている。この玉検出器17a,17bがONすると後述する回数表示器を兼用する変動表示器26が変動開始する。
【0010】
そして、その変動表示器26の停止時の図柄が予め定めた図柄(例えば、数字の「7」)と一致した場合には、後に詳述するように前記チューリップソレノイド16を所定の態様で駆動する。また、遊技領域7の下部左右に設けられる入賞口11a,11bには、その内部に動作ランプを内蔵しており、特別遊技状態となったときや、通常遊技状態において点滅駆動されている。もちろん、この場合、特別遊技状態と通常遊技状態とでは、その点滅態様が異なるように設定されている。
【0011】
前記前面板5の表面には、払出された景品玉を貯留し、かつ発射位置に打球を供給する上皿13が固着され、該上皿13の下方の前面枠2の前面には、打球の弾発力を調節する操作ハンドル14や上皿13に貯留しきれなかった景品玉を貯留する下皿15が取り付けられている。
【0012】
次に、図2に基づいて、可変入賞装置20の構造について説明する。図2は可変入賞装置20の正面図である。図2において、可変入賞装置20は、前記遊技盤6に取り付けられる取付板21を有し、該取付板21には、縦長の窓開口22が形成されている。この窓開口22の中央左右には、一対の開閉部材23a,23bが開閉自在に取り付けられている。この開閉部材23a,23bは、ソレノイド34(図3参照)によって開閉駆動されるようになっており、ソレノイド34が励磁されると、開閉部材23a,23bは開状態となり、消磁されると閉状態となる。
【0013】
なお、この実施例の場合、開閉部材23a,23bは短い時間間隔、例えば、始動入賞口9a〜9cへ打球が入賞した場合には約0.5秒間隔で開閉制御され、後述するV入賞口24へ入賞した場合には約0.75秒間隔で開閉制御される。前記窓開口22の下方部分には、複数の入賞口が形成され、中央が特定入賞口としてのV入賞口24とされ、両側が通常入賞口25a,25bとされる。そして、前記V入賞口24によって本発明の特別入賞領域が構成されている。
【0014】
そして、前記始動入賞口9a〜9cへの入賞による開閉部材23a,23bの開閉動作によって誘導された入賞玉がV入賞口24へ入賞することにより大当り状態となり、前記開閉部材23a,23bが18回の開閉動作を行うか、又は10個の入賞玉が入賞するまで開閉動作を連続する。また、この開閉動作の途中で再度V入賞口24に入賞があると、その開閉動作を直ちに停止して、最初から上記した18回又は10個の開閉動作を繰り返す。
【0015】
このような、繰り返し回数は、最高16回に設定されている。また、前記V入賞口24には、入賞を検出するためのV入賞検出スイッチ33(図3参照)が設けられ、更に、V入賞口24及び通常入賞口25a,25bに入賞したすべての入賞玉を検出する10カウント検出スイッチ32(図3参照)が変動入賞装置20の裏面に設けられている。そして、前記V入賞検出スイッチ33によって本発明の特別スイッチが構成されている。
【0016】
また、前記窓開口22の上部左右に、回数表示器26及びカウント表示器27が配置されている。このうち、回数表示器26は、大当り状態中において前記開閉動作の繰り返し回数を表示するものであると共に、前記玉検出器17a,17bのON信号に基づいて変動表示する変動表示器としての機能を有している。しかして、変動開始後一定時間経過したときには、その変動表示を停止する。そして、変動停止時に表示される図柄が予め定めた図柄と一致した場合には、前記チューリップソレノイドを所定の態様で駆動する。
【0017】
カウント表示器27は、大当り状態中において1回の開閉動作中に入賞した入賞玉数を表示するものである。そして、通常遊技状態中においても、デモンストレーション用に表示駆動されるものである。なお、図示の実施例においては、回数表示器26及びカウント表示器27は、7セグメントLEDで構成されている。このため、本実施例においては、回数表示器26が変動表示器として使用されたときに、「0」〜「9」までの図柄を変動し、そのうちの「7」が当り図柄と設定されている。
【0018】
更に、可変入賞装置20の取付基板21の左右両側には、大当り状態となったときや、通常遊技状態において点滅駆動されるLEDランプ(発光ダイオード)28,29が設けられている。もちろん、この場合、大当り状態と通常遊技状態とでは、その点滅態様が異なるように設定されている。同様に、前記窓開口22の内部には、動作ランプ30が設けられており、これも大当り状態や通常遊技状態で点滅駆動されるようになっている。
【0019】
上記した可変入賞装置20を駆動する制御回路は、図3に示すように構成される。すなわち、制御中枢としてのマイクロコンピュータ40には、外部ROM41、外部RAM42が接続されている。外部ROM41には、処理手順を示したプログラムデータが格納され、外部RAM42には、必要なデータの書き込み、呼出しが行われるようになっている。
【0020】
前記始動入賞検出スイッチ31a〜31c、10カウント検出スイッチ32、V入賞検出スイッチ33、及び玉検出器17a,17bは、チャタリングを防止するためのフリップフロップからなる波形整形回路43を介してマイクロコンピュータ40に接続されている。
【0021】
クロック発生回路45は、分周回路44を介して外部割込み信号をマイクロコンピュータ40のINT端子に出力している。そして、その外部割込み信号に同期してマイクロコンピュータ40は、外部ROM41に格納されているメインプログラムを実行する。
【0022】
また、電源回路47に電源が給電されるとリセット信号発生回路46からリセット信号がマイクロコンピュータ40に出力され、そのリセット信号により初期プログラムが起動される。また、必要に応じて起動スイッチ51をONすると、リセット信号発生回路46からリセット信号が出力され、同様にそのリセット信号により初期プログラムが起動される。
【0023】
マイクロコンピュータ40の各出力ポートには、表示器駆動回路48、表示器選択回路49、ドライバ50が接続されている。表示器駆動回路48、表示器選択回路49には、前記した回数表示器26、LEDランプ28,29、カウント表示器27が接続されている。それらの表示器は、マイクロコンピュータ40からの選択データと、表示データとを定周期で出力することにより、ダイナミック駆動される。ドライバ50は、マイクロコンピュータ40からの信号に応じて、チューリップソレノイド16、ソレノイド34を駆動し、大当りランプ12a,12b、動作ランプ30の点灯、あるいは点滅動作を制御する。
【0024】
上記した制御回路によって制御される動作のうち、変動表示器26の変動表示の処理手順を示した変動表示サブルーチンと、該変動表示サブルーチンによって当りと判断されたときに駆動されるチューリップソレノイド16の駆動の処理手順を示したチューリップソレノイド駆動サブルーチンとを図4及び図5を参照して説明する。
【0025】
まず、図4によって変動表示サブルーチンを説明する。入賞口10a,10bのいずれかに打球が入賞した場合の動作において、変動表示器26や電動始動入賞口9aが作動中でないときには、ステップS10において玉検出器17a,17bいずれかがONしたと判断され、ステップS30で玉検出カウンタの値にC=1が設定される。そして、ステップS70で変動時間であるタイマTがセットされると共に変動が開始される。
【0026】
タイマTがタイムアップするまでは、ステップS80-ステップS10-ステップS40-ステップS80を繰り返す。しかして、タイマTがタイムアップしたときには、ステップS90において変動が停止されると共に玉検出カウンタの値から「1」が減算される(玉検出カウンタのクリアと同じ)。そして、ステップS100で停止時の図柄が予め定めた図柄と一致しているか否か判断される。一致している場合には、当りフラグがセットされてサブルーチンを終了する。
【0027】
変動表示器26が変動中であるときには、ステップS90で変動停止後でないと玉検出カウンタの値がクリアされないので、ステップS20において常に玉検出カウンタの値がC=1と判断されて玉検出器17a,17bのONは、無効とされる。
【0028】
また、チューリップソレノイド16が作動中であるときには、ステップS30の処理が実行されるがステップS50の判断によって変動表示が行われない。しかし、チューリップソレノイド16の作動が終了した場合には、ステップS60によってC=1と判断されて変動表示が行われることになる。なお、チューリップソレノイド16が作動中に玉検出器17a,17bがONしても、そのONを無効とするようにしてもよい。
【0029】
次に、上記したサブルーチンで当りフラグがセットされた場合に駆動されるチューリップソレノイドの駆動サブルーチンについて図5を参照して説明する。チューリップソレノイド16の励磁時間を設定するタイマt1(例えば、1秒)がステップS150においてセットされる。そして、そのタイマt1がタイムアップするまでステップS200においてチューリップソレノイド16がONされる。
【0030】
しかして、タイマt1がタイムアップすると、図示しないが電動始動入賞口9aの開閉回数を計数する開閉回数カウンタが更新(D=D+1)され、その後、ステップS180においてチューリップソレノイド16の非励磁時間を設定するタイマt2(例えば、4秒)がセットされる。タイマt2がセットされると、ステップS120でタイマt2がタイムアップしたと判断されるまでステップS190でチューリップソレノイド16がOFFとされる。
【0031】
タイマt2がタイムアップしたときには、ステップS130で電動始動入賞口9aの開閉回数カウンタの値が「6」以下であるか否かが判断され、「6」以下であれば、再度上記したタイマt1の励磁とタイマt2の非励磁とを繰り返す。また、電動始動入賞口9aの開閉回数カウンタの値が「6」になった場合は、図示省略するが、当りフラグをクリアしてチューリップソレノイドの駆動処理を終了する。
【0032】
つまり、本実施例においては、電動始動入賞口9aを間欠的に開閉する。これは、電動始動入賞口9aが開放したときに入賞した打球によって可変入賞装置20の開閉部材23a,23bが開閉し、その開閉中に受け入れられた打球がV入賞口24に到達するまでのある程度時間がかかるため、その時間の間は、電動始動入賞口9aを開放しなくてもよいからである。
【0033】
また、1回しか電動始動入賞口9aを開放しない場合には、その1回の開放で打球が電動始動入賞口9aに入賞しないおそれもあるため、所定回数開放するようにしたものである。もちろん、この場合、電動始動入賞口9aを連続して一定時間だけ開放するようにしてもよい。
【0034】
以上、実施例について説明してきたが、上記実施例では、変動表示器として回数表示器26を兼用して使用したため、余分に変動表示器を設ける必要がなく、経済的であるという利点がある。また、変動表示器としてカウント表示器27も使用し、2つの表示器26、27で変動表示器を構成しても良い。また、変動表示器として可変入賞装置20に設けられる表示器を兼用することなく、専用の表示器を設けてもよい。この場合においても、その専用の変動表示器の数は、1つでも、複数でもよい。
【0035】
また、上記した動作説明では、変動表示中等に玉検出器17a,17bの検出信号が記憶されないものを示したが、所定個数(例えば、4個)まで記憶できるようにしてもよい。また、玉検出器17a,17bを内蔵する入賞口10a,10bの数も取付位置も任意に設定すればよい。
【0036】
なお、本発明においては、可変入賞装置20に設けられるV入賞口24に打球が入賞したときに大当りとなる形式のパチンコ機(いわゆるヒコーキタイプ)について説明しているが、同様な技術的思想を図柄表示装置に表示される図柄の組合せによって大当り状態となる形式のパチンコ機(いわゆるデジタルタイプ)に応用しても良い。この場合には、図柄表示装置を変動開始するための始動入賞口のうち少なくとも1つを電動始動入賞口とすればよい。
【0037】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、可変入賞装置として大入賞口と小入賞口とを上下に並設することによって、入賞態様に変化を与えることができる。また、小入賞口といえども、大入賞口を第2状態に2回変換させる小入賞口については、第1状態と第2状態とに変換可能であるため、大入賞口への入賞機会の多い小入賞口に対する入賞の期待感を損なうことはなく、一方、小入賞口は一定時間を越えて第2状態を維持することがないので、出玉が多くなり過ぎたり、小入賞口が第2状態を維持し続けることによる遊技の中断・中止が円滑に行われない等の不都合も回避し得る。さらに、小入賞口が第2状態となる条件として、打球が検出器にて検出されて変動表示手段が変動表示されその結果が予め定めた図柄である場合としていることから、大入賞口に集中しがちな遊技者に対して小入賞口に注目させることができる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機に設けられる可変入賞装置の正面図である。
【図3】パチンコ機の遊技動作を制御する制御回路のブロック図である。
【図4】図3に示す制御回路によって制御される動作のうち変動表示器の動作と電動始動入賞口の動作を示すフローチャートである。
【図5】図3に示す制御回路によって制御される動作のうち変動表示器の動作と電動始動入賞口の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・パチンコ機
9a・・電動始動入賞口(小入賞口)
9b,9c・・始動入賞口
16・・チューリップソレノイド
17a,17b・・玉検出器
20・・変動入賞装置(大入賞口)
23a,23b・・開閉部材
24・・V入賞口(特別入賞領域)
26・・回数表示器(変動表示器)
33・・V入賞検出スイッチ33(特別スイッチ)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-07-13 
出願番号 特願平10-117801
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A63F)
P 1 651・ 161- YA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 鉄 豊郎
國分 直樹
登録日 2002-07-26 
登録番号 特許第3331961号(P3331961)
権利者 株式会社三洋物産
発明の名称 パチンコ機  
代理人 川口 光男  
代理人 山田 強  
代理人 山田 強  
代理人 川口 光男  

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