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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1104490
異議申立番号 異議2003-73109  
総通号数 59 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-08-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-15 
確定日 2004-09-13 
異議申立件数
事件の表示 特許第3441142号「半導体ウェーハーの研磨方法」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3441142号の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 1.本件発明
特許第3441142号の請求項1,2に係る発明(以下、「本件発明1,2」という。)は、特許請求の範囲の請求項1,2に記載されたとおりのものである。

2.申立ての理由の概要
特許異議申立人稲葉佳子は、本件発明1,2が、甲第1号証(特開平4-65314号公報)及び甲第2号証(特開平4-313224号公報)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができるものであるから、本件発明1,2に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第1項第2号の規定により取り消されるべきものである旨、主張している。

3.対比・判断
本件発明1,2と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、本件発明1,2は共に、「電子顕微鏡写真の画像解析により求められる7〜1000nmの長径と0.3〜0.8の短径/長径比を有するコロイダルシリカ粒子の数が全粒子中50%以上を占める」という構成を有しているのに対し、甲第1号証に記載された発明はこの構成を有していない点において、両者は相違していると認められる。
そして、上記構成は、甲第2号証にも記載されておらず、示唆もされていない。
本件発明1,2は上記構成を有することにより、設定登録時の明細書段落【0036】記載の「単位時間当たりの研磨量が著しく増加し、研磨された半導体ウェーハーの生産能率を顕著に高めることができる。」という効果を奏するものである。
したがって、本件発明1,2が、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

なお、特許異議申立人は「甲第1号証には、細長い形状のシリカ粒子よりなる安定なコロイダルシリカゾルが記載されており、このシリカ粒子は、電子顕微鏡観察による写真から計算すると、長径が約61ミリミクロンまたは81ミリミクロン、長径/短径比(当審註:短径/長径比)が0.45〜0.55程度である。」(異議申立書第6ページ第24〜27行)旨、主張している。
しかしながら、同写真には、甲第1号証の「このゾルの電子顕微鏡観察によるコロイダルシリカはほぼ40ミリミクロンの一様な太さで一平面内のみの伸長を有する細長い形状のものであった。また、このゾルのD1は194ミリミクロン、D2は44.0ミリミクロンであり、D1/D2比は4.4と算出される。このゾルのコロイダルシリカの粒子構造を示す電子顕微鏡写真は図面第1図に示されている。」(第7ページ右下欄第15行〜第8ページ左上欄第2行)との記載より、一様な太さで細長い形状のコロイダルシリカであることが示されているとは認められるものの、その短径に対する長径の比が明らかではなく、短径/長径比が0.45〜0.55程度のものが示されているとすることはできない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては本件の請求項1,2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件の請求項1,2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件の請求項1,2に係る特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものではない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2004-08-24 
出願番号 特願平6-12869
審決分類 P 1 651・ 121- Y (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 充  
特許庁審判長 宮崎 侑久
特許庁審判官 豊原 邦雄
神崎 孝之
登録日 2003-06-20 
登録番号 特許第3441142号(P3441142)
権利者 日産化学工業株式会社
発明の名称 半導体ウェーハーの研磨方法  

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