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審決分類 審判 訂正 判示事項別分類コード:83 訂正する H01L
管理番号 1105029
審判番号 訂正2004-39169  
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1988-07-21 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2004-07-20 
確定日 2004-09-09 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2548164号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2548164号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 [1]審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、本件特許第2548164号(昭和62年1月19日出願、平成8年8月8日設定登録)の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものである。

[2]訂正の内容
訂正の内容は、次のとおりである。
訂正事項(1)
本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項4の
「真空容器内にガスを供給し、真空容器内を排気手段にて一定圧力に保ち板状電極と被エッチング物載置用電極の間に高周波電力を印加し、ガスをグロー放電させる手段により、ガスプラズマを発生させ、被エッチング物を除去加工するドライエッチング方法において、前記被エッチング物載置用電極が被エッチング物より小さく、かつ被エッチング物載置用電極の周囲にバルクの絶縁物が配置されたことを特徴とするドライエッチング方法。」との記載を、
「真空容器内にガスを供給し、真空容器内を排気手段にて一定圧力に保ち板状電極と被エッチング物載置用電極の間に高周波電力を印加し、ガスをグロー放電させる手段により、ガスプラズマを発生させ、被エッチング物を除去加工するドライエッチング方法において、前記被エッチング物載置用電極が被エッチング物より小さく、かつ被エッチング物載置用電極の側方の全周囲にバルクの絶縁物が配置されたことを特徴とするドライエッチング方法。」
と訂正する。
訂正事項(2)
本件特許明細書第5頁11〜15行(本件特許掲載公報(以下、「本件公報」という)第3欄46〜49行参照)の
「また、本発明の第2の発明は、被エッチング物載置用電極が被エッチング物より小さく、被エッチング物載置用電極が直接プラズマにさらされないという構成を備えたものである。」
との記載を、
「また、本発明の第2の発明は、被エッチング物載置用電極が被エッチング物より小さく、かつ被エッチング物載置用電極の側方の全周囲にバルクの絶縁物が配置されたことで、被エッチング物載置用電極が直接プラズマにさらされないという構成を備えたものである。」
と訂正する。
訂正事項(3)
特許明細書第6頁第1〜5行(本件公報第4欄4〜8行参照)の「あるいは、被エッチング物載置用電極を被エッチング物より小さくすることにより、被エッチング物載置用電極が直接プラズマにさらされることがなくなり、局部的グロー放電を防止することができる。」という記載を、「あるいは、被エッチング物載置用電極を被エッチング物より小さく、かつ被エッチング物載置用電極の側方の全周囲にバルクの絶縁物が配置されたことで、被エッチング物載置用電極が直接プラズマにさらされることがなくなり、局部的グロー放電を防止することができる。」と訂正する。
なお、審判請求書第3頁11〜12行の「・・ことにより、・・」との記載は、訂正明細書第3頁10行の「・・ことで、・・」との記載の誤記と認められるので、訂正事項(3)は、上記のとおりのものとして認定した。

[3]当審の判断
訂正の可否について、以下に検討する。
1.訂正の目的の適否
訂正事項(1)は、バルクの絶縁物が配置される位置を、被エッチング物載置用電極の『周囲』から、『側方の全周囲』へと、より限定して定めたものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項(2)、(3)は、発明の詳細な説明に、「被エッチング物載置用電極の側方の全周囲にバルクの絶縁物が配置されたこと」を追加して記載したものであるが、何れも、訂正事項(1)に整合させて、本件特許明細書の記載を訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

2.新規事項の有無、拡張・変更の存否
訂正事項(1)は、バルクの絶縁物が配置される位置を、被エッチング物載置用電極の『周囲』から、『側方の全周囲』へと、より限定して定めたものであるところ、本件特許明細書中には、バルクの絶縁物が配置される位置を、被エッチング物載置用電極の『側方の全周囲』とする点についての直接的な記載はない。
しかしながら、本件特許明細書中には、バルクの絶縁物の配置について、「第2図において・・・9bはアースされた板状電極、8bは被エッチング物載置用電極3bの側面をプラズマから保護するためのバルクの絶縁物であり、・・・本実施例の特徴は、被エッチング物載置用電極を被エッチング物より小さくし、被エッチング物載置用電極が直接プラズマにさらされないような構成にすることにより、被エッチング物載置用電極のエッジ部における局部的グロー放電を防止することができるようにした点にある。」(本件特許明細書第7頁6〜18行。本件特許公報第4欄26〜37行参照)と記載され、また、図面第2図には、被エッチング物4bを載置した被エッチング物載置用電極3bの側方に、バルクの絶縁物8bが配置された状態が図示されている。
そして、上記「8bは被エッチング物載置用電極3bの側面をプラズマから保護するためのバルクの絶縁物」、「被エッチング物載置用電極が直接プラズマにさらされないような構成にする」との記載によれば、バルクの絶縁物8bは、被エッチング物載置用電極3bの側面が直接プラズマにさらされることがないように、また、該側面がプラズマから保護されるように配置されているのであり、さらに、バルクの縁物8bの具体的な配置を示す図面第2図によれば、被エッチング物載置用電極3bの側方に、バルクの絶縁物8bが配置されているのであるから、本件特許明細書の上記記載及び図面第2図の記載を相併せ考慮すれば、バルクの絶縁物は、被エッチング物載置用電極の『側方の全周囲』に配置されているものと当業者は当然に理解するといえる。
そうすると、本件特許明細書中に直接的な記載がないとしても、バルクの絶縁物が配置される位置を、被エッチング物載置用電極の『側方の全周囲』とする訂正事項(1)は、本件特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであると認められる。
また、訂正事項(2)、(3)は、発明の詳細な説明に、「被エッチング物載置用電極の側方の全周囲にバルクの絶縁物が配置されたこと」を追加して記載したものであるところ、訂正事項(1)について述べたと同様な理由により、被エッチング物載置用電極の『側方の全周囲』にバルクの絶縁物を配置することは、本件特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであると認められる。
そして、訂正事項(1)〜(3)の何れも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

3.独立特許要件について
訂正明細書の特許請求の範囲の請求項4に記載されている事項により構成される発明は、以下のとおりである。
「【請求項4】真空容器内にガスを供給し、真空容器内を排気手段にて一定圧力に保ち板状電極と被エッチング物載置用電極の間に高周波電力を印加し、ガスをグロー放電させる手段により、ガスプラズマを発生させ、被エッチング物を除去加工するドライエッチング方法において、前記被エッチング物載置用電極が被エッチング物より小さく、かつ被エッチング物載置用電極の側方の全周囲にバルクの絶縁物が配置されたことを特徴とするドライエッチング方法。」
そして、訂正後における特許請求の範囲の請求項4に記載されている事項により構成される上記発明については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。

[4]むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項乃至第3項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。

 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ドライエッチング方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】真空容器内にガスを供給し、真空容器内を排気手段を用いて一定圧力に保ち、板状電極と被エッチング物載置用電極の間に高周波電力を印加し、ガスをグロー放電させる手段により、ガスプラズマを発生させ、被エッチング物を除去加工するドライエッチング方法において、前記被エッチング物載置用電極の全エッジ部がバルクの絶縁物でおおわれていることを特徴とするドライエッチング方法。
【請求項2】バルクの絶縁物が金属酸化物であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のドライエッチング方法。
【請求項3】バルクの絶縁物が有機物であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のドライエッチング方法。
【請求項4】真空容器内にガスを供給し、真空容器内を排気手段にて一定圧力に保ち板状電極と被エッチング物載置用電極の間に高周波電力を印加し、ガスをグロー放電させる手段により、ガスプラズマを発生させ、被エッチング物を除去加工するドライエッチング方法において、前記被エッチング物載置用電極が被エッチング物より小さく、かつ被エッチング物載置用電極の側方の全周囲にバルクの絶縁物が配置されたことを特徴とするドライエッチング方法。
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は半導体デバイス等の電子部品構造に使用されるドライエッチング方法に関するものである。
従来の技術
近年、ドライエッチング装置は被エッチング物の大口径化,大型化とエッチング速度の均一性向上のため、多数個同時処理のバッチ処理方式から一個づつ処理する枚葉処理方式へと移行しつつある。しかし枚葉処理方式では処理能力を向上させるため、エッチング速度を増大させる必要があり、必然的に電極に供給する高周波電力密度(高周波電力/電極面積)を増加させなければならない。
以下図面を参照しながら、上述した従来のドラソエッチング装置の電極構造の一例について説明する。
第3図は従来のドライエッチング装置の電極構造を示すものである。第3図において、1は真空容器、2は絶縁物、3は被エッチング物載置用電極、4は被エッチング物、5はグロー放電させる手段としての高周波電源である。6はガスを導入する手段(図示せず)と接続されるガス供給孔、7は排気手段(図示せず)と接続される排気孔、9はアースされた極状電極である。
以上のように構成されたドライエッチング装置について、以下その動作について説明する。まず、真空容器1内を排気手段により1mTorr以下に排気した後、ガス供給手段より被エッチング物に応じたガスを一定流量導入しながら一定圧力に保つ。その後、高周波電源5より電力を供給し、グロー放電させプラズマを発生させる。そのプラズマ中のイオンやラジカルにより被エッチング物を除去加工する。
発明が解決しようとする問題点
しかしながら上記のような構成では、グロー放電させたプラズマ発生中に被エッチング物載置用電極3のエッジ部に放電が集中するのでプラズマ密度に不均一性を生じたり、時にはグロー放電が局部的に発生する。又、被エッチング物載置用電極3の表面を金属酸化物等でおおった場合にも前記理由と被エッチング物載置用電極3のエッジ部の金属酸化物等が薄くなったり、ピンホールが発生しやすいので、金属酸化物等がはがれたり、グロー放電がピンホール部分で局部的に発生する。その結果、ドライエッチング速度の均一性が悪くなったり、マスク材料であるレジスト材料が変質するという問題点を有していた。
本発明は上記問題点に鑑み、被エッチング物載置用電極3のエッジ部における局部的グロー放電を防止し、エッチング速度の均一性が良く、レジスト材料の変質を起さないドライエッチング方法を提供するものである。
問題点を解決するための手段
上記問題点を解決するために本発明の第1の発明のドライエッチング方法は被エッチング物載置用電極のエッジ部がバルクの絶縁物でおおわれているという構成を備えたものである。また、本発明の第2の発明は、被エッチング物載置用電極が被エッチング物より小さく、かつ被エッチング物載置用電極の側方の全周囲にバルクの絶縁物が配置されたことで、被エッチング物載置用電極が直接プラズマにさらされないという構成を備えたものである。
作用
本発明は上記した構成によって、被エッチング物載置用電極をバルクの絶縁物でおおうことにより、従来の絶縁膜では発生していたピンホールによる局部的グロー放電を防止することができる。あるいは、被エッチング物載置用電極を被エッチング物より小さく、かつ被エッチング物載置用電極の側方の全周囲にバルクの絶縁物が配置されたことで、被エッチング物載置用電極が直接プラズマにさらされることがなくなり、局部的グロー放電を防止することができる。以上の結果により、エッチング速度の均一性を向上すると共にレジスト変質を防止することができる。
実施例
以下本発明の一実施例のドライエッチング方法について、図面を参照しながら説明する。
第1図は本発明の第1の実施例におけるドライエッチング装置の電極構造を示すものである。第1図において、1a〜7aは第3図の1〜7と同一名称である。9aはアースされた板状電極、8aはバルクの絶縁物であり、ポリ四弗化エチレンを用いた。以上のように構成されたドライエッチング装置の基本的な動作は上記の従来例の説明で述べた通りであるが、被エッチング物載置用電極3aのエッジ部をバルクの絶縁物でおおうことによって同エッジ部における局部的グロー放電を防止することができるようにした点に本実施例の特徴がある。
以下本発明の第2の実施例について図面を参照しながら説明する。第2図は本発明の第2の実施例を示すドライエッチング装置の電極構造を示すものである。第2図において1b〜7bは第1図の1〜7と同一名称である。9bはアースされた板状電極、8bは被エッチング物載置用電極3bの側面をプラズマから保護するためのバルクの絶縁物であり、ポリ四弗化エチレンを用いた。以上のように構成されたドライエッチング装置の基本的な動作は上記の従来例の説明で述べた通りである。本実施例の特徴は、被エッチング物載置用電極を被エッチング物より小さくし、被エッチング物載置用電極が直接プラズマにさらされないような構成にすることにより、被エッチング物載置用電極のエッジ部における局部的グロー放電を防止することができるようにした点にある。
上記第1,第2の実施例については、いずれも被エッチング物載置用電極のエッジ部における局部的グロー放電が完全に防止されることが、実験的に確認されている。
なお、第1,第2の実施例において、バルクの絶縁物8a,8bは四弗化エチレンの有機物としたが、バルクの絶縁物8a,8bはAl2O3,SiO2などの金属酸化物としても同様の結果が得られた。
発明の効果
以上のように本発明はドライエッチング装置の被エッチング物載置用電極のエッジ部をバルクの絶縁物でおおうかあるいは、被エッチング物載置用電極を被エッチング物より小さくし、被エッチング物載置用電極が直接プラズマにさらされないようにすることにより、被エッチング物載置用電極のエッジ部における局部的グロー放電を防止し、エッチング速度の均一性向上を図ると共に、レジストの変質を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例におけるドライエッチング装置の電極構造を示す外略図、第2図は本発明の第2の実施例におけるドライエッチング装置の電極構造を示す外略図、第3図は従来のドライエッチング装置の電極構造を示す外略図である。
1a,1b……真空容器、3a,3b……被エッチング物載置用電極、4a,4b……被エッチング物、5a,5b……高周波電源、8a,8b……バルクの絶縁物、9a,9b……板状電極。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2004-08-30 
出願番号 特願昭62-9330
審決分類 P 1 41・ 83- Y (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮崎 園子  
特許庁審判長 影山 秀一
特許庁審判官 日比野 隆治
市川 裕司
登録日 1996-08-08 
登録番号 特許第2548164号(P2548164)
発明の名称 ドライエッチング方法  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 岩橋 文雄  
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