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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 B63B |
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管理番号 | 1107876 |
異議申立番号 | 異議2003-72306 |
総通号数 | 61 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-03-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-09-17 |
確定日 | 2004-09-29 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3386855号「2本の同心的に配置された二重反転プロペラシャフトを備えた船舶に対するプロペラ伝動機構のシール装置」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第3386855号の請求項1〜7に係る発明についての出願は、平成5年7月5日(パリ条約による優先権主張:平成4年7月9日、独国)に特許出願され、平成15年1月10日にその特許権の設定登録(請求項の数:7)がされた。 これに対して、表記の異議申立人より請求項1に係る発明の特許について特許異議の申立てがあったので当審において審理の上、特許取消の理由を通知したところ、その指定期間内に訂正請求書が提出されたものである。 2.訂正の適否について (1)訂正の内容 (訂正事項a) 本件特許第3386855号の明細書(以下、特許明細書という)における訂正前の特許請求の範囲の請求項1を削除すると共に、請求項2を独立形式請求項(新請求項1)とし、請求項3〜7を新請求項1の引用形式請求項(新請求項2〜6)として、次の通り訂正する(訂正箇所に下線を付す)。 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 2本の同心的に配置された二重反転プロペラシャフトと、前記2本のプロペラシャフトのうちの外側シャフトに対するパッキンまたは前記2本のプロペラシャフトのうちの内側シャフトに対するパッキンとを備えており、前記内側シャフトに対するパッキンおよび前記外側シャフトに対するパッキンは、リップパッキンとして形成され、シャフト伝動管または前記外側シャフトに水漏れしないように結合された船舶に対するプロペラ伝動機構のシール装置において、 前記内側シャフト8の周囲にハウジングリング11が配置され、前記ハウジングリング11は支持リング12によって支持され、前記支持リング12は前記ハウジングリング11と同心的に配置されると共に前記ハウジングリング11から半径方向に間隔をあけて配置され、かつ前記外側シャフト2に固定され、前記内側シャフトに対するパッキン6は前記ハウジングリング11によって支持され、前記支持リング12および前記ハウジングリング11の間の間隙中には、前記支持リング12と前記ハウジングリング11を水漏れしないように結合する、弾性を有する環状壁13、14が配置され、前記ハウジングリング11は、ハウジングリング部分11.1〜11.4のブロックからなり、前記環状壁13、14は、一端部を隣接する前記ハウジング部分11.1、11.2の間または前記ハウジングリング11に隣接して配置された挟持リング15と前記ハウジングリング11との間に挟持され、他端部を前記支持リング12と前記支持リングに隣接して配置された挟持リング19.1、19.2との間に挟持されていることを特徴とするシール装置。 【請求項2】 前記ハウジングリング11は、その船舶側の端に位置するハウジングリング部分11.1に軸方向の延長部分を有しており、前記延長部分は、前記内側シャフト8または前記内側シャフト8を支持する軸受ブッシュ9と協同する滑り軸受16の軸受胴に対する支持部材として形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシール装置。 【請求項3】 前記ハウジングリング11は、ガイド手段によって軸方向の運動を妨げられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシール装置。 【請求項4】 前記ガイド手段は、前記支持リング19.1、19.2、12.1における環状の受け部と、前記受け部内に突出する前記ハウジングリング11.2、11.1、15の対応する突出部からなっていることを特徴とする請求項3に記載のシール装置。 【請求項5】 前記ガイド手段は、前記滑り軸受16の領域における前記ハウジングリング11.1の環状の受け部と、前記受け部内に突出する対応する前記軸受ブッシュ9の突出部9.1からなっていることを特徴とする請求項3に記載のシール装置。 【請求項6】 前記滑り軸受16に対する押圧一回転-潤滑が用いられる場合に、前記滑り軸受16に対する潤滑オイルが、前記内側シャフト8の内部に形成された潤滑オイル導入管路17を通じて前記内側シャフト8を通じて前記滑り軸受16に供給され、前記潤滑オイルを戻すために、前記ハウジングリング11.1の内部に潤滑オイル返送管路18が形成されていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載のシール装置。」 (訂正事項b) 特許明細書の【0004】段落、第19行〜第20行において、「弾性を有する環状壁が配置されていることを特徴とするシール装置」との記載を、「弾性を有する環状壁が配置され、前記ハウジングリングは、ハウジングリング部分のブロックからなり、前記環状壁は、一端部を隣接する2つの前記ハウジング部分の間または前記ハウジングリングに隣接して配置された挟持リングと前記ハウジングリングとの間に挟持され、他端部を前記支持リングと前記支持リングに隣接して配置された挟持リングとの間に挟持されていることを特徴とするシール装置」と訂正する。また、【0004】段落、第24行において、「よって著しく減殺される。」との記載を、「よって著しく減殺され、さらには、環状壁の水漏れのしない結合が、簡単かつ効果的に達成される。」と訂正する。 (訂正事項c) 特許明細書の【0005】段落、第3行〜第11行における、「前記ハウジングリングは、・・・。請求項3によれば、」との記載を削除する。 (訂正事項d) 特許明細書の【0006】段落、第1行における、「請求項4〜請求項6によれば、」との記載を、「請求項3〜請求項5によれば、」と訂正する。 (訂正事項e) 特許明細書の【0007】段落、第1行における、「請求項7によれば、」との記載を、「請求項6によれば、」と訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、拡張・変更の存否 (訂正事項a)について この訂正は、請求項1を削除するのに伴い請求項2を独立形式請求項(新請求項1)とし、請求項3〜7を新請求項1の引用形式請求項(新請求項2〜6)としたものである。 したがって、この訂正のうちの請求項1の削除は、特許請求の範囲の減縮を目的としたものであり、また、請求項2〜7(新請求項1〜6)の訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的としたものである。 (訂正事項b〜e)について これらの訂正は、訂正事項aに対応するものであり、発明の詳細な説明において、特許請求の範囲の記載との整合を図るために訂正されたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そして、これらの訂正事項a〜eは、特許明細書の記載事項の範囲内でなされたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもない。 (3)訂正の容認 以上のとおり、前記各訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申立てについて 本件特許第3386855号の請求項1に係る発明は、前記訂正の結果削除され、特許異議申立ての対象である請求項1は存在しなくなったので、この特許異議の申立ては不適法な申立てとなり、しかも、その補正ができないものとなっている。 したがって、本件特許異議の申立ては、特許法第120条の6第1項で準用する同法第135条の規定によって却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 2本の同心的に配置された二重反転プロペラシャフトを備えた船舶に対するプロペラ伝動機構のシール装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 2本の同心的に配置された二重反転プロペラシャフトと、前記2本のプロペラシャフトのうちの外側シャフトに対するパッキンまたは前記2本のプロペラシャフトのうちの内側シャフトに対するパッキンとを備えており、前記内側シャフトに対するパッキンおよび前記外側シャフトに対するパッキンは、リップパッキンとして形成され、シャフト伝動管または前記外側シャフトに水漏れしないように結合された船舶に対するプロペラ伝動機構のシール装置において、 前記内側シャフト8の周囲にハウジングリング11が配置され、前記ハウジングリング11は支持リング12によって支持され、前記支持リング12は前記ハウジングリング11と同心的に配置されると共に前記ハウジングリング11から半径方向に間隔をあけて配置され、かつ前記外側シャフト2に固定され、前記内側シャフトに対するパッキン6は前記ハウジングリング11によって支持され、前記支持リング12および前記ハウジングリング11の間の間隙中には、前記支持リング12と前記ハウジングリング11を水漏れしないように結合する、弾性を有する環状壁13、14が配置され、 前記ハウジングリング11は、ハウジングリング部分11.1〜11.4のブロックからなり、前記環状壁13、14は、一端部を隣接する前記ハウジング部分11.1、11.2の間または前記ハウジングリング11に隣接して配置された挟持リング15と前記ハウジングリング11との間に挟持され、他端部を前記支持リング12と前記支持リングに隣接して配置された挟持リング19.1、19.2との間に挟持されていることを特徴とするシール装置。 【請求項2】 前記ハウジングリング11は、その船舶側の端に位置するハウジングリング部分11.1に軸方向の延長部分を有しており、前記延長部分は、前記内側シャフト8または前記内側シャフト8を支持する軸受ブッシュ9と協同する滑り軸受16の軸受胴に対する支持部材として形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシール装置。 【請求項3】 前記ハウジングリング11は、ガイド手段によって軸方向の運動を妨げられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシール装置。 【請求項4】 前記ガイド手段は、前記支持リング19.1、19.2、12.1における環状の受け部と、前記受け部内に突出する前記ハウジングリング11.2、11.1、15の対応する突出部からなっていることを特徴とする請求項3に記載のシール装置。 【請求項5】 前記ガイド手段は、前記滑り軸受16の領域における前記ハウジングリング11.1の環状の受け部と、前記受け部内に突出する対応する前記軸受ブッシュ9の突出部9.1からなっていることを特徴とする請求項3に記載のシール装置。 【請求項6】 前記滑り軸受16に対する押圧-回転-潤滑が用いられる場合に、前記滑り軸受16に対する潤滑オイルが、前記内側シャフト8の内部に形成された潤滑オイル導入管路17を通じて前記内側シャフト8を通じて前記滑り軸受16に供給され、前記潤滑オイルを戻すために、前記ハウジングリング11.1の内部に潤滑オイル返送管路18が形成されていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載のシール装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、2本の同心的に配置された二重反転プロペラシャフトと、前記2本のプロペラシャフトのうちの外側シャフトに対するパッキンまたは前記2本のプロペラシャフトのうちの内側シャフトに対するパッキンとを備えており、前記内側シャフトに対するパッキンおよび前記外側シャフトに対するパッキンは、リップパッキンとして形成され、シャフト伝動管または前記外側シャフトに水漏れしないように結合された船舶に対するプロペラ伝動機構のシール装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 この種のシール装置としては、DE-OS 1901620に開示されたものがある。このシール装置は、内側シャフトに対するパッキンの領域における内側および外側シャフトの間に発生する前記2本のシャフト間の遊びの変動によって、外側シャフト表面に固定されたリップパッキンは、過度に負荷を及ぼされて圧縮されるか、あるいは、過度に負荷を解除されてそのパッキン機能を害されるかいずれかが原因で確実なシールが保証されないという欠点を有している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 したがって、本発明の目的は、この欠点を克服し、前述のようなシール装置を、遊びの変動が十分に補償されるように改良することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】 この課題は、2本の同心的に配置された二重反転プロペラシャフトと、前記2本のプロペラシャフトのうちの外側シャフトに対するパッキンまたは前記2本のプロペラシャフトのうちの内側シャフトに対するパッキンとを備えており、前記内側シャフトに対するパッキンおよび前記外側シャフトに対するパッキンは、リップパッキンとして形成され、シャフト伝動管または前記外側シャフトに水漏れしないように結合された船舶に対するプロペラ伝動機構のシール装置において、前記内側シャフトの周囲にハウジングリングが配置され、前記ハウジングリングは支持リングによって支持され、前記支持リングは前記ハウジングリングと同心的に配置されると共に前記ハウジングリングから半径方向に間隔をあけて配置され、かつ前記外側シャフトに固定され、前記内側シャフトに対するパッキンは前記ハウジングリングによって支持され、前記支持リングおよび前記ハウジングリングの間の間隙中には、前記支持リングと前記ハウジングリングを水漏れしないように結合する、弾性を有する環状壁が配置され、前記ハウジングリングは、ハウジングリング部分のブロックからなり、前記環状壁は、一端部を隣接する2つの前記ハウジング部分の間または前記ハウジングリングに隣接して配置された挟持リングと前記ハウジングリングとの間に挟持され、他端部を前記支持リングと前記支持リングに隣接して配置された挟持リングとの間に挟持されていることを特徴とするシール装置を構成することによって達成される。こうして、パッキンを浮遊可能な構成としたことによって、シャフトの遊びの著しい変動は、弾性を有する環状壁にはもはや直接伝えられず、むしろ間接的に伝えられ、よって著しく減殺され、さらには、環状壁の水漏れのしない結合が、簡単かつ効果的に達成される。 【0005】 特許請求の範囲の引用形式請求項には、本発明の好ましい実施態様を記載した。 請求項2によれば、前記ハウジングリングは、その船舶側の端に位置するハウジングリング部分に軸方向の延長部分を有しており、前記延長部分は、前記内側シャフトまたは前記内側シャフトを支持する軸受ブッシュと協同する滑り軸受の軸受胴に対する支持部材として形成されている。これによって、遊びの変動に対するより以上の補償が達成される。なぜなら、ハウジングリング、よってリップパッキンは、滑り軸受によって案内され、そのため、滑り軸受のより小さい軸受の遊びが存在するだけだからである。 【0006】 請求項3〜請求項5によれば、前記ハウジングリングは、ガイド手段によって軸方向の運動を妨げられている。さらに、前記ガイド手段は、前記支持リングにおける環状の受け部と、前記受け部内に突出する前記ハウジングリングの対応する突出部からなっており、または前記ガイド手段は、前記滑り軸受の領域における前記ハウジングリングの環状の受け部と、前記受け部内に突出する対応する前記軸受ブッシュの突出部からなっている。これによって、ハウジングリング、よってリップパッキンの軸方向の回避運動が効果的に阻止される。 【0007】 請求項6によれば、前記滑り軸受に対する押圧-回転-潤滑が用いられる場合に、前記滑り軸受に対する潤滑オイルが、前記内側シャフトの内部に形成された潤滑オイル導入管路を通じて前記内側シャフトを通じて前記滑り軸受に供給され、前記潤滑オイルを戻すために、前記ハウジングリングの内部に潤滑オイル返送管路が形成されている。これによって、滑り軸受およびリップパッキンを、オイルの作用によって潤滑することが可能となる。 【0008】 以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。 すべての図面において、同一の構成要素には同一の番号を付してある。暗示的に示したシャフト伝動管1において、中空シャフトとして形成された外側シャフト2は滑り軸受3aに支持され、外側シャフトの内側空間内において、内側シャフト8が滑り軸受3bに支持されている。 【0009】 また、4は外側シャフトのプロペラであり、5は内側シャフトのプロペラである。互いに間隔をおいて配置された2つのプロペラの間には、内側シャフトに対するパッキン6が配置されており、一方外側シャフトのプロペラ4およびシャフト伝動管1の後端の間には、外側シャフトに対するパッキン7が配置されている。 【0010】 本発明の説明のために、内側シャフトに対するパッキン6のみを、図2および図3に詳細に示した。 図2および図3において、内側シャフト8はシャフトブッシュ9に支持されており、シャフトブッシュ9は、通常の方法で、フランジ9.1を通じて内側シャフトのプロペラ5と一体的に回転するように結合されている。 【0011】 シャフトブッシュ9の外周面上には、リップパッキンとして形成された3つの内側シャフトに対するパッキン10.1、10.2、10.3が配置されている。3つのリップパッキン11、10.2、10.3は、リップパッキン10.3がシールすべき外部媒体Wに向けられ、2つのリップパッキン10.1、10.2が潤滑オイル室Sに向けられるようにして、互いに一定間隔をおいて配置されている。 【0012】 リップパッキン10.1、10.2、10.3は、4つのハウジングリング部分11.1、11.2、11.3、11.4からなるハウジングリング11によって挟持されている。ハウジングリング部分11.1、11.2、11.3、11.4は、軸方向に前後に接触し、全体として1つのブロックを形成するように締めつけられている。この場合、2つのハウジングリング部分の間にそれぞれ1つのリップパッキンが挟持され、張設されている。 【0013】 ハウジングリング11は、支持リング12によって支持されている。支持リング12は、環状フランジ12.1を通じて、図2および図3には図示しない外側シャフト2に固定されている。そして、ハウジングリング11および支持リング12の間には環状の隙間が形成されており、この環状の隙間には、ハウジングリング11と支持リング12を連結する、2つの実質上半径方向にのびる環状壁13、14が互いに間隔をおいて配置されている。環状壁13、14は、弾性を有し、水漏れを生じない材料から形成され、一端部を2つのハウジングリング部分11.1、11.2の間に、またはハウジングリング部分11.1と特別の挟持リング15の間に挟持され、他端部を支持リング12と特別の挟持リング19.1または19.2の間に挟持されている。 【0014】 本発明によって達成される外側シャフト2と内側シャフト8の間の遊びの変動の補償効果をより強めるため、図示の実施態様において、ハウジングリング11に対する滑り軸受16が備えられる。滑り軸受16のブッシュは、先頭のハウジングリング部分11.1の前方への延長部分内に収容され、シャフトブッシュ9の前部と協同する。滑り軸受16は、内側シャフト8の内部に形成された軸方向にのびる管路17、およびこの管路17に連結する半径方向の管路17.1からなる潤滑オイル導入管路を通じて、潤滑オイルを供給される。前述の延長部分の内部には、滑り軸受16から排出される潤滑オイルに対するオイル返送管路18が形成されている。 【0015】 ハウジングリングの軸方向の回避運動を効果的に阻止し、弾性を有する環状壁13、14によって可能となるハウジングリング11の半径方向の変位のみを補償するため、半径方向におけるハウジングリング11の対応するガイド手段が備えられる。これは、図2によれば、支持リング12および挟持リング19.1、19.2に形成された受け部と、この受け部内に半径方向にわずかの遊びを伴って突出する、ハウジングリング部分11.1、11.2によって形成された対応する突出部とからなっている。 【0016】 図3によれば、ガイド手段は、滑り軸受16の領域に配置されたシャフトブッシュ9の突出部9.1と、ハウジングリング部分11.1の延長部分に形成された対応する受け部とからなっており、この場合、シャフトブッシュ9の突出部9.1には、滑り軸受16に対する潤滑オイル返送管路として機能する管路が形成されている。 こうして、本発明によるシール装置によれば、シールすべき媒体が高圧の場合にもパッキン機能が保持され、運転安全性および環境保全が達成される。 【図面の簡単な説明】 【図1】 シャフト伝動管、外側シャフト並びに外側プロペラ、内側シャフト並びに内側プロペラ、およびシャフトパッキン並びにシャフト軸受を備えた船舶の船尾部分の部分的な縦断面図である。 【図2】 図1の内側シャフトに対するパッキンの1実施態様を示した拡大断面図である。 【図3】 図1の内側シャフトに対するパッキンの別の実施態様を示した拡大断面図である。 【符号の説明】 1 シャフト伝動管 2 外側シャフト 6 内側シャフトに対するパッキン 7 外側シャフトに対するパッキン 9 シャフトブッシュ 10.1、10.2、10.3 リップパッキン 11.1、11.2、11.3、11.4 ハウジングリング部分 12 支持リング 13、14 環状壁 15 挟持リング 16 滑り軸受 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2004-09-08 |
出願番号 | 特願平5-191906 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
XA
(B63B)
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最終処分 | 決定却下 |
特許庁審判長 |
藤井 俊明 |
特許庁審判官 |
鈴木 久雄 増岡 亘 |
登録日 | 2003-01-10 |
登録番号 | 特許第3386855号(P3386855) |
権利者 | ブローム ウント フォス インドゥストゥリー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング |
発明の名称 | 2本の同心的に配置された二重反転プロペラシャフトを備えた船舶に対するプロペラ伝動機構のシール装置 |
代理人 | 武石 靖彦 |
代理人 | 武石 靖彦 |
代理人 | 村田 紀子 |
代理人 | 宮田 信道 |
代理人 | 村田 紀子 |