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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する C07C
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C07C
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する C07C
管理番号 1108636
審判番号 訂正2004-39207  
総通号数 62 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1992-03-19 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2004-08-30 
確定日 2004-10-20 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2951400号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2951400号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判請求の要旨は、特許第2951400号〔出願日:1990年9月3日(パリ条約による優先権主張1989年9月6日、ドイツ(DE)、1989年9月6日、ドイツ(DE)、1989年9月7日、ドイツ(DE)、1990年3月28日、ドイツ(DE))、登録日:1999年7月9日〕に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は次のとおりである。
(1)訂正事項(i)
特許請求の範囲の請求項1(特許第2951400号公報(以下、「特許公報」という。)第1頁第2欄10〜12行参照)に、
「(b)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個または2個のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよい)」
とあるのを、
「(b)1,4-フェニレン基」
に訂正する。
(2)訂正事項(ii)
特許請求の範囲の請求項1の末尾(特許公報第2頁第3欄40〜42行参照)に、
「式中R1はそれぞれ炭素原子1〜10個を有するアルキル基である〕
で示されるフルオロベンゼン誘導体。」
とあるのを、
「(式中R1はそれぞれ炭素原子1〜10個を有するアルキル基である)
(c)A1およびA2が、同一又は異なって、いずれもトランス-1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基、ピリミジン-2,5-ジイル基または1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基であり、かつQ-YがFである化合物、
(d)A2が、1,4-シクロへキセニレン基であり、かつQ-YがFである化合物。〕
で示されるフルオロベンゼン誘導体。」
に訂正する。
(3)訂正事項(iii)
特許請求の範囲の請求項4の末尾(特許公報第3頁第5欄33行参照)に、
「する液晶媒体。」
とあるのを、
「し、さらなる構成要素が下記式1〜5;
R′-L-E-R″ 1
R′-L-COO-E-R″ 2
R′-L-OOC-E-R″ 3
R′-L-CH2CH2-E-R″ 4
R′-L-C≡C-E-R″ 5
式1、式2、式3、式4および式5において、LおよびEは同一または異なることができ、相互に独立して、それぞれ、-Phe-、Cyc-、-Phe-Phe-、-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-Pyr-、-Dio-、-G-Phe-および-G-Cyc-ならびにそれらの鏡像基からなる群からの二価の基であり、Pheは1,4-フェニレンであり(この基は非置換であるか、またはフッ素で置換されている)、Cycはトランス-1,4-シクロヘキシレンまたは1,4-シクロヘキセニレンであり、Pyrはピリミジン-2,5-ジイルまたはピリジン-2,5-ジイルであり、Dioは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり、そしてGは2-(トランス-1,4-シクロヘキシル)-エチル、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイルまたは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり、R′およびR″は相互に独立して、それぞれ、8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシまたはアルカノイルオキシであるか、または、R″は、-F、-Cl、-NCSまたは-(O)iCH3-(k+l)FkCll(式中、iは、0または1であり、そしてk+lは、1、2または3である)である、
で示される化合物から選択され、
(a)式I″の化合物1種又は2種以上を5〜90%、
(b)R″が-F、-Cl、-NCS又は-(O)iCH3-(k+l)FkCllである式1〜5から選択される化合物を10〜80%(グループB)及び
(c)R′及びR″が夫々互いに独立して、炭素原子1〜8個を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ又はアルカノイルオキシである式1〜5から選択される化合物を0〜30%(グループA)含有し、
しきい値電圧が、1.66V以下であることを特徴とする、液晶媒体。」
に訂正する。
(4)訂正事項(iv)
特許請求の範囲の請求項6および請求項13を削除し、
「請求項7」を「請求項6」に、
「請求項8」を「請求項7」に、
「請求項9」を「請求項8」に、
「請求項10」を「請求項9」に、
「請求項11」を「請求項10」に、
「請求項12」を「請求項11」に、
「請求項14」を「請求項12」に、
「請求項15」を「請求項13」に、
「請求項16」を「請求項14」に、
「請求項17」を「請求項15」に、
「請求項18」を「請求項16」に、
「請求項19」を「請求項17」に、
「請求項20」を「請求項18」に、
それぞれ、訂正する。
(5)訂正事項(v)
特許請求の範囲の、
1)請求項7中の、「請求項6」を「請求項4」に、
2)請求項8中の、「請求項6」を「請求項4」に、
3)請求項9中の、「請求項8」を「請求項7」に、
4)請求項10中の、「請求項6」を「請求項4」に、
5)請求項11中の、「請求項4〜10」を「請求項4〜9」に、
6)請求項12中の、「請求項11」を「請求項10」に、
7)請求項14中の、「請求項13」を「請求項4」に、
8)請求項15中の、「請求項13」を「請求項4」に、
9)請求項16中の、「請求項4〜15」を「請求項4〜13」に、
10)請求項17中の、「請求項4〜16」を「請求項4〜14」に、
11)請求項18中の、「請求項17」を「請求項15」に、
12)請求項19中の、「請求項3〜18」を「請求項3〜16」に、
13)請求項20中の、「請求項3〜18」を「請求項3〜16」に、
それぞれ、訂正する。
(6)訂正事項(vi)
明細書第1頁下から3行〜末行(特許公報第4頁第7欄34〜36行)に、
「1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個または2個のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよい)」とあるのを、
「1,4-フェニレン基」
に訂正する。
(7)訂正事項(vii)
明細書第2頁13行(特許公報第4頁第8欄18行)に、
「Lは、HまたはFであり」とあるのを、
「Lは、Fであり」
に訂正する。
(8)訂正事項(viii)
明細書に記載されている例1〜216のうち、例46〜98、122〜175、207、208、210、211、213〜216の各番号及び例212に記載されている化合物名「4’-(トランス-4-メトキシメチルシクロヘキシル)-3,4,5-トリフルオロビフェニル」を、それぞれ、「(参考例)」を付記したものに訂正する。

2.当審の判断
2-1.新規事項の追加の有無、訂正の目的の適否、及び特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否
(1)訂正事項(i)について
訂正事項(i)は、特許請求の範囲の請求項1に記載された式Iの定義に係る置換基「1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個または2個のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよい)」を無置換の「1,4-フェニレン基」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、しかも、該1,4-フェニレン基を有する請求項1で規定する式Iの化合物は、願書に添付された明細書の例6〜20などに多数記載されているから、該訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項(ii)について
訂正事項(ii)は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1における式Iで規定される化合物から、先願当初明細書(後述の2-2.(2)参照)に記載された化合物を包含する式Iの化合物、即ち「(c)A1およびA2が、同一又は異なって、いずれもトランス-1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基、ピリミジン-2,5-ジイル基または1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基であり、かつQ-YがFである化合物、(d)A2が、1,4-シクロへキセニレン基であり、かつQ-YがFである化合物」を除くものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正であって、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項(iii)について
訂正事項(iii)は、訂正前の特許請求の範囲の請求項4における液晶媒体に、訂正前の特許請求の範囲の請求項6及び請求項13に記載の構成要件を付加して限定し、さらに、該液晶媒体を「しきい値電圧が、1.66V以下である」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、また、願書に添付した明細書には、「式Iで示される化合物はまた、他の種類の化合物からの液晶基材に加えて・・・そのしきい電圧および(または)その粘度を最適にすることができる。」(特許公報第5頁10欄25〜29行参照)と記載され、具体的に示される液晶媒体である例A〜Hのしきい値電圧は、「1.66V」のもの(例B)を含めて、すべて1.66V以下である(特許公報第49〜51頁参照)から、該「しきい値電圧が、1.66V以下である」とする訂正も願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものと認められ、訂正(iii)における訂正は、いずれも、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(4)訂正事項(iv)について
訂正事項(iv)は、上記訂正事項(iii)に対応して、特許請求の範囲の請求項6及び請求項13を削除し、さらに、それぞれ、それ以下の請求項番号を繰り上げる訂正であるから、この訂正は、特許請求の範囲の減縮及び明りようでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(5)訂正事項(v)について
訂正事項(v)は、各請求項において引用する他の請求項番号を、上記訂正事項(iv)の訂正による訂正後の請求項番号に整合させるためのものであるから、この訂正は、明りようでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(6)訂正事項(vi)及び訂正事項(vii)について
訂正事項(vi)及び訂正事項(vii)は、明細書の発明の詳細な説明を、訂正後の特許請求の範囲の記載と整合させるためのものであるから、この訂正は、明りようでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(7)訂正事項(viii)について
訂正事項(viii)は、明細書の発明の詳細な説明における「例」を、訂正後の特許請求の範囲の記載と整合させるために、訂正後の請求項1に規定する化合物に該当しない化合物の製造番号又は化合物名に「(参考例)」を付記するものであるから、この訂正は、明りようでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

2-2.独立特許要件についての判断
(1)訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし18に係る発明
訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし18に係る発明は、審判請求書に添付された全文訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし18に記載された以下のとおりである(以下、「訂正発明1ないし18」という。)。
「1.式I

〔式中、Rは、Hであり、あるいはRは、炭素原子1〜15個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は、非置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、そしてこれらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、O原子が相互に直接に結合しないものとして、-O-、-S-、

、-CO-、-CO-O-、-O-CO-または-O-CO-O-により置き換えられていてもよく、
A1およびA2は、それぞれ相互に独立して、
(a)トランス-1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまた、-O-および(または)-S-により置き換えられていてもよい)、
(b)1,4-フェニレン基、
(c)1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ〔2.2.2〕オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイルおよび1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルよりなる群からの基
であり、上記の基(a)および基(b)は、場合によりCNまたはフッ素により置換されていてもよく、
Z1およびZ2は、それぞれ相互に独立して、-CO-O-、-O-CO-、-CH2O-、-OCH2-、CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-または単結合であり、あるいは基Z1および基Z2のうちの一つはまた、-(CH2)4-または-CH=CH-CH2CH2-であることができ、
Lは、Fであり、
mは、0、1または2であり、
Yは、FまたはClであり、そして
Qは、単結合、-CF2-、-OCF2-または-OCHF-である、ただし、次の化合物を除く、
(a)4-プロピル-4′-(3,5-ジフルオロ-4-デフルオロメトキシフェニル)-トランス,トランス-ビシクロヘキシル
(b)

(r=1又は2;s=0又は1)

(s=0又は1)

(s=0又は1)


(r=1又は2)

(A=単結合、



、又は

)

(A′=

又は

)

(A″=



又は

)
(式中R1はそれぞれ炭素原子1〜10個を有するアルキル基である)
(c)A1およびA2が、同一又は異なって、いずれもトランス-1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基、ピリミジン-2,5-ジイル基または1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基であり、かつQ-YがFである化合物、
(d)A2が、1,4-シクロへキセニレン基であり、かつQ-YがFである化合物。〕
で示されるフルオロベンゼン誘導体。
2.式Iで示される化合物を液晶媒体の成分として使用する方法。
3.少なくとも2種の液晶成分を含有する液晶媒体であって、式Iで示される化合物のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする液晶媒体。
4.式I″

〔式中、Rは、Hであり、あるいはRは、炭素原子1〜15個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は、非置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、そしてこれらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、O原子が相互に直接に結合しないものとして、-O-、-S-、

、-CO-、-CO-O-、-O-CO-または-O-CO-O-により置き換えられていてもよく、
A1およびA2は、それぞれ相互に独立して、
(a)トランス-1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまた、-O-および(または)-S-により置き換えられていてもよい)、
(b)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個または2個のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよい)、
(c)1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ〔2.2.2〕オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイルおよび1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルよりなる群からの基
であり、上記の基(a)および基(b)は、場合によりCNまたはフッ素により置換されていてもよく、
Z1およびZ2は、それぞれ相互に独立して、-CO-O-、-O-CO-、-CH2O-、-OCH2-、CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-または単結合であり、あるいは基Z1および基Z2のうちの一つはまた、-(CH2)4-または-CH=CH-CH2CH2-であることができ、
Lは、Fであり、
mは、0、1または2であり、
Yは、FまたはClであり、そして
Qは、単結合、-CF2-、-OCF2-または-OCHF-である、
で示されるフルオロベンゼン誘導体の1種又は2種以上に加え、さらなる構成要素として4〜30種の成分を含有し、さらなる構成要素が下記式1〜5;
R′-L-E-R″ 1
R′-L-COO-E-R″ 2
R′-L-OOC-E-R″ 3
R′-L-CH2CH2-E-R″ 4
R′-L-C≡C-E-R″ 5
式1、式2、式3、式4および式5において、LおよびEは同一または異なることができ、相互に独立して、それぞれ、-Phe-、Cyc-、-Phe-Phe-、-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-Pyr-、-Dio-、-G-Phe-および-G-Cyc-ならびにそれらの鏡像基からなる群からの二価の基であり、Pheは1,4-フェニレンであり(この基は非置換であるか、またはフッ素で置換されている)、Cycはトランス-1,4-シクロヘキシレンまたは1,4-シクロヘキセニレンであり、Pyrはピリミジン-2,5-ジイルまたはピリジン-2,5-ジイルであり、Dioは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり、そしてGは2-(トランス-1,4-シクロヘキシル)-エチル、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイルまたは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり、R′およびR″は相互に独立して、それぞれ、8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシまたはアルカノイルオキシであるか、または、R″は、-F、-Cl、-NCSまたは-(O)iCH3-(k+l)FkCll(式中、iは、0または1であり、そしてk+lは、1、2または3である)である、
で示される化合物から選択され、
(a)式I″の化合物1種又は2種以上を5〜90%、
(b)R″が-F、-Cl、-NCS又は-(O)iCH3-(k+l)FkCllである式1〜5から選択される化合物を10〜80%(グループB)及び
(c)R′及びR″が夫々互いに独立して、炭素原子1〜8個を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ又はアルカノイルオキシである式1〜5から選択される化合物を0〜30%(グループA)含有し、
しきい値電圧が、1.66V以下であることを特徴とする、液晶媒体。
5.さらなる構成要素が7〜25種の成分であることを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
6.さらなる構成要素として、式1〜5のうちの2つから選択される化合物を含有することを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
7.LがCyc又はPheであり、EがPhe-Cycである構成要素を含有することを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
8.LがPheであることを特徴とする、請求項7に記載の液晶媒体。
9.L及びEがCyc、Phe及びPyrからなる群から選択されたものである式1〜5の化合物の1種又は2種以上と、L及びEのうちのひとつの基がCyc、Phe及びPyrからなる群から選択され、他の基が-Phe-Phe-、-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-G-Phe-及び-G-Cyc-からなる群から選択されたものである式1〜5の化合物の1種又は2種以上とを同時に含むことを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
10.式I″の化合物を複数種含有することを特徴とする、請求項4〜9のいずれかに記載の液晶媒体。
11.式I″の化合物を3、4又は5種含有することを特徴とする、請求項10に記載の液晶媒体。
12.L及びEのうちのひとつの基がフッ素で置換された1,4-フェニレンを含む、式1〜5から選択される化合物を含有することを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
13.式I″の化合物とグループBの化合物とからなることを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
14.式I″の化合物と式

(式中Rは直鎖アルキルである)
の化合物とからなるものを除く、請求項4〜13のいずれかに記載の液晶媒体。
15.式I″の化合物を40%より多く含有することを特徴とする、請求項4〜14のいずれかに記載の液晶媒体。
16.式I″の化合物の割合が45〜90%であることを特徴とする、請求項15に記載の液晶媒体。
17.請求項3〜16のいずれかに記載の液晶媒体を含有することを特徴とする、液晶表示素子。
18.誘電体として、請求項3〜16のいずれかに記載の液晶媒体を含有することを特徴とする、電気光学表示素子。」

(2)先願発明
本件特許発明の出願前に出願された特許出願である特願平1-54150号の願書に最初に添付した明細書(以下、「先願当初明細書」という。)には、以下の事項が記載されている。
(なお、便宜上、先願当初明細書の後に先願の公開公報である特開平2-233626号公報の対応箇所も併記した。)
A.「(1)一般式

(式中Rは1ないし10個の炭素原子を有するアルキル基であり、これらの基中に存在する1個の-CH2-基または隣接していない2個の-CH2-基はO原子および(または)-CO-基および(または)-COO-基および(または)-CH=CH-基に置き換えられてもよい。-A-および-B-は1,4-シクロへキシレン、1,4-フエニレン、ピリミジン-2,5-ジイル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり、lは0、1または2を、mは0、1または2を示しl+m≧1である。Z1およびZ2は-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-または単結合であり、Z1、Z2は同じかまたは異つていてもよい。)で表わされることを特徴とするトリフルオロベンゼン誘導体。
(2)請求項(1)記載の化合物を2〜40重量%含有することを特徴とする液晶組成物。」(明細書第1頁第5行〜第2頁第6行:特許請求の範囲請求項1及び2(公報第1頁特許請求の範囲請求項1及び2))
B.「本発明は液晶材料の一成分として用いられるトリフルオロベンゼン誘導体、さらに詳しくは、高信頼性を要するパツシブ方式およびアクテイブマトリツクス方式に有用な液晶組成物の一成分として好適な化合物、および該誘導体を含有する優れた特性を有する液晶組成物に関する。」(明細書第2頁第9〜14行(公報第1頁右欄第9〜14行))
C.「最近これらの問題を解決するべく、末端基あるいは側鎖に1ないし2個のハロゲン原子、特に粘性の面からフツ素原子を導入した化合物が数多く発表されている。
これらの化合物の例としてつぎに示す化合物があげられる。
・・・(化合物の構造式等省略)・・・
これらの化合物の多くは、比較的安定で信頼性が高い液晶材料であると報告されているが、Δεは約+3〜+5程度と比較的小さく、また、これらの化合物のみからなる液晶組成物のΔεも小さく駆動電圧を低下させることはできない。
本発明はこれらの問題点を解決することが目的であり、安定性にすぐれかつΔεが正で大きい化合物を提供することである。」(明細書第6頁第3行〜第9頁第1行(公報第2頁右下欄第3行〜第3頁左下欄第1行))
D.「本発明によって提供される化合物は誘電率の異方性Δεが大きく、低粘度であるので、これらの化合物を使用することにより得られる液晶組成物の粘度を上昇させることなく、駆動電圧を低下させることが可能となった。」(明細書第75頁第5〜9行(公報第20頁左上欄第5〜9行))
E.「本発明によるこれらの液晶組成物は、式Iで示される化合物の少なくとも一種を包含する2〜25種、好ましくは3〜15種の成分からなる。その他の構成成分はネマチック物質、特に・・・フェニルまたはシクロヘキシルシクヘキサンカルボキシレート化合物、フェニルシクロヘキサン化合物・・・の群に属する既知物質から選択するのが好ましい。」(明細書第25頁第1行〜第26頁第8行(公報第7頁左下欄第1行〜右下欄第8行))
F.「本発明の液晶組成物の構成成分として適当である最も重要な化合物は式I′で示すことができる。
R′-L-G-E-R″ (I′)
(式中LおよびEはそれぞれ1,4-ジ置換ベンゼン、シクロヘキサン環、4,4′-ジ置換ビフエニル、フエニルシクロヘキサン、シクロヘキシルシクロヘキサン系、2,5-ジ置換ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、キナゾリンおよびテトラヒドロキナゾリンから形成される群に属する炭素環または複素環系であり、Gは-CH=CH-、-N(O)=N-、-CH=CY-、-CH=N(O)-、-C≡C-、-CH2-CH2-、-CO-O-、-CH2O-、-CO-S-、-CH2S-、-CH=N-、-COO-Phe-COO-、またはC-C単結合であり、Yはハロゲン、好ましくは塩素または-CN-であり、そしてR′およびR″は18個まで好ましくは8個までの炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシであるが、あるいはこれらの基の一つはCN、NC、NO2、CF3、F、ClまたはBrである。)」(明細書第26頁第9行〜第27頁第11行(公報第7頁右下欄第9行〜第8頁左上欄第11行))
G.「応用例1

33.33重量部

33.33 〃

33.33 〃
からなる液晶組成物AのN-I点は112.4℃、20℃における粘度は25.7cP、Δnは0.081であり、この液晶組成物をセル厚8.7μmのTNセルに封入しそのしきい値電圧を調べたところ2.56Vであった。この液晶組成物85重量部に本発明の実施例1(化合物No.1)に示した化合物15重量部を加えた液晶組成物のN-I点は、77.7℃、20℃における粘度は17.9cPであった。この液晶組成物を前述のTNセルに封入しそのしきい値電圧を調べたところ、1.94Vに低下した。
応用例2
応用例1で使用した液晶組成物A:85重量部と本発明の実施例4に示した化合物(化合物No.31)15重量部よりなる液晶組成物を調整した。・・・この液晶組成物を前述のTNセルに封入したもののしきい値電圧は2.32Vであった。
応用例3
応用例1で使用した液晶組成物85重量部と実施例6(化合物No.51)に示した本発明の化合物15重量部より液晶組成物を調整した。・・・この組成物を前述のTNセルに封入したもののしきい値電圧は2.12Vであった。
応用例4
応用例1で使用した液晶組成物85重量部と実施例9(化合物No.81)に示した本発明の化合物15重量部より液晶組成物を調整した。・・・この液晶組成物を前述のTNセルに封入したもののしきい値電圧は2.38Vであった。」(明細書第73頁1行〜第75頁3行(公報第19頁左下欄1行〜第20頁左上欄3行))

(3)対比・判断
(i)訂正発明1について
先願当初明細書には、上記摘示事項A〜Dに示したように誘電率の異方性Δεが大きく、低粘度であり、安定性にすぐれ、液晶組成物の成分として有能な化合物として、その請求項1に一般式で示されるトリフルオロベンゼン誘導体(以下、「先願のトリフルオロベンゼン誘導体」という。)が記載されており、また、該トリフルオロベンゼン誘導体を製造する際するに際し、原料(中間体)として、シクロヘキセン誘導体が記載され、実施例において、それらの具体例や物性も記載されている(明細書第15頁10行〜第18頁2行、第20頁4行〜末行、実施例1及び実施例3〜実施例8(公報第5頁左上欄10行〜右下欄2行、第6頁右上欄4〜末行、実施例1及び実施例3〜実施例8)など参照)が、訂正発明1は、その特許請求の範囲の請求項1の式Iで示されるフルオロベンゼン誘導体として、上記先願のトリフルオロベンゼン誘導体及びその中間体として記載されているシクロヘキセン誘導体全てを除外した(訂正事項(ii)参照)ものであるので、訂正発明1は、上記先願当初明細書に記載された発明と同一ではない。
(ii)訂正発明2、3について
上記(i)で述べたように、訂正発明1は、先願当初明細書に記載された発明と同一ではないので、訂正発明1に係る化合物を液晶媒体の成分として使用する方法、及び訂正発明1に係る化合物を含有する液晶媒体も先願当初明細書に記載された発明と同一ではない。
(iii)訂正発明4について
訂正発明4は、式I″で規定されるフルオロベンゼン誘導体の1種又は2種以上に加え、さらなる構成要素として4〜30種の特定の成分を含有し、しきい値電圧が、1.66V以下であることを特徴とする液晶媒体に係るものである。
ここで、該式I″の定義では、訂正後の請求項1のただし書きで除外された化合物群をも含むものであるので、式I″で規定されるフルオロベンゼン誘導体は、先願当初明細書に記載された化合物と同一の化合物を含むものである。さらに、先願当初明細書には、摘示事項Eに示すように「本発明によるこれらの液晶組成物は、式Iで示される化合物の少なくとも一種を包含する2〜25種、好ましくは3〜15種の成分からなる。その他の構成成分はネマチック物質、特に・・・フェニルまたはシクロヘキシルシクロヘキサンカルボキシレート化合物、フェニルシクロヘキサン化合物・・・の群に属する既知物質から選択するのが好ましい。」が記載されており、しかも、摘示事項Fに示すように「構成成分として適当である最も重要な化合物」として、訂正発明4でさらなる構成要素として選択される特定の成分を包含する化合物(先願当初明細書で式I′で示される化合物)も記載されている。
しかしながら、先願当初明細書には、その液晶組成物(液晶媒体)のしきい値電圧が、1.66V以下であることの明示の記載はないうえ、応用例として具体的に記載されている、訂正発明4の式I″で示されるフルオロベンゼン誘導体に該当する化合物を配合した液晶組成物(液晶媒体)のしきい値電圧は、1.94V(応用例1)、2.32V(応用例2)、2.12V(応用例3)、2.38V(応用例4)であって(摘示事項G参照)、いずれも1.66Vより高い値のものであることからみて、先願当初明細書には、しきい値電圧が、1.66V以下の液晶媒体の発明が記載されているとは認められないので、訂正発明4は、上記先願当初明細書に記載された発明と同一であるとはいえない。
(iv)訂正発明5ないし16について
訂正発明5ないし16は、訂正発明4をさらに限定した発明であるので、上記(iii)で示したのと同様の理由により、訂正発明5ないし16は、上記先願当初明細書に記載された発明と同一ではない。
(v)訂正発明17、18について
訂正発明17、18は、訂正発明3〜16のいずれかに記載の液晶媒体を含有するものであるので、上記(i)〜(iv)で示したのと同様の理由により、訂正発明17、18は、上記先願当初明細書に記載された発明と同一ではない。
以上のとおり、訂正発明1ないし18は、いずれも上記先願当初明細書に記載された発明と同一ではないので、特許出願の際独立して特許を受けることができないものでない。
そして、他に訂正発明1ないし18が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとすべき理由を発見しない

(4)むすび
以上のとおりであるから、本件審判請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
フルオロベンゼン誘導体および液晶相
【発明の詳細な説明】
本発明は、下記の式Iで示される新規なフルオロベンゼン誘導体に関するものである:

〔式中、RはHであり、あるいはRは、炭素原子1〜15個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は非置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、これらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基は場合により、また、それぞれ相互に独立して、O原子が相互に直接に結合しないものとして、

られていてもよく、
A1およびA2は、それぞれ相互に独立して、
(a)トランス-1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまた、-O-および(または)-S-により置き換えられていてもよい)、
(b)1,4-フェニレン基、
(c)1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ〔2.2.2〕オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイルおよび1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルからなる群からの基、
であり、上記の基(a)および基(b)は、場合により、CNまたはフッ素により置換されていてもよく、
Z1およびZ2は、それぞれ相互に独立して、-CO-O-、-O-CO-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-または単結合であり、あるいは基Z1および基Z2のうちの一つはまた、-(CH2)4-または-CH=CH-CH2CH2-であることもでき、
Lは、Fであり、
mは、0、1または2であり、
Yは、FまたはClであり、そして
Qは、単結合、-CF2-、-OCF2-または-OCHF-である、
ただし、Qが単結合である場合には、LはFである〕。
本発明はさらにまた、液晶相(液晶媒体)の成分として、これらの化合物を使用することに関するものであり、さらにまた、本発明は本発明に係る液晶相を含有する液晶表示素子および電気光学表示素子に関するものである。
式Iで示される化合物は、液晶相の成分として、特にねじれセルの原則、ゲスト-ホスト効果、整列相の変形の効果、あるいは動的散乱の効果にもとづく表示体用の液晶相の成分として、使用することができる。
本発明の目的は、液晶相の成分として適しており、特に比較的小さい粘度および比較的大きい誘電異方性を、同時に有する、新規で安定な液晶化合物もしくはメソーゲン性化合物を見い出すことにある。
ここに、式Iで示される化合物は、液晶相の成分として、格別に適することが見い出された。特に、これらの化合物は、比較的小さい粘度を有する。これらの化合物を使用することによって、広いメソフェース範囲を有し、かつまた有利な光学異方性値および誘電異方性値を有する、安定な液晶相を得ることができる。これらの相はさらにまた、非常に良好な低温挙動を有する。
次式で示される液晶は、DE 3,209,178にすでに記載されている:

JP 62/103,057には、下記の式で示される化合物が記載されている:

さらにまた、JP 63/216,858には、次式で示される化合物が記載されている:

西ドイツ国特許出願公開公報3,042,391および同3,139,130には、下記の式で示される化合物が記載されている:

液晶物性を有し、そして末端結合しているCF3基を有する、種々の化合物はすでに知られている(米国特許4,330,426、米国特許4,684,476,J.C.LiangおよびS.KumarによるMol.Cryst.Liq.Cryst.1987,142巻,77〜84頁)。しかしながら、これらの化合物は、多くの場合には、強力なスメクティック形成性特性を有し、かなりの実際の用途にはあまり適当ではない。
しかしながら、大きい△εを有する、これらの化合物の広範な用途から、特定の用途に対して、正確に仕立てられた物性を有する、さらに別種の化合物を入手できることが望まれていた。
さらにまた、式Iで示される化合物を提供することによって、種々の工業的適用の観点から、液晶混合物の調製に適している液晶物質の範囲が、非常に一般的に、相当に拡大される。
式Iで示される化合物は、広い用途範囲を有する。置換基を選択することによって、これらの化合物は、液晶相の大部分を構成する基材として使用することができる。しかしながら、式Iで示される化合物はまた、他の種類の化合物からの液晶基材に加えて、このような誘電体の誘電異方性および(または)光学異方性に影響を与えることができ、そして(あるいは)そのしきい電圧および(または)その粘度を最適にすることができる。
式Iで示される化合物は、純粋な状態で無色であり、電気光学用途に対して好ましい温度範囲で、液晶メソフェースを形成する。これらの化合物は、化学物質、熱および光に対して非常に良好な安定性を有する。
従って、本発明は、式Iで示される化合物およびこれらの化合物を液晶相の成分として使用することに関するものである。本発明はさらにまた、式Iで示される化合物の中の少なくとも1種を含有する液晶相およびこのような相を含有する液晶表示素子、特に電気光学表示素子に関するものである。

Cycは1,4-シクロヘキシレン基であり、Cheは1,4-シクロヘキセニル基であり、Dioは1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基であり、Ditは1,3-ジチアン-2,5-ジイル基であり、Pheは1,4-フェニレン基であり、Pydはピリジン-2,5-ジイル基であり、Pyrはピリミジン-2,5-ジイル基であり、そしてBiはビシクロ〔2.2.2〕-オクチレン基であり、Cycおよび(または)Pheは、非置換であるか、あるいは置換基として、1個または2個のFまたはCNを有していてもよい。Lは、好ましくはFである。Yは、好ましくはFである。
A1およびA2は、好ましくはCyc、Che、Phe、Pyr、PydおよびDioよりなる群から選ばれ、好ましくは分子中に存在する基A1および基A2のうちの一つだけがChe、Phe、Pyr、PydまたはDioである。
従って、式Iで示される化合物は、下記の付属式IaおよびIbで示される2個の環を有する化合物:
R-A2-A3-Q-Y Ia
R-A2-Z2-A3-Q-Y Ib
下記の付属式Ic〜Ifで示される、3個の環を有する化合物:
R-A1-A2-A3-Q-Y Ic
R-A1-Z1-A2-Z2-A3-Q-Y Id
R-A1-Z1-A2-A3-Q-Y Ie
R-A1-A2-Z2-A3-Q-Y If
および下記の付属式Ig〜Imで示される4個の環を有する化合物:
R-A1-A1-A2-A3-Q-Y Ig
R-A1-Z1-A1-A2-A3-Q-Y Ih
R-A1-A1-Z1-A2-A3-Q-Y Ii
R-A1-A1-A2-Z1-A3-Q-Y Ij
R-A1-Z1-A1-Z1-A2-A3-Q-Y Ik
R-A1-A1-Z1-A2-Z2-A3-Q-Y Il
R-A1-Z1-A1-Z1-A2-Z2-A3-Q-Y Im
を包含する。
これらの化合物の中で、特に付属式のIa、Ib、Ic、Id、Ie、If、IiおよびIlで示される化合物は好ましい化合物である。
付属式Iaで示される化合物の中の好ましい化合物は、下記の付属式Iaa〜Iahで示される化合物を包含する:
R-Phe-A3-Q-Y Iaa
R-Phe-A3-Q-Y Iab
R-Dio-A3-Q-Y Iac
R-Pyr-A3-Q-Y Iad
R-Pyd-A3-Q-Y Iae
R-Cyc-A3-Q-Y Iaf
R-Cyc-A3-Q-Y Iag
R-Che-A3-Q-Y Iah
これらの化合物の中では、式Iaa、Iab、Iac、Iad、IafおよびIagで示される化合物が特に好ましい。
付属式Ibで示される化合物の中の好ましい化合物としては、下記の付属式IbaおよびIbbで示される化合物が包含される:
R-Cyc-CH2CH2-A3-Q-Y Iba
R-Cyc-COO-A3-Q-Y Ibb
付属式Icで示される化合物の中の好ましい化合物には、下記の付属式Ica〜Icoで示される化合物が包含される:
R-Phe-Phe-A3-Q-Y Ica
R-Phe-Phe-A3-Q-Y Icb
R-Phe-Dio-A3-Q-Y Icc
R-Cyc-Cyc-A3-Q-Y Icd
R-Phe-Cyc-A3-Q-Y Ice
R-Cyc-Cyc-A3-Q-Y Icf
R-Pyd-Phe-A3-Q-Y Icg
R-Pyr-Phe-A3-Q-Y Ich
R-Phe-Pyr-A3-Q-Y Ici
R-Cyc-Pyr-A3-Q-Y Icj
R-Cyc-Phe-A3-Q-Y Ick
R-Cyc-Phe-A3-Q-Y Icl
R-Dio-Phe-A3-Q-Y Icm
R-Che-Phe-A3-Q-Y Icn
R-Phe-Che-A3-Q-Y Ico
これらの化合物の中では、式Ica、Icc、Icd、Ice、IciおよびIcjで示される化合物が特に好ましい。
付属式Idで示される化合物の中の好ましい化合物には、下記の付属式Ida〜Idmで示される化合物が包含される:
R-Phe-Z1-Phe-Z1-A3-Q-Y Ida
R-Phe-Z1-Phe-Z1-A3-Q-Y Idb
R-Phe-Z1-Dio-Z1-A3-Q-Y Idc
R-Cyc-Z1-Cyc-Z1-A3-Q-Y Idd
R-Cyc-Z1-Cyc-Z1-A3-Q-Y Ide
R-Pyd-Z1-Phe-Z1-A3-Q-Y Idf
R-Phe-Z1-Pyd-Z1-A3-Q-Y Idg
R-Pyr-Z1-Phe-Z1-A3-Q-Y Idh
R-Phe-Z1-Pyr-Z1-A3-Q-Y Idi
R-Phe-Z1-Cyc-Z1-A3-Q-Y Idj
R-Cyc-Z1-Phe-Z1-A3-Q-Y Idk
R-Cyc-Z1-Phe-Z1-A3-Q-Y Idl
R-Dio-Z1-Phe-Z1-A3-Q-Y Idm
付属式Ieで示される化合物の中の好ましい化合物には、下記の付属式Iea〜Ielで示される化合物が包含される:
R-Pyr-Z1-Phe-A3-Q-Y Iea
R-Dio-Z1-Phe-A3-Q-Y Ieb
R-Phe-Z1-Phe-A3-Q-Y Iec
R-Cyc-Z1-Phe-A3-Q-Y Ied
R-Cyc-Z1-Phe-A3-Q-Y Iee
R-Phe-Z1-Cyc-A3-Q-Y Ief
R-Cyc-Z1-Cyc-A3-Q-Y Ieg
R-Cyc-Z1-Cyc-A3-Q-Y Ieh
R-Phe-Z1-Dio-A3-Q-Y Iei
R-Pyd-Z1-Phe-A3-Q-Y Iej
R-Phe-Z1-Pyr-A3-Q-Y Iek
R-Cyc-Z1-Pyr-A3-Q-Y Iel
付属式Ifで示される化合物の中の好ましい化合物には、下記の付属式Ifa〜Ifrで示される化合物が包含される:
R-Pyr-Phe-Z1-A3-Q-Y Ifa
R-Pyr-Phe-OCH2-A3-Q-Y Ifb
R-Phe-Phe-Z1-A3-Q-Y Ifc
R-Phe-Phe-OOC-A3-Q-Y Ifd
R-Phe-Phe-Z1-A3-Q-Y Ife
R-Cyc-Cyc-Z1-A3-Q-Y Iff
R-Cyc-Cyc-Z1-A3-Q-Y Ifg
R-Cyc-Cyc-CH2CH2-A3-Q-Y Ifh
R-Pyd-Phe-Z1-A3-Q-Y Ifi
R-Dio-Phe-Z1-A3-Q-Y Ifj
R-Phe-Cyc-Z1-A3-Q-Y Ifk
R-Phe-Cyc-Z1-A3-Q-Y Ifl
R-Phe-Pyd-Z1-A3-Q-Y Ifm
R-Che-Phe-Z1-A3-Q-Y Ifn
R-Phe-Che-Z1-A3-Q-Y Ifo
R-Cyc-Phe-Z1-A3-Q-Y Ifp
R-Cyc-Phe-OOC-A3-Q-Y Ifq
R-Cyc-Phe-Z1-A3-Q-Y Ifr
前記および後記に記載の式で示される化合物において、Yは、好ましくはFである。
Rは、好ましくはアルキルであり、さらにまた、アルコキシである。A1および(または)A2は、好ましくはPhe、Cyc、Che、PyrまたはDioである。好ましくは、式Iで示される化合物は、Bi、Pyd、Pyr、DioまたはDitの基を、1個より多くは含有していない。
式Iおよび全部の付属式において、A1および(または)A2が1,4-フェニレンであり、この基が、置換基として、1個または2個のFを有するか、あるいは置換基として、1個のCNを有する化合物はまた、好ましい。これらの基は、特に2-フルオロ-1,4-フェニレン、3-フルオロ-1,4-フェニレンおよび3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレンならびに2-シアノ-1,4-フェニレンおよび3-シアノ-1,4-フェニレンである。特に好ましい態様においては、A2は3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレンであり、そしてmは、1または2である。
Z1およびZ2は、好ましくは単結合、-CO-O-、-O-CO-および-CH2CH2-であり、二番目に好ましくは、-CH2O-および-OCH2-である。
基Z1および基Z2のうちの一つが、-(CH2)4-または-CH=CH-CH2CH2-である場合には、基Z1または基Z2のうちの他の一つは(存在する場合には)、好ましくは単結合である。
この種類の好ましい化合物は、下記の付属式I′に相当する:

〔式中、Z2は、-(CH2)4-または-CH=CH-CH2CH2-であり、そしてR、A1、A2、m、L、QおよびYは、式Iに係り示されている意味を有する〕。R、A1、A2、m、L、QおよびYに係る好ましい意味はまた、式Iで示される化合物に係る好ましい意味に相当する。
mは、好ましくは1または0であり、特に好ましくは、mは0である。
アルキル基および(または)アルコキシ基Rは、直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基Rは、好ましくは直鎖状であり、炭素原子2個、3個、4個、5個、6個または7個を有し、従ってこの基Rは、好ましくは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシまたはヘプトキシでありさらにまた、Rは、メチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシである。
オキサアルキルは、好ましくは直鎖状の2-オキサプロピル(=メトキシメチル)、2-(=エトキシメチル)または3-オキサブチル(=2-メトキシエチル)、2-、3-または4-オキサペンチル、2-、3-、4-または5-オキサヘキシル、2-、3-、4-、5-または6-オキサヘプチル、2-、3-、4-、5-、6-または7-オキサオクチル、2-、3-、4-、5-、6-、7-または8-オキサノニル、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-または9-オキサデシルである。
アルキル基Rにおいて、この基中に存在する1個のCH2基が、-CH=CH-により置き換えられている基は、直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は、好ましくは直鎖状であり、炭素原子2〜10個を含有する。従って、この基は、特にビニル、プロプ-1-、またはプロプ-2-エニル、ブト-1-、ブト-2-またはブト-3-エニル、ペント-1-、ペント-2-、ペント-3-またはペント-4-エニル、ヘキス-1-、ヘキス-2-、ヘキス-3-、ヘキス-4-またはヘキス-5-エニル、ヘプト-1-、ヘプト-2-、ヘプト-3-、ヘプト-4-、ヘプト-5-またはヘプト-6-エニル、オクト-1-、オクト-2-、オクト-3-、オクト-4-、オクト-5-、オクト-6-またはオクト-7-エニル、ノン-1-、ノン-2-、ノン-3-、ノン-4-、ノン-5-、ノン-6-、ノン-7-またはノン-8-エニル、デク-1-、デク-2-、デク-3-、デク-4-、デク-5-、デク-6-、デク-7-、デク-8-またはデク-9-エニルである。
アルキル基Rにおいて、この基中に存在する1個のCH2基が-O-により置き換えられている基、および-CO-により置き換えられている基において、これらの基は、好ましくは隣接している。従って、これらの基は、1個のアシルオキシ基-CO-O-または1個のオキシカルボニル基-O-CO-を含有する。好ましくは、これらの基は、直鎖状であり、炭素原子2〜6個を有する。従って、これらの基は特に、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2-アセチルオキシエチル、2-プロピオニルオキシエチル、2-ブチリルオキシエチル、3-アセチルオキシプロピル、3-プロピオニルオキシプロピル、4-アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2-(メトキシカルボニル)エチル、2-(エトキシカルボニル)エチル、2-(プロポキシカルボニル)エチル、3-(メトキシカルボニル)プロピル、3-(エトキシカルボニル)プロピル、4-(メトキシカルボニル)ブチルである。
アルキル基Rにおいて、この基中に存在する1個のCH2基が、非置換の-CH=CH-により、あるいは置換基を有する-CH=CH-により置き換えられており、かつまた隣接する1個のCH2基が、-CO-または-CO-O-または-O-CO-により置き換えられている基は、直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は、好ましくは直鎖状であり、炭素原子4〜13個を有する。従って、この基は、特にアクリロイルオキシメチル、2-アクリロイルオキシメチル、3-アクリロイルオキシプロピル、4-アクリロイルオキシブチル、5-アクリロイルオキシペンチル、6-アクリロイルオキシヘキシル、7-アクリロイルオキシヘプチル、8-アクリロイルオキシオクチル、9-アクリロイルオキシノニル、10-アクリロイルオキシデシル、メタアクリロイルオキシメチル、2-メタアクリロイルオキシエチル、3-メタアクリロイルオキシプロピル、4-メタアクリロイルオキシブチル、5-メタアクリロイルオキシペンチル、6-メタアクリロイルオキシヘキシル、7-メタアクリロイルオキシヘプチル、8-メタアクリロイルオキシオクチル、9-メタアクリロイルオキシノニルである。
アルキル基またはアルケニル基Rにおいて、この基が1個のCNまたは1個のCF3により置換されている場合には、この基は好ましくは直鎖状基であり、CNまたはCF3はω位置に置換されている。
アルキル基またはアルケニル基Rにおいて、この基が少なくとも1個のハロゲンで置換されている場合には、この基は、好ましくは直鎖状基であり、そしてハロゲンは、好ましくはFまたはClである。複数個の置換基を有する場合には、ハロゲンは、好ましくはFである。生成する基はまた、過フッ素化基を包含する。
1個の置換基を有する場合には、フッ素または塩素置換基がいずれか所望の位置に存在できるが、好ましくはω-位置に存在する。
重合反応に適する側鎖基Rを有する式Iで示される化合物は、液晶ポリマーの製造に適している。
側鎖基Rを有する、式Iで示される化合物は、これらが慣用の液晶基材中で良好な溶解性を有することから、場合によって、重要でありうるが、特に、これらが光学活性である場合には、カイラルドーピング物質として重要でありうる。この種のスメクティック化合物は、強誘電性材料用の成分として適している。
SA相を有する式Iで示される化合物は、たとえば熱により駆動される表示体に、適している。
この種の分枝鎖状基は、一般に1個よりは多くない鎖分枝を有する。好適な分枝鎖状基Rは、イソプロピル、2-ブチル(=1-メチルプロピル)、イソブチル(=2-メチルプロピル、2-メチルブチル、イソペンチル(=3-メチルブチル)、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、イソプロポキシ、2-メチルプロポキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、2-エチルヘキソキシ、1-メチルヘキソキシ、1-メチルヘプトキシである。
アルキル基Rにおいて、この基中に存在する2個または3個以上のCH2基が-O-および(または)-CO-O-により置き換えられている場合には、この基は、直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は、好ましくは分枝鎖状であり、炭素原子3〜12個を有する。従って、この基は、特にビス(カルボキシ)メチル、2,2-ビス(カルボキシ)エチル、3,3-ビス(カルボキシ)プロピル、4,4-ビス(カルボキシ)ブチル、5,5-ビス(カルボキシ)ペンチル、6,6-ビス(カルボキシ)ヘキシル、7,7-ビス(カルボキシ)ヘプチル、8,8-ビス(カルボキシ)オクチル、9,9-ビス(カルボキシ)ノニル、10,10-ビス(カルボキシ)デシル、ビス(メトキシカルボニル)メチル、2,2-ビス(メトキシカルボニル)エチル、3,3-ビス(メトキシカルボニル)プロピル、4,4-ビス(メトキシカルボニル)ブチル、5,5-ビス(メトキシカルボニル)ペンチル、6,6-ビス(メトキシカルボニル)ヘキシル、7,7-ビス(メトキシカルボニル)ヘプチル、8,8-ビス(メトキシカルボニル)オクチル、ビス(エトキシカルボニル)メチル、2,2-ビス(エトキシカルボニル)エチル、3,3-ビス(エトキシカルボニル)プロピル、4,4-ビス(エトキシカルボニル)ブチル、5,5-ビス(エトキシカルボニル)ヘキシルである。
重縮合に適する側鎖基Rを有する式Iで示される化合物は、液晶重縮合生成物の製造に適している。
式Iは、これらの化合物のラセミ体ばかりでなく、またその光学対掌体およびその混合物を包含する。
式Iおよびそれらの付属式で示される化合物の中では、その分子中に含まれている基のうちの少なくとも一つが、前記の好ましい意味のうちの一つを有する化合物が好ましい。
式Iで示される化合物において、その分子中に存在する環のCycおよびピペリジンが、トランス-1,4-ジ置換されている立体異性体が好ましい。前記諸式で示され、Pyd、Pyrおよび(または)Dioのうちの1個または2個以上の基を含有する化合物は、その2,5位置において、2種の異性体をそれぞれ、包含する。
数種の非常に特に好ましい化合物の小さいグループは、下記の付属式I1〜I11で示される:


この1,4-シクロヘキセニレン基は好ましくは、次の構造を有する:

式Iで示される化合物は刊行物〔たとえばHouben-WeylによるMethoden der Organischen Chemie(有機化学の方法)(Georg-Thieme出版社,Stuttgart市),IX巻,867頁以降のような標準的学術書〕に記載されているようなそれ自体既知の方法により、あげられている反応に適する既知の反応条件の下で製造される。
それ自体既知であって、ここでは詳細に説明されていない変法も使用することができる。
従って、本発明に係る化合物は、例えば下記の反応経路に従い、式II

(式中、R、A1、A2、Z1、Z2およびmは、前記の意味を有する)で示される化合物を金属化し、次いで生成物を、適当な求電子性化合物と反応させることによって、製造することができる:
合成経路1

QがOCF2またはOCHFである目的化合物は、生成されるフェノール化合物から、公知の方法によって、たとえばクロロジフルオロメタンまたは四塩化炭素/HFとの反応によって、得ることができる。
さらに別の合成方法は、当業者にとって自明である。たとえば、5位置に相応する置換基を有する1,3-ジフルオロベンゼン化合物またはそのモノフッ素化同族体(L=H)は、上記合成経路に従い、2-OCF2Y-1,3-ジフルオロ化合物に、またはそのモノフッ素化同族体(L=H)に変換することができ、次いで液晶化学で慣用の反応〔たとえば、E.PoetschによりKontakte(Darms-tadt),1988(2),15頁に記載されているような、エステル化、エーテル化またはカップリング反応〕により、基R-(A1-Z1)m-A2-Z2を導入することができる。
合成経路2

さらに別の合成方法も、当業者にとって自明である。たとえば、5位置が相応して置換されている1,3-ジフルオロベンゼン化合物は、上記合成経路に従い、2-Y-1,3-ジフルオロ化合物に変換することができ、次いで液晶化学で慣用の反応〔たとえば、E.Poetschにより、Kontakte(Darmstadt)1988(2),15頁に記載されているようなエステル化、エーテル化またはカップリング反応など〕により、基R-(A1-Z1)m-A2-Z2を導入することができる。
式Iにおいて、LがFであり、そしてQ-YがCF3である、本発明による化合物は、下記の合成経路に従い、非置換の3,5-ジフルオロフェニル化合物をn-BuLiで金属化し、次いでヨー素と反応させ、次いでこのヨー素化合物を三フッ化酢酸ナトリウムと反応させることによって製造することができる:

本発明による化合物において、LがHあり、そしてQ-YがCF3である化合物は、3-フルオロ-4-ヨードブロモベンゼンをCF3COONaによってベンゾトリフルオライド化合物に変換し、次いで、たとえば慣用のカップリング反応によって、基R-(A1-Z1)mを導入することによって製造することができる:

式IIで示される化合物は、たとえば次の諸合成経路に従い、製造することができる:


これらの出発物質は公知であるか、または公知化合物と同様にして製造することができるかのどちらかである。
式Iで示されるエステル化合物はまた、相当するカルボン酸化合物(またはその反応性誘導体)をアルコール化合物またはフェノール化合物(あるいは、その反応性誘導体)でエステル化することにより、あるいはDCC法(DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド)により、得ることもできる。
相当するカルボン酸化合物、ならびにアルコール化合物およびフェノール化合物は、公知であるか、あるいは公知の方法と同様にして、製造することができる。
若干の特に好ましい化合物の合成を以下に詳細に説明する:


合成経路10

合成経路8、9および10において、mは、好ましくは0または1であり、そし






式Iで示されるエステル化合物はまた、相当するカルボン酸化合物(またはそれらの反応性誘導体)を、アルコール化合物またはフェノール化合物(またはそれらの反応性誘導体)によりエステル化することにより、あるいはDCC法(DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド)により、得ることもできる。
これらの相当するカルボン酸化合物、ならびにアルコール化合物またはフェノール化合物は、公知であるか、あるいは公知方法と同様にして、製造することができる。
式Iで示される化合物を製造するための、もう一つの方法では、アリールハライド化合物を、三級アミンおよびパラジウム触媒の存在の下に、オレフィンと反応させる〔R.F.HeckによるAcc.Chem.Res.12(1979)146頁参照〕。適当なアリールハライドの例は、クロライド、ブロマイドおよびヨーダイドであり、特にブロマイドおよびヨーダイドである。このカップリング反応の成功には、三級アミン、たとえばトリエチルアミンが必要であり、このアミンはまた、溶媒としても適している。適当なパラジウム触媒の例には、パラジウム塩、特に酢酸Pd(II)であり、これは有機リン(III)化合物、たとえばトリアリールホスファン類などとともに使用する。この反応は、不活性溶媒の存在または不存在の下に、約0°〜150°、好ましくは20°〜100°の温度で行なうことができる。適当な溶媒の例には、ニトリル類、たとえばアセトニトリル、あるいは炭化水素類、たとえばベンゼンまたはトルエンがある。出発物質として使用するアリールハライド化合物およびオレフィンは、大多数が市販されており、または刊行物から知られている方法によって、たとえば相当する親の化合物のハロゲン化によって、あるいは相当するアルコール化合物またはハライド化合物に対して行なわれる脱離反応によって、製造することができる。
この方法によって、たとえばスチルベン誘導体を製造することができる。このスチルベン化合物はまた、4-置換ベンズアルデヒド化合物を、Wittig法に従い、相当するリンイリド化合物と反応させることによっても製造することができる。しかしながら、式Iで示されるトラン化合物はまた、オレフィンの代りに、モノ置換アセチレン化合物を使用することにより、製造することもできる〔Synthesis627(1980)、またはTetrahedron Lett.27,1171(1986)〕。
さらにまた、芳香族化合物をカップリングさせるためには、アリールハライド化合物を、アリールスズ化合物と反応させることができる。これらの反応は、好ましくは不活性溶媒、たとえば炭化水素類などの中で、触媒、たとえばバラジウム(O)錯体などを添加し、高められた温度、たとえば沸騰キシレン中において、不活性気体の存在の下に行なう。
アルキニル化合物とアリールハライド化合物とのカップリング反応は、A.O.King,E.Negishi,F.J.VillaniおよびA.SilveiraによりJ.Org.Chem.43,358(1978)に記載されている方法と同様に、行なうことができる。
式Iで示されるトラン化合物はまた、Fritsch-Buttenberg-Wiechell転位(Ann.279,319,1984)により、製造することもでき、この方法では、1,1-ジアリール-2-ハロゲノエチレン化合物を、強塩基の存在の下に、ジアリールアセチレン化合物に転位させる。
式Iで示されるトラン化合物はまた、相当するスチルベン化合物を臭素化し、次いで生成物を脱ハロゲン化水素することによって製造することもできる。この反応にはまた、ここではさらに詳細にあげられていない、それ自体既知の変法を使用することもできる。
式Iで示されるエーテル化合物は、相当するヒドロキシ化合物、好ましくは相当するフェノール化合物をエーテル化することによって得ることができる。この方法では、ヒドロキシ化合物を、好ましくは先ず、相当する金属誘導体に変換し、たとえばNaH、NaNH2、NaOH、KOH、Na2CO3またはK2CO3で処理することによって、相当するアルカリ金属アルコレートまたはアルカリ金属フェノレートに変換する。この誘導体を次いで、約20〜100°の温度において、好ましくは不活性溶媒、たとえばアセトン、1,2-ジメトキシエタン、DMFまたはジメチルスルホキシド中で、相当するアルキルハライド、アルキルスルホネートまたはジアルキルサルフェートと反応させることができ、あるいは過剰量の水性または水性-アルコール性のNaOHまたはKOHとさえも反応させることができる。
これらの出発物質は、公知であるか、あるいは公知化合物と同様にして製造することができるかのどちらかである。
式I′において、Z2=-(CH2)4-である化合物は、次の合成経路によって製造することができる:

このpd(II)を触媒とするカップリング反応によって、目的生成物I′が、直接に生成されるか、または前駆化合物が生成される。この前駆化合物には、式Iで示される化合物について前記した方法と全く同一の方法により、基-Q-Y-を導入する。
式I′において、Z2=-CH=CH-CH2CH2-である化合物は、次の合成経路に示されているように、Wittig法によって製造することができる:

好ましいトランス異性体は、刊行物から知られている異性化方法によって製造することができる。得ることができるR0=Hである前駆化合物は、式Iで示される化合物の前駆化合物の場合と全く同様に、基-Q-Y-を導入することによって、式I′で示される化合物に変換することができる。
アルデヒド化合物は、相応して置換されている1-ブロモ-3-フルオロベンゼン誘導体とアリルアルコールとのHeckの反応によって、得ることができる。
本発明によるこれらの液晶相は、本発明に係る化合物の1種または2種以上に加えて、追加の成分として、好ましくは2〜40種、特に4〜30種の成分を含有する。これらの相は、非常に特に好ましくは、本発明に係る化合物の1種または2種以上に加えて、7〜25種の成分を含有する。これらの追加の成分は、好ましくはネマティックまたはネマティック形成性(単変性または等方性)物質、特にアゾキシベンゼン化合物、ベンジリデンアニリン化合物、ビフェニル化合物、ターフェニル化合物、フェニルまたはシクロヘキシルベンゾエート化合物、シクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル化合物、シクロヘキシル安息香酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル化合物、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル化合物、安息香酸のシクロヘキシルフェニルエステル化合物、シクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル化合物、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル化合物、フェニルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシルビフェニル化合物、フェニルシクロヘキシルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシルシクロヘキシルシクロヘキセン化合物、1,4-ビス(シクロヘキシル)ベンゼン化合物、4,4′-ビス(シクロヘキシル)ビフェニル化合物、フェニル-またはシクロヘキシルピリミジン化合物、フェニル-またはシクロヘキシルピリジン化合物、フェニル-またはシクロヘキシルジオキサン化合物、フェニル-またはシクロヘキシル-1,3-ジチアン化合物、1,2-ジフェニルエタン化合物、1,2-ジシクロヘキシルエタン化合物、1-フェニル-2-シクロヘキシルエタン化合物、1-シクロヘキシル-2-(4-フェニルシクロヘキシル)エタン化合物、1-シクロヘキシル-2-ビフェニリルエタン化合物、1-フェニル-2-シクロヘキシルフェニルエタン化合物、ハロゲン化されているか、またはハロゲン化されていないスチルベン化合物、ベンジルフェニルエーテル化合物、トラン化合物および置換ケイ皮酸化合物の群からの物質から選択される。これらの化合物中に存在する1,4-フェニレン基はまた、フッ素化されていてもよい。
本発明による相の追加の成分として適する最も重要な化合物は次式の1、2、3、4および5で示すことができる特徴を有する:
R′-L-E-R″ 1
R′-L-COO-E-R″ 2
R′-L-OOC-E-R″ 3
R′-L-CH2CH2-E-R″ 4
R′-L-C≡C-E-R″ 5
式1、式2、式3、式4および式5において、LおよびEは同一または異なることができ、相互に独立して、それぞれ、-Phe-、Cyc-、-Phe-Phe-、-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-Pyr-、-Dio-、-G-Phe-および-G-Cyc-ならびにそれらの鏡像基からなる群からの二価の基であり、Pheは1,4-フェニレンであり(この基は非置換であるか、またはフッ素で置換されている)、Cycはトランス-1,4-シクロヘキシレンまたは1,4-シクロヘキセニレンであり、Pyrはピリミジン-2,5-ジイルまたはピリジン-2,5-ジイルであり、Dioは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり、そしてGは2-(トランス-1,4-シクロヘキシル)-エチル、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイルまたは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルである。
好ましくは、基Lおよび基Eのうちの一つはCyc、PheまたはPyrである。Eは好ましくは、Cyc、PheまたはPhe-Cycである。本発明による相は、好ましくは、式1、式2、式3、式4および式5において、その分子中に存在する基Lおよび基EがCyc、PheおよびPyrからなる群から選ばれる相当する化合物から選択される成分の一種または二種以上と、同時に、式1、式2、式3、式4および式5において、その分子中に存在する基Lおよび基Eのうちの一つがCyc、PheおよびPyrからなる群から選ばれ、そして基Lおよび基Eのうちの他の一つが-Phe-Phe-、-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-G-Phe-および-G-Cyc-からなる群から選ばれる相当する化合物から選択される成分の一種または二種以上、および所望により、式1、式2、式3、式4および式5において、その分子中に存在する基Lおよび基Eが-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-G-Phe-および-G-Cyc-からなる群から選ばれる相当する化合物から選択される成分の一種または二種以上を含有する。
式1、式2、式3、式4および式5で示される化合物の中の小さいサブグループにおいては、R′およびR″は相互に独立して、それぞれ、8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシまたはアルカノイルオキシである。以下の記載において、この小さいサブグループをグループAと称し、これらの化合物を付属式の1a、2a、3a、4aおよび5aで表わされるものとする。これらの化合物の大部分において、R′およびR″は相互に異なっており、これらの基のうちの一つは、通常、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルコキシアルキルである。
式1、式2、式3、式4および式5で示される化合物のもう一つの小さいサブグループをグループBと称する。この小さいグループBにおいて、R″は、-F、-Cl、-NCSまたは-(O)iCH3-(k+l)FkCll(式中、iは、0または1であり、そしてk+lは、1、2または3である)である。R″がこの意味を有する化合物は、付属式の1b、2b、3b、4bおよび5bで表わされるものとする。特に好ましい化合物は、付属式の1b、2b、3b、4bおよび5bにおいて、R″が-F、-Cl-NCS、-CF3、-OCHF2または-OCF3を意味する化合物である。
付属式の1b、2b、3b、4bおよび5bで示される化合物において、R′は付属式1a〜5aで示される化合物について前記した意味を有し、好ましくはアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルコキシアルキルである。
式1、式2、式3、式4および式5で示される化合物のもう一つの小さいサブグループにおいて、R″は-CNである。このサブグループを以下の記載において、グループCで表わし、このサブグループの化合物を相応して、付属式の1c、2c、3c、4cおよび5cで表わされるものとする。付属式の1c、2c、3c、4cおよび5cで示される化合物において、R′は、付属式1a〜5aで示される化合物に係り前記した意味を有し、好ましくはアルキル、アルコキシまたはアルケニルである。
グループA、グループBおよびグループCで示される好ましい化合物に加えて、提案されている、その他の種種の置換基を有する、式1、式2、式3、式4および式5で示される、その他の化合物もまた、慣用である。これらの物質はいずれも、刊行物から知られている方法またはその類似方法によって得られる。
本発明による相は好ましくは、本発明に係る式Iで示される化合物に加えて、グループAおよび(または)グループBおよび(または)グループCから選ばれる化合物の中の1種または2種以上を含有する。本発明による相中の、これらのグループの中の化合物の重量割合は、好ましくは、以下のとおりである:
グループA: 0〜90%、好ましくは20〜90%、特に30〜90%
グループB: 0〜80%、好ましくは10〜80%、特に10〜65%
グループC: 0〜80%、好ましくは5〜80%、特に5〜50%
本発明による各相中に含有される、グループAおよび(または)グループBおよび(または)グループCの中の化合物の重量割合の合計は、好ましくは5%〜90%、特に10%〜90%である。
本発明による相は好ましくは、本発明に係る化合物を1〜40%、特に好ましくは、5〜30%含有する。本発明に係る化合物を、40%より多い量、特に45〜90%の量で含有する相はまた、好ましい。本発明による相は、好ましくは3種、4種または5種の本発明に係る化合物を含有する。
本発明による相はそれ自体慣用の方法で調製される。一般に、諸成分を相互に、好ましくは高められた温度で溶解させる。本発明による液晶相は適当な添加剤を使用することにより、これらを従来公知のタイプの全部の液晶表示素子で使用することができるように変性することができる。この種の添加剤は当業者にとって既知であり、文献(H.Kelker/R.HatzによるHandbook of Liquid Crystals,Verlag Chemie,Weinheim,1980年)に詳細に記載されている。たとえば、着色ゲスト-ホスト系を生成するために多色性染料を添加することができ、あるいは誘電異方性、粘度および(または)ネマティック相の配向を変えるための物質を添加することができる。
以下の例は、本発明を説明のために示すものであって、本発明を制限しようとするものではない。上述のおよび後述の記載において、示されているパーセンテージは、すべて重量による。温度は摂氏度で示されている。m.p.は融点を表わし、そしてc.p.は透明点を表わす。さらにまた、Cは結晶状態を表わし、N=ネマティック相、S=スメクティック相そしてI=等方性相である。2種のこれらの記号間の数字は、転移温度である。△nは、光学異方性であり(589nm,20℃)そして粘度(mm2/秒)は、20℃で測定した。
本明細書および以下の例の記載において、液晶化合物の構造を、頭字語で示す。化学式への変換は、下記の表Aおよび表Bに従って行なう。基CnH2n+1および基CmH2m+1はいずれも、n個またはm個のC原子を有する直鎖状アルキル基である。表Bによるコードは自明である。表Aにおいては基本構造の頭字語だけが示されている。これらの各場合において、基本構造を示す頭字語から離して記載されている置換基のR1、R2、L1およびL2に係るコード記号を以下に示す:






「通常の方法で仕上げ処理する」の用語は次の意味を有するものとする:必要に応じて、水を加え、生成物を塩化メチレン、ジエチルエーテルまたはトルエンで抽出し、有機相を分離し、乾燥させ、蒸発させ、次いで生成物を減圧の下に蒸発させる、結晶化する、および(または)クロマトグラフィ処理することにより精製する。下記の略語を使用する:
DAST ジエチルアミノサルファートリフルオライド
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DDQ ジクロロジシアノベンゾキノン
DIBALH 水素化ジイソブチルアルミニウム
KOT カリウムtert.-ブトキシド
THF テトラヒドロフラン
pTSOH p-トルエンスルホン酸
TMEDA テトラメチルエチレンジアミン
例1
THF300ml中の、1-トランス-4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エタン0.1モル(この化合物は、合成経路1に従って製造される)およびTMEDA0.1モルの溶液に、約-65℃で、n-BuLi(ヘキサン中1.5M)0.1モルを滴下して加える。この温度でさらに30分間撹拌を続け、この混合物に、-60〜-70℃で、B(OCH3)30.1モルを加える。さらに30分間、撹拌を続ける。H2O2(30%)0.3モルを滴下して加える。この添加期間中は、温度は+40℃を越えてはならない。抽出により仕上げ処理し、フェノール化合物を得る。この生成物は、結晶化または蒸留によって精製することができる。
このフェノール化合物から、そのフェノレートのTHF溶液中にCHClF2を導入することによって、OCHF2誘導体が得られる。抽出により仕上げ処理し、次いで慣用の方法で精製し、1-〔トランス-4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕-2-(4-ジフルオロメトキシ-3,5-ジフルオロフェニル)エタンを得る。
例2〜23
同様にして、式IIで示される相当する前駆化合物から、下記の本発明による化合物が得られる:

例24
0℃にまで冷却させたオートクレーブ中に、無水フッ化水素酸2モルを注ぎ入れる。四塩化炭素0.18モルと1-〔トランス-4-(トランス-4-n-プロピルヘキシル)シクロヘキシル〕-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジフルオロフェニル)エタン0.06モル(例1)との混合物を次いで加える。この混合物を、150°で約8時間撹拌し、冷却させ、氷水中に注ぎ入れ、次いでこのオートクレーブをエーテルで洗出する。これらの2相を集め、約30分間撹拌し、分離させ、そのエーテル溶液を、アルカリ性になるまで、5%KOH溶液で洗浄する。有機相を乾燥させ、濾過し、蒸発させ、次いで残留物を精製し、1-〔トランス-4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕-2-(4-トリフルオロメトキシ-3,5-ジフルオロフェニル)エタンを得る。
例25〜例45
同様にして、式IIで示される相当する前駆化合物から、下記の化合物が得られる:

例46(参考例)
2-フルオロ-4-〔トランス-4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕フェノール31.6g〔この化合物は、ビス〔トランス-4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕アエンを4-ブロモ-2-フルオロベンジルフェニルエーテルと交さカップリングさせることによって得られる相当するベンジルエーテルから水素添加により得られる〕および四塩化炭素49.3gを先ず、Hastelloyオートクレーブ中に導入し、ドライアイス/アセトンで冷却させる。
このオートクレーブを脱気させた後に、HF66.7gおよびBF31.67gを加える。150℃で8時間撹拌した後に、この混合物を室温まで冷却させ、次いでアスピレーターを用いて、HFを除去する。残留物を塩化メチレン中に取り、NaFを加え、残存するHFをいずれも、分離する。この混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィによって精製し、次いでヘキサンおよびエタノールから繰返し結晶化させ、2-フルオロ-4-〔トランス-4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕トリフルオロメトキシベンゼンを得る。
例47(参考例)〜68(参考例)
同様にして、相当するフェノール化合物から、下記の化合物が得られる:

例69(参考例)〜98(参考例)
例1と同様にして、相当するフェノール化合物から、下記の化合物が得られる:


例99
THF300ml中の1-〔トランス-4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エタン0.1モル(この化合物は、合成経路3に従い製造される)およびTMEDA0.1モルの溶液に、約-65℃で、n-BuLi(ヘキサン中の1.5M)0.1モルを滴下して加える。この温度で、撹拌をさらに30分間続け、次いでTHF70ml中のN-クロロスクシンイミド0.2モルをゆっくり加える。この添加が完了した後に、この混合物を-20°まで温め、次いでH2Oにより加水分解する。生成物が完全に溶解するまで、ジエチルエーテルを加える。抽出により仕上げ処理し、次いでクロマトグラフィおよび結晶化により精製し、1-〔トランス-4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕-2-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)エタンを得る。C 88 N 129 I。
例100〜143(参考例)
同様にして、式IIで示される相当する前駆化合物から、下記の本発明による化合物が得られる:


例144(参考例)
4-(トランス-4-n-ペンチルシクロヘキシル)-2-フルオロ安息香酸0.1モルおよびSF40.3モルの混合物を、オートクレーブ中で130°において8時間加熱する。得られた粗生成物をペンタン中に取り、抽出により仕上げ処理する。蒸留および結晶化による慣用の精製によって、4-(トランス-4-n-ペンチルシクロヘキシル)-2-フルオロベンゾトリフルオライドが得られる。
例145(参考例)
n-ヘキサン10ml中の4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)-4′-トリフルオロメチルビフェニル0.01モルの溶液に、TMEDA0.01モルを加える。0〜5℃で、n-BuLi0.01モルを加え、室温でさらに30分間、次いで40℃で30分間撹拌を続ける。この混合物を次いで、0℃まで冷却させ、THF20mlを加え、次いで合成経路21に従い、この温度で、フッ素化剤1-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムトリフレート(THF中)を滴下して加える。抽出により仕上げ処理し、常法でクロマトグラフィおよび結晶化を行ない、4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)-3′-フルオロ-4′-トリフルオロメチルビフェニルを得る。
例146(参考例)〜175(参考例)
例144(参考例)または例145(参考例)と同様にして、相当する前駆化合物から、下記の化合物が得られる:


例176
CuI0.025モル、CF3COONa0.0125モルおよび1-〔トランス-4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕-2-(4-ヨード-3,5-ジフルオロフェニル)エタン0.0125モル(この化合物は、合成経路15に従い得られる)の混合物を、N-メチルピロリドン100ml中で、撹拌しながら150°に加熱する。1時間後に、この混合物を常法により、抽出仕上げ処理し、次いでクロマトグラフィにより精製した後に、1-〔トランス-4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕-2-(4-トリフルオロメチル-3,5-ジフルオロフェニル)エタンが得られる。
例177〜206
例176と同様にして、相当する3,5-ジフルオロフェニル化合物から下記の化合物が得られる:


例207(参考例)

化合物I37.1g(0.1モル)を先ず、THF/トルエンの溶媒混合物(1:4容量比)150ml中に導入し、次いで無水臭化アエン11.5gを、その後でリチウム顆粒1.4gを加える。この混合物を、0℃〜10℃で、アルゴン雰囲気の下に、撹拌しながら、4時間超音波で処理し、化合物Iを相当するジアルキルアエン化合物に変換する。この有機化合物に、化合物II21.1g(0.1モル)および1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロライド(PdCl2dppf)1.5g(2モル%)を加え、次いで超音波浴を取り除きおよび冷却をやめた後に、室温で24時間撹拌する。この混合物を、飽和NH4Cl溶液100mlにより撹拌しながら分解させ、その有機相を分離し、水性相はトルエンで2回抽出する。有機抽出液を集め、乾燥させ、濃縮し、次いでシリカゲル上でヘキサンを用いてクロマトグラフィ処理し、化合物IIIを得る。(化合物Iは、

って製造することができる。)化合物Iと同様に、下記にあげられているアルキルブロマイド化合物を化合物IIと反応させることができる:


例208(参考例)

Wittig塩化合物I50.9g(0.1モル)およびアルデヒド化合物II17.2g(この化合物は、1-ブロモトリフルオロベンゼンとアリルアルコールとのHeck反応によって製造される)に、0℃〜10℃で、カリウムtert.-ブチレート11.5gを、少しずつ加える。この添加の後に、混合物を室温で24時間撹拌し、水中に注ぎ入れ、中和し、トルエンで抽出し、このトルエン抽出液を乾燥させ、次いで蒸発させる。この残留物を、ヘキサンを使用し、シリカゲルに通して濾過する。化合物III28gが得られる。
例209

例207(参考例)と同様にして、化合物2との反応によって、化合物1 37.1g(100ミリモル)を化合物3に変換する。
化合物3 19.0g(47ミリモル)、TMEDA7.5ml(50ミリモル)およびTHF150mlの混合物に、-65〜-70℃で、n-BuLi(ヘキサン中の15%)31mlを滴下して加え、この混合物を引続いて、-70℃で1時間撹拌する。THF25ml中のヨー素12.0g(47ミリモル)の溶液を次いで、-65〜-70℃で滴下して加え、この混合物を引続いて、-70℃で0.5時間撹拌する。この混合物を、-30℃まで温め、水15mlで加水分解し、次いで亜硫酸水素ナトリウム溶液15mlの滴加により、過剰のヨー素を減じる。慣用の方法で仕上げ処理し、次いでヘキサンから再結晶させ、化合物4 23.9g(45ミリモル)を得る。化合物4 20.2g(38ミリモル)、KF4.4g(76ミリモル)、三フッ化酢酸ナトリウム22.8g(168ミリモル)およびNMP800mlの混合物から、70℃および4ミリバールで蒸留することによって、NMP400mlを分離する。この反応混合物に次いで、乾燥させたCuI14.4g(76ミリモル)を加え、160℃で5時間撹拌する。次いで、NMP約300mlを蒸留によって分離する。この混合物を室温まで冷却させ、次いでMTBエーテル300mlを加える。この混合物を水で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させ、濾過し、次いで濃縮し、残留物を得る。ヘキサンを使用し、シリカゲル上でクロマトグラフィ処理し、化合物5を得る。
例210(参考例)

例207(参考例)と同様に、化合物11との反応によって、化合物1 31.1g(100ミリモル)を、化合物12に変換する。
化合物12 18.2g(47ミリモル)、カリウムtert.-ブチレート7.4gおよびTHF110mlの混合物に、-100℃でn-BuLi40mlを滴下して加え、この混合物を引続いて、-100℃で1時間撹拌する。THF60ml中のヨー素15.9gの溶液を次いで、-85〜-90℃で滴下して加える。この混合物を引続いて、-90℃でさらに0.5時間撹拌し、-30℃まで温め、水30mlで加水分解し、次いで濃塩酸で酸性にし、次いで亜硫酸水素ナトリウム溶液の添加により、過剰のヨー素を減じる。慣用の方法で仕上げ処理し、次いでヘキサンから再結晶させ、化合物13 21.4g(41ミリモル)を得る。化合物13 19.5g(38ミリモル)を、例209に従い、三フッ化酢酸ナトリウムによる変換によって、化合物14に変換する。クロマトグラフィにより精製し、化合物14を得る。
例211(参考例)

上記合成経路に従い、例207(参考例)と同様に、化合物1を有機アエン化合物に変換した後に、Pd(II)を触媒として、化合物2とカップリング反応させることによって、化合物3を得る。このベンジルエーテル化合物を水素添加開裂させると、フェノール化合物4が得られる。
このフェノール化合物4.0g(0.01モル)を先ず、THF中に導入し、次いで32%水酸化ナトリウム溶液3.1gおよび硫酸水素テトラブチルアンモニウム0.5gを加え、この混合物を50℃まで温め、次いでクロロジフルオロメタンを撹拌しながら導入し、ドライアイスで冷却されているコンデンサー中に凝縮させる。冷却後に、傾斜によって、このTHF溶液を沈殿した油状生成物から分離し、濃縮し、得られた化合物5をエタノールから再結晶させる。
例212
THF50ml中の4-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)-2-フルオロ-4′-ブロモビフェニル15gの溶液に、-70℃で、ブチルリチウム(ヘキサン中の15%)25mlを滴下して加え、次いで30分後に、THF25ml中のZnBr24.5gの冷却した溶液を加える。THF75ml中の1-ブロモ-3,4,5-トリフルオロベンゼン8.5gおよびPdCl2-dppf0.6gの添加後に、この混合物を室温にする。24時間の撹拌の後に、この混合物を飽和NH4Cl溶液100ml中に注ぎ入れ、次いで常法により仕上げ処理する。4″-(トランス-4-n-プロピルシクロヘキシル)-2″,3,4,5-テトラフルオロターフェニルが得られる。C 148 N 233 I。
同様にして、相当するブロモ芳香族化合物から、下記の化合物が得られる:
4″-n-プロピル-2″,3,4,5-テトラフルオロターフェニル
4″-n-ペンチル-2″,3,4,5-テトラフルオロターフェニル
4′-(トランス-4-メトキシメチルシクロヘキシル)-3,4,5-トリフルオロビフェニル(参考例)
例213(参考例)
1-ブロモ-3,4,5-トリフルオロベンゼン10.5g、p-エトキシスチレン7.4g、酢酸Pd0.25g、トリ-o-トリルホスフィン0.6g、トリエチルアミン7gおよびアセトニトリル125mlの混合物を加熱還流させ、反応を完了させる。慣用の方法で仕上げ処理し、1-(p-エトキシフェニル)-2-(3,4,5-トリフルオロフェニル)エテン(C 76 I)を得る。この化合物をTHF中において、Pd-C(5%)上で水素添加し、1-(p-エトキシフェニル)-2-(3,4,5-トリフルオロフェニル)エタンを得る。C 45 I。
例214(参考例)
例213(参考例)と同様にして、p-エトキシスチレンおよびp-ブロモ-o-フルオロフェノールのベンジルエーテルから、1-(p-エトキシフェニル)-2-(3-フルオロ-4-ベンジルオキシフェニル)エテンを得る。THF中において、Pd-C(5%)上で水素添加すると、1-(p-エトキシフェニル)-2-(4-ヒドロキシ-3-フルオロフェニル)エタンが得られる。この化合物41.3gを硫酸水素テトラブチルアンモニウム5.6gとともに、40℃でTHF500ml中に溶解する。クロロジフルオロメタン43gを、少量がドライアイス還流コンデンサー中に凝縮するようにして、この溶液中に導入する。次いで、NaOH(50%)32gを、激しく撹拌しながら、10分間にわたって滴下して加える。40°でさらに1時間撹拌した後に、この混合物を冷却させ、生成された油状沈殿から溶液を傾斜により分離する。溶媒を蒸発させた後に、残留物をクロマトグラフィおよび再結晶により精製する。1-(p-エトキシフェニル)-2-(3-フルオロ-4-ジフルオロメトキシフェニル)エタンが得られる。C 43I。
例215(参考例)

THF80ml中の生成したp-(トランス-4-エトキシシクロヘキシル)-o-フルオロフェノール8.2gの溶液に、NaOH(32%)11gを加え、次いでクロロジフルオロメタン13.8gを導入する(ドライアイス還流コンデンサーを使用する)。引続いて、1時間撹拌した後に、傾斜によって、この溶液を沈殿から分離除去し、次いで濃縮し、残留物を得る。バルブ管蒸留を行ない、p-(トランス-4-エトキシシクロヘキシル)-o-フルオロジフルオロメトキシベンゼンを得る。bp.

例216(参考例)
例214(参考例)と同様にして、2-n-オクチルオキシ-5-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)ピリジン〔この化合物は、2,5-ジブロモピリジンをNaH/1-オクタノールと反応させ、この2-n-オクチルオキシ-5-ブロモピリジンをアエン化合物に変換し(BuLi/ZnBr2/-70°)、3-フルオロ-4-アセトキシブロモベンゼンと交さカップリングさせ(PdCl2dppf/THF)、次いでそのアセチル基をKOH/MeOHで加水分解することによって製造される〕から、2-n-オクチルオキシ-5-(3-フルオロ-4-ジフルオロメトキシフェニル)-ピリジンを得る。C 29 I。
同様にして、下記の化合物が製造される:
2-n-オクチル-5-(3-フルオロ-4-ジフルオロメトキシフェニル)ピリジン、C 29 I。



(57)【特許請求の範囲】
1.式I

〔式中、Rは、Hであり、あるいはRは、炭素原子1〜15個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は、非置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、そしてこれらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、O原子が相互に直接

CO-O-、-O-CO-または-O-CO-O-により置き換えられていてもよく、
A1およびA2は、それぞれ相互に独立して、
(a)トランス-1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまた、-O-および(または)-S-により置き換えられていてもよい)、
(b)1,4-フェニレン基、
(c)1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ〔2.2.2〕オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイルおよび1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルよりなる群からの基
であり、上記の基(a)および基(b)は、場合によりCNまたはフッ素により置換されていてもよく、
Z1およびZ2は、それぞれ相互に独立して、-CO-O-、-O-CO-、-CH2O-、-OCH2-、CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-または単結合であり、あるいは基Z1および基Z2のうちの一つはまた、-(CH2)4-または-CH=CH-CH2CH2-であることができ、
Lは、Fであり、
mは、0、1または2であり、
Yは、FまたはClであり、そして
Qは、単結合、-CF2-、-OCF2-または-OCHF-である、ただし、次の化合物を除く、
(a)4-プロピル-4´-(3,5-ジフルオロ-4-デフルオロメトキシフェニル)-トランス,トランス-ビシクロヘキシル

(式中R1はそれぞれ炭素原子1〜10個を有するアルキル基である)
(c)A1およびA2が、同一又は異なって、いずれもトランス-1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基、ピリミジン-2,5-ジイル基または1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基であり、かつQ-YがFである化合物、
(d)A2が、1,4-シクロヘキセニレン基であり、かつQ-YがFである化合物。〕
で示されるフルオロベンゼン誘導体。
2.式Iで示される化合物を液晶媒体の成分として使用する方法。
3.少なくとも2種の液晶成分を含有する液晶媒体であって、式Iで示される化合物のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする液晶媒体。
4.式I″

〔式中、Rは、Hであり、あるいはRは、炭素原子1〜15個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は、非置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、そしてこれらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、O原子が相互に直接

-O-、-O-CO-または-O-CO-O-により置き換えられていてもよく、
A1およびA2は、それぞれ相互に独立して、
(a)トランス-1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまた、-O-および(または)-S-により置き換えられていてもよい)、
(b)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個または2個のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよい)、
(c)1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ〔2.2.2〕オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイルおよび1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルよりなる群からの基
であり、上記の基(a)および基(b)は、場合によりCNまたはフッ素により置換されていてもよく、
Z1およびZ2は、それぞれ相互に独立して、-CO-O-、-O-CO-、-CH2O-、-OCH2-、CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-または単結合であり、あるいは基Z1および基Z2のうちの一つはまた、-(CH2)4-または-CH=CH-CH2CH2-であることができ、
Lは、Fであり、
mは、0、1または2であり、
Yは、FまたはClであり、そして
Qは、単結合、-CF2-、-OCF2-または-OCHF-である、
で示されるフルオロベンゼン誘導体の1種又は2種以上に加え、さらなる構成要素として4〜30種の成分を含有し、さらなる構成要素が下記式1〜5;
R′-L-E-R″ 1
R′-L-COO-E-R″ 2
R′-L-OOC-E-R″ 3
R′-L-CH2CH2-E-R″ 4
R′-L-C≡C-E-R″ 5
式1、式2、式3、式4および式5において、LおよびEは同一または異なることができ、相互に独立して、それぞれ、-Phe-、Cyc-、-Phe-Phe-、-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-Pyr-、-Dio-、-G-Phe-および-G-Cyc-ならびにそれらの鏡像基からなる群からの二価の基であり、Pheは1,4-フェニレンであり(この基は非置換であるか、またはフッ素で置換されている)、Cycはトランス-1,4-シクロヘキシレンまたは1,4-シクロヘキセニレンであり、Pyrはピリミジン-2,5-ジイルまたはピリジン-2,5-ジイルであり、Dioは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり、そしてGは2-(トランス-1,4-シクロヘキシル)-エチル、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイルまたは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり、R′およびR″は相互に独立して、それぞれ、8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシまたはアルカノイルオキシであるか、または、R″は、-F、-Cl、-NCSまたは-(O)iCH3-(k+l)FkCll式中、iは、0または1であり、そしてk+lは、1、2または3である)である、
で示される化合物から選択され、
(a)式I″の化合物1種又は2種以上を5〜90%、
(b)R″が-F、-Cl、-NCS又は-(O)iCH3-(k+l)FkCllである式1〜5から選択される化合物を10〜80%(グループB)及び
(c)R′及びR″が夫々互いに独立して、炭素原子1〜8個を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ又はアルカノイルオキシである式1〜5から選択される化合物を0〜30%(グループA)含有し、
しきい値電圧が、1.66V以下であることを特徴とする、液晶媒体。
5.さらなる構成要素が7〜25種の成分であることを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
6.さらなる構成要素として、式1〜5のうちの2つから選択される化合物を含有することを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
7.LがCyc又はPheであり、EがPhe-Cycである構成要素を含有することを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
8.LがPheであることを特徴とする、請求項7に記載の液晶媒体。
9.L及びEがCyc、Phe及びPyrからなる群から選択されたものである式1〜5の化合物の1種又は2種以上と、L及びEのうちのひとつの基がCyc、Phe及びPyrからなる群から選択され、他の基が-Phe-Phe-、-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-G-Phe-及び-G-Cyc-からなる群から選択されたものである式1〜5の化合物の1種又は2種以上とを同時に含むことを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
10.式I″の化合物を複数種含有することを特徴とする、請求項4〜9のいずれかに記載の液晶媒体。
11.式I″の化合物を3、4又は5種含有することを特徴とする、請求項10に記載の液晶媒体。
12.L及びEのうちのひとつの基がフッ素で置換された1,4-フェニレンを含む、式1〜5から選択される化合物を含有することを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
13.式I″の化合物とグループBの化合物とからなることを特徴とする、請求項4に記載の液晶媒体。
14.式I″の化合物と式

の化合物とからなるものを除く、請求項4〜13のいずれかに記載の液晶媒体。
15.式I″の化合物を40%より多く含有することを特徴とする、請求項4〜14のいずれかに記載の液晶媒体。
16.式I″の化合物の割合が45〜90%であることを特徴とする、請求項15に記載の液晶媒体。
17.請求項3〜16のいずれかに記載の液晶媒体を含有することを特徴とする、液晶表示素子。
18.誘電体として、請求項3〜16のいずれかに記載の液晶媒体を含有することを特徴とする、電気光学表示素子。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2004-10-08 
出願番号 特願平2-512012
審決分類 P 1 41・ 856- Y (C07C)
P 1 41・ 853- Y (C07C)
P 1 41・ 851- Y (C07C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐藤 修  
特許庁審判長 板橋 一隆
特許庁審判官 岩瀬 眞紀子
後藤 圭次
登録日 1999-07-09 
登録番号 特許第2951400号(P2951400)
発明の名称 フルオロベンゼン誘導体および液晶相  
代理人 葛和 清司  
代理人 葛和 清司  
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