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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
審判 全部申し立て 特39条先願  A63F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A63F
管理番号 1109541
異議申立番号 異議2003-72982  
総通号数 62 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2001-02-20 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-05 
確定日 2004-10-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3445562号「遊技機」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3445562号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 第1.手続の経緯
本件特許第3445562号に係る特許出願(特願2000-222950号。以下、「本件特許出願」という)は、平成5年4月22日に特許出願された特願平5-95730号の一部を新たな特許出願(特願2000-122562号)とし、この新たな特許出願の一部を新たな特許出願(特願2000-153628号)とし、この新たな特許出願の一部を新たな特許出願(特願2000-189995号)とし、この新たな特許出願の一部を平成12年7月24日に新たな特許出願としたものであって、平成15年5月21日付けで提出された手続補正書によってその明細書の補正がなされ、平成15年6月27日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、榊原吉保、本間幹雄、座間正行、奥崎佐和子の4名より特許異議の申立てがなされ、取消しの理由の通知がなされ、その指定期間内である平成16年9月27日に訂正請求がなされたものである。

第2.訂正の適否について
1.訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、次のとおりである(下線部分が訂正個所である)。
(1)訂正事項a
特許明細書の特許請求の範囲の請求項3を削除する。
(2)訂正事項b
特許明細書の特許請求の範囲の請求項4を請求項3とするとともに、その「請求項1から請求項3のいずれかに記載の遊技機」という記載を、「請求項1または請求項2に記載の遊技機」と訂正する。
(3)訂正事項c
特許明細書の段落【0007】の記載を削除する。
(4)訂正事項d
特許明細書の段落【0008】中の「請求項4に記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の」という記載を、「請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の」と訂正する。
(5)訂正事項e
特許明細書の段落【0011】の記載を削除する。
(6)訂正事項f
特許明細書の段落【0012】中の「請求項4に記載の本発明によれば、請求項1から請求項3のいずれかに記載の」という記載を、「請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の」と訂正する。
(7)訂正事項g
特許明細書の段落【0232】の記載を削除する。
(8)訂正事項h
特許明細書の段落【0233】中の「請求項4に記載の本発明によれば、請求項1から請求項3のいずれかに記載の」という記載を、「請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
前記訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、また、前記訂正事項bは、前記訂正事項aに付随的に生じる特許請求の範囲の記載の不備を解消するものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、さらに、前記訂正事項cないしhは、前記特許請求の範囲の減縮に伴って、減縮された特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当する。そして、前記訂正事項aないし訂正事項hによる訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において訂正するものであって新規事項を追加するものでなく、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

3.むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第3.特許異議の申立てについて
1.本件発明
前記「第2.訂正の適否について」で示したように訂正が認められるから、本件特許第3445562号の請求項1ないし請求項3に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明3」という)は、訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし請求項3に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】 始動条件の成立に基づいて複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた当り表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であって、
前記表示結果の表示態様を事前に決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段により事前決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となること、または前記可変表示装置においてリーチとなることを予告報知する予告報知手段と、
前記当り表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、前記当り表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように、前記予告報知手段の予告報知をするか否かを決定する予告報知決定手段と、
前記当り表示態様が複数種類定められており、前記可変表示装置の表示結果が前記複数種類の当り表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様となったときに、前記可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となる確率を向上させる確率変動状態に制御する確率変動手段とを含むことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】 前記可変表示制御手段は、
前記遊技機の遊技制御を行なう手段であって、前記事前決定手段に決定された識別情報の表示態様を特定するコマンドを出力するメイン制御手段と、
入力された前記識別情報の表示態様を特定するコマンドにより特定される識別情報が表示結果として導出表示されるように前記可変表示装置を制御するサブ制御手段とを含み、
前記予告報知決定手段は前記メイン制御手段に含まれることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】 前記予告報知手段は、前記識別情報の可変表示動作により予告報知することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。」

2.取消理由の概要
当審が前記訂正前の請求項1ないし請求項4に係る発明に対して平成16年9月8日付けで通知した取消しの理由の概要は次のとおりである。

本件特許出願の明細書は、平成15年5月21日付けで提出された手続補正書によって補正がなされており、同手続補正書による補正は請求項3に係る発明の効果についての記載である段落【0232】を補正する補正事項を含むものであるが、当該補正事項を含む前記補正は願書に最初に添付した明細書又は図面の要旨を変更するものであるから、本件特許出願は平成15年5月21日に出願されたものとみなされ、そうすると、請求項1ないし請求項4に係る発明は、いずれも下記の引用刊行物1に記載された発明であるから、請求項1ないし請求項4に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。

引用刊行物1:特開2001-46654号公報

3.特許異議申立て理由の概要
特許異議申立人である榊原吉保、本間幹雄、座間正行、奥崎佐和子が、前記訂正前の請求項1ないし請求項4に係る発明に対して申し立てた特許異議の申立ての理由の概要は以下のとおりである。

(1)榊原吉保の特許異議申立て理由の概要
榊原吉保は、下記の甲第1号証ないし甲第3号証を提出して、請求項1及び請求項2並びに請求項4に係る発明は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであって取り消されるべきものであり、あるいは、請求項1ないし請求項4に係る発明は、本件特許出願と同日の特許出願である特願2000-222951号(特許第3418599号)の請求項1ないし請求項4に係る発明と実質同一であるから、その特許は特許法第39条第2項の規定に違反してされたものであって取り消されるべきものである旨主張する。
また、本件特許出願の明細書は、平成15年5月21日付けで提出された手続補正書によって補正がなされており、同手続補正書による補正は請求項1の一部を「前記当り表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、前記当り表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように」と補正する補正事項を含むものであるが、当該補正事項を含む前記補正は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものではないから、請求項1に係る発明の特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであって取り消されるべきものである旨主張する。

甲第1号証:特開平3-75078号公報
甲第2号証:実願平2-65120号(実開平4-22988号)
のマイクロフィルム
甲第3号証:特開平5-49729号公報

(2)本間幹雄の特許異議申立て理由の概要
本間幹雄は、下記の甲第1号証ないし甲第4号証を提出して、請求項1及び請求項2に係る発明は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基づいて、また、請求項3及び請求項4に係る発明は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明に基づいて、それぞれ当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであって取り消されるべきものである旨主張する。

甲第1号証:特開平3-75078号公報
甲第2号証:特開平4-67878号公報
甲第3号証:特開昭64-56084号公報
甲第4号証:特開平2-172485号公報

(3)座間正行の特許異議申立て理由の概要
座間正行は、下記の甲第1号証ないし甲第5号証を提出して、請求項1ないし請求項4に係る発明は、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであって取り消されるべきものである旨主張する。

甲第1号証:特開平3-75078号公報
甲第2号証:実願平2-65120号(実開平4-22988号)
のマイクロフィルム
甲第3号証:特開平5-31232号公報
甲第4号証:特開昭64-56084号公報
甲第5号証:特開平4-5981号公報

(4)奥崎佐和子の特許異議申立て理由の概要
奥崎佐和子は、下記の甲第1号証と、補助的証拠である甲第2号証(タイムチャート)とを提出して、平成15年5月21日付けで提出された手続補正書による補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面の要旨を変更するものであるから、本件特許出願は平成15年5月21日に出願されたものとみなされ、そうすると、請求項1ないし請求項4に係る発明は、いずれも甲第1号証に記載された発明であるから、請求項1ないし請求項4に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであって取り消されるべきものである旨主張する。
また、下記の甲第3号証ないし甲第6号証を提出して、本件特許出願の出願日が平成5年4月22日であるとしても、請求項1ないし請求項4に係る発明は、甲第3号証ないし甲第6号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであって取り消されるべきものである旨主張する。

甲第1号証:特開2001-46654号公報
甲第3号証:特開平3-75078号公報
甲第4号証:実願平2-65120号(実開平4-22988号)
のマイクロフィルム
甲第5号証:特開平1-265985号公報
甲第6号証:「パチンコ必勝ガイド」第5巻第1号(通巻第81号)、
平成5年1月17日発行、株式会社白夜書房発行

4.取消理由及び特許異議申立て理由についての判断
以下においては、前記訂正が認められたことによる本件発明1ないし本件発明3について、その取消しの理由及び特許異議の申立ての理由について検討する。

(1)特許法第29条第1項第3号違反について
当審が取消しの理由として通知し、また、特許異議申立人奥崎佐和子が特許異議の申立ての理由とした特許法第29条第1項第3号違反について検討する。
前記取消しの理由及び特許異議の申立ての理由において、願書に最初に添付した明細書又は図面の要旨を変更するものであるとされた、本件特許出願に係る特許権の設定登録時の請求項3に係る発明の効果についての記載は、当該請求項3とともに前記訂正により削除されたから、本件特許出願の出願日は平成5年4月22日であると認められる。
そうすると、前記取消しの理由で引用した引用刊行物1であって、かつ、特許異議申立人奥崎佐和子が提出した甲第1号証である特開2001-46654号公報は、本件特許出願の出願前に頒布されたものとは認められないから、本件発明1ないし本件発明3の特許は、前記取消しの理由及び前記特許異議の申立ての理由とした特許法第29条第1項第3号の規定に違反するものではない。

(2)特許法第29条第2項違反について
特許異議申立人榊原吉保、本間幹雄、座間正行、奥崎佐和子が特許異議の申立ての理由とした特許法第29条第2項違反について検討する。
(i)本件発明1について
(a)榊原吉保が甲第1号証として提出し、本間幹雄が甲第1号証として提出し、座間正行が甲第1号証として提出し、かつ、奥崎佐和子が甲第3号証として提出した特開平3-75078号公報(以下、「刊行物A」という)には、リーチとなることを予告報知することについては何ら記載が認められないから、本件発明1と前記刊行物Aに記載されたに発明とを対比すると、少なくとも次の点において両者の構成が相違するものと認められる。
[相違点]
本件発明1においては、当り表示態様が可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、当り表示態様になることの予告報知、またはリーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように、予告報知手段の予告報知をするか否かを決定する予告報知決定手段を備えているのに対し、刊行物Aに記載された発明においては、そのような予告報知決定手段を備えていない点。
(b)そこで、前記相違点について検討する。
(b1)榊原吉保が甲第2号証として提出し、座間正行が甲第2号証として提出し、かつ、奥崎佐和子が甲第4号証として提出した実願平2-65120号(実開平4-22988号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物B」という)には、「リーチ状態が発生することが予知されると、そのリーチ状態が予知された番の可変表示部47の表示記号が変動する前に記憶表示ランプ48を通常とは異なった態様で点灯させるようにしたものである。」(第8頁第2行〜第6行)と記載されているように、本件発明1におけるリーチとなることの予告報知に相当する構成についての記載は認められるものの、刊行物Bに記載の当該予告報知は可変表示装置においてリーチとなる場合には必ず行われるものであるから、当りとなる場合には必ず行われるものと認められる。したがって、前記刊行物Bには、前記相違点に係る予告報知決定手段のように当り表示態様が可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、リーチになることの予告報知も含め何らの予告報知も行わない構成についての記載までは認められない。
(b2)一方、前記刊行物Aには、(イ)大当り又は中当りが発生する回の1〜4回前の停止図柄データをリーチ目表示用の停止図柄データに変更することにより、大当り又は中当りの前兆としてリーチ目を表示すること、及び、(ロ)リーチ目表示用の停止図柄データに変更しようとする停止図柄データが大当り又は中当りの停止図柄データであるか否かを判断し、大当り又は中当りの停止図柄データである場合にはリーチ目表示用の停止図柄データへの変更は行わないことが記載されている(第11頁右下欄第10行〜第12頁左上欄第13行参照)。
そして、前記(ロ)の判断及び判断後の処理の結果として、大当り又は中当りが発生する回の1〜4回前であってもリーチ目が表示されない場合が生じることは認められるが、当該(ロ)の判断及び判断後の処理は、前記(イ)のように停止図柄データを変更することによってリーチ目を表示するという構成を採用した場合にのみ必要かつ可能となるものであって、前記(b1)で示した刊行物Bに記載のリーチ予告報知のように可変表示部とは別の記憶表示ランプを用いて予告報知する構成を採用しているものにおいては全く必要がないものであるばかりか、そもそも採用することすらできないものと認められる。
したがって、前記相違点に係る予告報知決定手段が、前記刊行物Aに記載された発明と前記刊行物Bに記載された発明とから当業者が容易に想到し得るものであるということはできない。
(b3)また、本間幹雄が前記相違点に関連する発明が記載されているとして提出した甲第2号証(特開平4-67878号公報)には、リーチ状態が成立すれば必ず図柄の外形を変形させることが記載されているにすぎないから、前記相違点に係る予告報知決定手段(特に、当り表示態様が可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、リーチになることの予告報知も含め何らの予告報知も行わない点)についての記載も示唆も認められない。
(b4)さらに、榊原吉保が提出した甲第3号証、本間幹雄が提出した甲第3号証及び甲第4号証、座間正行が提出した甲第3号証ないし甲第5号証、奥崎佐和子が提出した甲第5号証及び甲第6号証のいずれにおいても、リーチ予告については何ら記載されておらず、したがって、前記相違点に係る予告報知決定手段についての記載も示唆も認められない。
(b5)そして、本件発明1は、前記相違点に係る予告報知決定手段を備えることにより、「事前報知がない場合には必ずはずれが確定しているとは限らず、事前報知がなくても大当りすることがある( 中略 )ので遊技者の遊技意欲の低下が防止できる。」(段落【0087】)、及び、「予告報知による期待感の盛り上がりを高い割合で遊技者に味あわせることができる。」(段落【0230】)という効果を奏するものと認められる。
(c)したがって、本件発明1は、少なくとも前記相違点に係る構成において、榊原吉保が甲第1号証ないし甲第3号証として提出し、本間幹雄が甲第1号証ないし甲第4号証として提出し、座間正行が甲第1号証ないし甲第5号証として提出し、奥崎佐和子が甲第3号証ないし甲第6号証として提出した、各刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできないから、本件発明1の特許は、前記特許異議の申立ての理由とした特許法第29条第2項の規定に違反するものではない。
(ii)本件発明2及び本件発明3について
本件発明2及び本件発明3は、いずれも本件発明1を更に限定するものであるから、前記(i)に示した理由により、前記各刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。したがって、本件発明2及び本件発明3の特許は、前記特許異議の申立ての理由とした特許法第29条第2項の規定に違反するものではない。

(3)特許法第39条第2項違反について
特許異議申立人榊原吉保が特許異議の申立ての理由とした特許法第39条第2項違反について検討する。
本件発明1と、本件特許出願と同日の特許出願である特願2000-222951号(特許第3418599号)の請求項1に係る発明(以下、「同日発明1」という)とを対比すると、本件発明1においては、予告報知決定手段が、当り表示態様が可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、当り表示態様になることの予告報知、またはリーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように決定しているのに対し、同日発明1においては、当り表示態様が可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、どのような割合で当り表示態様になることの予告報知、またはリーチになることの予告報知を行ない、あるいは、双方の予告報知を行なわないのかについて何ら特定されていない点で発明の構成が相違する。そして、本件発明1の前記相違点に係る構成は、周知・慣用技術であるとも認められないから、本件発明1と同日発明1は実質的に同一であると言うこともできない。
したがって、本件発明1は、本件特許出願と同日の特許出願である特願2000-222951号(特許第3418599号)の請求項1に係る発明と同一ではないから、本件発明1の特許と、当該本件発明1を更に限定するものである本件発明2及び本件発明3の特許は、前記特許異議の申立ての理由とした特許法第39条第2項の規定に違反するものではない。

(4)特許法第17条の2第3項違反について
特許異議申立人榊原吉保が特許異議の申立ての理由とした特許法第17条の2第3項違反について検討する。
前記「第1.手続の経緯」で示した平成5年4月22日に特許出願された特願平5-95730号から本件特許出願に至るまでの出願の分割は適法になされていると認められるから、本件特許出願の出願日は平成5年4月22日であるとみなされる。したがって、榊原吉保が主張するところの特許法第17条の2第3項の規定は本件特許出願に対してはそもそも適用されるものではないから、当然に特許法第17条の2第3項違反とはならない。
なお、榊原吉保が願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものではないと主張する「前記当り表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、前記当り表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように」という補正事項を含む補正が、本件特許出願に対して適用される特許法第40条に規定されるところの明細書の要旨変更に該当するか否かについて検討すると、前記「いずれか一方を行なう割合」が前記「双方の予告報知を行なわない」場合ではない場合の割合を意味していることは明らかであるから、当該「いずれか一方を行なう割合」は、前記「当り表示態様になることの予告報知」を行う割合と前記「リーチになることの予告報知」を行う割合とを合算したものであると認められる。そして、本件特許出願の願書に最初に添付した明細書には、「大当りを発生させることが事前決定された場合において、リセット回数が1,3,5,7,9,11,13,15の場合に事前報知されるため1/2の確率で大当りが事前報知され、リセット回数が0,2,4,6の場合にリーチが事前報知されるため1/4の確率でリーチが事前報知されることになる。その結果、事前報知がない場合には必ずはずれが確定しているとは限らず、事前報知がなくても大当りすることがある(リセット回数が8,10,12,14であった場合)ので遊技者の遊技意欲の低下が防止できる。」(段落【0087】)と記載されており、当該記載からみて、当り表示態様になることの予告報知を行う割合(1/2)とリーチになることの予告報知を行う割合(1/4)を合算した割合(1/2+1/4=3/4)が、双方の予告報知を行なわない割合(1/4)より高いことは明らかであるから、前記補正事項を含む平成15年5月21日付け手続補正書による補正は、明細書の要旨を変更するものとは認められない。

5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1ないし本件発明3についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1ないし本件発明3ついての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 始動条件の成立に基づいて複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた当り表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であって、
前記表示結果の表示態様を事前に決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段により事前決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となること、または前記可変表示装置においてリーチとなることを予告報知する予告報知手段と、
前記当り表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、前記当り表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように、前記予告報知手段の予告報知をするか否かを決定する予告報知決定手段と、
前記当り表示態様が複数種類定められており、前記可変表示装置の表示結果が前記複数種類の当り表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様となったときに、前記可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となる確率を向上させる確率変動状態に制御する確率変動手段とを含むことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】 前記可変表示制御手段は、
前記遊技機の遊技制御を行なう手段であって、前記事前決定手段に決定された識別情報の表示態様を特定するコマンドを出力するメイン制御手段と、
入力された前記識別情報の表示態様を特定するコマンドにより特定される識別情報が表示結果として導出表示されるように前記可変表示装置を制御するサブ制御手段とを含み、
前記予告報知決定手段は前記メイン制御手段に含まれることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】 前記予告報知手段は、前記識別情報の可変表示動作により予告報知することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、始動条件の成立に基づいて複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた当り表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を含む遊技機があった。このような遊技機においては、可変表示装置において、複数種類の識別情報の可変表示を開始させた後、表示結果を導出表示させる表示制御が行なわれていた。そして、このような遊技機では、たとえば、遊技者にとって有利な状態(たとえば大当り状態)に制御可能となるような当り表示態様(たとえば大当りの図柄の組合せ)の表示結果が可変表示装置に導出表示される場合がある。また、このような遊技機においては、遊技者に当り表示態様(たとえば大当りの図柄の組合せ)の導出表示への期待を持たせるリーチ表示態様が可変表示装置に表示される場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の従来の遊技機においては、可変表示装置によりリーチ表示態様または当り表示態様のような所定の表示態様が何の前兆もなく表示されるため、このような表示態様が可変表示装置で表示される前の段階から遊技者の期待感を盛り上げて遊技者を楽しませることがあまりできないという問題があった。
【0004】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、リーチ表示態様または当り表示態様について、当該表示態様が表示される前の段階から遊技者の期待感を盛り上げることにより、興趣を向上させることを可能にすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、始動条件の成立に基づいて複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた当り表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であって、
前記表示結果の表示態様を事前に決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段により事前決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となること、または前記可変表示装置においてリーチとなることを予告報知する予告報知手段と、
前記当り表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、前記当り表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように、前記予告報知手段の予告報知をするか否かを決定する予告報知決定手段と、
前記当り表示態様が複数種類定められており、前記可変表示装置の表示結果が前記複数種類の当り表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様となったときに、前記可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となる確率を向上させる確率変動状態に制御する確率変動手段とを含むことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記可変表示制御手段は、
前記遊技機の遊技制御を行なう手段であって、前記事前決定手段に決定された識別情報の表示態様を特定するコマンドを出力するメイン制御手段と、
入力された前記識別情報の表示態様を特定するコマンドにより特定される識別情報が表示結果として導出表示されるように前記可変表示装置を制御するサブ制御手段とを含み、
前記予告報知決定手段は前記メイン制御手段に含まれることを特徴とする。
【0007】
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記予告報知手段は、前記識別情報の可変表示動作により予告報知することを特徴とする。
【0009】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、次のように作用する。事前決定手段の働きにより、表示結果の表示態様が事前に決定される。可変表示制御手段の働きにより、前記事前決定手段により事前決定された内容に従って前記可変表示装置が制御される。予告報知手段の働きにより、可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となること、または可変表示装置においてリーチとなることが予告報知される。予告報知決定手段の働きにより、当り表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、前記当り表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように、前記予告報知手段の予告報知をするか否かが決定される。前記当り表示態様が複数種類定められており、前記可変表示装置の表示結果が前記複数種類の当り表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様となったときに、確率変動手段の働きにより、前記可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となる確率が向上する。
【0010】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、次のように作用する。メイン制御手段の働きにより、前記遊技機の遊技制御が行なわれ、さらに、前記事前決定手段に決定された識別情報の表示態様を特定するコマンドが出力される。また、サブ制御手段の働きにより、入力された前記識別情報の表示態様を特定するコマンドにより特定される識別情報が表示結果として導出表示されるように前記可変表示装置が制御される。前記予告報知決定手段は前記メイン制御手段に含まれる。
【0011】
【0012】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、次のように作用する。予告報知手段の働きにより、識別情報の可変表示動作により予告報知が行なわれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機やスロットマシン等でもよく、始動条件の成立に基づいて複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた当り表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であればすべて対象となる。
【0014】
図1は、本発明にかかる遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。遊技者が図示しない打球操作ハンドルを操作すれば、打球待機樋(図示せず)に貯留されているパチンコ玉が1つずつ遊技盤1の前面に形成されている遊技領域2内に打込まれる。遊技領域2には、複数種類の識別情報を可変表示可能な、回転ドラムを用いた可変表示装置3が設けられているとともに、始動口10が設けられている。これら始動口10内に入賞したパチンコ玉は、それぞれ始動入賞玉検出器(始動口スイッチ)11により検出される。
【0015】
始動口スイッチ11の検出信号に基づき、可変表示装置3の各図柄表示部が可変開始される。可変表示装置3には、回転ドラム4a、4b、4cの図柄によって3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部が形成され、それぞれドラムランプ7a〜7iにより背後から照明されている。各図柄表示部は、可変表示中は所定の複数個の図柄を順次回転表示する。そして、所定時間の経過に基づいてまず左端の回転ドラム4aが停止し、その後右端の回転ドラム4cが停止し、最後に中央の回転ドラム4bが停止する。なお、停止時の順序をこれに限定されず、たとえば左、中、右の順で停止制御しても良い。回転ドラムは3つに限らず2つ以下または4以上のものであってもよい。さらに、この可変表示装置3の可変表示を、遊技者の停止ボタン(図示せず)の押圧操作によって停止させたり、また、所定時間の経過または遊技者の停止ボタンの押圧操作のうちいずれか早い方が行なわれたことに基づいて停止制御してもよい。
【0016】
停止時の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組み合わせになれば、可変入賞球装置12の開閉板14を開成させて遊技者にとって有利な第1の状態とし所定の遊技価値が付与可能な状態にする。左、右図柄が停止した時点で特定の表示態様の組合わせとなる条件を満たしていれば、これをリーチ状態と呼ぶ。
【0017】
前述のように可変表示装置3によって表示される図柄は、3×3のマトリックス状の配列となる。このマトリックスにより、水平方向の3本のラインと、対角線の2本との合計5本の表示ラインが形成される。本実施の形態においては、この5つのラインのいずれも組合せ有効列(当りライン)とされており、このライン上に特定の表示態様の組み合わせ(例えば「777」や「FEVER」)が停止表示されれば、前記可変入賞球装置12が第1の状態となるように制御される。また、特定の図柄(たとえば赤い「7」、青い「7」)は確率変動図柄と呼び、これが揃って大当りが発生した場合は、その後大当りが2回発生するまでの間、可変表示停止時の大当りとなる確率が、通常時の5倍となる。また、この確率が高確率となっている間にさらに確率変動図柄が揃って大当りとなった場合には、その時点からさらに2回大当りが発生するまでの間、高確率状態が持続される。ただし、大当り中には大当り発生の確率は通常の値に戻される。
【0018】
可変表示装置3の可変表示中においてパチンコ玉が始動口10に入賞すればその始動入賞が記憶され、可変表示装置3の可変表示が停止した後にその記憶に基づいて再度可変表示装置3が可変開始される。その始動入賞記憶の上限値はたとえば「4」に定められている。その始動入賞記憶回数は始動記憶表示器8により表示される。なお、可変表示装置3の下部で始動口10の左右には、パチンコ玉を始動口10の上方に誘導するための誘導部材9が設けられている。
【0019】
一方、可変入賞球装置12は、通常時においては開口部13が開閉板14により閉塞されてパチンコ玉が開口部13に入賞できない遊技者にとって不利な第2の状態になっている。しかし、開閉板14が開成することにより、パチンコ玉が開口部13に入賞可能な遊技者にとって有利な第1の状態となる。可変入賞球装置12の第1の状態は、パチンコ玉の所定個数(たとえば10個)の開口部13への入賞または所定時間(たとえば30秒間)の経過のいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、可変入賞球装置12が第2の状態に切換わる。開口部13への入賞玉の個数は10カウントスイッチ16およびVスイッチ17によってカウントされる。この可変入賞球装置12に入賞した入賞玉の個数は入賞個数表示器18により表示される。
【0020】
一方、開口部13内の所定の箇所(図示右側)には特定入賞領域が形成されており、可変入賞球装置12に入賞したパチンコ玉がこの特定入賞領域に入賞すれば、Vスイッチ17により検出され、その回における可変入賞球装置12の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板14が開成されて第1の状態が繰返し継続制御される。この繰返し継続制御の上限回数はたとえば16回と定められている。なお、図中15はソレノイドであり、開閉板14を開閉駆動させるためのものである。
【0021】
この可変入賞球装置12の第2の状態としては、打玉が全く入賞できない状態ではなく、打玉が入賞困難な状態であってもよい。
【0022】
可変表示装置3の上部には覆い5が設けられているとともに可変入賞球装置12の繰返し継続制御の実行回数を表示する回数表示LED6が設けられている。また遊技領域2には、さらに、ラッキーナンバー表示LED19と、レール飾りランプ20と、通常入賞口とが設けられている。
【0023】
図2は、可変表示装置3の各回転ドラム4a〜4c上に形成された図柄を、展開図形式で示したものである。各図柄には図柄コ-ド00H〜14H(16進表示)が割り当てられている。左図柄と中図柄とは同一の図柄であるが、右図柄のみは他の図柄とは配列が少し異なっている。
【0024】
図3は、パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
遊技機制御基板53に設けられている制御回路139は、各種機器を制御するためのプログラムに従って遊技制御を行なうためのメイン基本回路21と、始動口スイッチ11とVスイッチ17と10カウントスイッチ16とからの検出信号をメイン基本回路21に与えるためのスイッチ回路29と、メイン基本回路21の指令に従ってソレノイド15を駆動し、メイン基本回路21から与えられるデータに従ってレール飾りランプ120を駆動し、大当り情報,大当りの発生確率の変動に関する確率変動情報,可変表示装置を可変開始させる有効な打玉の始動入賞に関する有効始動情報をホール用管理コンピュータ等に対して出力するためのランプ・ソレノイド・情報出力回路28と、メイン基本回路21から与えられるデータに従って始動記憶表示LED8とV表示LED35と図柄表示LED6とラッキーナンバー表示LED19とを駆動するための7セグ・LED駆動回路27と、メイン基本回路21から与えられる音データに従ってスピーカ34を駆動し、効果音を発生させるための音回路26とを含む。
【0025】
メイン基本回路21には、ワンチップマイクロコンピュータ172が設けられており、ワンチップマイクロコンピュータ172には、制御中枢としてのCPU174と、RAM(ランダムアクセスメモリ)175と、セキュリティチェック回路176とが設けられている。このセキュリティチェック回路176は、ROM171に記憶されているプログラムが適正なものであるか否かのセキュリティチェック処理を行なうものであり、ROM,RAM,CPU等が内蔵されている。メイン基本回路21に設けられているROM171には、遊技機の制御を行なうための制御用プログラムが記憶されており、この制御用プログラムに従ってCPU174が動作し、I/Oポート170を介して7セグ・LED回路27等に制御指令信号を出力するとともに、サウンドジェネレータ173を介して音回路26に制御指令信号を出力する。また、このI/Oポート170を介して前述したスイッチ回路29等からの信号がCPU174に入力される。
【0026】
制御回路139は、サブ基本回路22を有しており、メイン基本回路21からの遊技状態(たとえば通常遊技状態,リーチ状態,大当り状態等)に関する信号がこのサブ基本回路22に与えられ、サブ基本回路22では、その入力された信号に従って、ドラムランプ回路30,モータ回路31に制御信号を与える。すると、可変表示装置3を構成している可変表示ユニット138のドラムモータ左136a,ドラムモータ中136b,ドラムモータ右136cが回転駆動されて各回転ドラム4a,4b,4cが回転駆動される。すると、その回転ドラムの回転基準位置を検出するためのドラムセンサ左137a,ドラムセンサ中137b,ドラムセンサ右137cがそれぞれの回転ドラムの回転基準位置を検出し、その検出信号がセンサ回路32を介してサブ基本回路22とメイン基本回路21とに入力される。さらに、ドラムランプ回路30を介してドラムランプ7a〜7iが点灯制御される。
【0027】
制御回路139には、電源投入時にメイン基本回路21をリセットするための初期リセット回路24と、メイン基本回路21,サブ基本回路22に対して定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを与え、所定の遊技制御用プログラムや可変表示装置制御用プログラムを先頭から繰返し実行させるためのクロック用リセットパルス発生回路23と、メイン基本回路21から与えられるアドレス信号をデコードし、メイン基本回路21内に含まれるROM171,RAM175,I/Oポート170等のいずれか1つを選択するための信号を出力するためのアドレスデコード回路25とが設けられている。
【0028】
また、パチンコ遊技機の制御回路139には、AC24Vの交流電源に接続され、複数種類の直流の電圧を発生させる電源回路33が含まれている。電源回路33には、ドラムランプ用電源33Aも含まれている。
【0029】
制御回路139のメイン基本回路21,サブ基本回路22,クロック用リセットパルス発生回路23,アドレスデコード回路25,初期リセット回路24,電源回路33,ドラムランプ用電源回路33A,音回路26,7セグ・LED回路27,ランプ・ソレノイド・情報出力回路28,スイッチ回路29,ドラムランプ回路30,モータ回路31,センサ回路32により遊技制御手段が構成されており、この遊技制御手段を構成する前記各回路は、ともに制御基板の一例の遊技機制御基板53に設けられている。メイン基本回路21とサブ基本回路22とは、ケーブルではなく遊技機制御基板53上の配線で接続されており、その接続線の長さも、サブ基本回路22をメイン基本回路21の基板とは異なる可変表示装置制御基板上に設けた場合と比較してはるかに短くなる。したがって、メイン基本回路21からサブ基本回路22への表示制御用信号の伝送時に、表示制御用信号にノイズが混入する虞れが少なくなるという利点がある。
【0030】
なお、サブ基本回路22から可変表示装置3への表示制御用信号にノイズが混入することを防止するために、可変表示装置3に、ノイズ防止用バッファを設けてもよい。具体的には、ツェナーダイオードやバリスタなど、所定の電位以上の電圧が印加されたときに導通する素子を用いて、過大なレベルのノイズが入力されたときに、ノイズをたとえば接地電位に流すようにする。
【0031】
メイン基本回路21には、スイッチ回路29を介して次のような信号が与えられる。10カウントスイッチ16は、可変入賞球装置12に入賞した入賞玉の検出信号をスイッチ回路29を介してメイン基本回路21に与える。始動口スイッチ11は、始動口10に入賞したパチンコ玉を検出し、検出信号スイッチ回路29を介してメイン基本回路21に与える。
【0032】
サブ基本回路22は、メイン基本回路21によって制御されて次の表示制御を行なう。まず、通常時には、サブ基本回路22は3つの回転ドラム4a〜4cをすべて停止している。始動入賞が発生し、可変開始されると、すべての回転ドラムが高速で回転する。所定時間の経過後、まず回転ドラム左4aが停止し、次に回転ドラム右4cが停止され、最後に回転ドラム中4bが停止する。
【0033】
停止時の表示結果によって、いずれかの当りライン上に特定の表示態様の組合せ(たとえば777)が揃った場合には大当りとなる。この場合、メイン基本回路21はスピーカ34を駆動してファンファーレ音を発生させる。
【0034】
大当りとなって可変入賞球装置12が開成状態となっている間、サブ基本回路22は停止時の図柄を表示するとともに、大当りの組合せが成立した当りライン上の裏側からドラムランプ7a〜7iを点滅表示させる。
【0035】
V入賞があった場合には、可変入賞球装置12にパチンコ玉が所定個数(たとえば10個)入賞するか、所定時間(たとえば30秒間)が経過するかして、一旦可変入賞球装置12が閉成した後、2秒間のインターバルをおいて再度可変入賞球装置12が開成する。この繰返し継続回数の上限は所定回数(たとえば16回)に制限されている。
【0036】
可変入賞球装置12の繰返し継続回数が16回となり、最終の開成が終了すると、大当り制御が終了する。
【0037】
レール飾りランプ120は、遊技状態に応じて点灯,消灯,点滅を行ない、スピーカ34は、遊技状態に応じて予め定められた効果音を発生する。ソレノイド15は、メイン基本回路21の制御に応じて、可変入賞球装置12の開成および閉成を行なう。始動記憶数表示器8は、可変表示中等において始動入賞があった場合にその個数を記憶して表示する。入賞個数表示器18は、可変入賞球装置12の1回の開成におけるパチンコ玉の入賞個数を表示する。前記可変表示装置3,可変入賞球装置12,各種LED6,18,8,35,19,あるいはレール飾りランプ120により。電気的に作動する電気的遊技装置が構成されている。また、10カウントスイッチ16,Vスイッチ17あるいは始動口スイッチ11により、電気的検出手段が構成されている。
【0038】
なお、可変表示装置は、たとえばボクシングの試合を映像表示し、遊技者側のボクサーが勝てば所定の有価価値を付与するものでもよい。つまり、複数種類の図柄をスクロール表示または切換え表示するものに限らず、かつ、表示結果が導出表示された後においても引続き可変表示され続けるものでもよい。また、エラー発生時には、回数表示LED6によりエラーの種類別にエラーコード表示がされるとともに、スピーカ34から所定のエラー音が発生される。
【0039】
図4は、可変表示装置3の可変表示動作を利用して事前報知を行なう場合の動作説明図である。
【0040】
図4の(a)〜(d)は、リーチの事前報知動作を示す。可変表示装置3のすべての回転ドラム4a,4b,4cが回転を開始する前に、(a)に示す中回転ドラム4bのみが1/2図柄分逆回転して(b)に示す状態となる。次に、中回転ドラム4bのみが正転方向に1/2図柄分回転して(c)に示す状態となり、その後(d)に示すようにすべての回転ドラム4a,4b,4cが正転方向に回転を開始して可変開始される。遊技者は、可変表示装置3が可変開始される前に、中可変表示部の識別情報が逆方向に1/2図柄分逆転するのを見て左回転ドラム4aと右回転ドラム4cとが停止した段階でぞろめが停止表示されるリーチ状態となることを事前に認識することができる。
【0041】
図4の(e)〜(h)は、大当りの事前報知動作を示す。(e)に示す可変表示装置3のすべての回転ドラム4a,4b,4cが正転方向に回転を開始する以前において、すべての回転ドラム4a,4b,4cが1/2図柄分逆転して(f)に示す状態となる。次に、すべての回転ドラム4a,4b,4cが正転方向に回転を開始し、1/2図柄分正転方向に回転した状態が(g)に示される。そして、引続き、すべての回転ドラム4a,4b,4cが(h)に示したように正転方向に回転し、可変表示装置3が可変開始する。遊技者は、可変表示装置3の可変開始が行なわれる前にすべての可変表示部4a,4b,4cが1/2図柄分逆転されることを見て、すべての可変表示部が停止した段階でぞろめが揃う大当りが発生することを事前に認識できる。
【0042】
図5は、可変表示装置の可変表示動作を利用した事前報知の他の例を示す動作説明図である。
【0043】
図5の(a)〜(d)はリーチの事前報知を示す。まず、可変表示装置3が可変開始されてすべての回転ドラム4a,4b,4cが回転している状態が(a)に示されている。そして、まず左回転ドラム4aが停止するのであるが、その停止する際に、(b)に示すように、1図柄未満の範囲内で予定停止位置(図面では「7」が横方向中段の当りラインに停止する位置)を通過させた後、左回転ドラム4aを逆転させて予定停止位置に戻す。その後、右回転ドラム4cが(c)に示すように停止してリーチ状態が発生し、最後に中回転ドラム4bが(d)に示すように停止する。遊技者は、(b)に示した左可変表示部の停止時の状態を見ることによりリーチが発生することを事前に認識できる。
【0044】
図5の(e)〜(h)は、大当りの事前報知動作を示す。可変表示装置3が可変開始されてすべての回転ドラム4a,4b,4cが回転している状態が(e)に示されており、まず左の回転ドラム4aが停止するのであるが、その停止の際に、(f)に示すように、1図柄未満の範囲内で予定停止位置を通過させた後左回転ドラム4aを逆転させて予定停止位置に戻す。次に、右回転ドラム4cが停止するのであるが、その場合にも、(g)に示すように、1図柄未満の範囲内で予定停止位置を通過させた後右回転ドラム4cを逆転させて予定停止位置に戻す。そして、最後に中回転ドラム4bが停止して(h)に示すように大当り状態となる。遊技者は、(g)に示した右可変表示部の停止時の動きを見ることにより、大当りが発生することを事前に認識できる。
【0045】
このように、図5に示した別実施の形態の場合には、左回転ドラム4aが停止する際に(b),(f)に示す動作状態となれば遊技者はリーチが発生することを事前に認識でき、次に右回転ドラム4cが停止する段階で(g)に示す動作状態となれば遊技者は大当りが発生することを事前に認識できる。
【0046】
図6は、可変表示装置の可変表示動作を利用した事前報知を行なう別実施の形態を示す動作説明図である。
【0047】
(a)〜(d)は、リーチの事前報知を行なう場合を示している。可変表示装置3が可変開始してからすべての回転ドラム4a,4b,4cが回転している状態が(a)に示されている。そして、まず左回転ドラム4aが停止するのであるが、その停止する際に、(b)に示すように、左回転ドラム4aを見かけ上2図柄分余分に変動させた後停止させる。この表示動作制御は、後述するS341において定速送り回転数を「左=3」とし、S342において通常より2図柄手前の図柄NO.に対応するドラム制御データのアドレスを選択するようにすればよい。次に、右回転ドラム4cが停止した状態で(c)に示すように斜め対角線上にぞろめが揃ったリーチ状態が発生する。次に(d)に示すように、中回転ドラム4bが停止する。
【0048】
(e)〜(h)は、大当りの事前報知動作を示すものである。可変表示装置3が可変開始されてからすべての回転ドラム4a,4b,4cが回転している状態が(e)に示されており、まず左回転ドラム4aが停止する際に、(f)に示すように、前述と同様の見かけ上2図柄分余分に変動させる制御が行なわれた後に停止する。さらに、(g)に示すように、右回転ドラム4cが停止する際に、前述と同様に見かけ上2図柄分余分に変動させた後停止させる。この場合には、後述するS341において、定速送り図柄数を「右=8」とし、S342において通常より2図柄手前の図柄NO.に対応するドラム制御データのアドレスを選択するようにすればよい。次に(h)に示すように、中回転ドラム4bが停止して「777」のぞろめが揃った大当り状態が発生する。
【0049】
遊技者は、(b),(f)に示した左可変表示部の停止時の動作状態を見ることにより、リーチ状態が発生することを認識でき、(g)に示した右可変表示部の停止時の動作状態を見ることにより、大当りが発生することを事前に認識できる。
【0050】
以上説明した実施の形態においては、事前報知の内容として、リーチおよび大当りの両方を報知するものを示したが、リーチのみあるいは大当りのみを事前報知するものであってもよい。また、大当りのみの事前報知を行なう場合には、すべての回転ドラム4a,4b,4cを同時に停止させてもよい。さらに、可変表示装置の可変表示動作により事前報知を行なうことに加えて、ランプ,LED(たとえば覆い5に内蔵されるランプ,LEDや回数表示LED6)によって事前報知を行なうようにしてもよい。さらに、可変表示装置3の可変表示動作によってリーチ,大当りを事前報知するものであれば、可変表示装置の種類はどのようなものであってもよく、たとえば、LCD,CRT,プラズマ,ドットマトリクスLED,エレクトロルミネセンス,蛍光表示管等の表示装置を利用したもの、あるいは、表面に複数種類の図柄が描かれたベルトを回転移動させるものや複数種類の図柄が描かれた円板を回転させるもの(ロタミント)であってもよい。さらに単一の可変表示部を複数回可変表示させて表示結果の組合せを導出させるようにしてもよい。また、事前報知の方法はどのようなものであってもよく、たとえば、逆回転,可変開始時からスロー回転,点滅,画面が一瞬OFFになるもの,画面の明暗が反転するもの,表示図柄の形状や大きさが変形するものであってもよい。
【0051】
図7は、図3に示した制御回路39の動作を説明するためのメインルーチンのフローチャートである。
【0052】
図7に示すメインルーチンプログラムは前述のようにたとえば2msec毎に1回実行される。この実行は、図3のクロック用リセットパルス発生回路23が2msec毎に1回発生するリセットパルスに応答して開始される。まずステップS(以下単にSという)1により、スタックセット処理がなされ、S2によりRAMエラーがあったか否かの判断が行なわれる。この判断は、後述するようにメイン基本回路21に含まれるRAMの所定アドレスの内容を読出し、その値が所定の値(本実施の形態の場合6802H)と等しいか否かを調べることにより行なわれる。プログラムの暴走時や電源投入直後には、RAMの格納データは不定であるため、この判断の答えはNOとなって制御はS3に進む。
【0053】
S3においては、RAMの所定アドレスに初期データを書き込むなど、所定のイニシャル処理が行なわれる。なお、本実施の形態の遊技機においては、このイニシャル処理を複数回に分割して行なっている。複数回に分割することにより、1回のリセットパルスの入力に応答して行なわれる処理は少なく、それに要する時間も短くて済むために、例えば電源の投入直後など、リセットパルスの発生間隔が不安定で、比較的短い間に後続するリセットパルスが入力されたりした場合でも、イニシャル処理が不完全なままで通常の遊技制御に移行してしまう虞がすくない。
【0054】
S3の後制御はS15に進む。S15以降の処理については後述する。S3が複数回数実行されることによりRAMに所定の初期データが書込まれるため、以降このメインルーチンの実行時には、S2における判断の答えがYESとなり、制御はS4に進む。
【0055】
続いてS4では、10カウント・モータエラーフラグがセットされているか否かについての判断が行なわれる。この処理は、10カウントスイッチ16やVスイッチ17が回転ドラム4a〜4cの各モータ36a〜36cなどに異常が発生したか否かを判定するためのものである。エラーが発生していない場合には制御はS5に進み、モータ復旧フラグがセットされているか否かの判断が行なわれる。モータ復旧フラグとは、モータのエラーが発生したと判断されてモータが停止され、かつ後述するような一定のエラーリセット動作が行なわれた時にセットされるもので、セットされている場合にはモータを所定の初期状態に復旧させるべきことを示す。したがって、モータ復旧フラグがセットされている場合にはS6に処理が進み、モータ復旧フラグがクリアされ、モータに印加される電圧を通常電圧にしてモータをONさせ、かつプロセスフラグをサブCPUコマンドセット中を示す「13」という値に設定する。このプロセスフラグとは、後述するS7の処理で所定の制御時間を保ちながらパチンコ遊技機を制御するために必要となるものである。S6の後制御はS7に進む。また、S5においてモータ復旧フラグがONでないと判定された場合、すなわち通常動作時にも処理はS5からS7に進む。
【0056】
S7のプロセス処理とは、図8(b)〜図13を参照して後述するように、遊技の種々のプロセスに応じて必要な処理を行なうためのステップである。
【0057】
プロセス処理が実行された後S8では、図3に示されるサブ基本回路22(以下これをサブCPUと呼ぶ)に対して発行するコマンドをI/OポートからサブCPUに対して出力する処理が行なわれる。この処理により、サブCPUに対し、遊技状態に応じた表示を行なうためのコマンドが与えられる。これらコマンドの内容については図16を参照して後述するが、コマンドの送信方法に本発明の特徴がある。
【0058】
続いてS9では、各種検出器からの検出信号を入力するスイッチ入力処理が行なわれる。この内容については図15(b)を参照して後述する。
【0059】
次にS10により、エラー復旧チェック処理が行なわれる。この処理は、10カウントエラー、Vスイッチ、モータなどのエラーを復旧させるための何らかのリセット処理が行なわれたか否かをチェックする処理である。実際には、このリセット処理は、10カウントスイッチ、Vスイッチの断線・ショート・玉詰まりの場合にはその状態を解除することにより行なわれ、大当りにおける1回の開放中に入賞玉が1個も検出されなかったり、モータエラーが発生したりしている場合には、10カウントスイッチまたはVスイッチに遊技玉を1つ通すことで行なわれる。制御回路は、エラー状態である時に10カウントスイッチに遊技玉が1つ通されたことを検知すると、それに応答してエラー状態からの復旧処理を行なう。このエラー復旧チェック処理の詳細については図14(a)を参照して後述する。
【0060】
続いて、S11で、サブCPUへの、現在の遊技状態に応じたコマンドを、出力ポートにセットする処理が行なわれる。この処理については、図14(b)を参照して後述する。
【0061】
次にS12では、ランプ・ソレノイド・情報出力回路28(図3参照)を介して確率変動情報と有効始動情報とをホール用管理コンピュータに出力する処理が行なわれる。
【0062】
S13では、Vスイッチ、10カウントスイッチに断線、ショート、玉づまりなどの異常が発生していないかどうかをチェックする処理が行なわれる。
【0063】
次にS14により、モータセンサ37a〜37cから、モータの基準位置の検出信号が入力されているかどうかを知るために、モータセンサ37a〜37cからの入力を調べるモータステップチェック処理が行なわれる。この処理については、図8(a)を参照して後述する。
【0064】
次にS15により、ランダム1カウンタのカウント値を更新する処理が行なわれる。このランダム1カウンタは、可変表示装置3の停止時の表示結果を、大当りが発生する特定の識別情報の組合せ(たとえば777)にするか否かを決定するためのものである。
【0065】
続いてS16では、LEDを駆動するためのデータをI/Oポートにセットする処理が行なわれる。
【0066】
次にS17に進み、リセット回数が「0」、「1〜15」のいずれであるかについての判断が行なわれる。このリセット回数とは、クロック用リセットパルス発生回路23から発せられる定期リセットパルスにしたがってメイン基本回路21がリセットされた回数を意味し、リセットされる度に「0」から1つずつ歩進され、「15」に達した後さらに歩進されることにより「0」となる。リセット回数が「0」の場合にはS18に進み、ラッキーナンバー表示LED19を変動させるための処理が行なわれ、S20に進む。リセット回数が「0」以外の時には出力データテーブルを選択し、LED・ランプデータをセットする処理が実行される。この制御に基づき、前述したレール飾りランプ20等の表示制御が行なわれる。S19の後制御はS20に進む。
【0067】
S20では、図15(a)を参照して後述する入賞記憶エリア格納処理が行なわれる。S20の後処理はS21に進み、ランダム2カウンタ、ランダム3カウンタ、ランダム4カウンタ、ランダム5カウンタの更新処理が行なわれる。ランダム2カウンタは、大当り時の停止図柄を決定するために用いられる。ランダム3カウンタは、はずれ時の左図柄、中図柄、右図柄を決定するために用いられる。ランダム4カウンタは、図柄変動時に、図柄を1図柄だけ多く空回転させるか否かを決定するために用いられる。ランダム5カウンタは、ラッキーナンバー表示LED19の停止位置を決定するために用いられる。このS21の処理は、クロック用リセットパルス発生回路23によってリセットされる時間(2msec)内にS1〜S20までの処理を行ない、その残り時間であるリセット待ち時間を利用して行なわれる。S1〜S20までの処理時間がランダムとなるために、S21による処理時間もランダムとなり、S21による更新処理の結果、ランダム2カウンタ、ランダム3カウンタ、ランダム4カウンタ、ランダム5カウンタのカウント値はランダムな値を取ることになる。
【0068】
図8(a)は、図7のS14に示したモータステップチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずステップS45で、モータセンサからの信号を入力する処理が行なわれる。続いてS46で、S45の入力の結果、モータセンサの出力がONかどうかについての判断が行なわれる。ONであれば制御はS48に、さもなければ制御はS47にそれぞれ進む。
【0069】
S47では、モータセンサがOFFであると判断されるために、センサONカウンタの値を初期値「2」にセットする処理が行なわれる。このセンサONカウンタとは、モータセンサの入力のチャタリングによる誤判定を防止するために設けられたものである。S47の後制御はS52に進む。
【0070】
一方、モータセンサの出力がONであると判断された場合には、S48で、センサONカウンタの値が0かどうかについての判断が行なわれる。センサONカウンタは、前述したようにS47で初期値「2」に設定され、モータセンサからの信号がONであると判断されるたびに、後述するS51で1ずつ減算される。したがってこのモータステップチェック処理が3回行なわれる間、連続してモータセンサからの信号がONとなっている場合にのみS48における判断の答えがYESとなって制御はS50に進む。S50では各ドラムについて予め準備されたドラム回転カウンタが1加算され、モータセンサに対応のドラムが1回回転したものと判断される。S50の後制御はS51に進む。
【0071】
一方、S48でセンサカウンタが未だ0でないと判断された場合には制御はS49に進み、センサONカウンタが0より大きいかどうかについての判断が行なわれる。0より大きい場合には制御はS51に、そうでない場合には制御はS52にそれぞれ進む。S51では、センサONカウンタの値を1減算する処理が行なわれる。
【0072】
続いてS52では、すべてのセンサに対して上述したS46〜S51の処理が終了したかどうかについての判断が行なわれる。終了した場合にはこのサブルーチンは終了し、終了しない場合には再びS46以下の処理が繰返して行なわれる。
【0073】
上述したようにこのモータステップチェック処理では、或るドラムのモータセンサからの入力が、3回連続してONとなって初めてS50でドラム回転カウンタの値が1加算される。仮にモータセンサからの入力信号にノイズが混入した場合、そのノイズの信号レベルは短時間で上昇し短時間で再び通常レベルに戻るものと考えられる。したがって仮にそのようなノイズによってS46で一度YESという判断がなされた場合、まずS48ではNOの判断がされてS49からS51に進んでセンサONカウンタの値が1減算されるが、続いてモータステップチェック処理が行なわれるときには、信号レベルがOFFとなっているために、S46における判断の結果がNOとなりS47に進むことになる。そのためS47で再びセンサONカウンタに初期値「2」が設定されるので、ノイズによってドラムが1回回転したと誤って判定される虞れがない。
【0074】
図8(b)〜図13(b)は、図7のS7で示したプロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。各サブルーチンへは、プロセスフラグの値を参照して制御がジャンプする。このプロセスフラグは、後述するS56、S60、S65、S74、S87、S99、S103、S111、S115、S121、S125、S128、S130、S132、S137、S142、S144、S152等の処理によりそれぞれの値にセットされるものであり、所定の制御時間を保ちながらパチンコ遊技機を制御するために必要となるものである。プロセスフラグの値に応じて、実行されるサブルーチンプログラムが選択される。
【0075】
プロセスフラグが「0」の場合には図8(b)に示す通常処理が行なわれ、「1」の場合には図9(a)に示すドラム回転前処理が行なわれ、「2」の場合には図9(b)に示す大当り図柄セット処理が行なわれ、「3」の場合には図10(a)に示すはずれ図柄セット処理が行なわれ、「4」〜「11」の場合には図10(b)に示すはずれ図柄チェック処理が行なわれ、「12」の場合には図11(a)に示すサブCPUコマンドセット中処理が行なわれ、「13」の場合には図11(c)に示すサブCPUコマンド出力中処理が行なわれ、「14」〜「18」の場合には図12に示すドラム停止待ち処理(14は左ドラム停止処理、15は右ドラム停止処理、16は中ドラム停止処理、17はリーチ時の中図柄停止処理、18は確率変動図柄でのリーチ時の中図柄停止処理)が行なわれ、「19」の場合には図13(a)に示される大当りチェック処理が行なわれ、「20、21」の場合には開放前処理(20は通常時、21は確率変動図柄での大当り)の処理が行なわれ、「22〜25」の場合には開放中処理(22はV入賞前、23はV入賞後、24は確率変動図柄での大当りにおけるV入賞前、25は確率変動図柄での大当りにおけるV入賞後)が行なわれ、「26、27」の場合には開放後処理(26はV入賞前、27はV入賞後)が行なわれ、「28」の場合には図13(b)に示される大当り動作終了待ち処理が行なわれる。開放前処理と、開放中処理と、開放後処理のフローチャートおよびその説明については省略する。
【0076】
図8(b)は、図7のS7に示したプロセス処理のうち、通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS53により、入賞記憶があるか否かの判断が行なわれる。この入賞記憶は、後述するS177により「1」ずつ加算され、始動入賞に対する可変表示が開始されるたびに「1」ずつ減算される。
【0077】
入賞記憶がなかった場合には制御はS54に進み、ホール用管理コンビュータへの大当り情報OFF出力と、ソレノイド15のOFF出力のセットが行なわれてこのサブルーチンは終了する。一方、入賞記憶があった場合には制御はS55に進み、ホール用管理コンピュータに対して有効始動情報を出力するためのタイマがセットされる。このタイマは、有効始動情報を外部に出力する時間を計測するためのものであり、本実施の形態の場合には0.5秒に相当する値である。さらにS56で、プロセスフラグに1がセットされ、プロセスタイマに回転前時間がセットされる。本実施の形態の場合にはプロセスタイマには128msに相当する値がセットされる。S56でプロセスフラグに1がセットされるために、次に図7のS7が行なわれる場合には、図9(a)に示されるドラム回転前処理が行なわれることになる。S56の後このサブルーチンは終了する。
【0078】
図9(a)は、図7のS7で行なわれるプロセス処理のうち、プロセスフラグの値が「1」のときに行なわれるドラム回転前処理のフローチャートである。この処理は、通常処理において入賞記憶があったと判断された場合に実行される。
【0079】
まずS57で、図8(b)のS56でセットされたプロセスタイマが終了したか否かについての判断が行なわれる。終了しない場合にはS58に進みプロセスタイマが1減算される。S59で再びプロセスタイマが終了したかどうかについての判断が行なわれ、未だ終了していない場合にはこのサブルーチンは終了する。
【0080】
S57またはS59のいずれかでプロセスタイマが終了していると判断された場合にはS60でプロセスフラグに2をセットする処理が行なわれる。プロセスフラグに2がセットされるために、次にプロセス処理が行なわれる場合には後述する大当り図柄セット処理が行なわれることになる。
【0081】
S61で、入賞記憶エリア1に格納されていたランダム1カウンタの値の読出が行なわれる。この入賞記憶エリアは、始動入賞があったときに、その時点のランダム1カウンタの値を格納しておくエリアであり、入賞記憶を4つ保持しておくために、全部で4箇所準備されている。S61では、そのうち最も古いデータを格納するためのエリア1からのランダム1カウンタの値の読出が行なわれる。
【0082】
続いてS62では、読出されたランダム1カウンタの値が所定の大当り判定値(1通り)と一致するか否かについての判断が行なわれる。一致する場合にはこのサブルーチンは直ちに終了する。したがって大当りであればプロセスフラグの値は「2」となって、前述の通り大当り図柄セット処理が次に行なわれる。一方、大当り判定値ではないと判定された場合には制御はS63に進む。S63では、現在確率変動フラグがセットされているか否かについての判断が行なわれる。この確率変動フラグとは、前述したように特定の確率変動図柄で大当りが発生した場合にセットされるフラグで、このフラグがセットされている場合には、当該大当り後2回の大当りが発生するまで、大当りが発生する確率が5倍となる。
【0083】
S63で確率変動フラグがセットされていないと判断された場合には制御はS65に進む。一方、セットされていると判断された場合にはS64に進み、読出されたランダム1カウンタの値が確率変動時の大当り判定値と等しいかどうかについての判断が行なわれる。確率変動時の大当り判定値は、S62で用いられる大当り判定値の他に4通り予め定められている。したがって、確率変動フラグがセットされている場合には、それ以外の場合と比べて大当りとなる確率が前述のように5倍となる。S64の結果読出されたランダム1カウンタの値と大当り判定値のいずれかとが等しいと判断された場合には直ちにこのサブルーチンは終了するが、いずれとも一致しないと判断された場合にはS65に進む。S65では、プロセスフラグに「3」がセットされる。プロセスフラグが「3」にセットされた場合には、図4のS7に示されるプロセス処理が次回実行されるときには、はずれ図柄セット処理が行なわれる。
【0084】
図9(b)は、図7のS7に示したプロセス処理のうち、プロセスフラグが「2」のときに実行される大当り図柄セット処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS66で、大当り図柄テーブルを参照し、入賞記憶エリア1に格納されているランダム2カウンタの値に対応する当り図柄を停止図柄ナンバーの左、中、右にセットする処理が行なわれる。この場合、左中右の図柄配列が同一であって当りラインが1ラインのみである場合には左図柄ナンバーと中図柄ナンバーと右図柄ナンバーとを一致させればよく、この実施の形態のように大当り図柄テーブルを使用する必要はない。
【0085】
S67では、S66においてセットされた当り図柄のラインに応じて、サブCPUコマンドデータのうち、前述のようにコマンドコードが「2」として送信されるドラムランプ制御データのうちのドラムランプデータ1、2(リーチ)と、ドラムランプデータ1、2(大当り)とがそれぞれセットされる。これらドラムランプデータ1、2(リーチ)とドラムランプデータ1、2(大当り)とはそれぞれ8ビットずつのデータである。前述のように可変表示装置上の表示列は3×3の9列ある。ドラムランプデータ1、2(リーチ)とドラムランプデータ1、2(大当り)とは、それぞれ合計16ビットのデータであるので、この16ビットのうちの9ビットを1ビットずつ各列に割り当てて、それぞれの列のドラムランプの点滅を各ビットによって指定する。
【0086】
S68では大当りフラグに「大当り、リーチ」がセットされてS69に進む。S69では、S66でセットされた停止図柄が確率変動図柄かどうかについての判断が行なわれる。確率変動図柄でない場合には制御はS71に、確率変動図柄である場合には制御はS70にそれぞれ進む。S70では、大当りフラグに「大当り、確変大当り、リーチ、確変リーチ」がセットされてS71に進む。
【0087】
次に、S701に進み、リセット回数が奇数であるか否かの判断が行なわれ、奇数である場合にはS702に進み、大当りフラグD6(図16(a)参照)を「1」にセットする処理が行なわれて大当り予告ありのフラグ状態にセットされた後S71に進む。一方、リセット回数が奇数でない場合にS703に進み、リセット回数が「7」未満であるか否かの判断がなされ、「7」以上であった場合にはそのままS71に進むが、「7」未満であった場合にはS704に進み、大当りフラグD2(図16(a)参照)を「1」にセットしてリーチ予告ありのフラグ状態にした後S71に進む。その結果、大当りを発生させることが事前決定された場合において、リセット回数が1,3,5,7,9,11,13,15の場合に事前報知されるため1/2の確率で大当りが事前報知され、リセット回数が0,2,4,6の場合にリーチが事前報知されるため1/4の確率でリーチが事前報知されることになる。その結果、事前報知がない場合には必ずはずれが確定しているとは限らず、事前報知がなくても大当りすることがある(リセット回数が8,10,12,14であった場合)ので遊技者の遊技意欲の低下が防止できる。なお、大当りを発生させることが事前決定された場合にすべてについて事前報知をするようにしてもよい。また、確率変動図柄の場合とその他の場合とで事前報知の内容を異ならせて遊技者が識別できるようにしてもよい。
【0088】
S71では、現在のランダム4カウンタの値によって空回転図柄数をセットする処理が行なわれる。この空回転図柄数とは、図柄の停止までに変動する図柄の数を所定数だけ変化させる際の、その変化の数である。具体的には、ランダム4カウンタの値が奇数のときには空回転図柄数として「1」が、偶数のときには「0」がそれぞれセットされる。
【0089】
S72では、ドラム再回転用テーブルを参照して、ランダム4に対応する再回転図柄数と大当りチェック待ち時間とがセットされる。この再回転図柄数とは、大当り時の、次のようなドラム制御において用いられるものである。本実施の形態では、可変表示装置の図柄が停止するよりも前に、既に図9(a)のS62またはS64によって大当りか否かが決定されている。そこで、大当りであると判定された場合には、遊技の興趣を向上させるために、図柄を可変表示開始後、一定時間後にそれぞれストレートに順次停止させる停止方法の他に、中央のドラム4bについて図柄を一時停止させた後、再び図柄変動させた後大当り図柄で停止させる方法との2通りが用意されている。S72でセットされる再回転図柄数とは、一旦停止後に再び変動する図柄の数である。ランダム4カウンタの値は0〜39の40通りの値をとり得るが、そのうち0〜19の場合には図柄をストレートに停止させ、20〜39の場合には一旦停止した後再回転して大当り図柄で停止させる。すなわちランダム4カウンタが20〜39である場合にS72の再回転図柄数が決定される。全図柄は21あり、このうち停止図柄で一旦停止した後再回転して再び同じ図柄で停止させるのはあまり意味がないので、再回転図柄数としては1〜20の20通りのいずれかがセットされる。
【0090】
次にS73によって、ランダム5カウンタの値によりラッキーナンバー表示LED19の停止位置をセットする処理が行なわれる。
【0091】
S74ではプロセスフラグに「12」がセットされる。プロセスフラグが12にセットされることにより、S7のプロセス処理が次回実行される際には図11(a)を参照して後述するサブCPUコマンドセット中処理が実行されることになる。S74の後このサブルーチンは終了する。
【0092】
S62ないしS64の処理によって、可変表示装置の停止時の表示結果が特定の表示態様の組合せとなるかどうかが決定される。各回転ドラムには21通りの図柄が描かれており、かつ大当りとなる図柄の組合せは8通りの大当り図柄の5ラインすなわち40通りあるので、表示上の大当りの発生する確率は40/213≒1/231.5となる。一方、ソフト上の大当りとなる確率は、図9(a)のS62ないし64からわかるようにランダム1カウンタのとり得る値の範囲によって定まる。この実施の形態の場合にはランダム1カウンタは0〜351の値をとり、大当りはそのうちの1通りまたは5通り(確変時)である。したがってソフト上の大当りが発生する確率は前述のように1/352または5/352となる。
【0093】
図10(a)は、プロセスフラグが「3」のときに行なわれるはずれ図柄セットのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。この処理はプロセスフラグが「3」にセットされている場合、すなわち抽選の結果はずれと判定された場合に実行される。
【0094】
まずS75により、入賞記憶エリア1に格納されているランダム3カウンタの値の下位データと、前回の左停止図柄ナンバーとを加算する処理が行なわれる。S76で、S75の加算の結果が21以上かどうかについての判断が行なわれ、21以上である場合にはS77で加算結果から21が減算されてS78に進むS75〜S77によって新たな左停止図柄ナンバーが決定され、S78でセットされる。S75〜S78によって停止図柄ナンバーを決定することにより、ランダム3のみによって停止図柄を決定させる場合よりも各図柄の出現の態様(出目)が偏ることが減少するという効果がある。
【0095】
S79〜S82、S83〜S86はそれぞれ、S75〜S78と同様の処理を停止図柄ナンバー中と停止図柄ナンバー右とに行なうための処理である。加算に用いられるランダム3カウンタの値がそれぞれ中位と上位とであることを除き、これらの処理は停止図柄ナンバー左を決定するときの処理と同様であるので、ここではその詳細は省略する。
【0096】
S87では、大当りフラグをクリアし、再回転図柄数をクリアし、大当りチェック待ち時間(245すなわち490ms)がセットされ、大当り図柄テーブルのアドレスがセットされ、プロセスフラグが4にセットされる。この大当り図柄テーブルアドレスとは、後述する図10(b)のはずれ図柄チェック処理のS88において大当り図柄テーブルからデータを読出す際の、テーブルアドレスの先頭を示す。またプロセスフラグに「4」がセットされるために、次回プロセス処理が実行される場合にははずれ図柄チェック処理が行なわれることになる。
【0097】
図10(b)は、プロセスフラグが「4」〜「11」のときに行なわれるはずれ図柄チェック処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。この処理は、リーチラインがどこに発生しているか、図10(a)で行なわれたはずれ図柄セット処理の結果、停止図柄が偶然大当りの組合せになってしまっているラインがないか否かを判定するための処理である。本実施の形態のような回転ドラムによる可変表示装置の場合には、大当りが発生する可能性のあるラインは全部で5つである。また左、中、右の各図柄表示部に表示される大当り図柄は8通りである。そこで、このはずれ図柄チェック処理では、このはずれ図柄チェック処理が1回実行されるごとに、8図柄のうちの1つの図柄のみについて上述の5ラインについてのチェックを行ない、全部で8回繰返し実行することにより8図柄のすべてについてのチェックを行なう。プロセスフラグの4〜11は、この8図柄にそれぞれ対応する。このように1回につき1つの図柄のみについてチェックするのは、このメインルーチンを1回実行する間の処理の数を少なくし、所定の処理を終了する前にリセットされてしまい遊技制御が異常となることを防止するためである。
【0098】
まず、S88では、S87でセットされた大当り図柄テーブルアドレスに従って大当り図柄テーブルからデータの読出処理が行なわれる。そして変数「チェック回数」に「5」がセットされる。
【0099】
S89では、チェック回数が0かどうかについての判断が行なわれる。0であればS99に、0でなければS90にそれぞれ処理が進む。S90では、大当り図柄テーブルが終了したかどうかについての判断が行なわれる。終了した場合にはS99に、終了していない場合にはS91にそれぞれ制御が進む。S91では、停止図柄の左が当該テーブルの当り図柄かどうかについての判断が行なわれる。当り図柄でなければS93に、当り図柄であればS92にそれぞれ制御が進む。S92では、停止図柄の右図柄が当り図柄かどうかについての判断が行なわれる。当り図柄であれば制御はS94に、当り図柄でなければ制御はS93にそれぞれ進む。S91でYES、S92でもYESという結果が得られた場合にはリーチ発生という判断が行なわれる。
【0100】
S93では、大当り図柄テーブルのアドレスを更新し、チェック回数を1減算してS89に戻る。S93に制御が進んできた場合は、図10(a)のはずれ図柄セット処理でセットされた図柄が、大当りの組合せでも、リーチの組合せでもない場合である。したがってS89〜S93の処理を5ラインのすべてについてさらに繰返し実行する必要がある。そこでS93でチェック回数を1減算し、S89でこのチェック回数が0となるまでこの処理が繰返し実行される。
【0101】
一方、S92でリーチが発生していると判断された場合には、その図柄の他のラインについてさらにチェックを行なう必要はない。そこでこの場合には制御はS94に進み、S94以下でリーチ時についてのチェックがさらに行なわれる。
【0102】
まずS94では、ドラムランプデータ1、2(リーチ)に、該当するラインを特定するデータがセットされる。S95で大当りフラグに「リーチ」がセットされる。
【0103】
次に、S951に進み、リセット回数が奇数であるか否かの判断が行なわれ、奇数でない場合にはS96に進むが、奇数の場合にはS952に進み、大当りフラグD2を「1」にセットしてリーチ予告ありのフラグ状態にする。その結果、大当りにしないことが事前決定されている場合にリーチ表示が行なわれるいわゆるはずれリーチ表示が行なわれる場合に、1/2の確率でリーチ状態が発生する旨の事前報知が行なわれる。その結果、リーチの事前報知が行なわれない場合には必ずリーチにならないことが確定づけられているとは限らず、リーチの事前報知がなくてもリーチ状態が発生することがあるので、遊技者の遊技意欲の低下を防止できる。なお、リーチが表示される場合のすべてについてリーチの事前報知をするようにしてもよい。また、確率変動図柄の場合とその他の場合とでリーチの事前報知の態様を異ならせて遊技者が識別できるようにしてもよい。S96でランダム4カウンタの値により、空回転図柄数がセットされる。S97で、停止図柄の中図柄が当り図柄かどうかについての判断が行なわれる。当り図柄であればこのラインについて単にリーチだけではなく、大当りの組合せとなっているわけであるので、S98で停止図柄ナンバーの中を強制的に1ずらしてはずれの組合せにする処理が行なわれる。S97で当り図柄でないと判断された場合およびS98の後制御はS99に進む。
【0104】
S99では、次回に参照すべき大当り図柄テーブルのアドレスがセットされて、プロセスフラグに1加算される。したがってプロセスフラグが4〜10である場合には引続き次のプロセス処理でもはずれ図柄チェック処理が行なわれ、プロセスフラグが11である場合には、次回プロセス処理が実行される場合にはサブCPUコマンドセット中処理が行なわれる。
【0105】
図11(a)は、プロセスフラグが12のときに行なわれるサブCPUコマンドセット中処理のフローチャートである。まずS100で、入賞記憶エリアをシフトする処理が行なわれる。この処理により、入賞記憶エリア1に入賞記憶エリア2の内容が、入賞記憶エリア2に入賞記憶エリア3の内容が、入賞記憶エリア3に入賞記憶エリア4の内容がそれぞれシフトされ、入賞記憶エリア4の内容がクリアされる。S101で、ドラム回転フラグが通常回転を示す値(00H)にセットされる。このドラム回転フラグは、図16(a)のエリア8で示されるフラグであり、ゲーム制御用マイクロコンピュータからサブCPUに送信されるデータである。さらにS102では、後述するサブCPUコマンドセット中処理が行なわれ、S103でプロセスフラグに1加算されてサブCPUコマンドセット中処理が終了する。プロセスフラグが13となるために、次回プロセス処理が実行される場合には図11(c)に示されるサブCPUコマンド出力中処理が行なわれる。
【0106】
図11(b)は、図11(a)のS102に示した制御データとしてのサブCPUコマンドセット処理のサブルーチンのプログラムのフローチャートである。まずS104で、図16(a)(b)に示されるコマンドヘッダ0〜6に、それぞれ固定の値をセットする処理が行なわれる。S105で、種類データとしてのコマンドコードに「01」をセットする処理が行なわれる。これにより、サブCPUコマンドとしてドラム回転制御用データが送信されるように設定される。S106で、図11(a)のS101で設定されたドラム回転フラグの内容をエリア8にセットする。S107で、大当り図柄セット処理またははずれ図柄セット処理でセットされた停止図柄ナンバーの左、中、右の値をそれぞれエリア9〜11にセットする処理が行なわれる。
【0107】
S108では、大当りフラグの内容をセットする処理が行なわれる。この大当りフラグは1バイトのデータであり、ビット0、1にドラム回転増カウンタの値がセットされ、ビット3はリーチのとき1に設定され、ビット4は確率変動図柄でリーチのとき1に設定され、ビット5は確率変動図柄で大当りのとき1に設定され、ビット7は大当りのときに1に設定される。
【0108】
S109で空回転図柄数が、S110で再回転図柄数がそれぞれ図16(a)のエリア13、14にセットされた後、S111でコマンド出力カウンタを「1」にセットする処理が行なわれる。このコマンド出力カウンタは、メインCPUからサブCPUに送信されるデータの数をカウントするためのものであり、コマンド出力カウンタが1であればサブCPUコマンドの1番目のデータ(第1バイト目)が送信されることになる。ドラム回転制御用データの場合にはこのコマンド出力カウンタが後述するように15になるまで、ドラムランプ制御用データの場合には13になるまでサブCPUコマンドの出力が行なわれる。
【0109】
図11(c)は、プロセスフラグが13のときに行なわれるサブCPUコマンド出力中処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS112で、モータをONさせる処理、すなわちモータに与えられる電圧を通常電圧とする処理が行なわれる。続いてS113で、コマンド出力カウンタが0かどうかについての判断が行なわれる。0であれば制御はS114に進み、0でなければこのサブルーチンプログラムは直ちに終了する。
【0110】
S114では、ドラム回転カウンタに0がセットされ、 次に、S1141に進み、大当り予告・リーチ予告があるか否かの判断がなされる。前述した大当りフラグD6およびD2のいずれもが「1」にセットされていない場合にはS115に進み、プロセスタイマに左ドラム停止待ち時間(3230)がセットされて、プロセスフラグが「1」加算される。本実施の形態の場合には左ドラム停止待ち時間として約0.646秒が設定される。さらにプロセスフラグが1加算されるために、次回プロセス処理が実行される際には左ドラム停止待ち処理が実行されることになる。
【0111】
一方、大当りフラグD6および大当りフラグD2のうちの少なくとも一方が「1」にセットされている場合にはS1142に進み、プロセスタイマに左ドラム停止待ち時間(3300)がセットされるとともにプロセスフラグに「1」が加算される。S1142により、プロセスタイマに左ドラム停止待ち時間(3370)がセットされるために、3300-3230=70となり、70×2msec=140msecだけ予告時間が加算された時間がセットされることになる。
【0112】
図12は、プロセスフラグが14〜18のときに行なわれるドラム停止待ち処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。プロセスフラグが14のときには左ドラム停止待ち処理が、15のときには右ドラム停止待ち処理が、16のときには中ドラム停止待ち処理が、17のときには中ドラム停止待ち処理(リーチ)が、18のときには中ドラム停止待ち処理(確変リーチ)が、それぞれ行なわれる。
【0113】
まずS116で、プロセスタイマが0になったか否かについての判断が行なわれる。0であれば制御はS119に進む。0でなければS117に進みプロセスタイマをさらに1減算して、S118でプロセスタイマが0になったか否かについての判断が行なわれる。プロセスタイマが0であればS119に進む。すなわち、プロセスタイマが0となるまで所定時間が経過して初めてS119以下に処理が進み、該当するドラムが停止されることになる。
【0114】
S119では、ドラム停止音のデータがセットされる。S120では、プロセスフラグが14かどうかについての判断が行なわれる。プロセスフラグが14とは、左ドラムの停止待ち処理であることを示す。14以外の場合にはS122に制御が進む。14であればS121に進み、プロセスタイマに右ドラム停止待ち時間(0.8秒)がセットされ、プロセスフラグが1加算されてこのサブルーチンプログラムは終了する。プロセスフラグが15となるために、次にプロセス処理が実行されるときには右ドラム停止待ち処理が行なわれ、S120における判断の答えがNOとなる。
【0115】
S122では、プロセスフラグが15かどうかについての判断が行なわれる。15以外の場合にはS132に進む。15であればS123に進み、ドラム回転カウンタが12未満かどうかについての判断が行なわれる。ドラム回転カウンタが12未満であれば何らかの原因でモータが停止していると判断されるためにS124に制御が進み、エラーフラグにモータエラーを示す値(08H)がセットされてこのサブルーチンプログラムは終了する。12以上であればS125に進み、プロセスタイマに中ドラム停止待ち時間(0.8秒)がセットされ、プロセスフラグに16がセットされる。プロセスフラグに16がセットされるために次回にプロセス処理が実行されるときには、中ドラム停止待ち処理が行なわれることになる。続いてS126で、大当りフラグがリーチとなっているかどうかについての判断が行なわれる。リーチであればS127に進むが、リーチでなければこのままこのサブルーチンプログラムは終了する。
【0116】
S127では、停止図柄ナンバー中の値から、前回の停止図柄ナンバー中の値と再回転図柄数とを減算した結果と、空回転図柄数とに応じ、予め準備されたリーチ時間テーブルを参照してリーチ時間を算出する処理が行なわれる。このリーチ時間とは、右ドラムが停止したときから、中ドラムが最終的に停止するときまでの時間を示す。さらにS128でプロセスフラグに17がセットされる。プロセスフラグに17がセットされるために、次回プロセス処理が行なわれるときには中ドラム停止待ち処理(リーチ)が実行されることになる。S128の後処理はS129に進む。
【0117】
S129ではさらに、大当りフラグが確変リーチを示す値かどうかについての判断が行なわれる。確変リーチであればS130でプロセスフラグに18がセットされ、S131に進む。確変リーチでなければ直接S131に進む。プロセスフラグに18がセットされた場合には、次回のプロセス処理では中ドラム停止待ち処理(確変リーチ)が実行されることになる。
【0118】
S131では、S127で算出された時間が、プロセスタイマにセットされてこのサブルーチンプログラムを終了する。
【0119】
図13(a)は、プロセスフラグが19のときに行なわれる大当りチェック処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを示す。まずS133で、プロセスタイマが0となったか否かについての判断が行なわれる。プロセスタイマが未だ0でなければこのサブルーチンプログラムは直ちに終了し、プロセスタイマが0となって初めてS134に制御が進む。
【0120】
S134では、モータをOFFさせる処理、すなわちモータに印加される電圧を低電圧とする処理が行なわれる。続いてS135では、中図柄ナンバーを前回中図柄ナンバー格納エリアに格納する処理が行なわれる。
【0121】
続いてS136では、大当りフラグが大当りとなっているかどうかについての判断が行なわれる。大当りでなければS137でプロセスフラグに0がセットされてこのサブルーチンプログラムは終了する。したがってこの場合には通常処理に制御が戻ることになる。大当りフラグが大当りであれば制御はS138に進む。S138では、確率変動カウンタが0かどうかについての判断が行なわれる。この確率変動カウンタは、確率変動図柄で大当りした場合に「2」がセットされるものである。0であれば直ちに制御はS140に進むが、0でなければS139で確率変動カウンタが1減算されてS140に進む。すなわち、確率変動カウンタは、確率変動図柄で大当りした場合に「2」がセットされた後、大当りが発生するたびに1ずつ減算される。そして0であれば大当りが発生する確率は低(通常)確率となり、0以外の場合に高確率となる。
【0122】
S140では確率変動フラグをクリアする処理が行なわれる。これは、高確率時であっても、大当り中には一旦大当り発生の確率を低確率にするためである。続いてS141で、ラッキーナンバー表示用LEDの停止位置がセットされてラッキーナンバー表示用LEDの変動時間がセットされる。さらにS142で、プロセスタイマに開放前時間がセットされる。本実施の形態の場合には開放前時間として5秒に相当する時間がセットされる。そしてプロセスフラグに20がセットされてS143に進む。プロセスフラグに20がセットされたために、次にプロセス処理が実行されるときには開放前処理が行なわれることになる。
【0123】
S143では、大当りフラグが確変大当りかどうかについての判断が行なわれる。確変大当りであれば制御はS144に進んでプロセスフラグに21がセットされる。S144の後、および大当りフラグが確変大当りでない場合にはこのサブルーチンは終了する。プロセスフラグに21がセットされた場合には、次回プロセス処理が実行されるときには開放前処理(確変大当り)が実行されることになる。この開放前(確変大当り)の処理は、通常の開放前処理とは効果音やドラムランプその他のランプ制御が変えられ、遊技の興趣がより向上するようになっている。
【0124】
図13(b)は、プロセスフラグが28となった場合に行なわれる大当り動作終了待ち処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS145でプロセスタイマが終了したかどうかについての判断が行なわれる。プロセスタイマが終了して初めてS146に制御が進み、ホール用管理コンピュータなどに送信される大当り情報と確率変動情報とがOFFされる。続いてS147で、大当りフラグが確変大当りかどうかについての判断が行なわれる。確変大当りでない場合には制御はS149に進むが、確変大当りである場合にはS148で確率変動カウンタに2が設定された後S149に進む。
【0125】
S149では、確率変動カウンタの値をそのまま確率変動フラグにセットする処理が行なわれる。続いてS150で、確率変動フラグがセットされているかどうか、すなわち確率変動フラグが0かどうかについての判断が行なわれ、0ならば制御はS152に進むが、0でない場合にはS151でホール用管理コンピュータに出力される確率変動情報がONされた後S152に進む。S152では、開放回数カウンタがクリアされた後プロセスフラグが0に設定され、次からは通常処理が実行されることになる。この大当り動作終了待ち処理により、大当り中には一旦低確率に戻されていた大当りの発生確率が、確率変動時には再び高確率に設定し直される。
【0126】
図14(a)は、図7のS10に示したエラー復旧チェック処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS153で、エラーフラグがセットされているかどうかについての判断が行なわれ、セットされていない場合には何もせずに直ちにこのサブルーチンプログラムは終了する。セットされている場合にはS154に進む。
【0127】
S154ではVスイッチエラー復旧チェック処理が、続くS155では10カウントスイッチエラー復旧チェック処理がそれぞれ行なわれる。これら2つの処理では、Vスイッチまたは10カウントスイッチを用いた、予め定められたエラーフラグリセット処理に相当する処理が行なわれたかどうかについてのチェックを行なう。行なわれていると判断された場合にはエラーフラグをリセットする。たとえば、大当り中の1回の可変入賞球装置12の開放において入賞玉が1個も検出されなかった場合またはモータエラーが発生した場合、本実施の形態の場合には10カウントスイッチに遊技玉を1つ通すことによりエラーフラグがリセットされる。
【0128】
S156では、S154、S155の処理の後なおかつエラーフラグがセットされているかどうかについての判断が行なわれる。未だセットされていれば制御はS161に進む。セットされていなければ制御はS157に進む。
【0129】
S157ではプロセスフラグが13未満かどうかについての判断が行なわれる。13未満であれば制御はS161に進む。13以上であれば制御はS158に進み、プロセスフラグが18よりも大きいかどうかについての判断が行なわれる。18よりも大きければ制御はS161に進む。18以下であれば制御はS159に進む。このS157、S158の処理により、プロセスフラグが13以上18以下である場合、すなわちモータが回転中であるべき場合のみに制御がS159に進むことになる。これ以外の場合には改めてモータを復旧させる必要がなく、前述のように直接制御はS161に進む。
【0130】
S159では、サブCPUを用いてドラムモータに対して初期動作を行なわせるモータ復旧フラグがセットされる。続いてS160ではサブCPUコマンドセット処理が行なわれる。このサブCPUコマンドセット処理については図9(b)を参照して既に説明した。なお、サブCPUコマンドセット処理におけるS106においては、モータ復旧フラグの値(通常時0,復旧時1)がそのままセットされることになる。
【0131】
S156でエラーフラグがセットされていると判断された場合、S157、S158でプロセスフラグが13未満または18よりも大きいと判断された場合、およびS160が実行された後には、制御はS161に進み、エラーフラグの内容がセットされてこのサブルーチンプログラムは終了する。
【0132】
図14(b)は、図7のS11に示したサブCPUコマンド出力セット処理とサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS162で、コマンド出力カウンタが0かどうかについての判断が行なわれる。0であればこのサブルーチンプログラムは直ちに終了する。0以外であれば制御はS163に進み、サブCPUコマンド出力がセットされる。続いてS164でコマンド出力カウンタが1加算される。さらにS165で、図16(a)(b)に示されるエリア7のコマンドコードが「01」かどうかについての判断が行なわれる。01であれば全部で15のエリアを有するドラム回転制御用データの送信であり、そうでない場合には全部で13のデータを有するドラムランプ制御用データの出力である。そこでコマンドコードが01であればS166に進み、コマンド出力カウンタが15以下かどうかについての判断が行なわれる。15以下であればこのサブルーチンプログラムは終了する。15を超えていればS168に進み、コマンド出力カウンタを0クリアする処理が行なわれてこのサブルーチンプログラムは終了する。
【0133】
一方S165でコマンドコードが01ではないと判断された場合にはS167に進み、コマンド出力カウンタが13以下かどうかについての判断が行なわれる。13以下であればこのサブルーチンプログラムは直ちに終了するが、13を超えていればS168に進み、コマンド出力カウンタが0クリアされてこのサブルーチンプログラムは終了する。
【0134】
図15(a)は、図7のS20に示した入賞記憶エリア格納処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S169により、始動入賞数が「0」であるか否かの判断が行なわれる。この始動入賞数は、後述するS177により「1」ずつ加算され、後述するS171により「1」ずつ減算される。始動入賞数が「0」の場合にはこのままサブルーチンプログラムは終了する。始動入賞数が0でない場合にはS170に進み、ランダム1カウンタ,ランダム2カウンタ,ランダム3カウンタの値を始動入賞記憶エリアの、対応するエリアにそれぞれ格納する処理が行なわれる。この始動入賞記憶エリアは、始動入賞記憶数に応じて各ランダムカウンタの値を記憶するための複数個(本実施の形態では4個)のカウント値格納用のエリアを有する。
【0135】
次にS171に進み、始動入賞数を前述のように「1」減算する処理が行なわれ、再び処理はS169に戻る。S169〜S171の処理は始動入賞数が「0」になるまで繰返し行なわれる。この入賞記憶エリア格納処理により、始動入賞毎に、それに対応するランダム1カウンタ,ランダム2カウンタ,ランダム3カウンタの値がそれぞれの入賞記憶エリアに格納される。なお、始動入賞時にサンプリングされたランダム1カウンタの値に基づいて当り外れをそのサンプリング時点で決定し、その判別結果を始動入賞記憶エリアに記憶しておくようにしてもよい。その場合には、当りが記憶されている場合に数回前の可変表示装置の可変表示動作の段階から大当りの事前報知を行なってもよい。また、同様に始動入賞時点でリーチにするか否かを決定し、数回前の可変表示の段階からリーチの事前報知を行なってもよい。
【0136】
図15(b)は、図7のS9に示したスイッチ入力処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS172により、I/Oポートから、各種検出器の検出信号を入力する処理が行なわれる。次にS173により、10カウントスイッチ(入賞個数検出器)16に断線やショート等のエラーが発生しているか否か等を、エラーフラグがセットされているかどうかによって確認する処理が行なわれ、エラーが発生している場合にはS178に制御が進む。
【0137】
エラーフラグがセットされていない場合には制御はS174に進み、始動口スイッチからの信号がONとなっているかどうかについての判断が行なわれる。ONとなっていれば制御はS178に進むが、ONとなっていなければ制御はS175に進む。S175では、始動口スイッチに始動入賞玉が入賞したと判断してよいかどうかについての判断が行なわれる。すなわち、入賞タイミングとなっているかどうかについての判断が行なわれる。本実施の形態の場合には、始動口スイッチがONの状態が所定時間続き、OFFに立下がったときに入賞タイミングと判定しているので、S174、S175のような判断処理が行なわれる。
【0138】
S175で入賞タイミングでないと判断された場合にはS178に進むが、入賞タイミングであればS176に進む。
【0139】
S176では、入賞記憶数が既に4以上かどうかについての判断が行なわれ、4以上であればこれ以上記憶する余地がないために制御はS178に進む。4未満であればS177に進み、入賞記憶数および始動入賞数がともに1ずつ加算される。S177の後制御はS178に進む。
【0140】
S178ではVスイッチにエラーが発生しているか否かを調べる処理が行なわれ、エラーが発生している場合にはVスイッチエラーフラグがセットされる。同様にS179では10カウントスイッチにエラーが発生しているか否かを調べる処理が行なわれ、エラーが発生している場合には10カウントスイッチエラーフラグがセットされる。
【0141】
パチンコ玉が始動口10に入賞して始動スイッチ11によって検出された場合、始動スイッチ11からは所定のパルス幅を有する検出パルスが導出され、基本回路21に与えられる。この場合その検出パルスのパルス幅の時間中スイッチ入力処理のサブルーチンが実行される毎にS174によりYESの判断が続けて行なわれる。その度に始動口スイッチのONカウンタがカウントアップされ、そのカウント値が所定の値(たとえば3)以上に達し、かつ始動口スイッチが再びOFFとなって初めてS175によってYESの判断が行なわれ、始動入賞があったものと判定される。一方、静電気などに起因したノイズにより始動スイッチ11からの出力が瞬間的にONと判断されるような値になる場合があるが、そのような場合には始動スイッチ11からの入力はパルス幅がほとんど0に近い信号となる。そのために、仮にそのようなノイズが入力されたタイミングと同一のタイミングでS174の判断が1回行なわれてONカウンタの値が1加算されたとしても、そのパルスの立下がり時にS175において続いて行なわれるONカウンタが所定の数(たとえば3)になったか否かの判断においてはNOと判断されるために、ただちに始動口スイッチ11がパチンコ玉を検出したとは判断されない。そして、続くスイッチ入力処理が実行されたときにはノイズはすでに立下がってしまっているために、S175における判断が必ずNOとなり、始動口スイッチのONカウンタがクリアされる。したがって、ノイズによって始動口スイッチがONしていると誤判断されるおそれはない。
【0142】
図16は、図7のS11、図11(a)〜(c)に示したサブCPUコマンドの内容を示す模式図である。
【0143】
図16(a)を参照して、ゲーム制御用マイクロコンピュータに用意されたサブCPUコマンドエリアは、それぞれ固定データ(“1FH”“00H”“01H”“02H”“04H”“08H”“10H”)が格納されるヘッダ0〜6と、以下に続くデータがドラム回転制御用のデータであるのか、ドラムランプ制御用のデータであるのかを示すためのコマンドコードエリア7とを含む。これらのうちサブCPUコマンドエリア1〜14と同様の領域が、サブ基本回路(サブCPU)22にもサブCPUコマンド入力エリアとして用意されており、基本回路21のドラム制御コマンドエリアの各データエリアのデータが、サブCPUコマンド入力エリアの対応するデータエリアに伝送される。
【0144】
コマンドコードが“01”である場合には、コマンドコードの次の7つのエリアが有効であり、それぞれ、ドラム回転コードのエリア(00は通常回転、01は異常復旧をそれぞれ示す)8と、それぞれ21通り(16進表示で00〜14)の値を取り得る左、中、右の各停止図柄を指定するエリア9、10、11と、大当りフラグ(ドラム回転増カウンタD0,D1、リーチ予告D2,リーチD3、確率変動図柄によるリーチD4、確率変動図柄による大当りD5、大当り予告D6、大当りD7)のためのエリア12と、空回転図柄数(00、01の2通り)を格納するためのエリア13と、大当たり時の再回転図柄数(00〜14Hの21通り)を格納するためのエリア14となっている。再回転図柄数とは、大当たり時に、図柄を最終的に停止する前に一旦停止させ、その後再び回転させたのち最終の停止図柄に停止させて、大当たり時の遊技の興趣を向上させるためのものである。
【0145】
コマンドコードが“02”である場合には、5つのエリアが有効であり、それぞれ、6通りの値(00〜05、00は通常、01はドラム回転中、02はリーチ中またははずれインターバル中、03は開放前、04は開放中、05は開放後をそれぞれ示す)を採りうるドラム制御コードを格納するエリア8と、リーチ時のドラムランプデータを格納するエリア9、10と、大当たり時のドラムランプデータを格納するためのエリア11、12となっている。
【0146】
サブCPUでは、入力されるデータの先頭が1Fか否か、さらにその後ろの6バイトが固定ヘッダと一致するか否かを判定してサブCPUコマンドが入力されたと判断し、続くエリア7のコマンドコードが01であるか、02であるかを判定して、その後の7つまたは5つのエリアがドラム回転制御用のデータであるか、ドラムランプ制御用のデータであるかを判断する。
【0147】
一般に、ドラム回転制御用データは、可変開始時のみサブCPUに送ればよく、サブCPUは、送られたドラム回転制御用データにしたがってドラムモータを制御してサブCPUコマンドで指定された停止図柄でモータを停止させる。したがって、可変表示を行なっていないとき、および可変表示が開始された後には、ドラム回転制御用データをサブCPUに送信する必要はない。一方、ドラムランプ制御用データは、可変表示中か否かを問わず送信する必要がある。そこで、上述のようにサブCPUコマンドとして2通り用意し、可変表示の開始時のみコマンドコード“01”のデータを、その他の時にはコマンドコード“02”のデータを送信するようにする。このようにすることにより、ドラム回転制御用のデータとドラムランプ制御用のデータとを同時に送信する場合と比較して一回あたりに送信されるデータ量が減少し、送信に必要な時間も短くなり、そのためにゲーム制御用マイクロコンピュータの負担が軽くなるという効果がある。
【0148】
なお、本実施の形態の遊技機では、ゲーム制御用マイクロコンピュータからサブCPUへは、各停止図柄を特定する情報が送信され、現在の表示図柄を示す情報は送信されない。しかし本発明はこれには限定されず、必要に応じて現在どの図柄を表示するかを指定する情報をゲーム制御用マイクロコンピュータからサブCPUに送信するようにしてもよい。
【0149】
図16(b)を参照して、ドラムランプ制御用コードは00〜05Hのいずれかをとる。00であれば通常状態、01であればドラム回転中、02であればリーチ回転中またははずれインターバル中、03であれば開放前、04であれば開放中、05であれば開放後であることを示す。ドラムランプデータ1、2(リーチ)およびドラムランプデータ1、2(大当り)はそれぞれ、リーチの発生したまたは大当りの発生したラインがどれかを示すために特定するデータである。
【0150】
図17〜図23は、サブCPUで実行される可変表示装置の制御用プログラムのフローチャートであり、図24(a)はモータ制御用エリアを示し、図24(b)は予告動作時に参照されるドラム制御テーブルであり、図24(C)はモータの加速・減速中に参照されるモータ制御データテーブルを示す。
【0151】
図17(a)は、可変表示装置を制御するためのサブCPUのメインルーチンのフローチャートである。このメインルーチンは、図3に示されるクロック用リセットパルス発生回路23からのリセットパルスに応答して、所定時間ごとにその先頭から繰返し実行される。
【0152】
まずS201において、I/Oポートの初期化と、割込マスクのセットとが行なわれる。続いてS202では、RAMの所定アドレスのデータを読出し、その値が所定の値(たとえば6805H)かどうかを判断することによってRAMが正常状態かどうかについての判断が行なわれる。電源投入直後にはRAMの格納内容は不定であるために、S202における判断の結果はS203に進み、システムイニシャル処理が行なわれることになる。このシステムイニシャル処理では、後述するようにRAMの所定アドレスに所定のデータ(前述の6805H)が書込まれる。したがってシステムイニシャル処理が完了した後には、S202における判断の結果がYESとなり制御はS204に進む。S203の内容については図16を参照して後述する。
【0153】
S204では、I/Oの出力が行なわれて、S205で表示タイマの更新が行なわれる。この表示タイマとは、表示のためのクロックとして用いられるタイマであって、8msecごとに1ずつ加算される。さらにS206では、このサブCPUのプログラムに予め準備された動作フラグの値に応じて、各プロセスルーチンにジャンプする処理が行なわれる。この処理はちょうど図4に示されるS7の処理と同様のものであり、S7のプロセスフラグが図15(a)の動作フラグに対応する。各プロセスルーチンについては後述するが、動作フラグが0のときには動作停止状態、動作フラグが1のときにはリーチ・大当り予告のスタート状態、動作フラグが2のときにはリーチ・大当りの予告中状態、動作フラグが3のときにはドラム回転スタート、動作フラグが4のときにはドラム回転中の処理がそれぞれ行なわれる。続いてS207では、ドラムランプデータセット処理、サブCPUコマンドチェック処理、サブCPUコマンド入力処理がそれぞれ行なわれる。このS207の処理の詳細についてはそれぞれ図15(b)、図18(a)、図17(a)を参照して後述する。
【0154】
図17(b)は、S207で行なわれるドラムランプデータセット処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS237で、ドラムランプ制御用コードが0か、1か、2か、3または5か、4かについての判断が行なわれる。このドラムランプ制御用コードは、図16(b)のドラムランプ制御用データのうちエリア8に格納される、メインCPUから送信されてくるデータを指す。
【0155】
ドラムランプ制御用コードが0のときには、通常の処理が行なわれ、ドラムランプを1024ms間隔で点滅させるためのデータがセットされる。
【0156】
ドラムランプ制御用コードが1のときには、ドラム回転中処理に対応するドラムランプデータのセットが行なわれる。すなわちS239で、全ドラムランプを点灯させるデータがセットされる。
【0157】
ドラムランプ制御用コードが2のときには、リーチ回転中またははずれインターバルに対応するデータのセットが行なわれる。まず、S240で大当りフラグがリーチとなっているかどうかについての判断が行なわれ、リーチであればS241に進み、リーチでなければS239に進む。S239では前述のように全ドラムランプを点灯させるデータがセットされる。一方S241では、リーチに対応したドラムランプの点灯を行なうためのデータのセットが行なわれる。すなわち、中ドラムランプは点灯させ、図16(b)のエリア9、10に示されるドラムランプデータ(リーチ)に応じ、左右のドラムランプを128ms間隔で点滅させるためのデータのセットが行なわれる。
【0158】
ドラムランプ制御用コードが3または5のときには、それぞれ開放前処理と開放後処理に対応したドラムランプデータのセットが行なわれる。まずS242では、図16(b)のエリア11、12によってメインCPUから送信されるドラムランプデータ(大当り)に応じて定まる行のドラムランプを256ms間隔で点滅させるためのデータのセットが行なわれる。
【0159】
ドラムランプ制御用コードが4のときには、開放中処理に対応するドラムランプの制御が行なわれる。すなわち、S243で、メインCPUから送信されてくるドラムランプデータ(大当り)に応じ、大当りが発生したラインのドラムランプを128ms間隔で点滅させるためのデータのセットが行なわれる。これら処理が終了するとドラムランプデータセット処理のサブルーチンプログラムが終了する。
【0160】
図18(a)は、サブCPU側で、メインCPUからのサブCPUコマンドを受取るサブCPUコマンド入力処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。この処理は図17(a)のS207において行なわれる。
【0161】
まずS330において、入力データが「1F」かどうかについての判断が行なわれる。これは、図16(a)(b)に示されるように、サブCPUコマンドのヘッダ0が“1F”となっていることから、このヘッダ0を検出することによりコマンド入力を開始すべきか否かを判断しているためである。S330において入力データが1Fであると判断された場合にはS331に進み、コマンド入力カウンタの値を1にしてこのサブルーチンプログラムは終了する。一方1Fでない場合には、S332に進み、コマンド入力カウンタが0かどうかについての判断が行なわれる。0である場合にはサブCPUコマンドの入力が開始されていないということであるからこのサブルーチンプログラムは終了する。0でなければS333に進む。
【0162】
S333では、送信されてきたサブCPUコマンドの1バイトを、所定の記憶エリアに格納するサブCPUコマンドセット処理が行なわれる。続いてS334では、コマンド入力カウンタが7かどうかについての判断が行なわれる。7でなければ制御はS338に進み、7であれば制御はS335に進む。このS334の処理は、図16に示されるサブCPUコマンドのヘッダ1〜6とそれ以降とで異なる処理を行なうためである。S335では、S333でセットされたサブCPUコマンドが、エリア7のデータ、すなわちコマンドコードであることから、このコマンドコードが「01」かどうかについての判断が行なわれる。「01」であれば図16(a)に示されるドラム回転制御用データであるためS336でコマンド長として14をセットしS338に進む。1でなければ図16(b)に示されるドラムランプ制御用データであるから、S337に進みコマンド長として12をセットしてS338に進む。
【0163】
S338では、コマンド入力カウンタを1加算し、S339で加算後のコマンド入力カウンタが、S336またはS337でセットされたコマンド長未満かどうかについての判断が行なわれる。S339における判断の結果がYESであればこのサブルーチンプログラムは直ちに終了するが、NOであればS340に進み、コマンドの入力が完了したことを示すための処理、すなわちコマンド入力フラグのセットと、コマンド入力カウンタのクリアとが行なわれる。コマンド長については、S336またはS337において14または12がそれぞれ設定され、この値はクリアされない。したがってS334における判断の結果がNOとなってS338からS339に制御が進んだ場合、カウンタが6以下である場合には前回のサブCPUコマンド入力処理でセットされたコマンド長が用いられ、7以降の場合には今回のサブCPUコマンド入力処理のS336またはS337でセットされたコマンド長が用いられる。カウンタが6以下の場合に前回までのコマンド長が用いられたとしても、カウンタ=7となった時点で今回のサブCPUコマンド入力処理におけるコマンド長が正しく設定されるために、S339における判断は、現在のサブCPUコマンドのコマンドコードに基づいて正しく行なわれる。
【0164】
図18(b)は、図18のS224で実行されるドラム回転スタート処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS341において、モータ制御フラグが加速/減速を示す値に設定され、定速送り図柄数がセットされる。この定速送り図柄数とは、ドラムの回転開始後、所定の速度に達した後に各ドラムが停止するまでに回転表示される図柄数をいい、左ドラムに対しては「1」、中ドラムに対しては「11」、右ドラムに対しては「6」がそれぞれ設定される。なお、定速送りの場合には、モータの1ステップは20msであり、1つの図柄を送るためには、8ステップを要する。したがって、定速送り時には、160ms当り1図柄という速度での図柄の送りが行なわれる。なお、本実施の形態では左、中、右の各ドラムモータを制御するためのモータ制御エリアをそれぞれにつき1つずつ設けている。そのモータ制御エリアを模式的に図24(a)に示す。
【0165】
以下の処理の説明の前に、この図24(a)について簡単に説明する。図24(a)を参照して、たとえば左モータ制御エリアは、モータ制御フラグエリアと、停止図柄ナンバーエリアと、1ステップタイマエリアと、次回1ステップタイマデータセーブエリアと、現在モータステップナンバーエリアと、センサONカウンタのエリアと、センサチェックカウンタのエリアと、センサマスクデータのエリアと、1図柄中のステップ数のエリアと、現在図柄ナンバーのエリアと、定速送り図柄数のエリアとを含む。
【0166】
モータ制御フラグエリアはその下位5ビットを使用する。最下位のビット0は加速・減速中を示す。この場合モータの制御にはテーブルデータが使用される。その内容については後述する。ビット1は定速中処理を示す。ビット2は停止中処理を示す。ビット4は予告中処理を示す。ビット3は大当り時の図柄の一旦停止に対応する、一時停止中処理を示す。現在モータステップナンバーは、00〜03の範囲のいずれかの値をとる。センサチェックカウンタは、モータエラーの検出用に用いられる。センサマスクデータは、左モータとして10H、中モータとして20H、右モータ用として40Hが用いられる。1図柄中のステップ数は、前述したように8ステップであるから、00〜07の範囲の値のいずれかが格納される。現在図柄ナンバーは、現在表示中の図柄ナンバーを示し、前述のように21通りあるので、00〜14Hの値をとる。定速送り図柄数は、前述したように左モータについては01H、中モータについては0BH(十進表示で11)、右モータについては06Hがそれぞれ設定される。
【0167】
S342を参照して、まず各モータにつき、1ステップタイマの初期値がセットされる。本実施の形態の場合には左モータについては1が、中モータについては2が、右モータについては3がそれぞれセットされる。続いて各モータ制御エリアのエリア3のステップ数が初期値にセットされる。すなわち0クリアされる。続いて左中右の各モータ制御エリアを参照して、ドラム制御用データアドレスをセットする処理が行なわれる。このドラム制御用データは、図柄の回転開始後終了までに要する時間を、回転開始時の図柄には関係なく一定にするために用意されたものである。その一例が図24(c)に示されている。図24(c)には、例として2つのドラム制御データテーブルが示されているが、このテーブルが回転開始時の図柄と目的の図柄との関係がいかなる場合でも一定時間で目的の図柄まで送れるように全部で21種類用意されている。
【0168】
図24(c)のたとえばDRTB16というデータテーブルは、図柄送りのステップ数として968ステップを6300msで送る場合のデータテーブルである。この6300msという数字はすべてのデータテーブルで共通である。DRTB16において、“,”の左側に示されている数字(たとえば16/2、14/2など)は、1ステップ当りのタイマカウント数、すなわちそのステップ送りに要する時間を示す。“,”の右側は、左側に記載された1ステップ当りタイマカウント数で送るステップ数を表わす。ステップ数を縦に合計すると、DRTB16の場合には全部で968ステップとなる。1図柄については、前述したように8ステップを要するので、968ステップでは121図柄、すなわちドラムの5回転と16図柄の図柄送りが行なわれる。
【0169】
一方、DRTB17は、6300msの間に808ステップの図柄送りを行なう場合のデータテーブルである。808ステップは、101図柄、すなわちドラムの4回転と17図柄に対応する。
【0170】
DRTB16とDRTB17とを比較すると、上から5行目までと、下から6行目まではともに等しくなっている。上から5行目まではドラムの回転開始時、下から6行目まではドラムの停止時にそれぞれ対応する。上から6行目以降下から7行目までのデータが、ほぼ定速でドラムを回転させながら、ステップ数の違いを吸収して最終的に図柄が停止するまでの時間を一致させるように時間調整するために用いられている。
【0171】
このようにドラムの回転開始後、ドラムの停止までの時間を一定にすることにより、メインCPUで可変表示を制御するために用意するタイマは、1種類ですむ。そのために、メインCPU側での可変表示のための制御の時間管理が容易に行なえるという効果がある。
【0172】
再び図18(b)を参照して、S342の後、S343で、メインCPUから送信されてきた大当りフラグ(図16(a)参照)がリーチとなっているかどうかについての判断が行なわれる。リーチでない場合には制御はS345に進むが、リーチである場合にはS344に進み、中ドラム制御用テーブル0がセットされる。このS344の処理により、リーチの場合には、ドラム制御用データの終了時点で中ドラムについては表示された図柄は最初の図柄に戻ることになる。S345では、動作フラグに「4」がセットされてこのサブルーチンプログラムは終了する。動作フラグに「4」がセットされるため、次に図17のメインルーチンプログラムが行なわれる場合には、S206においてドラム回転中処理が行なわれる。
【0173】
図18(c)は、S229(図16参照)で行なわれるドラム回転処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。S346、S347、S348でそれぞれドラム制御左、中、右の処理が行なわれる。このドラム制御処理の詳細については図20(a)を参照して後述する。
【0174】
続いてS349で、各モータ制御フラグが停止中となっているかどうかについての判断が行なわれ、停止中となっていればS350に進み、動作フラグに0がセットされる。動作フラグに0がセットされるために、各モータは停止される。S349でNOと判断された場合およびS350の処理が終了した場合にはこのサブルーチンプログラムは終了する。
【0175】
図19(a)は、図17(a)のS207で行なわれるサブCPUコマンドチェック処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS244で、コマンド入力フラグがセットされているかどうかについての判断が行なわれる。このコマンド入力フラグは、図18(a)のS340でセットされるフラグであり、サブCPUコマンドの受信が完了したかどうかを示すものである。セットされている場合にはS245で、このコマンド入力フラグがクリアされる。続いてS246では、受信したサブCPUコマンドのヘッダ1〜6が正常なデータかどうかについての判断が行なわれる。ヘッダ1〜6については、図16(a)に示されるようにそれぞれ固定のデータが予め定められている。したがってこの固定データが正しくヘッダ1〜6として受信されているかどうかによって、受信したコマンドを有効とするかどうかを判断するためである。正常であればS247以下の処理が行なわれるが、正常でなければこのサブルーチンプログラムは終了する。
【0176】
S247では、受信したサブCPUコマンドのコマンドコードが2かどうかについての判断が行なわれる。2であれば制御はS248に、さもなければ制御はS249にそれぞれ進む。S248では、ドラムランプ制御用コードコマンド取出処理が行なわれる。この処理の詳細については図19(b)を参照して後述する。S248の後このサブルーチンプログラムは終了する。
【0177】
一方、S249では、コマンドコードが1かどうかについての判断が行なわれる。1であれば制御はS250に進み、ドラム回転コマンドの取出処理が行なわれる。このドラム回転コマンド取出処理の詳細については図19(c)を参照して後述する。S249でコマンドコードが1でないと判断された場合には、受信したデータが正常なものではないと判断されるためにこのサブルーチンプログラムは終了する。
【0178】
図19(b)は、S248に示したドラムランプ制御用コードコマンド取出処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS251でドラムランプ制御用コードを、サブCPUコマンド入力エリアからRAM中の記憶領域にセットする。続いてS252で、ドラムランプ1、2データ(リーチ)が、S253でドラムランプ1、2データ(大当り)がそれぞれ同様にしてセットされる。S254で、表示タイマがクリアされ表示タイマが初期値に設定される。本実施の形態の場合には初期値として2.048秒に相当する値がセットされる。S254の後このサブルーチンは終了する。
【0179】
図19(c)は、図19(a)で行なわれるドラム回転コマンド取出処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS255で、ドラム回転制御用データのうちの先頭(ヘッダ1)から7つ後、すなわちエリア8のドラム回転データが“10H”であるかどうかを調べることにより、異常復旧のドラム回転コマンドかどうかを判断する。正常であれば制御はS257に進む。復旧処理であればS256に進み、センサチェックカウンタに対して初期値である70がセットされる。S256の後制御はS257に進む。
【0180】
S257では、停止図柄ナンバーの左がセットされる。S258で中停止図柄ナンバーがセットされ、保存エリアにこのセットされた中停止図柄ナンバーのデータがセットされる。この保存エリアの中停止図柄ナンバーは、後述する図23(b)のS329で用いられる。S259では、右停止図柄ナンバーがセットされ、S260では、大当りフラグにサブCPUコマンドとして入力された内容がセットされる。同様にS261、S262では、サブCPUコマンドの空回転図柄数と再回転図柄数とが、プログラム中の変数にセットされる。
【0181】
S263では、S262でセットされた再回転図柄数が0かどうかについての判断が行なわれる。0であれば処理はS268に進むが、0以外である場合には制御はS264に進む。S264では、中停止図柄ナンバーから再回転図柄数を減算し、S265では減算結果が0以上かどうかについての判断が行なわれる。0以上であればS267に進むが、0未満であればS266に進み、演算結果に21が加算される。これにより、演算結果は0〜20のうちのいずれかの値をとることになる。続いてS267では、S264〜S266の演算結果を停止図柄ナンバーの中にセットする処理が行なわれS2671に進む。
【0182】
S2671では、大当り予告・リーチ予告が有るか否かの判断が行なわれる。そして、大当りフラグD6とD2とのうち少なくとも一方が「1」のときにはS2672に進み動作フラグが1にセットされる。その結果S206の次回の実行時には図21(a)に示すリーチ・大当り予告スタートのサブルーチンプログラムが実行されることになる。一方、大当りフラグD6とD2とがともに「0」の場合にはS268に進む。
【0183】
S268では、動作フラグに3がセットされる。動作フラグに3がセットされるために、図17(a)のS206の次の実行時には、ドラム回転スタート処理が行なわれることになる。S268の後このサブルーチンプログラムは終了する。
【0184】
図20(a)は、図18(c)のS346、S347、S348で行なわれるドラム制御処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS269で、モータ制御フラグが停止中となっているかどうかについての判断が行なわれる。停止中であれば何もせずこのサブルーチンプログラムは終了する。停止中でなければS2691に進み、モータ制御フラグが予告中であるか否かの判断が行なわれ、予告中である場合には、図21(c)の予告処理のサブルーチンプログラムが実行される。一方、S2691により予告中でないと判断された場合にはS270に進み、モータセンサからの出力を入力する処理が行なわれる。続いてS271では、モータセンサからの信号がONとなっているかどうかについての判断が行なわれる。ONとなっていなければS272に進む。S272では、ONカウンタが0かどうかについての判断が行なわれ、0であればS276に、0でなければS273にそれぞれ制御が進む。S273ではセンサONカウンタが1減算されてS276に進む。
【0185】
一方、S271でセンサがONであると判定された場合にはS274に進み、センサONカウンタの内容が3以上かどうかについての判断が行なわれる。3以上であれば何もせず制御はS276に進み、3未満であればS275でONカウンタに1加算されてS276に進む。S270〜S275の処理により、センサからの信号がONしている間、3を限度としてONカウンタの加算が行なわれ、OFFした場合に1減算されてS276に制御が進む。モータが基準位置にない場合にはモータセンサの出力はOFFとなっているので、ONカウンタが0であれば制御はS271、S272、S276に進み、0でなければONカウンタが0となるまでS271、S272、S273の処理が行なわれる。
【0186】
ONカウンタをこのように用いることにより、何らかの原因でモータセンサからの信号にスパイク状のノイズが混入した場合、一旦はS274、S275を通ってONカウンタが加算されても、次にこのドラム制御処理が実行される場合にはそのスパイク状ノイズはOFFレベルに立下がっているために、S271からS272、S273に処理が進み、ONカウンタが1減算される。モータが基準位置にあると判断されるのはONカウンタが2以上のときであり、したがって、スパイク状のノイズによって誤ってモータが基準位置にあると判定される恐れは少ない。
【0187】
S276では、モータ制御フラグが加速/減速となっているかどうかについての判断が行なわれる。加速/減速でなければS278に進むが、加速/減速であればS277に進み、ドラム加速/減速処理が実行される。この処理については図20(b)を参照して後に説明する。
【0188】
S278ではさらに、モータ制御フラグが定速かどうかについての判断が行なわれる。定速であればS279でドラム定速処理、さもなければS280でドラム一時停止処理が実行され、ともにこのサブルーチンプログラムは終了する。S279のドラム定速処理、S280のドラム一時停止処理についてはそれぞれ図23(a)(b)を参照して後に説明する。
【0189】
図20(b)は、図20(a)のS277に示したドラム加速/減速処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。S281で、図18(b)のS342でセットされた1ステップタイマが終了したかどうかについての判断が行なわれる。終了していない場合にはこのサブルーチンプログラムは終了し、1ステップタイマが終了して初めてS282に制御が進む。S282ではステップチェック処理が行なわれる。このステップチェック処理とは、モータに何らかの異常が発生したかどうかをチェックするための処理であり、その詳細については図22(a)を参照して後に説明する。S283では、S282の処理の結果動作フラグが0となっているかどうかについての判断が行なわれる。動作フラグが0の場合とは、何らかの原因でモータが停止している場合、もしくはモータを停止させるべき場合を示す。0であればこのサブルーチンプログラムは終了する。0以外の場合にはS284に進み、次の1ステップのためのタイマデータがセットされる。S285で、モータ制御エリアの3(図24参照)にセットされたステップ数が終了したかどうかについての判断が行なわれ、終了していない場合には制御はS296に進み、終了している場合には制御はS286に進む。
【0190】
S286では、ドラム制御用テーブルが終了したかどうかについての判断が行なわれ、終了している場合(データが$FFであった場合)にはS288に、終了していない場合にはS287にそれぞれ進む。S287では、次回の制御用データがプログラム中の記憶領域にセットされ、さらに制御用データのアドレスの更新が行なわれる。S287の後制御はS296に進む。
【0191】
一方、S286でドラム制御用テーブルが終了したと判定された場合には、S288に進み、現在制御中のモータが中ドラムのモータかどうかについての判断が行なわれる。中ドラムのモータでない場合には制御はS293に、中ドラムである場合には制御はS289にそれぞれ進む。最初に中ドラムについて説明する。
【0192】
まずS289では、リーチ時の中ドラムの回転数を増加させるための回転増カウンタが0かどうかについての判断が行なわれる。0であればS291で空回転図柄数が0かどうかについての判断が行なわれる。0であればS293に進む。0でなければS292に進み、ステップ数として1図柄ステップ数(8ステップ)がセットされ、空回転図柄数を1減算してS296に進む。一方回転増カウンタが0でなければS290に進み、ステップ数にリーチ回転増ステップ数をセットし回転増カウンタを1減算してS296に進む。
【0193】
一方、S288で中ドラムでないと判定された場合およびS291で空回転図柄数が0であると判定された場合にはS293に進み、モータ制御フラグを定速にセットし、S294でイニシャルステップが0かどうかについての判断が行なわれる。0であれば通常時であるのでそのまま制御はS296に進むが、0以外の場合にはシステムイニシャル処理の中で行なわれるドラム加速/減速処理であるから、S295で停止図柄ナンバーに0がセットされてS296に進む。停止図柄ナンバーの0は「赤7」であるから、初期動作時には可変表示装置のドラムの中央部には「赤い777」が揃うことになる。
【0194】
S296では、モータ出力データがセットされてこのサブルーチンプログラムは終了する。
【0195】
図21は、リーチ・大当り予告制御の動作を示すサブルーチンフローチャートである。(a)に示すリーチ・大当り予告スタート制御は、まずS351により、大当り予告があるか否かの判断が行なわれる。そして、大当りフラグD6が「1」にセットされていない場合にはS352に進み、リーチ予告があるか否かの判断がなされる。大当りフラグD2が「1」にセットされていない場合にはそのままリターンする。一方、大当りフラグD6が「1」にセットされている場合にはS351により大当り予告があると判断されてS353に進み、各モータ制御フラグを予告中にセットした後S355により動作フラグを「2」にセットする処理が行なわれる。その結果、次回のプログラムの実行に際しては、リーチ・大当り予告中のサブルーチンプログラムが実行されることになる。
【0196】
一方、大当りフラグD2が「1」にセットされている場合にはS352によりリーチ予告があると判断されてS354に進み、中モータ制御フラグを予告中にセットし、左右モータ制御フラグを停止中にセットした後S355に進む。
【0197】
リーチ・大当り予告中のサブルーチンプログラムでは、まずS356により左ドラム制御,S357により中ドラム制御,S358により右ドラム制御が行なわれる。そしてS359により各モータ制御フラグが停止中になっているか否かの判断がなされ、各モータ制御フラグのうちの1つでも予告中になっている場合にはS359によりNOの判断がなされる。その結果、動作フラグが「2」のままであるために、制御が図21(c)に示す予告処理のサブルーチンプログラムに進む。そして、後述するS374により各モータ制御フラグが停止中にセットされた後においては、S359によりYESの判断がなされてS360に進み、動作フラグが「3」にセットされる。その結果、ドラム回転スタート(図18(b)参照)の制御プログラムに制御が移行する。
【0198】
S2692による予告処理のサブルーチンプログラムは、図21の(c)に示されている。まずS361により1ステップタイマが終了したか否かの判断がなされ、終了していない場合にはそのままリターンする。この1ステップタイマとは、図24(b)に示された予告時のドラム制御データにおける16/2,18/2,20/2等のタイマデータのことである。この予告時のドラム制御テーブルは、図24(b)に示すように、DRTBANというデータテーブルに記憶されており、図柄送りのステップ数として8ステップを140msecで送る場合のデータテーブルである。このドラム制御テーブルのデータは、16/2,18/2等のタイマデータと、002,001等のステップ数データとから構成されている。16/2,18/2等のタイマデータは、1ステップ当たりのタイマカウント数、すなわちそのステップ送りに要する時間を示すものである。また、002,001等のステップ数データは、16/2,18/2等の対応するタイマカウント数で送るステップ数を表している。つまり、ドラム制御テーブルの1行目に記載されている「16/2,002」は、1ステップあたり16/2の時間で2ステップ図柄送り動作を行なうことを意味している。
【0199】
図24(b)の予告時のドラム制御テーブルの1行目に記載されている16/2の1ステップタイマが終了すればS362に進み、予告時のドラム制御テーブルの1行目に記載されている16/2の1ステップタイマがセットされる。これは、16/2の1ステップタイマが002ステップ数あるために、再度16/2の1ステップタイマがセットされるのである。そして、S363により、前記セットされた1ステップタイマ(16/2)が終了したか否かの判断がなされ、終了していない場合にはS366に進み、図24(a)に示すモータ制御エリアデータが読出される。そしてS367により、1図柄中ステップNO.に「1」加算する処理が行なわれる。この1図柄中ステップNO.は、1図柄が8ステップから構成されているために回転中の回転ドラムが1図柄のうちのどのステップの段階まで回転しているかを計数するためのものである。
【0200】
次にS368により、1図柄中ステップNO.が「4」以下であるか否かの判断がなされ、「4」以下である場合にはS369に進み、モータステップNO.を「1」減算する処理が行なわれる。次にS371により、1図柄中ステップNO.が最大に達したか否かの判断がなされ、最大すなわち「8」に達していない場合にはS373に進み、モータステップNO.に対応したモータ励磁パターンがセットされる。その結果、前記S369によりモータステップNO.が「1」減算されているために、モータ制御フラグが予告中(S353,S354参照)にセットされている回転ドラムのステッピングモータが1/8図柄だけ逆転制御される。
【0201】
前記S362によりセットされた1ステップタイマが終了すれば、2回目の終了であるためにS363によりステップ数(002)が終了したと判断されたS364に進み、ドラム制御テーブルが終了したか否かの判断がなされる。予告時のドラム制御テーブルにおける$FFが終了を示すデータであり、現時点ではその終了を示す$FFデータまで到達していないために、S365に進み、次回制御データすなわち予告時のドラム制御テーブルの2行目のデータ「18/2,001」がセットされるとともに、制御データアドレスが更新されて予告時のドラム制御テーブルの2行目を示すアドレスとなる。次に、前述したS366以降の処理が行なわれるのであり、この段階では、S367より「1」が加算されて1図柄中ステップNO.が「3」になっている。その結果、S368によりYESの判断がなされ、S369,S373の制御により、モータ制御フラグが予告中にセットされているステッピングモータがさらに1/8図柄だけ逆転制御される。
【0202】
前記S362によりセットされた1ステップタイマデータが次に終了した段階では、S363によりYESの判断がなされ、S365により、予告時のドラム制御テーブルの3行目のデータ「20/2,001」がセットされるとともに、S369,S373により、モータ制御フラグが予告中にセットされているステッピングモータがさらに1/8図柄だけ逆転制御される。
【0203】
前記S362によりセットされた1ステップタイマが次に終了した段階では、S363によりYESの判断がなされて予告時のドラム制御テーブルの4行目のデータ「20/2,001」がセットされる。そしてS367により「1」加算処理が行なわれた状態では、1図柄中ステップNO.が「5」となるために、S368によりNOの判断がなされてS370に進み、モータステップNO.を「1」加算する処理がなされ、その加算されたモータステップNO.に応じたモータ励磁パターンがS373によりセットされる。その結果、モータ制御フラグが予告中にセットされているステッピングモータが1/8図柄だけ正転方向に回転制御される。
【0204】
この状態からさらに3回1ステップタイマが終了したと判断された場合には、S370による「1」の加算処理が4回行なわれた状態となり、その結果、モータ制御フラグが予告中にセットされているステッピングモータが合計4/8図柄だけ正転方向に回転制御された状態となり、そのステッピングモータが当初の回転位相位置に戻る状態となる。さらに、1図柄中ステップNOが最大値「8」に達しているために、S372により1図柄中ステップNO.が「0」にセットされる。そして、予告時のドラム制御テーブルの最後にセットされた1ステップタイマが終了した段階でドラム制御テーブルが終了するためにS364によりYESのの判断がなされてS374に進み、各モータ制御フラグが「停止中」にセットされる。その結果、前記S359によりYESの判断がなされて動作フラグが「3」にセットされて、予告報知制御が終了した後に行なわれる可変表示開始制御が実行されることになる。
【0205】
以上説明したように、S368,S369,S370により、4ステップすなわち1/2図柄だけ予告中にセットされているステッピングモータの回転ドラムが逆転され、その後、4ステップ分すなわち1/2図柄だけその逆転制御されて回転ドラムが正転方向に回転制御されて元の位置に復帰する。これにより、遊技者に予告報知を行なうことが可能となる。
【0206】
図22は、図20(a)のS270〜S275の処理により得られたモータセンサからの信号に基づき、モータがどのような状態にあるかを判定するためのステップチェック処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。
【0207】
このモータセンサは、モータの回転基準位置を検出するものであり、モータが1回転する度に前述した図20(a)のONカウンタを用いて所定時間以上ONした時に1回基準位置検出と判定される。
【0208】
図22(a)は、図20(b)のS282に示したプログラムの具体的内容を示す。図22(a)のS297に示されている「モータ励磁パターン」とはステッピングモータのコイルを励磁する励磁パターンであり、本実施の形態のステッピングモータの励磁パターンは基準パターンを含め4通りがある。モータ励磁パターンのうち、モータ基準パターンを「0」と定める。
【0209】
ドラムの1回転がステッピングモータの168ステップに相当するため、ドラムの1回転の間の基準励磁パターン回数は168/4=42回となり、ドラムの1回転の間にS297により42回YESの判断がなされる。S297によりYESの判断がなされればS298に進み、センサONカウンタが2未満か否かの判断が行なわれる。このセンサONカウンタは、図20のS275で1加算され、S272で1減算される、0〜3の値をとるカウンタであり、前述のようにモータセンサの出力信号のチャタリングによる誤判定を防止するために設けられる。なお、センサONカウンタは通常は0、有効な入力があったときには3または2となる。
【0210】
そして、センサONカウンタが2以上であると判定された場合には、ドラムが基準位置に達しているためにS299に示すように1図柄中ステップNO.を0にするとともに現在図柄NO.を0にする処理が行なわれる。
【0211】
1図柄中ステップNO.と現在図柄NO.との関係を簡単に説明すると、1図柄に対応するステップ数は8ステップであるから1図柄中ステップNO.は0〜7の値を取り得る。また、ドラムに描かれている図柄数は21であるから現在図柄NO.は0〜20の値を取り得る。そして1図柄中ステップNO.の値が8に達した場合には、現在図柄NO.の値に1が加算されるとともに1図柄中ステップNO.の値が0にされ、加算された結果現在図柄NO.の値が21に達した場合には、現在図柄NO.の値も0にされる。これらの処理は図22(b)で示すモータ出力データセット処理において行なわれるが、モータ基準パターンになったときにモータセンサがONの判断がなされた場合には、モータ出力データセット処理の状態に関係なくS299においてともに0にされることになる。
【0212】
次にS300によりセンサチェックカウンタの値が「100」以上であるか否かの判断を行なう。センサチェックカウンタは、電源投入時や復旧時には初期設定値「70」からS298におけるモータONセンサのOFF判定毎にS305によってカウントダウンされる。また、可変表示中においては、S298においてON判定された時のセンサチェックカウンタの値は、S303で「100」に初期設定された後、S305で42回カウントダウンされるため正常時は「58」となる。ゆえに、正常に動作している限りは、電源投入時や復旧時を含めてS300,S302ともにNOの判断がなされてS303においてセンサONカウンタの値が「100」に更新されることとなる。なお、センサチェックカウンタが「70」に初期設定されるのは、「0」に設定して、電源投入時や復旧時にS306でエラー判定されるのを防止するためである。
【0213】
一方、S300においてセンサチェックカウンタが「100」未満、S302においてセンサチェックカウンタが「82」以上であると判定されればS307に進み、動作フラグに0がセットされる。つまり、基準位置検出後ドラムが半回転程度しないうちにモータセンサがONと判断された場合にはS304によりモータの動作を停止させるための処理を行なう。このエラーの原因は、たとえば、センサが故障していたり、モータ基準位置の反射位置がずれたりした場合である。
【0214】
次に、S298によりNOと判断されてかつセンサチェックカウンタの値が「100」以上であった場合には、S301によりセンサチェックカウンタが「1」インクリメントされ、S304によりセンサONカウンタが「105」未満か否かの判断が行なわれる。そして、「105」以上であった場合にはS307に進み、動作フラグに0がセットされる。つまり、センサチェックカウンタは、前述のように通常100が初期値となっているので、基準パターン5回を越えてドラムセンサのON状態が続いた場合は、ドラムセンサが故障しているかまたはドラムセンサのコネクタが外れている場合等が考えられるため、S307により動作フラグへの0のセットが行なわれるのである。
【0215】
モータ基準パターンになったときにモータセンサがONと判断されない(ONカウンタが2未満)場合にはS305によりセンサチェックONカウンタが「1」ディクリメントされる。つまり、モータセンサがOFFに切替わってから次にONに切替わるまでの間何回モータ基準パターンになったかがS305によりカウントダウンされる。正常時にはモータ基準パターンが42回生ずればドラムが1回転しているために、このセンサONカウンタは100〜58の値を取ることになる。そして、S306により、センサONカウンタの値が「7」以下であると判断された場合すなわちドラムが2回転を越えて回転しても無反射部分が検出されない場合はS307に進み、動作フラグに0のセットが行なわれる。この場合のモータエラーは故障やモータあるいはリールが可変表示装置の一部に接触していることや、遊技者が無理にドラムを停止させようとすることによる外力でステッピングモータが回転しない場合が考えられる。
【0216】
図22(b)は、図20(b)のS296で行なわれるモータ出力データセット処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS308で、モータ制御エリアの該当アドレスからデータが読出される。S309でモータステップナンバーが、S310で1図柄中ステップナンバーがそれぞれ1ずつ加算される。S311で、加算の結果1図柄中ステップナンバーが最大値(本実施の形態の場合には8)となったかどうかについての判断が行なわれる。最大値であれば制御はS312に、それ以外の場合には制御はS316に進む。
【0217】
S312では、1図柄の表示がちょうど終了したということであるから、現在図柄ナンバーを1加算する。続いてS313では、加算の結果現在図柄ナンバーが最大値(本実施の形態の場合には21)となったかどうかについての判断が行なわれる。最大値でなければ制御はS315に進むが、最大値であればS314で現在図柄ナンバーを0にセットした後S315に進む。S315では、1図柄中ステップナンバーを0にセットする処理が行なわれてS316に進む。
【0218】
S316では、モータステップナンバーに応じたモータ励磁パターンをセットする処理が行なわれる。S316の後このサブルーチンプログラムは終了する。
【0219】
図23(a)は、図20(a)のS279に示されるドラム定速処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS317において、1ステップタイマが終了したかどうかについての判断が行なわれる。終了していない場合にはこのサブルーチンは直ちに終了する。1ステップタイマが終了すると制御はS318に進み、図22(a)のステップチェック処理が行なわれてS319に進む。S319では、ステップチェック処理の結果動作フラグが0となったかどうかについての判断が行なわれる。動作フラグが0である場合にはこのサブルーチンプログラムは直ちに終了する。動作フラグが0以外の場合にはS320に制御が進み、現在の図柄中のステップナンバーについてのチェックが行なわれる。そしてS321で、図柄中のステップナンバーが0かどうかについての判断が行なわれる。0以外の場合には図柄途中であるから制御はS323に進む。0である場合にはS322に進み、現在の図柄ナンバーが停止図柄ナンバーと一致しているかどうかについての判断が行なわれる。一致している場合には制御はS324に進み、一致していない場合にはS323に進む。S323では、引続きモータ出力データのセットが行なわれ、ドラムの回転が継続される。S323の後このサブルーチンプログラムは終了する。
【0220】
一方、現在図柄ナンバーが停止図柄ナンバーと一致している場合、S324でモータ制御フラグに「停止中」がセットされる。S325で、再回転図柄数が0かどうかについての判断が行なわれ、0であればこのサブルーチンプログラムは終了するが、0以外の場合にはS326で、プロセスタイマに245(490ms)がセットされ、モータ制御フラグに「一時停止」がセットされる。モータ制御フラグに一時停止がセットされるため、プロセスタイマにセットされた時間の間、中図柄が一旦停止された後、再び回転を始めて停止図柄で停止するような制御が行なわれることになる。
【0221】
図23(b)は、図20(a)のS280に示されるドラム一時停止処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。この処理はモータ制御フラグが「一時停止」のときに行なわれる。まずS327で、S326でセットされたプロセスタイマを1減算する処理が行なわれ、S328でプロセスタイマが終了したかどうかについての判断が行なわれる。終了していなければこのサブルーチンプログラムは終了する。プロセスタイマが終了して初めて制御はS329に進む。S329では、停止図柄ナンバー保存エリアに保存されていた停止図柄ナンバー中のデータを停止図柄ナンバーとして再セットし、定速時の1ステップタイマ(20msに相当)をセットし、モータ制御フラグを「定速」にし、再回転図柄数をクリアする処理が行なわれる。S329の後このプログラムは終了する。前記S15とドラム回転前,大当り図柄セット,はずれ図柄セット,はずれ図柄チェック,サブCPUコマンドセット中,サブCPUコマンドセット,サブCPUコマンド出力中,ドラム停止待,サブCPUコマンド出力カセット,および図17ないし図23に示したサブCPU制御プログラムにより、前記事前決定手段により事前決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段が構成されている。
【0222】
以上のようにこの実施の形態では、メインCPUからサブCPUに送信するサブCPUコマンド中に、コマンドコードを含め、このコマンドコードによって送信されるコマンドデータの内容を区別するようにした。停止図柄などドラム回転制御用のデータはドラムの回転開始時のみに送ればよく、他の場合には送る必要がない。したがって本実施の形態の遊技機では、このように普段送る必要のないデータをサブCPUコマンドとしてサブCPUに常時送信する必要がなくなったために、送信データが減少し、送信にかかる時間を少なくすることができる。そのため、送信に要する時間を短くすることができ、可変表示制御がゲーム制御に与える悪影響を最小限にすることができる。
【0223】
なお、この実施の形態では特定の確率変動図柄で大当りした場合には、大当りとなる確率を向上させる例について説明し、かつ通常の確率と高確率時の確率とはそれぞれ固定されていた。しかし、本発明はこれには限定されず、確率設定スイッチを設けることにより、通常時または高確率時、もしくはその両方において確率を変更するようにしてもよいし、確率変動させないものでもよい。
【0224】
上述の実施の形態では、当りラインとして5本のラインが定められた可変表示装置を例示したが、本発明はこれには限定されない。たとえばLCDやLEDを用いて、各図柄の表示部を独立に可変表示する場合には、ライン状にならない複数の可変表示部を当り領域として定めてもよい。
【0225】
さらに、上述の実施の形態では、リーチと大当りとの両方の場合に、それらの図柄の組合せが成立するラインをドラムランプで表示するようにしたが本発明はこれには限定されず、たとえばリーチまたは大当りのいづれか一方の場合のみにそのラインを表示するようにしてもよい。
【0226】
次に、本発明の各構成要件と実施例の開示との関係を括弧書きで以下に示す。
(1) 始動条件の成立に基づいて(可変表示装置3の可変表示中においてパチンコ玉が始動口10に入賞すればその始動入賞が記憶され、可変表示装置3の可変表示が停止した後にその記憶に基づいて再度可変表示装置3が可変表示される)複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置(複数種類の識別情報を可変表示可能な、回転ドラムを用いた可変表示装置3、可変表示装置の種類はLCD、CRT…であってもよい)を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた当り表示態様(大当りの組合せ)となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機(パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシン)であって、
前記表示結果の表示態様を事前に決定する事前決定手段(S66,S75〜S86,S97,S98)と、
前記事前決定手段により事前決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段(前記S15とドラム回転前,大当り図柄セット,はずれ図柄セット,はずれ図柄チェック,サブCPUコマンドセット中,サブCPUコマンドセット,サブCPUコマンド出力中,ドラム停止待,サブCPUコマンド出力カセット,および図17ないし図23に示したサブCPU制御プログラム)と、
前記可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となること、または前記可変表示装置においてリーチとなることを予告報知する予告報知手段(図4(f)図5(g)図6(g)S351により、大当り予告があるか否かの判断が行なわれ…大当り予告があると判断されてS353に進み、各モータ制御フラグを予告中にセット:1/2図柄逆転した後1/2図柄正転されて元の位置に復帰する:図21:可変開始時からスロー回転:S352に進み、リーチ予告があるか否かの判断がなされ:S352によりリーチ予告があると判断されてS354に進み、中モータ制御フラグを予告中にセットし:図21)と、
前記当り表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、前記当り表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように(1/2の確率で大当りが事前報知され、1/4の確率でリーチが事前報知される…事前報知がなくても大当りすることがある(リセット回数が8,10,12,14であった場合)ので遊技者の遊技意欲の低下が防止できる)、前記予告報知手段の予告報知をするか否かを決定する予告報知決定手段(リセット回数が奇数であるか否かの判断が行なわれ、奇数である場合には…大当り予告ありのフラグ状態にセットされ:図9(b)S701,S702:リセット回数が「7」未満であった場合にはS704に進み…リーチ予告ありのフラグ状態にし:リセット回数が奇数の場合にはS952に進み…リーチ予告ありのフラグ状態にする:図9(b)のS704、図10(b)のS952)と、
前記当り表示態様が複数種類定められており(各回転ドラムには21通りの図柄が描かれており、かつ大当りとなる図柄の組合せは8通りの大当り図柄の5ラインすなわち40通りある)、前記可変表示装置の表示結果が前記複数種類の当り表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様となったときに(特定の図柄(たとえば赤い「7」、青い「7」)は確率変動図柄と呼び、これが揃って大当りが発生した場合に)、前記可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となる確率を向上させる確率変動状態(可変表示停止時の大当りとなる確率が、通常時の5倍となる…高確率状態)に制御する確率変動手段(S149で…確率変動フラグにセットする処理が行なわれる)とを含むことを特徴とする。
【0227】
(2) 前記可変表示制御手段は、
前記遊技機の遊技制御を行なう手段であって、前記事前決定手段に決定された識別情報の表示態様を特定するコマンド(S8では、図3に示されるサブ基本回路22(以下これをサブCPUと呼ぶ)に対して発行するコマンドをI/OポートからサブCPUに対して出力する処理が行なわれる)を出力するメイン制御手段(メイン基本回路21)と、
入力された前記識別情報の表示態様を特定するコマンドにより特定される識別情報が表示結果として導出表示されるように前記可変表示装置を制御するサブ制御手段(メイン基本回路21からの…信号がサブ基本回路22に与えられ、サブ基本回路22では、その入力された信号に従って、ドラムランプ回路30,モータ回路31に制御信号を与える、サブCPU制御プログラムにより、前記事前決定手段により事前決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段が構成されている)とを含み、
前記予告報知決定手段は前記メイン制御手段に含まれる(図7のS7、図9(b):メインルーチンにおけるS7において、プロセスフラグが「2」のときに、大当たり予告するか否かを決定する処理を含む大当たり図柄セット処理を実行する)ことを特徴とする。
【0228】
(3) 前記可変表示装置の表示結果が前記当り表示態様となったときには、該当り表示態様が前記特別の表示態様であるか否かにかかわらず(図13(a):S138における確率変動カウンタが0か1かにかかわらず)、前記所定の遊技価値が付与可能な状態に制御している最中は前記確率変動手段が前記確率変動状態に制御するか否かの決定に用いる確率変動フラグをクリアする(S140では確率変動フラグをクリアする処理が行なわれ…高確率時であっても、大当たり中には一旦大当り発生の確率を低確率にする)ことを特徴とする。
【0229】
(4) 前記予告報知手段は、前記識別情報の可変表示動作により予告報知する(図4(f)、図5(g)、図6(g)、S351により、大当り予告があるか否かの判断が行なわれ…大当り予告があると判断されてS353に進み、各モータ制御フラグを予告中にセット:1/2図柄逆転した後1/2図柄正転されてもとの位置に復帰する:図21:可変開始時からスロー回転)ことを特徴とする。
【0230】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、次のような効果を得ることができる。可変表示装置において、所定の遊技価値が付与可能となる当り表示態様となる旨の予告とその前段階のリーチ表示態様となる旨の予告をすることが可能にされる。このため、可変表示装置の表示結果に応じて所定の遊技価値が付与可能な状態に制御可能となる遊技機において、そのような表示態様が表示される前の段階から遊技者の期待感を盛り上げることが可能になり、興趣を向上させることができる。しかも、可変表示装置の表示結果が特別な表示態様となったときに確率変動状態になるために、当り表示態様となることの予告をしたとしても、確率変動状態になる識別情報か否かの関心を遊技者が表示結果に対して持つことができる。さらに、当り表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、当り表示態様になることの予告報知、またはリーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように、予告報知手段の予告報知が行なわれるために、予告報知による期待感の盛り上がりを高い割合で遊技者に味わわせることができる。
【0231】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。事前決定手段に決定された識別情報の表示態様を特定するコマンドを出力するメイン制御手段と、そのコマンドが入力されてそのコマンドにより特定される識別情報が表示結果として導出表示されるように可変表示装置を制御するサブ制御手段とが備えられ、予告報知決定手段がメイン制御手段に備えられているため、事前決定手段の決定内容を踏まえた上で、予告報知をするか否かの決定を行ないやすくなる。
【0232】
【0233】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。遊技者が遊技中注目する識別情報の可変表示動作により予告報知が行なわれるために、予告報知を遊技者が見落としてしまう不都合を極力防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。
【図2】
可変表示装置の各回転ドラムにより表示される各種図柄を示す模式図である。
【図3】
パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図4】
事前報知を行なう際の可変表示装置の表示動作を示す動作説明図である。
【図5】
事前報知を行なう際の可変表示装置の可変表示動作の他の例を示す動作説明図である。
【図6】
事前報知を行なう際の可変表示装置の可変表示動作のさらに他の例を示す動作説明図である。
【図7】
図3に示されるメイン基本回路の動作を説明するためのプログラムのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図8】
モータステップチェック処理および通常時処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。
【図9】
ドラム回転前処理および大当り図柄セット処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図10】
はずれ図柄セット処理およびはずれ図柄チェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図11】
サブCPUコマンドセット中,サブCPUコマンドセット,サブCPUコマンド出力中の各処理を示すサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図12】
ドラム停止待ち処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。
【図13】
大当りチェック処理および大当り動作終了待ち処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。
【図14】
エラー復旧チェック処理およびサブCPUコマンド出力セット処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。
【図15】
入賞記憶エリア格納処理およびスイッチ入力処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。
【図16】
ゲーム制御用マイクロコンピュータからサブCPUへのデータ送信のためのコマンドエリアを示す模式図である。
【図17】
サブCPUで実行されるメインルーチンのフローチャートおよびドラムランプデータセット処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。
【図18】
サブCPUコマンド入力処理,ドラム回転スタート処理,ドラム回転処理の各サブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図19】
サブCPUコマンドチェック処理,ドラムランプ制御コマンド取出処理,ドラム回転コマンド処理の各サブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図20】
ドラム制御処理およびドラム加速/減速処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図21】
リーチ・大当り予告スタート処理,リーチ・大当り予告中処理,予告処理を示すサブルーチンプログラムのフローチャートである。
【図22】
ステップチェック処理およびモータ出力データセット処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。
【図23】
ドラム定速処理およびドラム一時停止処理のサブルーチンプログラムのフローチャートである。
【図24】
モータ制御エリアと予告時のドラム制御テーブルとドラム制御用データテーブルとのデータ内容を示す模式図である。
【符号の説明】
1は遊技盤、3は可変表示装置、4a〜4cは回転ドラム、6は開放回数表示器、12は可変入賞球装置、7a〜7iはドラムランプ、8は始動記憶表示器、10は始動口、11は始動口スイッチ、15はソレノイド、16は10カウントスイッチ、17はVスイッチ、21はメイン基本回路、22はサブ基本回路、139は制御回路、53は遊技機制御基板を示す。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-10-06 
出願番号 特願2000-222950(P2000-222950)
審決分類 P 1 651・ 113- YA (A63F)
P 1 651・ 121- YA (A63F)
P 1 651・ 4- YA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 ▲吉▼川 康史  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 渡部 葉子
國分 直樹
登録日 2003-06-27 
登録番号 特許第3445562号(P3445562)
権利者 株式会社三共
発明の名称 遊技機  
代理人 森田 俊雄  
代理人 中田 雅彦  
代理人 中田 雅彦  
代理人 塚本 豊  
代理人 塚本 豊  
代理人 森田 俊雄  
代理人 深見 久郎  
代理人 深見 久郎  

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