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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 H04N |
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管理番号 | 1112883 |
異議申立番号 | 異議2003-73736 |
総通号数 | 64 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1997-11-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-12-29 |
確定日 | 2004-12-13 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3446474号「撮像及び画像表示装置」の請求項1ないし4、6、7に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3446474号の訂正された請求項1ないし5に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続きの経緯 特許第3446474号の請求項1ないし7に係る発明についての出願は、平成8年5月16日に特許出願され、平成15年7月4日に設定登録され、その後、その特許について異議申立人、戸叶孝一から請求項1ないし4、6及び7について特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成16年10月28日に訂正請求がされたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正事項 平成16年10月28日付け訂正請求によって特許権者が求めている訂正の内容は以下のとおりである。 (1) 請求項1を、請求項4に記載された事項と、請求項5に記載された事項とを追加要件として加えて、次のとおり訂正する。 「【請求項1】「本体部に取り付けられた光学系を通じて得られる被写体像に応じた撮像信号を発生する撮像信号発生部、及び、該撮像信号発生部から得られる撮像信号に基づいて映像信号を得る撮像信号処理部が、上記本体部内に配されて成る映像信号形成部と、 該映像信号形成部の本体部の姿勢に応じた第1の姿勢情報信号を得る第1の姿勢検出部と、 上記映像信号形成部から得られる映像信号に基づく画像を再生表示する画像表示部と、 該画像表示部の姿勢に応じた第2の姿勢情報信号を得る第2の姿勢検出部と、 上記映像信号形成部から得られる映像信号に、上記第1の姿勢情報信号及び第2の姿勢情報信号に応じた補正を加える映像信号補正処理部と、 上記第1の姿勢情報信号に基づく第1の画像制御信号を形成する第1の画像制御信号形成部と、 上記第2の姿勢情報信号に基づく第2の画像制御信号を形成する第2の画像制御信号形成部と、 上記第1の画像制御信号と第2の画像制御信号とを合成して上記映像信号補正処理部に供給する合成部と、 上記映像信号補正処理部から得られる補正された映像信号を上記画像表示部に供給する状態をとる映像信号供給部と、 を備えて構成される撮像及び画像表示装置。」 (2) 請求項3の記載を次のとおり訂正する。 「【請求項3】映像信号形成部から得られる映像信号と第1の姿勢検出部から得られる第1の姿勢情報信号とについての書込み及び読出しが行われるメモリ部が備えられ、映像信号補正処理部において、上記メモリ部から読み出された映像信号に、合成部により合成された第1の画像制御信号と第2の画像制御信号とに応じた補正が加えられることを特徴とする請求項1または2記載の撮像及び画像表示装置。」 (3) 【請求項4】及び【請求項5】を削除する。 (4) 【請求項6】を【請求項4】と訂正する。 (5) 【請求項7】を【請求項5】とし、「請求項6記載の」を、「請求項4記載の」と訂正する。 (6) 本件特許の明細書における【発明の詳細な説明】の段落【0008】、【0009】及び【0047】を全文訂正明細書のとおり訂正する。 2 訂正事項について (1) 訂正事項(1)は、本件特許の明細書における特許請求の範囲について、請求項1を、請求項4に記載されていた事項と請求項5に記載されていた事項とを追加要件として加えたものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当する。 見方を替えれば、訂正前の請求項5は請求項4を引用し、更に請求項4は請求項1を引用していたものであるから、訂正事項(1)は、実質的に請求項5を書き改めたものであるから明りょうでない記載の釈明ともいえる。 そして、該訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 さらに、請求項5については、特許異議申立の対象となっておらず、当該訂正を特許請求の範囲の減縮とみた場合、後記するように独立して特許を受けることができるものである。 (2) 訂正事項(2)ないし(5)は、訂正された【請求項1】に整合させるためになされた訂正であり、明りょうでない記載の釈明に該当する。 そして、これらの訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 (3) 訂正事項(6)は、特許請求の範囲の訂正と整合をとるために必要となる訂正であるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。 3 むすび よって、上記訂正は、特許法第120条の4第2項の規定及び同条第3項で準用する126条2項から4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。 第3 特許異議の申し立てについて 1 本件発明 上記第2に記載したとおり、訂正請求は認められるところとなったので、本件発明は、同訂正請求書に添付した訂正明細書の、特許請求の範囲の請求項1ないし5(以下、「本件発明1」などという。)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 申立の概要 特許異議申立人は特許異議の申立て時に、証拠として 甲第1号証:特開昭59―123386号公報 甲第2号証:特開平 3― 37887号公報 甲第3号証:特開昭62― 35329号公報 甲第4号証:特公平 4- 12673号公報 を提出し、本件訂正前の請求項5を除く各発明は、甲第1ないし4号証に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法29条2項の規定に該当し、取り消されるべきものである旨主張している。 3 当審の判断 本件発明1は前述のとおり、訂正請求により、異議申立のされていない訂正前の請求項5の内容をすべて含むものとなった。 また、他の訂正された請求項2ないし5の発明も、異議申立のされていない訂正前の請求項5の内容をすべて含むものである。 そして、特許異議申立人が提出した甲第1ないし4号証に記載された発明には、本件発明1ないし5が備えている、映像信号形成部と画像表示部から得られる「第1の画像制御信号と第2の画像制御信号とを合成して上記映像信号補正処理部に供給する合成部」の構成は示されておらず、それを示唆する記載もない。 したがって、訂正された本件各発明は甲第1ないし4号証記載の発明から、当業者が容易に発明をすることができたこととはいえない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、訂正された本件発明に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に訂正された本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 撮像及び画像表示装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】本体部に取り付けられた光学系を通じて得られる被写体像に応じた撮像信号を発生する撮像信号発生部、及び、該撮像信号発生部から得られる撮像信号に基づいて映像信号を得る撮像信号処理部が、上記本体部内に配されて成る映像信号形成部と、 該映像信号形成部の本体部の姿勢に応じた第1の姿勢情報信号を得る第1の姿勢検出部と、 上記映像信号形成部から得られる映像信号に基づく画像を再生表示する画像表示部と、 該画像表示部の姿勢に応じた第2の姿勢情報信号を得る第2の姿勢検出部と、 上記映像信号形成部から得られる映像信号に、上記第1の姿勢情報信号及び第2の姿勢情報信号に応じた補正を加える映像信号補正処理部と、 上記第1の姿勢情報信号に基づく第1の画像制御信号を形成する第1の画像制御信号形成部と、 上記第2の姿勢情報信号に基づく第2の画像制御信号を形成する第2の画像制御信号形成部と、 上記第1の画像制御信号と第2の画像制御信号とを合成して上記映像信号補正処理部に供給する合成部と、 上記映像信号補正処理部から得られる補正された映像信号を上記画像表示部に供給する状態をとる映像信号供給部と、 を備えて構成される撮像及び画像表示装置。 【請求項2】映像信号供給部が、映像信号形成部から得られる映像信号と映像信号補正処理部から得られる補正された映像信号とを選択的に画像表示部に供給することを特徴とする請求項1記載の撮像及び画像表示装置。 【請求項3】映像信号形成部から得られる映像信号と第1の姿勢検出部から得られる第1の姿勢情報信号とについての書込み及び読出しが行われるメモリ部が備えられ、映像信号補正処理部において、上記メモリ部から読み出された映像信号に、合成部により合成された第1の画像制御信号と第2の画像制御信号とに応じた補正が加えられることを特徴とする請求項1または2記載の撮像及び画像表示装置。 【請求項4】第1の姿勢検出部が、映像信号形成部の本体部についての基準姿勢に対する回転方向及び回転量を検出し、検出された回転方向及び回転量に基づいて第1の姿勢情報信号を形成し、第2の姿勢検出部が、画像表示部についての基準姿勢に対する回転方向及び回転量を検出し、検出された回転方向及び回転量に基づいて第2の姿勢情報信号を形成することを特徴とする請求項1記載の撮像及び画像表示装置。 【請求項5】映像信号補正処理部において映像信号に加えられる第1の姿勢情報信号及び第2の姿勢情報信号に応じた補正が、上記映像信号があらわす被写体像を、上記第1の姿勢情報信号があらわす映像信号形成部の本体部の姿勢及び上記第2の姿勢情報信号があらわす画像表示部の姿勢に応じて回転させることになるものとされることを特徴とする請求項4記載の撮像及び画像表示装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、被写体に向けられた光学系を通じて得られる被写体像に応じた撮像信号を発生して、その撮像信号に基づく映像信号を形成し、さらに、得られた映像信号に基づく画像を再生表示する撮像及び画像表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 被写体に応じた撮像信号を発生し、その撮像信号に基づいて、例えば、カラー映像信号等の映像信号を形成する撮像装置(ビデオカメラ)は、通常、光学系が取り付けられた本体部を伴い、光学系を通じて得られる被写体像に応じた撮像信号を発生する撮像信号発生部が、本体部に対して固定されたものとされる。そして、撮像装置が実際に使用される際には、その本体部が使用者あるいは支持台によって略一定の姿勢をとるように構えられる。例えば、瞬時々々における撮像範囲が長方形とされる撮像枠によって規定されるとして、撮像装置の本体部は、その撮像枠の長辺方向が横方向,縦方向あるいは横方向と縦方向との間の斜め方向とされることになる姿勢をとるものとされる。 【0003】 撮像装置が実際に撮像動作を行うにあたってその撮像装置の本体部が様々な姿勢をとるものとされるのは、いろいろな撮像状況のもとで、撮像装置の本体部が、その時々に応じて、その使用者あるいはそれに対する支持台にとって支持し易い状態あるいは安定に支持できる状態におかれることが主たる理由である。即ち、撮像装置が実際に撮像動作を行うものとされるにあたっては、多くの場合、その撮像装置の本体部は、その前面側に設けられた光学系が被写体に向けられ、その背面側から使用者がビュー・ファインダ部を覗くものとされるようにして、使用者あるいは支持台によって支持されるが、その際、例えば、撮像枠の長辺方向が横方向とされる姿勢をとるときが最も安定に支持される状態とされ、その撮像枠の長辺方向が横方向とされる姿勢をとるものとされることが多いが、状況によっては、撮像枠の長辺方向が横方向以外の方向とされる姿勢をとるものとされるのである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 このような撮像装置の本体部にあっては、その前面側に設けられた光学系が被写体に向けられたもとで、例えば、撮像枠の長辺方向が横方向とされる姿勢が基準姿勢とされ、光学系が被写体に向けられたもとでとられる、撮像枠の長辺方向が縦方向とされる姿勢を含む他の姿勢が、基準姿勢に対して時計回り方向あるいは反時計回り方向に回転した姿勢とされる。そして、撮像装置がその本体部が基準姿勢をとるもとで撮像動作を行う場合と、その本体部が回転した姿勢をとるもとで撮像動作を行う場合とでは、各々の場合に形成される映像信号の内容に差が生じることになる。 【0005】 即ち、撮像装置により形成された映像信号は画像表示部に供給され、その画像表示部において映像信号があらわす画像が再生表示されることになるが、画像表示部がその姿勢を変化させない状態におかれているとして、撮像装置がその本体部が基準姿勢をとるもとで撮像動作を行って形成する映像信号に基づき、画像表示部において再生表示される画像に対し、撮像装置がその本体部が回転した姿勢をとるもとで撮像動作を行って形成する映像信号に基づき、画像表示部により再生表示される画像は、回転した姿勢の基準姿勢に対する回転に対応して、時計回りあるいは反時計回りに回転したものとされてしまう。 【0006】 また、撮像装置は、画像表示部を伴って撮像及び画像表示装置を構成し、その撮像及び画像表示装置における映像信号形成部として機能するものとされるが、その際には、映像信号形成部において被写体像をあらわすものとして形成された映像信号に基づき、画像表示部において再生表示される画像は、画像表示部の姿勢に応じた姿勢変化を伴うものとされる。即ち、例えば、画像表示部における画像表示枠が長方形を成すとして、画像表示部は、その画像表示枠の長辺方向が横方向とされる姿勢が基準姿勢とされ、斯かる基準姿勢もしくは画像表示枠が向かう方向が同じとされたもとで基準姿勢に対して回転した姿勢をとる状態におかれるが、画像表示部が基準姿勢をとるもとで映像信号に基づいて再生表示される画像に対し、画像表示部が回転した姿勢をとるもとで映像信号に基づいて再生表示される画像は、回転した姿勢の基準姿勢に対する回転に対応して、時計回りあるいは反時計回りに回転したものとなってしまう。 【0007】 斯かる点に鑑み、本発明は、被写体に向けられた光学系を通じて得られる被写体像に応じた撮像信号を発生して、その撮像信号に基づく映像信号を形成する映像信号形成部と、映像信号形成部から得られる映像信号に基づいた画像を再生表示する画像表示部とを備えたもとにおいて、画像表示部において再生表示される画像を、映像信号形成部の本体部の姿勢変化、さらには、画像表示部の姿勢変化に起因する状態変化を伴わないものとなすことができる撮像及び画像表示装置を提供する。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明に係る撮像及び画像表示装置は、本体部に取り付けられた光学系を通じて得られる被写体像に応じた撮像信号を発生する撮像信号発生部、及び、撮像信号発生部から得られる撮像信号に基づいて映像信号を得る撮像信号処理部が、本体部内に配されて成る映像信号形成部と、映像信号形成部から得られる映像信号に基づく画像を再生表示する画像表示部とが備えられたもとで、さらに、映像信号形成部の本体部の姿勢に応じた第1の姿勢情報信号を得る第1の姿勢検出部,画像表示部の姿勢に応じた第2の姿勢情報信号を得る第2の姿勢検出部,映像信号形成部から得られる映像信号に第1の姿勢情報信号及び第2の姿勢情報信号に応じた補正を加える映像信号補正処理部,第1の姿勢情報信号に基づく第1の画像制御信号を形成する第1の画像制御信号形成部,第2の姿勢情報信号に基づく第2の画像制御信号を形成する第2の画像制御信号形成部,第1の画像制御信号と第2の画像制御信号とを合成して映像信号補正処理部に供給する合成部、及び、映像信号補正処理部から得られる補正された映像信号を画像表示部に供給する状態をとる映像信号供給部が設けられて構成される。 【0009】 このように構成される本発明に係る撮像及び画像表示装置にあっては、映像信号形成部によって被写体像をあらわす映像信号が形成されて、画像表示部によってその映像信号に基づく画像が再生表示されるにあたり、第1の姿勢検出部から映像信号形成部の本体部の姿勢に応じた第1の姿勢情報信号が得られるとともに、第2の姿勢検出部から画像表示部の姿勢に応じた第2の姿勢情報信号が得られる。さらに、第1の姿勢情報信号に基づく第1の画像制御信号が得られるとともに第2の姿勢情報信号に基づく第2の画像制御信号が得られ、それら第1の画像制御信号及び第2の画像制御信号が、合成部において合成されて映像信号補正処理部に供給される。そして、映像信号補正処理部において、映像信号形成部によって形成された映像信号に、合成部において合成された第1の画像制御信号及び第2の画像制御信号により、第1及び第2の姿勢情報信号に応じた補正が加えられて、それにより得られる補正された映像信号が映像信号供給部を通じて画像表示部に供給され、画像表示部において、補正された映像信号があらわす画像が再生表示される状態がとられる。 【0010】 斯かる際に、映像信号補正処理部において映像信号に加えられる第1の姿勢情報信号及び第2の姿勢情報信号に応じた補正は、例えば、映像信号形成部の本体部が基準姿勢と基準姿勢に対して回転した姿勢とを選択的にとり、また、画像表示部も基準姿勢と基準姿勢に対して回転した姿勢とを選択的にとるものとされるもとで、映像信号があらわす被写体像を、第1の姿勢情報信号があらわす映像信号形成部の本体部の姿勢及び第2の姿勢情報信号があらわす画像表示部の姿勢に応じて回転させることになるものとされる。その結果、画像表示部において再生表示される画像が、映像信号形成部の本体部の姿勢変化、さらには、画像表示部の姿勢変化に起因する状態変化を伴わないものとされ、例えば、映像信号形成部の本体部及び画像表示部のうちの少なくとも一方が基準姿勢に対して回転した姿勢をとる場合においても、画像表示部において再生表示される画像が、映像信号形成部の本体部及び画像表示部のいずれもが基準姿勢をとる場合と同様の状態にあるものとされる。 【0011】 【発明の実施の形態】 図2は、本発明に係る撮像及び画像表示装置を構成する映像信号形成部の一例における正面の外観を示す。この例にあっては、映像信号形成部の本体部11に、例えば、複数のレンズ,絞り機構,フォーカス調整機構等を内蔵した光学系12が、本体部11の全面側から外部に突出するものとされて取り付けられており、また、ビュー・ファインダ部13が、装置の使用者が本体部11の背面側から覗くことができるものとされて設けられている。さらに、本体部11には、光学系12を通じて得られる被写体像に応じた撮像信号を発生する撮像信号発生部14が設けられているとともに、本体部11の姿勢に応じた姿勢情報信号を送出する姿勢検出部15が内蔵されている。 【0012】 斯かる映像信号形成部の例は、その本体部11が、光学系12を被写体に向けたもとで、図2に示される如くの、長方形を成すものとされた撮像枠16の長辺方向を横方向とすることになる基準姿勢に加えて、図3に示される如くの、長方形を成す撮像枠16の長辺方向を縦方向とすることになる、基準姿勢に対して時計回り方向に90度だけ回転した姿勢を含む、基準姿勢に対して時計回り方向もしくは反時計回り方向に任意の回転量(回転角)だけ回転した姿勢を選択的にとる状態とされて、被写体についての撮像の用に供される。そして、姿勢検出部15は、本体部11がとる基準姿勢及び基準姿勢に対して回転した姿勢を検出し、検出された姿勢に応じた姿勢情報信号を形成する。 【0013】 図4は、本発明に係る撮像及び画像表示装置を映像信号形成部と共に構成する画像表示部の一例における正面の外観を示す。この例は、画像表示部17を形成しており、画像表示部17は、例えば、液晶表示パネルによって形成される、長方形を成す平面表示パネル部18を備えており、また、画像表示部17の姿勢に応じた姿勢情報信号を送出する姿勢検出部19を内蔵している。平面表示パネル部18は、その周縁部分が長方形の画像表示枠18aを形成していることになり、その画像表示枠18a内に、図2及び図3に示される映像信号形成部の例から得られる映像信号に基づく画像を再生表示する。 【0014】 斯かる画像表示部17は、平面表示パネル部18が向かう方向、従って、長方形の画像表示枠18aが向かう方向が同じとされたもとで、図4に示される如くの、長方形を成す画像表示枠18aの長辺方向を横方向とすることになる基準姿勢に加えて、図5に示される如くの、長方形を成す画像表示枠18aの長辺方向を縦方向とすることになる、基準姿勢に対して反時計回り方向に90度だけ回転した姿勢を含む、基準姿勢に対して時計回り方向もしくは反時計回り方向に任意の回転量(回転角)だけ回転した姿勢を選択的にとる状態とされて、図2及び図3に示される映像信号形成部の例から得られる映像信号に基づく画像の再生表示の用に供される。そして、姿勢検出部19は、画像表示部17がとる基準姿勢及び基準姿勢に対して回転した姿勢を検出し、検出された姿勢に応じた姿勢情報信号を形成する。 【0015】 図1は、図2及び図3に示される如くの外観を有した映像信号形成部の例、及び、図4及び図5に示される如くの外観を有した画像表示部の例を含んで構成される、本発明に係る撮像及び画像表示装置一例の構成を概略的に示す。 【0016】 この図1に示される例にあっては、光学系12に関連して設けられる撮像信号発生部14が、固体撮像部20を内蔵している。固体撮像部20は、例えば、光学系12を通じた被写体からの光を受けて光電変換を行う受光部分と、受光部分において得られた信号電荷を転送する、電荷結合素子(チャージ・カップルド・ディバイス:CCD)が用いられて形成される電荷転送部分と、電荷転送部分により転送された信号電荷に基づいて撮像出力信号を形成する出力部分とを有して構成されたものとされる。そして、固体撮像部20から得られる撮像出力信号が、撮像信号発生部14から、光学系12を通じて得られる被写体像に応じた撮像信号SIとして導出される。 【0017】 撮像信号発生部14から送出される撮像信号SIは、自動利得制御部(AGC部)21により増幅されて、アナログ-ディジタル(A/D)変換部22に供給される。A/D変換部22においては、AGC部21からの撮像信号SIが所定のサンプリング周波数をもってディジタル化され、ディジタル撮像信号DIが形成される。そして、A/D変換部22から得られるディジタル撮像信号DIは、撮像信号処理部23に供給される。 【0018】 撮像信号処理部23においては、A/D変換部22からのディジタル撮像信号DIに対する種々の処理が施され、撮像信号処理部23から、ディジタルカラー映像信号を形成するディジタル輝度信号DYとディジタル色信号DCとが送出される。ディジタル輝度信号DYは、輝度信号処理部24において、輪郭補正処理,ガンマ補正処理,同期信号付加処理等を含む各種の処理が施され、ディジタル輝度信号DYOとされて、メモリ部25及びディジタル/アナログ(D/A)変換部26に供給される。また、ディジタル色信号DCは、色信号処理部27において、エンコーディング処理等を含む各種の処理が施され、ディジタル色信号DCOとされて、メモリ部25及びD/A変換部28に供給される。 【0019】 D/A変換部26においては、ディジタル輝度信号DYOがアナログ化されて、ビュー・ファインダ表示用輝度信号SYFが形成されて、それがビュー・ファインダ部13に供給される。一方、D/A変換部28においては、ディジタル色信号DCOがアナログ化されて、ビュー・ファインダ表示用色信号SCFが形成されて、それがビュー・ファインダ部13に供給される。ビュー・ファインダ部13においては、ビュー・ファインダ表示用輝度信号SYF及びビュー・ファインダ表示用色信号SCFに基づく画像再生表示が行われ、撮像信号発生部14における固体撮像部20により、撮像枠16内に納められて撮像された被写体についての再生画像が得られる。 【0020】 また、図1に示される例にあっては、映像信号形成部の本体部11に内蔵された姿勢検出部15が、本体部11に関連して設けられた回転方向検出部30及び回転量検出部31を含むものとされている。回転方向検出部30は、本体部11が基準姿勢に対して回転した姿勢をとるものとされるとき、本体部11の回転方向を検出して、検出された回転方向をあらわす検出出力信号TDRを送出し、また、回転量検出部31は、基準姿勢に対して回転した姿勢をとるものとされた本体部11についての、例えば、回転角度をもってあらわされる回転量を検出して、検出された回転量をあらわす検出出力信号TRRを送出する。回転方向検出部30からの検出出力信号TDR及び回転量検出部31からの検出出力信号TRRは、姿勢検出部15に含まれた姿勢情報信号形成部32に供給され、姿勢情報信号形成部32において、検出出力信号TDR及びTRRに基づき、映像信号形成部の本体部11についての回転方向と回転量とをあらわす姿勢情報信号DRRが形成されて、それがメモリ部25に供給される。 【0021】 メモリ部25には、書込制御信号QW及び読出制御信号QRを送出するメモリ制御部33が設けられており、メモリ部25において、輝度信号処理部24から供給されるディジタル輝度信号DYO及び色信号処理部27から供給されるディジタル色信号DCOと、姿勢検出部15における姿勢情報信号形成部32から供給される姿勢情報信号DRRとが、書込制御信号QWに従って書き込まれて格納され、また、格納されたディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOと姿勢情報信号DRRとが、適宜、読出制御信号QRに従って読み出される。 【0022】 メモリ部25から読み出されたディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOは、スイッチ34における選択接点34a及びスイッチ35における選択接点35aに夫々供給されるとともに、映像信号補正処理部36に供給される。また、メモリ部25から読み出された姿勢情報信号DRRは、画像制御信号形成部37に供給される。画像制御信号形成部37においては、姿勢情報信号DRRがあらわす映像信号形成部の本体部11についての回転方向と回転量とに応じた画像制御信号DXRが形成され、それが合成部38に供給される。 【0023】 一方、図1に示される例にあっては、画像表示部17に内蔵された姿勢検出部19が、回転方向検出部40及び回転量検出部41を含むものとされている。回転方向検出部40は、画像表示部17が基準姿勢に対して回転した姿勢をとるものとされるとき、画像表示部17の回転方向を検出して、検出された回転方向をあらわす検出出力信号TDMを送出し、また、回転量検出部41は、基準姿勢に対して回転した姿勢をとるものとされた画像表示部17についての、例えば、回転角度をもってあらわされる回転量を検出して、検出された回転量をあらわす検出出力信号TRMを送出する。 【0024】 回転方向検出部40からの検出出力信号TDM及び回転量検出部41からの検出出力信号TRMは、姿勢検出部19に含まれた姿勢情報信号形成部42に供給され、姿勢情報信号形成部42において、検出出力信号TDM及びTRMに基づき、画像表示部17についての回転方向と回転量とをあらわす姿勢情報信号DMMが形成されて、それが画像制御信号形成部43に供給される。画像制御信号形成部43においては、姿勢情報信号DMMがあらわす画像表示部17についての回転方向と回転量とに応じた画像制御信号DXMが形成され、それが合成部38に供給される。 【0025】 合成部38においては、画像制御信号形成部37からの映像信号形成部の本体部11についての回転方向と回転量とに応じた画像制御信号DXRと、画像制御信号形成部43からの画像表示部17についての回転方向と回転量とに応じた画像制御信号DXMとが合成されて、合成画像制御信号DXが形成され、それが映像信号補正処理部36に供給される。 【0026】 そして、映像信号補正処理部36において、ディジタルカラー映像信号を形成するディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOに、合成画像制御信号DXによって、姿勢情報信号DRRがあらわす映像信号形成部の本体部11についての回転方向と回転量とに応じ、さらに、姿勢情報信号DMMがあらわす画像表示部17についての回転方向と回転量とにも応じた補正が加えられる。斯かるディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOに対する補正は、ディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOによりあらわされる被写体像を、姿勢検出部15により検出された映像信号形成部の本体部11の姿勢に応じて、例えば、映像信号形成部の本体部11についての回転方向と同じ回転方向に映像信号形成部の本体部11についての回転量と同じ回転量だけ回転させるとともに、姿勢検出部19により検出された画像表示部17の姿勢に応じて、例えば、画像表示部17についての回転方向とは逆の回転方向に画像表示部17についての回転量と同じ回転量だけ回転させることになるものとされる。 【0027】 映像信号補正処理部36からは、補正されたディジタル輝度信号DYR及びディジタル色信号DCRが得られて、それらがスイッチ34における選択接点34b及びスイッチ35における選択接点35bに夫々供給される。スイッチ34及び35は、各々の可動接点、即ち、可動接点34c及び可動接点35cが連動するものとされている。 【0028】 スイッチ34において可動接点34cが選択接点34aに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35aに接続されるときには、メモリ部25から読み出されたディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOが、夫々、スイッチ34における可動接点34c及びスイッチ35における可動接点35cに得られる。そして、スイッチ34における可動接点34cに得られるディジタル輝度信号DYOは、D/A変換部45によってアナログ化されて輝度信号SYとされ、また、スイッチ35における可動接点35cに得られるディジタル色信号DCOは、D/A変換部46によってアナログ化されて色信号SCとされる。 【0029】 一方、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34bに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35bに接続されるときには、映像信号補正処理部36から得られる補正されたディジタル輝度信号DYR及びディジタル色信号DCRが、夫々、スイッチ34における可動接点34c及びスイッチ35における可動接点35cに得られる。そして、スイッチ34における可動接点34cに得られる補正されたディジタル輝度信号DYRは、D/A変換部45によってアナログ化されて輝度信号SYとされ、また、スイッチ35における可動接点35cに得られる補正されたディジタル色信号DCRは、D/A変換部46によってアナログ化されて色信号SCとされる。 【0030】 このようにして、ディジタル輝度信号DYOもしくは補正されたディジタル輝度信号DYRに基づいて得られる輝度信号SY、及び、ディジタル色信号DCOもしくは補正されたディジタル色信号DCRに基づいて得られる色信号SCは、カラー映像信号を形成するものであって、画像表示部17に供給されるとともに、映像信号出力端子47及び48に導出される。従って、スイッチ34,スイッチ35,D/A変換部45及びD/A変換部46を含む部分は、メモリ部25から読み出されたディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOにより構成されるディジタルカラー映像信号を画像表示部17に供給する状態、及び、映像信号補正処理部36から得られる補正されたディジタル輝度信号DYR及びディジタル色信号DCRにより構成される補正されたディジタルカラー映像信号を画像表示部17に供給する状態を、選択的にとる映像信号供給部を形成していることになる。 【0031】 画像表示部13においては、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34aに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35aに接続されるもとにあっては、ディジタル輝度信号DYOに基づく輝度信号SY及びディジタル色信号DCOに基づく色信号SCにより形成されるカラー映像信号があらわす画像が再生表示され、また、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34bに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35bに接続されるもとにあっては、補正されたディジタル輝度信号DYRに基づく輝度信号SY及び補正されたディジタル色信号DCRに基づく色信号SCにより形成されるカラー映像信号があらわす画像が再生表示される。 【0032】 画像表示部17において再生表示される、ディジタル輝度信号DYOに基づく輝度信号SY及びディジタル色信号DCOに基づく色信号SCにより形成されるカラー映像信号があらわす画像は、撮像信号発生部14における固体撮像部20により撮像された被写体の像がそのまま表示される画像となり、一方、画像表示部17において再生表示される、補正されたディジタル輝度信号DYRに基づく輝度信号SY及び補正されたディジタル色信号DCRに基づく色信号SCにより形成されるカラー映像信号があらわす画像は、撮像信号発生部14における固体撮像部20により撮像された被写体の像が、映像信号形成部の本体部11の姿勢に応じて、例えば、映像信号形成部の本体部11についての回転方向と同じ回転方向に映像信号形成部の本体部11についての回転量と同じ回転量だけ回転せしめられるとともに、画像表示部17の姿勢に応じて、例えば、画像表示部17についての回転方向とは逆の回転方向に画像表示部17についての回転量と同じ回転量だけ回転せしめられて表示されることになる画像となる。 【0033】 このようにして、図1に示される例にあっては、映像信号形成部の本体部11が基準姿勢あるいは基準姿勢に対して回転した姿勢をとり、かつ、画像表示部17が基準姿勢あるいは基準姿勢に対して回転した姿勢をとる状態のもとで、撮像信号発生部14における固体撮像部20により撮像された被写体の像をあらわすディジタルカラー映像信号を形成するディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOと、映像信号形成部の本体部11の姿勢をあらわす姿勢情報信号DRR及び画像表示部17の姿勢をあらわす姿勢情報信号DMMとが得られ、これらのディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCO、さらには、姿勢情報信号DRR及び姿勢情報信号DMMに基づいて、撮像信号発生部14における固体撮像部20により撮像された被写体の像をそのままあらわすカラー映像信号、あるいは、撮像信号発生部14における固体撮像部20により撮像された被写体の像を、映像信号形成部の本体部11の姿勢に応じて、例えば、映像信号形成部の本体部11についての回転方向と同じ回転方向に映像信号形成部の本体部11についての回転量と同じ回転量だけ回転せしめられるとともに、画像表示部17の姿勢に応じて、例えば、画像表示部17についての回転方向とは逆の回転方向に画像表示部17についての回転量と同じ回転量だけ回転せしめられたものとしてあらわすカラー映像信号、を形成する輝度信号SY及び色信号SCが得られることになるとともに、輝度信号SY及び色信号SCに基づく画像の再生表示が行われる。 【0034】 斯かるもとで、例えば、図6のAに示される如くの被写体OBに関して、図6のBに示される如くに、映像信号形成部がその本体部11が基準姿勢をとるとともに、画像表示部17も基準姿勢をとる状態とされたもとで、撮像信号発生部14における固体撮像部20による被写体OBについての撮像が行われると、被写体OBが、長辺方向が横方向とされた撮像枠16内に納められて撮像されることになり、その際、ビュー・ファインダ部13を覗く使用者は、図6のCに示される如くの、長辺方向が横方向とされた撮像枠16内に配された被写体OBの像を見ることになる。 【0035】 このとき、輝度信号処理部24及び色信号処理部27から、長辺方向が横方向とされた撮像枠16内に納められた被写体OBの像をあらわすディジタルカラー映像信号を形成するディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOが得られる。そして、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34aに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35aに接続される状態がとられると、D/A変換部45及び46から、ディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOに基づく輝度信号SY及び色信号SCが夫々得られる。その結果、基準姿勢をとる状態にある画像表示部17において、図6のDに示される如くに、長辺方向が横方向とされた画像表示枠17a内に被写体OBの像が回転せしめられることなく再生表示される。 【0036】 それに対して、例えば、図7のAに示される如くの被写体OBに関して、図7のBに示される如くに、映像信号形成部がその本体部11が基準姿勢に対して時計回り方向に90度だけ回転した姿勢をとり、画像表示部17が基準姿勢をとる状態とされたもとで、撮像信号発生部14における固体撮像部20による被写体OBについての撮像が行われると、撮像枠16も映像信号形成部の本体部11の回転に伴って時計回り方向に90度だけ回転せしめられ、被写体OBが、長辺方向が縦方向とされた撮像枠16内に納められて撮像されることになり、その際、ビュー・ファインダ部13を覗く使用者は、図7のCに示される如くの、長辺方向が縦方向とされた撮像枠16内に配された被写体OBの像を見ることになる。 【0037】 そして、輝度信号処理部24及び色信号処理部27から、長辺方向が縦方向とされた撮像枠16内に納められた被写体OBの像をあらわすディジタルカラー映像信号を形成するディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOが得られる。このとき、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34aに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35aに接続される状態がとられると、画像表示部17において、被写体OBの像の適正な再生表示はなされない。 【0038】 即ち、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34aに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35aに接続される状態がとられるもとでは、D/A変換部45及び46から、ディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOに基づく輝度信号SY及び色信号SCが夫々得られるので、基準姿勢をとる状態にある画像表示部17において、図7のDに示される如くに、長辺方向が横方向とされた画像表示枠17a内に被写体OBの像が反時計回り方向に90度だけ回転せしめられて再生表示されることになってしまう。 【0039】 斯かる際には、映像信号補正処理部36から、ディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOに、姿勢情報信号DRRに基づく画像制御信号DXRと姿勢情報信号DMMに基づく画像制御信号DXMとが合成されて得られる合成画像制御信号DXによる補正が加えられて、ディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOがあらわす被写体OBの像を、映像信号形成部の本体部11の姿勢に応じて、時計回り方向に90度だけ回転せしめられたものとしてあらわす補正されたディジタル輝度信号DYR及びディジタル色信号DCRが得られている。そして、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34bに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35bに接続される状態がとられると、D/A変換部45及び46から、補正されたディジタル輝度信号DYR及びディジタル色信号DCRに基づく輝度信号SY及び色信号SCが夫々得られる。 【0040】 その結果、基準姿勢をとる状態にある画像表示部17において、図7のEに示される如くに、長辺方向が横方向とされた画像表示枠17a内に被写体OBの像が時計回り方向に90度だけ回転せしめられて再生表示されることになり、斯かる被写体OBの像は、映像信号形成部がその本体部11が基準姿勢をとる状態とされたもとで、撮像信号発生部14における固体撮像部20による被写体OBについての撮像が行われる場合に画像表示部17において再生表示される、図6のDに示される被写体OBの像と同じ状態におかれたものとされる。 【0041】 また、映像信号形成部がその本体部11が基準姿勢をとる状態とされたもとで、撮像信号発生部14における固体撮像部20による被写体OBについての撮像が行われ、それにより、輝度信号処理部24及び色信号処理部27から、図8のAに示される如くに、長辺方向が横方向とされた撮像枠16内に納められた被写体OBの像をあらわすディジタルカラー映像信号を形成するディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOが得られるとき、図8のBに示される如くに、画像表示部17が基準姿勢をとるものとされている場合には、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34aに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35aに接続される状態がとられると、D/A変換部45及び46からディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOに基づく輝度信号SY及び色信号SCが夫々得られて、それらが画像表示部17に供給され、基準姿勢をとる状態にある画像表示部17において、図8のCに示される如くに、長辺方向が横方向とされた画像表示枠17a内に被写体OBの像が回転せしめられることなく再生表示される。 【0042】 それに対して、映像信号形成部がその本体部11が基準姿勢をとる状態とされたもとで、撮像信号発生部14における固体撮像部20による被写体OBについての撮像が行われ、それにより、輝度信号処理部24及び色信号処理部27から、図9のAに示される如くに、長辺方向が横方向とされた撮像枠16内に納められた被写体OBの像をあらわすディジタルカラー映像信号を形成するディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOが得られるとき、図9のBに示される如くに、画像表示部17が基準姿勢に対して反時計回り方向に90度だけ回転した姿勢をとるものとされている場合には、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34aに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35aに接続される状態がとられると、画像表示部17において被写体OBの像についての適正な再生表示がなされない。 【0043】 即ち、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34aに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35aに接続される状態のもとでは、D/A変換部45及び46からディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOに基づく輝度信号SY及び色信号SCが夫々得られて、それらが画像表示部17に供給されるので、基準姿勢に対して反時計回り方向に90度だけ回転した姿勢をとり、それに伴い、画像表示枠17aも反時計回り方向に90度だけ回転せしめられて長辺方向が縦方向とされた画像表示部17において、図9のCに示される如くに、長辺方向が縦方向とされた画像表示枠17a内に被写体OBの像が反時計回り方向に90度だけ回転せしめられて再生表示されることになってしまう。 【0044】 斯かる際には、映像信号補正処理部36から、ディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOに、姿勢情報信号DRRに基づく画像制御信号DXRと姿勢情報信号DMMに基づく画像制御信号DXMとが合成されて得られる合成画像制御信号DXによる補正が加えられて、ディジタル輝度信号DYO及びディジタル色信号DCOがあらわす被写体OBの像を、画像表示部17の姿勢に応じて、時計回り方向に90度だけ回転せしめられたものとしてあらわす補正されたディジタル輝度信号DYR及びディジタル色信号DCRが得られている。そして、スイッチ34において可動接点34cが選択接点34bに接続されるとともに、スイッチ35において可動接点35cが選択接点35bに接続される状態がとられると、D/A変換部45及び46から、補正されたディジタル輝度信号DYR及びディジタル色信号DCRに基づく輝度信号SY及び色信号SCが夫々得られて、それらが画像表示部17に供給される。 【0045】 その結果、基準姿勢に対して反時計回り方向に90度だけ回転した姿勢をとり、それに伴い、画像表示枠17aも反時計回り方向に90度だけ回転せしめられて長辺方向が縦方向とされた画像表示部17において、図9のDに示される如くに、長辺方向が縦方向とされた画像表示枠17a内に被写体OBの像が回転せしめられることなく再生表示される。斯かる被写体OBの像は、図8のCに示される、画像表示部17が基準姿勢をとる状態とされたもとで再生表示される被写体OBの像と同じ状態におかれたものとされる。 【0046】 上述の如くにして、図1に示される例にあっては、映像信号形成部の本体部11が基準姿勢あるいは基準姿勢に対して回転した姿勢をとり、かつ、画像表示部17が基準姿勢あるいは基準姿勢に対して回転した姿勢をとる状態のもとで、撮像信号発生部14における固体撮像部20による被写体についての撮像動作が行われるにあたり、スイッチ34における可動接点34cの選択接点34aもしくは選択接点34bとの接続状態、及び、スイッチ35における可動接点35cの選択接点35aもしくは選択接点35bとの接続状態が、適宜、制御されることにより、画像表示部17において再生表示される画像、即ち、被写体の像が、映像信号形成部の本体部11の姿勢変化、さらには、画像表示部17の姿勢変化に伴う変化を伴わないものとされ、例えば、映像信号形成部の本体部11及び画像表示部17のうちの少なくとも一方が基準姿勢に対して回転した姿勢をとる場合においても、画像表示部17において再生表示される被写体の像が、映像信号形成部の本体部11及び画像表示部17の両者が基準姿勢をとる場合と同様の状態にあるものとされることになる。 【0047】 【発明の効果】 以上の説明から明らかな如く、本発明に係る撮像及び画像表示装置にあっては、映像信号形成部によって被写体像をあらわす映像信号が形成され、画像表示部によってその映像信号に基づく画像が再生表示されるにあたり、映像信号形成部の本体部の姿勢に応じた第1の姿勢情報信号が得られるとともに、画像表示部の姿勢に応じた第2の姿勢情報信号が得られ、さらに、第1の姿勢情報信号に基づいて得られる第1の画像制御信号と第2の姿勢情報信号に基づいて得られる第2の画像制御信号とが合成部により合成されて映像信号補正処理部に供給され、映像信号補正処理部において、映像信号形成部によって形成された映像信号に、合成された第1及び第2の画像制御信号により、第1及び第2の姿勢情報信号に応じた補正が加えられて、それにより得られる補正された映像信号が画像表示部に供給され、画像表示部において、補正された映像信号があらわす画像が再生表示される状態がとられる。それにより、本発明に係る撮像及び画像表示装置によれば、画像表示部において再生表示される画像を、映像信号形成部の本体部の姿勢変化、さらには、画像表示部の姿勢変化に起因する状態変化を伴わないものとすることができ、例えば、映像信号形成部の本体部及び画像表示部のうちの少なくとも一方が基準姿勢に対して回転した姿勢をとる場合においても、画像表示部において再生表示される画像を、映像信号形成部の本体部及び画像表示部のいずれもが基準姿勢をとる場合と同様の状態におくことができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係る撮像及び画像表示装置の一例の構成を概略的に示すブロック接続図である。 【図2】 図1に示される撮像及び画像表示装置の一例を構成する映像信号形成部の例における正面の外観を示す正面図である。 【図3】 図1に示される撮像及び画像表示装置の一例を構成する映像信号形成部の例における正面の外観を示す正面図である。 【図4】 図1に示される撮像及び画像表示装置の一例を構成する画像表示部の例における正面の外観を示す正面図である。 【図5】 図1に示される撮像及び画像表示装置の一例を構成する画像表示部の例における正面の外観を示す正面図である。 【図6】 図1に示される撮像及び画像表示装置の一例における撮像及び画像表示動作状態の説明に供される概念図である。 【図7】 図1に示される撮像及び画像表示装置の一例における撮像及び画像表示動作状態の説明に供される概念図である。 【図8】 図1に示される撮像及び画像表示装置の一例における撮像及び画像表示動作状態の説明に供される概念図である。 【図9】 図1に示される撮像及び画像表示装置の一例における撮像及び画像表示動作状態の説明に供される概念図である。 【符号の説明】 11 本体部 12 光学系 13 ビュー・ファインダ部 14 撮像信号発生部 15,19 姿勢検出部 17 画像表示部 18 平面表示パネル部 20 固体撮像部 21 AGC部 22 A/D変換部 23 撮像信号処理部 24 輝度信号処理部 25 メモリ部 26,28,45,46 D/A変換部 27 色信号処理部 30,40 回転方向検出部 31,41 回転量検出部 32,42 姿勢情報信号形成部 33 メモリ制御部 34,35 スイッチ 36 映像信号補正処理部 37,43 画像制御信号形成部 38 合成部 47,48 映像信号出力端子 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2004-11-24 |
出願番号 | 特願平8-121524 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
YA
(H04N)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 山本 章裕 |
特許庁審判長 |
杉山 務 |
特許庁審判官 |
藤内光武 橋爪正樹 |
登録日 | 2003-07-04 |
登録番号 | 特許第3446474号(P3446474) |
権利者 | ソニー株式会社 |
発明の名称 | 撮像及び画像表示装置 |
代理人 | 神原 貞昭 |
代理人 | 神原 貞昭 |