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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1112898
異議申立番号 異議2002-73139  
総通号数 64 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-12-26 
確定日 2004-12-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3298444号「遊技機」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3298444号の請求項に係る特許を取り消す。 
理由 第一.手続の経緯
本件特許第3298444号の請求項1、2に係わる発明は、平成9年2月12日に特許出願されたものであって、平成14年4月19日にその特許権の設定登録がなされ、その後、特許異議申立がなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である、平成16年2月24日に訂正請求がなされたものである。

第二.訂正の適否
[1].訂正の内容
<1>.訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1を
「複数の図柄を可変表示可能な第1、第2図柄表示部を有する図柄表示器が配設してあり、図柄始動信号によって前記各図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、第1、第2図柄表示部の図柄が順次停止し、その停止図柄が予め設定した図柄の組合せであると、遊技者にとって有利となる特別遊技状態が生起する遊技機であって、
図柄の変動開始時から第1図柄表示部の図柄が停止表示するまでの時間は、第1図柄表示部に停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合に比べて短く設定し、且つ、残りの図柄表示部の図柄変動時間を長くすると共にリーチアクションとして物語風の動画を表示することを特徴とする遊技機。」と訂正する。
<2>.訂正事項b
特許請求の範囲の請求項2を
「複数の図柄を可変表示可能な第1、第2、第3図柄表示部を有する図柄表示器が配設してあり、図柄始動信号によって前記各図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、第1、第2、第3図柄表示部の図柄が順次停止し、その停止図柄が予め設定した図柄の組合せであると、遊技者にとって有利となる特別遊技状態が生起する遊技機であって、
第1図柄表示部の図柄が停止表示した時から第2図柄表示部の図柄が停止表示するまでの時間は、第1、第2図柄表示部に停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合に比べて短く設定し、且つ、残りの図柄表示部の図柄変動時間を長くすると共にリーチアクションとして物語風の動画を表示することを特徴とする遊技機。」と訂正する。
<3>.訂正事項c
明細書の段落【0005】の【課題を解決するための手段】を
「請求項1の遊技機は、複数の図柄を可変表示可能な図柄表示部を有する図柄表示器が配設してあり、図柄始動信号によって前記各図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、第1、第2図柄表示部の図柄が順次停止し、その停止図柄が予め設定した図柄の組合せであると、遊技者にとって有利となる特別遊技状態が生起し、
図柄の変動開始時から第1図柄表示部の図柄が停止表示するまでの時間は、第1図柄表示部に停止表示する図柄が、予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合に比べて短く設定し、且つ、残りの図柄表示部の図柄変動時間を長くすると共にリーチアクションとして物語風の動画を表示する。
即ち、第1図柄表示部に停止する図柄が特別遊技状態に生起可能な図柄(予め決められた図柄の組合せに含まれる図柄)であるときには、特別遊技状態が生起しない図柄であるときに比べて、図柄変動時間を短く設定して、残りである第2図柄表示部の図柄変動時間を長くすることによって物語風等の図柄表示には有利となる。
又、請求項2の遊技機は、複数の図柄を可変表示可能な図柄表示部を有する図柄表示器が配設してあり、図柄始動信号によって前記各図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、第1、第2、第3図柄表示部の図柄が順次停止し、その停止図柄が予め設定した図柄の組合せであると、遊技者にとって有利となり、第1図柄表示部の図柄が停止表示した時から第2図柄表示部の図柄が停止表示するまでの時間は、第1、第2図柄表示部に停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合に含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合に比べて短く設定し、且つ、残りの図柄表示部の図柄変動時間を長くすると共にリーチアクションとして物語風の動画を表示する。
即ち、第1図柄表示部と第2図柄表示部に停止する図柄が特別遊技状態を生起可能な図柄(予め決められた図柄の組合せに含まれる図柄)であるときには、特別遊技状態が生起しない図柄であるときに比べて、図柄変動時間を短く設定して、残りである第3図柄表示部の図柄変動時間を長くすることによって、物語風等の図柄表示に対して有利である。」に訂正する。
<4>.訂正事項d
明細書の段落【0022】を
「(ニ)外れの場合
前記判定エリアの値が、前記以外の場合には外れであり、図柄表示部L1、L2、L3の図柄が変動を開始した後、g(例えば、5.00)秒後に、第1図柄表示部L1は、外れ図柄格納エリアの値(第1図柄表示部L1に該当)の停止図柄を含めて2図柄前の図柄を先頭に表示図柄を並べ替え、h(例えば、0.611)秒かけて、2図柄を変動して停止する。
その後、第2図柄表示部L2は、前記と異なり、外れ図柄格納エリアの値(第2図柄表示部L2に該当)の停止図柄を含めて5図柄前の図柄を先頭に表示図柄を並べ替えて、前記大当たり、外れリーチ等と異なり、長時間かけて、遊技者が図柄の認識可能な速度の、i(例えば、1.5)秒をかけて順次、5図柄を変動表示して停止する。」に訂正する。
(なお、下線部分は訂正個所を示す。)

[2].訂正要件充足性の検討
<1>.訂正事項a及び訂正事項bは、特許請求の範囲の請求項1、及び請求項2の減縮を目的とするものであり、当該減縮事項は段落【0023】に記載されているから、前記訂正は特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当する。
<2>.訂正事項cは、上記訂正事項a,bと整合を図るものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当する。
<3>.訂正事項dは、「5図柄前の図柄を先頭」との重複記載の一方を削除するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当する。
<4>.まとめ
上記訂正は、何れも新規事項の追加には該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではないから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するので当該訂正を認める。



第三.特許異議申立についての判断(第29条第2項)
[1].本件の請求項1、2に係わる発明
前記「第二」で示したように前記訂正が認められるものであるから、本件の請求項1、2に係わる発明(以下「本件発明1、2」という)は、前記訂正に係わる訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、2に記載されたとおりのものである。

[2].引用刊行物記載事項
当審で通知した取消理由に引用した、特開平8-206313号公報、特開平5-31233号公報、特開平2-277482号公報、特開平5-123433号公報、特開平8-238359号公報記載事項
(A).特開平8-206313号公報(以下、「刊行物A」という)
(A-1).「【0003】【発明が解決しようとする課題】 上述のパチンコ機にあって、リーチ状態の場合に、その最後の図柄表示部を低速スクロールさせたり、スピーカ及びランプを駆動開始して、効果音,効果光を発生させる等、種々の大当たり予告動作を生じさせて、大当たりへの期待感を高めるようにしたパチンコ機は種々提案されている。ここでリーチ状態とは、最後に停止する図柄表示部以外の各図柄表示部が、当りとなるための条件を満足している場合をいう。これは、同一図柄のみではなく、オールマイティ図柄を含んでいるような大当たり状態の直前の図柄組み合せも含むものである。」
(A-2).「【0005】 一方、大当たりの前提となるリーチ状態に対する期待感を高め得る構成を備えたパチンコ機は提案されていない。しかるに、リーチ状態は大当たりへのステップとしての意義を有するものであるから、このリーチ状態への期待感を高揚させることにより、パチンコ遊技の興趣を一層高め得ることが期待され得る。」
(A-3).「【0011】 前記リーチ予告表示作動としては、それ以前の表示作動のときの図柄のスクロール方向と異なった方向にスクロールする作態様、それ以前の表示作動のときの図柄のスクロール速度と異なった速度でスクロールする作動態様、さらには、その表出される図柄を、最初は小さく表示し、これを急速に拡大させて停止する浮上表示形態を一回又は連続して複数回実行する作動態様等が提案され得る。」
(A-4).「【0026】 そして、始動口14を玉が通過すると、乱数列Kを選定する。そして、この値がK=7の場合には、図柄表示部A,B,Cが変動すると、図5ロで示す特別図柄乱数Lから値を選出して、当たり図柄を決定すると共に、図柄表示部A,Bを順次循環変動して停止させ、同一図柄とする。
【0027】 このときその経過で必ず、リーチ状態となる。そこで、図柄表示部Aが停止した後に、図柄表示部B,Cを上から下へのスクロールであるそれ以前の表示作動とは区別される特異なリーチ予告表示作動で変動させ、リーチ状態に対する遊技者の期待感を高揚させる。このリーチ予告表示作動態様の詳細は後述する。
【0028】 そのリーチ予告表示作動終了後、図柄表示部Bを停止させ、リーチ状態とする。さらには、このリーチ状態の確定後も、図柄表示部Cを上述と同じ予告表示作動を続行させたり、またはこれとも異なった特異な大当たり予告示作動を生じさせることにより、今度は大当たりへの期待感を高揚させる。そして、図柄表示部Cの停止にともない、所定の大当たり作動を開始させる。」
(A-5).「【0054】さらには、リーチ予告図柄としては、動画を適用するようにしても良い。例えば、花火の炸裂をスポット的に表示するのではなく、絵柄の連続により、動的に表現するようにしても良い。又は、「吉」等の文字を前後に移動させたり、フラッシングを生じさせるようにしても良い。」
(A-6).してみると、刊行物Aには以下の発明(以下、「引用発明」という)が記載されている。
すなわち、
「始動口14を玉が通過すると、図柄表示部A,B,Cが変動し、特別図柄乱数Kにて図柄を決定し、当たり図柄の場合には、図柄表示部Aが停止した後、図柄表示部B,Cを上から下へのスクロールであるそれ以前の表示作動とは区別される特異なリーチ予告表示作動で変動させてリーチ状態に対する遊技者の期待感を高揚させた後、図柄表示部Bを停止させてリーチ状態を確定し、その後、図柄表示部Cを上述と同じ予告表示作動を続行させたり、またはこれとも異なった特異な大当たり予告示作動を生じさせることにより、大当たりの前提となるリーチ状態に対する期待感を高め得る構成を備えたパチンコ機。
さらに、リーチ予告表示動作として動画表示が示されている。」

(B).特開平5-31233号公報(以下、「刊行物B」という)
(B-1).「図柄LED用タイマは、各図柄の表示図柄を切換る時間を決めるためのタイマである。タイマの設定時間が長くなれば、次の表示に切換わるまでに要する時間が長くなる。したがって、タイマの設定時間を長くすることにより図柄の変動速度を遅くすることができる。」(第17欄第20〜25行)
(B-2).「この場合右図柄表示器30cに表示される右図柄は、基本タイマのセットとともに変動が開始され、図12(c)に示される中図柄の停止後、表示中の右図柄が予定停止図柄と一致するまで可変表示された後停止する。すなわち、リーチ状態以外のときには、中図柄停止後比較的短い時間で右図柄も停止される。
【0073】 これに対し、図12(e)、(f)に示されるように、すでに停止した左図柄および中図柄がリーチ状態であるときには、右図柄停止制御はより長い時間かけて行なわれる。」(第18欄第40〜50行)」

(C).特開平2-277482号公報(以下、「刊行物C」という)
(C-1).「[従来の技術] 従来、複数種類の識別情報を可変表示可能な識別情報表示部が複数配設された可変表示装置の表示状体が予め定めた特定表示状態となったときに、所定価値付与手段、例えば、可変入賞球装置が所定の態様で開成して短時間に多数の入賞玉を発生させる弾球遊技機が市場に提供されている。」(第2頁左上欄第9〜15行)
(C-2).「[発明が解決しようとする課題] ところで、上記した弾球遊技機においては、必然的に複数ある識別情報表示部の停止する状況に対して遊技者の注目が集中する傾向がある。このような傾向において、従来の可変表示装置は、停止時における識別情報表示部に表示される識別情報が特定表示状態となる可能性があるか否かに拘わらずどのような種類のものであっても、各識別情報表示部の停止時間間隔は、すべてほぼ同一であり、また、その停止状況における報知は、何等されることもなかった。このため、可変表示装置が特定表示状態となる可能性がある場合であっても遊技者の可変表示装置への注意力が散漫となり、いま一つ興趣の盛り上がりに欠けるという問題があった。
この発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、可変表示装置の表示状態が特定表示状態になる可能性があることを遊技者に積極的に報知することにより、遊技の興趣を盛り上げることができる弾球遊技機を提供することにある。」(第2頁右上欄第1行〜同頁左下欄第1行)」
(C-3).「[作用] 可変表示開始信号発生手段の出力に基づいて識別情報表示部の可変表示が開始され・・・、識別情報表示部が順次停止して可変表示を行っている識別情報表示部が少なくとも残り1つとなったときに、既に停止している識別情報表示部の表示状態が特定表示状態になり得る条件を満たしているか否かが予備表示状態判定手段によって判定され、条件を満たしていると判定された場合には、表示駆動停止遅延手段によって未だ可変表示を行っている残り1つの識別情報表示部の停止時期が、条件を満たしていないと判定された場合よりも遅らせて停止される。すなわち、特定表示状態になり得る可能性がある場合には、長く可変表示することになる」(第2頁右下欄第14行〜第3頁左上欄第9行)
(C-4).「また、識別情報表示部の数も少なくとも2以上であれば、その数は、実施例に限定されないし、」(第13頁右下欄第2〜4行)」
(C-5).「マル6 最初に停止した識別情報表示部の表示が大当りになり得る条件を満たしている場合にも、残りの識別情報表示部に対して、上記実施例と同様に遅延させながら停止する制御を行ってもよい。」(第14頁左上欄第7〜10行)

(D).特開平5-123433号公報(以下、「刊行物D」という)
(D-1).「【0061】 上記したように、作動信号Q1が導出されると同時に、図柄39a,39bに表示される図柄が当りか否かが決定されると共に、停止時に表示される図柄も決定される。しかして、作動信号Q1導出後ただちに図柄39a,39bの変動が同時に開始された場合において、図18に示すように、左図柄39aの変動表示においては、図柄の変動速度が0.024秒に設定されている(この変動速度を変動速度Aという)。そして、この変動速度Aで一定時間(0.648秒)経過したときに、その変動表示を停止する。」
(D-2).「【0062】 一方、右図柄39bの変動表示においては、最初に停止する左図柄39aに表示される停止図柄が当り図柄でないとき(リーチ状態でないとき)と、当り図柄であるとき(リーチ状態のとき)とでは、異なる態様で変動表示される。そこで、まずリーチ状態でないときの変動表示について説明すると、右図柄39bは、左図柄39aの変動が停止した後、更に20図柄分に対応する時間(0.480秒)だけ余計に変動表示し、その後、作動信号Q1導出時に決定されている停止図柄と一致したところ(0.000秒〜0.336秒)の間で一致)で変動表示を停止する。なお、リーチ状態でないときの右図柄39bの変動速度は、停止するまで前記変動速度Aが設定されている。」
(D-3).「【0063】 次に、リーチ状態のときの変動表示について説明すると、最初に停止する左図柄39aの変動が停止するまでの間、変動速度Aが設定されて変動表示しており、その時間が経過した後、変動速度が変動速度の遅い速度(以下、この速度を変動速度Bという)である0.200秒に設定されて6図柄分を変動表示(したがって、1.200秒が経過する)する。そして、この6図柄分の変動表示が終了するまでが基本時間とされ、その基本時間が経過した後、停止図柄と一致するまで変動表示する。この場合、14のうちの1つの停止図柄と一致するまでであるので、その停止時間は、0.000秒〜2.800秒までの間の0.200秒毎に区切られる時間のいずれかが選択される。」

(E).特開平8-238359号公報(以下、「刊行物E」という)
(E-1).【従来の技術】として、「また、このような図柄の変動において確率変動時、即ち図柄の当り確率が所定条件の成立により高確率に変動されたときには、各図柄列のリーチ変動時間を短縮することで遊技進行の迅速化を招来していた。なお、近年では、上記した各図柄列の表示に換えて動画データに基づくキャラクタ画像を表示し、該キャラクタ画像が予め定めた表示結果となったときに特定の遊技価値を付与し得る可変表示装置が提案されている。」(第1欄第40〜48行)
(E-2).【発明が解決しようとする課題】として、「本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、確率変動時におけるキャラクタ画像のリーチ変動時間を短縮することで遊技進行の迅速化を招来し、ひいては遊技の興趣を向上し得る可変表示装置を備えた弾球遊技機を提供することにある。」(第2欄第6〜11行)

[3].本件発明2と引用発明との対比・判断
<1>.構成の対応関係
(1).引用発明の「図柄表示部A,B,C」は、本件発明2における「第1、第2、第3図柄表示部」に対応する。
(2).引用発明における「当り図柄」は、本件発明2における「予め設定された図柄の組合せ」に対応する。
(3).引用発明において、当り図柄の場合は、図柄表示部Aが停止表示したとき、「図柄表示部B,Cを上から下へのスクロールであるそれ以前の表示作動とは区別される特異なリーチ予告表示作動で変動させ」る事項と、本件発明2における、「第1図柄表示部の図柄が停止表示した時から第2図柄表示部の図柄が停止表示されるまでの時間は予め設定された図柄の組合せになった場合に、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合に比べて短く設定する」事項とは、第1図柄表示部の図柄が停止表示した時、予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合における第2図柄表示部の表示作動態様と相違する表示作動態様とする点において共通する。
(4).引用発明において、図柄表示部Bが停止してリーチ状態を確定した時は、図柄表示部Cの表示作動態様を、そのままの表示作動と異なった特異な大当たり予告示作動を生じさせる事項と、本件発明において、第1、第2図柄表示部に停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合に比べて、残りの図柄表示部の図柄変動時間を長くする事項とは、第1、第2図柄表示部に停止表示する図柄が予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合における第3図柄表示部の表示作動態様と相違する表示作動態様とする点において共通する。

<2>.一致点
複数の図柄を可変表示可能な第1、第2、第3図柄表示部を有する図柄表示器が配設してあり、図柄始動信号によって前記各図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、第1、第2、第3図柄表示部の図柄が順次停止し、その停止図柄が予め設定した図柄の組合せであると、遊技者にとって有利となる特別遊技状態が生起する遊技機であって、
第1図柄表示部の図柄が停止表示した後の第2図柄表示部、及び第3図柄表示部の表示作動態様は、前記第1、第2図柄表示部に停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合と相違させる遊技機」の点において一致する。

<3>.相違点
(1).相違点1
第1図柄表示部の図柄が停止表示した時から第2図柄表示部の図柄が停止表示するまでの表示作動態様として、引用発明では、停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、例えば、スクロール方向を異ならせること、スクロール速度を異ならせること等その表示作動態様を、当該含まれない場合と相違させることとしているのに対し、
本件発明2は、第1図柄表示部の図柄が停止表示した時から第2図柄表示部の図柄が停止表示するまでの時間を当該含まれない場合と比較して短くしている点。
(2).相違点2
第2図柄表示部の図柄が停止表示した時から第3図柄表示部の図柄が停止表示するまでの表示作動態様として、引用発明では、停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合は、当該含まれない場合と相違する、特異な大当たり予告作動であるのに対し、本件発明2では、図柄変動時間を長くしている点
(3).相違点3
第2図柄表示部の図柄が停止表示した時から第3図柄表示部の図柄が停止表示するまでの表示作動態様として、停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合の第3図柄表示部の表示図柄として、引用発明では、特異な大当たり予告作動であるのに対し、本件発明2では物語風の動画である点

<4>.相違点の検討
(1).相違点1、2について、
図柄表示部の表示作動態様として、その変動表示時間を長くしたり、短くしたりすることは、前記(B-2)、(C-3)、(D-3)、(E-2)に見られるように周知の表示作動態様であり、しかも、後2者は、その変動表示時間を変化させる図柄表示部として、停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、リーチ時変動図柄である、第2図柄表示部としている点も示されている。
したがって、引用発明においはて、停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、第2図柄表示部、及び第3図柄表示部の表示作動態様を相違させることが示されているから、前記両表示部の表示作動態様として、前記周知の変動時間の長短による表示作動態様を採用することは、前記(C-5)に最初の図柄表示部が停止した後、残りの図柄表示部を遅延させながら停止させることが示されていること、及びをリーチ時において第2図柄表示部の変動時間を相違させることが前記、(D-3)、(E-2)に見られるように周知の表示作動態様であること等を勘案すれば、当業者が適宜為し得る程度の事項である。
しかも、変動時間の長短の組合せとして、長ー長、長ー短、短ー短、短ー長の組合せがあることは当業者ならば誰でも気づく程度の技術事項であるから、どの組合せを採用するかは単なる設計的事項である。
しかも、変動時間の組合せを短ー長としたことによる格別の効果も認められない。
したがって、当該相違点は格別のものではない。
(2).相違点3について、
引用発明にはリーチ予告表示作動として動画表示が示されているから、特異な大当たり予告表示作動として動画表示を採用することは当業者が容易に為し得る程度の事項であり、動画表示として物語風とすることは、例えば、特開平8-117409号公報、特開平6-190118号公報に見られるように周知の事項であるから、物語風とすることは単なる設計的事項である。
したがって、当該相違点は格別のものではない。

<5>.結論
また、上記相違点を総合的に判断しても格別のものとは認められないから、本件発明2は前記刊行物A〜E、および周知事項に基づいて当業者が容易に発明できたものである。
したがって、本件発明2に係る特許は、特許法第29第2項の規定に違反してなされたものである。


[4].本件発明1と引用発明との対比・判断。
本件発明1と本件発明2とは、可変表示可能な図柄表示器の数、すなわち、本件発明1では図柄表示器の数が2であるのに対し、本件発明2では3である点で相違する。
しかしながら、表示器の数が2のものも、例えば刊行物C、Dに示されるように周知であり、表示器が2の場合も表示器が3の場合と同様にリーチ状態を有することは、前記(D-2)、(C-5)の記載より明らかである。
してみると、本件発明1のように図柄表示器が2の場合は、リーチ状態を表すのは第1図柄表示器であり、残りの図柄表示器が第2図柄表示器となるから、本件発明2とのアナロジーからすれば、本件発明1における第1、第2図柄表示器が本件発明2における第2,第3図柄表示器に対応することは当業者にとっては明らかである。
したがって、本件発明1は、本件発明2における第2,第3図柄表示器を第1、第2図柄表示器と置き換えることにより、本件発明2における、「[3].本件発明2と引用発明との対比・判断」と同様の理由により当業者が容易に発明できたものであるから、本件発明1は、特許法第29第2項の規定に違反してなされたものである。



第四.むすび
以上のとおり、本件発明1、2は、前記刊行物A〜E、および周知事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから、本件発明1、2に係る特許は、特許法第29第2項の規定に違反してなされたものである。
したがって、本件発明についての特許は、特許法第113条第2項に該当し、取り消されるべきものである。
よって結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の図柄を可変表示可能な第1、第2図柄表示部を有する図柄表示器が配設してあり、図柄始動信号によって前記各図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、第1、第2図柄表示部の図柄が順次停止し、その停止図柄が予め設定した図柄の組合せであると、遊技者にとって有利となる特別遊技状態が生起する遊技機であって、
図柄の変動開始時から第1図柄表示部の図柄が停止表示するまでの時間は、第1図柄表示部に停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合に比べて短く設定し、且つ、残りの図柄表示部の図柄変動時間を長くすると共にリーチアクションとして物語風の動画を表示することを特徴とする遊技機。
【請求項2】 複数の図柄を可変表示可能な第1、第2、第3図柄表示部を有する図柄表示器が配設してあり、図柄始動信号によって前記各図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、第1、第2、第3図柄表示部の図柄が順次停止し、その停止図柄が予め設定した図柄の組合せであると、遊技者にとって有利となる特別遊技状態が生起する遊技機であって、
第1図柄表示部の図柄が停止表示した時から第2図柄表示部の図柄が停止表示するまでの時間は、第1、第2図柄表示部に停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合に比べて短く設定し、且つ、残りの図柄表示部の図柄変動時間を長くすると共にリーチアクションとして物語風の動画を表示することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄表示器を有する遊技機であり、その図柄表示器の図柄変動態様に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機としてのパチンコ機には、複数の図柄を可変表示可能な複数の図柄表示部を有する図柄表示器が配設してあり、遊技球が図柄始動口に入賞することによって、前記各図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、順次図柄が停止し、その停止図柄の組合せが、例えば、全て同じ図柄(特別図柄)であるとき、遊技者にとって有利となる特別遊技状態(大当たり)が生起するものがある。
【0003】
このパチンコ機を具体的に詳述すると、図柄表示器には、図柄表示部が三箇所設けてあり、遊技球が図柄始動口に入賞すると、一斉に図柄が変動を開始し、所定時間後に、第1図柄表示部L1、第2図柄表示部L2、そして最後に第3図柄表示部L3の図柄が停止する。
その過程において、遊技者は第1図柄表示部L1に続いて第2図柄表示部L2の図柄が停止したとき、特別遊技状態が生起するか否かを認識できる。即ち、第1図柄表示部L1と第2図柄表示部L2の図柄が一致しないときには、第3図柄表示部L3の図柄が何れの図柄であっても、特別遊技状態は生起しない。従って、かかる状態のときには、第3図柄表示部L3の図柄は、第2図柄表示部L2の図柄が停止した後、比較的短時間で停止させて、次の図柄変動に備える。
一方、第1図柄表示部L1と第2図柄表示部L2の図柄が一致したとき(所謂、リーチ状態)には、第3図柄表示部L3の図柄は第2図柄表示部L2の図柄が停止した後、長時間にわたって図柄変動したり、変動図柄と異なる、例えば、動画を物語風に表示するリーチアクションによって、遊技者に面白みと特別遊技状態が生起することの期待感を与えている。
尚、パチンコ機の製造に係る規制により、最初に停止表示する第1図柄表示部の図柄は、遊技球が図柄始動口に入賞した時から所定時間(5秒)以上経過後に停止し、且つ、全ての図柄表示部の図柄は30秒以内に停止表示することとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような形式のパチンコ機は、一斉に図柄が変動開始した後、第1図柄表示部L1、続いて第2図柄表示部L2を停止させるものであり、リーチとなるか否かに拘らず、同じ停止態様で実施している。
又、規制により、全ての図柄表示部の図柄は、遊技球が図柄始動口に入賞した時から所定時間(30秒)経過後に停止しなければならないため、リーチとなった後、第3図柄表示部L3の図柄を種々なものにしたり、物語風の動画を表示しようとしても、時間制限により、複雑で面白みのある表示ができず、例え、0.5秒でも長いことが望まれている。
そこで、本発明は、係る不都合を解消し、遊技者にとって面白味のある表示態様を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の遊技機は、複数の図柄を可変表示可能な図柄表示部を有する図柄表示器が配設してあり、図柄始動信号によって前記各図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、第1、第2図柄表示部の図柄が順次停止し、その停止図柄が予め設定した図柄の組合せであると、遊技者にとって有利となる特別遊技状態が生起し、
図柄の変動開始時から第1図柄表示部の図柄が停止表示するまでの時間は、第1図柄表示部に停止表示する図柄が、予め設定された図柄の組合せに含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合に比べて短く設定し、且つ、残りの図柄表示部の図柄変動時間を長くすると共にリーチアクションとして物語風の動画を表示する。
即ち、第1図柄表示部に停止する図柄が特別遊技状態を生起可能な図柄(予め決められた図柄の組合せに含まれる図柄)であるときには、特別遊技状態が生起しない図柄であるときに比べて、図柄変動時間を短く設定して、残りである第2図柄表示部の図柄変動時間を長くすることによって物語風等の図柄表示には有利となる。
又、請求項2の遊技機は、複数の図柄を可変表示可能な図柄表示部を有する図柄表示器が配設してあり、図柄始動信号によって前記各図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、第1、第2、第3図柄表示部の図柄が順次停止し、その停止図柄が予め設定した図柄の組合せであると、遊技者にとって有利となり、第1図柄表示部の図柄が停止表示した時から第2図柄表示部の図柄が停止表示するまでの時間は、第1、第2図柄表示部に停止表示する図柄が前記予め設定された図柄の組合に含まれる場合には、予め設定された図柄の組合せに含まれない場合に比べて短く設定し、且つ、残りの図柄表示部の図柄変動時間を長くすると共にリーチアクションとして物語風の動画を表示する。
即ち、第1図柄表示部と第2図柄表示部に停止する図柄が特別遊技状態を生起可能な図柄(予め決められた図柄の組合せに含まれる図柄)であるときには、特別遊技状態が生起しない図柄であるときに比べて、図柄変動時間を短く設定して、残りである第3図柄表示部の図柄変動時間を長くすることによって、物語風等の図柄表示に対して有利である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明を遊技機としてパチンコ機を例にとって、図1(正面図)、図2(平面図)、図3(側面図)、図4(裏面図)を参照して説明する。
このパチンコ機は球貸機20と対をなし、球貸機20にはカードリーダ(図示略)を内蔵してある。又、この球貸機20の正面パネル21には、この球貸機の作動が有効であるときの表示ランプや、カードのカード挿入口22が設けてある。一方、パチンコ機の前面パネル11に取り付けてある供給皿12には、前記球貸機20の操作釦等が配設してあり、具体的には、前記カード挿入口22に挿入されたカードの残高(度数)等を表示する表示器13a、遊技者の操作により球貸機20を介してパチンコ機に貸球を供給する変換釦13b、カードの返却用の返却釦13cが設けてある。
尚、供給皿12の下には貯留皿14が配設してあって、この貯留皿14は前記供給皿12が満杯となってオーバーフローした賞品球を貯留する。又、発射装置のハンドル15は、前記供給皿12からの1球毎に供給される遊技球をガイドレール3で案内して遊技領域2に発射する。
【0007】
その遊技領域2のほぼ中央部には、複数の図柄を介して可変表示ゲームを行う特別図柄表示器Lが配置してある。この特別図柄表示器Lには、第1図柄表示部L1、第3図柄表示部L3、第2図柄表示部L2が設けてあり、図柄表示部L1、L2には、図5に示す、漢数字の「一〜九」と文字の「ドラゴン伝説」の15種類の図柄であり、一方、第3図柄表示部L3は、漢数字の「一〜九」と、赤色(図中黒で表示)と緑色(図中白抜きで表示)の漢数字「七」と文字「ドラゴン伝説」の22種類の図柄が可変表示可能であり、図柄変動は順序通り行う。
又、特別図柄表示器Lの第1右側部には、普通図柄始動ゲート4a、4bが備えてあり、遊技球が通過すると後述の大入賞口5に付設の普通図柄表示機6の図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止し、その停止図柄が予め設定した図柄と一致したとき当たりとなり、普通電動役物7を所定時間開成する。
尚、これらの普通図柄始動ゲート4a、4bを通過した遊技球は遊技領域2の中央下部に流下するように構成してある。又、遊技領域2には、その他、普通入賞口8a、8b等が配設してある。
【0008】
遊技球が、普通電動役物7に入賞したときには、検出器(図示略)を介して図柄始動信号を発して、前記特別図柄表示機Lの第1、第2、第3の各図柄表示部L1、L2、L3の図柄が変動を開始し、後記で詳述するが、判定カウンタHcにより大当たり(特別遊技状態)か、外れかを選定すると共に、それらに対応して前記特別図柄表示器Lの第1、第2、第3の各図柄表示部L1、L2、L3の図柄が所定時間後に停止表示する。
【0009】
そして、大当たりの場合には、図柄表示部L1、L2、L3の停止図柄は、赤色と緑色を問わず、同じ図柄である「一、一、一」〜「説、説、説」(特別図柄)の22通であり、その中で、特定図柄として、赤色の「七、ド、ラ、ゴ、ン、伝、説」の7種類のときには、後記で詳述するが、大当たり(特別遊技状態)が終了した後において、大当たりの発生を「高確率状態」にし、再度大当たりを発生し易い状態にする。
【0010】
前記大当たりが選定されたときには、後記で詳述するが、図柄表示部L1、L2、L3に大当たり図柄を表示し、大入賞口5の開閉扉5aは、t秒間、開成を維持するか、遊技球がa個入賞すると閉成する。又、前記開成中に、大入賞口5内に設けられている特定領域(図示略)を遊技球が通過すると、大入賞口5が再度開成し、この動作を最大X回行う。
【0011】
図4はパチンコ機10の裏面図であり、裏面中央には、前記遊技領域2に配設の入賞口等に入賞した遊技球を集めて、入賞球処理装置32に1球毎分離処理させる入賞球集合樋31が設けてある。この入賞球集合樋31の左下方には、入賞球や賞品球等のゲーム処理を行う役物制御装置40が配設してあると共に、第2下方には、球貸機20からの信号に基づく貸球等の処理を制御する排出制御装置41が設置してある。
パチンコ機10の上部には、排出前の遊技球を貯留しておく貯留タンク33が設けてあり、その貯留タンク33から遊技球を二列に整列させて遊技球排出装置35まで誘導する整列樋34が設置してある。この整列樋34には、遊技球の重なりを防止する球ならし36が揺動自在に垂設してある。又、前記遊技球排出装置35から排出の遊技球は流下樋37を経て供給皿12に流出する。又、パチンコ機の上部右側にはターミナル基板39が取り付けてあり、左下部には遊技球発射装置42が設けてあって遊技球を一球毎発射する。
【0012】
次に、前記構成のパチンコ機の制御について説明する。
(1)判定カウンタHcは大当たりか否かを選定し、電源投入時に初期化し、2.048ms毎に1加算され0〜388の循環カウンタである。
(2)外れ停止図柄の選定
外れ停止図柄カウンタT1c、T2c、T3cを導入し、電源投入時に初期化する。又、Rcカウンタを採用し、電源投入時に初期化すると共に、2.048ms毎に1加算し、0〜127の循環カウンタとする。
(イ)そして、外れ停止図柄カウンタT1cは、2.048ms毎に、そのRcカウンタの特定ビット(例えば、0、1ビット)の内容(0〜3)を外れ停止図柄カウンタT1cの値に加算した結果を、再度、外れ停止図柄カウンタT1cに格納するが、15以上となったときには、その値から15を減算した結果を格納する0〜14の循環カウンタである。
(ロ)外れ停止図柄カウンタT2cは、2.048ms毎に、このカウンタT2cの値に3を加算し、更に、前記外れ停止図柄カウンタT1cに桁上がりがあったときにはその結果を加算し、その結果、15以上となったときには15を減算した結果を格納する0〜14の循環カウンタである。
(ハ)又、外れ停止図柄カウンタT3cは、2.048ms毎に、このカウンタT3cの値に1を加算し、更に、前記外れ停止図柄カウンタT2cに桁上がりがあったときにはその結果を加算し、その結果、22以上となったときには22を減算した結果を格納する0〜21の循環カウンタである。
(ニ)尚、前記外れ停止図柄カウンタT1c、T2cの0〜14の値は、図6に示すように、図柄「一〜九、ドラゴン伝説」に対応させ、外れ停止図柄カウンタT3cの0〜5の値は、図柄「一〜六」に、6は「七(赤)」、7は「七(緑)」、8は「八」、9は「九」、10、11は「ド(赤)、ド(緑)」…以下、各図柄に対応させる。
【0013】
(3)リーチ図柄の選定と外れ図柄
リーチは第1停止図柄と第2停止図柄が同一図柄で特別遊技状態が生起可能状態であり、この選定は、前記各外れ停止図柄カウンタT1c、T2c、T3cの値を2.048ms毎に判定して行う。
(イ)そして、第1停止図柄と第2停止図柄が同一図柄で、且つ第3停止図柄がその前後の図柄であるとき、例えば、停止図柄カウンタT1c=T2c=10(ラを表示)のとき、停止図柄カウンタT3c=11(ド(緑)を表示)(或いは=14(ゴ(赤)を表示))のときには、リーチ態様2として、外れリーチ図柄格納エリア2に前記停止図柄カウンタT1c、T2c、T3cの値を格納する。
(ロ)一方、第1停止図柄と第2停止図柄が同一図柄で、第3停止図柄がその前後の図柄でなく、且つ、同一図柄でないとき、例えば、停止図柄カウンタT1c=T2c=10(ラを表示)のとき、停止図柄カウンタT3c=11(ド(緑)を表示)、12(ラ(赤)表示)、13(ラ(緑)表示)、14(ゴ(赤)表示)以外のときには、外れリーチ態様として、外れリーチ図柄格納エリアに前記停止図柄カウンタT1c、T2c、T3cの値を格納する。
(ハ)又、上記以外に外れ図柄の場合には、外れ図柄格納エリアに、外れ停止図柄カウンタT1c、T2c、T3cの値を格納する。
又、電源投入時には、外れリーチ図柄格納エリアには「4、4、0」、外れリーチ図柄格納エリア2には「0、0、1」、外れ図柄格納エリアには「0、1、2」を各々格納する。
【0014】
(4)大当たり図柄の選定
大当たり図柄の選定は、大当たり図柄カウンタZcと大当たり図柄格納エリアを導入して行い、電源投入時に初期化する。
そして、大当たり図柄カウンタZcは、2.048ms毎に、1を加算する0〜21の循環カウンタであり、その値を大当たり図柄格納エリアに格納する。
そして、大当たり図柄カウンタZc(大当たり図柄格納エリア)の値(0〜21)に対応して、図7に示すように、第1図柄表示部L1と第2図柄表示部L2及び第3図柄表示部L3には各々の停止図柄を表示する。
【0015】
(5)普通図柄の判定と停止図柄の選定
(イ)普通図柄が当たりか否かは普通図柄判定カウンタFcを導入し、その普通図柄判定カウンタFcは電源投入時に初期化し、2.048ms毎に1加算され0〜99の循環カウンタである。
(ロ)普通図柄の外れ図柄の選定は、普通図柄カウンタGcを導入し、電源投入時に初期化し、2.048ms毎に1加算する0〜3の循環カウンタである。
そして、普通図柄カウンタGcの値が、0のときには「8」、1のときには「2」、2のときには「4」、3のときには「6」を、普通図柄表示器の停止図柄とする。
【0016】
次に、具体的に、ゲーム内容について説明する。
遊技球が、普通図柄始動ゲート4a、4bを通過すると、普通図柄判定カウンタFcの値を普通図柄判定エリアに、又、同時に普通図柄カウンタGcの値も普通図柄エリアに格納すると共に、普通図柄表示器6に表示の図柄が変動を開始する。
尚、この普通図柄表示器6の図柄が図柄変動中に、又は、普通電動役物7が開成中に、遊技球が普通図柄始動ゲート4a、4bを通過したときには、最初の4個まで記憶し、その記憶数はゲート通過記憶ランプ(LED)に点灯表示する。また、この普通図柄判定カウンタFcが当たりか否かは、低確率時と高確率時で異にし、電源投入時は低確率であり、大当たり(特別遊技状態)が生じたとき、図柄表示部L1、L2、L3の停止図柄(特別図柄)が「特定図柄」であったとき、高確率に変動する。
【0017】
次に、普通図柄表示器6のタイムチャートについて、図8を参照して説明する。尚、1図柄に要する変動時間はa(例えば、0.043)秒とする。
(イ)低確率時
この低確率時には、普通図柄表示器6が変動を開始してb(例えば、24.999)秒後に、前記普通図柄判定エリアの値に基づいて当たりか否かの判定を行い、「3、5、23、31、41、53、61、71、79、89」の場合には当たりとなり、停止図柄を「7」に変更して、「7」をc(例えば、0.999)秒間表示する。そして、普通電動役物7をd(例えば、0.499)秒間、開成するか、開成中であっても、入賞球がe(例えば、2)個になると閉成する。
一方、外れの場合には、前記普通図柄エリアの値に対応する図柄(8、2、4、6の何れか)を表示し、普通電動役物7の閉成状態を維持する。
尚、当たりの確率は、前記から1/10であり、当たりの図柄「7」の表示確率も1/10である。
【0018】
(ロ)高確率時
この高確率時には、普通図柄表示器6が変動を開始してb’(例えば、6.0)秒後に、前記普通図柄判定エリアの値に基づいて当たりか否かの判定を行い、「3〜99」の場合には当たりとなり、停止図柄として「7」を表示する。そして、普通電動役物7をd’(例えば、4.4997)秒間、開成するか、開成中であっても、入賞球がe(例えば、2)個になると閉成する。この高確率時の当たりの確率は97/100である。
尚、外れの場合には、前記普通図柄エリアの値に対応する図柄(8、2、4、6の何れか)を表示する。
尚、前記の各処理を行った後に、遊技球が普通図柄始動ゲート4a、4bを通過した記憶があるときには、f(例えば、0.002)秒後に、前記同様の処理を行う。
【0019】
そして、遊技球が、前記普通電動役物(図柄始動口)7に入賞すると、前記判定カウンタHcの値を判定エリアに格納すると共に、検出器(図示略)の図柄始動信号によって、図柄表示部L1、L2、L3の図柄表示は、一斉に各図柄が変動を開始する。尚、図柄変動は、後述する図柄の並べ替えが行われるまでは、遊技者に表示図柄が認識されない程度の高速変動である。
又、前記各図柄表示部L1、L2、L3の図柄が変動中に、遊技球が普通電動役物7に入賞すると、最初の4個まで記憶される。
そこで、図9に示すタイムチャートを参照して、第1図柄表示部L1と第2図柄表示部L2及び第3図柄表示部L3に対する図柄変動について説明する。
【0020】
(1)第1図柄表示部L1と第2図柄表示部L2に対する図柄変動
(イ)大当たり(特別遊技状態)のとき
前記図柄表示部L1、L2、L3の図柄が変動を開始した後、g(例えば、5.00)秒後に、判定エリアの値が、「7」(低確率時)であるとき、又、「7、31、97、163、197、211、227」(高確率時)の時に大当たりである。
この大当たりのとき、先ず、第1図柄表示部L1の図柄は、大当たり図柄格納エリアの値(第1図柄表示部L1に該当)の停止図柄を含めて2図柄前の図柄を先頭に表示図柄を並び替え、h(例えば、0.611)秒かけて、2図柄を変動後停止する。
そして、第2図柄表示部L2は、大当たり図柄格納エリアの値(第2図柄表示部L2に該当)の停止図柄を含めて3図柄前の図柄を先頭に表示図柄を並び替えて、後述する外れ時における図柄変動時間(1.5秒)に比べて短い、i(例えば、0.917)秒をかけて、3図柄を変動表示した後に停止する。
この様に、第1図柄表示部L1の図柄が停止した後、第2図柄表示部L2の図柄は、短時間(0.917秒)で3図柄変動後に停止させることによって、第3図柄表示部L3の図柄を変動停止させる迄の時間(リーチアクション時間)を長くすることができる。即ち、遊技球が普通電動役物(図柄始動口)7に入賞した時から全ての図柄表示部の図柄を30秒以内に停止表示する規制に従えば、第2図柄表示部L2の図柄変動時間を短くすることによって、第3図柄表示部L3の図柄変動時間を長くすることができる。
従って、特別遊技状態を生起可能な表示態様であるリーチ(第1図柄表示部L1と第2図柄表示部L2の図柄が同じ)となった後、より長時間表示可能であるため、物語風等の動画(リーチアクション)に対して有利となる。
【0021】
(ロ)外れリーチ
この外れリーチは、前記判定エリアの値が、「19〜29、147〜157」の22通りの場合であり、外れリーチ図柄格納エリアの値を介して、前記(イ)と同様の処理を行ことによって、第3図柄表示部L3の図柄停止までの時間が後述の外れに比べて長いため、外れに比べて異なるリーチアクション態様を示すことができる。
(ハ)外れリーチ2
この外れリーチ2は、前記判定エリアの値が、「17、18、145、146」の4通りの場合であり、外れリーチ図柄格納エリア2の値を介して、前記(イ)と同様の処理を行うことによって、第3図柄表示部L3の図柄停止までの時間が後述の外れに比べて長いため、外れに比べて異なるリーチアクション態様を示すことができる。
【0022】
(ニ)外れの場合
前記判定エリアの値が、前記以外の場合には外れであり、図柄表示部L1、L2、L3の図柄が変動を開始した後、g(例えば、5.00)秒後に、第1図柄表示部L1は、外れ図柄格納エリアの値(第1図柄表示部L1に該当)の停止図柄を含めて2図柄前の図柄を先頭に表示図柄を並べ替え、h(例えば、0.611)秒かけて、2図柄を変動して停止する。
その後、第2図柄表示部L2は、前記と異なり、外れ図柄格納エリアの値(第2図柄表示部L2に該当)の停止図柄を含めて5図柄前の図柄を先頭に表示図柄を並べ替えて、前記大当たり、外れリーチ等と異なり、長時間かけて、遊技者が図柄の認識可能な速度の、i(例えば、1.5)秒をかけて順次、5図柄を変動表示して停止する。
【0023】
前記のように、大当たり、外れリーチ、外れリーチ2の何れの場合において、第2図柄表示部L2の図柄は外れの場合に比べて短い図柄変動であるため、第3図柄表示部L3の図柄が停止するまで長い時間を確保できる。
そのため、大当たり(特別遊技状態)となる期待を遊技者に与えた後、第3図柄表示部L3の図柄が停止するまでの間において物語風等の図柄表示(リーチアクション)を行うことが有利となる。
【0024】
次に、前記第1図柄表示部L1と第2図柄表示部L2にの図柄変動を、具体的に、図10を参照して説明する。
図10(A)は「外れ」、(B)は大当たり、外れリーチ又は外れリーチ2の場合を示し、各図は共に第1図柄表示部L1が停止した状態を示し、第3図柄表示部L3は図柄が変動中である。
(イ)外れの場合(図10(A)参照)
第1図柄表示部L1の図柄が「一」で停止した直後に、大当たり、外れリーチ又は外れリーチ2の図柄格納エリアの値(第2図柄表示部L2に対応)の停止図柄が「ゴ」(H5)であるときには、「ゴ」を含めて5図柄前の図柄「ハ」(H1)を先頭に表示図柄を並べ替える。
そして、第2図柄表示部L2の図柄は、1.5秒かけて、「八」(H1)、「九」(H2)、「ド」(H3)、「ラ」(H4)、「ゴ」(H5)の図柄を変動した後に停止させる。この図柄変動過程において、3図柄目の「ド」(H3)が変動を続行することによって4図柄目の「ラ」(H4)が表示を開始し、更に、第2図柄表示部L2の図柄が変動をして「ゴ」を表示し、最終的に、第1図柄表示部L1と第2図柄表示部L2は異なる図柄「一」と「ゴ」が停止図柄となって外れを生起する。
この様に、遊技者は3図柄目で停止することなく、1.5秒かけて、図柄変動を続行した時点で外れとなることが推定できる。
(ロ)大当たり、外れリーチ、外れリーチ2の場合(図10(B)参照)
第1図柄表示部L1の図柄が「一」で停止した直後に、外れ図柄格納エリア(第2図柄表示部L2に対応)には、「一」を含めて3図柄前の「伝」(H1)を先頭に並べ替える。
そして、第2図柄表示部L2の図柄は、i(例えば、0.917)秒かけて、「伝」(H1)、「説」(H2)、「一」(H3)の順に停止する。
そのため、第1図柄表示部L1と第2図柄表示部L2の停止図柄は、共に、「一」となり、遊技者は大当たり(特別遊技状態)が生起する可能性があることがわかる。
【0025】
尚、前記したリーチとなるか否かの図柄変動態様は、図柄変動回数で対処しているが、図5に示す表示図柄とは全く異なる図柄、或いは、図5に示す順序によらない図柄を挿入して、リーチとなる場合とならない場合を区別するように構成することであってもよい。
例えば、図10(C)に示すように、大当たり又はリーチとなる場合には、並べ替えた後の表示図柄の3図柄目(「伝」)に替えて、全く異なる図柄(H3)とする。すると、第2図柄表示部L2は先頭の「ゴ」(H1)から順次、図柄表示をし、3図柄目が全く異なる図柄(H3)が停止表示する。
この図柄の出現によって、遊技者は大当たりが生起する可能性があることが判る。
尚、前記した図柄の並び替え位置、図柄変動数、等は、ゲーム内容等を考慮して選定すればよく、前記例に限定されないことは言うまでもないし、図柄変動と共にランプ表示等をして、更に遊技を盛り上げることは有効である。
【0026】
(2)第3図柄表示部L3に対する図柄変動
前記「外れ」、「大当たり」、「外れリーチ」、「外れリーチ2」に対しては、前記第2図柄表示部L2に続いて、第3図柄表示部L3は下記するリーチ図柄変動パターンを選定して、各々の態様に対して期待感等を抱かせる興趣を与えると共に、前記「外れ」の場合と「大当り、リーチ」の場合では、第2図柄表示部L2の変動時間を異にするため、第3図柄表示部L3の図柄変動時間を異にすることもできる。即ち、第3図柄表示部L3の図柄変動時間は、「大当り、リーチ」の場合のときの方が、「外れ」の場合に比べて長く確保することができる。
(イ)外れのとき
外れのときには、外れ図柄格納エリアの第3図柄表示部L3に該当する停止図柄を、第2図柄表示部L2の停止後、j(例えば、0.007)秒後に停止し、m(例えば、1.299)秒間停止維持する。
(ロ)大当たり、外れリーチ、外れリーチのとき
これらのときには、種々の図柄変動パターンを導入し、「大当たり図柄」、「リーチとなったときの第3図柄表示部L3の停止図柄」及び、パターンカウンタPcを導入して、図11に示す条件で選定する。
尚、パターンカウンタPcは、電源投入時に初期化し、0〜29までの循環カウンタであり、2.048ms毎にリセットしてプログラム処理を行うが、プログラム処理が終了後リセット信号を発するまでの残りの時間の間カウントするものである。
【0027】
(a)パターン1は、(イ)大当たり図柄格納エリアの値に基づく停止図柄が「特定図柄」であって、パターンカウンタPcの値が24〜26のとき、(ロ)大当たり図柄格納エリアの値に基づく停止図柄が「非特定図柄」であって、パターンカウンタPcの値が10〜13、27〜29のとき、(ハ)外れリーチ2のとき、(ヘ)その他の場合にであって、パターンカウンタPcの値が0〜26のときに区別する。
このパターン1において、第2図柄表示部L2の図柄が停止した後、超低速(1図柄0.458秒)で15図柄を変動させた後、停止図柄と一致した時点で停止させる。
(b)パターン2は、図11に示す条件で選定され、中速度(1図柄0.152秒)で46図柄変動させた後、停止図柄の3〜4前の図柄となるまで図柄を同じ速度で変動させ、その後、超低速(1図柄0.751秒)で停止図柄と一致するまで変動させる。
【0028】
(c)パターン3は、図11に示す条件で選定され、超低速(1図柄0.458秒)で15〜18図柄を変動させた後、0.499秒停止し、その後、停止図柄の3〜4前の図柄となるまで中速度(1図柄0.152秒)で21〜42図柄変動させ、その後、超低速(1図柄0.751秒)で停止図柄と一致するまで変動させる。
(d)パターン4は、図11に示す条件で選定され、中速度(1図柄0.152秒)で52〜55図柄変動させた後、超低速(1図柄0.751秒)で3〜4図柄変動した後、0.499秒停止する。そして、中速度(1図柄0.152秒)で10図柄変動させた後、停止図柄と一致するまで変動させる。
(e)パターン5は、図11に示す条件で選定され、超低速(1図柄0.458秒)で15〜18図柄を変動させた後、0.499秒停止し、その後、中速度(1図柄0.152秒)で10図柄変動し、その後、停止図柄と一致するまで変動させる。
【0029】
尚、前記した処理によって、第1、第2、第3図柄表示部L1、L2、L3が停止した後、図柄変動処理する遊技球の記憶があるときには、N(例えば、0.002)秒後に、前記処理を行う。
又、前記は第3図柄表示部L3に対する図柄変動態様の例であるが、この第3図柄表示部L3の図柄変動中において、物語風等、動画を表示して遊技者を楽しませることもできる。
【0030】
次に、前記で大当たりが生起したときの大入賞口5の開閉扉5aの開成について説明する。
先ず、前記大当たりが確かに生起したかを判定し、大当たりであるときには、そのs(例えば、6.999)秒後に開閉扉5aをt(例えば、24.999)秒間、開成した後に閉成するか、遊技球がa(例えば、10)個入賞すると閉成する。そして、再度、u(例えば、1.999)秒後に前記と同様の条件で開成、閉成の動作を最大X(例えば、15)回行う。尚、前記開閉扉5aが開成中に、大入賞口5内に設けられている特定領域(図示略)を遊技球が通過すると、開閉扉5aが閉成して、u(例えば、1.999)秒後に最大Y(例えば、16)回を限度に開成する。
【0031】
尚、前記の実施の形態は、図柄表示部L1、L2、L3の三個の図柄組合せゲームに対するものであり、その図柄表示部の数に限定されないが、例えば、図柄表示部L1、L2の二個のゲームの取扱について概略する。
特別図柄表示器Lは第1図柄表示部L1と第2図柄表示部L2で構成し、それらの第1、第2図柄表示部L1、L2は「0〜9」の数字を変動表示可能である。そして、第1、第2図柄表示部L1、L2の図柄が、「1、1」、「3、3」、「5、5」、「7、7」(特別図柄)を表示停止したとき大当たりとする。
尚、大当たりや後述のリーチの判定や図柄の選定は、第3図柄表示部L3に対応するものを省いて行えばよいため説明を略す。
そして、遊技球が、普通電動役物(図柄始動口)7に入賞すると、第1、第2図柄表示部L1、L2が変動を開始する。そして、大当たりか、外れリーチ、或は外れであるかを判断し、大当たり(特別遊技状態)となる可能性があるときには、図柄変動開始してから5秒後に、第1図柄表示部L1には前記特別図柄(奇数)の何れかを停止表示する。一方、外れであるときには、図柄変動開始してから5.5秒後に、偶数図柄を表示停止する。
このように、大当たりの可能性があるときは、ないときに比べて、大当たりとなる第2図柄表示部L2の図柄が停止するまで、0.5秒、長いこととなる。この0.5秒だけ長い時間によって、第2図柄表示部L2の図柄が停止するまでの間に、物語風等の図柄表示に対しては有利であり、遊技者に面白みを与えることができる。
【0032】
尚、図10(A)(B)(C)に示す、大当たり、外れの図柄変動数は固定せず、大当たりのときに図10(A)、外れのときに図10(B)又は(C)を採用したり、時間の経過や任意の確率で何れかを適宜に選定表示したりすることもできる。
又、前記第2図柄表示部L2は、図9に示すように、第1図柄表実部L1の図柄は図柄変動開始から5秒後に停止するものであるが、第1図柄表示部L1の停止図柄が判るように後半においてゆっくり変動させ、前記5秒を経過しないで、第1図柄表示部L1の図柄停止後に、次の第2図柄表示部L2の図柄を停止可能とするように構成することもでき、この構成によって第3図柄表示部は、より長時間にわたって変動可能とすることができる。
尚、本発明は、図柄表示を行うスロットマシンやテレビゲーム等の他の遊技に対しても有効である。
【0033】
【発明の効果】
本発明の請求項1の遊技機における第1図柄表示部の図柄変動時間は、第1図柄表示部に特別遊技状態を生起可能な図柄が表示されるときには、されないときに比べて短い時間の図柄変動時間に設定することによって、第2図柄表示部の図柄変動時間を長時間確保できるため、この第2図柄表示部の図柄変動時間の間における物語風の図柄表示は、長時間の確保によって有利である。
又、請求項2の遊技機における第2図柄表示部の図柄変動時間は、第1、第2図柄表示部に特別遊技状態を生起可能な図柄が表示されるときには、されないときに比べて短い時間の図柄変動時間に設定することによって、第3図柄表示部の図柄変動時間を長時間確保でき、この第3図柄表示部の図柄変動時間の間における物語風の図柄表示は長時間の確保によって有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図2】
パチンコ機の平面図である。
【図3】
パチンコ機の側面図である。
【図4】
パチンコ機の裏面図である。
【図5】
第1、第2、第3表示部の可変及び停止図柄である。
【図6】
第1、第2、第3表示部の外れ時に選定する停止図柄である。
【図7】
第1、第2、第3表示部の大当たり時に選定する停止図柄である。
【図8】
普通図柄表示部の図柄変動のタイムチャート図である。
【図9】
第1、第2、第3表示部の図柄変動のタイムチャート図である。
【図10】
リーチ時とそうでないときの図柄変動を説明する図である。
【図11】
大当たり、リーチ時の図柄変動パターンを示す図である。
【符号の説明】
4a、4b 普通図柄始動ゲート
7 普通電動役物
5 大入賞口
L 特別図柄表示器
L1 第1図柄表示部
L2 第2図柄表示部
L3 第3図柄表示部
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-11-08 
出願番号 特願平9-44643
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (A63F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 塩崎 進  
特許庁審判長 中村 和夫
特許庁審判官 渡部 葉子
渡戸 正義
登録日 2002-04-19 
登録番号 特許第3298444号(P3298444)
権利者 豊丸産業株式会社
発明の名称 遊技機  

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