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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  F25C
審判 全部申し立て 特174条1項  F25C
管理番号 1112948
異議申立番号 異議2003-73185  
総通号数 64 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-11-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-22 
確定日 2004-12-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3426402号「冷蔵庫」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3426402号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3426402号の発明についての出願は、平成7年5月11日に出願され、平成15年5月9日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、異議申立人松野靖恵により特許異議申立がなされ、平成16年6月30日付け取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成16年9月14日に特許異議意見書および訂正請求書が提出されたものである。


2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、上記訂正請求書に添付された全文訂正明細書に記載された、以下のa〜cである。(以下、「本件訂正」という。)
a.特許請求の範囲に記載されていた
「 【請求項1】
冷蔵室と、この冷蔵室の下方に配置された野菜室と、この野菜室の下方に配置された冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水管とを備え、この給水管が、ウレタンの外で前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥部に配置され、前記野菜室より取付け、取外し可能とした冷蔵庫。
【請求項2】
内箱の内側に設けられた野菜室と、この野菜室の上方に設けられた冷蔵室と、前記野菜室の下方に設けられた冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水管とを備え、前記給水管が、ウレタンの外であって前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥部に配置され、前記野菜室より取付け、取外し可能とし、前記内箱に設けられた部材により固定された冷蔵庫。
【請求項3】
前記給水管が、野菜室内に配置された引出し式容器よりも奥に配置された請求項1または2に記載の冷蔵庫。」
を、
「 【請求項1】
冷蔵室と、この冷蔵室の下方に配置された野菜室と、この野菜室の下方に配置された冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水導管が、ウレタンの外で前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とした冷蔵庫。
【請求項2】
内箱の内側に設けられた野菜室と、この野菜室の上方に設けられた冷蔵室と、前記野菜室の下方に設けられた冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水管が、ウレタンの外であって前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とし、前記内箱に設けられた部材により固定された冷蔵庫。
【請求項3】(削除)」
に訂正する。

b.発明の詳細な説明(特許公報第2ページ第3〜4欄)における、
「 【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵庫は、冷蔵室と、この冷蔵室の下方に配置された野菜室と、この野菜室の下方に配置された冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水管とを備え、この給水管が、ウレタンの外で前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥部に配置され、前記野菜室より取付け、取外し可能としたものである。
【0012】
また、内箱の内側に設けられた野菜室と、この野菜室の上方に設けられた冷蔵室と、前記野菜室の下方に設けられた冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水管とを備え、前記給水管が、ウレタンの外であって前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥部に配置され、前記野菜室より取付け、取外し可能とし、前記内箱に設けられた部材により固定されたものである。さらに、前記給水管が前記野菜室内に配置された引出し式容器より奥に配置されたものである。」
を、
「 【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵庫は、冷蔵室と、この冷蔵室の下方に配置された野菜室と、この野菜室の下方に配置された冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水導管が、ウレタンの外で前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管としたものである。
【0012】
また、内箱の内側に設けられた野菜室と、この野菜室の上方に設けられた冷蔵室と、前記野菜室の下方に設けられた冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水管が、ウレタンの外であって前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とし、前記内箱に設けられた部材により固定されたものである。」
に訂正する。

c.発明の詳細な説明(特許公報第2ページ第4欄)における、
「 【0014】
本発明の給水管は、冷蔵室と冷凍室との間に設けられた野菜室の内側に設けられている。そして、この野菜室内の容器の奥部の内容積無効空間に設置される。 【0015】
また、給水管は内箱に設けられた固定用の部材により、容器の奥部で固定される。」
を、
「 【0014】
本発明の給水導管は、冷蔵室と冷凍室との間に設けられた野菜室の内側に設けられている。そして、この野菜室内の容器の奥側の内容積無効空間に設置される。 【0015】
また、給水導管は内箱に設けられた固定用の部材により、容器の奥側で固定される。」
に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
イ.上記a.の訂正について
本件発明は、本件明細書段落【0009】に記載された「・・・しかし、冷蔵室と冷凍室間に別の部屋(例えば野菜室)を配置した冷蔵庫では、給水導管をウレタン内に埋設すると給水導管の全長(全高)が長くなる為、給水導管内に水アカ等が付着した場合に給水導管の取外しが不可となり、衛生面における配慮に欠けてしまう問題が生じている。」との課題を解決するためになされたものであり、このような課題を解決するために、同明細書の段落【0011】に記載されているような「(野菜室内に配置された引出し式容器の奥部においてウレタンの外に配置された給水管を)前記野菜室より取付け、取外し可能とした」という手段を採用することにより、同明細書の段落【0027】に記載されている「使い勝手の良い冷蔵庫を提供できる」という発明の効果を達成できるのである。
このような部屋(冷蔵室,冷凍室等)の配置がなされている冷蔵庫では、給水導管の全長が長くなるため管内を流れる水が管内にたまる確率が高くなり、給水導管の交換の必要性も高まる。しかし、給水導管をウレタン内に埋設するのでは、給水管の取外しが不可となるので、使い勝手の良い取付け取外しを実現するためには、ウレタンの外に配置された(野菜室内の)給水管を取付け取外し可能としなければならないのは自明である。
しかるに、訂正前の請求項1,2における「前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水管とを備え、この給水管が・・・・・前記野菜室より取付け、取外し可能とし」は、給水管の全部が取付け取外し可能かのような記載であった。
上記a.の訂正は、給水導管のうちの、野菜室に配置される給水導管が取付け取外し可能であることを明瞭にするものであり、この訂正は明瞭でない記載の釈明に該当する。
また、上記a.の訂正は、請求項3を削除するものであり、この訂正は特許請求の範囲の減縮に相当する。
そして、上記a.の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてなされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

ロ.b.及びc.の訂正について
上記b.及びc.の訂正は、上記a.における特許請求の範囲の訂正と整合をとるため、発明の詳細な説明の記載を訂正するものであり、明瞭でない記載の釈明に該当する。
そして、このb.及びc.の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内において訂正したものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。


(3)まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、本件訂正を認める。


3.本件発明
したがって、本件の請求項1及び2に係る発明(以下、「本件発明1」及び「本件発明2」という)は上記訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される下記のとおりのものである。
「 【請求項1】
冷蔵室と、この冷蔵室の下方に配置された野菜室と、この野菜室の下方に配置された冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水導管が、ウレタンの外で前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とした冷蔵庫。
【請求項2】
内箱の内側に設けられた野菜室と、この野菜室の上方に設けられた冷蔵室と、前記野菜室の下方に設けられた冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水管が、ウレタンの外であって前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とし、前記内箱に設けられた部材により固定された冷蔵庫。」


4.当審が通知した取消理由の概要
平成16年6月30日付けで当審が通知した取消理由は、
「本件明細書(特許時の明細書)の請求項1、請求項2、段落【0011】、段落【0012】に記載された、「前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水管とを備え、この給水管が・・・・・前記野菜室より取付け、取外し可能とし」は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されていない。又、同明細書又は図面の記載より自明な事項でもない。したがって、本件明細書の上記の記載は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてなされておらず、本件の請求項1ないし3に係る発明の特許はその明細書が特許法第17条の2第2項の規定に適合していない出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。」としたものである。


5.当審が通知した取消理由に関する検討
この取消理由で指摘されている、
「前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水管とを備え、この給水管が・・・・・前記野菜室より取付け、取外し可能とし」
は、本件訂正により、
「前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水導管が・・・・・上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能とし」
と訂正された。そして、この記載は、願書に最初に添付した明細書及び図面の記載より自明なものであり、特許法第17条の2第2項の規定に適合するものである。
すなわち、訂正後の、この記載中には「・・・野菜室に配置される給水導管を・・・取付け、取外し可能とし」とあるが、これに対し、願書に最初に添付した明細書段落【0014】には「野菜室間に設置される給水導管は、・・・容易に取付け、取外しが出来るように、ブロー成形から形成される伸縮性の良い蛇腹状とし、・・・」と記載されている。また同明細書段落【0027】には「・・・蛇腹状の給水導管をウレタン内に埋設することなく、冷蔵庫内に設置したため、給水導管の取外しが容易になり、・・・」と記載されている。このように、同明細書には、「蛇腹状の」という限定のない給水導管を取付け取外し可能とするという明記はない。この点を以下に検討する。
願書に最初に添付した明細書及び図面の記載においても、上記2.(2)イ.中程で述べたと同様な、
・冷凍室等の配置に起因し、給水導管の交換の必要性が高い冷蔵庫に
おいて、
・給水導管をウレタン内に埋設するのでは、導管の取外しが不可能と
なるが、
・こうした冷蔵庫においても導管取外しが容易で衛生的な冷蔵庫を実現
する、
という課題が示されている。
このような課題によれば、給水導管のどの部分をウレタン内に埋設しないようにして、取外しを可能とするかは課題の解決に必要不可欠なものである。しかし、給水導管を蛇腹状とするかどうかは、不可欠というよりも、課題をより良く(取外しがより容易にできるように)達成するための副次的なものであると認められる。
そうすると、このような発明の課題を参考にしつつ、願書に最初に添付した明細書の段落【0016】〜【0026】に記載された本発明の実施例を読んだ当業者が、同明細書の請求項1,2に記載された事項により特定される発明のみならず、上記のような副次的事項を除いた、課題を解決するために必要不可欠な事項のみにより特定される発明をも、想起するであろうことは当然である。よって、「(蛇腹状という限定のない)給水導管を取付け取外し可能とする」は、願書に最初に添付した明細書及び図面の記載より自明な事項である。


6.特許異議申立て理由の概要
(1)特許法第17条の2第2項に関する申立て理由
特許異議申立人は、次のイ.ないしニ.の旨の申し立てをしている。
イ.請求項1,2に記載された「(給水ボトルから製氷皿まで給水する)給
水管」は出願当初の明細書に記載されていない。
ロ.請求項1,2には、この「給水管」自体が取外し可能であるとも記載さ
れているが、このようなことは出願当初の明細書に記載されていない。
ハ.請求項1,2に記載された「野菜室より取付け可能」は出願当初の明細
書に記載されていない。
ニ.したがって、本件発明1及び本件発明2の特許は、その明細書が特許法
第17条の2第3項の規定に適合していないので、取り消されるべきも
のである。

(2)特許法第29条第2項に関する申立て理由
特許異議申立人は、
甲第4号証:Liebherr-Hausgerate GmbH社カタログ「冷却及び冷凍
’89/’90」表紙、第3頁、第16頁、裏表紙
甲第5号証:実公平5-12683号公報
を引用して、「本件発明1及び本件発明2は、これらの甲第4,5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、特許を受けることができないものである。したがって、この発明の特許は取り消されるべきものである。」旨主張している。


7.特許法第17条の2第2項に関する異議申立て理由について
イ.特許異議申立人は、「給水ボトルから製氷皿まで給水する「給水管」は出願当初の明細書に記載されていない。」旨の申立てを行っている。
しかし、願書に最初に添付した明細書に記載されている「冷蔵室2側の給水導管13」,「冷凍室4側のヒータ付給水導管18」及び「野菜室3に設けた蛇腹状の給水導管20」が、請求項1,2等に記載されているような「冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する」ものを形成することは、願書に最初に添付した明細書段落【0023】の、
「・・・小孔25aは、水受台24を流れてきた水が、邪魔板25の小孔25aを通って給水導管13に至るため、水量が制限されたり、流れる水のスピードを落とすためのものである。流れる水のスピードが速いと製氷皿から水がとび散ってしまうという問題が発生するのである。」
という記載、及び、願書に最初に添付した図面図1ないし3の記載より自明である。
そして、このような「給水ボトルから・・・製氷皿に給水する」ものを給水管または給水導管と命名するかどうかは、文章表現上の問題にすぎない。

ロ.特許異議申立人は、「(給水ボトルから製氷皿まで給水する)給水管自体が取外し可能ということは出願当初の明細書に記載されていない。」旨の申立てを行っている。
しかし、特許異議申立人が指摘する箇所は、本件訂正により、「前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水導管が・・・・・上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能とし」
と訂正され、給水管全体(給水管自体)ではなく、給水管(給水導管)のうち前記野菜室に配置されるものが取付け取外し可能であると明記されている。そして、この記載は、上記5.で述べたように、願書に最初に添付した明細書又は図面の記載より自明なものである。

ハ.特許異議申立人は、「野菜室より取付け可能、は出願当初の明細書に記載されていない。」旨の申立てを行っている。
しかし、野菜室間に設置される蛇腹状の給水導管が取付け取外しできることは、願書に最初に添付した明細書段落【0014】,【0015】に記載されている。そして、この取付け取外しが野菜室より行われるであろうことは、同明細書段落【0011】の「・・・野菜室側に取外しが容易となる構造とする・・・」という記載、同明細書段落【0026】後半の「尚、蛇腹状の給水導管20を取り付ける際は、まず上方の冷蔵室2側の給水導管13と締結した後に、下方の冷凍室4側の給水導管18に挿入して取付ける。勿論サービス時や清掃時で蛇腹状の給水導管20を取外す時は、逆の作業を行なえば容易に出来る。」、及び願書に最初に添付した図面の記載より自明である。(なお、下線は当審が付した。)

ニ.したがって、本件発明1及び本件発明2の特許は、その明細書が特許法第17条の2第2項の規定に適合していない出願に対してなされたものであるとは言えない。


8.特許法第29条第2項に関する異議申立て理由について
(1)特許異議申立人が引用した甲第4号証に記載された発明
この甲第4号証には、
「冷蔵室と、この冷蔵室の下方に配置された野菜室と、この野菜室の下方に配置された冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器とを備えた冷蔵庫。」
なる発明が記載されている。

(2)特許異議申立人が引用した甲第5号証に記載された発明
この甲第5号証には、
「冷蔵室内に配置された給水タンクから冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水管を備える冷蔵庫。」
なる発明が記載されている。


(3)本件発明1について
イ.対比
本件発明1と甲第4号証に記載された発明を対比する。
両発明は、
「冷蔵室と、この冷蔵室の下方に配置された野菜室と、この野菜室の下方に配置された冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器とを備えた冷蔵庫。」で一致し、下記のA,Bの2点で相違する。

相違点A:本件発明1では、「冷蔵室内に配置された給水ボトルから冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、」とされているが、これに対し、甲第4号証には、このような給水導管が記載されていない。

相違点B:本件発明1では、「給水導管が野菜室内を通して配置され、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水導管が、ウレタンの外で前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とした」とされているが、これに対し、甲第4号証には、このような給水導管が記載されていない。

ロ.相違点についての検討
相違点Aについての検討
まず、上記相違点Aについて検討すると、相違点Aにおける本件発明1の構成は、甲第5号証に記載された発明にすべて含まれている。
そして、甲第5号証に記載された発明を、甲第4号証に記載された発明に組み合わせることは容易であると認められる。

相違点Bについての検討
次に、上記相違点Bについて検討する。相違点Bにおける本件発明1の構成である、
「給水導管が野菜室内を通して配置され、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水導管が、ウレタンの外で前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とした」
は、甲第5号証に記載されていない。また、他の甲号証にも記載されていない。
そして、この構成により本件明細書に記載された効果を達成できると認められる。

ハ.まとめ
以上のように、上記相違点Bは上記各甲号証に記載された発明より容易に想到し得たものではないので、本件発明1は上記各甲号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。


(4)本件発明2について
イ.対比
本件発明2と甲第4号証に記載された発明を対比する。
両発明は、
「内箱の内側に設けられた野菜室と、この野菜室の上方に設けられた冷蔵室と、前記野菜室の下方に設けられた冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器とを備えた冷蔵庫。」で一致し、下記のC,Dの2点で相違する。

相違点C:本件発明2では、「冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え」とされているが、これに対し、甲第4号証には、このような給水導管が記載されていない。

相違点D:本件発明2では、「給水導管が野菜室内を通して配置され、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水管が、ウレタンの外であって前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とし、前記内箱に設けられた部材により固定された」とされているが、これに対し、甲第4号証には、このような給水導管が記載されていない。

ロ.相違点についての検討
相違点Cについての検討
まず、上記相違点Cについて検討すると、相違点Cにおける本件発明2の構成は、甲第5号証に記載された発明にすべて含まれている。
そして、甲第5号証に記載された発明を、甲第4号証に記載された発明に組み合わせることは容易であると認められる。

相違点Dについての検討
次に、上記相違点Dについて検討する。相違点Dにおける本件発明2の構成である、
「給水導管が野菜室内を通して配置され、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水管が、ウレタンの外であって前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とし、前記内箱に設けられた部材により固定された」
は、甲第5号証に記載されていない。また、他の甲号証にも記載されていない。
そして、この構成により本件明細書に記載された効果を達成できると認められる。

ハ.まとめ
以上のように、上記相違点Dは上記各甲号証に記載された発明より容易に想到し得たものではないので、本件発明2は上記各甲号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。



9.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
冷蔵庫
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵室と、この冷蔵室の下方に配置された野菜室と、この野菜室の下方に配置された冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水導管が、ウレタンの外で前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とした冷蔵庫。
【請求項2】
内箱の内側に設けられた野菜室と、この野菜室の上方に設けられた冷蔵室と、前記野菜室の下方に設けられた冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水管が、ウレタンの外であって前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とし、前記内箱に設けられた部材により固定された冷蔵庫。
【請求項3】(削除)
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動製氷機付き冷蔵庫に係り、上から冷蔵室、野菜室、冷凍室の順に配設された冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般に市販されている自動製氷機付き冷蔵庫を図5を参照して説明する。
【0003】
図5は従来の自動製氷機構を組み込んだ冷蔵庫の要部の断面図である。
【0004】
図5において、31は冷蔵庫本体で、冷蔵庫本体31はその内部の上に冷凍室32、下に冷蔵室33を有している。34は冷凍室32側に設置された製氷部で、製氷部34は製氷皿35でできた氷を自動的に離氷するための機械部36と、製氷皿35でできた氷を貯氷するアイスバンク37等より構成されている。
【0005】
また、38は冷蔵室33側に設置された給水部である。給水部38は例えば、2リットル近い水が入る給水ボトル39、定量皿40、それに定量皿40内の水を製氷皿35に導くための給水ポンプ41、およびカバー42等より構成されている。43は定量皿40内の氷を製氷皿35に導く給水導管である。
【0006】
この種製氷部34、給水部38を備えた自動製氷機付き冷蔵庫は公知の給水-製氷-給水-製氷の一連の動作を自動的に繰り返すものである。
【0007】
なお、この種の従来例には、例えば、特開平4-313665号公報に記載のものがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この様な構造の従来の自動製氷機付き冷蔵庫では、次のような問題があった。上から、冷凍室、冷蔵室(あるいはその逆)の順に配設されている為、顧客の使い易さを考慮して、冷凍室前方には製氷部、冷蔵室前方には給水部が配置されているため、給水導管は冷凍室、冷蔵室の奥側に設置されており、給水導管の取外し時には全ての部品を外さないと、交換あるいは清掃することができなかった。又、ウレタン内に埋設されている時には、給水導管の取外しが出来ない場合もあった。
【0009】
尚、従来の冷蔵庫では冷凍室が上、冷蔵室が下、あるいはその逆に隣接するため各部室を区画する仕切壁の高さは30〜50程度であり、給水導管もウレタン内に埋設でき、給水導管内に流れる水も管内にたまる確率も少ないため、給水導管の交換も不要という場合もあった。しかし、冷蔵室と冷凍室間に別の部屋(例えば野菜室)を配置した冷蔵庫では、給水導管をウレタン内に埋設すると給水導管の全長(全高)が長くなる為、給水導管内に水アカ等が付着した場合に給水導管の取外しが不可となり、衛生面における配慮に欠けてしまう問題が生じている。
【0010】
本発明の目的は、使い勝手の良い冷蔵庫を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵庫は、冷蔵室と、この冷蔵室の下方に配置された野菜室と、この野菜室の下方に配置された冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水導管が、ウレタンの外で前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管としたものである。
【0012】
また、内箱の内側に設けられた野菜室と、この野菜室の上方に設けられた冷蔵室と、前記野菜室の下方に設けられた冷凍室と、前記野菜室内のほとんどの空間を占有するように配置され且つ扉に取付けられた引出し式容器と、前記冷蔵室内に配置された給水ボトルから前記野菜室内を通して前記冷凍室内に配置された製氷皿に給水する給水導管とを備え、前記給水導管のうち前記野菜室に配置される給水管が、ウレタンの外であって前記野菜室内に配置された引出し式容器の奥側に配置され、上方端部を着脱自在な締結とし下方端部を冷凍室側への挿入取付けとして、前記野菜室に配置される給水導管を前記野菜室より取付け、取外し可能な給水導管とし、前記内箱に設けられた部材により固定されたものである。
【0013】
【作用】
上記の構成による働きは次の通りである。
【0014】
本発明の給水導管は、冷蔵室と冷凍室との間に設けられた野菜室の内側に設けられている。そして、この野菜室内の容器の奥側の内容積無効空間に設置される。
【0015】
また、給水導管は内箱に設けられた固定用の部材により、容器の奥側で固定される。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図3を参照して説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施例の自動製氷機付き冷蔵庫の縦断面図、図2は冷蔵室給水部の説明図、図3は野菜室と冷凍室上部の説明図、図4は野菜室の横断面図である。
【0018】
まず図1で、1は上から冷蔵室2、野菜室3、冷凍室4の順に配設された冷蔵庫本体。5,6,7は冷蔵室2、野菜室3、冷凍室4の前面開口部を閉塞する扉体である。野菜室3と冷凍室4は、扉6,7に取付けられた引出し容器8,9により形成されている。
【0019】
10は、冷蔵室2の底部に設けられた給水部であり、給水部10は給水ボトル11、水受台12等から構成されている。
【0020】
また、15は冷凍室4に設けた製氷部であり、製氷部15は製氷皿16、機械部17、ヒータ付給水導管18、アイスバンク19等から構成されている。
【0021】
20は野菜室3に設けた蛇腹状の給水導管で、冷蔵室2側の給水導管13と冷凍室4側のヒータ付給水導管18間を接続するために設けられた。また、野菜室3は、野菜容器8、後述する給水導管固定用ブッシュ21等から構成されている。
【0022】
まず、冷蔵室2内に設置される給水部10の構造について図2をもとに説明する。11は給水ボトルで射出成形より形成し、くびれ部11aとねじ部11bを有する給水口部が設けてあり、22は給水ボトル11の給水口部のねじ部11bに着脱自在に締結されるキャップである。23はキャップ22内に組込まれている弁であり、弁23は弁棒の押し棒23aとばね23bを有している。また24は水受台で、水受台24は給水ボトル11の給水口部の下部に位置する。14は水受台24に組込まれたソレノイドで、鉄芯14aは弁23の押し棒23aに対向する位置にある。
【0023】
25は邪魔板で、邪魔板25は給水導管13の上方を囲むように設けられたものであり、底部に小孔25aを有している。小孔25aは、水受台24を流れてきた水が、邪魔板25の小孔25aを通って給水導管13に至るため、水量が制限されたり、流れる水のスピードを落とすためのものである。流れる水のスピードが速いと製氷皿から水がとび散ってしまうという問題が発生するのである。
【0024】
次に、冷凍室4内に設置される製氷部15の構造について図3をもとに説明する。18は後述する蛇腹状の給水導管20と接続するヒータ付給水導管であり、製氷皿16の真上に位置する。尚、ヒータ18cは野菜室3と冷凍室4間を区画する区画壁26内から製氷部15上部までの範囲に取付けられており、給水導管18の凍結防止を目的としている。またヒータ付給水導管18の端部であり野菜室3の下面部27にはフランジ18aが有しており、フランジ部18aの一部には凸部18bを有している。凸部18bは野菜室3と冷凍室4を区画する区画壁26の凹部26aと嵌合されており、ヒータ付給水導管18の回転防止と位置決めを兼ねる。16は製氷皿であり、端部にはアイスバンク19内の端氷を感知する為の機械部17を有している。
【0025】
次に冷蔵室2側から突出される給水導管13と、冷凍室4側から突出されるヒータ付給水導管18を接続する蛇腹状の給水導管20を有する野菜室3内の構造について、図3と図4をもとに説明する。
【0026】
図4に示す通り、野菜室3内は扉6に取り付けられた容器8で野菜室3内のほとんどの空間部を占有しているが、容器8奥側には蛇腹状の給水導管20が、内箱28に固着されたブッシュ29により図面には記載されていないが、野菜室3全高の約半分の位置に固定されている。次に図3にて説明する。20aは蛇腹状の給水導管の端部で、冷凍室4から突出された給水導管18と嵌合するため、給水導管18の外形よりも少し大きめの内径で構成されている。また、もう一方の端部20bは冷蔵室2より突出された給水導管13の端部ねじ部13aと着脱自在に締結するためのキャップを有している。尚、蛇腹状の給水導管20を取り付ける際は、まず上方の冷蔵室2側の給水導管13と締結した後に、下方の冷凍室4側の給水導管18に挿入して取付ける。勿論サービス時や清掃時で蛇腹状の給水導管20を取外す時は、逆の作業を行なえば容易に出来る。上記の実施例では、上から冷蔵室、野菜室、冷凍室の順に配置され、冷蔵室側に給水ボトルを、冷凍室側に製氷部を有する冷蔵庫で、冷凍室側から突出された給水導管と、冷蔵室側から突出された給水導管の継ぎパイプとして野菜室側に取り外しが容易となる構造とするため野菜室に給水導管を設けるようにした。また、野菜室に設置される給水導管をウレタンの外、いわゆる冷蔵庫内側であり、これを野菜室容器の奥側に位置する内容積無効空間に設置させるようにした。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、使い勝手の良い冷蔵庫を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の自動製氷機付き冷蔵庫の要部の縦断面図。
【図2】 冷蔵室給水部の説明図。
【図3】 野菜室と冷凍室上部の説明図。
【図4】 野菜室の横断面図。
【図5】 従来の自動製氷機構を組み込んだ冷蔵庫の要部の断面図。
【符号の説明】
2…冷蔵室、3…野菜室、4…冷凍室、13…給水導管、15…製氷部、16…製氷皿、17…機械部、18…ヒータ付給水導管、18a…フランジ、18b…フランジ部凸部、18c…ヒータ、19…アイスバンク、20…蛇腹状の給水導管、20a…蛇腹状の給水導管端部、20b…蛇腹状の給水導管端部、26…区画壁、26a…区画壁凹部、27…野菜室下面部。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-10-25 
出願番号 特願平7-112808
審決分類 P 1 651・ 55- YA (F25C)
P 1 651・ 121- YA (F25C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山本 信平内山 隆史  
特許庁審判長 橋本 康重
特許庁審判官 会田 博行
原 慧
登録日 2003-05-09 
登録番号 特許第3426402号(P3426402)
権利者 株式会社日立製作所
発明の名称 冷蔵庫  
代理人 小川 勝男  
代理人 小川 勝男  

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