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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 B41J |
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管理番号 | 1112961 |
異議申立番号 | 異議2003-73081 |
総通号数 | 64 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1995-08-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-12-15 |
確定日 | 2004-12-27 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3426683号「テープ印刷装置」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3426683号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
1. 手続の経緯 本件特許第3426683号についての出願は、平成6年2月22日に出願され、平成15年5月9日にその設定登録がなされ、その後、平成年月日に村田優子より、請求項1、2に係る発明に対する特許について特許異議の申立がなされ、そして、取消理由通知告知され、その指定期間内である平成16年9月6日に訂正請求がなされたものである。 2.申立て理由の概要 異議申立人村田優子は、 甲第1号証として、特開平3-143661号公報 を提出すると共に、周知技術を立証するために、 参考資料として、特開平4-331169号公報、実開平5-86535号公報、特開平1-118458号公報を提出して、 甲第1号証には、本件請求項1,2に係る発明の構成中、自動的にテープをカットする旨の構成以外の全てを開示し、且つ、甲第1号証には、テープをカットする位置で停止すること及びカット手段が記載され、更に、自動的にテープをカットすることは、従来周知の技術であるから、本件請求項1、2に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない旨主張している。 3. 特許権者の求めている訂正 特許権者が求めている訂正は、平成16年9月6日付け訂正請求書に記載された、以下のとおりのものである。 3-1 特許請求の範囲について 訂正事項A 特許請求の範囲に記載の 「【請求項1】 ・・印刷手段と、テープを切断するカット手段とを有するテープ印刷装置において、 ・・ 所定の信号を発信する指令発信手段と、 その指令発信手段による信号を受けて、・・判別する判別手段と、 ・・ 更に、その制御手段は、 ・・その印刷後、前記搬送手段及びカット手段によりフィードカットを行わせる第一制御手段と、 ・・特徴とするテープ印刷装置。 【請求項2】 前記指令発信手段は、押下することにより信号を発するキースイッチであることを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。」 を、 「【請求項1】 ・・印刷手段と、テープを切断するカット手段とを有するプリンタと、そのプリンタに外部接続され前記印刷データを前記記憶手段の入力するデータ作成装置から成るテープ印刷装置において、 ・・ テープ印刷を指令するために前記データ作成装置において所定の信号を発信して前記プリンタに送信する第一指令発信手段と、 前記プリンタに設けられたキースイッチから構成され、キースイッチの押下により信号を発信する第二指令発信手段と、 その第一指令発信手段または第二指令発信手段による信号を受けて、・・判別する判別手段と、 ・・ 前記記憶手段は、前記データ作成手段における第一指令発信手段から所定の信号が前記プリンタに送信されたとき前記印刷データが入力されて記憶され、前記データ作成手段からクリア指令が前記プリンタに送信されたとき前記記憶された印刷データが消去され、 更に、その制御手段は、 ・・その印刷後、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせ、前記判別手段により印刷データが存在しないと判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段に印刷動作を行わせることなく、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせる第一制御手段と、 ・・特徴とするテープ印刷装置。」 と訂正する。 3-2 発明の詳細な説明について 訂正事項B 段落番号【0007】に記載の「・・外部からこれら印刷装置をコントロールする場合にも、・・多数の指令信号を必要としていた。」を「・・外部からこれら印刷装置の機構をコントロールする場合にも、・・多数の指令信号をホストコンピュータ等において必要としていた。」と訂正する。 訂正事項C 段落番号【0009】に記載の「・・を1つの指令(又はキー)で実現することが出来ると共に、その指令1つにより・・」を「・・をデータ作成装置からの1つの指令又はプリンタの1つのキー押下で実現することが出来ると共に、その1つの指令又は1つのキー押下の時におけるプリンタのモード選択や印刷データの存否の状況により・・」と訂正する。 訂正事項D 段落番号【0010】に記載の「【課題を解決するための手段】・・テープ印刷装置において、 ・・所定の信号を発信する指令発信手段と、その指令発信手段による信号を受けて、前記記憶手段内に印刷データが存在するか否かを判別する判別手段と、・・更に、その制御手段は、・・その印刷後、前記搬送手段及びカット手段によりフィードカットを行わせる第一制御手段と、前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、テープセーブモードに設定されている場合、前記印刷手段による前記印刷データの印刷のみ行わせる第二制御手段とを備えている。」を「【課題を解決するための手段】・・プリンタと、そのプリンタに外部接続され前記印刷データを前記記憶手段の入力するデータ作成装置から成るテープ印刷装置において、 ・・ テープ印刷を指令するために前記データ作成装置において所定の信号を発信して前記プリンタに送信する第一指令発信手段と、 前記プリンタに設けられたキースイッチから構成され、キースイッチの押下により信号を発信する第二指令発信手段と、 その第一指令発信手段または第二指令発信手段による信号を受けて、・・ 前記記憶手段は、前記データ作成手段における第一指令発信手段から所定の信号が前記プリンタに送信されたとき前記印刷データが入力されて記憶され、前記データ作成手段からクリア指令が前記プリンタに送信されたとき前記記憶された印刷データが消去され、 更に、その制御手段は、 ・・前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせ、前記判別手段により印刷データが存在しないと判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段に印刷動作を行わせることなく、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせる第一制御手段と、 前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、テープセーブモードに設定されている場合、前記印刷手段による前記印刷データの印刷のみ行わせる第二制御手段とを備えている。」と訂正する。 訂正事項E 段落番号【0012】の記載を削除する。 訂正事項F 段落番号【0014】に記載の「【作用】・・記憶手段は入力された印刷データを記憶し、指令発信手段は所定の指令信号を発信する。・・」を「【作用】・・、記憶手段はデータ作成装置から入力された印刷データを記憶し、第一指令発信手段は所定の指令信号をデータ作成装置から発信する。・・」と訂正する。 訂正事項G 段落番号【0015】に記載の「印刷装置は、前記指令発信手段からの指令信号を受信すると、判別手段により、記憶手段内に未印刷データが存在するか否かが判断される。 そして、前記判別手段による判断結果と前記モード選択手段による設定とに基づいて、印刷手段,搬送手段及びカット手段を制御する。更に、その制御手段の第一制御手段は、前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段により前記印刷データの印刷を行わせ、その印刷後、前記搬送手段及びカット手段によりフィードカットを行わせる。また、制御手段の第二制御手段は、前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、テープセーブモードに設定されている場合、前記印刷手段による前記印刷データの印刷のみ行わせる。」を「プリンタは、前記第一指令発信手段からの指令信号を受信するか、又はプリンタに設けられたキースイッチの押下により発信された信号を受けると、判別手段により、記憶手段内に未印刷データが存在するか否かが判断される。 そして、前記判別手段による判断結果と前記モード選択手段による設定とに基づいて、印刷手段,搬送手段及びカット手段を制御する。前記記憶手段は、前記データ作成手段における第一指令発信手段から所定の信号が前記プリンタに送信されたとき前記印刷データが入力されて記憶され、前記データ作成手段からクリア指令が前記プリンタに送信されたとき前記記憶された印刷データが消去される。 更に、その制御手段の第一制御手段は、前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段により前記印刷データの印刷を行わせ、その印刷後、前記搬送手段及びカット手段により搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせ、前記判別手段により印刷データが存在しないと判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段に印刷動作を行わせることなく、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせる。また、制御手段の第二制御手段は、前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、テープセーブモードに設定されている場合、前記印刷手段による前記印刷データの印刷のみ行わせる。」と訂正する。 訂正事項H 段落番号【0016】に記載の「このように、1種類の所定の信号を印刷装置に発信するだけで、印刷装置はそれを受けて自動的に動作状況を判断して、その動作状況に応じた多様な動作を行う。を「このように、データ作成装置が1つの指令であるの信号をプリンタに発信するか、又はプリンタの1つのキーを押下するだけで、プリンタは自動的にモード選択や印刷データの存否の動作状況を判断して、その動作状況に応じた多様な動作を行う。」と訂正する。 訂正事項I 段落番号【0019】に記載の「・・ここで、データ作成手段2は、本発明の指令発信手段に相当する。」を「・・ここで、データ作成手段2は、本発明の第一指令発信手段に相当する。」と訂正する。 訂正事項J 段落番号【0021】に記載の「・・このFキー6bも、本発明の指令発信手段の一つに相当する。・・」を「・・このFキー6bは、本発明の第二指令発信手段に相当する。・・」 訂正事項K 段落番号【0057】に記載の「・・上記処理工程のS50乃至S53が本発明の制御手段に相当し、特に、上記処理工程のS50:YES,S51,S52:YES及びS53の流れが本発明の第一制御手段としての作用を果たし、・・」を「・・上記処理工程のS50乃至S53が本発明の制御手段に相当し、特に、上記処理工程のS50:YES,S51,S52:YES及びS53の流れと、処理工程S50:NO,S52:YES及びS53の流れが本発明の第一制御手段としての作用を果たし、・・」と訂正する。 訂正事項L 段落番号【0058】に記載の「・・オペレータの意図を察知し、要望される動作を行う。」を「・・オペレータの意図を察知する図7のファンクション処理ルーチンにより、要望される動作を行う。」と訂正する。 訂正事項M 段落番号【0061】に記載の「【発明の効果】・・本発明のテープ印刷装置は、印刷指令と排出指令とカット指令とを1つの指令(又はキー)で実現する・・その指令1つにより多様な用途やモード設定に対応した動作・・可能な印刷装置を提供する・・または装置のキー入力機構を簡略化でき、・・」を「【発明の効果】・・本発明のテープ印刷装置は、印刷指令と排出指令とカット指令とをデータ作成装置からの1つの指令又はプリンタの1つのキー押下で実現する・・その1つの指令又は1つのキー押下時におけるプリンタのモード選択や印刷データの存否状況により多様な用途やモード設定に対応した動作を・・可能なプリンタを提供する・・またはプリンタのキー入力機構を簡略化でき、・・」と訂正する。 4. 訂正の適否の判断 4-1 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 本件特許明細書の段落番号【0019】に、「図1に示すように、テープ印刷装置1は、文字や記号等を複数行分表示可能なCRTディスプレイ3とキーボード4と制御本体部5とを備えたデータ作成装置2と、このデータ作成装置2の制御本体部5に接続線Lで接続されたプリンター6とから構成されている。尚、CRTディスプレイ3とキーボード4とは、接続線を介して制御本体部5に夫々接続されている。そして、データ作成装置2により展開処理された文書データや各種指令信号が接続線Lを通してプリンタ6へ送信される。ここで、データ作成手段2は、本発明の指令発信手段に相当する。」と、テープ印刷装置に係る技術的事項として、同装置がデータ作成装置とプリンターとから構成されることが記載されている。また、所定の信号を発信する指令発信手段に関する技術的事項として、同段落に、「・・そして、データ作成装置2により展開処理された文書データや各種指令信号が接続線Lを通してプリンタ6へ送信される。ここで、データ作成手段2は、本発明の指令発信手段に相当する。」と記載され、加えて、段落番号【0020】に、「キーボード4には、アルファベットや数字や記号を入力する為の文字キー、スペースキー、リターンキー、カーソルを上下左右方向へ移動させるカーソル移動キー、印刷終了後のフィードカット処理の有無を設定するモード選択キーと、印刷文字のサイズを設定するサイズ設定キー、印刷文字の書体を設定する書体設定キー、各種の編集機能キー、印刷を実行する印刷キー等が設けられている。」と「印刷を実行する印刷キー等が設けられている。」とされ、さらに、段落番号【0042】の「次に、・・印刷キーが操作されたときには(S10:Yes、S11:No、S13:Yes)、印刷処理制御(図5参照)が実行される(S14)。」及び段落番号【0045】の「ラベル1枚分のドットパターンデータが送信されると、次にファンクション指令信号をプリンター6に送信する(S24)。その結果、プリンター6の後述するファンクション処理により、その文書データが印刷用テープ8に印刷される。・・」の記載及び図5の記載から、データ作成装置の印刷キーは、テープに印刷を指令する所定の信号を発信して、プリンタに送信するものとして記載され、それが、「本発明の指令発信手段に相当する。」とされるのであるから、特許明細書には、テープ印刷を指令するために前記データ作成装置において所定の信号を発信して前記プリンタに送信することが、指令発信手段に係る技術的事項として記載されており、更に、特許明細書には、指令発信手段に係る技術的事項として、段落番号【0021】に、「又、プリンター6には、その上面に、プリンター6の電源キー6aと、印刷用テープ8のフィードカットを行わせたり、印刷を実行させる等の様々な動作を実行させるファンクションキー(以下、Fキーと称する。)6bとの2つのキースイッチ60が設けられている。このFキー6bも、本発明の指令発信手段の一つに相当する。・・」と記載され、指令発信手段として、プリンタに設けられたキースイッチから構成され、キースイッチの押下により信号を発信するという技術的事項も記載されている。 これら複数の指令発信手段に係る技術的事項による限定を加えるにあたり、それぞれを第一,第二と名付けることは、単に限定を明瞭とする以上のものではない。また、このように指令発信手段を第一指令発信手段と、第二指令発信手段と記載したことに伴い、特許明細書の請求項1に記載された「・・その指令発信手段による信号を受けて、前記記憶手段内に印刷データが存在するか否かを判別する判別手段・・」を「その第一指令発信手段または第二指令発信手段による信号を受けて、前記記憶手段内に印刷データが存在するか否かを判別する判別手段と、」と訂正することも、指令発信手段に係る上記訂正に伴い新たに不明瞭となることを防ぐものであり、前記訂正と一体をなして、特許請求の範囲に構成として記載された指令発信手段を特許明細書に、同構成と関連して記載された技術的事項により限定を行うものである。 次に、「記憶手段」に関連して、特許明細書の段落番号【0042】に、「次に、上記データ「Thomas JEFFERSON」の印刷を選択して、印刷キーが操作されたときには(S10:Yes、S11:No、S13:Yes)、印刷処理制御(図5参照)が実行される(S14)。」と上記第一指令発信手段と名付けた指令発信手段である「印刷キー」の操作に伴う作動が記載され、更に、段落番号【0044】に、「上記イメージ変換処理が完了すると、通信用インターフェース37と接続線Lとを介してプリンター6に動作状況通知指令を送信し、プリンター6から内部機構各々の動作状況を送信させる(S21)。・・」と、段落番号【0052】に、「データを受信し(S36、S37:NO)、そのデータがラベルのドットパターンからなる文書データである場合には(S38:YES)、受信した文書データをRAM56のイメージバッファ56bに順次格納する(S42)。・・」と記憶手段であるRAMに記憶するという技術的事項が記載され、そのRAMに記憶された印刷データに関して、段落番号【0054】に、「S39において、F指令で無い場合には、データ操作や印刷動作設定、プリンター6の各部機構の駆動等の、受信した各々の指令に応じた動作を行う(S40)。例えば、動作状況通知指令を受けたなら、現在の印刷処理状況や各機構の異常等のプリンター6の動作状況を返信する。また、メモリクリア指令を受けると、RAM56中の文書データを消去する。・・」と記載されているので、「前記記憶手段は、前記データ作成手段における第一指令発信手段から所定の信号が前記プリンタに送信されたとき前記印刷データが入力されて記憶され、前記データ作成手段からクリア指令が前記プリンタに送信されたとき前記記憶された印刷データが消去される」は、記憶手段を同手段に係る特許明細書に記載された技術的事項で限定するものである。 また、特許明細書には、搬送手段及びカット手段に係る技術的事項として、特許明細書の段落番号【0045】に、「・・文書データが印刷用テープ8に印刷される。そして、印刷用テープ8が所定量だけ送給された後、カッタ機構65で切断され、・・」と所定量の搬送後のテープのカットが記載されており、更に、段落番号【0028】に、「・・前記サーマルヘッド11による印刷位置とカッタ機構65による切断位置との間は距離nだけ離れている。この距離nをヘッド・カッタ間距離nとする。本実施例ではn=25mmである。」と記載された上で、段落番号【0056】に、「モード設定がオートカットモードであるならば(S52:YES)、テープ送りモータ50により25mmのテープ送りをし、その後に、DCモータ71を駆動させてテープカットを行う、いわゆるフィードカット処理を行う(S53)。・・」と記載されているのであるから、「その印刷後、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせ」とする訂正も、特許請求の範囲に記載された構成を特許明細書に記載された技術的事項で限定するものである。 加えて、特許明細書の段落番号【0055】に、「・・印刷処理終了後には、前記S34にて設定された印刷後のフィードカット処理に関するモード設定が、オートカットモードであるか否かが判別される(S52)。一方、RAM56のイメージバッファ56bに文書データが無い場合(S50:NO)もS52へ移行し、モード設定がどうであるかを判別する。」と、段落番号【0056】に、「モード設定がオートカットモードであるならば(S52:YES)、テープ送りモータ50により25mmのテープ送りをし、その後に、DCモータ71を駆動させてテープカットを行う、いわゆるフィードカット処理を行う(S53)。フィードカットを行った後はファンクション処理を終了し、図6のフローチャートに戻る。一方、モード設定がテープセーブモードであるならば(S52:NO )、フィードカット処理を行わずに図6のフローチャートに戻る。」と、段落番号【0057】に、「尚、上記処理工程のS50及びS52が本発明の判別手段に相当し、上記処理工程のS50乃至S53が本発明の制御手段に相当し、特に、上記処理工程のS50:YES,S51,S52:YES及びS53の流れが本発明の第一制御手段としての作用を果たし、処理工程のS50:YES,S51,S52:NO の流れが本発明の第二制御手段としての作用を果たす。」と記載されているので、「前記判別手段により印刷データが存在しないと判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段に印刷動作を行わせることなく、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせる」は、第一制御手段に係る技術的事項として、特許明細書に記載された事項である。 したがって、訂正事項Aは、特許請求の範囲に記載された構成を特許明細書に記載された同構成に係る技術的事項により限定すると共に、請求項2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項を追加するものではなく、しかも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 訂正事項Bは、特許明細書の段落番号【0007】に記載の「・・外部からこれら印刷装置をコントロールする場合にも・・」が、印刷装置の機構をコントロールすることを明らかとすると共に、同記載の「・・多数の指令信号を必要としていた。」のが、ホストコンピュータ等であることを明らかとするものであり、訂正事項C、H、Mは、特許明細書に記載の「・・を1つの指令(又はキー)・・」を「・・をデータ作成装置からの1つの指令又はプリンタの1つのキー押下・・」であることに明らかとし、その指令1つにより、プリンタのモード選択や印刷データの存否の状況により多様な用途に対応した動作を行わせることを明らかとするものであり、更に、訂正事項Mは印刷装置がプリンタであることを明らかとするものであるからから、これら訂正は、不明瞭な記載を釈明することを目的とするものであって、新規事項を追加するものではなく、しかも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 訂正事項D〜G、I〜Kは、訂正事項Aによる訂正に記載を合わせるための訂正であり、訂正事項Aによる訂正と一体をなして、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項Lは、オペレータの意図を察知するものが何であるかを明らかとするものであり、不明瞭な記載を釈明することを目的とするものであって、新規事項を追加するものではなく、しかも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 4-2 むすび 上記訂正は、特許異議の申立がなされていない請求項に係るものではなく、以上のとおり、平成6年法律第116号附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる特許法第120条の4第3項において準用する特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、これを認める。 5.特許異議申立に対する判断 5-1 本件発明 本件請求項1に係る発明は、訂正された特許請求の範囲に記載された以下のとおりのものである。 「【請求項1】 入力された印刷データを記憶可能な記憶手段と、テープを搬送する搬送手段と、前記記憶手段に記憶された印刷データをテープ上に印刷する印刷手段と、テープを切断するカット手段とを有するプリンタと、そのプリンタに外部接続され前記印刷データを前記記憶手段の入力するデータ作成装置から成るテープ印刷装置において、 前記印刷手段による印刷の終了毎に自動的にテープをフィードカットさせるオートカットモードと、印刷終了後にフィードカットを行わないテープセーブモードとのいずれかを選択設定させるモード選択手段と、 テープ印刷を指令するために前記データ作成装置において所定の信号を発信して前記プリンタに送信する第一指令発信手段と、 前記プリンタに設けられたキースイッチから構成され、キースイッチの押下により信号を発信する第二指令発信手段と、 その第一指令発信手段または第二指令発信手段による信号を受けて、前記記憶手段内に印刷データが存在するか否かを判別する判別手段と、 前記モード選択手段による設定と前記判別手段による判別結果とに基づいて、前記印刷手段,搬送手段及びカット手段を制御する制御手段とを備え、 前記記憶手段は、前記データ作成手段における第一指令発信手段から所定の信号が前記プリンタに送信されたとき前記印刷データが入力されて記憶され、前記データ作成手段からクリア指令が前記プリンタに送信されたとき前記記憶された印刷データが消去され、 更に、その制御手段は、 前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段により前記印刷データの印刷を行わせ、その印刷後、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせ、前記判別手段により印刷データが存在しないと判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段に印刷動作を行わせることなく、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせる第一制御手段と、 前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、テープセーブモードに設定されている場合、前記印刷手段による前記印刷データの印刷のみ行わせる第二制御手段とを備えたことを特徴とするテープ印刷装置。」 したがって、本件請求項1に係る発明は、少なくとも、 制御手段は、判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段により前記印刷データの印刷を行わせ、その印刷後、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせ、前記判別手段により印刷データが存在しないと判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段に印刷動作を行わせることなく、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせる第一制御手段を有すること をその構成の一部として有するものであり、同構成を有することにより、選択的に、印刷終了位置からテープを所定量搬送してカットすることができると共に、印刷データがない場合でも、搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させ、カット手段によりテープのカットを行わせることがでるものである。 5-2 異議申立人の提出した刊行物に記載された発明 異議申立人が提出した甲第1号証(特開平3-79335号公報)には、異議申立人が主張するように、 操作された文字入力キー35に相当する文字データを記憶する記憶手段であるキーデータ記憶領域39、 印刷テープ1を排出口15送り出すテープの搬送手段である駆動ローラ9、 キーデータ記憶領域に記憶されたデータを印刷テープ1にインクを熱転写することにより印刷する印刷手段であるサーマルヘッド5 レバー部材19の操作により回転されるテープをカットする手段であるカッター部材17及び「テープカット」表示を行う表示部27 印刷の開始後テープの切断位置の手前まで送られたときに停止させると共に、切断位置まで送られないときには切断位置まで送るモードであるテープカットモードを選択的に設定するテープカットモード設定キー38 印刷指令データを入力するためのキーであり、その指令が発信されたことが判断されるとテープカットモード設定キー38の操作が判別される印刷指令キー37 キーデータ記憶領域39に印刷されないデータが残っているか否かを判断する判別処理S9 駆動ローラ9、サーマルヘッド5、「テープカット」の表示を行う表示部27を制御するCPU23 判別処理S9でデータが残っていると判断され、かつ、判別処理S10でテープカットモードが設定されていると判別された場合に、モータの移動ステップ数が所定量に達するまで、印刷を行い、所定量に達したときに、印刷動作を止めて表示部27に「テープカット」の表示を行い、判別処理S9でデータが残っていないと判断され、かつ、判別処理S12でテープカットモードが設定されていると判別された場合に、所定ステップ数に達するまで印刷テープを送り(S13,S14)、表示部27には「テープカット」の表示を行わないように制御する手段 判別処理S9でデータが残っていると判断され、かつ、判別処理S10でテープカットモードが設定されていないと判別された場合、データがなくなるまで印刷を行い、その後に判別処理S12でテープカットモードが設定されていないと判別され、印刷動作のみを行うこと を備えたテープ印刷装置 が記載されるものと認める。 5-3 対比判断 ここで、本件請求項1に係る発明と、甲第1号証のに記載される発明とを比較すると、甲第1号証の印刷指令キー37は、本件発明のプリンタ側に存在する指令を発信するキーであり、「第二指令発信手段」に相当する配置を有するものであり、データ作成装置側に存在する本件特許発明の「第一指令発信手段」の記載が甲第1号証に記載または示唆されるか否かはさておき、本件発明の「第一制御手段」は、印刷後にテープを「予め決められた量」送るフィード処理とテープをカットするカット処理とを選択的に行わせる構成であるのに対して、甲第1号証の発明では、印刷指令キーからの発信により、印刷終了後に送られる量は、印刷に要したステップ数を含めて送り量が所定となるもの、即ち、印刷後にテープを送る量は、「予め決められた量」ではなく、決められた量から現在のステップ数を減じた差分だけテープを送るものである。 したがって、両発明は、少なくても以下の点で相違している。 相違点 本件請求項1に係る発明の制御手段は、判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段により前記印刷データの印刷を行わせ、その印刷後、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせ、前記判別手段により印刷データが存在しないと判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段に印刷動作を行わせることなく、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせる第一制御手段を有するものであるのに対して、甲第1号証に記載される発明は、判別処理S9でデータが残っていると判断され、かつ、判別処理S10でテープカットモードが設定されていると判別された場合に、モータの移動ステップ数が所定量に達するまで、印刷を行い、所定量に達したときに、印刷動作を止めて表示部27に「テープカット」の表示を行い、判別処理S9でデータが残っていないと判断され、かつ、判別処理S12でテープカットモードが設定されていると判別された場合に、所定ステップ数に達するまで印刷テープを送り表示部27には「テープカット」の表示を行わないように制御する手段を有し、そのテープ送りが選択的であるとしても、その送り量は、予め決められた量ではない点 そして、参考資料を見ても、フィードカットの送り量として、予め決められた量を搬送させることが公知または周知とするものではなく、更に、このことを公知または周知とする客観的事実は認められない。 そして、本件請求項1に係る発明は、上記相違点の構成を有することにより、本件発明特有の効果を奏するものであり、本件請求項1に係る発明を同発明の構成の一部を開示しない甲第1号証に記載された発明とすることはできないと共に、同発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることもできない。 5-4 むすび 上述のとおり、異議申立人の提出した証拠及び理由によっては、本件請求項1に係る発明を取り消すことはできない。また、他に、本件請求項1に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 テープ印刷装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】入力された印刷データを記憶可能な記憶手段と、テープを搬送する搬送手段と、前記記憶手段に記憶された印刷データをテープ上に印刷する印刷手段と、テープを切断するカット手段とを有するプリンタと、そのプリンタに外部接続され前記印刷データを前記記憶手段に入力するデータ作成装置とからなるテープ印刷装置において、 前記印刷手段による印刷の終了毎に自動的にテープをフィードカットさせるオートカットモードと、印刷終了後にフィードカットを行わないテープセーブモードとのいずれかを選択設定させるモード選択手段と、 テープの印刷を指令するために前記データ作成装置において所定の信号を発信して前記プリンタに送信する第一指令発信手段と、 前記プリンタに設けられたキースイッチから構成され、キースイッチの押下により信号を発信する第二指令発信手段と、 その第一指令発信手段または第二指令発信手段による信号を受けて、前記記憶手段内に印刷データが存在するか否かを判別する判別手段と、 前記モード選択手段による設定と前記判別手段による判別結果とに基づいて、前記印刷手段、搬送手段及びカット手段を制御する制御手段とを備え、 前記記憶手段は、前記データ作成装置における第一指令発信手段から所定の信号が前記プリンタに送信されたとき前記印刷データが入力されて記憶され、前記データ作成装置からクリア指令が前記プリンタに送信されたとき前記記憶された印刷データが消去され、 更に、その制御手段は、 前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段により前記印刷データの印刷を行わせ、その印刷後、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせ、前記判別手段により印刷データが存在しないと判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段に印刷動作を行わせることなく、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせる第一制御手段と、 前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、テープセーブモードに設定されている場合、前記印刷手段による前記印刷データの印刷のみ行わせる第二制御手段とを備えたことを特徴とするテープ印刷装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、印刷媒体としてのテープを切断するカット手段を有するテープ印刷装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、ロール紙等の長尺物に印刷を行い、印刷が行われた部分だけを切り離して1枚の印刷物を作成する、カット機構を備えた印刷装置、例えば、ファクシミリやテープ印刷装置等が知られている。 【0003】 そして、よく行われる処理動作としては、所望のデータを印刷する印刷処理と、前回印刷された書類(ラベル)を入手するためや、印刷に失敗した用紙(テープ)を取り除いたり、用紙(テープ)の先頭を揃える等のために行われるフィードカット処理とがある。 【0004】 フィードカット処理とは、用紙(テープ)を現在ある状態から所定距離だけ搬送し、その後カット機構による用紙(テープ)カットを行うものであり、又、前出の印刷処理の後に続けてこのフィードカット処理を行わせるのが常である。 【0005】 そのため、このようなカット機構を備えた印刷装置には、印刷動作を行ったら、印刷動作終了後に自動的にカット機構を駆動させるオートカットモードを設定できるものが存在する。例えば、あるテープ印刷装置のオートカットモードは、オートカットモードONの場合、印刷動作終了後に25mmテープ送りを行い、その後、カット機構を駆動してテープカットを行う。尚、オートカットモードOFFの場合は、印字動作が終了した状態で停止する。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、以上のカット手段を有する印刷装置においては、各々の機構を動作させるために多数のキースイッチ等、例えば、データを印字するための印字指令キーと、用紙(テープ)を排出するための排出指令キーと、用紙(テープ)カットを行わせるカットキー等との複数のキーが必要であった。そして、このキースイッチのため、印刷装置の小型化が妨げられ、コスト的にも負担が掛かっていた。 【0007】 また、ホストコンピュータ等により、外部からこれら印刷装置の機構をコントロールする場合にも、同様に、各機構の動作を規定した多数の指令信号をホストコンピュータ等において必要としていた。 【0008】 更に、印刷装置に所望の動作をさせるには、これらのキーの押下や指令信号を組み合わせて、細かに動作を指定しなければならず、その指定の為に従来の印刷装置はオペレータにキー操作等の負担を掛けていた。 【0009】 本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、本発明によれば、印刷指令と排出指令とカット指令とをデータ作成装置からの1つの指令又はプリンタの1つのキー押下で実現することが出来ると共に、その1つの指令又は1つのキー押下の時におけるプリンタのモード選択や印刷データの存否の状況により多様な用途に対応した動作を行わせることが可能なテープ印刷装置を提供することを目的としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために本発明のテープ印刷装置は、入力された印刷データを記憶可能な記憶手段と、テープを搬送する搬送手段と、前記記憶手段に記憶された印刷データをテープ上に印刷する印刷手段と、テープを切断するカット手段とを有するプリンタと、そのプリンタに外部接続され前記印刷データを前記記憶手段に入力するデータ作成装置とからなるテープ印刷装置において、前記印刷手段による印刷の終了毎に自動的にテープをフィードカットさせるオートカットモードと、印刷終了後にフィードカットを行わないテープセーブモードとのいずれかを選択設定させるモード選択手段と、テープの印刷を指令するために前記データ作成装置において所定の信号を発信して前記プリンタに送信する第一指令発信手段と、前記プリンタに設けられたキースイッチから構成され、キースイッチの押下により信号を発信する第二指令発信手段と、その第一指令発信手段または第二指令発信手段による信号を受けて、前記記憶手段内に印刷データが存在するか否かを判別する判別手段と、前記モード選択手段による設定と前記判別手段による判別結果とに基づいて、前記印刷手段、搬送手段及びカット手段を制御する制御手段とを備え、前記記憶手段は、前記データ作成装置における第一指令発信手段から所定の信号が前記プリンタに送信されたとき前記印刷データが入力されて記憶され、前記データ作成装置からクリア指令が前記プリンタに送信されたとき前記記憶された印刷データが消去され、更に、その制御手段は、前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段により前記印刷データの印刷を行わせ、その印刷後、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせ、前記判別手段により印刷データが存在しないと判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段に印刷動作を行わせることなく、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせる第一制御手段と、前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、テープセーブモードに設定されている場合、前記印刷手段による前記印刷データの印刷のみ行わせる第二制御手段とを備えている。 【0011】 【0012】 【0013】 【0014】 【作用】 上記の構成を有する本発明のテープ印刷装置において、記憶手段はデータ作成装置から入力された印刷データを記憶し、第一指令発信手段は所定の指令信号をデータ作成装置から発信する。モード設定手段は、オペレータにオートカットモードとセーブモードとのいずれかを選択設定させる。 【0015】 プリンタは、前記第一指令発信手段からの指令信号を受信するか、又はプリンタに設けられたキースイッチの押下により発信された信号を受けると、判別手段により、記憶手段内に未印刷データが存在するか否かが判断される。そして、前記判別手段による判断結果と前記モード選択手段による設定とに基づいて、印刷手段,搬送手段及びカット手段を制御する。 前記記憶手段は、前記データ作成装置における第一指令発信手段から所定の信号が前記プリンタに送信されたとき前記印刷データが入力されて記憶され、前記データ作成装置からクリア指令が前記プリンタに送信されたとき前記記憶された印刷データが消去される。 更に、その制御手段の第一制御手段は、前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段により前記印刷データの印刷を行わせ、その印刷後、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせ、前記判別手段により印刷データが存在しないと判別され、且つ、オートカットモードに設定されている場合、前記印刷手段に印刷動作を行わせることなく、前記搬送手段によりテープを予め決められた量搬送させるとともに、カット手段によりテープのカットを行わせる。また、制御手段の第二制御手段は、前記判別手段により印刷データが存在すると判別され、且つ、テープセーブモードに設定されている場合、前記印刷手段による前記印刷データの印刷のみ行わせる。 【0016】 このように、データ作成装置が1つの指令である所定の信号をプリンタに発信するか、又はプリンタの1つのキーを押下するだけで、プリンタは自動的にモード選択や印刷データの存否の動作状況を判断して、その動作状況に応じた多様な動作を行う。 【0017】 【実施例】 以下、本発明を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。 【0018】 本実施例は、アルファベット文字や記号等の多数のキャラクタや図形のための有効データを入力して印刷用テープに印刷可能なテープ印刷装置に本発明を適用した場合のものである。 【0019】 図1に示すように、テープ印刷装置1は、文字や記号等を複数行分表示可能なCRTディスプレイ3とキーボード4と制御本体部5とを備えたデータ作成装置2と、このデータ作成装置2の制御本体部5に接続線Lで接続されたプリンター6とから構成されている。尚、CRTディスプレイ3とキーボード4とは、接続線を介して制御本体部5に夫々接続されている。そして、データ作成装置2により展開処理された文書データや各種指令信号が接続線Lを通してプリンタ6へ送信される。ここで、データ作成手段2は、本発明の第一指令発信手段に相当する。 【0020】 キーボード4には、アルファベットや数字や記号を入力する為の文字キー、スペースキー、リターンキー、カーソルを上下左右方向へ移動させるカーソル移動キー、印刷終了後のフィードカット処理の有無を設定するモード選択キーと、印刷文字のサイズを設定するサイズ設定キー、印刷文字の書体を設定する書体設定キー、各種の編集機能キー、印刷を実行する印刷キー等が設けられている。 【0021】 又、プリンター6には、その上面に、プリンター6の電源キー6aと、印刷用テープ8のフィードカットを行わせたり、印刷を実行させる等の様々な動作を実行させるファンクションキー(以下、Fキーと称する。)6bとの2つのキースイッチ60が設けられている。このFキー6bは、本発明の第二指令発信手段に相当する。本実施例のフィードカットは、印刷用テープ8を25mm送った後にテープカットを行うものである。又、プリンター6の側面にはカセットカバー7が開閉可能に取り付けられており、カセットカバー7を開放することで、後述する印刷機構PMへテープ収納カセットCSを装着することが出来る。 【0022】 次に、図2に基づいて、プリンター6に内蔵された印刷機構PMについて簡単に説明すると、印刷機構PMに着脱自在に矩形状のテープ収納カセットCSが装着されており、このテープ収納カセットCSには、透明なフィルムからなる幅約24mmの印刷用テープ8が巻装されたテープスプール9と、インクリボン10が巻装されたリボン供給スプール11と、このインクリボン10を巻取る巻取りスプール12と、印刷用テープ8と同一幅を有する両面テープ13が剥離紙を外側にして巻装された供給スプール14と、これら印刷用テープ8と両面テープ13とを接合させる接合ローラ15とが回転自在に設けられている。 【0023】 印刷用テープ8とインクリボン10とが重なる位置には、サーマルヘッド16が立設され、これら印刷用テープ8とインクリボン10とをサーマルヘッド16に押圧するプラテンローラ17と、印刷用テープ8と両面テープ13とを接合ローラ15に押圧する送りローラ18とは、プリンター6のフレームに回動自在に枢着された支持体19に回転可能に枢支されている。このサーマルヘッド16には、128個の発熱素子からなる発熱素子群が上下方向に列設されている。 【0024】 従って、テープ送りモータ50(図3参照)の所定回転方向への駆動により接合ローラ15と巻取りスプール12とが所定回転方向に夫々同期して駆動されながら発熱素子群に通電されたとき、印刷用テープ8上には複数のドット列により文字が印刷され、しかも印刷用テープ8は両面テープ13を接合した状態でテープ送り方向Aにテープ送りされ、図1に示すように、プリンター6の外部に送り出される。尚、印刷機構PMの詳細については、特開平2-106555号公報に開示された公知の印刷機構と同様であるのでその説明を省略する。 【0025】 尚、接合ローラ15及びテープ送りモータ50が本発明の搬送手段に相当し、サーマルヘッド16が本発明の印刷手段の主体をなす。 【0026】 ここで、前記テープ収納カセットCSとして、テープ幅が6mm、9mm、12mm、18mm、24mmの印刷用テープ8を収納した5種類のカセットCSが準備されており、これらテープ収納カセットCSの底部壁には、第1突出片〜第3突出片20〜22のうちの何れかの突出片が組合せて設けられている。そして、プリンター6のフレームには、これら第1突出片〜第3突出片20〜22の有無を夫々検出する為のフォトインタラプタからなるテープ幅センサ53(図3参照)が取付けられている。 【0027】 また、印刷用テープ8の送り方向に沿ってサーマルヘッド16の下流側であるラベル排出孔23の近傍には、本発明のカット手段に相当するカッタ機構65が配設されている。このカッタ機構65は公知のハサミと同様に構成されており、固定刃66と可動刃67とからなる。この可動刃67は枢支軸68を中心として回動する回動レバー69に固着されており、また、回動レバー69はギヤ機構70を介してDCモータ71の駆動軸71Aに固着されたピニオン72と連結されている。 【0028】 これより、可動刃67はDCモータ71の駆動軸71Aの正逆回転に伴いピニオン72、ギヤ機構70、回動レバー69を介して、枢支軸68を支点として開閉するものであり、かかる開閉動作に伴い固定刃66と協働して作成されたラベル25を切断するものである。前記サーマルヘッド11による印刷位置とカッタ機構65による切断位置との間は距離nだけ離れている。この距離nをヘッド・カッタ間距離nとする。本実施例ではn=25mmである。 【0029】 次に、テープ印刷装置1の制御系は、図3のブロック図に示すように構成されている。 【0030】 先ず、データ作成装置2の制御系について説明すると、キーボード(K/B)4と、CRTディスプレイ(CRTD)3に表示データを出力する為の表示用RAMを有するCRTディスプレイコントローラ(CRTC)30と、制御本体部5に設けられたフロッピーディスクドライブ(FDD)31の為のフロッピーディスクドライブコントローラ(FDC)32とは、制御本体部5に設けられた制御装置C1の入出力インターフェース(入出力I/F)36に夫々接続されている。 【0031】 制御装置C1は、CPU33と、このCPU33にデータバス等のバス38を介して接続された入出力インターフェース36と、通信用インターフェース(I/F)37と、ハードディスクを装着したハードディスクドライブ装置(HDD)34の為のハードディスクドライブコントローラ(HDC)35と、RAM40とから構成されている。 【0032】 前記ハードディスクには、多数のキャラクタの各々に関して、表示の為のドットパターンデータがコードデータに対応させて格納された表示パターンデータメモリ、キャラクタを印刷する為に多数のキャラクタの各々に関して、キャラクタの輪郭線を規定する輪郭線データ(アウトラインデータ)が書体(ゴシック系書体、明朝系書体等)毎に分類されコードデータに対応させて格納されたフォントメモリ、キーボード4から入力された文字や数字や記号等のキャラクタのコードデータに対応させてCRTディスプレイコントローラ30を制御する表示駆動制御プログラム、RAM40のテキストメモリ41の各コードデータに対応するアウトラインデータからドットパターンデータに変換処理してプリンター6に出力するイメージ展開制御プログラム等が格納されている。 【0033】 前記RAM40のテキストメモリ41には、キーボード4から入力された文書のデータが格納される。印刷フォーマットメモリ42には、設定された文字サイズのデータや書体番号のデータなど複数の印刷フォーマット情報が格納される。印刷バッファ43には、イメージ展開された文字や記号の印刷用ドットパターンデータが格納される。ワークメモリ44には、データ処理する上で必要なデータが一時的に格納される。 【0034】 次に、プリンター6の制御系について説明すると、サーマルヘッド16を駆動する為の駆動回路52と、テープ送りモータ50を駆動する為の駆動回路51と、DCモータ71を駆動するための駆動回路73と、テープ幅センサ53と、キースイッチ60とは制御装置C2の入出力インターフェース(入出力I/F)57に夫々接続されている。 【0035】 制御装置C2は、CPU54と、このCPU54にデータバスなどのバス59を介して接続された入出力インターフェース(入出力I/F)57と、通信用インターフェース(I/F)58と、ROM55と、RAM56とから構成されている。尚、RAM56が本発明の記憶手段に相当する。 【0036】 前記ROM55には、データ作成装置2から送信されたドットパターンデータに基づいてサーマルヘッド16やテープ送りモータ50等を駆動する印刷駆動制御プログラム、データ作成手段2若しくはキースイッチ60により受けた指令に基づいて各部機構を制御するプログラム等が格納されている。 【0037】 前記RAM56には、通信用インターフェース58を介して、データ作成装置2から送信されたドットパターンデータを受信する受信バッファ56a、その受信したデータを格納するイメージバッファ56b、CPU54で演算した演算結果を一時的に格納する為の各種のメモリ、各部の動作状態を示すフラグ及びポインタ等が設けられている。 【0038】 次に、データ作成装置2の制御装置C1で行なわれるテープ印刷制御のルーチンについて、図4及び図5の概略フローチャートに基づいて説明する。尚、図中符号Si(i=10、11、12・・・・)は各ステップである。 【0039】 電源が投入されると、この制御が開始され、アルファベットキーや記号キーや数字キー等の印刷可能キーが操作されたときには(S10・S11:Yes)、入力されたコードデータを文書データとしてRAM40のテキストメモリ41に格納する文書データ入力処理が実行されにとともに、そのコードデータに対応するキャラクタをCRTディスプレイ3に表示する表示処理が実行され(S12)、S10に戻る。例えば、文書データとして、ラベル印刷用の文書データ「Thomas JEFFERSON」が入力されたときには、この文書データがテキストメモリ41に格納され且つCRTディスプレイ3に表示される。 【0040】 次に、サイズ設定キーや書体設定キーや各種の編集キーが操作されたときには(S10:Yes、S11:No、S13:No、S15:NO)、文字サイズデータや書体番号データ等の印刷フォーマット情報がRAM40の印刷フォーマットメモリ42に格納される等、操作されたキーに対応する処理が実行され(S17)、S10に戻る。 【0041】 S10において、排出キーが操作されたときには(S11:NO、S12:YES)、プリンター6に後述のファンクション処理(図7参照)を行わせる所定のファンクション指令信号をプリンター6に送信して、S10に戻る。 【0042】 次に、上記データ「Thomas JEFFERSON」の印刷を選択して、印刷キーが操作されたときには(S10:Yes、S11:No、S13:Yes)、印刷処理制御(図5参照)が実行される(S14)。 【0043】 この制御が開始されると、テキストメモリ41に格納されている1枚目のラベルの文書データ(「Thomas・・・」)の各文字や記号について、印刷フォーマットメモリ42に格納されている印刷フォーマット情報に基づいて、フォントメモリからアウトラインデータが読出される。その一方、設定された文字サイズとなるように拡大又は縮小して、ドットパターンに展開処理される。そして、展開処理されたドットパターンデータが印刷バッファ43に格納される(S20)。 【0044】 上記イメージ変換処理が完了すると、通信用インターフェース37と接続線Lとを介してプリンター6に動作状況通知指令を送信し、プリンター6から内部機構各々の動作状況を送信させる(S21)。受信した動作状況に異常がなく、動作可能であれば(S22:NO)、先のドットパターンデータが通信用インターフェース37と接続線Lとを介してプリンター6に送信される(S23)。一方、プリンター6に異常が発生していたり、印刷処理稼働中であるときは(S22:YES)、CRTディスプレイ3にその理由を表示し、その異常等が解消されるか、前の印刷処理が終了するまでそのまま待機する。 【0045】 ラベル1枚分のドットパターンデータが送信されると、次にファンクション指令信号をプリンター6に送信する(S24)。その結果、プリンター6の後述するファンクション処理により、その文書データが印刷用テープ8に印刷される。そして、印刷用テープ8が所定量だけ送給された後、カッタ機構65で切断され、ラベル「Thomas JEFFERSON」が完成する。 【0046】 この作成されたラベル以外にも、テキストメモリ41に次のラベルの文書データが存在するときは(S26:YES)、S20〜S26の処理工程を繰り返す。他に文書データが無くなったら(S26:NO)、この制御を終了して、テープ印刷制御のS10にリターンする。 【0047】 次に、プリンター6の制御装置C2で行われるテープ印刷制御のルーチンについて、図6及び図7の概略フローチャートに基づいて説明する。 【0048】 電源が投入されると、この制御が開始され、まず、RAM56の受信バッファ56a,イメージバッファ56bをクリアする等のテープ印刷制御に関わるデータを初期化する(S30)。そして、プリンター6に備えられたキースイッチ60の何れかの押下があるか否かを検知する(S31)。 【0049】 キー入力があり(S32:NO)、そのキーがFキー6bであると検知された場合には(S33:YES)、図6に示すファンクション処理を行う(S35)。その処理が終了するとS36へ移行する。 【0050】 S32において検知されたキー入力がFキー6bでないときには、押下されたキーに対応する処理を行う(S34)。例えば、オートカットモードの切換え等である。本実施例のプリンター6は、印刷の終了毎に自動的にテープをフィードカットさせるオートカットモードと、印刷終了後にフィードカットを行わないテープセーブモードとのいずれかを選択設定できる。キーボード4のモード選択キーを押下することで、この2つのモードを切り換えられる。このとき、キーボード4のモード選択キーと上記処理工程のS34とがモード選択手段に相当する。このような各種キーに対応する処理が終了するとS36へ移行する。 【0051】 キー入力が無ければ(S32:YES)、データ作成装置2から送られるデータの受信受けの状態になる(S36)。 【0052】 データを受信し(S36、S37:NO)、そのデータがラベルのドットパターンからなる文書データである場合には(S38:YES)、受信した文書データをRAM56のイメージバッファ56bに順次格納する(S42)。格納したらS31に戻って再びキースイッチ60からの押下があるか検知する。 【0053】 S38において受信したデータがイメージデータでなかった場合、そのデータがファンクション指令(F指令)であるか否かを判断する(S39)。F指令であれば(S39:YES)、図7に示すファンクション処理が行われ(S41)、イメージバッファ56bに蓄えられた文書データを印刷用テープ8に印刷したり、印刷用テープ8をフィードカットしたりする。処理が完了すると、S31に戻る。 【0054】 S39において、F指令で無い場合には、データ操作や印刷動作設定、プリンター6の各部機構の駆動等の、受信した各々の指令に応じた動作を行う(S40)。例えば、動作状況通知指令を受けたなら、現在の印刷処理状況や各機構の異常等のプリンター6の動作状況を返信する。また、メモリクリア指令を受けると、RAM56中の文書データを消去する。指令による各動作が完了した後は、S31に戻る。 【0055】 S35もしくはS41におけるファンクション処理は、図7のフローチャートに示されるように、先ず、文書データがRAM56のイメージバッファ56bに存在するか否かを判断する(S50)。文書データが存在するならば(S50:YES)、印刷処理を行う(S51)。印刷処理は、イメージバッファ56bに格納されているイメージデータを順に1ラインずつ、サーマルヘッド16にて印刷用テープ8に印刷して行く。印刷処理終了後には、前記S34にて設定された印刷後のフィードカット処理に関するモード設定が、オートカットモードであるか否かが判別される(S52)。一方、RAM56のイメージバッファ56bに文書データが無い場合(S50:NO)もS52へ移行し、モード設定がどうであるかを判別する。 【0056】 モード設定がオートカットモードであるならば(S52:YES)、テープ送りモータ50により25mmのテープ送りをし、その後に、DCモータ71を駆動させてテープカットを行う、いわゆるフィードカット処理を行う(S53)。フィードカットを行った後はファンクション処理を終了し、図6のフローチャートに戻る。一方、モード設定がテープセーブモードであるならば(S52:NO)、フィードカット処理を行わずに図6のフローチャートに戻る。 【0057】 尚、上記処理工程のS50及びS52が本発明の判別手段に相当し、上記処理工程のS50乃至S53が本発明の制御手段に相当し、特に、上記処理工程のS50:YES,S51,S52:YES及びS53の流れと、処理工程のS50:NO,S52:YES及びS53の流れとが本発明の第一制御手段としての作用を果たし、処理工程のS50:YES,S51,S52:NOの流れが本発明の第二制御手段としての作用を果たす。 【0058】 以上、説明したように、本実施例のプリンター6は、同一のキー操作及び同一の指令信号を受けても、その時々における文書データの有無に基づいて、オペレータの意図を察知する図7のファンクション処理ルーチンにより、要望される動作を行う。 【0059】 このように、1つのキーで印刷・テープ送り・テープカットを指令できるので、オペレータはキー操作に迷うことなく押下することが出来る。その上、プリンター6の構造が複雑になることなく、それと共に、製造コストも抑えられる。 【0060】 同様に、データ作成装置2等の外部機器からプリンター6へ、印刷・テープ送り・テープカットを指令するときも1つの指令信号で賄うことが可能になるため、外部機器中のプリンター制御プログラムが複雑になることがなく、通信上の機構(インターフェース37,58、接続線L等)も簡略化できる。また、指令信号が単純化されることで、インターフェイス37,58や通信上の伝送不良から生じる動作異常が防止できる。 【0061】 【発明の効果】 以上説明したことから明かなように、本発明のテープ印刷装置は、印刷指令と排出指令とカット指令とをデータ作成装置からの1つの指令又はプリンタの1つのキー押下で実現することが出来ると共に、その1つの指令又は1つのキー押下の時におけるプリンタのモード選択や印刷データの存否の状況により多様な用途やモード設定に対応した動作を行わせることが可能なプリンタを提供することが出来、それにより、外部コンピュータの指令信号またはプリンタのキー入力機構を簡略化でき、また、オペレータの操作負担を軽減することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 テープ印刷装置の斜視図である。 【図2】 印刷機構の概略平面図である。 【図3】 テープ印刷装置の制御系のブロック図である。 【図4】 データ作成装置におけるテープ印刷制御のルーチンの概略フローチャートである。 【図5】 データ作成装置における印刷処理制御のルーチンの概略フローチャートである。 【図6】 プリンターにおけるテープ印刷制御のルーチンの概略フローチャートである。 【図7】 プリンターにおける印刷処理制御のルーチンの概略フローチャートである。 【符号の説明】 1 テープ印刷装置 2 データ作成装置 4 キーボード 6 プリンター 8 印刷用テープ 15 接合ローラ 16 サーマルヘッド 50 テープ送りモータ 54 CPU 55 ROM 56 RAM 60 キースイッチ 65 カッタ機構 C2 制御装置 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2004-12-03 |
出願番号 | 特願平6-24002 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(B41J)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 水野 治彦 |
特許庁審判長 |
粟津 憲一 |
特許庁審判官 |
寺本 光生 鈴木 公子 |
登録日 | 2003-05-09 |
登録番号 | 特許第3426683号(P3426683) |
権利者 | ブラザー工業株式会社 |
発明の名称 | テープ印刷装置 |
代理人 | 武藤 勝典 |
代理人 | 武藤 勝典 |