• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 無効とする。(申立て全部成立) H05B
管理番号 1115738
審判番号 無効2003-35391  
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-04-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-09-19 
確定日 2004-06-10 
事件の表示 上記当事者間の特許第3008904号発明「組み込み式誘導加熱調理器」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3008904号の請求項1ないし3に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3008904号に係る発明についての出願は、平成9年10月9日に特許出願され、平成11年12月3日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、平成14年11月20日に無効審判(無効2002-35538号)の請求がされ、平成15年3月25日に訂正請求がなされ、平成15年6月27日に、訂正を認めて、上記無効審判の請求は成り立たないとする審決がなされ、同審決は平成15年8月8日に確定した。
本件は、その後請求人三菱電機株式会社より平成15年9月19日付けで、無効審判の請求がなされたものであり、別途本件特許に対しリンナイ株式会社により請求されていた無効2003-35295号と、本件との審理を併合し、平成15年10月30日に第1回口頭審理及び証拠調べを行い、その際、無効2003-35295号の請求人が参考物件1として提出した「ドロップインコンロ「型式:RBG-30Y2」」を職権で検証し、口頭審理において、職権による証拠調べの結果が告知され、合議体より60日間の期間を指定して、被請求人に答弁の提出を命じ、さらに、合議体より意見書の提出期間を60日とした無効理由を通知し期間を60日として意見を述べる機会を与えた。その後、平成16年1月5日に被請求人より答弁書及び意見書が提出され、平成16年2月16日に第2回口頭審理を行い、前記2つの無効審判の審理を分離し、同日第3回の口頭審理が行われた。

2.請求人の求めた審判
請求人の求めた審判の概要は、以下のとおりである。
2-1 証拠
請求人は、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の重心がトッププレートの前後方向の中心線よりも前方向に位置した構成であることを説明するために、
甲第1号証の1として、松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーターの現物代用写真を提出するとともに、
甲第1号証の2として、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーターの構成部材の配置、寸法、重量」と表題される紙葉を提出し、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」がシステムキッチン用ビルトインタイプのIHクッキングヒーター(流し台、調理台等への組み込み式の誘導加熱調理器)であること及び本件特許の出願前に製造販売されたものであることを立証するために、
甲第1号証の3として、「National 炊飯機器・電化調理器具 ’95/4 の総合カタログ」を提出し、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」が本件特許の出願前に製造販売されたものであること立証するために、
甲第1号証の4として、1995年2月14日付け電波新聞を提出し、加えて、
本件特許に係る出願の出願前に頒布された刊行物に記載された発明を立証するために、
甲第2号証として特開平3-114190号公報
甲第3号証として実願昭56-54300号(実開昭57-166005号)のマイクロフィルム
甲第4号証として実公平7-28484号公報
を提出して、概略以下の主張をなしている。

2-2 無効理由1
本件請求項1ないし3に係る発明は、2-2-1〜3の理由により、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」に係る発明、および甲第2ないし4号証に記載された発明に基づいて、それぞれ当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、上記請求項1ないし3に係る本件特許は同法第123条第1項第2号により、いずれも無効とすべきである。

2-2-1 請求項1に係る発明について、
「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」は、本件に係る出願の出願前に販売されたものであり、上面を覆うようトッププレートが装着され内部に加熱コイルを配置した上本体ケースと、ロースターを配置した下本体ケースとを一体的に組み立てた本体を具備し、本体の重心がトッププレートの前後方向の中心線より前方向に位置している組み込み式の誘導加熱調理器である。
請求項1に係る発明と「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」に係る誘導加熱調理器とを比較すると、請求項1に係る発明は本体が本体ケースの上方にプレート部が装着され一体化されているのに対し、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」は、本体がトッププレートが装着され一体化された上本体ケースと下本体ケースとに分かれ、加熱コイルとロースター部をそれぞれの本体ケースに配設している点でのみ相違し、その他の点で一致する。
ところが、本件請求項1に係る発明は、組み込み式の誘導加熱調理器の組み込み手順を何ら特定していないし、組み込み式の誘導加熱調理器の「一体化構成」をどのような具体的構造によりなし得たかの記述もなく、組み込み式の誘導加熱調理器を一体化構成とするために特別な構成を採用したものでもなければ、組み込み式の誘導加熱調理器の重心を前方に位置させるために特別な構成を採用したものでもない。
そして、甲第2号証には、厨房器具に組み込んで使用する電磁誘導を利用した加熱調理器において、本体を上本体と下本体に分けているものを、一つの本体に全てを組み込んだ形体とすることが記載されており、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」において、上下本体ケースを一つの本体構成とすることは、当業者が容易に成し得る事項である。
さらに、甲第3号証には、本体とトッププレートを予め一体化構成とし、流し台(カウンター)の上面開口部から落とし込むようにすることが開示され、甲第4号証には、調理台(カウンター)の開口2に嵌め込まれるドロップインコン口が開示されている。しかも、組み込み式加熱調理器は、加熱源がガスバーナであっても誘導加熱であっても、一般には規格化された共通のシステムキッチン(流し台、調理台、カウンター等)に適応できるような外郭形状を有することは明らかであるから、組み込み式加熱調理器において、流し台にその上面開口部へ前側を傾けて落とし込むようにする組み込み方法は周知の技術であり、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の本体を一体化し、甲第3号証、甲第4号証に記載された方法にて組み込むようにすることは、当業者ならば容易に推考できるものである。
また、一体に構成して流し台の上面開口部から落とし込むように組み込むために、本体の外形寸法を甲第3号証に記載されているように適宜調整することは、当業者が容易になし得る設計的事項である。

当審からの「本件は、中央より若干前方(中央近傍)に重心のあるものを排除しているか、全明細書の記載中に、若干前方のものを排除する記載はあるか」との求釈明事項2に関して、普通に考えれば、重心が後方に位置するものを排除してはいるものの、重心が中央より若干前方にあるものまで排除しているとは言えない。

当審からの「本件明細書に重心に関する記載として、重心を前にするための具体的構成(除く 重心の位置を前にする旨の記載)はあるか」との求釈明事項6に関して、本件特許明細書からはこれらの記載がまったく確認できず、結局、重心を中心線より前方向に特定するための具体的構成の記載はない。

2-2-2 請求項2に係る発明について
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、保持部材をプレート部の対辺に備え、本体重心を保持部材より前方向に位置させたことを特徴とするものである。
しかしながら、甲第4号証には、ドロップインコンロの器体の左右ほぼ中央部の対辺する位置に取っ手を配置した構成が開示され、しかも、この取っ手は調理台(カウンター)の上面開口に器体を嵌め込むとき、器体を持ち上げると同時に器体を傾けるために使われる。したがって、器体を前方に傾けるときに器体自体の重量配分は取っ手を中心にして当然に考慮されるべきことであり、作業性を容易にするために、取っ手より前方向に重心を配置させるようなことは、当然に当業者なら容易に想到し得ることに過ぎない。したがって、プレート部対辺に重心位置を考慮して保持部材を設けることに格別な困難性はなく、当業者が容易に想到し得たものである。

2-2-3 請求項3に係る発明について
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、保持部材を着脱自在に掛止されたことを特徴としている。
しかしながら、甲第4号証において、取っ手を器体の対辺に設けた構成が開示されており、一般に器体に取り付けた取っ手を必要に応じ着脱自在とするようなことは周知の技術手段であるので、「保持部材を着脱自在に掛止された」構成とすることは、当業者が必要に応じて適宜考え得る単なる設計的事項に過ぎないものである。

なお、第1回口頭審理の場において、本件明細書が不備である旨の主張は、撤回され、本件特許明細書の記載では、発明を実施する場合の形態を開示しているが、重心の位置を所期のものとするため、機器の配置・機器の重量等を変更することに係る技術は、何等記載されておらず、図1に示された誘導加熱調理器で、「プレート部の前後方向Aの中心線より本体重心を前方向に位置させた」と説明しただけで、どのようにしたら重心を前方向に位置させることができたのかが一切記載されていない。このことは、「前記プレート部の前後方向の中心線よりその重心を前方向に位置させてなる」ことが、明細書に記載されていなくてもすむ程度に容易な事項であることの証左である旨主張された。

3.被請求人の主張概要(請求人の主張に対して)
第1回口頭審理、第2回口頭審理において、被請求人は、請求人が証拠としている「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」については、検証、証人尋問を待たないでも自社製品であるから、反論は可能であるとして、
(1)「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」が、自社製品であるので、本件に係る出願前に販売されていた事実は認める、
(2)「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」が、上本体ケースと下本体ケースとが別体となっており、上本体ケース及び下本体ケースそれぞれの部分の重心は、トッププレートの前後方向の中心線より前に位置していたことは認める、
(3)請求項1が、中央に対して重心の位置を特定しているのは、中央を持つことが通常であるから技術的意味がある、
と述べた上で、以下の主張をなしている。

(「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明と本件発明との相違点1)
本件発明は、「本体ケースの上方にプレート部が装着され、かつ、前記本体ケース内に加熱コイル及びロースター部が配設される」一体化構成を有するものであるのに対し、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」は、「上本体ケース内に加熱コイルが配設され、下本体ケースの底面上にロースター部が装着され」ており、本件発明の要件とする上記「一体化構成」を有しない点において相違する。
(「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明と本件発明との相違点2)
「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」は、上本体ケースと下本体ケースとを組み合わせて一体化した状態で流し台の上面開口に組み込めず、本件発明がその効果を奏する前提とする「一体化構成された状態で、流し台の上面開口に組み込む」という手順で組み込みを行うことが不可能である点において、本件発明と相違する。
そして、甲第2号証に記載された発明は、「上本体と下本体とに分けている本体を一つの本体として全てを組み込んだ形体にしてもよい」ことが記載されているが、組み込む際の本体重心位置について何ら開示又は示唆するものではない。
したがって、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明は、「一体化構成された状態で、流し台の上面開口に組み込む」という手順で組み込みを行うことが、設計上、全く考慮されておらず、甲第2号証に記載された発明には「一体化構成」の具体構成の開示が全くないのであるから、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明に甲第2号証に記載された発明を適用しても、本件発明の有する「一体化構成」を具備したものにおいて、その重心を前方に移動すべく設計するのは当業者といえども容易ではない。
甲第3号証に記載されたドロップインコンロは、本件特許の「一体化構成」を有しておらず、甲第4号証に記載された発明は、ガス調理器において一体化構成された組み込み式調理器を、前側に傾けてカウンターの開口部に組み込むことは記載されているが、調理器の重心がどこにあるかまでは記載されていないとともに、組み込み式調理器の重心を前方となるように設計を行うことの開示又は示唆がなく、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の上本体と下本体とを何の設計的な配慮もなく単に組み合わせるだけでは、全重量が重くなること、機器の組立性又は流し台への組み込み性その他の作業の容易性等について考慮すれば、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の上下ユニットを別々に組込む構成に比して必ずしも有利になると推測できない。
さらに、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」は、たとえ上本体と下本体を組み合わせたとしても、本件発明における「一体化構成」を有する誘導加熱調理器の構成を具備するものとはいえず、本件発明とは内部部品の冷却条件や部品配置が大幅に異なる「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の上本体と下本体における重量分布は、本件発明における「一体化構成」とした場合の重心の位置を推定する論拠とはなり得ない。

「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」は、本件発明の要件とする「一体化構成」を有さず(相違点1)、流し台の開口部に組み込めるものでもない(相違点2)ので、その重心位置が、仮に前方に偏在するとしても、本件発明における一体化構成された誘導加熱調理器の重心位置を特定し、その作用効果を推考することは、当業者といえども困難であり、更に「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明に甲第3号証の一体化構成を適用したとしても、本体自体の形状の変更が余儀なくされ、かつその内部構成は、大幅に変更されるため、単純に上本体ケースと下本体ケースとを上下に重ねた状態とは、その重心位置が異なるものとなり、その重心位置を何処にするかを特定することは、当業者といえども容易ではないから、本件発明が「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明、甲第2号証ないし甲第4号証に記載された発明により、その新規性進歩性を否定されることはない。

なお、一体化構成を実現するには、本件特許明細書の図8を例にあげて説明すれば、当該図面における上本体ケースの底板をなくす等の対応が生ずるため、上本体ケースに載置していた部品を下本体に再配置する必要性等が発生し重心が後方に移動する。

したがって、本件各発明は請求人が提出した各証拠に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、無効とされるべきものではない。

4.無効理由通知の概要
第1回口頭審理(平成15年10月30日)の際に下記の無効理由を通知した。
証拠
・ハロゲンランプコンロ「RKT-30GH」の実施
・ガスバーナーによるドロップインコンロ「RBG-30Y2」の実施
・特開平5-251165号公報
・実公平7-28484号公報
・実願昭56-54300号(実開昭57-166005号)のマイクロフィルム
証拠について
ハロゲンランプコンロ「RKT-30GH」、ガスバーナーによるドロップインコンロ「RBG-30Y2」は、証人後藤邦彦の証言及び無効2003-35295の甲第12-1号証、甲第13-1号証及び参考資料1(平成15年10月9日付け上申書添付)として提出された「品質クレーム連絡書」の記載からみて、本件出願前に実施されたものと認める。
本件請求項1に係る発明と特開平5-251165号公報に記載された発明とを比較すると、本件発明がその重心位置を特定している点で相違し、残余の点で一致している。
そして、「RKT-30GH」は、その施工の状態においても、重心位置はやや前方にあり、「RBG-30Y2」は、重心位置が前方にあるとともに、ドロップインに際し、それを把持する位置で持ち上げたときにやや前方に傾いている。
そして、本件発明の中心からの重心位置の差によりやや前方に傾くものをも排除するものではないことを勘案すると、本件請求項1に係る発明は、特開平5-251165号公報及び「RKT-30GH」、「RBG-30Y2」に係る発明に基づいて当業者が容易にできたものと認める。
本件請求項2に係る発明について、実公平7-28484号公報に保持部材が記載されており、それらを組み合わせることによって、容易に成し得たものと認める。
本件請求項3に係る発明について、保持部材を着脱自在とすることは、広く各分野で行われている周知の事項である。
なお、請求項1に係る発明の判断を行うにあたり、全体としてドロップインで設置することそれ自体が、実願昭56-54300号のマイクロフィルム等にも示されているように、周知の事項であるので、それらを組み合わせることが可能である。

4-1 無効理由通知に対して被請求人の主張
「RKT-30GH」に係る発明について、「トップユニット」と「器体本体」とを固定ビスにより固定したものは、「プレート部の前後方向の中心線よりその重心を前方向に位置させてなる組み込み式電気加熱調理器」の構成を具備するが、この構成に特開平5-251165号公報に記載の発明に開示された上記技術思想「空気の流れを加熱室カバーの上に発生させる構成とする、加熱コイルの下方で鉄板でできた加熱室カバーの上に、略正方形のアルミ板が重ねられた構成とする」を適用して一体化構成された組み込み式誘導加熱調理器を実現するためには、「RKT-30GH」に係る発明に関わる加熱調理器の内部構成が大幅に変更されるので、その重心位置を維持したまま特開平5-251165号公報に記載の発明の一体化構成を実現することは、当業者といえども容易に想到できない。
逆に、特開平5-251165号公報に記載の発明に、「RKT-30GH」に係る発明の開示技術を適用したとしても、特開平5-251165号公報に記載の発明の上記のような開示技術だけでは、「RKT-30GH」に係る発明の構成をどのように適用して甲第1号証に記載された発明の重心を前方向に移動したらよいのかを推考することができず、当業者といえども特開平5-251165号公報に記載の発明に「RKT-30GH」に係る発明の技術思想を適用して本件発明を想到することも困難である。
特開平5-251165号公報に記載の発明に開示された組み込み式誘導加熱調理器の一体化構成に関する開示技術に対して、「RBG-30Y2」に係る発明において、「器体」に「天板」を載置した状態で、本体の重心が天板の前後方向の中心より前方向に位置している点、「器体」に取っ手が設けられ、それを把持する位置で持ち上げたときにやや前方に傾くことから、施工時に「器体」がやや前に傾くという点が開示されていたとしても、特開平5-251165号公報に記載の発明と「RBG-30Y2」に係る発明の構成部品点数及びその性質が全く異なるのであるから、「RBG-30Y2」に係る発明における上記開示技術をどのように適用すれば良いのかを推考することは当業者であっても容易にできることではない。
実願昭56-54300号のマイクロフィルムには、組み込む際に前面を下方向に傾けて組み込む、一体化構成されたドロップインコンロが記載されている。しかしながら、この実願昭56-54300号のマイクロフィルムに記載された発明に係るドロップインコンロは、ガスを加熱源とするものに過ぎず、本件発明に係わる誘導加熱調理器においては、冷却ファンモータや冷却フィン、インバータの構成部品など多数の重量部品及び熱に弱い部品が高密度に配置されており、実願昭56-54300号のマイクロフィルムに記載された発明の構成から、これらの重心位置をどこにするかを予測することなど、著しく困難である。
よって、本件特許請求項1に記載の発明は特開平5-251165号公報、「RKT-30GH」、「RBG-30Y2」及び実願昭56-54300号のマイクロフィルムに係る発明の構成と著しく相違するとともに、当業者といえども、各発明を組み合わせて、本件特許請求項1に記載の発明を想到することは極めて困難である。そして、その相違点により、本件特許特有の効果を奏するものであるから、無効理由通知で指摘された本件特許請求の範囲の請求項1に記載の発明に係る特許法第29条第2項の規定違反は解消される。
本件特許の特許請求の範囲の請求項2及び請求項3に記載の発明は、本件特許請求項1に記載の発明に従属しているので、当該請求項2及び請求項3に係る発明は、本件特許請求項1に記載の発明と同様、上記説明のように、特許性を有するものである。

5.当審の判断
5-1 本件特許に係る発明
本件特許に、平成14年11月20日に無効審判(無効2002-35538)の請求がされ、平成15年3月25日に訂正請求がなされ、平成15年6月27日に、訂正を認めて審決がなされており、同訂正請求により訂正された本件発明は、特許請求の範囲に記載された以下の事項により特定されるものである。

【請求項1】 外郭を構成する本体ケース及びその上面部を覆うプレート部を有する本体と、前記本体内に配設された加熱コイル及びロースター部とを備え、前記本体は、前記本体ケースの上方に前記プレート部が装着され一体化構成されるとともに、前記プレート部の前後方向の中心線よりその重心を前方向に位置させてなる組み込み式誘導加熱調理器。(以下、本件発明1という。)
【請求項2】 保持部材をプレート部対辺に備え、本体重心を前記保持部材より前方向に位置させてなる請求項1記載の組み込み式誘導加熱調理器。(以下、本件発明2という。)
【請求項3】 保持部材は、着脱自在に掛止されてなる請求項2記載の組み込み式誘導加熱調理器。(以下、本件発明3という。)

5-2 請求人が提出した証拠について
5-2-1-1 松下電器産業株式会社製「KZ-321A」形IHクッキングヒーターの実施
甲第1号証の3は、IHクッキングヒーターのカタログであって、このIHクッキングヒーター「KZ-321A」がシステムキッチン用ビルトインタイプ、つまり、流し台、調理台等への組み込み式の誘導加熱調理器であることを示している。さらに、このカタログには「このカタログの記載内容は1995年4月1日現在のものです」と記載されていることから松下電器産業株式会社製「KZ-321A」形IHクッキングヒーターなる組み込み式の誘導加熱調理器が1995年4月には発売されていたとすることが相当である。
また、甲第1号証の4は、1995年2月14日付けの電波新聞の抜粋であり、「松下電器はシステムキッチン用ビルトインタイプの「IHクッキングヒーター」三機種を四月三日から発売する。ロースター付き三口のKZ-321A(以下略)」の記載があり、同社が同品名の製品を同年4月に発売したとすることが相当である。
したがって、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」なる製品は、本件出願日(平成9年(1997年)10月9日)より前に販売されることにより、公然実施されたものと認める。

5-2-1-2 「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の構成について
甲第1号証の1には、「KZ-321A」及び「松下電器産業株式会社」の表示が示されており、甲第1号証の1、2を1995年4月には発売されていたと認める松下電器産業株式会社製「KZ-321A形IHクッキングヒーター」を表現するものとすることに対して、同ヒーターの製造者である被請求人が争いをなしていないことを勘案すれば、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」は、甲第1号証の1、2の構成を有するものと認められる。そして、第2回口頭審理において、被請求人は「「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」が、上本体ケースと下本体ケースとが別体となっており、上本体ケース及び下本体ケースそれぞれの部分の重心は、トッププレートの前後方向の中心線より前に位置していた。」と陳述しており、甲第1号証の1、2の示すところも同様であるので、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」は、「上本体ケース及び下本体ケースのそれぞれの重心は、トッププレートの前後方向の中心線より前に位置していた」ものと認める。

5-2-2 甲第2号証:特開平3-114190号公報
上記刊行物には、
「図において、1は上本体である。2は上本体1を支持している厨房家具の天面である。3は耐熱性の調理プレートで、外枠4によって固定されている。5a,5b,5cは誘導加熱コイルで、調理プレート3の下に設けており、このコイルによって調理プレート3にのせられた鍋(図示されていない)を電磁誘導加熱する。」(第2頁左上欄10行〜16行)、
「8は下本体である。9は下本体8を支持ナる厨房家具の粋である。10は横が長手方向になっているロースタ等の加熱室で、下本体8に取りつけられており、前面には、引き出しできる扉11が設けられている。」(第2頁左上欄19行〜右上欄3行)
「また、両実施例とも本体を上本体1と下本体8,21に分けているが一つの本体に全てを組み込んだ形体にしてもよい。」(第3頁右上欄3行〜6行)
が記載されている。
上記記載及び図面を参照すると、甲第2号証には、以下の発明が記載されている。
耐熱性の調理プレートを上面に設け、誘導加熱コイルを有する上本体と、ロースタ等の加熱室を設けた下本体で構成される組み込み形の電磁誘導加熱調理器において、本体を上本体と下本体に分けているものを一つの本体に全てを組み込んだ形体に設計してもよい。

5-2-3 甲第3号証:実願昭56-54300号(実開昭57-166005号)のマイクロフィルム
上記刊行物には、
「カウンター上面にトッププレートを有しカウンター前面に操作つまみ等を有するドロップインこんろにおいて、(中略)前記カウンター(1)の切込部(10)に本体(8)とトッププレート(2)を一体化して組込んだことを特徴とするドロップインこんろ」(明細書の実用新案登録請求の範囲)、
「このドロップインコンロのカウンターへの組み込みは、第1図に示す如く本体8とトッププレート2、五徳4、バーナ3とをそれぞれ別体とし、本体8は前面よりカウンター1下部へ挿入しトッププレート2、五徳4、バーナ3を上部より落し込み順次組付けながら一体化するものであった。この方法によると、本体8とトッププレート2、バーナ3部が、違った方向より結合するため寸法精度が出にくく、組立性が悪いという欠点があった。」(明細書第2頁3行〜12行)、
「本考案は上記の欠点を解消するためのもので、組立性に支障なく、作業性に優れたものであり本体とトッププレートを一体化したまま組み込める構造のドロップインこんろを提供することである。」(明細書第2頁16行〜20行)、
「カウンター1の切込部10の奥行中部11の寸法はトッププレート2の奥行中部12の寸法より小さく更にトッププレート2下部の本体8の奥行中部13の寸法とその前面に突出する操作つまみ6の操作軸9の突出部14の突出寸法との和よりも大となる如く設定し、前記カウンター1の切込部10に本体8とバーナ3、五徳4を装着したトッププレート2を一体化して組み込んだものである」(第3頁13行〜第4頁1行)、
「「カウンター1に順次組込んでいくのではなく事前に本体8とトッププレート2等を組立て一体化しその一体化したものをカウンター1の切込部10へ斜めに挿入する」(第4頁5行〜9行)
と記載されている。

5-2-4 甲第4号証:実公平7-28484号公報
上記刊行物には、
「従来のドロップインコンロでは、第4・5図に示すように、調理台(カウンター)1の開口2にドロップインコンロ3を嵌め込むのであるが、器体3の前面下部に前方に張り出した操作部4を有するため、器体3を傾けて嵌め込んでいくものであった。そして嵌め込んだ後は、器体3の上周緑のつば5がカウンター1上に乗って器体3を保持し」(第1頁右欄1行〜7行)、
「3はドロップインコンロの器体であり、上周縁につば5が形成されている。両側のつば5の器体3側面とカウンター間のすきまに面した適所には、後述する把手の一対の足が挿入される一対のスリット7が設けられている」(第2頁左欄26行〜30行)、
「ドロップインコンロの器体3のつば5のスリット7に把手8の足10を第2図に示すように係止部10bから挿入する。両方の足10が挿入されたあと把手8を立て、抜け止め部10cをペンチ等で折り曲げる」(2頁右欄2行〜5行)、
「これで把手8の手掛け部9bに手を掛けて持ち上げると、係止部10bがつば5の下面に係止し、器体3を持ち上げることができる」(第2頁右欄6行〜8行)、
「こうして両手で把手を握って器体3を持ち上げ、カウンター1の開口2に器体3を嵌め込むのである。このとき、器体3を傾けなければならないが、指先をつば5に引掛けているだけの従来よりも手のひら全体で把手を握っている方が力が入れやすく、一人でも作業ができる」
と記載されている。
さらに、第4図には、把手8がつば5の前後方向のほぼ中間部に位置して取り付けられていることが開示されている。

5-3 対比・判断
5-3-1 本件発明1について
本件発明と「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明とを比較すると、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明の「トッププレート」及び「組み込み形IHクッキングヒーター」は、本件発明1の「プレート」及び「組み込み式誘導加熱調理器」に相当するので、本件発明1と「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明とは次の一致点で一致し、相違点で相違する。
【一致点】
加熱コイル及びロースター部とを備え、ケースの上方にプレート部が装着された組み込み式誘導加熱調理器。

【相違点】
相違点1
本件発明1が「本体ケースの上方に前記プレート部が装着され一体化構成される」のに対し「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明は「上本体と下本体に分かれている」点。

相違点2
本件発明1が「本体ケースの上方に前記プレート部が装着され一体化構成されるとともに、前記プレート部の前後方向の中心線よりその重心を前方向に位置させてなる」のに対し「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明は、「上本体ケース、下本体ケースともに、プレート部の前後方向の中心線よりその重心を前方向に位置させてなる」点。

以下、相違点について検討する。
相違点1について
甲第2号証には、「耐熱性の調理プレートを上面に設け、誘導加熱コイルを有する上本体と、ロースタ等の加熱室を設けた下本体で構成される組み込み形の電磁誘導加熱調理器であり、本体を上本体と下本体に分けているものを一つの本体に全てを組み込んだ形体に設計してもよい。」旨記載されているので、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明に甲第2号証の発明を適用して、電磁誘導加熱調理器の上本体と下本体を一体化構成とすることは当業者が容易にできる。
被請求人は、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」は、「一体化構成された状態で、流し台の上面開口に組み込む」という手順で組み込みを行うことが、設計上、全く考慮されておらず、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」に甲第2号証の発明を適用しても、流し台の上面開口に組み込むことが出来ない旨主張しているが、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の上本体と下本体を一体化構成された状態で、流し台の上面開口に組み込むことはできないとしても、一体化構成された状態で、流し台の上面開口に組み込む方法は、甲第3号証及び甲第4号証に記載されているように組み込み式調理器においてはよく知られた技術であるから、この技術を適用する際に、本体ケースが開口部に当たればその部分を削るとか、本体ケースの大きさを小さくするとかして組み込めるように変更することは、当業者が容易にできる設計変更程度のものであるといわざるをえない。

相違点2について
上本体ケース、下本体ケースともに、トッププレートの前後方向の中心線よりその重心は前方向に位置するのであるから、上本体ケースと下本体ケースを普通に一体化すれば、一体化したものの重心はトッププレートの前後方向の中心線より前方向に位置することは明らかであり、また、上本体ケースと下本体ケースをずらせて一体化しなければならない特段の事情は無いと認められるので、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明に甲第2号証に記載された発明を適用し、上本体ケースと下本体ケースを普通に一体化すれば、一体化したものの重心はトッププレートの前後方向の中心線より前方向に位置することになるので、この点に格別の困難性があったとは認められない。
被請求人は、「一体化構成を実現するには、本件特許明細書の図8を例にあげて説明すれば、当該図面における上本体ケースの底板をなくす等の対応が生ずるため、上本体ケースに載置していた部品を下本体に再配置する必要性等が発生し重心が後方に移動する。」旨を述べているが、組み込み作業を容易にするために別体であった調理器を一体化するために上本体ケースの底板をなくさなければならないという特段の必然性は見つけられず、上本体ケースの底板を取り除いて部品を再配置するか、部品配置をそのままとして、組み込む際に取付口に当接する部分のケースの大きさや形状を変更するかは、当業者が適宜選択できたものと認められるので、一体化構成を実現するための被請求人の主張は採用することができない。
効果について、上本体ケース、下本体ケースともに、トッププレートの前後方向の中心線よりその重心は前方向に位置するのであるから、上本体ケースも下本体ケースもトッププレートの前後方向の中心を持つと手前に傾くことは当業者が施工時に実感できることであり、上本体ケースと下本体ケースを一体化すれば同様にトッププレートの前後方向の中心を持つと手前に傾くであろうことは、当業者が容易に推測できることである。
被請求人は、「「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」は、たとえ上本体と下本体を組み合わせたとしても、本件発明における「一体化構成」を有する誘導加熱調理器の構成を具備するものとはいえず、本件発明とは内部部品の冷却条件や部品配置が大幅に異なる「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の上本体と下本体における重量分布は、本件特許発明における「一体化構成」とした場合の重心の位置を推定する論拠とはなり得ない。」と主張しているが、本件発明1は内部部品の部品配置を構成要件としているものではなく、一体化構成した組み込み式誘導加熱調理器の重心位置を構成要件としているにすぎないのであるから、被請求人の主張は採用することができない。
したがって、本件発明1は「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明、甲第2号証ないし甲第4号証に記載された発明から、当業者が容易に想到することができたものといわざるをえない。
5-3-2 本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の従属発明であり、「保持部材をプレート部対辺に備え、本体重心を前記保持部材より前方向に位置させてなる」という構成を付加したものである。
付加された構成について検討すると、甲第4号証には、ドロップインコンロの器体に把手(保持部材に相当)を設ける技術が記載されているので、組み込み式誘導加熱調理器に甲第4号証の発明を適用して、保持部材を設けることは当業者が必要に応じて容易にできるものと認められる。
そして、保持部材は、機器等を持ち上げる際に、持ち上げようとする人が持ち上げやすいように設けるものであるから、保持部材は作業者が通常機器等を持つ位置に設けるのが通常である。
また、機器等を持ち上げる際に、作業者は機器等の中央を持つことが通常であり、被請求人も第2回口頭審理で「請求項1が、中央に対して重心の位置を特定しているのは、中央を持つことが通常であるから技術的意味がある。」と陳述している。
そうすると、本件発明1に従属している本件発明2は、「プレート部の前後方向の中心線よりその重心を前方向に位置させてなる」ものであるから、甲第4号証に記載された発明を本件発明1に付加する際に、当業者が通常行う技術手段を適用して、保持部材をトッププレートの前後方向の中心線の位置に設けると、必然的に本体重心は保持部材より前方向に位置することとなる。
したがって、本件発明2は、本件発明1に甲第4号証に記載された発明を付加し、その際に、通常の設計事項を適用して取付位置を決定したにすぎないものであるから、当業者にとって格別の困難性があったものとは認められない。
さらに、保持部材をプレート部対辺に備え、本体重心を前記保持部材より前方向に位置させたことによる効果も当業者の予測しうる範囲のものであり、格別なものではない。
よって、本件発明2は、「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明、甲第2号証ないし甲第4号証に記載された発明から、当業者が容易に想到することができたものといわざるをえない。

5-3-3 本件発明3について
本件発明3は、本件発明2の従属発明であり、「保持部材は、着脱自在に掛止されてなる」という構成を付加したものである。
付加された構成について検討すると、「保持部材は、着脱自在に掛止されてなる」ことは、例示するまでもなく、従来周知の技術であるから、本件発明2に従来周知の技術を適用して、「保持部材は、着脱自在に掛止されてなる」技術手段を付加することは、当業者が必要に応じ容易にできるものと認められる。
さらに、保持部材が着脱自在に掛止されてなることによる効果も当業者の予測しうる範囲のものであり、格別なものではない。
したがって、本件発明3は「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明、甲第2号証ないし甲第4号証に記載された発明、及び周知技術から、当業者が容易に想到することができたものといわざるをえない。

6.むすび
したがって、本件発明1ないし3は、当審が通知した無効理由通知についての判断をするまでもなく、本件特許出願前に日本国内において公然実施された「松下電器産業株式会社製KZ-321A形IHクッキングヒーター」の発明、本件特許出願前に日本国内において頒布された刊行物である甲第2号証ないし甲第4号証に記載された発明、及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、本件発明1ないし3の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2004-04-26 
出願番号 特願平9-276820
審決分類 P 1 112・ 121- Z (H05B)
最終処分 成立  
特許庁審判長 粟津 憲一
特許庁審判官 原 慧
佐野 遵
登録日 1999-12-03 
登録番号 特許第3008904号(P3008904)
発明の名称 組み込み式誘導加熱調理器  
代理人 家入 久栄  
復代理人 中原 健吾  
代理人 坂口 智康  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 稲葉 忠彦  
代理人 内藤 浩樹  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ