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審決分類 審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  A63F
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  A63F
審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
審判 全部申し立て 特39条先願  A63F
管理番号 1116174
異議申立番号 異議2003-73537  
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2001-02-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-25 
確定日 2005-03-14 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3456962号「遊技機」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3456962号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 第1.手続の経緯
本件特許第3456962号に係る特許出願(特願2000-267265号。以下、「本件特許出願」という)は、平成5年9月3日に特許出願された特願平5-220297号の一部を新たな特許出願(特願平11-70529号)とし、この新たな特許出願の一部を平成12年9月4日に新たな特許出願としたものであって、平成14年7月29日付けで提出された手続補正書によってその明細書の補正がなされ、平成15年8月1日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、石川修、田口千恵子、岩井浩之、奥崎佐和子の4名より特許異議の申立てがなされ、取消しの理由の通知がなされ、その指定期間内である平成17年2月14日に訂正請求がなされたものである。

第2.訂正の適否について
1.訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、次のとおりである(下線部分が訂正個所である)。
(1)訂正事項a
特許明細書の特許請求の範囲の請求項1の「前記可変表示装置の表示結果の表示態様を決定する表示態様決定手段」という記載を、「予め定めた数値範囲で数値データを繰り返し更新する第1数値データ更新手段と、予め定めた数値範囲で数値データを繰り返し更新する第2数値データ更新手段と、前記第1数値データ更新手段が更新する数値データを用いて、前記可変表示装置の表示結果の表示態様を前記特定の表示態様とするか否かを決定する表示結果決定手段と、前記第2数値データ更新手段が更新する数値データを用いて、前記表示結果決定手段が決定した表示結果に従う前記可変表示装置の表示態様を決定する表示態様決定手段」と訂正する。
(2)訂正事項b
特許明細書の特許請求の範囲の請求項1の「前記予告報知手段の予告報知の有無を決定する予告報知決定手段」という記載を「前記第1および前記第2数値データ更新手段とは別の第3数値データ更新手段が予め定めた数値範囲で繰り返し更新する数値データを用いて前記予告報知手段の予告報知の有無を決定する予告報知決定手段」と訂正する。
(3)訂正事項c
特許明細書の特許請求の範囲の請求項3の「前記表示態様決定手段」という記載を、「前記表示結果決定手段」と訂正する。
(4)訂正事項d
特許明細書の段落【0006】中の「前記可変表示装置の表示結果の表示態様を決定する表示態様決定手段(図3のS1、S2、S16)」という記載を「予め定めた数値範囲で数値データを繰り返し更新する第1数値データ更新手段(ランダム1)と、予め定めた数値範囲で数値データを繰り返し更新する第2数値データ更新手段(ランダム2)と、前記第1数値データ更新手段が更新する数値データを用いて、前記可変表示装置の表示結果の表示態様を前記特定の表示態様とするか否かを決定する表示結果決定手段(図3のS1)と、前記第2数値データ更新手段が更新する数値データを用いて、前記表示結果決定手段が決定した表示結果に従う前記可変表示装置の表示態様を決定する表示態様決定手段(図3のS2、S16)」と、「前記予告報知手段の予告報知の有無を決定する予告報知決定手段」という記載を「前記第1および前記第2数値データ更新手段とは別の第3数値データ更新手段が予め定めた数値範囲で繰り返し更新する数値データ(ランダム3)を用いて前記予告報知手段の予告報知の有無を決定する予告報知決定手段」と、それぞれ訂正する。
(5)訂正事項e
特許明細書の段落【0008】中の「前記表示態様決定手段」という記載を、「前記表示結果決定手段」と訂正する。
(6)訂正事項f
特許明細書の段落【0009】中の「表示態様決定手段の働きにより、可変表示装置の表示結果の表示態様が決定される。」という記載を「表示結果決定手段の働きにより、第1数値データ更新手段により更新される数値データが用いられて可変表示装置の表示結果の表示態様を特定の表示態様とするか否かが決定される。表示態様決定手段の働きにより、第2数値データ更新手段により更新される数値データが用いられて表示結果決定手段が決定した表示結果に従う可変表示装置の表示態様が決定される。」と、「前記予告報知手段の予告報知の有無が決定される。」という記載を「前記第1および前記第2数値データ更新手段とは別の第3数値データ更新手段が予め定めた数値範囲で繰り返し更新する数値データが用いられて前記予告報知手段の予告報知の有無が決定される。」と、それぞれ訂正する。
(7)訂正事項g
特許明細書の段落【0011】中の「前記表示態様決定手段」という記載を、「前記表示結果決定手段」と訂正する。
(8)訂正事項h
特許明細書の段落【0033】の記載を削除する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)前記訂正事項aは、表示態様決定手段が決定する表示態様が、表示結果決定手段が決定した表示結果に従うものであることを限定し、かつ、前記表示結果決定手段及び前記表示態様決定手段が用いる数値データに関して限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当する。
(2)前記訂正事項bは、予告報知決定手段が用いる数値データに関して限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当する。
(3)前記訂正事項cは、前記訂正事項aによって減縮された記載との整合をとるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当する。
(4)前記訂正事項dないしhは、前記訂正事項aないしcによる特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当する。
(5)そして、前記訂正事項aないし訂正事項hによる訂正は、訂正後の段落【0006】に記載の対応関係からみて明らかなように願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において訂正するものであって新規事項を追加するものでなく、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

3.むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第3.特許異議の申立てについて
1.本件発明
前記「第2.訂正の適否について」で示したように訂正が認められるから、本件特許第3456962号の請求項1ないし請求項3に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明3」という。)は、訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし請求項3に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】 表示状態が変化して複数種類の表示態様を表示結果として導出表示可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であって、
予め定めた数値範囲で数値データを繰り返し更新する第1数値データ更新手段と、
予め定めた数値範囲で数値データを繰り返し更新する第2数値データ更新手段と、
前記第1数値データ更新手段が更新する数値データを用いて、前記可変表示装置の表示結果の表示態様を前記特定の表示態様とするか否かを決定する表示結果決定手段と、
前記第2数値データ更新手段が更新する数値データを用いて、前記表示結果決定手段が決定した表示結果に従う前記可変表示装置の表示態様を決定する表示態様決定手段と、
該表示態様決定手段により決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となること、または前記可変表示装置においてリーチとなることを予告報知する予告報知手段と、
前記特定の表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、前記特定の表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように、前記第1および前記第2数値データ更新手段とは別の第3数値データ更新手段が予め定めた数値範囲で繰り返し更新する数値データを用いて前記予告報知手段の予告報知の有無を決定する予告報知決定手段とを含むことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】 前記予告報知手段は、複数種類の予告報知態様のうちから選択された予告報知態様を用いて前記予告報知をすることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】 前記予告報知手段は、前記特定の表示態様となることの予告報知の態様を複数種類備え、前記複数種類の予告報知の態様には、前記表示結果決定手段により決定された表示結果が前記特定の表示態様であるときにのみ選択される予告報知態様が含まれることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。」

2.取消理由の概要
当審が前記訂正前の請求項1に係る発明に対して平成17年1月19日付けで通知した取消しの理由の概要は次のとおりである。

請求項1に係る発明は、本件特許出願の先願である特願2000-222950号(特許3445562号。出願日:平成5年4月22日。)の請求項1に係る発明と実質的に同一であるから、その特許は、特許法第39条第1項の規定に違反してされたものである。

3.特許異議申立て理由の概要
特許異議申立人である石川修、田口千恵子、岩井浩之、奥崎佐和子が、前記訂正前の請求項1ないし請求項3に係る発明に対して申し立てた特許異議の申立ての理由の概要は次のとおりである。

(1)石川修の特許異議申立て理由の概要
石川修は、下記の甲第1号証ないし甲第3号証を提出して、請求項1ないし請求項3に係る発明は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。
また、石川修は、請求項1に記載の「特定の表示態様になることの予告報知」は、リーチ状態の表示そのものも含むものであるから、請求項1の記載は論理的な整合性を欠くとともに発明の詳細な説明に記載の作用効果とも整合せず、また、請求項1の「前記特定の表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなる」という記載は発明の詳細な説明に記載の構成と整合せず、したがって、請求項1ないし請求項3に係る特許は、特許法第36条第4項及び第5項に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものである旨主張する。

甲第1号証:特開平5-177042号公報
甲第2号証:特開平5-154240号公報
甲第3号証:特開平2-142584号公報

(2)田口千恵子の特許異議申立て理由の概要
田口千恵子は、下記の甲第1号証ないし甲第3号証を提出して、請求項1に係る発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて、また、請求項2及び請求項3に係る発明は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基づいて、それぞれ当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。

甲第1号証:特開平3-75078号公報
甲第2号証:特開平4-67878号公報
甲第3号証:特開平5-31233号公報

(3)岩井浩之の特許異議申立て理由の概要
岩井浩之は、下記の甲第1号証ないし甲第5号証を提出して、請求項1ないし請求項3に係る発明は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明に基づいて、あるいは、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。
また、岩井浩之は、請求項1ないし請求項3に係る発明は「遊技機」の発明であり、発明の詳細な説明には当該「遊技機」には「スロットマシン」も含まれる旨の記載があるが、前記「スロットマシン」においては、請求項1に記載の「該表示態様決定手段により決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する」という構成をどのように実現するのか不明であるから、請求項1ないし請求項3に係る特許は、特許法第36条第4項に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものである旨主張する。

甲第1号証:特開平3-73180号公報
甲第2号証:特開平3-75078号公報
甲第3号証:特開平5-154240号公報
甲第4号証:特開平5-177042号公報
甲第5号証:特開昭62-127086号公報

(4)奥崎佐和子の特許異議申立て理由の概要
奥崎佐和子は、下記の甲第1号証及び甲第2号証を提出して、請求項1ないし請求項3に係る発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。
また、奥崎佐和子は、下記の甲第3号証を提出して、請求項1に係る発明は、本件特許出願の先願である特願2000-222950号(特許3445562号。出願日:平成5年4月22日。)の請求項1に係る発明と実質的に同一であるから、その特許は、特許法第39条第1項の規定に違反してされたものである旨主張する。

甲第1号証:特開平3-75078号公報
甲第2号証:実願平2-65120号(実開平4-22988号)
のマイクロフィルム
甲第3号証:特許3445562号公報

4.取消理由及び特許異議申立て理由についての判断
以下においては、前記訂正が認められたことによる本件発明1ないし本件発明3について、その取消しの理由及び特許異議の申立ての理由について検討する。

(1)特許法第39条第1項違反について
特許異議申立人奥崎佐和子が特許異議の申立ての理由とし、当審が取消しの理由として通知した特許法第39条第1項違反について検討する。
本件発明1と前記特許異議の申立ての理由及び前記取消しの理由で引用した本件特許出願の先願である特願2000-222950号の請求項1に係る発明(以下、「先願発明」という。)とを対比すると、本件発明1における前記予告報知決定手段は、「前記第1および前記第2数値データ更新手段とは別の第3数値データ更新手段が予め定めた数値範囲で繰り返し更新する数値データを用いて前記予告報知手段の予告報知の有無を決定する」のに対し、前記先願発明における予告報知決定手段はそのような構成を有していない点で少なくとも相違する。
そして、前記相違点に係る本件発明1の構成は、周知技術あるいは慣用技術を単に付加したものとはいえないから、本件発明1は先願発明に対して実質的に同一であるとは認められない。また、本件発明1は、前記先願の他の請求項に係る発明とも同一であるとは認められない。
したがって、本件発明1の特許は、前記特許異議の申立ての理由及び前記取消しの理由とした特許法第39条第1項の規定に違反するものではない。

(2)特許法第36条第4項及び第5項違反について
特許異議申立人石川修、岩井浩之が特許異議の申立ての理由とした特許法第36条第4項及び第5項違反について検討する。
(i)石川修の特許異議の申立ての理由について
「リーチ状態の表示」がされたからといって必ず「特定の表示態様」になるとは限らない点、及び、「特定の表示態様」になる前には必ず「リーチ状態の表示」がなされるから、「特定の表示態様」になる場合に「リーチ状態の表示」の有無を決定することはできない点からみて、「リーチ状態の表示」が本件発明1における「特定の表示態様になることの予告報知」に含まれるものであるということはできない。したがって、「特定の表示態様になることの予告報知」は「リーチ状態の表示」そのものも含むということを前提とした石川修の前記主張を採用することはできない。
次に、請求項1の「前記特定の表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなる」という記載について検討すると、前記「いずれか一方を行なう割合」が前記「双方の予告報知を行なわない」場合ではない場合の割合を意味していることは明らかであるから、当該「いずれか一方を行なう割合」は、前記「特定の表示態様になることの予告報知」を行う割合と前記「リーチになることの予告報知」を行う割合とを合算したものであると認められる。そして、本件特許明細書の「このランダム3カウンタは、0からカウントアップしてその上限である2までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そして、読出されたカウント値が0のときにS4に進み、大当り予告1を行なうためのフラグがセットされる。ランダム3カウンタの値が1のときにはS5に進み、リーチ予告を行なうためのフラグがセットされる。 (中略) ランダム3カウンタの値が2のときにはS6に進み、予告なしの状態となり、直接S11に進む。」(段落【0024】)という記載からみて明らかなように、「特定の表示態様になることの予告報知」を行う割合は1/3であり、「リーチになることの予告報知」を行う割合は1/3であり、「双方の予告報知」を行なわない割合も1/3であるから、請求項1の前記記載のように「特定の表示態様になることの予告報知」を行う割合と「リーチになることの予告報知」を行う割合を合算した割合(1/3+1/3=2/3)は、「双方の予告報知」を行なわない割合(1/3)より高いものと認められる。したがって、請求項1の前記記載は発明の詳細な説明に記載の構成と整合しているから、この点についても石川修の前記主張を採用することはできない。
(ii)岩井浩之の特許異議の申立ての理由について
請求項1にはストップボタンを設けることや当該ストップボタンを用いて可変表示装置を自由に停止制御することが「遊技機」の前提構成として記載されてはおらず、かつ、例えばストップボタンを有しないスロットマシンが周知であるように、スロットマシンであるからといって「表示態様決定手段により決定された内容に従って可変表示装置を制御する」ことができないわけではないから、請求項1ないし請求項3に記載の「遊技機」に「スロットマシン」が含まれるということのみをもってして、請求項1に記載の「該表示態様決定手段により決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する」という構成をどのように実現するのか不明であるとまではいえない。したがって、岩井浩之の前記主張を採用することはできない。
(iii)以上のとおりであるから、本件発明1ないし本件発明3に係る特許は、前記特許異議申立の理由とした特許法第36条第4項及び第5項に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものではない。

(3)特許法第29条第2項違反について
特許異議申立人石川修、田口千恵子、岩井浩之、奥崎佐和子が特許異議の申立ての理由とした特許法第29条第2項違反について検討する。
(i)本件発明1について
(a)田口千恵子が甲第1号証として提出し、岩井浩之が甲第2号証として提出し、奥崎佐和子が甲第1号証として提出した特開平3-75078号公報(以下、「刊行物A」という。)、及び、岩井浩之が甲第1号証として提出した特開平3-73180号公報(以下、「刊行物B」という。)には、リーチとなることを予告報知することについては何ら記載が認められないから、本件発明1と刊行物A又は刊行物Bに記載された発明とを対比すると、少なくとも次の点において本件発明1の構成は刊行物A又は刊行物Bに記載された発明の構成と相違するものと認められる。
[相違点]
本件発明1は、可変表示装置においてリーチになることの予告報知の有無を決定する予告報知決定手段を含むとともに、当該予告報知決定手段は、前記予告報知の有無の決定に、第1および第2数値データ更新手段とは別の第3数値データ更新手段が予め定めた数値範囲で繰り返し更新する数値データを用いるのに対し、刊行物A又は刊行物Bに記載された発明は、そのような構成を有する予告報知決定手段を含んでいない点。
(b)そこで、前記相違点について検討する。
(b1)石川修が甲第2号証として提出し、岩井浩之が甲第3号証として提出した特開平5-154240号公報(以下、「刊行物C」という。)には、リーチ状態となる場合には、リーチ状態となる以前に、スピーカーからの効果音、飾りLEDの点滅、ドラムランプの点滅、及び、可変表示速度の制御(ゆっくり回転させる)によってリーチ状態となることを報知することが記載されており(段落【0023】、【0079】、等参照)、当該報知は本件発明1における「リーチになることの予告報知」に相当する。
そして、刊行物Cには、当該報知のうち前記可変表示速度の制御という態様について「可変表示装置の停止時の表示結果が大当りとなる特定の識別情報の組合せとなる場合,またはその特定の識別情報の組合せの前後の図柄となる場合,それら以外の図柄となる場合等のように、同じリーチが成立する場合でも可変表示装置の停止時の表示結果の図柄しだいで場合分けし、それぞれの場合において、リーチが成立する場合の可変表示装置の可変表示速度を可変開始時からゆっくり回転させたり、左ドラムが停止した時点でゆっくり回転させたり、あるいはまったくゆっくり回転させない通常の回転速度で回転制御したりしてもよい。」(段落【0085】)と記載されているから、刊行物Cには、可変表示装置においてリーチとなるときに、可変表示装置の表示結果の図柄、すなわち、可変表示装置の表示結果の表示態様に応じて、リーチになることの予告報知の有無を決定するという発明も記載されているが、本件発明1の前記相違点に係る構成のように可変表示装置の表示結果の表示態様を決定するために用いる数値データを更新する数値データ更新手段(第1及び第2数値データ更新手段)とは別の数値データ更新手段(第3数値データ更新手段)が更新する数値データを用いてリーチになることの予告報知の有無を決定すること、すなわち、可変表示装置の表示結果の表示態様とは独立してリーチになることの予告報知の有無を決定することまでは記載も示唆もされていない。
しかも、本件発明1は、前記相違点に係る構成、すなわち、可変表示装置の表示結果の表示態様とは独立してリーチになることの予告報知の有無を決定することによって、リーチ予告報知がなされなくてもリーチとなりさらに大当りとなることがあるから、「特定の表示態様またはリーチの成立を積極的に遊技者に予告報知して予告された表示態様になる面白みを遊技者に提供しながらも、その事前報知がなかったとしても遊技者の期待が完全に消えてしまう不都合が防止できる遊技機を提供する」(段落【0005】)という目的を達成することができるものであるのに対し、刊行物Cに記載の前記発明においては、「リーチが成立する場合の可変表示装置の可変表示速度を可変開始時からゆっくり回転させた」場合にのみ可変表示装置の表示結果の表示態様が「大当りとなる特定の識別情報の組合せ」となり、「左ドラムが停止した時点でゆっくり回転させた」場合や「まったくゆっくり回転させない通常の回転速度で回転制御した」場合には、可変表示装置の表示結果の表示態様が「大当りとなる特定の識別情報の組合せ」とはならないから、刊行物Cに記載の前記発明は、「リーチが成立する場合の可変表示装置の可変表示速度を可変開始時からゆっくり回転させ」ることによる報知が行われなかったときには、遊技者の大当りに対する期待が完全に消えてしまい、本件発明1の前記目的を達成することはできないものである。
さらに、刊行物Cには「前述した実施例では、リーチが成立する場合に、可変表示装置の可変表示速度をゆっくりとした表示速度に制御するものを示したが、その代わりに、リーチが成立する場合であってもリーチ時でない通常状態時と同様の可変表示速度で制御してもよい。」(段落【0085】)とも記載されているが、当該記載は、スピーカーからの効果音、飾りLEDの点滅、ドラムランプの点滅、及び、可変表示速度の制御(ゆっくり回転させる)といった複数の報知の態様のうち可変表示速度の制御(ゆっくり回転させる)という態様はそもそもいかなる場合にも採用せず、スピーカーからの効果音、飾りLEDの点滅、及び、ドラムランプの点滅によってリーチ状態となることを報知するということを意味するにすぎない。
(b2)ところで、前記刊行物A又は刊行物Bには、(イ)大当り又は中当りが発生する回の1〜4回前の停止図柄データをリーチ目表示用の停止図柄データに変更することにより、大当り又は中当りの前兆としてリーチ目を表示すること、及び、(ロ)リーチ目表示用の停止図柄データに変更しようとする停止図柄データが大当り又は中当りの停止図柄データであるか否かを判断し、大当り又は中当りの停止図柄データである場合にはリーチ目表示用の停止図柄データへの変更は行わないことが記載されている(刊行物Aの第11頁右下欄第10行〜第12頁左上欄第13行、刊行物Bの第11頁右下欄第13行〜第12頁左上欄第16行参照)。
そして、前記(ロ)の判断及び判断後の処理の結果として、大当り又は中当りが発生する回の1〜4回前であってもリーチ目が表示されない場合が生じることは認められるが、当該(ロ)の判断及び判断後の処理は、前記(イ)のように停止図柄データを変更することによってリーチ目を表示するという構成を採用した場合にのみ必要となるものであって、そのような構成とは全く異なる前記(b1)で示した刊行物Cに記載のリーチ予告報知の各態様(スピーカーからの効果音、飾りLEDの点滅、ドラムランプの点滅、及び、可変表示速度の制御(ゆっくり回転させる))を採用する際にはそもそも必要がなく、かつ、構成上適用することもできないものである。
(b3)また、石川修が甲第1号証として提出し、岩井浩之が甲第4号証として提出した特開平5-177042号公報には、「前記図柄可変表示装置における複数個の可変表示部材のうち、少なくとも2個の可変表示部材の図柄同志が前記所定の図柄の組合せを成立する可能性のある場合の表示状態を遊技者に報知するための報知手段と、前記少なくとも2個の可変表示部材における最初の可変表示部材の停止表示後、次の可変表示部材の停止表示前の所定時点で前記報知手段を駆動開始させるための報知駆動制御手段」(【請求項1】)と記載されているように、リーチとなることを予告報知することは記載されているが、当該予告報知は可変表示装置においてリーチとなるときには必ず行われるものであるから、リーチになることの予告報知の有無を決定する予告報知決定手段についてまでは記載されていない。
さらに、奥崎佐和子が甲第2号証として提出した実願平2-65120号(実開平4-22988号)のマイクロフィルムにも、「リーチ状態が発生することが予知されると、そのリーチ状態が予知された番の可変表示部47の表示記号が変動する前に記憶表示ランプ48を通常とは異なった態様で点灯させるようにしたものである。」(第8頁第2行〜第6行)と記載されているように、リーチとなることを予告報知することは記載されているが、当該予告報知は可変表示装置においてリーチとなるときには必ず行われるものであるから、リーチになることの予告報知の有無を決定する予告報知決定手段についてまでは記載されていない。
(b4)また、田口千恵子が甲第2号証として提出した特開平4-67878号公報には、「このような図柄の伸縮上下動を (中略) 右図柄表示LEDが停止するまで繰返し行なう」(第14頁左上欄第10行〜第12行)と記載されているが、当該伸縮上下動はリーチ状態が成立した後に行われるものであるから、リーチとなることを予告報知することについては記載されていない。
さらに、石川修が甲第3号証として提出した特開平2-142584号公報、田口千恵子が甲第3号証として提出した特開平5-31233号公報、岩井浩之が甲第5号証として提出した特開昭62-127086号公報にも、リーチとなることを予告報知することについては何ら記載されていない。
(b5)そして、本件発明1は、前記相違点に係る構成を備えることにより、「特定の表示態様、またはリーチが予告報知され得るために遊技者の期待感を高めることができる。しかも、予告報知決定手段を具備させ、それらの予告報知がされないときであっても特定の表示態様となるときがあるようにしたために、予告報知がされないことで直ちに遊技者の期待感が減退することがない。」(段落【0064】)という効果を奏するものと認められる。
(c)したがって、本件発明1は、少なくとも前記相違点に係る構成において、特許異議申立人石川修が甲第1号証ないし甲第3号証として提出し、田口千恵子が甲第1号証ないし甲第3号証として提出し、岩井浩之が甲第1号証ないし甲第5号証として提出し、奥崎佐和子が甲第1号証及び甲第2号証として提出した、前記各刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできないから、本件発明1の特許は、前記特許異議の申立ての理由とした特許法第29条第2項の規定に違反するものではない。
(ii)本件発明2及び本件発明3について
本件発明2及び本件発明3は、いずれも本件発明1をさらに限定するものであるから、前記(i)に示した理由により、本件発明1と同様に当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。したがって、本件発明2及び本件発明3の特許は、前記特許異議の申立ての理由とした特許法第29条第2項の規定に違反するものではない。

5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1ないし本件発明3についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1ないし本件発明3ついての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 表示状態が変化して複数種類の表示態様を表示結果として導出表示可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であって、
予め定めた数値範囲で数値データを繰り返し更新する第1数値データ更新手段と、
予め定めた数値範囲で数値データを繰り返し更新する第2数値データ更新手段と、
前記第1数値データ更新手段が更新する数値データを用いて、前記可変表示装置の表示結果の表示態様を前記特定の表示態様とするか否かを決定する表示結果決定手段と、
前記第2数値データ更新手段が更新する数値データを用いて、前記表示結果決定手段が決定した表示結果に従う前記可変表示装置の表示態様を決定する表示態様決定手段と、
該表示態様決定手段により決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となること、または前記可変表示装置においてリーチとなることを予告報知する予告報知手段と、
前記特定の表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、前記特定の表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように、前記第1および前記第2数値データ更新手段とは別の第3数値データ更新手段が予め定めた数値範囲で繰り返し更新する数値データを用いて前記予告報知手段の予告報知の有無を決定する予告報知決定手段とを含むことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】 前記予告報知手段は、複数種類の予告報知態様のうちから選択された予告報知態様を用いて前記予告報知をすることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】 前記予告報知手段は、前記特定の表示態様となることの予告報知の態様を複数種類備え、前記複数種類の予告報知の態様には、前記表示結果決定手段により決定された表示結果が前記特定の表示態様であるときにのみ選択される予告報知態様が含まれることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、表示状態が変化して複数種類の表示態様を表示結果として導出表示可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、表示状態が変化して複数種類の表示態様を表示結果として導出表示可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機があった。
【0003】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の従来の遊技機においては、可変表示装置の表示状態が変化している最中であって表示結果が未だに導出表示されていない段階では、遊技者はその可変表示中の可変表示装置の表示結果がどのような表示態様になるか知る術がなく、可変表示装置が実際に表示結果を導出表示して初めて遊技者がその表示結果を認識できる。しかし、遊技者にしてみれば、特定の表示態様は、所定の遊技価値が付与可能となるという遊技者にとって喜ばしい状態であるために、実際に表示結果が導出表示される以前の段階からいち早く遊技者にそのことを報知すれば、遊技者をいち早く喜ばせることができて以降の遊技を楽しく行なわせることができる。さらに、その前段階において表示されるリーチについても、予告報知することができれば、特定の表示態様の前段階で表示されるリーチに対する期待感を向上させることができる。
そこで、報知手段を遊技機に別途設け、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となること、またはリーチとなることを遊技者に事前に報知することが考えられる。しかし、このように、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となるときに必ず事前にそのことを報知した場合には、その事前報知が行なわれなかったときに必ず特定の表示態様とはならないということになり、事前報知が行なわれないときにはその時点で遊技者の特定の表示態様への期待が消えてしまい、以降の遊技が面白くないものとなってしまう欠点が生ずる。一方、特定の表示態様となることが事前に決定されているときには、積極的に予告報知した方が、予告を伴なう特定の表示態様あるいは予告を伴なうリーチの面白みを存分に提供できる。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特定の表示態様またはリーチの成立を積極的に遊技者に予告報知して予告された表示態様になる面白みを遊技者に提供しながらも、その事前報知がなかったとしても遊技者の期待が完全に消えてしまう不都合が防止できる遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、表示状態が変化して複数種類の表示態様を表示結果として導出表示可能な可変表示装置(4)を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777のぞろめ)となったときに所定の遊技価値が付与可能となる(可変入賞球装置9の開閉板10が開成して打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な第1の状態となり、)遊技機であって、
予め定めた数値範囲で数値データを繰り返し更新する第1数値データ更新手段(ランダム1)と、
予め定めた数値範囲で数値データを繰り返し更新する第2数値データ更新手段(ランダム2)と、
前記第1数値データ更新手段が更新する数値データを用いて、前記可変表示装置の表示結果の表示態様を前記特定の表示態様とするか否かを決定する表示結果決定手段(図3のS1)と、
前記第2数値データ更新手段が更新する数値データを用いて、前記表示結果決定手段が決定した表示結果に従う前記可変表示装置の表示態様を決定する表示態様決定手段(図3のS2、S16)と、
該表示態様決定手段により決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段(図2のLCD回路26、基本回路29)と、
前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となること、または前記可変表示装置においてリーチとなることを予告報知する予告報知手段(特定の表示態様予告報知は図3のS4およびS8〜S10、S21およびS26〜S28、S35およびS37〜S39、リーチ予告報知は図3のS5およびS8〜S10、S22(S24)およびS26〜S28)と、
前記特定の表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに(図3のS1でランダム1が3のとき)、前記特定の表示態様になることの予告報知(図3のS4の大当り予告1)、または前記リーチになることの予告報知(図3のS5でリーチ予告)のうち、いずれか一方を行なう割合(図3のS4〜S6から2/3)の方が、双方の予告報知を行なわない割合(図3のS4〜S6から1/3)よりも高くなるように、前記第1および前記第2数値データ更新手段とは別の第3数値データ更新手段が予め定めた数値範囲で繰り返し更新する数値データ(ランダム3)を用いて前記予告報知手段の予告報知の有無を決定する予告報知決定手段(図3のS4〜S6)とを含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記予告報知手段は、複数種類の予告報知態様(音ランプLED(図3のS8、S26、S37)、表示動作制御(図3のS9、S27、S38)、ラッキーナンバー表示LED(図3のS10、S28、S39))のうちから選択された予告報知態様を用いて前記予告報知をすることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記予告報知手段は、前記特定の表示態様となることの予告報知の態様を複数種類備え(大当り予告1:図4(B)、大当り予告2:図4(C))、前記複数種類の予告報知の態様には、前記表示結果決定手段により決定された表示結果が前記特定の表示態様であるときにのみ選択される予告報知態様(大当り予告1:図4(B)、図3のS4:S1で大当り判定値と判断された場合にのみ大当り予告1が選択)が含まれることを特徴とする。
【0009】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、表示結果決定手段の働きにより、第1数値データ更新手段により更新される数値データが用いられて可変表示装置の表示結果の表示態様を特定の表示態様とするか否かが決定される。表示態様決定手段の働きにより、第2数値データ更新手段により更新される数値データが用いられて表示結果決定手段が決定した表示結果に従う可変表示装置の表示態様が決定される。可変表示制御手段の働きにより、表示態様決定手段により決定された内容に従い前記可変表示装置が制御される。予告報知手段の働きにより、前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となること、または前記可変表示装置においてリーチとなることが予告報知される。前記特定の表示態様が前記可変表示装置の表示結果として表示されることが決定されているときに、予告報知決定手段の働きにより、前記特定の表示態様になることの予告報知、または前記リーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高くなるように、前記第1および前記第2数値データ更新手段とは別の第3数値データ更新手段が予め定めた数値範囲で繰り返し更新する数値データが用いられて前記予告報知手段の予告報知の有無が決定される。
【0010】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、予告報知手段の働きにより、複数種類の予告報知態様のうちから選択された予告報知態様を用いて前記予告報知が行われる。
【0011】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記予告報知手段は、前記特定の表示態様となることの予告報知の態様を複数種類備え、前記複数種類の予告報知の態様には、前記表示結果決定手段により決定された表示結果が前記特定の表示態様であるときにのみ選択される予告報知態様が含まれる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機やスロットマシン等でもよい。つまり、本発明は、表示状態が変化して複数種類の表示態様を表示結果として導出表示可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であればすべて対象となる。
【0013】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。遊技者が図示しない打球操作ハンドルを操作すれば、打球待機樋(図示せず)に貯留されているパチンコ玉が1つずつ遊技盤1の前面に形成されている遊技領域3内に打込まれる。遊技領域3は、動画を表示可能なLCD表示装置5からなる可変表示装置4が設けられているとともに、始動入賞口7が設けられている。この始動入賞口7内に入賞したパチンコ玉は、始動入賞玉検出器8により検出される。
【0014】
始動入賞玉検出器8の検出信号に基づき、可変表示装置4のLCD表示装置5により複数種類の図柄等からなる識別情報が可変表示される。LCD表示装置5は横方向に並んだ3つの可変表示部を有し、後述するように、左図柄,中図柄,右図柄がスクロール表示される。そして、その可変表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777等のぞろめ)となった場合に可変入賞球装置9の開閉板10が開成して打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な第1の状態となり、所定の遊技価値が付与可能な状態となる。
【0015】
この可変入賞球装置9は、通常時は開閉板10が閉成した遊技者にとって不利な第2の状態となっているが、可変表示装置4の表示結果が前記予め定められた特定の表示態様となれば、ソレノイド11が励磁されて開閉板10が開成した第1の状態となり、大当り状態が発生する。この可変入賞球装置9の第1の状態は、打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞あるいは所定期間(たとえば30秒間)の経過のいずれか早い方の条件が成立することにより終了して第2の状態となる。
【0016】
一方、可変入賞球装置9内には、特定入賞領域と通常入賞領域とが形成されており、第1の状態となっている可変入賞球装置9内に進入したパチンコ玉が特定入賞領域に入賞して特定入賞玉検出器12により検出されれば、その回の第1の状態が終了するのを待って可変入賞球装置9を再度第1の状態に駆動制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数はたとえば16回と定められている。図1中13は可変入賞球装置9内に形成された通常入賞領域に入賞した入賞玉を検出する通常入賞玉検出器であり、前記特定入賞玉検出器12と通常入賞玉検出器13とにより検出された入賞玉の合計個数が入賞個数表示器14により表示される。なお、この可変入賞球装置9の第2の状態としては、打玉が全く入賞できない状態ではなく打玉が入賞可能ではあるが入賞困難な状態であってもよい。
【0017】
可変表示装置4が可変表示中に再度パチンコ玉が始動入賞口7に入賞すれば、その始動入賞が記憶され、可変表示装置4が可変停止した後再度可変表示開始できる状態になってから前記始動入賞記憶に基づいて再度可変表示装置4が可変開始される。この始動入賞記憶の上限値はたとえば「4」と定められており、現時点における始動入賞記憶値が始動入賞記憶表示器6により表示される。
【0018】
図1中10、15は風車ランプ、17は肩ランプ、19は袖ランプ、40はアタッカーLED、21はレール飾りランプ、41は飾りLED、23は役物ランプであり、それぞれに遊技状態に応じて点灯または点滅する。遊技領域3内には、通常の入賞口13や通常の通過口16が設けられており、さらに、アウト玉を回収するアウト口22も設けられている。また、2は遊技領域を区画する区画レールであり、打球発射装置により弾発発射されたパチンコ玉がこの区画レール2間を通って遊技領域3内に打込まれる。図1中20はラッキーナンバー表示LEDであり、LEDが走行点灯することにより複数種類の数字が可変表示され、前記特定遊技状態の発生時における可変停止時の表示結果が遊技場が予め定めたラッキーナンバーに一致した場合には、ある特典が遊技者に与えられる。この特典は、たとえば、その特定遊技状態の発生に伴って遊技者が獲得した賞品玉を景品交換することなく引続き遊技に使用できる等が考えられる。
【0019】
図2は、パチンコ遊技機に設けられる制御回路を示すブロック図である。
パチンコ遊技機の制御回路は、各種機器を制御するためのプログラムに従って、遊技制御を行なうマイクロコンピュータを含む基本回路29と、電源投入時に基本回路29をリセットする初期リセット回路34と、基本回路29から与えられるクロック信号を分周して定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを基本回路29に与えるための定期リセット回路35と、各スイッチやセンサに接続され、与えられるアドレス信号によって選択されるスイッチからの信号を基本回路29に与えるためのスイッチ回路25と、基本回路29等に接続され、基本回路29から与えられるアドレス信号をデコードして基本回路29等に与えるためのアドレスデコード回路33とを含む。さらに、パチンコ遊技機の制御回路には、基本回路29によって制御されるLED回路30と、基本回路29によって制御されるソレノイド回路31と、大当り情報を大当り情報出力端子38から出力するとともに可変表示装置を実際に可変開始するために有効に利用された始動入賞個数に関する情報である有効始動情報を有効始動情報出力端子39から出力するための情報出力回路27とを含む。さらに、制御回路は、可変表示装置4を構成するLCD表示装置5を表示駆動するためのLCD回路26が接続されているとともにスピーカ37から音を発生させるための音発生,増幅回路36が接続されている。
【0020】
スイッチ回路25には、始動入賞玉検出器8が接続されており、始動入賞玉検出信号が入力される。また、可変入賞球装置9内に入賞した入賞玉のうち特定入賞領域に入賞した特定入賞玉が特定入賞玉検出器12により検出され、その検出信号がスイッチ回路25に入力される。さらに、可変入賞球装置10内に入賞したパチンコ玉が通常入賞領域に入賞すればその入賞玉が入賞玉検出器13により検出され、その検出信号がスイッチ回路25に入力される。
【0021】
LED回路30には、7セグメントLEDにより構成された入賞個数表示器14と始動入賞記憶表示器6とラッキーナンバー表示LED20とアタッカーLED40と飾りLED41とが接続されており、特定入賞玉検出器12と入賞玉検出器13との検出信号に基づいて可変入賞球装置9内に入賞したパチンコ玉の合計入賞個数が入賞個数表示器14により表示され、始動入賞玉検出器8の検出信号に基づいて始動入賞記憶の個数が始動入賞記憶表示器6により表示される。また、ランプ回路32には種々のランプ15,17,19,21,23が接続されており、それぞれに、遊技状態に応じて点灯または点滅するように構成されている。なお、これら制御回路には、電源回路28から所定の直流電流が供給されるように構成されている。
【0022】
図3は、パチンコ遊技機における主として可変表示装置の制御動作を示すフローチャートである。
【0023】
ステップS(以下単にSという)1により、ランダム1カウンタのカウント値を読出す処理が行なわれる。このランダム1カウンタは、大当りを発生させるか否かを事前に決定するために用いられるカウンタであり、0から1ずつカウントアップしてその上限である209までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そして、パチンコ玉が始動入賞口7に入賞して始動入賞玉検出器8からの検出信号が導出された時点におけるランダム1カウンタのカウント値が抽出されてメモリ内に記憶される。このメモリは、始動入賞記憶の上限がたとえば「4」である場合には、それに合わせて4つのカウント値記憶領域を有し、始動入賞の古い順に抽出されたカウント値が抽出順序に従って記憶される。そして、メモリ内の1番古いカウント値がこのS1により読出される。その読出されたカウント値(乱数)が、3のときにはS2以降に示す大当りを発生させるための制御がなされ、3以外のときにはS16以降に示す外れとなる制御が行なわれる。
【0024】
S2では、ランダム2カウンタのカウント値における可変表示装置の左図柄を決定する値に合わせて、左図柄=中図柄=右図柄とする処理が行なわれる。ランダム2カウンタは、0からカウントアップしてその上限である15進数のEEEまでカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものであり、可変表示装置4の停止図柄を決定するものである。そしてS2の処理により、ランダム2カウンタの左図柄用のカウント値部分により左図柄を決定し、その決定された左図柄と同じ図柄になるように中図柄と右図柄を揃える処理が行なわれる。その結果、可変表示装置4の可変停止時においては、左図柄と中図柄と右図柄とが同じ図柄となりぞろめの状態となり、大当り状態が発生する。次にS3に進み、ランダム3カウンタのカウント値を読出す処理が行なわれる。このランダム3カウンタは、0からカウントアップしてその上限である2までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そして、読出されたカウント値が0のときにS4に進み、大当り予告1を行なうためのフラグがセットされる。ランダム3カウンタの値が1のときにはS5に進み、リーチ予告を行なうためのフラグがセットされる。リーチとは、複数の可変表示部が時期を異ならせて停止される場合に、一部の可変表示部が未だ可変表示している段階で既に停止している可変表示部の表示結果が大当りとなる特定の表示態様の条件を満たしている状態である。ランダム3カウンタの値が2のときにはS6に進み、予告なしの状態となり、直接S11に進む。S4,S5の処理が行なわれた後にS7に進み、ランダム4カウンタのカウント値が読出される。このランダム4カウンタは0からカウントアップしてその上限である2までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そしてその読出されたカウント値が0のときにはS8に進み、音,ランプ,LEDを制御する処理が行なわれる。このS8の処理を行なうに際し、前記S4により大当り予告1を行なうためのフラグがセットされている場合には、レール飾りランプ21と飾りLED41とを可変表示装置の可変開始時から点滅させ、スピーカ37から大当り予告音を発生させ、大当り状態が発生することを事前に予告報知し、S5によるリーチ予告のフラグがセットされている場合は飾りLED41を可変開始時から点滅させるとともにスピーカ37からリーチ予告音を発生する。一方、ランダム4カウンタの値が1のときには、S9に進み、可変表示装置4のLCD表示装置5の表示動作制御を行ない、LCD表示装置5により大当り状態やリーチが発生することを事前に予告表示させる。このS9による表示動作の具体的内容は、S4による大当り予告1のフラグがセットされているときには、図4、図5のそれぞれの(B)に示された表示動作であり、S5によるリーチ予告のフラグがセットされている場合は、図4、図5のそれぞれの(A)に示された表示動作である。一方、ランダム4カウンタの値が2のときには、S10に進み、ラッキーナンバー表示LEDを変動制御させる処理が行なわれる。このS10による処理は、ラッキーナンバー表示LED20をLCD表示装置5の可変開始時から変動させ、大当りが発生して可変入賞球装置9の初回の開放時にその可変表示を停止させることにより、大当り状態が発生することを遊技者に認識させるようにしている。このラッキーナンバー表示LED20は、大当り発生の予告表示を行なわない通常時では、大当りの発生時に変動を開始し、可変入賞球装置9の初回の開放時に停止するように制御されており、S10によるラッキーナンバー表示LED20の表示動作が通常時の表示動作と異なるため、遊技者は、大当りが発生することが認識できる。このラッキーナンバー表示LEDの変動が停止した後に表示される停止ナンバーは、0から7までをカウントするランダム6カウンタのカウント値が大当り発生時に抽出されてその抽出されたカウント値(乱数)により決定される。
【0025】
S11ではランダム5カウンタのカウント値が読出される。このランダム5カウンタは、0からカウントアップしてその上限である5までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。ランダム5カウンタのカウント値が0のときにS12に進み、LCD表示装置5の表示状態を制御して図6(A)に基づいて後述する通常リーチの制御が行なわれる。ランダム5カウンタのカウント値が1または2のときには、LCD表示装置5を表示制御して図6(B)に基づいて後述する特別リーチ1の表示制御が行なわれる。ランダム5カウンタのカウント値が3,4,あるいは5のときには、S14に進み、LCD表示装置5を制御して図6(C)に基づいて後述する特別リーチ2の表示制御が行なわれる。次にS15に進み、可変入賞球装置9を第1の状態にする大当り制御が行なわれる。
【0026】
次に、S1により読出されたランダム1カウンタのカウント値が3以外のときには、S16に進み、ランダム2カウンタのカウント値を読出し、その読出されたランダム2カウンタのカウント値が、左図柄のカウント値と中図柄のカウント値と右図柄のカウント値とがすべて同じ値であった場合には、中図柄のカウント値に対し「1」を加算し、中図柄を強制的にずらしてぞろめとならないように制御される。これは、ランダム1カウンタのカウント値が3以外の場合すなわち外れとすることが事前に決定された場合であるにも関わらず、ランダム2カウンタのカウント値がたまたま左図柄と中図柄と右図柄とが同じ図柄となるぞろめ状態であり、そのままでは大当りが発生する特定の表示態様となってしまうために、S17によりぞろめが生じないように強制的に中図柄をずらしているのである。一方、ランダム2カウンタの値が左図柄と右図柄とが同じで中図柄だけ違う値であった場合には、そのままS18に進み、メモリ内のランダム1カウンタの値をチェックする処理が行なわれる。このメモリ内のランダム1カウンタの値とは、前記S1で説明したメモリに対応して古い順に記憶されているランダム1カウンタの値のことである。そして、記憶されているランダム1カウンタの値の中に「3」があるとき、すなわち、可変表示装置4の今回の可変表示が終了した以降の可変表示により大当りが発生する場合には、S19に進み、ランダム3カウンタのカウント値を読出す処理が行なわれる。このランダム3カウンタは0からカウントアップしてその上限である2までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そしてランダム3カウンタのカウント値が0のときにS21に進み、大当り予告2を行なうためのフラグがセットされてS25に進む。一方、ランダム3カウンタの値が1のときにはS22に進み、リーチ予告を行なうためのフラグがセットされてS25に進む。ランダム3カウンタの値が2のときにはS23に進み、予告なしの状態となり直接S29に進む。
【0027】
S25では、ランダム4カウンタの値を読出し、その値が0のときにS26に進み、音,ランプ,LEDを制御する処理が行なわれる。このS26の処理は、大当り予告2を行なうためのフラグがセットされている場合には、レール飾りランプ21を可変表示装置の可変開始時から点滅させ、スピーカ37から大当り予告音を発生させ、S22によるリーチ予告のフラグがセットされているときは、飾りLED41を可変開始時から点滅させてスピーカ37からリーチ予告音を発生させる。一方ランダム4カウンタの値が1のときには、S27に進み、大当り予告2のフラグがセットされている場合には図4、図5のそれぞれの(C)に基づいて後述する大当り予告2のときのLCD表示装置5の表示動作を行ない、リーチ予告のフラグがセットされている場合には、図4、図5のそれぞれの(A)に基づいて後述するリーチ予告時のLCD表示装置5の表示動作制御を行なう。次に、ランダム4カウンタのカウント値が2のときには、S28に進み、ラッキーナンバー表示LED20をLCD表示装置の可変開始時から変動させ、LCD表示装置5の可変停止時にラッキーナンバー表示LED20の変動開始時と同じ位置に停止させる処理が行なわれる。
【0028】
一方、S18により読出されたメモリ内のランダム1カウンタの値の中に「3」がないときには、S20により、ランダム3カウンタの値を読出し、その値が0または1のときにはS24に進み、リーチ予告を行なうためのフラグがセットされてS25に進む。一方、ランダム3カウンタの値が2のときにはS23に進み、予告なしの状態となり直接S29に進む。
【0029】
S29では、ランダム5カウンタの値を読出す処理が行なわれる。ランダム5カウンタの値が0,1あるいは2のときにはS30に進み、図6(A)に基づいて説明する通常リーチの制御が行なわれた後S41に進む。ランダム5カウンタのカウント値が3あるいは4のときには、S31に進み、図6(B)に基づいて説明する特別リーチ1の表示制御が行なわれた後S41に進む。ランダム5カウンタの値が5のときにS32に進み、図6(C)に基づいて説明する特別リーチ2の表示制御が行なわれた後S41に進む。S41では、可変入賞球装置9を開成させない外れ制御が行なわれる。
【0030】
一方、S16により読出されたランダム2カウンタの値の左と右の図柄の値が一致しない場合にはS33に進み、メモリ内のランダム1カウンタのチェックがなされ、メモリ内に3が記憶されていないときにはそのままS41に進むが、メモリ内に3が記憶されている場合にはS34に進み、ランダム3カウンタの値を読出し、その値が0あるいは1のときにS35に進み、大当り予告2を行なうためのフラグがセットされた後S36に進む。一方、ランダム3カウンタの値が2のときにS40に進み、予告なしの状態となり直接S41に進む。
【0031】
S36では、ランダム4カウンタの値を読出す処理が行なわれる。そして、そのランダム4カウンタの値が0のときにはS37に進み、音,ランプ,LEDの制御がなされる。このS37の制御は、前記S26と同様の制御である。ランダム4カウンタの値が1のときにS38に進み、LCD表示装置5を制御して図4、図5のそれぞれの(C)に基づいて後述する大当り予告2の表示制御が行なわれる。ランダム4カウンタの値が2のときにS39に進み、前記S28と同様のラッキーナンバー表示LEDの変動制御が行なわれ、S41に進む。
【0032】
前述した大当りの事前報知やリーチの事前報知は、ランプ,LEDによる報知のみ、あるいは音による報知のみで行なってもよい。また、LCD表示装置5の表示動作による事前報知に加えて、音による報知やランプ,LEDによる報知を行なうようにしてもよい。また、事前報知の方法は、通常時とは異なった態様で報知し通常時とは区別できる方法であれば、どのような方法であってもよい。
【0033】
【0034】
また、表示態様決定手段による決定時期は、最初に停止する図柄がどのような停止図柄であっても大当りが発生する可能性がある場合(最初に停止する図柄内に外れ図柄が存在しない場合)には、2番目の図柄が停止する以前であればいつでもよく、また、最初に停止する図柄内に外れ図柄が存在する場合には、最初の図柄が停止する以前であればいつでもよい。さらにリーチの図柄表示がなされて初めて大当りするか否かを決める遊技機の場合には、リーチになってから最後の図柄が停止する直前であればいつでもよい。また表示態様決定手段による表示態様の決定方法は、乱数で全ての予定停止図柄を直接決めるものばかりでなく、リーチするか否かを最初に決めたのち、最後の予定停止図柄を決めるものでもよい。
【0035】
また、S1により当りが決定されたことに従って選択決定手段の選択決定が行なわれ、その後S2による表示態様の決定を行なうようにしてもよい。
【0036】
さらに、報知手段による報知時期は、最初の図柄が停止した時点、リーチになった時点、リーチになった後最後の図柄が停止する前まで等、全ての図柄が停止する以前であればいつでもよい。
【0037】
図4は、可変表示装置のLCD表示装置5による可変表示状態を示す図である。
【0038】
(A)はリーチ予告を行なう場合の可変表示動作が示されている。LCD表示装置5には、パチンコ玉が始動入賞する以前の通常状態では、左図柄51と中図柄53と右図柄52とが停止表示されており、それぞれの図柄の前後に連続する図柄の一部も表示されている。そして、前述したリーチ予告を行なうことが事前決定されている場合には、パチンコ玉の始動入賞によりまず中図柄53が1/2図柄分逆方向(上方向)にスクロールした後元の位置まで戻ってから、左図柄51と中図柄53と右図柄52とが一斉に下方向にスクロール表示されて可変開始される。遊技者は、この可変開始毎における中図柄53の逆方向へのスクロールを見ることにより、リーチが発生することを事前に認識することができる。
【0039】
(B)は前述した大当り予告1のときのLCD表示装置5による可変表示動作が示されている。この大当り予告1の場合には、打玉の始動入賞により左図柄52と中図柄3と右図柄52との全図柄が逆方向に1/2図柄分だけスクロールした後元の位置まで戻ってから、全図柄が下方向にスクロール表示される可変表示が開始される。
【0040】
(C)は大当り予告2を行なう場合のLCD表示装置5による可変表示動作が示されている。この大当り予告2の場合には、打玉の始動入賞により全図柄51,52,53が下方向にスクロールして可変表示され、まず左図柄51が停止して、次に右図柄52が停止する際に、予定停止図柄(図面では1)がほぼ1図柄分通り過ぎてから停止位置まで逆スクロールして停止され、次に中図柄53が停止する際にも、予定停止図柄(図面では9)がほぼ1図柄分通り過ぎてから停止位置まで逆スクロールして停止される。
【0041】
図5は、可変表示中の画面を切換えて予告表示を行なう例を示す図である。
(A)はリーチ予告を行なう場合であり、LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示されている最中に、「リーチ!」のメッセージ54を表示させ、その後通常の可変表示に戻り、左図柄51が停止され、右図柄52が停止され、最後に中図柄53が停止される。
【0042】
(B)は大当り予告1を行なう場合が示されており、LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示されている最中に、「フィーバー!」のメッセージ55を表示させ、次に通常の可変表示に戻り左図柄51,右図柄52,中図柄53の順に停止する。
【0043】
(C)は大当り予告2を行なう場合が示されており、LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示されている最中に、「チャンス!」のメッセージ56が表示され、次に通常の可変表示に戻り、左図柄51,右図柄52,中図柄53の順に停止する。
【0044】
図6は、通常リーチ,特別リーチ1,特別リーチ2を報知する場合の可変表示動作を示す図である。
【0045】
(A)は通常リーチの場合が示されている。LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示され、まず左図柄51が停止し、次に右図柄52が停止し、リーチ状態(左=右)となったのち、中図柄53が低速でスクロール表示される状態となり、その低速スクロール表示が各図柄53,52を2周分行なった後、予定停止図柄がLCD表示装置5の停止位置に来た段階で停止される。
【0046】
(B)は特別リーチ1の場合が示されている。LCD表示装置5により全図柄51,52,53が可変表示され、まず左図柄51が停止し、次に右図柄52が停止し、リーチ状態(左=右)となったのち、中図柄53が低速スクロールされる状態となり、その状態が中図柄53を4周分スクロール表示されるまで続き、その後予定停止図柄がLCD表示装置5の停止位置に来た状態で停止される。さらに、この中図柄53の低速スクロールが3周目になった段階から通常リーチとは異なる態様で音,ランプ,LEDによる報知も併わせて行なわれる。
【0047】
(C)は前述した特別リーチ2の場合を示している。LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示された後左図柄51が停止し、次に右図柄52が停止し、リーチ状態(左=右)となったのち、中図柄53が低速でスクロール表示される状態となり、その状態が中図柄53の4周分スクロールされるまで続行され、4周分スクロール表示された段階で中図柄53が一時停止し、さらに、その後低速スクロールが開始されてから中図柄53が1周分スクロール表示され、その後予定停止図柄がLCD表示装置5の停止表示位置に来たときに停止表示される。さらに、中図柄53の低速スクロールが3周目になった段階から前記特別リーチ1のときの態様で、さらには前記一時停止後再可変表示の開始時から特別リーチ1のときとは異なる態様で音,ランプ,LEDによる報知も併わせて行なわれる。
【0048】
図7は、当りラインが複数本設定されている可変表示装置の場合の予告報知動作を示す図である。当りラインとは、可変停止時の可変表示装置により表示される複数の停止図柄の組合せがそのライン上において予め定められた特定の組合せとなっている場合に大当りが発生するという大当り発生の判断対象となる停止図柄の組合せラインのことである。
【0049】
(A)は当りラインが、上段,中段,下段の横3本と斜め対角線上に2本との合計5本定められており、この5本の当りライン上において停止図柄の組合せがぞろめになれば、大当りが発生する。そして、リーチの予告報知を行なう場合には、すべての図柄57,58,59が可変表示中に、5本の当りライン上においてリーチが成立するラインをリーチライン61で表示させる。また、大当りを予告報知する場合には、5本の当りライン上において停止図柄がぞろめとなる当りが成立するラインを当りライン60で表示する。
【0050】
(B)は、横方向3本と縦方向3本と斜め対角線上に2本との合計8本の当りラインが定められている可変表示装置の場合を示している。リーチを予告報知する場合には、LCD表示装置5によりすべての図柄62a〜62iが可変表示されている最中に、8本の当りラインのうちリーチが成立するラインをリーチライン64で表示するとともに、そのリーチライン上の図柄表示領域をリーチ枠63g,63f,63bにより囲んで表示する。一方、大当りが発生する当り表示が行なわれることを予告報知する場合には、すべての図柄62a〜62iが可変表示されている最中に、8本の当りラインのうち停止図柄がぞろめとなり当りが成立するラインを当りライン65により表示するとともに、その当りライン上にある図柄表示領域を当り枠63a,63i,63bにより囲んで表示する。
【0051】
なお、(A),(B)の場合に、当りライン60,65とリーチライン61,64とを色を異ならせる等して区別できるようにしてもよい。
【0052】
この図7に示した当りラインが複数本ある可変表示装置の場合には、同時に複数本の当りライン上においてリーチが成立するといういわゆるダブルリーチが発生するようにしてもよい。また、可変表示装置の可変停止時の表示結果に従って大当りが発生した場合のその停止時の図柄(大当り図柄)の種類によって、以降の大当りが発生する確率が変動するようにしてもよい。このダブルリーチが発生する場合や確率変動が発生する場合には、ダブルリーチあるいは確率変動が生ずる大当り図柄(確率変動図柄)による大当りが発生する旨を通常のリーチや大当りとは別の態様で事前報知するようにしてもよい。
【0053】
また、以上説明した実施の形態においては、事前報知の内容として、リーチおよび大当りの両方を報知するものを示したが、大当りのみを事前報知するものであってもよい。また、大当りのみの事前報知を行なう場合には、すべての図柄の可変表示を同時に停止させてもよい。さらに、可変表示装置の種類はどのようなものであってもよく、たとえば、CRT,プラズマ,ドットマトリクスLED,エレクトロルミネセンス,蛍光表示管等の表示装置を利用したもの、あるいは、回転ドラム式や表面に複数種類の図柄が描かれたベルトを回転移動させるものや複数種類の図柄が描かれた円盤を回転させるもの(ロタミント)等の機械式のものであってもよい。さらに、ボクシングの映像表示を行ない、遊技者側のボクサーが勝てば大当りを発生させるものであってもよい。つまり、可変表示は識別情報のスクロール表示あるいは切換表示に限られず、さらに可変表示装置の表示結果が導出表示された後においても引続き表示状態が変化するものであってもよい。また、可変表示装置を利用した事前報知の方法はどのようなものであってもよく、たとえば、逆回転,可変開始時からスロー回転,点滅表示,画面が一瞬OFFになるもの,画面の明暗が反転するもの,表示図柄の形状や大きさが変形するものであってもよい。
【0054】
以上に示した実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
可変表示装置4の停止図柄を大当りの表示結果とすることが決定された場合に、大当り予告の報知として、大当りの表示結果となる当りラインを図7(A)に示されるような当りライン60によって表示するために、この報知の実行により、大当りになることが決定されたという遊技者にとって喜ばしい状態を遊技者がいち早く知ることができ、期待感が高まって、それ以降の遊技を楽しく行なうことができる。しかも、大当りの表示結果となる当りラインを報知の内容により遊技者が把握することができるため、表示領域上で大当りの表示結果となる部位に遊技者が注目しやすくなる。これにより、表示領域上で大当りの表示結果となる部位に遊技者が容易に注目し得る大当り予告の報知をすることができる。その結果、このような報知により、可変表示を見る遊技者の興趣を十分に向上させることができる。
【0055】
また、前述した図7に示された当りラインの表示は、図3に示された制御動作により行なわれる大当り予告の報知の表示例の一例として説明されているので、図7に示された当りラインの報知については図3の制御内容が適用される。このため、可変表示装置4の停止図柄を大当りの表示結果とすることが決定された場合に、大当り予告として、大当りの表示結果となる当りライン60の表示が必ず行なわれるのではなく、ランダム3カウンタの値に基づいて選択的に行なわれるために、当りライン60による大当り予告が行なわれないにも関わらず特定の表示態様となる場合もあり、その結果、当りライン60による大当り予告が行なわれない場合には必ず大当りが発生しないと遊技者が思うことがなく、当りライン60による大当り予告が行なわれない場合にその時点で遊技者が完全に失望してしまうのを防止することができる。
【0056】
また、図7に示されるように、大当り予告の報知として、大当りの表示結果となる当りラインを可変表示装置4の表示領域において特定する表示が行なわれるため、当りラインにより行なう大当り予告の報知内容を、可変表示を見る遊技者にとってわかりやすく示すことができる。
【0057】
また、図7の(A),(B)に示されるように、大当り予告の報知として、大当りの表示結果となる当りラインが60,65が可変表示装置4の表示領域において線分である当りライン60,65の表示により示されるため、大当りの表示結果となる当りラインの予告報知内容を、可変表示を見る遊技者にとって視覚的に容易に判別可能な態様で示すことができる。
【0058】
また、図7の(B)に示されるように、大当り予告の報知として、大当りの表示結果となる当りラインが可変表示装置4の表示領域において当り枠63a,63i,63bの表示により示されるため、大当りの表示結果となる当りラインの予告報知内容を、可変表示を見る遊技者にとって視覚的に容易に判別可能な態様で示すことができる。
【0059】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、特定の表示態様、またはリーチが予告報知され得るために遊技者の期待感を高めることができる。しかも、予告報知決定手段を具備させ、それらの予告報知がされないときであっても特定の表示態様となるときがあるようにしたために、予告報知がされないことで直ちに遊技者の期待感が減退することがない。さらに、特定の表示態様とすることが事前決定されているときに、特定の表示態様になることの予告報知、またはリーチになることの予告報知のうち、いずれか一方を行なう割合の方が、双方の予告報知を行なわない割合よりも高いため、特定の表示態様とすることが事前決定されているときに、予告報知付で特定の表示態様となる機会、または予告報知付でリーチとなる機会が多くなり、特定の表示態様という喜ばしい状態を、その表示態様が成立する前から盛り上げることができる機会を増やすことができる。
【0065】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、バリエーションに富む予告報知を提供できる。
【0066】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、特定の表示態様に対する大きな期待を抱かせる予告報知をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。
【図2】
パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図3】
パチンコ遊技機における主として可変表示装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】
図柄の変動動作によって予告報知を行なう場合のLCD表示装置の表示動作を示す図である。
【図5】
可変表示中の画面を切換えて予告報知を行なう場合のLCD表示装置の表示動作を示す図である。
【図6】
通常リーチ,特別リーチ1,特別リーチ2を報知する場合のLCD表示装置の表示動作を示す図である。
【図7】
当りラインが複数本設定されている可変表示装置のLCD表示装置による表示動作を示す図である。
【符号の説明】
4は可変表示装置、5はLCD表示装置、9は可変入賞球装置、29は基本回路である。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-03-01 
出願番号 特願2000-267265(P2000-267265)
審決分類 P 1 651・ 4- YA (A63F)
P 1 651・ 121- YA (A63F)
P 1 651・ 534- YA (A63F)
P 1 651・ 531- YA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山崎 仁之▲吉▼川 康史澤田 真治  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 渡部 葉子
國分 直樹
登録日 2003-08-01 
登録番号 特許第3456962号(P3456962)
権利者 株式会社三共
発明の名称 遊技機  
代理人 中田 雅彦  
代理人 深見 久郎  
代理人 森田 俊雄  
代理人 深見 久郎  
代理人 塚本 豊  
代理人 塚本 豊  
代理人 森田 俊雄  
代理人 中田 雅彦  
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