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審決分類 審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H04N
審判 一部申し立て 産業上利用性  H04N
管理番号 1117799
異議申立番号 異議2003-72371  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2005-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-09-24 
確定日 2005-03-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3389578号「広告の送信を制御する方法および装置」の請求項1,12に係る特許に対する特許異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3389578号の請求項1,12に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
1 特許第3389578号の請求項1及び12に係る出願は,平成12年5月15日に出願され,平成15年1月17日にその発明について特許権の設定登録がされ,その後,その特許について,異議申立人原田一男から特許異議の申立てがなされ,取消の理由が通知され,その指定期間内である平成16年8月30日に訂正請求(後日取下げ)がなされた後,再度取消しの理由が通知され,その指定期間内である平成17年2月21に訂正請求がなされたものである。

第2 訂正の適否
1 訂正の内容
平成17年2月21日付け訂正請求によって特許権者が求めている訂正の内容は以下のとおりである。(下線部が訂正箇所)

(1) 明細書の特許請求の範囲の請求項1を,
「送信側の広告配信装置から,該広告配信装置に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを,受信機から送信された前記視聴者を識別するデータに基づいて前記広告配信装置が判別した前記視聴者の前記受信機へ送信する広告配信方法において,
前記送信側の前記広告配信装置が,
(1)前記登録された各視聴者についての,該視聴者が属する視聴者層を特徴付ける視聴者からのデータを受信手段が受信し,該データを記憶手段が記憶して得るステップと,
(2)前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける広告主からのデータを前記受信手段が受信して得て,前記記憶手段が該広告主からのデータを前記広告データの広告IDデータに対応させて記憶して,前記広告主からのデータを前記広告データに関連付けるステップと,
(3)計算手段が,前記登録された各視聴者毎に,前記ステップ(1)で受信して記憶した前記視聴者の属する視聴者層を特徴付ける前記視聴者からのデータと,前記ステップ(2)で受信して記憶した,前記視聴者に割り当てられた各々の前記広告データの前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける前記広告主からのデータと,の一致の度合いを計算し,該一致の度合いに基づいて,各々の前記広告データの前記視聴者の前記受信機への適した送信回数を決定するステップと,
を備える,
広告配信方法。」
と訂正する。

(2) 明細書の特許請求の範囲の請求項5を,
「前記ステップ(1)の前記視聴者が属する視聴者層を特徴付ける前記視聴者からのデータは,視聴者層を特定する1以上の分類をそれぞれが含む1以上の項目からなる視聴者層特定用分類データから選択された,前記視聴者の属する視聴者層を特定する分類を示す第1のデータを含み,
前記ステップ(2)の前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける前記広告主からのデータは,前記視聴者層特定用分類データから選択された,広告が対象とする視聴者層を特定する1以上の分類を示す第2のデータと,選択した前記分類に対して割り当てられた,前記分類の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを含み,
前記ステップ(2)は,前記広告データが対象とする視聴者層を特定する前記分類に属する視聴者の数を示すデータを得て,前記広告データと関連付けるステップを備え,
前記ステップ(3)は,前記登録された各視聴者毎に,それぞれの前記広告の前記広告データに関して,
(3a)前記第2のデータにより示される前記分類のうちの,前記第1のデータにより示される前記分類と一致する分類に対して割り当てられた前記重みを表す係数の値を示すデータに基づいて,前記一致する分類毎に,前記広告データが対象とする視聴者層と前記視聴者の属する視聴者層との一致の度合いを表す係数の値を決定するステップと,
(3b)前記ステップ(3a)で求めた前記一致する分類毎の前記一致の度合いを表す係数の値をそれぞれ個別に前記総送信回数に適用して,それぞれの前記分類に関する前記一致の度合いを考慮した総送信回数を求めるステップと,
(3c)前記ステップ(3b)で求めた,前記一致の度合いを考慮した前記総送信回数を,それぞれ対応する前記分類に属する前記視聴者の数で除算して,それぞれの前記分類に属する視聴者数を考慮した送信回数を求めるステップと,
(3d)前記ステップ(3c)で求めた,それぞれの前記分類に属する視聴者数を考慮した前記送信回数に基づいて,前記視聴者へ割り当てる前記広告データの前記適した送信回数を決定するステップと
を備える,
請求項4に記載の広告配信方法。」
と訂正する。

(3) 明細書の特許請求の範囲の請求項12を,
「送信側の広告配信装置から,該広告配信装置に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを,受信機から送信された前記視聴者を識別するデータに基づいて前記広告配信装置が判別した前記視聴者の前記受信機へ送信する広告配信方法において,
前記送信側の前記広告配信装置が,
(1)広告主からの,複数の時間帯に区分された一日の時間帯のうちから選択された,前記広告データを優先的に前記受信機へ送信したい少なくとも1つの時間帯を特定する時間帯データと,選択した前記時間帯データに対して割り当てられた,前記時間帯の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを受信手段が受信して得て,記憶手段が,受信した前記時間帯データおよび前記係数の値を示すデータを前記広告データの広告IDデータに対応させることにより,前記時間帯データおよび前記係数の値を示すデータを前記広告データに対応させて記憶することにより関連付けるステップと,
(2)現在時刻が前記複数の時間帯のうちの何れの時間帯に属するかを,計時手段から読み出した前記現在時刻と前記複数の時間帯とに基づいて計算手段が判別するステップと,
(3)前記計算手段が,各視聴者毎に,前記ステップ(2)で判別された前記時間帯に対応する時間帯データに割り当てられた前記係数の値を前記記憶手段から読み出すステップと,
(4)各視聴者毎に,前記ステップ(3)で読み出された前記係数の値に基づいて,前記割り当てられた各々の広告データの,前記視聴者の前記受信機への送信の優先順位を,前記計算手段が決定するステップと,
(5)前記視聴者の前記受信機へ送信する前記広告データを,前記割り当てられた広告データの中から前記優先順位に基づいて前記計算手段が選択するステップと,
(6)前記ステップ(5)で選択した前記広告データを,送信手段が,前記視聴者の前記受信機へ,前記優先順位に基づいて送信するステップと,
を備える広告配信方法。」
と訂正する。

(4) 明細書の特許請求の範囲の請求項13を,
「前記登録された各視聴者毎に,前記視聴者へ広告データを割り当てる際に,前記視聴者が属する視聴者層を特徴付ける前記視聴者からのデータと,前記広告が対象とする視聴者層を特徴付ける前記広告主からのデータとの一致の度合いに基づいて,複数の広告の前記広告データの中から広告データを選択して前記視聴者に割り当てるステップを更に備える請求項1ないし12の何れかに記載の広告配信方法。」
と訂正する。

(5) 明細書の段落【0031】,【0035】,【0041】及び段落【0042】を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正する。

2 訂正の事項について
(1) 上記1(1)の特許請求の範囲の訂正は,特許請求の範囲の請求項1に記載された「送信側から,該送信側に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを,前記視聴者の受信機へ送信する広告配信方法において,」とあるのを「送信側の広告配信装置から,該広告配信装置に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを,受信機から送信された前記視聴者を識別するデータに基づいて前記広告配信装置が判別した前記視聴者の前記受信機へ送信する広告配信方法において,」と訂正し,広告配信方法が,送信側の広告配信装置を用いて実現される方法であることを明確化し,かつ,広告配信装置は,広告データの送信先となる受信機を,視聴者の受信機が送信する識別データ(視聴者を識別するデータ)に基づいて判別すること,を明確化したものである。
したがって,この訂正は,広告配信方法の動作の主体及び発明の主体を明りょうにし,広告配信方法の技術的構成を明りょうにし,かつ広告配信方法がハードウエア資源を用いて具体的に実現されることを明りょうにするものである。
また,この訂正は,本件発明の実施態様に基づいて,「送信側から」を「送信側の広告配信装置から」とし,「該送信側に登録された」を「該広告配信装置に登録された」とし,「前記視聴者の受信機」とあるのを「受信機から送信された前記視聴者を識別するデータに基づいて前記広告配信装置が判別した前記視聴者の前記受信機」と限定しようとするものである。
したがって,この訂正は,特許法120条の4第2項ただし書きに規定する特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
さらに,請求項1に係る他の訂正は,記憶手段及び計算手段等の具体的な構成を付加するものであり,特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものに相当する。
そして,当該訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(2) 前記1(2)の請求項5の訂正は,間接的に請求項1を引用する部分に加えデータの出所を具体的に特定するものであり,請求項1の訂正と同様,特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものに相当し,当該訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
そして,後述するように請求項1の発明が独立して特許を受けることができるものであるから,請求項1を引用し,更に限定事項を付加している請求項5もまた独立して特許を受けることができるものである。

(3) 前記1(3)の請求項12の訂正は,広告配信装置や時間帯に基づいた計算手段を限定し,動作の主体及び発明の主体を明りょうにし,ハードウエア資源を用いて具体的に実現されることを限定事項を付加することにより明りょうにするものであるから,特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明に相当する。
そして,当該訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(4) 前記1(4)の請求項13の訂正は,間接的に請求項1又は12を引用する部分に加えデータの出所を具体的に特定するものであり,請求項1又は12の訂正と同様,特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものに相当し,当該訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
そして,後述するように請求項1及び12が独立して特許を受けることができるものであるから,請求項1又は12を間接的に引用し,更に限定事項を付加している請求項5もまた独立して特許を受けることができるものである。

(5) 前記1(5)の各訂正は,特許請求の範囲の訂正と整合を図るために必要な訂正であり,明りょうでない記載の釈明に該当する。
そして,当該訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(6) 上記訂正により特許異議の申し立てられていない請求項2ないし4,及び6ないし11についても,各請求項が訂正された請求項を引用していることから,訂正が請求されていることとなるため,訂正要件を満たしているか否かについて判断する。
請求項2ないし4,及び6ないし11の訂正は,請求項1を直接又は間接に引用する形式であるから,請求項1の訂正と同様,特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当し,後述するように請求項1が独立して特許を受けることができるものであるから,請求項1を引用している請求項2ないし4,及び6ないし11もまた独立して特許を受けることができるものである。

3 むすび
以上のとおりであるから,上記訂正は,特許法120条の4第2項の目的に該当し,同3項において準用する126条2項から4項の規定に適合するので,当該訂正を認める。

第3 特許異議の申し立てについて
1 申立の理由の概要
特許異議申立人は,証拠として
(1)甲第1号証:特許・実用新案審査基準 第VII部特定技術分野の審査基準 第1章コンピュータ・ソフトウエア関連発明(平成12年2月 特許庁 特許審査第一部)
(2)甲第2号証:ビジネス関連発明に対する判断事例集(平成15年4月,特許庁 特許審査第四部)
を提出し,請求項1及び12に係る発明は,動作の主体が複数に解釈でき,甲第1号証の審査基準に照らすと発明が明確に把握できず,また機能的な表現で技術的構成が明確でないから特許法36条6項の規定に違反してなされたものであるから,特許を取り消すべき旨主張している。
また,請求項1及び12に係る発明は,甲第2号証の事例に則れば,ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されたものを特定する記載がなされていないから,自然法則を利用した技術的思想とは認められず,特許法29条1項柱書に規定する発明に該当しないものであるから,特許を取り消すべき旨主張している。

2 本件発明
上記第2で示したとおり,平成17年2月21日付け訂正請求書による訂正請求は認められるところとなったので,本件特許は,同訂正請求書に添付した訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1及び12に記載された事項により特定される前述のとおりのものである。(以下,「本件発明1」及び「本件発明12」という。)

3 36条違反について
(1) 申立の概要
異議申立の概要は,請求項1及び12の記載は,動作の主体である「送信側」というものが人間とも機械とも解釈でき,一に特定されない。すなわち,「人間が実行する方法」及び「機械が実行する方法」という異なる概念を含んでいるため,明確に把握することができない
請求項1及び12の記載において,各ステップは機能的に記載されているにすぎず,技術的意味が明確ではなく,また,技術的構成が全体的に明確ではない,というものである。

(2) 当審の判断
前記のとおり訂正が認められたので,本件発明1及び12は,動作の主体が機械(広告配信装置)であり,機械が実行する方法であることが明確となった。
また,各ステップの記載も記憶手段や計算手段が限定され,技術的意味が明確となり,全体的に技術的構成が明確に表現されている。
したがって,本件発明1及び12は,特許法36条6項に規定する要件を満たしている。

4 29条1項柱書について
(1) 申立の概要
異議申立の概要は,本件発明1及び12における各ステップの動作の主体が人間であると解釈した場合,本件発明1及び12は人為的な取り決めにすぎない。本件発明1及び12における各ステップの動作の主体を機械であると解釈しても,甲第2号証に記載された事例1の請求項3に係る発明の成立性の判断に則れば,請求項1及び12に関しては,ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されたものを特定する記載はなされていない。すなわち,請求項1及び12の記載にはハードウエア資源の具体的利用が示されていない,というものである。

(2) 当審の判断
前述のとおり訂正が認められたので,本件発明1及び12は,動作の主体が機械(広告配信装置)であり,機械が実行する方法であることが明確となった。
そして,ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されたものを特定する記載となった。
すなわち,広告配信装置により行われる方法の各ステップが広告配信装置の備える各種のハードウエア資源により具体的に実現された技術的ステップであることが特定されており,本件発明1及び12には,情報処理(広告配信方法)が装置のハードウエア資源を用いて具体的に実現されたことが記載されている。
したがって,本件発明1及び12は,自然法則を利用した技術的思想の創
作であり,特許法2条に定義される発明であり,特許法29条1項柱書で規定する発明に該当する。

第4 むすび
以上のとおりであるから,特許異議申立の理由によっては,請求項1及び12に係る発明の特許を取り消すことはできない。
よって結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
広告の送信を制御する方法および装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 送信側の広告配信装置から、該広告配信装置に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、受信機から送信された前記視聴者を識別するデータに基づいて前記広告配信装置が判別した前記視聴者の前記受信機へ送信する広告配信方法において、
前記送信側の前記広告配信装置が、
(1)前記登録された各視聴者についての、該視聴者が属する視聴者層を特徴付ける視聴者からのデータを受信手段が受信し、該データを記憶手段が記憶して得るステップと、
(2)前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける広告主からのデータを前記受信手段が受信して得て、前記記憶手段が該広告主からのデータを前記広告データの広告IDデータに対応させて記憶して、前記広告主からのデータを前記広告データに関連付けるステップと、
(3)計算手段が、前記登録された各視聴者毎に、前記ステップ(1)で受信して記憶した前記視聴者の属する視聴者層を特徴付ける前記視聴者からのデータと、前記ステップ(2)で受信して記憶した、前記視聴者に割り当てられた各々の前記広告データの前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける前記広告主からのデータと、の一致の度合いを計算し、該一致の度合いに基づいて、各々の前記広告データの前記視聴者の前記受信機への適した送信回数を決定するステップと、
を備える、
広告配信方法。
【請求項2】 前記ステップ(3)において、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記一致の度合いが高い場合には多くなり且つ低い場合には少なくなるように決定する、請求項1に記載の広告配信方法。
【請求項3】 前記ステップ(2)は、前記広告データの予め定めた送信回数を示すデータを得て、前記広告データと関連付けるステップを備え、
前記ステップ(3)は、前記視聴者の前記受信機へのそれぞれの前記広告データの前記適した送信回数を、前記一致の度合いと前記広告データの予め定めた送信回数とに基づいて決定するステップを備える、
請求項1または2に記載の広告配信方法。
【請求項4】 前記広告データの予め定めた送信回数を示す前記データは、前記広告データの受注した総送信回数を示すものである、請求項3に記載の広告配信方法。
【請求項5】 前記ステップ(1)の前記視聴者が属する視聴者層を特徴付ける前記視聴者からのデータは、視聴者層を特定する1以上の分類をそれぞれが含む1以上の項目からなる視聴者層特定用分類データから選択された、前記視聴者の属する視聴者層を特定する分類を示す第1のデータを含み、
前記ステップ(2)の前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける前記広告主からのデータは、前記視聴者層特定用分類データから選択された、広告が対象とする視聴者層を特定する1以上の分類を示す第2のデータと、選択した前記分類に対して割り当てられた、前記分類の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを含み、
前記ステップ(2)は、前記広告データが対象とする視聴者層を特定する前記分類に属する視聴者の数を示すデータを得て、前記広告データと関連付けるステップを備え、
前記ステップ(3)は、前記登録された各視聴者毎に、それぞれの前記広告の前記広告データに関して、
(3a)前記第2のデータにより示される前記分類のうちの、前記第1のデータにより示される前記分類と一致する分類に対して割り当てられた前記重みを表す係数の値を示すデータに基づいて、前記一致する分類毎に、前記広告データが対象とする視聴者層と前記視聴者の属する視聴者層との一致の度合いを表す係数の値を決定するステップと、
(3b)前記ステップ(3a)で求めた前記一致する分類毎の前記一致の度合いを表す係数の値をそれぞれ個別に前記総送信回数に適用して、それぞれの前記分類に関する前記一致の度合いを考慮した総送信回数を求めるステップと、
(3c)前記ステップ(3b)で求めた、前記一致の度合いを考慮した前記総送信回数を、それぞれ対応する前記分類に属する前記視聴者の数で除算して、それぞれの前記分類に属する視聴者数を考慮した送信回数を求めるステップと、
(3d)前記ステップ(3c)で求めた、それぞれの前記分類に属する視聴者数を考慮した前記送信回数に基づいて、前記視聴者へ割り当てる前記広告データの前記適した送信回数を決定するステップと
を備える、
請求項4に記載の広告配信方法。
【請求項6】 前記ステップ(3)において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が、受注した総送信回数を超え、且つ前記広告データを割り当てられた各視聴者の受信機へ該広告データが過多に送信されないように決定される送信回数である、請求項1ないし3の何れかに記載の広告配信方法。
【請求項7】 前記ステップ(3)において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が、前記受注した総送信回数を超え、且つ前記広告データを割り当てられた各視聴者の受信機へ該広告データが過多に送信されないように決定される送信回数である、請求項4または5に記載の広告配信方法。
【請求項8】 前記ステップ(3)において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた前記広告データの送信回数の合計が受注した総送信回数に達するためにそれぞれの前記視聴者毎に最低限必要とされる送信回数よりも多くなるように定められる、請求項1ないし3の何れかに記載の広告配信方法。
【請求項9】 前記ステップ(3)において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた前記広告データの送信回数の合計が前記受注した総送信回数に達するためにそれぞれの前記視聴者毎に最低限必要とされる送信回数よりも多くなるように定められる、請求項4ないし7の何れかに記載の広告配信方法。
【請求項10】 前記ステップ(3)において決定される前記適した送信回数は、前記送信側から前記視聴者の受信機へ前記広告データを送信する回数の、目安としての上限を定めた送信回数である、請求項1ないし9の何れかに記載の広告配信方法。
【請求項11】 前記送信側において、
(A)前記ステップ(3)で決定された前記送信回数に基づいて、それぞれの前記広告の前記広告データの残り送信回数を決定するステップと、
(B)前記残り送信回数が多いほど重い重みを表す係数の値を決定するステップと、
(C)前記係数の値に基づいて、前記視聴者の受信機へのそれぞれの前記広告の広告データの送信の優先順位を決定するステップと、
(D)前記視聴者の受信機へ送信する前記広告データを、前記視聴者へ割り当てられた前記広告データの中から前記優先順位に基づいて選択するステップと、
(E)前記ステップ(D)で選択した前記広告データを、前記優先順位に基づいて前記視聴者の受信機へ送信するステップと、
を更に備える請求項1ないし10の何れかに記載の広告配信方法。
【請求項12】 送信側の広告配信装置から、該広告配信装置に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、受信機から送信された前記視聴者を識別するデータに基づいて前記広告配信装置が判別した前記視聴者の前記受信機へ送信する広告配信方法において、
前記送信側の前記広告配信装置が、
(1)広告主からの、複数の時間帯に区分された一日の時間帯のうちから選択された、前記広告データを優先的に前記受信機へ送信したい少なくとも1つの時間帯を特定する時間帯データと、選択した前記時間帯データに対して割り当てられた、前記時間帯の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを受信手段が受信して得て、記憶手段が、受信した前記時間帯データおよび前記係数の値を示すデータを前記広告データの広告IDデータに対応させることにより、前記時間帯データおよび前記係数の値を示すデータを前記広告データに対応させて記憶することにより関連付けるステップと、
(2)現在時刻が前記複数の時間帯のうちの何れの時間帯に属するかを、計時手段から読み出した前記現在時刻と前記複数の時間帯とに基づいて計算手段が判別するステップと、
(3)前記計算手段が、各視聴者毎に、前記ステップ(2)で判別された前記時間帯に対応する時間帯データに割り当てられた前記係数の値を前記記憶手段から読み出すステップと、
(4)各視聴者毎に、前記ステップ(3)で読み出された前記係数の値に基づいて、前記割り当てられた各々の広告データの、前記視聴者の前記受信機への送信の優先順位を、前記計算手段が決定するステップと、
(5)前記視聴者の前記受信機へ送信する前記広告データを、前記割り当てられた広告データの中から前記優先順位に基づいて前記計算手段が選択するステップと、
(6)前記ステップ(5)で選択した前記広告データを、送信手段が、前記視聴者の前記受信機へ、前記優先順位に基づいて送信するステップと、
を備える広告配信方法。
【請求項13】 前記登録された各視聴者毎に、前記視聴者へ広告データを割り当てる際に、前記視聴者が属する視聴者層を特徴付ける前記視聴者からのデータと、前記広告が対象とする視聴者層を特徴付ける前記広告主からのデータとの一致の度合いに基づいて、複数の広告の前記広告データの中から広告データを選択して前記視聴者に割り当てるステップを更に備える請求項1ないし12の何れかに記載の広告配信方法。
【請求項14】 送信側から、該送信側に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、前記視聴者の受信機へ送信する広告配信装置において、
前記送信側において、
(1)前記登録された各視聴者についての、該視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータを得て記憶する手段と、
(2)前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付けるデータを得て前記広告データに関連付けて記憶する手段と、
(3)前記登録された各視聴者毎に、前記視聴者の属する視聴者層を特徴付ける前記データと、前記視聴者に割り当てられた各々の前記広告データの、前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける前記データとの一致の度合いに基づいて、各々の前記広告データの前記視聴者の前記受信機への適した送信回数を決定する手段と、
を備える、
広告配信装置。
【請求項15】 前記(3)の手段は、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数を、前記一致の度合いが高い場合には多くなり且つ低い場合には少なくなるように決定する、請求項14に記載の広告配信装置。
【請求項16】 前記(2)の手段は、前記広告データの予め定めた送信回数を示すデータを、前記広告データと関連付けて記憶する手段を備え、
前記(3)の手段は、前記受信機へのそれぞれの前記広告データの前記適した送信回数を、前記一致の度合いと前記広告データの予め定めた送信回数とに基づいて決定する手段を備える、
請求項14または15に記載の広告配信装置。
【請求項17】 前記広告データの予め定めた送信回数を示す前記データは、前記広告データの受注した総送信回数を示すものである、請求項16に記載の広告配信装置。
【請求項18】 前記(1)の手段で記憶される前記視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータは、視聴者層を特定する1以上の分類をそれぞれが含む1以上の項目からなる視聴者層特定用分類データから選択された、前記視聴者の属する視聴者層を特定する分類を示す第1のデータを含み、
前記(2)の手段で記憶される前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付けるデータは、前記視聴者層特定用分類データから選択された、広告が対象とする視聴者層を特定する1以上の分類を示す第2のデータと、選択した前記分類に対して割り当てられた、前記分類の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを含み、
前記(2)の手段は、前記広告データが対象とする視聴者層を特定する前記分類に属する視聴者の数を示すデータを、前記広告データと関連付けて記憶する手段を備え、
前記(3)の手段は、それぞれの前記広告の前記広告データに関して、
(3a)前記第2のデータにより示される前記分類のうちの、前記第1のデータにより示される前記分類と一致する分類に対して割り当てられた前記重みを表す係数の値を示すデータに基づいて、前記一致する分類毎に、前記広告データが対象とする視聴者層と前記視聴者の属する視聴者層との一致の度合いを表す係数の値を決定する手段と、
(3b)前記(3a)の手段で求めた前記一致する分類毎の前記一致の度合いを表す係数の値をそれぞれ個別に前記総送信回数に適用して、それぞれの前記分類に関する前記一致の度合いを考慮した総送信回数を求める手段と、
(3c)前記(3b)の手段で求めた、前記一致の度合いを考慮した前記総送信回数を、それぞれ対応する前記分類に属する前記視聴者の数で除算して、それぞれの前記分類に属する視聴者数を考慮した送信回数を求める手段と、
(3d)前記(3c)の手段で求めた、それぞれの前記分類に属する視聴者数を考慮した前記送信回数に基づいて、前記視聴者へ割り当てる前記広告データの前記適した送信回数を決定する手段と
を備える、
請求項17に記載の広告配信装置。
【請求項19】 前記(3)の手段において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が、受注した総送信回数を超え、且つ前記広告データを割り当てられた各視聴者の受信機へ該広告データが過多に送信されないように決定される送信回数である、請求項14ないし16の何れかに記載の広告配信装置。
【請求項20】 前記(3)の手段において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が、前記受注した総送信回数を超え、且つ前記広告データを割り当てられた各視聴者の受信機へ該広告データが過多に送信されないように決定される送信回数である、請求項17または18に記載の広告配信装置。
【請求項21】 前記(3)の手段において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた前記広告データの送信回数の合計が受注した総送信回数に達するためにそれぞれの前記視聴者毎に最低限必要とされる送信回数よりも多くなるように定められる、請求項14ないし16の何れかに記載の広告配信装置。
【請求項22】 前記(3)の手段において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた前記広告データの送信回数の合計が前記受注した総送信回数に達するためにそれぞれの前記視聴者毎に最低限必要とされる送信回数よりも多くなるように定められる、請求項17ないし20の何れかに記載の広告配信装置。
【請求項23】 前記(3)の手段において決定される前記適した送信回数は、前記送信側から前記視聴者の受信機へ前記広告データを送信する回数の、目安としての上限を定めた送信回数である、請求項14ないし22の何れかに記載の広告配信装置。
【請求項24】 前記送信側において、
(A)前記(3)の手段で決定された前記送信回数に基づいて、それぞれの前記広告の前記広告データの残り送信回数を決定する手段と、
(B)前記残り送信回数が多いほど重い重みを表す係数の値を決定する手段と、
(C)前記係数の値に基づいて、前記視聴者の受信機へのそれぞれの前記広告の広告データの送信の優先順位を決定する手段と、
(D)前記視聴者の受信機へ送信する前記広告データを、前記視聴者へ割り当てられた前記広告データの中から前記優先順位に基づいて選択する手段と、
(E)前記(D)の手段で選択した前記広告データを、前記優先順位に基づいて前記視聴者の受信機へ送信する手段と、
を更に備える請求項14ないし23の何れかに記載の広告配信装置。
【請求項25】 送信側から、該送信側に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、前記視聴者の受信機へ送信する広告配信装置において、
前記送信側において、
(1)複数の時間帯に区分された一日の時間帯のうちから選択された、前記広告データを優先的に前記受信機へ送信したい少なくとも1つの時間帯を特定する時間帯データと、選択した前記時間帯データに対して割り当てられた、前記時間帯の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを得て、前記時間帯データと前記係数の値を示すデータとを前記広告データに関連付け、記憶する手段と、
(2)現在時刻が何れの時間帯に属するかを判別する手段と、
(3)各視聴者毎に、前記(2)の手段で判別された前記時間帯に対応する時間帯データに割り当てられた前記係数の値を読み出す手段と、
(4)各視聴者毎に、前記(3)の手段で読み出された前記係数の値に基づいて、前記割り当てられた各々の広告データの前記受信機への送信の優先順位を決定する手段と、
(5)前記視聴者の前記受信機へ送信する前記広告データを、前記割り当てられた広告データの中から前記優先順位に基づいて選択する手段と、
(6)前記(5)の手段で選択した前記広告データを、前記視聴者の受信機へ、前記優先順位に基づいて送信する手段と、
を備える広告配信装置。
【請求項26】 前記登録された各視聴者毎に、前記視聴者へ広告データを割り当てる際に、前記視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータと、前記広告が対象とする視聴者層を特徴付けるデータとの一致の度合いに基づいて、複数の広告の前記広告データの中から広告データを選択して前記視聴者に割り当てる手段を更に備える請求項14ないし25の何れかに記載の広告配信装置。
【請求項27】 送信側から、該送信側に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、前記視聴者の受信機へ送信する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記送信側において、
(1)前記登録された各視聴者についての、該視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータを得るステップと、
(2)前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付けるデータを得て前記広告データに関連付けるステップと、
(3)前記登録された各視聴者毎に、前記視聴者の属する視聴者層を特徴付ける前記データと、前記視聴者に割り当てられた各々の前記広告データの、前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける前記データとの一致の度合いに基づいて、各々の前記広告データの前記視聴者の前記受信機への適した送信回数を決定するステップと、
を備える手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【請求項28】 前記ステップ(3)において、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記一致の度合いが高い場合には多くなり且つ低い場合には少なくなるように決定する、請求項27に記載の記録媒体。
【請求項29】 前記ステップ(2)は、前記広告データの予め定めた送信回数を示すデータを得て、前記広告データと関連付けるステップを備え、
前記ステップ(3)は、前記視聴者の前記受信機へのそれぞれの前記広告データの前記適した送信回数を、前記一致の度合いと前記広告データの予め定めた送信回数とに基づいて決定するステップを備える、
請求項27または28に記載の記録媒体。
【請求項30】 前記広告データの予め定めた送信回数を示す前記データは、前記広告データの受注した総送信回数を示すものである、請求項29に記載の記録媒体。
【請求項31】 前記ステップ(1)の前記視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータは、視聴者層を特定する1以上の分類をそれぞれが含む1以上の項目からなる視聴者層特定用分類データから選択された、前記視聴者の属する視聴者層を特定する分類を示す第1のデータを含み、
前記ステップ(2)の前記広告データが対象とする視聴者層を特徴付けるデータは、前記視聴者層特定用分類データから選択された、広告が対象とする視聴者層を特定する1以上の分類を示す第2のデータと、選択した前記分類に対して割り当てられた、前記分類の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを含み、
前記ステップ(2)は、前記広告データが対象とする視聴者層を特定する前記分類に属する視聴者の数を示すデータを得て、前記広告データと関連付けるステップを備え、
前記ステップ(3)は、前記登録された各視聴者毎に、それぞれの前記広告の前記広告データに関して、
(3a)前記第2のデータにより示される前記分類のうちの、前記第1のデータにより示される前記分類と一致する分類に対して割り当てられた前記重みを表す係数の値を示すデータに基づいて、前記一致する分類毎に、前記広告データが対象とする視聴者層と前記視聴者の属する視聴者層との一致の度合いを表す係数の値を決定するステップと、
(3b)前記ステップ(3a)で求めた前記一致する分類毎の前記一致の度合いを表す係数の値をそれぞれ個別に前記総送信回数に適用して、それぞれの前記分類に関する前記一致の度合いを考慮した総送信回数を求めるステップと、
(3c)前記ステップ(3b)で求めた、前記一致の度合いを考慮した前記総送信回数を、それぞれ対応する前記分類に属する前記視聴者の数で除算して、それぞれの前記分類に属する視聴者数を考慮した送信回数を求めるステップと、
(3d)前記ステップ(3c)で求めた、それぞれの前記分類に属する視聴者数を考慮した前記送信回数に基づいて、前記視聴者へ割り当てる前記広告データの前記適した送信回数を決定するステップと
を備える、
請求項30に記載の記録媒体。
【請求項32】 前記ステップ(3)において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が、受注した総送信回数を超え、且つ前記広告データを割り当てられた各視聴者の受信機へ該広告データが過多に送信されないように決定される送信回数である、請求項27ないし29の何れかに記載の記録媒体。
【請求項33】 前記ステップ(3)において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が、前記受注した総送信回数を超え、且つ前記広告データを割り当てられた各視聴者の受信機へ該広告データが過多に送信されないように決定される送信回数である、請求項30または31に記載の記録媒体。
【請求項34】 前記ステップ(3)において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた前記広告データの送信回数の合計が受注した総送信回数に達するためにそれぞれの前記視聴者毎に最低限必要とされる送信回数よりも多くなるように定められる、請求項27ないし29の何れかに記載の記録媒体。
【請求項35】 前記ステップ(3)において決定される、前記一致の度合いに基づく前記適した送信回数は、前記広告データを割り当てられた全ての前記視聴者のそれぞれに対して割り当てられた前記広告データの送信回数の合計が前記受注した総送信回数に達するためにそれぞれの前記視聴者毎に最低限必要とされる送信回数よりも多くなるように定められる、請求項30ないし33の何れかに記載の記録媒体。
【請求項36】 前記ステップ(3)において決定される前記適した送信回数は、前記送信側から前記視聴者の受信機へ前記広告データを送信する回数の、目安としての上限を定めた送信回数である、請求項27ないし35の何れかに記載の記録媒体。
【請求項37】 前記手順は、前記送信側において、
(A)前記ステップ(3)で決定された前記送信回数に基づいて、それぞれの前記広告の前記広告データの残り送信回数を決定するステップと、
(B)前記残り送信回数が多いほど重い重みを表す係数の値を決定するステップと、
(C)前記係数の値に基づいて、前記視聴者の受信機へのそれぞれの前記広告の広告データの送信の優先順位を決定するステップと、
(D)前記視聴者の受信機へ送信する前記広告データを、前記視聴者へ割り当てられた前記広告データの中から前記優先順位に基づいて選択するステップと、
(E)前記ステップ(D)で選択した前記広告データを、前記優先順位に基づいて前記視聴者の受信機へ送信するステップと、
を更に備える請求項27ないし36の何れかに記載の記録媒体。
【請求項38】 送信側から、該送信側に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、前記視聴者の受信機へ送信する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記送信側において、
(1)複数の時間帯に区分された一日の時間帯のうちから選択された、前記広告データを優先的に前記受信機へ送信したい少なくとも1つの時間帯を特定する時間帯データと、選択した前記時間帯データに対して割り当てられた、前記時間帯の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを得て、前記時間帯データと前記係数の値を示すデータとを前記広告データに関連付けるステップと、
(2)現在時刻が何れの時間帯に属するかを判別するステップと、
(3)各視聴者毎に、前記ステップ(2)で判別された前記時間帯に対応する時間帯データに割り当てられた前記係数の値を読み出すステップと、
(4)各視聴者毎に、前記ステップ(3)で読み出された前記係数の値に基づいて、前記割り当てられた各々の広告データの前記受信機への送信の優先順位を決定するステップと、
(5)前記視聴者の前記受信機へ送信する前記広告データを、前記割り当てられた広告データの中から前記優先順位に基づいて選択するステップと、
(6)前記ステップ(5)で選択した前記広告データを、前記視聴者の受信機へ、前記優先順位に基づいて送信するステップと、
を備える手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【請求項39】 前記登録された各視聴者毎に、前記視聴者へ広告データを割り当てる際に、前記視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータと、前記広告が対象とする視聴者層を特徴付けるデータとの一致の度合いに基づいて、複数の広告の前記広告データの中から広告データを選択して前記視聴者に割り当てるステップを更に備える請求項27ないし38の何れかに記載の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信側に記憶した広告の、該送信側から受信機への送信を制御する方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、視聴者が放送の送信側へ予め登録して加入者とならなければ視聴できない放送がある。そのような放送の放送信号は、CS、BS、地上波、ケーブルなどを介して有線や無線で、加入者として登録している視聴者の受信機へ送信される。この形態の放送においても、一般のテレビジョン放送などの放送と同様に、放送する番組中や番組間に広告が挿入される。送信側は、広告主から依頼された広告の広告データ(広告の画像、音声、文字などを表すデータ)を蓄積しており、その広告を広告主と送信側との間で定めた条件、例えば、放送開始日、放送終了日、放送日時(曜日、時刻)等の条件に従って放送する。即ち、上記のような従来の放送では、全ての加入者に対して、同じ広告を所定の同じタイミングで放送する。
【0003】
また、インターネット環境では、広告は、アクセスしたサイトや表示されるコンテンツ(検索用画面、ホーム・ページなど)などに関連付け、即ち、紐付けされている。例えば、プロバイダに加入者として登録している視聴者が、コンピュータやインターネットに接続可能な携帯電話などの端末装置を用いて1つのサイトにアクセスすると、そのサイトに紐付けされた広告が端末装置の表示部に表示される。また、インターネット環境における別の例としては、加入者が検索エンジンのサイトにアクセスし、検索エンジンを用いた時に広告が表示されるようにする技術もある。この場合、検索エンジンにより検索可能な各情報と、各情報に関連する広告とを紐付けし、加入者が或る情報を検索するために検索エンジンを用い、その情報が検索された時に、その情報に関連する広告を表示する。例えば、検索エンジンを用いて自動車の情報を検索すると、加入者が所望する自動車の情報に加えて、自動車に関連する広告が表示される。上記のようなインターネットを介して行われる従来の広告表示技術では、サイトにアクセスした加入者やコンテンツを見た加入者の全てに対して、そのサイトまたはコンテンツに紐付けされた所定の広告を表示するものも存在する。
【0004】
上記のような、加入者として登録している視聴者に対して行われる放送や、インターネットを用いて行われる画面及び音声の情報出力では、全ての視聴者(加入者)に対して同じタイミングで同じ広告を供給して再生させており、視聴者と広告との適合性、例えば、視聴者の好みやニーズに広告が適合しているか否かや、広告主が重要視している視聴者層に視聴者が属するか否かなどについては全く考慮していない。従って、広告の効果および効率が低下する欠点がある。
【0005】
そのため、広告が対象としている視聴者層と、視聴者自身の属する視聴者層との一致度が高い広告を選択して各受信機で表示させることが望まれる。従って、送信側(放送側、コンテンツ供給側など)において、該送信側に記憶された各広告の、広告が対象とする視聴者層を特定する情報と、各視聴者の、視聴者が属する視聴者層を特定する情報とを比較し、各視聴者毎に、視聴者自身の属する視聴者層と、広告が対象としている視聴者層との一致度に基づいて広告を選択し、何れの視聴者に対して何れの広告が選択されて割り当てられたかを示すデータを記憶しておき、広告を受信機で表示させる時機が来たときに、それぞれの視聴者に対して割り当てられた広告のうちの表示する分の広告を、それぞれの視聴者の受信機へ送信して表示させることが望まれる。
【0006】
また、従来の広告表示技術では、広告を所定のタイミングで所定の順序で読み出して表示する。即ち、常に同じ順序で広告が表示される。しかし、各受信機に対して選択され割り当てられた広告においても、広告毎に、視聴者の属する視聴者層と広告の対象とする視聴者層との一致度は異なる。即ち、選択された広告の中にも、受信機の視聴者に最適の広告もあれば、程々に適した広告や、あまり適していない広告なども含まれ得る。従って、広告の効果および効率を考慮した場合には、各受信機の視聴者に対しての一致度の高い広告を優先的に読み出し、各受信機へ送信して表示させることが望まれる。
【0007】
なお、送信側とは広告を受信機へ送信する側であるが、この送信側には、例えば、CS、BS、地上波、ケーブルなどの有線や無線の伝送方法で、加入者として登録している視聴者に対して放送信号を、予め定めたチャンネルで送信する放送局(放送会社)や、インターネットなどの通信ネットワークを介して、加入者として登録しているユーザに対してコンテンツを供給するプロバイダや、インターネットを使用可能な電話を提供する電話会社などのような、登録している視聴者(加入者)に対して画像、音声、文字などの情報を供給する側が含まれる。受信機とは、例えば、送信側から加入者に対して送られる信号を受信可能とする機能を備えるテレビジョン装置や、インターネットなどの通信ネットワークに接続可能なコンピュータや携帯電話などのような、画像、音声、文字などの情報を表す信号を受信して再生可能な装置である。
【0008】
また、広告主と送信側との間で結ばれる広告の表示に関する契約には、広告の表示期間、表示回数、表示時間帯などに関する条件が含まれ、広告を契約した条件通りに受信機で表示させるために、広告の送信を動的に制御することが望まれている。
【0009】
指定された表示期間が短い広告や、残された表示期間の短い広告については、その期間内に所定の表示回数を達成するために、その広告を受信機へ送信して表示させる頻度を上げる必要がある。即ち、送信側で各受信機に対して割り当てた広告のうちの、残り表示期間の短い広告を優先的に各受信機へ送信して表示させる必要がある。
【0010】
また、受注した表示回数(総表示回数)、即ち、送信側から受信機への広告の総送信回数(受注した総表示回数に対応する)が多い広告や、総送信回数までの残り送信回数の多い広告については、その送信回数を所定期間内に達成するために、その広告を受信機へ送信する頻度を上げる必要がある。即ち、送信側で各受信機に対して割り当てた広告のうちの、残り送信回数が多い広告を優先的に各受信機へ送信して表示させる必要がある。
【0011】
各視聴者に対して個別に広告を選択して割り当てる構成では、広告の受注した総送信回数(総表示回数)を達成するために、その広告が割り当てられた全受信機のそれぞれにおいて最低限必要とされる平均の広告表示回数(最低平均表示回数、即ち、広告の受注した総表示回数を達成するために、その広告が割り当てられた全受信機のそれぞれにおいて必要とされる最低表示回数)、即ち、総送信回数を達成するために、その広告が割り当てられた全受信機のそれぞれに対して必要とされる最低の送信回数(最低送信回数)は、総送信回数を、その広告が割り当てられた全受信機の数で除算することにより計算できる。即ち、所定の期間内に所定の総送信回数を達成させるために(即ち、受注した総表示回数を完了させるために)、各受信機に対しての最低送信回数までの残り残り送信回数の多い広告の送信頻度を上げる必要がある。しかし、或る広告が割り当てられた視聴者のうちの少なくとも一人の視聴者、即ち、1台の受信機へのその広告の送信回数が最低送信回数に達しない場合(即ち、その受信機での表示回数が最低平均表示回数に達しない場合)には、その他の全ての受信機に対してそれぞれにその広告の最低送信回数を達成したとしても、総送信回数を達成することができない。送信回数の不足分を補うためには、その他の受信機へその広告を多く送信して表示させる必要がある。また、特定の受信機への送信回数が過多になるのを避ける必要もある。各広告に関して、その広告を割り当てられた各受信機が相互にその広告の表示回数の不足分、即ち、その広告の受信機への送信回数の不足分を補うだけの余裕をもち、且つ各受信機へその広告が過多に送信されて表示されないような均等な各受信機に対しての上限とする送信回数を、最低送信回数を基にして決定し、その均等な各受信機での上限とする送信回数、即ち、平均送信回数を上記の最低送信回数の代わりに用いて、この平均送信回数までの残り送信回数が多い広告を優先的に受信機へ送信する必要がある。従って、所定の期間内に所定の総送信回数を完了させるために、各受信機(視聴者)に対して割り当てられた広告のうちの、平均送信回数までの残り送信回数の多い広告の送信頻度を上げる必要がある。なお、平均送信回数とは送信側から見た場合の用語であり、平均表示回数とは受信機側から見た場合の用語であり、平均送信回数と平均表示回数とが表す値は同じである。
【0012】
また、従来のように、広告を、所定のタイミングで所定の順序で読み出して送信する方式では、常に同じ順序で広告が受信機へ送信される。また、1つの広告が送信される毎に各広告の送信の優先順位を計算し、その優先順位の高い広告から順に送信するような方式を採用した場合には、同じ広告が連続して受信機へ送信される可能性がある。しかし、常に同じ順序で広告を送信したり、同一の広告を連続して受信機へ送信して表示させていると、視聴者の注意をひけなくなる。即ち、広告の効果および効率を考慮した場合には、常に同じ順序で広告を受信機へ送信したり、同一の広告を連続的に送信して表示させるのは好ましくない。従って、或る順序で受信機へ広告を送信して表示させた後に新たな送信順序を予定し、その予定送信順序に従って広告を送信することが望まれる。即ち、各受信機に対して割り当てられた広告に対して、或る順序で広告を受信機へ送信した後に新たな送信順序、即ち、受信機での表示順序を予定し、その予定送信順序に従って広告を受信機へ送信して表示させることが望まれる。
【0013】
また、上記の平均送信回数の値は、各視聴者(各受信機)に対して同である。即ち、広告が対象とする視聴者層を特定する情報と、受信機の視聴者が属する視聴者層を特定する情報との一致度は全く反映されていない。広告の効率を考慮した場合には、その広告との一致度が低い視聴者と、一致度が高い視聴者との両方に対して同じ表示回数、即ち、同じ送信回数を割り当てるのは望ましくない。そのため、広告と視聴者との一致度を反映し、且つその広告が割り当てられた各受信機で相互に広告の受信機への送信回数の不足分を補い、且つ各受信機へその広告が過多に送信されないような送信回数を設定し、その送信回数、即ち、一致度に対応して各視聴者(各受信機)毎に定められた送信回数(以下、上限送信回数という)を上記平均送信回数の代わりに用いて、この上限送信回数の多い広告を送信側で優先的に読み出し、受信機へ送信して表示させる必要がある。
【0014】
更には、各受信機に対して割り当てられた広告を、出来るだけその広告が対象としている視聴者の生活時間に合わせて受信機へ送信して表示させることや、広告主が希望する時間帯に受信機へ送信して表示させることが望まれる。
【0015】
また、広告には、車、医薬品、食品などの属性(即ち、広告で宣伝する商品の属する分野)が存在し、視聴者側にも属性に対する好みが存在する。視聴者が好みの属性に対して投票行為を行う事により、その視聴者が見たい属性の広告が、その視聴者の受信機へ優先的に送信されて表示されるようにすることが望まれる。
【0016】
また、受信機へ送信して表示させるべき広告を決定する際に、1つの決定要素のみに基づく判断を行うと、総合的な判断では最優先とならない広告を選択する場合がある。従って、複数の決定要素に基づいて、受信機へ優先的に送信して表示させるべき広告を総合的に決定することが望まれる。
【0017】
また、受信機からのフィードバック、送信側に蓄積されたデータ、外部からの命令などに基づいて、各視聴者(各受信機)に対して送信する広告の選択に関する設定の条件を随時に変更し、広告の送信を制御する必要もある。
【0018】
更に、特定の広告を、広告主の要望に応じて優先的に送信して表示させる機構が望まれる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、送信側において、送信側に記憶された各広告が対象としている視聴者層と、送信側に加入者として登録された各視聴者の視聴者層との一致度に基づいて、それぞれの視聴者(視聴者の受信機)に対して個別に広告を選択して割り当て、割り当てた広告を視聴者の受信機へ送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0020】
本発明は、送信側において、各受信機(視聴者)に対して個別に割り当てた各広告に対して受信機への送信の優先順位を決定し、その優先順位に従って広告を受信機へ送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0021】
本発明は、送信側において、各受信機に対して個別に割り当てた各広告に対して、一致度に基づいて受信機への送信の優先順位を決定し、その優先順位に従って広告を受信機へ送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0022】
本発明は、送信側において、各受信機に対して個別に割り当てられた各広告の表示期間に基づいて、広告の受信機への送信の優先順位を決定し、その優先順位に従って広告を受信機へ送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0023】
本発明は、送信側において、各受信機に対して個別に割り当てられた各広告の受信機への平均送信回数(平均送信回数までの残り送信回数)、即ち、受信機での平均表示回数(平均表示回数までの残り表示回数)に基づいて、広告の受信機への送信の優先順位を決定し、その優先順位に従って広告を受信機へ送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0024】
本発明は、送信側において、各受信機に対して個別に割り当てられた各広告に対して予定送信順序、即ち、広告を受信する受信機での予定表示順序を割り当て、その順序に従って広告を受信機へ送信して表示させ、広告の送信後に新たな予定送信順序を割り当て、その順序に従って広告を受信機へ送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0025】
本発明は、送信側において、各受信機に対して個別に割り当てられた各広告に対して、各広告が対象としている視聴者層と、その受信機の視聴者の視聴者層との一致の度合いを反映させた、受信機への必要とされる各広告の送信回数(上限送信回数)を決定し、その上限送信回数(上限送信回数までの残り送信回数)に基づいて各広告の優先順位を決定し、その優先順位に従って広告を受信機へ送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0026】
本発明は、送信側において、各受信機に対して個別に割り当てられた各広告を、その広告が対象としている視聴者層に属する視聴者の生活時間に合わせて優先的にその受信機へ送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0027】
本発明は、送信側において、受信機側から、受信機で表示された各広告の属性に対しての視聴者の好みを示す情報を受信できるようにし、視聴者が示した広告の属性に対する好みに基づいて、その視聴者の受信機に対して割り当てられた各広告の受信機への送信の優先順位を決定し、その優先順位に従って広告をその視聴者の受信機へ送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0028】
本発明は、送信側において、各受信機に対して個別に割り当てられた各広告に対して、複数の優先順位の決定要素を総合的に判断して、各広告に優先順位を付与し、その優先順位に従って広告を受信機へ送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0029】
更に、本発明は、送信側において、各受信機での広告の表示された実績となる履歴を収集し、集計された結果を基に受信機への広告の送信を制御する広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0030】
また、本発明は、送信側において、受信機へ最優先に送信すべき広告を指定することを可能とし、その指定された広告が割り当てられている受信機に対しては、最優先にその広告を送信して表示させるように制御を行う広告配信方法、装置、および前記方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明の広告配信方法は、送信側の広告配信装置から、該広告配信装置に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、受信機から送信された視聴者を識別するデータに基づいて広告配信装置が判別した視聴者の受信機へ送信する広告配信方法において、送信側の広告配信装置が、(1)登録された各視聴者についての、視聴者が属する視聴者層を特徴付ける視聴者からのデータを受信手段が受信し、該データを記憶手段が記憶して得るステップと、(2)広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける広告主からのデータを受信手段が受信して得て、記憶手段が該広告主からのデータを広告データの広告IDデータに対応させて記憶して、広告主からのデータを広告データに関連付けるステップと、(3)計算手段が、登録された各視聴者毎に、ステップ(1)で受信して記憶した視聴者の属する視聴者層を特徴付ける視聴者からのデータと、ステップ(2)で受信して記憶した視聴者に割り当てられた各々の広告データの広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける広告主からのデータと、の一致の度合いを計算し、該一致の度合いに基づいて、各々の広告データの視聴者の受信機への適した送信回数を決定するステップとを備える。
【0032】
本発明の広告配信方法は、上記の広告配信方法のステップ(3)において、一致の度合いに基づく適した送信回数を、一致の度合いが高い場合には多くなり且つ低い場合には少なくなるように決定するものである。
【0033】
本発明の広告配信方法は、上記の広告配信方法において、ステップ(2)が、広告データの予め定めた送信回数を示すデータを得て、広告データと関連付けるステップを備え、ステップ(3)が、視聴者の受信機へのそれぞれの広告データの適した送信回数を、一致の度合いと広告データの予め定めた送信回数とに基づいて決定するステップを備える。
【0034】
本発明の広告配信方法は、上記の広告配信方法において、広告データの予め定めた送信回数を示すデータが、広告データの受注した総送信回数を示すものである。
【0035】
本発明の広告配信方法は、上記の広告配信方法において、ステップ(1)の視聴者が属する視聴者層を特徴付ける視聴者からのデータが、視聴者層を特定する1以上の分類をそれぞれが含む1以上の項目からなる視聴者層特定用分類データから選択された、視聴者の属する視聴者層を特定する分類を示す第1のデータを含み、ステップ(2)の広告データが対象とする視聴者層を特徴付ける広告主からのデータは、視聴者層特定用分類データから選択された、広告が対象とする視聴者層を特定する1以上の分類を示す第2のデータと、選択した分類に対して割り当てられた、分類の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを含み、ステップ(2)は、広告データが対象とする視聴者層を特定する分類に属する視聴者の数を示すデータを得て、広告データと関連付けるステップを備える。
【0036】
そして、ステップ(3)は、登録された各視聴者毎に、それぞれの広告の広告データに関して、(3a)第2のデータにより示される分類のうちの、第1のデータにより示される分類と一致する分類に対して割り当てられた重みを表す係数の値を示すデータに基づいて、一致する分類毎に、広告データが対象とする視聴者層と視聴者の属する視聴者層との一致の度合いを表す係数の値を決定するステップと、(3b)ステップ(3a)で求めた一致する分類毎の一致の度合いを表す係数の値をそれぞれ個別に総送信回数に適用して、それぞれの分類に関する一致の度合いを考慮した総送信回数を求めるステップと、(3c)ステップ(3b)で求めた、一致の度合いを考慮した総送信回数を、それぞれ対応する分類に属する視聴者の数で除算して、それぞれの分類に属する視聴者数を考慮した送信回数を求めるステップと、(3d)ステップ(3c)で求めた、それぞれの分類に属する視聴者数を考慮した送信回数に基づいて、視聴者へ割り当てる広告データの適した送信回数を決定するステップとを備える。
【0037】
本発明の広告配信方法は、上記の広告配信方法におけるステップ(3)において決定される、一致の度合いに基づく適した送信回数は、広告データを割り当てられた全ての視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が、受注した総送信回数を超え、且つ該広告データを割り当てられた各視聴者の受信機へ該広告データが過多に送信されないように決定される送信回数である。
【0038】
本発明の広告配信方法は、上記の広告配信方法におけるステップ(3)において決定される、一致の度合いに基づく適した送信回数が、広告データを割り当てられた全ての視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が受注した総送信回数に達するためにそれぞれの視聴者毎に最低限必要とされる送信回数よりも多くなるように定められる。
【0039】
本発明の広告配信方法は、上記の広告配信方法のステップ(3)において決定される適した送信回数が、送信側から視聴者の受信機へ広告データを送信する回数の、目安としての上限を定めた送信回数である。
【0040】
本発明の広告配信方法は、上記の広告配信方法において、送信側において、(A)ステップ(3)で決定された送信回数に基づいて、それぞれの広告の広告データの残り送信回数を決定するステップと、(B)残り送信回数が多いほど重い重みを表す係数の値を決定するステップと、(C)係数の値に基づいて、視聴者の受信機へのそれぞれの広告の広告データの送信の優先順位を決定するステップと、(D)視聴者の受信機へ送信する広告データを、視聴者へ割り当てられた広告データの中から優先順位に基づいて選択するステップと、(E)ステップ(D)で選択した広告データを、優先順位に基づいて視聴者の受信機へ送信するステップとを更に備える。
【0041】
本発明の広告配信方法は、送信側の広告配信装置から、該広告配信装置に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、受信機から送信された視聴者を識別するデータに基づいて広告配信装置が判別した視聴者の受信機へ送信する広告配信方法において、送信側の広告配信装置が、(1)広告主からの、複数の時間帯に区分された一日の時間帯のうちから選択された、広告データを優先的に受信機へ送信したい少なくとも1つの時間帯を特定する時間帯データと、選択した時間帯データに対して割り当てられた、時間帯の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを受信手段が受信して得て、記憶手段が、受信した前記時間帯データおよび前記係数の値を示すデータを前記広告データの広告IDデータに対応させることにより、時間帯データおよび係数の値を示すデータを広告データに対応して記憶することにより関連付けるステップと、(2)現在時刻が複数の時間帯のうちの何れの時間帯に属するかを、計時手段から読み出した現在時刻と複数の時間帯とに基づいて計算手段が判別するステップと、(3)計算手段が、各視聴者毎に、ステップ(2)で判別された時間帯に対応する時間帯データに割り当てられた係数の値を記憶手段から読み出すステップと、(4)各視聴者毎に、ステップ(3)で読み出された係数の値に基づいて、割り当てられた各々の広告データの、視聴者の受信機への送信の優先順位を、計算手段が決定するステップと、(5)視聴者の受信機へ送信する広告データを、割り当てられた広告データの中から優先順位に基づいて計算手段が選択するステップと、(6)ステップ(5)で選択した広告データを、送信手段が、視聴者の受信機へ、優先順位に基づいて送信するステップとを備える。
【0042】
本発明の広告配信方法は、上記の広告配信方法において、登録された各視聴者毎に、視聴者へ広告データを割り当てる際に、視聴者が属する視聴者層を特徴付ける視聴者からのデータと、広告が対象とする視聴者層を特徴付ける広告主からのデータとの一致の度合いに基づいて、複数の広告の広告データの中から広告データを選択して視聴者に割り当てるステップを更に備える。
【0043】
本発明の広告配信装置は、送信側から、送信側に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、視聴者の受信機へ送信する広告配信装置において、送信側において、(1)登録された各視聴者についての、視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータを得て記憶する手段と、(2)広告データが対象とする視聴者層を特徴付けるデータを得て広告データに関連付けて記憶する手段と、(3)登録された各視聴者毎に、視聴者の属する視聴者層を特徴付けるデータと、視聴者に割り当てられた各々の広告データの、広告データが対象とする視聴者層を特徴付けるデータとの一致の度合いに基づいて、各々の広告データの視聴者の受信機への適した送信回数を決定する手段とを備える。
【0044】
本発明の広告配信装置は、上記の広告配信装置において、前記(3)の手段が、一致の度合いに基づく適した送信回数を、一致の度合いが高い場合には多くなり且つ低い場合には少なくなるように決定する。
【0045】
本発明の広告配信装置は、上記の広告配信装置において、前記(2)の手段が、広告データの予め定めた送信回数を示すデータを、広告データと関連付けて記憶する手段を備え、前記(3)の手段が、受信機へのそれぞれの広告データの適した送信回数を、一致の度合いと広告データの予め定めた送信回数とに基づいて決定する手段を備える。
【0046】
本発明の広告配信装置は、上記の広告配信装置において、広告データの予め定めた送信回数を示す前記データが、広告データの受注した総送信回数を示すものである。
【0047】
本発明の広告配信装置は、上記の広告配信装置において、前記(1)の手段で記憶される視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータが、視聴者層を特定する1以上の分類をそれぞれが含む1以上の項目からなる視聴者層特定用分類データから選択された、視聴者の属する視聴者層を特定する分類を示す第1のデータを含み、前記(2)の手段で記憶される広告データが対象とする視聴者層を特徴付けるデータが、視聴者層特定用分類データから選択された、広告が対象とする視聴者層を特定する1以上の分類を示す第2のデータと、選択した分類に対して割り当てられた、分類の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを含み、前記(2)の手段が、広告データが対象とする視聴者層を特定する分類に属する視聴者の数を示すデータを、広告データと関連付けて記憶する手段を備える。
【0048】
そして、前記(3)の手段は、それぞれの広告の広告データに関して、(3a)第2のデータにより示される分類のうちの、第1のデータにより示される分類と一致する分類に対して割り当てられた重みを表す係数の値を示すデータに基づいて、一致する分類毎に、広告データが対象とする視聴者層と視聴者の属する視聴者層との一致の度合いを表す係数の値を決定する手段と、(3b)前記(3a)の手段で求めた一致する分類毎の一致の度合いを表す係数の値をそれぞれ個別に総送信回数に適用して、それぞれの分類に関する一致の度合いを考慮した総送信回数を求める手段と、(3c)前記(3b)の手段で求めた、一致の度合いを考慮した総送信回数を、それぞれ対応する分類に属する視聴者の数で除算して、それぞれの分類に属する視聴者数を考慮した送信回数を求める手段と、(3d)前記(3c)の手段で求めた、それぞれの分類に属する視聴者数を考慮した送信回数に基づいて、視聴者へ割り当てる広告データの適した送信回数を決定する手段とを備える。
【0049】
本発明の広告配信装置は、上記の広告配信装置において、前記(3)の手段において決定される、一致の度合いに基づく適した送信回数が、広告データを割り当てられた全ての視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が、受注した総送信回数を超え、且つ該広告データを割り当てられた各視聴者の受信機へ該広告データが過多に送信されないように決定される送信回数である。
【0050】
本発明の広告配信装置は、上記の広告配信装置において、前記(3)の手段において決定される、一致の度合いに基づく適した送信回数が、広告データを割り当てられた全ての視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が受注した総送信回数に達するためにそれぞれの視聴者毎に最低限必要とされる送信回数よりも多くなるように定められる。
【0051】
本発明の広告配信装置は、上記の広告配信装置において、前記(3)の手段において決定される適した送信回数が、送信側から視聴者の受信機へ広告データを送信する回数の、目安としての上限を定めた送信回数である。
【0052】
本発明の広告配信装置は、上記の広告配信装置において、送信側において、(A)前記(3)の手段で決定された送信回数に基づいて、それぞれの広告の広告データの残り送信回数を決定する手段と、(B)残り送信回数が多いほど重い重みを表す係数の値を決定する手段と、(C)係数の値に基づいて、視聴者の受信機へのそれぞれの広告の広告データの送信の優先順位を決定する手段と、(D)視聴者の受信機へ送信する広告データを、視聴者へ割り当てられた広告データの中から優先順位に基づいて選択する手段と、(E)前記(D)の手段で選択した広告データを、優先順位に基づいて視聴者の受信機へ送信する手段とを更に備える。
【0053】
本発明の広告配信装置は、送信側から、送信側に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、視聴者の受信機へ送信する広告配信装置において、送信側において、(1)複数の時間帯に区分された一日の時間帯のうちから選択された、広告データを優先的に受信機へ送信したい少なくとも1つの時間帯を特定する時間帯データと、選択した時間帯データに対して割り当てられた、時間帯の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを得て、時間帯データと係数の値を示すデータとを広告データに関連付け、記憶する手段と、(2)現在時刻が何れの時間帯に属するかを判別する手段と、(3)各視聴者毎に、前記(2)の手段で判別された時間帯に対応する時間帯データに割り当てられた係数の値を読み出す手段と、(4)各視聴者毎に、前記(3)の手段で読み出された係数の値に基づいて、割り当てられた各々の広告データの受信機への送信の優先順位を決定する手段と、(5)視聴者の受信機へ送信する広告データを、割り当てられた広告データの中から優先順位に基づいて選択する手段と、(6)前記(5)の手段で選択した広告データを、視聴者の受信機へ、優先順位に基づいて送信する手段とを備える。
【0054】
本発明の広告配信装置は、上記の広告配信装置において、登録された各視聴者毎に、視聴者へ広告データを割り当てる際に、視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータと、広告が対象とする視聴者層を特徴付けるデータとの一致の度合いに基づいて、複数の広告の広告データの中から広告データを選択して視聴者に割り当てる手段を更に備える。
【0055】
本発明の記録媒体は、送信側から、送信側に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、視聴者の受信機へ送信する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体であって、前記手順が、送信側において、(1)登録された各視聴者についての、視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータを得るステップと、(2)広告データが対象とする視聴者層を特徴付けるデータを得て広告データに関連付けるステップと、(3)登録された各視聴者毎に、視聴者の属する視聴者層を特徴付ける前記データと、視聴者に割り当てられた各々の広告データの、広告データが対象とする視聴者層を特徴付けるデータとの一致の度合いに基づいて、各々の広告データの視聴者の受信機への適した送信回数を決定するステップとを備える。
【0056】
本発明の記録媒体は、上記の記録媒体に記録されたプログラムにより実行される手順のステップ(3)において、一致の度合いに基づく適した送信回数を、一致の度合いが高い場合には多くなり且つ低い場合には少なくなるように決定するものである。
【0057】
本発明の記録媒体は、上記の記録媒体に記録されたプログラムにより実行される手順において、ステップ(2)が、広告データの予め定めた送信回数を示すデータを得て、広告データと関連付けるステップを備え、ステップ(3)が、視聴者の受信機へのそれぞれの広告データの適した送信回数を、一致の度合いと広告データの予め定めた送信回数とに基づいて決定するステップを備える。
【0058】
本発明の記録媒体は、上記の記録媒体に記録されたプログラムにより実行される手順において、広告データの予め定めた送信回数を示すデータが、広告データの受注した総送信回数を示すものである。
【0059】
本発明の記録媒体は、上記の記録媒体に記録されたプログラムにより実行される手順において、ステップ(1)の視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータが、視聴者層を特定する1以上の分類をそれぞれが含む1以上の項目からなる視聴者層特定用分類データから選択された、視聴者の属する視聴者層を特定する分類を示す第1のデータを含み、ステップ(2)の広告データが対象とする視聴者層を特徴付けるデータは、視聴者層特定用分類データから選択された、広告が対象とする視聴者層を特定する1以上の分類を示す第2のデータと、選択した分類に対して割り当てられた、分類の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを含み、ステップ(2)は、広告データが対象とする視聴者層を特定する分類に属する視聴者の数を示すデータを得て、広告データと関連付けるステップを備える。
【0060】
そして、ステップ(3)は、登録された各視聴者毎に、それぞれの広告の広告データに関して、(3a)第2のデータにより示される分類のうちの、第1のデータにより示される分類と一致する分類に対して割り当てられた重みを表す係数の値を示すデータに基づいて、一致する分類毎に、広告データが対象とする視聴者層と視聴者の属する視聴者層との一致の度合いを表す係数の値を決定するステップと、(3b)ステップ(3a)で求めた一致する分類毎の一致の度合いを表す係数の値をそれぞれ個別に総送信回数に適用して、それぞれの分類に関する一致の度合いを考慮した総送信回数を求めるステップと、(3c)ステップ(3b)で求めた、一致の度合いを考慮した総送信回数を、それぞれ対応する分類に属する視聴者の数で除算して、それぞれの分類に属する視聴者数を考慮した送信回数を求めるステップと、(3d)ステップ(3c)で求めた、それぞれの分類に属する視聴者数を考慮した送信回数に基づいて、視聴者へ割り当てる広告データの適した送信回数を決定するステップとを備える。
【0061】
本発明の記録媒体は、上記の記録媒体に記録されたプログラムにより実行される手順におけるステップ(3)において決定される、一致の度合いに基づく適した送信回数は、広告データを割り当てられた全ての視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が、受注した総送信回数を超え、且つ該広告データを割り当てられた各視聴者の受信機へ該広告データが過多に送信されないように決定される送信回数である。
【0062】
本発明の記録媒体は、上記の記録媒体に記録されたプログラムにより実行される手順におけるステップ(3)において決定される、一致の度合いに基づく適した送信回数が、広告データを割り当てられた全ての視聴者のそれぞれに対して割り当てられた該広告データの送信回数の合計が受注した総送信回数に達するためにそれぞれの視聴者毎に最低限必要とされる送信回数よりも多くなるように定められる。
【0063】
本発明の記録媒体は、上記の記録媒体に記録されたプログラムにより実行される手順のステップ(3)において決定される適した送信回数が、送信側から視聴者の受信機へ広告データを送信する回数の、目安としての上限を定めた送信回数である。
【0064】
本発明の記録媒体は、上記の記録媒体に記録されたプログラムにより実行される手順において、送信側において、(A)ステップ(3)で決定された送信回数に基づいて、それぞれの広告の広告データの残り送信回数を決定するステップと、(B)残り送信回数が多いほど重い重みを表す係数の値を決定するステップと、(C)係数の値に基づいて、視聴者の受信機へのそれぞれの広告の広告データの送信の優先順位を決定するステップと、(D)視聴者の受信機へ送信する広告データを、視聴者へ割り当てられた広告データの中から優先順位に基づいて選択するステップと、(E)ステップ(D)で選択した広告データを、優先順位に基づいて視聴者の受信機へ送信するステップとを更に備える。
【0065】
本発明の記録媒体は、送信側から、送信側に登録された各視聴者毎に割り当てられた広告データを、視聴者の受信機へ送信する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体であって、前記手順が、送信側において、(1)複数の時間帯に区分された一日の時間帯のうちから選択された、広告データを優先的に受信機へ送信したい少なくとも1つの時間帯を特定する時間帯データと、選択した時間帯データに対して割り当てられた、時間帯の重要度が大きいほど重い重みを表す係数の値を示すデータとを得て、時間帯データと係数の値を示すデータとを広告データに関連付けるステップと、(2)現在時刻が何れの時間帯に属するかを判別するステップと、(3)各視聴者毎に、ステップ(2)で判別された時間帯に対応する時間帯データに割り当てられた係数の値を読み出すステップと、(4)各視聴者毎に、ステップ(3)で読み出された係数の値に基づいて、割り当てられた各々の広告データの受信機への送信の優先順位を決定するステップと、(5)視聴者の受信機へ送信する広告データを、割り当てられた広告データの中から優先順位に基づいて選択するステップと、(6)ステップ(5)で選択した広告データを、視聴者の受信機へ、優先順位に基づいて送信するステップとを備える。
【0066】
本発明の記録媒体は、上記の記録媒体に記録されたプログラムにより実行される手順において、登録された各視聴者毎に、視聴者へ広告データを割り当てる際に、視聴者が属する視聴者層を特徴付けるデータと、広告が対象とする視聴者層を特徴付けるデータとの一致の度合いに基づいて、複数の広告の広告データの中から広告データを選択して視聴者に割り当てるステップを更に備える。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を説明する。
まず、本発明の基本的な概念を説明する。本発明は、送信側に記憶した広告の中から、送信側に加入者として登録された視聴者(視聴者の受信機)のそれぞれに対して個別に広告を予め選択して割り当てておき、その割り当てた広告を、各受信機へ個別に送信して表示させることにより、広告効果の向上を図るものである。また、本発明は、登録された各視聴者に割り当てた広告を、広告主が決定した必要な要素に基づく優先順位に従って、各受信機へ送信して表示させることにより、広告効果の向上を図るものである。
【0068】
それぞれの視聴者に対して割り当てられる広告の表示の優先順位、即ち、送信側に記憶された広告の該送信側から視聴者の受信機への送信の優先順位を決定する要素は、例えば、(1)各広告の視聴期間(表示期間)、(2)各広告の受注した再生回数、即ち、総再生回数(総表示回数)、即ち、受信機への総送信回数、(3)各広告が対象としている視聴者層と、各受信機の視聴者の属する視聴者層との一致度、(4)広告主が指定した優先再生時間(優先表示時間)、即ち、受信機への優先送信時間、(5)各広告に割り当てられる受信機での予定再生順序(予定表示順序)、即ち、受信機への予定送信順序、(6)各広告の総表示回数を達成するために、それぞれの広告が割り当てられた各受信機で必要とされる表示回数、即ち、各広告の総送信回数を達成するために、それぞれの広告が割り当てられた各受信機への必要とされる広告の送信回数、(7)各広告自体が属するカテゴリ、即ち、広告の属性に対しての受信機における視聴者の嗜好の度合いである。これらの要素の各々を、重みを表す値に変換し、重み値の合計が大きい広告に対して表示についての高い優先順位を与える。更に、広告の優先順位を決定する要素として、(8)特定の広告を割込指示によって受信機へ送信させ表示させる割込命令(広告指定命令)がある。
【0069】
図1は、送信側から広告を受信機へ送信(配信)して表示させる際の、広告の配信の優先順位、即ち、広告の表示の優先順位の決定方法および各視聴者に適合する広告の選択方法の概念を表形式で示す図であり、優先順位の決定方法および広告の選択方法で用いる基本的なデータを示す。
【0070】
図1に示すデータは、送信側に記憶されている広告に対するデータである。ここでは、送信側に7本の広告、CM1、CM2、CM3、CM4、CM5、CM6、CM7に関するデータが記憶されているものとする。
【0071】
図1の上段の表は、各広告CM1、CM2、CM3、CM4、CM5、CM6、CM7の送信の優先順位(送信側から受信機へ広告を送信する際の送信の優先順位)を決定するための計算要素名と、計算要素に対する制御係数名と、各広告に対して適用される制御係数の値と、制御係数に適用される制御変数とを示し、下段の表は、上段の表と関連しており、各広告に対する或る視聴者の一致の度合いを示す一致度値を各広告毎に示した表である。
【0072】
計算要素は、表示期間と、視聴者層特定用分類と、予定送信順序と、総表示回数(総送信回数に対応)と、優先送信時間と、視聴者の嗜好と、広告属性とを含む。
【0073】
計算要素の表示期間は、上記(1)の視聴期間に関連する要素である。図1における表示期間要素は、各広告の全表示期間(広告登録日から、受信機での広告表示の終了日までの期間)を表す制御係数Ttと、各広告の残り表示期間を表す制御係数Trとで表されている。制御係数Trは時間の経過とともに変化する。この例では全表示期間Ttおよび残り表示期間Trを日数で表し、1日が経過する毎に制御係数Trの値が1ずつ減少する。例えば、CM1の全表示期間は60日であり、残り表示期間は12日である。
【0074】
計算要素の視聴者層特定用分類は、上記(3)の一致度を求める際の基礎となる要素であり、また、各視聴者に対して適合する広告を選択する際に用いる要素である。視聴者層特定用分類は、広告主が広告の対象とする視聴者層を特定するために、広告主が送信側に広告を依頼した時に入力したデータである。視聴者層を特定する情報は、例えば、地域、性別、年齢などの複数の項目に大分類され、各項目は複数の分類(カテゴリ)に小分類されている。例えば、項目、即ち、大分類が「性別」の場合には、「男性」というカテゴリと「女性」というカテゴリとに小分類される。広告主は、広告の対象とする視聴者層を特定するために、視聴者層特定用分類の各カテゴリに対して、重みを表す値を割り当てる。重み値は制御係数Cpqで表され、重視するカテゴリに対して大きな値が割り当てられる。広告主が割り当てた値は固定値であり、変化しない。この重み値は、各視聴者が属する部分のみ反映される。
【0075】
計算要素の予定送信順序は、上記(5)の予定送信順序に対応する要素である。予定送信順序要素は、視聴者(受信機)に対して割り当てられた各広告の予定される、送信側から受信機への送信の順序、即ち、受信機での予定される表示の順序を基にして計算される重み値であり、制御係数Jnで表される。図1では、全ての広告に対して、初期値として最低値(この例では1000)を割り当てている。制御係数Jnの値は、広告が視聴者に割り当てられた時点では最低値であり、後に、各視聴者毎に、視聴者の受信機への広告の送信状況に応じて個別に変更される。制御係数Jnは予定送信順序が上位であるほど大きい値となる。
【0076】
計算要素の総表示回数は、上記(2)の総再生回数(総表示回数)、即ち、総送信回数に対応する要素であり、上記(6)の、各広告の総送信回数を達成するために各広告が割り当てられた各受信機で必要とされる表示回数、即ち、各広告の総送信回数を達成するために必要とされる、各広告が割り当てられた各受信機への送信回数を求める際の基礎となる値である。総表示回数は制御係数KTで表される。総表示回数までの残り表示回数、即ち、総送信回数までの残り送信回数が0になった広告は削除され、表示されなくなる。
【0077】
一致度値(CT)は、広告が対象とする視聴者層と、視聴者自身の属する視聴者層との一致の度合いを示す。各視聴者は、視聴者層特定用分類データから視聴者自身の属する視聴者層を示すカテゴリを選択し、個人データとして送信側に登録している。個人データに示されたカテゴリに対しての、各広告主が割り当てていた制御係数Cpqの合計が、上記(3)の一致度を示す値となる。図1の下段の表では、送信側に登録された或る視聴者が、視聴者層特定用分類のカテゴリCa1、Cb1、Cc1、Cd3に属する場合の一致度値を示す。制御係数CTは一致の度合いが高いほど大きくなる。
【0078】
また、この一致度は、各視聴者に対して割り当てる広告を選択する際に用いられる。
計算要素の優先送信時間は、上記(4)の優先送信時間に対応する要素である。優先送信時間要素の値、即ち、優先送信時間値(Hx)は、広告主が指定した時間帯に広告を優先的に受信機へ送信して表示させることを目的とした要素であり、時間帯によって反映される数値が変わる。即ち、現在時刻と、広告主が指定した時間帯とが一致している場合に、その時間帯に対する値を有効にする。
【0079】
計算要素の視聴者の嗜好は、上記(7)の視聴者の嗜好に対応する要素である。広告属性(図1の例では、F1〜F4)は、広告がどのカテゴリに属するかを示す。広告属性は、例えば、車、食品、電気製品などのカテゴリに分けられる。図1では、すべての広告に対して、視聴者の嗜好(Fx)の初期値として基準値(この例では50)を割り当てている。この数値は、広告が視聴者に割り当てられた後に、その視聴者による関心がある/関心がない(好む/好まない)の投票により、毎回一定の数値が、カテゴリ毎に増減する。例えば、或る視聴者に割り当てられた広告のうちで、好まれた広告、即ち、関心がある広告が車の広告であった場合、その視聴者に対して割り当てられた広告のうちの車というカテゴリに属する広告の値Fxが全て一定値だけ上がり、他のカテゴリに属する広告よりも優先度が上がる。この場合、車のカテゴリに所属する広告が受信機へ送信され易くなる事になる。また、好まないという場合、即ち、関心がない場合は、優先度が下がり、受信機へ送信されにくくなる。
【0080】
図2は、送信側に登録された一人の視聴者に対しての、本発明の広告の送信の優先順位の決定方法の概念を表形式で示す図である。
この視聴者は、図1の下段の表に示した例と同様に、視聴者層特定用分類のカテゴリCa1、Cb1、Cc1、Cd3に属するものとする。送信側では、視聴者に対して一致度値CT(図1の下段の表を参照)を計算し、一致度値CTが所定値より上の広告、例えば、一致度値CTが0より上の広告(図1のCM1〜CM6)のみを視聴者に対して適合する広告と判断し、それらの広告を視聴者に割り当てる。一致度値CTが0の広告(図1のCM7)は、視聴者に適さない広告であると判断し、割り当てない。なお、この選択の結果として、広告CM7は、この視聴者には表示されなくなる。
【0081】
図2の上段の表は、この視聴者に対して割り当てられた各広告CM1、CM2、CM3、CM4、CM5、CM6の、視聴者の受信機への送信の優先順位を決定するための計算要素名と、計算要素に対する制御係数名と、各広告に対して適用される制御係数の値と、制御係数に適用される制御変数とを示し、下段の表は、上段の表と関連しており、各広告に対する視聴者の一致の度合いを示す一致度値Ctと、各広告に対する優先順位の決定要素の値Sumと、優先順位Nとを各広告毎に示した表である。また、この図2の表は、以下で説明する個人計算シートに対応する表であり、送信側で作成され記憶される。
【0082】
計算要素は、表示期間と、視聴者層特定用分類と、予定送信順序と、平均送信回数と、優先送信時間と、視聴者の嗜好(広告属性)とを含む。
計算要素の表示期間は、上記(1)の視聴期間に対応する要素である。表示期間要素は、図1に示した表示期間要素(Tt、Tr)の値を基にして計算される重み値であり、制御係数Txで表される。制御係数Txは時間の経過とともに変化し、残り表示期間が短いほど大きい値となる。
【0083】
計算要素の視聴者層特定用分類は、図1の視聴者層特定用分類と同様に、上記(3)の一致度を求める際の基礎となる要素である。図2の視聴者層特定用分類要素は、図1の視聴者層特定用分類要素(Cpq)から、この視聴者の属するカテゴリに対応するカテゴリのデータのみを抽出してコピーしたものである。この視聴者はカテゴリCa1、Cb1、Cc1、Cd3に属するので、図1のデータから、カテゴリCa1、Cb1、Cc1、Cd3のデータが抽出されている。
【0084】
計算要素の予定送信順序は、上記(5)の予定送信順序に対応する要素である。予定送信順序要素は、各視聴者毎の、視聴者に割り当てられた各広告の該視聴者の受信機への予定される送信の順序、即ち、受信機での予定される表示の順序を基にして計算される重み値であり、制御係数Jnで表される。制御係数Jnは、広告が送信側から受信機へ送信されると変更される。制御係数Jnは、予定送信順序が上位であるほど大きい値となる。視聴者に対して新たに広告が割り当てられた時には、その広告に対する制御係数Jnの値は図1の予定送信順序要素で割り当てられた値(最低値)となり、その視聴者に既に割り当てられている他の全ての広告に対する制御係数Jnの値が、それぞれ所定値だけ増分される。
【0085】
計算要素の平均送信回数は、上記(6)の送信回数に対応する要素である。平均送信回数要素は、平均送信回数に達するまでの残り送信回数を基にして計算される重み値であり、制御係数Ka(Kaは、残り送信回数に係数を適用した値)で表される。平均送信回数の値は、広告の受注した総送信回数(図1に示す総表示回数要素KT)を、送信側に登録している全視聴者(全受信機)のうちの、その広告が割り当てられた受信機の数で除算することにより求められる値(最低送信回数)に係数を乗算することによって求められる。各広告に対して求められた平均送信回数の値(初期値)は、その広告が割り当てられる全ての受信機に対して同じである。或る受信機(或る視聴者)に対しての残り送信回数は、その受信機へ広告が一回送信される度に平均送信回数から1を減算することによって得られる。制御係数Kaは、残り送信回数が0になったときに0になる。或る視聴者に対して割り当てられた或る広告に対する制御係数Kaが0に達すると、その広告はその視聴者の受信機へは送信されなくなり、表示されなくなる。
【0086】
一致度値(Ct)は、図1の一致度値(CT)と同様に、広告が対象とする視聴者層と、視聴者自身の属する視聴者層との一致の度合いを示す。ただし、図2における制御係数Ctは、制御変数適用命令により変化する。例えば、制御係数Cpq(Cax、Cbx、Ccx、Cdx)に制御変数Xn(X2〜X5)を乗算する場合において、制御変数Xnが1以外の値である場合には、制御係数Cpqの値が変化するので、一致度値Ctの値も変化する。制御係数Ctは、一致の度合いが高いほど大きくなる。
【0087】
計算要素の優先送信時間は、上記(4)の優先送信時間に対応する要素であり、図1の優先送信時間要素のデータをコピーしたものである。優先送信時間要素の値、即ち、優先送信時間値(Hx)は、広告主が指定した時間帯に広告を優先的に受信機へ送信して表示させることを目的とした要素であり、時間帯によって反映される数値が変わる。
【0088】
計算要素の視聴者の嗜好は、図1の視聴者の嗜好と同様に、上記(7)の視聴者の嗜好に対応する要素であり、図1の視聴者の嗜好に対応する。広告属性(Fx)は、広告がどのカテゴリに属するかを示す。広告属性は、例えば、車、食品、電気製品などのカテゴリに分けられ、それぞれの属性に対して重みを付けて表す。このFxの初期値は、図1の視聴者の嗜好要素で割り当てられている基準値(この例では50)である。Fxの値は、視聴者が入力する関心あり/関心なしの投票により、一定の数値がカテゴリ毎に増減する。
【0089】
制御変数適用命令により適用される制御変数Xn(図2ではX1〜X9)は、それぞれの制御係数(Tx、Cpq、Jn、Ka、Hx、Fx)の重要度を決定するものであり、送信側で、受信機からの履歴(広告の表示状況などの履歴)のフィードバック、送信側に蓄積した履歴に関する情報、営業情報などに基づいて、どの制御係数を優先するべきかを決定する係数である。全ての制御係数Tx、Cpq、Jn、Ka、Hx、Fxに対し、それぞれの係数毎に設定されたXn(X1〜X9)を乗算することによって、何れの制御係数を重要視するかを決めることができる。この制御変数の適用は、全ての制御係数が総和される前段階、即ち、以下に説明する決定要素(Sum)を計算する前に行われる。例えば、表示の最終期限が迫ってきた際には、回数及び(又は)期限の値、即ち、制御係数Tx及び(又は)Kaに大きな値を乗じ、他の制御係数には小さな値を乗じることによって、回数及び期限の優先度を上げる事ができる。
【0090】
決定要素(Sum)は、制御変数Xnが適用された制御係数Tx、Jn、Ka、Hx、Fxの値とCtの値との合計(即ち、Tx’、Jn’、Ka’、Hx’、Fx’、Cax’、Cbx’、Ccx’、Cdx’の値の合計)を示す。この合計値は、各広告の重みを総合的に示す値であり、この値に基づいて最終的な優先順位を決定する。制御係数Txは時間に依存して変化し、制御係数Ka及びJnは広告の送信に依存して変化し、制御係数Hxは時刻に依存して変化し、制御係数Fxは視聴者の投票により変化する変数である。更に、すべての制御係数に制御変数(Xn)が適用されるので、制御係数の値は、制御変数の値に依存して変化する。従って、制御係数の合計値(Sum)も、時間、広告の送信、時刻、視聴者の投票、制御変数に依存して変化する。
【0091】
優先順位(N)は、決定要素(Sum)の値の大きいものから順に上位の番号を割り当てたものであり、これが最終的な優先順位である。送信側は、この優先順位に従って、記憶された広告を受信機へ配信し、受信機は、受信した広告を受信した順に表示する。
【0092】
次に、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
図3は、送信側に備えられる本発明の広告の送信(配信)を制御する装置の構成を示す。広告配信装置1は、顧客管理部2、広告管理部3、広告データ保管部4、命令部5、計算部6、履歴部7、受信部8、および送信部9を備える。
【0093】
顧客管理部2は、視聴者から個人データ(加入者として登録するためのデータ)を受け取り、その視聴者に対して個人IDを付与し、その個人IDと個人データとを関連付けて記憶する。各視聴者の個人データは、各視聴者に適する広告を選択するために用いられる。
【0094】
広告管理部3は、広告自体を表す広告データ(画像データ、音声データ、文字データなど)と、広告に付加されるデータ(付加データ:図1に示す表示期間、視聴者層特定用分類、総表示回数、優先送信時間帯、広告属性のデータ)とを受け取り、その広告に対して広告IDを付与し、その広告IDと付加データとを関連付けて広告管理部3の記憶部(図示せず)に記憶し、広告データを広告データ保管部4へ送る。また、広告管理部3に記憶された各広告の付加データは、各視聴者に対する広告の選択のためや、広告の配信の優先順位の計算のために用いられる。また、広告管理部3は、履歴部7から履歴情報を受け取り、その履歴情報と広告管理部3に蓄積した情報とを基にして、広告の優先順位の計算において用いる制御変数を決定する。また、広告管理部3は外部からの命令を受け付ける。
【0095】
広告データ保管部4は、広告管理部3から送られてきた広告IDおよび広告データを記憶する。また、広告データ保管部4は、計算部6からの広告の送信を指示する信号(広告IDと個人IDを含む)に応答して、指示された広告データを検索して送信部9へ出力する。
【0096】
命令部5は、広告管理部3から入力されたデータに基づいて、計算部6に対しての、制御変数の値の変更を指示する命令、広告データ保管部4、計算部6、履歴部7に対しての、データの削除を指示する命令、計算部6に対しての、最優先で配信すべき広告を指定する命令などを作成する。
【0097】
計算部6は、各視聴者に対して個別に個人計算シートを作成する。個人計算シートは、図2に示すデータを含む。即ち、1つの個人計算シートは、一人の視聴者に適するものとして選択され割り当てられた広告の広告ID(CM1〜CM6を表すID)と、各広告の付加データに基づく優先順位計算用の制御係数(Tx、Cpq、Jn、Ka、Hx、Fx)の値と、各制御係数に適用する制御変数(Xn)の値と、制御係数に基づいて計算される各広告の重みを表す値(Sum)と、優先順位を表す値(N)とを示すデータを含む。計算部6は、受信機からの広告表示要求信号を受信すると、その受信機に対応する個人計算シートに示された優先順位の順にその受信機に対して広告データを出力させるための信号を、広告データ保管部4へ送る。
【0098】
履歴部7は、視聴者の受信機から、受信機で表示した広告に関するデータを受け取り、そのデータを基に、各広告に対する履歴データを作成する。また、履歴部7は、広告データ保管部4から、配信した広告に関するデータを受け取り、そのデータを基に、上記の履歴データとは別に、各広告に対する履歴データを作成する。
【0099】
受信部8は、受信機から個人データ、広告表示要求信号、広告の表示に関するデータなどを受信し、それぞれのデータを適当な処理手段(顧客管理部2、計算部6、履歴部7)へ送る。
【0100】
送信部9は、広告データ保管部4から、広告IDと、広告データと、その広告データの配信先となる受信機を示すデータ(その受信機の視聴者の個人ID)とを受け取り、それらを配信先の受信機へ送信する。
【0101】
図4は、本発明の広告配信装置から広告が配信される受信側の装置、即ち、受信機の構成を示す。
受信機20は制御部21を備え、制御部21には、記憶部22、入力部23、計時部24、送信部25、受信部26、出力部27が接続される。
【0102】
制御部21は、受信機20の全体的な制御、広告の表示の制御、各広告の表示状況に関する履歴データの管理などに関する処理を行う。
受信機20は、送信側から、放送データと、広告データ及び該広告データに付加されたデータとを受信部25で受け取る。放送データとは、CS、BS、地上波、ケーブルなどの有線や無線を介して、加入者となっている視聴者の受信機へ送信される番組データや、インターネットなどの通信ネットワークを介して、加入者として登録しているユーザに対して供給されるコンテンツなどである。
【0103】
制御部21は、受信部26で受信したデータを処理し、出力部27から出力する。出力部27は、画像、音声、文字などの情報を出力する装置であり、画像表示装置や音声出力装置などを備える。また、制御部22は、出力部27で再生した広告に関するデータを記憶部22に一時的に記憶し、それらのデータを所定のタイミングで読み出し、送信部25から送信側へ送信する。
【0104】
次に、第1の広告配信装置の動作の実施形態を図5〜図17を参照して説明する。この実施形態では、視聴者自身が視聴者層特定用分類データ(図1の視聴者層特定用分類を参照)の各分類から選択した該視聴者の属するカテゴリを示すデータと、広告主が、広告が対象としている視聴者層を特定するために、視聴者層特定用分類データの各分類の各カテゴリに対して割り当てた重みを表す値とに基づいて、視聴者に広告を割り当てるか否かを決定する。また、この実施形態では、広告の送信の優先順位の計算要素として、図2に示す表示期間(制御係数Tx)と、視聴者層特定用分類(制御係数Cpq)と、予定送信順序(制御係数Jn)と、平均送信回数(制御係数Ka)と、優先送信時間(制御係数Hx)と、視聴者の嗜好(広告属性)(Fx)とを用いる。
【0105】
図5は、送信側、即ち、広告配信装置1での視聴者登録ステップを示す。
A. 広告配信装置1での視聴者登録ステップ
A1. ステップ1において、受信機20の視聴者は、送信側へ加入者として登録する時に、視聴者自身の個人データ、即ち、住所、氏名などのデータおよび視聴者自身の属する視聴者層を特徴付けるデータを、例えば、送信側で準備されて視聴者に供給されるアンケート用紙やマークシートなどに記載して、送信側へ送る。
【0106】
個人データに含まれる視聴者自身の属する視聴者層を特徴付けるデータに関しては、例えば、送信側で準備されたアンケート用紙やマークシートなどに記載されている視聴者層特定用分類データ(図1の視聴者層特定用分類を参照)に示される複数のカテゴリから選択する。
【0107】
なお、個人データを送信側へ伝える方法は任意であり、例えば、紙に記入してファクシミリや郵便等で送信する方法、磁気ディスクや光学ディスクなどの記録媒体に記録して郵便等で送信する方法、電話などを通じて口頭で伝える方法などがある。
【0108】
送信側は、視聴者から個人データを受け取ると、その個人データを顧客登録入力部から顧客管理部2へ入力する。
ステップ2において、広告配信装置1の顧客管理部2は、視聴者に対しての個人IDを作成する。顧客管理部2は、この個人IDを個人データと関連付けて記憶する。この個人IDは、視聴者の受信機20に記憶しておく必要があるので、適当な手段で視聴者に送り(例えば、個人IDを記載した用紙を郵送する)、視聴者により受信機20の入力部23から記憶部22へ記憶させる。
【0109】
また、入力手段およびソフトウエアを受信してインストールして実行する機能を備える受信機20に対しては、広告配信装置1の送信部9から、個人データを入力するためのソフトウエアを受信機20の受信部26へ送信して記憶部22へ記憶させ、制御部21によりそのソフトウエアを実行させ、視聴者に受信機20の入力部23から個人データを入力させ、その入力された個人データを受信機20の送信部25から広告配信装置1の受信部8へ送信させ、顧客管理部2へ直接に記憶させるようにしてもよい。また、顧客管理部2で作成した個人IDについても、広告配信装置1から視聴者の受信機20へ直接に送信し、受信機20で自動的に記憶部22へ記憶させることもできる。
【0110】
視聴者層特定用分類データは複数の項目に大分類され、各項目は複数の分類に小分類される。以下、この小分類をカテゴリという。図1の例を参照すると、視聴者層特定用分類データは4つの分類(項目)、地域(Cax)、性別(cbx)、年齢(Ccx)、趣味(Cdx)に大分類されている。更に、分類(項目)Caxはm個のカテゴリ、地域A(Ca1)ないし地域m(Cam)に小分類され、分類Cbxは2個のカテゴリ、男性(Cb1)及び女性(Cb2)に小分類され、分類Ccxは5個のカテゴリ、19歳以下(Cc1)ないし65歳以上(Cc5)に小分類され、分類Cdxは3個のカテゴリ、趣味A(Cd1)ないし趣味C(Cd3)に小分類されている。この実施形態において、例えば、受信機20の視聴者が、地域Aに住み、男性であり、19歳以下であり、趣味Cをもっている場合には、視聴者はカテゴリCa1、Cb1、Cc1、Cd3を選択する。この選択されたカテゴリCa1、Cb1、Cc1、Cd3を示すデータが顧客管理部2の記憶部に記憶される。
【0111】
また、この個人データに、更に、その視聴者が契約している有料放送のチャンネル番号(放送会社名)を示すデータや、その他のデータ(例えば、電話番号、クレジット・カード番号、勤務先の名称などを示すデータ)を含めてもよい。
【0112】
また、例えば、年齢層、性別、趣味などが異なる複数の視聴者(例えば、家族)が1つの受信機を使用する場合や、一人の視聴者が複数の趣味を持つような場合には、その全ての特徴を反映するために、それぞれの大分類において複数のカテゴリを指定する必要がある。従って、受信機20の視聴者が、1つの分類中の複数個のカテゴリを選択可能とするように構成することや、1つの受信機に対して複数の視聴者を別々に登録可能なようにすることもできる。複数の視聴者を1つの受信機で別々に登録する場合には、例えば、各視聴者を識別するための選択ボタンを受信機に設け、各視聴者が受信機を使用する時に、その視聴者を識別する選択ボタンを押し、広告配信装置1へ視聴者を識別する信号を送るようにする。また、視聴者を識別するために、受信機にIDカード読取装置などの識別装置を設け、視聴者が受信機を使用する時に、識別装置で視聴者のIDカードを読み取るようにすることもできる。
【0113】
広告配信装置1の顧客管理部2は、上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
図6は、送信側、即ち、広告配信装置1においての、視聴者の個人データを分析するステップを示す。
【0114】
B. 送信側での視聴者の個人データ分析ステップ
B1. ステップ1において、広告配信装置1の顧客管理部2は、該顧客管理部2に記憶された全ての個人データに基づいて、登録された全視聴者についての、視聴者層特定用分類の各分類の各カテゴリ(Ca1〜Cd3)に属する視聴者数(Sa1〜Sd3)を求める。なお、Sa1は、カテゴリCa1に属する視聴者数であり、Sa2はカテゴリCa2に属する視聴者数であり、以下、同様に、カテゴリを表す符号と視聴者数を表す符号において、右側の2文字が同じである符号が関連付けされる。
【0115】
各カテゴリに属する視聴者数から、広告の対象となる視聴者の人数、即ち、マーケットのサイズが分かる。マーケットのサイズは、広告の表示回数(送信回数)や期間などの概略を決定する際の目安とできる。また、広告の効果、即ち、広告を見る人数を推測することが可能となり、そのデータを広告枠の販売時に利用できる。また、各カテゴリに属する視聴者数の代わりに、受信機数を計数してもよい。
【0116】
更に、放送における各チャンネル(Ch1〜Chn)を視聴する視聴者や、インターネットにおける各サイトにアクセスするユーザにおける、各チャンネル毎や各サイト毎の、各カテゴリに属する人数を調べる。即ち、各チャンネルや各サイトに関して、どの分類のどのカテゴリに何人の視聴者が属するかを調べる。例えば、チャンネル1の視聴者のうち、分類CaxのカテゴリCa1に属する視聴者は何人、Ca2に何人、Ca3に何人、・・・、Cd2に何人、Cd3に何人、チャンネル2の視聴者のうち、分類CaxのカテゴリCa1に属する視聴者は何人、・・・、チャンネル3の視聴者のうち、分類CaxのカテゴリCa1に属する視聴者は何人、・・・、というようなデータを得ることにより、更に詳細なデータを作成できる。
【0117】
このようなデータは、例えば、放送の場合には、全視聴者における各カテゴリに属する視聴者数と、各チャンネルの視聴率とを求め、それらを乗算することにより概算することができる。また、別の方法としては、各受信機から、見たチャンネルを示す情報や、アクセスした宛先を示す情報をフィードバックさせることにより、より正確な結果を得ることができる。
【0118】
顧客管理部2に記憶された各カテゴリに属する視聴者(受信機)数を示すデータは、後述する第2の実施形態の上限送信回数(制御係数Ku)の計算において使用される。
【0119】
広告配信装置1の顧客管理部2は、上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
図7は、送信側、即ち、広告配信装置1での広告に関するデータの準備ステップを示す。
【0120】
C. 送信側での広告に関するデータの準備ステップ
C1. ステップ1において、広告配信装置1は、広告の依頼者(広告主)から、広告の広告データ、広告の表示期間データ、広告の総表示回数データ(総送信回数データに対応)、広告が対象とする視聴者層を特徴付けるデータ(視聴者層特定用分類データ)、広告を優先的に送信したい時間帯を示すデータ(優先送信時間データ)、広告の分野を示すデータ(広告属性データ)、および広告の長さ(時間)を示すデータ(広告長データ)を受け取り、広告登録入力部から広告管理部3へ入力して記憶する。
【0121】
広告データは、広告の画像、音声、文字等を表すデータである。表示期間データは、その広告の表示の期間、例えば、受信機での表示の初日および最終日の日付や、表示期間の日数などを表すデータである。広告の総表示回数データは、受注した表示回数を示すデータであり、送信側から受信機への総送信回数データに対応する。視聴者層特定用分類データは、広告が対象としている視聴者層を特定するデータである(図1の視聴者層特定用分類)。優先送信時間データは、その広告を優先的に送信したい時間帯(時刻)を示すデータである。広告属性データは、広告で宣伝する商品が属する分野(広告属性)を示すデータであり、広告属性は、例えば、自動車、保険、食料品などのように分類されている。
【0122】
広告主は、広告が対象としている視聴者層を特定するために、予め、視聴者層特定用分類データの各分類の各カテゴリに対して重みを表す値を割り当てる。
広告主は、例えば、送信側で準備されて広告主に供給されるアンケート用紙やマークシートなどの用紙に記載されている視聴者層特定用分類データに示される複数のカテゴリから、広告が対象としている視聴者層を示すカテゴリを選択して記入する。次に、選択したカテゴリに属する視聴者をどれだけ重要視しているかを示す値(重要度を示す値)を決定して記入する。次に、上記の用紙に記入されている、広告が対象としている視聴者層を示すカテゴリと、カテゴリに対して割り当てられた重要度を示す値とを示すデータを、広告データと関連付けて、広告配信装置1の広告登録入力部から広告管理部3へ入力して記憶する。
【0123】
また、広告配信装置1において、キーボード等の入力装置および表示装置を設け、且つ視聴者層特定用分類データからカテゴリを選択して重要度を示す値を割り当てるためのソフトウエアをロードし、視聴者層特定用分類データを、広告配信装置1の表示装置で表示し、入力装置を用いてカテゴリを選択し、値を決定し、入力するようにしてもよい。
【0124】
図1の例において、視聴者層特定用分類データは4つの項目(分類)、Cax、Cbx、Ccx、Cdxに大分類され、各分類は複数の分類(カテゴリ)(Ca1〜Cam、Cb1〜Cb2、Cc1〜Cc5、Cd1〜Cd3)に小分類されている。
【0125】
広告主は、重視するカテゴリに対して大きな値を割り当てる。また、1つの分類における各カテゴリに割り当てる値の合計値が100となるように数値を配分する。例えば、広告CM1の分類Cbx(性別)では、カテゴリCb1(男性)に80を割り当て、カテゴリCb2(女性)に20を割り当てており、これらの合計は100である。これは、CM1は男性と女性の両方を対象とするが、80対20の比率で男性を重要視していることを示す。また、例えば、CM5の分類Cdxでは、カテゴリCd1に90、カテゴリCd2に0、カテゴリCd3に10が割り当てられている。これは、カテゴリCd1に属する視聴者層と、カテゴリCd2属する視聴者層と、カテゴリCd3に属する視聴者層とを、90対0対10の比率で重要視しているということである。なお、0という値は、その視聴者層を全く対象として考慮していないことを意味する。
【0126】
また、広告主は、広告を受信機で表示したい時間帯、即ち、広告を受信機へ送信させたい時間帯を特定するために、優先送信時間データの各時間帯に対して重みを表す値を割り当てる。
【0127】
広告主は、例えば、上記のアンケート用紙やマークシートなどの用紙に記載されている優先送信時間データに示される複数の時間帯から、広告を優先的に送信させたい時間帯(1又は複数の時間帯)を選択し、その時間帯をどれだけ重要視しているかを示す値(重要度を示す値)を決定して記入する。次に、選択した時間帯と、その時間帯に対して割り当てられた重要度を示す値とを示す優先送信時間データを、広告データと関連付けて、広告配信装置1の広告登録入力部から広告管理部3へ入力して記憶する。
【0128】
また、広告配信装置1において、キーボード等の入力装置及び表示装置を設け、優先送信時間データから時間帯を選択して重要度を示す値を割り当てるためのソフトウエアをロードし、優先送信時間データを表示装置で表示し、入力装置を用いて時間帯を選択し、値を決定し、入力するようにしてもよい。
【0129】
図1の例において、優先送信時間データは6つの時間帯H1(1時〜5時)、H2(5時〜9時)、H3(9時〜13時)、H4(13時〜17時)、H5(17時〜21時)、H6(21時〜1時)に分類されている。広告主は、広告を送信させたい時間帯、即ち、重視する時間帯に対して大きな値を割り当てる。また、全ての時間帯に割り当てる値の合計値が100となるように数値を配分する。例えば、広告CM4では、時間帯H1、H2、H3に0を割り当て、H4に20を割り当て、H5に60を割り当て、H6に20を割り当てており、これらの合計は100である。これは、広告主が、CM4の送信時間帯に関して、H1、H2、H3、H4、H5、H6の時間帯を0対0対0対20対60対20の比率で重要視しており、H4、H5、H6の時間帯(特にH5の時間帯)に優先的に送信されることを望んでいることを示す。なお、0という値は、その時間帯に送信されることを望んでいないことを意味する。
【0130】
更に、広告主は、広告により宣伝される商品の属する分野(属性)を特定するために、広告属性を指定する。広告属性には、例えば、車、食品、電気製品などがある。広告主は、上記と同様に、例えば、アンケート用紙やマークシートなどの用紙に記載されている広告属性データから、その広告の属性と一致する広告属性を選択し、それを示す広告属性データを、広告データと関連付けて、広告配信装置1の広告登録入力部から広告管理部1へ入力して記憶する。また、広告配信装置1にキーボード等の入力装置を設け、広告属性を選択するためのソフトウエアをロードし、広告属性データを、表示装置で表示し、入力装置を用いて広告属性を選択し、入力するようにしてもよい。
【0131】
図1の例において、広告属性は計算要素名「視聴者の嗜好(広告属性)」の欄の「( )」内に示されており、広告CM1、CM2、CM4の広告属性はF1であり、CM3、CM6の広告属性はF2であり、CM5の広告属性はF3であり、CM7の広告属性はF4である。なお、ここに示した記号F1〜F4は、広告属性、即ち、広告(広告で宣伝する商品)の属する分野を示す。
【0132】
C2. ステップ2において、広告管理部3は、記憶された視聴者層特定用分類データの各分類の各カテゴリ(図1のCa1〜Cd3)に対して、そのカテゴリに属する視聴者数データ(Sa1〜Sd3、上記Bのステップで求めたデータ)を関連付ける。この各カテゴリ毎の視聴者数データは、顧客管理部2に記憶された全ての個人データを基にして得ることができる。例えば、顧客管理部2に10人の視聴者の個人データが記憶されており、そのうちの7人がカテゴリCa2に属する場合には、Ca2のデータに7を表す視聴者数データSa2が関連付けて記憶される。(なお、Sa1〜Sd3は、第2の広告配信装置の動作の実施形態で説明する上限送信回数を計算する工程で用いられる。)
C3. ステップ3において、広告管理部3は、ステップ1で記憶した広告に対する広告IDを作成し、その広告IDを、その広告の表示期間データ(表示の開始日、終了日)、視聴者層特定用分類データ(Ca1〜Cd3)、該視聴者層特定用分類データの各分類の各カテゴリに関連付けられた視聴者数データ(Sa1〜Sd3)、総表示回数データ(総送信回数データ)(KT)、優先送信時間データ(Hx)、広告属性データ(F1〜F3)、広告長データと関連付けて広告管理部3へ記憶する。また、この時に、広告管理部3は、広告登録入力部から入力されたデータ以外に、予定送信順序データ(Jn)と、視聴者の嗜好データ(Fx)とを関連付ける。予定送信順序データ(Jn)の値としては最低値を割り当て、視聴者の嗜好データ(Fx)としては基準値(この例では中間値)を割り当てる。また、表示期間データについては、全表示期間を示すデータ(Tt)および残り表示期間を示すデータ(Tr)も計算して記憶しておく。ここでは、表示期間データ、視聴者層特定用分類データ、視聴者層特定用分類のカテゴリ別の視聴者数データ、総表示回数データ(総送信回数データ)、優先送信時間データ、広告属性データ、予定送信順序データ、視聴者の嗜好データ、広告長データをまとめて付加データという。
【0133】
また、広告管理部3は、作成した広告IDと広告データ(広告自体を表すデータ)とを、広告データ保管部4へ転送して記憶させる。また、広告管理部3は、広告IDと、その広告の初期データ(図1に示すデータ)とを履歴部7へ送信し、その広告の履歴データの作成の準備をさせておく。
【0134】
他の広告に対してもC1〜C3と同様の工程を行い、広告データに付加データを結び付ける。
広告配信装置1の広告管理部3は、上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0135】
図8は、送信側、即ち、広告配信装置1での個人計算シートの作成ステップを示す。
個人計算シートとは、一人の視聴者に対して割り当てられた各広告の受信機への配信の優先順位、即ち、受信機での表示の優先順位を決定する際に用いるデータ、および決定された優先順位を示すデータを含むデータであり、送信側に登録された全ての視聴者のそれぞれ対して個々に作成される。
【0136】
D. 送信側での個人計算シート作成ステップ
D1. ステップ1において、顧客管理部2は、該顧客管理部2に記憶した個人データ中の、個人IDと、その個人IDで識別される視聴者自身が視聴者層特定用分類データから選択した該視聴者の属するカテゴリを示すデータとを抽出し、そのコピーを計算部6へ転送する。計算部6は、この個人IDにより識別される視聴者に対して個人計算シート(図2の表を参照)を作成する。ただし、この時点で個人計算シートに記録されるデータは、個人IDと、視聴者の属するカテゴリを示すデータのみである。
【0137】
D2. ステップ2において、広告管理部3は、広告の付加データのコピー、即ち、表示期間データ、視聴者層特定用分類データ、総表示回数データ(総送信回数データ)、優先送信時間データ、広告属性データ、予定送信順序データ、視聴者の嗜好データ、および広告長データのコピーを計算部6へ転送する。第1の実施形態では、カテゴリ毎の視聴者数データ(Sa1〜Sd3)は、広告の優先順位の計算に使用しないので、計算部6へ送信する付加データ中には含ませない。
【0138】
D3. ステップ3において、計算部6は、この視聴者に対して割り当てる広告を選択する。計算部6は、顧客管理部2から受信した視聴者の属するカテゴリを示すデータと、広告管理部3から受信した広告の付加データ中の視聴者層特定用分類データ(Ca1〜Cd3)とを比較し、比較結果に基づいて、その視聴者にその広告を割り当てるか否かを決定する。この比較では、視聴者層特定用分類データ中に含まれるカテゴリのうちの、視聴者の属するカテゴリに対応するカテゴリを抽出し、広告主が、視聴者の選択したカテゴリを選択しているか否か、即ち、そのカテゴリに数値が割り当てられているか否かを検査する。
【0139】
この実施形態では、個人データ中に、カテゴリCa1(地域A)、Cb1(男性)、Cc1(19歳以下)、Cd3(趣味C)を示すデータが含まれているものとする。計算部6は、広告の付加データ中の視聴者層特定用分類データ(Ca1〜Cd3)中のカテゴリCa1、Cb1、Cc1、Cd3を検査し、広告主がそれらのカテゴリを選択しているか否か、即ち、それらのカテゴリに数値が割り当てられているか否かを検査する。
【0140】
D3a. 上記の4つのカテゴリすべてに数値0が割り当てられている場合には、全く一致がなかったものと判断され、ステップ4において、計算部6は、その付加データを一致がない個人計算シートへ記録せずに破棄する。図1に示す広告のうち、広告CM7は、上記の4つのカテゴリすべてに数値0が割り当てられており、全く一致がないので、その広告IDおよび付加データは、この個人計算シートに記録されない。個人計算シートに記録されなかった広告は、その個人計算シートに対応する視聴者に対して表示されない。
【0141】
D3b. 上記の4つのカテゴリ中の何れかに0以外の数値が割り当てられている場合には、広告主が選択した視聴者層と、視聴者自身の属する視聴者層とが少なくとも部分的に一致しているものと判断され、ステップ5において、計算部6は、その広告がその視聴者に割り当てられるものと決定し、その広告の付加データを個人計算シートに記録する。図1に示す広告のうち、広告CM1〜CM6に関しては、上記の4つのカテゴリの何れかに0以外の数値が割り当ているので、これらの広告の広告IDおよび付加データは、この個人計算シートに記録される。
【0142】
この実施形態における選択、即ち、個人計算シートに広告の付加データを記録するか否か、即ち、視聴者に対して広告を割り当てるか否かの判断の基準は、視聴者が選択したカテゴリのすべてに対して数値0が割り当てられているか否かである。しかし、別の方法として、例えば、視聴者が選択した各カテゴリに対して割り当てられた値の合計に基づいて、広告を割り当てるか否かを決定することも可能であり、例えば、合計が所定の値以上の広告を、その視聴者に割り当てるようにすることも可能である。
【0143】
個人計算シートでは、視聴者層特定用分類データに関しては、視聴者が選択したカテゴリに対応するデータのみを記録する。また、表示期間データ(Tt、Tr)は広告IDと関連付けて記録されるが、生のままでは個人計算シートに記録されず、以下のH5で示す計算により得られる表示期間の係数値(Tx)が記録される。
【0144】
また、この実施形態では、広告IDに、以下のステップ(D4)で説明する平均送信回数に関連するデータ、即ち、平均送信回数(初期値)のデータ及び広告が送信された回数(この視聴者に対してのこの広告の送信回数)のデータも関連付けて記録するが、図2に示される個人計算シートには、以下のH(H1)で説明するように、平均送信回数までの残り送信回数に所定の係数を適用して得られる係数値(Ka)を記録する。なお、広告が送信されて実際に表示された回数は、受信機20が広告を表示した後に広告配信装置1へ送信してくるデータに含まれる個人IDおよび広告IDに基づいて得ることができる(Hのステップ31、32を参照)。
【0145】
D4. ステップ6において、計算部6は、その広告が割り当てられた視聴者(受信機)の数、即ち、この広告が何枚の個人計算シートに記録されたかを示すデータを作成し、記憶する。このデータは、計算部6が記憶している個人計算シートに記録された全ての広告のぞれそれに対して作成される。
【0146】
計算部6は、この広告に対しての平均送信回数を計算する。平均送信回数は、広告の受注した総表示回数を、その広告が割り当てられた全受信機の数で除算して、それらの受信機の各々に対して最低限必要とされる平均の送信回数(最低送信回数)を求め、その最低送信回数に係数を乗算することにより得られる。
【0147】
或る受信機に対しては、期限内に最低送信回数の送信を行えないこともあり得る。従って、或る広告が割り当てられた受信機に対して、その広告に対して計算された最低送信回数を割り当てたのでは、受注した総表示回数(総送信回数)を達成することが困難である。従って、最低送信回数に係数を乗算することにより、その広告が割り当てられた各受信機が相互に受信機へのその広告の送信回数の不足分を補うだけの余裕をもち、且つ各受信機へその広告が過多に送信されないような均等な上限とする送信回数、即ち、平均送信回数を決定している。
【0148】
最低送信回数に乗算する係数の値は、例えば、多くの人数を含む視聴者層を対象とする広告、即ち、その広告が割り当てられたを受信機の数が多い場合には小さくなる。また、その反対に、少ない人数を含む視聴者層を対象とする広告、即ち、その広告が割り当てられた受信機の数が少ない場合には、大きくなる。この係数の値は、例えば、過去の広告の表示実績(送信実績)のデータや、上記のAで説明したようなアンケート等で得て記憶した視聴者層の人数などに関するデータや、広告主が指定した広告が対象としている視聴者層に関するデータなどから、経験的に決定することができる。
【0149】
例えば、或る分野に属する広告について、受注した総表示回数が10000回であり、その広告が割り当てられた受信機の数が500台(即ち、その広告の広告IDを記録した個人計算シートの数が500枚)であるとする。このような場合において、各受信機に対する最低送信回数は20回(10000/500)となる。この値に、余裕をもたせるための係数を適用して、平均送信回数を決定する。
【0150】
また、既に一人以上の視聴者(受信機)に割り当てられている広告、即ち、1つ以上の個人計算シートに登録されている広告が、新たに別の受信機に割り当てられられると、その広告が割り当てられた受信機の数を示すデータが更新される。計算部6は、広告が新たに別の受信機に割り当てられる毎に、その広告に対する平均送信回数を再計算する。この計算の時に、計算部6は、広告管理部3へ、その広告の総表示回数までの残り表示回数(即ち、総送信回数までの残り送信回数)を示すデータを要求して獲得し、その残り表示回数を、その広告が割り当てられた受信機の数を示すデータ(更新された受信機数データ)で除算し、その時点での各受信機で最低限必要とされる平均の送信回数(最低送信回数)を求め、その最低送信回数に係数を乗算することにより、新たな平均送信回数を求める。更に、その広告が割り当てられた全ての受信機に対応する全ての個人計算シートに関して、平均送信回数の初期値のデータを上記の新たな平均送信回数に更新し、それぞれの個人計算シート毎に、更新した平均送信回数(初期値)から、広告IDに関連付て記憶されている広告の送信回数を減算し、新たな残り送信回数データ(制御係数Kaの基礎となるデータ)を作成する。また、計算部6は、制御係数Kaを計算するために残り送信回数に乗算する計数も、更新された受信機数データに基づいて(例えば、元の受信機数と新たな受信機数との比率に基づいて)変更する。
【0151】
また、個人計算シートは、視聴者と広告との一致度を示す一致度値(Ct)と、以下のHで説明する優先順位の計算工程において求められる各広告毎の制御係数の合計値(Sum)と、その合計値に基づいて付与される優先順位(N)とを記録する。
【0152】
広告配信装置1は、新たに受け付けた広告に対しても、上記のステップを行う。また、同じ広告が既に個人計算シートに記録されている場合には、その広告を新たに個人計算シートには記録しない。
【0153】
広告配信装置1の計算部6は、上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
図9は、送信側、即ち、広告配信装置1での、広告の削除に関する命令信号を作成するステップを示す。
【0154】
E. 送信側での、広告の削除に関する命令信号を作成するステップ
E1. ステップ1において、例えば、広告の表示回数が総表示回数に達していないにも係わらず広告主が継続中止を決定した広告のような、通常の制御動作では削除できない広告を削除する場合に、その広告を削除するために外部命令入力部から広告管理部3へ、その広告の広告IDと削除命令とを入力する。広告管理部3は、入力された広告IDと削除命令とを命令部5へ入力する。
【0155】
また、広告管理部3が、履歴部7から得られる各広告の送信(表示)回数に関するデータを基にして計算される各広告の総送信回数までの残り送信回数データを基にして、受注した総表示回数、即ち、総送信回数に達したと判断した広告がある場合、および広告管理部3自体が蓄積している各広告の残り表示期間データを基にして表示期間が満了したと判断した広告がある場合に、広告広告管理部3から命令部5へ、削除すべき広告の広告IDと削除命令とを入力する。
【0156】
なお、履歴部7は、受信機20から受信したデータ(履歴データの基礎となるデータ)に基づいて、各広告に関して個別に履歴データを作成して記憶している。履歴データは、広告の表示回数、広告の受信者(どの視聴者がこの広告を視聴したかを示す)、広告が視聴された時間などを含む。この例では、広告管理部3は、この履歴データ中の広告の表示回数のデータを用いて、広告の総表示回数までの残り表示回数、即ち、総送信回数までの残り送信回数を計算する。
【0157】
また、履歴部7は、広告データ保管部4が広告を配信後に該広告データ保管部4から送られてくるデータに基づいて、各広告に関して個別に、広告の送信回数、広告の受信者(どの視聴者がこの広告を視聴したかを示すデータ)、広告が視聴された時間などを含む履歴データを作成して記憶する。
【0158】
顧客管理部2は、所定期間毎に、その期間の分たげのデータを履歴部7から読み出し、顧客管理部2で管理しているデータに反映させる。この例では、受信機20から受信したデータに基づいて作成された履歴データを用いることにより、実際に受信機で表示された広告に対してデータの更新を行う。また、履歴部7に新たなデータが入力される度に、そのデータを履歴部7から顧客管理部2へ送信するように構成することもできる。なお、広告が実際に受信機で表示されたか否かを考慮しない場合、即ち、広告配信装置1から受信機20へ配信された広告が全て表示されたと見なす場合には、広告データ保管部4からのデータに基づいて作成された履歴データを用いることができる。履歴データに関するステップについては、以下のIで説明する。
【0159】
E2. ステップ2において、命令部5は、広告管理部3から入力された広告IDと削除命令とを広告データ保管部4、計算部6および履歴部7へ入力する。
広告データ保管部4は、命令部から入力された広告IDおよび削除命令に基づいて、削除すべき広告の広告IDが記録されているか否かを判断する。計算部6は、全ての個人計算シートを検査し、削除すべき広告の広告IDが記録されているか否かを判断する。履歴部7は、削除すべき広告の広告IDが記録されているか否かを判断する。
【0160】
広告管理部3は、削除すべき広告の広告IDと削除命令とを外部命令入力部から受信した場合には、その広告IDと削除命令とに応答して、削除すべき広告の広告IDが記憶されているか否かを判断する。
【0161】
削除すべき広告の広告IDが記憶されている場合には、ステップ3において、広告管理部3はその記憶部から、その広告の広告IDおよび該広告IDに関連付けられた付加データを削除する。広告データ保管部4はその広告IDおよび広告データを削除する。計算部6は、その広告IDが記録されている全ての個人計算シートから、その広告に関するデータを削除する。履歴部7は、広告IDおよび削除命令を受信すると、所定時間後(その広告の表示に関するデータを全ての受信機から受け取るのに十分な時間後)に、履歴部7に記憶されたデータを基にして、その広告IDに対応する広告の、後のマーケティングや収益分配のためになどに用いる統計データの作成を開始する(以下のJを参照)。履歴部7は、統計データの作成が完了した後に、その広告の履歴データを削除する(統計データは、読み出されるまで削除しない)。
【0162】
また、ステップ2において、広告管理部3が、削除すべき広告の広告IDと削除命令とを広告管理部3自体が判断して発生して命令部5へ入力した場合には、広告管理部3は、命令部5へ削除すべき広告の広告IDと削除命令とを送信した後に、その広告IDと該広告IDに関連付けされたデータを削除する。広告データ保管部4は、命令部5から広告IDと削除命令とを受信すると、削除すべき広告の広告IDが記録されているか否かを判断する。計算部6は、全ての個人計算シートを検査し、削除すべき広告の広告IDが記録されているか否かを判断する。履歴部7もまた、削除すべき広告の広告IDが記録されているか否かを判断する。削除すべき広告の広告IDが記憶されている場合には、ステップ3において、広告データ保管部4は、その広告IDと該広告IDに対応する広告データを削除する。計算部6は、その広告IDが記録されている全ての個人計算シートから、その広告に関連するデータを削除する。履歴部7は、命令部5から広告IDおよび削除命令を受信すると、所定時間後に、履歴部7に記憶されたデータを基にして、その広告IDに対応する広告の、後のマーケティングや収益分配のためになどに用いる統計データの作成を開始し、統計データの作成が完了した後に、その広告の履歴データを削除する。
【0163】
広告管理部3、広告データ保管部4、命令部5、計算部6、履歴部7は、それぞれに上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
図10は、送信側、即ち、広告配信装置1での広告の最優先配信に関する命令信号を作成するステップを示す。
【0164】
F. 送信側での広告の最優先配信に関する命令信号を作成するステップ
F1. ステップ1において、特定の広告を最優先で配信する、即ち、視聴者の受信機へ最優先に送信して表示させる必要がある場合には、外部命令入力部から広告管理部3へ広告指定命令が入力される。広告指定命令は、最優先で送信すべき広告の広告IDと、最優先での送信を指示する命令とを含む。ステップ2において、広告管理部3は、入力された広告指定命令を命令部5へ送り、命令部5は、広告指定命令を計算部6へ送る。
【0165】
F2. ステップ3において、計算部6は、全ての個人計算シートを検査し、広告指定命令で示された広告IDが記録されているか否かを判断する。個人計算シートに、最優先で送信すべき広告の広告IDが記憶されている場合には、ステップ4において、その個人計算シートの広告IDに、最優先を示すデータを関連付けて記録する。
【0166】
以下のHで詳細に説明するが、広告データを受信機へ送信する際に、計算部6は、個人計算シートにおいて、最優先を示すデータが付加された広告IDが存在する場合には、広告データ保管部4へ、その広告IDおよびその個人計算シートに対応する視聴者の個人IDを最優先で送信する。広告データ保管部4は、広告IDおよび個人IDを受信すると、その広告IDに対応する広告データを最優先で読み出し、その個人IDに対応する視聴者の受信機へ、送信部9を介して最優先で配信する。また、個人計算シートに、最優先を示すデータが付加された広告IDが存在しない場合には、計算部6は、広告データ保管部4へ、優先順位の順に、広告IDと、広告の配信先となる視聴者の個人IDとを送信する。広告データ保管部4は、広告IDおよび個人IDを受信すると、広告IDに対応する広告データを、広告IDの受信順に読み出し、その順で、広告データを、個人IDに対応する視聴者の受信機へ送信部9を介して配信する。
【0167】
広告管理部3、命令部5、計算部6、送信部9は、それぞれに上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
図11は、送信側、即ち、広告配信装置1での制御係数に適用される制御変数の値の変更に関する命令信号を作成するステップを示す。
【0168】
G. 送信側での、制御係数に適用される制御変数の値の変更に関する命令信号を作成するステップ
G1. ステップ1において、個人計算シートの6種の制御係数(Tx、Ka、Jn、Cpq、Hx、Fx)のそれぞれに適用する制御変数Xnの値を、外部命令入力部から広告管理部3を介して、又は広告管理部3自体から、命令部5へ入力する。
【0169】
制御変数Xnの値を外部命令入力部から広告管理部3を介して命令部5へ入力する場合、制御変数の値は、営業情報(例えば、広告主からの指示などを含む)等に基づいて決定される。制御変数Xnの値を広告管理部3が生成して命令部5へ入力する場合、制御変数の値は、広告管理部3および履歴部7に記憶している広告の送信(表示)状況に関するデータ(例えば、残り表示期間、総送信回数までの残り送信回数など)に基づいて広告管理部3により自動的に決定される。
【0170】
命令部5は、広告管理部3から制御変数Xnの値を受信すると、その制御変数Xnを個人計算シートの各制御係数に適用させるための制御変数適用命令を作成する。制御変数適用命令は、新たに決定された各制御変数値と、制御変数値の変更を指示する命令とを含む。
【0171】
例えば、広告配信装置1に、表示期限が迫っているのに多数の残り送信回数がある広告が記憶されていることを、履歴データから判別した場合や、広告主が、特定の広告の表示(残り表示回数)を早急に完了させることを指示してきた場合や、何らかの理由で特定の広告の表示(残り表示回数)を早急に完了させる必要がある場合などには、その広告の優先順位を上げて、より多くを受信機へ送信して表示させる必要がある。即ち、広告の送信の優先順位を上げるためには、優先順位の基礎となる係数の値を増加させる必要がある。このような場合に、6種の制御係数(Tx、Ka、Jn、Cpq、Hx、Fx)のそれぞれに適用する係数(変数Xn)の値を変更し、各制御係数の値を変化させることにより、対象としている広告の送信の優先順位を上げるようにする。なお、制御変数の決定方法については、以下のI3で説明する。
【0172】
G2. ステップ2において、命令部5は計算部6へ制御変数適用命令を送信する。計算部6は、全ての個人計算シートの制御変数(Xn)の値を、制御変数適用命令で示される新たな値に変更する。
【0173】
この例では、各個人計算シート毎に、制御変数適用命令を受信すると即座に、その制御変数適用命令に含まれる制御変数値を反映させて広告の優先順位を計算し、その計算後の最初の広告枠に、その広告枠の時間の間に表示できる数の広告を上記の計算で決定した優先順位で配信し、配信の直後に、制御変数値を元の制御変数値に戻し、再び優先順位の計算を行うすようにする。しかし、別の構成としては、新たに制御変数適用命令を受信するまで、前回の制御変数適用命令で指示された制御変数を維持するように構成することもできる。
【0174】
広告管理部3、命令部5および計算部6は、上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
上記Eの広告の削除に関する処理、上記Fの広告を最優先で配信することに関する処理、および上記Gの制御変数の変更に関する処理は、それぞれ、必要に応じて任意の時に行われる。例えば、上記Fの広告の優先順位を最優先にする処理は、緊急に広告主から特定の広告を最優先で送信して表示させる旨の指示を受けた時に行われる。また、例えば、上記Gの制御変数の変更に関する処理を、新たな履歴データを受信する度に行うようにすることにより、より精度が高い広告配信制御を行うことができる。
【0175】
図12、図13、図14、図15は連続した1つのフローチャートであり、送信側、即ち、広告配信装置1での、各視聴者に対しての広告の配信の優先順位を決定し、それぞれの視聴者の受信機へ配信して表示させるステップを示す。
【0176】
H. 送信側での各視聴者に対しての広告の優先順位の決定および各受信機への配信ステップ
以下のステップは、送信側、即ち、広告配信装置1に登録された全ての視聴者に対して個別に行うものであるが、以下の説明では、登録された視聴者のうちの一人の視聴者に対しての広告データの優先順位の決定、およびその視聴者の受信機への配信ステップを説明する。
【0177】
H1. 図12のステップ1において、広告配信装置1の計算部6は、登録された視聴者に対して割り当てられた広告、即ち、その視聴者に対応する個人計算シートに記録された広告IDに関連付けて記憶された平均送信回数データを基にして、広告の平均送信回数に関する重みを表す値(図2の制御係数Ka)の初期値を決定する。制御係数Kaは、平均送信回数に達するまでの残り送信回数に係数を乗算することにより求められる(Ka=残り送信回数×係数)。例えば、制御係数Kaの値を残り送信回数の値と同じにしたい場合には、残り送信回数に乗算する係数を1とし、且つ適用される制御変数X7の値を1とする。
【0178】
広告が一回送信される毎に、残り送信回数から1が減算される。残り送信回数が0になると制御係数Kaが0になる。制御係数Kaが0に達した広告は受信機へ送信されなくなる。
【0179】
図2の例では、CM1の制御係数Kaの値が40であり、CM2が100、CM3が50、CM4が40、CM5が70、CM6が30である。計算部6が、この時点での制御係数Kaの値のみを基にして広告の優先順位を決定した場合には、高い順から、CM2、CM5、CM3、CM1及びCM4、CM6となる。
【0180】
H2. ステップ2において、計算部6は、視聴者に対して割り当てられた各広告の受信機への送信(配信)、即ち、受信機での表示の順序を予定し、その予定送信順序に対する重みを表す値(図2の制御係数Jn)の初期値を決定する。
【0181】
初期の予定送信順序は、適当な任意の方法で決定すればよい。例えば、個人計算シートに先に記録されたものから順に上位の予定送信順序を割り当てる方式や、各広告データに付加されるID番号のアルファベットや数字の順に予定送信順序を割り当てる方式などを用いてもよい。また、後に、この視聴者に対して新たに広告が割り当てられた場合には、その広告の制御係数Jnの値として、図1の予定送信順序要素で割り当てられた値(最低値)を割り当てる。
【0182】
初期の制御係数Jnの割り当てにおいては、予定送信順序が最下位の広告に対する制御係数を所定の最低値とし、予定送信順序が1つ上がる毎に所定の増分値を付加する。図2の実施形態では、制御係数Jnの最低値を1000、増分値を100に設定している。図2の例では、CM6が予定送信順序が最下位であり、従って、その制御係数の値は1000である。CM5の予定送信順序は、下から第2位であり、その制御係数の値は1000+100、即ち、1100である。CM4の予定送信順序は、下から第3位であり、その制御係数の値は1100+100、即ち、1200である。同様にして計算されるCM1の制御係数の値は1500であり、CM2は1400、CM3は1300である。
【0183】
各広告の制御係数Jnは、広告が送信されると更新される。即ち、計算部6は、送信された広告に対しての制御係数Jnの値を低くし、送信されなかった広告に対しての制御係数Jnの値を高くする。制御係数Jnを更新する方法については、以下のH23で詳細に説明する。
【0184】
計算部6が、この時点で制御係数Jnの値のみを基にして広告の優先順位を決定した場合には、高い順から、CM1、CM2、CM3、CM4、CM5、CM6となる。
【0185】
H3. ステップ3において、計算部6は、視聴者に割り当てられた各広告の分野(広告属性)に対しての視聴者の嗜好を反映させる値(制御係数Fx)に、初期値を割り当てる。この初期値は、広告管理部3から計算部6へ送信されたデータに含まれる視聴者の嗜好(Fx)の値(基準値)、即ち、図1に示す制御係数Fxの値であり、この例では、基準値は50である。即ち、計算部6は、初期には、全ての広告属性に対して同じ初期値を割り当て、個人計算シートに記録する。
【0186】
受信機20の入力部23は、例えば、広告配信装置1から広告を受信して視聴者に対してその広告を表示している間に、視聴者がその広告に関心があるか又は関心がないかを意思表示(投票)するための投票ボタン(「関心ありボタン」及び「関心ないボタン」)を備える。視聴者が広告の表示中に「関心ありボタン」を押すと、その広告の広告属性に対して「関心あり」に投票されたことを示すデータが受信機20の記憶部22に記憶され、「関心ないボタン」を押すと、その広告の広告属性に対して「関心ない」に投票されたことを示すデータが受信機20の記憶部22に記憶される。受信機20の制御部21は、この投票結果を示すデータを、所定のタイミングで記憶部22から読み出し、送信部25を介して広告配信装置1へ送信する。広告配信装置1の受信部8は、投票結果のデータを受信し、計算部6へ転送する。計算部6は、その投票結果のデータを送信してきた視聴者(受信機)に対応する個人計算シートを検索して読み出し、その個人計算シートに対して、その投票結果のデータに基づいて、「関心あり」に対する投票があった広告属性に対しては、その広告属性と同じ広告属性をもつ全ての広告に対する制御係数Fxの値を増加させ、「関心ない」に対する投票があった広告属性に対しては、その広告属性と同じ広告属性をもつ全ての広告に対する制御係数Fxの値を減少させる。この投票ボタンに関する動作については、以下のH25において詳細に説明する。
【0187】
制御係数Fxの値は、増加し過ぎないように、即ち、特定の広告属性を持つ広告の優先度が上がり過ぎないように上限値を設定し、且つ特定の広告属性を持つ広告の優先度が下がり過ぎないように下限値を設定する。上記の初期値は、この例では、上限値と下限値の中間の値に設定している。また、制御係数Fxを初期値に設定したときに、広告配信装置1の計時部(図示せず)から日時のデータを獲得し、個人計算シートに関連付て記憶しておく。
【0188】
図2の例では、初期値が50、下限値が0、上限値が100であり、投票ボタンが複数回押された後の、各広告の属性に対する制御係数Fxの値を示している。図2において、広告CM1、CM2、CM4の広告属性(F1)に対する制御係数Fxの値は70であり、「関心ありボタン」が多く押されたことを示す。CM3、CM6の広告属性(F2)に対する制御係数Fxの値は20であり、「関心ないボタン」が多く押されたことを示す。CM5の広告属性(F3)に対する制御係数Fxの値は50であり、投票ボタンが押されていないか、又は「関心ありボタン」と「関心ないボタン」が同じ回数だけ押されたことを示す。この時点での制御係数Fxの値のみを基にして広告の優先順位を決定した場合には、高い順から、CM1とCM2とCM4とが一位、CM3とCM6とが二位、CM5が三位となる。
【0189】
H4. ステップ4において、計算部6は、制御係数Fxを初期値に設定後、所定期間(例えば、1週間、1か月など)が経過したか否かを、広告配信装置1の計時部から得られる日時のデータを基にして判定し、所定期間が経過した場合には、ステップ3へ戻り、すべての広告に対する制御係数Fxを初期値にリセットする。所定期間が経過していない場合にはステップ5へ進む。
【0190】
特定の属性を有する広告に対する制御係数Fxの値が或る期間にわたって高い状態で維持されると、その期間中は、他の広告が送信(表示)されにくくなる。また、逆に、特定の属性を有する広告に対する制御係数Fxの値が或る期間にわたって低い状態で維持されると、その期間中は、その広告が配信されにくくなる。広告の効率を考慮した場合に、上記のような視聴者の嗜好を反映した偏った広告の送信の期間が過剰に長く継続されるのは、好ましくない。従って、所定期間が経過した時にすべての広告に対する制御係数Fxを初期値にリセットする。
【0191】
また、何れかの広告属性に対する制御係数Fxが上限値または下限値に達した時に、すべての広告に対する制御係数Fxを初期値にリセットするように構成することもできる。これにより、例えば、特定の属性を有する広告のみに対する制御係数Fxの値が高くなり優先度が上がることにより、他の広告の配信を過剰に妨げる、ということを防止できる。また、逆に、特定の属性を有する広告のみに対する制御係数Fxの値が低くなり優先度が低くなることにより、その広告の配信が過剰に妨げられる、ということを防止できる。
【0192】
H5. ステップ5において、計算部6は、表示期間データの全表示期間データTtおよび残り表示期間データTrを基にして、記憶された各広告の表示期間に関する重み、即ち、残り表示期間に関する重みを表す値(図2の制御係数Tx)を決定する。制御係数Txは、以下のようにして計算する。
【0193】
i. 受信機での表示の最終期限の日付と、広告を広告配信装置1へ登録した日付(広告に関するデータを広告管理部3へ入力した日付)とを基にして、全表示期間(Tt)を求める。
【0194】
Tt=(最終期限の日付)-(広告登録の日付)
なお、Ttの値は、広告管理部3で計算され、上記の個人計算シートを作成するステップにおいて計算部6へ供給されている。
【0195】
ii. 表示の最終期限の日付と、現在の日付とを基にして、残り表示期間(Tr)を求める。
Tr=(最終期限の日付)-(現在の日付)
iii. 全表示期間に対する残り表示期間の比率を求め、その比率に係数(本例では1000)を乗算した値Tx”を求める。
【0196】
Tx”=(Tr/Tt)×1000
値Tx”は、残り表示期間が短いほど小さくなる。
iv. 所定の係数(本例では1000)から、期間係数Tx”を減算し、期間係数Txを求める。
【0197】
Tx=1000-Tx”
残り表示期間を計算する際の日時の基礎となるデータは計時部で発生される。1日を単位として表示期間を計算する場合には、1日経過する度に(即ち、毎日)、計算部6は制御係数Txを計算し、その値を更新する(以下のステップ8の説明を参照)。制御係数Txは、残り表示期間が0になった時に最大値(1000)になる。
【0198】
また、広告には、表示期間が1日のみである広告もあり、そのような広告では、表示の最終期限の日付と広告登録の日付(広告の表示を開始する日付)とが同じになる。このような場合には、上記のiのステップで行われる全表示期間(Tt)の値が0になる。Tt=0の場合には、後続のiiiのステップの計算式の回答が得られない。従って、計算部6は、上記のiのステップの直後に、Ttが0か否かを判定し、Ttが0の場合には上記のii〜ivのステップを行わずに制御係数Txに最大値を割り当て、Ttが0でない場合には上記のii〜ivのステップを行ってTxを計算する。
【0199】
図2の例では、CM1の制御係数Txの値が800であり、CM2が700、CM3が400、CM4が300、CM5が500、CM6が100である。計算部6が、この時点での制御係数Txの値のみを基にして広告の優先順位を決定した場合には、高い順から、CM1、CM2、CM5、CM3、CM4、CM6となる。
【0200】
H6. ステップ6において、計算部6は、各広告に対して、Trの値(上記のステップ5のステップiiで求められる値)、即ち、最終期限の日付から現在の日付を引いた値が0よりも小さい値となっている広告が記憶されているか否かを検査する。Tr<0になっている広告があった場合には、ステップ7において、その広告データ及び付加データを個人計算シートから削除する。
【0201】
また、Tr<0になっているか否かの検査は、広告管理部3でも行われ、Tr<0になっている広告があった場合には、広告管理部3は命令部5へ削除すべき広告の広告IDと削除命令とを入力し、命令部5は計算部6へその広告IDと削除命令とを送信する(上記Eを参照)。しかし、計算部6が既にその広告IDと関連するデータを個人計算シートから削除している場合には、命令部5からの削除命令は無効となる。広告管理部3は、命令部5へ削除すべき広告の広告IDと削除命令とを入力した後に、その広告のデータを広告管理部3自体の記憶部から削除する。
【0202】
なお、表示期間が満了(Tr<0)した広告に関しての、履歴部7に記憶された該広告の履歴データは、その広告についての、後のマーケティングや収益分配のためになどに用いる統計データの作成が終了していない場合には、そのデータの作成が完了するまで記憶しておく。
【0203】
H7. 次に、ステップ8において、計算部6は、計時部から得られる日時の基礎となるデータを基にして、所定時間、例えば、1日が経過したか否かを検査する。所定時間が経過した場合には、計算部6の動作はステップ5へ戻り、再び制御係数Txを計算する。所定時間が経過していない場合には、図13のステップ9へ進む。
【0204】
H8. 図13のステップ9において、広告配信装置1は、広告送信要求信号を待機する。広告送信要求信号は、広告配信装置1に対して広告の配信を命令する信号である。広告送信要求信号は、広告枠の長さを指定する広告枠時間データ、広告の送信を要求した受信機20を識別するデータ、即ち、個人IDなどを含む。
【0205】
送信側が、インターネットなどの通信ネットワークを介して、加入者として登録しているユーザに対してコンテンツを供給するプロバイダや、携帯電話などの通信サービスを行う会社などである場合には、広告送信要求信号は、受信機20から広告配信装置1へ送信される。この場合には、例えば、ユーザが、プロバイダへ接続するためや、所定のサイトへアクセスするために受信機20の入力部23から入力を行った時に、制御部21が、その入力に応答して広告送信要求信号を発生して広告配信装置1へ自動的に送信するように、受信機20をプログラムしておく。このプログラムは、予め受信機20の記憶部22に記憶しておく。また、携帯電話などの場合には、電話をかけるためにスイッチをオンにした時に、広告送信要求信号を発生して広告配信装置1へ自動的に送信するようにプログラムしておくこともできる。また、広告枠時間データは、各受信機ごとに予め設定してそれぞれの受信機の記憶部に記憶しておく。
【0206】
送信側が、例えば、CS、BS、地上波、ケーブルなどを介して有線や無線で、加入者となっている視聴者の受信機へ、予め定めたチャンネルで番組を放送する放送局であり、放送中の番組における広告枠に広告を各受信機へ配信する場合には、各受信機が放送中の番組を受信しているか否か、即ち、各視聴者が番組を見ているか否かを確認するための手段を備えることにより、より確実に、広告を受信機で表示させることができる。そのためには、例えば、送信側の番組を放送する装置に、広告枠の開始時刻の少し前に、受信機20がその放送を受信しているか否かを確認するための確認信号を各受信機へ送信する(例えば、確認信号を番組信号に重畳させる)手段を設ける。この確認信号は、広告枠時間データ、広告枠の開始時刻を示すデータなどを含み、この確認信号中の広告枠時間データは、番組中の広告枠の長さに応じて設定される。受信機20には、上記の確認信号を受信し、その確認信号に基づいて広告送信要求信号を作成し、作成した広告送信要求信号を、広告枠の開始時刻に広告を受信して表示できるタイミングで、即ち、広告配信送信1が広告送信要求信号を受信し、広告を読み出し、受信機20へ送信する処理を行う時間を考慮したタイミングで、広告配信装置1へ送信する手段を設ける。この受信機で作成される広告送信要求信号は、その受信機の視聴者の個人IDと、確認信号から読み出した広告枠時間データおよび広告枠の開始時刻データとを含む。
【0207】
なお、広告枠時間中に受信機の電源を入れた場合には、その広告枠が終了するまで、図4の記憶部22に記憶されている静止画の広告を一時的に出すように構成することができる。その構成の場合には、例えば、広告枠時間の開始から終了まで、広告枠時間中であることを示す信号を、送信側から受信機へ送信し、受信機がその信号に応答して静止画の広告を記憶部22から読み出して表示するようにする。記憶部22に記憶される素材、即ち、静止画の広告は、任意のタイミングで受信機へ送信されて記憶される。この静止画の広告は、あくまで、受信機での画面が途切れるのを回避するためのものであり、個人計算シートでカウントされる広告とは別に取り扱われる。この静止画の広告のデータは、広告配信装置1の広告登録入力部から広告管理部3へ入力され、広告データ保管部4に保管される。広告データ保管部4は、広告管理部3からの指示を命令部5を介して受け取ると、静止画の広告データを送信部9から受信機へ送信する。受信機側では、この静止画の広告データを記憶部22に記憶しておく。受信機の記憶部22に記憶された静止画の広告データは、新たな静止画の広告データが入力されたときに更新される。
【0208】
広告配信装置1の受信部8が広告送信要求信号を受信していない場合は、図12のステップ4へ戻り、ステップ4以降の動作を反復する。広告配信装置1が受信部8で広告送信要求信号を受信すると、動作はステップ10へ進み、広告配信制御送信1の計算部6は、広告送信要求信号に含まれるデータを読み出し、それらのデータに基づいて処理を行う。
【0209】
H9. ステップ10において、広告配信装置1の計算部6は、広告送信要求信号に含まれる個人IDを基にして、その個人IDに対応する個人計算シートを読み出す。計算部6は、読み出した個人計算シートをコピーして、仮の個人計算シートを作成する。なお、読み出した個人計算シートは、以下のステップ(H23を参照)において、受信機20で広告が表示されたことが確認された場合に破棄され、仮の個人計算シートが新たな個人計算シートとして記憶される。
【0210】
H10. ステップ11において、計算部6は、仮の個人計算シートを検査し、最優先で配信すべき広告がその視聴者に割り当てられているか否か、即ち、最優先を示すデータが付加された広告IDがあるか否かを判断する。最優先を示すデータが付加された広告IDがない場合には、図14のステップ20(H14)へ進む。
【0211】
H11. 仮の個人計算シートに、最優先を示すデータが付加された広告IDが記録されていた場合には、制御係数に基づいて計算されるその広告の配信の優先順位に関係なく、ステップ12において、広告データ保管部4へ、その広告の広告ID及びその広告の配信先となる視聴者(受信機)の個人IDを最優先で送信する。これらのデータを受信した広告データ保管部4は、広告IDに対応する広告データを読み出し、広告ID及び個人IDと共に送信部9へ送信する。送信部9は、個人IDで識別される受信機20へ、広告IDおよび広告データを送信する。
【0212】
受信機20が受信部26で広告ID及び広告データを受信すると、受信機20の制御部21は、広告データを出力部27へ転送して広告を再生し、再生した広告の広告ID及びその広告の表示に関連するデータを記憶部22に記憶する。広告の表示に関連するデータとは、例えば、広告データを受信した時点まで試聴していた番組(コンテンツ)のID、広告データを受信した時の日時(日付、時刻)、広告データを受信した時の受信機の所在地(地理的位置)、広告表示中に記録された投票データ(「関心あり」または「関心なし」を示すデータ)などである(これらのデータについては以下で説明する)。
【0213】
ステップ13において、計算部6は、最優先で送信した広告の広告IDに付加されていた最優先を示すデータを、仮の個人計算シートから削除する。
H12. ステップ14において、広告配信装置1の計算部6は、広告送信要求命令に含まれる広告枠時間データが示す広告枠の長さから、最優先で配信した広告の表示時間(広告長データで示される)を減算し、広告枠の時間が残っているか否かを判断する。他の広告を表示可能な時間が残っていないと判断した場合には、動作ステップは、図14のステップ27へ進む。他の広告を表示可能な時間が残っていると判断した場合には、ステップ15において、広告枠時間データを、残り時間を表すように更新し、ステップ16へ進む。
【0214】
H13. ステップ16において、広告配信装置1の計算部6は、仮の個人計算シートのデータ中の、最優先で配信された広告の残り送信回数から1を減算し、その残り送信回数が0か否かを判断する。残り送信回数が0であると判断された場合には、ステップ17において、その広告の広告ID及び付加データを仮の個人計算シートから削除する。ステップ17において、その広告の広告ID及び付加データを仮の個人計算シートから削除した場合には、動作ステップは図14のステップ19へ進む。
【0215】
ステップ16において、残り送信回数が0でないと判断された場合に、計算部6の動作ステップは図14のステップ18へ進み、ステップ18において、その広告に対しての残り送信回数に関する重み(制御係数Ka)を計算し、仮の個人計算シートの制御係数Kaの値を更新する。
【0216】
次にステップ19において、計算部6は、仮の個人計算シートに記録された各広告の予定送信順序に対する重みを表す値(制御係数Jn)を更新する。計算部6は、予定送信順序が、ステップ12で配信された広告よりも上位であった広告の制御係数Jnはそのまま維持し、ステップ12で配信された広告の制御係数を最低値とし、予定送信順序が、ステップ12で配信された広告よりも下位であった各広告に対する制御係数に増分値(100)を加算して、それらの広告に対する制御係数Jnの値を一位分ずつ増加させる。(制御係数Jnを更新する方法については、以下のH22で詳細に説明する。)
なお、ステップ12〜19は、広告指定命令で指定された広告が送信され表示されている間に行うことができる。
【0217】
H14. ステップ20において、計算部6は、計時部から現在時刻を読み出す。次に、計算部6は、仮の個人計算シートに記録されている優先送信時間データにおける複数の時間帯(図2のH1〜H6)のそれぞれに割り当てられた制御係数(Hx)のうちの、現在時刻が属する時間帯に対して割り当てられた制御係数(Hx)を読み出す。
【0218】
図2の例において、例えば、時間帯H6(21時〜1時)に対して、CM1は0、CM2は20、MC3は0、MC4は20、CM5は30、CM6は0が割り当てられている。時間帯H6に対して割り当てられたこれらの制御係数は、一日のうち21時から1時の間のみ有効となり、この時間帯におけるCM2、CM4、CM5の優先度を上げることになる。この制御係数Hxを使用することによって、広告主は広告を受信機へ送信させて表示させる時間帯をある程度指定することが可能になる。
【0219】
例えば、現在時刻が22時であり、計算部6が、その時点での制御係数Hxの値のみを基にして広告の優先順位を決定した場合には、高い順から、一位がCM5、二位がCM2とCM4、三位がCM1とCM3とCM6となる。
【0220】
H15. 次に、ステップ21において、計算部6は、仮の個人計算シートの各広告に対するすべての制御係数Tx、Cpq(Ca1、Cb1、Cc1、Cd3)、Jn、Ka、Hx、Fxを読み出す。
【0221】
H16. ステップ22において、計算部6は、制御係数(Tx、Cpq、Jn、Ka、Hx、Fx)に制御変数(Xn)を適用し、新たに制御係数を決定する。即ち、計算部6は、仮の個人計算シートに記録された制御変数X1〜X9を読み出し、それぞれを対応する制御係数に乗算して、新たな制御係数の値Tx’(=Tx×X1)、Cax’(=Cax×X2)、Cbx’(=Cbx×X3)、Ccx’(=Ccx×X4)、Cdx’(=Cdx×X5)、Jn’(=Jn×X6)、Ka’(=Ka×X7)、Hx’(=Hx×X8)、Fx’(Fx×X9)を計算する。なお、或る制御係数に対する制御変数の値が1に設定されている場合には、その制御係数の値は変化しない。
【0222】
このステップは、一致度Ctの値を計算するステップ、およびすべての制御係数(Tx、Cpq(Ct)、Ka、Jn、Hx、Fx)の値を合計するステップの前に行う。それぞれの制御係数に対して個別に決定された制御変数を適用することにより、広告配信装置1において、仮の個人計算シートに記録される計算要素のうちの何れの計算要素を重視するかを制御することが可能となる。
【0223】
H17. ステップ23において、計算部6は、仮の個人計算シートの視聴者層特定用分類データを基にして、記憶された各広告が対象としている視聴者層と、受信機20の視聴者が属する視聴者層との一致の度合いに対する重みを示す値(一致度値Ct)を決定する。
【0224】
一致度Ctは、図1の視聴者層特定用分類データ(Ca1〜Cd3)の全カテゴリ中から選択された、視聴者の属するカテゴリと一致するカテゴリ(この例ではCa1、Cb1、Cc1、Cd3)に対して割り当てられた数値に制御変数(X2、X3、X4、X5)を適用した数値を合計することにより得られる。図2に示すように、個人計算シートは、図1の視聴者層特定用分類データからCa1、Cb1、Cc1、Cd3のデータを選択してコピーしている。
【0225】
ここでは、Ca1、Cb1、Cc1、Cd3の値に対して上記ステップ22で適用された制御変数X2、X3、X4、X5の値がすべて1であったものとする。この場合、図2の下段の表に示すように、この個人計算シートに対応する視聴者のCM1に対する一致度を表す数値Ct(=Ca1’+Cb1’+Cc1’+Cd3’)は40+80+10+10=140となる。以下同様に、CM2に対しては250、CM3に対しては110、CM4に対しては200、CM5に対しては90、CM6にしては170となる。
【0226】
計算部6が、この制御係数Ctの値のみを基にして広告の優先順位を決定した場合には、高い順から、CM2、CM4、CM6、CM1、CM3、CM5となる。
【0227】
H18. ステップ24において、計算部6は、仮の個人計算シートに記録された各広告毎に、制御係数Tx’と、Ka’と、Jn’と、Hx’と、Fx’とCtとの値を合計し、決定要素(図2の決定要素(Sum))を求める。次に、ステップ25において、計算部6は、この決定要素(Sum)を基にして、決定要素の大きい順に、各広告の最終的な送信の優先順位(図2の優先順位(N))を決定する。
【0228】
図2の例の場合、即ち、この個人計算シートに対応する視聴者がカテゴリCa1、Cb1、Cc1、Cd3に属し、現在時刻が時間帯H6に属し、すべての制御変数Xn(X1〜X9)が1である場合の、CM1〜CM6の決定要素(Sum)の値は、2550、2540、1880、1830、1840、1320となり、決定要素Sumに基づく優先順位N(1位〜6位)は、高い順から、CM1、CM2、CM3、CM5、CM4、CM6となる。
【0229】
H19. 次に、ステップ26において、計算部6は、広告枠時間データを読み出し、広告枠時間データで示された時間内で表示可能(送信可能)な数の広告を、仮の個人計算シートにおいて決定された優先順位の順に選択し、選択した広告の広告IDと、この個人計算シートに対応する視聴者の個人IDとを、優先順位の順に広告データ保管部4へ送信する。
【0230】
広告データ保管部4は、計算部6から受信した広告IDおよび個人IDに応答して、広告データ保管部4の記憶部から広告IDに対応する広告データを読み出し、広告IDおよび個人IDとともに送信部9へ送信する。送信部9は、個人IDに対応する受信機20へ、広告データおよび広告IDを送信する。
【0231】
受信機20が受信部26で広告ID及び広告データを受信すると、制御部21は、実質的にリアルタイムで、広告データを出力部27で再生し、再生した広告データに付随する広告IDを記憶部22に記憶する。
【0232】
なお、本実施例においては、リアルタイムで広告を再生させることとしているが、受信機20の記憶部22に一旦記憶してから表示することも可能である。
また、送信側が、番組(コンテンツ)信号に、その番組を識別する番組IDデータを付加している場合には、受信機20の制御部21は、広告ID及び広告データを受信した時に、それまで試聴していた番組の番組IDを、受信した広告IDと関連付けて記憶部22に記憶する。また、広告ID及び広告データを受信した時に、計時部24から日付および時刻を読み取って、広告IDと関連付けて記憶することもできる。また、受信機20が、受信機の場所(地理的な位置)を識別する機能を備える場合には、広告の受信場所を示すデータを、広告IDと関連付けて記憶することもできる。
【0233】
更に、受信機20の制御部21は、視聴者が広告の再生中に入力部23の「関心ありボタン」を押す、即ち、「関心あり」に投票すると、その広告の広告属性に対して視聴者が「関心あり」に投票したことを示す投票データを記憶部22に記憶する。また、視聴者が「関心ないボタン」を押す、即ち、「関心ない」に投票すると、制御部21は、その広告の広告属性に対して視聴者が「関心ない」に投票したことを示す投票データを記憶部22に記憶する。また、制御部21は、1つの広告を表示中に視聴者が複数回の投票を行っても、1回の投票のみを有効投票として記憶部22に記憶する。
【0234】
受信機20の制御部21は、後に、記憶部22に記憶した広告ID(即ち、再生された広告の広告ID)、個人ID、広告表示直前まで試聴していた番組の番組ID、広告を表示した日付及び時刻データ、および投票データを読み出して、送信部25から、広告配信装置1へ送信する(H24を参照)。
【0235】
また、上述のように(H8を参照)、送信側が、番組を放送する放送会社であり、放送番組中の所定の広告枠に広告を挿入する場合には、広告配信装置1が受信する広告送信要求信号には、個人IDと、広告枠時間データと、広告枠の開始時刻を示すデータとが含まれている。広告配信装置1は、広告送信要求信号から広告枠の開始時刻を示すデータを読み出し、その開始時間に広告が視聴者の受信機で放送されるタイミングで広告データを受信機へ送信するように広告の送信のタイミングを制御する手段を備える。
【0236】
H20. ステップ27において、広告データ保管部4は、送信した広告の広告ID、その広告の送信先となる受信機の視聴者の個人ID、送信した日時などのデータを履歴部7へ送信する。履歴部7は、このデータに基づいて、各広告に対して個別に、広告の送信回数、広告の受信者(どの視聴者へこの広告を送信したかを示す)、広告が送信された時間などの履歴データを作成して記憶する。なお、この履歴データは、受信機から送られてくるデータに基づいて作成される履歴データとは別に作成されて保存されるものである。この計算部6からのデータに基づいて作成される履歴データは有用であり、例えば、この履歴データと、受信機から送られてくるデータに基づいて作成される履歴データとを突き合わせて確認することにより、実際の表示状況の確認が可能となり、履歴データを修正することも可能となるので、より精度の高い履歴データを作成することができる。
【0237】
ステップは、図14のステップ27から図15のステップ28へ続く。
H21. ステップ28において、計算部6は、送信した広告に対して、仮の個人計算シートに記録されているその広告の残り送信回数の値から、送信した回数の値、即ち、受信機で表示したと仮定する回数(通常は1)を減算する。
【0238】
ステップ29において、計算部6は、仮の個人計算シートに関連付けて記憶している各広告の残り送信回数を検査する。0になっている広告があった場合には、ステップ30において、その広告の広告IDおよび該広告IDに関連付けて記憶されているデータを仮の個人計算シートから削除する。
【0239】
上記のステップ29で残り送信回数が0ではないと判定された各広告に対して、計算部6は、ステップ31において、残り送信回数に関する重みを表す値(制御係数Ka)を計算し、仮の個人計算シートの制御係数Kaの値を更新する。
【0240】
H22. ステップ32において、計算部6は、仮の個人計算シートに記録された各広告の予定送信順序に対する重みを表す値(制御係数Jn)を更新する。
例えば、計算部6が、個人計算シートに記録された広告のうちの予定送信順序が最上位の広告のみを選択し、受信機20へ送信した場合には、計算部6は、その広告に対する制御係数を最低値(1000)に設定し、第2位以下の各広告に対する制御係数に前記の増分値を加算して制御係数Jnの値を一位分ずつ増加させる。この例では、CM1が選択されて送信された場合には、CM1の制御係数が最低値である1000に変更され、CM2〜CM6の制御係数にそれぞれ100が加算される。その結果、CM2の制御係数の値は1500となり、CM3は1400、CM4は1300、CM5は1200、CM6は1100となる。この更新された制御係数Jnのみに基づく次回の送信の優先順位は、高い順から、CM2、CM3、CM4、CM5、CM6、CM1となる。
【0241】
また、例えば、広告枠の時間が長く、計算部6が、制御係数Jnに基づく優先順位の高い順に複数の広告を連続して選択し、受信機20へ送信した場合には、制御係数Jnをまとめて再計算する。例えば、制御係数Jnの値の高い順から、CM1、CM2、CM3、CM4、CM5、CM6の順序となっており、CM1〜CM3がその順序で連続的に選択されて送信されたとする。この場合には、CM1〜CM3をまとめてその順番通りに最下位側へ繰り下げて、上記と同様に制御係数を割り当てる。即ち、CM1の制御係数を1200、CM2を1100、CM3を1000とする。CM4、CM5、CM6はそれぞれ順序が3位分だけ上がるので、それぞれの元の制御係数に3位分の増分値(300)を付加する。
【0242】
また、計算部6が、仮の個人計算シートに記録された広告の送信の優先順位を決定する際に、複数の決定要素を用いる場合には、他の決定要素(1又は複数)が優先されることがある。そのため、制御係数Jnの値の高い順から、CM1、CM2、CM3、CM4、CM5、CM6の順序となっていても、中間の制御係数値Jnを有する広告、例えばCM3が先に選択されて送信される場合がある。また、個人計算シートに記録された或る広告IDに、最優先で送信することを指示するデータが付加されている場合もある。例えば、CM3に最優先を指示するデータが付加されている場合には、計算部6は、何れの制御係数値も考慮せずに(従って、CM3の制御係数値Jnが最高値でなくても)、CM3を最優先で選択し、受信機20へ送信させる。これらのような場合には、計算部6は、CM3よりも上位の制御係数Jnを持つ広告、即ち、CM1及びCM2の制御係数Jnはそのまま維持し、CM3に最低値1000を割り当て、CM3よりも下位の制御係数Jnをもつ広告、即ち、CM4、CM5、CM6の制御係数Jnにそれぞれ増分値100を付加する。その結果、この制御係数Jnのみに基づく次回の送信の優先順位は、高い順から、CM1、CM2、CM4、CM5、CM6、CM3となる。
【0243】
H23. 受信機20の制御部21は、その受信機で再生された広告の広告IDおよび個人ID、および広告表示直前まで試聴していた番組の番組ID、広告を表示した日時データ、投票データ、場所データ等を記憶部22から読み出して、それらのデータを送信部25から、広告配信装置1へ送信する。
【0244】
ステップ33において、広告配信装置1の受信部8は上記のデータを受信して履歴部7へ送信する。履歴部7は受信したデータを記憶し、そのデータ中の広告ID、個人ID、投票データを計算部6へ送信する。
【0245】
計算部6は、受信機20から受信した広告IDに対応する広告が実際に受信機20で表示されたものと判断する。
各受信機に対して送信する広告の優先順位の計算の精度を高くするためには、各個人計算シートに、各受信機での表示状況を迅速に反映させる必要がある。この実施形態では、広告配信装置1が、受信機20の記憶部22に記憶されたデータのうちの、少なくとも、広告ID、個人IDおよび投票データを迅速に受信する必要がある。従って、これらのデータを、広告枠の終了時または終了後の短時間内に広告配信装置1へ送信するように、受信機20をプログラムしておく。
【0246】
しかし、別の構成として、例えば、各個人計算シートに反映させるデータとして、広告配信装置1内での広告送信動作に基づいて作成した履歴データのみを用いる構成のような、各受信機での実際の広告の表示に関してのデータを反映させない構成では、個人計算シートにおける各広告の優先順位の計算のために受信機20の記憶部22から履歴データを受け取る必要はない。ただし、後のマーケティングや収益分配のためになどに用いる詳細なデータを必要とする場所には、各受信機での実際の広告の表示に関してのデータは必要であるので、そのデータを受信機20の記憶部22に記憶させておき、例えば、所定期間毎に、送信側で回収する。
【0247】
ステップ34において、計算部6は、受信した広告IDに基づいて、個人計算シートを正式に更新する。まず、計算部6は、受信機20から受信した広告IDと、受信機20へ配信した広告の広告IDとを比較し、完全に一致した場合には、元の個人計算シートに代えて仮の個人計算シートを記憶することにより、個人計算シートを更新する。
【0248】
受信機20から受信した広告IDと、受信機20へ配信した広告の広告IDとの一部が一致しない場合(例えば、3本の広告を配信した場合において、2本分の広告の広告IDのみを受信機20が返送してきた時や、3本分の広告IDが受信機20から返送されてきたが、そのうちの1本の広告IDが一致しない場合など)には、仮の個人計算シートを破棄する。次に、計算部6は、一致した広告IDに対応する広告のみが表示されたものと判断して、受信したデータに基づいて、元の個人計算シートのデータを更新して記憶する。
【0249】
また、仮の個人計算シートを破棄した場合において、計算部6は、最優先を示すデータが付加されている広告の広告IDを受信機20から受信した場合、元の個人計算シートのその広告の広告IDに付加されていた最優先を示すデータを削除する。最優先で表示すべき広告の広告IDを受信機20から受信しなかった場合には、元の個人計算シートのその広告の広告IDに付加されていた最優先を示すデータを維持する。
【0250】
また、受信機20から広告IDを受信しなかった場合や、受信機20から受信した広告IDと、受信機20へ配信した広告の広告IDとが全く一致しなかった場合には、仮の個人計算シートを破棄し、元の個人計算シートをそのまま維持する。
【0251】
上記の処理は、広告が受信機20で確かに表示されたことを確認する手順、即ち、受信機で表示された広告の広告IDを受信機20から受信する手順を含む。しかし、広告配信装置1から配信した広告が全て受信機20で表示されたものと見なす場合、即ち、受信機20で確かに表示されたか否かを確認しない場合には、個人計算シートのデータの更新は、広告配信装置1内での広告送信動作に基づいて発生され記憶されたデータを用いて、その個人計算シートに対して直接に行われる。即ち、仮の個人計算シートは作成しない。従って、その場合には、仮の個人計算シートを作成する処理や、受信機20から個人IDおよび広告IDを受信し、受信した広告IDと配信した広告の広告IDとの突き合わせを行う処理等は必要ではない。
【0252】
H24. ステップ35において、広告配信装置1の計算部6は、受信機20から受信した投票データを検査し、その投票データが、「関心あり」に投票したことを示す場合には、ステップ36において、個人計算シートに記録された広告のうちの、「関心あり」と投票された広告の広告属性と同じ広告属性をもつ全ての広告に対する制御係数Fxを所定値だけ増加させる。逆に、投票データが、「関心ない」に投票したことを示す場合には、計算部6は、ステップ36において、個人計算シートに記録された広告のうちの、その広告の広告属性と同じ広告属性をもつ全ての広告に対する制御係数Fxを所定値だけ減少させる。また、受信機20から受信した投票データを検査し、その投票データに何も記録されていない場合には、図12のステップ4へ戻り、上記と同様の動作を行う。
【0253】
例えば、図2の例では、広告CM1、CM2、CM4の広告属性がF1(例えば車)、CM3、CM6の広告属性がF2(例えば、食品)、CM5の広告属性がF3(例えば、化粧品)である。また、制御係数Fxの初期値が50、上限値が100、下限値が0に設定されている。
【0254】
視聴者が、車の広告であるCM1を視聴している際に受信機20の入力部23から「関心あり」と投票した場合には、広告配信装置1の計算部6がその投票データを受信して処理した後に、CM1の属する広告属性F1に対しての数値が所定値だけ上がり、他の広告属性を有する広告に対して優先度が高くなる。即ち、車の広告の優先度、即ち、CM1、CM2、CM4の優先度が、CM3、CM5、CM6よりも高くなる。視聴者が、食品の広告であるCM3を視聴している際に「関心ない」と投票した場合、広告配信装置1の計算部6がその投票データを受信した後に、CM3の属する広告属性F2に対しての数値が所定値だけ下がり、他の広告属性を有する広告に対して優先度が低くなる。即ち、食品の広告の優先度、即ち、CM3、CM6の優先度が、CM1、CM2、CM4、CM5よりも低くなる。広告の表示中に投票が行われなかった場合には、投票データは生成されず、受信機20から広告配信装置1へ送信するデータの中に投票データは含まれず、従って、その広告の広告属性に対する制御係数Fxは変化しない。
【0255】
また、計算部6は、個人計算シートに新たに記録された広告に対しては、その広告の広告属性に対応する、その個人計算シートにおける現在の制御係数Fxを割り当てる。例えば、個人計算シートに新たに記録された広告CMXの広告属性がF1であり、その個人計算シートにおける広告属性F1に対する現在の制御係数Fxの値が70である場合には、広告CMXの広告属性F1に対して70が割り当てられる。
【0256】
ステップ36の後に、動作ステップは、図12のステップ4へ戻り、上記と同様の動作を行う。
広告配信装置1は、上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0257】
図16は、送信側、即ち、広告配信装置1での履歴データの処理・制御ステップを示す。
ここでは、受信機20から送信されてくる履歴データを用いて、広告配信装置1に記憶された広告に関するデータを更新する場合について説明する。
【0258】
I. 送信側での履歴データの処理・制御ステップ
I1. 広告配信装置1の履歴部7は、広告管理部3に広告が登録された時に、その広告の広告IDと、付加データ(図1に示すデータ等)とを広告管理部3から受信し、その広告の履歴データを記憶する記憶場所を準備している。
【0259】
ステップ1において、広告配信装置1の受信部8は、受信機20から、該受信機20の記憶部22に記憶されていた、該受信機20で表示された広告の広告ID及びその受信機20の視聴者の個人ID、および広告表示直前まで試聴していた番組の番組ID、広告を表示した日付及び時刻データ、場所データ、投票データなどを含むデータを受信し、履歴部7へ送信する(上記E1を参照)。
【0260】
履歴部7は、受信したデータに基づいて、広告の表示回数、広告の受信者(どの視聴者がこの広告を視聴したかを示す)、広告が視聴された日時、広告表示直前まで試聴していた番組などのデータを含む履歴データを作成し、その広告に対して割り当てらたれ記憶位置に、広告IDと関連付て記憶する。履歴データに含まれるデータは、受信機20から新たにデータを受信する度に更新される。
【0261】
各広告の履歴データは、全ての受信機から受信したデータを含む。例えば、或る広告の履歴データに含まれる表示回数のデータは、その広告が割り当てられた全ての受信機での表示回数の合計を示し、或る受信機から新たにデータを受信すると、そのデータで示される表示回数が増加される。
【0262】
I2. ステップ2において、履歴部7は、広告の表示回数を示すデータ(全受信機での表示回数の合計)を、所定のタイミングで(例えば、履歴部7が新たなデータを受信し、履歴データが更新された時に)、広告管理部3へ送信する。広告管理部3は、履歴部7から受信した表示回数データと、広告の受注時に定められた総表示回数(図1のKT)とを比較し、各広告の残り表示回数、即ち、総送信回数までの残り送信回数を求める。
【0263】
広告管理部3は、上記I2で求めた残り送信回数を基にして、各広告の送信のための制御用データを作成する。
I3. ステップ3において、広告管理部3は、残り送信回数を検査し、残り送信回数が0以下となった場合には、ステップ4において、その広告に対する削除命令を作成し、その広告の広告IDとともに命令部5へ送信する(上記Eを参照)。
【0264】
上記のステップ3において、残り送信回数が0でないと判定された場合には、ステップ5において、制御変数を決定し、その制御変数を含む制御変数適用命令を作成する(上記Gを参照)。
【0265】
広告管理部3は、まず、残り表示期間の間に総表示回数、即ち、総送信回数を達成するために必要とされる、単位時間あたりの送信回数を求める。
広告管理部3は、或る期間内の広告の表示された回数から、単位時間あたりの表示回数(実績表示回数)を求める。例えば、広告の配信の開始の日時(広告の登録日)から、履歴データの獲得時点の日時までに全受信機で表示された回数を、単位時間(例えば、その間の日数)で割り、単位時間あたりの表示された回数を求める。次に、その実績表示回数の値と、総送信回数を達成するために単位時間あたりに必要とされる送信回数(必要送信回数)の値とを比較し、必要送信回数の値が大きい場合には、その広告の優先順位を上げさせるために、制御変数Xnの値を決定し、その制御変数を含む制御変数適用命令を命令部5へ送信する。
【0266】
どの制御係数に対する制御変数(Xn)の値をどのように変更するかを、広告管理部3に自動的に決定させる場合には、状況に応じて制御変数値を決定するためのプログラムを広告管理部3に記憶しておく。そのプログラムには、例えば、どのような場合に何れの制御係数に対してどのような制御変数値を適用すればよいかを示すデータを経験的に作成して付加する。また、この装置が稼働して時間が経過した後には、得られた統計的なデータを基にして、制御変数値を決定するためのデータを作成して付加する。
【0267】
また、状況に応じて、何れの制御係数にどのような制御変数(Xn)を適用するかを示すデータを、外部命令入力部から広告管理部3を介して命令部5へ入力する。
【0268】
例えば、図2の例において、残り表示期間の短い広告の優先順位を上げたいとする。その場合には、制御変数適用命令に含まれる制御変数X1の値を増加させる。例えば、図2の制御係数Txに適用する制御変数X1の値を10にする。制御係数Txに制御変数10を乗算すると、CM1〜CM6の決定要素(Sum)は、それぞれ、9750、8840、5480、4530、6340、2220となる。これらの決定要素に基づく優先順位は上からCM1、CM2、CM5、CM3、CM4、CM6となる。この例では、残り表示期間が一番短い(即ち、制御係数Txの値が最も大きい)CM1の優先順位が一位となり、残り表示期間が2番目に短いCM2との優先順位が二位となる。新たに決定されたCM1とCM2の優先順位は元の優先順位の同じであるが、残り表示期間が短い順になっている。残り表示期間が3番目に短い広告CM5の優先順位が4位から3位へと1ランク上がり、残り表示期間が4番目に短い広告CM3の優先順位が3位から4位へと1ランク下がっている。残り表示期間の短い広告をより重視したい場合には、より大きい制御変数を乗算すればよい。
【0269】
優先順位の上がり方は、乗算する制御変数(Xn)の大きさにより異なる。
広告管理部3および履歴部7はれぞれに上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0270】
図17は、送信側、即ち、広告配信装置1での、履歴データを基にした統計的データを生成するステップを示す。
J. 送信側での履歴データを基にした統計的データを生成するステップ
J1. ステップ1において、履歴部7は、命令部5から広告IDおよび削除命令を受信すると、所定時間後(例えば、その広告の表示に関する全てのデータを全ての受信機から受け取るのに十分な時間後)に、履歴部7に記憶されたデータを基にして、その広告IDに対応する広告の、後のマーケティングや収益分配のためなどに用いる統計データの作成を開始する。履歴部7に記憶されたデータは、広告管理部3からコピーした広告の初期データ(図1に示すデータ)、受信機20から受信したデータ基づいて作成した履歴データ、広告データ保管部4から受信したデータに基づいて作成した履歴データなどを含む。この例では、履歴部7は、統計的データを作成する際に、受信機20から受信したデータ基づいて作成した履歴データを用いる。
【0271】
履歴部7は、履歴データに、受信機20で広告を視聴する直前に視聴されていた番組(コンテンツ、サイト)を示す番組データが含まれている場合には、その広告がどの番組に関連して何回表示されたかを示すデータ(番組毎の表示回数のデータ)を作成する。
【0272】
作成される統計データには、広告に対しての、広告ID、その広告を視聴した全視聴者の個人ID、表示された日時、全受信機で表示された回数、番組毎の表示回数、受信場所などのデータ、および図1に示した表示期間、視聴者層特定用分類、総表示回数、優先送信時間などのデータを含む。
【0273】
また、送信側が番組を所定のチャンネルで放送する放送会社であり、放送番組中の所定の広告枠に広告を挿入するために広告配信装置1を用いた場合において、履歴データに、受信機20で広告を視聴する直前に視聴されていたチャンネルの番号を示す番組データが含まれている場合には、その広告がどのチャンネルで何回表示されたかを示すデータ(チャンネル毎の表示回数のデータ)を作成し、統計データに含める。
【0274】
履歴部7は、その広告の統計データの作成が完了した後に、その広告に関するその他のデータ(履歴データ、図1に示すデータのコピーなど)を削除する。
J2. ステップ2において、履歴部7は、作成した統計データから総表示回数(KT)を読み出し、各番組毎に、総表示回数と、番組に関連して表示された回数との比率を求める。
【0275】
また、例えば、全受信機で表示された総表示回数が、広告依頼者が定めた総表示回数よりも多くなった場合や、広告が途中で打ち切られる等により広告依頼者が定めた総表示回数よりも少なくなった場合には、すべての表示された回数と、各番組(コンテンツ、サイト)に関連して表示された回数との比率を求めるようにしてもよい。
【0276】
また、送信側が番組を所定のチャンネルで放送する放送会社である場合には、作成した統計データから総表示回数(KT)を読み出し、各チャンネル毎に、総表示回数と、チャンネルに関連して表示された回数との比率を求める。
【0277】
J3. ステップ3において、各番組を配給した会社(コンテンツを提供した会社、サイトを開設している会社、所定のチャンネルで放送を行う放送会社)に対して、広告主が支払った広告料金を上記の比率に従って分配する。統計データは、読み出された後に削除される。
【0278】
広告配信装置1の履歴部7は、上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
以上で、広告配信装置1が広告の依頼を受け、各受信機20に広告を送信して表示させ、広告の表示完了後に広告料金を各番組配給会社に分配するまでの一連のステップを完了する。
【0279】
次に、第2の広告配信装置の動作の実施形態を説明する。
この実施形態では、広告の配信の優先順位の計算要素として、表示期間(制御係数Tx)と、視聴者層特定用分類(制御係数Cpq)と、予定送信順序(制御係数Jn)と、上限送信回数(制御係数Ku)と、優先送信時間(制御係数Hx)と、視聴者の嗜好(広告属性)(Fx)とを用いる。即ち、第2の実施形態では、第1の実施形態で用いた平均送信回数(制御変数Ka)の代わりに上限送信回数(制御係数Ku)を用いる。
【0280】
上記の第1の実施形態で用いた平均送信回数は、その広告を割り当てた全ての視聴者(受信機)に対して同じ値である。即ち、各視聴者の属する視聴者層についての重みを考慮していない。例えば、図1の実施形態において、広告主は、CM3の視聴者層特定要素の分類Cdxで、カテゴリCd1に80、カテゴリCd2に10、カテゴリCd3に10を割り当てている。これは、カテゴリCd1に属する視聴者層と、カテゴリCd2に属する視聴者層と、カテゴリCd3に属する視聴者層とを、80対10対10の比率で重要視していることを意味する。しかし、CM3が、重要視しているカテゴリCd1(趣味A)に属する視聴者に対して割り当てられても、あまり重要視していないカテゴリCd3(趣味C)に属する視聴者に対して割り当てられても、それぞれの視聴者の受信機に対しての平均送信回数、即ち、重みを示す制御係数(Ka)の初期値は同じになる。従って、重要視されている視聴者も、重要視さていない視聴者も、その広告が同等に送信されて見せられることになる。これは、広告の効果および効率を考慮した場合には不都合なものである。
【0281】
従って、第2の実施形態では、各広告の対象としている視聴者層と、各視聴者の視聴者層との一致度を考慮した送信回数、即ち、上限送信回数(制御係数Ku)を、平均送信回数(制御係数Ka)に代えて用いる。即ち、第2の実施形態では、各広告の対象としている視聴者層と、各視聴者の視聴者層との一致度を考慮した、受信機への送信回数、即ち、上限送信回数(制御係数Ku)を、平均送信回数(制御係数Ka)に代えて用いる。
【0282】
第2の実施形態は、上限送信回数(制御係数Ku)を、平均送信回数(制御係数Ka)に代えて用いることを除いて、第1の実施形態と類似である。従って、広告の送信の優先順位の決定方法の概念を表形式で示した場合には、図2に示した表と類似になる。即ち、図2の計算要素名「平均送信回数」および制御係数名「Ka」の部分を、「上限送信回数」および「Ku」と置き換えた表になる。
【0283】
第2の実施形態の動作は、第1の実施形態の広告配信装置の動作と共通部分が多いので、異なる部分のみを説明する。
A’. 広告配信装置1での視聴者登録ステップ
A’のステップは、上記の第1の実施形態のAで説明したステップ(図5に示すステップ)に対応するステップであり、Aで説明したステップと同様のステップを行う。広告配信装置1の顧客管理部2は、A’のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0284】
B’. 送信側での視聴者の個人データ分析ステップ
B’のステップは、上記の第1の実施形態のBで説明したステップ(図6のステップ)に対応するステップであり、Bで説明したステップと同様のステップを行う。広告配信装置1の顧客管理部2は、B’のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0285】
図18は図7に対応する図であり、以下のC’で説明する送信側での広告に関するデータの準備ステップを示す。
C’. 送信側での広告に関するデータの準備ステップ
C’のステップは上記の第1の実施形態のCで説明したステップ(図7のステップ)に対応するステップであり、Cで説明したステップと同様のステップを行う。広告配信装置1の広告管理部3は、C’のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0286】
D’. 送信側での個人計算シート作成ステップ
D’のステップは、上記の第1の実施形態のDで説明したステップ(図8のステップ)に対応する。ただし、第2の実施形態では、第1の実施形態で用いた平均送信回数(制御係数Ka)に代えて、上限送信回数(制御係数Ku)を用いるので、この上限送信回数の計算に関連する部分が異なる。
【0287】
D1’. ステップ1として、第1の実施形態のD1で説明したステップと同様のステップを行う。
D2’. ステップ2において、広告管理部3は、各分類(図1の分類Cax、分類Cbx、分類Ccx、分類Cdx)毎に、分類に含まれる全カテゴリ(例えば、分類Caxの場合にはカテゴリCa1〜Cam)に対して広告主が割り当てた数値の合計を計算する。本実施形態では、それぞれの分類に割り当てられる値、即ち、1つの分類に含まれる複数のカテゴリに割り当てられる値の合計は100である。
【0288】
広告管理部3は、広告の付加データのコピー、即ち、表示期間データ、視聴者層特定用分類データ、視聴者層特定用分類のカテゴリ毎の視聴者数データ、総表示回数データ(総送信回数データに対応する)、優先送信時間データ、広告属性データ、予定送信順序データ、視聴者の嗜好データ、および広告長データのコピーを計算部6へ転送する。広告管理部3は、この付加データに、更に、視聴者層特定用分類の各分類に割り当てられた値(この例では100)を示すデータを付加する。
【0289】
D3’. ステップ3、4、5として、第1の実施形態のD3、D3a、D3bで説明したステップと同様のステップを行う。
第2の実施形態においても、個人データ中に、カテゴリCa1(地域A)、Cb1(男性)、Cc1(19歳以下)、Cd3(趣味C)を示すデータが含まれているものとする。
【0290】
また、第2の実施形態では、第1の実施形態における平均送信回数の代りに、広告IDに、以下のステップ(D4’)で説明する上限送信回数に関連するデータ、即ち、上限送信回数(初期値)のデータと、広告が送信された回数(この視聴者に対してのこの広告の送信回数)のデータとが関連付けて記録されるが、個人計算シートには、上限送信回数までの残り送信回数に所定の係数を適用して得られる係数値(Ku)を記録する。
【0291】
D4’. ステップ6において、計算部6は、上限送信回数(制御係数Kuの基礎となる値)を計算する。
計算部6は、個人計算シートに関連付けて記憶したデータ中の総表示回数データ(KT)と、視聴者層特定用分類データ(この例では、Ca1、Cb1、Cc1、Cd3)と、視聴者層特定用分類データに関連付けて記憶された各カテゴリの視聴者数データ(Sa1、Sb1、Sc1、Sd3)とを基にして、その個人計算シートに記録された各広告の上限送信回数の値を求める。上限送信回数は、受信機20への各広告の送信回数の上限を示し、上限送信回数までの残り送信回数が0になると、制御係数Kuが0になる。制御係数Kuが0になった広告は送信されなくなる。
【0292】
以下に、本発明の1つの特徴である、各広告の対象としている視聴者層と、各受信機の視聴者の視聴者層との一致の度合いを考慮した、個人計算シートに記録した1つの広告に対する上限送信回数の計算ステップを説明する。この計算ステップは、計算部6で行われる。
【0293】
D4’a. 個人計算シート(図2の表と類似の表)の視聴者層特定用分類の制御係数Cpqの値を読み出す。ここでは、視聴者がカテゴリCa1、Cb1、Cc1、Cd3に属し、個人計算シートは、これらの制御係数のデータを記録しているので、CM1については、Ca1、Cb1、Cc1、Cd3に割り当てられた制御係数40、80、10、10を読み出す。
【0294】
D4’b. 個人計算シートの視聴者層特定用分類の各カテゴリに対する制御係数(Ca1、Cb1、Cc1、Cd3)を、そのカテゴリを含む分類に含まれる全カテゴリに対して割り当てられた数値の合計(本実施形態では100)で除算し、割り当てられた数値の重みを比率(RCpq)として求める。ここでは、各分類における全カテゴリに割り当てられる数値の合計が100であるので、Cpq/100が、割り当てられた数値の比率となる。
【0295】
Rpq=Cpq/100
CM1については、カテゴリCa1に対してRa1=0.4(=Ca1/100=40/100)、カテゴリCb1に対してRb1=0.8、カテゴリCc1に対してRc1=0.1、カテゴリCd3に対してRd3=0.1の、合計4個の比率の値が得られる。
【0296】
D4’c. 広告の受注した総表示回数(総送信回数)(KT)に、上記のD4’bのステップで求めた各Rpqを個別に乗算する。この計算により、広告の総表示回数KTに、該広告に対する視聴者の一致の度合いを関連付けた値(KRpq)が得られる。
【0297】
KRpq=KT×Rpq=KT×(Cpq/100)
例えば、CM1のKTが10000回である場合には、4個のKRpqの値、即ち、KRa1=4000(=10000×0.4)、KRb1=18000(=10000×0.8)、KRc1=1000(=10000×0.1)、KRd3=1000(=10000×0.1)が得られる。
【0298】
D4’d. 個人計算シートの視聴者層特定用分類の各カテゴリに関連付けて記憶されている各カテゴリに属する視聴者数(または、そのカテゴリに属する視聴者の受信機の数)(Spq)を読み出す。
【0299】
この例では、視聴者がカテゴリCa1、Cb1、Cc1、Cd3に属するので、Sa1、Sb1、Sc1、Sd3の値が個人計算シートに関連付けて記憶されているので、これらの値を読み出す。
【0300】
D4’e. 上記のD4’cのステップにおいて視聴者の属する各カテゴリとの一致の度合いと関連して求めたそれぞれのKRpqの値を、それぞれのカテゴリに対応する上記のD4’dのステップで抽出したSpqの値で個別に除算する。この計算により、各カテゴリに属する視聴者数(受信機数)を考慮した、各受信機への広告の送信回数(Kc)が複数個求められる。
【0301】
Kc=KRpq/Spq=KT×(Cpq/100)/Spq
この例では4個のKcの値が得られる。例えば、Sa1が500人であり、Sb1が200人、Sc1が1000人、Sd3が5000人とすると、4個のKcの値として、8(=KRa1/Sa1=4000/500)、40(=KRb1/Sb1=8000/200)、1(=KRc1/Sc1=1000/1000)、0.2(=KRd3/Sd3=1000/5000)が得られる。
【0302】
D4’f. 上記のD4’eのステップで計算された複数個のKcの値のうちの最も大きい値を選択し、その値を最終的なKcの値とする。上記の例では40をKcの値とする。
【0303】
その値に、適切な係数(例えば、統計的に求めた余裕を示す係数)を乗算することにより、一致の度合いを考慮した上限送信回数(Ku”)を算出する。
Ku”=Kc×係数=(K×(Cpq/100)/Spq)×係数
なお、個人計算シートに記録される制御係数Kuは、上記の計算で求めた上限送信回数(Ku”)までの残り送信回数に係数を適用して求めた値である。上記の計算と同様の計算が、個人計算シートに記録された全ての広告に対して行われる。
【0304】
また、新たな視聴者が加入者として契約して顧客管理部2に登録した場合や、或る加入者が契約を解除して顧客管理部2から登録を抹消した場合には、各カテゴリに属する視聴者の数が変化する。顧客管理部2は、視聴者の数が変化する度に、視聴者層特定用分類の各カテゴリに属する視聴者数を更新し、視聴者数を更新したことを計算部6に通知する。計算部6は、加入者が増加または減少したことを通知されると、その広告に対する上限送信回数を再計算する。この計算のために、計算部6は、広告管理部3へ、その広告の総表示回数KTまでの残り表示回数を示すデータと、個人計算シートに記録された視聴者層特定用分類の各カテゴリに属する視聴者数(更新された視聴者数)を示すデータとを要求して獲得し、新たに上限送信回数を計算する。
【0305】
また、個人計算シートは、視聴者と広告との一致度を示す一致度値(Ct)と、各広告毎の制御係数の合計値(Sum)と、その合計値に基づいて付与される優先順位(N)とを記録する。ただし、第2の実施形態における個人計算シートの制御係数の合計値(Sum)は、Tx×X1+Ct+Jn×X6+Ku×X7+Hx×X8+Fx×X9で求められる値であり(第1の実施形態では、Ku×X7の部分がKa×X7である)、優先順位(N)はこの合計値に基づいて決定される。
【0306】
広告配信装置1は、新たに受け付けた広告に対しても、上記のステップを行う。また、同じ広告が既に個人計算シートに記録されている場合には、その広告を新たに個人計算シートには記録しない。
【0307】
広告配信装置1の計算部6は、上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
E’. 送信側での、広告の削除に関する命令信号を作成するステップ
E’のステップは上記の第1の実施形態のEで説明したステップ(図9に示すステップ)に対応するステップであり、Eで説明したステップと同様のステップを行う。広告管理部3、広告データ保管部4、命令部5、計算部6、履歴部7は、それぞれにE’のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0308】
F’. 送信側での広告の最優先配信に関する命令信号を作成するステップ
F’のステップは上記の第1の実施形態のFで説明したステップ(図10に示すステップ)に対応するステップであり、Fで説明したステップと同様のステップを行う。広告管理部3、命令部5、計算部6、送信部9は、それぞれにF’のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0309】
G’. 送信側での、制御係数に適用される制御変数の値の変更に関する命令信号を作成するステップ
G’のステップは上記の第1の実施形態のGで説明したステップ(図11に示すステップ)に対応するステップであり、Gで説明したステップと同様のステップを行う。ただし、第2の実施形態では、制御係数Kaに代えて制御係数Kuを用いるところが異なる。広告管理部3、命令部5および計算部6は、G’のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0310】
上記E’の広告の削除に関する処理、上記F’の広告を最優先で配信することに関する処理、および上記G’の制御変数の変更に関する処理は、それぞれ、第1の実施形態と同様に、必要に応じて任意の時に行われる。
【0311】
H’. 送信側での各視聴者に対しての広告の優先順位の決定および各受信機への配信ステップ
H’のステップは、上記の第1の実施形態のHで説明したステップ1〜36(図12のステップ1〜図15のステップ36)に対応する。ただし、第2の実施形態では、第1の実施形態で用いた平均送信回数(制御係数Ka)に代えて、上限送信回数(制御係数Ku)を用いるので、この上限送信回数に関連する部分が異なる。
【0312】
H1’. ステップ1は、H1のステップ1(図12のステップ1)に対応するが、第1の実施形態で用いた平均送信回数(制御係数Ka)に代えて、上限送信回数(制御係数Ku)を用いるところが異なる。
【0313】
ステップ1において、広告配信装置1の計算部6は、登録された視聴者に対して割り当てられた広告、即ち、その視聴者に対応する個人計算シートに記録された広告IDに関連付けて記憶された上限送信回数データを基にして、広告の上限送信回数に関する重みを表す値(制御係数Ku)の初期値を決定する。制御係数Kuは、上限送信回数に達するまでの残り送信回数に係数を乗算することにより求められる(Ku=残り送信回数×係数)。例えば、制御係数Kuの値を残り送信回数の値と同じにしたい場合には、残り送信回数に乗算する係数を1とし、且つ適用される制御変数X7の値を1とする。
【0314】
広告が一回送信される毎に、残り送信回数から1が減算される。残り送信回数が0になると制御係数Kuが0になる。制御係数Kuが0に達した広告は送信されなくなる。
【0315】
例えば、CM1の制御係数Kuの値が40であり、CM2が100、CM3が50、CM4が40、CM5が70、CM6が30であり、計算部6が、この時点での制御係数Kuの値のみを基にして広告の優先順位を決定した場合には、高い順から、CM2、CM5、CM3、CM1及びCM4、CM6となる。
【0316】
H2’. ステップ2は、H2のステップ2(図12のステップ2)に対応するステップであり、H2で説明したステップと同様のステップを行う。
H3’. ステップ3は、H3のステップ3(図12のステップ3)に対応するステップであり、H3で説明したステップと同様のステップを行う。
【0317】
H4’. ステップ4は、H4のステップ4(図12のステップ4)に対応するステップであり、H4で説明したステップと同様のステップを行う。
H5’. ステップ5は、H5のステップ5(図12のステップ5)に対応するステップであり、H5で説明したステップと同様のステップを行う。
【0318】
H6’. ステップ6、7は、H6のステップ6、7(図12のステップ6、7)に対応するステップであり、H6で説明したステップと同様のステップを行う。
【0319】
H7’. ステップ8は、H7のステップ8(図12のステップ8)に対応するステップであり、H7で説明したステップと同様のステップを行う。
H8’. ステップ9は、H8のステップ9(図13のステップ9)に対応するステップであり、H8で説明したステップと同様のステップを行う。
【0320】
H9’. ステップ10は、H9のステップ10(図13のステップ10)に対応するステップであり、H9で説明したステップと同様のステップを行う。
H10’. ステップ11は、H10のステップ11(図13のステップ11)に対応するステップであり、H10で説明したステップと同様のステップを行う。
【0321】
H11’. ステップ12、13は、H11のステップ12、13(図13のステップ12、13)に対応するステップであり、H11で説明したステップと同様のステップを行う。
【0322】
H12’. ステップ14、15は、H12のステップ14、15(図13のステップ14、15)に対応するステップであり、H12で説明したステップと同様のステップを行う。
【0323】
H13’. ステップ16、17、18、19は、H13のステップ16、17、18、19(図13のステップ16、17、図14のステップ18、19)に対応するステップであり、H13で説明したステップと同様のステップを行う。ただし、第2の実施形態では、ステップ16で検査される残り送信回数は、上限送信回数までの残り送信回数であり、ステップ16で残り送信回数が0ではないと判断された場合に、計算部7は、ステップ18において、その広告に対しての残り送信回数に関する重み(制御係数Ku)を計算し、仮の個人計算シートの制御係数Kuの値を更新する。
【0324】
H14’. ステップ20は、H14のステップ20(図14のステップ20)に対応するステップであり、H14で説明したステップと同様のステップを行う。
【0325】
H15’. ステップ21は、H15のステップ21(図14のステップ21)に対応するステップであり、H15で説明したステップと同様のステップを行う。ただし、第2の実施形態では、制御係数Kaに代えて制御係数Kuが個人計算シートに記録されているので、計算部6は、仮の個人計算シートの各広告に対するすべての制御係数Tx、Cpq(Ca1、Cb1、Cc1、Cd3)、Jn、Ku、Hx、Fxを読み出す。
【0326】
H16’. ステップ22は、H16のステップ22(図14のステップ22)に対応するステップであり、H16で説明したステップと同様のステップを行う。ただし、第2の実施形態では、制御係数Kaに代えて制御係数Kuが個人計算シートに記録されているので、計算部6は、制御係数(Tx、Cpq、Jn、Ku、Hx、Fx)に制御変数(Xn)を適用し、新たに制御係数を決定する。即ち、計算部6は、仮の個人計算シートに記録された制御変数X1〜X9を読み出し、それぞれを対応する制御係数に乗算して、新たな制御係数の値Tx’(=Tx×X1)、Cax’(=Cax×X2)、Cbx’(=Cbx×X3)、Ccx’(=Ccx×X4)、Cdx’(=Cdx×X5)、Jn’(=Jn×X6)、Ku’(=Ku×X7)、Hx’(=Hx×X8)、Fx’(Fx×X9)を計算する。
【0327】
H17’. ステップ23は、H17のステップ23(図14のステップ23)に対応するステップであり、H17で説明したステップと同様のステップを行う。
【0328】
H18’. ステップ24、25は、H18のステップ24、25(図14のステップ24、25)に対応するステップであり、H18で説明したステップと同様のステップを行う。ただし、第2の実施形態では、制御係数Kaに代えて制御係数Kuが個人計算シートに記録されているので、計算部6は、仮の個人計算シートに記録された各広告毎に、制御係数Tx’と、Ku’と、Jn’と、Hx’と、Fx’とCtとの値を合計し、決定要素(図2の決定要素(Sum))を求める。次に、ステップ25において、計算部6は、この決定要素(Sum)を基にして、決定要素の大きい順に、各広告の最終的な送信の優先順位(図2の優先順位(N))を決定する。
【0329】
H19’. ステップ26は、H19のステップ26(図14のステップ26)に対応するステップであり、H19で説明したステップと同様のステップを行う。
【0330】
H20’. ステップ27は、H20のステップ27(図14のステップ27)に対応するステップであり、H20で説明したステップと同様のステップを行う。
【0331】
H21’. ステップ28、29、30、31は、H21のステップ28、29、30、31(図15のステップ28、29、30、31)に対応するステップであり、H21で説明したステップと同様のステップを行う。ただし、第2の実施形態では、ステップ28で更新される残り送信回数は、上限送信回数までの残り送信回数であり、ステップ29でその残り送信回数が0ではないと判断された場合に、計算部7は、ステップ31において、その広告に対しての残り送信回数に関する重み(制御係数Ku)を計算し、仮の個人計算シートの制御係数Kuの値を更新する。
【0332】
H22’. ステップ32は、H22のステップ32(図15のステップ32)に対応するステップであり、H22で説明したステップと同様のステップを行う。
【0333】
H23’. ステップ33、34は、H23のステップ33、34(図15のステップ33、34)に対応するステップであり、H23で説明したステップと同様のステップを行う。ただし、第2の実施形態では、制御係数Kaに代えて制御係数Kuが個人計算シートに記録されている。従って、ステップ34において計算部6が受信した広告IDに基づいて個人計算シートを正式に更新する際に制御係数Kuを更新することになる。
【0334】
H24’. ステップ35、36は、H24のステップ35、36(図15のステップ35、36)に対応するステップであり、H24で説明したステップと同様のステップを行う。ステップ35において検査した投票データに何も記録されていない場合には、図12のステップ4へ戻り、上記と同様の動作を行う。また、ステップ36の後にステップ4へ戻り、上記と同様の動作を行う。
【0335】
広告配信装置1は、上記のステップを行うためのプログラムを記憶している。
I’. 送信側での履歴データの処理・制御ステップ
I’のステップは、上記の第1の実施形態のIで説明したステップ(図16に示すステップ)に対応するステップであり、Iで説明したステップと同様のステップを行う。ただし、第2の実施形態では、第1の実施形態で用いた平均送信回数(制御係数Ka)に代えて、上限送信回数(制御係数Ku)を用いるところが異なる。広告管理部3および履歴部7はれぞれにI’のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0336】
J’. 送信側での履歴データを基にした統計的データを生成するステップ
J’のステップは、上記の第1の実施形態のJで説明したステップ(図17に示すステップ)に対応するステップであり、Jで説明したステップと同様のステップを行う。広告配信装置1の履歴部7は、J’のステップを行うためのプログラムを記憶している。
【0337】
以上で、広告配信装置1が広告の依頼を受け、各受信機20に広告を送信して表示させ、広告の表示完了後に広告料金を各番組配給会社に分配するまでの第2の実施形態の一連のステップを完了する。
【0338】
上記の実施形態では、送信側に登録した各視聴者に対して適合する広告を選択して割り当て、視聴者に割り当てた広告に送信の優先順位を付け、優先順位に従って視聴者の受信機へ送信したが、広告の送信を精密に制御する必要がない場合には、視聴者に対して割り当てた広告に優先順位を付けずに、例えば、広告が視聴者に割り当てられた順や、広告に付与された広告IDのアルファベットや数字の順に、広告を循環的に選択して受信機へ送信することもできる。この構成においても、視聴者に広告を割り当てる際に視聴者に適合する広告を選択しているので、広告の効果および効率は向上する。
【0339】
また、上記の実施形態では、特定の広告を視聴者の受信機へ最優先に送信して表示させる必要がある場合には、広告配信装置1の外部命令入力部から広告管理部3へ広告指定命令を入力した(上記Fを参照)。しかし、広告指定命令(最優先で送信すべき広告の広告IDと、最優先での送信を指示する命令とを含む)を別の方法で広告管理部3へ入力するように構成することも可能である。
【0340】
一例として、送信側が、加入者となっている視聴者の受信機へ、予め定めたチャンネルで番組を放送する放送局であり、放送中の番組における広告枠に広告を各受信機へ配信する場合について説明する。
【0341】
放送側に、各受信機が放送中の番組を受信しているか否かを確認するために、広告枠の開始時刻の少し前に、受信機20がその放送を受信しているか否か、即ち、その番組を視聴しているか否かを確認するための確認信号を作成して各受信機へ送信する手段を設け、広告配信装置1の広告管理部3に、受信機20が確認信号に基づいて作成した広告送信要求信号を受け取り、その広告送信要求信号に基づいて広告を受信機へ送信する手段を設ける。放送側で作成する確認信号は、広告枠時間データと、広告枠の開始時刻を示すデータとを含み、更に、最優先で表示させるべき広告がある場合には、広告指定命令を含むようにする。
【0342】
受信機20には、受信部25で受信した確認信号に基づいて広告送信要求信号を作成する手段と、作成した広告送信要求信号を、広告枠の開始時刻に広告を受信して表示できるタイミングで、即ち、広告配信送信1が広告送信要求信号を受信し、広告を読み出し、受信機20へ送信する処理を行う時間を考慮したタイミングで、広告配信装置1の受信部8へ送信する手段とを設ける。受信機で作成される広告送信要求信号は、その受信機の視聴者の個人IDと、確認信号から読み出した広告枠時間データ、広告枠の開始時刻データとを含み、更に、確認信号に広告指定命令が含まれていた場合には、それも含むようにする。
【0343】
広告配信装置1は、受信機20から送られてくる広告送信要求信号を受信部8で受信し、広告管理部3へ転送する。広告管理部3は、広告送信要求信号から個人IDと広告指定命令とを読み出して命令部5へ送る。命令部5は、個人IDと広告指定命令とを計算部6へ送る。計算部6は、個人IDに対応する個人計算シートを検査し、広告指定命令で示された広告IDが記録されているか否かを判断する。その個人計算シートに、最優先で送信すべき広告の広告IDが記憶されている場合には、その個人計算シートの広告IDに、最優先を示すデータを関連付けて記録する。
【0344】
また、広告管理部3には、広告送信要求信号から広告枠の開始時刻を示すデータを読み出し、その開始時間に広告が視聴者の受信機で放送されるタイミングで広告データを受信機へ送信するように広告の送信のタイミングを制御する手段を設けておく。広告データを受信機20へ送信する際には、計算部6は、個人計算シートにおいて、最優先を示すデータが付加された広告IDが存在する場合には、広告データ保管部4へ、その広告IDおよびその個人計算シートに対応する視聴者の個人IDを最優先で送信する。広告データ保管部4は、広告IDおよび個人IDを受信すると、その広告IDに対応する広告データを最優先で読み出し、その個人IDに対応する視聴者の受信機へ、送信部9を介して最優先で配信する。また、個人計算シートに、最優先を示すデータが付加された広告IDが存在しない場合には、計算部6が決定した優先順位の順に広告データを、個人IDに対応する視聴者の受信機へ送信部9を介して配信する。このような構成の場合には、番組中の広告枠の開始時刻の少し前に受信機へ送信される確認信号に、広告指定命令を含ませることができるので、広告主は番組と関連付けて特定の広告を表示させることが可能となる。
【0345】
また、上記の実施形態では、視聴者が受信機20で広告が再生されている間に入力部23の「関心ありボタン」または「関心ないボタン」を押す、即ち、「関心ある」または「関心ない」に投票すると、この広告の広告属性に対して視聴者が「関心ある」または「関心ない」に投票したことを示す投票データが記憶部22に記憶され、その記憶された投票データが所定のタイミングで広告配信装置1に送信されるように構成されている。しかし、「関心ある」または「関心ない」に関する投票を自動的に行うように構成することも可能である。例えば、視聴者が或るジャンル(ここでは車とする)の番組を視聴していた場合、その受信機は放送番組に付加されている放送番組の属性データ(この場合は車という属性を示すデータ)を受信することで、自動的にそのジャンルに関連する広告(この場合、車の広告)の属性に対する投票が「関心ある」という形で行われ、記憶部22に記憶される。この記憶されたデータは、所定のタイミングで広告配信装置1へ送信されることとなる。一方、広告が表示された際に最後まで再生しなかった場合に、同様の形態で自動的に「関心ない」という投票を行うこともできる。
【0346】
ただし、視聴者の受信機へ送信される広告は、広告配信装置1で決定された優先順位の高い広告である。そのため、受信機へ送信されて表示された広告に対して「関心ある」と投票されることになると、既に優先順位の高い広告に対して、優先順位の計算に用いられる視聴者の嗜好の値(Fx)を更に増加させることになり、広告配信装置で待機中の広告(特に、広告属性が異なる広告)は不利になる。従って、広告配信装置において、優先順位の計算の際に、「関心ある」に対する投票データに基づいて加算される重み値を、各広告の優先順位に極度に影響しない値に設定するのが望ましい。これは「関心ない」の場合も同様である。
【0347】
また、上記の実施形態では、広告属性(即ち、広告で宣伝する商品の属する分野)を、車、医薬品、食品などのように大きな分類に基づいて設定したが、広告属性を細分化することも可能である。例えば、車の場合には、車両の製造会社を基にして、フォード社の車、クライスラー社の車、ゼネラル・モータース社の車というような広告属性を設定することができ、また、例えば、車両の形を基にして、セダン、スポーツ、ワゴンなどのような細かい広告属性を設定することも可能である。
【0348】
また、受信機で広告が表示されるか否かを考慮せずに、送信側が広告を送信したい時に、広告の送信を行うように構成することも可能である。例えば、放送局などの送信側から放送される番組中に設定された広告枠へ広告を挿入する場合において、その番組を視聴者が視聴しているか否かを考慮しない場合、即ち、番組中に挿入される広告が表示されるか否かを考慮しない場合には、広告送信要求信号を、送信側から広告配信装置1へ送信するように構成する。この場合には、例えば、送信側で、広告枠の開始時刻の少し前に広告送信要求信号を作成し、広告配信装置へ送信する。この広告送信要求信号には、広告枠の開始時刻を示すデータ、広告枠時間データ、この広告枠が設定されているチャンネル番号を示すデータなどを含めるようにする。広告配信装置は、視聴者の個人IDと、視聴者が視聴可能なチャンネル番号を示すデータとを関連付けて記憶しておき、広告送信要求信号を受信したときに、この信号からチャンネル番号を読み出し、そのチャンネル番号に関連付けられた個人IDを読み出し、読み出した個人IDに対応する受信機へ、それぞれに割り当てられた広告を、広告枠の開始時刻から該広告枠に挿入するタイミングで送信する。また、この場合には、各個人計算シートに反映させるデータとして、広告配信装置内での広告送信動作に基づいて作成した履歴データを用いることができる。
【0349】
また、本発明において、視聴者層特定用分類データの大分類および各大分類の小分類(カテゴリ)の種類は、必要に応じて適宜に増加または減少させることができる。また、広告主が各カテゴリに対して数値(重み値)を割り当てる際の制限および規則についても、任意に変更可能である。
【0350】
また、本発明において、優先送信時間の時間帯の種類は、必要に応じて適宜に増加または減少させることができる。また、広告主が各時間帯に対して数値(重み値)を割り当てる際の制限および規則についても、任意に変更可能である。
【0351】
また、広告の配信の優先順位を決定する場合において、或る広告の制御係数の値と、別の広告の制御係数の値とが同じになり、優先順位が同じになる場合には、例えば、先に記憶していた方を先に送信するようにしたり、広告に付加されるID番号が上位であるものを先に送信する。
【0352】
また、本発明では、音声及び画像(イメージ及び文字)の両方の信号を受信機へ送信して再生させることも、音声又は画像の何れか一方のみの信号を受信機へ送信して再生させることも可能である。
【0353】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、送信(放送)側に複数の広告データを記憶しておき、送信側に記憶された各広告が対象としている視聴者層と、送信側に登録された各視聴者の視聴者層との一致の度合いに基づいて、それぞれの視聴者(視聴者の受信機)に対して個別に広告を選択して割り当て、割り当てた広告データを送信側からその視聴者の受信機へ送信して表示させることを特徴とする。
【0354】
従って、本発明は、広告主が広告の対象となる視聴者に対して適する広告を視聴できるように、各々の広告を各々の視聴者の受信機へ送信して再生させることができ、広告主の希望する広告効果を上げることができる。
【0355】
また、本発明は、それぞれの視聴者に対して割り当てられた広告データのそれぞれに対して、視聴者の受信機への送信の優先度に関する重み付けを実行し、その重み付けに基づいて各々の広告データの送信の優先順位を決定し、視聴者の受信機へ送信する広告データを、割り当てられた広告データの中から優先順位に基づいて選択し、優先順位に基づいて選択した広告データを優先順位に基づいてその視聴者の受信機へ送信することを特徴とする。
【0356】
従って、本発明は、広告主が広告固有の特性に基づいて広告に重み付けすることができ、該広告の固有の特性に最適に一致した条件で各々の広告を各々の視聴者の受信機へ送信して再生させることができ、広告主の希望する広告効果を上げることができる。
【0357】
この様に、本発明は、広告が固定順序で送信される従来の広告送信技術に比較して、著しく広告の宣伝効果を向上できる技術効果を有する。
また、本発明では、表示期間の短い広告に高い優先順位を付与し、優先的に受信機へ送信するので、表示期間が短くても、所定の表示回数を達成することが可能となる効果がある。
【0358】
また、本発明では、所定の期間内に所定の総表示回数(総送信回数)を完了させるために各受信機への必要とされる各広告の平均送信回数を設定し、各広告の平均送信回数までの残り送信回数の多い広告に高い優先順位を付与し、優先的に受信機へ送信する。従って、多くの表示回数、即ち、送信回数が残っていても、所定の表示期間内に所定の送信回数を達成することが可能となり、且つ特定の受信機で或る広告が過多に表示されることを防止する効果がある。
【0359】
また、本発明では、広告が対象とする視聴者層を特定する情報と、受信機の視聴者が属する視聴者層を特定する情報との一致度が高い広告に高い優先順位を付与し、優先的に受信機へ送信する。即ち、視聴者が見たいであろうと想定される広告が優先的に受信機へ送信されて表示されるので、視聴者の注意を引くことができる。従って、広告の効果および効率が著しく向上する効果がある。更に、視聴者にとっても、見たい広告や、興味をそそられるであろう広告が優先的に見られるので、好都合である。
【0360】
また、本発明では、広告の予定送信順序を定め、予定送信順序の上位から順に高い優先順位を割り当て、優先的に受信機へ送信し、且つ、広告を送信した後には新たな予定送信順序を定め、再度、予定送信順序の上位のから順に高い優先順位を割り当て、優先的に受信機へ送信する。従って、同じ順序で反復的に広告が受信機へ送信されて表示される場合や、同じ広告が連続して送信されて表示される場合と比較して、視聴者の注意をひくことができるため、広告の効果および効率が著しく向上する効果がある。
【0361】
また、本発明では、各広告を、その広告が対象としている視聴者の生活に合わせた時間帯および広告で宣伝される商品の性質に適合した時間帯に優先的に受信機へ送信する。従って、視聴者が見たいであろうと想定される広告が、視聴者が視聴する時間帯に優先的に受信機へ送信されて表示され、視聴者の注意を引くことができるため、広告の効果および効率が著しく向上する効果がある。
【0362】
また、本発明では、受信機の視聴者が、その視聴者に対して割り当てられた各広告の属性に対しての好みを示せるようにし、且つ視聴者が示した広告の属性に対する好みに基づいて各広告の送信の優先順位を決定し、その優先順位に従って広告を受信機へ送信する。従って、視聴者にとっては、該視聴者に適した広告が優先的に受信機へ送信されて表示されることになるので、視聴者が望む情報が多く得られる効果がある。
【0363】
また、本発明では、視聴者と該視聴者に割り当てられた広告との一致の度合いを反映し、且つその広告が割り当てられた視聴者の受信機が相互に受信機への広告の送信回数の不足分を補って所定の総送信回数(総表示回数)を達成し、且つその広告を割り当てられた各受信機へ或る広告が過多に送信されないようにする上限送信回数を設定し、上限送信回数までの残り送信回数の多い広告に高い優先順位を付与し、優先的に受信機へ送信して表示させる。従って、多くの送信回数が残っていても、所定の表示期間内に所定の送信回数を達成することが可能となり、且つ特定の受信機へ或る広告が過多に送信されることを防止する効果がある。また、視聴者が見たいであろうと想定される広告が多く受信機へ送信されて表示され、視聴者の注意を引くことができるため、広告の効果および効率が著しく向上する効果がある。また、視聴者にとっては、該視聴者に適した広告の送信回数、即ち、受信機での表示回数が多くなり、適していない広告の送信回数が少なくなるので、視聴者が望む情報が多く得られる効果がある。
【0364】
また、本発明では、複数の優先順位の決定要素を総合的に考慮することにより、特定の決定要素に偏らない優先順位付けが行えるので、各広告に付与される優先順位の妥当性が高くなる効果がある。
【0365】
また、本発明では、送信側で、受信機での広告の表示状況を確認し、表示状況に応じて、各受信機への広告の送信の制御を行う。即ち、すべての受信機に対して、より精度の高い広告配信制御を行うことが可能となる。従って、例えば、不測の事態により、通常の広告送信動作では広告主から受注した総表示回数(総送信回数)を所定期間に達成できなくなるような場合でも、送信側で広告の配信を制御することにより、必要とされる表示回数(送信回数)を所定期間内に達成することができる効果がある。
【0366】
また、本発明では、最優先で送信すべき広告を指定することを可能とし、視聴者に割り当てられた広告の中に、その指定された広告がある場合には、最優先でその広告をその視聴者の受信機へ送信するように制御を行う。従って、例えば、広告主が広告を表示する日付、時間帯、番組などを指定した場合に、その指定どおり又はその指定に近い条件で広告を受信機へ送信できるので、広告主を満足させられる効果があり、且つ送信側は広告枠を販売し易くなる効果がある。また、或る広告を緊急に受信機へ送信して表示させる必要がある場合にも、その広告を所望の広告枠に容易に挿入できる効果がある。
【0367】
更には、視聴者が視聴している番組に基づいた広告の最優先表示の指定も可能であり、番組と関連した広告の最優先表示が可能であるため、広告の効果および効率が向上する効果がある。
【0368】
産業上の利用可能性
以上のように、本発明の広告配信方法、広告配信装置、および前記の広告配信方法と同様の手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記録媒体は、送信側に登録された各視聴者の受信機へ送信側から広告を送信するシステムにおいて用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、送信側から広告を受信機へ送信して表示させる際の、広告の配信の優先順位、即ち、広告の送信の優先順位の決定方法および各視聴者に適合する広告の選択方法の概念を表形式で示す図であり、優先順位の決定方法および広告の選択方法で用いる基本的なデータを示す。
【図2】
図2は、送信側に登録された一人の視聴者に対しての、本発明の広告の送信の優先順位の決定方法の概念を表形式で示す。
【図3】
図3は、送信側に備えられる本発明の広告の送信を制御する装置の構成を示す。
【図4】
図4は、本発明の広告配信装置から広告が配信される受信側の装置、即ち、受信機の構成を示す。
【図5】
図5は、送信側、即ち、広告配信装置1での視聴者登録ステップを示すフローチャートである。
【図6】
図6は、送信側、即ち、広告配信装置1においての、視聴者の個人データを分析するステップを示すフローチャートである。
【図7】
図7は、送信側、即ち、広告配信装置1での広告に関するデータの準備ステップを示すフローチャートである。
【図8】
図8は、送信側、即ち、広告配信装置1での個人計算シートの作成ステップを示すフローチャートである。
【図9】
図9は、送信側、即ち、広告配信装置1での、広告の削除に関する命令信号を作成するステップを示すフローチャートである。
【図10】
図10は、送信側、即ち、広告配信装置1での広告の最優先配信に関する命令信号を作成するステップを示すフローチャートである。
【図11】
図11は、送信側、即ち、広告配信装置1での制御係数に適用される制御変数の値の変更に関する命令信号を作成するステップを示すフローチャートである。
【図12】
図12は、送信側、即ち、広告配信装置1での、各視聴者に対しての広告の配信の優先順位を決定し、それぞれの視聴者の受信機へ送信して表示させるステップを示すフローチャートであり、このフローチャートは図13へ続く。
【図13】
図13は、図12から続くフローチャートであり、送信側、即ち、広告配信装置1での、各視聴者に対しての広告の配信の優先順位を決定し、それぞれの視聴者の受信機へ送信して表示させるステップを示す。
【図14】
図14は図13から続くフローチャートであり、送信側、即ち、広告配信装置1での、各視聴者に対しての広告の配信の優先順位を決定し、それぞれの視聴者の受信機へ送信して表示させるステップを示す。
【図15】
図15は図14から続くフローチャートであり、送信側、即ち、広告配信装置1での、各視聴者に対しての広告の配信の優先順位を決定し、それぞれの視聴者の受信機へ送信して表示させるステップを示す。
【図16】
図16は、送信側、即ち、広告配信装置1での履歴データの処理・制御ステップを示すフローチャートである。
【図17】
図17は、送信側、即ち、広告配信装置1での、履歴データを基にした統計的データを生成するステップを示すフローチャートである。
【図18】
図18は図7に対応する図であり、C’で説明する送信側での広告に関するデータの準備ステップを示すフローチャートである。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-03-03 
出願番号 特願2001-585513(P2001-585513)
審決分類 P 1 652・ 14- YA (H04N)
P 1 652・ 537- YA (H04N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 古川 哲也  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 藤内光武
橋本恵一
登録日 2003-01-17 
登録番号 特許第3389578号(P3389578)
権利者 株式会社電通 住友商事株式会社
発明の名称 広告の送信を制御する方法および装置  
代理人 秋元 芳雄  
代理人 秋元 芳雄  
代理人 小林 泰  
代理人 小林 泰  
代理人 小林 泰  
代理人 秋元 芳雄  
代理人 社本 一夫  
代理人 社本 一夫  
代理人 社本 一夫  

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