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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B41L
管理番号 1117809
異議申立番号 異議2003-73121  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-06-04 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-18 
確定日 2005-03-23 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3447398号「排版装置」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3447398号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 1.手続きの経緯
本件特許第3447398号に係る発明の出願は、平成6年11月18日に特許出願され、平成15年7月4日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、異議申立人山口十四治より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成16年11月8日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
1)訂正事項a
特許請求の範囲を次に訂正する(下線は訂正箇所を示す)。
「【請求項1】廃棄すべき原紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された原紙を収納する収納空間を備えた排版収納部と、前記排版収納部の収納空間内を移動して該収納空間内の原紙を圧縮する圧縮手段とを有する排版装置において、
前記搬送手段は、剥ぎ取られた原紙を挟持して搬送する複数対の下プーリと上プーリを有し、 前記圧縮手段は、前記搬送手段の隣部に設けられ、前記搬送手段によって搬送される原紙の搬送方向に対して略直交する軸線を有する軸と、該軸の周りに所定角度回転可能である圧縮板と、前記圧縮板に設けられた突起を有しており、
前記圧縮手段の前記突起が前記下プーリと上プーリよりも前記搬送手段の搬送方向の上流側において前記搬送手段を横切って移動し、前記突起が排版収納部内に原紙を取り込んで圧縮することを特徴とする排版装置。
【請求項2】前記圧縮板が通過する空間と前記排版収納部の収納空間が実質的に一致していることを特徴とする請求項1記載の排版装置。
【請求項3】前記突起が、前記圧縮板が前記収納空間内で回転する際に前記原紙を前記軸の方向に移動させる形状とされていることを特徴とする請求項1記載の排版装置。」
2)訂正事項b
明細書段落【0007】を次に訂正する(下線は訂正箇所を示す)。
「【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された排版装置は、廃棄すべき原紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された原紙を収納する収納空間を備えた排版収納部と、前記排版収納部の収納空間内を移動して該収納空間内の原紙を圧縮する圧縮手段とを有する排版装置において、
前記搬送手段は、剥ぎ取られた原紙を挟持して搬送する複数対の下プーリと上プーリを有し、 前記圧縮手段は、前記搬送手段の隣部に設けられ、前記搬送手段によって搬送される原紙の搬送方向に対して略直交する軸線を有する軸と、該軸の周りに所定角度回転可能である圧縮板と、前記圧縮板に設けられた突起を有しており、
前記圧縮手段の前記突起が前記下プーリと上プーリよりも前記搬送手段の搬送方向の上流側において前記搬送手段を横切って移動し、前記突起が排版収納部内に原紙を取り込んで圧縮することを特徴とする。」

(2)訂正の目的、新規事項の有無、拡張変更の存否の各要件についての判断
上記訂正事項aは、請求項1について、搬送手段が上下のプーリを有することと、圧縮手段の突起の移動と上下のプーリとの位置関係について、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内(特に、明細書段落【0018】,【0021】,【0028】,【0034】,【0036】,【0055】、及び図1〜4,8〜10等参照。)で限定するものであり、また、上記訂正事項bは、発明の詳細な説明の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるためのものであるから、上記訂正は、特許請求の範囲の減縮、及び明りょうでない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(3)訂正の適否のまとめ
以上のとおりであるから、上記訂正は特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号。以下「平成6年改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断
(1)申立ての理由の概要
申立人山口十四治は、請求項1〜3に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、その特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであるから、取り消されるべきであると主張し、証拠として甲第1〜7号証を提出している。

(2)本件発明
本件請求項1〜3に係る発明は訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜3に記載されたとおりのものである(上記訂正事項a参照。以下、それぞれ「本件発明1」、「本件発明2」、「本件発明3」といい、まとめて「本件発明」という。)。

(3)甲第1〜7号証とその記載事項
1)甲第1号証:特開平5-286223号公報
a.「【産業上の利用分野】本発明は孔版印刷機の自動排版装置に関し、さらに詳しくは、印刷済みの原紙を印刷ドラムから剥がし搬送する一対の排版ローラによって排版ボックス内へ原紙を排出する装置に関する。」(【0001】)
b.「まず、図7を参照して本発明を適用する一般的な孔版印刷機の全体構成について説明する。この孔版印刷機は、機体部1の上部に配置された原稿受け台19から移送される原稿3の表面の画像を読み取る原稿読取部2と、この原稿読取部2の下方の機体部1の一側部に配置されロール状に巻かれた原紙11を製版する製版部5と、機体部1の中央部に配置され製版済みの原紙11Aを外周面に巻装する版胴12を有する印刷ドラム7とプレスローラ15とを備えた印刷部13と、製版部5の下方に配置され、給紙台8上に積層された印刷用紙14を印刷部13に送出する給紙部16と、この給紙部16に対向する機体部1の下方に配置され、印刷部13にて印刷された印刷用紙14Aを排紙台9に排出する排紙部17と、この排紙部17と原稿読取部2との間に配置され、版胴12の外周面から剥ぎ取られた使用済みの原紙11Bを排版ボックス18内に収納する排版部6とを具備する。」(【0020】)
c.「図1は本発明の一実施例を示す。同図において符号54aはフレームを示し、このフレーム54aに取付けられたモータ支持板56に支持された排版モータ57が配設されている。排版モータ57はその回転駆動軸に歯車を有しており、その上部に配設された第1の歯車62と互いに噛み合い、第1の歯車62はその上部に配設された第2の歯車63と互いに噛み合い、第2の歯車63はその上部に配設された第3の歯車64と互いに噛み合い、第3の歯車64は4個の排版剥離ローラ50bを串団子状に配設し回転駆動させるための軸に固着され第3の歯車64の上に配設された第4の歯車65aと互いに噛み合い、第4の歯車65aは、4個の排版剥離ローラ50aを串団子状に配設し回転駆動させるための軸に固着され第4の歯車65aの上に配設された第5の歯車66aと互いに順次噛み合っている。したがって、排版モータ57が回転すると、これと順次噛み合っている第1の歯車62、第2の歯車63、第3の歯車64、第4の歯車65a、第5の歯車66aへと回転力が伝達され回転する。一方の排版剥離ローラ50bの軸の両端には第4の歯車65a,65bが、他方の排版剥離ローラ50aの軸の両端には第5の歯車66a,66bがそれぞれ軸着されている。したがって、前述した排版モータ57の回転開始により対をなす排版剥離ローラ50aと排版剥離ローラ50bとは互いに逆方向へ回転する。」(【0023】)
d.「排版搬送ベルト51aは排版剥離ローラ50aと排版搬送ローラ52aとの間、そして排版搬送ベルト51bは排版剥離ローラ50bと排版搬送ローラ52bとの間にそれぞれ掛けられているので、前述の回転開始により図3に矢印で示すように互いに逆方向に回転する。排版搬送ローラ52a,52b対はそれぞれ弾性体でできている。同図に示すように、回転していた印刷ドラム7は、原紙クランパ20を図示の時計回り方向に回転させ、所定の位置で停止する。すると前述の排版剥離ローラ50a,50b対、排版搬送ベルト51a,51b及び排版搬送ローラ52a,52b対は、後述するように一体となっていて、前述した回転を継続しながら印刷ドラム7に接近する方向(図示の右方向)に移動する。」(【0024】)
e.「したがって、排版剥離ローラ50a,50b対は、リンクA67a,67bで連結されていて、しかも原紙11Aを搬送するのに十分な所定の圧力が発生するように互いに押し付け合う軸間距離に固定されている。排版搬送ローラ52a,52b対は、リンクC69a,69bによって連結されていて、互いに圧接し合い、しかも原紙11Aを搬送するのに十分な所定の圧力が発生するように互いに押し付け合う軸間距離に固定されている。」(【0026】)
f.「排版剥離ローラ50a,50b対が原紙11Aの先端部をくわえ込むと、これが排版剥離ローラ50a,50b対の後方にある図示しないセンサによって検知され、直ぐにソレノイド73への通電が停止され、フレーム54a,54bは、連結板55がフレーム戻しばね72に引かれることにより左方向、すなわち印刷ドラム7から離れる方向へ移動し、図3に示す初期の位置へ戻ることになる。同時に図5に示すように印刷ドラム7は、原紙クランパ20を閉じながら右方向(時計回り方向)への回転を開始し、原紙11Aは排版剥離ローラ50a,50b対、排版搬送ベルト51a,51b、及び排版搬送ローラ52a,52bに挾まれて排版ボックス18の方へ搬送される。」(【0033】)
g.「そして、原紙11Aは連続的に後方に搬送され、排版搬送ガイド板53a,53bによって排版搬送ローラ52a,52b対から分離された後に、排版ボックス18に収納される。1版分の原紙11Aを取り込み終えると、排版モータ57の回転が停止され、排版剥離ローラ50a,50b対の回転は停止する。一方、印刷ドラム7は給版の工程のための所定の位置まで回転し、原紙クランパ20を開いて停止する。」(【0035】)
h.「排版部6では、図6に示すように排版ボックス18に収納された原紙11Aを圧縮するために図7に示す圧縮板昇降モータ25に通電され、同図の圧縮板昇降ピニオン24が時計回りに回転することで、圧縮板昇降ピニオン24と噛み合っている圧縮板昇降ラック23が下方に動き圧縮板60が降下してくる。図6において、圧縮板60が原紙11A及び排版済みの原紙11Bを圧縮する力は、圧縮板昇降モータ25が発生させている。圧縮された原紙11A及び排版済みの原紙11Bの反発力が高くなると、圧縮板60を降下させている圧縮板昇降モータ25の負荷が大きくなり、圧縮板昇降モータ25に流れる電流も比例して大となる。この電流を機体部1の図示しない圧縮板の駆動制御部の制御回路が監視し、その負荷がある大きさになると圧縮板昇降モータ25への通電が停止される。すなわち圧縮された原紙11A及び排版済みの原紙11Bをある一定の圧力で圧縮することが可能となっている(この排版圧縮機構の制御方法については同一出願人から出願されている実開平3-29370号公報参照)。」(【0036】)
2)甲第2号証:特公昭62-30118号公報
輪転謄写機の自動排版処理装置において、排版箱30の投入口上端に原紙を送るピンローラ32を内方に張り出させて設け、その下方に、下端をピン37で枢支されて回転し、原紙を排版箱30の片側に押え付ける排版押えバー36を設けることなどが記載されている。
3)甲第3号証:特開平3-254983号公報
排版装置において、排版箱17の投入口外側に、原紙を一旦押しつぶし状に収納する収納部13を有する回転部8を設け、排版箱17の投入口には、回転部8の回転に伴い収納部13に収納された原紙を排版箱17内に押しやる導入板19を設け、回転部8と導入板19とを入れ子状にして互いに干渉しないようにすることなどが記載されている。
4)甲第4号証:特開昭52-94222号公報
謄写印刷機において、駆動ローラ8と、駆動ローラ8により駆動されるコンベアベルト7と、コンベアベルト7の終端に噛み合う歯付ローラ9とからなる原紙の搬送手段を複数列設け、それらの終端をコンテナ10上に張り出させ、コンテナ10内を下向きに押し下げられる押え11を設けることなどが記載されている。
5)甲第5号証:実願昭54-172521号(実開昭56-88706号)のマイクロフイルム
塵芥収集車において、プレッシャプレート7の後端部を塵芥投入口6の後部両側にピン8により回動自在に取付け、プレッシャプレート7の先端回動軌跡と円弧状のガイドフロア13とが沿うようにし、かつ、プレッシャプレート7の先端に塵芥をボデイ1内へ斜め上方に指向して押込めるようにウェッジ状の爪部14を形成することなどが記載されている。
6)甲第6号証:特開平3-267201号公報
生ゴミ処理装置において、ゴミを半乾燥の状態で収納することや、圧縮部材19の圧縮凹溝19aとで円孔20を形成する圧縮凹溝19’aを有する圧縮部材19’を周壁16aに沿わせて回動させることなどが記載されている。
7)甲第7号証:特開平6-135501号公報
ゴミ箱において、ゴミを圧縮して収容効率を高めることや、容器本体8上方に枢支部4bで回動する押圧体4を設けることなどが記載されている。

(4)甲第1号証に記載された発明の認定
上記記載事項d〜gと共に図1をみれば、上下の排版搬送ローラ52a,52bが複数対あることは明らかである。
また、記載事項f〜hと共に図2〜7をみれば、圧縮板60が排版ボックス18の原紙収納空間内を昇降ラック23等により上下方向に移動するものであり、圧縮板60や昇降ラック23等からなる圧縮手段が排版剥離ローラ50a,50b、排版搬送ベルト51a,51b、及び排版搬送ローラ52a,52b等からなる原紙を搬送する搬送手段の隣部にあることは明らかである。
したがって、刊行物1には、上記記載事項a〜hと図面を含む全記載によれば、次の発明が記載されているものと認められる。
「廃棄すべき原紙11を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された原紙11を収納する収納空間を備えた排版ボックス18と、前記排版ボックス18の収納空間内を移動して該収納空間内の原紙11を圧縮する圧縮手段とを有する排版装置において、前記搬送手段は、剥ぎ取られた原紙11を挟持して搬送する複数対の上下の排版搬送ローラ52a,52bを有し、前記圧縮手段は、前記搬送手段の隣部に設けられ、排版ボックス18の原紙収納空間内を上下方向に移動する圧縮板60を有している排版装置。」

(5)対比・判断
1)本件発明1について
本件発明1(前者)と甲第1号証記載の発明(後者)を対比するに、後者の「排版ボックス18」は前者の「排版収納部」に対応し、後者の「上下の排版搬送ローラ52a,52b」は「上下の回転体」といえる点で前者の「下プーリと上プーリ」と共通する。
したがって、両者は、「廃棄すべき原紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された原紙を収納する収納空間を備えた排版収納部と、前記排版収納部の収納空間内を移動して該収納空間内の原紙を圧縮する圧縮手段とを有する排版装置において、前記搬送手段は、剥ぎ取られた原紙を挟持して搬送する複数対の上下の回転体を有し、前記圧縮手段は、前記搬送手段の隣部に設けられ、圧縮板を有していることを特徴とする排版装置。」である点で一致し、次の点で相違する。
<相違点1>「上下の回転体」について、前者が「下プーリと上プーリ」であるのに対して、後者は「上下の排版搬送ローラ52a,52b」である点。
<相違点2>「圧縮手段」について、前者が「前記搬送手段によって搬送される原紙の搬送方向に対して略直交する軸線を有する軸と、該軸の周りに所定角度回転可能である圧縮板と、前記圧縮板に設けられた突起を有しており、前記圧縮手段の前記突起が前記下プーリと上プーリよりも前記搬送手段の搬送方向の上流側において前記搬送手段を横切って移動し、前記突起が排版収納部内に原紙を取り込んで圧縮する」のに対して、後者は、圧縮板を有するものの、上下に移動するものであり、前者のような軸や突起を有していない点。

以下、相違点について検討する。

<相違点1について>
甲第1号証では、符号50a,50b,52a,52bで示すものをローラと称しているが、その図1ではむしろプーリのように記載されており、そのように断定できないとしても、その記載からプーリを想起することは容易であるし、そうすることに阻害要因もないから、相違点1は当業者が容易になし得た設計の変更である。
<相違点2について>
排版装置が対象とする原紙は印刷の役目を終えた廃棄物であり、その搬送手段の先端側においては、版胴からの受け渡しなど印刷装置の印刷に係る主要部との関係で特有の課題があるものの、後端側においては、特に搬送装置と排版収納部との関係においては、原紙に粘着性のインキが付着していることを考慮したとても、粘着物が付着した廃棄物もまた普通にあるものであるから、印刷装置の分野に限らず、より広く廃棄物処理技術一般から使用できる技術や考え方があれば、それを当業者が適宜採用できないとする理由はない。
しかして、甲第5号証には、日常的にみられる塵芥収集車において上述した記載がなされており、収集する廃棄物やそれに伴う装置の大きさや全体構造など種々の違いがあって、その構成をそのまま排版装置に採用できないものが多々あるものの、当業者はそれらを当然に承知の上でその記載に接するのであり、プレッシャプレート7が塵芥投入口6に投入された塵芥をボデイ1内に押し込むものであるとしても、回動自在のプレッシャプレート7に係る記載に基づけば、排版装置における圧縮手段の圧縮板として、上下に移動するもの以外に、軸の周りに所定角度回転可能なものであってもよいとの発想を得ることは容易なこと(甲第2号証の排版押えバー36を挙げるまでもない。)であると共に、その具体化においても、回転軸を搬送手段によって搬送される原紙の搬送方向に対して略直交する軸線を有する軸とすることは最も自然なことであるし、技術的困難を伴うものでもない。
また、圧縮板に、排版収納部内に原紙を取り込んで圧縮する突起を設けることも、甲第5号証の上記ウェッジ状の爪部14に係る記載に基づいて、必要に応じて適宜なし得ることである。
ところで、廃棄物処理技術一般における考え方として、廃棄物を確実に収納部に搬送するためには、搬送手段が収納部上に張り出している方が望ましいことは明らかであり、排版装置の搬送手段についてもその方が望ましいことは明らかなこと(甲第2号証のピンローラ32や甲第4号証の搬送手段を挙げるまでもない。)であるし、また、収納部に投入された廃棄物を圧縮するときに、廃棄物を全体的に圧縮しようと考えるのは当然であって、排版装置の圧縮手段においても当然に考慮されることであり、そのために圧縮板を排版収納部の投入口や圧縮空間の大きさに合わせることは容易に想起できることといえる。
これら搬送装置の張り出しと圧縮板の大きさを共に満たそうとすれば、搬送装置と圧縮板とが干渉し合うことは当然に理解できることであるし、また、干渉する配置にあるものを互いに入れ子状にして干渉を回避することは常套手段である(例えば、日常的にみられるものとしては回転バーからなるゲートや回転羽からなる攪拌機などが挙げられ、排版装置においては甲第3号証が挙げられる。)から、圧縮板の先端部と搬送手段の終端部とを入れ子状にすること、すなわち、側面視において、圧縮手段が搬送手段を横切って移動するようになすことは容易になし得ることといえる。
しかしながら、本件発明1では、「前記圧縮手段の前記突起が前記下プーリと上プーリよりも前記搬送手段の搬送方向の上流側において前記搬送手段を横切って移動し」、すなわち、圧縮板の先端が上下のプーリを越えた位置で搬送手段を横切るものであるところ、甲第1号証の排版搬送ローラ52a,52bは左右両側に亘る軸に軸支されている(図1等参照)ため、圧縮板の先端はこの軸を越えた位置で搬送手段を横切ることはできず、他の証拠を勘案しても、圧縮板の先端が上下のプーリを越えた位置で搬送手段を横切るようにすることを示唆するものはなく、かつ、搬送手段をそれを可能なものにすることを示唆するものもないから、この点において相違点2は当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
そして、本件発明1は、特に相違点2に係る構成を備えることで、粘着性のインキが付着した原紙を搬送手段からより確実に掻き取って排版収納部に取り込むという格別の効果を奏することは明らかである。
したがって、本件発明1は、甲第1〜7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

2)本件発明2,3について
本件発明2,3は、本件発明1の構成要件の全てを構成要件の一部とするものであるから、本件発明1についてと同様の理由により、甲第1〜7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
排版装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄すべき原紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された原紙を収納する収納空間を備えた排版収納部と、前記排版収納部の収納空間内を移動して該収納空間内の原紙を圧縮する圧縮手段とを有する排版装置において、
前記搬送手段は、剥ぎ取られた原紙を挟持して搬送する複数対の下プーリと上プーリを有し、
前記圧縮手段は、前記搬送手段の隣部に設けられ、前記搬送手段によって搬送される原紙の搬送方向に対して略直交する軸線を有する軸と、該軸の周りに所定角度回転可能である圧縮板と、前記圧縮板に設けられた突起を有しており、
前記圧縮手段の前記突起が前記下プーリと上プーリよりも前記搬送手段の搬送方向の上流側において前記搬送手段を横切って移動し、前記突起が排版収納部内に原紙を取り込んで圧縮することを特徴とする排版装置。
【請求項2】 前記圧縮板が通過する空間と前記排版収納部の収納空間が実質的に一致していることを特徴とする請求項1記載の排版装置。
【請求項3】 前記突起が、前記圧縮板が前記収納空間内で回転する際に前記原紙を前記軸の方向に移動させる形状とされていることを特徴とする請求項1記載の排版装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、孔版印刷装置等に設けられ、印刷部等から搬送されてきた使用済みの孔版原紙を圧縮して収納する排版装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な輪転式孔版印刷装置は、一部がインキ透過性である円筒状の版胴を備えている。該版胴の内部にはインキ供給手段があり、版胴の内周面にインキを供給する。版胴の外周には製版された孔版原紙が巻装される。版胴の近傍には、用紙を版胴に押しつける押圧手段が設けられる。版胴の回転に伴い、版胴と押圧手段の間に用紙が供給される。押圧手段は用紙を版胴の原紙に押しつける。版胴の内周面に供給されたインキは、版胴及び原紙の穿孔部を通過して用紙に転移する。製版された原紙の穿孔部に対応した孔版印刷が用紙に施される。印刷終了後に使用済み原紙を廃棄するため、前記版胴の近傍には剥離爪と搬送ローラと排版収納部とを有する排版手段が設けられている。
【0003】
排版手段としては、例えば特開平6-199029号公報に示すような排版装置が知られている。図12は、この排版装置を示している。使用済み原紙Sは、搬送ローラ202によって入口部103から排版収納部201の内部へ送り込まれる。原紙Sは入口部203の近傍で圧縮板204に突き当たり、その進入を妨げられることにより空間205内で蛇腹状に圧縮される。この状態で次の使用済み原紙が収納部201に送り込まれ、それに伴い前に収納された原紙は更に圧縮される。
【0004】
空間205内に送り込まれる原紙が増加すると、圧縮板204の手前にある原紙Sに加わる圧力が次第に大きくなる。それが圧縮板204の自重による原紙の保持力に打ち勝つと、図13に示すように、圧縮板204は原紙Sにより入口部203とは反対の排版収納部201の奥側へ前記保持力に抗して回動される。原紙Sは圧縮されながら奥側に順次移動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
版胴から剥離された使用済みの原紙はインキが付着しており、その搬送途中でインキの粘着力によって搬送機構に貼り着いたり引っ掛かったりする。また、原紙毎にインキの付着量が異なるため、必ずしも同じような状態で排版収納部内に収納されるわけではない。更に、搬送ローラと圧縮板とによって行われる原紙の圧縮は完全ではなく、圧縮された原紙が後に元の状態へ復元し、これが搬送経路中に詰まって以降の排版動作に不良を生じることもあった。
【0006】
本発明は、インキ等が付着した孔版原紙を確実に圧縮して収納することができる排版装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された排版装置は、廃棄すべき原紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された原紙を収納する収納空間を備えた排版収納部と、前記排版収納部の収納空間内を移動して該収納空間内の原紙を圧縮する圧縮手段とを有する排版装置において、
前記搬送手段は、剥ぎ取られた原紙を挟持して搬送する複数対の下プーリと上プーリを有し、
前記圧縮手段は、前記搬送手段の隣部に設けられ、前記搬送手段によって搬送される原紙の搬送方向に対して略直交する軸線を有する軸と、該軸の周りに所定角度回転可能である圧縮板と、前記圧縮板に設けられた突起を有しており、
前記圧縮手段の前記突起が前記下プーリと上プーリよりも前記搬送手段の搬送方向の上流側において前記搬送手段を横切って移動し、前記突起が排版収納部内に原紙を取り込んで圧縮することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載された排版装置は、請求項1記載の排版装置において、前記圧縮板が通過する空間と前記排版収納部の収納空間が実質的に一致していることを特徴とする。
【0009】
【0010】
請求項3に記載された排版装置は、請求項1記載の排版装置において、前記突起が、前記圧縮板が前記収納空間内で回転する際に前記原紙を前記軸の方向に移動させる形状とされていることを特徴とする。
【0011】
【作用】
廃棄すべき原紙は搬送手段によって搬送され、排版収納部の収納空間内に収納される。圧縮手段は軸を中心に収納空間内で回転し、排版収納部の内面に沿って移動する。圧縮時、回転する圧縮手段に設けられた突起は、排版収納部の上方にある軸に向けて原紙を搬送・圧縮する。収納空間内にある原紙は確実に圧縮される。
【0012】
【実施例】
本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
図1は一実施例の排版装置1を有する孔版印刷装置100を示している。版胴101は多孔性のスクリーン等から成る複層構造の円筒体である。この版胴101の外周面には原紙係止部102が設けられている。製版された孔版印刷用原紙Sの先端は原紙係止部102によって版胴101に固定される。孔版印刷原紙Sの先端が原紙係止部102によって版胴101に固定された後、版胴101が回転して該孔版印刷用原紙Sは版胴101の外周面に巻きつけられる。版胴101の内部にはスキージロール、ドクターロール等を有するインキ供給装置103が設けられ、版胴101の内周面にインキを供給する。版胴101の下方には押圧手段としてのプレスロール104が設けられている。プレスロール104は用紙Pの供給乃至版胴101の回転に同期して上下動し、用紙を版胴101に押し付ける。
【0013】
本孔版印刷装置100の給紙機構を説明する。図1において、版胴101の左側下方には、用紙Pを積載する給紙台105が設けられている。給紙台105の上方には、給紙台105に積載した用紙Pから一枚ずつ用紙Pを捌いて送りだすスクレーパユニット106が設けられている。スクレーパユニット106の隣部には、スクレーパユニット106によって捌かれた用紙Pを所定のタイミングで版胴101とプレスロール104の間に給送するタイミングロール107が設けられている。
【0014】
本孔版印刷装置100の排紙機構を説明する。図1において、版胴101の右側下方には、印刷された用紙Pの先端に接近して用紙Pを版胴101から分離する分離爪108と、用紙Pを版胴101から分離する分離ファン109が設けられている。分離爪108の下方には、版胴101から分離した用紙Pを搬送する搬送機構111が設けられている。搬送機構111は、搬送する用紙Pを吸引保持するための吸引手段111aを有している。搬送機構111の搬送方向の隣部には排紙台112が設けられており、搬送されてきた印刷済みの印刷用紙Pを受容載置する。
【0015】
さらに図1において、排紙機構111の上方には、ロール状の原紙を収納する原紙供給部113が設けられており、原紙Sは図中左方に送られる。原紙供給部113の隣部には、原紙供給部113から送り出された原紙Sを製版する製版装置114が設けられている。製版装置114は、サーマルヘッドとプラテンローラからなり、原稿に対応した画像を孔版印刷用原紙S(以下、原紙Sと呼ぶ。)に穿孔する。製版装置114の隣部には、製版された原紙Sを案内するガイド板115が設けられている。ガイド板115と製版装置114の間には原紙Sを切断するカッタ116が設けられている。ガイド板115の隣部には排出ロール117が設けられており、製版された原紙を版胴101に送りだす。前記ガイド板115は排出ロール117側の一端を支点として揺動でき、製版装置114側の端部を下げれば、製版された原紙Sを原紙溜め込み部118に送り込むことができる。
【0016】
原紙供給部113から供給された原紙Sは製版装置114によって製版される。製版された原紙Sの先端が排出ロール117に送られて版胴101の原紙係止部102まで到達すると、原紙係止部102は原紙Sの先端部を固定する。版胴101を回転させながら製版済みの原紙を版胴101に送り出す。一版分の長さの製版済みの原紙Sが送られたら、版胴101の回転を停止し、カッター16で原紙Sを切断した後、残り分を版胴101に巻き付ける。
【0017】
次に排版装置1について説明する。図1にて、排版装置1は、給紙機構のスクレーパユニット106等の上方であって、前記版胴101の左側を占める位置に設けられている。排版装置1は、使用済みの原紙Sを版胴101の外周面から剥がして廃棄する装置である。この排版装置1は、使用済みの原紙Sを版胴101から剥がして搬送する搬送装置2と、搬送装置2によって搬送された使用済みの原紙Sを収納する排版容器40と、排版容器40内で原紙を圧縮する圧縮板50とを有している。
【0018】
搬送装置2は、複数本の丸形の無端ゴムベルト(以下ベルトと呼ぶ。)と複数個のプーリからなる第1及び第2搬送手段10,20によって構成されている。図1及び図2に示すように、第1搬送手段10は、版胴101の上方に設けられた排版圧板3に取り付けられている。排版圧板3は、本孔版印刷装置1の筐体の上面を構成している蓋体であり、図1中に示すように右端部が筐体に回動自在に連結されている。
【0019】
図2に示すように、排版圧板3の右端には、上第1回転軸11が回転自在に設けられている。上第1回転軸11は版胴101の中心軸線と平行である。上第1回転軸11には所定間隔をおいて4個の上第1プーリ12が設けられている。
【0020】
排版方向において上第1回転軸11の隣(図2においては左)には、上第2回転軸13が回転自在に設けられている。上第2回転軸13は上第1回転軸11と平行である。上第2回転軸13には所定間隔をおいて4個の上第2プーリ14が設けられている。上第2プーリ14は2列の溝を有しており、2本のベルトを掛けることができる。
【0021】
排版方向において上第2回転軸13の隣(図2においては左)には、所定間隔をおいて4個の上第3プーリ15が設けられている。各上第3プーリ15は、排版圧板3に固定された複数の支持板4に、各々の軸線を中心として回転できるように取り付けられている。各上第3プーリ15の各軸線は、前記上第1回転軸11及び上第2回転軸13と平行である。
【0022】
図2及び図3に示すように、軸方向の位置が対応する各上第3プーリ15と各上第2プーリ14には、それぞれベルト16が掛け回されている。軸方向の位置が対応する各上第2プーリ14と各上第1プーリ12には、それぞれベルト17が掛け回されている。上第2回転軸13を駆動すれば、上第1プーリ12、上第2プーリ14及び上第3プーリ15は同方向に回転し、各ベルト16,17も同方向に循環して回転する。図2において、各プーリ12,14,15及び各ベルト16,17は時計回り方向に回転する。
【0023】
図2に示すように、第2搬送手段20は、前記第1搬送手段10の下方において、本孔版印刷装置1の構造体5に設けられている。この構造体5は、前記各回転軸11,13,15と平行な断面略L字形の部材である。
【0024】
図2及び図3に示すように、前記構造体5の上面には、所定間隔をおいて4本の円柱形の柱部24が固定されている。各柱部24には付勢手段としてのコイルばね25が挿入されており、コイルばね25を介して柱部24には板部材26が取り付けられている。
【0025】
図2に示すように、板部材26は、細長い薄板材の両縁部を長手方向に沿って同方向に直角に折り曲げた形状の部材である。板部材26の中央部には所定間隔で4個の孔が形成されている。各孔には前記各柱部24が挿入され、板部材26は前記コイルばね25によって支えられている。板部材26を下方に押す力が加われば、板部材26はコイルばね25の弾性によって上向きの付勢力を受ける。
【0026】
図2に示すように、板部材26の版胴101側の面には、支持部材29を介して下第1回転軸21が回転自在に設けられている。下第1回転軸21は、前記上第2回転軸13と平行であり、前記上第2回転軸13の直下に配置されている。下第1回転軸21には所定間隔をおいて4個の下第1プーリ22が設けられている。各下第1プーリ22は、前記各上第2プーリ14と上下に近接した位置にある。
【0027】
図2及び図3に示すように、板部材26の版胴101と反対の側すなわち図3にて左側には3個の支持部材27,28が固定されている。中央の支持部材27は、中央の基部27aと、その両側から前方に突出した2枚の支持部27b,27bを有している。両側の2個の支持部材28,28は、それぞれ基部28aと、基部28aに連続して前方に突出した1枚の支持部28bを有している。
【0028】
図2及び図3に示すように、前記支持部材27,28の各支持部27b,28bには、下第2プーリ30が1個づつ設けられている。4個の下第2プーリ30は、それぞれ独立した回転軸を以て各支持部27b,28bに回転可能に取り付けられている。4個の下第2プーリ30の回転軸は互いに独立しているが、その軸線は一致している。各下第2プーリ30は、前記各上第3プーリ15に接触しており、各下第2プーリ30が設けられた板部材26を支えるコイルばね25はたわんだ状態にある。従って各下第2プーリ30はコイルばね25の弾性によって所定の付勢力で前記各上第3プーリ15を押圧している。
【0029】
前記板部材26は、曲げに対して所定の弾性を示す金属板からなる。従って、板部材26の前面に取り付けられた3個の支持部材27,28は、板部材26の各部分を回復可能に変形させることによって、それぞれ独立に変位することが可能である。従って、かかる支持部材27,28に設けられた4個の下第2プーリ30もそれぞれ独立に移動することができる。中央の2個の下第2プーリ30,30は共通の支持部材27に設けられており、両プーリの運動は他方に影響するが、必ずしも同様に移動するとは限らない。
【0030】
図2及び図3に示すように、軸方向の位置が対応する各下第1プーリ22と各下第2プーリ30には、それぞれベルト31が掛け回されている。ベルト31は、板部材26の上と板部材26の前面に設けた切り欠きを経て循環する。下第1回転軸21を駆動すれば、下第1プーリ22、下第2プーリ30及びベルト31が同方向に回転する。図1において、各プーリ22,30及びベルト31は反時計回り方向に回転する。
【0031】
上第3プーリ15を支える支持板4と、下第2プーリ30を支える支持部27b,28bは、原紙の搬送方向に平行な原紙の中心線に関して左右対称に配置されている。従って、搬送中の原紙が支持板4や支持部27b,28bから受ける力が、原紙の搬送方向を曲げることはない。搬送中の原紙は支持板4や支持部27b,28bに引っ掛かりにくく、円滑に搬送される。
【0032】
前記各ベルト16,17,31は、耐久性、耐溶剤性が高く、摩擦が大きく変形しにくい材質からなることが好ましい。また、前記各プーリ12,13,15,22,30はポリアセタールなど、ベルトと同様に耐溶剤性が高く、摩擦が大きい材質からなることが好ましい。
【0033】
図2及び図3に示すように、前記下第1回転軸21の下方には、原紙を版胴101から引き剥がすための2個の分離爪23が設けられている。2個の分離爪23は構造体5に固定されており、楔状の先端を版胴101の頂部に向けている。原紙係止部102が解除されると、版胴101に巻き付けられた孔版印刷用原紙Sの先端が自由になる。続けて版胴101が回転すると、孔版印刷用原紙Sの先端は2個の分離爪23に案内され、第1搬送手段10と第2搬送手段20の間に導かれる。
【0034】
図2及び図3に示すように、第1搬送手段10が設けられた排版圧板3には、圧縮手段としての圧縮板50が軸34の周りに所定角度回転可能となるように設けられている。圧縮板50は、第1搬送手段10の搬送方向について、第1搬送手段10の下流側にある。圧縮板50は図2に示す位置をホームポジションとする。ホームポジションにある圧縮板50は、前記搬送装置2による原紙Sの搬送を妨害しない。
【0035】
図2〜図4に示すように、圧縮板50の後端縁は、排版圧板3に架設された軸34に対して回動自在に取り付けられている。図3及び図5に示すように、軸34の周りには2本のばね36が通されている。ばね36の一端は、軸34に固定された板部材34aに掛けられている。ばね36の他端は、圧縮板50の後端縁に形成された切り欠き部50aに掛けられている。なお、ホームポジションにおいて、ばね36の弾性力は圧縮板50を下方に付勢するように働く。
【0036】
圧縮板50の版胴101側の先端縁には、複数条(本実施例では10条)のかき寄せリブ51が前記搬送装置にぶつからないような配置で設けられている。図2に示すように、本実施例のかき寄せリブ51は下方に突出した三角形状である。詳細は後述するが、図2に示すように、原紙Sを収納する排版容器40は、回動する圧縮板50の先端に沿った周壁を有している。このため、回動する圧縮板50のかき寄せリブ51と排版容器40の隙間に原紙が入り込んだりすることはなく、圧縮板50は排版容器40内で確実に原紙を移動させ、圧縮することができる。
【0037】
なお、かき寄せリブ51は三角形状なので、圧縮板50の回動によって排版容器40内に原紙を確実に取り込んで圧縮でき、圧縮した原紙を更に排版容器40の奥側上方の軸34に向けて移動させることができる。従って、排版容器40内に多くの原紙を圧縮して収納できる。かき寄せリブ51の形状は必ずしも三角形状には限定されないが、このような作用・効果を有する形状であることが好ましい。また、圧縮板50の内面、即ち排版容器40側の面には、格子状のリブが設けられている。このリブは、インキが付着した原紙が圧縮板50の内面に貼り付くのを防止する。
【0038】
図2及び図3に示すように、軸34に近い圧縮板50の一部には、圧縮板50の回動位置を検知するために、排版圧板3の方向へ突出した突起35が設けられている。図8に示すように、突起35は満タンセンサ38によって検出される。
【0039】
図2及び図3に示すように、軸34には、軸の回動位置を検知するために検知板37が固定されている。図2、図8及び図9に示すように、検知板37は圧縮センサ39によって検知される。
【0040】
図2に示すように、前記搬送装置2の隣であって、かつホームポジションにある前記圧縮板50の下方の位置には、使用済みの孔版印刷用原紙Sを収納する排版収納部としての排版容器40が設けられている。円柱の円形の端面において、直交する2本の直径をそれぞれ含み、かつ該端面に垂直な2つの面で前記円柱を4分割すると、断面が中心角90°の扇形である4個の立体が得られる。本実施例の排版容器40はこの立体に似た外形を有する。即ち、図1及び図2に示すように、排版容器40の底面乃至前面は円柱の周面の一部からなる周壁40aであり、略矩形の背面と略扇形の両側面は閉止されている。略矩形の上面は開放されており、廃棄される原紙の入口となる開口部40bとされている。
【0041】
排版容器40の周壁40aの形状は、軸34を中心に回動する前記圧縮板50の先端の軌跡に略合致している。そして、原紙を収納する排版容器40の収納空間と、回動する前記圧縮板50が通過する空間とは、実質的に一致している。従って、排版容器40内に収納された原紙Sは、排版容器40の略内面に沿って移動する前記圧縮板50によって確実に圧縮される。
【0042】
図6は、排版容器40を上方から見た図である。搬送される原紙の紙面(図6の紙面に一致する)に平行で原紙Sの搬送方向Aに直交する方向を排版容器40の第1の幅方向と定めると、排版容器40の第1の幅は、原紙の搬送方向Aに向けて徐々に拡大している。即ち、排版容器40の第1の幅は、前記圧縮板50が原紙を圧縮するために移動する方向に沿って広がっている。
【0043】
また、前述したように、排版容器40の周壁40aは、軸34を中心に回動する前記圧縮板50の先端の軌跡に略合致している。これを図2を参照して換言すれば、搬送される原紙Sの紙面に垂直な同図中縦の方向を排版容器40の第2の幅方向と定めると、排版容器40の第2の幅は、前記圧縮板50が原紙を圧縮するために移動する方向に沿って広がっている。
【0044】
本実施例の排版容器40は以上説明したような形状に設定されているので、孔版印刷装置に脱着しやすい。また、圧縮板50による圧縮時においては、より多くの原紙を収納するための容量をかせぐことができ、また圧縮板50の戻り時には、排版容器40内で圧縮された原紙が開口部40b側に戻り難くなる。
【0045】
図6に示すように、排版容器40の側面にはガイド42が形成されている。ガイド42は孔版印刷装置の本体側に設けられた図示しないスリットに係合する。排版容器40は、ガイド42と前記スリットにより孔版印刷装置の本体に対して略水平方向に移動することができ、該本体に対して自在に着脱できる。排版容器40の背面には、排版容器40を孔版印刷装置の本体に対して着脱する際に操作者が掴む把手41が設けられている。排版容器40が孔版印刷装置内の所定位置に装着されているか否かは、排版容器40の位置を検知するセンサ等の出力信号に基づいて判断することができる。
【0046】
図11に示すように、排版容器40が着脱される孔版印刷装置の本体には、L字形の取り付け板47が、その角部において軸48を介して回動自在に取り付けられている。取り付け板47の一端部には排版圧板スイッチ46が設けられている。軸48に設けられたねじりコイルばね48aは、前記取り付け板47の一端部に設けられた排版圧板スイッチ46を上方に付勢している。排版圧板3に設けられた突起49は、排版圧板3を閉止した時、所定位置に設定された排版圧板スイッチ46のアクチュエータを直接押す。排版容器40のガイド42は、排版容器40を孔版印刷装置に取り付けた時、前記取り付け板47の他端部を押圧して該取り付け板47をばね48aの排版圧板スイッチへの付勢方向に回動させ、排版圧板スイッチ46を前記所定位置に設定する。従って、排版圧板スイッチ46は、排版圧板3の開閉と排版容器40の着脱の状態の両方を検知することができる。換言すれば、排版容器40が装着されると共に排版圧板3が閉止されなければ、排版圧板スイッチ46はONとならない。
【0047】
図6に示すように、排版容器40内には複数条(本実施例では9条)のリブ43が設けられている。リブ43は前記圧縮板50のかき寄せリブ51と干渉しない位置に形成されている。リブ43は、排版容器40内に収容した原紙Sが広い面積で排版容器40の周壁40aに貼着するのを防止し、前記圧縮板50による原紙Sの搬送・圧縮を円滑に行わせる機能を有する。排版容器40を孔版印刷装置に着脱する際に、排版容器40が前記搬送装置2と干渉しないよう、排版容器40の周壁40aの上部には切り欠き部44が設けられている。
【0048】
図2に示すように、排版容器40を孔版印刷装置に装着した場合、前記搬送装置2の下流側の一部は、前記排版容器40の開口部40bの前端部に位置する。前記搬送装置2の下流側の一部には、下第2プーリ30、これを保持している支持部27b,28b、上第3プーリ15及びベルト16,31が含まれる。そしてこれらの部材が位置する排版容器40の開口部40bの前端部は、圧縮板50の先端が通過する位置でもある。従って、これら支持部27b,28b等を含む搬送方向の下流側の搬送装置2の一部は、排版容器40内に収納した原紙Sが開口部40bから排版容器40外に戻ってしまうことを防止する押さえ手段となる。
【0049】
即ち、圧縮板50は排版容器40内で原紙Sを圧縮した後、ホームポジションに戻る。この時、圧縮板50に付着した原紙が圧縮板50と共に排版容器40の外に持ち出されてしまうことが考えられる。しかしながら本実施例では、圧縮板50の先端部が出入りする排版容器40の開口部40bの前端部に近接して、搬送装置2の一部を配置した。この搬送装置2の一部は、圧縮板50の先端部には干渉しないが、原紙Sを押さえて排版容器40内に止まらせることができる。
【0050】
図2に示すように、前記構造体5の垂直面には反射型のマスターセンサ32が設けられている。マスターセンサ32は、版胴101の外周面に原紙Sが装着されているか否かを検出する。
【0051】
次に本孔版印刷装置の排版装置1における排版動作について説明する。
排版動作は、製版ボタンが押下されたとき、または、機密処理(未製版の原紙を版胴101に巻き付ける処理)ボタンが押下されたときに開始される。例えば、原稿台に所望の原稿をセットし、図示しないスタートボタンを押下すると、まず、図1にて反時計周りに版胴101が回転する。その途上、図2に示す前記マスターセンサ32が版胴101の外周面上の原紙Sの有無を検出する。
【0052】
“原紙あり”(つまり排版すべき原紙が巻き付けられている)と判断された後、原紙係止部102が版胴101の最頂部に来たところで版胴101の回転が停止する。次に、原紙係止部102が開き、原紙Sの先端部が開放される。
【0053】
原紙Sの開放と同時に上第2回転軸13又は下第1回転軸21が不図示の駆動手段により駆動され、搬送装置2全体が原紙搬送方向に駆動を開始する。その際、上第1プーリ12及び上第1プーリ12に掛け渡されたベルト17により、係止を解かれた原紙Sがカールして先端部が過剰に浮き上がるのが補正される。
【0054】
版胴101が反時計方向に回転する。先端部の浮き上がった原紙Sは分離爪23に案内されて搬送装置2に送られる。原紙Sは搬送装置2によって排版容器40の方向に送られ、版胴101から引き剥がされていく。原紙係止部102が着排版位置から約90度回転した時点で、前記マスターセンサ32は再度原紙の有無を確認する。ここで、“原紙なし”であれば、原紙が搬送装置2へ送られたと判断する。“原紙あり”ならば、版胴101を更に270度(つまり着排版位置まで)回転させ、排版ミスを報知する。それと同時に搬送装置2の駆動も停止する。
【0055】
剥ぎ取られた原紙Sは、搬送装置によって搬送される。図4に示すように、原紙Sは、実質的には上下から複数のプーリによって挟持されており、ベルトは搬送の案内として作用する。
【0056】
図2に示すように、板部材26の上方において、ジャム検知センサ45が排版圧板3に取り付けられている。このジャム検知センサ45は、原紙Sの搬送経路に設けられたアクチュエータによって作動する。本実施例のジャム検知センサ45は、板部材26の長手方向の中央部の上方に設けられているが、その設置位置はこれに限定されない。そのアクチュエータが原紙Sの搬送経路内に位置するように設けられていれば、どの位置に設けられていてもよい。搬送されてきた原紙Sの先端によりジャム検知センサ45がONし、原紙Sが通過している間はONの状態となる。一版分が全て排版容器40内に送り込まれると、ジャム検知センサ45はOFFとなる。
【0057】
版胴101が前回の着排版位置から90度回転するまでの間にマスターセンサ32が“原紙なし”(原紙Sが搬送装置に送り込まれた状態)を検知し、かつ、版胴101がそこから270度回転した次の着排版位置の時点で前記ジャム検知センサ45がOFF(原紙Sが排版容器40に収納された状態)となっている時、原紙Sの圧縮動作に入る。
【0058】
圧縮板50は、原紙Sが排版容器40内に入るまではホームポジションに位置する。図2に示すように、突起35は満タンセンサ38を遮断(ON)せず、検知板37は圧縮センサ39を遮断(ON)しない位置にある。
【0059】
圧縮板50は軸34の周りを、図2において時計方向に回動する。圧縮板50は排版容器40の内面に沿って移動し、内部に収納した原紙Sを確実に圧縮して排版容器40の後方に送る。図8は、圧縮板50が排版容器40内で原紙Sを圧縮している状態を示す。圧縮板50が排版容器40内で原紙Sを圧縮している時、図8に示すように検知板37は圧縮センサ39を遮断(ON)する。
【0060】
圧縮板50は、図8に示す位置からさらに回動し、原紙Sをさらに圧縮する。圧縮板50のかき寄せリブ51は、圧縮された原紙Sを排版容器40内で上方の軸34に向けてかき上げる。圧縮板50が図9に示す所定の位置に来た時、検知板37は圧縮センサ39の位置を外れ、圧縮センサ39はOFFとなる。図9は、圧縮板50が排版容器40内で原紙Sを圧縮しうる限界の状態を示す。圧縮センサ39がOFFとなった時、圧縮板50の回動は停止する。
【0061】
軸34に連結された図示しないモータが逆転し、圧縮板50を圧縮方向と逆の方向に回動する。検知板37は圧縮センサ39を再びONとした後、さらに回動して再び圧縮センサ39をOFFとする。ここで圧縮板50は図2に示すホームポジションに戻る。圧縮センサ39がOFFとなった後、所定時間が経過するのを待って圧縮板50の回動を停止させる。圧縮センサ39がOFFとなった直後に圧縮板50を停止させないのは、孔版印刷装置の振動等によって圧縮センサ39がONになってしまうと、初期設定時に圧縮板50の位置を確認するのに時間がかかってしまうためである。
【0062】
排版容器40内に収納された原紙Sの量が増加し、満タンになると、圧縮板50が原紙Sを押し込んでもそれ以上移動しなくなる。この場合は、図10に示すように、モータによって駆動される軸34が回動し、軸34に固定された検知板37が軸34と共に回動して圧縮センサ39を通過しても、圧縮板50は満杯になった原紙Sによって進路を妨げられ移動できない。従って圧縮板50と一体の突起35も回動できず、該突起35は満タンセンサ38をONとすることができない。このように、圧縮動作時において満タンセンサ38がONとなる前に圧縮センサ39がOFFとなった場合には、“排版容器満杯”と判断される。
【0063】
“排版容器満杯”が検出されると、“排版オーバー”の表示が図示しない操作パネルにLED等により表される。図11(a)に示すように、排版圧板3が閉じられ、排版容器40が孔版印刷装置に取り付けられている状態では、取り付け板47はガイド42に押されており、排版圧板スイッチ46は所定位置に設定されている。この位置で、排版圧板スイッチ46は排版圧板3の突起49によってONとされている。図11(b)に示すように、排版容器40を孔版印刷装置から取り外すと、取り付け板47が軸48の周りを時計方向に回動するので、排版圧板スイッチ46は突起49から離れてOFFとなる。次に、排版容器40内の原紙Sを捨て、空になった排版容器40を孔版印刷装置に装着する。なお、前述のように排版圧板スイッチ46は、排版圧板3が閉止されると共に排版容器40が孔版印刷装置に装着されていなければONにならない。排版圧板スイッチ46が切れてから再び入るまでに所定時間以上が経過した時、原紙Sが排版容器40から捨てられたものとみなし、上記の“排版オーバー”表示を停止させる。なお、そのとき排版圧板スイッチ46がONしたのを検知して、再度圧縮板50を下げ排版処理後の確認を行えば、万が一版が捨てられておらず、排版満タンの状態で次の排版が行われても排版装置がジャムすることがない。
【0064】
次に、本孔版印刷装置に電源を投入した時、圧縮板50の位置を検出する手順について説明する。電源投入時、圧縮板50が存在する位置は、▲1▼ホームポジション(図2)、▲2▼最大圧縮位置(図9)、▲3▼▲1▼と▲2▼の中間位置(図8)の3つの位置のいずれかであると考えられる。
【0065】
図2に示す▲1▼の場合は、電源投入時、圧縮センサ39はOFFである。まず、図示しないモータにて圧縮板50を図2にて時計方向に回転させ、圧縮センサ39がONとなった後に停止させ、さらにモータを逆回転させて圧縮センサ39がOFFした後所定時間(50ms)経過してからモータを停止させる。
【0066】
図9に示す▲2▼の場合も、圧縮センサ39はOFFである。検知板37の時計方向後端が圧縮センサ39の下方に外れている。まず、図示しないモータで圧縮板50を図9にて時計方向に回転させる。所定時間(360ms)経過して圧縮センサ39がONとならない場合にモータを停止させ、さらにモータを逆転する。圧縮センサ39がONになったことを確認し、さらに圧縮センサ39がOFFになるまで同方向に駆動する。圧縮センサ39がOFFになった後は、▲1▼の場合と同様に所定時間後に停止させる。
【0067】
図8に示す▲3▼の場合は、圧縮センサ39はONである。圧縮センサ39がOFFとなるまで圧縮板50を時計方向に回し、圧縮センサ39がOFFとなったら圧縮板50の駆動を停止する。その後逆転して圧縮センサ39が再びOFFとなった後は、▲1▼の場合と同様に所定時間後に停止させる。
【0068】
上記実施例では、原紙S搬送方向の下流側にある下第2プーリ30を支持する支持部27b,28bを、原紙Sの戻りを押さえる押さえ部材としていたが、支持部27b,28bとは別体の押さえ部材を設けてもよい。その場合、押さえ部材は圧縮板50のかき寄せリブ51と干渉しない位置に設ける必要がある。また、押さえ部材が搬送される原紙Sに抵抗を与えないように、押さえ部材の上面が支持部27b,28bの上面よりも下にくるようにする。また、押さえ部材の下面は、ベルトの回動により原紙の巻き込み等を起こさないよう、ベルトよりも下にくるようにする。
【0069】
上記実施例では、下第2プーリ30を支持する支持部27b,28bを含む搬送装置2の一部を、原紙Sの戻りを押さえる押さえ部材としていた。図7に示すように、排版容器40の開口部40bの前端に近接した排版容器40の周壁40aの内面側に、押さえ手段として爪状の突起55を設けてもよい。この突起55は、圧縮板50のかき寄せリブ51と干渉しない位置に設ける必要がある。この突起55によっても、圧縮板50を排版容器40から戻す際に原紙Sを排版容器40内に止まらせる効果が得られる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、圧縮手段の移動する範囲が排版収納部の収納空間に実質的に一致しているので、排版収納部に収納した原紙を確実に圧縮することができる。また、圧縮手段に設けた突起が排版収納部内で原紙を所定の方向に集めるので、前記圧縮はさらに確実になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
一実施例の排版装置を有する孔版印刷装置の全体図。
【図2】
一実施例の排版装置の断面図。
【図3】
一実施例の排版装置を上方から見た図。
【図4】
一実施例の排版装置を版胴側から見た図。
【図5】
一実施例の排版装置における圧縮板の軸付近の拡大図であり、図3の上方側から見た図。
【図6】
一実施例の排版装置の排版容器を上方から見た図。
【図7】
一実施例の排版装置の排版箱を脱着方向に垂直な方向から見た図。
【図8】
一実施例の排版装置の動作説明図。
【図9】
一実施例の排版装置の動作説明図。
【図10】
一実施例の排版装置の動作説明図。
【図11】
一実施例の排版装置において排版容器の着脱動作を説明する部分拡大図。
【図12】
従来の排版装置を示す図。
【図13】
従来の排版装置を示す図。
【符号の説明】
1 排版装置
10,20 搬送手段
2 搬送装置
27a,28b 押さえ手段としての支持部
34 圧縮板の軸
40 排版収納部としての排版容器
40a 排版容器の周壁
40b 排版容器の開口部
50 圧縮手段としての圧縮板
51 圧縮板の突起
55 押さえ手段としての突起
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-03-11 
出願番号 特願平6-285154
審決分類 P 1 651・ 121- YA (B41L)
最終処分 維持  
特許庁審判長 小沢 和英
特許庁審判官 藤井 靖子
番場 得造
登録日 2003-07-04 
登録番号 特許第3447398号(P3447398)
権利者 理想科学工業株式会社
発明の名称 排版装置  
代理人 鈴木 典行  
代理人 鈴木 典行  
代理人 西村 教光  
代理人 西村 教光  

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