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審決分類 審判 全部無効 1項3号刊行物記載 訂正を認める。無効としない F16K
審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効としない F16K
審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備 訂正を認める。無効としない F16K
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 訂正を認める。無効としない F16K
管理番号 1118564
審判番号 無効2003-35475  
総通号数 68 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2003-02-07 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-11-19 
確定日 2005-04-25 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3408806号発明「縁切り装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第3408806号の請求項1〜8に係る発明についての出願は、平成11年4月22日に出願した特願平11-115523号の一部を平成14年6月10日に特許法第44条第1項に規定される新たな特許出願としたものであって、平成15年3月14日にその発明について特許の設定登録(請求項の数:8)がされたものである。
これに対して、表記の審判請求人より全請求項について特許無効の審判請求があった。

平成15年11月18日 無効審判請求(全請求項)
平成16年 3月26日 答弁書・訂正請求書
(この訂正請求書は、後日取下げ)
平成16年 7月 8日 口頭審理
平成16年 7月22日 無効理由通知
平成16年 8月25日 意見書・訂正請求書
平成16年11月12日 職権審理結果通知書
平成16年12月20日 意見書・弁駁書

第2 請求人が求めた特許無効審判の概要
無効審判請求人は、無効とすべき理由として以下の<無効理由1>乃至<無効理由4>を挙げ、本件特許は、特許法第123条第1項第4号及び第2号に該当し、無効とすべきものである旨を主張している。
<無効理由1>
本件特許請求の範囲には、特許を受けようとする発明が明確に記載されておらず、本件特許は、特許法第36条第6項第2号に規定された要件を具備しない特許出願に付与されたものである。
<無効理由2>
本件明細書の発明の詳細な説明には、当業者が容易に発明の実施をすることができる程度に、当該発明の構成及び効果が記載されておらず、本件特許は、特許法第36条第4項に規定された要件を具備しない特許出願に付与されたものである。
<無効理由3>
本件請求項1〜8に係る各特許発明は、甲第5〜8号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
<無効理由4>
本件請求項1〜8に係る各特許発明は、特許法第44条第1項の規定に違反(分割要件違反)してなされた分割出願に基づき特許されたものであり、その出願日が現実の出願日まで繰り下がる結果、その現実の出願前に出願公開されて頒布された刊行物である甲第7号証(甲第9号証の誤記)に記載された発明であるか、又は、同号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項又は同条第2項の規定により特許を受けることができない。

第3 被請求人の求める訂正
被請求人(特許権者)は、平成16年8月25日付けで訂正請求書を提出して訂正することを求めた。当該訂正の内容は、訂正請求書に添付した訂正明細書に記載された以下のとおりである。
(訂正事項a)
特許請求の範囲の請求項1において、「前記排水口の排水・非排水を切り換えるための弁パッキンを、前記ピストンの一端であって前記接続部の側のピストン一端側に有する弁と」を「前記排水口の排水・非排水を切り換えるために、前記接続部と、この接続部に対して前記ピストンの往復移動により当接・離反する前記ピストンの一端であって前記接続部の側のピストン一端側に設けられた弁パッキンとから構成される弁と」と訂正する。
(訂正事項b)
特許請求の範囲の請求項1において、「給水源配管から給水圧を受けるよう前記ボディに組み込まれた受圧部とを備え」を「給水源配管から給水圧を受けるよう前記ピストンの他端の側に固定配置されて前記ボディに組み込まれた受圧部とを備え」と訂正する。
(訂正事項c)
特許請求の範囲の請求項1において、「前記ボディに組み込まれた受圧部」を「前記ボディに組み込まれたダイアフラムである受圧部」と訂正する。
(訂正事項d)
特許請求の範囲の請求項1において、「前記接続部のピストン側の部分、ピストン及び受圧部は、同軸上に配置され、」を追加する。
(訂正事項e)
特許請求の範囲の請求項1において、「前記受圧部は、前記給水圧に基づく力を前記ピストンの他端の側から前記ピストンに作用させて、前記ピストンを前記排水口の非排水の側へ移動させ」を「前記受圧部は、前記給水圧に基づく力を前記ピストンの他端の側から前記ピストンに作用させて、前記ピストンを前記排水口の非排水の側へ移動させ、且つ、前記弁バッキンが前記接続部に当接しているとき、前記逆流水の圧力に基づく力が前記受圧部に直接的に作用しないようになっており」と訂正する。
(訂正事項f)
特許請求の範囲の請求項2及び本件特許明細書の段落【0005】において、「略同一」を「同一」とそれぞれ訂正する。
(訂正事項g)
特許請求の範囲の請求項5において、「前記ボディ」を「前記ボディと前記ピストンの間に」と訂正する。
(訂正事項h)
特許請求の範囲の請求項7、請求項8及び本件特許明細書の段落【0008】において、「ふろ水給水用の経路」を「お湯はり経路」とそれぞれ訂正する。

第4 訂正の適否について
(訂正事項a)について
訂正事項aは、特許請求の範囲の請求項1において、「弁」が「接続部」と「弁パッキン」とから構成されたものであることを規定したものであり、弁の構成がより限定されたものとなっている。
この訂正は、第1の実施例である「縁切り装置」の構成図(断面図)である図1に示されているものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正である。
(訂正事項b)について
訂正事項bは、特許請求の範囲の請求項1において、「給水源配管から給水圧を受けるよう前記ボディに組み込まれた受圧部とを備え」を「給水源配管から給水圧を受けるよう前記ピストンの他端の側に固定配置されて前記ボディに組み込まれた受圧部とを備え」と訂正するものであり、「受圧部」がより限定されたものとなっている。
この訂正は、本件特許明細書の段落【0015】における「ピストン5と受圧部6をネジ9及びナット11で固定し」との記載及び図3に示された縁切り装置の構造が示す事項の範囲内のものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正である。
(訂正事項c)について
訂正事項cは、特許請求の範囲の請求項1において、「受圧部」が「ダイアフラム」であることを規定したものであり、受圧部がダイアフラムに限定されたものとなっている。
この訂正は、本件特許明細書の段落【0011】における「本図において受圧部6はダイアフラムを用いた形状としている」との記載に基づくものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正である。
(訂正事項d)について
訂正事項dは、特許請求の範囲の請求項1において、「接続部のピストン側の部分」、「ピストン」及び「受圧部」が同軸上に配置されていることを規定したものであり、接続部、ピストン及び受圧部の配置関係が限定されたものとなっている。
この訂正は、縁切り装置の実施例である図1及び図13に示された縁切り装置の断面構成に基づくものであり、また、本件特許明細書の段落【0010】に「図1は、・・・第1の実施例を示す構成図であり、・・・縁切りしたい水の配管位置を給水源配管に対し同軸上に配置し・・・」と記載されていることからも明らかであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正である。
(訂正事項e)について
訂正事項eは、特許請求の範囲の請求項1において、「受圧部」が「弁パッキンが接続部に当接しているとき、逆流水の圧力に基づく力が受圧部に直接的に作用しないようになっている」とする構成を規定したものであり、受圧部の構成が限定されたものとなっている。
この訂正は、縁切り装置の実施例である図1及び図7に示された縁切り装置の構成(断面形状)に基づくものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正である。
(訂正事項f)について
訂正事項fは、特許請求の範囲の請求項2及び本件特許明細書の段落【0005】において、「略同一」を「同一」とそれぞれ訂正するものである。
この訂正は、本件特許明細書の段落【0011】における「バッキン8の有効径と受圧部の有効径を同じにする」との記載に基づくものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とした訂正である。
(訂正事項g)について
訂正事項gは、特許請求の範囲の請求項5において、「前記ボディ」を「前記ボディと前記ピストンの間に」と訂正するものである。
この訂正は、本件特許明細書の段落【0010】における「開弁付勢処置であるバネ7が受圧部側に受ける力ベクトルに対向するように配置されている。」との記載及び図1に示されたバネ7の配置構造に基づくものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とした訂正である。
(訂正事項h)について
訂正事項hは、特許請求の範囲の請求項7、請求項8及び本件特許明細書の段落【0008】において、「ふろ水給水用の経路」を「お湯はり経路」とそれぞれ訂正するものである。
この訂正は、本件特許明細書の段落【0026】における「給湯21側からお湯はり経路を分岐し、電磁弁22後に本発明の縁切り装置23を取り付けその後に逆支弁24が取り付く。」との記載及び図14に基づくものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とした訂正である。

そして、これらの訂正事項a〜hの訂正によって、実質的に特許請求の範囲が拡張するものでも、変更するものでもない。

第5 訂正の容認
以上のとおり、前記訂正事項a〜hによる各訂正は、平成15年改正前の特許法第134条第2項に掲げる事項を目的とし、同条第5項で準用する第126条第2項及び第3項に規定する要件に適合するので、当該訂正を認める。

第6 訂正後の本件特許発明
前述のとおり、平成16年8月25日付け訂正請求は認められたので、本件特許の請求項1〜8に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜8に記載された事項によって特定される、次のとおりのものと認める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆流水を排水することで逆流を縁切りし、逆流防止を図る縁切り装置であって、
前記逆流水が入り込む縁切り装置配管の側の接続部と前記逆流水を排水する排水口とを有するボディと、
該ボディの内部に往復移動可能に配置されたピストンと、
前記排水口の排水・非排水を切り換えるために、前記接続部と、この接続部に対して前記ピストンの往復移動により当接・離反する前記ピストンの一端であって前記接続部の側のピストン一端側に設けられた弁パッキンとから構成される弁と、
給水源配管から給水圧を受けるよう前記ピストンの他端の側に固定配置されて前記ボディに組み込まれたダイアフラムである受圧部とを備え、
前記接続部のピストン側の部分、ピストン及び受圧部は、同軸上に配置され、 前記弁は、前記接続部からの前記逆流水の圧力に基づく力を受けて前記ピストンを前記排水口の排水の側へ移動させ、
前記受圧部は、前記給水圧に基づく力を前記ピストンの他端の側から前記ピストンに作用させて、前記ピストンを前記排水口の非排水の側へ移動させ、且つ、前記弁パッキンが前記接続部に当接しているとき、前記逆流水の圧力に基づく力が前記受圧部に直接的に作用しないようになっており、 前記ピストンは、該ピストンを挟んで対向して受ける前記逆流水圧力と前記給水圧に基づく力のバランスに基づいて前記ボディ内で移動し、前記弁の前記弁パッキンによる前記逆流水の排水口への排水と非排水を切換える
ことを特徴とする縁切り装置。
(請求項1に係る発明を、以下、「本件特許発明」という)
【請求項2】
請求項1記載の縁切り装置であって、前記受圧部が前記給水圧を受ける有効径と、前記ピストン一端側の前記弁パッキンの有効径とは、同一とされている、縁切り装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の縁切り装置であって、前記弁は、前記弁パッキンの外周に弁パッキンを取り囲む壁を有する、縁切り装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3いずれか記載の縁切り装置であって、前記ボディは、前記接続部を2方向に分かれるようにして有し、前記ピストンは、前記2方向の接続部からの前記逆流水圧力に基づく力を前記ピストン一端側から受ける、縁切り装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4いずれか記載の縁切り装置であって、前記ボディと前記ピストンの間には、前記受圧部からの前記給水圧に基づく力に対向するように前記ピストンを付勢する付勢手段を有する、縁切り装置。
【請求項6】
請求項5記載の縁切り装置であって、前記付勢手段は、バネである、縁切り装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5いずれか記載の縁切り装置であって、お湯はり経路に用いられ、ふろ水が前記逆流水として逆流すると、前記ピストンは、該逆流したふろ水の圧力に基づく力と前記給水圧に基づく力に基づいて、前記弁による前記逆流水の排出口への排水と非排水を図る、縁切り装置。
【請求項8】
給湯機であって、お湯はり経路に請求項1ないし請求項7いずれか記載の縁切り装置を有する、給湯機。

第7 無効理由の検討
<無効理由1>に対して
請求人は、請求書10頁5行〜11頁16行において、図2に示された第2実施例について言及し、<無効理由1>において、第2実施例が請求項1に記載された技術事項によって特定される本件特許発明の実施例に含まれることを前提とした主張を行っている。
しかしながら、訂正後の本件特許発明と発明の詳細な説明に記載された実施例との関係を整理すると、本件特許明細書には、図1には縁切り装置の第1実施例が記載され、図2には第2実施例が記載されており、訂正後の請求項1の「接続部のピストン側の部分、ピストン及び受圧部は、同軸上に配置され」の記載によれば、接続部のピストン側の部分、ピストン及び受圧部の3者の配置関係は同軸上であり、しかも、「排水口の排水・非排水を切り換えるために、接続部と、この接続部に対してピストンの往復移動により当接・離反するピストンの一端であって接続部の側のピストン一端側に設けられた弁パッキンとから構成される弁」の記載によれば、弁は、接続部と接続部の側のピストン一端側に設けられた弁パッキンとで構成されているのであるから、これらの構成を備えたものは図1に示された第1実施例しかなく、図2に示された第2実施例はこれらの構成を備えていないので、第2実施例は本件特許発明の実施例に含まれない(本件特許発明から除外される)ことは明らかである。
なお、接続部及び排水口の部位を明らかにするために、本件特許明細書の図1,2に対してA(接続部)及びB(排水口)の符号を付したものが平成14年12月26日付け意見書(甲第4号証)において説明されている。そして、この説明は妥当なものであるといえる。

本来、特許請求の範囲に記載された技術事項とは別の実施例を明細書に記載することは好ましいことではないが、訂正後の本件特許発明の構成によれば、前述したとおり第2実施例が含まれないのは明らかとなり、特許請求の範囲が明確になったので、請求人の<無効理由1>の中での前記主張は理由がないものとなった。
また、その他の主張についても理由のないものである。

したがって、訂正後の請求項1の記載は明確となったので、特許法第36条第6項第2号の規定に違反するものではない。また、請求項1を直接的又は間接的に引用している請求項2〜8も、請求項1の記載が明確になった以上、特許法第36条第6項第2号の規定に違反するものではない。

<無効理由2>に対して
請求人は、請求項1に記載の「縁切り装置配管」及び「給水源配管」が不明確である旨を指摘している。
しかしながら、これに関しては、本件特許明細書の記載及び当業者の認識から明瞭であり、請求人の主張は理由のないものである。
また、請求人は、本件特許発明の縁切り装置を給湯機に使用する場合に、これを給湯機に対し如何に接続し如何に使用するかを当業者は全く予想もできないか過度の試行錯誤と創作的活動を加えるしかないとも主張している。
しかしながら、縁切り装置を給湯機に使用する場合の一例が、本件特許明細書(甲第1号証)の段落【0002】に従来技術として示された「特開平7-103358号公報」(甲第5号証)に記載されている。従って、この甲第5号証から縁切り装置を給湯機に使用する場合、縁切り装置を給湯機に対し如何に接続し如何に使用するかは当業者であれば十分に認識し得ること(技術常識)である。この点に関しての請求人の前記主張も全く理由のないものである。
また、その他の主張についても理由のないものである。

したがって、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、当業者が容易に発明を実施することができる程度に当該発明の構成が記載されているものと認められ、請求人の主張する特許法第36条第4項でいう発明の詳細な説明の記載不備はない。

<無効理由4>に対して
(1)請求人は、請求項1に記載された構成要件である「縁切り装置配管の側の接続部」が原出願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、原出願の当初明細書等(甲第9号証参照)という)の記載事項の範囲外のものを含むため、新規事項を追加したものであると主張している。
しかしながら、原出願の当初明細書等の段落【0030】〜【0032】において、「縁切り装置配管接続部」との記載がなされている。また、「縁切り装置配管接続部」のうちの「接続部」に関しては、原出願の当初明細書等の段落【0030】及び【0031】において、それぞれ、「ボディ1の接続部15」(図11参照)及び「ボデイ1の接続部17」(図12参照)が記載されている。
一方、原出願の当初明細書等の段落【0002】に従来技術として「特開平7-103358号公報」(甲第5号証)が記載されているように、縁切り装置の基本構成は、当業者においては十分に認識されている技術常識ともいえるものである。例えば、甲第5号証の図1に示されている連絡水路13(上流側水路13a,下流側水路13b)が、本件特許発明でいう「縁切り装置配管」に相当する。従って、原出願の当初明細書等の記載及び技術常識に基づけば、本件特許明細書の「縁切り装置配管接続部」は、「縁切り装置配管の側のボディ1の接続部15,17」と理解されるものである。
それゆえ、前記構成要件の「縁切り装置配管の側の接続部」は、原出願の当初明細書等の記載から自明な事項と言えるものであり、新規事項には相当しない。
(2)請求人は、訂正前の請求項1に記載された構成要件である「給水源配管から給水圧を受けるよう前記ボディに組み込まれた受圧部」は、原出願の当初明細書等の記載事項の範囲外のものを含むと主張している。請求人は、この主張の根拠として、「受圧部」は全てピストンに固定する記載しか当初明細書等には含まれず、「受圧部」をピストンに固定しない態様は含まれていないことを理由としている。
この主張に対しては、平成16年8月25日付けの訂正請求書で前記構成要件を「給水源配管から給水圧を受けるよう前記ピストンの他端の側に固定配置されて前記ボディに組み込まれたダイアフラムである受圧部」と訂正した。
これにより、原出願の当初明細書等の記載事項の範囲外のものを含むとする請求人の主張する理由は根拠ないものとなった。
(3)請求人は、訂正前の請求項1に記載された構成要件である「前記ピストンは、該ピストンを挟んで対向して受ける前記逆流水圧力と前記給水圧に基づく力のバランスに基づいて前記ボディ内で移動し、前記弁の前記弁パッキンによる前記逆流水の排水口への排水と非排水を切換える」は、原出願の当初明細書等の記載事項の範囲外のものを含むと主張している。
原出願の当初明細書の請求項1には、「給水源の水圧と縁切りしたい水である逆流水の水圧との圧力バランスにより前記逆流水を排水し縁切りする装置において、前記逆流水を開放する弁をピストンの片端に配置し、他の片端に給水圧を受け力に変換させる受圧部を固定し、前記受圧部により変換された給水圧の力ベクトルと前記逆流水を開放する弁にかかるふろ側逆圧の力ベクトルを同軸上に設け、かつ、給水源配管の接続部と逆流水配管の接続部を同軸上に設けたことを特徴とする縁切り装置」が記載されている。
また、原出願の願書に最初に添付した図面中の図1には、実施例として縁切り装置の構成図(断面図)が記載され、開弁状態が図示されている。また、同じく図7には、実施例として縁切り装置の構成図(部分断面図)が記載され、閉弁状態が図示されている。
さらに、従来の縁切り装置の基本構造は、甲第5号証等により当業者に十分認識されている技術常識でもある。
これらのことから、前記構成要件は、原出願の当初明細書等の記載から自明な事項といえるものである。
(4)請求人は、訂正前の請求項2に記載された構成要件である「前記受圧部が前記給水圧を受ける有効径と、前記ピストン一端側の前記弁パッキンの有効径とは、略同一とされている」は、原出願の当初明細書等の記載事項の範囲外のものを含むと主張している。
この主張に対しては、平成16年8月25日付けの訂正請求書で前記構成要件を「前記受圧部が前記給水圧を受ける有効径と、前記ピストン一端側の前記弁パッキンの有効径とは、同一とされている」と訂正した。
これにより、原出願の当初明細書等の記載事項の範囲外のものを含むとする請求人の主張する理由は根拠ないものとなった。
(5)請求人は、訂正前の請求項5に記載された構成要件である「前記ボディは、前記受圧部からの前記給水圧に基づく力に対向するように前記ピストンを付勢する付勢手段を有する」は、原出願の当初明細書等の記載事項の範囲外のものを含むと主張している。
この主張に対しては、平成16年8月25日付けの訂正請求書で前記構成要件を「前記ボディと前記ピストンの間には、前記受圧部からの前記給水圧に基づく力に対向するように前記ピストンを付勢する付勢手段を有する」と訂正した。
請求人も指摘しているように、原出願の当初明細書の段落【0017】 に「開弁付勢処置であるバネ7が受圧部側に受ける力ベクトルに対向するように配置されている。図では開弁付勢処置をバネ7にしているが受圧部の復元力やゴム製品のように復元力を持つものを使用しても良い。」と記載されている。
この記載において、「開弁付勢処置」は、「開弁付勢装置」の誤りであり、また、この開弁付勢装置において、バネ7は、例示であり、さらに、バネ7以外でも、受圧部の復元力やゴム製品のように復元力を持つものを使用しても良い旨の記載がなされていることから、訂正された前記構成要件に規定された「付勢手段」は、原出願の当初明細書等に記載されているに等しい事項である。
(6)請求人は、訂正前の請求項7に記載された構成要件である「ふろ水給水用の経路」は、原出願の当初明細書等の記載事項の範囲外のものを含むと主張している。
この主張に対しては、被請求人は、平成16年8月25日付けの訂正請求書で前記構成要件を「お湯はり経路」と訂正した。
原出願の当初明細書の段落【0033】 に記載されている用語を用いたことにより原出願の当初明細書等の記載事項の範囲外のものを含むとする請求人の主張する理由は根拠のないものとなった。
(7)請求人は、訂正前の請求項8に記載された構成要件である「ふろ水給水用の経路」は、原出願の当初明細書等の記載事項の範囲外のものを含むと主張している。
この主張に対しても、同様に、被請求人は、構成要件を「お湯はり経路」と訂正した。
これにより、請求人の主張する理由は根拠のないものとなった。

以上のとおり、本件特許の出願は、適法になされた分割出願であって、その出願日は、原出願の出願日である平成11年4月22日に遡及されることとなり、請求人の主張する<無効理由4>は根拠のないものとなった。

<無効理由3>に対して
(1)甲号証刊行物
請求人が審判請求書で無効理由に提示した本件特許出願前に頒布された刊行物は、以下の甲第5号証〜甲第8号証である(甲第5号証〜甲第7号証については、当審における無効理由通知にも引用)。また、甲第10号証は、請求人が平成16年7月8日付けの口頭審理陳述要領書で提示した新たな証拠である。

[甲第6号証] 特開平11-22844号公報
[甲第7号証] 実願昭63-76626号(実開平1-180069号) のマイクロフィルム
[甲第5号証] 特開平7-103358号公報
[甲第8号証] 実公平7-20513号公報
[甲第10号証]特開昭58-140556号公報

[甲第6号証]
甲第6号証には、次の事項が記載されている。
(イ)「【発明の属する技術分野】本発明は、寒冷地で使用されるドレンバルブに減圧式逆流防止器としての性能を有せしめた、減圧式逆流防止型ドレンバルブに関する。」(段落0001)
(ロ)「【実施例】図例に本発明の1実施例を示しているが、1は弁箱であり、左端に流入口2、右端に流出口3を、下端に排水口4を設けている。一次室5と中間室6間に上向きの第1逆止弁座7を、・・・形成している。中間室6内に逃がし弁座12および二次側バイパス路13を設け、受圧室14と一次室5間に一次側バイパス路15を、中間室6と排水口4間に排水側バイパス路16を形成する。」(段落0014)
(ハ)「【0017】 中間室6内に収容される逃がし弁34には、逃がし弁座12を閉塞する逃がし駒パッキン35と、逃がし弁座12と同径の逃がし環状パッキン36を装着し、逃がし弁台座37に係止された逃がしバネ38により常に下向きの力を受けている。更に、ダイヤフラム押さえ39で弁箱1に締着されたダイヤフラム40により、一次圧を受ける受圧室14と二次圧を受ける中間室6に分離されている。」
(ニ)「【0018】 図は・・・、末端の蛇口を止めた停水状態を示しているが、この状態では一次室5、中間室6内の圧力P1、P2の関係は、P1-P2=35〜50KPa程度の大きな差圧を生じるように、・・・決めておく。このP1とP2の圧力差にダイヤフラム40の有効受圧面積を乗じた力により、逃がし弁34は、逃がしばね38を押圧し、逃がし駒パッキン35が逃がし弁座12に密着して排水口4側への漏水を止めた状態を保持しつつ、かつ、P2がP1より少なくとも14KPa低い状態では開弁し始めるよう、逃がしばね38の強度を決めておく。」
(ホ)「【0020】流出口3側の圧力が流入口2側の圧力よりも高くなる、いわゆる逆圧現象が発生したときには、・・・、P1とP2の圧力差が小さくなり、・・・、逃がし弁34は逃がしばね38に押圧されて逃がし駒パッキン35が逃がし弁座12から離脱し、逆流水を排水側バイパス路16から排水口4へと排出する。
【0022】本管工事等で断水し、一次室5側の圧力が大気圧以下に低下すると、流出口3下流側配管内の水が逆サイホン現象により一次室5側に逆流しようとするが、・・・、同時に逃がし弁34は逃がしばね38と負圧力により最大開口する。この時、第1逆止弁17の故障で漏れがあったような場合には、排水口4から空気を吸入して配管内の負圧を減少させる。」
(へ)「【0038】本実施例にあっては、ダイヤフラム40の大きさを適宜に選択すれば、・・・」
よって、図1と共に前記記載事項を参照すると、甲第6号証には、
「逆流水を排水することで逆流を縁切りし、逆流防止を図る減圧式逆流防止型ドレンバルブであって、前記逆流水が入り込む下流側配管の側の流出口3と前記逆流水を排出する排水口4とを有する弁箱1と、該弁箱1の内部に往復移動可能に配置された逃がし弁34と、前記排水口4の排水・非排水を切り換えるための逃がし駒パッキン35を、前記逃がし弁34の上端であって前記中間室6の側に有する逃がし弁34と、流入口2から一次側バイパス路15を通して一次圧P1を受けるよう前記逃がし弁34の下端の側に固定配置されて前記弁箱1に組み込まれた逃がし弁34と一体のダイヤフラム40とを備え、前記逃がし弁34は、前記流出口3からの前記逆流水の圧力P2に基づく力を受けて前記逃がし弁34を前記排水口4の排水の側へ移動させ、前記逃がし弁34と一体のダイヤフラム40は、前記一次圧P1に基づく力を前記逃がし弁34の下端の側から前記逃がし弁34に作用させて、前記逃がし弁34を前記排水口4の非排水の側に移動させ、前記逃がし弁34は、ダイヤフラム40の一方の面に作用する受圧室14内の一次圧P1(給水圧)とダイヤフラム40の他方の面及び該逃がし弁34に作用する逆流水の圧力P2(逆流水圧力)に基づく力のバランスに基づいて前記弁箱1内で移動し、前記逃がし弁34の前記逃がし駒パッキン35による前記逆流水の排水口4への排水と非排水を切換える減圧式逆流防止型ドレンバルブ。」
に関する発明(以下、「引用発明」という)が記載されているものと認められる。

[甲第7号証]
甲第7号証には、弁部材3がケーシング1内を移動し、それにより、通水時は、連通路7を開放し且つドレン路8を遮断し(第2図の状態)、一方、水流停止時は、連通路7を遮断し且つドレン路8を開放して(第1図の状態)逆流を防止するようにした逆流防止弁が開示されている。
甲第7号証に開示の逆流防止弁は、それ自身を介して1次側(給水側)から2次側(逆流水側)へ水が流れるようになっているが、本件特許発明の縁切り装置は、それ自身を介して1次側(給水側)から2次側(逆流水側)へ水が流れないようになっており、両者は、目的及び基本的構成において差異がある。

(2)対比、進歩性についての判断
本件特許発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「減圧式逆流防止型ドレンバルブ」は本件特許発明の「縁切り装置」に相当し、以下同様に、「下流側配管の側の流出口3」は「縁切り装置配管の側の接続部」に、「弁箱1」は「ボディ」に、「逃がし弁34」は「ピストン」に、「逃がし駒パッキン35」は「弁パッキン」に、「流入口2から一次側バイパス路15を通して一次圧P1を受ける」は「給水源配管から給水圧を受ける」に、「逃がし弁34と一体のダイヤフラム40」は「ダイアフラムである受圧部」に、それぞれ相当するので、両者は、
「逆流水を排水することで逆流を縁切りし、逆流防止を図る縁切り装置であって、前記逆流水が入り込む縁切り装置配管の側の接続部と前記逆流水を排出する排水口とを有するボディと、該ボディの内部に往復移動可能に配置されたピストンと、前記排水口の排水・非排水を切り換えるための弁パッキンを、前記ピストンの一端に有するピストン一端部と、給水源配管から給水圧を受けるよう前記ピストンの他端側に固定配置されて前記ボディに組み込まれたダイアフラムである受圧部とを備え、前記ピストンは、前記接続部からの前記逆流水の圧力に基づく力を受けて前記ピストンを前記排水口の排水の側へ移動させ、前記受圧部は、前記給水圧に基づく力を前記ピストンの他端の側から前記ピストンに作用させて、前記ピストンを前記排水口の非排水の側へ移動させ、前記ピストンは、前記ボディ内で移動し、前記ピストンの前記弁パッキンによる前記逆流水の排水口への排水と非排水を切換える縁切り装置。」
である点で一致し、以下の点で相違するものと認められる。

<相違点1>
本件特許発明では、接続部のピストン側の部分、ピストン及び受圧部が、同軸上に配置されており、しかも、排水口の排水・非排水を切り換えるための弁が、接続部と、この接続部に対してピストンの往復移動により当接・離反する弁パッキンとから構成されているのに対して、引用発明では、逃がし弁34(ピストン)とダイヤフラム40(受圧部)は同軸上に配置されているが、流出口3(接続部)は、逃がし弁34(ピストン)とダイヤフラム40(受圧部)に対し同軸上に配置されておらず、しかも、図1に示されているように、流出口3(接続部)が逃がし弁34(ピストン)及びパッキン35(弁パッキン)から中間室6を介して離間した位置に設けられており、それゆえ、弁が、弁箱1の部分(流出口3とは別の部分)と、この弁箱1の部分に対して逃がし弁34(ピストン)の往復移動により当接・離反するパッキン35(弁パッキン)とから構成されている点
<相違点2>
本件特許発明では、弁パッキンが接続部に当接しているとき、逆流水の圧力に基づく力が受圧部(ダイアフラム)に直接的に作用しないようになっているのに対して、引用発明では、パッキン35(弁パッキン)が弁箱1に当接しているとき、中間室6内の逆流水の圧力に基づく力が二次側バイパス路13を介してダイヤフラム40(受圧部)に直接的に作用するようになっている点
<相違点3>
本件特許発明では、ピストンが、ピストンを挟んで対向して受ける「逆流水圧力」と「給水圧」に基づく力のバランスに基づいてボディ内で移動し、弁の弁パッキンによる逆流水口への排水と非排水を切換えているのに対して、引用発明では、逃がし弁34(ピストン)が、「ダイヤフラム40の一方の面に作用する受圧室14内の圧力(給水圧)」と「ダイヤフラム40の他方の面及び逃がし弁34に作用する中間室6内の圧力(逆流水圧)」のバランスに基づいて弁箱1(ボディ)内で移動し、排水側バイパス路16(排水口)を開閉している点

前記相違点について検討する。
<相違点1>について
甲第7号証には、ケーシング1内を移動する弁部材3を有し、入口5、弁部材3(ピストン)及び出口6が同軸上に配置された逆流防止弁が開示されている。しかしながら、甲第7号証には、本件特許発明の重要な構成要件である「排水口の排水・非排水を切り換えるための弁が、接続部と、この接続部に対してピストンの往復移動により当接・離反する弁パッキンとから構成されている」とした構成は開示されていない。
そもそも、甲第7号証に記載の逆流防止弁は、本件特許発明の縁切り装置と目的及び基本構成が異なるので、甲第7号証に記載の逆流防止弁を引用発明に適用することには無理があり、この逆流防止弁を引用発明に仮に適用したとしても、前記<相違点1>に係る構成である、「同軸上に配置されている点」及び「弁が、接続部と、これに当接・離反する弁パッキンとから構成されている点」の2つの要件を同時に備えたものを得ることはできない。
一方、前記<相違点1>に係る構成、即ち、「同軸上に配置されている点」及び「弁が、接続部と、これに当接・離反する弁パッキンとから構成されている点」の2つの要件を同時に備えたものは、甲第5号証、甲第8号証及び甲第10号証のいずれの証拠にも記載されていないし、示唆されてもいない。また、斯かる構成は当該技術分野において当業者にとって自明な技術事項であるともいえない。

よって、本件特許発明の前記<相違点1>に係る構成を得ることは、当業者にとって容易であるとはいえない。

<相違点2>について
本件特許発明においては、弁パッキンが接続部に当接しているとき、逆流水の圧力に基づく力が受圧部に直接的に作用しないようになっている。よって、ダイアフラムに破損等があったとしても、受圧部(ダイアフラム)に液漏れが万一起きても、弁パッキンが接続部に当接しているので、逆流水が受圧部の液漏れ箇所から給水側に漏れ出るような事態は一切起きない(逆流水の漏洩回避)。さらに、受圧部(ダイアフラム)から漏れ出た水は、排水口から流れ出るので、その様子から液漏れを予見でき、速やかな保守が可能となる(ダイアフラムの液漏れ予見)。そして、こうした液漏れ予見のための構成も不要となり、縁切り装置が簡略化したものとなる。
これに対し、引用発明では、弁パッキンがボディの部分に当接しているときでも、ダイヤフラム40を挟んで、給水圧と逆流水圧が作用しているので、ダイヤフラムに液漏れが万一起きると、その漏れ箇所で給水と逆流水とが互いに接触することになる。しかも、この液漏れを予見することも出来ない。そのため、液漏れ予見のための構成が必要となる。
また、甲第7号証に開示されているものは、ダイアフラムである受圧部を備えていない逆流防止弁であるので、甲第7号証は、受圧部(ダイアフラム)の液漏れ回避及び液漏れの予見に関しては全く無関係なものである。
それゆえ、本件特許発明の<相違点2>に係る構成を引用発明及び甲第7号証の開示内容から得ることは困難であるといわざるを得ない。
一方、甲第5号証、甲第8号証及び甲第10号証にも、前記<相違点2>に係る構成を示唆するものはない。また、斯かる構成は当該技術分野においては当業者にとって自明な技術事項でもない。

<相違点3>について
本件特許発明においては、ピストンを挟んで「逆流水圧力」と「給水圧」に基づく力が作用するようになっており、さらに、上述した相違点2が存在するため、受圧部(ダイアフラム)に液漏れが万一起きても、逆流水の漏洩を回避することができ、さらに、受圧部(ダイアフラム)から漏れ出た水は、排水口から流れ出るので、その様子から液漏れを予見できる。
一方、引用発明では、ダイヤフラム40の一方の面に受圧室14内の圧力(給水圧)が作用し、ダイヤフラム40の他方の面に中間室6内の圧力(逆流水圧)が作用するようになっているので、相違点3で説明したように、ダイアフラムに液漏れが万一起きると、その漏れ箇所で給水と逆流水とが互いに接触することになる。しかも、この液漏れを予見することも出来ない。そのため、液漏れ予見のための構成が必要となる。
また、甲第7号証に開示されているものは、ダイアフラムである受圧部を備えていない逆流防止弁であるので、甲第7号証は、受圧部(ダイアフラム)の液漏れ回避及び液漏れの予見に関しては全く無関係なものである。
それゆえ、本件特許発明の<相違点3>に係る構成を引用発明及び甲第7号証の開示内容から得ることは困難である。
一方、甲第5号証、甲第8号証及び甲第10号証にも、この点の構成を示唆するものはなく、また、斯かる構成は当該技術分野においては当業者にとって自明な技術事項でもない。

そして、本件特許発明の構成としたことによって、引用発明、甲第7号証記載の技術事項、甲第5号証記載の技術事項及び甲第8,10号証記載の技術事項からは予測できない前述した「逆流水の漏洩回避」及び「ダイアフラムの破損による液漏れ予見」という顕著な効果が期待されるものと認められる。

したがって、本件特許発明は、引用発明及び甲第7号証記載の技術事項から当業者が容易に発明をすることができたものではないし、更に、甲第5号証記載の技術事項及び甲第8,10号証記載の技術事項を参酌したとしても当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)本件請求項2〜8に係る特許発明について
本件請求項2〜8に係る特許発明は、本件特許発明の縁切り装置の構成を全て含み、更に、その構成の一部を限定したものであるか又は縁切り装置の用途を特定したものであるから、本件特許発明が前述したとおり進歩性を有するものである以上、本件請求項2〜8に係る特許発明も本件特許発明と同様の理由により進歩性を有するものであるのは明らかである。

第8 請求人の主張
請求人は、弁駁書で「訂正事項a及び訂正事項dは、特許請求の範囲の減縮に該当するものではなく、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲外の事項である上に、実質上特許請求の範囲を変更(拡張)するものであり認められない。」また、「訂正事項eは、実質上特許請求の範囲を変更(拡張)するものであり認められない。」旨主張しているが、これらの訂正事項が不適法なものでないのは、「第4 訂正の適否について」のところで示したとおりである。
また、請求人は、被請求人が意見書にて主張している相違点1,2,4については、容易に想到し得ること、相違点3については作用効果が疑わしい旨の主張をしているが、「第7 無効理由の検討 <無効理由3>に対して」のところで示したように、結局のところ、本件特許発明における前記<相違点1>に係る構成である、即ち、同軸上に配置されている点及び弁が、接続部とこれに当接・離反する弁パッキンとから構成されている点の2つの要件を同時に備えたものを示唆するようなものが、請求人が提示したいずれの証拠にも存在しない以上、本件特許発明は容易に想到し得たものではなく、また、前述したような顕著な効果も期待されるものであるから、請求人の主張は採用することができない。

第9 むすび
以上のとおり、無効審判請求の理由及び提示した証拠によっては、本件請求項1〜8に係る発明の特許を無効とすることはできない。
また、本件請求項1〜8に係る発明の特許について、他に無効とすべき理由も発見しない。
本件審判に関する費用の負担については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
縁切り装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 逆流水を排水することで逆流を縁切りし、逆流防止を図る縁切り装置であって、
前記逆流水が入り込む縁切り装置配管の側の接続部と前記逆流水を排水する排水口とを有するボディと、
該ボディの内部に往復移動可能に配置されたピストンと、
前記排水口の排水・非排水を切り換えるために、前記接続部と、この接続部に対して前記ピストンの往復移動により当接・離反する前記ピストンの一端であって前記接続部の側のピストン一端側に設けられた弁パッキンとから構成される弁と、
給水源配管から給水圧を受けるよう前記ピストンの他端の側に固定配置されて前記ボディに組み込まれたダイアフラムである受圧部とを備え、
前記接続部のピストン側の部分、ピストン及び受圧部は、同軸上に配置され、
前記弁は、前記接続部からの前記逆流水の圧力に基づく力を受けて前記ピストンを前記排水口の排水の側へ移動させ、
前記受圧部は、前記給水圧に基づく力を前記ピストンの他端の側から前記ピストンに作用させて、前記ピストンを前記排水口の非排水の側へ移動させ、且つ、前記弁パッキンが前記接続部に当接しているとき、前記逆流水の圧力に基づく力が前記受圧部に直接的に作用しないようになっており、
前記ピストンは、該ピストンを挟んで対向して受ける前記逆流水圧力と前記給水圧に基づく力のバランスに基づいて前記ボディ内で移動し、前記弁の前記弁パッキンによる前記逆流水の排水口への排水と非排水を切換える
ことを特徴とする縁切り装置。
【請求項2】 請求項1記載の縁切り装置であって、
前記受圧部が前記給水圧を受ける有効径と、前記ピストン一端側の前記弁パッキンの有効径とは、同一とされている、縁切り装置。
【請求項3】 請求項1または請求項2記載の縁切り装置であって、
前記弁は、前記弁パッキンの外周に弁パッキンを取り囲む壁を有する、縁切り装置。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3いずれか記載の縁切り装置であって、
前記ボディは、前記接続部を2方向に分かれるようにして有し、
前記ピストンは、前記2方向の接続部からの前記逆流水圧力に基づく力を前記ピストン一端側から受ける、縁切り装置。
【請求項5】 請求項1ないし請求項4いずれか記載の縁切り装置であって、
前記ボディと前記ピストンの間には、前記受圧部からの前記給水圧に基づく力に対向するように前記ピストンを付勢する付勢手段を有する、縁切り装置。
【請求項6】 請求項5記載の縁切り装置であって、
前記付勢手段は、バネである、縁切り装置。
【請求項7】 請求項1ないし請求項5いずれか記載の縁切り装置であって、
お湯はり経路に用いられ、ふろ水が前記逆流水として逆流すると、前記ピストンは、該逆流したふろ水の圧力に基づく力と前記給水圧に基づく力に基づいて、前記弁による前記逆流水の排出口への排水と非排水を図る、縁切り装置。
【請求項8】 給湯機であって、
お湯はり経路に請求項1ないし請求項7いずれか記載の縁切り装置を有する、給湯機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は給湯機に使用する縁切り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記を目的とした縁切り装置として特開平7-103358号公報に記載の逆流防止装置があり図15に示す構造を有する。前記逆流防止装置においては、上流側水路と下流側水路間に装着した逆流防止室を大気に連通させる大気連通口100を備え、上流側水路と逆流防止室内の圧力差に基づき、大気連通口100を開閉する逆流防止装置において、一面を前記上流側水路の圧力に面し、他面を逆流防止室内の圧力に面する密閉面を設け、この密閉面の移動によって大気連通口100を開閉せしめ、また、前記大気連通口よりも大径で逆流防止室を大気に連通させる大気開放口101とを設け、逆流防止室内と大気の圧力差に基づき、前記大気開放口101を開閉せしめていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の形状では、部品点数が増え、又、形状が大きくなっていた。さらには、取付形状を特定していたためにふろの配管接続方法が単一化し、相手接続部の形状が複雑化していてしまい、コストも割高となり、また、給湯機に搭載したとき給湯機自体が大きくなったりするという問題があった。
従って、本発明の目的は、部品点数を少なくし,形状も小さく、低コストな縁切り装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】
上記課題を解決するため本発明の縁切り装置は、ボディの排水口をピストン一端側の弁の弁パッキンで排水・非排水とするに当たり、ボディ内で移動するピストンを挟んで、縁切り装置配管の側の接続部からの逆流水の圧力に基づく力と、受圧部からの給水圧に基づく力とを対向して作用させる。そして、ピストンは、この二つの力のバランスに基づいてボディ内で移動し、弁の弁パッキンによる排水口の排水と非排水の切り換えを図る。よって、こうした排水口の排水が起きれば、逆流水を排水口から排水して逆流水を縁切りする。従って、本発明の縁切り装置によれば、ボディ内でのピストンの移動を起こせば済み、部品点数の低減、小型化・低コスト化の利点がある。
【0005】
また、給水圧を受ける受圧部の有効径と、給水圧を受けるピストン一端側の弁パッキンの有効径とを同一とすることができる。こうすれば、既述したバランスに基づく縁切り性能のバラツキを小さくすることができる。
【0006】
また、弁パッキンの外周に弁パッキンを取り囲む壁を有するものとすることもできる。
【0007】
また、ボディを接続部を2方向に分かれるようにして有するものとし、この2方向の接続部からの逆流水圧力に基づく力をピストンにその一端側から受けるようにすることができる。こうすれば、給水配管の接続方法が簡素化される。
【0008】
また、お湯はり経路に用いれば、ふろ水の逆流防止効果があると共に、給湯機の大型化をもたらさないようにできる。
【0009】
また、ボディに、受圧部からの前記給水圧に基づく力に対向するようにピストンを付勢するバネ等の付勢手段を設けるようにできる。こうすれば、弁を排水口排水の側に付勢できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る縁切り装置の第1の実施例を示す構成図であり、開弁状態を図示している。
上記縁切り装置は、図示のように、縁切り装置逆流水側のボディ1と給水源側のボディ3を固定し、縁切りしたい水の配管位置を給水源配管に対し同軸上に配置し、又、排水口を給水源配管に対し直行する様に配置し、内部にピストン5を配置構成している。
そのピストン5のボディ1側にパッキン8をボディ3側に受圧部6をリテーナ4とネジ9とで固定配置し、パッキン8側に受ける力ベクトルと受圧部6側に受ける力ベクトルが、対向するように配置され、かつ開弁付勢処置であるバネ7が受圧部側に受ける力ベクトルに対向するように配置されている。図では開弁付勢処置をバネ7にしているが受圧部の復元力やゴム製品のように復元力を持つものを使用しても良い。
ピストン5に取り付けられているパッキン8の外周には壁を設けている。
又、ピストン5のボディ1側先端及びボディ1側には縁切り装置が水平方向に使われた場合でも大きな傾きを持たないようにガイドを設けている。
【0011】
本図においては受圧部6にダイアフラムを用いた形状としているが、受圧部の仕様である圧力を力ベクトルに変える機構で有れば使用でき、パッキン8の有効径と受圧部の有効径を同じにすることにより縁切り性能のバラツキを小さくすることができる。又、バネ7の位置をパッキン8の外周部に設けているがバネ7の力が受圧部6からの力ベクトルに対し対向するような仕様で有ればどの位置でも使用できる。又、ガイドも仕様であるピストン5の傾きを押さえる形状で有れば使用できる。又本図はボディ1とボディ2とを2つに分割しているが加工方法等により統一できる。
【0012】
図2は、縁切り装置の第2の実施例を示す構成図であり、開弁状態を図示している。
上記縁切り装置は、図示のように、縁切り装置逆流水側のボディ1と給水源側のボディ3を固定し、縁切りしたい水の配管位置を給水源配管に対し直行する様に配置し、又、排水口を給水源配管に対し同軸上に配置し、内部にピストン5を配置構成している。
【0013】
そのピストンのボディ1側にパッキン8をボディ3側に受圧部6を配置し、パッキン8側に受ける力ベクトルと受圧部6側に受ける力ベクトルが、対向するように配置され、かつ開弁付勢処置であるバネ7が受圧部側に受ける力ベクトルに対向するように配置されている。図では開弁付勢処置をバネ7にしているが受圧部の復元力やゴム製品のように復元力を持つものを使用しても良い。
又、ピストンのボディ1側先端及びボディ1側には縁切り装置が水平方向に使われた場合でも大きな傾きを持たない様にガイドを設けている。
ボディ1の接続部はOリング接続形状をしている。先端側溝にOリングを入れ次の溝に押さえ板を入れ相手配管に接続するが押さえ板をボディ1と一体にしても差し支えない。
【0014】
本図においては受圧部6にダイアフラムを用いた形状としているが、受圧部6の仕様である圧力を力ベクトルに変える機構で有れば使用でき、パッキン8の有効径と受圧部6の有効径を同じにすることにより縁切り性能のバラツキを小さくすることができる。又、バネ7の位置をパッキン8の外周部に設けているがバネ7の力が受圧部6からの力ベクトルに対し対向するような仕様で有れば使用できる。又、ガイドも仕様であるピストン5の傾きを押さえる形状で有れば使用できる。又本図はボディ1とボディ2とを2つに分割しているが加工方法等により統一できる。
【0015】
図3は、本発明の一実施形態に係る縁切り装置の給水源配管側の第1の実施例を示す構成図である。
ピストン5と受圧部6をネジ9及びナット11で固定し、ボディ3の内形状は受圧部6を介してピストン5のR部に当たるように隆起してストッパーとした形状を図示している。尚、本図は受圧部6にダイアフラムを使用し、ダイアフラムとナット11の間に平ワッシャ12を入れている。ネジ9及びナット11の取り付ける方向は指定しない。
【0016】
図4は、縁切り装置の給水源配管側の第2の実施例を示す構成図である。
ピストン5と受圧部6の固定をネジ9とピストン5で共締めし、ボディ3の内形状は受圧部6を介してピストン5のR部に当たるように隆起してストッパーとした形状を図示している。尚、本図は受圧部6にダイアフラムを使用し、ダイアフラムとネジ9の頭の間に平ワッシャ12を入れている。
【0017】
図5は、縁切り装置の給水源配管側の第3の実施例を示す構成図である。
ピストン5と受圧部6の固定をリベット13とピストン5で共締めし、ボディ3の内形状は受圧部6を介してピストン5のR部に当たるように隆起してストッパーとした形状を図示している。尚、本図は受圧部6にダイアフラムを使用し、センター線の下方にリベット形状図示し、センター線の上方にスナップヒット形状を図示している。
図6は、縁切り装置の給水源配管側の第4の実施例を示す構成図である。
【0018】
ピストン5と受圧部6をネジ9及びナット11で固定し、その受圧部6のピストン5と接し、可動部でない部分の肉厚を厚くした形状を図示している。尚、ピストン5と受圧部6の固定方法は図5、6と同じ固定方法も考えられる。
【0019】
図7は、本発明の一実施形態に係る縁切り装置逆流水側の第1の実施例を示す構成図である。
ピストン5にパッキン8を取り付けた形状を図示している。本図は閉弁状態の図でありピストン5のガイド付け根部分が閉弁時のストッパーとなる。
【0020】
図8は、縁切り装置逆流水側の第2の実施例を示す構成図である。
ピストン5にパッキン8を取り付けた形状を図示し、ボディ1側にシール用の凸部がリング上に配置されている。本図は開弁状態でありピストン5のガイド付け根部分、又は、パッキン8の外側壁が閉弁時のストッパーとなる。
【0021】
図9は、縁切り装置逆流水側の第3の実施例を示す構成図である。
ピストン5にパッキン8を取り付けた形状を図示した。本図は開弁状態でありピストン5のガイド付け根部分、又は、パッキン8の外側壁が閉弁時のストッパーとなる。
【0022】
図10は、縁切り装置逆流水側の第4の実施例を示す構成図である。
ピストン5に取り付けられるパッキン8をOリング14とした。本図は開弁状態でありピストン5のガイド付け根部分が閉弁時のストッパーとなる。
【0023】
図11は、本発明の一実施例としての縁切り装置配管接続部の第1の実施例を示す構成図である。
図16は、図11の接続部15の一部分を示す図である。
ボディ1の接続部15形状を凹形状のOリング接続形状としたものである。本図はビス止め形状16を示したものであり、図16のように、クイックファスナー止めの形状25でも良い。
【0024】
図12は、縁切り装置配管接続部の第2の実施例を示す構成図である。
ボディ1の接続部17形状を凹形状の平パッキン形状をしたもので溝の部分に平パッキンを挿入する。本図はビス止め形状を示したものであり、クイックファスナー止めの形状16でも良く、又、平パッキンを相手側に取り付け、ボディ1側を平形状にした接続形状でも良い。
【0025】
図13は、縁切り装置配管接続部の第3の実施例を示す構成図である。
ボディ1の接続部を2方向設け、片方をL字形状とした。本図は凹凸形状のOリング接続形状をそれぞれ設けた形状であり、凹凸形状のOリング接続形状が反対になっても又は平パッキンの接続形状でも良い。又、クイックファスナー止めの形状での良い。
【0026】
図14は、本発明の一実施例としての縁切り装置を給湯機に取り付けたときの構成図である。
給湯21側からお湯はり経路を分岐し、電磁弁22後に本発明の縁切り装置23を取り付けその後に逆止弁24が取り付く。尚、縁切り装置23は逆止弁の後でも良い。又本図はお湯はり機能付きのみの給湯機を図示しているが、お湯はり機能付きの遠隔追焚給湯機でも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施形態に係る縁切り装置の第1の実施例を示す構成図。
【図2】
縁切り装置の第2の実施例を示す構成図。
【図3】
本発明の一実施形態に係る縁切り装置の給水源配管側の第1の実施例を示す構成図。
【図4】
縁切り装置の給水源配管側の第2の実施例を示す構成図。
【図5】
縁切り装置の給水源配管側の第3の実施例を示す構成図。
【図6】
縁切り装置の給水源配管側の第4の実施例を示す構成図。
【図7】
本発明の一実施形態に係る縁切り装置逆流水側の第1の実施例を示す構成図。
【図8】
縁切り装置逆流水側の第2の実施例を示す構成図。
【図9】
縁切り装置逆流水側の第3の実施例を示す構成図。
【図10】
縁切り装置逆流水側の第4の実施例を示す構成図。
【図11】
本発明の一実施例としての縁切り装置配管接続部の第1の実施例を示す構成図。
【図12】
縁切り装置配管接続部の第2の実施例を示す構成図。
【図13】
縁切り装置配管接続部の第3の実施例を示す構成図。
【図14】
本発明の一実施例としての縁切り装置を給湯機に取り付けたときの構成図。
【図15】
従来の縁切り装置の構成図。
【図16】
図11の接続部15の一部分を示す図。
【符号の説明】
1、2、3…ボディ
4…リテーナ
5…ピストン
6…受圧部
7…バネ
8…パッキン
9…ネジ
11…ナット
12…平ワッシャ
13…リベット
14…Oリング
15…接続部
16…クイックファスナー時の形状
17…接続部
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2004-08-31 
結審通知日 2004-09-01 
審決日 2005-03-15 
出願番号 特願2002-168513(P2002-168513)
審決分類 P 1 112・ 537- YA (F16K)
P 1 112・ 536- YA (F16K)
P 1 112・ 121- YA (F16K)
P 1 112・ 113- YA (F16K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 渡邉 洋  
特許庁審判長 大野 覚美
特許庁審判官 鈴木 久雄
藤井 俊明
登録日 2003-03-14 
登録番号 特許第3408806号(P3408806)
発明の名称 縁切り装置  
代理人 渡邊 誠  
代理人 富岡 英次  
代理人 熊倉 禎男  
代理人 弟子丸 健  
代理人 弟子丸 健  
代理人 渡邊 誠  
代理人 熊倉 禎男  
代理人 富岡 英次  
代理人 小根田 一郎  

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