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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H01L
管理番号 1118567
審判番号 訂正2005-39041  
総通号数 68 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-08-05 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2005-03-08 
確定日 2005-05-09 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2888073号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2888073号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第2888073号発明(平成5年1月18日特許出願、平成11年2月19日設定登録)の明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、次の(1)ないし(3)のとおり訂正することを求めるものである。
(1)訂正事項a
請求項1の末語「熱圧着装置および熱圧着方法。」(特許公報第1欄第11〜12行)とあるのを、「熱圧着装置。」に訂正する。
(2)訂正事項b
請求項2の末語「熱圧着装置および熱圧着方法。」(特許公報第2欄第1〜2行)とあるのを、「熱圧着装置。」に訂正する。
(3)訂正事項c
請求項3の末語「熱圧着装置および熱圧着方法。」(特許公報第2欄第10〜11行)とあるのを、「熱圧着方法。」に訂正する。

2.当審の判断
(1)訂正の目的について
(1a)訂正事項aについて
この訂正は、請求項1における末語を「熱圧着装置」にしようとするものである。
そこで、まず、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載について検討する。産業上の利用分野として、「【0001】本発明は、タブデバイスのリードを表示パネルの電極に熱圧着するためのタブデバイスの熱圧着装置および熱圧着方法に関するものである。」と記載され、発明の目的として、「【0007】そこで本発明は、表示パネルがたわんでいても、複数個の熱圧着ヘッドにより、表示パネルが割れないように同時に複数個のタブデバイスを熱圧着することができるタブデバイスの熱圧着装置および熱圧着方法を提供することを目的とする。」と記載され、課題を解決するための手段として、「【0008】このために本発明のタブデバイスの熱圧着装置は、熱圧着ヘッドを複数個並設して各々の熱圧着子が同一直線上に位置するように配置し、且つ各々の押圧手段の駆動により各々の熱圧着子を個別に押圧動作させるようにしたものである。」と記載されている。
一方、特許請求の範囲の請求項1には、「タブデバイスが仮付けされた表示パネルを載置する台部と、前記タブデバイスのリードを前記表示パネルの電極に熱圧着する熱圧着ヘッドとを備え、この熱圧着ヘッドが、熱圧着子と、この熱圧着子を上下動作させて前記リードを前記電極に押圧する押圧手段と、この熱圧着子を加熱する加熱手段とを有し、前記熱圧着ヘッドを複数個並設して各々の熱圧着子が同一直線上に位置するように配置し、且つ各々の押圧手段の駆動により各々の熱圧着子を個別に押圧動作させるようにしたことを特徴とするタブデバイスの熱圧着装置および熱圧着方法。」と記載されている。
ここで、発明の詳細な説明の記載からは、本件発明は「熱圧着装置」と「熱圧着方法」の発明からなることが理解でき、又、課題を解決するための手段として、本発明のタブデバイスの熱圧着装置は、熱圧着ヘッドを複数個並設して各々の熱圧着子が同一直線上に位置するように配置し、且つ各々の押圧手段の駆動により各々の熱圧着子を個別に押圧動作させるようにした(段落【0008】)と、本発明の「熱圧着装置」に関し記載されている。そして、特許請求の範囲の請求項1の記載からも請求項1は、「台部」、「熱圧着ヘッド」とを備え、「熱圧着ヘッド」が「熱圧着子」と「押圧手段」と「加熱手段」とを有し、「熱圧着ヘッド」と「熱圧着子」との配置を、熱圧着ヘッドを複数個並設して各々の熱圧着子が同一直線上に位置するように配置しと特定し、且つ各々の押圧手段の駆動により各々の熱圧着子を個別に押圧動作させるようにした熱圧着装置の発明であると理解できる。
そうすると、請求項1の発明は、熱圧着装置の発明であって、発明のカテゴリーとして物の発明であると解するのが自然である。
よって、請求項1の末語に「熱圧着装置および熱圧着方法。」と2つの発明のカテゴリーが記載されているのは意味がなく、不明りょうな記載となっているから、この方法の発明のカテゴリーを削除する本訂正事項は、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正である。

(1b)訂正事項bについて
この訂正は、請求項2における末語を「熱圧着装置」にしようとするものである。
請求項2には、「前記押圧手段がエアシリンダであって、コンプレッサからこのエアシリンダに付与する空気圧を変えることにより前記熱圧着子の押圧力を変えるようにしたことを特徴とする請求項1記載のタブデバイスの熱圧着装置および熱圧着方法。」と記載されている。
ここで、請求項2は、請求項1を引用した発明であって、更に「押圧手段」を具体的に特定し、「熱圧着子の押圧力」を変える手段を具体的に特定している発明であることは明白である。そうすると、上記(1a)で述べたと同様、請求項2の発明は、熱圧着装置の発明であって、発明のカテゴリーとして物の発明であると解するのが自然である。
よって、請求項2の末語に「熱圧着装置および熱圧着方法。」と2つの発明のカテゴリーが記載されているのは意味がなく、不明りょうな記載となっているから、この方法の発明のカテゴリーを削除する本訂正事項は、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正である。

(1c) 訂正事項cについて
この訂正は、請求項3における末語を「熱圧着方法」にしようとするものである。
本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載について検討する。産業上の利用分野、発明の目的、課題を解決するための手段については、上記(1a)で摘記した事項のとおりであり、更に作用として、「【0009】上記構成によれば、複数個の熱圧着子に同時に強い押圧力を付与せずに、互いに時間を前後させて順に強い押圧力を付与し、あるいは強い押圧力の付与状態を解除することにより、表示パネルのたわみを少しずつ矯正しながら、複数個のタブデバイスを作業性よく表示パネルに熱圧着することができる。」と記載され、実施例として、熱圧着ヘッドの動作の説明として、「【0022】次に図7の動作図及び図8のタイムチャートを参照しながら熱圧着ヘッド20の動作の説明を行う。当初、熱圧着子35は図7(a)に示す上昇位置にあって、・・・さてタイミングt1においてエアシリンダ23のロッド24を下方に突出させると、熱圧着子35は下降し、接地部35bはフィルムキャリア5に弱い力で接地する(図7(b)参照)。」と記載され、次いで、「【0023】続いてタイミングt2でエアシリンダ23のロッド24が強く突出することにより押圧力は2.0kg/cm2 若しくはそれ以上に増大し(タイミングt2)、リード7は表示パネル1の電極2に強く押圧される。・・・このようにして接地部35bによるフィルムキャリア5の加熱及び強い力での押圧状態を一定時間保持すると、タイミングt3において導電シート3は硬化し、その直後のタイミングt4において、エアシリンダ23のロッド24は引き込んで熱圧着子35は上昇を開始してフィルムキャリア5に対する押圧状態を解除し、一連の動作が終了する。・・」が記載されている。この実施例の記載によれば、熱圧着ヘッドの動作は、熱圧着子は下降し、接地部はフィルムキャリアに弱い力で接地する工程と、続いてのタイミングt2でロッドが強く突出することにより、リードは表示パネルの電極に強く押圧される工程からなっていることが理解できる。
一方、請求項3には、「押圧手段を駆動して加熱手段で加熱された複数個の熱圧着子を下降させ、これらの熱圧着子を表示パネルの電極上に仮付けされたタブデバイス上に弱い力で接地させるステップと、前記複数個の熱圧着子の押圧力を互いに時間を前後させて増大させて前記タブデバイスのリードを前記電極に強く押し付けるステップと、を含むことを特徴とするタブデバイスの熱圧着装置および熱圧着方法。」と記載されている。
ここで、発明の詳細な説明の記載からは、本件発明は「熱圧着装置」と「熱圧着方法」の発明からなること、及び熱圧着ヘッドの動作工程として、熱圧着子は下降し、接地部はフィルムキャリアに弱い力で接地する工程と、続いてのタイミングt2でロッドが強く突出することにより、リードは表示パネルの電極に強く押圧される工程からなっていることが理解できる。そして、請求項3の記載からは、その発明は2つのステップを含むと記載されているから、この2つのステップ、即ち2つの工程を含む熱圧着方法の発明であると理解できる。そうすると、請求項3は、熱圧着方法の発明であって、発明のカテゴリーとして方法の発明であると解するのが自然である。
よって、請求項3の末語に「熱圧着装置および熱圧着方法。」と2つの発明のカテゴリーが記載されているのは意味がなく、不明りょうな記載となっているから、この物の発明のカテゴリーを削除する本訂正事項は、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正である。

(2)拡張・変更の有無及び新規事項の有無について
また、これらの訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないし、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものである。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、訂正について平成6年法律第116号附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、改正前の特許法第126条第1項第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第1項及び同条第2項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
タブデバイスの熱圧着装置および熱圧着方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】タブデバイスが仮付けされた表示パネルを載置する台部と、前記タブデバイスのリードを前記表示パネルの電極に熱圧着する熱圧着ヘッドとを備え、この熱圧着ヘッドが、熱圧着子と、この熱圧着子を上下動作させて前記リードを前記電極に押圧する押圧手段と、この熱圧着子を加熱する加熱手段とを有し、前記熱圧着ヘッドを複数個並設して各々の熱圧着子が同一直線上に位置するように配置し、且つ各々の押圧手段の駆動により各々の熱圧着子を個別に押圧動作させるようにしたことを特徴とするタブデバイスの熱圧着装置。
【請求項2】前記押圧手段がエアシリンダであって、コンプレッサからこのエアシリンダに付与する空気圧を変えることにより前記熱圧着子の押圧力を変えるようにしたことを特徴とする請求項1記載のタブデバイスの熱圧着装置。
【請求項3】押圧手段を駆動して加熱手段で加熱された複数個の熱圧着子を下降させ、これらの熱圧着子を表示パネルの電極上に仮付けされたタブデバイス上に弱い力で接地させるステップと、
前記複数個の熱圧着子の押圧力を互いに時間を前後させて増大させて前記タブデバイスのリードを前記電極に強く押し付けるステップと、
を含むことを特徴とするタブデバイスの熱圧着方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、タブデバイスのリードを表示パネルの電極に熱圧着するためのタブデバイスの熱圧着装置および熱圧着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディスプレイ装置などに多用されている液晶パネルなどの表示パネルは、その側縁部に形成された電極にドライバの電極を熱圧着することにより組み立てられる。ドライバとしては、タブデバイスが多用されている。タブデバイスは、TAB法(Tape Automated Bonding Method)により作られたデバイスであって、ポリイミドなどの合成樹脂から成るフィルムキャリアに貼着されたリードにウエハから切り出されたチップをボンディングしたものである。
【0003】
図11はドライバであるタブデバイスを表示パネルに熱圧着する従来の熱圧着装置の要部を示しており、次に図11を参照しながら従来のタブデバイスの熱圧着方法を説明する。表示パネル1はテーブル8上に載置されている。また表示パネル1の上方には熱圧着ヘッド9が配置されている。この表示パネル1の側縁部の電極(図示せず)上にはタブデバイス4のフィルムキャリア5が予め仮付けされている。フィルムキャリア5の下面にはリード(図示せず)が貼着されており、このリードを表示パネル1の電極に位置合わせして仮付けされている。6はフィルムキャリア5にボンディングされたチップである。表示パネル1の平面形状は一般に長方形であって、その側縁部には複数個(本実施例では4個)のタブデバイス4がボンディングされている。そこで熱圧着ヘッド9を図示しない移動テーブルによりX方向やY方向に水平移動させてタブデバイス4の直上に位置させ、そこで下降させることによりフィルムキャリア5のリードを表示パネル1の電極に強く押し付けて熱圧着する(同図鎖線参照)。
【0004】
ところがこのような従来の熱圧着装置は熱圧着ヘッド9は1個しか備えられていないため、この熱圧着ヘッド9で複数個のタブデバイス4を1個づつ表示パネル1に熱圧着していかねばならず、作業能率があがらないという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題点を解消する手段として、図12に示すように、複数個の熱圧着ヘッド9を設けることが考えられる。このようにすれば、複数個の熱圧着ヘッド9により複数個のタブデバイス4を同時に表示パネル1に熱圧着することにより、作業能率を上げることができる。
【0006】
ところが図12に示すように表示パネル1はたわんでいるものが多く、しかもガラスのような比較的ぜい弱な素材により形成されているため、複数個の熱圧着ヘッド9を同時に下降させてフィルムキャリア5を表示パネル1に強く押し付けると、表示パネル1が割れてしまうという新たな問題点が生じる。
【0007】
そこで本発明は、表示パネルがたわんでいても、複数個の熱圧着ヘッドにより、表示パネルが割れないように同時に複数個のタブデバイスを熱圧着することができるタブデバイスの熱圧着装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このために本発明のタブデバイスの熱圧着装置は、熱圧着ヘッドを複数個並設して各々の熱圧着子が同一直線上に位置するように配置し、且つ各々の押圧手段の駆動により各々の熱圧着子を個別に押圧動作させるようにしたものである。
【0009】
【作用】
上記構成によれば、複数個の熱圧着子に同時に強い押圧力を付与せずに、互いに時間を前後させて順に強い押圧力を付与し、あるいは強い押圧力の付与状態を解除することにより、表示パネルのたわみを少しづつ矯正しながら、複数個のタブデバイスを作業性よく表示パネルに熱圧着することができる。
【0010】
【実施例】
次に、図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【0011】
図1は本発明一実施例のタブデバイスの熱圧着装置の全体斜視図である。このタブデバイスの熱圧着装置は、本体ボックス11上に支持ポスト12を立設して構成されている。本体ボックス11上には、互いに直交するXテーブル13とYテーブル14が設置されており、Yテーブル14上には表示パネル1を載置する台部15が設けられている。この表示パネル1の側縁部の電極上には、ドライバとしてのタブデバイス4が予め仮付けされている。
【0012】
この表示パネル1の平面形状は長方形であって、図示するようにその長辺の縁部には4個のタブデバイス4が仮付けされており、また短辺の縁部には2個のタブデバイス4が仮付けされている。表示パネル1はガラスにより形成されており、若干のたわみを生じやすいが、一般に長辺方向のたわみは短辺方向のたわみよりもかなり大きい。
【0013】
Xテーブル13に設けられたX方向モータ16が駆動すると表示パネル1はX方向に水平移動し、Yテーブル14に設けられたY方向モータ17が駆動すると表示パネル1はY方向に水平移動する。18は表示パネル1を台部15上に搬入し、また台部15から搬出するコンベアである。
【0014】
支持ポスト12には、複数個の熱圧着ヘッド20が設けられている。上述したように表示パネル1の長辺(X方向)の縁部には4個のタブデバイス4が仮付けされ、また短辺(Y方向)の縁部には2個のタブデバイス4が仮付けされており、したがってこれと対応するように、X方向には4個の熱圧着ヘッド20が同一直線上に並設され、またY方向には2個の熱圧着ヘッド20が同一直線上に並設されている。勿論、表示パネル1を90°水平回転させるターンテーブルを設ければ、長辺側の熱圧着ヘッド20により表示パネル1の互いに直交する辺のタブデバイス4を熱圧着でき、短辺側の2個の熱圧着ヘッド20は不要にできる。
【0015】
次に図2〜図4を参照しながら熱圧着ヘッド20の構造を詳細に説明する。図2において、21は前記支持ポスト12に保持されるブラケットであり、以下に述べる部品が組み付けられている。ブラケット21の前面中央部には棚部22が水平に突設されており,この棚部22上にエアシリンダ23が設置されている。図4に示すように、このエアシリンダ23のロッド24は棚部22を貫通しており、その下端部に結合された金具25には昇降体26の上部に形成された嵌合部27が嵌合している。この嵌合部27の内部にはロードセルなどの感圧素子28が配設されている。この感圧素子28の感圧部29には前記金具25が接地し、エアシリンダ23のロッド24の突出による押圧力を検知する。
【0016】
昇降体26の背面にはスライダ31が装着されている。このスライダ31は前記ブラケット21の前面に設けられた上下方向のガイドレール32に嵌合している。したがってエアシリンダ23のロッド24が下方へ突出すると、昇降体26はガイドレール32に沿って下降し、またロッド24が上方へ引き込むと、昇降体26はガイドレール32に沿って上昇する。図2において、33、34はエアシリンダ23にエアを供給し、または排気するためのチューブであり、電空レギュレータ44(後述)に接続されている。
【0017】
図3において、35は熱圧着子であって、その上部中央部はピン36により昇降体26の下部に軸着されており、熱圧着子35はピン36を中心に矢印方向に若干揺動できる。39は熱圧着子35の上面に接地するベアリング、40はベアリング39を熱圧着子35の上面に圧接するためのコイルばねであり、熱圧着子35のがたを防止する。このように熱圧着子35が若干揺動できるように構成することにより、表示パネル1の上面が傾斜していても、これにならって熱圧着子35はピン36を中心に揺動し、その下面がフィルムキャリア5の上面にしっかり面接地して、すべてのリード7を均等な力で表示パネル1の電極2に押圧できるようにしている。
【0018】
図4において、この熱圧着子35の断面形状は、中央の膨大部35aと、この膨大部35aの下部に連設された断面積の小さい接地部35bと、この膨大部35aの上部に連設されて前記ピン36に軸着される取付部35cとを有する形状になっている。膨大部35aの内部には加熱手段としてのヒータ37と温度センサ38が埋設されている。熱圧着子35はヒータ37により加熱されるが、ヒータ37を断面積の大きい膨大部35aに埋設して加熱することにより、膨大部35aを蓄熱部としている。
【0019】
図3及び図4において、接地部35bの背後には冷却手段としてのパイプ41が接地部35bと平行に配設されている。43はパイプ41の固定具である。このパイプ41には冷気の吹出孔42がピッチをおいて開孔されている。このパイプ41はコンプレッサ45(後述)に接続されており、接地部35bの近傍のフィルムキャリア5へ向って冷気を吹き出してこれを部分的に冷却する。
【0020】
図5は本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの配管図である。図中、20は前記熱圧着ヘッドである。図1に示すように熱圧着ヘッド20は6個あるが、すべて同構造であるので図5では熱圧着ヘッド20は2個のみ図示している。エアシリンダ23は、電空レギュレータ44を介してコンプレッサ45に接続されている。またパイプ41はバルブ46を介してコンプレッサ45に接続されており、バルブ46のオンオフを切替えることにより、フィルムキャリア5に対する冷却と冷却停止を切替える。したがって本実施例ではエアシリンダ23の制御とパイプ41からの冷気吹き出しは同一のコンプレッサ45により行われる。
【0021】
図6は本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの電気回路のブロック図である。図1に示すように熱圧着ヘッド20は6個あるが、すべて同構造であるので図6では熱圧着ヘッド20は2個のみ図示している。熱圧着ヘッド20のヒータ37と温度センサ38は温度コントローラ47を介して制御部48に接続されている。また電空レギュレータ44、感圧素子28、バルブ46は制御部48に接続されている。この制御部48はCPUであり、メモリ49に登録されたプログラムデータなどの必要なデータを読取りながら必要な制御を行う。またこの制御部48はモータドライバ50を介してXテーブル13とYテーブル14を駆動するX方向モータ16、Y方向モータ17を制御する。
【0022】
次に図7の動作図及び図8のタイムチャートを参照しながら熱圧着ヘッド20の動作の説明を行う。当初、熱圧着子35は図7(a)に示す上昇位置にあって、膨大部35aはヒータ37により200℃程度に予め加熱されている。さてタイミングt1においてエアシリンダ23のロッド24を下方に突出させると、熱圧着子35は下降し、接地部35bはフィルムキャリア5に弱い力で接地する(図7(b)参照)。このように弱い力で熱圧着子35をフィルムキャリア5に接地させれば、接地時の衝撃により表示パネル1が破損するのを回避できる。このときの感圧素子28の感圧値は1.0kg/cm2である。この接地と同時にバルブ46は開いて吹出孔42から接地部35bの近傍のフィルムキャリア5の上面に冷気が吹付けられ、フィルムキャリア5の温度上昇を防止しながら、所定時間弱い力でフィルムキャリア5を熱圧着子35にて押圧する。
【0023】
続いてタイミングt2でエアシリンダ23のロッド24が強く突出することにより押圧力は2.0kg/cm2若しくはそれ以上に増大し(タイミングt2)、リード7は表示パネル1の電極2に強く押圧される。これと同時にバルブ46は閉じてパイプ41の吹出孔42からの冷気の吹き出しによるフィルムキャリア5の冷却は停止され、フィルムキャリア5の温度は急上昇する。このようにして接地部35bによるフィルムキャリア5の加熱及び強い力での押圧状態を一定時間保持すると、タイミングt3において導電シート3は硬化し、その直後のタイミングt4において、エアシリンダ23のロッド24は引き込んで熱圧着子35は上昇を開始してフィルムキャリア5に対する押圧状態を解除し、一連の動作が終了する。なおサイクルタイムTは30秒程度である。
【0024】
上記動作において、リード7が弱い力(1.0kg/cm2)で電極2に押し付けられている間は、フィルムキャリア5には冷気が吹付けられてその温度上昇は防止され、押圧力が十分強い力(2.0kg/cm2以上)に達してリード7の位置ずれのおそれがなくなると、フィルムキャリア5の冷却を停止するようにしているので、フィルムキャリア5の熱変形によるリード7の位置ずれは解消され、リード7は表示パネル1の電極2に正しくマッチングして熱圧着される。なお冷却開始タイミングt1と冷却解除タイミングt2は本実施例に限定されないのであって、若干ずれてもよいものであり、要はフィルムキャリア5が熱変形するおそれがある間は冷却し、フィルムキャリア5が熱変形して位置ずれを生じるおそれがなくなれば冷却を解除すればよいものであり、図7(a)に示す熱圧着子35の上昇状態で冷気を吹き出していてもよい。
【0025】
各々の熱圧着ヘッド20は上記のような動作をするものであり、次に複数個のタブデバイス4を複数個の熱圧着ヘッド20で表示パネル1に熱圧着する方法を説明する。図1において、X方向モータ16とY方向モータ17を駆動して、表示パネル1をX方向やY方向に水平移動させ、長辺の縁部に仮付けされた4個のタブデバイス4を同一直線上に4個並設された熱圧着ヘッド20の熱圧着子35の直下に移動させる。次に図9を参照しながら、以下の動作を説明する。
【0026】
図9はx方向に並設された4個の熱圧着ヘッド20の熱圧着子35の動作の説明図であって、4個の熱圧着子35は、1、2、3、4の添字を付して区別している。図9(a)は、上述のようにして4個のタブデバイス4のフィルムキャリア5を4個の熱圧着ヘッド20の熱圧着子351〜354の直下に移動させた状態を示している。図示するように、表示パネル1は下凸状にたわんでいる。
【0027】
さて、図9(b)に示すように、中央2個の熱圧着ヘッド20のエアシリンダ23のロッド24を突出させることにより、2個の熱圧着子352、353を同時に下降させてフィルムキャリア5に弱い力で接地させる。このときの各熱圧着子352、353の押圧力は約1.0kg/cm2である。続いてエアシリンダ23のロッド24の押圧力を2.0kg/cm2に上げ、リード7を電極2に強く押し付ける。このようにして中央熱圧着子352、353による熱圧着が終了したならば、次に左右の2個の熱圧着子351、354により熱圧着を行う。左右の熱圧着子351、354による熱圧着は、中央の熱圧着子352、353による熱圧着と同じであって、図9(c)に示すように弱い力で着地させた後、強い力で押圧する。なお、左右の熱圧着子351、354で熱圧着している際中は、すでに熱圧着済の中央の熱圧着子352、353の強い押圧状態は解除してもよく、あるいは継続していてもよい。
【0028】
そして熱圧着子351、354による熱圧着が終了したならば、すべてのシリンダ23のロッド24を引き込ませて図9(a)に示す当初の状態に復帰する。このように4個の熱圧着子351〜354で4個のタブデバイス4のフィルムキャリア5を同時に強く押圧せずに、4個の熱圧着子351〜354をいくつかのグループ(本実施例では熱圧着子352、353と熱圧着子351、354の2つのグループ)に分割し、グループ別に時間を前後させて順に強く押圧すれば、表示パネル1の割れを防止してたわみを矯正しながら、熱圧着を行うことができる。
【0029】
上述したように表示パネル1の短辺のたわみは長辺のたわみよりもかなり小さい。したがって短辺側の2個のタブデバイス4は2個の熱圧着ヘッド20により同時に強く押圧して熱圧着すればよい。
【0030】
図10は表示パネル1が上凸状にたわんでいる場合の熱圧着方法を示している。この場合も、図9の場合と同様の手法により熱圧着する。すなわち図10(a)に示すように表示パネル1のフィルムキャリア5を4個の熱圧着子351〜354の直下に位置させ、次に図10(b)に示すようにシリンダ23のロッド24を突出させて弱い力で左右の熱圧着子351、354を各々のフィルムキャリア5に接地させ、続いて押圧力を強くして熱圧着子351、354により上述した場合と同様の手法により熱圧着を行う。次いで中央の2個の熱圧着子352、353により同様の熱圧着を行った後(図10(c))、すべての熱圧着子351〜354を上昇させて図10(a)の当初の状態に復帰する。
【0031】
この熱圧着装置の運転方法は上記実施例に限らず種々考えられるのであって、要はすべての熱圧着子35を同時に強い力で表示パネル1に押圧せずに、複数の熱圧着子35を互いに時間を前後させて強く押圧して、表示パネル1のたわみを矯正しながら熱圧着を行えばよいものであり、更にはフィルムキャリア5の熱変形によるリード7の位置ずれのおそれがなくなるまでの間は、パイプ41から冷気を吹き出してフィルムキャリア5を冷却することが望ましいものである。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数個の熱圧着子に同時に強い押圧力を付与せずに、時間的に前後させて順に強い押圧力を付与し、あるいは強い押圧力の付与状態を解除することにより、表示パネルのたわみを少しづつ矯正しながら、複数個のタブデバイスを作業性よく表示パネルに熱圧着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着装置の斜視図
【図2】
本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの斜視図
【図3】
本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの正面図
【図4】
本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの断面図
【図5】
本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの配管図
【図6】
本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの電気回路のブロック図
【図7】
(a)本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの動作中の部分拡大側面図
(b)本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの動作中の部分拡大側面図
(c)本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの動作中の部分拡大側面図
【図8】
本発明の一実施例のタブデバイスの熱圧着ヘッドの動作のタイムチャート
【図9】
(a)本発明の一実施例の熱圧着中の表示パネルと熱圧着子の正面図
(b)本発明の一実施例の熱圧着中の表示パネルと熱圧着子の正面図
(c)本発明の一実施例の熱圧着中の表示パネルと熱圧着子の正面図
【図10】
(a)本発明の一実施例の熱圧着中の表示パネルと熱圧着子の正面図
(b)本発明の一実施例の熱圧着中の表示パネルと熱圧着子の正面図
(c)本発明の一実施例の熱圧着中の表示パネルと熱圧着子の正面図
【図11】
従来の熱圧着中の表示パネルと熱圧着子の正面図
【図12】
従来の熱圧着中の表示パネルと熱圧着子の正面図
【符号の説明】
1 表示パネル
2 電極
4 タブデバイス
7 リード
20 熱圧着ヘッド
23 シリンダ
35 熱圧着子
37 ヒータ
48 制御部
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2005-04-20 
出願番号 特願平5-5566
審決分類 P 1 41・ 853- Y (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 守安 太郎  
特許庁審判長 城所 宏
特許庁審判官 市川 裕司
瀬良 聡機
登録日 1999-02-19 
登録番号 特許第2888073号(P2888073)
発明の名称 タブデバイスの熱圧着装置および熱圧着方法  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 岩橋 文雄  
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