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審決分類 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する G01B
審判 訂正 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) 訂正する G01B
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する G01B
管理番号 1118570
審判番号 訂正2005-39024  
総通号数 68 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-01-17 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2005-02-16 
確定日 2005-05-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2889083号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2889083号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 本件の経緯の概要
本件特許第2889083号の請求項1ないし3に係る発明についての出願は、平成5年6月25日に出願され、平成11年2月19日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、株式会社ブイ・テクノロジーから請求項1及び2に係る特許について無効審判の請求があり、特許庁において無効2003-35003号事件として審理され、被請求人より平成15年4月1日付けで答弁書及び訂正請求書が提出され、請求人より平成15年7月27日付けで弁駁書が提出され、平成15年9月10日付けで、「訂正を認める。本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決(以下、「第1審決」という。)がなされた。
この第1審決に対する訴えが無効審判請求人よりなされ、東京高等裁判所において平成15年(行ケ)第462号事件として審理され、平成16年9月6日に「特許庁が無効2003-35003号事件について平成15年9月10日にした審決を取り消す。」旨の判決が言い渡され、当該判決は確定した。
これを受けて審理した結果、平成17年1月4日付けで、「訂正を認める。特許第2889083号の請求項1、2に記載された発明についての特許を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決(以下、「第2審決」という。)がなされた。
この第2審決に対する訴えが、平成17年2月16日に特許権者より東京高等裁判所になされ(平成17年(行ケ)第64号事件)、同日付けで本件特許第2889083号の請求項1ないし3に係る発明についての訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の要旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第2889083号の明細書を、平成17年2月16日付け審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は次のとおりである。
訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1を、「平行に延設されたガイドレール上にスライド移動自在に設置されたX軸フレームと、このX軸フレームを前記ガイドレールに沿って移動させるY軸駆動部と、前記X軸フレームの長手軸方向に沿ってスライド移動自在に設けられた検出部と、この検出部を前記X軸フレームに沿って移動させるX軸駆動部と、前記検出部の下方から被測定物を照射する光源部とを備えた二次元座標測定機において、前記Y軸駆動部を、その縦断面が一対の側面壁と底面壁からなる略凹形に形成され、かつ該両側面壁に被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔が設けられた前記X軸フレームの長手軸方向略中央部下面に設けたことを特徴とする二次元座標測定機。」と訂正する。
訂正事項b
特許請求の範囲の請求項2を、「前記光源部は、前記X軸フレームに取り付けられ、かつ、前記検出部と同期移動することを特徴とする請求項1記載の二次元座標測定機。」と訂正する。
訂正事項c
特許請求の範囲の請求項3を、「前記光源部は、複数の発光ダイオードからなることを特徴とする請求項2記載の二次元座標測定機。」と訂正する。
訂正事項d
段落【0001】の記載を、「【産業上の利用分野】この発明は、二次元座標測定機(以下、二次元測定機という)に関し、特に、二次元方向にスライド移動可能に設けられた検出部に対して、その下方から被測定物を照射して、透過光により被測定物を測定する二次元測定機に関するものである。」と訂正する。
訂正事項e
明細書の段落【0010】の記載を、「【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、平行に延設されたガイドレール上にスライド移動自在に設置されたX軸フレームと、このX軸フレームを前記ガイドレールに沿って移動させるY軸駆動部と、前記X軸フレームの長手軸方向に沿ってスライド移動自在に設けられた検出部と、この検出部を前記X軸フレームに沿って移動させるX軸駆動部と、前記検出部の下方から被測定物を照射する光源部とを備えた二次元座標測定機において、前記Y軸駆動部を、その縦断面が一対の側面壁と底面壁からなる略凹形に形成され、かつ該両側面壁に被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔が設けられた前記X軸フレームの長手軸方向略中央部下面に設けたことを特徴とする。」と訂正する。
訂正事項f
段落【0028】の【発明の効果】の項の記載を、「以上、実施例で詳細に説明したように、本発明にかかる二次元座標測定機によれば、測定精度を大幅に向上することができる。また、請求項2の構成によれば、光源部を同期移動させる構成が簡単になる。さらに、請求項3の構成によれば、光源部の熱影響を低減できる。」と訂正する。
なお、アンダーラインは、訂正箇所を示すために付したものである。

第3 当審の判断
1 新規事項追加の有無、訂正の目的の適否及び特許請求の範囲の実質上の拡張変更の存否
(1) 訂正事項aは、「二次元測定装置」との記載を「二次元座標測定機」と訂正するとともに、X軸フレームについて、「その縦断面が一対の側面壁と底面壁からなる略凹形に形成され、かつ該両側面壁に被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔が設けられた」と訂正するものである。
前者の訂正事項は、請求項1末尾に記載されている「二次元座標測定機」との整合を図ったものであり、願書に添付された明細書又は図面に記載されていた事項の範囲内の訂正であって、誤記の訂正を目的とする訂正に該当するものである。
次に、後者の訂正事項について検討する。
願書に添付された明細書及び図面には、段落【0015】に「X軸フレーム14は、その縦断面が略凹形に形成され、その下面側の両端にガイドレール12と嵌合する複数のスライダー24が固設され、その上端面側には、検出部18が載置される載置台25をスライド移動自在に支持する複数のレール26が固設されている。」、同段落【0016】に「また、X軸フレーム14には、図2にもその詳細を示すように、略角形の窓孔14aが設けられていて、テーブル21は、この窓孔14a内に挿通するようにして設置されている。」と記載されており、図1〜5にX軸フレーム14の形状が示されている。
このX軸フレームの形状をみると、その縦断面が略凹形に形成されたX軸フレームは、外形の形状が略角形で一対の側面と底面を有しており、これらの一対の側部の部材、底部の部材は、それぞれ一対の側面壁、底面壁と言えるものである。
また、X軸フレームに設けられた、テーブルが挿通する略角形の窓孔は、図面よりテーブルが上記底面壁の上方を挿通していることが読み取れるから、これより、窓孔は両側面壁に設けられているものと言えるものである。
よって、後者の訂正事項は、願書に添付された明細書又は図面に記載されていた事項の範囲内の訂正であって、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。
そして、請求項1に関する訂正は、上記のように「X軸フレーム」の形状を限定するものであるから、訂正前の請求項1に係る発明の構成に欠くことができない事項について更なる限定をするものであって、訂正前の請求項1に係る発明に、新たな構成に欠くことができない事項を付加するものではなく、実質的に特許請求の範囲を拡張あるいは変更するものではない。

(2) 訂正事項eは、発明の詳細な説明の項の記載を、上記訂正事項aによる特許請求の範囲の訂正に整合させるためのものであるから、願書に添付された明細書又は図面に記載されていた事項の範囲内の訂正であって、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当するものである。

(3) 訂正事項bないしd並びにfは、請求項1の「二次元座標測定機」の記載との整合を図ったものであり、願書に添付された明細書又は図面に記載されていた事項の範囲内の訂正であって、誤記の訂正を目的とする訂正に該当するものであり、請求項2及び3に関する訂正は、訂正前の請求項2及び3に係る発明に、新たな構成に欠くことができない事項を付加するものではなく、実質的に特許請求の範囲を拡張あるいは変更するものではない。

2 独立特許要件について
(1) 訂正後の発明
訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし3に係る発明は、本件審判請求書に添付した訂正明細書の特許請求の範囲に記載されたとおりのものであるところ、請求項1ないし請求項3に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明3」という。)は、以下のとおりのものである。なお、(A)ないし(H)は、便宜上付したものである。
「【請求項1】
(A)平行に延設されたガイドレール上にスライド移動自在に設置されたX軸フレームと、
(B)このX軸フレームを前記ガイドレールに沿って移動させるY軸駆動部と、
(C)前記X軸フレームの長手軸方向に沿ってスライド移動自在に設けられた検出部と、
(D)この検出部を前記X軸フレームに沿って移動させるX軸駆動部と、
(E)前記検出部の下方から被測定物を照射する光源部とを備えた二次元座標測定装置において、
(F)前記Y軸駆動部を、
(f1)その縦断面が一対の側面壁と底面壁からなる略凹形に形成され、かつ該両側面壁に被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔が設けられた
(f2)前記X軸フレームの長手軸方向略中央部下面に設けた
ことを特徴とする二次元座標測定機。
【請求項2】
(G)前記光源部は、前記X軸フレームに取り付けられ、かつ、前記検出部と同期移動する
ことを特徴とする請求項1記載の二次元座標測定機。
【請求項3】
(H)前記光源部は、複数の発光ダイオードからなることを特徴とする請求項2記載の二次元座標測定機。」

(2) 刊行物に記載された発明
以下の甲2ないし甲9刊行物は、無効2003-35003号事件において無効審判請求人が提出した甲第2ないし甲第9号証に対応するものである。

・甲2刊行物:実願昭57-88304号(実開昭58-189905号)のマイクロフィルム
「座標測定機」に関し、図面とともに、
(2a)「定盤上に測定範囲全域を覆う透明基板と、立体移動可能な測定ヘッドと、前記透明基板を下方から照射する点光源と、前記点光源を前記測定ヘッドにX、Y方向へ独立連動可能なX方向移動機構及びY方向移動機構とを有することを特徴とする座標測定機。」(実用新案登録請求の範囲)
(2b)「第1図、第2図は、本考案一実施例による座標測定機の側面図及び平面図であり1は石製の定盤、2はアーム、3は測定ヘッド、4a,4bはレ一ルである。まず座標測定機の定盤1上にレール4a、4bの設置方向と垂直に定盤1の両端に一定の高さを持つ固定台5a,5bを設け、定盤1と同程度の大面積を有する透明ガラス基板6を固定台上に設置する。次に透過光線による投影測定を可能にするために、定盤1と、ガラス基板6の両者の空間にアーム2に固定されたY軸移動装置7と、Y軸移動装置7上をX軸方向に任意移動可能な点光源8を組付け、点光源8による平行光線の照射機能を実現する。又、Y軸移動装置7の両端をアーム2に固定することで、Y軸方向の点光源8の移動を測定ヘッド3に連動可能にする。」(明細書第4頁第1〜15行)
(2c)「さらに点光源8をX軸方向に移動可能にするワイヤ巻取装置9をY軸移動装置7上の延長端に設置する。前述のX軸方向の移動を補助的に制御するものとして、Y軸移動装置7の他端及びワイヤ巻取装置9の上方のアーム2上に滑車10を設置する。第3図は、測定ヘッド3のX方向移動に対する点光源8の連動機構の原理を説明するものである。」(明細書第4頁下から第5行〜第5頁第3行)
(2d)「すなわち測定ヘッド3が移動する時、ワイヤ10dの部分は測定ヘッド3移動方向に移動し、ワイヤ10cの部分は逆方向に移動し、ワイヤ10bは測定ヘッド3の移動方向に移動する。従ってワイヤ10bに連結されている点光源8は測定ヘッド3の移動に正確に連動される。」(明細書第5頁下から第4行〜第6頁第2行)
と記載されている。
以上の(2a)ないし(2d)、及び図面を総合すると、甲第2号証には、以下のとおりの発明が記載されているといえる。
「定盤1と、該定盤1上に平行に延設された一対の直線状のレール4a,4bと、該レール4a,4b上にスライド移動自在に設置されたアーム2と、定盤1上に設けられた固定台5a,5bと、該固定台5a,5b上に設置されたガラス基板6と、該ガラス基板6と前記定盤1の両者の空間に設けられ前記アーム2に固定されたY軸移動装置7と、前記アーム2の長手軸方向に沿ってスライド移動自在に設けられた測定ヘッド3と、前記Y軸移動装置7に組付けられた点光源8とを備えた座標測定機において、前記点光源8が前記測定ヘッド3の移動に連動するようにした座標測定機。」

・甲3刊行物:実願昭61-65958号(実開昭62-178395号)のマイクロフィルム
「X-Y移動テーブル」に関し、図面とともに、
(3a)「本考案は、・・・高い位置精度と円滑な動きを必要とする測定器及び工作機械等に好適なX-Y移動テーブルに関する。」
(3b)「従来、この種のX-Y移動テーブルとしては第2図及び第3図に示すごときものがある。第2図において、固定台1にはその対向辺に沿って一対のX方向レール4が配置され、このレール4上をX方向移動台5がX軸方向に移動する。・・・X方向移動台5の上でY方向移動台9がY方向レール8に乗ってY方向移動用モータ6及びY方向移動用ボールネジ7によってY軸方向に移動可能に構成されている。」(明細書第2頁第1〜11行)
(3c)「第3図のX-Y移動テーブルは、X方向移動用ボールネジ3の配置に関してのみ第2図のものと相違するが、第2図ではボールネジ3がX方向レール4の一方に近接配置されているのに対して、第3図の場合は一対のX方向レール4のほぼ中間位置に配置されている。」(明細書第2頁第11〜17行)
(3d)「前述の従来装置においては、一対のX方向レールの摩擦力(レール4とX方向移動台5との間の摩擦力)の違いがあると移動台5が平行に移動できず傾斜状態で移動したり、円滑に移動しないという不都合がある。またこの傾斜は移動台5が図面上左方向に移動するときと右に移動するときとでは互いに逆となり、移動台の位置精度が著しく悪いという問題点があった。」(明細書第2頁下から第2行〜第3頁第7行)
と記載されている。
以上の(3a)ないし(3d)を総合すると、甲第3号証には、第3図に関し、以下のとおりの発明が記載されているといえる。
「平行に延設された一対の直線状のX方向レール4上にスライド移動自在に設置されたX方向移動台5と、このX方向移動台5を前記X方向にレール4に沿って移動させるX方向移動用モータ2及びX方向移動用ボールネジ3とを備えたX-Y移動テーブルにおいて、前記X方向移動用モータ2およびX方向移動用ボールネジ3を、前記X方向移動台5の長手軸方向略中央部下面に設けた測定器に好適なX-Y移動テーブル。」

・甲4刊行物:特開平1-152306号公報
「形状測定装置」に関し、
(4a)第7図(イ)及び(ロ)について、
「第7図に示すようにセンサ支持枠20をモータM2(なお、「モータM-2」は「モータM2」の誤記と認定した。)とボールネジ22(なお、「ボールネジ3」は「ボールネジ22」の誤記と認定した。)によってコンベアラインの走行速度に同調させて同方向に移動させ、その移動中にセンサを走査させれば、被測定物をその幅方向真横に走査させることができる。」(第4頁右上欄末行〜左下欄第5行)
と記載されており、図面と総合すると、以下のとおりの発明が記載されているといえる。
「平行に延設された一対の直線状のリニアガイド5上にスライド移動自在に設置されたセンサ支持枠20と、このセンサ支持枠20を前記直線状のリニアガイド5に沿って移動させるボールネジ22及びモー夕M2とを備えた測定装置において、前記ボールネジ22及びモータM2を、前記センサ支持枠20の長手軸方向略中央部下面に設けるようにした形状測定装置。」
(4b)第4図(a)ないし(c)について、
「第4図は本発明測定装置の別の実施例で、コの字状フレームFにより上下一対のセンサが支持され、このフレームFがボールネジ3とモータによりリニヤガイド5上を矢印方向に移動して、ローラコンベア10上を移動する押出物を幅方向に走査するようになっている。」(第4頁左下欄第13〜18行)
と記載されており、図面と総合すると、以下のとおりの発明が記載されているといえる。
「平行に延設された一対の直線状のリニアガイド5上にスライド移動自在に設置されたフレームFと、このフレームFを前記直線状のリニアガイド5に沿って移動させるボールネジ3及びモー夕Mとを備えた形状測定装置において、前記ボールネジ3及びモータMを、前記フレームFの幅方向略中央部下面に設けるようにした形状測定装置。」

・甲5刊行物:月刊誌「機械設計」1992年(平成4年)12月号、第57頁ないし第60頁
図1ないし図6に記載された「プリント基板用NCテープ自動作成装置」に関して、
(5a)機能について、「本装置の動作は、位置決めテーブルに基準となるパターンフィルムを固定し、このテーブルの左右の動きと,カメラの前後の動きによって,フィルム全面を走査する方式である.カメラには,光電変換用のフォトダイオード・アレイ(イメージセンサ)が内蔵され,これによって,穴あけマーク(ランドと呼ぶ)を識別する.ランドと識別された時点で,そのときのテーブルおよびカメラの移動量を,それぞれにつけられたリニアスケールによって読み取り,座標化する.」(第58頁左欄第10行〜右欄第1行)
(5b)機構について、「図4に示すとおり、基礎ベース(下板)にリニアガイド2本を取付け、中央にボールねじを設置し、ボールねじの雄ねじにモータを接続し、これを回しボールねじのナットを移動させる。この移動するナットにテーブル(上板)を固定してX方向に移動させる.」(第58頁右欄第10〜16行)
と記載されている。
以上の(5a)及び(5b)並びに図4(第59頁)を総合すると、甲第5号証には以下のとおりの発明が記載されているといえる。
「平行に延設された一対の直線状のリニアガイド上にスライド移動自在に設置されたX軸スライド板テーブルと、このテーブルを前記直線状のリニアガイドに沿って移動させるX軸ボールねじ及びX軸モータとを備え、前記X軸ボールねじおよびX軸モータを、前記テーブルの幅方向略中央部下面に設けるようにしたプリント基板用NCテープ自動作成装置。」

・甲6刊行物:米国特許第4,815,857号明細書
図面とともに、
(6a)「本発明は、走査される測定領域内に置かれた例えばベンド管のような測定対象物を測定するための方法および装置に関する。」(第1欄第6〜9行)。
(6b)「ガイド4及び5が、長手方向のフレーム・ビーム1及び2の上面側に配設されている。」(第3欄第16〜17行)
(6c)「これら2本のガイドは、長手方向のガイド4及び5に沿って全長に亙って遊び無しで移動するベアリング・ブッシュ、あるいはこれと類似のスライド部材6及び7と共働する。ベアリング・ブッシュ6及び7は、ガイドの長手方向に延在し鉛直で長方形のフレームの支持部材として機能する2本のビーム8および9の下面側に配設されている。FIG2から明らかなように、上記フレームは、2本の側部直立柱10,11と、上部及び下部横断部材12,13とをそれぞれ含んでいる。」(第3欄第19〜28行)
(6d)「前記フレームを両ガイド4および5の長手方向へ移動させるために、2本のガイド4および5と平行に延在して、前記フレームの下部横断部材13の下面側に予張力が付与されて設けられたナット16と共働するウオーム15よりなるウオームギア機構が設けられており、前記ウオーム15は、同ウオームがナット16を螺通するときの回転運動を登録するインパルス・トランスデユーサと共に設置される図示しないモータにより回転駆動される。」(第3欄第44〜54行)
と記載されている。(なお、記載事項については、無効2003-35003号事件において無効審判請求人の提出した審判請求書に記載された訳文を採用した。)
以上の(6a)ないし(6d)及び図面を総合すると、甲第6号証には、以下のとおりの発明が記載されているといえる。
「平行に延設された一対の直線状のガイド4,5上にスライド移動自在に設置された側部直立柱10,11,上部及び下部横断部材12,13とからなるフレームと、このフレームを、前記ガイド4,5に沿って移動させる、ナット16と共働するウオーム15よりなるウオームギア機構とを備えた測定機において、前記ナット16と共働するウオーム15よりなるウオームギア機構を、下部横断部材13の長手軸方向略中央部下面に設けた測定機。」

・甲7刊行物:実願平3-60669号(実開平5-6308号)のCD-ROM
テーブル型測長装置に関し、従来技術として、
(7a)「このモニタテレビを用いた場合のテーブル型測長装置の一例を図6、図7に示す。図においてテーブル型測長装置は、被測定物Wを載置する透光性の測定テーブル31と、測定テーブル31上に載置された被測定物Wを下方より多数の蛍光灯32aで照明する照明装置32と、測定テーブル31に対してX-Y方向へ移動可能であって被測定物Wを上方より観察するテレビカメラ33とを具備しており、テレビカメラ33のX-Y移動量に基づき演算装置34により被測定物Wの所要部所を測長するように構成されている。
(7b)「36は、測定テーブル31に対してY方向に移動可能に架設された架台であり、テレビカメラ33はこの架台36上にX方向に移動可能に載置された走行台37に取り付けられる。なお、架台36及び走行台37をそれぞれ駆動伝達手段(図示せず)を介してX-Y方向に移動するために駆動ハンドル38が装置前面に設けられている。」(段落【0004】〜【0007】)
と記載され、
(7c)図7には、架台36の梁部分の上面に凹溝が設けられていることが図示されている。

・甲8刊行物:米国特許第4,682,418号明細書
(8a)「ブリッジ24は、キャリッジ20の運動方向に垂直な第2の水平方向に沿って案内されてY軸運動をするように、床あるいは基礎11上に設置されたベース28に順次装着されている。かくして、プローブ18、キャリッジ20及びブリッジ24の組み合わせ運動により、プローブ先端30は、テーブル表面14上の測定スペース内の任意の点に向けて移動することができる。」(第3欄第37〜45行)
(8b)「互いに前後に離隔した複数の対をなす空気ベアリング組立体50、52及び54が、空気薄膜を介して浮上することにより実質的に摩擦のない基礎28の上でのブリッジ24の制御されたガイド運動を可能にするようにして、各案内路面44、46及び48にそれぞれ作用するブリッジ案内手段を形成するように、ブリッジ24上に装着されている。空気ベアリングは、Y軸に沿って厳密に制御された反復繰り返しのブリッジ運動ができるように、予負荷もされている。」(第4欄第27〜35行)
(8c)「ブリッジ24はアルミニウム製であって、側部部材26に溶接された下部交差部材56と上部交差部材22とを有し、成型されて相互に溶接接合されたアルミニウム・パネルよりなる鋳物によって構成されていても良い。ブリッジの下部交差部材56は、先に引用した米国特許に記載されているように、ブリッジ24が「閉鎖ループ」または環状構造体であって、最大の剛性を持つように、テーブル12の下側を通っている。」(第4欄第39〜47行)
(8d)「テーブル延長部材84の自由端は、キャップねじ88によってベース28の上表面に固着された後部スタンド組立体86の上に乗っている。後部スタンド組立体86は、駆動モータ(図示せず)による動力測定動作をする際に、ブリッジ24を駆動して案内路42に沿って移動させる駆動ベルト92を収容する、ベース28に形成された中央溝90をまたがるように、一般に、転置したU型の形状をなしている。」(第5欄25〜32行)
と記載されている。(なお、記載事項については、無効2003-35003号事件において無効審判請求人の提出した弁駁書に記載された訳文を採用した。)

・甲9刊行物:米国特許第5,173,613号明細書
(9a)「図1は、互いに幅方向に離間して平行に前部から後部へと長手方向に延在する軌道14を有して両側に形成されたべース12を備える型式の座標測定機(CMM)を示す。そのベースの両側にはY軸搬送機16が空気ベアリング列18を介して支持されている。ベース12は、できるだけ床振動遮蔽装置上に設置される。Y軸搬送機16は、Y軸方向としての軌道14の長手方向に直線移動するように軌道14上に支持されて案内される。Y軸搬送機16は、溶接継ぎ合わせしたアルミニウムパネルか鋳造薄壁材よりなる中空構造であって、ベース12の上側に直立して延びる一対の直立脚20,22と被測定物支持テーブル24とを含んでいる。このテーブル24は、重量の大きな被測定物の重さに耐えて大きくたわんだりしないように鋼か御影石により作られ、ベース12の上表面から離れた位置に3点支持で支持されている。」(第2欄第86〜55行)
(9b)「Y軸搬送機の直立脚20,22は、それらの下端部において、テーブル24の下面とべース12の上面との間に介在する空間内でベース12を幅方向に横断する交差ビーム46によって、相互に連結されている。このような形状は1990年7月10日に「橋型座標測定装置」の名称で発行された米国特許第33,254号明細書に記載されたような、いわゆる「環状橋(ringbridge)」を形成している。直立脚20,22の上端は、X軸搬送機52が当該技術の分野において良く知られ、且つ上記米国特許第33,254号明細書にも記載されたような仕方で、空気ベアリング54により案内され支持されるX軸ガイド支持軌道50を備えた上部交差ビーム48により、相互に連結されている。」(第3欄第59行〜第4欄第4行)
と記載されている。(なお、記載事項については、無効2003-35003号事件において無効審判請求人の提出した弁駁書に記載された訳文を、誤記を訂正の上採用した。)

3 本件発明1について
(1) 対比
そこで、本件発明1と甲2刊行物記載の発明とを対比すると、以下のとおりである。
ア 甲2刊行物に記載された発明では、「アーム2」と「該アーム2に固定されたY軸移動装置」とは一体となって、平行に延設されたガイドレールであるレール4a、4b上をスライド移動自在に設置されていることは明らかであるから、甲2刊行物に記載された発明における「アーム2」と「該アーム2に固定されたY軸移動装置」が、本件発明1における「X軸フレーム」(構成(A))に相当する。
イ 甲2刊行物には、「アーム2」と「該アーム2に固定されたY軸移動装置」を、レール4a、4bに沿って移動させる手段については具体的な記載はないものの、何等かの「Y軸駆動部」(構成(B))があることは自明である。
ウ 第1図からも明らかなように、甲2刊行物記載の発明における「測定ヘッド3」は、アーム2の長手軸方向に沿ってスライド移動自在に設けられているから、本件発明1における「検出部」(構成(C))に相当し、該測定ヘッド3がX方向に移動することが明記されている以上、測定ヘッド3をアームに沿って移動させる何等かの「X軸駆動部」(構成(D))があることも自明である。
エ 第1図からも明らかなように、甲2刊行物記載の発明においては「ガラス基板を下方から照射する点光源8」が、測定ヘッド3の下方に設けられており、該「点光源8」が、本件発明1における「光源部」(構成(E))に相当する。
オ 上記アのとおり、甲2刊行物に記載された発明における「アーム2」と「該アーム2に固定されたY軸移動装置」は、本件発明1における「X軸フレーム」に相当するものであるが、第1図からも明らかなように、甲2刊行物記載の発明では、門形をした「アーム2」と、該アーム2の脚部に固定された「Y軸移動装置7」によって形成された空間を設け、該空間を「被測定物を載せるテーブル」に相当するガラス基板6が挿通しうるように構成されている。よって、甲2刊行物記載の発明においても、X軸フレームには、被測定物を載せるテーブルが挿通する空間が設けられているといえる。
以上のアないしオから明らかなように、両者は、
「(A)平行に延設されたガイドレール上にスライド移動自在に設置されたX軸フレームと、
(B)このX軸フレームを前記ガイドレールに沿って移動させるY軸駆動部と、
(C)前記X軸フレームの長手軸方向に沿ってスライド移動自在に設けられた検出部と、
(D)この検出部を前記X軸フレームに沿って移動させるX軸駆動部と、
(E)前記検出部の下方から被測定物を照射する光源部とを備え、
前記X軸フレームには、被測定物を載せるテーブルが挿通する空間が設けられている二次元座標測定機。」
である点で一致しており、以下の点で相違している。
相違点1:
前記「X軸フレーム」の形状について、本件発明1では、「その縦断面が一対の側面壁と底面壁からなる略凹形に形成され、かつ、該側面壁に被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔設けられた」と特定しているのに対し(構成(f1))、甲2刊行物記載の発明では、X軸フレームの縦断面はそのような略凹型には形成されておらず、また、被測定物を載せるテーブルが挿通する空間は、本件発明1のような一対の側壁に設けられた窓孔ではなくて、「アーム2」と「該アーム2に固定されたY軸移動装置7」によって形成された空間である点。
相違点2:
前記「Y軸駆動部」について、本件発明1では、「前記X軸フレームの長手軸方向略中央部下面に設けた」としているのに対して(構成(f2))、甲2刊行物記載の発明では、その設置場所については言及されていない点。

(2) 相違点についての判断
ア 相違点1について
甲7刊行物に記載された「テーブル型測長装置」の架台36は,本件発明1に係る二次元座標測定機のX軸フレームに相当することは明らかであって、その第7図に図示された架台36に設けられた凹溝は、本件発明1の「その縦断面が一対の側面壁と底面壁からなる略凹形に形成されている」ものに相当する。
しかしながら、甲7刊行物に記載された「テーブル型測長装置」の架台36の該凹溝の一対の側壁に相当する部分には被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔は設けられておらず、測定テーブル31は、架台36の下方に設けられているものである。
よって、甲7刊行物記載の発明からでは、相違点1に係る構成を導き出すことはできない。
また、甲8刊行物及び甲9刊行物に記載されているように、X軸フレームに、被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔を設けること自体は本件の出願前に既に周知である。即ち、甲8刊行物及び甲9刊行物には、それぞれ、本件発明1のX軸フレームに相当する「ブリッジ24」及び「Y軸搬送機16」が記載されており、これらは、いずれも本件発明1と同様に窓孔を有するいわゆる「環状構造体」で構成されている。
しかしながら、これらの刊行物には、それらの縦断面を「略凹型」に形成する旨の記載も示唆もないから、甲8刊行物及び甲9刊行物記載の発明からでは、相違点1に係る構成を導き出すことはできない。
次に、甲7刊行物記載の発明と甲8刊行物あるいは甲9刊行物記載の環状構造体に関する発明を組み合わせた場合に、上記相違点1に係る構成が容易に導き出せるか否かについて検討してみても、当業者が容易に導き出せる構成は、甲7刊行物記載の発明における凹溝が設けられた「架台36」を、甲8刊行物あるいは甲9刊行物記載の環状構造体に変更するに止まるものであって、甲7刊行物記載の発明における「架台36」の凹溝の一対の側壁に相当する部分に被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔を設けるという構成までを導き出すことは当業者といえども到底できるものではない。
さらに、これらの刊行物以外の刊行物には、X軸フレームの形状を「その縦断面が一対の側面壁と底面壁からなる略凹形に形成」することも、あるいは、X軸フレームに「被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔」を設けることも記載されていない以上、その他の刊行物に記載された発明を検討しても、相違点1に係る構成を導き出すことはできない。

イ 相違点2について
平行に延設された一対のガイドレール上にスライド移動自在に設置されたフレームやテーブル等の移動体を、該ガイドレールに沿って移動させる際、その軸駆動部を、フレームの長手軸方向略中央部下面或いはテーブルの幅方向略中央部下面に設けることは、甲3刊行物、甲4刊行物、甲5号刊行物、甲6刊行物、甲8刊行物及び甲9刊行物にも記載されているとおり、本件出願前に既に周知である。
すなわち、甲3刊行物には、軸駆動部である「X方向移動用モータ2およびX方向移動用ボールネジ3」を「X方向移動台5」の長手軸方向略中央部下面に設けることが、甲4刊行物には、軸駆動部である「ボールネジ及びモータ」を「センサ支持枠20」の長手軸方向略中央部下面或いは「フレームF」の幅方向略中央部下面に設けることが、甲5刊行物には、軸駆動部である「X軸ボールねじおよびX軸モータ」を「テーブル」の幅方向略中央部下面に設けることが、甲6刊行物には、軸駆動部である「ナット16と共働するウオーム15よりなるウオームギア機構」を「下部横断部材13」の長手軸方向略中央部下面に設けることが、それぞれ記載されている。
してみれば、甲2刊行物記載の発明において、Y軸駆動部を、移動体であるY軸移動装置の長手軸方向略中央部下面、すなわち、X軸フレームの長手軸方向略中央部下面に設ける程度のことは、当業者が容易になし得ることである。
本件発明1は、相違点2により、「軸駆動部がX軸フレームの長手軸方向略中央に設けられているので、ガイドレールの加工誤差によりヨーイング運動が発生したとしても、X軸フレームにスライド移動自在に設けられている検出部は、Y軸駆動部に対して、最大でもX軸フレームの長手軸方向の略1/2しか移動せず、このため、ヨーイング運動による測定誤差を略1/2に低減できる。」という本件明細書(段落【0012】)記載の作用効果を奏するものであるが、甲第3号証(摘記事項(3b))に「前述の従来装置においては、一対のX方向レールの摩擦力(レール4とX方向移動台5との間の摩擦力)の違いがあると移動台5が平行移動できず傾斜状態で移動したり、円滑に移動しないという不都合がある。またこの傾斜は移動台5が図面上左方向に移動するときと右に移動するときとでは互いに逆となり、移動台の位置精度が著しく悪いという問題点があった。」と記載されているように、ヨーイング運動による測定誤差があることは、本件出願前に既に知られているところであり、そして、ガイドレールの加工誤差により被移動体にヨーイング運動が発生したとしても、軸駆動部を移動体の中央部下面に設けた場合には、軸駆動部を移動体の一端側に設ける場合に比して、そのヨーイング運動による被移動体上の最大の移動誤差を、略1/2に低減しうることは、当業者にとって自明のことである。

(3) まとめ
よって、本件発明1は、甲2刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできず、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明であるとすることはできない。

4 本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の構成に、さらに「前記光源部は、前記X軸フレームに取り付けられ、かつ、前記検出部と同期移動する」という構成を付加したものである。
そこで、この付加された構成について検討するに、甲2刊行物記載の発明においては、点光源8はY軸移動装置に組付けられており、該点光源8が測定ヘッド3の移動に連動するようにされており、該付加された構成を有するものである。
よって、本件発明2と甲2刊行物記載の発明との相違点は、本件発明1と甲2刊行物記載の発明の相違点と一致するものである。そして、上記したように、本件発明1が上記相違点1によって甲2刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできないものであるから、本件発明1と相違点1を共有する本件発明2も、甲2刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできず、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明であるとすることはできない。

5 本件発明3について
本件発明3は、本件発明2の構成に、さらに「前記光源部は、複数の発光ダイオードからなる」という構成を付加したものであり、甲2刊行物記載の発明はこの付加された構成を有していないものである。
よって、本件発明3と甲2刊行物記載の発明との相違点は、本件発明2と甲2刊行物記載の発明との相違点にさらに上記の付加された点を相違点として加えたものである。そして、本件発明2が甲2刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできないことは上述したところであるから、本件発明2と甲2刊行物に記載された発明との相違点に更に上記相違点が付加された本件発明3は、甲2刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできず、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明であるとすることはできない。

第6 結び
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされた同法による改正前の特許法第126条第1項ないし第3項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
二次元座標測定機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 平行に延設されたガイドレール上にスライド移動自在に設置されたX軸フレームと、このX軸フレームを前記ガイドレールに沿って移動させるY軸駆動部と、前記X軸フレームの長手軸方向に沿ってスライド移動自在に設けられた検出部と、この検出部を前記X軸フレームに沿って移動させるX軸駆動部と、前記検出部の下方から被測定物を照射する光源部とを備えた二次元座標測定機において、
前記Y軸駆動部を、その縦断面が一対の側面壁と底面壁からなる略凹形に形成され、かつ該両側面壁に被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔が設けられた前記X軸フレームの長手軸方向略中央部下面に設けたことを特徴とする二次元座標測定機。
【請求項2】 前記光源部は、前記X軸フレームに取り付けられ、かつ、前記検出部と同期移動することを特徴とする請求項1記載の二次元座標測定機。
【請求項3】 前記光源部は、複数の発光ダイオードからなることを特徴とする請求項2記載の二次元座標測定機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、二次元座標測定機(以下、二次元測定機という)に関し、特に、二次元方向にスライド移動可能に設けられた検出部に対して、その下方から被測定物を照射して、透過光により被測定物を測定する二次元測定機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板や半導体のパターン図などのフィルム状原板の寸法測定手段として、二次元方向にスライド移動可能に設けられた検出部と、フィルム状原板の下方からこれを照射する光源部とを備えた二次元測定機が知られており、図8にその一例を示している。
【0003】
同図に示す二次元測定装置は、基台1と、この基台1上に平行に固設された複数のガイドレール2と、ガイドレール2上にスライド移動自在に設置されたX軸フレーム3と、このX軸フレーム3をガイドレール2に沿って移動させるY軸駆動部4と、前記X軸フレーム3の長手軸方向に沿ってスライド移動自在に設けられた載置台5に載せられた検出部と、この載置台5を前記X軸フレーム3に沿って移動させるX軸駆動部6とを備えており、基台1の内部に設けられた図示省略の光源部から、基台1上に載置される被測定物に光が照射される。
【0004】
Y,X軸駆動部4,6は、それぞれモータ4a,6aと、ボールネジ4b,6bとから構成されていて、Y軸駆動部4のモータ4aおよびボールネジ4bは、基台1の一端に設けられた凹部1a内に設置されていて、ボールネジ4bにX軸フレーム3が係合している。X軸駆動部6のモータ6aおよびボールネジ6bは、凹形断面に形成されたX軸フレーム3内に設置されていて、ボールネジ6bに検出部が載せられた載置台5が係合している。
【0005】
以上のように構成された二次元測定機では、基台1上に被測定物を載せ、これを下方から光源部で照射し、透過光を載置台5上の検出部で受けながら、載置台5を移動させることにより測定が行われる。
この時の移動は、ボールネジ6bを回転駆動することにより、検出部がX軸フレーム3に沿って移動し、その移動量が、例えば、ロータリーエンコーダなどにより検出され、また、ボールネジ4bを回転駆動することにより、X軸フレーム3がガイドレール2に沿って移動し、その移動量が同様に検出される。
【0006】
しかしながら、このように構成された従来の二次元測定機には、以下に説明する技術的課題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、図8に示した二次元測定機では、特に、Y軸駆動部4が基台1の端部側に設けられていて、X軸フレーム3の端部側から駆動力を加えており、例えば、検出部が載置された載置台5をY軸駆動部4の反対側の端部に位置させた状態で、X軸フレーム3をY軸駆動部4で移動させる際に、測定誤差が大きくなるという問題があった。
【0008】
この誤差の原因は、ガイドレール2などは、所定の寸法精度で加工されているが、加工精度を零にすることは不可能であって、若干の加工誤差が含まれており、この加工誤差により、X軸フレーム3をY軸駆動部4で移動させる際に、ヨーイング運動が発生することがあって、この運動が発生すると、X軸フレーム3の長さにヨーイング角の正弦を乗じた誤差がY軸方向に発生し、X軸フレーム3が長くなれば長くなる程大きくなる。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、二次元測定機の測定誤差を低減することにある。また、第2の目的として、透過光型の光源部を備えた二次元測定機の、特に、光源部の構成およびその支持構造を簡略化することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、平行に延設されたガイドレール上にスライド移動自在に設置されたX軸フレームと、このX軸フレームを前記ガイドレールに沿って移動させるY軸駆動部と、前記X軸フレームの長手軸方向に沿ってスライド移動自在に設けられた検出部と、この検出部を前記X軸フレームに沿って移動させるX軸駆動部と、前記検出部の下方から被測定物を照射する光源部とを備えた二次元座標測定機において、前記Y軸駆動部を、その縦断面が一対の側面壁と底面壁からなる略凹形に形成され、かつ該両側面壁に被測定物を載せるテーブルが挿通する窓孔が設けられた前記X軸フレームの長手軸方向略中央部下面に設けたことを特徴とする。
【0011】
前記光源部は、前記X軸フレームに取り付けられ、かつ、前記検出部と同期移動するように構成することができる。また、前記光源部は、複数の発光ダイオードで構成することができる。
【0012】
【作用】
上記構成の二次元測定機によれば、Y軸駆動部がX軸フレームの長手軸方向略中央に設けられているので、ガイドレールの加工誤差によりヨーイング運動が発生したとしても、X軸フレームにスライド移動自在に設けられている検出部は、Y軸駆動部に対して、最大でもX軸フレームの長手軸方向の略1/2しか移動せず、このため、ヨーイング運動による測定誤差を略1/2に低減できる。
【0013】
請求項2の構成によれば、光源部は、X軸フレームに取り付けられているので、光源部を検出部の二次元方向への移動に追随させるための構成は、一軸方向だけで済む。請求項3の構成によれば、光源部が、複数の発光ダイオードから構成されているので、光源部の発熱を少なくすることができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例について添附図面を参照して詳細に説明する。図1および図2は、本発明にかかる二次元測定機の第1実施例を示している。同図に示す二次元測定装置は、基台10と、この基台10に平行に固設された2条のガイドレール12と、ガイドレール12上にスライド移動自在に設置されたX軸フレーム14と、このX軸フレーム14をガイドレール12に沿って移動させるY軸駆動部16と、前記X軸フレーム14の長手軸方向に沿ってスライド移動自在に設けられた検出部18と、この検出部18を前記X軸フレーム14に沿って移動させるX軸駆動部20とを有している。
【0015】
基台10の上面には、被測定物を載せる透明なガラス製のテーブル21が設置されていて、このテーブル21の背面側に被測定物を照射する光源部、例えば、蛍光灯が配置される。また、基台10の内部には、二次元測定機の制御系が内蔵され、その一側面には、操作部22が設けられている。
X軸フレーム14は、その縦断面が略凹形に形成され、その下面側の両端にガイドレール12と嵌合する複数のスライダー24が固設され、その上端面側には、検出部18が載置される載置台25をスライド移動自在に支持する複数のレール26が固設されている。
【0016】
また、X軸フレーム14には、図2にもその詳細を示すように、略角形の窓孔14aが設けられていて、テーブル21は、この窓孔14a内に挿通するようにして設置されている。
検出部18は、具体的には、拡大顕微鏡で構成され、載置台25上に固定支持されるとともに、その側部には、反射照明灯28が設けられている。X軸駆動部20は、モータ20aと、このモータ20aの回転軸に連結されたボールネジ20bとから構成され、これらの部材がX軸フレーム14内に設置され、ボールネジ20bと載置台25とが係合している。
【0017】
Y軸駆動部16は、モータ16aと、このモータ16aの回転軸に連結されたボールネジ16bとから構成され、これらのY軸構成部材は、テーブル21の下方において基台10のほぼ中央部に設置されている。そして、ボールネジ16bとX軸フレーム14とは、X軸フレーム14の長手軸方向の略中央部下面に突設された連結板30で結合されている。なお、図1に示した符号32の部材は、連結板30のガイドロッドである。
【0018】
以上のように構成された二次元測定機では、従来のこの種の測定機と同様に、基台10に設けられたテーブル21上に被測定物を載せ、これを下方から光源部で照射し、透過光を検出部18で受けながら、検出部18を移動させることにより測定が行われ、この時の二次元方向の移動量が、ボールネジ16b,20bの回転駆動量として、例えば、ロータリーエンコーダなどにより検出される。
【0019】
このような測定において、本実施例の測定機では、Y軸駆動部16がX軸フレーム14の長手軸方向略中央に設けられているので、ガイドレール12の加工誤差によりヨーイング運動が発生したとしても、X軸フレーム14にスライド移動自在に設けられている検出部18は、Y軸駆動部16に対して、最大でもX軸フレーム14の長手軸方向の略1/2しか移動せず、このため、ヨーイング運動による測定誤差を略1/2に低減でき、測定機の精度を大きく向上させることが可能になる。
【0020】
また、Y軸駆動部16がX軸フレーム14の長手軸方向略中央に設けられているので、検出部18をX軸フレーム14に沿って往復移動させる場合の測定誤差も低減することができる。
図3から図5は、本発明にかかる二次元測定機の第2実施例を示しており、以下にその特徴点についてのみ説明する。同図に示す二次元測定機では、光源部34が検出部18の直下に設けられている。この光源部34は、複数の発光ダイオード34aから構成され、この実施例では、発光ダイオード34aは、基板34bに取り付けられている。
【0021】
このように構成された光源部34は、X軸フレーム14の端部下面に対向設置された一対の支持プレート36と、この支持プレート36間に渡設された2本のガイドバー37と、ガイドバー37に挿通され、基板34bが上面に固着されたスライド台38とによりX軸フレーム14に取り付けられている。
また、この実施例の光源部34は、図5にその詳細を示すように、検出部18とX軸フレーム14の長手方向に沿って同期移動するように構成されている。この移動機構は、複数の回転シーブ39と複数のワイヤ40とから構成され、一本のワイヤ40の一端が、検出部18の載置台25の側端に垂設された突片41に固定され、他端が複数の回転シーブ39を経てスライド台38に係止されている。また、別のワイヤ40は、一端がスライド台38に固定され、他端が複数の回転シーブを経て突片41に固定されている。
【0022】
このように構成された移動機構では、検出部18がX軸フレーム14に沿って移動すると、ワイヤ40に引っ張られて、スライド台38がガイドバー37に沿って同期移動する。
さて、以上のように構成された二次元測定機では、上記第1実施例と同様な方法で測定が行われるが、このとき、本実施例では、光源部34がX軸フレーム14に取り付けられていて、光源部34は、Y軸駆動部16を駆動するとX軸フレーム14とともに移動するとともに、回転シーブ39とワイヤ40とで構成した移動機構により検出部18とX軸フレーム14に沿って同期移動するので、光源部34は、検出部18と二次元方向に同期移動する。
【0023】
このような構成の光源部34では、まず、光源が発光ダイオード34aで構成されているので、蛍光灯などよりも発熱が非常に少なく、このため、たとえば、フィルム状原板などを測定する際に、熱膨張の影響を低減することができ、測定精度が向上する。
また、このような光源の発熱の影響を排除する手段として、光源を測定機の外部に設け、光ファイバーで光を検出部18の下方に導く測定機(特開平3-255301号公報)も提案されているが,この測定機では、二次元方向の同期移動機構を必要とし、しかも、光ファイバーをリンク機構によって二次元方向に移動可能に支持しなければならないので、その構成が複雑になっているが、本実施例の場合には、光源部34は、X軸フレーム14に取り付けられているので、光源部34を検出部18の二次元方向への移動に追随させるための構成は、一軸方向だけで済、構成を大幅に簡素化することができる。
【0024】
図6および図7は、この発明にかかる二次元測定機の第3実施例を示しており、以下にその特徴点についてのみ説明する。同図に示す二次元測定機では、光源部44が上記第2実施例と同様に複数の発光ダイオード44aから構成され、検出部18の直下において、X軸フレーム14の長手軸方向に沿って、直線状に設けられている。
【0025】
発光ダイオード44aは、基板44bに支持され、基板44bがX軸フレーム14の側面に固設されている。発光ダイオード44aの上面側には、拡散フィルター44cが設けられている。
さて、以上のように構成された二次元測定機では、上記第1,2実施例と同様な方法で測定が行われるが、このとき、本実施例では、光源部44がX軸フレーム14の長手軸方向に沿って直線状に設けられているので、光源部44は、Y軸駆動部16を駆動するとX軸フレーム14とともに移動するとともに、検出部18がX軸フレーム14に沿って移動すると、その下方側から被測定物を常時照射することができ、この結果、光源部44は、検出部18と二次元方向に同期移動させるのと同じことになる。
【0026】
なお、この場合、光源部44の発光ダイオード44aは、必ずしも常時その全部を点灯する必要はなく、例えば、検出部18の移動に伴って、検出部18で見る範囲毎に部分的に点灯することもできる。
このような構成の二次元測定機によれば、上記第2実施例と同等の作用効果が得られるとともに、光源部44には、検出部18の二次元方向に同期移動させる機構が不要になるので、より一層構成を簡略にすることができる。
【0027】
また、発光ダイオード44aで構成した光源部44は、その印加電圧を調整することにより、輝度を簡単に変更することができるので、例えば、被測定物に合わせて輝度を変える調光が簡単にできる。
【0028】
【発明の効果】
以上、実施例で詳細に説明したように、本発明にかかる二次元座標測定機によれば、測定精度を大幅に向上することができる。また、請求項2の構成によれば、光源部を同期移動させる構成が簡単になる。さらに、請求項3の構成によれば、光源部の熱影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明にかかる二次元測定機の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】
図1の要部拡大図である。
【図3】
本発明にかかる二次元測定機の第2実施例を示す斜視図である。
【図4】
図3の要部拡大図である。
【図5】
図3の要部拡大図である。
【図6】
本発明にかかる二次元測定機の第3実施例を示す斜視図である。
【図7】
図3の要部拡大図である。
【図8】
従来の二次元測定機の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 基台
12 ガイドレール
14 X軸フレーム
16 Y軸駆動部
16a モータ
16b ボールネジ
18 検出部
20 X軸駆動部
20a モータ
20b ボールネジ
21 テーブル
24 スライダー
25 載置台
34,44 光源部
34a,44a 発光ダイオード
36 支持プレート
37 ガイドバー
38 スライド台
39 回転シーブ
40 ワイヤ
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2005-04-26 
出願番号 特願平5-154730
審決分類 P 1 41・ 856- Y (G01B)
P 1 41・ 841- Y (G01B)
P 1 41・ 832- Y (G01B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 白石 光男  
特許庁審判長 上田 忠
特許庁審判官 杉野 裕幸
尾崎 淳史
江藤 保子
瀧 廣往
登録日 1999-02-19 
登録番号 特許第2889083号(P2889083)
発明の名称 二次元座標測定機  
代理人 八木 秀人  
代理人 清水 修  
代理人 八木 秀人  
代理人 清水 修  
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