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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 H01L |
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管理番号 | 1119415 |
異議申立番号 | 異議2003-71264 |
総通号数 | 68 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-08-13 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-05-16 |
確定日 | 2005-04-13 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3346425号「ベアチップテスト用ソケット」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3346425号の請求項1に係る特許を取り消す。 |
理由 |
I.手続の経緯 本件特許第3346425号の発明についての出願は、平成4年1月30日の出願であって、平成14年9月6日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、金子しのより特許異議の申立てがなされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成16年10月18日に訂正請求がなされたものである。 II.訂正の適否について 1.訂正の内容 (1)訂正事項a 【請求項1】中の「前記チップ収容凹部の底面に設けられた複数の接続パッドと」を、「前記チップ収容凹部の底面から突出して設けられた複数の接続パッドと」と訂正する。 (2)訂正事項b 明細書段落【0005】中の「前記チップ収容凹部の底面に設けられた複数の接続パッドと」を、「前記チップ収容凹部の底面から突出して設けられた複数の接続パッドと」と訂正する。 2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項aは、請求項1において、チップ収容凹部の底面に設けられた複数の接続パッドを、チップ収容凹部の底面から突出して設けられたと限定したものである。この点は、明細書段落【0008】に「ソケット本体2は、上面にベアチップ5の大きさに略等しい矩形のチップ収容凹部1を有する。このチップ収容凹部1には、ベアチップ5のバンプ4、4・・に対応して接続パッド7、7・・が形成され、ソケット本体2の裏面に設けられる出力ピン8、8・・に接続される。」としか記載されていないが、本発明の実施例を示す断面図である図1には、「7:接続パッド」がソケット本体2のチップ収容凹部1の底面から突出していることが示されていることにより裏付けられている。 よって、訂正事項aは、明細書又は図面に記載した事項の範囲内での特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。 (2)訂正事項bは、特許請求の範囲の訂正に伴い、明細書段落【0005】の記載をこれと整合させるものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 そして、上記訂正事項a、bは、いずれも願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 3.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 III.特許異議申立についての判断 1.本件発明 本件特許の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】バンプを有するベアチップの性能を試験するベアチップテスト用ソケットであって、 チップを収容するためのチップ収容凹部が設けられたソケット本体と、 前記チップ収容凹部の底面から突出して設けられた複数の接続パッドと、 前記底面の反対面に設けられ、前記接続パッドのそれぞれと電気的に導通する複数の出力ピンと、 前記接続パッドに接した状態で、前記チップ収容凹部内に敷設される異方性導電シートと、 前記ベアチップを、バンプ形成面の反対側から押圧する蓋体と、を有し、 前記接続パッドが前記バンプと対応する位置に設けられ、試験の際、前記ベアチップが前記異方性導電シート上に取り外し自在に配置され、前記異方性導電シートが、該バンプとそれに対応する接続パッドにより、両側から挟んで押し付けられることを特徴とするベアチップテスト用ソケット。」 2.当審が通知した取消理由において引用した刊行物1、周知例、及びその記載事項 刊行物1:特開平2-301979号公報(甲第1号証) 周知例1:特開平3-293566号公報 (1)刊行物1:特開平2-301979号公報 (1a)「平坦な底面に半導体素子(2)の平面電極(2a)に対応する配線電極(1a-2)を形成し底面に向かってすぼむ傾斜側面(1a-3)を有するくぼみ(1a-1)と、外形の一側縁に設けたヒンジ(1a-4)により回動開閉し弾性ゴム(1a-6)を内側に突設する押さえ蓋(1a-5)とを備える絶縁性ソケット本体(1a)と、前記配線電極(1a-2)に接触するように載せる異方導電性ゴムシート(1b)と、挿入した半導体素子(2)外形と嵌合する枠孔(1c-2)を有し該半導体素子(2)外形と前記くぼみ(1a-1)の傾斜側面(1a-3)との間に押入するくさび部(1c-1)を突出する位置決め枠(1c)とからなり、半導体素子(2)を前記くぼみ(1a-1)に挿入して異方導電性ゴムシート(1b)上に載せ、前記位置決め枠(1c)のくさび部(1c-1)を押し込んで電極(2a,1a-2)同士を合わせ、前記押さえ蓋(1a-5)を閉じて半導体素子(2)を弾性ゴム(1a-6)で押圧しロックするようにしたことを特徴とする半導体素子用ソケット。」(特許請求の範囲) (1b)「〔産業上の利用分野〕 本発明は電気試験を行うためLSIやICなどを収納する半導体素子用ソケットに関する。半導体素子を試験あるいは実験する際、試験後に容易に取り替えることのできる半導体素子用ソケットが要望されている。」(2頁左上欄6〜11行) (1c)「〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、このような上記実装構造によれば、半導体素子はワイヤボンディングにより実装すると試験後の取り替えは簡単にできず試験用基板は試験済みの半導体素子とともに使い捨てとなって経済性が悪いという問題や、試験用マイクロプローブによる触針では試験後の取り替えはできるが、ワイヤボンディング方式に比べて大形でその設備に費用が掛かるといった問題があった。」(2頁右上欄5〜13行) (1d)「〔作用〕 くぼみの底面に設けた配線電極と半導体素子の平面電極間に異方導電性ゴムシートを挟み、位置決め枠のくさび部を押し込むことにより、半導体素子はくぼみ内に自動的にセンタリングされて電極同士を一致させることができ、さらに弾性ゴムを介して押さえ蓋で押圧することにより、異方導電性ゴムシートは厚さ方向のみの導電性を有することから電極同士を電気的に接続することができる。」(2頁左下欄17行〜右下欄7行) (1e)実施例として、「第1図の分解した状態を示す組立斜視図及び第2図のその側断面図に示すように、半導体素子用ソケット1は2点鎖線で示す半導体素子2を収納するくぼみ1a-1を備える絶縁性ソケット本体1aと、くぼみ1a-1に挿入する異方導電性ゴムシート1bと、電極同士の位置合わせを行う位置決め枠1cとから構成される。 絶縁性ソケット本体1aは、絶縁性合成樹脂材を偏平な立方体にモールド成形してなり、平坦な底面に半導体素子2の平面電極2aに対応する配線電極1a-2を形成し底面に向かってすぼむ傾斜側面1a-3を有し半導体素子2をほぼ沈め得る深さの逆四角錐台形のくぼみ1a-1を表面に開口して備える。 裏面には配線電極1a-2と接続した外部接続用リード端子1a-1aを突出し植設成形する。 そして、ソケット本体外形の一側縁にヒンジ1a-4を一体成形し、このヒンジ1a-4により回動開閉する金属ばね板からなる少なくとも半導体素子2の平面視外形大きさ(図はソケット本体外形の平面視大きさにしてある)の押さえ蓋1a-5を備える。この押さえ蓋1a-5の内側には位置決め枠1cの枠孔1c-2を通して半導体素子2の上面を直接、押さえる角形の弾性ゴム1a-6を貼り付け突設し、ヒンジ1a-4と反対側縁の一部を直角に折曲し係合孔1a-7aを開けたつまみ部1a-7を備える。また更に、ヒンジ1a-4と反対側の本体側壁1a-8にはこのつまみ部1a-7の係合孔1a-7aを挿入・係止するロック用突起1a-8aを一体成形備える。 異方導電性ゴムシート1bは、厚さ方向にだけ導電性を有しシート面方向には絶縁性を示すように、例えばシリコンゴムシート(フィルムもある)に金属粒子を混合したもので、くぼみ1a-1に挿入できる大きさに角形に切ってあり、くぼみ1a-1に挿入して配線電極1a-2に接触するように置かれる。 ・・・・・ 絶縁性ソケット本体1aに半導体素子2を収納実装するには、半導体素子2をくぼみ1a-1に挿入して異方導電性ゴムシート1b上に載せ、位置決め枠1cの枠孔1c-2を半導体素子2に嵌合しながら、くぼみ1a-1の傾斜側面1a-3との間にくさび部1c-1を押し込み、最後に押さえ蓋1a-5を閉じて半導体素子2を弾性ゴム1a-6で押圧し、つまみ部1a-7の係合孔1a-7aをロック用突起1a-8aに係止しロックする。 このように、くぼみに挿入した半導体素子にさらに位置決め枠を挿入しそのくさび部をくぼみの傾斜側面との間に押し込むことにより、自動的に電極同士が位置合わせされる。そして、くぼみの配線電極と半導体素子の平面電極の間に異方導電性ゴムシートを介在して置くことにより、押さえ蓋で弾性押圧することによって電極同士を電気的に導電接続することができる。 そして、半導体素子のくぼみへの収納実装は挿入・圧接構造によるため、容易に挿抜することができ、試験後の半導体素子を簡単に取り替えることができる。また、本発明の半導体素子用ソケットは従来のワイヤボンディング実装の使い捨てに比べて反復使用することができて経済性に優れ、マイクロプローブの触針接続構造に比べて安価・小形に製作することができる。」(2頁右下欄11行〜3頁左下欄16行)が記載されている。 (2)周知例1:特開平3-293566号公報 実施例として、「第1図は本発明の検査装置を半導体装置5の電極部6に接触させて検査を行なっている状態を示す一検査実例の断面図である。本発明の検査装置は検査回路および電極リード1表面に有する誘電体フィルム2から構成され、リード1形成部位の誘電体フィルム2には微小径の導通孔3が設けられいると共に、リード1形成面と反対面の導通孔3の端部にはバンプ状の金属突出物4が設けられてなるものである。検査に際しては上記バンプ状の金属突出物4を半導体装置5の電極部6と接触させて、電気的に様々な検査を行なうことができる。」(2頁左上欄19行〜右上欄10行)が記載されている。 3.対比・判断 刊行物1には、電気試験を行うためLSIやICなどを収納する半導体素子用ソケットに関し(摘記事項(1b))、絶縁性ソケット本体1aは、絶縁性合成樹脂材を偏平な立方体にモールド成形してなり、平坦な底面に半導体素子2の平面電極2aに対応する配線電極1a-2を形成し底面に向かってすぼむ傾斜側面1a-3を有し半導体素子2をほぼ沈め得る深さの逆四角錐台形のくぼみ1a-1を表面に開口して備え、裏面には配線電極1a-2と接続した外部接続用リード端子1a-1aを突出し植設成形すること(摘記事項(1e))が記載されており、半導体素子2の平面電極2aに対応する配線電極1a-2、及び配線電極1a-2と接続した外部接続用リード端子1a-1aは、通常複数設けられているものである。 そうすると、刊行物1には、「平坦な底面に半導体素子(2)の平面電極(2a)に対応する複数の配線電極(1a-2)を形成し底面に向かってすぼむ傾斜側面(1a-3)を有するくぼみ(1a-1)と、外形の一側縁に設けたヒンジ(1a-4)により回動開閉し弾性ゴム(1a-6)を内側に突設する押さえ蓋(1a-5)とを備える絶縁性ソケット本体(1a)と、前記配線電極(1a-2)に接触するように載せる異方導電性ゴムシート(1b)と、挿入した半導体素子(2)外形と嵌合する枠孔(1c-2)を有し該半導体素子(2)外形と前記くぼみ(1a-1)の傾斜側面(1a-3)との間に押入するくさび部(1c-1)を突出する位置決め枠(1c)とからなり、絶縁性ソケット本体(1a)底面の裏面には配線電極(1a-2)と接続した複数の外部接続用リード端子(1a-1a)を突出し植設成形してあり、半導体素子(2)を前記くぼみ(1a-1)に挿入して異方導電性ゴムシート(1b)上に載せ、前記位置決め枠(1c)のくさび部(1c-1)を押し込んで電極(2a,1a-2)同士を合わせ、前記押さえ蓋(1a-5)を閉じて半導体素子(2)を弾性ゴム(1a-6)で押圧しロックするようにした電気試験を行うための半導体素子用ソケット。」の発明が記載されていることになる。 そこで、本件発明と刊行物1に記載の発明とを対比すると、刊行物1に記載の発明の「配線電極(1a-2)」、「くぼみ(1a-1)」、「押さえ蓋(1a-5)」、「外部接続用リード端子(1a-1a)」は、本件発明の「接続パッド」、「チップ収容凹部」、「蓋体」、「出力ピン」にそれぞれ相当し、又刊行物1に記載の発明の半導体素子の平面「電極」は、本件発明のベアチップの「バンプ」に対応しているから、 両者は、「電極を有するチップの性能を試験するチップテスト用ソケットであって、 チップを収容するためのチップ収容凹部が設けられたソケット本体と、 前記チップ収容凹部の底面に設けられた複数の接続パッドと、 前記底面の反対面に設けられ、前記接続パッドのそれぞれと電気的に導通する複数の出力ピンと、 前記接続パッドに接した状態で、前記チップ収容凹部内に敷設される異方性導電シートと、 前記チップを、電極形成面の反対側から押圧する蓋体と、を有し、 前記接続パッドが前記電極と対応する位置に設けられ、試験の際、前記チップが前記異方性導電シート上に取り外し自在に配置され、前記異方性導電シートが、該電極とそれに対応する接続パッドにより、両側から挟んで押し付けられるチップテスト用ソケット。」の点で一致し、次の点で相違する。 相違点a:本件発明のチップテスト用ソケットは、性能を試験する対象を「バンプを有するベアチップ」とし、「バンプを有するベアチップの性能を試験するベアチップテスト用ソケット」としているの対し、刊行物1に記載の半導体素子用ソケットは、性能を試験する対象を平面電極を有する半導体素子とし、電気試験を行うための半導体素子用ソケットとしている点。 相違点b:本件発明の接続パッドは、チップ収容凹部の底面から突出して設けられたとしているのに対し、刊行物1に記載の配線電極は、くぼみの底面に設けられているものの突出しているかが不明である点。 そこで上記相違点a、bについて検討する。 相違点aについて バンプを有するベアチップを基板へ実装する前に性能試験を行うことは、例えば、特開平3-227552号公報に、「半導体ベアチップを基板へ実装する前に半導体ベアチップの電気的検査を実施でき、・・・」(2頁右上欄12〜14行)と記載され、また、特開平3-131048号公報に、「本発明は、上記事情に対処してベアチップICの形で、簡易に所要のバーンインを行い得る方法を提供するものである。」(2頁左上欄10〜12行)とし、その実施例として、「ベアチップIC1の電極パッド1a面に銅バンプ6を電気めっきで形成し、・・・」(3頁左上欄1〜3行)と記載されているように本件特許出願前の周知技術である。 そうすると、刊行物1に記載の電気試験を行うためLSIやICなどを収納する半導体素子用ソケットにおいて、性能を試験する対象を周知であるバンプを有するベアチップとし、バンプを有するベアチップの性能を試験するベアチップテスト用ソケットとすることは当業者ならば適宜なし得ることである。 相違点bについて 刊行物1に記載の配線電極は、くぼみの底面に設けられているものの突出しているかが不明であって明確でない。しかしながら、当該配線電極は、半導体素子の平面電極と異方導電性ゴムシートを介して電極同士を電気的に導電接続するものであって、電極同士を確実に接触させる必要性を当然に有するものである。 ここで、上記周知例1に記載されている半導体の検査装置は、検査回路および電極リード1を表面に有する誘電体フィルム2から構成され、リード1形成部位の誘電体フィルム2には微小径の導通孔3が設けられていると共に、リード1形成面と反対面の導通孔3の端部にはバンプ状の金属突出物4が設けられ、検査に際しては上記バンプ状の金属突出物4を半導体装置5の電極部6と接触させて、電気的に様々な検査を行なう(摘記事項(2))もので、半導体装置の電極部との接触部は、バンプ状の金属突出物としているものであり、又特許異議申立人の提出した甲第5号証である特開昭59-3269号公報には、プリント基板の検査装置として、端子保持板1には、測定器に接続された検査用端子2を固定して設けてその先端部21を端子保持板の表面より間隙S内に突出させたこと(第3図、第4図(イ)(ロ)、及びそれに関する説明として3頁左下欄14〜19行)が記載されており、検査用の端子、電極を突出させておき確実に接触させることは周知技術である。 そうすると、上記したとおり刊行物1に記載の配線電極も電極同士を確実に接触させることが当然に要求されるものであるから、当該配線電極を、くぼみの底面から突出するように設けることは、当業者ならば容易に想到し得ることである。 そして、本件発明の効果は、刊行物1の記載及び上記周知技術から当業者が容易に予測できる程度のものであって、格別顕著なものではない。 したがって、本件発明は、刊行物1に記載された発明及び上記周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 IV.むすび 以上のとおり、本件請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本件請求項1に係る発明についての特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 ベアチップテスト用ソケット (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】バンプを有するベアチップの性能を試験するベアチップテスト用ソケットであって、 チップを収容するためのチップ収容凹部が設けられたソケット本体と、 前記チップ収容凹部の底面から突出して設けられた複数の接続パッドと、 前記底面の反対面に設けられ、前記接続パッドのそれぞれと電気的に導通する複数の出力ピンと、 前記接続パッドに接した状態で、前記チップ収容凹部内に敷設される異方性導電シートと、 前記ベアチップを、バンプ形成面の反対側から押圧する蓋体と、を有し、 前記接続パッドが前記バンプと対応する位置に設けられ、試験の際、前記ベアチップが前記異方性導電シート上に取り外し自在に配置され、前記異方性導電シートが、該バンプとそれに対応する接続パッドにより、両側から挟んで押し付けられることを特徴とするベアチップテスト用ソケット。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、ベアチップテスト用ソケットに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 一般にLSI素子を基板上に実装するに際して、該LSIの性能試験がなされるが、LSI素子がベアチップである場合には、テストツールがないために、従来、受け入れ検査が行われず、そのまま基板上に実装し、しかる後、他の部品も搭載された状態で基板ユニット単位に試験が行われていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、かかる状態での試験では、素子不良が最終組立工程まで発見できず、さらに、不良交換等の作業も非常に困難であるという欠点を有するものであった。 【0004】 本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、ベアチップ単体での試験を可能とするベアチップテスト用ソケットを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明によれば上記目的は、実施例に対応する図1に示すように、バンプを有するベアチップの性能を試験するベアチップテスト用ソケットであって、チップを収容するためのチップ収容凹部が設けられたソケット本体と、前記チップ収容凹部の底面から突出して設けられた複数の接続パッドと、前記底面の反対面に設けられ、前記接続パッドのそれぞれと電気的に導通する複数の出力ピンと、前記接続パッドに接した状態で、前記チップ収容凹部内に敷設される異方性導電シートと、前記ベアチップを、バンプ形成面の反対側から押圧する蓋体と、を有し、前記接続パッドが前記バンプと対応する位置に設けられ、試験の際、前記ベアチップが前記異方性導電シート上に取り外し自在に配置され、前記異方性導電シートが、該バンプとそれに対応する接続パッドにより、両側から挟んで押し付けられることを特徴とするベアチップテスト用ソケットを提供することにより達成される。 【0006】 【作用】 本発明において、ベアチップテスト用ソケットはチップ収容凹部1を有するソケット本体2を有し、チップ収容凹部1には異方性導電シート3が敷設される。ベアチップ5はバンプ4形成面を異方性導電シート3に向けた状態でチップ収容凹部1にセットされ、ソケット本体2に装着された蓋体6を閉塞することにより下方に押圧される。 異方性導電シート3は、バンプ4により押圧された部位において導電性を発揮し、ベアチップ5のバンプ4とソケット本体2の接続パッド7との導通が取られる。 【0007】 【実施例】 以下、本発明の望ましい実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。 ベアチップテスト用ソケットの全体図を図2に示し、ソケット本体2と、蓋体6とを有して構成される。 【0008】 ソケット本体2は、上面にベアチップ5の大きさに略等しい矩形のチップ収容凹部1を有する。 このチップ収容凹部1には、ベアチップ5のバンプ4、4・・に対応して接続パッド7、7・・が形成され、ソケット本体2の裏面に設けられる出力ピン8、8・・に接続される。 【0009】 3は上記チップ収容凹部1に敷設される異方性導電シートであり、加圧による変形部位が導電性を発揮するように構成され、該異方性導電シート3によりチップ収容凹部1の接続パッド7を覆うことにより、同時に接続パッド7への異物、酸化物付着等を防止している。 【0010】 一方、蓋体6はソケット本体2の一端縁に回動自在に装着されており、回動軸の反対縁をソケット本体2に係止させ、チップ収容凹部1を閉塞する。 また、この蓋体6の裏面には、チップ収容凹部1に嵌合可能な押圧突部9が突設されており、チップ収容凹部1に装着されたベアチップ5を押圧する。 【0011】 次に本発明に係るベアチップテスト用ソケットの使用方法を図1により説明する。 先ず、ベアチップテスト用ソケットは、検査基板上のパッドに出力ピン8をハンダ付けして実装される。 被検査ベアチップ5は、バンプ4を異方性導電シート3側に向けた状態でチップ収容凹部1内にセットされ、次いで、蓋体6を閉じると、ベアチップ5の背面は押圧突部9により押し付けられ、バンプ4部位において異方性導電シート3が導通し、バンプ4がソケット本体2の接続パッド7に接続される。 この状態において、ベアチップ5は検査基板上に実装された状態となり、所定の試験が行われる。 【0012】 【発明の効果】 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ベアチップを単体状態で検査することが可能となる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施例を示す断面図である。 【図2】 図1の分解斜視図である。 【符号の説明】 1 チップ収容凹部 2 ソケット本体 3 異方性導電シート 4 バンプ 5 ベアチップ 6 蓋体 7 接続パッド 8 出力ピン |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2005-02-23 |
出願番号 | 特願平4-14628 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
ZA
(H01L)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 山中 真 |
特許庁審判長 |
城所 宏 |
特許庁審判官 |
瀬良 聡機 市川 裕司 |
登録日 | 2002-09-06 |
登録番号 | 特許第3346425号(P3346425) |
権利者 | 富士通株式会社 |
発明の名称 | ベアチップテスト用ソケット |
代理人 | 山川 雅男 |
代理人 | 山川 雅男 |