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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  B29C
管理番号 1119965
審判番号 無効2004-80110  
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-03-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2004-07-22 
確定日 2005-05-09 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第2786393号発明「スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第2786393号の請求項1に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
本件特許第2786393号の請求項1に係る特許は、平成5年9月10日に特願平5-226143号として特許出願され、平成10年5月29日にその設定登録がなされ、これに対して、平成16年7月22日に積水化成品工業株式会社から本件無効審判の請求がなされ、平成16年8月10日付けで被請求人に対して答弁が指令され、被請求人からその指定期間内である平成16年10月12日付けで答弁書が提出され、平成16年12月3日付けで、特許法第153条第2項の規定に基づき、いわゆる職権審理の結果による無効理由を通知したところ、被請求人からその指定期間内である平成16年12月27日付けで意見書が提出されるとともに、訂正請求がされ、その後、平成17年2月15日付けで請求人及び被請求人に対して書面審理通知書が送付されたものである。
第2.訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
訂正請求の内容は、以下のとおりである。
1-1.訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1について、
「スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる発泡成形体であって、小片間に10〜40%の空隙を有するように小片同士が融着していることを特徴とするスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体。」を、
「球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる発泡成形体であって、小片間に10〜40%の空隙を有するように小片同士が融着していることを特徴とするスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体。」と訂正する。

1-2.訂正事項b
明細書の段落0006について、
「【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果為し得たものであって、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる発泡成形体であって、小片間に10〜40%の空隙を有するように小片同士が融着していることを特徴とするスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体を提供せんとするものである。」を、
「【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果為し得たものであって、球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる発泡成形体であって、小片間に10〜40%の空隙を有するように小片同士が融着していることを特徴とするスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体を提供せんとするものである。」と訂正する。

1-3.訂正事項c
明細書の段落0009について、
「このようにして得られた発泡体小片を金型内に80〜100%充填し、スチ-ム圧力0.05〜0.5kg/cm2で2〜30秒間加熱することによって、空隙率10〜40%のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体が得られる。」を、
「このようにして得られた球状の発泡体小片を金型内に80〜100%充填し、スチ-ム圧力0.05〜0.5kg/cm2で2〜30秒間加熱することによって、空隙率10〜40%のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体が得られる。」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張変更の存否
2-1.訂正事項aについて
訂正事項aは、願書に添付された明細書の段落0008の「発泡体小片の形状としては、球状や鞍状、ヒモ状等の異形のものでもよいが、特に球状の粒子を用いた時に従来の方法と比較して効果を奏する。球状の場合には例えば2〜20mm程度の粒径のものを用いることができる。」との記載に基づいて、発泡体小片の形状を「球状」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められ、また、その訂正は、願書に添付された明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、さらに、明らかに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

2-2.訂正事項b及びcについて
訂正事項b及びcは、訂正事項aによる特許請求の範囲の減縮に整合させて、発明の詳細な説明における記載について、発泡体小片の形状を「球状」と限定するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものと認められ、訂正事項aについて述べたと同様の理由により、その訂正はいずれも、願書に添付された明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、さらに、明らかに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

3.むすび
よって、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定により、なお従前の例によるとされる、平成6年法律第116号による改正前の特許法第134条第2項ただし書、及び同法第134条第5項において準用する同法第126条第2項の規定に適合するものであるから、訂正を認める。

第3.本件発明
本件特許第2786393号の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、訂正された本件特許の明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載されるとおりの以下の事項を発明の構成に欠くことができない事項とするものと認める。
「球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる発泡成形体であって、小片間に10〜40%の空隙を有するように小片同士が融着していることを特徴とするスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体。」

第4.当事者の求めた審判
1.請求人の主張
請求人は、審判請求書において、以下の甲第1〜3号証を提出して、特許第2786393号の請求項1に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めることを請求の趣旨とし、
本件発明の特許を無効とすべき理由として、訂正前の本件発明は、
甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたもの(理由1)、
甲第1、2号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたもの(理由2)、又は、
甲第1〜3号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたもの(理由3)であって、
特許法第29条第2項の規定により、これについては特許を受けることができないものであるから、本件発明の特許は、同法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効とすべきである、と主張する。
甲第1号証: 特開平2-41234号公報
甲第2号証: 「特許庁公報 57(1982)-133〔3347〕 周知・慣用技術集(発泡成形)」(日本国特許庁、1982年8月3日発行)第1〜3、100、107ページ
甲第3号証: 特開平4-77532号公報
(合議体注: 請求人は、審判請求書第9ページの「(5)むすび」において、「(…甲第1号証及び甲第2号証に基づき、)又はさらに甲第3号証に基づいて、容易に想到し得る発明」であると主張しており、「さらに(甲第3号証に基づいて)」との記載から、甲第1〜第3号証に基いて、容易に想到し得る発明である旨を主張しているものと解される。)

2.被請求人の主張
被請求人は、答弁書において、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、訂正前の本件発明は、特許法第29条の規定に該当しないものであるから、同法第123条第1項第2号の規定に該当しない、と主張している。
また、被請求人は、当審による、以下3.の無効理由通知に対して、平成16年12月27日付けの意見書において、訂正後の本件発明は、以下の刊行物1〜6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないと主張している。

3.当審の無効理由通知の概要
訂正前の本件発明は、以下の刊行物1〜6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであり、本件発明の特許は、同法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効にすべきものである。
刊行物1: 特開昭62-212131号公報
刊行物2: 特開昭59-230036号公報
刊行物3: 特開平4-77532号公報(請求人が提出した甲第3号証に同じ。)
刊行物4: 特開平3-224727号公報
刊行物5: 特開昭60-104318号公報
刊行物6: 特開平5-177723号公報

第5.当審の判断
まず、当審が平成16年12月3日付けで通知した職権審理の結果による無効理由について、以下検討する。
1.刊行物1〜6に記載の発明
刊行物1には以下の記載がある。
ア: 「1) スチーム孔を有する固定型とスチーム孔を有する移動型よりなる型の加圧ガスにより昇圧したキヤビテイ内に熱可塑性樹脂発泡粒子を加圧ガスを用いて圧縮しながら充填し、次いでスチーム加熱により発泡粒子を発泡融着させて型物発泡成形体を成形する方法において、前記の発泡粒子充填後のキヤビテイ内に前記のキヤビテイ内圧を保持し続けて発泡粒子の復元を抑えたままで、該キヤビテイ内圧よりも0.2kg/cm2以上高い圧力を有する抜気用スチームを、
○1 移動型のチヤンバーに導き、スチーム孔、キヤビテイ、固定型のチヤンバーを経て抜気するか、又は
○2 固定型のチヤンバーに導き、スチーム孔、キヤビテイ、移動のチヤンバー経て抜気するか、又は
○3 前記○1の抜気と前記○2の抜気の両方を行ない、
次いでキヤビテイ内圧を大気圧に戻して圧縮された発泡粒子を復元し、膨張させた後のち、移動型のスチームチヤンバー及び固定型のスチームチヤンバーに加熱用スチームを導入して発泡粒子を発泡融着させることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡粒子の型内成形法。
3) 熱可塑性樹脂発泡粒子が、ポリプロピレン、ポリエチレン及びスチレン改質ポリオレフィン、ポリスチレンよりなる群から選ばれた樹脂の発泡粒子である特許請求の範囲第1項又は第2項記載の方法。」(特許請求の範囲の第1、3項)
(当審注: 「○1」は、「○」の中に数字「1」が書かれた、いわゆる丸数字を意味する。以下同様。)
イ: 「本発明は融着性に優れ、巣(間隙)が少なく表面外観の良好な発泡成形品が容易に得られ、しかも全成形サイクル時間の短い熱可塑性樹脂発泡体の型内成形法に関する。
(産業上の利用分野)
本発明の成形法は種々の容器、断熱材、緩衝材等に用いられる熱可塑性樹脂の型物成形体の成形に有利に用いられる。」(第2ページ上左欄第9〜16行)
ウ: 「かかる熱可塑性樹脂発泡粒子を製造する方法としては、たとえば樹脂を押出機中で発泡剤と混練して押出し、押出機のノズルを出たのち放圧して発泡させてから切断して発泡粒子を得る方法、或いは…懸濁重合して得た発泡剤を含有するポリスチレン、スチレングラフトポリプロピレン、スチレングラフトポリエチレン等の発泡性樹脂粒子をスチームで予備発泡させる方法等がある。発泡粒子の形状としては、球形、円筒形等の形状がある。」(第4ページ上右欄第15行〜下左欄第9行)
エ: 「本発明においては、圧抜きにより発泡粒子を原形に復元し、膨張させたのち、次いで固定型及び移動型の両スチームチヤンバーに同時に、たとえば0.5〜5kg/cm2Gのスチームを導入して充填された発泡粒子を加熱すると、発泡粒子の発泡によって粒子間隙が埋められるとともに、その発泡粒子が融着して発泡成形品となる。」(第6ページ上左欄第17行〜上右欄第3行)
オ: 「実施例2〜7
発泡粒子として、…
○2 粒径5mm、嵩密度が31.8g/l、スチレンとポリエチレン比が1:1のスチレン改質ポリエチレン共重合体予備発泡粒子(ESPE)…を用い、…型物発泡成形体を製造した。」(第8ページ下左欄第4〜第16行)
カ: 「(実施例等)…発泡体粒子の製造例…エチレン・プロピレンランダムコポリマー…600部…発泡剤としてブタン95部を仕込み、…オートクレーブの底部の吐出ノズル弁を開き、内容物を大気中に…放出して発泡を行わせた。…
比較例1
上記例で得た発泡粒子を用いて型内成形を行なった。…融着度は55%であった。
実施例1
比較例1で用いた装置及び発泡粒子を使用した。…粒子の間隙が非常に少なく…融着も優れ(95%)ていた。」(第7ページ上右欄第12行〜第8ページ下左欄第1行)
キ: 「表1」において、「実施例4」、「実施例5」として、「発泡粒子の種類」が「ESPE」からなる「型物発泡体」の「融着度(%)」が「95」であることが記載されている。(第9ページ上欄の表1)

刊行物2には以下の記載がある。
ク: 「1 スチレン系単量体を含浸重合したポリオレフイン系樹脂を基材とし、1mm2中に200個以上のセルを含むことを特徴とするポリオレフイン系樹脂発泡体。
7 予め架橋したポリオレフイン系樹脂にスチレン系単量体を含浸し、重合し、ついでえられたスチレン含浸重合架橋ポリオレフイン樹脂に発泡剤を含浸し、発泡せしめることを特徴とするポリオレフイン系樹脂発泡体の製法。」(特許請求の範囲の第1、7項)
ケ: 「スチレン含浸重合ポリオレフイン系樹脂発泡体はポリオレフイン系樹脂発泡体と比較して強度に優れ、成形体に加工するばあいの成形体寸法精度が良く、その成形体は包装材として使用されるばあいに緩衝性能が良いなどの利点を有している。しかしスチレン成分の剛性のためにポリオレフイン系樹脂発泡体の特徴である感触の軟らかさや弾力性などが劣化することおよび成形体をスライスした時のスライス面のきめが粗くなりザラザラした触感となることなどによりカメラ、時計、プリンターなど衝撃に弱い物や高級塗装品など表面が傷付きやすい物を包装するには好ましくない。」(第2ページ上左欄第16行〜上右欄第9行)
コ: 「発泡粒子を金型に充填して成形体を作製したばあい成形条件が不適切であると周辺部のセルの状態が乱れるばあいがあるため、かかる成形条件の影響を受けにくい中心部でセル数を計算した」(第4ページ上右欄第3〜7行)
サ: 「実施例8
低密度ポリエチレン…に対し…スチレン単量体を…含浸せしめたのち…重合することにより平均粒径約2mmのスチレン含浸重合粒子を得た。ついで該粒子に…ジクロロフルオロメタンを含浸し加圧バツチ式予備発泡機を用いて…発泡粒子をえた。
えられた発泡粒子のセル数を調べたのち該粒子を24時間養生して40mm×150mm×200mmの閉鎖しえるが密閉しえない金型に充填し、圧力1.0kg/cm2Gの水蒸気で20秒間加熱することにより成形体を作製した。」(第6ページ上右欄末行〜下左欄第17行)
シ: 「実施例12〜16
エチレン-酢酸ビニル共重合体…架橋度64.7%の粒子10kgとスチレン単量体10kgとを80lの重合機に入れ…架橋粒子にスチレン単量体を含浸させるとともに…スチレン単量体を重合させ粒径0.25〜10mmのスチレン含浸架橋ポリエチレン粒子をえた。該粒子に…発泡剤を含浸させ加圧バツチ式発泡機を用いて…発泡粒子を5種えた。…ジクロロフルオロメタンを発泡剤として発泡せしめた粒子を閉鎖しえるが密閉しえない金型に入れて成形体を作製した。」(第7ページ下左欄第3行〜下右欄下から第2行)

刊行物3には以下の記載がある。
ス: 「(1) 多数個のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の相互が表面融着して所定の形状を形成して成る融着成形体において、
上記発泡粒子相互の表面融着は、ほぼ球形をした発泡粒子が集合して生じる粒子相互の接触部で行なわれ、該発泡粒子間に空間を有した状態で強固に融着されたものであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡粒子の融着成形体。
(2) 上記発泡粒子相互の表面融着は、当該発泡粒子の表面に固着されている処の該発泡粒子基材樹脂の融点より5℃〜30℃低い融点を有したポリオレフィン系樹脂を介したものであることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の融着成形体。」(特許請求の範囲の請求項1、2)
セ: 「本発明でもこの空間の大きさを示す空間率で30%を越えるて空間を確保することは、粒子間の「融着強度」を低下させることに繋がるので面白くない。「融着強度」を実用できる値に保ち、一方で成形体の嵩密度低下の効果を期待したい観点からは、この空間率は10〜25%の範囲の値にすることが望ましい。」(第4頁左上欄第10〜17行)。
ソ: 「嵩密度の大きい側の成形体は当然圧縮強度も大きい強固なものになるが、連通した粒子間の空間は存在するので、例えば濾過時の芯材や暗渠素材等に応用すると、樹脂の持つ堅牢性、耐溶剤性等がそのまま活用できて効果的で且つ有用である。
この発泡粒子の周囲に空間部をより大きく均等に分布させた状態で発泡粒子の相互を強固に融着させ、実用に供し得る成形体にするには「上記発泡粒子相互の表面融着は、当該発泡粒子の表面に固着されている処の該発泡粒子基材樹脂の融点より5〜30℃低い融点を有したポリオレフィン樹脂を介したものであること」が望ましい。」(第4頁上右欄第1〜13行)
刊行物4には以下の記載がある。
タ: 「L/D(L:最長部の長さ、D:最大胴部の断面長さ)が2〜10である柱状ポリオレフィン系樹脂発泡粒子が不規則な方向を向いて相互に融着した成型体であって、発泡粒子間に空隙率5〜30%の連通した空隙部を有し、且つ5%圧縮時の圧縮強度が1.1kg/cm2以上であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡成型体。」(特許請求の範囲の請求項1)
チ: 「本発明は透水性と優れた圧縮強度を有し、主に排水用下地材等として利用できるポリオレフィン系樹脂発泡成型体及びその製造方法に関する。」(第1頁下右欄第11〜13行)

刊行物5には以下の記載がある。
ツ: 「少なくとも最長の長さが2cm以上の異形のポリスチレン発泡体チップを用い、このポリスチレン発泡体のチップを金型のキャビティ内に充填し、次いで、型締めを行った後に加圧蒸気を上記キャビティ内に導入し、チップ個々の表面を溶融させて該チップ同士を互いに融着させて空隙率が5〜40%の空隙を有する発泡体製品を得ることを特徴とするポリスチレン発泡体製品の製造方法。」(特許請求の範囲の第1項)
テ: 「本発明は包装用緩衝材や面排水材等として用いられるポリスチレン発泡体製品の製造方法に関し、特に、最終製品として嵩密度が小さい緩衝材を経済的に製造できるように改良したものである。」(第1ページ下左欄第14〜17行)

刊行物6には以下の記載がある。
ト: 「ポリスチレン発泡体からなり、最長部分の長さが2cm以上である非球形の同一形状の多数の押出し成形チップを金型のキャビティ内に充填し、次いで、型締めを行なった後に加熱し、押出し成形チップの表面同士を互いに融着させて5〜40%の空隙を有する発泡体成形体を製造する方法において、前記加熱を90〜110℃の蒸気により行ない、かつ、成形後、キャビティ内を減圧状態にして冷却することを特徴とするポリスチレン発泡成形体の製造方法。」(特許請求の範囲の請求項1)
ナ: 「本発明は面排水材や濾過材等として用いられるポリスチレン発泡成形体の製造方法に関する。」(段落0001)

2.対比・判断
2-1.刊行物1に記載された発明、及び、本件発明との対比
刊行物1には、摘示ア〜キ及びウからみて、「ポリプロピレン、ポリエチレン及びスチレン改質ポリオレフィン、ポリスチレンよりなる群から選ばれた樹脂の、球形等の発泡粒子を、型内に充填し、次いでスチーム加熱により発泡粒子を発泡融着させることにより得られた型物発泡成形体」の発明が記載されているものと認められる。
本件発明(以下、「前者」という。)と刊行物1(以下、「後者」という。)に記載された発明を対比する。
後者における「スチレン改質ポリオレフィン樹脂の球形等の発泡粒子」に関しては、実施例として、「スチレンとポリエチレン比が1:1のスチレン改質ポリエチレン共重合体予備発泡粒子」を使用することが示され(摘示オ)、及び、予備発泡粒子は、「懸濁重合して得た発泡剤を含有するスチレングラフトポリエチレン等の発泡性樹脂粒子をスチームで予備発泡させる方法」で製造されることが示され(摘示ウ)ており、懸濁重合で得た樹脂粒子が通例球状である、という技術常識を踏まえれば、「球形」と「球状」に実質的な差異はないと解されるから、該「スチレン改質ポリオレフィン樹脂の球形等の発泡粒子」は、前者における「球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片」に相当するものと認められる。
したがって、両者は、
「球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られるスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体。」で一致し、
前者が、「小片間に10〜40%の空隙を有する」ことを構成に欠くことができない事項とするのに対して、
後者における発泡体は、「融着性に優れ、巣(間隙)が少なく表面外観の良好な発泡成形品」(摘示イ)であり、「発泡粒子の発泡によって粒子間隙が埋められるとともに、その発泡粒子が融着して発泡成形品となる」(摘示エ)もので、具体例として、「融着度が95%」の成形体(摘示オ、キ)が示されているものの、「10〜40%の空隙を有する」成形体かどうかが不明である点で相違する。
なお、刊行物1に記載された発明は、摘示アのとおり、熱可塑性樹脂発泡粒子を特有条件での型内成形法により加熱発泡させて樹脂発泡成形体を製造するものであるが、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られるスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体とすることは、例えば、刊行物2の摘示サ、シにも示されるように、本件発明の特許出願前に当業者に広く知られた事項である。

2-2.相違点についての判断
刊行物3には、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の融着成形体において、圧縮強度が大きく暗渠素材等に応用できるものとして、10〜25%の空間率の成形体が記載され(摘示セ、ソ)、刊行物4には、柱状ポリオレフィン系樹脂発泡粒子が融着した、排水用下地材等に利用できる、空隙率が5〜30%の発泡成型体が記載されている(摘示タ、チ)。
また、刊行物5には、異形のポリスチレン発泡体チップを金型キャビティ内に充填し、チップ同士を融着させて得た、包装用緩衝材や面排水材等として用いられる、空隙率が5〜40%のポリスチレン発泡体製品が記載され(摘示ツ、テ)、刊行物6には、ポリスチレン発泡体からなる非球形の多数の押出し成形チップを金型キャビティ内に充填し、押出し成形チップを融着させて得た、5〜40%の空隙を有する、面排水材や濾過材等として用いられるポリスチレン発泡成形体が記載されている(摘示ト、ナ)。
刊行物3〜6に記載された発明がいずれも、「樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる樹脂発泡成形体」に関するものであることは、当業者に明らかであるから、
刊行物3〜6から、「ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる発泡成形体であって、小片間に10〜30%の空隙を有するように小片同士が融着していることを特徴とするポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン樹脂発泡成形体」は、本件発明の特許出願前に、暗渠等の排水材として、当業者に知られていたものであると認められる。
そして、摘示アの特許請求の範囲の第3項に示されるように、「球状の樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる樹脂発泡成形体」においては、「ポリプロピレン、ポリエチレン及びスチレン改質ポリオレフィン、ポリスチレン」、すなわち、「ポリオレフィン、スチレン改質ポリオレフィン及びポリスチレン」は、略同等に扱われ得るものであるということが、本件特許出願時に当業者に知られていた技術的知見であると認められるから、
ポリオレフィン系樹脂及びポリスチレン樹脂から成る発泡成形体において、「10〜30%の空隙」を有するように小片同士が融着していることが知られている以上、スチレン改質ポリオレフィンを樹脂材料とする発泡成形体においても、「10〜30%の空隙」を有するように小片同士が融着しているものとすることは、当業者にとって格別困難なことではない。そして、透水性や高い圧縮強度などが要求されることが当業者に周知である暗渠排水材として適用可能であるという効果を確認することは当業者が容易に予測可能な程度のことであると認められる。

2-3.意見書における被請求人の主張についての検討
第4.の2.で述べたとおり、被請求人は、平成16年12月27日付けの意見書において、本件発明は、刊行物1〜6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないとして、
(1)刊行物1、2には、粒子間に空隙がない、又は空隙率が極めて小さい発泡体が記載され、粒子間に所望の空隙を形成することを予定していないから、本件発明の特定の空隙率を有する発泡成形体として、暗渠排水材等の用途として優れた性質を発揮せしめることを着想せしめるものではない旨、
(2)刊行物3〜6には、本件発明におけると重複する空隙率を有する発泡成形体が記載されているが、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片以外の樹脂を用いており、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を用いることは記載も示唆もない旨、
(3)刊行物1〜6をあわせて勘案しても、球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を用いることは容易に見出されない旨、及び、
(4)球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を用いる本件発明は、空隙を有する発泡成形体として従来から知られていたスチレン樹脂発泡成形体及びポリオレフィン系樹脂発泡成形体の有していた問題を克服することのできる優れた効果を奏する発明である旨、
を主張しているので、これらの主張について検討する。

(1)については、摘示カにおける比較例1と実施例1の対比のように、融着度の調整は条件の選択により変更可能であることは、当業者に知られていた技術的事項である(この点、更に必要ならば、例えば特開平2-41234号公報(請求人が提出した甲第1号証に同じ。)には、「○1 予備発泡させた発泡合成樹脂粒表面自体に融着性を帯びさせる工程、次いで発泡合成樹脂粒を更に発泡させ発泡合成樹脂粒相互を接着させる工程からなることを特徴とする空隙部を有する発泡合成樹脂成形体の製造方法。
○3 多数の発泡合成樹脂粒からなる発泡合成樹脂成形体において、内部より低い軟化温度の表面層を有する発泡合成樹脂粒が相互に面で接しながら粒間に15〜35%の空隙率からなる空隙部を有することを特徴とする発泡合成樹脂成形体。」(特許請求の範囲の第1、3項)、「この発明に使用する合成樹脂としては、熱可塑性であって、発泡し、型内成形が可能な樹脂が使用できるが、中でもスチレン系樹脂が好ましい。」(第3ページ上左欄第18行〜上右欄第1行)、「この発明では、処理条件、発泡条件等を変更することによって容易に、得られる発泡合成樹脂成形体の空隙率を操作することが可能となる。」(第6ページ上左欄第7〜10行)と記載されており、空隙率の調整が当業者にとって容易であったことが示されている。)。しかも、刊行物1の記載において、摘示オのとおり、ESPE発泡粒子、すなわち、球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡する際も、融着度が95%であって、100%ではないことから、小片間の空隙を10〜40%程度に特定することは当業者にとって、容易なことである。
(2)については、刊行物1に、摘示アの特許請求の範囲の第3項に示されるように、「球状の樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる樹脂発泡成形体」においては、「ポリプロピレン、ポリエチレン及びスチレン改質ポリオレフィン、ポリスチレン」、すなわち、「ポリオレフィン、スチレン改質ポリオレフィン及びポリスチレン」は、略同等に扱われ得るものであることが記載されているのであるから、刊行物3〜6で、ポリスチレン及びポリオレフィンについて、樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる樹脂発泡成形体であって、小片間に10〜40%の空隙を有するものが知られている以上、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を用いることが、当業者にとって困難であるということはできない。
(3)については、2-1.で述べたように、本件発明と刊行物1に記載された発明は、「球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られるスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体。」の点で一致するから、球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を用いることが容易でないとする根拠は何ら存しない。
(4)については、刊行物2の摘示ケに示されるように、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体が、スチレン樹脂発泡成形体の特性とポリオレフィン系樹脂発泡成形体の特性とをあわせ持つものであることは当業者に広く知られた技術的事項であるから、被請求人が主張する本件発明の効果は、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂という樹脂の選択に付随して生じる効果を確認したにすぎないと認められる。なお、「球状(のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片)」については、2-1.で述べたように、刊行物1に記載された発明と差異があるものでなく、「球状」の特定により予期し得ない格別の効果が奏されるものとは認められない。

2-4.まとめ
よって、本件発明は、刊行物1〜6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6.むすび
以上のとおりであるから、本件発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第123条第1項第2号の規定に該当するから、その特許は無効にすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる発泡成形体であって、小片間に10〜40%の空隙を有するように小片同士が融着していることを特徴とするスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透水性、断熱性、吸音性に優れ、圧縮強度も高く、ゴルフ場、擁壁の裏込め、グランド、地下室の外壁、屋上庭園等における暗渠排水材として、又吸音材等としても利用できるスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフ場、グランド等の排水性を向上させるために、最近では独立気泡構造の樹脂発泡成形体よりなる排水材を地中に埋設することが行われており、かかる排水材として、例えば三菱油化バ-ディッシェ(株)製(商品名:スチロドレン)のように独立気泡構造のポリスチレン発泡粒子を接着剤により接着して10〜50%の粒子間空隙を有する成形品が用いられている。又、排水材としてポリオレフィン系樹脂発泡成形体を適用する旨及びその発泡成形体の製造方法についても、特開平3-224727号公報及び特開平4-77532号公報に開示されており、公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、ポリスチレン発泡粒子を接着剤により接着してなる排水材は、粒子間付着力が弱く脆いために、施工時に折損、欠損し易く、又、汚れ易いという欠点がある。又、ポリスチレン発泡粒子は発泡力が強いために、安定的に所望の空隙率を有する成形体を得難く、又、空隙率を高くすると粒子間付着力が弱くなるという欠点もある。
【0004】一方、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体は、硬度、圧縮強度ともに低いために、施工後埋設した時に被覆する土砂の重量により圧縮変形して埋設部分の地面が沈下し、車両の通行の際等に支障を来したり、透水率が著しく低下するという問題がある。又、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体においても空隙を形成することは可能であるが、成形時のスチ-ム圧力及び加熱時間について許容範囲が狭く、さらに、低密度では成形時に収縮し易く、圧縮強度も低いため、暗渠排水材として使用するのは適当ではない。
【0005】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、暗渠排水材としての使用に十分耐え得る圧縮強度を有し、又、安定的に所望の空隙率を得ることができるとともに、接着剤を使用せずに製造できて接着剤で作業場、作業服等を汚すこともない発泡成形体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果為し得たものであって、球状のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる発泡成形体であって、小片間に10〜40%の空隙を有するように小片同士が融着していることを特徴とするスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体を提供せんとするものである。
【0007】本発明のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体は、十分に高い圧縮強度を有し、安定的に所望の空隙率を得ることができるとともに、接着剤を使用せずに製造でき、暗渠排水材として使用するに極めて適当なものである。
【0008】スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡体小片は、スチレン系モノマ-及びポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを水性媒体中に懸濁させてスチレン系モノマ-を重合させ、その際に揮発性膨張剤をも含浸させて、発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂小片を製造した後、この発泡性小片を加熱することによって製造する。なお、スチレン系モノマ-とポリオレフィン樹脂小片の重合割合は、スチレン系モノマ-100重量部に対してポリオレフィン系樹脂10〜400重量部、特には30〜110重量部であることが好ましい。又、該発泡体小片の形状としては、球状や鞍状、ヒモ状等の異形のものでもよいが、特に球状の粒子を用いた時に従来の方法と比較して効果を奏する。球状の場合には例えば2〜20mm程度の粒径のものを用いることができる。
【0009】このようにして得られた球状の発泡体小片を金型内に80〜100%充填し、スチ-ム圧力0.05〜0.5kg/cm2で2〜30秒間加熱することによって、空隙率10〜40%のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体が得られる。
【0010】
【実施例】次に、本発明のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体の各種特性を従来の発泡成形体と比較して説明する。
【0011】なお、各発泡成形体の空隙率、融着性(粒子間付着強さ)、透水係数及び圧縮強度は下記の要領で測定又は判定した。
*空隙率
製造したブロック状発泡成形品を(縦)1000×(横)1000mmの内寸法を有する水槽に貯留した水中に完全に沈めた時の水面の上昇高さhmmを測定し、(発泡体体積-1000×1000×h)÷発泡体体積×100より算出した。
*融着性
成形体表面を手指で3回繰り返し引掻き、表面粒子の離脱度合を次の基準で判定した。
○:強い(強く引掻かないと個々の粒子が離脱しない)
△:やや弱い(適度の強さで引掻くと個々の粒子が離脱する)
□:弱い(弱く引掻くだけで個々の粒子がボロボロと簡単に離脱する)
×:非常に弱い(金型から離型する時に個々の粒子が離脱する)
*透水係数
JISA1218に準じて測定した。
*圧縮強度
JISK7220に準じて測定した。
【0012】(実施例1)400×400×100mmの内寸法を有する金型内にスチレンモノマー100重量部に対してポリエチレン50重量部を用いて懸濁重合して得られたスチレン改質ポリエチレン発泡粒子(発泡倍率50倍、粒径5.8mm)を100%充填し、スチ-ム圧力0.15kg/cm2で15秒間加熱成形した後、180秒間冷却して成形品を取り出した。
【0013】(比較例1)スチレン改質ポリエチレン発泡粒子に代えてポリプロピレン発泡粒子(発泡倍率45倍、粒径5.0mm)を使用し、実施例1と同一条件にて成形したが、融着不良により成形体を製造できなかった。
【0014】(比較例2)スチレン改質ポリエチレン発泡粒子に代えてポリスチレン発泡粒子(発泡倍率50倍、粒径5.0mm)を使用し、実施例1と同一条件にて成形した。
【0015】(比較例3)ポリスチレン発泡粒子(発泡倍率58倍、粒径5.8mm)100重量部に対してアスファルト系エマルジョン接着剤53重量部(樹脂固形分)及びアクリル系エマルジョン接着剤35重量部(樹脂固形分)を加えたものを混合し、成形箱に入れ、底部より50〜55℃の熱風にて乾燥し、水分を完全に除去した。
【0016】(比較例4)ポリプロピレン発泡粒子(発泡倍率45倍、粒径5.0mm)を実施例1にて使用した金型内に100%充填し、十分に融着させるためにスチ-ム圧力2kg/cm2で3秒間加熱成形した後、180秒間冷却して成形品を取り出した。スチ-ム圧力が高いため、成形体には収縮傾向が見られた。
【0017】(比較例5)ポリスチレン発泡粒子(発泡倍率50倍、粒径5.0mm)を実施例1にて使用した金型内に100%充填し、高い空隙率を確保するためにスチ-ム圧力0.1kg/cm2で15秒間加熱成形した後、180秒間冷却して成形品を取り出した。
【0018】以上の実施例及び比較例において製造した発泡成形体の各種特性を表1に纏めて示す。
【0019】
【表1】

【0020】
【発明の効果】本発明のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体は、10〜40%の空隙を有するため排水性が良好であり、又、十分に高い圧縮強度を有するから、暗渠排水材として使用するに極めて好適なものである。又、安定的に所望の空隙率を得ることができ、しかも接着剤を使用せずに製造できるから、製造上においても極めて好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡成形体の外観斜視図である。
【符号の説明】
1 発泡成形体
2 発泡粒子
【図面】

 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2005-03-08 
結審通知日 2005-03-15 
審決日 2005-03-29 
出願番号 特願平5-226143
審決分類 P 1 113・ 121- ZA (B29C)
最終処分 成立  
特許庁審判長 高梨 操
特許庁審判官 野村 康秀
石井 淑久
登録日 1998-05-29 
登録番号 特許第2786393号(P2786393)
発明の名称 スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体  
代理人 佐藤 太亮  
代理人 細井 勇  
代理人 細井 勇  
代理人 佐藤 太亮  
代理人 宮崎 伊章  
代理人 栗田 由貴子  
代理人 栗田 由貴子  
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