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審決分類 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する F41B
管理番号 1119966
審判番号 訂正2005-39058  
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-11-16 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2005-04-05 
確定日 2005-05-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3502780号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3502780号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由
1.手続の経緯
本件特許第3502780号は、平成9年10月16日に出願した特願平9-283567号の一部を平成11年1月12日に新たな特許出願としたもので、平成15年12月12日に設定登録され、翌平成16年3月2日に特許公報に掲載され、平成17年4月5日に訂正請求がなされたものである。

2.請求の趣旨
上記の本件訂正審判の請求の要旨は、特許第3502780号の明細書を審判請求書に添付された訂正明細書のとおり、すなわち次の(イ)ないし(ホ)のとおり訂正することを求めるものである。
(イ)特許請求の範囲の請求項1における「上記スライダ部を伴って後方に移動させる」の後に、「ものであって、上記圧力低下に応じた移動後の位置から移動前の位置に戻る方向の付勢がなされており、該付勢に抗して上記圧力低下に応じた移動を行う」を挿入して、以下のとおり訂正する。
「【請求項1】バレル部の後端部分に設けられて弾倉部から弾丸が供給される装弾室と、
上記バレル部に沿う方向に移動し得るものとされ、後退を行うとき上記弾倉部から上記装弾室への弾丸の自動供給のための準備をなすスライダ部と、
該スライダ部における上記バレル部の後方となる部分内に設けられ、上記スライダ部と一体的に移動する受圧部と、
上記装弾室に向かって開口する第1の内部空間と上記受圧部に向かって開口する第2の内部空間とが形成されて上記装弾室の後方に配され、上記スライダ部の移動方向に沿う方向に移動可能とされる可動部材と、
該可動部材に向かって伸びるガス導出通路部が連結されて配される蓄圧室と、
上記ガス導出通路部を開閉制御するガス通路開閉部と、
上記可動部材の外部に配され、上記可動部材の位置に応じて、上記ガス導出通路部を上記可動部材における第1及び第2の内部空間の両者に連結する状態におかれる通路連結部と、
該通路連結部内に配され、該通路連結部により上記ガス導出通路部が上記可動部材における第1及び第2の内部空間に連結されるとともに上記ガス通路開閉部が上記ガス導出通路部を開状態にする期間において、上記ガス導出通路部を通じた上記蓄圧室からのガスを上記可動部材における第1の内部空間を通じて上記装弾室内の弾丸に作用させる第1の状態から、上記可動部材における第1の内部空間に及ぼされる圧力低下に応じて移動し、上記ガス導出通路部を通じたガスの上記可動部材における第1の内部空間を通じて上記装弾室に向かう流れを阻止して、上記ガス導出通路部を通じたガスを上記可動部材における第2の内部空間を通じて上記受圧部に向かわせる第2の状態に移行し、該第2の状態のもとでガス圧により上記受圧部を上記スライダ部を伴って後方に移動させるものであって、上記圧力低下に応じた移動後の位置から移動前の位置に戻る方向の付勢がなされており、該付勢に抗して上記圧力低下に応じた移動を行う可動弁部と、
上記装弾室内の弾丸を発射させるべく操作されるトリガ部に連動した回動を行い、該回動に伴って上記ガス通路開閉部を押圧移動させることにより、上記蓄圧室からのガスに、上記ガス導出通路部,上記通路連結部及び上記可動部材における第1の内部空間を通じて上記装弾室に向かう流れを生じ、その後、上記ガス導出通路部,上記通路連結部及び上記可動部材における第1の内部空間を通じて上記装弾室に向かう流れが阻止される状態をとらせるハンマー部と、
を備えて構成される自動弾丸供給機構付玩具銃。」
(ロ)本件明細書の段落[0008]において、「後方に移動させる」の後に「ものであって、上記圧力低下に応じた移動後の位置から移動前の位置に戻る方向の付勢がなされており、該付勢に抗して上記圧力低下に応じた移動を行う」を挿入する。
(ハ)本件明細書の段落[0011]において、「スプリング部材により」の後に「特定の方向に」を挿入する。
(ニ)本件明細書の段落[0012]において、「ガス圧の変化により、」の後に「特定の方向の付勢に抗して、」を挿入する。
(ホ)本件明細書の段落[0088]において、「可動部材の外部に配され」の後に「て特定の方向に付勢され」を挿入する。

3.訂正の適否についての検討
そこで、上記訂正が適法であるか否かを以下に検討する。
A.訂正の目的について
上記(イ)の訂正は、特許請求の範囲の記載をより限定してその内容を詳しく規定しているものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記(ロ)ないし(ホ)の訂正は、本件明細書の発明の詳細な説明について、上記(イ)の請求項1についての訂正に整合させようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
B.新規事項の有無について
(a)上記(イ)の訂正について
上記(イ)の訂正事項のうち、可動弁部の付勢方向を「移動後の位置から移動前の位置に戻る方向」とした点は、願書に最初に添付された明細書(以下「当初明細書」という)又は図面に明示された記載はない。
しかしながら、当初明細書の請求項6には「可動弁部を所定の方向に付勢するスプリング部材が設けられ、上記可動弁部が、上記スプリング部材の付勢力に従って、上記ガス導出通路部を通じた蓄圧室からのガスを可動部材の内部空間を通じて装弾室内の弾丸に作用させる第1の状態をとるとともに、上記蓄圧室からのガスが上記装弾室内の弾丸の発射に利用されることによる上記可動部材の内部空間のガス圧の低下に伴って、上記スプリング部材の付勢力に抗して移動せしめられ、上記ガス導出通路部を通じたガスの上記可動部材の内部空間を通じて上記装弾室に向かう流れを阻止して、上記ガス導出通路部を通じたガスを上記可動部材の内部空間を通じて受圧部に向かわせる第2の状態をとる」こと、すなわち可動弁部は、「第1の状態」から「第2の状態」へ「スプリング部材の付勢力に抗して移動せしめられ」ることが記載されていたことが認められる。
そうであれば、可動弁部が「スプリング部材の付勢力に抗して移動せしめられ」るということは、可動弁部の付勢方向は「移動後の位置から移動前の位置に戻る方向」でなければならないことは明らかだから、上記(イ)の訂正は当初明細書又は図面に記載した事項の範囲内において訂正しようとするものである。
(b)上記(ロ)ないし(ホ)の訂正について
上記(ロ)ないし(ホ)の訂正は、本件明細書の発明の詳細な説明について、上記(イ)の請求項1についての訂正に整合させようとするものであるから、上記(a)と同様の理由により、当初明細書又は図面に記載した事項の範囲内において訂正しようとするものである。
C.特許請求の範囲の拡張・変更の有無について
上記(イ)ないし(ホ)の訂正は、その内容からして、実質上特許請求の範囲を拡張したり、変更したりするものでないことは明らかである。
D.独立特許要件について
(a)で検討したとおり、(イ)の訂正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、当該訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により構成される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討するに、訂正後における請求項1ないし6に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見あたらない。

4.むすび
以上のとおり、本件審判請求は、平成15年改正特許法第126条第1項第1号または第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
自動弾丸供給機構付玩具銃
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】バレル部の後端部分に設けられて弾倉部から弾丸が供給される装弾室と、
上記バレル部に沿う方向に移動し得るものとされ、後退を行うとき上記弾倉部から上記装弾室への弾丸の自動供給のための準備をなすスライダ部と、
該スライダ部における上記バレル部の後方となる部分内に設けられ、上記スライダ部と一体的に移動する受圧部と、
上記装弾室に向かって開口する第1の内部空間と上記受圧部に向かって開口する第2の内部空間とが形成されて上記装弾室の後方に配され、上記スライダ部の移動方向に沿う方向に移動可能とされる可動部材と、
該可動部材に向かって伸びるガス導出通路部が連結されて配される蓄圧室と、
上記ガス導出通路部を開閉制御するガス通路開閉部と、
上記可動部材の外部に配され、上記可動部材の位置に応じて、上記ガス導出通路部を上記可動部材における第1及び第2の内部空間の両者に連結する状態におかれる通路連結部と、
該通路連結部内に配され、該通路連結部により上記ガス導出通路部が上記可動部材における第1及び第2の内部空間に連結されるとともに上記ガス通路開閉部が上記ガス導出通路部を開状態にする期間において、上記ガス導出通路部を通じた上記蓄圧室からのガスを上記可動部材における第1の内部空間を通じて上記装弾室内の弾丸に作用させる第1の状態から、上記可動部材における第1の内部空間に及ぼされる圧力低下に応じて移動し、上記ガス導出通路部を通じたガスの上記可動部材における第1の内部空間を通じて上記装弾室に向かう流れを阻止して、上記ガス導出通路部を通じたガスを上記可動部材における第2の内部空間を通じて上記受圧部に向かわせる第2の状態に移行し、該第2の状態のもとでガス圧により上記受圧部を上記スライダ部を伴って後方に移動させるものであって、上記圧力低下に応じた移動後の位置から移動前の位置に戻る方向の付勢がなされており、該付勢に抗して上記圧力低下に応じた移動を行う可動弁部と、
上記装弾室内の弾丸を発射させるべく操作されるトリガ部に連動した回動を行い、該回動に伴って上記ガス通路開閉部を押圧移動させることにより、上記蓄圧室からのガスに、上記ガス導出通路部,上記通路連結部及び上記可動部材における第1の内部空間を通じて上記装弾室に向かう流れを生じ、その後、上記ガス導出通路部,上記通路連結部及び上記可動部材における第1の内部空間を通じて上記装弾室に向かう流れが阻止される状態をとらせるハンマー部と、
を備えて構成される自動弾丸供給機構付玩具銃。
【請求項2】上記ガス通路開閉部が、上記ハンマー部の回動に伴う押圧力が作用せしめられるロッド部材を備えて成ることを特徴とする請求項1記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
【請求項3】上記ハンマー部が、該ハンマー部の回動に伴う押圧力を上記ガス通路開閉部が備えるロッド部材に伝達する回動部材を備えることを特徴とする請求項2記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
【請求項4】上記ハンマー部が、上記トリガ部の操作に連動して上記ガス通路開閉部に押圧移動を行わせるとともに、上記スライダ部の後退に連動して上記ガス通路開閉部の押圧移動を解除することを特徴とする請求項1記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
【請求項5】上記ハンマー部が上記スライダ部の後退に連動して回動を行うとき付勢力を蓄え、該付勢力を上記トリガ部の操作に連動して上記ハンマー部に作用させることにより、上記ハンマー部に上記ガス通路開閉部を押圧移動させる回動を行わせるスプリング部材が設けられたことを特徴とする請求項4記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
【請求項6】上記可動弁部を所定の方向に付勢するスプリング部材が設けられ、上記可動弁部が、上記スプリング部材の付勢力に従って、上記第1の状態をとるとともに、上記蓄圧室からのガスが上記装弾室内の弾丸の発射に利用されることによる上記可動部材における第1の内部空間のガス圧の低下に伴って、上記スプリング部材の付勢力に抗して移動し、上記第2の状態をとることを特徴とする請求項1記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、バレル(銃身)部の後端部分に設けられた装弾室に対し、ガス圧により発射される弾丸をガス圧を利用して供給する自動弾丸供給機構を備えた玩具銃に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊戯銃(エアソフトガン)と称される玩具銃にあっては、通常、色,形状に加えて、見かけ上の動作も実物と同様なものとなるように作成される。斯かる玩具銃のうち、トリガの操作に応じてバレルに関連して設けられたスライダが移動するようになされた銃を模したものにおいて、バレルの後端部分に設けられた装弾室に装填された弾丸の発射をガス圧により行うことに加えて、装弾室に対する弾丸の供給もガス圧を利用して行うようにされたものが知られている。例えば、実開平3-38593号公報にも示される如くに、エアが充填される蓄圧ボンベ,弾倉,第1及び第2の弁,第1及び第2のガス通路、及び、給弾レバーがグリップ部に配されるとともに、着弾孔が設けられたバレルに対して配されたスライダ内に、着弾孔を形成する弾倉板を介してバレルに対向するシリンダ、及び、スライダの移動に伴って移動せしめられるスプリングガイド部材が配され、蓄圧ボンベからのエアの圧力を利用して、着弾孔に装填された弾丸の発射及び着弾孔に対する弾丸の供給を行うようにされた玩具銃が提案されている。
【0003】
このような玩具銃においては、トリガが引かれると、第1の弁が第1のガス通路を開状態となす状態におかれて、蓄圧ボンベからのエアが第1のガス通路を通じてシリンダ内に供給され、そのシリンダ内に供給されるエアの圧力により、シリンダ内に収容されたピストン部材がスライダを初期位置から後退させる。そして、斯かる蓄圧ボンベからエアが供給されるシリンダは、スライダが所定量後退せしめられると排気状態におかれる。一方、スライダの初期位置からの後退に伴って、スプリングガイド部材がスプリング部材を圧縮しつつ後退せしめられ、それにより、弾倉板における着弾孔が、銃口に対向する初期位置から弾倉から排出された弾丸に対向する位置に移動せしめられる。そして、弾倉から排出された弾丸が、トリガに連動して揺動せしめられる給弾レバーにより着弾孔内に装填される。斯かるもとで、シリンダが排気状態におかれ、スライダが後退位置から前進して初期位置に到達する際、スプリング部材がスプリングガイド部材を元の位置に戻す復帰状態とされることに伴って、弾丸が装填された着弾孔が初期位置におかれる。
【0004】
このように弾丸が装填された着弾孔が初期位置におかれる際、トリガに連動して回動するハンマー(撃鉄)により、第2の弁が第2のガス通路を開状態となす状態におかれて、蓄圧ボンベからのエアが第2のガス通路を通じて着弾孔に供給され、その着弾孔に供給されるエアの圧力により、着弾孔に装填された弾丸が、後退位置から前進するスライダの初期位置への到達に伴って発射される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如くの、バレルに対して移動可能に設けられたスライダ内に蓄圧ボンベからのエアが供給される圧力室を形成するシリンダが配され、トリガに対する操作に応じて行われる圧力室に対するエアの給排により移動せしめられるスライダによって、着弾孔に対する弾丸の供給が行われるとともに、トリガに対する操作に連動するハンマーの回動により、着弾孔に供給されている弾丸の発射が蓄圧ボンベからのエアが利用されて行われるようにされた玩具銃として従来提案されているものにあっては、弾丸の自動連射が可能とされる。このような、トリガに対する操作に応じてバレルに関連して設けられたスライダの移動とハンマーの回動とが行われるようにされた銃を模した玩具銃においては、トリガに対する操作に応じて、先ず、ハンマーの回動が行われること,ハンマーの回動に応じて着弾孔に供給されている弾丸の発射が行われること、及び、弾丸の発射に続いてバレルに関連して設けられたスライダの移動が行われて、着弾孔に対する弾丸の供給が行われることが望まれる。そして、弾丸の発射後に、バレルに関連して設けられたスライダが移動するようにされた玩具銃にあっては、スライダの移動による影響がバレルに及ぼされる事態が回避され、発射される弾丸の方向に狂いが生じることが防止される利点が得られる。
【0006】
しかしながら、上述された従来提案されている玩具銃の如くに、トリガに対する操作に連動するハンマーの回動が、バレルに関連して設けられたスライダ内の圧力室に対するエアの供給に続いて行われるものにあっては、望まれる動作、即ち、トリガに対する操作に応じてハンマーの回動が行われ、そのハンマーの回動に応じて着弾孔内における弾丸の発射が行われ、さらに、弾丸の発射後に、バレルに関連して設けられたスライダの後退とその後退に続く前進とが行われて、着弾孔に対する弾丸の供給がなされる、という順序に従った動作を行うことができないという不都合がある。
【0007】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、バレル部の後端部分にガス圧により発射される弾丸が装填される装弾室が設けられるとともに、バレル部に関連してスライダ部が移動可能に設けられ、さらに、そのスライダ部にガス圧を利用して装弾室に弾丸を供給する機構が設けられたもとで、トリガ部に対する操作が行われたとき、その操作に応じて開始される一連の動作が、先ず、ハンマー部の回動が行われ、そのハンマー部の回動に応じて装弾室内の弾丸の発射が行われ、さらに、スライダ部の後退及びその後の前進が行われて装弾室に対する弾丸の供給がなされる、という順序に従って実行されるようになされた自動弾丸供給機構付玩具銃を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃は、バレル部の後端部分に設けられて弾倉部から弾丸が供給される装弾室と、バレル部に沿う方向に移動し得るものとされ、後退を行うとき弾倉部から装弾室への弾丸の自動供給のための準備をなすスライダ部と、スライダ部におけるバレル部の後方となる部分内に設けられ、スライダ部と一体的に移動する受圧部と、装弾室に向かって開口する第1の内部空間と受圧部に向かって開口する第2の内部空間とが形成されて装弾室の後方に配され、スライダ部の移動方向に沿う方向に移動可能とされる可動部材と、可動部材に向かって伸びるガス導出通路部が連結されて配される蓄圧室と、ガス導出通路部を開閉制御するガス通路開閉部と、可動部材の外部に配され、可動部材の位置に応じて、ガス導出通路部を可動部材における第1及び第2の内部空間の両者に連結する状態におかれる通路連結部と、通路連結部内に配され、その通路連結部によりガス導出通路部が可動部材における第1及び第2の内部空間に連結されるとともにガス通路開閉部がガス導出通路部を開状態にする期間において、ガス導出通路部を通じた蓄圧室からのガスを可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室内の弾丸に作用させる第1の状態から、可動部材における第1の内部空間に及ぼされる圧力低下に応じて移動し、ガス導出通路部を通じたガスの可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室に向かう流れを阻止して、ガス導出通路部を通じたガスを可動部材における第2の内部空間を通じて受圧部に向かわせる第2の状態に移行し、その第2の状態のもとでガス圧により受圧部をスライダ部を伴って後方に移動させるものであって、圧力低下に応じた移動後の位置から移動前の位置に戻る方向の付勢がなされており、その付勢に抗して圧力低下に応じた移動を行う可動弁部と、装弾室内の弾丸を発射させるべく操作されるトリガ部に連動した回動を行い、その回動に伴ってガス通路開閉部を押圧移動させることにより、蓄圧室からのガスに、ガス導出通路部,通路連結部及び可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室に向かう流れを生じ、その後、ガス導出通路部,通路連結部及び可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室に向かう流れが阻止される状態をとらせるハンマー部と、を備えて構成される。
【0009】
特に、本願の特許請求の範囲における請求項4に記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃は、ハンマー部が、トリガ部の操作に連動してガス通路開閉部に押圧移動を行わせるとともに、スライダ部の後退に連動してガス通路開閉部の押圧移動を解除するものとされる。
【0010】
また、本願の特許請求の範囲における請求項6に記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃は、可動弁部を所定の方向に付勢するスプリング部材が設けられ、可動弁部が、スプリング部材の付勢力に従って、ガス導出通路部を通じた蓄圧室からのガスを可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室内の弾丸に作用させる第1の状態をとるとともに、蓄圧室からのガスが装弾室内の弾丸の発射に利用されることによる可動部材における第1の内部空間のガス圧の低下に伴って、スプリング部材の付勢力に抗して移動し、ガス導出通路部を通じたガスの可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室に向かう流れを阻止して、ガス導出通路部を通じたガスを可動部材における第2の内部空間を通じて受圧部に向かわせる第2の状態をとるものとされる。
【0011】
上述の如くに構成される本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃にあっては、可動部材の外部に配された可動弁部が、例えば、スプリング部材により特定の方向に付勢されて、ガス導出通路部を通じた蓄圧室からのガスが可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室内の弾丸に作用し得ることになる状態にあるとともに、ガス通路開閉部が、ガス導出通路部を閉状態となす位置にあるもとでトリガ部の操作がなされると、その操作に応じて、先ず、ハンマー部が回動し、そのハンマー部の回動により、ガス通路開閉部が、ガス導出通路部を開状態となす位置に押圧移動せしめられ、それにより、可動弁部が、ガス導出通路部を通じた蓄圧室からのガスを可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室内の弾丸に作用させる第1の状態に置かれて、蓄圧室からのガスが装弾室内の弾丸の発射に利用される。
【0012】
その後、可動弁部が、可動部材における第1の内部空間におけるガス圧の変化により、特定の方向の付勢に抗して、第1の状態に置かれる位置から、ガス導出通路部を通じた蓄圧室からのガスの可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室に向かう流れを阻止する位置に移動せしめられ、第1の状態から、ガス導出通路部を通じた蓄圧室からのガスの可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室に向かう流れを阻止して、ガス導出通路部を通じたガスを可動部材における第2の内部空間を通じて受圧部に向かわせる第2の状態に移行し、蓄圧室からのガスがスライダ部の後退に利用される。斯かるスライダ部の後退により、ハンマー部がガス通路開閉部から離隔する方向に回動し、それに伴いガス通路開閉部がガス導出通路部を閉状態となす位置に移動して、蓄圧室からのガスの受圧部への供給が停止され、また、可動部材が弾倉部の一端より後方に後退する。そして、スライダ部が最後退位置に達して前進に転じると、そのスライダ部の前進に伴って可動部材も前進し、それにより、弾倉部の一端から装弾室への弾丸の供給がなされ、可動部材が、ガス導出通路部を通じた蓄圧室からのガスが可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室内の弾丸に作用し得ることになる状態に戻される。
【0013】
このように、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃は、トリガ部が操作されると、その操作に応じて開始される一連の動作が、先ず、ハンマー部の回動が行われ、そのハンマー部の回動に応じて、可動部材の外部に配された可動弁部の作用により、装弾室内の弾丸の発射が行われ、さらに、弾丸の発射に続いてスライダ部の後退及びその後の前進が行われて、装弾室に対する弾丸の供給がなされる、という順序に従って行われるものとされる。そして、それにより、装弾室内の弾丸の発射に際し、バレル部にスライダ部の移動の影響が及ぼされる事態が確実に回避されるので、発射される弾丸の方向に狂いが生じることが防止される。しかも、可動弁部が、可動部材の外部に配されて、可動部材の構成の簡略化が図られる。
【0014】
さらに、本願の特許請求の範囲における請求項6に記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃にあっては、可動部材の外部における通路連結部に配された可動弁部が、スプリング部材の付勢力に従って、ガス導出通路部を通じた蓄圧室からのガスを可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室内の弾丸に作用させる第1の状態をとるとともに、蓄圧室からのガスが装弾室内の弾丸の発射に利用されることによる可動部材における第1の内部空間のガス圧の低下に伴って、スプリング部材の付勢力に抗して移動せしめられ、ガス導出通路部を通じたガスの可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室に向かう流れを阻止して、ガス導出通路部を通じたガスを可動部材における第2の内部空間を通じて受圧部に向かわせる第2の状態をとるものとされるので、可動部材及びその可動部材が配される通路連結部の構成が、極めて簡略化されたもので足りることになり、しかも、可動部材が確実に作動するものとされる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図2は、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例を示す。
【0016】
図2に示される例にあっては、トリガ1,アウターバレル2U及びインナーバレル2Iを含んだバレル部2,バレル部2の後端部分に設けられた装弾室4,ハンマー部を形成する第1及び第2のハンマー6及び7、及び、グリップ部8を有した玩具銃本体10と、グリップ部8内に着脱可能に収容されたケース40とが備えられており、バレル部2に関連して、バレル部2に沿う方向に移動し得るものとされたスライダ部60が配されている。装弾室4は、ゴム材等の弾性摩擦材で成る環状部材4Aによって形成されており、環状部材4Aは、インナーバレル2Iの後端部分の内側に配されている。
【0017】
グリップ部8には、トリガ1から後方に向けて伸びる可動バー11が配されており、トリガ1は、バレル部2に沿う方向に移動し得るものとされている。トリガ1は、それが引かれるとき、図2に示される如くの、玩具銃本体10に設けられた当接部12より前方となる操作開始位置から後方に向けて移動せしめられ、それに伴って、可動バー11も後方に向けて移動せしめられる。斯かる可動バー11の後端部には、可動当接部材16が当接しており、可動当接部材16は、軸14を介して玩具銃本体10により回動可能に支持された回動レバー15に選択的に当接するものとされている。
【0018】
スライダ部60は、玩具銃本体10におけるバレル部2が設けられた部分に嵌合しており、その前方側部分を成す第1の部分60Aと、第1の部分60Aと一体的に形成されてバレル部2の後方に位置せしめられた後方側部分を成す第2の部分60Bとを有するものとされている。そして、スライダ部60は、トリガ1が操作開始位置にあるもとでは、第1の部分60Aがその前端部を玩具銃本体10の前端部に近接させる位置におかれるとともに、第2の部分60Bが玩具銃本体10におけるバレル部2とグリップ部8との間となる部分を含む中間部分を覆うものとなる、図2に示される如くの基準位置におかれる。
【0019】
スライダ部60における第1の部分60Aには、コイルスプリング17が係合せしめられている。コイルスプリング17は、玩具銃本体10におけるトリガ1の前方側に配されてバレル部2に沿って伸びるガイド部材18に巻嵌された状態をもって、スライダ部60における第1の部分60Aに係合している。それにより、スライダ部60は、その全体がバレル部2に沿う方向の移動を行い得るものとされたもとで、コイルスプリング17により、玩具銃本体10の前方側に向けて付勢されている。
【0020】
スライダ部60における第2の部分60Bには、有底筒状部61が設けられている。この有底筒状部61の底部は、受圧部61Aを形成している。
【0021】
さらに、スライダ部60における第2の部分60Bの内側には、可動部材20が配されている。この可動部材20は、装弾室4の後方に位置していて、スライダ部60の移動方向に沿う方向に移動可能とされている。そして、可動部材20は、有底筒状部61における筒状部61B内に挿入される後方側部分と、装弾室4を形成する環状部材4Aに係合する前方側部分と、後方側部分と前方側部分との間の中間部分とを有しており、後方側部分には、弾性部材により形成された環状シール部材21が装着されている。環状シール部材21は、可動部材20における後方側部分が有底筒状部61における筒状部61B内に挿入されるとき、筒状部61Bの内壁面に当接して、筒状部61Bの内壁面と可動部材20における後方側部分の外周面との間を密封する。
【0022】
可動部材20と有底筒状部61における筒状部61Bとには、コイルスプリング22の両端が夫々取り付けられていて、可動部材20の全体が、コイルスプリング22によって、有底筒状部61における底部が形成する受圧部61A側に付勢されている。斯かる可動部材20は、スライダ部60が基準位置にあるもとでは、前方側部分が装弾室4を形成する環状部材4Aに係合するとともに、後方側部分が有底筒状部61における筒状部61B内に挿入される位置におかれる。
【0023】
このような可動部材20には、第1の内部空間23と第2の内部空間24とが互いに分離されて形成されている。第1の内部空間23は、屈曲したガス通路を成すものとされていて、一端が可動部材20の前方側部分において装弾室4に向かって開口するとともに、他端が可動部材20の中間部分において下方に向かって開口している。第2の内部空間24も、屈曲したガス通路を成すものとされていて、一端が可動部材20の後方側部分において受圧部61Aに向かって開口するとともに他端が可動部材20の中間部分において下方に向かって開口している。従って、スライダ部60が基準位置にあるもとでは、第1の内部空間23の一端が装弾室4に連結され、また、第2の内部空間24の一端が受圧部61Aに近接対向するものとされることになる。
【0024】
第2のハンマー7と共にハンマー部を形成する第1のハンマー6は、有底筒状部61が選択的に当接する上方側部分と、複数の係合段部が設けられた下方側部分とを有して、第2のハンマー7より後方側に位置せしめられており、下方側部分が軸25を介して玩具銃本体10における後端部に取り付けられていて、軸25を支軸とした回動が可能とされている。さらに、第1のハンマー6の下方側部分には、グリップ部8の下方側部分内に配されたコイルスプリング26にキャップ26Aを介して係合する一端部を有したハンマーストラット27の他端部が、ピン28を介して取り付けられており、第1のハンマー6は、コイルスプリング26による付勢力をキャップ26A及びハンマーストラット27を通じて受けて、図2において矢印aにより示される如くの、上方側部分をスライダ部60の後端部に向かわせる方向(a方向)に付勢されている。斯かる第1のハンマー6は、グリップ部8に対するケース40の装着が行われた初期状態(図2に示される状態)のもとにあっては、下方側部分に第2のハンマー7に設けられた係止部7A及び回動レバー15の先端部の夫々が係合する状態をもって位置固定される。
【0025】
第2のハンマー7は、上端部に係止部7Aが設けられた屈曲形状を成しており、下端部が軸29を介して玩具銃本体10に取り付けられていて、軸29を支軸とした回動が可能とされている。斯かる第2のハンマー7は、図3に示される如くの、軸29に装着されたトグルスプリング30の付勢力が作用するものとされるとともに、上部にロック部材31及びコイルスプリング32が配され、さらに、回動レバー15を貫通する軸14に対向する部分に凹部7Bが形成されたものとされている。
【0026】
ロック部材31は、図3に示される如くに、第2のハンマー7の上部に可動部材として係合し、第2のハンマー7の上部から突出する形で設けられていて、その全体が、コイルスプリング32によって、スライダ部60の底面部に向かう方向に付勢されている。そして、ロック部材31の一部分は、スライダ部60の底面部に向かって突出する突出部31Aを形成している。
【0027】
このようなロック部材31は、玩具銃本体10に設けられた段部により形成される係合部34に選択的に当接せしめられるものとされており、係合部34に当接せしめられて係合部34との相互係合状態におかれたもとでは、第2のハンマー7を位置規制する役割を果たす。また、ロック部材31における突出部31Aは、スライダ部60が基準位置をとるもとにおいては、スライダ部60の底面部に設けられた突出部60Cから後方に離隔した位置におかれている。斯かるロック部材31に設けられた突出部31A及びスライダ部60に設けられた突出部60Cの夫々には、相互対向する傾斜面部が形成されており、ロック部材31が係合部34との相互係合状態におかれているもとでスライダ部60がバレル部2に沿う方向に後退するとき、突出部60Cが、その傾斜面部を突出部31Aの傾斜面部に当接させ、それにより突出部31Aを押し下げる状態をもって、突出部31Aの位置を通過し、その結果、ロック部材31の全体が第2のハンマー7側に押し込まれて、ロック部材31と係合部34との相互係合状態が解除される。
【0028】
軸29に装着されたトグルスプリング30は、第2のハンマー7に、それに設けられた係止部7Aを第1のハンマー6における下方側部分に当接させる方向の付勢力を作用させている。そして、第2のハンマー7は、グリップ部8に対するケース40の装着が行われた初期状態においては、その上部に配されたロック部材31が玩具銃本体10に設けられた係合部34との相互係合状態におかれることにより、係止部7Aが第1のハンマー6の下方側部分に当接係合した状態をもって位置固定される。
【0029】
第2のハンマー7には、軸35を介して回動アーム36が取り付けられている。回動アーム36は、図3に示される如くの、軸35に装着されたトグルスプリング37により、図3において反時計回り方向となる方向に付勢されている。
【0030】
玩具銃本体10に軸14を介して取り付けられた回動レバー15は、図3に示される如くに、第1のハンマー6の下方側部分に係合する上方先端部が設けられた湾曲形状を成すものとされており、その下方部分15Aが板ばね部材38の係合片部38Aに係合している。板ばね部材38の係合片部38Aは、回動レバー15に、その上方先端部を第1のハンマー6の下方側部分に当接させる方向の付勢力を作用させている。さらに、板ばね部材38は、図4に示される如くに、可動バー11の後端部に当接する可動当接部材16に付勢力を作用させる係合片部38Bを有している。
【0031】
可動当接部材16は、図4に示される如くに、その下方傾斜面部16Aに板ばね部材38における係合片部38Bが係合するとともに、下方傾斜面部16Aから玩具銃本体10の幅方向に突出する突出部16Bが、回動レバー15の下方部分15Aの周囲の空間を通じて可動バー11の後端部に当接するものとされている。また、可動当接部材16における中間部分には、回動レバー15を貫通する軸14が挿通せしめられた透孔39が設けられており、可動当接部材16は、透孔39を挿通する軸14により、それに対する透孔39により規制される範囲内での、板ばね部材38における係合片部38Bの付勢力に抗した下方側及び後方側への移動が可能とされた状態をもって、支持されている。そして、可動当接部材16は、スライダ部60が基準位置にあるもとでは、板ばね部材38における係合片部38Bによる付勢力を受けて、上端部16Cをスライダ部60の底面部に設けられた凹部60Dに当接させる上方位置をとるものとされる。
【0032】
なお、板ばね部材38は、図示が省略されているが、回動レバー15に付勢力を作用させる係合片部38Aと可動当接部材16に付勢力を作用させる係合片部38Bとの間に位置して、玩具銃本体10に当接する係合片部を有しており、係合片部38A及び38Bとそれらの間の係合片部との夫々における下端部が、相互連結されて玩具銃本体10に取り付けられたものとされている。
【0033】
一方、ケース40は、グリップ部8の下方端部に設けられた開口からグリップ部8内に挿入され、底部40Aがグリップ部8の下方端部に当接係合せしめられて、グリップ部8内における位置決めが行われるものとされる。ケース40には、装填された複数の弾丸BBを最上端部41A側に付勢するコイルスプリング42が内蔵された弾倉41,例えば、液化ガスが充填された蓄圧室43,一端が蓄圧室43に連結されて伸びるガス導出通路部44,ガス導出通路部44を開閉制御するガス通路開閉部45、及び、可動弁部46が配された通路連結部47が設けられている。ガス導出通路部44,ガス通路開閉部45及び可動弁部46が配された通路連結部47は、ケース40における蓄圧室43の上方に纏められて配されている。
【0034】
通路連結部47の内部には、可動弁部46を収容した弁収容空間48と、各々の一端が弁収容空間48に連結されて伸びる互いに分離された第1の通路部49A及び第2の通路部49Bとが形成されている。弁収容空間48には、蓄圧室43から伸びるガス導出通路部44の他端が連結されており、また、弁収容空間48から伸びる第1の通路部49A及び第2の通路部49Bは、各々の他端が、スライダ部60が基準位置にあるもとにおいて、スライダ部60の内側に配された可動部材20における第1の内部空間23及び第2の内部空間24に夫々連結される。
【0035】
従って、通路連結部47は、可動部材20の外部に配されていて、スライダ部60が基準位置にあるとき、可動部材20のスライダ部60の基準位置に対応する位置に応じて、可動部材20に向けて伸びるガス導出通路部44を、第1の通路部49A及び第2の通路部49Bを通じて、可動部材20における第1の内部空間23及び第2の内部空間24の夫々に連結することになる。斯かる際においては、通路連結部47における第1の通路部49Aの他端が、可動部材20の中間部分における第1の内部空間23の他端が形成する下方開口端部に連結されるとともに、通路連結部47における第2の通路部49Bの他端が、可動部材20の中間部分における第2の内部空間24の他端が形成する下方開口端部に連結されるものとされる。
【0036】
なお、通路連結部47における可動部材20の中間部分と相互当接する部分は、パッキング部材47Aによって構成されており、このパッキング部材47A内に第1の通路部49A及び第2の通路部49Bの大部分が形成されている。斯かるパッキング部材47Aが用いられることにより、通路連結部47における第1の通路部49Aの他端の可動部材20の中間部分における第1の内部空間23の下方開口端部との連結、及び、通路連結部47における第2の通路部49Bの他端の可動部材20の中間部分における第2の内部空間24の下方開口端部との連結が、ガス漏れが防止される状態をもって確実に行われる。
【0037】
通路連結部47における弁収容空間48に収容された可動弁部46は、環状シール部材46Aが取り付けられた大径部46Bと大径部46Bから伸びる軸部46Cとが設けられたものとされており、軸部46Cが通路連結部47に設けられた有底案内孔47B内に挿入されるとともに、大径部46Bに係合したコイルスプリング50によって軸部46Cの端部を有底案内孔47Bの底部に当接させる方向に付勢されている。それにより、可動弁部46は、弁収容空間48内において、定常時においては、図2〜図4に示される如く、通路連結部47の内部に形成された第1の通路部49A及び第2の通路部49Bの両者を開通させる状態に位置規制されている。このように位置規制された可動弁部46は、コイルスプリング50により付勢されて、ガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスが可動部材20における第1の内部空間23を通じて装弾室4内の弾丸に作用し得ることになる状態にある。
【0038】
上述のようにして弁収容空間48に収容された可動弁部46は、後述される所定の状態のもとで、コイルスプリング50の付勢力に抗して、コイルスプリング50を圧縮する方向に移動し、その際、大径部46Bによって通路連結部47の内部に形成された第1の通路部49Aを遮断する動作を行う。通路連結部47の内部に形成された第2の通路部49Bは、可動弁部46の移動の如何に関わらず、常時開通状態におかれる。第1の通路部49Aを遮断するものとされた可動弁部46は、ガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスの可動部材20における第1の内部空間23を通じて装弾室4に向かう流れを阻止することになる状態におかれる。
【0039】
ガス導出通路部44に対するガス通路開閉部45は、ガス導出通路部44内に移動可能に配されていて、その位置に応じてガス導出通路部44を開閉制御する。ガス通路開閉部45には、環状シール部材45Aが嵌合せしめられているとともにロッド51が一体的に設けられている。そして、ガス通路開閉部45は、定常時においては、図2〜図4に示される如く、ガス導出通路部44の外部に突出するロッド51の後端部分に装着されたコイルスプリング52の付勢力により、ガス導出通路部44を閉状態とする位置をとる。
【0040】
このように、グリップ部8内に配されるケース40における蓄圧室43の上方に、ガス導出通路部44と通路連結部47とが形成され、かつ、ガス導出通路部44内にガス通路開閉部45が配されるとともに、通路連結部47における弁収容空間48に可動弁部46が収容されて設けられることにより、蓄圧室43からスライダ部60が基準位置にあるもとで可動部材20における第1の内部空間23及び第2の内部空間24に至るガス通路が、必要な制御がなされるもとにあってその全体の長さが比較的短くて済むものとされる。
【0041】
図2〜図4示される如くに、スライダ部60が基準位置にあって、可動部材20がスライダ部60の基準位置に対応する位置をとるもとにおいて、グリップ部8内にケース40が装着されたときには、弾倉41の最上端部41Aが、装弾室4の近傍に配され、可動部材20における中間部分により閉塞される。それにより、弾倉41内に装填された複数の弾丸BBがコイルスプリング42の付勢力に抗する方向に押圧される。
【0042】
また、このとき、可動部材20における第1の内部空間23の一端が装弾室4に連結され、また、第2の内部空間24の一端が受圧部61Aに近接対向するものとされており、斯かるもとで、蓄圧室43から伸びるガス導出通路部44が、通路連結部47における弁収容空間48と第1の通路部49A及び第2の通路部49Bとを通じて、可動部材20における第1の内部空間23及び第2の内部空間24の夫々の他端に連結される状態におかれる。さらに、第2のハンマー7に取り付けられた回動アーム36が、トグルスプリング37(図3)の付勢力により、ガス導出通路部44を閉状態となす位置をとるガス通路開閉部45に設けられたロッド51の後端部に、その上方側から当接するものとされて位置固定がなされる。
【0043】
上述の如くに構成される本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例においては、例えば、ケース40がグリップ部8内に装着されて位置決めされた後、基準位置におかれたスライダ部60が、手動操作により、可動部材20を伴って一旦基準位置から後退せしめられた後、その手動操作から解放され、コイルスプリング17の付勢力により可動部材20を伴って前進せしめられて、再び基準位置に戻される。
【0044】
斯かる際、スライダ部60の後退に伴って、図5に示される如くに、弾倉41の最上端部41Aをその中間部分により閉塞していた可動部材20が後退せしめられることによって、弾倉41の最上端部41Aが開状態にされる。それにより、コイルスプリング42の付勢力により、弾倉41内に充填された弾丸BBのうち最上方位置にあったものが最上端部41A内に押し上げられ、最上端部41Aにおいて保持される。
【0045】
また、第1のハンマー6が、スライダ部60の後退に伴って後退する有底筒状部61によって押圧され、それにより、図2に示される位置から、コイルスプリング26の付勢力に抗して、a方向とは逆の方向(b方向)に所定量回動せしめられる。それに伴い、回動レバー15が、板ばね部材38における係合片部38Aの付勢力に従う方向に回動せしめられる。
【0046】
さらに、スライダ部60の後退により、第2のハンマー7に配されたロック部材31が係合部34との相互係合状態から解放される。それにより、第2のハンマー7も、第1のハンマー6がb方向に回動せしめられる際、その回動に伴って、トグルスプリング30(図3)の付勢力に従う方向に回動せしめられる。b方向に回動せしめられた第1のハンマー6は、図5に示される如くに、その下方側部分に回動レバー15の先端部が係合せしめられ、それにより、第1のハンマー6と回動レバー15とが、相互位置規制状態におかれる。また、斯かる第1のハンマー6のb方向の回動に伴って回動する第2のハンマー7は、それに設けられた凹部7Bが軸14に当接するものとされて位置固定がなされる。このような第2のハンマー7の回動に伴い、第2のハンマー7に取り付けられた回動アーム36が、トグルスプリング37(図3)の付勢力により回動せしめられ、ガス通路開閉部45に設けられたロッド51の後端部にその後方側から当接する状態とされて位置固定がなされる。
【0047】
そして、一旦後退したスライダ部60が後退位置から前進に転じると、それに伴って可動部材20も前進し、前進する可動部材20が、その前端部を弾倉41の最上端部41A内に挿入して、そこに保持された弾丸BBを、玩具銃本体10に設けられたテーパー部10Aに沿って装弾室4へと搬送する。それとともに、可動部材20は、再びその中間部分によって弾倉41の最上端部41Aを閉塞し、その前方側部分を環状部材4Aにより形成される装弾室4に係合させるものとされて位置固定がなされる。その結果、図1に示される如くに、装弾室4に弾丸BBが装填される。
【0048】
弾丸BBを装弾室4に供給すべく前進するものとされたスライダ部60が基準位置に復帰したときには、再び、可動部材20における第1の内部空間23の一端が装弾室4に連結され、また、第2の内部空間24の一端が受圧部61Aに近接対向するものとされたもとで、蓄圧室43から伸びるガス導出通路部44が、通路連結部47における弁収容空間48と第1の通路部49A及び第2の通路部49Bとを通じて、可動部材20における第1の内部空間23及び第2の内部空間24の夫々の他端に連結される状態におかれる。
【0049】
このようにして、図1に示される如くに装弾室4に弾丸BBが装填されたもとで、トリガ1が引かれると、それに伴って可動バー11が後退する。その結果、上方位置をとって可動バー11の後端部に当接する可動当接部材16が、図6に示される如くに、回動レバー15の下方部分15Aを後方に押圧する移動を行って、回動レバー15を板ばね部材38における係合片部38Aの付勢力に抗して回動させる。それにより、回動レバー15の先端部と第1のハンマー6の下方側部分との相互係合状態が解除される。
【0050】
回動レバー15により位置規制された状態から解放された第1のハンマー6は、その下方側部分に第2のハンマー7の係止部7Aが当接した状態をもって、コイルスプリング26の付勢力に従ってa方向に回動する。そして、a方向に回動する第1のハンマー6は、第2のハンマー7をその係止部7Aを介してa方向に回動させる。その結果、第2のハンマー7に取り付けられた回動アーム36が、トリガ1が当接部12に当接する時期と略同時期において、ガス通路開閉部45に設けられたロッド51を、それに装着されたコイルスプリング52を圧縮させつつ押圧する。
【0051】
ロッド51が押圧されることにより、ガス通路開閉部45がガス導出通路部44を閉状態にする位置からガス導出通路部44を開状態にする位置へと押圧移動せしめられて、ガス導出通路部44は開状態とされる。斯かる際における第2のハンマー7の回動により、ロック部材31が、玩具銃本体10に設けられた係合部34に係合する位置におかれる。それにより、第2のハンマー7が、図3に示されるトグルスプリング30の付勢力に従う方向への回動が規制され、ガス通路開閉部45にガス導出通路部44を開状態となす位置を維持させる。また、このようにトグルスプリング30の付勢力に従う方向への回動が規制された第2のハンマー7により、第1のハンマー6が、回動レバー15による位置規制が解除されたもとで、その位置が固定される状態におかれる。
【0052】
開状態とされたガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスは、直ちに、通路連結部47内に流入する。このとき、通路連結部47における弁収容空間48に収容された可動弁部46は、コイルスプリング50により付勢されて、ガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスが可動部材20における第1の内部空間23を通じて装弾室4内の弾丸に作用し得ることになる状態にあり、通路連結部47における第1の通路部49A及び第2の通路部49Bの両者を開通状態としているので、通路連結部47内に流入するガスは、通路連結部47における弁収容空間48と第1の通路部49A及び第2の通路部49Bとに充満し、さらに、第1の通路部49Aから、可動部材20における第1の内部空間23を通じて、装弾室4内の弾丸BBに到達するとともに、第2の通路部49Bから、可動部材20における第2の内部空間24を通じて、受圧部61Aに到達する。
【0053】
このとき、装弾室4内の弾丸BBが装弾室4からインナーバレル2I内へと前方に押し出されるに要されるガス圧が、受圧部61Aが有底筒状部61及びスライダ部60を伴って後方に移動せしめられるに要されるガス圧に比して小とされている。従って、受圧部61Aに作用するガス圧により受圧部61Aが有底筒状部61及びスライダ部60を伴って後方に移動する状態がとられることなく、装弾室4に装填された弾丸BBに作用するガス圧によって、装弾室4内の弾丸BBが、図6において一点鎖線により示される如くに、装弾室4からインナーバレル2I内へと前方に押し出され、可動部材20内における第1の内部空間23からインナーバレル2I内へと流入するガスによりインナーバレル2I内において加速されて前進し、図7に示される如くに、インナーバレル2Iの先端から飛び出すものとされて、発射される。このようにして、蓄圧室43からのガスが装弾室4内の弾丸の発射に利用されることになる。
【0054】
弾丸BBがインナーバレル2Iの先端から飛び出すと、可動部材20における第1の内部空間23からインナーバレル2I内へと流入したガスがインナーバレル2Iの先端から大気中に放出され、それにより、インナーバレル2I内,可動部材20における第1の内部空間23内、さらには、第1の内部空間23に連結された通路連結部47における第1の通路部49A内のガス圧が急激に低下する。斯かる通路連結部47における第1の通路部49A内のガス圧の急激な低下は、通路連結部47における弁収容空間48に配された可動弁部46に、それを第1の通路部49A側に引き込む負圧として作用し、可動弁部46がコイルスプリング50の付勢力に抗して第1の通路部49Aに向けて移動せしめられて、可動弁部46における大径部46Bが第1の通路部49Aの一端に当接し、第1の通路部49Aを遮断状態となす。それにより、可動弁部46によって、ガス導出通路部44を通じたガスの、通路連結部47における第1の通路部49A及び可動部材20における第1の内部空間23を通じて、装弾室4に向かう流れが阻止されることになる。
【0055】
このようにして、可動弁部46により、ガス導出通路部44を通じたガスの通路連結部47における第1の通路部49A及び可動部材20における第1の内部空間23を通じて装弾室4に向かう流れが阻止されると、蓄圧室43からガス導出通路部44を通じて通路連結部47における弁収容空間48に流入したガスは、通路連結部47における第1の通路部49Aに流入することなく、通路連結部47における第2の通路部49B及び可動部材20における第2の内部空間24を通じて受圧部61Aに向かうことになる。従って、このとき、可動弁部46は、ガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスを可動部材20における第1の内部空間23を通じて装弾室4内の弾丸に作用させる状態から、ガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスの可動部材20における第1の内部空間23を通じて装弾室4に向かう流れを阻止して、ガス導出通路部44を通じたガスを可動部材20における第2の内部空間24を通じて受圧部61Aに向かわせる状態に移行することになる。
【0056】
弁収容空間48に流入したガスが、通路連結部47における第1の通路部49Aに流入することなく、通路連結部47における第2の通路部49B及び可動部材20における第2の内部空間24を通じて受圧部61Aに向かうことにより、受圧部61Aに作用するガス圧が急激に増大する。それにより、図8に示される如く、増大したガス圧によって、受圧部61Aが、有底筒状部61内において可動部材20における後方側部分の端面部との間に形成される可変容積圧力室を増大させつつ急速に後方に移動せしめられ、それに伴って、スライダ部60がコイルスプリング17の付勢力に抗して急速に後退せしめられる。即ち、蓄圧室43からのガスがスライダ部60の後退に利用されるのである。その際、後退する有底筒状部61の後端部により、第1のハンマー6が、コイルスプリング26の付勢力に抗してb方向に回動せしめられる。
【0057】
その後、図9に示される如く、通路連結部47における第2の通路部49B及び可動部材20における第2の内部空間24を通じて、有底筒状部61内において受圧部61Aと可動部材20における後方側部分の端面部との間に形成される可変容積圧力室に流入するガスにより、受圧部61Aのスライダ部60を伴った後退が継続される。それにより、可動バー11の後端部に当接する可動当接部材16が、図4に示され如くの、スライダ部60の底面部に設けられた凹部60Dにより位置規制された状態から解放されるとともに、後退するスライダ部60により板ばね部材38の係合片部38Bの付勢力に抗する方向に押圧されて、下方位置をとるものとされる。その結果、可動当接部材16と回動レバー15の下方部分15Aとの相互当接状態が解除され、回動レバー15が、板ばね部材38の係合片部38Aの付勢力に従う方向に回動するものとなる。さらに、第2のハンマー7に配されたロック部材31が、スライダ部60の後退に伴い、図3に示される如くの、スライダ部60の底面部に設けられた突出部60Cによって、コイルスプリング32の付勢力に抗して下方に押圧されて、玩具銃本体10に設けられた係合部34との相互係合状態から解放され、それにより、第2のハンマー7が、位置規制された状態から解放されて、トグルスプリング30(図3)の付勢力に従う方向に回動せしめられる。
【0058】
板ばね部材38の係合片部38Aの付勢力により回動する回動レバー15は、第1のハンマー6の下方側部分に係合し、それにより、回動レバー15及び第1のハンマー6が相互位置規制状態におかれる。また、トグルスプリング30の付勢力により回動する第2のハンマー7は、その凹部7Bが軸14に当接して位置固定される。
【0059】
斯かる際における第2のハンマー7のトグルスプリング30の付勢力に従う回動により、ガス通路開閉部45が、それに設けられたロッド51の後端部に当接する回動アーム36による位置固定がなされた状態から解放される。回動アーム36による位置固定状態から解放されたガス通路開閉部45は、図9に示される如くに、それに作用するガス圧とコイルスプリング52の付勢力とによって、ガス導出通路部44を閉状態とする位置をとる。
【0060】
従って、このようなもとで、通路連結部47における弁収容空間48に配された可動弁部46は、スライダ部60が基準位置にあって、可動部材20がスライダ部60の基準位置に対応する位置をとり、蓄圧室43から伸びるガス導出通路部44が、通路連結部47における弁収容空間48と第1及び第2の通路部49A及び49Bとを通じて可動部材20における第1及び第2の内部空間23及び24に連結されたもとで、ガス通路開閉部45がガス導出通路部44を開状態にする期間において、通路連結部47における第1の通路部49Aを開通状態として、ガス導出通路部44を通じたガスを通路連結部47における弁収容空間48及び第1の通路部49Aを通じ、さらに、可動部材20の第1の内部空間23を通じて装弾室4に供給された弾丸BBに作用させる第1の状態から、通路連結部47における第1の通路部49Aを遮断状態として、ガス導出通路部44を通じたガスの、通路連結部47における第1の通路部49A及び可動部材20における第1の内部空間23を通じて、装弾室4に向かう流れを阻止して、ガス導出通路部44を通じたガスを、通路連結部47における弁収容空間48及び第2の通路部49Bを通じ、さらに、可動部材20の第2の内部空間24を通じて受圧部61Aに向かわせる第2の状態に移行し、その第2の状態のもとでガス圧により受圧部61Aをスライダ部60を伴って後方に移動させることになる。
【0061】
そして、斯かる可動弁部46の動作の結果、インナーバレル2Iから弾丸BBが発射された後に、急激に増大せしめられる受圧部61Aに作用するガス圧によってスライダ部60の後退が開始されるので、弾丸BBの発射に際してスライダ部60がその移動による影響をバレル部2に及ぼすことが回避される。従って、インナーバレル2Iから発射される弾丸BBの方向に狂いが生じることが防止されることになる。
【0062】
図9に示される如くに、ガス通路開閉部45によってガス導出通路部44が閉状態とされることによって、蓄圧室43からガス導出通路部44を通じて通路連結部47における弁収容空間48へのガスの流入、さらには、弁収容空間48から通路連結部47における第2の通路部49B及び可動部材20における第2の内部空間24を通じて受圧部61Aに向かうガスの流入が無くなる。それにより、通路連結部47における弁収容空間48におけるガス圧が低下して、図9に示される如く、弁収容空間48内に配された可動弁部46が、コイルスプリング50によって、大径部46Bが第1の通路部49Aの一端から離隔した位置に戻され、第1の通路部49Aが開通状態とされる。
【0063】
このように、ガス通路開閉部45によってガス導出通路部44が閉状態とされても、その直後においては、スライダ部60はその慣性により後退を継続する。そして、スライダ部60が最後方位置に到達する直前に、図9に示される如くに、可動部材20における後方側部分が有底筒状部61における筒状部61B内からその外部に出る状態とされ、有底筒状部61における筒状部61B内のガスが可動部材20側の開口部から放出されて、有底筒状部61における筒状部61B内のガス圧が、急速に零(大気圧)に向けて低減される。それにより、可動部材20が、コイルスプリング22の付勢力によって、急速に有底筒状部61に向けて後退せしめられ、図10に示される如くに、可動部材20における後方側部分が、再度、有底筒状部61における筒状部61B内に挿入せしめられる状態とされる。その結果、可動部材20の中間部分により閉塞されていた弾倉41の最上端部41Aが開状態とされ、弾倉41内に充填された弾丸BBのうち最上方位置にあったものが最上端部41Aに押し上げられて保持される。
【0064】
スライダ部60は、図10に示される如くの最後方位置に到達すると、コイルスプリング17の付勢力により、直ちに基準位置に向かって前進するものとされ、そのスライダ部60の前進に伴って前進する可動部材20が、その前端部により弾倉41の最上端部41Aに保持された弾丸BBを装弾室4に向けて搬送する。それにより、図1に示される如く、スライダ部60が基準位置をとるものとされるとき、装弾室4に弾丸BBが確実に装填される。
【0065】
また、スライダ部60が最後方位置に到達するときには、トリガ1がそれが引かれる操作から解放される。それにより、下方位置をとる可動当接部材16に作用する板ばね部材38における係合片部38B(図4)の付勢力により、可動バー11及びトリガ1が前進し、トリガ1が、図1に示される如くの操作開始位置に復帰せしめられる。下方位置をとる可動当接部材16は、スライダ部60が最後方位置から基準位置に到達した際、板ばね部材38における係合片部38B(図4)の付勢力により、スライダ部60の底面部に設けられた凹部60D(図4)に係合して、上方位置に位置規制される。
【0066】
さらに、スライダ部60が最後方位置から基準位置に到達すると、図1に示される如くに、可動部材20における第1の内部空間23の一端が装弾室4に連結され、また、第2の内部空間24の一端が受圧部61Aに近接対向するものとされたもとで、蓄圧室43から伸びるガス導出通路部44が、通路連結部47における弁収容空間48と第1の通路部49A及び第2の通路部49Bとを通じて、可動部材20における第1の内部空間23及び第2の内部空間24の夫々の他端に連結される状態におかれる。斯かるもとで、トリガ1が再び引かれることにより、上述の如くの動作が繰り返されて、装弾室4に装填された弾丸BBのインナーバレル2Iからの発射、及び、それに続く装弾室4に対する新たな弾丸BBの装填が行われる。
【0067】
図11は、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の他の例の要部を示す。この図11に示される例は、上述の図2に示される例において備えられている可動部材20及び通路連結部47に代わる手段として、可動部材70及び通路連結部77が用いられたものとされており、可動部材70及び通路連結部77以外の部分については、図2に示される例と同様に構成される。図11において、図2に示される各部,各部材等に対応する部分,部材等は、図2と共通の符号が付されて示されており、それらについての重複説明は省略される。
【0068】
図11に示される例にあっては、スライダ部60における第2の部分60Bの内側に、可動部材70が配されている。この可動部材70は、装弾室4の後方に位置していて、スライダ部60の移動方向に沿う方向に移動可能とされている。そして、可動部材70は、有底筒状部61における筒状部61B内に挿入される後方側部分と、装弾室4を形成する環状部材4Aに係合する前方側部分と、後方側部分と前方側部分との間の中間部分とを有しており、後方側部分には、弾性部材により形成された環状シール部材71が装着されている。環状シール部材71は、可動部材70における後方側部分が有底筒状部61における筒状部61B内に挿入されるとき、筒状部61Bの内壁面に当接して、筒状部61Bの内壁面と可動部材70における後方側部分の外周面との間を密封する。
【0069】
可動部材70と有底筒状部61における筒状部61Bとには、コイルスプリング22の両端が夫々取り付けられていて、可動部材70の全体が、コイルスプリング22によって、有底筒状部61における底部が形成する受圧部61A側に付勢されている。斯かる可動部材70は、スライダ部60が基準位置にあるもとでは、前方側部分が装弾室4を形成する環状部材4Aに係合するとともに、後方側部分が有底筒状部61における筒状部61B内に挿入される位置におかれる。
【0070】
このような可動部材70には、第1の内部空間73と第2の内部空間74とが互いに分離されて形成されている。第1の内部空間73は、屈曲したガス通路を成すものとされていて、一端が可動部材70の前方側部分において装弾室4に向かって開口するとともに、他端が可動部材70の中間部分において下方に向かって開口している。可動部材70の中間部分における第1の内部空間73の他端が形成する下方開口端部には、弁受部73Aが設けられている。また、第2の内部空間74も、屈曲したガス通路を成すものとされていて、一端が可動部材70の後方側部分において受圧部61Aに向かって開口するとともに他端が可動部材70の中間部分において下方に向かって開口している。従って、スライダ部60が基準位置にあるもとでは、第1の内部空間73の一端が装弾室4に連結され、また、第2の内部空間74の一端が受圧部61Aに近接対向するものとされることになる。
【0071】
一方、グリップ部8内に挿入されて位置決めが行われるケース40内における蓄圧室43の上方となる位置に、一端が蓄圧室43に連結されて可動部材70に向けて伸びるガス導出通路部44,ガス導出通路部44に対するガス通路開閉部45、及び、可動弁部76が配された通路連結部77が設けられている。
【0072】
通路連結部77の内部には、可動弁部76を収容した弁収容空間78が形成されている。弁収容空間78は、それに蓄圧室43から伸びるガス導出通路部44の他端が連結されており、さらに、スライダ部60が基準位置にあるもとにおいて、スライダ部60の内側に配された可動部材70における第1の内部空間73及び第2の内部空間74の夫々に連結される。
【0073】
従って、通路連結部77は、可動部材70の外部に配されていて、スライダ部60が基準位置にあるとき、可動部材70のスライダ部60の基準位置に対応する位置に応じて、ガス導出通路部44を、弁収容空間78を通じて、可動部材70における第1の内部空間73及び第2の内部空間74の夫々に連結することになる。斯かる際においては、通路連結部77における弁収容空間78が、可動部材70の中間部分における第1の内部空間73の他端が形成する下方開口端部及び第2の内部空間74の他端が形成する下方開口端部の夫々に連結される。
【0074】
なお、通路連結部77における可動部材70の中間部分と相互当接する部分は、パッキング部材77Aによって構成されており、このパッキング部材77A内に、弁収容空間78の可動部材70における第1の内部空間73及び第2の内部空間74の夫々に連結される部分が形成されている。斯かるパッキング部材77Aが用いられることにより、通路連結部77における弁収容空間78の、可動部材70の中間部分における第1の内部空間73の下方開口端部及び第2の内部空間74の下方開口端部との連結が、ガス漏れが防止される状態をもって確実に行われる。
【0075】
通路連結部77における弁収容空間78に収容された可動弁部76は、大径頭部76Aと大径頭部76Aから伸びる軸部76Bとが設けられたものとされており、弁収容空間78内に突出するものとして通路連結部77に設けられた支持部77Bにより軸部76Bが支持されて、全体が移動可能とされている。そして、可動弁部76は、スライダ部60が基準位置にあるとき、スライダ部60の基準位置に対応する位置をとる可動部材70の中間部分における、第1の内部空間73の他端が形成する下方開口端部に、大径頭部76Aを対向させることになる位置に配されている。
【0076】
可動弁部76の軸部76Bにはコイルスプリング80が装着されており、このコイルスプリング80によって、可動弁部76の全体が、スライダ部60が基準位置にあるとき、スライダ部60の基準位置に対応する位置をとる可動部材70の中間部分における、第1の内部空間73の他端が形成する下方開口端部から大径頭部76Aを離隔させる方向に付勢されている。それにより、可動弁部76は、弁収容空間78内において、定常時においては、図11に示される如く、スライダ部60の基準位置に対応する位置をとる可動部材70における第1の内部空間73を開通させる状態に位置規制されている。このように位置規制された可動弁部76は、コイルスプリング80により付勢されて、ガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスが可動部材70における第1の内部空間73を通じて装弾室4内の弾丸に作用し得ることになる状態にある。
【0077】
斯かる弁収容空間78に収容された可動弁部76は、後述される所定の状態のもとで、コイルスプリング80の付勢力に抗して、コイルスプリング80を圧縮する方向に移動して、大径頭部76Aを、スライダ部60が基準位置にあるとき、スライダ部60の基準位置に対応する位置をとる可動部材70の中間部分における、第1の内部空間73の他端が形成する下方開口端部に設けられた弁受部73Aに当接させ、それにより、大径頭部76Aによって可動部材70における第1の内部空間73を遮断状態にする動作を行う。可動部材70における第2の内部空間74は、可動弁部76の移動の如何に関わらず、常時開通状態におかれる。第1の内部空間73を遮断するものとされた可動弁部76は、ガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスの可動部材70における第1の内部空間73を通じて装弾室4に向かう流れを阻止することになる状態におかれる。
【0078】
このように構成される図11に示される例にあっても、スライダ部60が、手動操作により一旦後退せしめられて、その後退操作から解放されることにより、装弾室4に弾丸BBが装填されるとともに、スライダ部60が基準位置に戻されて、通路連結部77がガス導出通路部44を弁収容空間78を通じて可動部材70における第1の内部空間73及び第2の内部空間74の夫々に連結する状態がとられる。
【0079】
そして、装弾室4に弾丸BBが装填されるとともに、通路連結部77がガス導出通路部44を弁収容空間78を通じて可動部材70における第1の内部空間73及び第2の内部空間74の夫々に連結する状態がとられ、可動弁部76が、コイルスプリング80により付勢されて、ガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスが可動部材70の第1の内部空間73を通じて装弾室4内の弾丸に作用し得ることになる状態にあるもとで、トリガ1が引かれると、第2のハンマー7に取り付けられた回動アーム36が、ガス通路開閉部45に設けられたロッド51を、それに装着されたコイルスプリング52を圧縮させつつ押圧し、ガス通路開閉部45がガス導出通路部44を閉状態にする位置からガス導出通路部44を開状態にする位置へと移動せしめられて、ガス導出通路部44が開状態とされる。そして、第2のハンマー7が、ガス通路開閉部45にガス導出通路部44を開状態となす位置を維持させる。
【0080】
開状態とされたガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスは、直ちに、通路連結部77内に流入する。このとき、通路連結部77における弁収容空間78に収容された可動弁部76は、可動部材70における第1の内部空間73を開通状態にして、ガス導出通路部44を通じた蓄圧室43からのガスが可動部材70の第1の内部空間73を通じて装弾室4内の弾丸に作用し得ることになる状態にあるので、可動部材70における第1の内部空間73及び第2の内部空間74の両者が開通状態とされている。従って、通路連結部77内に流入するガスは、通路連結部77における弁収容空間78に充満し、さらに、可動部材70における第1の内部空間73を通じて、装弾室4に装填された弾丸BBに到達するとともに、可動部材70における第2の内部空間74を通じて受圧部61Aに到達する。
【0081】
このとき、装弾室4内の弾丸BBが装弾室4からインナーバレル2I内へと前方に押し出されるに要されるガス圧が、受圧部61Aが有底筒状部61及びスライダ部60を伴って後方に移動せしめられるに要されるガス圧に比して小とされている。従って、受圧部61Aに作用するガス圧により受圧部61Aが有底筒状部61及びスライダ部60を伴って後方に移動する状態がとられることなく、装弾室4内の弾丸BBに作用するガス圧によって、装弾室4内の弾丸BBが、装弾室4からインナーバレル2I内へと前方に押し出され、可動部材70内における第1の内部空間73からインナーバレル2I内へと流入するガスによりインナーバレル2I内において加速されて前進し、インナーバレル2Iの先端から飛び出すものとされて、発射される。このようにして、蓄圧室43からのガスが装弾室4内の弾丸の発射に利用されることになる。
【0082】
弾丸BBがインナーバレル2Iから飛び出すと、可動部材70における第1の内部空間73からインナーバレル2I内へと流入したガスがインナーバレル2Iの先端から大気中に放出され、それにより、インナーバレル2I内及び可動部材70における第1の内部空間73内のガス圧が急激に低下する。斯かる可動部材70における第1の内部空間73内のガス圧の急激な低下は、通路連結部77における弁収容空間78に配された可動弁部76に、それを可動部材70における第1の内部空間73側に引き込む負圧として作用し、可動弁部76が、コイルスプリング80の付勢力に抗して可動部材70における第1の内部空間73に向けて移動せしめられ、可動弁部76における大径頭部76Aが、可動部材70の中間部分における第1の内部空間73の他端が形成する下方開口端部に設けられた弁受部73Aに当接して、可動部材70における第1の内部空間73を遮断状態にする。それにより、可動弁部76によって、ガス導出通路部44を通じたガスの、可動部材70における第1の内部空間73を通じて装弾室4に向かう流れが阻止されることになる。
【0083】
このようにして、可動弁部76により、ガス導出通路部44を通じたガスの可動部材70における第1の内部空間73を通じて装弾室4に向かう流れが阻止されると、蓄圧室43からガス導出通路部44を通じて通路連結部77における弁収容空間78に流入したガスは、可動部材70における第1の内部空間73に流入することなく、可動部材70における第2の内部空間74を通じて受圧部61Aに向かうことになり、受圧部61Aに作用するガス圧が急激に増大する。それにより、増大したガス圧によって、受圧部61Aが、有底筒状部61内において可動部材70における後方側部分の端面部との間に形成される可変容積圧力室を増大させつつ急速に後方に移動せしめられ、それに伴って、スライダ部60がコイルスプリング17の付勢力に抗して急速に後退せしめられる。即ち、蓄圧室43からのガスがスライダ部60の後退に利用されるのである。
【0084】
その後の動作は、前述された図2に示される例における動作の場合と同様に進行し、スライダ部60の最後方位置までの後退及びスライダ部60の後退に伴う可動部材70の後退、さらには、その後のスライダ部60の可動部材70を伴った前進による基準位置への復帰が行われて、装弾室4に新たな弾丸BBが装填される。
【0085】
このようなもとで、通路連結部77における弁収容空間78に配された可動弁部76は、スライダ部60が基準位置にあって、可動部材70がスライダ部60の基準位置に対応する位置をとり、蓄圧室43から伸びるガス導出通路部44が、通路連結部77における弁収容空間78を通じて可動部材70における第1及び第2の内部空間73及び74に連結されたもとで、ガス通路開閉部45がガス導出通路部44を開状態にする期間において、可動部材70における第1の内部空間73を開通状態として、ガス導出通路部44を通じたガスを通路連結部77における弁収容空間78を通じ、さらに、可動部材70の第1の内部空間73を通じて装弾室4に供給された弾丸BBに作用させる第1の状態から、可動部材70における第1の内部空間73を遮断状態として、ガス導出通路部44を通じたガスの、通路連結部77における弁収容空間78及び可動部材70における第1の内部空間73を通じて、装弾室4に向かう流れを阻止して、ガス導出通路部44を通じたガスを、通路連結部77における弁収容空間78を通じ、さらに、可動部材70の第2の内部空間74を通じて受圧部61Aに向かわせる第2の状態に移行し、その第2の状態のもとでガス圧により受圧部61Aをスライダ部60を伴って後方に移動させることになる。
【0086】
そして、斯かる可動弁部76の動作の結果、インナーバレル2Iから弾丸BBが発射された後に、急激に増大せしめられる受圧部61Aに作用するガス圧によってスライダ部60の後退が開始されるので、弾丸BBの発射に際してスライダ部60がその移動による影響をバレル部2に及ぼすことが回避される。従って、インナーバレル2Iから発射される弾丸BBの方向に狂いが生じることが防止されることになる。
【0087】
上述の図2に示される例及び図11に示される例の夫々における可動部材20もしくは70,通路連結部47もしくは77等の構成は、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃が備えるべき構成の要部を、例示するものであって、それらを限定するものではない。即ち、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃は、上述の可動部材20もしくは70とは具体的構成を異にする可動部材、さらには、上述の通路連結部47もしくは77とは具体的構成を異にする、可動部材の外部に配された可動弁部を収容した通路連結部を含んだ構成をとるものとされてもよいこと勿論である。
【0088】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃によれば、トリガ部が操作されると、その操作に応じて開始される一連の動作が、先ず、ハンマー部の回動が行われ、そのハンマー部の回動に応じて、可動部材の外部に配されて特定の方向に付勢された可動弁部の作用により、装弾室内の弾丸の発射が行われるとともに、スライダ部の後退及びその後の前進が行われて、装弾室に対する弾丸の供給がなされる、という順序に従って行われるものとされる。そして、それにより、装弾室内の弾丸の発射に際し、バレル部にスライダ部の移動の影響が及ぼされる事態を確実に回避できるので、発射される弾丸の方向に狂いが生じることを防止できる。しかも、可動弁部が可動部材の外部に配されることにより、可動部材の構成の簡略化を図ることができる。
【0089】
さらに、本願の特許請求の範囲における請求項6に記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃によれば、可動部材の外部における通路連結部に配された可動弁部が、スプリング部材の付勢力に従って、ガス導出通路部を通じた蓄圧室からのガスを可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室内の弾丸に作用させる第1の状態をとるとともに、蓄圧室からのガスが装弾室内の弾丸の発射に利用されることによる可動部材における第1の内部空間のガス圧の低下に伴って、スプリング部材の付勢力に抗して移動せしめられ、ガス導出通路部を通じたガスの可動部材における第1の内部空間を通じて装弾室に向かう流れを阻止して、ガス導出通路部を通じたガスを可動部材における第2の内部空間を通じて受圧部に向かわせる第2の状態をとるものとされるので、可動部材及びその可動部材が配される通路連結部の構成を、極めて簡略化されたものとなすことができ、しかも、可動部材を確実に作動するものとなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例についての構成及び動作説明に供される断面図である。
【図2】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例を示す断面図である。
【図3】
図2に示される例についての構成及び動作説明に供される部分断面図である。
【図4】
図2に示される例についての構成及び動作説明に供される部分断面図である。
【図5】
図2に示される例についての構成及び動作説明に供される断面図である。
【図6】
図2に示される例についての構成及び動作説明に供される部分断面図である。
【図7】
図2に示される例についての構成及び動作説明に供される部分断面図である。
【図8】
図2に示される例についての構成及び動作説明に供される部分断面図である。
【図9】
図2に示される例についての構成及び動作説明に供される部分断面図である。
【図10】
図2に示される例についての構成及び動作説明に供される部分断面図である。
【図11】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の他の例の要部を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 トリガ
2 バレル部
2I インナーバレル
2U アウターバレル
4 装弾室
4A 環状部材
6 第1のハンマー
7 第2のハンマー
8 グリップ部
10 玩具銃本体
15 回動レバー
16 可動当接部材
17,22,26,50,52,80 コイルスプリング
20,70 可動部材
23,73 第1の内部空間
24,74 第2の内部空間
30,37 トグルスプリング
31 ロック部材
36 回動アーム
40 ケース
41 弾倉
43 蓄圧室
44 ガス導出通路部
45 ガス通路開閉部
46,76 可動弁部
47,77 通路連結部
48,78 弁収容空間
49A 第1の通路部
49B 第2の通路部
51 ロッド
60 スライダ部
61 有底筒状部
61A 受圧部
BB 弾丸
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2005-05-18 
出願番号 特願平11-4958
審決分類 P 1 41・ 841- Y (F41B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大山 健  
特許庁審判長 大野 覚美
特許庁審判官 増岡 亘
柴沼 雅樹
登録日 2003-12-12 
登録番号 特許第3502780号(P3502780)
発明の名称 自動弾丸供給機構付玩具銃  
代理人 神原 貞昭  
代理人 神原 貞昭  

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