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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B32B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B32B
管理番号 1122855
異議申立番号 異議2003-71504  
総通号数 70 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-09-05 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-06-09 
確定日 2005-07-04 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3353995号「複合不織布及びその製造方法」の請求項1ないし9に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3353995号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許3353995号に係る発明についての出願は、平成6年2月24日に特許出願され、平成14年9月27日に特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、特許異議申立人 鈴木康之より特許異議の申立てがなされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成17年3月25日に訂正請求がなされ、訂正拒絶理由が通知され、その指定期間内である平成17年4月27日に手続補正書が提出されたものである。

2.訂正の適否
(1)平成17年4月27日付け手続補正の適否
平成17年4月27日付けでなされた手続補正は、平成17年3月25日付けでなされた訂正請求における訂正事項のうち、訂正事項(e)、(f)、(g)、(h)及び(i)を削除するものであり、この補正は訂正請求書の要旨を変更するものとはいえないので、これを認める。
(2)訂正の内容
平成17年4月27日に補正された訂正請求書及び訂正明細書の記載から見て、本件訂正請求に係る訂正事項は、次のとおりである。
○訂正事項a:請求項1の記載について
「【請求項1】潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布とシートとからなり、シートがシボ模様を有することを特徴とする複合不織布。」とあるのを
「【請求項1】潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布と、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシートとからなり、該シートがシボ模様を有することを特徴とする複合不織布。」と訂正するとともに、
請求項2及び4を削除する。
○訂正事項b:請求項3、5〜7の記載について
「【請求項3】 シートの目付が0.5〜25g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項5】 不織布の両面がシートであることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項6】 シートの両面の少なくとも一方の不織布が、潜在捲縮性不織布を熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布であることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項7】 潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布にテンションをかけながらシートをラミネートし、シートにシボ模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。」とあるのを
「【請求項2】 前記シートの目付が0.5〜25g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項3】 前記伸縮性不織布の両面がシートであることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項4】 前記シートの両面の少なくとも一方の不織布が、潜在捲縮性不織布を熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布であることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項5】 潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布にテンションをかけながら、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシートをラミネートし、該シートにシボ模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。」と訂正する。
○訂正事項c:請求項8を削除する。
○訂正事項d:請求項9の記載について
「【請求項9】 潜在捲縮性不織布にシートをラミネートし、ついで熱処理して小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現させ、シートにシボ模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。」とあるのを
「【請求項6】 潜在捲縮性不織布に、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシートをラミネートし、ついで熱処理して小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現させ、前記シートにシボ模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。」と訂正する。
(3)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項aのうち、請求項1の記載についての訂正は、複合不織布を構成する「シート」を「厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシート」と限定するとともに、「シートがシボ模様を有する」という記載を「該シートがシボ模様を有する」と訂正するものである。これらの訂正は、それぞれ特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、また、特許査定時の明細書の段落【0007】の記載からみて、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項aのうち、請求項2及び4を削除する訂正については、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項bのうち、特許査定時の請求項3、5及び6についての訂正は、請求項2及び4の削除に伴い、項を繰り上げるとともに、「シート」(訂正前の請求項3及び6)及び「不織布」(訂正前の請求項5)という記載を「前記シート」(訂正後の請求項2及び4)及び「前記伸縮性不織布」と訂正するものである。これらの訂正は明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、また、特許請求の範囲の減縮がなされた請求項1を引用するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正ともいえる。そして、これらの訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項bのうち、特許査定時の請求項7についての訂正は、請求項2及び4の削除に伴い、項を繰り上げるとともに、複合不織布を構成する「シート」を「厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシート」と限定するとともに、「シートにシボ模様を形成する」という記載を「該シートにシボ模様を形成する」と訂正するものである。これらの訂正は、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、また、特許査定時の明細書の段落【0007】の記載からみて、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
請求項8を削除する訂正事項cに係る訂正については、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項dに係る訂正は、請求項2、4及び8の削除に伴い、項を繰り上げるとともに、複合不織布を構成する「シート」を「厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシート」と限定するとともに、「シートにシボ模様を形成する」という記載を「前記シートにシボ模様を形成する」と訂正するものである。これらの訂正は、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、また、特許査定時の明細書の段落【0007】の記載からみて、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.本件発明
特許3353995号の請求項1〜6に係る発明は、平成17年4月27日付けで補正された平成17年3月25日付けの訂正請求書に添付された訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜6に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布と、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシートとからなり、該シートがシボ模様を有することを特徴とする複合不織布。
【請求項2】 前記シートの目付が0.5〜25g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項3】 前記伸縮性不織布の両面がシートであることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項4】 前記シートの両面の少なくとも一方の不織布が、潜在捲縮性不織布を熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布であることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項5】 潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布にテンションをかけながら、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシートをラミネートし、該シートにシボ模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。
【請求項6】 潜在捲縮性不織布に、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシートをラミネートし、ついで熱処理して小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現させ、前記シートにシボ模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。」

4.特許異議申立て理由の概要
特許異議申立人 鈴木康之は、証拠として、甲第1号証〜甲第6号証を提出して、
(a)特許査定時の請求項1(訂正後の請求項1に相当)に係る発明は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であり、特許査定時の請求項3及び9(訂正後の請求項2及び6に相当)に係る発明は、甲第2号証に記載された発明であるから、これらの請求項に係る特許は特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、また、
(b)特許査定時の請求項1〜6(訂正後の請求項1〜4に相当)に係る発明は、甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基づいて、特許査定時の請求項7及び8(訂正後の請求項5に相当)に係る発明は、甲第6号証に記載された発明に基づいて、また、特許査定時の請求項9(訂正後の請求項6に相当)に係る発明は、甲第1号証、甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの請求項に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張している。
甲第1号証:特開昭63-309657号公報
甲第2号証:特開昭61-124667号公報
甲第3号証:特開昭51-146584号公報
甲第4号証:特開昭63-296936号公報
甲第5号証:特開平2-133641号公報
甲第6号証:特開昭62-33889号公報

5.甲第1号証〜甲第6号証に記載された事項
○甲第1号証に記載された事項は以下のとおりである。
ア:「感熱収縮性繊維・・・と非収縮性繊維・・・とよりなる・・・不織布であって、・・・前記感熱収縮性繊維の収縮発現により前記非収縮性繊維に撓みが生じて前記不織布表面に無作為な多数の畝が形成されてなることを特徴とする形態安定性に優れたしぼ調不織布。」(特許請求の範囲第1項)
イ:「本発明で用いる感熱収縮性繊維とは、熱を与えることにより収縮(本発明においては捲縮を含む)を発現する繊維である。このような潜在的に収縮性を有する繊維は、例えば、紡糸中に高度な延伸を施すことによって作成することができる。また、収縮率の異なる二成分を別個のノズル孔より溶融紡糸すると共に貼り合わせた複合繊維(サイドバイサイド型複合繊維)であってもよい。この複合繊維は、熱を与えることにより一方の成分のみが収縮を起こすため、捲縮を発現する繊維である。」(第2ページ右上欄第1〜11行)
ウ:「実施例2
ナイロン6とナイロン66とよりなる二成分系の潜在捲縮性サイドバイサイド型複合繊維・・・を用いて・・・第一繊維ウェブを得た。また、・・・レーヨン繊維・・・を用いて・・・第二繊維ウェブを得た。この第一繊維ウェブと第二繊維ウェブとを積層し・・・繊維フリースを作成した。・・・この繊維フリースを沸騰水の中に導入し、繊維フリース中の複合繊維を捲縮させ・・・しぼ調不織布を得た。」(第3ページ左上欄第19行〜右上欄第17行)
○甲第2号証に記載された事項は以下のとおりである。
エ:「1.巻縮繊維を含むウェブと薄葉紙とが緻密化された架橋性結合剤により部分的に結合されており、かつ結合部間において薄葉紙が湾曲していることを特徴とする複合不織布。
2.潜在巻縮性繊維を含むウェブに架橋性結合剤を部分的に付与し、その上に薄葉紙を積層し、これを加熱加圧して該結合剤をウェブと薄葉紙とに押し込むと共に緻密化させた後、該潜在巻縮性繊維の巻縮を発現させることによりウェブを収縮させ、かつ該架橋性結合剤を架橋させることを特徴とする複合不織布の製造方法。」(特許請求の範囲第1、2項)
オ:「本発明に使用する潜在巻縮性繊維は加熱により捲縮数が増加するものであればよく、例えば熱挙動の異なる2成分以上のポリマーからなる複合繊維や、強撚状態で熱セットを施した後より低い温度で開撚処理を行うことにより熱履歴を与えた繊維や、エッジクリンプドヤーン(擦過加工糸)のような繊維の片側の分子配列を乱すことにより潜在巻縮性を付与した繊維などが使用される。」(第2ページ左下欄第3〜11行)
カ:「ウェブに結合剤を部分的に付与するには、上記のエマルジョンやラテックスをペースト状にして三角形、四角形、円などの所定の形状を適宜に分布させたパターンを有するロータリースクリンプリント機などで塗布すればよい。このときの結合剤の塗布面積はウェブ面積の3〜40%であればよく、強度、風合の点ではとくに5〜30%が好ましい。」(第2ページ右下欄第14行〜第3ページ左上欄第3行)
キ:「薄葉紙は目付5〜40g/m2のものが使用される。」(第3ページ右上欄第2〜3行)
ク:「自己架橋型ポリアクリル酸エステルエマルジョンの結合剤ペーストをロータリースクリーン機を用いて離型性シリコーンゴムコンベアーベルトにプリントする。ただし、・・・またスクリーンのパターンは0.4×0.7mmの長方形を千鳥状に配置したもので、結合剤の塗布面積はウェブ面積の10%であった。次いでこのプリントされたコンベアーベルトを100℃で3分間乾燥して結合剤ペーストの水分を除去した後、100℃のスチールロールで5kg/cmの線圧を加えながら、上記ウェブに転写する。」(第3ページ右下欄第12行〜第4ページ左上欄第6行)
○甲第3号証に記載された事項は以下のとおりである。
ケ:「(1) 表面がフイルムにより、又裏面が熱収縮した不織布により形成されており、前記フイルムに上方に向い突出した多数の突出部(皺)が形成されており、該突出部を形成したフイルムの裏側が前記不織布を形成した毛羽状の繊維を介して相互に接着剤により接着されていることを特徴とする表面に皺を有するシート。
(3) 熱収縮性のある不織布の表面に接着剤によりフイルムを全面接着した後、加熱して両者を仮接着した後、再度加熱して前記不織布を収縮させることにより前記フイルム表面に多数の突出部(皺)を形成すると共に、該突出部を形成したフイルムの裏側を前記接着剤により相互に接着させる如くしたことを特徴とする表面に皺を有するシートの製造法。」(特許請求の範囲第1、3項)
コ:「図面中1で示すものは厚さ約0.08-0.1mm程度・・・の塩化ビニール樹脂フイルムで、該フイルム1としては無地或は印刷した普通(延伸処理しない)のものを使用する。尚前記フイルム1としては熱収縮しないものであれば如何なるものでも使用可能である。」(第2ページ右上欄第10〜15行)
サ:「不織布2としては熱収縮性のある性質のものであれば如何なるものでもよい。」(第2ページ右上欄第20行〜左下欄第1行)」
シ:実施例で使用されているフイルムは、厚さ0.1mmの塩化ビニール樹脂フイルムである。(3ページ左上欄17-19行)
○甲第4号証に記載された事項は以下のとおりである。
ス:「1.表皮材と、結晶化度指数が15%以上、45%未満のポリエステル系繊維を、少なくとも10重量%含む不織シートとを接着した複合シートであって、該複合シートの表皮材側表面に、平坦部と、無作為の立体シボ部とから成る模様が形成されていることを特徴とする立体シボを有する成型性複合シート。
3.低収縮性表皮材と、高収縮性ポリエステル系繊維を含む不織シートとを接着させた後、加熱エンボス加工を行い、次いで、加熱収縮させることを特徴とする立体シボを有する成型性複合シートの製造方法。」(特許請求の範囲第1項、第3項)
セ:「本発明の目的は、表皮材と、結晶化度指数が15%以上、45%未満のポリエステル系繊維を、少なくとも10重量%含む不織シートとを接着した複合シートであって、該複合シートの表皮材側表面に、平坦部と、無作為の立体シボ部とから成る模様が形成されていることを特徴とする立体シボを有する成型性複合シートによって達成される。
前記成型性複合シートの製造方法は、低収縮性表皮材と、高収縮性ポリエステル系繊維を含む不織シートとを、接着させた後、加熱エンボス加工を行い。次いで、加熱収縮させることを特徴とし、本発明の立体シボを有する成型性複合シートでは、表皮材と、不織シートとの収縮差によって、表皮材に立体シボ模様を形成される。したがって複合シートの表面を形成している表皮材は、平坦部および立体シボ部の何れにおいてもその厚さが同じであるという特徴を有し、この事は表皮材の物理的強度を当初の表皮材の有する強度に対応するように全表面にわたって維持できることを意味する。」(2ページ左下欄5行-右下欄4行)
ソ:「表皮材は、前述のように、実質的に熱収縮性のないシート状物である。・・・シート状物が、フィルムの場合、厚さが10μ〜100μの柔軟なフィルムが好ましく用いることができ、繊維シート状物の場合、目付が軽く、細い繊維径の柔軟シート程、立体シボ模様の形成が容易に行うことができるので好ましい。・・・
前記表皮材としては、ポリウレタンフィルム、ポリ塩化ビニールフィルム、ポリエステルフィルム等の合成樹脂フィルム、金属箔類、或いは、織物の、編物、不織シートなどの繊維シート類が用いられる。」(2ページ右下欄5-20行)
○甲第5号証に記載された事項は以下のとおりである。
タ:「熱収縮性繊維を含有する収縮性繊維ウェブ層と該熱収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しない非収縮性繊維ウェブ層とを積層した積層ウェブに高圧柱状流を施して、該収縮性繊維ウェブ層と該非収縮性繊維ウェブ層とを一体化し、次いで該非収縮性繊維ウェブ層面に該熱収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しないフィルムを形成した後、該収縮性繊維ウェブ層を収縮させることを特徴とする不織シートの製造方法。」(特許請求の範囲)
チ:「収縮性繊維ウェブ層は熱収縮性繊維を含有している。熱収縮性繊維とは、熱(及び必要により水分)を与えることにより収縮を発現する繊維である。熱収縮性繊維としては、一般に使用されている熱可塑性繊維、特に高延伸を施した熱可塑性繊維を用いることができる。」(2ページ左上欄17行-右上欄2行)
ツ:「次に、この一体化ウェブの非収縮性繊維ウェブ層面にフィルムを形成する。フィルムとしては、一般的に合成樹脂製フィルムが用いられ、その厚さは50μ程度以下であるのが好ましい。フィルムの厚さが50μを超えると、フィルムの剛性が大きくなって、収縮処理後における微細な凹凸が発現しにくくなる傾向を生じる。また、このフィルムは熱収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しないものを用いる必要がある。」(3ページ左上欄10-18行)
テ:「フィルム形成後、収縮性繊維ウェブ層に熱(及び必要により水分)を与え、熱収縮性繊維を収縮させて収縮性繊維ウェブ層を収縮させる。この際、非収縮性繊維ウェブ層及びフィルムは収縮しないので、フィルム表面には微細な凹凸が発現しクレープ状となる。」(3ページ右上欄13-18行)
ト:「非収縮性繊維ウェブ層を積層せずに、収縮性繊維ウェブ層に直接フィルムを形成すると、収縮後においてフィルムが全体に波打った状態となり、多数の微細な凹凸が得られず、クレープ状の不織シートが得られない。」(5ページ右下欄11-15行)
○甲第6号証に記載された事項は以下のとおりである。
ナ:「(1)少なくとも一つの弾性ウェブに接着した少なくとも一つのひだ形成可能なウェブを有する複合弾性材料を製造する方法において、
(a)弾性ウェブを引張ってこれを伸ばす工程と、
(b)弾性ウェブの少なくとも一部を軟化させるような条件下で、伸びた弾性ウェブを少なくとも一つのひだ形成可能なウェブに接着し、接着複合ウェブを形成する工程と、
(c)接着工程の直後に複合ウェブから負荷を取り除いて、ひだ形成可能なウェブにひだを付け、これにより複合弾性材料を形成する工程とを有する方法。
(16)特許請求の範囲第1項または第2項に記載の方法において、ひだ形成可能なウェブが不織非弾性材料を有する方法。」(特許請求の範囲第1項、第16項)
ニ:「本発明のその他の特徴は、弾性ウェブが、エラストマー繊維の不織ウェブを有することである。」(6ページ右上欄17-18行)
ヌ:「(ホ)ひだ形成可能なウェブは不織非弾性材料である。好ましくは、ポリエステル繊維(例えば、ポリ(テレフタル酸エチレン)繊維)、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維(例えば、ナイロン繊維)、セルロース繊維(例えば、綿繊維)、これらの混合物、を含むグループから選んだ材料から形成される繊維から成る。あるいは、ひだ形成可能なウェブは、任意の適当な織り布とすることもできる。」(7ページ左上欄8-16行)

6.対比・判断
6-1.特許異議申立て理由(a)(特許法第29条第1項第3号違反)について
6-1-1.請求項1(特許査定時の請求項1に相当)に係る発明について
6-1-1-1.甲第1号証、甲第2号証に記載された発明
上記摘示ア〜ウによれば、甲第1号証には、以下の発明が記載されているといえる。
「ナイロン6とナイロン66とよりなる二成分系の潜在捲縮性サイドバイサイド型複合繊維からなる第一繊維ウェブと、レーヨン繊維からなる第二繊維ウェブとを積層して繊維フリースを作成し、この繊維フリースを沸騰水の中に導入して、繊維フリース中の複合繊維を捲縮させて得られるしぼ調不織布。」(以下、「甲第1号証発明A」という。)
また、上記摘示エによれば、甲第2号証には、以下の発明が記載されているといえる。
「潜在巻縮性繊維を含むウェブを加熱して巻縮を発現させた不織布と薄葉紙とが架橋性結合剤により部分的に結合されており、かつ結合部間において薄葉紙が湾曲している複合不織布。」(以下、「甲第2号証発明A」という。)
6-1-1-2.請求項1に係る発明と甲第1号証発明Aとの対比
請求項1に係る発明と甲第1号証発明Aとを対比するに、
甲第1号証発明Aの「二成分系の潜在捲縮性サイドバイサイド型複合繊維」は、沸騰水中に導入することにより、捲縮され、その繊維の形態は、技術常識からみて、一般的に小さなループ状又はスパイラル状となること、及び捲縮を発現させた「第一繊維ウェブ」は全体として伸縮性を有するものと解されることから、甲第1号証発明Aの「第一繊維ウェブ」は、請求項1に係る発明における「伸縮性不織布」に、また、甲第1号証発明Aの「しぼ調不織布」は、請求項1に係る発明における「複合不織布」に相当し、
甲第1号証発明Aの「第二繊維ウェブ」にはしぼが形成されることから、請求項1に係る発明における合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシボ模様を有するシート(シート状物)に対応し、
両者は、
「潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状又はスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布とシート状物とからなり、該シート状物がシボ模様を有することを特徴とする複合不織布。」である点で一致し、以下の点で相違する。
「シート状物が、請求項1に係る発明では、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/又は金属箔で構成されているのに対し、甲第1号証発明Aでは、レーヨン繊維からなる繊維ウェブである点」(以下、「相違点1」という。)
6-1-1-3.請求項1に係る発明と甲第2号証発明Aとの対比
請求項1に係る発明と甲第2号証発明Aとを対比するに、
甲第2号証発明Aの「潜在巻縮性繊維を含むウェブを加熱して巻縮を発現させた不織布」については、伸縮性を有すると解され、また、技術常識からみて、捲縮後の繊維の形状は、一般に小さなループ状又はスパイラル状であることから、請求項1に係る発明における「伸縮性不織布」に相当し、
甲第2号証発明Aの「薄葉紙」は、上記摘示カ、クによれば、架橋性結合剤は、微細なパターンをもって付与されているものと認められ、結合部間における薄葉紙の湾曲は、微細な凹凸模様を形成していると認められるから、請求項1に係る発明における合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシボ模様(凹凸模様)を有するシート(シート状物)に対応し、
両者は、「潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状又はスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布とシート状物とからなり、該シート状物が凹凸模様を有することを特徴とする複合不織布。」である点で一致し、以下の点で相違する。
「シート状物が、請求項1に係る発明では、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/又は金属箔で構成されているのに対し、甲第2号証発明Aでは、薄葉紙である点」(以下、「相違点2」という。)
「凹凸模様が、請求項1に係る発明では、シボ模様であるのに対し、甲第2号証発明Aでは、シボ模様かどうか明らかでない点」(以下、「相違点3」という。)
6-1-1-4.小括
上記相違点1又は相違点2及び3は実質的な相違点と認められるから、請求項1に係る発明は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であるとはいえない。

6-1-2.請求項2(特許査定時の請求項3に相当)に係る発明について
6-1-2-1.請求項2に係る発明と甲第2号証発明Aとの対比
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、シートの目付が0.5〜25g/m2であることを限定するものであるところ、上記摘示キによれば、甲第2号証発明Aにおける薄葉紙の目付も5〜40g/m2であり、その範囲は重複するものの、請求項2に係る発明と甲第2号証発明Aとは、上記相違点2及び3の点で相違するから、請求項2に係る発明は、甲第2号証に記載された発明であるとはいえない。

6-1-3.請求項6(特許査定時の請求項9に相当)について
6-1-3-1.甲第2号証に記載された発明
上記摘示エによれば、甲第2号証には、以下の発明が記載されているといえる。
「潜在巻縮性繊維を含むウェブに架橋性結合剤を部分的に付与し、その上に薄葉紙を積層して、これを加熱して該潜在巻縮性繊維の巻縮を発現させることによりウェブを収縮させ、かつ結合部間において薄葉紙が湾曲していることを特徴とする複合不織布の製造方法。」(以下、「甲第2号証発明B」という。)
6-1-3-2.請求項6に係る発明と甲第2号証発明Bとの対比
上記6-1-1-3で記載したと同様の理由により、請求項6に係る発明と甲第2号証発明Bとは、「潜在捲縮性不織布に、シート状物をラミネートし、ついで熱処理して小さなループ状又はスパイラル状の捲縮を発現させ、前記シート状物に凹凸模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
「シート状物が、請求項6に係る発明では、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/又は金属箔で構成されているのに対し、甲第2号証発明Bでは、薄葉紙である点」(以下、「相違点4」という。)
「凹凸模様が、請求項6に係る発明では、シボ模様であるのに対し、甲第2号証発明Bでは、シボ模様かどうか明らかでない点」(以下、「相違点5」という。)
そして、上記相違点4及び5は実質的な相違点と認められるから、請求項6に係る発明は、甲第2号証に記載された発明であるとはいえない。

6-2.特許異議申立て理由(b)(特許法第29条第2項違反)について
6-2-1.請求項1(特許査定時の請求項1に相当)に係る発明について
請求項1に係る発明と甲第1号証発明A又は甲第2号証発明Aとは、上記相違点1又は相違点2及び3の点で相違することは、上記6-1-1.で述べたとおりである。
ここで、特に、上記相違点1又は2が、甲第3号証〜甲第5号証に記載された事項により、当業者が容易に想到しうるものといえるためには、甲第3号証〜甲第5号証のいずれかに、伸縮性不織布に積層されることとなる請求項1に係る発明における「厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔」が開示されていることが必要であるとともに、これが、甲第1号証発明Aにおける「レーヨン繊維からなる繊維ウェブ」又は甲第2号証発明Aにおける「薄葉紙」と置換可能に用いられ得ることが、甲第3号証〜甲第5号証に記載された事項から導かれることが必要であるところ、以下、この点について検討する。
甲第3号証には、熱収縮性のある不織布に接着剤を介して積層されるフィルムとして、厚さが約0.08-0.1mm程度、すなわち約80-100μmの塩化ビニール樹脂フイルムが開示される(上記摘示ケ、コ、シ参照)が、かかるフィルムの厚みは、請求項1に係る発明における合成樹脂フィルムの厚みとは大きく異なっており、甲第3号証には、伸縮性不織布に積層されることとなるシート状物として「厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/又は金属箔」が記載されているとはいえない。
甲第4号証には、低収縮性表皮材と、高収縮性ポリエステル系繊維を含む不織シートとを接着させた後、加熱エンボス加工を行い、次いで、加熱収縮させることにより、該表皮材側表面に、平坦部と無作為の立体シボ部とから成る模様が形成された成型性複合シートの発明が記載され(上記摘示ス、セ参照)、該表皮材としては、ポリウレタンフィルム、ポリ塩化ビニールフィルム、ポリエステルフィルム等の合成樹脂フィルム、金属箔類、或いは、織物の、編物、不織シートなどの繊維シート類が用いられることも記載されている(上記摘示ソ参照)が、該合成樹脂フィルムの厚さの範囲(10μ〜100μ)は請求項1に係る発明におけるものと異なっており、甲第4号証には、伸縮性不織布に積層されることとなるシート状物として「厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔」が記載されているとはいえない。
また、甲第5号証には、熱収縮性繊維を含有する収縮性繊維ウェブ層と該熱収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しない非収縮性繊維ウェブ層とを積層して一体化し、次いで該非収縮性繊維ウェブ層面に該熱収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しないフィルムを形成した後、該収縮性繊維ウェブ層を収縮させてフィルム表面に微細な凹凸を発現させた不織シートの発明が記載され(上記摘示タ、チ、テ参照)、該フィルムとしては、合成樹脂製フィルムが用いられ、その厚さは50μ程度以下であるのが好ましい旨記載されている(上記摘示ツ参照)。なるほど、甲第5号証に記載される、ウェブ層に積層される合成樹脂製フィルムの厚さの範囲は、請求項1に係る発明における合成樹脂フィルムの厚さ0.5〜6μと重複するが、上記摘示トからも明らかなとおり、甲第5号証記載の発明においては、収縮性繊維ウェブ層に直接フィルムを積層することは予定しておらず、甲第5号証に記載された事項に基づいて、甲第1号証発明Aにおける「レーヨン繊維からなる繊維ウェブ」又は甲第2号証発明Aにおける「薄葉紙」に換えて、甲第5号証に記載される合成樹脂フィルムを採用することは、当業者が容易に想到しうるものとはいえない。
したがって、上記相違点1又は2については、甲第3号証〜甲第5号証に記載された事項から当業者が容易に想到し得たものとはいえないから、上記相違点3について検討するまでもなく、請求項1に係る発明は、甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

6-2-2.請求項2〜4(特許査定時の請求項3,5、6に相当。特許査定時の請求項2及び4は上記訂正によって削除された。)に係る発明について
上記6-2-1.で記載したとおり、請求項1に係る発明は、甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、請求項1に係る発明において、「前記シートの目付が0.5〜25g/m2であること」(請求項2)、「前記伸縮性不織布の両面がシートであること」(請求項3)及び「前記シートの両面の少なくとも一方の不織布が、潜在捲縮性不織布を熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布であること」との限定を付する請求項2〜4に係る発明についても、甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

6-2-3.請求項5(特許査定時の請求項7に相当。なお、特許査定時の請求項8は上記訂正によって削除された。)に係る発明について
6-2-3-1.甲第6号証に記載された発明
上記摘示ナ、ニ、ヌによれば、甲第6号証には、以下の発明が記載されているといえる。
「エラストマー繊維の不織ウェブからなる弾性ウェブに接着したひだ形成可能な不織ウェブを有する複合弾性材料を製造する方法において、
(a)弾性ウェブを引張ってこれを伸ばす工程と、
(b)伸びた弾性ウェブをひだ形成可能な不織ウェブに接着し、接着複合ウェブを形成する工程と、
(c)接着工程の直後に複合ウェブから負荷を取り除いて、ひだ形成可能な不織ウェブにひだを付け、これにより複合弾性材料を形成する工程とを有する方法。」(以下、「甲第6号証発明」という。)
6-2-3-2.請求項5に係る発明と甲第6号証発明との対比
請求項5に係る発明と甲第6号証発明とを対比すると、
甲第6号証発明におけるひだの形成される不織ウェブは、請求項5に係る発明における合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されシボ模様(凹凸模様)が形成されたシート(シート状物)に対応し、両者は、
「伸縮性不織布にテンションをかけながら、シート状物にラミネートし、該シート状物に凹凸模様を形成する複合不織布の製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
「伸縮性不織布が、請求項5に係る発明では、潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状又はスパイラル状の捲縮を発現したものであるのに対し、甲第6号証発明では、エラストマー繊維の不織ウェブである点」(以下、「相違点6」という。)
「シート状物が、請求項5に係る発明では、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/又は金属箔で構成されたシートであるのに対し、甲第6号証発明では、不織ウェブである点」(以下、「相違点7」という。)
「凹凸模様が、請求項5に係る発明では、シボ模様であるのに対し、甲第6号証発明では、ひだ状のものであり、これがシボ模様といえるかどうか明らかでない点」(以下、「相違点8」という。)
しかしながら、上記相違点6及び7に係る請求項5に係る発明の構成に欠くことができない事項、すなわち、伸縮性不織布として、潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状又はスパイラル状の捲縮を発現したものを用いる点及びシート状物として、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/又は金属箔で構成されたシートを用いる点については、甲第6号証には開示も示唆もなく、上記相違点6及び7については、甲第6号証に記載された事項から、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
したがって、上記相違点8について検討するまでもなく、請求項5に係る発明は、甲第6号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

6-2-4.請求項6に係る発明について(特許査定時の請求項9に相当。)
6-2-4-1.甲第1号証、甲第3号証に記載された発明
上記摘示ア〜ウによれば、甲第1号証には、以下の発明が記載されているといえる。
「ナイロン6とナイロン66とよりなる二成分系の潜在捲縮性サイドバイサイド型複合繊維からなる第一繊維ウェブと、レーヨン繊維からなる第二繊維ウェブとを積層して繊維フリースを作成し、この繊維フリースを沸騰水の中に導入して、繊維フリース中の複合繊維を捲縮させてしぼ調不織布を製造する方法。」(以下、「甲第1号証発明B」という。)
また、上記摘示ケによれば、甲第3号証には、以下の発明が記載されているといえる。
「熱収縮性のある不織布の表面に接着剤によりフイルムを全面接着した後、加熱して両者を仮接着した後、再度加熱して前記不織布を収縮させることにより前記フイルムの表面に多数の突出部(皺)を形成することを特徴とする表面に皺を有するシートの製造法。」(以下、「甲第3号証発明」という。)
6-2-4-2.請求項6に係る発明と甲第1号証発明Bとの対比
請求項6に係る発明と甲第1号証発明Bとを対比するに、
甲第1号証発明Bの「二成分系の潜在捲縮性サイドバイサイド型複合繊維」は、沸騰水中に導入することにより、捲縮され、その繊維の形態は、技術常識からみて、一般的に小さなループ状又はスパイラル状となること、及び捲縮を発現させた「第一繊維ウェブ」は全体として伸縮性を有するものと解されることから、甲第1号証発明Aの「第一繊維ウェブ」は、請求項6に係る発明における「伸縮性不織布」に、また、甲第1号証発明Bの「しぼ調不織布」は、請求項6に係る発明における「複合不織布」に相当し、
甲第1号証発明Bの「第二繊維ウェブ」にはしぼが形成されることから、請求項6に係る発明における合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシボ模様を有するシート(シート状物)に対応し、
両者は、
「潜在捲縮性不織布に、シート状物をラミネートし、ついで熱処理して小さなループ状又はスパイラル状の捲縮を発現させ、前記シートにシボ模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
「シート状物が、請求項6に係る発明では、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/又は金属箔で構成されているのに対し、甲第1号証発明Aでは、レーヨン繊維からなる繊維ウェブである点」(以下、「相違点9」という。)
しかしながら、甲第1号証には、上記相違点9について、開示も示唆もなく、上記相違点が甲第1号証に記載された事項から、当業者が容易に想到し得たとはいえない。
したがって、請求項6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
6-2-4-3.請求項6に係る発明と甲第3号証発明との対比
請求項6に係る発明と甲第3号証発明とを対比すると、両者は、
「熱収縮性のある不織布にシートをラミネートし、ついで熱処理をしてシートに凹凸模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
「熱収縮性のある不織布として、請求項6に係る発明では、潜在捲縮性不織布を採用し、熱処理によって小さなループ状又はスパイラル状の捲縮を発現させることとしているのに対し、甲第3号証記載発明では、単に、熱収縮性のある性質のものであれば如何なるものでもよいとされているにとどまる(上記摘示サ参照)点」(以下、「相違点10」という。)
「シートとして、請求項6に係る発明では、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/又は金属箔を用いることとしているのに対し、甲第3号証発明では、厚さ約0.08-0.1mm程度の塩化ビニール樹脂フイルムが例示されるにとどまる(上記摘示コ、シ参照)点」(以下、「相違点11」という。)
「凹凸模様が、請求項6に係る発明では、シボ模様であるのに対し、甲第3号証発明では、多数の突出部(皺)であり、これがシボ模様といえるかどうか明らかでない点」(以下、「相違点12」という。)
しかしながら、少なくとも、上記相違点11については、甲第3号証には開示も示唆もなく、上記相違点11が甲第3号証に記載された事項から、当業者が容易に想到し得たとはいえない。
したがって、上記相違点10、12について検討するまでもなく、請求項6に係る発明は、甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

6-3.当審で通知した取消理由について
本件特許査定時の請求項1、3、6及び9(上記訂正後の請求項1、2、4及び6に相当。)に係る発明は、刊行物1(特許異議申立人の提出した甲第2号証)に記載された発明であり、また、本件特許査定時の請求項1-4及び9(上記訂正後の請求項1、2及び9に相当。)に係る発明は、刊行物1-3(それぞれ、特許異議申立人の提出した甲第2号証、甲第3号証及び甲第1号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの請求項に係る発明の特許は、特許法第29条第1項又は第2項に違反してされたものである旨の取消理由を通知していたところ、上記訂正が認められたことにより、この取消理由は妥当でないものとなった。

7.むすび
以上のとおりであるから、請求項1〜6に係る発明の特許は、特許異議申立ての理由及び証拠によっては取り消すことはできない。
また、他に請求項1〜6に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
複合不織布及びその製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布と、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシートとからなり、該シートがシボ模様を有することを特徴とする複合不織布。
【請求項2】前記シートの目付が0.5〜25g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項3】前記伸縮性不織布の両面がシートであることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項4】前記シートの両面の少なくとも一方の不織布が、潜在捲縮性不織布を熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布であることを特徴とする請求項1に記載の複合不織布。
【請求項5】潜在捲縮性不織布が熱処理により小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現した伸縮性不織布にテンションをかけながら、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシートをラミネートし、該シートにシボ模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。
【請求項6】潜在捲縮性不織布に、厚さが0.5〜6μmの合成樹脂フィルム及び/または金属箔で構成されたシートをラミネートし、ついで熱処理して小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発現させ、前記シートにシボ模様を形成することを特徴とする複合不織布の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この出願発明は、不織布とくに伸縮性不織布にシートを積層した複合不織布およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、不織布とシートの積層体は、熱圧着によりラミネートしており、シートが平滑な状態で積層されているため、風合が硬いものしか得られなかった。そのため、例えば、貼付剤の基布としては、肌に密着しにくいものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この出願発明は、不織布とくに伸縮性不織布とシートとを積層した柔軟な複合不織布を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この出願発明は、不織布とくに伸縮性不織布にシボ模様を有するシートを積層した柔軟な複合不織布およびその製造方法である。
【0005】
この出願発明は、たとえば、伸縮性不織布にテンションをかけながらシートをラミネートするか、あるいは、潜在捲縮性不織布にシートをラミネートした後、熱処理して捲縮を発現することによりシート面にシボ模様を有する柔軟な複合不織布を製造することができる。
【0006】
この出願発明の不織布とくに伸縮性不織布は、捲縮度20%以上の高捲縮を有する捲縮性繊維から作製した不織布、あるいは、潜在捲縮性繊維から作製した潜在捲縮性不織布を熱処理等により、捲縮を顕在化した不織布または、弾性繊維からなる不織布等である。捲縮性繊維は、高捲縮を有するものが好ましいが、小さなループ状またはスパイラル状の捲縮を発生する潜在捲縮性繊維がこの出願発明にはより好適である。潜在捲縮性繊維としては、異種の樹脂の接合型複合繊維、例えば、熱収縮特性の異なる2成分のポリエステル樹脂の接合型複合繊維等が使用され、熱処理によりループ状捲縮を発現するものが好ましい。潜在捲縮性不織布は、このような潜在捲縮性繊維から作製したものであって、より細かいシボ模様が得られるので好ましい。弾性繊維は、ポリウレタン、ポリブチレンテレフタレート等のエラストマーからなる繊維が好ましい。これらの捲縮性繊維などの配合比率は、伸縮性の点では100%が好ましいが、必要に応じて、通常の繊維と混合してもよい。
【0007】
一方、シートは、合成樹脂フィルム、金属箔等が使用されるが、合成樹脂フィルムとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等のフィルムが、また、金属箔としては、アルミニゥム、銅等が一層または多層で使用でき、耐薬品性があり、通常の熱処理において、全く収縮しないか、または、収縮しにくいポリエステルフィルムあるいはアルミニゥム箔がとくに好ましい。シートの厚さは、10μm以下のものが好ましく、0.5〜6μmであれば細かいシボ模様が得られ、柔軟で、外観上もよく、1〜4μmがとくに好ましい。シートの目付は、0.5〜25g/m2が細かいシボ模様が得られるので好ましい。シートは、不透水性あるいは透湿性のもの等が好ましく、特に限定されるものではないが、伸縮性が小さい方がより細かいシボができるので好ましい。不織布及び/またはシートは、コーティング、蒸着等により導電加工等が施されていてもよい。
【0008】
不織布とシートとの積層は、たとえば、不織布又はシートに接着剤を塗布、スプレー、散布等を行って接合したり、熱融着性フィルム、溶融押出しフィルムによるラミネート等の通常の手段により行うことができる。接着剤としては、アクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系等の樹脂からなる接着剤が使用される。
【0009】
既に伸縮性のある不織布の場合には、この伸縮性不織布に1〜10%のテンションをかけながら、接着剤を塗布したシートをラミネートするか、あるいは、熱可塑性樹脂を溶融してフィルム状に押出してラミネートすれば、フィルム面に所望のシボ模様を形成することができる。
【0010】
また、潜在捲縮性不織布の場合には通常、100〜210℃で熱処理することにより繊維が捲縮を発現するので、潜在捲縮性不織布にシートを通常の手段によりラミネートした後、熱処理をすれば、シート面に所望のシボ模様を形成することができる。なお、不織布の両面にシートを、又はシートの両面に不織布をラミネートすれば、カール等を防止することもできる。
【0011】
この出願発明の複合不織布は、シボ模様のシート面を表面として使用すると、柔軟で表面が光沢の少ない、艶消し状態となるので、手術衣、レインコート等に好適である。貼付剤としては、シート面を表面とすれば、柔軟で光沢が目立たないので好ましい。また、シートが不透水性か、あるいは透湿性の場合には、防漏シーツ、おむつ、おむつカバー、手術衣、レインコートなどの衣料に好適である。また、シートを中間層にし、両表面を不織布で構成すれば、肌触りのよいシーツ、衣料などに好適である。
【0012】
【実施例】
つぎに実施例によりこの出願発明を具体的に説明する。
実施例1
2デニール、51mmの潜在捲縮性ポリエステル繊維をカーディングし、水流絡合して目付20g/m2の潜在捲縮性不織布を作製した後、180℃で30秒間熱処理してループ状に捲縮を発現させ、目付40g/m2の伸縮性不織布を作製した。厚さ2μmのポリエステルフィルム上に、接着剤として酢酸エチル溶媒に溶解したポリウレタン系樹脂を固形分で2g/m2塗布し、溶媒をほぼ除去した。次ぎに、前記の伸縮性不織布の長手方向に3%のテンションをかけながら、前記のフィルムをラミネートして、一体化した目付45g/m2の複合不織布を得た。この複合不織布はフィルム面に細かいシボ模様を有する柔軟なものであった。
【0013】
実施例2
2デニール、51mmの潜在捲縮性ポリエステル繊維80%と、2デニール、51mmの通常のポリエステル繊維(東レ(株)製テトロンT-201;捲縮度14%)20%とをカーディングし、水流絡合して目付20g/m2の通常の潜在捲縮性不織布を作製した。厚さ2μmのポリエステルフィルム上に、接着剤として酢酸エチル溶媒に溶解したポリウレタン系接着剤を固形分2g/m2の割合で塗布し、溶媒をほぼ除去した後、前記潜在捲縮性不織布をラミネートし、更に170℃で30秒間熱処理して、ループ状捲縮を発現させて、長手方向に3%収縮した、目付26g/m2の複合不織布を作製した。この複合不織布は、フィルム面に細かいシボ模様を有し、柔軟で、伸縮性を有するものであった。
【0014】
実施例3
実施例2で作製した複合不織布を、更に190℃で30秒間熱処理して全体で長手方向に6%収縮させた目付27g/m2の複合不織布は、実施例2よりさらに細かいシボ模様を有する柔軟なものであった。
【0015】
実施例4
3デニール、51mmの高捲縮ポリエステル繊維(東レ(株)製テトロンT-12;捲縮度23%)をカーディングし、水流絡合した目付40g/m2の伸縮性不織布の長手方向に2%のテンションをかけながら、実施例1と同様に接着剤を塗布した厚さ5μmのポリエステルフィルムをラミネートして複合不織布を得た。この複合不織布はフィルム面に細かいシボ模様を有する柔軟なものであった。
【0016】
実施例5
接合型複合繊維製造用ノズルを用いてポリプロピレン/変性ポリプロピレンを接合状に溶融紡糸してコンベア上に集積した目付20g/m2の潜在捲縮性スパンボンド不織布を130℃で30秒間熱処理して目付50g/m2の伸縮性不織布を得た。この伸縮性不織布の長手方向に2%のテンションをかけながら、実施例1と同様に、厚さ2μmのポリエステルフィルムとラミネートして、目付55g/m2の複合型不織布を得た。これはフィルム面にシボ模様を有する柔軟なものであった。
【0017】
実施例6
4デニール、51mmの潜在捲縮性ポリエステル繊維をカーディングし、水流絡合して目付50g/m2の潜在捲縮性不織布を作製した後、180℃で30秒間熱処理してループ状に捲縮を発現させ、目付100g/m2の伸縮性不織布を作製した。厚さ6μmのアルミニゥム箔上に、接着剤として酢酸エチル溶媒に溶解したポリウレタン系樹脂を固形分で2g/m2塗布し、溶媒をほぼ除去した。次ぎに、前記の伸縮性不織布の長手方向に3%のテンションをかけながら、前記のアルミニゥム箔をラミネートして、一体化した目付118g/m2の複合不織布を得た。この複合不織布はアルミニゥム箔面に細かいシボ模様を有し、柔軟で、身体に巻き付けたとき体温を逃さないため、救急用保温材として好適であった。
【0018】
実施例7
4デニール、51mmの潜在捲縮性ポリエステル繊維をカーディングし、水流絡合して目付50g/m2の潜在捲縮性不織布を作製した後、180℃で30秒間熱処理してループ状に捲縮を発現させ、目付100g/m2の伸縮性不織布を作製した。300オングストロームのアルミニゥムを蒸着した厚さ2μmのポリエステルフィルム上に、接着剤として酢酸エチル溶媒に溶解したポリウレタン系樹脂を固形分で2g/m2塗布し、溶媒をほぼ除去した。次ぎに、前記の伸縮性不織布の長手方向に3%のテンションをかけながら、前記のアルミニゥム蒸着フィルムをラミネートして、一体化した目付105g/m2の複合不織布を得た。この複合不織布はアルミニゥム蒸着面に細かいシボ模様を有し、柔軟で、身体に巻き付けたとき体温を逃さないため、救急用保温材として好適であった。
【0019】
実施例8
2デニール、51mmの潜在捲縮性ポリエステル繊維をカーディングし、水流絡合して目付20g/m2の潜在捲縮性不織布を作製した後、180℃で30秒間熱処理してループ状に捲縮を発現させ、目付40g/m2の伸縮性不織布を作製した。厚さ2μmのポリエステルフィルム2枚を別々に準備し、それぞれのフィルム上に接着剤として酢酸エチル溶媒に溶解したポリウレタン系樹脂を固形分で各々2g/m2塗布し、溶媒をほぼ除去した。次ぎに、前記の伸縮性不織布の長手方向に3%のテンションをかけながら、前記のフィルムを両面からラミネートして、一体化した目付50g/m2の複合不織布を得た。この複合不織布は両面に細かいシボ模様を有し、不透水性で、柔軟であり、手術衣として好適であった。
【0020】
実施例9
1.5デニール、51mmの潜在捲縮性ポリエステル繊維をカーディングし、水流絡合して目付15g/m2の潜在捲縮性不織布を作製した後、130℃で30秒間熱処理してループ状に捲縮を発現させ、目付30g/m2の伸縮性不織布を作製した。厚さ2μmのポリエステルフィルムの両面に、接着剤として酢酸エチル溶媒に溶解したポリウレタン系樹脂を固形分で各々2g/m2塗布し、溶媒をほぼ除去した。次ぎに、前記の2枚の伸縮性不織布を、各々長手方向に3%のテンションをかけながら、前記のフィルムの両面にラミネートして、一体化した目付67g/m2の複合不織布を得た。この複合不織布は、柔軟で、薬効成分の揮散を防ぎ、貼付薬基布として好適であった。
【0021】
比較例1
実施例1における潜在捲縮性繊維に代えて、2デニール、51mmの通常のポリエステル繊維(東レ(株)製テトロンT-201;捲縮度14%)100%をカーディングし、水流絡合して目付40g/m2の不織布を作製した。実施例1と同様に、厚さ2μmのポリエステルフィルム上に、接着剤として酢酸エチル溶媒に溶解したポリウレタン系樹脂を固形分で2g/m2塗布し、溶媒をほぼ除去した。次ぎに、このフィルムを前記の不織布にラミネートして、一体化した目付45g/m2の複合不織布を得た。この複合不織布はシボ模様がなく、柔軟性に劣るものであった。
【0022】
【発明の効果】
この出願発明の複合不織布は、シボ模様があるので、柔軟性があり、風合いがよく、艶消効果があり、わずかに伸縮性等を有している。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-06-10 
出願番号 特願平6-50017
審決分類 P 1 651・ 121- YA (B32B)
P 1 651・ 113- YA (B32B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐野 健治  
特許庁審判長 石井 淑久
特許庁審判官 滝口 尚良
芦原 ゆりか
登録日 2002-09-27 
登録番号 特許第3353995号(P3353995)
権利者 日本バイリーン株式会社
発明の名称 複合不織布及びその製造方法  

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