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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 H01L 審判 全部申し立て 2項進歩性 H01L 審判 全部申し立て 発明同一 H01L |
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管理番号 | 1122880 |
異議申立番号 | 異議2003-71436 |
総通号数 | 70 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-06-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-06-03 |
確定日 | 2005-06-27 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3352129号「半導体基板の製造方法」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3352129号の請求項1、2に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続きの経緯 本件特許第3352129号に係る手続きの主な経緯は次のとおりである。 特許出願(特願平4-325533号) 平成 4年12月 4日 特許権設定登録 平成14年 9月20日 特許異議申立(特許異議申立人:松本伸一) 平成15年 6月 3日 取消理由通知(1) 平成16年 1月21日 特許異議意見書・訂正請求書(1) 平成16年 3月26日 取消理由通知(2) 平成17年 5月 9日 訂正請求書(1)の取下書・訂正請求書(2) 平成17年 5月27日 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を 「【請求項1】 第1のシリコンウェーハと第2のシリコンウェーハとをSiO2膜を介在させつつ接着させて接着ウェーハを形成した後、前記第1のシリコンウェーハの肉厚を所定の厚さまで減らすようにした半導体基板の製造方法において、 第1のシリコンウェーハの周縁部の第2のシリコンウェーハと未接着となる部分を含む第1のシリコンウェーハの周辺部の領域のみを厚さ方向に接着面の反対側の表面より接着界面の直前まで研削する工程と、 この研削後に研削部のシリコンウェーハを接着界面までエッチングする工程とを経、 前記エッチングのエッチング液として、前記SiO2膜に対するエッチング速度よりもシリコンに対するエッチング速度の方が速く前記未接着となる部分における前記SiO2膜と前記研削部の下方に残ったシリコンとの全てを除去可能な選択性を持つものを使用する ことを特徴とする半導体基板の製造方法。」と訂正する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を 「【請求項2】 前記エッチングに使用するエッチング液がアルカリ金属の水酸化物の水溶液であることを特徴とする請求項1記載の半導体基板の製造方法。」と訂正する。 (3) 訂正事項3 明細書の発明の詳細な説明の段落【0028】、【0029】を 「 【0028】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため本発明に係る半導体基板の製造方法は、第1のシリコンウェーハと第2のシリコンウェーハとをSiO2膜を介在させつつ接着させて接着ウェーハを形成した後、前記第1のシリコンウェーハの肉厚を所定の厚さまで減らすようにした半導体基板の製造方法において、第1のシリコンウェーハの周縁部の第2のシリコンウェーハと未接着となる部分を含む第1のシリコンウェーハの周辺部の領域のみを厚さ方向に接着面の反対側の表面より接着界面の直前まで研削する工程と、この研削後に研削部のシリコンウェーハを接着界面までエッチングする工程とを経、前記エッチングのエッチング液として、前記SiO2膜に対するエッチング速度よりもシリコンに対するエッチング速度の方が速く前記未接着となる部分における前記SiO2膜と前記研削部の下方に残ったシリコンとの全てを除去可能な選択性を持つものを使用することを特徴とするものである。 【0029】 ここに、前記エッチングに使用するエッチング液をアルカリ金属の水酸化物の水溶液とすることもできる。」と訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 (1) 訂正事項1 訂正事項1は、請求項1に記載された「誘電体層」をより下位概念である「SiO2膜」に限定し、研削する部分を「第1のシリコンウェーハの周辺部の領域のみ」に限定し、さらに、エッチングする部分を「前記未接着となる部分における前記SiO2膜と前記研削部の下方に残ったシリコンとの全て」に限定しようとするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに当たる。 これら訂正事項については、訂正前の特許明細書の【請求項2】、段落番号【0035】、【0038】、【図1】、【図2】、【図3】の記載から明らかであるから、新規事項には当たらない。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2) 訂正事項2 訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1の訂正に対応して、これと整合するように請求項2を訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに当たる。 さらに、訂正事項2は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3) 訂正事項3 訂正事項3は、特許請求の範囲の訂正に対応して、これと整合するように発明の詳細な説明の欄を訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに当たる。 さらに、訂正事項3は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 3 訂正の適否のむすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 第3 特許異議申立についての判断 1 本件発明 上記第2で示したように上記訂正は認められるので、本件請求項1,2に係る発明(以下、「本件発明1,2」という。)は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1,2に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】 第1のシリコンウェーハと第2のシリコンウェーハとをSiO2膜を介在させつつ接着させて接着ウェーハを形成した後、前記第1のシリコンウェーハの肉厚を所定の厚さまで減らすようにした半導体基板の製造方法において、 第1のシリコンウェーハの周縁部の第2のシリコンウェーハと未接着となる部分を含む第1のシリコンウェーハの周辺部の領域のみを厚さ方向に接着面の反対側の表面より接着界面の直前まで研削する工程と、 この研削後に研削部のシリコンウェーハを接着界面までエッチングする工程とを経、 前記エッチングのエッチング液として、前記SiO2膜に対するエッチング速度よりもシリコンに対するエッチング速度の方が速く前記未接着となる部分における前記SiO2膜と前記研削部の下方に残ったシリコンとの全てを除去可能な選択性を持つものを使用する ことを特徴とする半導体基板の製造方法。 【請求項2】 前記エッチングに使用するエッチング液がアルカリ金属の水酸化物の水溶液であることを特徴とする請求項1記載の半導体基板の製造方法。」 2 特許異議申立の理由及び取消理由通知の内容 (1) 特許異議申立の理由 特許異議申立人は、証拠として、 1.特願平4-209117号(特許異議申立人松本伸一が提出した甲第2号証:特開平6-61461号公報) 2.刊行物1(同甲第1号証):特開平3-250616号公報 3.刊行物2(同甲第3号証):特開平2-273923号公報 を提出し、本件発明1,2は、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開された上記1の出願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「先願明細書」という。)に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人がその出願前の出願に係る上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定に違反してされたものであり、本件発明1,2は、刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、さらに、本件発明1,2は、刊行物1,2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、本件発明1,2についての特許を取り消すべき旨主張している。 (2) 取消理由通知(2)の概要 取消理由通知(2)の概要は、以下のとおりである。 「1)本件特許の請求項1,2に係る発明は、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開された下記1の出願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「先願明細書」という。)に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人がその出願前の出願に係る上記特許出願の出願人と同一でもないので、本件請求項1,2に係る発明の特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。 2)本件特許の請求項1,2に係る発明は、その出願前日本国内において頒布された下記の刊行物1に記載された発明であるから、本件請求項1,2に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。 3)本件特許の請求項1,2に係る発明は、その出願前日本国内において頒布された下記の刊行物1,2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項1,2に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 1.特願平4-209117号(特許異議申立人松本伸一が提出した甲第2号証:特開平6-61461号公報) 2.刊行物1(同甲第1号証):特開平3-250616号公報 3.刊行物2(同甲第3号証):特開平2-273923号公報 本件請求項1,2に係る発明は、特許異議申立人松本伸一が提出した特許異議申立書の「3.申立の理由」記載の理由により、上記先願明細書に記載された発明と同一であり、刊行物1に記載された発明であり、さらに、刊行物1,2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。」 3 特許法第29条の2について (1) 先願明細書に記載された発明 先願明細書には、以下の点が【図1】と共に記載されている。 「【請求項1】 2枚のシリコンウェーハを酸化膜を介在させて張り合わせ、一方のシリコンウェーハを活性層を残して除去した張り合わせSOIウェーハを製造するに際して、前記張り合わせSOIウェーハの活性層となる側のウェーハの外周部を、酸化膜とは反対側の面から厚み方向に、酸化膜との間に残厚を残す部位まで研削し、この研削された張り合わせウェーハを酸化膜非溶解性のエッチング液に浸漬して酸化膜が露出するまでエッチングした後、酸化膜溶解性のエッチング液に浸漬して露出した酸化膜を除去することを特徴とする張り合わせSOIウェーハの製法。」 「【0010】本発明の方法に使用されるウェーハは、少なくとも片面に鏡面処理が施された2枚のシリコンウェーハの、少なくとも一方の鏡面に酸化膜を設け、この酸化膜を介在させてそれぞれの鏡面を向かい合わせて張り合わせて得られるものである。・・・」 「【0011】本発明の製法は、上記のように第一工程として活性ウェーハの研削、・・・」 「【0012】次に各工程を詳しく説明する。本発明の第一工程では、上記張り合わせウェーハの活性層となる側のウェーハ(活性ウェーハ)の外周部を、酸化膜とは反対側の面から厚み方向に、酸化膜との間に残厚を残す部位まで研削する。・・・」 「【0014】本発明の第二工程は活性ウェーハの外周部エッチングである。この工程は研削によって活性ウェーハの外周部に残された残厚を、酸化膜非溶解性のエッチング液に浸漬することによって化学的に除去し、面取り線の外側の酸化膜を露出させることを目的としている。・・・」 「【0015】ここで用いる酸化膜非溶解性エッチング液とは、シリコンを溶解するが酸化膜は実質的に溶解しないエッチング液である。このような酸化膜非溶解性エッチング液としては、アルカリ金属の水酸化物水溶液やフッ酸と硝酸の混合溶液なども使用できるが、特にフッ酸、硝酸、酢酸の混合溶液を使用することが好ましい。・・・」 「【0017】酸化膜溶解性のエッチング液とは、シリコン酸化物を溶解することのできるエッチング液であって、このような酸化膜溶解性のエッチング液としては特定濃度のアルカリ金属の水酸化物水溶液やフッ酸と硝酸の混合溶液なども使用できるが・・・」 (2) 本件発明と先願明細書に記載された発明との対比・判断 ア 本件発明1について 本件発明1と先願明細書に記載された発明とを対比すると、先願明細書には、本件発明1の構成要素である「研削後に研削部のシリコンウェーハを接着界面までエッチングする工程とを経、前記エッチングのエッチング液として、前記SiO2膜に対するエッチング速度よりもシリコンに対するエッチング速度の方が速く前記未接着となる部分における前記SiO2膜と前記研削部の下方に残ったシリコンとの全てを除去可能な選択性を持つものを使用する」点が記載されていない。 先願明細書に記載された発明は、「研削された張り合わせウェーハを酸化膜非溶解性のエッチング液に浸漬」しており、エッチング液の選択性が異なる。 したがって、本件発明1は、先願明細書に記載された発明と同一であるとはいえない。 イ 本件発明2について 本件発明2は、本件発明1を引用して、更に限定したものであるから、本件発明1と同様の理由により、先願明細書に記載された発明と同一であるとはいえない。 4 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項について (1) 刊行物に記載された発明 ア 刊行物1に記載された発明 刊行物1は、「接合ウエーハ及びその製造方法」に関するものであり、第1図〜第3図とともに以下の点が記載されている。 「ボンドウエーハ1を酸化処理してその鏡面片面にSiO2の薄い酸化膜3を形成する。 次に、第1図(b)に示すように、上記2枚のウエーハ1,2を前記酸化膜3が中間層となるようにして重ね合わせ、これらウエーハ1,2を所定温度に加熱して両者を接着する。その後、第1図(c)に示すように、平面研削によってボンドウエーハ1を所定の研磨代を残して所定の厚さt1になるまで研削する。」(第3頁左下欄第2行〜第11行) 「然る後、両ウエーハ1,2を混酸(弗酸と硝酸との混合物)、水酸化カリウム或いは水酸化ナトリウム等のエッチング液中に所定時間(例えば、2分)だけ浸漬する。すると、ウエーハ1,2のマスキングテープ4,5で被われていない周縁部及び酸化膜3の周縁部がエッチングされて除去され、第3図(a),(b)に示すように、ボンドウエーハ1のマスキングテープ4からはみ出た微妙な凹凸の周縁部が完全に除去される。尚、酸化膜3のエッチング速度はウエーハ1,2のそれよりも遅いため、ボンドウエーハ1の外側に酸化膜3が露出して残留することとなる(第3図(b)参照)。」(第3頁右下欄第14行〜第4頁左上欄第6行) イ 刊行物2に記載された発明 刊行物2は、「半導体基板の製造方法」に関するものであり、第3図とともに以下の点が記載されている。 「又外周研削の第2の実施例として第3図に示す形がある。この場合、接着面から上方に厚さtAの第2ウェーハ12のA部分が残されている。tAが薄いと、例えば50μm以下では、チッピングが生ずる可能性があり、第2図に示す第1の実施例の方が好適である。」(第3頁左下欄第17行〜同頁右下欄第2行) (2) 本件発明と刊行物に記載された発明との対比・判断 ア 本件発明1について 本件発明1と刊行物1,2に記載された発明とを対比すると、刊行物1,2には、本件発明1の構成要素である「第1のシリコンウェーハの周縁部の第2のシリコンウェーハと未接着となる部分を含む第1のシリコンウェーハの周辺部の領域のみを厚さ方向に接着面の反対側の表面より接着界面の直前まで研削する工程と、この研削後に研削部のシリコンウェーハを接着界面までエッチングする工程とを経、前記エッチングのエッチング液として、前記SiO2膜に対するエッチング速度よりもシリコンに対するエッチング速度の方が速く前記未接着となる部分における前記SiO2膜と前記研削部の下方に残ったシリコンとの全てを除去可能な選択性を持つものを使用する」点が記載されていない。 なお、刊行物1は、ボンドウエーハ(第1のシリコンウェーハ)の周縁部のベースウエーハ(第2のシリコンウェーハ)と未接着となる部分を含むボンドウエーハ(第1のシリコンウェーハ)の周辺部の領域のみでなく、全面を厚さ方向に接着面の反対側の表面より接着界面の直前まで研削しており、そのためマスキングテープが必要になっている。 また、刊行物2は、第2ウェーハ(第1のシリコンウェーハ)の周縁部の第1ウェーハ(第2のシリコンウェーハ)と未接着となる部分を含む第2ウェーハ(第1のシリコンウェーハ)の周辺部の領域のみを厚さ方向に接着面の反対側の表面より接着界面の手前まで研削している。しかし、これで工程は完結しており、研削後に研削部のシリコンウェーハを接着界面までエッチングすることを前提としていないので、刊行物1に記載された発明と組み合わせる必要性は、認められない。さらに、刊行物2には、「tAが薄いと、例えば50μm以下では、チッピングが生ずる可能性があり、第2図に示す第1の実施例の方が好適である。」と記載されており、「接着界面の直前まで研削」することには、阻害要因となっている。 そして、本件発明1は、上記構成要素により、特許明細書記載の顕著な効果を奏する。 したがって、本件発明1は、刊行物1に記載された発明であるとも、刊行物1,2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 イ 本件発明2について 本件発明2は、本件発明1を引用して、更に限定したものであるから、本件発明1と同様の理由により、刊行物1に記載された発明であるとも、刊行物1,2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 5 特許異議申立についての判断のむすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び取消理由によっては本件発明1,2についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1,2についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 したがって、本件発明1,2についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 半導体基板の製造方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 第1のシリコンウェーハと第2のシリコンウェーハとをSiO2膜を介在させつつ接着させて接着ウェーハを形成した後、前記第1のシリコンウェーハの肉厚を所定の厚さまで減らすようにした半導体基板の製造方法において、 第1のシリコンウェーハの周縁部の第2のシリコンウェーハと未接着となる部分を含む第1のシリコンウェーハの周辺部の領域のみを厚さ方向に接着面の反対側の表面より接着界面の直前まで研削する工程と、 この研削後に研削部のシリコンウェーハを接着界面までエッチングする工程とを経、 前記エッチングのエッチング液として、前記SiO2膜に対するエッチング速度よりもシリコンに対するエッチング速度の方が速く前記未接着となる部分における前記SiO2膜と前記研削部の下方に残ったシリコンとの全てを除去可能な選択性を持つものを使用する ことを特徴とする半導体基板の製造方法。 【請求項2】 前記エッチングに使用するエッチング液がアルカリ金属の水酸化物の水溶液であることを特徴とする請求項1記載の半導体基板の製造方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 この発明は、シリコンウェーハ上に酸化膜等の誘電体層を介在させつつ半導体単結晶膜を形成する誘電体分離型半導体基板の製造方法、特に2枚のシリコンウェーハを誘電体膜を介在させて貼り合わせ、一方のシリコンウェーハを規定の厚さまで減らしてこれで半導体単結晶膜を形成するようにした半導体基板の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 シリコンウェーハ上に酸化膜などの誘電体層を介在させつつ半導体単結晶層を形成した誘電体分離型半導体基板は、同質の材料のみでできているために、反りやストレスなどの問題が生ぜず、誘電体層の界面特性が良好になるなどの優れた特性を有する。 【0003】 このような半導体基板の製造方法としては、酸化させたシリコンウェーハ上に無定形シリコンや多結晶シリコンなどのシリコン層を蒸着などの手段で形成し、レーザ、電子線または加熱炉などを用いて前記シリコン層を再結晶させる方法が知られている。しかしながら、この方法では、転位などが形成されてしまい、良好な単結晶を得ることが難しいとうい問題があった。 【0004】 また、単結晶シリコンウェーハに酸素イオンを注入し、熱処理してSiO2膜を形成する方法も知られているが、この方法の場合は、形成されるSiO2膜(酸化膜)の厚さに限界があるので、耐電圧などの問題がある。 【0005】 更に、陽極酸化により、単結晶層下部に多孔質シリコンを形成し、熱酸化させて誘電体分離型半導体基板を形成する方法も知られているが、この方法の場合、工程が複雑で適正な条件を維持するのに高度の技術を必要とするばかりでなく、広い単結晶層を形成することがかなり困難であった。 【0006】 そこで、2枚のシリコンウェーハ同志を熱酸化膜等の誘電体層を介在させつつ直接接着させて接着ウェーハを形成し、この一方のシリコンウェーハをラッピングして目的の厚さの単結晶層とする方法が知られている。この方法は、結晶の質が良好で絶縁体層の厚さも大きく取れ、しかも工程が比較的簡単であるという利点がある。 【0007】 この方法の場合、図4(a)に示すように、鏡面仕上げをした2枚のシリコンウェーハ1,2のうち、少なくとも一方の外周面に誘電体層となるSiO2膜(酸化膜)を形成しておき、両者1,2をその鏡面同志を互いに接合させつつ接着して接着ウェーハ3を形成する。この時、互いに鏡面仕上げを施したシリコンウェーハ1,2同志を接着させると、鏡面加工時に発生するダレによって、その周縁部における両者1,2間に隙間4が発生して、幅W1の未接着部1a,2bが発生してしまう。この未接着部1a,2aの幅W1は、例えば2〜5mm程度である。 【0008】 すると、この隙間4にごみが溜まり、また一方のシリコンウェーハ1を作製する半導体装置に合わせて数μm以下に薄くする時に、このシリコンウェーハ1の未接着部1aが剥がれ落ちて発塵源となり、その残骸が表面に付着して加工時に傷を付けたりパターン切れの原因となってしまうので、この未接着部1a,2aを予め除去しておく必要がある。 【0009】 そこで、接着後のシリコンウェーハ1,2の周辺部を前記未接着部1a,2aの幅W1よりも大きな幅W2(W1<W2)に亘って、即ち同図のA-A線に沿って、例えば砥石を用いて削り取り(同図(b))、しかる後、デバイス層研削、再ベベル加工、仕上げ研磨等を行うようにしている。 【0010】 この場合、シリコンウェーハの直径を減ずることになるが、半導体基板は、一般に25mm(1インチ)ステップで直径が決まっている(150mmΦ以上は、50mm(2インチ)ステップ)ので、例えば125mmΦ(5″Φ)の半導体基板を得るためには、150mmΦ(6″Φ)のシリコンウェーハ2枚を接着一体化した後、外周を削って125mmΦに形成することが一般に行われている。 【0011】 しかし、この方法で例えば150mmΦの接着ウェーハ(半導体基板)を作製するには、200mmΦのシリコンウェーハを接着させて、150mmΦに成形しなくてはならず、しかも本来取り除かなければならない未接着部は、周辺から3mm程度なので、接着部、即ち素子形成が可能な領域をも大きく削り込んでいることになり、材料ロスが非常に大きい(約44%を削り落とすことになる)ばかりでなく、大口径化が行ないにくい。 【0012】 なお、接着に用いる2枚のシリコンウェーハの口径を最終加工外径より未接着部分だけ大きく(例えば、+6〜10mm程度)、例えば125mmΦの接着ウェーハ作製のために、131〜135mmΦ程度の鏡面シリコンウェーハを用意することにより、材料のロスを極力少なくすることができる。しかし、このような25mmステップから外れるウェーハは、一般に入手できず、特注で作製しようとすると、治具等も専用のものを使い、また数量的にも少ないので、ウェーハのコストが高く、かつウェーハ入手までの納期も長い等、生産性が良くないといった問題が多く、実用化されていないのが現状である。 【0013】 そこで、素子形成側のシリコンウェーハを保持する台となるシリコンウェーハの外径を減ずることなく、周辺の未接着部を取り除くため、図5に示す方法が行われている。 【0014】 即ち、2枚のシリコンウェーハ1,2のうち、素子形成側となる第1のシリコンウェーハ1の外周面に誘電体層となるSiO2膜(酸化膜)5を形成しておいて、両者1,2をその鏡面同志を接合させつつ直接接着させて接着ウェーハ3を作製する(同図(a))。 【0015】 次に、前記第1のシリコンウェーハ1を保持する台となる第2のシリコンウェーハ2の露出部表面にも、SiO2膜6を形成し(同図(b))、隙間4によって生じる第1のシリコンウェーハ1の未接着部1aを除去すべく、第1のシリコンウェーハ1の周縁部の第2のシリコンウェーハ2と未接着となる部分を含む領域、即ち未接着部1aの幅W1(図4(a)参照)より広い幅W3(>W1)に亘って研削して接着界面7の下方に達する研削部8を形成する(同図(c))。 【0016】 ここに、この研削を研削部8の下面が接着界面7より下方に達するまで行なうのは、削り残しが出ないようにするためには、研削機の研削厚精度分だけ下まで削る必要があるからである。 【0017】 そして、前記研削部8の研削面の破砕層を除去して、発塵や後工程で例えばエピタキシャル層を形成した場合にそのエピタキシャル層のポリシリコン化等の問題が生じることを防止するため、ここにエッチングを施し(同図(d))、しかる後、第1のシリコンウェーハ1をこの表面側からグラインダ等によって研磨し(同図(e))、裏面側のSiO2膜6を剥離した後(同図(f))、素子自体の厚さ(サブμm〜数百μm)に合わせるよう第1のシリコンウェーハ1にミラー加工を施して(同図(g))、半導体基板を完成させている。 【0018】 このようにして、接着した2枚のシリコンウェーハ1,2のうち、支持側となる第2のシリコンウェーハ2の外周部を残し、活性層側となる第1のシリコンウェーハ1を未接着部まで削り取ることにより、実際に素子を作る領域を最大限に維持しつつ、外径は前述の25mmステップの径に合わせるようにしている。 【0019】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、接着ウェーハにおいて、素子形成領域は、この外周部9に対して少なくとも素子自体の厚さ分だけ厚くなり、ここの段差ができることになるが、上記従来例の場合、第1のシリコンウェーハ1の周縁部を幅W3に亙って接着界面7の下方まで研削し、更にここにエッチングを施しているため、この段差がかなり大きくなってしまう。 【0020】 即ち、例えば加工精度が±5μmの研削機を使用して、#500の砥石で研削を行う場合、安全を見て接着界面7の下約10μm程度研削する必要があり、また#500の砥石の破砕層は約10μm程度なので、これを完全に除去するエッチングを行うと、図6に示すSiO2膜6の上面と外周部9の上面との段差dは、約20μmにもなってしまう。 【0021】 そして、この段差が大きくなると、このコーナ部にゴミ等が溜まりやすくなり、そのゴミが素子製造工程中に剥がれ落ち、それがウェーハ表面に付いたりして、ゴミの影響によるパターンの欠けに繋がってしまう。 【0022】 なお、段差の発生を少なくするためには、研削装置の加工精度を上げる必要があるが、これには一定の限界がある。 【0023】 また、研削面は凸凹しており、その凸凹は、研削に用いた砥石における砥石の大小に左右され、一般に細かい砥石ほど凸凹は小さくなるが、研削量が大きくとれなくなる傾向があるので、数回に分けて削る必要が出てくる。しかも、この凹凸は、例えばレジスト等の塗布の時、膜厚の不均一の原因となるので、なるべく小さく、理想的には素子形成領域と同じくミラー面であることが望ましい。 【0024】 ここに、例えば上記#500の砥石で研削した場合、研削部8の表面粗さは最大約2μm程度になり、ここにエッチングを施しても、外周部9の表面粗さは、約1μm程度となって、200オングストローム程度のミラー面より大幅に粗くなってしまう。 【0025】 そこで、この要請に答えるべく、第1のシリコンウェーハの素子形成領域の外周部9を研磨しようとしても、素子形成領域との段差が大きな場合、ここに研磨布が当たらなくなって、段差外方の外周部9のみを研磨することは困難であるといった問題点があった。 【0026】 なお、表面粗さを減ずるためには、細かい砥石を用いれば良いが、細かい砥石は、目詰まりを起こしやすく、かつ磨耗も大きいため、例えば#2000の砥石で前記切削部8を形成しようとしても、この形成はかなり困難である。 【0027】 本発明は上記に鑑み、接着ウェーハとしての直径を減じることなく大口径化が容易で、しかも素子形成領域とその外周部との間に生じる段差を極力小さくして素子形成工程での発塵やパターンボケの発生を防止し、かつ前記外周部のミラー加工が容易な半導体基板の製造方法を提供することを目的とする。 【0028】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため本発明に係る半導体基板の製造方法は、第1のシリコンウェーハと第2のシリコンウェーハとをSiO2膜を介在させつつ接着させて接着ウェーハを形成した後、前記第1のシリコンウェーハの肉厚を所定の厚さまで減らすようにした半導体基板の製造方法において、第1のシリコンウェーハの周縁部の第2のシリコンウェーハと未接着となる部分を含む第1のシリコンウェーハの周辺部の領域のみを厚さ方向に接着面の反対側の表面より接着界面の直前まで研削する工程と、この研削後に研削部のシリコンウェーハを接着界面までエッチングする工程とを経、前記エッチングのエッチング液として、前記SiO2膜に対するエッチング速度よりもシリコンに対するエッチング速度の方が速く前記未接着となる部分における前記SiO2膜と前記研削部の下方に残ったシリコンとの全てを除去可能な選択性を持つものを使用することを特徴とするものである。 【0029】 ここに、前記エッチングに使用するエッチング液をアルカリ金属の水酸化物の水溶液とすることもできる。 【0030】 【作用】 上記のように構成した本発明によれば、第1のシリコンウェーハの周縁部の第2のシリコンウェーハと未接着となる部分を、接着界面の直前までの研削と接着界面までのエッチングによって除去することができ、これによって素子形成領域の外周部の表面を接着界面とほぼ同一平面となるようにすることができる。しかも、第2のシリコンウェーハに鏡面仕上げを施しておいて、前記エッチング後にこの表面を露出させることにより、前記外周部を容易に鏡面仕上げすることができる。 【0031】 【実施例】 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。 【0032】 図1は第1の実施例を示すもので、この実施例は、例えばP型、比抵抗2〜3Ωcm、厚さ625μmで200mmのラウンド加工が施された直径6インチのシリコンウェーハ11と、同じくP型、比抵抗1〜10Ωcm、厚さ625μmで200mmのラウンド加工が施された直径6インチのシリコンウェーハ12を使用して接着ウェーハ13を作製し半導体基板とする例を示すものである。 【0033】 先ず、両シリコンウェーハ11,12に鏡面仕上げを施した後、素子形成側となる第1のシリコンウェーハ11を洗浄し乾燥させた後、石英ボートにセットし拡散炉中で酸化させて、その外周面に誘電体層をなす約1μmのSiO2膜(酸化膜)15を形成する。次に、この酸化させた第1のシリコンウェーハ11と洗浄及び乾燥後の第2のシリコンウェーハ12とを、清浄な雰囲気下でその鏡面同士を接触させて密着させる。そして、例えば1100℃で少量のO2を含むN2雰囲気中で1時間に亙る熱処理を施すことにより、両ウェーハ11,12を直接接着させて一体化した接着ウェーハ13を作製し(同図(a))、次いで裏面保護用のSiO2膜16を5000オングストローム付ける(同図(b))。 【0034】 ここに、前記各接着ウェーハ13を赤外線透過法により観察したところ、第1のシリコンウェーハ11の周辺部の未接着部11aの幅W4は、約2〜3mm程度であった。 【0035】 次に、第1シリコンウェーハ11の周辺部を幅約5mm(W5=5mm)に亙り接着界面17の上20μm程度まで、例えば#500の砥石で研削して研削部18を形成する(同図(c))。 【0036】 ここに、この切削幅W5(=5mm)は、前記未接着部11aを完全に含むようこの幅W4(=2〜3mm)よりもやや大きめに設定したものである。また、研削機として加工精度が±5μmのものを使用すれば、研削部18の最も低いところで接着界面17の上15μmとなり、#500の砥石の破砕層は10μm程度なので、接着界面直上及び直下のシリコンに破砕層が達してしまうことはない。 【0037】 この研削によって、第1のシリコンウェーハ11の外周部のかなり薄くなった未接着部11aを殆どが剥がすことができるが、一部残ることが確かめられている。 【0038】 次に、例えば、酸化膜とシリコンとのエッチング速度の比が少なくとも1:5以上の17Mol/lの濃度のKOH水溶液(温度80℃)に30分漬けてエッチングすることにより、研削部18の下方に残ったシリコンを全てエッチングして、この下面を接着界面17と略同一面とする(同図(d))。これによって、未接着部11aの残りを全て除去することができ、また、周辺部19の表面粗を測定したところ、通常の鏡面ウェーハの表面とほぼ同じであった。 【0039】 次に、接着界面17より30μm上まで第1のシリコンウェーハ11の表面をグラインダ等により研磨し(同図(e))、外周部及び裏面のSiO2膜15,16をフッ化水素水により剥離した後(同図(f))、ミラー加工を行って(同図(g))半導体基板を完成させる。 【0040】 この実施例の場合、図6に示す素子形成領域の外周部9(19)の表面とSiO2膜5(15)の上面との段差dを1μm程度で済ますことができるとともに、この外周部9(19)の表面の面粗さを鏡面ウェーハと同等の200オングストロームにすることができることが確かめられている。 【0041】 図2は、上記実施例の変形例を示すもので、この変形例は、接着界面17より30μm上まで第1のシリコンウェーハ11の表面をグラインダ等により研磨した後(同図(e))、先ずミラー加工を行い(同図(f))、このミラー加工後に、外周部及び裏面のSiO2膜15,16をフッ化水素水により剥離して(同図(g))、半導体基板を完成させるようにしたものである。 【0042】 なお、エッチングに対する保護膜はSiO2膜に限定されることなく、またエッチング液もアルカリエッチング液に限らず、例えばHF-HNO3系のエッチング液でもかまわないことは勿論である。 【0043】 図3は、第2の実施例を示すもので、鏡面加工を施した2枚のシリコンウェーハ21,22の外周面にSiO2膜(酸化膜)25,26を形成しておき、これを直接接着させて一体化した接着ウェーハ23を作製する(同図(a))。そして、第1のシリコンウェーハ22の外周縁に所定の幅に亙る研削を行って研削部28を形成する(同図(b))。次いで、第1のシリコンウェーハ21の主面21bをグラインダー等で研削してこの厚みを減らし(同図(c))、しかる後、全体にエッチングを施して第1のシリコンウェーハ21の外周未接着部21aを除去する(同図(d))。その後、図示されていないが、主面21bをミラー研磨するようにしたものである。 【0044】 この実施例の場合、第1のシリコンウェーハ21の外周の未接着部21aの除去と研削で発生した主面21bの破砕層の除去とを同時に行うことができるとともに、接着ウェーハ以外の通常のウェーハの製造方法との共通性が高い。 【0045】 即ち、通常のウェーハの一般的な処理は、基板の主面をグラインダー等で研削したり、或いは両面をラッピングしたりして、基板の厚さをある一定量にした後、ケミカルポリッシグ(CP)と呼ばれるエッチングを行って、研削面に発生した破砕層を取り除き、その後ミラー研磨するようにしている。 【0046】 この実施例は、研削部28の研削後の残し厚をCP時のエッチング量より少なくすることで、第1のシリコンウェーハ21の外周の未接着部21aの除去と主面21bの破砕層除去を同時に行うことができ、同時に第2のシリコンウェーハ22に付けられたSiO2膜26は、CPエッチング時に第2のシリコンウェーハ22を保護する役割を果たす。即ち、通常、CPは弗硝酸系のエッチングで行うが、SiO2膜のエッチング速度はシリコンのそれよりも遅く、これによって第2のシリコンウェーハ22を保護することができる。 【0047】 なお、前記第2の実施例においては、第1及び第2のシリコンウェーハ21,22を共に酸化させてから接着した例を示しているが、前記第1の実施例のように、第1のシリコンウェーハ21のみを酸化させておき、接着後に第2のシリコンウェーハ22の表面に酸化膜を付けるようにしたり、第2のシリコンウェーハ22のみを酸化させるようにしても良い。 【0048】 【発明の効果】 以上詳細に述べたように、本発明によれば、接着ウェーハとしての直径を減じることなく大口径化が容易で、しかも素子形成領域とその外周部との間に生じる段差を極力小さくして素子形成工程での発塵やパターンボケの発生を防止することができる。更に、前記外周部のミラー加工が容易で、例え粗い砥石を用いて研削したとしても、この表面の粗さが影響を受けたり破砕層が残ってしまうことがないばかりでなく、ここの厚さ精度は、用いる研削装置の精度に影響を受けることがなく、これによって、従来の鏡面ウェーハとほぼ同様に取り扱うことができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の第1の実施例を工程順に示す図。 【図2】 同じく、変形例を工程順に示す図。 【図3】 第2の実施例を工程順に示す図。 【図4】 従来例を工程順に示す図。 【図5】 他の従来例を工程順に示す図。 【図6】 図5の一部拡大図。 【符号の説明】 11,12,21,22 シリコンウェーハ 11a,12a,21a 未接着部 13,23 接着ウェーハ 14 隙間 15,16,25,26 SiO2膜(誘電体層) 17 接着界面 18,28 研削部 19 外周部 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2005-06-08 |
出願番号 | 特願平4-325533 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(H01L)
P 1 651・ 161- YA (H01L) P 1 651・ 113- YA (H01L) |
最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
松本 邦夫 |
特許庁審判官 |
橋本 武 浅野 清 |
登録日 | 2002-09-20 |
登録番号 | 特許第3352129号(P3352129) |
権利者 | 株式会社東芝 |
発明の名称 | 半導体基板の製造方法 |
代理人 | 勝沼 宏仁 |
代理人 | 吉武 賢次 |
代理人 | 永井 浩之 |
代理人 | 吉武 賢次 |
代理人 | 永井 浩之 |
代理人 | 勝沼 宏仁 |
代理人 | 岡田 淳平 |
代理人 | 岡田 淳平 |