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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 B29C 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 B29C 審判 全部申し立て 2項進歩性 B29C |
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管理番号 | 1122924 |
異議申立番号 | 異議2003-73719 |
総通号数 | 70 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-07-09 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-12-26 |
確定日 | 2005-08-24 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第3442172号「射出成形用解析結果の評価方法」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3442172号の請求項1に係る特許を取り消す。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第3442172号は、平成6年12月27日に特許出願され、平成15年6月20日にその特許権の設定が登録され(請求項の数1)、特許異議申立人 酒井光子から、請求項1に係る特許について、特許異議の申立てがされ、その後、平成17年3月22日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、特許権者からは何らの応答もないものである。 2.平成17年3月22日付けの取消理由通知の概要 ・請求項1について 以下の点で記載の不備があり、特許を受けようとする発明が不明であるから、特許請求の範囲の請求項1は、発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものではなく、特許法第36条第5項第2号及び第6項に規定する要件を満たしていない。 (1)「(CADデータにより示される)図形情報に基づいて射出成形用解析を行う(装置)」が不明である。 すなわち、発明の詳細な説明をみても、「図形情報」はどう定義されるものなのか、「図形情報に基づいて」行う射出成形用解析とは何か、が不明である。 (2)「前記特徴部位における前記射出成形用解析の解析結果である物理量の種類」が何を意味するのかが不明である。 すなわち、「(前記特徴部位における前記射出成形用解析の)解析結果である物理量の種類」については、明細書の段落0007、0008、0018、0034に記載があり、特に、段落0018には、評価指標作成部10が、「射出成形用解析の解析結果である物理量の種類」と、「特徴部位」と「形容情報」との対応関係を、評価指標として作成することが記載されているが、他方、解析結果を得るに不可欠である解析の実行に関しては、評価指標選択部2が、評価指標保存部9を介して、評価指標データベース12に記憶された複数の評価指標のうちから、評価に必要とする評価指標を読み出し(段落0021)、しかる後、評価指標に対応する解析プログラムを解析ソフト群から選択し(段落0021、0022)、解析実行部4が、評価指標選択部2から指示されたプログラムを用いることによって、射出成形用解析を実行する(段落0023)とされている。 したがって、対応関係の要素の一つである、「前記特徴部位における前記射出成形用解析の解析結果である物理量の種類」は、「解析結果」であると同時に、解析を行う対象を定める要素、すなわち「(物理量の)種類」でもあることとなり、意味が不明である。 (3)請求項1の記載によれば、「評価指標」は、「特徴部位」と「物理量の種類」と「形容情報」との「互いの対応関係」そのものとして定義されると解されるが、明細書の段落0027及び図1によれば、複数の対応関係(具体的には2つの対応関係)の2元1次関数として、評価指標が定められているものと解される。 してみれば、「互いの対応関係を、評価指標として評価指標データベースに記憶」する対象である評価指標がいかなる概念として特定されるのかが不明である。 (4)「前記解析結果の評価を行うときには」の「解析結果」に関しては、先行部分に記載される「解析結果」は、「流量、温度、圧力等の、前記特徴部位における前記射出成形用解析の解析結果である物理量の種類」におけるもののみであるから、文言上は、「物理量(の種類)」を評価することとなり、技術的に意味不明である。 3.当審の判断 上記の取消理由は、妥当なものと認められるので、本件特許に係る出願は、特許法第36条第5項第2号及び第6項に規定する要件を満たしていないものである。 4.むすび 本件の請求項1に係る特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであるから、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおりに決定する。 |
異議決定日 | 2005-07-05 |
出願番号 | 特願平6-324493 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Z
(B29C)
P 1 651・ 534- Z (B29C) P 1 651・ 113- Z (B29C) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 大島 祥吾 |
特許庁審判長 |
石井 淑久 |
特許庁審判官 |
野村 康秀 滝口 尚良 |
登録日 | 2003-06-20 |
登録番号 | 特許第3442172号(P3442172) |
権利者 | 積水化学工業株式会社 |
発明の名称 | 射出成形用解析結果の評価方法 |