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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 C08L 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 C08L 審判 一部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 C08L |
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管理番号 | 1124275 |
異議申立番号 | 異議2003-73700 |
総通号数 | 71 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1995-06-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-12-26 |
確定日 | 2005-07-25 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3438345号「芳香族ポリエステル組成物」の請求項1ないし4、6に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3438345号の請求項1ないし4、6に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続きの経緯 特許第3438345号に係る発明は、平成6年9月27日に特許出願(優先日:平成5年9月30日 日本)され、平成15年6月13日に特許権の設定登録がなされ、その後、太田 謡子(以下、「特許異議申立人」という。)より請求項1ないし4及び6に係る特許について特許異議の申立てがなされ、平成16年12月10日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成17年2月17日に特許異議意見書及び訂正請求書が提出されたものである。 2.訂正の適否 2-1.訂正の内容 特許権者が求める訂正の内容は以下のとおりである。 訂正事項a 請求項1及び2の「層状珪酸塩」を「層状珪酸塩である膨潤性フッ素雲母」と訂正する。 訂正事項b 請求項5の「前記層状珪酸塩が膨潤性フッ素雲母」を「前記膨潤性フッ素雲母が、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母及びLi型四珪素フッ素雲母より成る群から選ばれるもの」と訂正する。 訂正事項c 請求項6の「請求項1ないし5に記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物」を「請求項1ないし5のいずれかに記載の芳香族ポリエステル組成物」と訂正する。 訂正事項d 段落【0007】の「層状珪酸塩」を「層状珪酸塩である膨潤性フッ素雲母」と訂正する。 訂正事項e 段落【0033】の「実施例1〜5」を「実施例1〜4及び比較例1」と訂正する。 訂正事項f 段落【0034】の「実施例6」、「実施例7」及び「実施例8」を、それぞれ「実施例5」、「実施例6」及び「実施例7」と訂正する。 訂正事項g 段落【0035】の「比較例1」、「比較例2」、「比較例3」及び「実施例5」(3箇所)を、それぞれ「比較例2」、「比較例3」、「比較例4」及び「比較例1」(3箇所)と訂正する。 訂正事項h 段落【0035】の「層間化合物の代わりにオスモスNを使用した以外は実施例1と同様に行った」を「層間化合物の代わりにオスモスNを使用した以外は比較例1と同様に行った」と訂正する。 訂正事項i 段落【0036】の「比較例4」、「比較例5」及び「実施例5」(2箇所)を、それぞれ「比較例5」、「比較例6」及び「比較例1」(2箇所)と訂正する。 訂正事項j 段落【0037】の「比較例6」及び「比較例7」を、それぞれ「比較例7」及び「比較例8」と訂正する。 訂正事項k 段落【0038】の「比較例8」を「比較例9」と訂正する。 訂正事項l 段落【0039】の「比較例9」を「比較例10」と訂正する。 訂正事項m 段落【0040】の「比較例10」、「比較例11」、「比較例12」及び「実施例5」(4箇所)を、それぞれ「比較例11」、「比較例12、「比較例13」及び「比較例1」(4箇所)と訂正する。 訂正事項n 段落【0041】(表2)の「実施例5」の行を削除して、「No.」の列の「実施例6」、「実施例7」及び「実施例8」を、それぞれ「実施例5」、「実施例6」及び「実施例7」と訂正する。 訂正事項o 段落【0042】(表2つづき)の「比較例1」の行の上に、表2で削除した「実施例5」の行を挿入し、「No.」の列の「実施例5」を「比較例1」と訂正し、「比較例1」〜「比較例12」を順に「比較例2」〜「比較例13」と訂正する。 訂正事項p 段落【0044】の「実施例9」及び「実施例6」(2箇所)を、それぞれ「実施例8」及び「実施例5」(2箇所)と訂正する。 訂正事項q 段落【0045】の「比較例13」、「比較例14」及び「実施例9」(4箇所)を、それぞれ「比較例14」、「比較例15」及び「実施例8」(4箇所)と訂正する。 訂正事項r 段落【0046】(表3)の左端列の「実施例9」、「比較例13」及び「比較例14」を、それぞれ「実施例8」、「比較例14」及び「比較例15」と訂正する。 2-2.訂正の目的の適否、訂正の範囲の適否及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項aは、訂正前の請求項5の「前記層状珪酸塩が膨潤性フッ素雲母であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の芳香族ポリエステル組成物」との記載に基づいて請求項1及び2の「層状珪酸塩」を限定するものであるから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内で、特許請求の範囲の減縮を目的としてされたものである。 (2)訂正事項bは、訂正前の明細書の「本発明に用いられる層状珪酸塩としては、・・・Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母・・・等が挙げられ、」(段落【0014】)との記載に基づいて請求項5の「膨潤性フッ素雲母」を限定するものであるから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内で、特許請求の範囲の減縮を目的としてされたものである。 (3)訂正事項cは、請求項6において、「請求項1ないし5に記載の」という不明りょうな記載を「請求項1ないし5のいずれかに記載の」という明確な択一的記載に改め、「芳香族ポリエステル樹脂組成物」との記載を「芳香族ポリエステル組成物」として他の請求項の末尾と一致させたものであるから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内で、明りょうでない記載の釈明を目的としてされたものである。 (4)訂正事項dは、訂正事項aによる特許請求の範囲の訂正に伴って、対応する発明の詳細な説明の記載をこれと整合させるための訂正であるから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内で、明りょうでない記載の釈明を目的としてされたものである。 (5)訂正事項eないしg及びiないしrは、訂正事項aによる特許請求の範囲の訂正に伴って、特許請求の範囲の記載された発明に該当しなくなった「実施例5」を「比較例1」とするとともに実施例、比較例の番号を整理するための訂正であるから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内で、明りょうでない記載の釈明を目的としてされたものである。 (6)訂正事項hは、段落【0035】において「実施例5において、層間化合物の代わりにオスモスNを使用した以外は実施例5と同様に行った」とすべきところ「・・・実施例1と同様に行った」と誤記した箇所について、「実施例1」を「実施例5」に改め、更に、その「実施例5」を訂正事項aによる特許請求の範囲の訂正に伴って「比較例1」とするものであるから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内で、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明を目的としてされたものである。 (7)そして、訂正事項aないしrは、いずれも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 2-3.独立特許要件 上記のように特許異議の申立てがされていない請求項5について、特許請求の範囲の減縮を目的をする訂正がなされたので、訂正後における請求項5に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かを以下に検討する。 下記4.及び5.のとおり、訂正後の請求項1ないし4に係る発明の特許は、特許異議申立の理由及び証拠によっては取り消すことができず、他に本件発明1ないし4についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 そうすると、訂正後の請求項1ないし4を引用して、更に「前記膨潤性フッ素雲母が、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母及びLi型四珪素フッ素雲母より成る群から選ばれるものである」との限定を付した訂正後の請求項5に係る発明の特許もまた、訂正後の請求項1ないし4に係る発明の特許と同様の理由により、取り消すことができない。 したがって、訂正後の請求項5に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである 2-4.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116条による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議申立についての判断 3-1.本件発明 上記の結果、訂正後の本件請求項1ないし6に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明6」という。)は、訂正された明細書(以下、「訂正明細書」という。)の記載からみて、その特許請求の範囲の対応する請求項に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 陽イオン交換容量が30ミリ当量/100g以上の層状珪酸塩である膨潤性フッ素雲母をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物を、無機灰分量として0.5〜10重量%含有することを特徴とする芳香族ポリエステル組成物。 【請求項2】 陽イオン交換容量が30ミリ当量/100g以上の層状珪酸塩である膨潤性フッ素雲母をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物を、芳香族ポリエステル100重量部当り0.5〜40重量部含有することを特徴とする芳香族ポリエステル組成物。 【請求項3】 前記芳香族ポリエステルがポリアルキレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポリエステル組成物。 【請求項4】 前記4級アンモニウムイオンが、炭素数12以上のアルキル基及び/又はポリエチレングリコール鎖を有する4級アンモニウムイオンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の芳香族ポリエステル組成物。 【請求項5】 前記膨潤性フッ素雲母が、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母及びLi型四珪素フッ素雲母より成る群から選ばれるものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の芳香族ポリエステル組成物。 【請求項6】 相溶化剤を含有しないことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の芳香族ポリエステル組成物。」 4.特許異議の申立てについての判断 4-1.特許異議申立人の主張 特許異議申立人は、甲第1ないし5号証を提出して、概略、次の理由により本件請求項1ないし4及び6に係る特許は取り消されるべきである旨、主張する。 (1)請求項1ないし4及び6に係る発明は甲第1号証又は甲第4号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 (2)請求項1ないし4及び6に係る発明は、甲第1ないし5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 (註:「請求項」とは、訂正前の請求項を指す。) 4-2.判断 4-2-1.取消理由 当審において、平成16年12月10日付けで通知した取消理由は以下のとおりであり、引用した刊行物等は以下のとおりである。 (1)請求項1ないし4及び6に係る発明は刊行物1に記載された発明であり、また、請求項2、3及び6に係る発明は刊行物4に記載された発明であるから、請求項1ないし4及び6に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 (2)請求項1ないし4及び6に係る発明は、刊行物1ないし3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、請求項2、3及び6に係る発明は、刊行物2及び4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1ないし4及び6に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 (3)比較例3及び4の記載からみて、請求項2に記載された構成要件を充足していても請求項2に係る発明の目的を達成し得ない場合があるものと認められ、請求項2には、発明の構成に欠くことのできない事項が記載されているものとはいえない。 したがって、本件発明についての特許は、特許法第36条第5項第2号及び第6項に規定する要件を満たしていない出願についてされたものである。 (註:「請求項」とは、訂正前の請求項を指す。) <刊行物等> 刊行物1:特開昭60-38455号公報(特許異議申立人が提出した甲第1号証) 刊行物2:白水晴雄著「粘土鉱物学-粘土科学の基礎-」,朝倉書店,1988.3.20,p.38-39、表紙、奥付(同甲第2号証) 刊行物3:米国特許第4,252,782号明細書(同甲第3号証) 刊行物4:国際公開第93/04118号パンフレット(同甲第4号証) 参考資料1:特表平6-504810号公報(同甲第5号証) 4-2-2.刊行物1ないし4の記載事項 (i)刊行物1 (1-1)「(1)a)熱可塑性ポリエステル b)補強充填剤3ないし50重量% c)難燃性添加剤5ないし30重量% そしてd)有機化合物で改質されてもよいフイロ珪酸塩0.2ないし4.0重量%を含有し、そしてさらに e)炭素原子数6ないし22の脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩0.05ないし2.0重量%を含有する(上記重量%は成形材料の全重量に対するもの。)難燃性、強化ポリエステル成形材料。 (2)ポリエステルが線状であり、芳香族ジカルボン酸から誘導され、そして特にポリアルキレンテレフタレートである特許請求の範囲第1項記載の成形材料。」(特許請求の範囲の第1、2項) (1-2)「本発明で使用されるフイロ珪酸塩酸化防止剤はスメクタイト、特にベントナイトまたはモンモリロン石であることができる。・・・特に有機アンモニウム塩で改質されたスメクタイトを使用することもできる。少なくとも1個の長鎖アルキル基を含有するアンモニウム塩、特に例えば炭素原子10ないし25個特に炭素原子16ないし20個を有する1個または2個のアルキル基を含有するテトラアルキルアンモニウム塩が好ましい。このタイプの好ましい製品は商標クレイトン・・・またはベントン・・・として知られている。クレイトン(ClaytoneR)34または40(双方ともジメチル-ジオクタデシルアンモニウム-ベントナイト)またはベントン(BentoneR)27または34(ジメチル-ジオクタデシルアンモニウム-モンモリロン石)、38、500またはSD-1を使用することが好ましく、・・・。フイロ珪酸塩は好ましくは全材料に対して、総計0.75ないし2.0重量%の量で使用される。」(第6頁右下欄第7行〜第7頁左上欄第11行) (1-3)実施例12には、PBTP(註:ポリ-1,4-ブチレンテレフタレート)56.5重量%,ガラス繊維30.0重量%,デカブロモジフエニル-エーテル9.0重量%,Sb2O34.5重量%,ベントンR(註:「R」は原文では丸付きのR)34 1.0重量%及びステアリン酸ナトリウム0.5重量% の配合物が記載されている。(第9頁左下欄 表1(続き)」 (ii)刊行物2 (2-1)「粘土鉱物の陽イオン交換容量(me/100g)」と題する表3.1には、「スメクタイト 60〜100」と記載されている。(第39頁) (iii)刊行物3 (3-1)「BENTON 34 (A Tetraalkyl Ammonium Smectite)Typical Properties」の項に「Loss on Ignition,max.,% 40.5」と記載されている。(第4欄第46〜61行) (iv)刊行物4 (4-1)「1.溶融加工可能な高分子マトリックスおよび分散された板状粒子からなる複合材料であって、板状粒子は平均厚みが50Å未満であり、かつ化学種が結合されており、その化学種は粒子表面から突き出した部分を有しており、それは高分子マトリックスに対して共有結合をしておらず、化学種がシランもしくはオニウムカチオンから選択されるもので、かつ高分子マトリックスと相溶性を有するものであり、板状粒子は複合材料の60重量%未満の量で存在する複合材料。」(特許請求の範囲の請求項1) (4-2)「2.化学種が式:-Si(R9)2R8で表されるシラン、もしくは式:・・・(-N(R17)3R18)で表されるアンモニウムカチオンから選択される請求項1に記載の複合材料。ここで、式中、・・・R17はそれぞれが同一もしくは異なるもので、アルキルであり、R8とR18は同一もしくは異なるものであり、高分子マトリックスと相溶性のある官能基である。」(同請求項2) (4-3)「3.高分子マトリックスが、ポリアミド、ポリエステル、・・・から選択される熱可塑性ポリマーである請求項1に記載の複合材料。-以下、省略-」(同請求項3) (4-4)「8.板状粒子がフィロシリケートである請求項1に記載の複合材料。」(同請求項8) (4-5)「上記記載の特性を持つ膨潤性層状物質をこの発明の実施に使っても良い。有用な膨潤性層状物質にはフィロシリケートが含まれる。このような物質の例としては、モンモリロナイト、・・・、ヘクトライト、・・・などのスメクタイト粘土鉱物が挙げられる。(第8頁第35行〜第9頁第5行) (4-6)「この発明の好ましい態様として、膨潤性かつポリマー相溶性の層間挿入層状化合物には、オクタデシルアンモニウムカチオン複合モノモリロナイト・・・ジメチルジオクチルアンモニウムカチオン複合合成ヘクトライト・・・などが含まれる。」(第21頁第3〜17行) (4-7)「混合物中に含有されるインターカレートされた層状化合物の量は、コンポジットの用途に応じて幅広く変えることができる。例えば、スタンピングにより製造される製品においては、板状粒子は・・・比較的多い量、すなわち混合物中の15〜30wt%程度用いられる。」(第21頁第18〜25行) (4-8)「本発明に適したポリエステルは、芳香族、脂環族または脂肪族のジオールと脂肪族、芳香族または脂環族ジカルボン酸の重縮合から得られるもので、脂環族、脂肪族、芳香族ポリエステルである。本発明において使用できる有用な脂環族、脂肪族、芳香族ポリエステルの具体例は、ポリエチレンテレフタレート、・・・である。」(第28頁第6〜33行) (4-9)「ポリアミドでない二つのナノコンポジットが層間挿入モンモリロナイトとポリマーペレットの混合物を2軸押出機へフィードすることで作られた。一つのコンポジットは、クレイトンAPAに由来する0.36%のミネラルが入ったポリエチレンテレフタレート、PETである。・・・両方のコンポジットとも射出成形によりテストサンプルを作り、引張特性を測定した。結果を表10と11に示した。両方のコンポジットとも、このような少ない添加量でも剛性と強度の向上を示している。」(第51頁第36行〜第52頁第9行) 4-2-3.特許法第29条第1項第3号及び同条第2項違反について (1)本件発明1 刊行物1には、a)熱可塑性ポリエステル及びd)有機化合物で改質されてもよいフイロ珪酸塩0.2ないし4.0重量%を含有する難燃性、強化ポリエステル成形材料(摘示記載(1-1))が記載されており、ポリエステルとしてポリアルキレンテレフタレート等を用いること(摘示記載(1-1))、及び、フイロ珪酸塩酸化防止剤として有機アンモニウム塩で改質されたスメクタイトを使用することもでき、テトラアルキルアンモニウム塩が好ましいこと(摘示記載(1-2))も記載されている。この「スメクタイト」は本件訂正明細書に「本発明に用いられる層状珪酸塩」として例示(段落【0014】)されたスメクタイト系粘土鉱物に該当するものであり、有機アンモニウム塩として「テトラアルキルアンモニウム塩」を用いて改質されたスメクタイトとは、「層状珪酸塩をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物」であるということができる。 そうすると、刊行物1には、「層状珪酸塩をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物を含有する芳香族ポリエステル組成物」である点で本件発明1と一致する発明が記載されているが、刊行物1には本件発明1における下記(あ)、(い)及び(う)の構成について記載されていない点で、本件発明1と刊行物1に記載された発明との間には相違が認められる。 (あ)層状珪酸塩の「陽イオン交換容量が30ミリ当量/100g以上」である点、 (い)層状珪酸塩として「膨潤性フッ素雲母」を用いる点、及び、 (う)組成物が層間化合物を「無機灰分量として0.5〜10重量%含有する」点 また、刊行物4には、溶融加工可能な高分子マトリックスおよび分散された板状粒子からなる複合材料であって、化学種が結合されており、その化学種は粒子表面から突き出した部分を有しており、化学種がシランもしくはオニウムカチオンから選択されるものであり、板状粒子は複合材料の60重量%未満の量で存在する複合材料(摘示記載(4-1))が記載されており、高分子マトリックスとして、ポリアミド、ポリエステル等が用いられること(摘示記載(4-3))、適したポリエステルは、芳香族ポリエステル等であること(摘示記載(4-8))、板状粒子としてフィロシリケートを用いること(摘示記載(4-4))、有用な膨潤性層状物質にはフィロシリケートが含まれ、フィロシリケートの例としてはスメクタイト粘土鉱物が挙げられること(摘示記載(4-5))、及び、層間挿入層状化合物には、ジメチルジオクチルアンモニウムカチオン複合合成ヘクトライトなどが含まれること(摘示記載(4-6))が記載されている。この「ジメチルジオクチルアンモニウムカチオン複合合成ヘクトライト」は本件発明1における「層状珪酸塩をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物」に相当するものであるということができる。 そうすると、刊行物4には、「層状珪酸塩をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物を含有する芳香族ポリエステル組成物」である点で本件発明1と一致する発明が記載されているが、刊行物4には本件発明1における上記(あ)、(い)及び(う)の構成について記載されていない点で、本件発明1と刊行物4に記載された発明との間には相違が認められる。 そして、本件発明1における(い)の層状珪酸塩として「膨潤性フッ素雲母」を用いる点については、上記のように刊行物1及び4に記載されていないばかりでなく、刊行物2及び3にも、これを記載ないし示唆するところはない。 したがって、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は刊行物1又は4に記載された発明ではなく、刊行物1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (2)本件発明2 本件発明2は、本件発明1と同様、層状珪酸塩として「膨潤性フッ素雲母」を用いる点を構成として含むものであるが、上記のように、この点は、刊行物1及び4に記載されていないばかりでなく、刊行物2及び3にも、これを記載ないし示唆するところはない。 したがって、本件発明2は刊行物1又は4に記載された発明ではなく、刊行物1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (3)本件発明3、4及び6 本件発明3、4及び6は、本件発明1又は2において更に技術的限定を付加した発明であるが、上記のように本件発明1又は2が刊行物1又は4に記載された発明ではなく、刊行物1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない以上、本件発明3、4及び6も本件発明1又は2と同様の理由により、刊行物1又は4に記載された発明ではなく、刊行物1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 4-2-4.特許法第36条第5項第2号及び第6項違反について 上記訂正によって、請求項2に記載された層状珪酸塩が膨潤性フッ素雲母に特定されたので、モンモリロナイトである「オスモスN」を用いる比較例3及び4は、請求項2に係る発明に該当しないものとなり、「請求項2に記載された構成要件を充足していても請求項2に係る発明の目的を達成し得ない場合があるから、請求項2には、発明の構成に欠くことのできない事項が記載されているものとはいえない」との明細書の記載不備に係る取消理由は解消された。 5.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件発明1ないし4及び6についての特許を取り消すことができない。 また、他に本件発明1ないし4及び6についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 したがって、本件発明1ないし4及び6についての特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 芳香族ポリエステル組成物 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】陽イオン交換容量が30ミリ当量/100g以上の層状珪酸塩である膨潤性フッ素雲母をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物を、無機灰分量として0.5〜10重量%含有することを特徴とする芳香族ポリエステル組成物。 【請求項2】陽イオン交換容量が30ミリ当量/100g以上の層状珪酸塩である膨潤性フッ素雲母をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物を、芳香族ポリエステル100重量部当り0.5〜40重量部含有することを特徴とする芳香族ポリエステル組成物。 【請求項3】前記芳香族ポリエステルがポリアルキレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポリエステル組成物。 【請求項4】前記4級アンモニウムイオンが、炭素数12以上のアルキル基及び/又はポリエチレングリコール鎖を有する4級アンモニウムイオンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の芳香族ポリエステル組成物。 【請求項5】前記膨潤性フッ素雲母が、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母及びLi型四珪素フッ素雲母より成る群から選ばれるものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の芳香族ポリエステル組成物。 【請求項6】相溶化剤を含有しないことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の芳香族ポリエステル組成物。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、芳香族ポリエステルと層状珪酸塩をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物とからなる芳香族ポリエステル組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、芳香族ポリエステル樹脂の強度や剛性を高める目的で、様々な充填材、例えばガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、雲母等の無機粉体の配合が行われてきた。しかし、これらの手法は強度や剛性を高めるものの、靱性を著しく損なう、比重が増す、表面外観が低下するといった種々の欠点を有していた。他方、芳香族ポリエステルの充填材として雲母のような層状化合物を用いた場合には、フィルムにおいてはガスバリヤー性が向上し、繊維においては遠赤外線放射特性を有する等の特徴が生じることが知られている。しかし一般に雲母の混合された芳香族ポリエステルは、フィルムにおいては異物の増加による平滑性低下や靱性の低下、繊維においては製糸工程での溶融ストランドの安定性低下、毛羽だち、靱性の低下等の欠点を持っていた。 【0003】 こうした芳香族ポリエステルへの充填材の混合における欠点は、一般に充填材の分散不良あるいは分散された充填剤のサイズが大き過ぎること、及びマトリックスである芳香族ポリエステルと充填剤との界面の接着不良に起因するものと考えられており、こうした観点からこれまで様々な工夫がなされたきた。 特開昭64-85119号公報には、異方性溶融物を形成しうるポリマー、例えばp-ヒドロキシ安息香酸とポリエチレンテレフタレートとの共重合体のような液晶性芳香族ポリエステルにタルク等の粉状のフィラーを混合するに際し、予めフィラーをエポキシ系等のバインダーで分離可能に固めて粒状にしたものを混合することにより分散が容易になることが開示されているが、径が1mm程度の凝集塊の生成回避には有効であるものの、層状構造を有するフィラーの単位層、即ち数ナノメートルの薄層の分散に対しては必ずしも有効なものではなかった。 【0004】 特開平3-760号公報及び特開平3-41149号公報には、ポリエステル中に雲母が最大長さ20μm、厚さ0.01〜1μmの鱗片状粒子の状態で分散しているポリエステル組成物と、こうしたポリエステル組成物を重縮合反応系へ雲母を添加することにより製造する方法が開示されている。又、特開平3-41149号公報では、雲母の他にポリエチレングリコール、有機スルホン酸塩、メタリン酸カリウム、リン酸水素二カリウム等の分散剤を併用添加する方法が開示されている。しかし、こうした方法により雲母の分散性はある程度改善されるものの、層状構造の厚さが0.05〜0.1μm程度の単位層レベルにおける均一分散という点では必らずしも満足できるものではなかった。 【0005】 特開平3-62846号公報には、熱可塑性芳香族ポリエステルと、有機オニウムイオンを結合した層状粘土鉱物と、相溶化剤とを含み有機オニウムイオンを結合した層状粘土鉱物が、相溶化剤の親和作用により、熱可塑性芳香族ポリエステル中に均一に分散しかつ熱可塑性芳香族ポリエステルの分子鎖によって橋かけされた構造を有しているポリエステル複合材料とその製造方法が開示されており、引張弾性率や熱変形温度の向上、沸騰水中での所定条件下における吸水率の低下が認められるものの、充填材強化系の一般的な欠点である靱性の低下防止の点あるいは相溶化剤の添加による剛性と靱性とのバランスの向上の点で満足できるものではなかった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、強度や剛性に優れ又、剛性と靱性特に延性とのバランスに優れ、かつ比重の増加が少なく成形表面外観に優れた芳香族ポリエステル組成物を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、その要旨は、陽イオン交換容量が30ミリ当量/100g以上の層状珪酸塩である膨潤性フッ素雲母をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物を、無機灰分量として0.5〜10重量%含有することを特徴とする芳香族ポリエステル組成物に存する。 【0008】 以下、本発明につき詳細に説明する。 本発明で用いられる芳香族ポリエステルは、ジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体とジオールあるいはそのエステル形成性誘導体との縮合反応により得られる芳香環を分子鎖中に有するポリエステルである。 ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジカルボキシビフェニル、式(1)で示されるジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などの、単独ないし混合物が挙げられる。 【0009】 【化1】 【0010】 〔式(1)中、Zはアルキレン(C1〜C4)、アルキリデン(C1〜C4)、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-CO-より選ばれる基である。〕 ジオール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のシクロヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、分子量400〜6,000の長鎖グリコールなどの単独ないし混合物が挙げられる。 【0011】 芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリ(エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート/ブチレンイソフタレート)共重合体等のポリアルキレンフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート、ポリ(ブチレンテレフタレート/ブチレンドデカジオエート)共重合体等の脂肪族ジカルボン酸を含むポリアルキレンテレフタレート等が挙げられる。このうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレートが好ましく、最も好適に用いられるのは、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートである。 【0012】 本発明で用いられる芳香族ポリエステルの分子量には特に制限はないが、好ましくはフェノールとテトラクロロエタンとの重量比1:1の混合溶媒を使用し濃度1g/dlとし30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.5〜3.0の範囲である。極限粘度がこの範囲よりも小さい場合には靱性が極端に低下し、逆にこの範囲よりも大きい場合には溶融粘度が大き過ぎて成形上問題を生じやすく好ましくない。 【0013】 本発明における層間化合物は、層状珪酸塩をホストとし、4級アンモニウム塩をゲストとする層間化合物である。ここでホストとは基本骨格を形成する分子あるいはイオンからなる化合物を意味し、ゲストとはホストとの相互作用によってそれに組み込まれる分子あるいはイオンからなる化合物を意味する。陽イオン交換容量が30ミリ当量/100g以上の層状珪酸塩に4級アンモニウムイオンを挿入(インターカレーション)した層間化合物は、芳香族ポリエステルに対し極めて優れた劈開分散性を有し、芳香族ポリエステル組成物に対し、無機灰分量として0.5〜10重量%含有されることにより、剛性に優れるだけでなく、剛性と延性との良好なバランスを有する芳香族ポリエステル組成物を与える。 【0014】 本発明に用いられる層状珪酸塩としては、Al、Mg、Li等を含む八面体シート構造を2枚のSiO4四面体シート構造がはさんだ形の2:1型が好適であり、具体的には、モンモリロナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スチブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母、バーミキュライト、フッ素バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられ、天然のものであっても合成されたものであっても良い。 【0015】 中でも、モンモリロナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母が好ましく、特にLi型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素雲母等の膨潤性フッ素雲母が好ましい。 Li型フッ素テニオライトは下記式(2)の組成、Na型フッ素テニオライトは下記式(3)の組成、Na型四珪素雲母は下記式(4)の組成に相当するが、式(2),(3)及び(4)は理想的な組成を示したものであり、厳密に一致している必要はない。 【0016】 【化2】 LiMg2Li(Si4O10)F2 (2) NaMg2Li(Si4O10)F2 (3) NaMg2.5(Si4O10)F2 (4) 【0017】 尚、膨潤性フッ素雲母の具体例としては膨潤性合成雲母(コープケミカル(株)製、商品名ME100)が挙げられる。 本発明においては、これらの層状珪酸塩の陽イオン交換容量(CEC)は通常30ミリ当量/100g以上であるが、より好ましくは50ミリ当量/100g以上、最も好ましくは70ミリ当量/100g以上でである。陽イオン交換容量は、メチレンブルーの吸着量測定により求めることができる。陽イオン交換容量が30ミリ当量/100g未満では、層状珪酸塩を構成する平面状の巨大分子層の間への4級アンモニウムイオンのインターカレーション量が不十分となり、芳香族ポリエステルへの層間化合物の分散が悪くなるため、芳香族ポリエステル組成物の強度や剛性が十分でなく成形表面外観も悪くなる。又、層状珪酸塩の陽イオン交換容量は、劈開性の点より200ミリ当量/100g以下であることが好ましい。 【0018】 本発明に用いられる4級アンモニウムイオンは、通常ハロゲン化物イオンとの塩として取り扱われる。4級アンモニウムイオンの具体例としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の同一のアルキル基を有する4級アンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルエイコサニルアンモニウム、トリメチルオクタデセニルアンモニウム、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム等のトリメチルアルキルアンモニウム、トリエチルドデシルアンモニウム、トリエチルテトラデシルアンモニウム、トリエチルヘキサデシルアンモニウム、トリエチルオクタデシルアンモニウム等のトリエチルアルキルアンモニウム、トリブチルドデシルアンモニウム、トリブチルテトラデシルアンモニウム、トリブチルヘキサデシルアンモニウム、トリブチルオクタデシルアンモニウム等のトリブチルアルキルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデセニルアンモニウム、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム等のジメチルジアルキルアンモニウム、ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジオクタデシルアンモニウム等のジエチルジアルキルアンモニウム、ジブチルジドデシルアンモニウム、ジブチルジテトラデシルアンモニウム、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム、ジブチルジオクタデシルアンモニウム等のジブチルジアルキルアンモニウム、メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム、ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム等のジベンジルジアルキルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウム、トリテトラデシルメチルアンモニウム等のトリアルキルメチルアンモニウム、トリオクチルエチルアンモニウム、トリドデシルエチルアンモニウム等のトリアルキルエチルアンモニウム、トリオクチルブチルアンモニウム、トリデシルブチルアモニウム等のトリアルキルブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム等の芳香環を有する4級アンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニウム、下記式(5)で示されるジアルキルビス〔PEG〕アンモニウム 【0019】 【化3】 【0020】 (但し、式(5)中、R1,R2は独立に炭素数18以下のアルキル基を表し、m,n>1なる整数である。また2<m+n<60、好ましくは10≦m+n≦30であり、〔PEG〕はポリエチレングリコール鎖を表し、以下も同様である。)式(5)で示されるジアルキルビス(PEG)アンモニウムとしては、具体的にはジメチルビス〔PEG〕アンモニウム、ジエチルビス〔PEG〕アンモニウム、ジブチルビス〔PEG〕アンモニウム、メチルエチルビス〔PEG〕アンモニウム、メチルドデシルビス〔PEG〕アンモニウム、メチルオクタデシルビス〔PEG〕アンモニウム等のポリエチレングリコール鎖を有する4級アンモニウム、メチルピリジニウム、メチルキノリニウム等の複素芳香環を有するオニウム等のイオンが挙げられる。中でもトリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリエチルドデシルアンモニウム、トリエチルテトラデシルアンモニウム、トリエチルヘキサデシルアンモニウム、トリエチルオクタデシルアンモニウム等の炭素数12以上30以下のアルキル基を1分子中に1つ有する4級アンモニウムのイオン、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジオクタデシルアンモニウム等の炭素数12以上30以下のアルキル基を1分子中に2つ有する4級アンモニウム、ジメチルビス〔PEG〕アンモニウム、メチルエチルビス〔PEG〕アンモニウム、メチルドデシルビス〔PEG〕アンモニウム、メチルオクタデシルビス〔PEG〕アンモニウム等のポリエチレングリコール鎖を有する4級アンモニウム等のイオンが芳香族ポリエステル組成物の靱性保持の点から好ましく、より好ましくは、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム等の炭素数16以上のアルキル基を1分子中に1つ有する4級アンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム等の炭素数14以上25以下のアルキル基を1分子中に2つ有する4級アンモニウム、ジメチルビス〔PEG〕アンモニウム、メチルドデシルビス〔PEG〕アンモニウム等のポリエチレングリコール鎖を有する4級アンモニウム等のイオンであり、最も好ましくはトリメチルオクタデシルアンモニウムイオン、ジメチルジヘキサデシルアンモニウムイオン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムイオン、メチルドデシルビス〔PEG〕アンモニウムイオンである。なお、これらの4級アンモニウムイオンは、単独でも複数種類の混合物としても使用できる。 【0021】 本発明における、陽イオン交換容量が30ミリ当量/100g以上の層状珪酸塩をホストとし4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物は、有機オニウムイオンを負の層格子および交換可能なカチオンを含有する粘土と反応させる公知の技術(例えば特公昭61-5492号公報、特開昭60-42451号公報等参照)により製造することができる。層状珪酸塩の層間への4級アンモニウムイオンの挿入は、極性溶媒、好ましくは水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のプロトン性溶媒及びこれら2種以上の混合溶媒中で進行するイオン交換反応による。本発明の層間化合物の製造に好ましい溶媒は、水、メタノール、エタノールであるが4級アンモニウム塩の溶解度が極端に低くならない限り水が最適である。 【0022】 4級アンモニウムイオンは、層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対し通常1〜3当量、好ましくは1.0〜1.5当量反応させる。反応の収率(挿入率)は4級アンモニウムイオンの溶媒への溶解度や反応温度により若干異なる。 生成する層間化合物中の4級アンモニウムイオンの量は、原料の層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対し0.8〜2.0当量の範囲であれば特に制限はないが、通常の反応条件では1.0〜1.3当量となる。この量が0.8当量よりも少ないと、芳香族ポリエステルへの分散性が低下し、2.0当量より多いと4級アンモニウムイオン由来の遊離化合物が顕著となり、成形時の熱安定性低下、発煙、金型汚染、臭気等の原因となる。 【0023】 生成した層間化合物は、4級アンモニウムイオンの挿入反応後、層間以外に残存する余分なイオンを除去するために、溶媒中での撹拌洗浄工程と遠心分離や濾過等の分離工程を繰り返すバッチ洗浄、あるいは連続的に溶媒を流して洗浄する連続洗浄等の適切な方法による精製を行なう。精製度は、例えば4級アンモニウムハライドを原料とした場合、硝酸銀水溶液を洗液に加えて白色のハロゲン化銀の生成が見られなくなることで確認できる。この精製が不十分な場合、4級アンモニウムイオン由来の遊離化合物による成形時の熱安定性低下、発煙、金型汚染、臭気等の原因となる。また層間化合物の精製後の水分量は、芳香族ポリエステルとの混合時の加水分解等の望ましくない副反応を低減するために、10wt%以下、好ましくは5wt%以下、さらに好ましくは3wt%以下に制御する。該水分量が10wt%を超えると、芳香族ポリエステルの加水分解による分子量低下が顕著となり、芳香族ポリエステル組成物の靱性が大きく低下する。 【0024】 本発明に使用する層間化合物は、精製後の最大粒径を500μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、最も好ましくは10μm以下に粉砕しておくことは剪断効率の異なる幅広い分散方法に適用するためにも望ましいことである。 本発明の芳香族ポリエステル組成物においては、該層間化合物を芳香族ポリエステル組成物に対し無機灰分量として通常0.5〜10重量%、好ましくは0.7〜5重量%、さらに好ましくは1〜3重量%含有させる。無機灰分量は、芳香族ポリエステル組成物の有機成分を650℃の電気炉内で完全に焼失せしめた残渣の重量分率から求めることができる。該無機灰分量が0.5重量%未満の場合は弾性率の向上が顕著でなく、一方10重量%を超えると層間化合物中の4級アンモニウムイオン成分の影響でマトリックス芳香族ポリエステルの劣化が促進され成形に支障を来す等の欠点があり好ましくない。なお、該層間化合物は各々単独で用いてもよく併用してもよい。 層間化合物の配合量としては、芳香族ポリエステル100重量部に対して、0.5〜40重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。 【0025】 本発明において、層間化合物と芳香族ポリエステルとの混合方法には特に制限はないが、混合方法としては芳香族ポリエステルが溶融された状態であって機械的剪断下に行われることが好ましい。例えば、重合前の芳香族ポリエステル原料に添加後芳香族ポリエステルの溶融重合とともに撹拌混合する方法、芳香族ポリエステルの溶融重合途中ないしは溶融重合後チップ化前に添加し撹拌混合する方法、あるいはチップ化後の芳香族ポリエステルに添加し押出機等の混練機にて溶融混合する方法等任意の方法で混合可能であるが、生産性、簡便性、汎用性から混練機を用いた方法が好ましい。中でも、剪断効率の高い二軸押出機の使用が好ましく、該層間化合物に含まれる水分を効率的に除去できるベント付き二軸押出機の使用が最適である。 【0026】 本発明の芳香族ポリエステル組成物には、本発明の目的を損なわない限りにおいて必要に応じ常用の各種添加成分、例えばガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、雲母等の無機粉体、各種可塑剤、安定剤、着色剤、難燃剤等を添加できる。 更に、本発明の芳香族ポリエステル組成物には、本発明の目的を損なわない限りにおいて必要に応じ通常の芳香族ポリエステルにブレンドされる熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー、例えばポリアミド樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、エポキシ基を有する化合物で変性されたポリオレフィン樹脂、ポリエステルエラストマー、エポキシ基を有する化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマー、アクリルゴム、コア-シェル型アクリルゴム等を加えてもよい。 【0027】 【実施例】 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本特許はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。 【0028】 〔評価項目と測定方法〕 〔引っ張り試験〕ASTM D-638によった。降伏強度(YSと略記、単位kg/cm2)と破断伸び(UEと略記、単位%)を測定した。 【0029】 〔曲げ試験〕ASTM D-790によった。降伏強度(FSと略記、単位kg/cm2)と曲げ弾性率(FMと略記、単位kg/cm2)を測定した。 〔酸素透過速度〕米国MOCON社製酸素透過試験機OX-TRAN10/50Hにより23℃、相対湿度90%の条件で測定した。測定には、熱プレス成形により約100μm厚としたフィルムを使用し、結果は25μm厚当たりに換算し1m2、24時間当たりの酸素透過量として表した。 〔表面外観観察〕目視評価により射出成形品及びプレスフィルムの表面の平滑性を比較した。 〔組成物の無機灰分量〕組成物の成形片約1.5gを精秤し、650℃の電気炉内で完全に有機物を焼失した後の残渣の重量分率から求めた。 【0030】 〔使用した層状珪酸塩〕 使用した層状珪酸塩の名称、鉱物名、種類、メチレンブルー吸着法により測定した陽イオン交換容量(CECと略記)、メーカーを表1に記載した。 【0031】 【表1】 【0032】 〔層間化合物の調製法〕 層状珪酸塩約100gを精秤しこれを室温の水10リットルに撹拌分散し、ここに層状珪酸塩のCECの1.4倍当量のアンモニウムイオンの塩酸塩を添加して6時間撹拌した。精製した沈降性の固体を濾別し、次いで30リットルの脱塩水中で撹拌洗浄後再び濾別した。この洗浄と濾別の操作を少なくとも3回行い、洗液の硝酸銀試験で塩化物イオンが検出されなくなるのを確認した。得られた固体は3〜7日の風乾後乳鉢で粉砕し、更に50℃の温風乾燥を3〜10時間行い再度乳鉢で粉砕した。乾燥条件はゲストのアンモニウムイオンの種類により変動するが、最大粒径が100μm程度となる粉砕性の確保と、窒素気流下120℃で1時間保持した場合の熱重量減少で評価した残留水分量が2〜3wt%となることを指標とした。層間化合物の配合量については、まず層間化合物中の灰分量を、窒素気流下500℃で3時間保持した場合の残渣の重量分率を測定し、この値をもとに組成物中の灰分量(理論灰分量)が所定の値になるように調整した。 【0033】 〔実施例1〜4及び比較例1〕 ポリブチレンテレフタレート(ノバドウール5020、三菱化成(株)製、ノバドウールは登録商標[η]=1.2)のチップと表2に示した層間化合物とを理論灰分量が2wt%となる様に配合し、東芝機械(株)製の二軸押出機TEM35Bにより、バレル温度設定250℃、スクリュ回転数150rpmの条件で溶融混練しチップ化した。得られたチップは日本製鋼所(株)製の射出成形機J28SAにより、バレル温度260℃、金型表面実測温度82〜84℃、射出/冷却=15/15秒、射出速度最大の条件で成形し、引張試験、曲げ試験、表面外観観察を行い評価した。又、組成物の無機灰分量を求めた。 【0034】 〔実施例5〕 実施例1において、層間化合物としてME100とメチルドデシルビス〔PEG〕アンモニウム(表2脚注1)参照)クロリドより得られるものを使用し、理論灰分量を1.6wt%とした以外は実施例1と同様に行った。 〔実施例6〕 実施例4において、理論灰分量を0.7wt%とした以外は実施例4と同様に行った。 〔実施例7〕 実施例1において、理論灰分量を5wt%とした以外は実施例1と同様に行った。 【0035】 〔比較例2〕 実施例1において、層間化合物の代わりにME100を使用した以外は実施例1と同様に行った。 〔比較例3〕 比較例1において、層間化合物の代わりにオスモスNを使用した以外は比較例1と同様に行った。 〔比較例4〕 比較例1において、理論灰分量を0.05wt%とした以外は比較例1と同様に行った。 【0036】 〔比較例5〕 比較例1において、理論灰分量を11wt%とした以外は比較例1と同様に行った。 〔比較例6〕 実施例1において、層間化合物としてダイモナイトとトリメチルオクタデシルアンモニウムクロリドより得られるものを使用した以外は実施例1と同様に行った。 【0037】 〔比較例7〕 実施例1において、層間化合物を2wt%用いる代わりにA-61を5wt%使用する以外は実施例1と同様に行った。 〔比較例8〕 実施例1において、層間化合物としてクニピアFと12-アミノドデカン酸塩酸塩より得られるものを使用し、理論灰分量を1.6wt%とした以外は実施例1と同様に行った。 【0038】 〔比較例9〕 実施例1において、層間化合物としてクニピアFと12-アミノドデカン酸塩酸塩より得られるものを使用し、理論灰分量を1.6wt%とし、同時に3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)製、シラン系カップリング剤A-187)を0.025wt%添加した以外は実施例1と同様に行った。 【0039】 〔比較例10〕 実施例1において、層間化合物としてクニピアFと12-アミノドデカン酸塩酸塩より得られるものを使用し、理論灰分量を1.6wt%とし、同時にポリカプロラクトン(ダイセル化学(株)製、プラクセルH1P、プラクセルは登録商標、分子量1万)を2.5wt%添加した以外は実施例1と同様に行った。 【0040】 〔比較例11〕 比較例1において、層間化合物のアンモニウムイオンとしてステアリルアミンを使用した以外は比較例1と同様に行った。 〔比較例12〕 比較例1において、層間化合物のアンモニウムイオンとしてアニリンの塩酸塩を使用した以外は比較例1と同様に行った。 〔比較例13〕 実施例1において、層間化合物を加えない以外は実施例1と同様に行った。 【0041】 【表2】 【0042】 【表3】 【0043】 1)〔PEG〕はポリエチレングリコール鎖を意味する。(CH2CH2O)ユニットの総数は1分子中約15であった。 2)日本ユニカー(株)製シラン系カップリング剤:3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン。 3)ダイセル化学(株)製PLACCEL-H1P(分子量1万)。 【0044】 〔実施例8〕 実施例5において、ポリブチレンテレフタレートの代わりにポリエチレンテレフタレート(RT543、日本ユニペット(株)製[η]=0.8)を使用し、理論灰分量を1.6wt%の代わりに3wt%とし、二軸押出機のバレル温度設定を280℃とした以外は実施例5と同様にして溶融混練を行い組成物のチップを得た。この組成物の酸素透過速度を280℃で成形したプレスフィルムにより測定し、プレスフィルムの外観観察も行った。また東芝機械(株)製の射出成形機J28SAにより、バレル温度280℃、金型表面実測温度28〜32℃、射出/冷却=10/20秒、射出速度最大の条件で引張試験片を成形し、引張試験を行った。 【0045】 〔比較例14〕 実施例8において、層間化合物の代わりにME100を用いる以外は実施例8と同様に行った。 〔比較例15〕 実施例8において、層間化合物を用いないこと以外は実施例8と同様に行った。 【0046】 【表4】 【0047】 1)表2の脚注参照。 【0048】 【発明の効果】 本発明の芳香族ポリエステル組成物は、強度や弾性率の向上が顕著であり、しかも引張破断伸びに示される靱性の低下が少なく射出成形品の表面外観も良好であり、低比重、良好な表面外観、高強度、高剛性、高靱性、高ガスバリヤー性の特徴を生かして、様々な機械部品、自動車部品、電気電子部品、フィルム、包材、繊維等に応用されるものである。 【0049】 又、本発明の組成物の溶融ストランドの紡糸性は良好であり、強度と靱性を兼備した繊維状の成形品も容易に得られる。 更に、本発明の組成物は、靱性と表面平滑性を損なうことなく酸素バリヤー性と引張強度が向上しており、ガスバリヤー性の要求されるフィルムや包材としても有用である。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2005-07-05 |
出願番号 | 特願平6-231746 |
審決分類 |
P
1
652・
113-
YA
(C08L)
P 1 652・ 121- YA (C08L) P 1 652・ 534- YA (C08L) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 森川 聡 |
特許庁審判長 |
井出 隆一 |
特許庁審判官 |
船岡 嘉彦 藤原 浩子 |
登録日 | 2003-06-13 |
登録番号 | 特許第3438345号(P3438345) |
権利者 | コープケミカル株式会社 三菱化学株式会社 |
発明の名称 | 芳香族ポリエステル組成物 |
代理人 | 長谷川 曉司 |
代理人 | 長谷川 曉司 |
代理人 | 長谷川 曉司 |