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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C08L
管理番号 1124284
異議申立番号 異議2003-71227  
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-12-20 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-05-15 
確定日 2005-07-20 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3344775号「ガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3344775号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 (1)手続の経緯
本件特許第3344775号は、平成5年6月7日に出願され、平成14年8月30日にその特許権の設定登録がなされ、その後、ユニチカ株式会社、小林恵子及び東レ株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、それに対し、その指定期間内である平成15年11月25日に、特許異議意見書とともに訂正請求書が提出されたものである。
(2)訂正の適否についての判断
ア、訂正の内容
訂正事項a:明細書の特許請求の範囲の訂正
請求項1の
「【請求項1】 ポリアミド樹脂30〜60重量部とガラス繊維70〜40重量部とからなるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法において、見かけの溶融粘度が1000 sec-1の剪断速度,融点+20℃の温度で測定した時、100〜3,000ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂を用いてなり、かつ当該ポリアミド樹脂が溶融状態に到達した時点で、長さ1〜10mm、平均直径3〜15μmの範囲にあるガラス繊維をポリアミド樹脂に配合し、ストランド状に成形した後、冷却・切断することを特徴とするガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法。」を、
「【請求項1】 ポリアミド樹脂30〜60重量部とガラス繊維70〜40重量部とからなるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法において、見かけの溶融粘度が1000 sec-1の剪断速度,融点+20℃の温度で測定した時、200〜2,500ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂を用いてなり、かつ当該ポリアミド樹脂をDSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度20℃/分で測定した時の吸熱ピーク温度(融点)プラス20℃の温度以上に溶融ポリアミド樹脂の温度が到達した時点で、長さ1〜10mm、平均直径3〜15μmの範囲にあるガラス繊維をポリアミド樹脂に配合し、ストランド状に成形した後、冷却・切断することを特徴とするガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法。」と訂正する。
訂正事項b:明細書の発明の詳細な説明の訂正
b-1:特許明細書の段落【0005】の
「【課題を解決するための手段】本発明者等は、高強度・高剛性で、かつ成形品の光沢性に優れた成形品を得ることのできるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法を見い出すために鋭意研究を重ねた結果,特定の溶融粘度を有するポリアミド樹脂と特定形状のガラス繊維を用いて、当該ポリアミドが溶融状態に到達した時点で、該ガラス繊維を配合するガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法が前記目的にかなうことを見出し、本発明を完成させるに至った。」を、
「【課題を解決するための手段】本発明者等は、高強度・高剛性で、かつ成形品の光沢性に優れた成形品を得ることのできるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法を見い出すために鋭意研究を重ねた結果,特定の溶融粘度を有するポリアミド樹脂と特定形状のガラス繊維を用いて、当該ポリアミド樹脂をDSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度20℃/分で測定した時の吸熱ピーク温度(融点)プラス20℃以上に溶融ポリアミド樹脂の温度が到達した時点(以下、単に「該ポリアミド樹脂がその融点プラス20℃の温度以上に到達した時点」と略する。)で、該ガラス繊維を配合するガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法が前記目的にかなうことを見出し、本発明を完成させるに至った。」と訂正する。
b-2:特許明細書の段落【0006】の
「すなわち、本発明はポリアミド樹脂30〜60重量部とガラス繊維70〜40重量部とからなるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法において、見かけの溶融粘度が1000 sec-1の剪断速度,融点+20℃の温度で測定した時,100〜3,000ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂を用いてなり、かつ当該ポリアミド樹脂が溶融状態に到達した時点で、長さ1〜10mm、平均直径3〜15μmの範囲にあるガラス繊維をポリアミド樹脂に配合し、ストランド状に成形した後、冷却・切断することを特徴とするガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法に関するものである。」を、
「すなわち、本発明はポリアミド樹脂30〜60重量部とガラス繊維70〜40重量部とからなるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法において、見かけの溶融粘度が1000 sec-1の剪断速度,融点+20℃の温度で測定した時,200〜2,500ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂を用いてなり、かつ当該ポリアミド樹脂をDSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度20℃/分で測定した時の吸熱ピーク温度(融点)プラス20℃以上に溶融ポリアミド樹脂の温度が到達した時点で、長さ1〜10mm、平均直径3〜15μmの範囲にあるガラス繊維をポリアミド樹脂に配合し、ストランド状に成形した後、冷却・切断することを特徴とするガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法に関するものである。」と訂正する。
b-3:特許明細書の段落【0008】の
「本発明に用いるポリアミド樹脂は、絶乾時,融点+20℃の温度,剪断速度1000 sec-1で測定した時,100〜3,000ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂であって、かかる溶融粘度はキャピログラフや高架式フローテスターで測定することが出来る。」を、
「本発明に用いるポリアミド樹脂は、絶乾時,融点+20℃の温度,剪断速度1000 sec-1で測定した時,200〜2,500ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂であって、かかる溶融粘度はキャピログラフや高架式フローテスターで測定することが出来る。」と訂正する。
b-4:特許明細書の段落【0009】の
「見かけの溶融粘度が100ポイズ以下では、ガラス繊維の分散が良好にならず、得られたガラス繊維強化ポリアミド粒状体から得られる成形品の物性が低くなる。一方、見かけの溶融粘度が3,000ポイズ以上では、得られたガラス繊維強化ポリアミド粒状体を成形する際に成形流動性に劣るため、成形品表面にガラス繊維が浮き出て外観不良現象を招く。特に好ましい見かけの溶融粘度範囲は200〜2,500ポイズである。」を、
「見かけの溶融粘度が200ポイズ以下では、ガラス繊維の分散が良好にならず、得られたガラス繊維強化ポリアミド粒状体から得られる成形品の物性が低くなる。一方、見かけの溶融粘度が2,500ポイズ以上では、得られたガラス繊維強化ポリアミド粒状体を成形する際に成形流動性に劣るため、成形品表面にガラス繊維が浮き出て外観不良現象を招く。」と訂正する。
b-5:特許明細書の段落【0012】の
「本発明の製造方法は、通常二軸押出機を用いて、トップフードよりポリアミド樹脂を供給し、当該ポリアミド樹脂が溶融状態に到達した時点で、所定形状のガラス繊維をサイドフードし、押出機先端に取り付けられた紡口でストランド状に成形した後、冷却し切断することで粒状体にする方法である。ここでポリアミド樹脂が溶融状態に到達した時点とは、当該ポリアミド樹脂をDSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度20℃/分で測定した時の吸熱ピーク温度(融点)プラス20℃の温度以上に溶融ポリアミド樹脂の温度が到達した時点を言う。」を、
「本発明の製造方法は、通常二軸押出機を用いて、トップフードよりポリアミド樹脂を供給し、当該ポリアミド樹脂がその融点プラス20℃の温度以上に到達した時点で、所定形状のガラス繊維をサイドフードし、押出機先端に取り付けられた紡口でストランド状に成形した後、冷却し切断することで粒状体にする方法である。」と訂正する。
b-6:特許明細書の段落【0013】の
「溶融ポリアミド樹脂の温度がこれより低いと溶融状態に到達したとは言えず、この状態でガラス繊維を配合しても、ガラス繊維とポリアミド樹脂の親和性が発現されないばかりか、ガラス繊維の破損も激しくサージングの発生も認められ安定したストランドが得られないと言う問題が生じる。更に、この現象はガラス繊維を高濃度(40〜70重量部)に配合する時に著るしく、ガラス繊維を配合する際のポリアミド樹脂を本発明で言う溶融状態にした時のみ、解消できるのである。」を、
「溶融ポリアミド樹脂の温度がこれより低いと、この状態でガラス繊維を配合しても、ガラス繊維とポリアミド樹脂の親和性が発現されないばかりか、ガラス繊維の破損も激しくサージングの発生も認められ安定したストランドが得られないと言う問題が生じる。更に、この現象はガラス繊維を高濃度(40〜70重量部)に配合する時に著るしく、ガラス繊維を配合する際のポリアミド樹脂がその融点プラス20℃の温度以上に到達した時のみ、解消できるのである。」と訂正する。
b-7:特許明細書の段落【0017】の
「(実施例1)ナイロン66樹脂(ギ酸粘度VR37)を用いて、池貝鉄工(株)製PCM45φ二軸押出機(設定温度285℃(C1 〜C8 ),スクリュー回転数60 rpm)のトップフィードに当該樹脂を12kg/hrで供給した。押出機C5 ゾーンでの樹脂温度は295℃であり、溶融状態であった。」を、
「(実施例1)ナイロン66樹脂(ギ酸粘度VR37)を用いて、池貝鉄工(株)製PCM45φ二軸押出機(設定温度285℃(C1 〜C8 ),スクリュー回転数60 rpm)のトップフィードに当該樹脂を12kg/hrで供給した。押出機C5 ゾーンでの樹脂温度は295℃であり、融点プラス20℃の温度以上であった。」と訂正する。
イ、訂正の適否
訂正事項aは、特許請求の範囲の訂正であり、請求項1において、(1)明細書の段落【0009】における特に好ましい範囲とする記載に基づいて、見かけの溶融粘度の範囲を「200〜2,500ポイズ」と限定するものであり、(2)「溶融状態に到達した時点」を、同じく明細書の段落【0012】の記載に基づいて、「DSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度20℃/分で測定した時の吸熱ピーク温度(融点)プラス20℃の温度以上に溶融ポリアミド樹脂の温度が到達した時点」と限定するものであるから、いずれも願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内において特許請求の範囲を減縮するものと認められる。
訂正事項b(b-1〜b-7)は、発明の詳細な説明の訂正であり、特許請求の範囲の訂正である訂正事項aに伴い、発明の詳細な説明において整合性を保つための訂正であり、明りょうでない記載の釈明と認められ、訂正事項aと同様に、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものと認められる。
また、上記訂正事項a及びb(b-1〜b-7)は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項で準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
(3)特許異議の申立てについての判断
ア、訂正明細書の請求項1に係る発明
訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。
「【請求項1】 ポリアミド樹脂30〜60重量部とガラス繊維70〜40重量部とからなるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法において、見かけの溶融粘度が1000 sec-1の剪断速度,融点+20℃の温度で測定した時、200〜2,500ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂を用いてなり、かつ当該ポリアミド樹脂をDSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度20℃/分で測定した時の吸熱ピーク温度(融点)プラス20℃の温度以上に溶融ポリアミド樹脂の温度が到達した時点で、長さ1〜10mm、平均直径3〜15μmの範囲にあるガラス繊維をポリアミド樹脂に配合し、ストランド状に成形した後、冷却・切断することを特徴とするガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法。」
イ、引用刊行物
当審において通知した取消理由に引用した刊行物等は次のとおりである。
刊行物1:特開平5-70685号公報
(特許異議申立人小林恵子提出甲第1号証)
参考資料2:「JIS K 6180-1977ポリアミド樹脂(ナイロン)成形材料試験方法 解説」、財団法人日本規格協会、昭和52年6月30日発行、第16〜24頁
(同参考資料1)
参考資料3:「エンジニアリングプラスチックの最新成形・加工技術」、株式会社シーエムシー、1987年12月4日発行、第266〜271頁
(同参考資料2)
刊行物4:特開平4-77554号公報
(特許異議申立人東レ株式会社提出甲第1号証)
刊行物5:「日本製鋼所技報 第44号」、株式会社日本製鋼所、平成2年10月1日発行、第58〜69頁
(同甲第2号証)
刊行物6:「プラスチック3月号」、株式会社工業調査会、1991年3月1日発行、第73〜79頁
(同甲第3号証)
刊行物7:特開昭51-46350号公報
(同甲第4号証)
なお、上記刊行物4は、特許異議申立人ユニチカ株式会社提出の甲第1号証でもあり、また、特許異議申立人ユニチカ株式会社提出の参考資料(福本修編「ポリアミド樹脂ハンドブック」、日刊工業新聞社、昭和63年1月30日発行、第211〜215頁)を、以下、「参考資料8」という。
上記刊行物及び参考資料には、次のとおりの記載が認められる。
a、刊行物1
「【請求項1】 (A)ポリアミド樹脂 100重量部に対して、(B)平均繊維長 0.1〜0.4mm のガラス繊維10〜130 重量部、(C)チャンネル型カーボンブラック0.01〜10重量部を含有することを特徴とするポリアミド樹脂組成物。」(特許請求の範囲)
「【産業上の利用分野】本発明は、電気部品や機械部品の外装材などとして有用な、黒色でかつ外観の良好なポリアミド樹脂組成物に関する。」(段落【0001】)
「本発明に用いられる(A)成分のポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロ66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、キシリレンジアミン系ナイロンなどがあげられ、これらは 1種を単独で使用してもよく、また 2種以上を混合して使用してもよい。本発明においては、特に相対粘度が 1.8〜3.5 のポリアミド樹脂が好ましく、より好ましくは相対粘度が 2.0〜2.8 のものである。」(段落【0010】)
「本発明のポリアミド樹脂組成物は、以上の各成分を予備混合した後、押出機やニーダ中で混練する方法、予め任意の数成分を押出機やニーダ中で混練して得たペレットに、さらに残りの成分を溶融混合する方法、任意の数成分を押出機のホッパーから投入し、残りの成分を押出機の途中から投入する方法など、任意の方法で製造することができる。」(段落【0015】)
「【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。なお、以下の文中における「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を示すものとする。
実施例1〜14、比較例1〜5
ポリアミド樹脂として相対粘度(RV)がそれぞれ 2.2 2.5 2.8、 3.1の 4種類のナイロン6(以下、NY6と略記)、相対粘度2.5 のナイロン66(以下、NY66と略記)、およびメタキシリレンジアミンとアジピン酸からのポリアミド(以下、MXD6と略記)を用い、これに、ガラス繊維(直径10.5μm、長さ3mm)、チャンネル型カーボンブラック(40%ポリエチレンワックスマスターチャンネルCBと略記)、ファーネス型カーボンブラック(40%ポリエチレンワックスマスター ファーネスCBと略記)、黒色染料であるニグロシン系染料を、表1に示す配合で均一に混練してコンパウンドチップを得た。
混練方法は、実施例2、7と比較例3、5を除いた各実施例および各比較例については、全成分を予備混合した後、二軸押出機のホッパーに投入し、ポリアミド樹脂がNY6の場合 250℃、NY66の場合 280℃、MXD6の場合 270℃度のシリンダー温度で溶融混練する方法により行った。また、実施例2、7と比較例3、5については、ガラス繊維を除く各成分を予備混合して二軸押出機のホッパーに投入し、ガラス繊維を押出機に途中投入する方法を用いた。」(段落【0018】〜【0020】)
b、参考資料2
第21頁の「解説表4」には、「ナイロン6及びナイロン66についての硫酸法、ぎ酸法による相対粘度(ηr)対比表」が記載され、硫酸法による相対粘度1.8が、ぎ酸法の13.8に相当し、硫酸法による2.8が、同じくぎ酸法の44.7に相当することが示されている。
c、参考資料3
「FRTPコンパウンディングでは樹脂とガラス繊維(GF)やカーボン繊維(CF)を混合する。GF,CFは集束したものを3〜6mm長に切断したチョップドストランドを使うが,長繊維のまま押出機に供給することもある。繊維による強化を効率よく行うためには最終成形品にしたときの繊維長が長く保たれること、繊維と樹脂の接着が充分であることが大切である。」(第267頁15〜22行)
「一般には繊維切断を抑えるために樹脂とその他添加物を溶融混練後別にシリンダ中間から繊維添加する方法がとられる。これをサイドフィード方式という。」(第269頁3〜4行)
「GFまたはCFと樹脂との濡れまたは接着性の良否は図4・8で示されるように成形品物性上重要である。エンプラの溶融温度は高いのでサイドフィードによる温度低下により繊維に過大な剪断をかけないこと、高温での剪断作用により接着性を良くすることなどの配慮が汎用プラスチック以上に要求される。」(第271頁2〜5行)
第269頁には、「図4・8 同方向2軸押出機(サイドフィード)」と記載され、「樹脂 ナイロン66、GF4.5mmチョップドストランド 30%前後」との記載が見られる。
d、刊行物4
「ポリアミド樹脂30〜50重量部とガラス繊維70〜50重量部とを包含し、
成形時の溶融樹脂粘度が1000sec-1の剪断速度のもとで40〜150パスカル秒の範囲であることを特徴とするガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物。」(特許請求の範囲)
「本発明は、流動性および成形性が良好であって且つ高剛性および高強度を維持しながらも表面が滑らかな成形品を与えることができるガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物に関する。」(第1頁左下欄下から4〜末行)
「本発明においてマトリックスとして使用されるポリアミド樹脂は低粘度のものであることが好ましい。具体的には、絶乾時、射出成形樹脂温度(通常融点より15℃ないし40℃高い温度)で1000sec-1における溶融粘度が80パスカル秒以下であるような低粘度のものが好ましい。」(第2頁右下欄2〜7行)
「これらのガラス繊維長は、押出機でコンパウンドする場合、スクリューのデザインを考慮するかまたはダウンストリーム方式等を採用することによって最適な繊維長にコントロールすることができる。好ましくはチョップドストランドタイプの短繊維のガラスを使用する。」(第3頁左上欄14〜20行)
「ナイロン66あるいはナイロン66/6共重合体(重量比85/15)からなるマトリックスに、市販のガラス短繊維(直径10ミクロン、長さ3mmチョップドストランドタイプ)をプリブレンドして添加し、2P-スターリング一軸押出機を用いて混合して、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の試料1〜18を作成した。サイドフィーダーと、適切にデザインされたスクリュウを有する二軸押出機を用いても同様の試料を得ることができる。比較的小さい押出機のバレル温度は供給端で約100℃から押出機前端での約260〜270℃に上昇し、溶融樹脂温度が290〜310℃になるように設定される。」(第3頁右上欄18行〜同左下欄10行)
e、刊行物5
第65頁に、高剛性高衝撃ナイロンの製造プロセスについての記載があり、ナイロンの変性を完了したあと、領域Cにおいてグラスファイバーの混合分散を行うことが記載されている。
また、第67頁の「表8 グラスファイバーコンパウンドの押出データ」に、PA6の項に、樹脂温度265℃、GF含有量として45wt%の記載がある。
f、刊行物6
「以上に対して、ガラス繊維、・・・などは、樹脂の粘度が低下した部位、すなわち押出機先端により近い位置において溶融後供給することが好ましい。このような状態ではマトリックスに強い剪断応力が加わることを避けることができ、繊維の折損・・・を損なうことなく押出すことができる。」(第77頁左欄19〜25行)
g、刊行物7
「従来の成形用ポリアミド樹脂はたとえば押出機を使用してダイスから溶融樹脂をストランド状に押出して、このストランドを冷水で十分に冷却し、ついでカッターでチップに細断後、長時間の加熱乾燥を行なうことことにより製造されている。」(第1頁左下欄下から4行〜同右下欄2行)
h、参考資料8
「繊維の折損防止、分散性向上のため、樹脂をまず溶融して、押出機のバレル途中からガラス、フィラーを供給する、いわゆるダウンストリーム方式の単軸押出機がEgan Machineryで開発された。」(第212頁6〜14行)
「2軸押出機でのガラス繊維、フィラーのコンパウンドはガラス繊維長を適切なレベルで制御することと、バレルスクリューの摩耗を防ぐ目的で主に樹脂をあらかじめ溶融したのち、押出機途中からこれらの添加物を添加する、いわゆるダウンストリーム方式がとられるのが一般的である(図4.37)。」(第212頁27行〜第213頁1行)
また、第212頁の図4.37に、「2軸押出機によるチョップGFコンパウンディング(ダウンストリーム方式)」として、ナイロン樹脂の添加溶融後に、チョップドGFを添加する図が記載されている。
ウ、対比・判断
本件発明と刊行物4に記載された発明とを対比する。
本件発明の「見かけの溶融粘度が1000 sec-1の剪断速度,融点+20℃の温度で測定した時、200〜2,500ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂」と、刊行物4に記載の「本発明においてマトリックスとして使用されるポリアミド樹脂は低粘度のものであることが好ましい。具体的には、絶乾時、射出成形樹脂温度(通常融点より15℃ないし40℃高い温度)で1000sec-1において、キャピラリー粘度計により測定したときの溶融粘度が80パスカル秒以下であるような低粘度のものが好ましい。」とを対比すると、80パスカル秒は800ポイズに相当すものであるから、本件発明のポリアミド樹脂と刊行物4におけるポリアミド樹脂は溶融粘度において重複するものと認められる。
また、刊行物4の実施例で使用されるガラス繊維は、市販のガラス短繊維(直径10ミクロン、長さ3mmチョップドストランドタイプ)とあり、本件発明のものと一致するものである。
よって、両者は、ポリアミド樹脂30〜50重量部とガラス繊維70〜50重量部とからなるガラス繊維強化ポリアミドの製造方法において、長さ1〜10mm、平均直径3〜15μmの範囲にあるガラス繊維をポリアミド樹脂に配合するガラス繊維強化ポリアミドの製造方法であって、その見かけの溶融粘度が重複一致するものである点で一致し、以下の点で相違するものと認められる。
相違点1:本件発明では、ポリアミド樹脂をDSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度20℃/分で測定した時の吸熱ピーク温度(融点)プラス20℃の温度以上に溶融ポリアミド樹脂の温度が到達した時点でガラス繊維を配合するとするのに対し、刊行物4では、そういったことの記載がない点。
相違点2:本件発明では、ストランド状に成形した後、冷却・切断するのに対し、刊行物4にはそういったことの記載がない点。
そこで、上記相違点1及び2について検討する。
相違点1について、刊行物4には、「サイドフィーダーと、適切にデザインされたスクリュウを有する二軸押出機を用いても同様の試料を得ることができる。」と本件発明と同様のサイドフィードによる方法を採用しうることが記載されている。
また、ポリアミドを溶融後、ガラス繊維を配合するという本件発明のサイドフィード方式は、刊行物1、参考資料3、刊行物5、刊行物6及び参考資料8に記載されるとおり、よく知られた方法に過ぎず、この方式において、溶融樹脂の温度を融点プラス20℃の温度以上とすることは、刊行物1における「射出成形樹脂温度(通常融点より15℃ないし40℃高い温度)」との記載や実施例に記載される溶融樹脂温度290〜310℃から、当業者であれば、適宜、容易になし得ることに過ぎない。
また、そのことによる作用効果も、参考資料3、刊行物6及び参考資料8の記載などから、容易に想到し得ることに過ぎず、また、刊行物4においても、「高剛性および高強度を維持しながらも表面が滑らかな成形品与えることができる」とあり、格別なものといえない。
相違点2については、刊行物7にも記載されるように通常の方法に過ぎないもので、そのことによる作用効果も格別なものとすることはできない。
よって、本件発明は、刊行物4〜7に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)むすび
以上のとおりであるから、本件発明は、上記刊行物4〜7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14号の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】ポリアミド樹脂30〜60重量部とガラス繊維70〜40重量部とからなるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法において、見かけの溶融粘度が1000sec-1の剪断速度,融点+20℃の温度で測定した時、200〜2,500ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂を用いてなり、かつ当該ポリアミド樹脂をDSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度20℃/分で測定した時の吸熱ピーク温度(融点)プラス20℃の温度以上に、溶融ポリアミド樹脂の温度が到達した時点で、長さ1〜10mm、平均直径3〜15μmの範囲にあるガラス繊維をポリアミド樹脂に配合し、ストランド状に成形した後、冷却・切断することを特徴とするガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、高強度・高剛性で,かつ成形品の表面光沢性に優れた成形品を得ることのできるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガラス繊維で強化されたポリアミド樹脂は機械的特性,耐薬品性,耐熱性などに優れ、自動車,電気,機械などの部品として多く使用されている。特に最近,軽量化による燃費向上及び組立工程合理化の観点から、金属製自動車部品をガラス繊維強化ポリアミド樹脂に変える動きが顕著になって来ている。
【0003】
さらには、家具用部品,例えば椅子の脚,テーブルの脚等の高剛性・高強度が要求される構造材等の用途にガラス繊維強化ポリアミド樹脂が使用されつつある。このような用途においては、特に、高濃度にガラス繊維を配合した強化ポリアミド樹脂粒状体の射出成形品が用いられるが、ただ単にガラス繊維をポリアミド樹脂に配合した粒状体では、それから得られる成形品はガラス繊維の浮き上がり現象、あるいはガラス繊維束が成形品中に混在し、成形品外観を損なうばかりでなく、強度・剛性も期待されるほどには高くないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高強度・高剛性で、かつ成形品の光沢性に優れた成形品を得ることのできるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、高強度・高剛性で、かつ成形品の光沢性に優れた成形品を得ることのできるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法を見い出すために鋭意研究を重ねた結果,特定の溶融粘度を有するポリアミド樹脂と特定形状のガラス繊維を用いて、当該ポリアミド樹脂をDSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度20℃/分で測定した時の吸熱ピーク温度(融点)プラス20℃の温度以上に、溶融ポリアミド樹脂の温度が到達した時点(以下、単に「該ポリアミド樹脂がその融点プラス20℃の温度以上に到達した時点」と略する。)で、該ガラス繊維を配合するガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法が前記目的にかなうことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明はポリアミド樹脂30〜60重量部とガラス繊維70〜40重量部とからなるガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法において、見かけの溶融粘度が1000sec-1の剪断速度,融点+20℃の温度で測定した時,200〜2,500ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂を用いてなり、かつ当該ポリアミド樹脂をDSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度20℃/分で測定した時の吸熱ピーク温度(融点)プラス20℃の温度以上に、溶融ポリアミド樹脂の温度が到達した時点で、長さ1〜10mm、平均直径3〜15μmの範囲にあるガラス繊維をポリアミド樹脂に配合し、ストランド状に成形した後、冷却・切断することを特徴とするガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法に関するものである。
【0007】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明に係るポリアミド樹脂は、ジアミンとジカルボン酸との縮合重合で得られるナイロン46,ナイロン66,ナイロン69,ナイロン610,ナイロン612,ラクタムの開環重合で得られるナイロン6,ナイロン12,ω-アミノカルボン酸の自己重縮合で得られるナイロン7,ナイロン11及びこれらの共重合物,ブレンド物等である。又ポリアミド主鎖に芳香環を有するM×D/6ナイロン,6T/66ナイロン,6T/6Iナイロン,6I/66ナイロン等も包含する。
【0008】
本発明に用いるポリアミド樹脂は、絶乾時,融点+20℃の温度,剪断速度1000sec-1で測定した時,200〜2,500ポイズの範囲にあるポリアミド樹脂であって、かかる溶融粘度はキャピログラフや高架式フローテスターで測定することが出来る。
【0009】
見かけの溶融粘度が200ポイズ以下では、ガラス繊維の分散が良好にならず、得られたガラス繊維強化ポリアミド粒状体から得られる成形品の物性が低くなる。一方、見かけの溶融粘度が2,500ポイズ以上では、得られたガラス繊維強化ポリアミド粒状体を成形する際に成形流動性に劣るため、成形品表面にガラス繊維が浮き出て外観不良現象を招く。
【0010】
本発明に用いるガラス繊維はポリアミド樹脂用の補強材として用いられるものであれば良い。ガラス繊維の形状は、ガラス繊維の供給精度等の点から長さ1〜10mm、平均直径3〜15μmのチョップドストランドタイプの短繊維が好ましい。
又、ガラス繊維はアクリル酸系ポリマー及び/又はウレタン系ポリマー及びアミノシラン系カップリング剤を主たる構成成分とする集束剤で表面処理されたガラス繊維が特に好ましい。
【0011】
本発明のガラス繊維強化ポリアミド粒状体はポリアミド樹脂30〜60重量部とガラス繊維70〜40重量部とからなる。ガラス繊維の量が40重量部以下では強度・剛性などの機械的特性が低く、本発明の目的ではない。又、70重量部以上では流動性及び成形加工性が低下すると同時に、ガラス繊維の均一混合分散が達成できず、成形品外観が著るしく劣るものになってしまう。
【0012】
本発明の製造方法は、通常二軸押出機を用いて、トップフードよりポリアミド樹脂を供給し、当該ポリアミド樹脂がその融点プラス20℃の温度以上に到達した時点で、所定形状のガラス繊維をサイドフードし、押出機先端に取り付けられた紡口でストランド状に成形した後、冷却し切断することで粒状体にする方法である。
【0013】
溶融ポリアミド樹脂の温度がこれより低いと、この状態でガラス繊維を配合しても、ガラス繊維とポリアミド樹脂の親和性が発現されないばかりか、ガラス繊維の破損も激しくサージングの発生も認められ安定したストランドが得られないと言う問題が生じる。更に、この現象はガラス繊維を高濃度(40〜70重量部)に配合する時に著るしく、ガラス繊維を配合する際のポリアミド樹脂がその融点プラス20℃の温度以上に到達した時のみ、解消できるのである。
【0014】
本発明に言うポリアミド粒状体とは射出成形及び押出成形等に用いられる一般的な原料形状を示すのであって形状を限定するものではない。つまりこの粒状体は直径3mm、長さ3mmの円柱状の場合もあれば、直径3mmの球状の場合もある。又、平均粒径が300μmの粉体の場合もある。
なお、本発明における粒状体には所望に応じて種々の添加物,例えば熱安定剤,紫外線吸収剤,酸化劣化防止剤,可塑剤,滑剤,帯電防止剤,染料,顔料等や他の樹脂ポリマーを本発明の目的を損なわない範囲において加えることができる。
【0015】
【実施例】
以下、具体的な実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、これらの例は、例示のために示すもので、本発明はこれらに限定されるものでない。
なお、実施例に示した各種評価は次の方法に従って実施した。
▲1▼融点;
パーキンエルマー社製DSC-7型示差走査熱量計を用いて、窒素ガス雰囲気下で20℃/分の昇温速度で得られた吸熱曲線のピーク温度をポリアミド樹脂の融点とした。
▲2▼溶融粘度;
島津製作所製島津フローテスターCFT-500形(ノズル形状:L/D=1/1)を用いて、上記▲1▼で求めた融点プラス20℃の温度で荷重を変えて流量を測定し、両者の関係から剪断速度1000sec-1での溶融粘度を読み取り、ポリアミド樹脂の溶融粘度とした。
【0016】
▲3▼機械的物性;
実施例,比較例で得たガラス繊維強化ポリアミド粒状体を、東芝機械製IS150E射出成形機を用いて、スクリュー回転数150rpm,樹脂温度300℃の成形条件で、厚み3mmのASTM1号ダンベルとASTM短冊に成形し、ASTM-D638,D790,D256に従って引張試験,曲げ試験,アイゾット試験を行った。
▲4▼成形品外観;
上記▲3▼で得た成形品の表面外観を目視で判断するとともに、HOR1BA製グロスチェッカーIG-320を用いて表面光沢を測定した。
【0017】
(実施例1)
ナイロン66樹脂(ギ酸粘度VR37)を用いて、池貝鉄工(株)製PCM45φ二軸押出機(設定温度285℃(C1〜C8),スクリュー回転数60rpm
)のトップフィードに当該樹脂を12kg/hrで供給した。押出機C5ゾーンでの樹脂温度は295℃であり、融点プラス20℃の温度以上であった。
【0018】
このC5ゾーンより、旭ファイバーグラス(株)製ガラス繊維チップドストランド(03JAFF2A:ガラス繊維長3mm、ガラス繊維径10μm)を18kg/hで供給し、紡口より押出されたストランドを長さ3mm,直径3mmのペレット状に切断して、ガラス繊維強化ポリアミド粒状体を得た。押出状態はサージング発生もなく非常に良好であった。得られたペレットを上述の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0019】
(実施例2)
トップフィードするナイロン66樹脂を、ギ酸粘度VR22のナイロン66樹脂とした以外は、実施例1と同様の方法でガラス繊維強化ポリアミド粒状体を得た。その結果を表1に示す。
【0020】
(実施例3)
トップフィードするナイロン66樹脂を、ギ酸粘度VR48のナイロン66樹脂とした以外は、実施例1と同様の方法でガラス繊維強化ポリアミド粒状体を得た。その結果を表1に示す。
【0021】
(比較例1)
実施例1と同じナイロン66樹脂を用いて、池貝鉄工(株)製PCM45φ二軸押出機(設定温度C1〜C4:260℃、C5〜C8:285℃、スクリュー回転数60rpm)のトップフィードにナイロン66樹脂を12kg/hrで供給した。押出機C5ゾーンでの樹脂温度は275℃であった。このC5ゾーンより、実施例1と同じガラス繊維を18kg/hrで供給し、紡口より押出されたストランドを長さ3mm、直径3mmのペレット状に切断して、ガラス繊維強化ポリアミド粒状体を得た。押出時,サージングの発生が認められた。得られたペレットを上述の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0022】
(比較例2)
トップフィードするナイロン66樹脂をギ酸粘度VR120のナイロン66樹脂とした以外は実施例1と同様の方法でガラス繊維強化ポリアミド粒状体を得た。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】

【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、高強度,高剛性で、かつ成形品外観に非常に優れた成形品の得られるガラス繊維強化ポリアミド粒状体が安定的に得られる。この為、自動車部品、例えばエンジンマウント,ホィールリム,シリンダーヘッドカバー,インテークマニホールドの様な大型部品,机や椅子の脚の様な成形品外観と高剛性が要求される様な用途に本発明の方法で得られたガラス繊維強化ポリアミド粒状体は好適に用いることができる。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-06-02 
出願番号 特願平5-160009
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (C08L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 宮本 純原田 隆興  
特許庁審判長 井出 隆一
特許庁審判官 佐藤 邦彦
佐野 整博
登録日 2002-08-30 
登録番号 特許第3344775号(P3344775)
権利者 旭化成ケミカルズ株式会社
発明の名称 ガラス繊維強化ポリアミド粒状体の製造方法  
代理人 伊藤 穣  
代理人 鳴井 義夫  
代理人 武井 英夫  
代理人 鳴井 義夫  
代理人 清水 猛  
代理人 武井 英夫  
代理人 伊藤 穣  
代理人 清水 猛  

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