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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 H04L
管理番号 1125708
審判番号 不服2002-20653  
総通号数 72 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-07-16 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-10-24 
確定日 2005-11-04 
事件の表示 平成 7年特許願第 180号「交換網内状態監視方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 7月16日出願公開、特開平 8-186604〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成7年1月5日の出願であって、平成14年9月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成14年10月24日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに平成14年11月22日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成14年11月22日付けの手続補正についての検討
[結論]
平成14年11月22日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願請求項1に記載された発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】複数の端末機を収容する複数の交換機から構成される交換網の網内状態監視方法において、発着加入者収容交換機間において、通信リンクが設定された発着交換機の組み合わせ毎に、一方の加入者収容交換機が相手加入者収容交換機に通信確認通知を定期的に送出し、相手加入者収容交換機は通信確認応答を発信元に返送することを特徴とする交換網内状態監視方法。」と補正された。
本件補正は、「加入者の通信リンク毎に又は通信リンクが設定された発着交換機の組み合わせ毎に」の記載を、「通信リンクが設定された発着交換機の組み合わせ毎に」と限定するものを含むが、このような限定は、特許法第17条の2第3項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
本件補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内になされたものであるから、特許法第17条の2第2項において準用する同法第17条第2項の規定に適合している。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第4項において準用する同法第126条第3項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例に記載された発明
原審の拒絶の理由に引用された特願平6-288592号(特開平8-130559号公報参照)は、平成6年10月31日に出願され、平成8年5月21日に出願公開された出願であって、本願の出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開された発明であり、以下の事項が記載されている。

イ)「【0045】【実施例】
以下、添付図面、図1乃至図3に基づき、本発明の一実施例を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例におけるフレームリレー局間通信路確認装置及び方法を実施したフレームリレーネットワークの概略構成を示す構成図、図2は図1の実施例におけるフレームリレー局間通信路確認装置及び方法を施したフレームリレー交換機のブロック図、図3は図1及び図2の実施例におけるフレームリレー局間通信路確認装置及び方法に使用する試験フレームのフォーマットを示す図である。
【0046】まず、図1を参照して、本発明の一実施例におけるフレームリレーネットワークについて説明する。このフレームリレーネットワークは図4に示す従来のフレームリレーネットワークと略同一であるが、従来のフレームリレーネットワークで使用したテスト用端末が除去されており、本発明では使用する必要がない。また、本実施例によるフレームリレーネットワークに対しては、従来のデータ端末41、46、50、及びフレームリレー交換機43、44、45、48、49に対応する、データ端末1、6、10が接続されたフレームリレー交換機(局)3、5、9及び他の局4、8が相互に接続され、その各局3、4、5、8、9には、図2に示すように保守端末20が接続されて構成されるものとする。
【0047】更に、本実施例におけるフレームリレー交換機3、4、5、8、9に対しては、本発明の一実施例によるフレームリレー局間通信路確認装置が実施され、その保守運用制御部21(後述する)において、本発明の一実施例に従い、フレームリレー伝送手順により、そのフレームがデータフレームではなく試験フレームか試験応答フレームであることを識別するフレームヘッダを有する試験フレーム又は試験応答フレームを作成する。
【0048】次に、図2を参照して、各局3、4、5、8、9の内部構成である本実施例によるフレームリレー交換機(局)の構成について説明する。図2において、24、28は伝送路とインターフェースするフレームリレーインターフェース部、23、27は受信または送信するデータフレームをフレームリレー伝送手順のフレームヘッダによってデータフレームと試験フレームとに分別する分析処理部、21は本実施例により試験フレームの処理を行う保守運用制御部、22はデータフレームを中継処理する中継処理部である。
【0049】また、フレームリレーインターフェース部24は送信部25と受信部26とに分けられ、フレームリレーインターフェース部28は送信部29と受信部30とに分けられる。保守運用制御部21には保守端末20が接続される。尚、各局3、4、5、8、9のフレームリレーインターフェース部24、28及び分析処理部23、27は各局3、4、5、8、9が接続する伝送路の数に応じて備えられる。
【0050】以下、図1乃至図3を参照して、図1に示すデータ端末1が接続された局3からデータ端末6が接続された局5に対する論理通信路を通るデータ通信の正常性を確認する確認方法について説明する。ここで、データ端末1からデータ端末6に対するデータ通信は、局3から局4、局4から局5に対する多重化された論理通信路の1つを使用して行うものとする。従って、本実施例による論理通信路の正常性の確認はその順に行われる(後述する)。ここで、図1に示す局3を図2のフレームリレー交換機に当てはめると、データ端末1がフレームリレーインターフェース部24を通して局3に接続され、局4がフレームリレーインターフェース部28を通して局3に接続される。以下、同様にして局3から局5まで接続されることになる。
【0051】まず、図2に示す局3において、その保守端末20により、正常性を確認したい論理通信路の始点及び終点を指定して、論理通信路の確認を行うよう指示する。保守端末20から指示を受けた保守運用制御部21は、伝送するフレームがデータフレームではなく、試験フレームであることを分析処理部23、27で識別できるような値をフレームリレー伝送手順のフレームヘッダ、すなわち、試験フレーム識別子31(図3で後述する)に設定する。
【0052】ここで、図3を参照して、本実施例に使用する試験フレームフォーマットの構成について説明する。図3に示す試験フレームフォーマットは試験フレーム及び試験応答フレームのどちらにも使用可能である。図3において、31はその値により受信したデータがフレームリレーのデータフレームか保守運用制御を行う試験フレームかを区別する試験フレーム識別子であり、フレームヘッダ(図3)に設定される。
【0053】また、32は試験フレームかまたは試験応答フレームかを識別するフレーム種別、33は確認する論理通信路の始点(起動局)を示す始点情報、34は確認する論理通信路の終点(対象局)を示す終点情報、35は試験フレーム/試験応答フレームを各局の保守運用制御部21で中継処理が行えるように伝送する論理通信路情報をのせる論理通信路識別情報、36は試験応答フレームにおいて試験結果を示す試験結果情報、37は試験フレームがどの局経路をたどって中継されたかを確認するために使用する中継局経路情報である。
【0054】また、保守運用制御部21は、試験フレーム識別子31の設定に続き、フレーム種別32に試験フレームであることを示す値と、確認する論理通信路の始点情報33及び確認する論理通信路の終点情報34と、中継処理に必要な論理通信路識別情報35とをのせて試験フレームを作成する。試験フレームの送信先は、指定された始点情報33及び終点情報34を参照して決定される。
【0055】各局において、フレームヘッダの試験フレーム識別子31のフィールドに設定されたそれぞれ異なる値により、それがデータフレームであるか試験フレームまたは試験応答フレームであるかを識別する。始点(起動局)情報33には、確認範囲の始点を表すアドレスを格納し、終点(対象局)情報34には、確認範囲の終点を表すアドレスを格納する。また、論理通信路識別情報35のフィールドを用いて確認する論理通信路を識別する。
【0056】試験結果情報36のフィールドは試験フレームでは使用せず、試験応答フレームにおいてのみ使用するので、試験フレームでは内容を問わない。中継局経路情報37のフィールドは、試験フレームがどの経路をたどって中継されたかを確認するために使用するもので、試験フレームを中継した局が自局管理している経路情報を順に格納していく。
【0057】このようにして、局3において作成された試験フレームは局4側の分析処理部27へ送られる。分析処理部27では、この試験フレームをフレームリレーインターフェース部28に送り、そこで試験フレームは送信部29からフレームリレー伝送手段に従い局4へ送信される。
【0058】ここで、局4を図1でみると、局4は一方のインターフェース側では、フレームリレーインターフェース部24を介して局3に接続され、他方のインターフェース側では、フレームリレーインターフェース部28を介して局5に接続される。
【0059】試験フレームを受信した局4のフレームリレーインターフェース部24は、この試験フレームを分析処理部23へ送る。分析処理部23はフレームリレー伝送手順のフレームヘッダ内に試験フレーム識別子31が格納されていることにより、このフレームが試験フレームであることを認識し、試験フレームを保守運用制御部21へ送る。保守運用制御部21では、試験フレームの終点情報34を解析し、終点情報34と自局識別情報とが一致しないことにより、この試験フレームは自局宛でないことを認識する。
【0060】次に、保守運用制御部21は試験フレーム内の論理通信路識別情報35を参照して次の中継先を割り出す。中継先情報により試験フレーム内の論理通信路識別情報35を書換え、局4における経路情報を試験フレーム内の中継局経路情報37にのせ、局5側の分析処理部27へ送信する。分析処理部27ではこの試験フレームをフレームリレーインターフェース部28に送信し、試験フレームは送信部29からフレームリレー伝送手順に従い、局5へ送信される。
【0061】このとき、局4において、中継先の状態に何らかの障害を検出していたとすると、保守運用制御部21において試験応答フレームを作成し、局3へ送信する。試験応答フレームも上記のように図3に示すフォーマットにより作成する。ただ、試験フレームと異なるところは、受信した試験フレームのうち、フレーム種別32のフィールドと、試験結果情報36のフィールドの値を書換え、中継局経路情報37のフィールドに自局の経路情報を加えることにより、試験応答フレームを作成する。
【0062】フレーム種別32のフィールドには、それが試験応答フレームであることを識別する値を格納する。又、試験結果情報36のフィールドには検出した障害、または障害がないことを識別する値を格納する。局4において、中継先の状態に何らかの障害が検出されていないととすると、試験フレームは送信部29からフレームリレー伝送手順に従い局5へ送信される。
【0063】ここで、局5を図1でみると、局5はフレームリレーインターフェース部24を介して局4に接続され、フレームリレーインターフェース部28を介してデータ端末6に接続される。局5の保守運用制御部21では、試験フレームの終点情報34を解析し、終点情報34と自局識別情報とが一致するとこの試験フレームが自局宛のものであることを認識する。このとき、試験応答フレームを作成し局4側の分析処理部23へ送信する。
【0064】試験応答フレームは上記同様の手順に従い、図3に示すフォーマットにより作成する。局5から送信された試験応答フレームも試験フレームと同様の手順により局3に到達する。局3のフレームリレーインターフェース部28で受信された試験応答フレームは上記と同様な手順に従い、保守運用制御部21に送信される。保守運用制御部21では、受信した試験応答フレームの試験結果情報36と中継局経路情報37とを解析して、その試験結果を保守端末20に通知する。
【0065】また、局3の保守運用制御部21は保守端末20からの指示により、同一局に対し、一定時間間隔で、連続して試験フレームを送信する。このとき、試験フレーム送信毎に、応答待ちタイマを起動し、保守運用制御部21において、各試験フレームに対する試験応答フレームが返るまでの時間を測定する。そして、その結果を試験応答フレームの受信毎に保守端末20に通知する。このとき、応答待ちタイマ内に試験応答フレームが戻ってこない場合は、試験対象の論理通信路に何らかの障害が発生しているものと判断して、その結果を保守端末20に通知し、試験応答フレームが返らないときでも試験結果を得ることができる。
【0066】このように、本実施例によれば、多重化された論理通信路のうちの1個についての正常性を通常のデータ通信に影響を与えることなく確認することができる。その上、本発明は、テスト用端末を使用する必要なく論理通信路の正常性を確認することができる。
【0067】尚、本実施例では、正常性を確認したい論理通信路の始点及び終点の指定と、同一局に対して一定時間間隔で定期的に試験フレームを送信する指示を保守端末から行い、その結果を保守端末で収集するようにしているが、このような確認の指示及び結果の収集は他の機能で行うようにしてもよい。」(第6頁第9欄第16行〜第8頁第13欄第18行)

以上の記載、技術常識を総合すると、引用例には、
「複数のデータ端末を収容する複数のフレームリレー交換機から構成されるフレームリレーネットワークのフレームリレー局間通信路確認方法において、発着データ端末収容フレームリレー交換機間において、論理通信路が設定された発着フレームリレー交換機間で、一方のデータ端末収容フレームリレー交換機が相手データ端末収容フレームリレー交換機に試験フレームを定期的に送出し、データ端末収容フレームリレー交換機は試験応答フレームを始点局に返送するフレームリレーネットワークのフレームリレー局間通信路確認方法」の発明が記載されているものと認められる。(以下、「引用発明」という。)

(3)対比、判断
本願補正発明と引用発明を対比する。
引用発明の「データ端末」、「フレームリレー交換局」、「フレームリレーネットワーク」、「データ端末収容交換機」、「論理通信路」、「試験フレーム」、「試験応答フレーム」、「始点局」は、本願補正発明の「端末機」、「交換機」、「交換網」、「加入者収容交換機」、「通信リンク」、「通信確認通知」、「通信確認応答」、「発信元」に相当する。
引用発明の「フレームリレーネットワークのフレームリレー局間通信路確認方法」は、交換網の網内状態を監視しており、本願補正発明の「交換網の網内状態監視方法」に相当する。
引用発明の「論理通信路が設定された発着フレームリレー交換機間で」は、論理通信路、すなわち、通信リンクが設定されたある発着交換機の組み合わせについて、監視を行っており、ネットワークで監視を行うのであるから、必要な全ての発着交換機間で行うことは、当然であり、本願補正発明の「通信リンクが設定された発着交換機の組み合わせ毎に」に相当する。
してみれば、本願補正発明と引用発明は、「複数の端末機を収容する複数の交換機から構成される交換網の網内状態監視方法において、発着加入者収容交換機間において、通信リンクが設定された発着交換機の組み合わせ毎に、一方の加入者収容交換機が相手加入者収容交換機に通信確認通知を定期的に送出し、相手加入者収容交換機は通信確認応答を発信元に返送することを特徴とする交換網内状態監視方法。」の点で一致する。

したがって、本願補正発明と引用発明は同一で、両発明の発明者、出願人は、同一ではないので、本願補正発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。

(4)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第4項で準用する同法第126条第3項の規定に適合しないものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明

(1)本願発明について
平成14年11月22日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成13年11月9日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「【請求項1】複数の端末機を収容する複数の交換機から構成される交換網の網内状態監視方法において、発着加入者収容交換機間において、加入者の通信リンク毎に又は通信リンクが設定された発着交換機の組み合わせ毎に、一方の加入者収容交換機が相手加入者収容交換機に通信確認通知を定期的に送出し、相手加入者収容交換機は通信確認応答を発信元に返送することを特徴とする交換網内状態監視方法。」(以下、「本願発明」という。)

(2)引用例に記載された発明
引用例に記載された発明は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、「加入者の通信リンク毎に又は通信リンクが設定された発着交換機の組み合わせ毎に」のどちらかの場合について、監視を行っており、本願補正発明は、一方の「通信リンクが設定された発着交換機の組み合わせ毎に」、監視を行っている。本願発明は、どちらかの場合について、監視を行うものであるから、本願補正発明と引用発明が同一であれば、本願補正発明を含む本願発明と引用発明も同一である。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明と同一で、両発明の発明者、出願人は同一ではないので、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-08-24 
結審通知日 2005-08-30 
審決日 2005-09-12 
出願番号 特願平7-180
審決分類 P 1 8・ 161- Z (H04L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉田 隆之  
特許庁審判長 山本 春樹
特許庁審判官 衣鳩 文彦
望月 章俊
発明の名称 交換網内状態監視方法  
代理人 本山 泰  
代理人 入戸野 巧  
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