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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G02B
管理番号 1127378
異議申立番号 異議2003-73644  
総通号数 73 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-11-10 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-26 
確定日 2005-11-02 
異議申立件数
事件の表示 特許第3428136号「色合成装置の製造方法」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認めない。 特許第3428136号の請求項1ないし2に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
特許第3428136号の請求項1および2に係る発明についての出願(特願平6-92561号、平成6年4月28日出願)は、平成15年5月16日に設定登録され、その特許について、特許異議申立人 原田 清悟 より特許異議の申立がなされ、その後、当審において取消理由を通知し、平成16年8月3日に訂正請求がなされ、これに対し、訂正拒絶理由を通知したところ、当該訂正請求について平成17年8月16日に手続補正がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)平成17年8月16日付け手続補正について
i.手続補正の内容
ア.平成16年8月3日付け訂正請求書、7.請求の理由(3)訂正の要旨の訂正事項aである、
「特許請求の範囲の請求項1中の
『直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズムの、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成すると共に、それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置の製造方法であって、前記第1の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、』を、
『直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面に第2の色を反射する反射摸を形成した第1の直角プリズムと、直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第2の直角プリズムと、直角を挟む一方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第3の直角プリズムと、直角を挟む2つの矩形面に色を反射する反射膜を形成しない第4の直角プリズムとからなり、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と前記第2の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と前記第3の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムの1つの矩形面と、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムのもう1つの矩形面とをそれぞれ接合し、前記第1の直角プリズムの横幅を、他の3つの直角プリズムよりも広くなし、接合した状態で両側面から前記第1の直角プリズムが突出するようにした色合成装置の製造方法であって、』に訂正する。」
を、
「特許請求の範囲の請求項1中の
『さらに、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面及び前記第3の直角プリズムの一方の矩形面に、前記第4の直角プリズムの直角を挟む2つの矩形面をそれぞれ接合するようにした色合成装置の製造方法。』を、
『さらに、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面及び前記第3の直角プリズムの一方の矩形面に、前記第4の直角プリズムの一方の矩形面及び前記第4の直角プリズムの他方の矩形面をそれぞれ接合するものであり、前記それぞれの接合が行われた状態での反射膜の配置状態として、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面及び前記第2の直角プリズムの一方の矩形面に、または前記第3の直角プリズムの他方の矩形面及び前記第4の直角プリズムの一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜が配置され、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面及び前記第3の直角プリズムの一方の矩形面に、または前記第2の直角プリズムの他方の矩形面及び前記第4の直角プリズムの他方の矩形面に第2の色を反射する反射膜が配置された状態となるようにそれぞれの反射膜を形成させるようにした色合成装置の製造方法。』に訂正する。」と補正する。

イ.同じく訂正事項bである、
「特許請求の範囲の請求項2中の
『直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズムの、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成すると共に、それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置の製造方法であって、前記第1及び第3の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、』を、
『直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成させた第1の直角プリズムと、直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第2の直角プリズムと、直角を挟む一方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第3の直角プリズムと、直角を挟む2つの矩形面に色を反射する反射膜を形成しない第4の直角プリズムとからなり、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と前記第2の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と前記第3の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムの1つの矩形面と、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムのもう1つの矩形面とをそれぞれ接合し、前記第1の直角プリズム及び前記第3の直角プリズムの横幅を、前記第2の直角プリズム及び前記第4の直角プリズムよりも広くして、接合した状態で両側面から前記第1の直角プリズム及び前記第3の直角プリズムが突出するようにした色合成装置の製造方法であって、』に訂正する。」
を、
「特許請求の範囲の請求項2中の
『次に、前記第3の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを接合し、さらに、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第3の直角プリズムの一方の矩形面とを、前記第2及び前記第4の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と前記第3の直角プリズムの他方の矩形面とを、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを、それぞれ接合するようにした色合成装置の製造方
法。』を、
『次に、前記第3の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの一方の矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの他方の矩形面とを接合し、さらに、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第3の直角プリズムの一方の矩形面とを、前記第2及び前記第4の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と前記第3の直角プリズムの他方の矩形面とを、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムの一方の矩形面とを、それぞれ接合するものであり、前記それぞれの接合が行われた状態での反射膜の配置状態として、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面及び前記第2の直角プリズムの一方の矩形面に、または前記第3の直角プリズムの他方の矩形面及び前記第4の直角プリズムの一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜が配置され、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面及び前記第3の直角プリズムの一方の矩形面に、または前記第2の直角プリズムの他方の矩形面及び前記第4の直角プリズムの他方の矩形面に第2の色を反射する反射膜が配置された状態となるようにそれぞれの反射膜を形成させるようにした色合成装置の製造方法。』に訂正する。」と補正する。

ウ.同じく訂正事項cである、
「特許明細書(特許公報)第3頁第5欄第37行〜第45行(段落0016)の
『直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズム11,12,13,14の、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成すると共に、それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置の製造方法であって、各直角プリズムの矩形面を反射膜を介して接合され、第1の直角プリズム11の横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、』を、
『直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成した第1の直角プリズム11と、直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第2の直角プリズム12と、直角を挟む一方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第3の直角プリズム13と、直角を挟む2つの矩形面に色を反射する反射膜を形成しない第4の直角プリズム14とからなり、第1の直角プリズム11の他方の矩形面と第2の直角プリズム12の他方の矩形面と、第1の直角プリズム11の一方の矩形面と第3の直角プリズム13の他方の矩形面と、第2の直角プリズム12の一方の矩形面と第4の直角プリズム14の1つの矩形面と、第3の直角プリズム13の一方の矩形面と第4の直角プリズム14のもう1つの矩形面とをそれぞれ接合し、第1の直角プリズム11の横幅を、他の3つの直角プリズムよりも広くなし、接合した状態で両側面から第1の直角プリズム11が突出するようにした色合成装置の製造方法であって、』に訂正する。」
を、
「特許明細書(特許公報)第3頁第6欄第5行〜第9行(段落0016)
『さらに、第2の直角プリズム12の一方の矩形面及び第3の直角プリズム13の一方の短形面に、第4の直角プリズム14の直角を挟む2つの矩形面をそれぞれ接合するようにしたものである。』を、
『さらに、第2の直角プリズム12の一方の矩形面及び第3の直角プリズム13の一方の矩形面に、第4の直角プリズム14の一方の矩形面及び第4の直角プリズム14の他方の矩形面をそれぞれ接合するものであり、それぞれの接合が行われた状態での反射膜の配置状態として、第1の直角プリズム11の一方の矩形面及び第2の直角プリズム12の一方の矩形面に、または第3の直角プリズム13の他方の矩形面及び第4の直角プリズム14の一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜が配置され、第1の直角プリズム11の他方の矩形面及び第3の直角プリズム13の一方の矩形面に、または第2の直角プリズム12の他方の矩形面及び第4の直角プリズム14の他方の矩形面に第2の色を反射する反射膜が配置された状態となるようにそれぞれの反射膜を形成させるようにしたものである。』に訂正する。」と補正する。

エ.同じく訂正事項dである、
「特許明細書(特許公報)第3頁第6欄第11行〜第18行(段落0017)の
『直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズム11,12,13,14の、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成すると共に、それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置の製造方法であって、第1及び第3の直角プリズム11及び13の横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、』を、
『直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成させた第1の直角プリズム11と、直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第2の直角プリズム12と、直角を挟む一方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第3の直角プリズム13と、直角を挟む2つの矩形面に色を反射する反射膜を形成しない第4の直角プリズム14とからなり、第1の直角プリズム11の他方の矩形面と第2の直角プリズム12の他方の矩形面と、第1の直角プリズム11の一方の矩形面と第3の直角プリズム13の他方の矩形面と、第2の直角プリズム12の一方の矩形面と第4の直角プリズム14の1つの矩形面と、第3の直角プリズム13の一方の矩形面と第4の直角プリズム14のもう1つの矩形面とをそれぞれ接合し、第1の直角プリズム11及び第3の直角プリズム13の横幅を、第2の直角プリズム12及び第4の直角プリズム14よりも広くして、接合した状態で両側面から第1の直角プリズム11及び第3の直角プリズム13が突出するようにした色合成装置の製造方法であって、』に訂正する。」
を、
「特許明細書(特許公報)第3頁第6欄第23行〜第37行(段落0017)
『次に、第3の直角プリズム13の他方の矩形面と、第4の直角プリズム14の1つの矩形面とを、平面状の表面を有する治具100の表面に当接させた状態で、第3の直角プリズム13の一方の矩形面と、第4の直角プリズム14の1つの矩形面とを接合し、さらに、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した第1の直角プリズム11の他方の矩形面と、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した第3の直角プリズム13の一方の矩形面とを、第2及び第4の直角プリズム12及び14の逃げ部が施された平面状の表面を有する治具200の表面に当接させた状態で、第1の直角プリズム11の一方の矩形面と第3の直角プリズム13の他方の矩形面とを、第2の直角プリズム12の一方の矩形面と第4の直角プリズム14の1つの矩形面とを、それぞれ接合するようにしたものである。』を、
『次に、第3の直角プリズム13の他方の矩形面と、第4の直角プリズム14の一方の矩形面とを、平面状の表面を有する治具100の表面に当接させた状態で、第3の直角プリズム13の一方の矩形面と、第4の直角プリズム14の他方の矩形面とを接合し、さらに、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した第1の直角プリズム11の他方の矩形面と、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した第3の直角プリズム13の一方の矩形面とを、第2及び第4の直角プリズム12及び14の逃げ部が施された平面状の表面を有する治具200の表面に当接させた状態で、第1の直角プリズム11の一方の矩形面と第3の直角プリズム13の他方の矩形面とを、第2の直角プリズム12の一方の矩形面と第4の直角プリズム14の一方の矩形面とを、それぞれ接合するものであり、それぞれの接合が行われた状態での反射膜の配置状態として、第1の直角プリズム11の一方の矩形面及び第2の直角プリズム12の一方の矩形面に、または第3の直角プリズム13の他方の矩形面及び第4の直角プリズム14の一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜が配置され、第1の直角プリズム11の他方の矩形面及び第3の直角プリズム13の一方の矩形面に、または第2の直角プリズム12の他方の矩形面及び第4の直角プリズム14の他方の矩形面に第2の色を反射する反射膜が配置された状態となるようにそれぞれの反射膜を形成させるようにしたものである。』に訂正する。」と補正する。

ii.訂正請求書の補正の適否についての判断
訂正請求書の訂正の趣旨についての補正は、訂正事項の削除や明らかな誤記の訂正など、当該補正により、審理の対象が変更されない範囲で許容されるべきところ、補正による変更の前後で請求の基礎である「訂正を求めている事項」の同一性や範囲を変更するような補正、例えば、訂正事項を追加したり、あるいは訂正事項を交換したりすることにより審理の対象を変更するような補正については、これにより請求書の要旨が変更されることになるから、認めることができない(審判便覧54-10の10、11頁)。

そこで、上記補正について検討するに、上記補正ア、イは、請求項1および2についての平成16年8月3日付け訂正請求書の訂正事項a,bの内容を削除するとともに新たな訂正事項を加えるものであるから、補正前の請求の趣旨に変えて新しい趣旨について判断を求めるものであり、請求書の要旨を変更するものである。
したがって、上記手続補正を認めることはできない。

(2)平成16年8月3日付け訂正請求について
上記(1)で述べたとおり、平成17年8月16日付け手続補正は認められないので、以下では、平成16年8月3日付け訂正請求の適否について検討する。

i.訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、以下のとおりである(下線は当審にて挿入。)。
[訂正事項a]
特許請求の範囲の請求項1中の
「直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズムの、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成すると共に、それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置の製造方法であって、前記第1の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、」を、
「直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面に第2の色を反射する反射摸を形成した第1の直角プリズムと、直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第2の直角プリズムと、直角を挟む一方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第3の直角プリズムと、直角を挟む2つの矩形面に色を反射する反射膜を形成しない第4の直角プリズムとからなり、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と前記第2の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と前記第3の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムの1つの矩形面と、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムのもう1つの矩形面とをそれぞれ接合し、前記第1の直角プリズムの横幅を、他の3つの直角プリズムよりも広くなし、接合した状態で両側面から前記第1の直角プリズムが突出するようにした色合成装置の製造方法であって、」に訂正する。

[訂正事項b]
特許請求の範囲の請求項2中の
「直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズムの、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成すると共に、それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置の製造方法であって、前記第1及び第3の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、」を、
「直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成させた第1の直角プリズムと、直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第2の直角プリズムと、直角を挟む一方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第3の直角プリズムと、直角を挟む2つの矩形面に色を反射する反射膜を形成しない第4の直角プリズムとからなり、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と前記第2の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と前記第3の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムの1つの矩形面と、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムのもう1つの矩形面とをそれぞれ接合し、前記第1の直角プリズム及び前記第3の直角プリズムの横幅を、前記第2の直角プリズム及び前記第4の直角プリズムよりも広くして、接合した状態で両側面から前記第1の直角プリズム及び前記第3の直角プリズムが突出するようにした色合成装置の製造方法であって、」に訂正する。

[訂正事項c]
特許明細書(特許公報)第3頁第5欄第37行〜第45行(段落0016)の
「直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズム11,12,13,14の、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成すると共に、それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置の製造方法であって、各直角プリズムの矩形面を反射膜を介して接合され、第1の直角プリズム11の横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、」を、
「直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成した第1の直角プリズム11と、直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第2の直角プリズム12と、直角を挟む一方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第3の直角プリズム13と、直角を挟む2つの矩形面に色を反射する反射膜を形成しない第4の直角プリズム14とからなり、第1の直角プリズム11の他方の矩形面と第2の直角プリズム12の他方の矩形面と、第1の直角プリズム11の一方の矩形面と第3の直角プリズム13の他方の矩形面と、第2の直角プリズム12の一方の矩形面と第4の直角プリズム14の1つの矩形面と、第3の直角プリズム13の一方の矩形面と第4の直角プリズム14のもう1つの矩形面とをそれぞれ接合し、第1の直角プリズム11の横幅を、他の3つの直角プリズムよりも広くなし、接合した状態で両側面から第1の直角プリズム11が突出するようをこした色合成装置の製造方法であって、」に訂正する。

[訂正事項d]
特許明細書(特許公報)第3頁第6欄第11行〜第18行(段落0017)の
「直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズム11,12,13,14の、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成すると共に、それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置の製造方法であって、第1及び第3の直角プリズム11及び13の横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、」を、
「直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成させた第1の直角プリズム11と、直角を挟む一方の矩形面に第1の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第2の直角プリズム12と、直角を挟む一方の矩形面に第2の色を反射する反射膜を形成し、直角を挟む他方の矩形面には色を反射する反射膜を形成しない第3の直角プリズム13と、直角を挟む2つの矩形面に色を反射する反射膜を形成しない第4の直角プリズム14とからなり、第1の直角プリズム11の他方の矩形面と第2の直角プリズム12の他方の矩形面と、第1の直角プリズム11の一方の矩形面と第3の直角プリズム13の他方の矩形面と、第2の直角プリズム12の一方の矩形面と第4の直角プリズム14の1つの矩形面と、第3の直角プリズム13の一方の矩形面と第4の直角プリズム14のもう1つの矩形面とをそれぞれ接合し、第1の直角プリズム11及び第3の直角プリズム13の横幅を、第2の直角プリズム12及び第4の直角プリズム14よりも広くして、接合した状態で両側面から第1の直角プリズム11及び第3の直角プリズム13が突出するようにした色合成装置の製造方法であって、」に訂正する。

ii.当審の判断
ア.上記訂正事項a〜dのうち、下線を付した箇所の趣旨は「第1から第3の直角プリズムの所望の矩形面に予め反射膜を形成した後、第1から第4の直角プリズムの矩形面を接合する」ことにあると解されるところ、当該訂正事項の根拠は、平成16年8月3日付訂正請求書の6頁1行目「(4)請求の原因」の記載によれば、本件特許明細書(特許公報)の4頁7欄17〜21行(段落【0022】*)及び4頁7欄28〜32行(段落【0023】*)の以下の記載に基づくものである。
(*なお、上記記載箇所の段落番号について、「(4)請求の原因」には段落【0017】,【0018】と記載されているが、明らかな誤記であるので、上記のように訂正して記載した。)
「【0022】・・・但し、赤色反射膜を接合面11aに形成させたときには、接合面13a側に赤色反射膜を形成させ、接合面12aに赤色反射膜を形成させたときには、接合面14a側に赤色反射膜を形成させる。」
「【0023】・・・但し、青色反射膜を接合面11bに形成させたときには、接合面12b側に青色反射膜を形成させ、接合面13bに青色反射膜を形成させたときには、接合面14b側に青色反射膜を形成させる。」

しかしながら、上記段落【0022】,【0023】の指摘箇所の記載内容を精読しても、「反射膜を一方の接合面に形成したときには、その一方の接合面に接合される他方の接合面には反射膜を形成しない」ことは理解できても、「第1から第3の直角プリズムの所望の矩形面に予め反射膜を形成した後、第1から第4の直角プリズムの矩形面を接合する」旨の事項が、上記段落の指摘箇所に記載されているとはいえない。

イ.上記訂正事項についてさらに検討するに、本件特許明細書には、上記訂正事項に関連する以下の事項が記載されている(下線は当審にて挿入。)。
「【0021】 本例の場合には、従来例で説明した3板式の液晶プロジェクタ装置に使用される色合成装置としたもので、図1は本例の色合成装置を示す斜視図である。この色合成装置は、それぞれが直角プリズムよりなる第1ブロック11,第2ブロック12,第3ブロック13,第4ブロック14の矩形面どうしを接合して構成される。この場合、各接合面には、所定色(例えば赤色又は青色)の反射膜を形成させる。
【0022】 即ち、第1ブロック11の一方の矩形面11aと第2ブロック12の一方の矩形面12aとを接合させると共に、この接合面11a,12aの何れか一方に赤色反射膜を形成させる。また、第3ブロック13の一方の矩形面13aと第4ブロック14の一方の矩形面14aとを接合させると共に、この接合面13a,14aの何れか一方に赤色反射膜を形成させる。但し、赤色反射膜を接合面11aに形成させたときには、接合面13a側に赤色反射膜を形成させ、接合面12aに赤色反射膜を形成させたときには、接合面14a側に赤色反射膜を形成させる。
【0023】 さらに、第1ブロック11の他方の矩形面11bと第3ブロック13の他方の矩形面13bとを接合させると共に、この接合面11b,13bの何れか一方に青色反射膜を形成させる。さらにまた、第2ブロック12の他方の矩形面12bと第4ブロック14の他方の矩形面14bとを接合させると共に、この接合面12b,14bの何れか一方に青色反射膜を形成させる。但し、青色反射膜を接合面11bに形成させたときには、接合面12b側に青色反射膜を形成させ、接合面13bに青色反射膜を形成させたときには、接合面14b側に青色反射膜を形成させる。」

これらの記載事項によれば、「赤色ないしは青色反射膜を接合面に形成させる」旨が理解できるものの、「第1から第3の直角プリズムの所望の矩形面に予め反射膜を形成した後、第1から第4の直角プリズムの矩形面を接合する」趣旨についてまでは、記載されていないことは明らかである。よって、これら記載事項と上記指摘箇所の記載事項とを併せ考慮しても上記訂正事項を導き出すことはできない。

ウ.さらに、上記訂正事項が本件特許明細書の記載から、一義的に導き出せる自明な事項であるということもできない。すなわち、平成16年5月25日付取消理由で引用した刊行物1(特公昭39-20049号公報)には、「この高いプリズムとこれに貼合わすべき低いプリズムとを各組夫々貼合わせ面に第1特性の干渉膜を付着した後接着剤によって貼合わせると共にその側部の1面を高低両プリズムに亙つて高精度に同一平面となし、この面に第2特性の干渉膜を設けた後・・・」(1頁右欄10〜14行)が記載されており、これによれば、第2特性の干渉膜は高いプリズムと低いプリズムとを貼合わせてできた高精度な同一平面に、貼合わせの後に形成されてなり、かかる反射膜の形成手順は上記訂正事項が教示する反射膜の形成手順と異なることが明らかであるから、上記特許明細書の記載事項(段落【0021】〜【0023】)に依拠しては、上記訂正事項が一義的に自明であるとはいえない。

エ.したがって、上記訂正事項の下線を付した箇所が、願書に添付した明細書又は図面に記載されているとはいえないので、上記訂正事項を含む訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正ではない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書きの規定に適合しないので、本件訂正は認められない。

3.特許異議の申立て理由および取消理由の概要
(1)特許異議申立人 原田 清悟は、下記の甲第1,2号証を提出し、請求項1,2に係る発明の特許は、甲第1,2号証に記載された発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法第113条第4項の規定により取消すべきである旨主張する。

甲第1号証:特公昭39-20049号公報
甲第2号証:特開平3-138603号公報

(2)当審は、請求項1,2に係る発明の特許は、下記の刊行物1,2に記載された発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、取消すべきである旨通知した。

刊行物1:特公昭39-20049号公報(甲第1号証)
刊行物2:特開平3-138603号公報(甲第2号証)

4.本件発明
上記2.で訂正を認めないから、本件の請求項1,2に係る発明(以下、「本件発明1,2」という。)は、特許明細書(特許第3428136号)の特許請求の範囲の請求項1,2に記載されたとおりの次のものである。

「【請求項1】 直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズムの、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成すると共に、それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置の製造方法であって、
前記第1の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、
前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの他方の矩形面とを接合し、
次に、この接合した面から横幅が広いために両方向に突出した前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面とを、前記第2の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第3の直角プリズムの他方の矩形面とを接合し、
さらに、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面及び前記第3の直角プリズムの一方の矩形面に、前記第4の直角プリズムの直角を挟む2つの矩形面をそれぞれ接合するようにした色合成装置の製造方法。
【請求項2】 直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズムの、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成すると共に、それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置の製造方法であって、
前記第1及び第3の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、
前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの他方の矩形面とを接合し、
次に、前記第3の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを接合し、
さらに、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第3の直角プリズムの一方の矩形面とを、前記第2及び前記第4の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と前記第3の直角プリズムの他方の矩形面とを、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを、それぞれ接合するようにした色合成装置の製造方法。」

5.当審の判断
(1)刊行物1,2に記載された発明
刊行物1(特公昭39-20049号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア.「本発明は・・プリズムの貼合わせによる十字状交叉ミラーを許容誤差以内の平行度に於て簡単に得ることを目的とする」(1頁右欄6〜8行)

イ.「図について本発明実施の1例を説明するに、第3図に示す如く4個の三角柱プリズム31,32,41,42を十字状に貼合わせ、その十字状交叉の一方の面には第1特性例えば赤色光反射、青・緑色光透過特性の干渉膜5を設け、他方の面に第2特性例えば青色光反射、赤・緑色光透過特性の干渉膜6を設けるものとすれば、先ず4個のプリズムのうち第4図に示す如く相隣るべき2個のプリズム31,41として高さの高いものを作り、他の2個のプリズム32,42として高さの低いものを作る。次に高低を異にする相隣る2個ずつのプリズム31,32と41,42とを各組ごとにその相互貼合わせ面に赤色光反射特性の干渉膜5を設けた後接着剤によって第5図に示す如くその貼合わせをする。貼合わせられたプリズム31と32及び41と42は夫々他の組に貼合わすべき面が高精度に同一平面を保つ必要があるが、そのためには各単体プリズムに於ける十字交叉面の角度を予め厳密に正確に仕上げておき、最初の貼合わせの際に他の組に対する接着面を平面原器に密着させた状態で貼合わせをする」(1頁右欄19〜36行)

ウ.「こうして貼合わせられたプリズム31,32の組と41,42の組とはその相互の貼合わせ面に青色光反射特性の干渉膜6を設けた後、接着剤によって第6図に示す如くその貼合わせをするが、その際は両組の高いプリズムに於ける赤色光反射特性膜面の延長部a,b,c,dとe,f,g,hとに平面原器を密着させながら貼合わせ面の接合をするものである。このようにするとプリズム31,32の組に於ける赤色光反射特性面とプリズム41,42の組に於ける赤色光反射特性面とは容易に同一平面となり又青色光反射特性面は両組を通じてはじめから同一平面をなすものであるから完全な交叉型ダイクロイツクミラーを得るものである。」(1頁右欄41行〜2頁左欄5行)

刊行物2(特開平3-138603号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
エ.「貼り合わせプリズムとして、例えば、四角プリズムは、プロジェクションテレビの光学系の主要要素であるダイクロイックプリズム等として広く用いられている。」(2頁左上欄3〜6行)

オ.「第1図は四角プリズムの平面図、第2図は第1図のII矢視図を示す。
・・・四角プリズム1は四つの三角プリズム3からなり、各三角プリズム3の断面形状は同一寸法で直角二等辺三角形を呈し、各三角プリズム3の直角を挟む側面3A,3Aが相互に貼り合わされて構成されている。
四つの三角プリズム3のうち二つの三角プリズム3-1は他の二つの三角プリズム3-2よりも厚みが大きく、大きい方の厚みt1は夫々等しく、また、小さい方の厚みt2も夫々等しい。・・・小さい厚みt2の三角プリズム3-2の直角を挟む側面3Aは、大きい厚みt1の三角プリズム3-1の直角を挟む側面3Aの中央に貼り合わされ、双方の三角プリズム3-1,3-2の両端面3Cには夫々段差が生じ、三角プリズム3-1の側面3Aの両側部には夫々等しい幅で露出する段部5が形成されている。・・・
従って、この貼り合わされたプリズムを二つ合わせて四角プリズム1にする際、段部5を基準にすることができる。
しかも、段部5は三角プリズム3の側面3Aを直接利用するものであり、貼り合わせ時の基準としては十分に高い精度を有する。
従って、従来の如く顕微鏡等の光学系を要せず、段部5を基準にした種々の構造の治具を用いて簡単に且つ高い精度で四角プリズム1を製作することが可能となる。」(3頁左上欄10行〜同頁左下欄4行)

カ.「次に、第3図に平面図で、第4図に正面図で示すように、厚みの異なる二つの三角プリズム3-1,3-2を、夫々その一方の側面3A,3Aを同一平面7上に置き、エポキシ系接着剤或いは紫外線硬化型接着剤等により他方の側面3A,3Aを貼り合わせる。
この場合、大きい厚みt1の三角プリズム3-1の側面3Aの中心に小さい厚みt2の三角プリズム3-2の厚みの中心を合わせて貼り付け、三角プリズム3-1の側面3Aの両側に段部5を形成する。
このようにして厚みの異なる二つの三角プリズム3-1,3-2からなる組合せ三角プリズム11を二つ形成する。」(3頁左下欄11行〜同頁右下欄4行)

キ.「次に、第5図に平面図で、第6図に正面図で示す治具13を用いて、二つの三角プリズム11,11を貼り合わせる。
治具13は基台15を備え、基台15には当て付け台17と受け台19とが固設され、また移動可能に移動台21が組み付けられ、更に、移動台21のストッパ23が設けられている。
当て付け台17には斜面部17Aが形成され、またこの斜面部17Aの両側から夫々アーム17Bが突設され、各アーム17Bの先端に夫々垂直面部17Cが形成されている。双方のアーム17Bの間隔は小さい厚みt2の三角プリズム3-2を出し入れできる大きさで形成されている。
受け台19には前記斜面部17Aに対向する如く斜面部19Aが形成されている。
移動台21にはその上部両側から夫々アーム21Bが突設され、各アーム21Bの先端に夫々垂直面部21Cが形成されている。双方のアーム21Bの間隔は小さい厚みt2の三角プリズム3-2を出し入れできる大きさで形成されている。
前記垂直面部17Cと移動台21の垂直面部21Cは、ストッパ23に移動台21が当接した状態で同一平面上に位置するように形成されている。
このように構成された治具13の当て付け台17と受け台19の各斜面部17A,19Aに、一方の組合せ三角プリズム11の側面11Aを載せる。
この場合、大きい厚みt1の三角プリズム3-1を受け台19側に位置させ、三角プリズム3-1の側面3Aを斜面部19Aに当て付けると共に、段部5を垂直面部17Cに当て付けて固定する。
次に、この組合せ三角プリズム11の直角に対向する側面11Cにエポキシ系接着剤或いは紫外線硬化型接着剤等を塗布し、他方の組合せ三角プリズム11の直角に対向する側面11Cを載せる。
この場合、当て付け台17側に大きい厚みt1の三角プリズム3-1が位置するように載せる。
次に、移動台21の垂直面部21Cを他方の組合せ三角プリズム11の段部5に当ててストッパ23に当接するまで移動台21を前進させる。
移動台21がストッパ23に当接した状態で、双方の段部5,5は同一平面上に位置し、該状態で固定して双方の側面11Cを貼り付ける。」(3頁右下欄5行〜4頁右上欄11行)

ク.「尚、実施例では、大きい厚みt1の三角プリズム3-1と小さい厚みt2の三角プリズム3-2を交互に配置して四角プリズム1を構成したが、治具13の構造如何により、例えば移動台21を逆向きにする等により、同じ厚みの三角プリズムを二つずつ並べて四角プリズム1を構成することも可能である。」(4頁右上欄15〜同頁左下欄1行)

(2)対比・判断
(2-1)本件発明2について
先に、本件発明2と刊行物2に記載された事項とを以下に対比する。
a)四角プリズムの構造等について
刊行物2には、「四角プリズム1は四つの三角プリズム3からなり、各三角プリズム3の断面形状は同一寸法で直角二等辺三角形を呈し、各三角プリズム3の直角を挟む側面3A,3Aが相互に貼り合わされて構成されている。」(摘記事項オ)と記載されていることからみて、刊行物2の上記「四つの三角プリズム3」が、本件発明2の「第1,第2,第3,第4の直角プリズム」に相当することは明らかである。
また、刊行物2の「次に、第3図に平面図で、第4図に正面図で示すように、厚みの異なる二つの三角プリズム3-1,3-2を、夫々その一方の側面3A,3Aを同一平面7上に置き、エポキシ系接着剤或いは紫外線硬化型接着剤等により他方の側面3A,3Aを貼り合わせる。」(摘記事項カ)なる記載からみて、上記「同一平面7」は、プリズムの面を平面に密着させた状態でプリズム同士を貼り合わせる治具に他ならないから、本件発明2の「平面状の表面を有する治具」に相当する。
さらに、刊行物2の「四角プリズム1」は、四つの三角プリズム3を貼り合わせて形成した四角プリズムである点で、本件発明2の「色合成装置」と一致する。

b)二つのプリズムの貼り合わせについて
刊行物2の「厚みの異なる二つの三角プリズム3-1,3-2を、夫々その一方の側面3A,3Aを同一平面7上に置き、エポキシ系接着剤或いは紫外線硬化型接着剤等により他方の側面3A,3Aを貼り合わせる。この場合、大きい厚みt1の三角プリズム3-1の側面3Aの中心に小さい厚みt2の三角プリズム3-2の厚みの中心を合わせて貼り付け、三角プリズム3-1の側面3Aの両側に段部5を形成する。このようにして厚みの異なる二つの三角プリズム3-1,3-2からなる組合せ三角プリズム11を二つ形成する。」(摘記事項カ)は、本件発明2の「前記第1及び第3の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの他方の矩形面とを接合し、次に、前記第3の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを接合し、」に相当することは明らかである。

c)プリズムの組同士の貼り合わせについて
刊行物2には、
「次に、第5図に平面図で、第6図に正面図で示す治具13を用いて、二つの三角プリズム11,11を貼り合わせる。治具13は基台15を備え、基台15には当て付け台17と受け台19とが固設され、また移動可能に移動台21が組み付けられ、・・・当て付け台17には斜面部17Aが形成され、またこの斜面部17Aの両側から夫々アーム17Bが突設され、各アーム17Bの先端に夫々垂直面部17Cが形成されている。双方のアーム17Bの間隔は小さい厚みt2の三角プリズム3-2を出し入れできる大きさで形成されている。・・・移動台21にはその上部両側から夫々アーム21Bが突設され、各アーム21Bの先端に夫々垂直面部21Cが形成されている。双方のアーム21Bの間隔は小さい厚みt2の三角プリズム3-2を出し入れできる大きさで形成されている。」(摘記事項キ)、および
「大きい厚みt1の三角プリズム3-1を受け台19側に位置させ、三角プリズム3-1の側面3Aを斜面部19Aに当て付けると共に、段部5を垂直面部17Cに当て付けて固定する。次に、移動台21の垂直面部21Cを他方の組合せ三角プリズム11の段部5に当ててストッパ23に当接するまで移動台21を前進させる。・・・移動台21がストッパ23に当接した状態で、双方の段部5,5は同一平面上に位置し、該状態で固定して双方の側面11Cを貼り付ける。」(摘記事項キ)、が記載されている。
ここで、垂直面部17C、21Cは、プリズムの組同士の貼り合わせに際し、基準面である段部5,5を当て付ける治具の平面であり、また、双方のアーム17B及び双方のアーム21Bの各々の間隔は、小さい厚みt2の三角プリズム3-2を出し入れできる大きさの逃げ部である。
さらに、上記摘記事項クには、移動台21が当て付け台17と同方向に配列される態様についても記載されており、この場合、プリズムの組同士の貼り合わせは、小さい厚みt2の三角プリズム3-2同士、大きい厚みt1の三角プリズム3-1同士の対向する面が貼り合わせられることになり、その結果、上記間隔は、上下二つの小さい厚みt2の三角プリズム3-2を収容する逃げ部を構成することになる。
また、本件特許公報の【図3】によれば、実施例として開示された治具は一体構造の単純な形状のものであるのに対し、刊行物2に記載のものは、アーム17B,21Bに二分割されており、一見すると【図3】の実施例に比して複雑な形状を呈しているが、上記したように機能的にはまったく同等であって、しかも、本件発明2にいう「前記第2及び前記第4の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具」なる構成をすべて具備したものということができる。
したがって、各アーム17B,21Bで構成される治具が、本件発明2の「前記第2及び前記第4の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具」に相当することは明らかであり、結局、刊行物2には、本件発明2の「さらに、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第3の直角プリズムの一方の矩形面とを、前記第2及び前記第4の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と前記第3の直角プリズムの他方の矩形面とを、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを、それぞれ接合するようにした」が記載されているといえる。

したがって両者は、
「直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズムの、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成させた四角プリズムの製造方法であって、
前記第1及び第3の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、
前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの他方の矩形面とを接合し、
次に、前記第3の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを接合し、
さらに、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第3の直角プリズムの一方の矩形面とを、前記第2及び前記第4の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と前記第3の直角プリズムの他方の矩形面とを、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを、それぞれ接合するようにした四角プリズムの製造方法。」
である点で一致し、次の点で相違している。

[相違点]
本件発明2は、「それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置」であるのに対し、刊行物2には、「ダイクロイックプリズム等として広く用いられている。」(摘記事項エ)なる記載はあるものの、プリズムのそれぞれの接合面に所定の色の反射膜を設けたとの明示の記載がない点。

そこで、上記相違点について検討する。
刊行物1には、
「本発明は・・プリズムの貼合わせによる十字状交叉ミラーを許容誤差以内の平行度に於て簡単に得ることを目的とする」(摘記事項ア)、
「第3図に示す如く4個の三角柱プリズム31,32,41,42を十字状に貼合わせ、その十字状交叉の一方の面には第1特性例えば赤色光反射、青・緑色光透過特性の干渉膜5を設け、他方の面に第2特性例えば青色光反射、赤・緑色光透過特性の干渉膜6を設けるもの」(摘記事項イ)、
と、上記相違点の事項である「それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置」が記載されており、また、刊行物2に記載のものが、ダイクロイックプリズム(摘記事項ア)を視野に入れた四角プリズムの製造方法であることは明らかであるから、上記刊行物1の記載に基づき、その製造工程に反射膜の形成工程を加えることは容易である。
以上のとおり、本件発明2は、刊行物1および2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

(2-2)本件発明1について
本件発明1は、本件発明2の構成要件のうち「第3の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし、」とあるのを削除するとともに、プリズムの貼り合わせの順序を、本件発明2ではプリズムの組同士を貼り合わせていたものを、「この接合した面から横幅が広いために両方向に突出した前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面とを、前記第2の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第3の直角プリズムの他方の矩形面とを接合し、さらに、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面及び前記第3の直角プリズムの一方の矩形面に、前記第4の直角プリズムの直角を挟む2つの矩形面をそれぞれ接合するようにした」と、第1と第2のプリズムの組に第3のプリズムを貼り合わせ、最後に第4のプリズムを貼り合わせるように変更したものである。
そこで、刊行物2に記載のもの(上記摘記事項エ〜キ)と、本件発明1とを対比すると、
両者は、
「直角を挟んでそれぞれ2つの矩形面が形成された第1,第2,第3,第4の直角プリズムの、それぞれの矩形面どうしを接合させて、接合面が直交するように四角形に形成させた四角プリズムの製造方法であって、
前記第1の直角プリズムの横幅を、第2,第4の直角プリズムよりも広くなし、
前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第2の直角プリズムの他方の矩形面とを接合し、
次に、この接合した面から横幅が広いために両方向に突出した前記第1の直角プリズムの他方の矩形面を、前記第2の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具の表面に当接させ、他の直角プリズムの一方の矩形面を前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と同一平面に維持した状態で、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と、他の直角プリズムの他方の矩形面とを接合するようにした四角プリズムの製造方法。」
である点で一致し、次の点で相違している。

[相違点1]
本件発明1は、「第1の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし」たのに対し、刊行物2に記載のものは、「第1及び第3の直角プリズムの横幅を、他の直角プリズムよりも広くなし」ており、広い横幅の直角プリズムが第1の直角プリズムのみではない点。

[相違点2]
本件発明1は、「この接合した面から横幅が広いために両方向に突出した前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面とを、前記第2の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第3の直角プリズムの他方の矩形面とを接合し、さらに、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面及び前記第3の直角プリズムの一方の矩形面に、前記第4の直角プリズムの直角を挟む2つの矩形面をそれぞれ接合する」ようにしたのに対し、刊行物2に記載のものは、「前記第3の直角プリズムの他方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを、平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第3の直角プリズムの一方の矩形面と、前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを接合し、さらに、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第1の直角プリズムの他方の矩形面と、接合させた面から横幅が広いために両方向に突出した前記第3の直角プリズムの一方の矩形面とを、前記第2及び前記第4の直角プリズムの逃げ部が施された平面状の表面を有する治具の表面に当接させた状態で、前記第1の直角プリズムの一方の矩形面と前記第3の直角プリズムの他方の矩形面とを、前記第2の直角プリズムの一方の矩形面と前記第4の直角プリズムの1つの矩形面とを、それぞれ接合する」ようにしており、第3,第4プリズムの接合の順序が異なる点。

[相違点3]
本件発明1は、「それぞれの接合面に所定の色の反射膜を形成させた色合成装置」であるのに対し、刊行物2には、「ダイクロイックプリズム等として広く用いられている。」(摘記事項エ)なる記載はあるものの、プリズムのそれぞれの接合面に所定の色の反射膜を設けたとの明示の記載がない点。

上記相違点1〜3について検討する。
[相違点1について]
プリズム貼り合わせの手順からみて、本件発明1においては、第2の直角プリズムに貼り合わせる第1の直角プリズムの横幅が、第2の直角プリズムより広ければ足りるのであって、その他の第3,第4の直角プリズムの横幅については、その大小に拘わらず貼り合わせが可能であるから、その横幅が問われないことは明らかである。例えば、本件特許公報、段落【0033】には、「少なくとも1個の直角プリズムの横幅だけを広くするようにしても・・・製造することができる。」と明記されており、上記判断を裏付けている。
したがって、上記相違点1は、単なる構成の微差にすぎない。

[相違点2について]
本件発明1は、第1、第2のプリズムを貼り合わせた後、第3のプリズム、第4のプリズムの順に貼り合わせる点で、上記刊行物2に記載のものと相違するが、例えば、第3の直角プリズムの横幅が第1の直角プリズムの横幅と同じであれば(第3の直角プリズムの横幅についての考察は、上記「相違点1ついて」で述べたとおりである。)、刊行物2の治具の仕様を変更することなく本件発明1と同じ順序でプリズムの貼り合わせが可能であることからも理解できるように、第3、第4のプリズムを先に貼合わせて、その後、第1,第2のプリズムの組と貼合わせる(刊行物1,2および本件発明2)か、第3のプリズム、第4のプリズムの順に貼合わせるか(本件発明1)は、それにより特段の作用効果上の差異を生じない(むしろ、「より簡単に正確な接合ができる」(本件特許公報、段落【0039】)点で刊行物1,2および本件発明2の貼り合わせ順序の方が優れているといえる。)、単なる貼り合わせ順序の変更にすぎないから、刊行物2の記載に基づいて当業者が容易に実施可能な事項であるといえる。
この場合、第3の直角プリズムの横幅が第2の直角プリズムの横幅と同じであれば、刊行物2の治具の逃げ部に落ち込んでしまう虞があるが、プリズムの貼合わせ順序の変更に応じて治具の仕様を変更することは、当業者にとって自明である。

[相違点3について]
相違点3は本件発明2における相違点と同じであるから、これについては既に(2-1)で述べたとおり、刊行物1および2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。

よって、本件発明1は、刊行物1,2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

6.むすび
以上のとおり、請求項1,2に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであるから、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2005-09-20 
出願番号 特願平6-92561
審決分類 P 1 651・ 121- ZB (G02B)
最終処分 取消  
特許庁審判長 向後 晋一
特許庁審判官 吉田 禎治
瀧本 十良三
登録日 2003-05-16 
登録番号 特許第3428136号(P3428136)
権利者 ソニー株式会社
発明の名称 色合成装置の製造方法  
代理人 磯山 弘信  
代理人 角田 芳末  
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