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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A01N
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  A01N
審判 全部申し立て ただし書き3号明りょうでない記載の釈明  A01N
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  A01N
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  A01N
審判 全部申し立て 2項進歩性  A01N
管理番号 1128901
異議申立番号 異議2003-71791  
総通号数 74 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2001-06-05 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-07-14 
確定日 2005-10-31 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3365503号「除草および殺虫組成物並びに除草および殺虫方法」の請求項1ないし55に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3365503号の請求項1ないし25に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3365503号の請求項1〜55に係る発明についての出願は、1991年5月2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 1990年5月3日 米国、1990年11月19日 米国)を国際出願日とする特許出願である特願平3-508902号の一部を、特許法第44条第1項の規定に基づき新たな特許出願としたものであり、平成14年11月1日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、申立人中嶋俊夫により特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成17年3月7日に訂正請求(その後取下げ)がなされた後、再度取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成17年9月26日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(a)訂正の内容
特許権者が求めている平成17年9月26日付け訂正請求による訂正の内容は、訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正すること、すなわち、以下のア〜オのとおりである。
ア.訂正事項a
下記の請求項から、下記の化合物を削除する。
請求項1:ピコリン酸、4,5-ジシアノイミダゾール、キネチン、チアフラビンT、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン、5-クロロ-1,10-フェナントロリン、5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリン、5-メチル-1,10-フェナントロリン、5-ニトロ-1,10-フェナントロリン、4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、4-メチル-1,10-フェナントロリン、4,4’-ジメチル-2’,2’-ジピリジル、2,2’:6’,2”-テルピリジン、2,2’-ジチオビス(ピリジンN-オキシド)、フェニル2-ピリジルケトキシム、N-ベンジル-N-ニコトイルニコチンアミド、N-メチルニコチンアミド、ニフルミン酸、2-ヒドロキシニコチン酸、ジエチル3,4-ピリジンジカルボキシレート、エチルニコチネート、2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-カルボン酸、4-ヒドロキシ-7-トリフルオロメチル-3-キノリンカルボキシ、ジミジウムブロミド一水和物、エチジウムブロミド、3-ヒドロピコリン酸、1-イソキノリンカルボン酸
請求項10:ジミジウムブロミド一水和物、エチジウムブロミド
請求項15:チオフラビンT
請求項23:4,5-ジシアノイミダゾール
請求項51:ベンジルビオロゲンジクロリド一水和物、5-クロロ-1,10-フェナントロリン、4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン、5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、2,2’-ジピリジル、5-メチル-1,10-フェナトロリン、5-ニトロ-1,10-フェナントロリン、1,10-フェナントロリン、2,2’:6’,2’-テルピリジン、4,5-ジシアンイミダゾール、4-メチル-1,10-フェナントロリン
請求項52:2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン、5-クロロ-1,10-フェナントロリン、5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリン、5-メチル-1,10-フェナントロリン、5-ニトロ-1,10-フェナントロリン、4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4-メチル-1,10-フェナントロリン(以上、同項に2カ所記載されているものを2カ所とも削除)、ピコリン酸、4,5-ジシアノイミダゾール、キネチン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、4,4’-ジメチル-2’,2’-ジピリジル、2,2’:6’,2”-テルピリジン、2,2’-ジチオビス(ピリジンN-オキシド)、フェニル2-ピリジルケトキシム、N-ベンジル-N-ニコトイルニコチンアミド、N-メチルニコチンアミド、ニフルミン酸、2-ヒドロキシニコチン酸、ジエチル3,4-ピリジンジカルボキシレート、エチルニコチネート、2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-カルボン酸、4-ヒドロキシ-7-トリフルオロメチル-3-キノリンカルボキシ、ジミジウムブロミド一水和物、エチジウムブロミド、3-ヒドロピコリン酸、1-イソキノリンカルボン酸、チアフラビンT
請求項53:2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン、5-クロロ-1,10-フェナントロリン、5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリン、5-メチル-1,10-フェナントロリン、5-ニトロ-1,10-フェナントロリン、4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4-メチル-1,10-フェナントロリン(以上、同項に2カ所記載されているものを2カ所とも削除)、ピコリン酸、4,5-ジシアノイミダゾール、キネチン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、4,4’-ジメチル-2’,2’-ジピリジル、2,2’:6’,2”-テルピリジン、2,2’-ジチオビス(ピリジンN-オキシド)、フェニル2-ピリジルケトキシム、N-ベンジル-N-ニコトイルニコチンアミド、N-メチルニコチンアミド、ニフルミン酸、2-ヒドロキシニコチン酸、ジエチル3,4-ピリジンジカルボキシレート、エチルニコチネート、2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-カルボン酸、4-ヒドロキシ-7-トリフルオロメチル-3-キノリンカルボキシ、ジミジウムブロミド一水和物、エチジウムブロミド、3-ヒドロピコリン酸、1-イソキノリンカルボン酸、チアフラビンT
請求項54:ベンジルビオロゲンジクロリド一水和物、5-クロロ-1,10-フェナントロリン、4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン、5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、2,2’-ジピリジル、5-メチル-1,10-フェナトロリン、5-ニトロ-1,10-フェナントロリン、1,10フェナントロリン、2,2’:6’,2’-テルピリジン、4,5-ジシアンイミダール、4-メチル-1,10-フェナントロリン
請求項55:ベンジルビオロゲンジクロリド一水和物、5-クロロ-1,10-フェナントロリン、4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン、5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、2,2’-ジピリジル、5-メチル-1,10-フェナトロリン、5-ニトロ-1,10-フェナントロリン、1,10フェナントロリン、2,2’:6’,2’-テルピリジン、4,5-ジシアンイミダール、4-メチル-1,10-フェナントロリン
イ.訂正事項b
請求項4において、「該クロロフィル生合成モジュレーターが:2,2’-ジチオビス(ピリジンN-オキシド)および6,6-ジチオジニコチン酸からなる群から選択される」とあるのを、「該クロロフィル生合成モジュレーターが:6,6-ジチオジニコチン酸である」と訂正する。
請求項6において、「該クロロフィル生合成モジュレーターが:ジ-2-ピリジルケトンオキシムおよびフェニル2-ピリジルケトキシムからなる群から選択される」とあるのを、「該クロロフィル生合成モジュレーターが:ジ-2-ピリジルケトンオキシムである」と訂正する。
請求項9において、「該クロロフィル生合成モジュレーターが:エチル2-メチルニコチネート、ニフルミン酸、2-ヒドロキシニコチン酸、ジエチル3,4-ピリジンジカルボキシレート、エチルニコチネート、2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-カルボン酸および4-ヒドロキシ-7-トリフルオロメチル-3-キノリンカルボキシからなる群から選択される」とあるのを、「該クロロフィル生合成モジュレーターが:エチル2-メチルニコチネートである」と訂正する。
請求項24において、「該クロロフィル生合成モジュレーターが:ニトロフラントインおよびキネチンからなる群から選択される」とあるのを、「該クロロフィル生合成モジュレーターが:ニトロフラントインである」と訂正する。
ウ.訂正事項c
請求項2,3,8,11,25〜50を削除する。
エ.訂正事項d
請求項1において、「1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾール、ニトロフラントインおよび」とあるのを、「1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾールおよびニトロフラントイン」と訂正する。
請求項51において、「4-ピロリジノピリジン・・・チオフラビンTおよび」とあるのを、「4-ピロリジノピリジンおよびチオフラビンT」と訂正する。
請求項52,53において、「1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾール、ニトロフラントイン・・・および」とあるのを、「1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾールおよびニトロフラントイン」と訂正する。
請求項54,55において、「4-ピロリジノピリジン・・・チオフラビンTおよび」とあるのを、「4-ピロリジノピリジンおよびチオフラビンT」と訂正する。
オ.訂正事項e
請求項の項番号について、訂正前の請求項4〜7を訂正後の請求項2〜5と、訂正前の請求項9を訂正後の請求項6と、訂正前の請求項10を訂正後の請求項7と、訂正前の請求項12〜24を訂正後の請求項8〜20と、訂正前の請求項51〜55を訂正後の請求項21〜25と訂正する。

(b)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項aは、特許請求の範囲に記載された除草組成物、除草方法、殺虫組成物、殺虫方法において用いられるモジュレーターである化合物の一部を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正に該当する。
訂正事項bは、特許請求の範囲に記載された除草組成物、除草方法、殺虫組成物、殺虫方法において用いられるモジュレーターである化合物の一部を削除するものであり、それに伴い、モジュレーターである化合物が唯一のものであることを明らかにするものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当する。
訂正事項cは、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正に該当する。
訂正事項dは、訂正事項aによる訂正によって化合物の一部が削除された請求項について、列記された複数の化合物を記載するための「および」を適切な箇所に記載するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当する。
訂正事項eは、訂正事項cによる訂正によって特許請求の範囲の一部の請求項が削除され、連続しない番号となった項番号を連続する番号とするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当する。
そして、これら訂正事項a〜eに係る訂正はいずれも新規事項を追加するものでなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(c)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(a)特許異議の申立ての理由の概要
申立人中嶋俊夫は、下記甲第1〜6号証を提示し、(1)訂正前の本件請求項1,15及び53に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、(2)同請求項1〜55に係る発明は、甲第2〜6号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、(3)同請求項1〜55に係る発明について、本件特許明細書の記載に不備があり、同請求項1〜55に係る発明の特許は、特許法第36条第4項及び同6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるから、請求項1〜55に係る発明の特許は取り消されるべきと主張する。
甲第1号証:特開昭61-72703号公報
甲第2号証:特表昭61-502814号公報
甲第3号証:J.Duggan et al.,"Induction of porphyrin synthesis in etiolated bean leaves by chelators iron",Plant Physiol.,(1974),53,p.206-215
甲第4号証:H.Berndt et al.,"Silberhalogenide als Spurenfanger fur Chelatkomplexe I. Untersuchungen zur Systematik der Sorption von Chelaten des 1,10-Phenanthrolins und verwandter Verbindungen",Z.Anal.Chem.,(1976),282, p.427-433
甲第5号証:M.Popelka et al.,"The antifungal effects of some thymol derivatives and other substances",Acta Universitatis Palackianae Olomucensis,Tom.65 Facultatis Medicae,(1973),p.5-17
甲第6号証:Constantin A.Rebeiz et al.,"Porphyric Insecticides 1.Concept and Phenomenology",Pesticide Biochemistry and Physiology",(1988),30, p.11-27

(b)当審で通知した取消しの理由の概要
当審は、上記甲第1〜6号証及び下記刊行物7〜11を提示し、(1)平成16年8月30日付けの取消理由通知においては、請求項1,11,15,23,24,26〜28,40,48,50〜55に係る発明が、また、平成17年3月17日付けの取消理由通知においては、平成17年3月7日付け訂正請求後の請求項1,26,27,32〜35,49,50,52〜54に係る発明が特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないというものであり、(2)平成16年8月30日付けの取消理由通知においては、請求項1〜55に係る発明が、また、平成17年3月17日付けの取消理由通知においては、平成17年3月7日付け訂正請求後の請求項1〜4,6,25,51,52に係る発明が特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものであり、したがって、本件発明の特許は取り消されるべきものである、というものである。
刊行物7:特開昭60-123406号公報
刊行物8:特開昭50-125031号公報
刊行物9:欧州特許出願公開326835号公報(特開平2-138201号公報参照)
刊行物10:特開昭53-52624号公報
刊行物11:特開昭60-51769号公報

(c)本件発明
上記2.で述べたように、平成17年9月26日付け訂正請求による訂正が認められるから、本件請求項1〜25に係る発明は、当該訂正による訂正明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜25に記載された以下のとおりのもの(以下、「本件発明1〜25」という。)と認める。
「【請求項1】 有効量のクロロフィル生合成モジュレーターまたはδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のクロロフィル生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと組み合わせて含む、除草組成物において、該クロロフィル生合成モジュレーターが、6,6-ジチオジニコチン酸、5-アミノ-2-メトキシピリジン、2,3-ジヒドロキシピリジン、2-ヒドロキシ-4-メチルピリジン、イソカルボスチリル、3-アミノ-2,6-ジメトキシピリジン、HCl、2-クロロ-6-メトキシピリジン、3-シアノ-4,6-ジメチル-2-ヒドロキシピリジン、ジブカイン塩酸塩、2-ヒドロキシ-3-ニトロピリジン、2,6-ジメトキシピリジン、シトラジン酸、ジ-2-ピリジルケトンオキシム、8-ヒドロキシ-5-ニトロキノリン、5-クロロ-8-ヒドロキシ-7-ヨードキノリン、5,7-ジクロロ-8-ヒドロキノリン、5,7,ジブロモ-8-ヒドロキノリン、エチル2-メチルニコチネート、プロピジウムヨージド水和物、サンギナリンクロリド、2-〔4-(ジメチルアミノ)スチリル〕-1-エチルピリジニウム、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-メチルピリジニウム、ベルベリン塩酸塩水和物、ビス-N-メチルアクリジニウムニトレート、1-(カルボキシメチル)ピリジニウムクロリド、5-フェニル-2-(4-ピリジル)オキサゾール、1,1-ジエチル-2,2-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-4,4-シアニンヨージド、1-ドデシルピリジニウムクロリド一水和物、2,4,6-コリジンp-トルエンスルホネート、1-エチル-3-OH-ピリジニウムブロミド、4-(ジメチルアミノ)ブロミドパーブロミド、6-ニトロキノリン、8-ニトロキノリン、5-ニトロキノリン、メチル3-クロロカルボニル-L-チアゾリジン-4-カルボキシレート、(-)-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸、5-(4-ジエチルアミノベンジリデン)ローダミン、5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-(4-ジメチルアミノベンジリジン)ローディニン、4-(4-ビフェニルリイ)2-メチルチアゾール、3-(4-クロロフェニル)-2-エチル-2,3,5,6 -テトラヒドロイミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-オ ラ、3,3-ジエチルチオカルボシアニンヨージド、2-アミノ-6-フルオロベンゾチアゾール、2-アミノ-5,6-ジメチルベンゾチアゾール、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-ブロモチアゾール、(+)6-アミノペニシラン酸、2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾール、2-アセチルチアゾール、ベーシックブルー66、3,6-ジメチルベンゾチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-3-エチルベンゾチアゾリウムヨージド、2-ブロモ-5-ニトロチアゾール、2-シアノ-6-メトキシベンゾチアゾール、エチル2-アミノ-4-チアゾールアセテート、3-メチルベンゾチアゾール-2-チオン、2-4-チアゾリジンジオン、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-2-チアゾリン、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、エチル2-(ホルミルアミノ)-4-チアゾールグリオキシレート、エチル2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾールアセテート、2-(トリチルアミノ)-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、1-フェニル-3-(2-トリアゾリイル-2-チオ尿素)、プソイドチオヒダントイン、3,3’-(4,4’-ビフェニレン)ビス(2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド)、ブルーテトラゾリウム、2,3,5-トリフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド、N-(4-ジメチルアミノ-3,5-ジニトロフェニル)-マレイミド、ビリルビン、トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン、アルファ-メチル-アルファ-プロピル-スクシンイミド、N-ヒドロキシスクシンイミジルアセトアセテート、N-(9-フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、4-ピロリジノピリジン、1-[2-(4-ブロモフェノキシ)エチル]ピロリジン、(S)-(+)-エチル-2-ピロリジン-5-カルボキシレート、(-)-コチニン、tert-ブチル4-アセチル-3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、ピロロ(1,2-a)キノキサリン、ピロール-2-カルボキシアルデヒド、エチル3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドール、1-メチル-2-ピロールカルボン酸、1-メチル-2-ピロールカロボキシアルデヒド、1-フルフリルピロール、1-(ジメチルアミノ)ピロール、1-(2-シアノメチル)ピロール、ジエチル2,4-ジメチルピロール-3,5-ジカルボキシレート、メチル5-(ベンゾカルボニル)-2,4-ジメチル-3-ピロール、4-メチル-2-ピラゾリン-5-オン、3,4-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリン-5-オン、プソイドチオヒドラントイン、3,3’-ジプロピルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジメチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジフェニルオキサゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メチル-2-オキサゾリジノン、2-クロロベンゾオキサゾール、2-(4-ビフェニルイル)-5-フェニル-オキサゾール、2-ベンゾオキサゾリノン、2,5-ビス(4-ビフェニルイル)オキサゾール、3,3’-ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジエチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジメチル-ベンゾオキサゾール、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプト-1-メチルイミダゾール、6-チオキサンチン、2,4,5-トリフェニルイミダゾール、4,5-ジフェニルイミダゾール、グアノシン水和物、2-エチル-4-メチル-イミダゾール、1-(メシチレンスルホニル)-イミダゾール、2,2’-ジチオビス(4-tert-ブチル-1-イソプロピルイミダゾール)、イノシン-5’-トリホスフェート二ナトリウム塩二水和物、1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾールおよびニトロフラントインからなる群から選択されることを特徴とする、前記組成物。
【請求項2】該クロロフィル生合成モジュレーターが:6,6-ジチオジニコチン酸であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】該クロロフィル生合成モジュレーターが:5-アミノ-2-メトキシピリジン、2,3-ジヒドロキシピリジン、2-ヒドロキシ-4-メチルピリジン、イソカルボスチリル、3-アミノ-2,6-ジメトキシピリジン、HCl、2-クロロ-6-メトキシピリジン、3-シアノ-4,6-ジメチル-2-ヒドロキシピリジン、ジブカイン塩酸塩、2-ヒドロキシ-3-ニトロピリジン、2,6-ジメトキシピリジンおよびシトラジン酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】該クロロフィル生合成モジュレーターが:ジ-2-ピリジルケトンオキシムであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項5】該クロロフィル生合成モジュレーターが:8-ヒドロキシ-5-ニトロキノリン、5-クロロ-8-ヒドロキシ-7-ヨードキノリン、5,7-ジクロロ-8-ヒドロキノリンおよび5,7,ジブロモ-8-ヒドロキノリンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項6】該クロロフィル生合成モジュレーターが:エチル2-メチルニコチネートであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項7】該クロロフィル生合成モジュレーターが:プロピジウムヨージド水和物およびサンギナリンクロリドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項8】該クロロフィル生合成モジュレーターが:2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-エチルピリジニウム、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-メチルピリジニウム、ベルベリン塩酸塩水和物、ビス-N-メチルアクリジニウムニトレート、1-(カルボキシメチル)ピリジニウムクロリド、5-フェニル-2-(4-ピリジル)オキサゾール、1,1-ジエチル-2,2-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-4,4-シアニンヨージド、1-ドデシルピリジニウムクロリド一水和物、2,4,6-コリジンp-トルエンスルホネート、1-エチル-3-OH-ピリジニウムブロミドおよび4-(ジメチルアミノ)ブロミドパーブロミドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項9】該クロロフィル生合成モジュレーターが:6-ニトロキノリン、8-ニトロキノリンおよび5-ニトロキノリンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項10】該クロロフィル生合成モジュレーターが:メチル3-クロロカルボニル-L-チアゾリジン-4-カルボキシレート、(-)-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸および5-(4-ジエチルアミノベンジリデン)ローディニン、からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項11】該クロロフィル生合成モジュレーターが:5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-(4-ジメチルアミノベンジリジン)ローダミン、4-(4-ビフェニルリイ)2-メチルチアゾール、3-(4-クロロフェニル)-2-エチル-2,3,5,6-テトラヒドロイミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-オラ、3,3-ジエチルチオカルボシアニンヨージド、2-アミノ-6-フルオロベンゾチアゾール、2-アミノ-5,6-ジメチルベンゾチアゾール、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-ブロモチアゾール、(+)6-アミノペニシラン酸、2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾール、2-アセチルチアゾール、ベーシックブルー66、3,6-ジメチルベンゾチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-3-エチルベンゾチアゾリウムヨージド、2-ブロモ-5-ニトロチアゾール、2-シアノ-6-メトキシベンゾチアゾール、エチル2-アミノ-4-チアゾールアセテート、3-メチルベンゾチアゾール-2-チオン、2-4-チアゾリジンジオン、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-2-チアゾリン、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、エチル2-(ホルミルアミノ)-4-チアゾールグリオキシレート、エチル2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾールアセテート、 2-(トリチルアミノ)-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、1-フェニル-3-(2-トリアゾリイル-2-チオ尿素)およびプソイドチオヒダントインからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項12】該クロロフィル生合成モジュレーターが:3,3’-(4,4’-ビフェニレン)ビス(2,5-ジフェニル-2H-テトラ ゾリウムクロリド)、ブルーテトラゾリウムおよび2,3,5-トリフェニル-2H-テトラゾリウムクロリドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項13】該クロロフィル生合成モジュレーターが:N-(4-ジメチルアミノ-3,5-ジニトロフェニル)-マレイミドおよびビリルビンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項14】該クロロフィル生合成モジュレーターが:トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン、アルファ-メチル-アルファ-プロピル-スクシンイミド、N-ヒドロキシスクシンイミジルアセトアセテート、N-(9-フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、4-ピロリジノピリジン、1-[2-(4-ブロモフェノキシ)エチル]ピロリジン、(S)-(+)-エチル-2-ピロリジン-5-カルボキシレートおよび(-)-コチニンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項15】該クロロフィル生合成モジュレーターが:tert-ブチル4-アセチル-3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレー ト、ピロロ(1,2-a)キノキサリン、ピロール-2-カルボキシアルデヒド、エチル3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドール、1-メチル-2-ピロールカルボン酸、1-メチル-2-ピロールカロボキシアルデヒド、1-フルフリルピロール、1-(ジメチルアミノ)ピロール、1-(2-シアノメチル)ピロール、ジエチル2,4-ジメチルピロール-3,5-ジカルボキシレートおよびメチル5-(ベンゾカルボニル)-2,4-ジメチル-3-ピロールからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項16】該クロロフィル生合成モジュレーターが:4-メチル-2-ピラゾリン-5-オンおよび3,4-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリン-5-オンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項17】該クロロフィル生合成モジュレーターが:プソイドチオヒドラントインからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項18】該クロロフィル生合成モジュレーターが:3,3’-ジプロピルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジメチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジフェニルオキサゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メチル-2-オキサゾリジノン、2-クロロベンゾオキサゾール、2-(4-ビフェニルイル)-5-フェニル-オキサゾール、2-ベンゾオキサゾリノン、2,5-ビス(4-ビフェニルイル)オキサゾール、3,3’-ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジエチルオキサカルボシアニンヨージドおよび2,5-ジメチル-ベンゾオキサゾールからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項19】該クロロフィル生合成モジュレーターが:2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプト-1-メチルイミダゾール、6-チオキサンチン、2,4,5-トリフェニルイミダゾール、4,5-ジフェニルイミダゾール、グアノシン水和物、2-エチル-4-メチル-イミダゾール、1-(メシチレンスルホニル)-イミダゾール、2,2’-ジチオビス(4-tert-ブチル-1-イソプロピルイミダゾール)、イノシン-5’-トリホスフェート二ナトリウム塩二水和物および1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾールからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項20】該クロロフィル生合成モジュレーターが:ニトロフラントインであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項21】有効量のポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターを含んでなるまたはδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと組み合わせて含んでなる殺虫組成物において、該ポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターが:バソフェナントロリンジスルホン酸、1,1-ジエチル-4,4-カルボシアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドロ-4-オン、1,1’-ジフェニル-4,4’-ビピリジニウムジブロミド、2-(4-(ジメチルアミノ)スチリル)-1-エチルピリジニウム、2-メトキシ-5-ニトロピリジン、メチルビオロゲンジクロリド水和物、ポリ(4-ビニルピリジニウム)ジクロメート、4-ピロリジノピリジンおよびチオフラビンTからなる群から選択されることを特徴とする殺虫組成物。
【請求項22】有効量のδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のクロリフィル生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと組み合わせて含む除草組成物において、該クロロフィル生合成モジュレーターが:6,6-ジチオジニコチン酸、5-アミノ-2-メトキシピリジン、2,3-ジヒドロキシピリジン、2-ヒドロキシ-4-メチルピリジン、イソカルボスチリル、3-アミノ-2,6-ジメトキシピリジン、HCl、2-クロロ-6-メトキシピリジン、3-シアノ-4,6-ジメチル-2-ヒドロキシピリジン、ジブカイン塩酸塩、2-ヒドロキシ-3-ニトロピリジン、2,6-ジメトキシピリジン、シトラジン酸、ジ-2-ピリジルケトンオキシム、8-ヒドロキシ-5-ニトロキノリン、5-クロロ-8-ヒドロキシ-7-ヨードキノリン、5,7-ジクロロ-8-ヒドロキノリン、5,7,ジブロモ-8-ヒドロキノリン、エチル2-メチルニコチネート、プロピジウムヨージド水和物、サンギナリンクロリド、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-エチルピリジニウム、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-メチルピリジニウム、ベルベリン塩酸塩水和物、ビス-N-メチルアクリジニウムニトレート、1-(カルボキシメチル)ピリジニウムクロリド、5-フェニル-2-(4-ピリジル)オキサゾール、1,1-ジエチル-2,2-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-4,4-シアニンヨージド、1-ドデシルピリジニウムクロリド一水和物、2,4,6-コリジンp-トルエンスルホネート、1-エチル-3-OH-ピリジニウムブロミド、4-(ジメチルアミノ)ブロミドパーブロミド、6-ニトロキノリン、8-ニトロキノリン、5-ニトロキノリン、メチル3-クロロカルボニル-L-チアゾリジン-4-カルボキシレート、(-)-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸、5-(4-ジエチルアミノベンジリデン)ローダミン、5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-(4-ジメチルアミノベンジリジン)ローディニン、4-(4-ビフェニルリイ)2-メチルチアゾール、3-(4-クロロフェニル)-2-エチル-2,3,5,6-テトラヒドロイミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-オラ、3,3-ジエチルチオカルボシアニンヨージド、2-アミノ-6-フルオロベンゾチアゾール、2-アミノ-5,6-ジメチルベンゾチアゾール、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-ブロモチアゾール、(+)6-アミノペニシラン酸、2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾール、2-アセチルチアゾール、ベーシックブルー66、3,6-ジメチルベンゾチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-3-エチルベンゾチアゾリウムヨージド、2-ブロモ-5-ニトロチアゾール、2-シアノ-6-メトキシベンゾチアゾール、エチル2-アミノ-4-チアゾールアセテート、3-メチルベンゾチアゾール-2-チオン、2-4-チアゾリジンジオン、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-2-チアゾリン、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、エチル2-(ホルミルアミノ)-4-チアゾールグリオキシレート、エチル2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾールアセテート、2-(トリチルアミノ)-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、1-フェニル-3-(2-トリアゾリイル-2-チオ尿素)、プソイドチオヒダントイン、3,3’-(4,4’-ビフェニレン)ビス(2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド)、ブルーテトラゾリウム2,3,5-トリフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド、N-(4-ジメチルアミノ-3,5-ジニトロフェニル)-マレイミド、ビリルビン、トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン、アルファ-メチル-アルファ-プロピル-スクシンイミド、N-ヒドロキシスクシンイミジルアセトアセテート、N-(9-フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、4-ピロリジノピリジン、1-[2-(4-ブロモフェノキシ)エチル]ピロリジン、(S)-(+)-エチル-2-ピロリジン-5-カルボキシレート、(-)-コチニン、tert-ブチル4-アセチル-3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、ピロロ(1,2-a)キノキサリン、ピロール-2-カルボキシアルデヒド、エチル3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドール、1-メチル-2-ピロールカルボン酸、1-メチル-2-ピロールカロボキシアルデヒド、1-フルフリルピロール、1-(ジメチルアミノ)ピロール、1-(2-シアノメチル)ピロール、ジエチル2,4-ジメチルピロール-3,5-ジカルボキシレート、メチル5-(ベンゾカルボニル)-2,4-ジメチル-3-ピロール、4-メチル-2-ピラゾリン-5-オン、3,4-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリン-5-オン、プソイドチオヒドラントイン、3,3’-ジプロピルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジメチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジフェニルオキサゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メチル-2-オキサゾリジノン、2-クロロベンゾオキサゾール、2-(4-ビフェニルイル)-5-フェニル-オキサゾール、2-ベンゾオキサゾリノン、2,5-ビス(4-ビフェニルイル)オキサゾール、3,3’-ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジエチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジメチル-ベンゾオキサゾール、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプト-1-メチルイミダゾール、6-チオキサンチン、2,4,5-トリフェニルイミダゾール、4,5-ジフェニルイミダゾール、グアノシン水和物、2-エチル-4-メチル-イミダゾール、1-(メシチレンスルホニル)-イミダゾール、2,2’-ジチオビス(4-tert-ブチル-1-イソプロピルイミダゾール)、イノシン-5’-トリホスフェート二ナトリウム塩二水和物、1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾールおよびニトロフラントインからなる群から選択されることを特徴とする除草組成物。
【請求項23】有効量のクロロフィル生合成モジュレーターにまたはδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のクロリフィル生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと共に含むものに該植物を接触させることを含む除草方法において、該クロロフィル生合成モジュレーターが:6,6-ジチオジニコチン酸、5-アミノ-2-メトキシピリジン、2,3-ジヒドロキシピリジン、2-ヒドロキシ-4-メチルピリジン、イソカルボスチリル、3-アミノ-2,6-ジメトキシピリジン、HCl、2-クロロ-6-メトキシピリジン、3-シアノ-4,6-ジメチル-2-ヒドロキシピリジン、ジブカイン塩酸塩、2-ヒドロキシ-3-ニトロピリジン、2,6-ジメトキシピリジン、シトラジン酸、ジ-2-ピリジルケトンオキシム、8-ヒドロキシ-5-ニトロキノリン、5-クロロ-8-ヒドロキシ-7-ヨードキノリン、5,7-ジクロロ-8-ヒドロキノリン、5,7,ジブロモ-8-ヒドロキノリン、エチル2-メチルニコチネート、プロピジウムヨージド水和物、サンギナリンクロリド、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-エチルピリジニウム、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-メチルピリジニウム、ベルベリン塩酸塩水和物、ビス-N-メチルアクリジニウムニトレート、1-(カルボキシメチル)ピリジニウムクロリド、5-フェニル-2-(4-ピリジル)オキサゾール、1,1-ジエチル-2,2-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-4,4-シアニンヨージド、1-ドデシルピリジニウムクロリド一水和物、2,4,6-コリジンp-トルエンスルホネート、1-エチル-3-OH-ピリジニウムブロミド、4-(ジメチルアミノ)ブロミドパーブロミド、6-ニトロキノリン、8-ニトロキノリン、5-ニトロキノリン、メチル3-クロロカルボニル-L-チアゾリジン-4-カルボキシレート、(-)-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸、5-(4-ジエチルアミノベンジリデン)ローダミン、5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-(4-ジメチルアミノベンジリジン)ローディニン、4-(4-ビフェニルリイ)2-メチルチアゾール、3-(4-クロロフェニル)-2-エチル-2,3,5,6-テトラヒドロイミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-オラ、3,3-ジエチルチオカルボシアニンヨージド、2-アミノ-6-フルオロベンゾチアゾール、2-アミノ-5,6-ジメチルベンゾチアゾール、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-ブロモチアゾール、(+)6-アミノペニシラン酸、2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾール、2-アセチルチアゾール、ベーシックブルー66、3,6-ジメチルベンゾチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-3-エチルベンゾチアゾリウムヨージド、2-ブロモ-5-ニトロチアゾール、2-シアノ-6-メトキシベンゾチアゾール、エチル2-アミノ-4-チアゾールアセテート、3-メチルベンゾチアゾール-2-チオン、2-4-チアゾリジンジオン、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-2-チアゾリン、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、エチル2-(ホルミルアミノ)-4-チアゾールグリオキシレート、エチル2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾールアセテート、2-(トリチルアミノ)-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、1-フェニル-3-(2-トリアゾリイル-2-チオ尿素)、プソイドチオヒダントイン、3,3’-(4,4’-ビフェニレン)ビス(2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド)、ブルーテトラゾリウム2,3,5-トリフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド、N-(4-ジメチルアミノ-3,5-ジニトロフェニル)-マレイミド、ビリルビン、トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン、アルファ-メチル-アルファ-プロピル-スクシンイミド、N-ヒドロキシスクシンイミジルアセトアセテート、N-(9-フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、4-ピロリジノピリジン、1-[2-(4-ブロモフェノキシ)エチル]ピロリジン、(S)-(+)-エチル-2-ピロリジン-5-カルボキシレート、(-)-コチニン、tert-ブチル4-アセチル-3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、ピロロ(1,2-a)キノキサリン、ピロール-2-カルボキシアルデヒド、エチル3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドール、1-メチル-2-ピロールカルボン酸、1-メチル-2-ピロールカロボキシアルデヒド、1-フルフリルピロール、1-(ジメチルアミノ)ピロール、1-(2-シアノメチル)ピロール、ジエチル2,4-ジメチルピロール-3,5-ジカルボキシレート、メチル5-(ベンゾカルボニル)-2,4-ジメチル-3-ピロール、4-メチル-2-ピラゾリン-5-オン、3,4-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリン-5-オン、プソイドチオヒドラントイン、3,3’-ジプロピルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジメチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジフェニルオキサゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メチル-2-オキサゾリジノン、2-クロロベンゾオキサゾール、2-(4-ビフェニルイル)-5-フェニル-オキサゾール、2-ベンゾオキサゾリノン、2,5-ビス(4-ビフェニルイル)オキサゾール、3,3’-ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジエチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジメチル-ベンゾオキサゾール、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプト-1-メチルイミダゾール、6-チオキサンチン、2,4,5-トリフェニルイミダゾール、4,5-ジフェニルイミダゾール、グアノシン水和物、2-エチル-4-メチル-イミダゾール、1-(メシチレンスルホニル)-イミダゾール、2,2’-ジチオビス(4-tert-ブチル-1-イソプロピルイミダゾール)、イノシン-5’-トリホスフェート二ナトリウム塩二水和物、1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾールおよびニトロフラントインからなる群から選択されることを特徴とする、前記方法。
【請求項24】有効量のδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと組み合わせて含んでなる殺虫組成物において、該ポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターが:バソフェナントロリンジスルホン酸、1,1-ジエチル-4,4-カルボシアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドロ-4-オン、1,1’-ジフェニル-4,4’-ビピリジニウムジブロミド、2-(4-(ジメチルアミノ)スチリル)-1-エチルピリジニウム、2-メトキシ-5-ニトロピリジン、メチルビオロゲンジクロリド水和物、ポリ(4-ビニルピリジニウム)ジクロメート、4-ピロリジノピリジンおよびチオフラビンTからなる群から選択されることを特徴とする殺虫組成物。
【請求項25】有効量のポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターにまたはδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと組み合わせたものに該虫を接触させることを含む殺虫方法において、該ポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターが:バソフェナントロリンジスルホン酸、1,1-ジエチル-4,4-カルボシアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドロ-4-オン、1,1’-ジフェニル-4,4’-ビピリジニウムジブロミド、2-(4-(ジメチルアミノ)スチリル)-1-エチルピリジニウム、2-メトキシ-5-ニトロピリジン、メチルビオロゲンジクロリド水和物、ポリ(4-ビニルピリジニウム)ジクムメート、4-ピロリジノピリジンおよびチオフラビンTからなる群から選択されることを特徴とする、前記方法。」

(d)甲各号証及び各刊行物の記載事項
甲第1〜6号証及び刊行物7〜11には、以下の事項が記載されている。

甲第1号証:
(1)茎葉処理型の新しいタイプの除草剤を鋭意検討した結果、従来から黄色染料として広く用いられているチオフラビン-T及びその類縁体である下記2-フェニルベンゾチアゾリウム塩誘導体[一般式(I)]

が高い除草活性を有することを見出したこと。(特許請求の範囲、2頁左上欄3〜末行、3頁右上欄10行〜4頁右上欄末行)

甲第2号証:
(2)「1.δ-アミノレブリン酸、δ-アミノレブリン酸の誘導物質、δ-アミノレブリン酸の光動力的テトラピロールへの転換の促進剤、およびジビニルテトラピロールのモノビニルテトラピロールへの転換の抑制剤からなる群より選ばれた1種またはそれ以上の化合物を含有する除草剤組成物。」(特許請求の範囲の請求項1)
(3)「次の工程:(a)植物に、δ-アミノレブリン酸、δ-アミノレブリン酸の誘導物質、δ-アミノレブリン酸の光動力的テトラピロールへの転換の促進剤、およびジビニルテトラピロールのモノビニルテトラピロールへの転換の抑制剤からなる群より選ばれた1種またはそれ以上の化合物を含有する組成物を接触させ、そして(b)工程(a)で処理した植物を光に暴露する、を含んでなる植物を枯死させる方法。」(特許請求の範囲の請求項33)
(4)「今や、δ-アミノレブリン酸および/またはδ-アミノレブリン酸の誘導物質(inducer)および/またはδ-アミノレブリン酸の光動力的テトラピロールへの転換の促進剤(enhancer)および/またはジビニルテトラピロールのモノビニルテトラピロールへの転換の抑制剤(inhibitor)を含有する組成物は植物に適用され次いでその植物が光に暴露される場合に安全で、有効で選択性のある除草剤となることが発見された。本発明の除草剤組成物は、光動力的テトラピロール中間体の誘導された蓄積を含むと考えられている作用によって植物組織の死および破壊をもたらす。」(3頁右下欄17行〜4頁左上欄1行)
(5)「第I図に示したように、ALAがテトラピロール中間体の合成を刺激すると、そのテトラピロール中間体は通常日光の存在において種々の形のChlaに転換される。しかしながら、この律速の転換は暗所では起こらない。日光のない状態では、テトラピロール中間体はそのそれぞれの代謝プールに少量蓄積する。光への曝露後、Chlaへの転換が再び始まりプールは空になる。」(4頁左下欄6〜13行)
(6)「今や、生きている緑色植物は外因的ALAへの暴露によって生きている植物に通常見い出されるレベルを越える多量の光動力的テトラピロール中間体を人為的に蓄積するように誘導され得ること、およびこのようにして人為的に誘導された高レベルは誘導された植物を次に日光へ暴露することが致命的である程十分に光動力的であることが見い出された。これは驚くべきことである。なぜならば、全緑色植物は葉の伸長および修復に遅れないに十分な速度でのみクロロフィルを合成するからであり、この速度が致死量のテトラピロールの蓄積を許容するに十分であるということは従来考えられていなかったからである。蓄積されたテトラピロールは極めて強力な酸化体である一重項酸素の形成に光増感を与えると考えられる。一重項の酸素は迅速に植物細胞膜のりリポタンバク質成分を酸化して、高分解遊離基連鎖反応を始動させる。」(4頁右下欄4〜18行)
(7)「さらに、外因的ALAへの暴露のほかに、ALAの誘導物質に生きている植物を暴露することによっても植物組織中に多量の光動力的テトラピロール中間体の蓄積が起こることが見い出された。「ALAの誘導物質」または「誘導物質」とは、植物に適用された場合に、植物を刺激して前述した外因的ALAと同じ効果を持つ内因的ALAを正常量より多量に生ずる化合物をいう。従って、本発明の除草剤組成物はALA自体に加えてまたはそれに代えて1種またはそれ以上のALAの誘導物質を含んでいることができる。限定的でない誘導物質の例は、例えば、o-フェナントロリン、1,7-フェナントロリン、4,7-フェナントロリンおよびフェナントリジンであり、」(5頁右上欄7〜18行)
(8)「2,2’-ジピリジルは切取られた植物組織においてテトラピロールの生合成および蓄積を促進することが証明された。例えば、デュガン、ジェイ.(Duggan、J.)およびエム.ガスマン(M.Gassman)、プラント フィジオル.(Plant Physiol.)53:206〜215頁(1974年)を参照されたい。しかしながら、所定の化合物が全緑色植物においてALAの促進剤として機能することは従来知られておらず今初めて発見された。「ALAの促進剤」または「促進剤」とは生きている全緑色植物に適用された場合に処理された植物の外因的または内因的ALAを光動力的テトラビロールに転換する能力を高める化合物をいう。従って、本発明の除草剤組成物はALAまたはALAの誘導物質に加えてまたはそれらに代えて1種またはそれ以上のALAの促進剤を含んでいることができる。限定的でない適当な促進剤の例は、例えば、2,2’-ジピリジル(2,2’-DP)、2,3’-ジピリジル(2,3’-DP)、4,4’-ジピリジル(4,4’-DP)、ピリジンアルデヒド、ピリジンアルドオキシムおよびピコリン酸であり、」(5頁右上欄下から4行〜左下欄14行)
(9)「DV植物種において、人為的な多量のDVテトラピロールまたは等しいかもしくは低いレベルのMVテトラピロールの蓄積は次の光への暴露移植物にとって致死的であり、一方MV植物種においてはその逆が真であり、すなわち人為的な多量のMVテトラピロールまたは等しいかもしくは低いレベルのDVテトラピロールの蓄積は次の光への暴露後致死的であることが発見された。ALAおよび/または誘導物質および/または促進剤の所定の配合物はMV植物におけるMVテトラピロールの蓄積に好都合であり、一方他のそのような配合物はMV植物におけるDVテトラピロールの蓄積に好都合であることも発見された。同様に、ALAおよび/または誘導物質および/または促進剤の所定の配合物はDV植物におけるDVテトラピロールの蓄積に好都合であり、一方他の配合物はDV植物におけるMVテトラピロールの蓄積に好都合である。さらに、所定の化合物はDV抑制剤として機能することが発見された「DV抑制剤」または「抑制剤」とは、植物に適用された場合に、DVテトラピロールのMVテトラビロールへの転換を抑制する化合物をいう。限定的でない抑制剤の例は2,3’-DP、2,4’-DPおよび4,4’-DPである。」(5頁右下欄13行〜6頁左上欄7行)

甲第3号証:(摘示は和訳で示す。)
(10)「α,α’-ジピリジル、o-フエナンスロリン、ピリジン-2-アルドキシム、ピリジン-2-アルデヒド、8-ヒドロキシキノリン、又はピコリン酸を暗所で吸収させた、黄化した発芽後7〜9日のphaseolus vulgaris L.var.Red Kidneyの苗木の初生葉は、大量のマグネシウムプロトポルフィリンモノメチルエステルと、少量のマグネシウムプロトポルフィリン、プロトポルフィリン、及びプロトクロロフィライドを生成する。この色素形成は、10mMのα,α’-ジピリジルによる真空浸透後21時間の間一次関数的に進行する。Zea mays L.,Cucumis sativus L.,及びPisum sativum L.を暗所で栽培した組織も、ジピリジル処理で同様に応答する。この応答を引き起こす化合物は、二座キレート剤として作用するもので、鉄と極めて安定な錯体を形成する芳香族複素環窒素系塩基である。エチレンジアミン四酢酸、サリシルアルドキシム、及びジエチルジチオカーバメートナトリウムなどといったその他の金属イオンキレート剤は、色素形成を誘起しない。また、α,α’-ジピリジルの第一鉄、第二鉄、コバルト及び亜鉛の各キレート物も同様に効果がない。黄化した豆の葉にレブリン酸とα,α’-ジピリジルを与えると、ポルフイリン生成は阻害され、δ-アミノレブリン酸が組織中に蓄積する。ポルフィリン生成は、450mg/mlのクロラムフェニコール又は50μg/mlのシクロヘキシミドの存在下で、ごく一部は減損するが進行する。われわれは、ヘム錯体又は鉄-蛋白錯体が、黄化した葉中でδ-アミノレブリン酸の生成を支配する酵素の作用を阻害すること、鉄キレート剤はこの阻害と拮抗し、δ-アミノレブリン酸とポルフィリンの生合成に導くことを発議します。」(アブストラクト)

甲第4号証:(摘示は和訳で示す。)
(11)4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、フェニルピリジル-(2)-ケトオキシムがキレート剤であること。(429頁表1)

甲第5号証:(摘示は和訳で示す。)
(12)1,10-フェナントロリン、5-ニトロ-1,10-フェナントロリン、4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン、フェニル-2-ピリジルケトオキシム、シュードチオヒダントインがキレート剤であること。(10頁表2)

甲第6号証:(摘示は和訳で示す。)
(13)「殺虫剤の設計に対して、新しいアプローチのコンセプト及び現象を開示する。その殺虫剤は、ポルフィリン-ヘム生合成経路のモジュレーターで構成され、単独又はδ-アミノレブリン酸と組み合わせることで、虫体内におけるプロトポルフィリンIXの大量蓄積を誘発する。このプロトポルフィリン生合成の制御不能により、暗所及び光照射下において、虫は死に至る。光照射下において、その死が光力学的作用であることは本質的に明らかである。外因性プロトポルフィリン又はMg-プロトポルフィリンで虫を処理することで光力学的殺傷が誘発されうることも明らかである。我々は、この殺虫剤を指す言葉として「ポルフィリン系殺虫剤」という語を提案する。ポルフィリン系殺虫剤の魅力は、(a)選択性を有する光力学的殺虫・除草剤として作用し得る、なおかつ多岐にわたって総合的な生分解性の構築を設計出来る潜在能力にあること(b)そしてこのような殺虫剤に対して、虫が耐性を獲得することが予想として困難であることをここで論説する。」(アブストラクト)
(14)

(20頁表6)

刊行物7:
(15)「本発明で使用されるサイトカイニン作用物質はベンタゾンと組合わせることにより、除草効果を発揮しうるものであつて、例えば次に示すものが好ましい。・・・(18)6-フルフリルアミノプリン」(2頁左下欄5行〜3頁左下欄1行)

刊行物8:
(16)「一般式(I)


(式中Rは水素原子または低級アルキル基を示す)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とする殺昆虫、殺ダニ及び除草剤。」(特許請求の範囲)

刊行物9:(摘示は和訳で示す。)
(17)「(1)デルタ-アミノレブリン酸、デルタ-アミノレブリン酸誘導剤、およびデルタ-アミノレブリン酸のテトラピロール類への転換増強剤からなる群から選択された1つまたはそれ以上の化合物の殺虫有効量を含有する殺虫剤。」(特許請求の範囲の請求項1)
(18)「(9)デルタ-アミノレブリン酸、2,2’-ジピリジル、1,10-4-メチル-1,10-フェナントロリン、5-ニトロ-1,10-フェナントロリン、5-メチル-1,10-フェナントロリン、5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、5-クロロ-1,10-フェナントロリン、3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン、および2,2’-ジチオビス(ピリジンNオキシド)からなる群から選択された1種またはそれ以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の殺虫剤。」(特許請求の範囲の請求項9)
(19)「(23)デルタ-アミノレブリン酸、2,2’-ジピリジル、1,10-フェナントロリン、4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4-メチル-1,10-フェナントロリン、5-ニトロ-1,10-フェナントロリン、5-メチル-1,10-フェナントロリン、5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、5-クロロ-1,10-フェナントロリン、3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン、2,2’-ジチオ-ビス(ピリジンN-オキシド)、4,4’-ジメチル-2,2’-ジピリジル、フェニル2-ピリジルケトオキシム、および2,2’:6’,2”-ターピリジンからなる群から選択された1種またはそれ以上の化合物を使用することを具備する請求項10、18または19いずれか1項に記載の方法。」(特許請求の範囲の請求項23)
(20)「従って、本発明の殺虫組成物は、ALAに加えて、もしくはこれに変えてALAの一若しくは二以上の誘引剤を具備している。誘引剤の例として、2,2’-ジピリジル;1,10-フェナントロリン;4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン;4-メチル-1,10-フェナントロリン;5-ニトロ-1,1〇-フェナントロリン;5-メチル-1,10-フェナントロリン;5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリン;4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン;5-クロロ-1,10-フェナントロリン;3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン;2.2’-ジチオビス(ピリジン-N-オキシド);4,4’-ジメチル-2,2’-ジピリジル;フェニル-2-ピリジルケトキシム;及び2,2’:6’,2”-テルピリジンがある。さらにある化合物は、昆虫中でALAがテトラピロールに転換するのを増強するALA増強剤として機能することが見出された。「ALA増強剤」又は「増強剤」は、これを昆虫に適用した時、外来及び内生のALAが殺虫性のテトラピロールに転換されることについて、その昆虫の能力を増強する化合物を意味する。従って、本発明の殺虫組成物は、外来ALA又はALAの誘引剤とともに又はこれらに変えてALAの増強剤を-又は二以上具備している。その適切な例を挙げれば、この例に限定されるものではないが、2’-ジピリジル;1,10-フェナントロリン;4-7-ジメチル-1.10-フェナントロリン;4-メチル-1,10-フェナントロリン;5-ニトロ-1,10-フェナントロリン;5-メチル-1,1〇-フェナントロリン;5,6-ジメチル-1.10-フェナントロリン;4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン;5-クロロ-1,10-フェナントロリン;3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン;2,2’-ジチオビス(ピリジン-N-オキシド);4,4’-ジメチル-2,2’-ジピリジル;フェニル-2-ピリジルケトキシム;及び2,2’:6’,2”-テルピリジンがある。一つの組成物中で誘引剤として機能するある化合物は、他の組成物中で増強剤又は別の濃度で増強剤として機能する。さらにまたある化合物(例えば2,2’-ジピリジル;1,10-フェナントロリン;4-7-ジメチル-1,10-フェナントロリン;4-メチル-1,10-フェナントロリン;5-ニトロ-1,10-フェナントロリン;5-メチル-1,10-フェナントロリン;5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリン;4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン;5-クロロ-1,10-フェナントロリン;3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン;2,2’-ジチオビス(ピリジン-N-オキシド);4,4’-ジメチル-2,2’-ジピリジル;フェニル-2-ピリジルケトキシム;及び2,2’:6’,2”-テルピリジン)は、誘引剤及び増強剤として同時に機能する。」(7頁52行〜8頁15行)
(21)「実施例14 代替の誘導剤および/または増強剤の投与 ワルドバウエル(Waldbauer)の培地を対流オーブン中で57〜65℃に熱し、4mM ALAおよび種々の試験化合物の1つ(3mM)と合せた。この混合物をソルバールオムニミキサー中で2分間ブレンドした。上記のように、T.ni幼虫を処理した餌とともに暗中で17時間置いた。暗期間の終点(露光前)および温室中3日後にそれぞれ幼虫死を測定した。
ブランク(未処理)餌からなる対照を、試験した各化合物について実施した。結果を第19表に示す。

」(30頁42行〜32頁50行)
(22)デルタ-アミノレブリン酸は5つの炭素のアミノ酸であり、多くの生きている動物及び植物細胞に見られること。(2頁20〜21行)
(23)「とくに生きている昆虫では、外来のALAにさらすことにより、テトラピロール中間体の蓄積が誘引され、この量は、このような昆虫で通常見出されるレベルよりも過剰な人工的に高い量であり、そしてこのように誘引された人工的に高いレベルは昆虫にとって毒であることを見出した。」(7頁3〜5行)

刊行物10:
(24)「1.一般式:

[式中Halはハロゲン原子を表す]の化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする、害虫撲滅剤」(特許請求の範囲の請求項1)
(25)「

」(3頁右下欄の表)

刊行物11:
(26)「防虫剤としては次に示す如く多種の薬剤が使用出来る。・・・2-(4-チアゾリル)ベンツイミダゾール」(4頁右下欄2行〜5頁左上欄2行)

(e)判断
<特許法第29条第1項について>
上記3.(a)、(b)で特許法第29条第1項第3号に該当すると指摘された発明は、本件発明1,11,19〜25に対応するものであるから、これらの発明について検討する。
(なお、平成17年3月7日付け訂正請求により訂正前の請求項28が削除され、請求項29以下の請求項番号が1つずつ繰り上がったが、この訂正請求は平成17年9月26日付けで取下げられ、平成17年9月26日付けの訂正請求により請求項番号は上記2.(a)オ.に示すようにそれぞれ繰り上がった。)
本件発明1,11,19,20,22及び23はいずれも特定の化合物をクロロフィル生合成モジュレーターとして用いる除草組成物、除草方法についてのものであるが、甲第1又は2号証或いは刊行物7又は8に記載の化合物とは相違しているから、上記特定の化合物をクロロフィル生合成モジュレーターとして除草組成物、除草方法に用いることは上記甲第1又は2号証或いは刊行物7又は8に記載されていない。
また、本件発明21,24及び25は特定の化合物をポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターとして用いる殺虫組成物、殺虫方法についてのものであるが、甲第6号証又は刊行物8〜11に記載の化合物とは相違しているから、上記特定の化合物をポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターとして殺虫組成物、殺虫方法に用いることは上記甲第6号証又は刊行物8〜11に記載されていない。
したがって、本件発明1,11,19〜25は、甲第1,2又は6号証或いは刊行物7〜11に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。

<特許法第29条第2項について>
A.本件発明1〜20,22及び23について
甲第2号証には、「δ-アミノレブリン酸、δ-アミノレブリン酸の誘導物質、δ-アミノレブリン酸の光動力的テトラピロールへの転換の促進剤、およびジビニルテトラピロールのモノビニルテトラピロールへの転換の抑制剤からなる群より選ばれた1種またはそれ以上の化合物を含有する除草剤組成物」の発明が記載されている(摘記2)。
本件発明1〜20,22及び23は、クロロフィル生合成モジュレーターを用いるものであるが、該モジュレーターとは「ALA合成の誘発物質、テトラピロールへのALA変換のエンハンサーおよびモノビニルテトラピロールへのジビニルテトラピロールの変換の抑制剤からなる群から選択される」ものであり(訂正明細書段落【0018】)、実質的に甲第2号証に記載されたδ-アミノレブリン酸の誘導物質、δ-アミノレブリン酸の光動力的テトラピロールへの転換の促進剤及びジビニルテトラピロールのモノビニルテトラピロールへの転換の抑制剤と異なるものではない。
しかしながら、本件発明1〜20,22及び23においてクロロフィル生合成モジュレーターとして特定される化合物については、甲第2号証に記載されていない。そして、甲第2号証には、δ-アミノレブリン酸の誘導物質、δ-アミノレブリン酸の光動力的テトラピロールへの転換の促進剤、およびジビニルテトラピロールのモノビニルテトラピロールへの転換の抑制剤としていくつかの化合物が例示されているに過ぎず(摘記7〜9)、同号証のその他の記載をみても、本件発明1〜20,22及び23において特定される化合物が示唆されているとはいえないから、当該化合物をクロロフィル生合成モジュレーターとして含む除草組成物、除草方法とすることが容易であるとすることはできない。
また、甲第3号証には、α,α’-ジピリジル等が暗所において植物中のマグネシウムプロトポルフィリンモノメチルエステルなどの色素生成を一次関数的に進行させること、α,α’-ジピリジルが鉄等のキレート剤であること等が記載されているが(摘記10)、本件発明1〜20,22及び23において特定される化合物をクロロフィル生合成モジュレーターとして含む除草組成物、除草方法は示唆されていない。
さらに、甲第4,5号証には、特定の化合物がキレート剤であることが記載されているに過ぎず(摘記11,12)、本件発明1〜20,22及び23において特定される化合物をクロロフィル生合成モジュレーターとして含む除草組成物、除草方法は示唆されていない。
そして、甲第2号証に記載された発明は、δ-アミノレブリン酸の誘導物質、δ-アミノレブリン酸の光動力的テトラピロールへの転換の促進剤、およびジビニルテトラピロールのモノビニルテトラピロールへの転換の抑制剤を除草剤組成物として用いるものであるのに対し、甲第3〜5号証には本件発明1〜20,22及び23で特定される化合物とは異なる化合物がキレート剤であるであること等が記載されているに過ぎないから、甲第2〜5号証に記載された発明を組合わせて、本件発明1〜20,22及び23で特定される化合物をクロロフィル生合成モジュレーターとして含む除草組成物、除草方法とすることはできない。一方、本件発明1〜20,22及び23は当該特定の化合物をクロロフィル生合成モジュレーターとして含むことによって除草組成物、除草方法とすることができたものである。
したがって、本件発明1〜20,22及び23は、甲第2〜5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。
B.本件発明21,24及び25について
摘記13及び14からみて、甲第6号証には、「ポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターであるDPY(2,2’-ジピリジル)を単独又はALA(δ-アミノレブリン酸)と組合わせて、虫体内のプロトポルフィリンIXの大量蓄積を誘発し、殺虫効果を得る殺虫剤」の発明が記載されているものと認める。しかしながら、甲第6号証には、ポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターとして、DPYが記載されているに過ぎず、本件発明21,24及び25においてポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターとして特定される化合物は記載されておらず、該化合物を示唆する記載もない。
そして、甲第6号証に記載された発明は、ポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターを殺虫剤として用いるものであるのに対し、甲第3〜5号証には本件発明21,24及び25で特定される化合物とは異なる化合物がキレート剤であるであること等が記載されているに過ぎないから、甲第3〜6号証に記載された発明を組合わせて、本件発明21,24及び25で特定される化合物をポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターとして含む殺虫組成物、殺虫方法とすることはできない。また、刊行物9にも本件発明21,24及び25において特定される化合物をポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターとして含む殺虫組成物、殺虫方法が示唆されているとはいえない。一方、本件発明21,24及び25は当該特定の化合物をポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターとして含むことによって、殺虫組成物、殺虫方法とすることができたものである。
したがって、本件発明21,24及び25は甲第3〜6号証及び刊行物9に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

<特許法第36条第4項、第5項及び第6項について>
特許異議申立人は、本件に係る特許出願は特許法第36条第4項及び第6項第2号に規定する要件を満たしていない旨主張しているが、本件に係る特許出願の出願日は平成3年5月2日であるので、平成6年法律第116号による改正前の特許法第36条第4項、第5項及び第6項について判断する。 特許異議申立人が記載不備であるとする理由は、A.本件発明のクロロフィル生合成モジュレーターが金属をキレートする状態、すなわち金属が多量に存在する系では、除草効果を奏しないことが明らかであるにもかかわらず、本件特許明細書の実施例には金属の存在量が記載されておらず、どのような条件で本件発明を実施すればよいのか不明であるから、本件特許明細書には当業者がその発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されていない、B.訂正前の本件請求項1〜55には、金属量についての記載が全くないから、除草効果及び殺虫効果を奏さない場合も含んでおり、本件請求項1〜55に係る発明は明確でない、C.訂正前の請求項26〜50に係る発明はクロロフィル生合成モジュレーターを用いる殺虫剤組成物に関するものであるが、本件特許明細書の実施例にはクロロフィル生合成モジュレーターを用いた殺虫剤組成物については全く記載されていないため、請求項26〜50に係る発明については、本件特許明細書中に当業者がその発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されていない、というものである。
しかしながら、Aについては、本件請求項1〜20,22及び23においては、金属を含有することが構成に欠くことができないものであるとはされていないから、実施例において金属の存在量を必ず記載しなければならないというものではなく、本件訂正明細書段落【0029】〜【0034】には、モジュレーター、キャリヤー、他の添加剤、剤型、適用方法等について、同【0037】〜【0092】には、具体的な適用例及びその結果が記載されているから、実施例において金属の存在量が記載されていなくとも、上記本件訂正明細書の記載に基づいて、当業者は、本件発明1〜20,22及び23を容易に実施し得るものと認められ、Bについては、Aからみて、除草効果及び殺虫効果を奏さない場合とは金属が多量に存在する場合のことと認められるが、そもそも本願請求項1〜25においては金属について記載されていないから、金属は本件発明1〜25の構成に欠くことができない成分ではなく、したがって、金属についてその存在量を記載する必要も認められず、Cについては、訂正前の請求項26〜50は訂正により削除されているため申立人主張の不備はない、から、本願明細書の記載に申立人主張のいずれの不備も存在しない。
したがって、本件出願は明細書の記載が特許法第36条第4項、第5項及び第6項に規定する要件を満たしていないものということはできない。

(f)むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては本件発明1〜25についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1〜25についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明1〜25についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
除草および殺虫組成物並びに除草および殺虫方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】有効量のクロロフィル生合成モジュレーターまたはδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のクロロフィル生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと組み合わせて含む、除草組成物において、該クロロフィル生合成モジュレーターが、6,6-ジチオジニコチン酸、5-アミノ-2-メトキシピリジン、2,3-ジヒドロキシピリジン、2-ヒドロキシ-4-メチルピリジン、イソカルボスチリル、3-アミノ-2,6-ジメトキシピリジン、HCl、2-クロロ-6-メトキシピリジン、3-シアノ-4,6-ジメチル-2-ヒドロキシピリジン、ジブカイン塩酸塩、2-ヒドロキシ-3-ニトロピリジン、2,6-ジメトキシピリジン、シトラジン酸、ジ-2-ピリジルケトンオキシム、8-ヒドロキシ-5-ニトロキノリン、5-クロロ-8-ヒドロキシ-7-ヨードキノリン、5,7-ジクロロ-8-ヒドロキノリン、5,7,ジブロモ-8-ヒドロキノリン、エチル2-メチルニコチネート、プロピジウムヨージド水和物、サンギナリンクロリド、2-〔4-(ジメチルアミノ)スチリル〕-1-エチルピリジニウム、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-メチルピリジニウム、ベルベリン塩酸塩水和物、ビス-N-メチルアクリジニウムニトレート、1-(カルボキシメチル)ピリジニウムクロリド、5-フェニル-2-(4-ピリジル)オキサゾール、1,1-ジエチル-2,2-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-4,4-シアニンヨージド、1-ドデシルピリジニウムクロリド一水和物、2,4,6-コリジンp-トルエンスルホネート、1-エチル-3-OH-ピリジニウムブロミド、4-(ジメチルアミノ)ブロミドパーブロミド、6-ニトロキノリン、8-ニトロキノリン、5-ニトロキノリン、メチル3-クロロカルボニル-L-チアゾリジン-4-カルボキシレート、(-)-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸、5-(4-ジエチルアミノベンジリデン)ローダミン、5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-(4-ジメチルアミノベンジリジン)ローディニン、4-(4-ビフェニルリイ)2-メチルチアゾール、3-(4-クロロフェニル)-2-エチル-2,3,5,6-テトラヒドロイミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-オラ、3,3-ジエチルチオカルボシアニンヨージド、2-アミノ-6-フルオロベンゾチアゾール、2-アミノ-5,6-ジメチルベンゾチアゾール、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-ブロモチアゾール、(+)6-アミノペニシラン酸、2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾール、2-アセチルチアゾール、ベーシックブルー66、3,6-ジメチルベンゾチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-3-エチルベンゾチアゾリウムヨージド、2-ブロモ-5-ニトロチアゾール、2-シアノ-6-メトキシベンゾチアゾール、エチル2-アミノ-4-チアゾールアセテート、3-メチルベンゾチアゾール-2-チオン、2-4-チアゾリジンジオン、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-2-チアゾリン、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、エチル2-(ホルミルアミノ)-4-チアゾールグリオキシレート、エチル2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾールアセテート、2-(トリチルアミノ)-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、1-フェニル-3-(2-トリアゾリイル-2-チオ尿素)、プソイドチオヒダントイン、3,3’-(4,4’-ビフェニレン)ビス(2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド)、ブルーテトラゾリウム、2,3,5-トリフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド、N-(4-ジメチルアミノ-3,5-ジニトロフェニル)-マレイミド、ビリルビン、トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン、アルファ-メチル-アルファ-プロピル-スクシンイミド、N-ヒドロキシスクシンイミジルアセトアセテート、N-(9-フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、4-ピロリジノピリジン、1-[2-(4-ブロモフェノキシ)エチル]ピロリジン、(S)-(+)-エチル-2-ピロリジン-5-カルボキシレート、(-)-コチニン、tert-ブチル4-アセチル-3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、ピロロ(1,2-a)キノキサリン、ピロール-2-カルボキシアルデヒド、エチル3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドール、1-メチル-2-ピロールカルボン酸、1-メチル-2-ピロールカロボキシアルデヒド、1-フルフリルピロール、1-(ジメチルアミノ)ピロール、1-(2-シアノメチル)ピロール、ジエチル2,4-ジメチルピロール-3,5-ジカルボキシレート、メチル5-(ベンゾカルボニル)-2,4-ジメチル-3-ピロール、4-メチル-2-ピラゾリン-5-オン、3,4-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリン-5-オン、プソイドチオヒドラントイン、3,3’-ジプロピルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジメチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジフェニルオキサゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メチル-2-オキサゾリジノン、2-クロロベンゾオキサゾール、2-(4-ビフェニルイル)-5-フェニル-オキサゾール、2-ベンゾオキサゾリノン、2,5-ビス(4-ビフェニルイル)オキサゾール、3,3’-ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジエチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジメチル-ベンゾオキサゾール、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプト-1-メチルイミダゾール、6-チオキサンチン、2,4,5-トリフェニルイミダゾール、4,5-ジフェニルイミダゾール、グアノシン水和物、2-エチル-4-メチル-イミダゾール、1-(メシチレンスルホニル)-イミダゾール、2,2’-ジチオビス(4-tert-ブチル-1-イソプロピルイミダゾール)、イノシン-5’-トリホスフェート二ナトリウム塩二水和物、1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾールおよびニトロフラントインからなる群から選択されることを特徴とする、前記組成物。
【請求項2】該クロロフィル生合成モジュレーターが6,6-ジチオジニコチン酸であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】該クロロフィル生合成モジュレーターが:5-アミノ-2-メトキシピリジン、2,3-ジヒドロキシピリジン、2-ヒドロキシ-4-メチルピリジン、イソカルボスチリル、3-アミノ-2,6-ジメトキシピリジン、HCl、2-クロロ-6-メトキシピリジン、3-シアノ-4,6-ジメチル-2-ヒドロキシピリジン、ジブカイン塩酸塩、2-ヒドロキシ-3-ニトロピリジン、2,6-ジメトキシピリジンおよびシトラジン酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】該クロロフィル生合成モジュレーターが:ジ-2-ピリジルケトンオキシムであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項5】該クロロフィル生合成モジュレーターが:8-ヒドロキシ-5-ニトロキノリン、5-クロロ-8-ヒドロキシ-7-ヨードキノリン、5,7-ジクロロ-8-ヒドロキノリンおよび5,7,ジブロモ-8-ヒドロキノリンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項6】該クロロフィル生合成モジュレーターが:エチル2-メチルニコチネートであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項7】該クロロフィル生合成モジュレーターが:プロピジウムヨージド水和物およびサンギナリンクロリドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項8】該クロロフィル生合成モジュレーターが:2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-エチルピリジニウム、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-メチルピリジニウム、ベルベリン塩酸塩水和物、ビス-N-メチルアクリジニウムニトレート、1-(カルボキシメチル)ピリジニウムクロリド、5-フェニル-2-(4-ピリジル)オキサゾール、1,1-ジエチル-2,2-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-4,4-シアニンヨージド、1-ドデシルピリジニウムクロリド一水和物、2,4,6-コリジンp-トルエンスルホネート、1-エチル-3-OH-ピリジニウムブロミドおよび4-(ジメチルアミノ)ブロミドパーブロミドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項9】該クロロフィル生合成モジュレーターが:6-ニトロキノリン、8-ニトロキノリンおよび5-ニトロキノリンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項10】該クロロフィル生合成モジュレーターが:メチル3-クロロカルボニル-L-チアゾリジン-4-カルボキシレート、(-)-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸および5-(4-ジエチルアミノベンジリデン)ローディニン、からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項11】該クロロフィル生合成モジュレーターが:5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-(4-ジメチルアミノベンジリジン)ローダミン、4-(4-ビフェニルリイ)2-メチルチアゾール、3-(4-クロロフェニル)-2-エチル-2,3,5,6-テトラヒドロイミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-オラ、3,3-ジエチルチオカルボシアニンヨージド、2-アミノ-6-フルオロベンゾチアゾール、2-アミノ-5,6-ジメチルベンゾチアゾール、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-ブロモチアゾール、(+)6-アミノペニシラン酸、2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾール、2-アセチルチアゾール、ベーシックブルー66、3,6-ジメチルベンゾチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-3-エチルベンゾチアゾリウムヨージド、2-ブロモ-5-ニトロチアゾール、2-シアノ-6-メトキシベンゾチアゾール、エチル2-アミノ-4-チアゾールアセテート、3-メチルベンゾチアゾール-2-チオン、2-4-チアゾリジンジオン、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-2-チアゾリン、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、エチル2-(ホルミルアミノ)-4-チアゾールグリオキシレート、エチル2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾールアセテート、2-(トリチルアミノ)-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、1-フェニル-3-(2-トリアゾリイル-2-チオ尿素)およびプソイドチオヒダントインからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項12】該クロロフィル生合成モジュレーターが:3,3’-(4,4’-ビフェニレン)ビス(2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド)、ブルーテトラゾリウムおよび2,3,5-トリフェニル-2H-テトラゾリウムクロリドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項13】該クロロフィル生合成モジュレーターが:N-(4-ジメチルアミノ-3,5-ジニトロフェニル)-マレイミドおよびビリルビンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項14】該クロロフィル生合成モジュレーターが:トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン、アルファ-メチル-アルファ-プロピル-スクシンイミド、N-ヒドロキシスクシンイミジルアセトアセテート、N-(9-フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、4-ピロリジノピリジン、1-[2-(4-ブロモフェノキシ)エチル]ピロリジン、(S)-(+)-エチル-2-ピロリジン-5-カルボキシレートおよび(-)-コチニンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項15】該クロロフィル生合成モジュレーターが:tert-ブチル4-アセチル-3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、ピロロ(1,2-a)キノキサリン、ピロール-2-カルボキシアルデヒド、エチル3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドール、1-メチル-2-ピロールカルボン酸、1-メチル-2-ピロールカロボキシアルデヒド、1-フルフリルピロール、1-(ジメチルアミノ)ピロール、1-(2-シアノメチル)ピロール、ジエチル2,4-ジメチルピロール-3,5-ジカルボキシレートおよびメチル5-(ベンゾカルボニル)-2,4-ジメチル-3-ピロールからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項16】該クロロフィル生合成モジュレーターが:4-メチル-2-ピラゾリン-5-オンおよび3,4-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリン-5-オンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項17】該クロロフィル生合成モジュレーターが:プソイドチオヒドラントインからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項18】該クロロフィル生合成モジュレーターが:3,3’-ジプロピルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジメチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジフェニルオキサゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メチル-2-オキサゾリジノン、2-クロロベンゾオキサゾール、2-(4-ビフェニルイル)-5-フェニル-オキサゾール、2-ベンゾオキサゾリノン、2,5-ビス(4-ビフェニルイル)オキサゾール、3,3’-ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジエチルオキサカルボシアニンヨージドおよび2,5-ジメチル-ベンゾオキサゾールからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項19】該クロロフィル生合成モジュレーターが:2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプト-1-メチルイミダゾール、6-チオキサンチン、2,4,5-トリフェニルイミダゾール、4,5-ジフェニルイミダゾール、グアノシン水和物、2-エチル-4-メチル-イミダゾール、1-(メシチレンスルホニル)-イミダゾール、2,2’-ジチオビス(4-tert-ブチル-1-イソプロピルイミダゾール)、イノシン-5’-トリホスフェート二ナトリウム塩二水和物および1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾールからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項20】該クロロフィル生合成モジュレーターが:ニトロフラントインであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項21】有効量のポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターを含んでなるまたはδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと組み合わせて含んでなる殺虫組成物において、該ポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターが:バソフェナントロリンジスルホン酸、1,1-ジエチル-4,4-カルボシアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドロ-4-オン、1,1’-ジフェニル-4,4’-ビピリジニウムジブロミド、2-(4-(ジメチルアミノ)スチリル)-1-エチルピリジニウム、2-メトキシ-5-ニトロピリジン、メチルビオロゲンジクロリド水和物、ポリ(4-ビニルピリジニウム)ジクロメート、4-ピロリジノピリジンおよびチオフラビンTからなる群から選択されることを特徴とする殺虫組成物。
【請求項22】有効量のδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のクロリフィル生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと組み合わせて含む除草組成物において、該クロロフィル生合成モジュレーターが:6,6-ジチオジニコチン酸、5-アミノ-2-メトキシピリジン、2,3-ジヒドロキシピリジン、2-ヒドロキシ-4-メチルピリジン、イソカルボスチリル、3-アミノ-2,6-ジメトキシピリジン、HCl、2-クロロ-6-メトキシピリジン、3-シアノ-4,6-ジメチル-2-ヒドロキシピリジン、ジブカイン塩酸塩、2-ヒドロキシ-3-ニトロピリジン、2,6-ジメトキシピリジン、シトラジン酸、ジ-2-ピリジルケトンオキシム、8-ヒドロキシ-5-ニトロキノリン、5-クロロ-8-ヒドロキシ-7-ヨードキノリン、5,7-ジクロロ-8-ヒドロキノリン、5,7,ジブロモ-8-ヒドロキノリン、エチル2-メチルニコチネート、プロピジウムヨージド水和物、サンギナリンクロリド、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-エチルピリジニウム、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-メチルピリジニウム、ベルベリン塩酸塩水和物、ビス-N-メチルアクリジニウムニトレート、1-(カルボキシメチル)ピリジニウムクロリド、5-フェニル-2-(4-ピリジル)オキサゾール、1,1-ジエチル-2,2-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-4,4-シアニンヨージド、1-ドデシルピリジニウムクロリド一水和物、2,4,6-コリジンp-トルエンスルホネート、1-エチル-3-OH-ピリジニウムブロミド、4-(ジメチルアミノ)ブロミドパーブロミド、6-ニトロキノリン、8-ニトロキノリン、5-ニトロキノリン、メチル3-クロロカルボニル-L-チアゾリジン-4-カルボキシレート、(-)-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸、5-(4-ジエチルアミノベンジリデン)ローダミン、5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-(4-ジメチルアミノベンジリジン)ローディニン、4-(4-ビフェニルリイ)2-メチルチアゾール、3-(4-クロロフェニル)-2-エチル-2,3,5,6-テトラヒドロイミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-オラ、3,3-ジエチルチオカルボシアニンヨージド、2-アミノ-6-フルオロベンゾチアゾール、2-アミノ-5,6-ジメチルベンゾチアゾール、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-ブロモチアゾール、(+)6-アミノペニシラン酸、2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾール、2-アセチルチアゾール、ベーシックブルー66、3,6-ジメチルベンゾチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-3-エチルベンゾチアゾリウムヨージド、2-ブロモ-5-ニトロチアゾール、2-シアノ-6-メトキシベンゾチアゾール、エチル2-アミノ-4-チアゾールアセテート、3-メチルベンゾチアゾール-2-チオン、2-4-チアゾリジンジオン、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-2-チアゾリン、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、エチル2-(ホルミルアミノ)-4-チアゾールグリオキシレート、エチル2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾールアセテート、2-(トリチルアミノ)-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、1-フェニル-3-(2-トリアゾリイル-2-チオ尿素)、プソイドチオヒダントイン、3,3’-(4,4’-ビフェニレン)ビス(2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド)、ブルーテトラゾリウム2,3,5-トリフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド、N-(4-ジメチルアミノ-3,5-ジニトロフェニル)-マレイミド、ビリルビン、トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン、アルファ-メチル-アルファ-プロピル-スクシンイミド、N-ヒドロキシスクシンイミジルアセトアセテート、N-(9-フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、4-ピロリジノピリジン、1-[2-(4-ブロモフェノキシ)エチル]ピロリジン、(S)-(+)-エチル-2-ピロリジン-5-カルボキシレート、(-)-コチニン、tert-ブチル4-アセチル-3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、ピロロ(1,2-a)キノキサリン、ピロール-2-カルボキシアルデヒド、エチル3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドール、1-メチル-2-ピロールカルボン酸、1-メチル-2-ピロールカロボキシアルデヒド、1-フルフリルピロール、1-(ジメチルアミノ)ピロール、1-(2-シアノメチル)ピロール、ジエチル2,4-ジメチルピロール-3,5-ジカルボキシレート、メチル5-(ベンゾカルボニル)-2,4-ジメチル-3-ピロール、4-メチル-2-ピラゾリン-5-オン、3,4-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリン-5-オン、プソイドチオヒドラントイン、3,3’-ジプロピルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジメチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジフェニルオキサゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メチル-2-オキサゾリジノン、2-クロロベンゾオキサゾール、2-(4-ビフェニルイル)-5-フェニル-オキサゾール、2-ベンゾオキサゾリノン、2,5-ビス(4-ビフェニルイル)オキサゾール、3,3’-ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジエチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジメチル-ベンゾオキサゾール、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプト-1-メチルイミダゾール、6-チオキサンチン、2,4,5-トリフェニルイミダゾール、4,5-ジフェニルイミダゾール、グアノシン水和物、2-エチル-4-メチル-イミダゾール、1-(メシチレンスルホニル)-イミダゾール、2,2’-ジチオビス(4-tert-ブチル-1-イソプロピルイミダゾール)、イノシン-5’-トリホスフェート二ナトリウム塩二水和物、1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾールおよびニトロフラントインからなる群から選択されることを特徴とする除草組成物。
【請求項23】有効量のクロロフィル生合成モジュレーターにまたはδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のクロリフィル生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと共に含むものに該植物を接触させることを含む除草方法において、該クロロフィル生合成モジュレーターが:6,6-ジチオジニコチン酸、5-アミノ-2-メトキシピリジン、2,3-ジヒドロキシピリジン、2-ヒドロキシ-4-メチルピリジン、イソカルボスチリル、3-アミノ-2,6-ジメトキシピリジン、HCl、2-クロロ-6-メトキシピリジン、3-シアノ-4,6-ジメチル-2-ヒドロキシピリジン、ジブカイン塩酸塩、2-ヒドロキシ-3-ニトロピリジン、2,6-ジメトキシピリジン、シトラジン酸、ジ-2-ピリジルケトンオキシム、8-ヒドロキシ-5-ニトロキノリン、5-クロロ-8-ヒドロキシ-7-ヨードキノリン、5,7-ジクロロ-8-ヒドロキノリン、5,7,ジブロモ-8-ヒドロキノリン、エチル2-メチルニコチネート、プロピジウムヨージド水和物、サンギナリンクロリド、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-エチルピリジニウム、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-1-メチルピリジニウム、ベルベリン塩酸塩水和物、ビス-N-メチルアクリジニウムニトレート、1-(カルボキシメチル)ピリジニウムクロリド、5-フェニル-2-(4-ピリジル)オキサゾール、1,1-ジエチル-2,2-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、1,1-ジエチル-4,4-シアニンヨージド、1-ドデシルピリジニウムクロリド一水和物、2,4,6-コリジンp-トルエンスルホネート、1-エチル-3-OH-ピリジニウムブロミド、4-(ジメチルアミノ)ブロミドパーブロミド、6-ニトロキノリン、8-ニトロキノリン、5-ニトロキノリン、メチル3-クロロカルボニル-L-チアゾリジン-4-カルボキシレート、(-)-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸、5-(4-ジエチルアミノベンジリデン)ローダミン、5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-(4-ジメチルアミノベンジリジン)ローディニン、4-(4-ビフェニルリイ)2-メチルチアゾール、3-(4-クロロフェニル)-2-エチル-2,3,5,6-テトラヒドロイミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-オラ、3,3-ジエチルチオカルボシアニンヨージド、2-アミノ-6-フルオロベンゾチアゾール、2-アミノ-5,6-ジメチルベンゾチアゾール、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-ブロモチアゾール、(+)6-アミノペニシラン酸、2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾール、2-アセチルチアゾール、ベーシックブルー66、3,6-ジメチルベンゾチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-[4-(ジメチルアミノ)スチリル]-3-エチルベンゾチアゾリウムヨージド、2-ブロモ-5-ニトロチアゾール、2-シアノ-6-メトキシベンゾチアゾール、エチル2-アミノ-4-チアゾールアセテート、3-メチルベンゾチアゾール-2-チオン、2-4-チアゾリジンジオン、2-(4-アミノフェニル)-6-メチルベンゾチアゾール、2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-2-チアゾリン、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、エチル2-(ホルミルアミノ)-4-チアゾールグリオキシレート、エチル2-アミノ-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾールアセテート、2-(トリチルアミノ)-アルファ-(メトキシイミノ)-4-チアゾール酢酸塩酸塩、1-フェニル-3-(2-トリアゾリイル-2-チオ尿素)、プソイドチオヒダントイン、3,3’-(4,4’-ビフェニレン)ビス(2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド)、ブルーテトラゾリウム2,3,5-トリフェニル-2H-テトラゾリウムクロリド、N-(4-ジメチルアミノ-3,5-ジニトロフェニル)-マレイミド、ビリルビン、トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン、アルファ-メチル-アルファ-プロピル-スクシンイミド、N-ヒドロキシスクシンイミジルアセトアセテート、N-(9-フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、4-ピロリジノピリジン、1-[2-(4-ブロモフェノキシ)エチル]ピロリジン、(S)-(+)-エチル-2-ピロリジン-5-カルボキシレート、(-)-コチニン、tert-ブチル4-アセチル-3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、ピロロ(1,2-a)キノキサリン、ピロール-2-カルボキシアルデヒド、エチル3,5-ジメチル-2-ピロールカルボキシレート、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドール、1-メチル-2-ピロールカルボン酸、1-メチル-2-ピロールカロボキシアルデヒド、1-フルフリルピロール、1-(ジメチルアミノ)ピロール、1-(2-シアノメチル)ピロール、ジエチル2,4-ジメチルピロール-3,5-ジカルボキシレート、メチル5-(ベンゾカルボニル)-2,4-ジメチル-3-ピロール、4-メチル-2-ピラゾリン-5-オン、3,4-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリン-5-オン、プソイドチオヒドラントイン、3,3’-ジプロピルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジメチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジフェニルオキサゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メチル-2-オキサゾリジノン、2-クロロベンゾオキサゾール、2-(4-ビフェニルイル)-5-フェニル-オキサゾール、2-ベンゾオキサゾリノン、2,5-ビス(4-ビフェニルイル)オキサゾール、3,3’-ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’-ジエチルオキサカルボシアニンヨージド、2,5-ジメチル-ベンゾオキサゾール、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプト-1-メチルイミダゾール、6-チオキサンチン、2,4,5-トリフェニルイミダゾール、4,5-ジフェニルイミダゾール、グアノシン水和物、2-エチル-4-メチル-イミダゾール、1-(メシチレンスルホニル)-イミダゾール、2,2’-ジチオビス(4-tert-ブチル-1-イソプロピルイミダゾール)、イノシン-5’-トリホスフェート二ナトリウム塩二水和物、1-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)イミダゾールおよびニトロフラントインからなる群から選択されることを特徴とする、前記方法。
【請求項24】有効量のδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと組み合わせて含んでなる殺虫組成物において、該ポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターが:バソフェナントロリンジスルホン酸、1,1-ジエチル-4,4-カルボシアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドロ-4-オン、1,1’-ジフェニル-4,4’-ビピリジニウムジブロミド、2-(4-(ジメチルアミノ)スチリル)-1-エチルピリジニウム、2-メトキシ-5-ニトロピリジン、メチルビオロゲンジクロリド水和物、ポリ(4-ビニルピリジニウム)ジクロメート、4-ピロリジノピリジンおよびチオフラビンTからなる群から選択されることを特徴とする殺虫組成物。
【請求項25】有効量のポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターにまたはδ-アミノレブリン酸を1種またはそれ以上のポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターおよび適当なキャリヤーと組み合わせたものに該虫を接触させることを含む殺虫方法において、該ポルフィリン-ヘム生合成モジュレーターが:バソフェナントロリンジスルホン酸、1,1-ジエチル-4,4-カルボシアニンヨージド、1,1-ジエチル-2,4-シアニンヨージド、3-エチル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロインドロ-4-オン、1,1’-ジフェニル-4,4’-ビピリジニウムジブロミド、2-(4-(ジメチルアミノ)スチリル)-1-エチルピリジニウム、2-メトキシ-5-ニトロピリジン、メチルビオロゲンジクロリド水和物、ポリ(4-ビニルピリジニウム)ジクムメート、4-ピロリジノピリジンおよびチオフラビンTからなる群から選択されることを特徴とする、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、放棄されている1984年7月27日付出願番号第634,932号の一部継続出願である放棄されている1985年7月15日付の出願番号第754,092号の継続出願ある1986年8月11日付の出願番号第895,529号の一部継続出願である1990年3月3日付の同時係属出願番号第521,119号の一部継続出願であり、かつ本出願は、放棄されている1984年7月27日付の出願番号第634,932号の一部継続出願である放棄されている1985年7月15日付の出願番号第754,092号の継続出願である1986年8月11日付の同時係属出願番号第895,529号の一部継続出願である。ここに記載の発明は、米国農務省(the U.S.Department of Agriculture)、国家科学財団(the National Science Foundation)、イリノイ大学(the University of Illinois)、イリノイ農業実験ステーション大学(the University of Illinois Agriculture Experiment Statioin)およびジョンP.トレベラス光生物工学リサーチ基金(the P.Trebellas Photobiotechnology Research Endowment)からの認可により支持された研究の過程でなされた。
【0002】
【発明の分野】
本発明は、除草および殺虫組成物および方法、より詳細には、除草および殺虫組成物および植物の中の光力学的なテトラピロールの蓄積の誘発のためと虫の中の内因生のテトラピロールのレベルを上げる方法に関する。
【0003】
【発明の背景】
除草剤による望ましくない植物の除去は、現代農業の実践にとって重要であり、そのため有効であり環境上安全な除草剤の発見に現在多くの時間とお金がかけられている。通常この発見は、除草活性に対するバイオケイミカルズのスペクトルのスクリーニングから始める。有望な除草活性を示すこれらのケミカルズは、その効果、選択性、環境への影響、魚、虫および動物への毒性の影響を明らかにすることを目的としてさらに試験をする。このスキームでは、作用の態様の理解は、不適切であり、低い優先順位にある。結果として、広く用いられている除草剤の幾つかについての作用の詳細な態様は、まだ完全には理解されていない。たとえば、除草剤ハンドブック(Herbicide Handbook)、Beste,C.E.,ed.(Weed Science Soc.of America,Champaign,IL 1983)、第1-469頁を参照。安全で効果的な除草剤の選択および/または設計についての一貫した科学的な基本はなく、また、環境への有害な影響あるいは非標的植物および動物への有害な影響を有するであろう化合物の系統的な除去に対する科学的な理論的根拠も存在しない。
【0004】
クロロフィル生合成は、生物圏の主要な生物学上の現象であり、緑化の間の光合成膜の生合成および成熟した緑の植物のChlの維持にとって必須である。クロロフィルは、緑の植物の中で光合成の過程を経て太陽エネルギーを化学エネルギーに変換するのを触媒する一群のMg-テトラピロールである。2つの基本的な種類のクロロフィルがあり、クロロフィルa(Chl a)とクロロフィルb(Chl b)と呼ばれている;Chl aは、太陽エネルギーの収集と化学エネルギーへのその変換に関与し、Chl bは、太陽エネルギーの収集だけに関与していると信じられている。
【0005】
図1に示されるように、10種のChl aは、一連のポルフィリン、Mg-ポルフィリンおよびプロトクロロフィル中間体(テトラピロールまたはテトラピロール中間体とまとめて呼ばれる)を経て、1つの共通な先駆体であるδ-アミノレブリン酸(ALA)から多分岐経路を経て全て合成される(図2参照)。
【0006】
図1に見ることができるように合成経路の枝の3つは、ジビニル(DV)経路と名付けられ;2つのモノカルボン酸経路が光の存在下で双子葉植物と単子葉植物で支配的である。残りの3つの枝は、モノビニル(MV)経路と呼ばれ;2つのモノカルボン酸経路が暗所での単子葉植物で支配的ある。どの経路が支配的であるかに依存して植物は、「モノビニル」または「ジビニル」植物と分類され得る。モノビニル植物は、MVモノカルボン酸生合成ルートによりMV Pchlideを暗所で蓄積し、光に当たると主にMVモノカルボン酸ルートを経てChlをまず形成する植物種である。ジビニル植物は、暗所で主にDV Pchlideを蓄積し、光に当たると優先的にDVモノカルボキシル生合成ルートを経てChlを先ず形成する植物種である。日光中で数時間後に、MVおよびDV植物の両者は、DVモノカルボキシルルートを経てChlを形成すると思われる。このことは、4つの異なる緑化群に植物を分類することにつながる(Rebeiz,C.A.,Montazer-Zouhor,A.,Mayasich,J.M.,Tripathy,B.C.,Wu,S.,and Rebeiz,C.C.CRC Crit.Rev.in Plant Sci.,6:385-435(1988)):
(a)暗ジビニル/光ジビニル(DDV/LDV)
この緑化群では、クロロフィル形成は、夜明けおよび日中にDV-富化プロトクロロフィリドプールを経て進む。
(b)暗モノビニル/光ジビニル(DMV/LDV)
この緑化群では、クロロフィル形成は、夜明けにMV-富化プロトクロロフィリドプールを経てさらに日中にDV-富化プロトクロロフィリドプールを経て進む。
(c)暗モノビニル/光モノビニル(DMV/LMV)
この緑化群では、クロロフィル形成は、暗所でMV-富化プロトクロロフィリドプールを経てさらに日中と夜明けにMV-富化プロトクロロフィリドプールを経て進む。
(d)暗ジビニル/光モノビニル(DDV/LMV)
この病理学的(pathological)緑化群では、クロロフィル形成は、夜明けにDV-富化プロトクロロフィリドプールを経てさらに日中MV-富化プロトクロロフィリドプールを経て進行する。
【0007】
図2から分かるように、δ-アミノレブリン酸(ALA)は、5-炭素アミノ酸である。ALVは、ほとんどの生きている動物と植物の細胞に見られ、主要なテトラピロール先駆体である。これは様々な化学薬品専門筋、たとえば、Sigma Chemical Co.(ミズリー州、セントルイス)およびBiosynth International(イリノイ州、スコキエ(Skokie))より入手できる。少量のALAにより実験室で処理された切除した植物組織がPchlideを合成し蓄積し得ることが公知であり、PchlideはChlide aおよびChl aの直接の先駆体であり、また、ALAが、コプロポルフィリン、ProtoおよびMP(E)などのChl生合成経路の初期テトラピロール中間体の蓄積を誘発し得ることが公知である。ALAが、テトラピロール中間体の合成を刺激すると、図1に示すように、テトラピロール中間体は、太陽光の存在下で各種の形式のChl aに通常は変換される。しかしながら、この速度制限変換は、暗所で大きな割合で起こらず;太陽光なしでは、テトラピロール中間体は、その代謝プール中で少量蓄積する。光に当たるとChl aへの変換が再開され、プールは、からとされる。1974年、Castelfranco,P.A.,Rich,P.M.およびBeal,S.I.,Plant Physiol.53:615-618は、軟白した(暗所成長した(dark grown))組織の緑化の間の分裂準備期を調べているとき、暗所で6時間ALAに浸した切除胡瓜子葉が、光に当たって目に見える組織損傷を受け、これが外因性のALAから形成されたテトラピロールに帰せられることに気付いた。この現象は、非常に低い強度の赤色光による照射によりあるいは断続的な光の照射により避けられるべき有害なものとして見なされた。外因性のALAによるテトラピロールの蓄積は、軟白の特別な環境に帰せられる現象であると信じられた。当然、軟白化した組織の緑化が一度起こると、クロロフィルの生合成は、通常の緑の組織では見られない異常に早い速度で進行する。
【0008】
参考として挙げる同時係属出願番号第07/294,132号は、δ-アミノレブリン酸、虫の中のδ-アミノレブリン酸合成の誘発物質および虫の中のテトラピロールへのδ-アミノレブリン酸変換のエンハンサーからなる群から選択された1種またはそれ以上の化合物を含む殺虫剤組成物を記載している。
【0009】
参考として挙げる同時係属出願番号第06/895,529号は、δ-アミノレブリン酸、植物の中のδ-アミノレブリン酸合成の誘発物質、植物の中の光力学的テトラピロールへのδ-アミノレブリン酸変換のエハンサーおよび植物の中のモノビニルテトラピロールへのジビニルテトラピロールの変換の抑制剤からなる群から選択された1種またはそれ以上の化合物を含む除草剤組成物;該組成物を用いた生きている植物の光力学的テトラピロールの蓄積を誘発する方法;および該組成物を用いた植物の制御方法を記載している。これらの組成物は、植物に通常見られるよりも多い量のテトラピロールの蓄積の結果として植物に除草効果を有することが発見された。このことは、おどろくべきことであり、その理由は、成熟した緑の植物は、葉の拡張と修理に追いつくのに十分な速度でのみクロロフィルを合成するからであり、この速度は、光力学的傷害をもたらすに十分な量のテトラピロールの蓄積を可能とするに十分であるとこれまで信じられていなかった。
【0010】
蓄積されたテトラピロールは、一重項酸素(これは、非常に強いオキシダントである)の形成を光増感する。一重項酸素は、植物細胞膜のリポ蛋白質成分を急速に酸化し、かなり破壊的なフリーラジカル連鎖反応を始動させる:これは以下のようにまとめることができる(hν=光のフォトン;1Tet=一重項基底状態にあるテトラピロール;3Tet*=三重項励起状態にあるテトラピロール;3O2=三重項基底状態にある酸素;1O2*=一重項励起状態にある酸素;UMLP=不飽和膜リポ蛋白質):
(1)1Tet+hν→3Tet*
(2)3Tet*+3O2→1Tet+1O2*
(3)1O2*+(UMLP)→ヒドロペルオキシド
(4)ヒドロペルオキシド→遊離ラジカル
(5)遊離ラジカル+UMLP→追加のヒドロペルオキシド
(6)ほとんどのUMLPが酸化されるまで段階(4)および(5)を繰り返す。
【0011】
注入されたテトラピロールによる光増感は、動物および人間の組織中について説明されている(たとえば、Ellefson,R.D.,Mayo Clinic Proc.57:454-458(1982);Christensen,T.,Sandquist.,Feren,K.,Waksvik,H.,およびMoan,J.,Br.J.Cancer 48:35-43(1983);Hopf,F.R.およびWhitten,D.G.,The Porphyrines、第2巻、Dolphin,D.編(Academic Press,New York,1978)第161-195頁;Sandberg,S.,Romslo,I.,Hovding,G.,およびBjorndal,T.,Acta Dermatovener(Stockholm)Suppl.100:75-80(1982);Latham,P.S.およびBloomer,J.R.,Photochem.Photobiol.37:553-557(1983);Bickers,D.R.,Dixit,R.,およびMukhtar,H.,Biochem.Biophys.Res.Comm.108:1032-1039(1982)参照)が、この現象は、全体的な緑の木では証明されていなく、出願番号第859,529号の発明に先立って望ましくない影響され易い木の種を制御するようには適合されていない。
【0012】
【本発明の目的】
したがって、本発明の目的は、除草剤および殺虫剤の系統的な設計と配合についてのモデルを提供することである。
【0013】
本発明の第2の目的は、しっかりした生化学的な原理に基づく、作用のあらかじめ定めた新しい態様により望ましくない植物および虫を殺すことのできる除草剤および殺虫剤の類を提供することである。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、環境上安全で、選択性があり、低濃度で効率的な除草剤および殺虫剤を提供することである。
【0015】
【発明の概要】
δ-アミノレブリン酸および/またはδ-アミノレブリン酸の誘発物質および/または光力学的テトラピロールへδ-アミノレブリン酸を変換するエンハンサーおよび/またはモノビニルテトラピロールへのジビニルテトラピロールの変換の抑制剤を含んでいる組成物が、光に当てられることになる植物に適用されると、安全で、効率的で、選択的な除草剤となり得ることが発見された。本発明の除草組成物は、光力学的テトラピロールの誘導された蓄積を含むと考えられるプロセスにより植物の組織の死と破壊をもたらす。
【0016】
虫は、ALA、虫の中のALAの誘発物質および虫の中でのテトラピロールへのALA変換のエンハンサーからなる群から選択された1種またはそれ以上の化合物を含む組成物の投与により殺され得ることも発見された。
【0017】
【発明の詳細な説明】
本発明は、以下の詳細な説明からより明瞭に十分理解されよう。本明細書で用いる用語『植物』は、木、かん木、苗または草木を指し、生きている有機体であり、自発的な動きを典型的に示さずあるいは感覚器官または神経器官を有さないものである。
ここで用いられている用語『木質の』は、テトラピロールを活発に合成しなく、木質組織たとえば木を含む組織、木繊維を含む組織または木様の繊維を含む組織を包含する植物組織を指す。
用語『草木植物』は、ほとんどまたは全く木質組織を有さない植物を指す。
用語『落葉木』は、常緑木に合い対するものを広く指し、季節毎に葉を落とす木または生活環(life cycle)の発育のある段階で葉を落とす木を指す。
ここで用いる用語『若い葉』は、大きさがまだ増している葉を指す。
ここで用いる用語『成熟した葉』は、大きさが大きくなることを停止した葉を指す。
ここで用いる用語『老いた葉』は、老境に近付いている成熟した葉を指す。
ここで用いる用語『脱水』は、乾燥することを広く指し、細胞流体の喪失とこれに続くクロロフィル(Chl)および他の生体分子たとえば蛋白質、リポ蛋白質および核酸の分解および細胞下のオルガネル(subcellular organelles)たとえば液胞、核細胞、ミトコンドリア、色素体、ミクロソームおよびミクロボディーの崩壊を含む。
【0018】
ここで用いられる用語『クロロフィル生合成モジュレーター』は、植物の緑の木の組織(たとえば葉)が、未処理の緑の組織に通常見られるテトラピロールのレベルよりも高いテトラピロールのレベルを蓄積する外因性のALA(植物の外部の給源からのALA)以外の化合物を指す。そのようなモジュレーターは、ALA合成の誘発物質、テトラピロールへのALA変換のエンハンサーおよびモノビニルテトラピロールへのジビニルテトラピロールの変換の抑制剤からなる群から選択される。本発明に従えば、1種またはそれ以上のモジュレーターまたはALAと組み合わせた1種またはそれ以上のモジュレーターが、植物の落葉または落葉と果実の落下を行うために使用され得る。
【0019】
本発明のモジュレーターは、たとえば、次のものがある:o-フェナントロリン、1,7-フェナントロリン、4,7-フェナントロリンおよびフェナントリジン(これらはたとえばマサセッチュ州ダンバースのアルファプロダクツ(Alpha Products,Danvers,MA)から得られる);2,2’-ジピリジル(2,2’-DP)、2,3’-ジピリジル(2,3’-DP)、2,4’-ジピリジル(2,4’-DP)、1,7’-ジピリジル(1,7’-DP)、4,4’-ジピリジル(4,4’-DP)、ピリジン2-アルデヒド、ピリジン2-アルドキシム、2,2’-ジピリジルアミン、2,2’-ジピリジルジスルフィド、8-ヒドロキシキノリン、ピコリン酸、ニコチン酸、6-アミノニコチンアミド、エチルニコチネート、2-ヒドロキシニコチン酸、エチル2-メチルニコチネート、N-メチルニコチンアミド、N-ベンジル-N-ニコチノイルニコチンアミド、2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-カルボン酸、4-ヒドロキシ-7-トリフルオメチル-3-キノリンカルボン酸、4-ヒドロキシ-7-メチル-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸、ジエチル3,4-ピリジンジカルボキシレートおよびニフルミン酸(niflumic acid)(これらはたとえば、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッヒケミカル社(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI)からえられる);およびこれらの類似体。他のモジュレーターは、下記の表XVIに挙げてある。酵素補助因子(enzyme cofactor)であるニコチン酸が、すべての生きている細胞に存在し、かなりの量が、肝臓、イースト、ミルク、副腎、白肉、アルファルファ、まめ科植物、全穀物(whole cereals)およびコーンに見付けられることが注目されるべきである。加えて、エチルニコチネートは、ビタミン誘導体である。
【0020】
『ALA合成の誘発物質』とは、植物に適用したとき、通常の量よりも多い内因性のALA(『在来のALA』、すなわち植物に通常見られるALA)を生じさせるように植物の緑の組織を刺激する化合物を意味し、このALAは、十分に光力学的なレベルのテトラピロールの蓄積を起こさせるので、後の組織の光への照射で、組織が脱水する。誘発物質は、外因性のALAの不在下で植物に適用したとき特定のMVまたはDVテトラピロールの有意的な蓄積をもたらす。特定のテトラピロールの有意的な蓄積は、5mMの外因性のALA処理によりもたらされるテトラピロールへの正味の暗変換率(net dark-conversion rate)に近付くかそれを越える蓄積したテトラピロールの量として定義される。さらに、ALAと組み合わされた誘発物質は、ALAまたは誘発物質を植物に個々に適用したときよりも特定のMVまたはDVテトラピロールの高いレベルの蓄積をもたらす。したがって、本発明の組成物は、ALAの1種またはそれ以上の誘発物質を含んでなるかまたはALAの1種またはそれ以上の誘発物質をALAと組み合わせて含んでなる。
【0021】
『テトラピロールへのALA変換のエンハンサー』または『エンハンサー』とは、植物に適用されたとき、外因性のまたは内因性のALAを光力学的テトラピロールに変換する処理ずみ植物の緑の組織の能力を増す化合物を意味する。エンハンサーは、外因性のALAの不在下で植物に適用したとき特定のMVまたはDVテトラピロールの有意的な蓄積をもたらさないが、外因性のALAと共に用いたときは、外因性のALA単独で起こされる暗変換(dark conversion)よりも、すなわちALAを対照として用いて起こされる暗変換よりも、多く越える特定のMVまたはDVへの外因性のALAの暗変換を有意的に増す。この意味での特定のテトラピロールの有意的な蓄積は、5mMの外因性ALA処理によりもたらされるテトラピロールへの正味の暗変換率に近付くかそれを越える蓄積されたテトラピロールの量として定義される。テトラピロールへのALAのエンハンサーは、2つの群に別れる:(1)MV PchlideへのALA変換のエンハンサーおよび(2)DV PchlideへのALA変換のエンハンサーおよびprotoおよびMV-MPEおよびDV-MPEへのALA変換のエンハンサー。このように、本発明の組成物は、ALAの1種またはそれ以上のエンハンサーを含んでなるかまたはALAの1種またはそれ以上のエンハンサーをALAと組み合わせてまたはALAの誘発物質と組み合わせて含んでなり得る。
【0022】
『モノビニルテトラピロールへのジビニルテトラピロールの変換の抑制剤』とは、植物に単独で適用したとき、未処理対照に比較して特定のMVテトラピロールの抑制をもたらしかつ/またはALAと組み合わせて植物に適用したとき、ALA処理対照に比較して特定のMVテトラピロールの抑制をもたらす化合物を意味する。
特定の植物でまたは与えられた濃度でモジュレーター(すなわち、誘発物質、エンハンサーまたは抑制剤)の1種として働くモジュレーターは、異なる濃度でまたはもう1つの植物で異なる種類のモジュレーターとして機能し得るが、1種の植物でモジュレーターである化合物はほとんどの他の種類の植物でモジュレーターとして機能し得る。
【0023】
たとえば、2,2’-ジピリジルは、20mMよりも低い濃度で胡瓜のエンハンサーであり得、また、20mMまたはさらに高い濃度で胡瓜の誘発物質でも有り得る。さらに胡瓜(DDV/LDV植物種)では、2,2’-ジピリジルおよびo-フェナントロリンは、誘発物質であり;ピリジン2-アルドキシム、ピリジン2-アルデヒド、ピコリン酸、2,2’-ジピリジルジスルフィド、2,2’-ジピリジルアミン、4,4’-ジピリジル、フェナントリジン、ニコチン酸、2-ヒドロキシニコチン酸、2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-カルボン酸、エチルニコチネート、エチル-2-メチルニコチネートおよび4-ヒドロキシ-7-トリフルオロ-8-キノリンカルボン酸は、エンハンサーである;そして2,3’-ジピリジル、2-4’-ジピリジル、1,7-フェナントロリン、4,7-フェナントロリン、ジエチル3,4-ピリジンジカルボキシレートおよびニフルミン酸は、抑制剤である;大豆(DMV/LDV植物種)では、2,4-ジピリジル、2,2’-ジピリジルアミン、フェナントリジン、ピコリン酸、ピリジン2-アルドキシム、2,3-ジピリジル、4,4-ジピリジル、1,7-ジピリジル、ピリジン、2-アルデヒド、2,2’-ジピリジルジスルフィドおよび8-ヒドロキシキノリンは、エンハンサーであり;そして4,7-フェナントロリンおよび1,7-フェナントロリンは、抑制剤であり;そしてヒメモロコシ(Johnsongrass)(DMV/LMV植物種)では、2,2’-ジピリジルアミン、ピリジン2-アルドキシム、ピリジン2-アルデヒド、ピコリン酸、2,2-ジピリジル、2,4-ジピリジル、1,7-フェナントロリン、2,2’-ジピリジルアミン、2,2’-ジピリジルジスルフィド、2,3-ジピリジルおよび4,7-フェナントロリンは、エンハンサーであり;そして2,4-ジピリジルおよび2,3-ジピリジルは、抑制剤である。当業者は、過当な実験をすることなく、化合物がモジュレーターであるかどうかを決定することができ、そして所望であるなら、本明細書に開示した方法に基づき、モジュレーターの種類を定めることができる。
【0024】
各種のALAおよびモジュレーターの組合せが、光力学的除草選択性の有意的な度合を発揮する。この選択性は、(a)各種の植物の組織の異なるテトラピロール蓄積能力、(b)各種テトラピロールの蓄積に対する植物の各種緑化群(greening goup)の示差感受性(differential susceptibility)および(b)光力学的除草剤モジュレーターに対する各種の緑化群の示差応答、に根差しているようである。
【0025】
テトラピロール代謝は、テトラピロール依存光力学除草剤(TDPH)処理により各種の植物の組織で同等に影響されるわけではない。たとえば、緑の大豆苗では、茎、葉および子葉は、ALA+2,2’-ジピリジル処理に対しことなる感受性を示す。テトラピロールを蓄積した葉は、光力学的な損傷を極めて受け易く、一方非常に貧弱なテトラピロールアキュムレーター(accumulator)である子葉は、処理に対して抵抗を示した。
【0026】
処理された植物の緑化群協力関係(greening group affiliation)および蓄積したテトラピロールの性質へのTDPHの感受性の依存性は、TDPHの活性を化学的に調節する基礎を与える。これは、ある種の緑化群に属するALA処理植物に『不適当な(wrong)』種類のMVまたはDVテトラピロールを蓄積するようにさせ、他の緑化群に属する他の植物種に『正しい』種類のMVまたはDVテトラピロールを蓄積させることによるChl生合成経路を調節する化学物質の使用により達成され得る。ALAと協力して働き、Chl a生合成経路に対してはっきりした調節性質を示した多数の化学物質が、確認されている。これらの化学物質は、したがって、TDPHモジュレーターと呼ばれる。これらは、Chl a生合成経路へのその効果に依存して4つの群に分類される。
【0027】
化合物が、テトラピロール依存光力学的除草剤モジュレーターとして作用するかどうかを決定するため、その化学物質をALAと共にしたものおよび該化学物質のみとしたものを通常は植物にスプレーし、処理された植物を、テトラピロール蓄積の起こる数時間、暗所に保つ。暗所温置の後で、かつ光に当てる前に、植物組織をテトラピロール含量について分析する。光に当てると、暗所でテトラピロールを蓄積した組織は、初めの4時間の照射で急速な光力学的な損傷を示す。するとテトラピロールのエンハンサー、誘発物質または抑制剤としてのモジュレーターの分類は、ALAおよびモジュレーターの存在下または不在下でのテトラピロールのパターンから決定される。
【0028】
作用のその機構に基づき、TDPHモジュレーターは、4つのはっきりした群に分類された:(a)DV PchlideへのALA変換のエンハンサー(これはDV Pchlideへの外因性ALAの変換を増す、(b)MV PchlideへのALA変換のエンハンサー(これは、MV Pchlideへの外因性ALAの変換を増す、(c)テトラピロール蓄積の誘発物質(これは、外因的に加えたALAの不在下で多量のテトラピロールの形成を植物組織に誘発する)および(d)MV Pchlide蓄積の抑制剤(これは、MVテトラピロールへのその変換を抑制することによりDVテトラピロールの解毒作用を封鎖するようである)。上記のモジュレーターの全てのうちで、テトラピロール蓄積の誘発物質だけが、加えたALAの不在下でテトラピロール蓄積を起こすことができる。モジュレーターの3つの他の種類は、加えたALAの不在下で有意的なレベルのテトラピロール蓄積につながらない。全ての場合で、ALAをモジュレーターと共に使用することは、ALA単独により起こされるレベルを越えた高められたテトラピロール蓄積と光力学的損傷をもたらす。次のこと明らかである:(a)植物の1つの緑化群のChl生合成経路に何らかの働きをするモジュレーターは、異なる群に属する植物種に同じ働きを必ずしもしない、(b)同じ緑化群に属する異なる植物種は、与えられたモジュレーターに同様のChl生合成反応性を示す傾向がある、および(c)同じ化学区分に属するモジュレーターは、特定の植物種に同じChl生合成調節活性を示す傾向がある。かくて、モジュレーターが属する化学区分の作用の態様が当該特定の群に対して決定されると、特定の緑化群に属する特定の植物種群に対するモジュレーターの作用の態様についてある予想をすることが可能となろう。
【0029】
したがって、本発明の組成物は、また、ALAと、誘発物質、エンハンサーおよび抑制剤からなる群から選択された1種またはそれ以上のクロロフィル生合成モジュレーターとの組み合わせを含む、たとえば、ALA+1種またはそれ以上の誘発物質、ALA+1種またはそれ以上のエンハンサー、ALA+1種またはそれ以上の抑制剤、ALA+1種またはそれ以上の誘発物質+1種またはそれ以上のエンハンサー、ALA+1種またはそれ以上の誘発物質+1種またはそれ以上の抑制剤、ALA+1種またはそれ以上のエンハンサー+1種またはそれ以上の抑制剤、ALA+1種またはそれ以上の誘発物質+1種またはそれ以上のエンハンサー+1種またはそれ以上の抑制剤などの組み合わせを含む。
【0030】
本発明の組成物は、次に示す1種またはそれ以上を含んでいても良い:適当なキャリヤー(たとえば、コロイドマグネシウムアルミニウムシリケート、軽石、タルクまたはこれらの組み合わせ);溶剤(たとえば、水、0.45アセトン:0.45エタノール:0.1ツイーン(Tween)80:9水(v/v/v/v)、0.45アセトン:0.45メタノール:0.1ツイーン80:9水(v/v/v/v)、水に含むようにした0.1-1%ツイーン80(v/v)、0.9ポリエチレングリコール(PEG):0.1ツイーン80:9水(v/v/v)、0.1-0.7PEG:0.2-0.8メタノール:0.1ツイーン:9水(v/v/v/v)、0.9メタノール:0.1ツイーン80:9水(v/v/v)、0.45アセトン:0.45エタノール:0.2ツイーン80:0.9エチレングリコール:18水(v/v/v/v/v)または次に示すものの1種またはそれ以上:ベンゼン、トルエン、キシレ、ケロシン、2-メトキシエタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ホルムアルデヒド、メチルホルムアミド、シクロヘキサン、イソホロン);緩衝剤(たとえば、くえん酸);湿潤剤(たとえば、N-メチル-N-オレイルタウリン酸ナトリウム、アルコキシフェノキシポリオキシエチレンエタノール、オレフィンスルホン酸ナトリウム、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチル化植物油);分散助剤(たとえば、リグニンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、ヒドロキシルエチルセルロース);脱泡剤(たとえば、シリコンーン);吐剤(たとえば、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸四カリウム、アレコチン(arecotine)、アポモーフィン(apomorphine)、硫酸銅);悪臭剤(たとえば、ピリジン);浸透剤;界面活性剤;乳化剤;および補助剤(たとえば、ヒトブレンドオイル(phytoblend oil))。当然であるが、このような追加の成分は、本発明の有効成分と適合性があり、また混合物の他の成分と適合性があるべきである。
【0031】
組成物は、植物配合物、たとえば、溶液、懸濁液、エマルジョン、流動性濃厚物、乳化性濃厚物、ゲル、ペースト、フォーム、クリーム、エアゾール、水和剤、粉剤、分散性粒剤などに用いるように慣用の方法で当業者に公知の手順に従い配合され得る。都合よくは、組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、エアゾール、流動性または乳化性の濃厚物または水和剤である。当然、配合は、有効成分が植物組織に浸透し、テトラピロール合成の部位に移動するようであらねばならない。組成物を溶液にするとき、その組成物は、都合よくは、濃度約1-約40mMのALA(有利には、15mM-40mM)と約5-約30mMの誘発物質、エンハンサーまたは抑制剤(有利には15-30mM)とを含んでなり得る。
【0032】
本発明の組成物は、光力学的テトラピロールの蓄積を誘発するのに十分な量で局所的に、たとえば粉剤としてあるいは浸漬(soak)、浸し(dip)、スプレー、ミストまたは霧として適用できる。別法として、組成物は、植物の根による取り込みと、植物の成長部分への移動のために土壌に適用できる。適用すべき組成物の量は、選択した特定の有効成分に依存して変化し得るが、通常は、1エーカー当たり約10g-約15gのALAおよび/または約10g-約10kgの誘発物質、エンハンサーまたは抑制剤を適用するに十分な量となろう。最適の適用率を定める手段は、当業者の権限の範囲である。
【0033】
植物の組織が本発明の組成物への暴露により人工的に高い量のテトラピロールを蓄積し始めることを誘発されると、植物は、光に当たることから遮断され最大のテトラピロール蓄積が可能とされ得る。そのような暗所の温置は活性に対しては必要とされないが、組成物の効率を最適にする傾向がある。植物は、適当な方法で、たとえば、暗色の紙、布または箔に包むことにより、あるいは暗い部屋におくか暗くした容器に入れることにより遮蔽され得る。現場条下で、ある暗所温置期間を与える理想的な方法は、植物を少なくとも1時間暗所に静置するようにする時間の夕暮れまたは夜間に組成物を適用することである。テトラピロール蓄積を促進するために、暗さは、光が完全にないという必要はなく300-700nmの波長での光の実質的な不在であると理解されるべきである。有利には、植物は、約1-約20時間暗所に静置するようにする。1-8時間が特に有利である。
【0034】
その後、植物は、約300-約700nmの波長の光に約200フィートカンデラまたはそれ以上当てるようにする。光は、任意の都合よい光源、たとえば、白熱電球、メタルハライドランプ、太陽灯、冷白色蛍光灯または天空光蛍光灯(skylight fluorescent light)により供給され得る。現場では、当然のことながら好ましい光源は、太陽光である。植物は、ほとんどの不飽和の膜リポ蛋白質を酸化するのに十分な時間光に当てられる;約1-約14日の時間が好ましい。
【0035】
除草活性は、葉、茎および/または節の漂白とそれに続くしおれと死により示される。葉芽のすべてが処理されているのでなければ、植物は回復し得るので、繰り返した処理が必要である。
殺虫活性は、皮膚の色の変化とこれに続く脱水と死により示される。
【0036】
本発明のさらなる理解は、以下に示す例から得られよう。脱水活性は、組織壊死および葉の離脱および/または実の落下により示される。特に断わらない限り、上記および下記で用いたすべての温度および温度範囲は、摂氏であり、用語、周囲温度および室温は、約20-25℃である。用語、パーセントまたは(%)は、重量パーセントであり、用語、モルは、グラムモルである。『有意性のレベル』とは、相関係数(r)が0に等しい母集団(population)にたいして、サンプルサイズnを取ることができ、それに対する相関係数が与えられたサンプルに報告されたrの計算値に等しいかそれを越える確率を指す。略号『n.s.』は、『有意的でない』を意味する。
第I
節光力学的な除草組成物、殺虫組成物および脱水組成物を定めるプロトコール
【0037】
以下の例は、本発明で有用な光力学的化合物および組成物を容易に当業者が定めることのできるモデルシステムを説明するものである。
例1
ALAの光力学的効果
【0038】
胡瓜(Cucumis sativus L.cv Beit AlphaMR)
苗を、温室のガラス容器(深さ9cm直径9cm)中のバーミキュライトの中で発芽させた。苗には、ホアグランド溶液(Hoagland solution)を周期的に供給した。光周期は、白熱光(incandescent light)を50フィートカンデラで1日当たり14時間の光に保った。
【0039】
6日令の緑の苗を1容器当たり10本の植物となるように間引き、ALA(ミズリー州セントルイスのシグマケミカル社(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO))を微細なスプレーとして適用した。このALAは、0.45アセトン:0.45エタノール:0.1ツイーン80:9水(v/v/v/v)からなる溶剤混合物に0-20mMの範囲の濃度となるようにして溶かし、稀HClでpH3.5に調節した。9cmの直径のそれぞれのガラスの容器(約63.6cm2葉表面積)を0.25mlのALA(処理)または0.25mlの溶剤(対照)でスプレーした:これは約40ガロン/エーカーのスプレー率および約524g/エーカーのALAの現場適用率(field application rate)に相当する。溶液は、次に示すようにして改良ピアース『クイクススプレー』(Pierce“Quixspray”)エアゾールスプレーキット(イリノイ州ロックフォードのピアースケミカル社(Pierce Chemical Co.,Rockford,IL))を用いて非常に細かな均一なスプレーとして送出した:0.25mlの溶液をソードオフ(sawed-off)10ml円錐遠心管(これは、クイクススプレースプレージャー(Quixspray spray jar)の中に入れた)に入れた。非常に細かなミストの送出は、小さな穴のポリプロピレン管(0.3mmの内径またはより粘性のある溶液に対しては0.5mmの内径)を通じて溶液をポンプ送りすることにより達成された。小さな穴の管の一端は、クイクススプレー取り入れホースに浸漬し、他端は、円錐遠心管の中の溶液に浸した。このようにして、0.25mlのスプレーを送出するのに10-20秒かかり、これは苗を葉の飽和状態まで完全にスプレーするのに十分な時間であった。各処理は、二重に行った。平均の液滴半径は、0.3ml管については約25μm、0.5mm管については約50μmであった。
【0040】
スプレー後、植物をアルミニウム箔に包み、次に、黒いプラスチックの2重の層に包んだボール箱に入れた。テトラピロールの光合成と蓄積とが起こるようにこの暗箱を次に28℃で夜通し(17時間)温置した。
【0041】
次の朝、処理済み植物は、テトラピロール含量についてのサンプリングをした。ブラック箱に入れた植物は、テトラピロール含量を何ら影響せずに処理植物の取り扱いを可能とする緑色安全光を備えた暗室に運んだ。各2つの反復試験体(replicates)の各2つの子葉の一方を切除した。2-3グラムのバッチを、組織3グラム当たり溶剤18mlの割合として、アセトン:0.1NのNH4OH(9:1v/v)中でソーバルオムニミキサー(Sorval Omnimixer)(コネチカット州ニュータウンのデュポンインストラメント(DuPont Instruments,Newtown,CT))により均質化した。各種のテトラピロールを含む得られた80%アセトン抽出物は、0℃で10分間の39,000xgの遠心分離によりリポ蛋白質および細胞残滓を除いた。完全にエステル化したテトラピロールであるクロロフィルは、Rebeiz,C.A.,Matteis,J.R.,Smith,B.B.,Rebeiz,C.C.およびDayton,D.F.Arch.Biochem.Biophys.166:446-465(1975)の方法に従いヘキサンによる抽出によってアセトン水溶液から除去した。より極性のモノカルボキシルテトラピロールおよびジカルボキシルテトラピロールたとえばProto、MP(E)およびPchlideは、ヘキサン抽出アセトン水溶液中に残った。これらのテトラピロールの化学構造は、次のものに詳細に論じられている:Photosynthesis(Rebeiz,C.A.およびLascelles,J.):Energy Conversion by Plants and Bacteria,第1巻、Govindjee,ed.(Academic Press,New York,1982)、第699-780頁;およびRebeiz,C.A.Wu,S.M.,Kuhadja,M.,Daniell,H.およびPerkins,E.J.Mol.Cellular Biochem.57:97-125(1983)。Proto、MP(E)およびPchlideの量は、Rebeiz,C.A.,Mattheis,J.R.,Smith,B.B.,Rebeiz,C.C.およびDayton,D.F.Arch.Biochem.Biophys.171:549-567(1975)の方法に従い、ヘキサン抽出アセトン留分のアリコートの分光蛍光測定法により決定した。Chl aおよびbを含むヘキサン抽出物の小アリコートをN2ガスの下で乾燥し、残留物を80%アセトンに再び溶解させた。次に、このアセトン溶液中のChl aおよびbの量は、Bazzaz,M.B.およびRebeiz,C.A.,Photochem.Photobiol.30:709-721(1979)の方法に従って分光蛍光測定法により決定した。
【0042】
蛍光スペクトルは、2つの赤色感受性の拡張S20光電子倍増管(red-sensitive,extended S20 photomultipliers)(EMI9658)を備え、マイクロコンピューターシステムモデル9825S(カルホルニア州サンニベールのヘウレット-パッカード(Hewllet-Packard,Sunnyvale,CA))とインターフェイスしてある完全に補正したフォトン計数分光蛍光計モデルSLM 8000 DS(fully corrected photon counting spectrofluoroemeter)(イリノイ州アーバナのSLM-アミコ(SLM-Amico,Urbana,IL))に記録した。テトラピロール溶液は、直径3mmのシリンダー状マイクロセル中で0.3mlのサンプルについて室温でモニターした。濃度へのディジタルスペクトルデータの変換は、Rebeiz,C.A.,Daniell,H.およびMattheis,J.R.,Biotech.Bioeng.Symp.第12号:413-439(1982)の方法に従い、適当なスペクトルの記録に続きマイクロコンピューターにより自動的に行なった。発光スペクトルおよび励起スペクトルは、励起および発光のバンド幅2nmで記録した。
【0043】
モノビニルテトラピロールは、77°Kのエーテル中のその十分に確立された分光蛍光特性によりジビニルテトラピロールと区別できた(RebeizおよびLascelles,supra;Rebeiz,Wu,Kuhadja,DaniellおよびPerkins,supra;Belanger,F.C.およびRebeiz,C.A.,J.Biol.Chem.257:1360-1371(1982);およびBelanger,F.C.,Duggan,J.X.およびRebeiz,C.A.,J.Biol.Chem.257:4849-4858(1982)を参照)。低温の蛍光発光および励起のスペクトルを、Cohen,C.E.およびRebeiz,C.A.,Plant Physiol.61:824-829(1978)に記載のようにして、シリンダー状サンプル管で記録した。
【0044】
吸収スペクトルは、スリット幅2nmでスプリット-ビームモードで操作したアミコ二重波長分光光度計(Amico dual wavelength spectrophotometer)モデルDW-2(イリノイ州アーバナのSLM-アミコ(SLM-Amico,Urbana,IL))により記録した。
組織均質物の遠心分離後に残ったアセトン不溶残留物は、全ガラス組織グラインダーにより蒸留水中に懸濁させた。全蛋白質は、Rebeiz,C.A.,Castelfranco,P.A.およびEngelbrecht,A.H.,Plant Physiol.40:281-286(1965)の方法に従い、デリピディションの後、懸濁物の小アリコートで測定した。
【0045】
暗所温置17時間後、処理された植物は、蛋白質100mg当たり、382.82nmolのPchlideおよび2.36nmolのMP(E)をそれぞれ対照よりも蓄積した。子葉の半分がまだ完全な苗は、光による光力学的損傷の評価のために使用した。苗は、温室で日光に当て(雲の状況に依存して昼間で400-5000フィートカンデラ)、その成長を10日間にわたり評価した。処理済み植物の成長挙動の永久的な記録を確保するために、後者は、写真を毎日撮ったが(コダカラー(Kodacolor)、400ASA、ニューヨーク州ロチェスターのイーストマンコダック社(Eastman Kodak Co.,Rochester,NY))、これは、写真を撮った日付または日時をそれぞれの写真につけるディジタルバックおよびSMCペンタックス-A1:1.450mmレンズを備えたペンタックススパープログラムカメラ(イリノ州キャンペーンのヘリックス(Helix,Champaign,IL))によった。パーセント光力学的損傷は、太陽光への照射に応答するスプレーされた組織のパーセント死として評価した。たとえば、10のスプレー済み子葉または葉のうちの10が太陽光への照射の結果として死んだなら、光力学的損傷は、100%と考えた。10のスプレー済みの葉または子葉のうち5だけが死ぬと、光力学的損傷は、わずか50%であるというように見なした。光力学的損傷の程度は、蓄積したテトラピロールの量に慣用の相関分析により関連づけた。蓄積したテトラピロールの量は、組織蛋白質100mgあたりのnmol数で示した。これらの実験の結果を表Iに示す。

【0046】
光力学的損傷の徴候は、2つの形をとった:緑の葉状の組織の漂白(これは徐々に広がった);胚軸のひどい漂白。両方の場合で、これは、影響を受けた組織の腫張(turgidity)のひどい喪失を伴った。光力学的損傷は、漏れ易くなった細胞膜に影響を与え、これは、組織の急速でひどい脱水をもたらした。たとえば、10-20mM(262-524g/エーカー)のALA濃度で、日光の4-5時間の照射後、多数の苗が、非可逆的な損傷を受けた。死の原因は、通常、ひどい脱水、漂白および葉および/または胚軸組織の崩壊によった。一方、暗所に同じ時間おいた処理サンプルは、影響を受けなかった。
例2
【0047】
ALA+2,2’-DP処理に対する各種の植物種の光力学的応答 例1の手順を、次の代表的な単子葉植物および双子葉植物について行った:
胡瓜(Cucumis sativus L.cv Beit Alpha MR)
シロザ(Chenopodium album)
カラシ(Brassica kaber/juncea)
レッドルートアカザ(red root pigweed)(Amaranthus retrofexus)
普通スベリヒユ(common purslane)(Portulacaoleracea)
トマト(Lycopersicon esculentumcv Jet Star)
綿(Gossypium herbacium cv Coker-315)
レッドいんげんまめ(Phaseolus vulgaris L.cv.California Dark Red)
大豆(Glycine max cv Williams)
多年生イチゴツナギ(Poa pratensis cv Aspen)
大麦(Hordeum vulgare,var.Beacon Spring)
スイートコーン(Zea mays L.cv Gold Cup)
クラブグラス(Crabgrass)(Digitariasanguinalis L.およびDigitaria ischaemum)
ジャイアントフォックステイル(Giant foxtail)(Setaria faberii)
オート麦(Avena sativa cv Centennial)
コムギ(Triticum sativum cv Auburn)
【0048】
温室で成長した苗は、0.25ml(131g/エーカー)のALA+15mM(402g/エーカー)の2,2’-DP(pH3.5)で処理した。対照は、溶剤だけで処理した。次に全ての植物は、17時間暗所で温置した。翌朝、苗は、双子葉植物に対しては例1の手順、単子葉植物に対しては次に示す手順でテトラピロール含量についてのサンプリングを暗所で行った:2つの反復試験体の一方の苗を、上半分と下半分とに切除した。切除組織の2つのバッチは、組織3g当たり溶剤18mlの割合としてアセトン:0.1NのNH4OH(9:1v/v)中にソーバルオムニミキサーで別個に均質化した。他の反復試験体は、苗への光の光力学的作用を評価するために用いた。幾つかの双子葉植物について、茎および葉をテトラピロールに関して分析した。結果を表IIに示す。
【0049】

【0050】
この調査の結果の吟味は、植物が、ALA+2,2’-DPスプレーに3つの異なった様式で反応することを示すことを明らかとした。胡瓜により例示される1群の双子葉植物は、表IIでタイプI除草応答と言われるものを示した。この群の植物は、胡瓜とまったく同様にALA+2,2’-DPスプレーにたいして反応した。葉状の組織、茎および生長点は、有意的な量のテトラピロールを蓄積し、ひどい光力学的損傷を受けた(表II)。通常、苗は、非常に迅速に死に、応答の迅速性は、温室の光の強さに依存した。たとえば、この研究で用いた低スプレー濃度(131g/エーカーとしたALA+402g/エーカーとした2,2’-DP)では、日光への僅か4-5時間の照射が、晴れた明るい日(昼間4,000-6,000フィートカンデラ)に植物の死を起こすのに十分であった。他方、2-3日の日光浴が、同じ結果を達成するのに非常に曇った日(昼間400フィートカンデラ)に必要とされた。この種の光力学的除草応答を示す幾つかの植物種、たとえば、シロザ、カラシ、レッドルートアカザおよび普通スベリヒユは、問題ある雑草と考えられている。完全に広がった子葉と小さな成長している最初の葉を有する13日令のトマト植物が、タイプI応答(II)を示したのに対し、若い8-10日令のトマト苗は、スプレーによる影響がずっと少なかった(約40%の光力学的損傷)。
【0051】
他の双子葉植物、たとえば、綿、いんげんまめおよび大豆は、ALA+2,2-DP処理に対して異なる応答を示した。この応答は、表IIでタイプIIとしてある。この群に属する植物は、葉状の組織に有意的な量のテトラピロールを蓄積し、綿および大豆では茎には蓄積しない。他の種たとえばいんげんまめも茎にいくらかのテトラピロールを蓄積した。テトラピロールを蓄積する葉は、非常にひどい光力学的損傷を示し、数時間以内に死亡する。しかしながら、子葉、茎および生長点は、影響されないままでいる。そのような植物は、通常、新たな葉を生じることにより初めの光力学的損傷から回復するので、第2の適用が必要であろう。この群では、タイプII応答も、苗の年齢に依存した。たとえば、最初の葉が子葉の中でまだ閉じている6日令の大豆は、ALA+2,2’-DP処理により全く影響されなかった。一方、広がった最初の葉を有する9日令の大豆植物は、典型的なタイプII光力学的除草応答を示した。この種の応答を示した唯一のモニターされた単子葉植物は、スプレーされた葉の約30-40%が死んだ多年生のイチゴツナギ(blue grass)であった;この植物は、後に回復し、新たな葉をだした。
【0052】
ALA+2,2’-DP処理によりもたらせられる光力学的除草応答の第3のタイプは、タイプIII応答と呼ばれる。入手できるデータに基づけば、単子葉植物が、このタイプの応答を示した。ALA+2,2’-DP処理は、この植物によりテトラピロールの有意的な量の蓄積を誘発したが、光力学的損傷は、コムギ、オートおよびコーンでのように微小であるか、または大麦でのように顕著であるときはスプレーした植物の小部分の上半分に限定された。その場合、光力学的損傷は、小さな壊死領域からなっていた。苗は、勢いよく成長を続け健康な植物になって行った。
【0053】
この例で説明した光力学的配合は、優れた度合の種、年齢および器官依存選択性を示した。双子葉植物の雑草たとえばシロザ、カラシ、レッドルートアカザおよび普通ヒベユリは、テトラピロール誘発光力学的損傷をかなり受け易く、一方、単子葉植物たとえばコーン、コムギ、およびオートは、スプレーにより悪影響を受けなかった。他の双子葉植物は、大豆のように発育の初期段階でのスプレーにより影響を受けないか、あるいはいんげんまめ、大豆および綿に観察されるように新たな健康な葉を生じて最初の葉の急速な破壊から完全に回復した。さらに、テトラピロールを蓄積した幾つかの組織たとえば豆の茎は、なんら光力学的損傷を示さなかった。この器官、年齢および種依存光力学的除草選択性の生化学的基礎は、特に、テトラピロール代謝回転速度(rate of tetrapyrrole turnover)と、与えられた植物種のMVおよびDVテトラピロール生合成経路の示差増強(differential enhancement)とに依存していると考えられる。
第II節
クロロフィル生合成モジュレーター
例3
【0054】
ALA+モジュレーター処理に対するコーン、大豆および10の雑草種のTDPH感受性
コーン(Zea mays)、大豆(Glycine max)および10の普通の雑草種に対するALAおよび4つのChl生合成モジュレーター(ピコリン酸、フェナントリジン、1,10-フェナントロリンおよび4,7-フェナントロリン)のTDPH性能のモジュレーターベースを温室条件下で調べた。植物は、午後遅くスプレーし、光に当てる前に、12時間暗所に置きテトラピロール蓄積が起こるようにした。成長部屋では、光周期は、10時間暗(dark)、14時間光(light)に設定した。暗温置期間の終わりに、テトラピロール蓄積および光に当てたときに観察された続く植物毒性を統計的に分析した。
【0055】
2つの溶液をスプレーの日に新たに調整した:(a)ポリエチレングリコール600、メタノール、ツイーン80および水(7:2:1:90v/v/v/v)からなる溶液(-)および(b)上記の溶液にさらに40mMのALAおよび30mMの次のモジュレーターの内の1種:2-ピリジンカルボン酸(すなわちピコリン酸)、1,10-フェナントロリン、フェナントリジンまたは4,7-フェナントロリンを含むようにした除草溶液(+)。溶液および除草溶液のpHは、1.2NのHClおよび/または1.0NのKOHにより室温で3.5に調節した。溶液は、平均液滴直径75μmMを生じる改良エアゾールキットにより1容器(高さ9cmおよび直径9cm)当たり0.38mlの割合でスプレーした。暗所でのテトラピロール蓄積と明るいところでの光力学的傷害は、21℃で12時間のスプレー後温置期間12日の後に評価した。
【0056】
テトラピロールの蓄積は、表IIIに示した。蓄積は、処理、植物種および処理と植物種との相互作用に有意的に依存した。2つのDMV/LMV雑草であるヒメモロコシおよびイヌビエ(79-86%)の受けた比較的低い光力学的傷害は、その蓄積している支配的なMV Pchlideに帰せられた。これらの2種の雑草で優勢的なMVモノカルボキシルChl a生合成ルートに属するこの形のPchlideは、容易に代謝され得、したがって、光に当たることによって損傷一重項酸素を生じるに十分な長さは存続しない。同様に、2つのDDV/LDV雑草であるベルベットリーフ(velvetleaf)(76%)およびプリックリシダ(prickly sida)(89%)の受けた比較的に低い光力学的傷害は、光の存在下でこれらの2つの雑草により迅速に代謝され得るDV Pchlideのその優勢な蓄積に帰せられた。トールアサガオ(tall morningglory)、大豆およびコーンを除く全ての他の雑草種の受けた光力学的傷害の比較的に高い傷害(100-99%)は、MV Pchlideのその優勢な蓄積により説明された。この形式のPchlideは、夜明けにこれらのDMV/LDV種により容易に代謝され得なく、その理由は、これらは、光の中でDV生合成緑化パターンを主に用いるからである。
【0057】
大豆の全体的に低い光力学的感受性は、ほとんど完全な子葉により起こされる回復(rebounding)に帰せられた。大豆の処理した葉であるDMV/LDV組織は、暗所でのMV Pchlideの優勢な蓄積に起因して光の中で100%光力学的損傷を受けたが、テトラピロールの非常に劣るアキュムレータ(accumulator)である子葉は、スプレーにより比較的に影響を受けない。結果として、大豆子葉は、苗の全体的な光力学的な損傷の割合を下げる新たな葉の成長を支持した。
【0058】
多量のテトラピロールを蓄積したDMV/LDV植物種のコーンは、12の植物種の中では最も影響されなかった。光力学的傷害に対するコーンの相対的抵抗の理由は、未知である。DDV/LDV植物種であるアサガオは、DV Pchlideを主として蓄積し、MV Pchlideの蓄積は少ないが、98%の平均光力学的損傷を受けた。その極端な光力学的な感受性は、その緑化群協力関係(greening group affiliation)に関係無く、テトラピロール蓄積に対する非常に低い許容度に帰せられ得る。
【0059】

例4
【0060】
TDPH活性に対するクロロフィル生合成モジュレーター
推定上のモジュレーターの予備的スクリーニングは、温室栽培胡瓜苗(子葉段階)であるDDV/LDV植物組織を用いて、制御した実験条件下で行った。苗は、午後遅く、1エーカー当たり40ガロンの割合で、平均液滴寸法75μの5mMのALA+20mMのモジュレーターをスプレーした。スプレーした植物は、アルミニウム箔に包み有効成分の浸透を最大限とするようにしてから、28℃で17時間暗所に置きテトラピロールの蓄積を誘発させた。翌日、植物は、包みを解き、温室内で光に当てた。光力学的損傷は10日間にわたり目視と写真により評価した。88-90%またはそれより良好な光力学的損傷を示したモジュレーターは、さらなる実験のために保持した。
【0061】
66種の商業的に入手できる化合物が、胡瓜苗に対して88-100%光力学的死をもたらすことを示した。これらのTDPHモジュレーターは、12の異なる鋳型に属した。12のTDPH鋳型およびTDPH活性を示した66の対応する類似体は、表IVに記載してある。特に、ニコチン酸およびニコチンアミド鋳型に属する9種のモジュレーターは、ALAと共に用いたとき胡瓜に88-100%光力学的死をもたらすことを示した。簡単なビタミン誘導体であるこれらのモジュレーターは、ALAとビタミン誘導体からなる完全に生分解性で安全なTDPH配合物の設計を可能とする。
【0062】
追加の89種の商業的に入手可能な5員のN-複素環モジュレーターは、コーンに対し最小の植物毒性を示し、胡瓜、アカザおよびヒメモロコシに対して88%またはそれより良好な死をもたらした。これらのTDPHモジュレーターは、11の異なる鋳型に属した。11のTDPH鋳型および87の対応する5員のN-複素環モジュレーターは、表Vに記載した。
【0063】

【0064】

【0065】

【0066】

【0067】

【0068】

【0069】

【0070】

【0071】

【0072】

【0073】

【0074】

【0075】

【0076】

【0077】

【0078】

【0079】

【0080】

【0081】

【0082】

【0083】

【0084】

【0085】

【0086】

例5
効能のある光力学的除草剤モジュレーターとしての置換1,10-フェナントロリン類
【0087】
オルトフェナトロリン(OPH)としても知られる1,10-フェナントロリンは、効能ある光力学的除草剤モジュレーターである。これは、外因性ALAの不在下および存在下で、処理済胡瓜に暗所での多量のテトラピロールの蓄積を誘発する。ALAの存在下で、このものは多数の雑草種に対して非常に効能のある光力学的除草剤調節活性を示す。Chl生合成モジュレーターとしてのOPHの作用の態様が、周辺置換基(peripheral substituent)の導入により影響されるかどうかを調べた。
【0088】
化合物1-7および11(表VI)を、アセトン:メタノール:ツイーン:水(4.5:4.5:5:1:90、v/v/v/v)に溶解させた。化合物8-10および12(表VI)を、エタノール:メタノール:ツイーン80:ポリエチレングリコール600(45:45:1:9、v/v/v/v)に溶解させた。全ての溶液は、スプレーするその日に調整した。処理は、溶剤処理による対照、5mMのALAおよび2、4および6mMのモジュレーター(5mMのALAを加えるかまたは加えない)から成り立つものとした。全ての溶液のpHは、1.2NのHClまたは1.0NのKOHにより室温で3.5に調節した。
【0089】
胡瓜の種は、湿気のあるバーミキュライトに蒔いた。発芽は、14/10時間の光/暗の光周期の下で成長室で行った。温度は、光中での27℃-暗での21℃の範囲であった。苗は、ホアグランドの栄養溶液を与えた。スプレーに先立ち、苗は、1容器当たり6本に間引いた。
【0090】
植物の葉は、改良エアゾールキットにより1容器当たり0.35mlの割合でスプレーした。スプレーした植物は、アルミニウムの箔に包み、植物の包みを開ける前に暗所で21℃で14-16時間温置し、テトラピロール含量を測定してから光に当てた。
【0091】
後スプレー暗温置に続き、各植物からの1つの子葉を、ほの暗い緑のセーフライトの下で切除し、テトラピロール含量の蓄積の測定のために用いた。苗1つ当たり1つの残った子葉を有する植物を次ぎに、光力学的傷害の誘発のため成長部屋で光に当てた。後者は、10日間にわたり目視と写真によりモニターした。10日目に、地上部の成長部を土壌のレベルで切除し、乾燥し、乾燥重量を記録した。OPHマクロサイクル(macrocycle)の周囲での置換(substitution)は、ALAとして光力学的除草活性の顕著な調節をもたらし、各種のOPH類似体が単独であるいは組み合わさって光力学的傷害に寄与した。結果を表VIに示した。
【0092】

第III節
クロリフィルの欠けている組織へのTDPHの作用
例6
殺虫組成物
【0093】
同時係属出願番号第07/294,132号に記載の殺虫システムは、ポルフィリン-ヘム生合成経路のある種モジュレーターを記載していて、これは単独でまたはALAと組み合わせて用いたとき処理された虫のProtoの実質的な蓄積を誘発した。制御されていないProto生合成および蓄積は、未知の機構により暗所で処理済虫の死〔暗死(dark death)〕を起こし、恐らく一重項酸素の形成により明るいところでの処理済虫の死〔明死(light death)〕を起こした。Protoは、正常な組織の中で多量に及んで蓄積しない遷移代謝物である。それは、葉緑体とミトコンドリア中のチトクロームの補欠分子族(prosthetic group)であるプロトヘムの即時(immeidate)先駆体である。それは、また、ペルオキシダーゼおよびカタラーゼの補欠分子族である。9種のTDPH鋳型に属する23種のモジュレーターが、ALAと共に用いたとき4つの虫種に88-100%光力学的死を示した。TDPH鋳型および対応するモジュレーターを表VIIに記載した。
【0094】

【0095】

【0096】

例7
根に対するTDPHの効果
【0097】
非クロロフィル植物組織たとえば根は、チトクロームおよび恐らく活性ポルフィリン-ヘム生合成経路を含む多量のミトコンドリアを含む細胞からなるので、幾つかのTDPH配合物が、虫に対して有効であったのと同じように植物の根に有効であるかどうかを調べた。特に、植物の根は土壌の自然環境中で通常光から遮られているので、植物の根が、TDPH依存暗死を受け易いかどうかを測定することは興味あることであった。切除した胡瓜の根およびそのままの胡瓜の根に対するALAと4つの異なる鋳型に属する4つのモジュレーターの効果を、調べた。
【0098】
切除した胡瓜の根は、ALAおよび次に示す複数のモジュレーターの1つと共に暗所で夜どうし温置した:DPY、1,10-フェナントロリン、4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4,7-フェナントロリン、フェナントリジン、ピコリン酸およびエチルニコチネート。暗所温置の終わりに、組織は、テトラピロール蓄積について分析し、次に、光力学的損傷の評価のために光に当てた。後者は、目視により評価しまた対照と比較し処理済みの根の酸素消費の減少を通じてポーラログラフィーにより評価した。ALAおよびTDPHモジュレーターと共に温置した切除した根は、暗所で多量のテトラピロールを蓄積した。Protoが、蓄積した主なテトラピロールであったが、有意的な量のMPEおよびPchlideも形成された。このことは、いくらかのエクストラミトコンドリアプラスチドテトラピロール生合成も起こっているであろうことが示唆される。明るいところでは、テトラピロールを蓄積した切除した根が、有意的な植物毒性を示した。完全な苗の根に対するTDPH処理の効果を測定するために、胡瓜の苗に、4mMのALA+3mMのモジュレーターからなる溶液を1度与えた。処理苗は、テトラピロール分析と光への照射に先立ち、様々な期間、暗所に保った。切除した根に観察されたように、ALA+1,10-フェナントロリンからなる溶液を与えた完全苗の根は、多量のテトラピロールを蓄積した。この場合も、暗所で蓄積した主要なテトラピロールプールは、Protoからなっていた。しかしながら、このProto蓄積は、暗所で根の細胞に対し有毒ではなかった。暗所で2日した後も、根系統への明らかな損傷は観察されなかった。全体的に見てこれらの結果は、植物の根は、ALAおよびTDPHモジュレーターによる処理に対してテトラピロールを蓄積することにより反応するが、これらの植物の根は、虫で観察される暗テトラピロール依存死の現象を示さないことを表した。
***
【0099】
これらの例は、本発明の新規な概念を説明するものである。作用の光力学的態様は、次の2つの主な観点で作用の他の公知の態様と異なる:(a)光力学的態様は、生きている植物の葉の中のテトラピロールの生合成と蓄積とに依存する;および(b)蓄積したテトラピロールは、植物の葉を光感受性とするので、後に光に当たると、非常に損傷を与える光力学的効果(感受性のある所望されない植物の死をもたらすかまたは所望の植物の死を伴わずに葉の脱水をもたらす非常に損傷を与える光力学的効果)を生じる。
【0100】
殺虫系では、Protoの蓄積は、処理された虫に誘発される。制御されないProto生合成および蓄積は、暗所および明るいところでの処理済虫の死をもたらした。
【0101】
δ-アミノレブリン酸は、すべての生きている細胞に存在する天然の代謝物である;これは、生物圏の天然の成分であり、容易に生分解され得る。同じことが、ALA暗代謝の生成物にもあてはまる、すなわち、植物を光に当てると非常に急速に消失することを示したChl生分解経路のテトラピロール中間体にもあてはまる。同様に、例えばエチルニコチネートのような天然に存在するビタミンまたはその誘導体であるモジュレーターは、容易に生分解されることが期待されかつ環境に悪影響を及ぼさないことが期待される。したがって、ALAおよび/またはビタミンまたはその誘導体を用いる本発明の光力学的脱水組成物および方法は、環境に悪影響を及ぼさないであろう。
【0102】
本発明の精神と範囲内での組成物および適用の追加の例は、同時係属出願番号第06/895,529号および同第07/294,132号およびRebeiz,C.A.ら、CRC critical Reviews in Plant Sciences,6(4):385-436(1988)に記載されている。
【図面の簡単な説明】
以下に使用される次の用語は、特に断らない限り、次の意味を有する:
Alk=(C1-C10)アルキル基;ALA=δ-アミノレブリン酸;Chl=クロロフィル;Chlide a=クロロフィリド(chlorophyllide)a;coprogen=コプロポーフィリノゲン(coproporphyrinogen);cv=栽培品種(cultivar);dicot=双子葉植物(dicotyledenous plant);DP=ジピリジル(dipyridyl);DV=ジビニル;E=エステル;F.AL=脂肪アルコール;LWMP=長波長メタロポプルフィリン(環E形成の推定上の中間体);M=メチル化;ME=メチルエステル;Me=メチル;Me.P=メチルプロピオネート;monocot=単子葉植物(monocotyledenous plant);MPE=Mg-プロトポルフィリンモノエステル;MP(E)=MPEとMg-プロトポルフィリンIXの混合物;MV=モノビニル;P=ゲラニルゲラニオールによるエステル化をしさらにフィトールへ段階的に変換する;PBG=ポルホビリノーゲン;Pchl=プロトクロロフィル;Pchlide=プロトクロロフィリド(protochlorophyllide);Phy=フィトール;Proto=プロトポルフィリンIX;Protogen=プロトポルフィリノゲンIX;Urogen=ウロポルフィリノゲン(uroporphyrinogen);var=変種(vareity)。
本発明は、添付の図面を参照することによりさらによく理解されるであろう。
図1は、6つに枝分かれしたChl aの生合成経路を示している図である。
図2は、図1に示したメタロテトラピロール(「テトラピロール」)のいくつかの代表的な構造を示す図である。
図3は、プロトポルフィリンIXの蓄積に関連される林檎苗木のパーセント落葉を示している図である(*測定の係数(r2)は、5%レベルで有意的である)。
図4は、ジビニルMgプロトポルフィリンモノエステルの蓄積に関連される林檎苗木のパーセント落葉を示している図である(*測定の係数(r2)は、5%レベルで有意的である)。
図5は、モノビニルプロトクロロフィリドの蓄積に関連される林檎苗木のパーセント落葉を示している図である(*測定の係数(r2)は、5%レベルで有意的である)。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-10-11 
出願番号 特願2000-226123(P2000-226123)
審決分類 P 1 651・ 853- YA (A01N)
P 1 651・ 531- YA (A01N)
P 1 651・ 534- YA (A01N)
P 1 651・ 113- YA (A01N)
P 1 651・ 121- YA (A01N)
P 1 651・ 851- YA (A01N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 守安 智  
特許庁審判長 西川 和子
特許庁審判官 冨永 保
原田 隆興
登録日 2002-11-01 
登録番号 特許第3365503号(P3365503)
権利者 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティー オブ イリノイ
発明の名称 除草および殺虫組成物並びに除草および殺虫方法  
代理人 浅村 肇  
代理人 浅村 肇  
代理人 浅村 皓  
代理人 赤澤 太朗  
代理人 浅村 皓  
代理人 赤澤 太朗  
代理人 安藤 克則  
代理人 安藤 克則  

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