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審決分類 審判 一部申し立て 発明同一  B41M
管理番号 1128949
異議申立番号 異議2003-73744  
総通号数 74 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-01-20 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-26 
確定日 2005-11-14 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3447338号「熱的染料拡散転写のための画像受容材料用の支持体材料」の請求項1、3、5、8、9に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3447338号の請求項2、4、7、8に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3447338号は、平成5年9月30日(パリ条約による優先権主張1992年10月1日、ドイツ連邦共和国)に出願され、平成15年7月4日にその発明について特許の設定登録がなされた。
本件特許公報が平成15年9月16日に発行されたところ、その全請求項である請求項1ないし9に係る特許に対して、株式会社ディスクより特許異議の申立があり、その後、請求項2、4、6及び7に対する申立が取り下げられ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成17年9月20日付で訂正請求がなされた。

2.訂正の適否
(1)訂正の内容
特許権者が求める訂正の内容は、本件特許明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに、すなわち次のaないしiのとおりに訂正しようとするものである。
(a)特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(b)請求項2を、次のように訂正する。
「【請求項1】 支持体および微細球を含有する中間層からなる熱的染料拡散転写のための画像受容材料用の支持体材料において、中間層が、25℃以上の最低塗膜形成温度を有する塗膜形成結合剤と、中空のポリマーの微細球の形の顔料を含有し、その際、前記の微細球は、容量が全体の球体の10〜55%である内部空間を有し、中間層中の微細球の量が4〜30重量%であり、微細球の内部空間の容量が全体の球体の12.5〜25%であることを特徴とする熱的染料拡散転写のための画像受容材料用の支持体材料。」
(c)請求項3を、請求項2に繰り上げ、「請求項1または2記載の」を「請求項1記載の」と訂正する。
(d)請求項4を、請求項3に繰り上げ、「請求項1から3までのいずれか1項記載の」を「請求項1または2記載の」と訂正する。
(e)請求項5を、請求項4に繰り上げ、「請求項1から4までのいずれか1項記載の」を「請求項1から3までのいずれか1項記載の」と訂正する。
(f)請求項6を、請求項5に繰り上げ、「請求項5記載の」を「請求項4記載の」と訂正する。
(g)請求項7を、請求項6に繰り上げ、「請求項1から6までのいずれか1項記載の」を「請求項1から5までのいずれか1項記載の」と訂正する。
(h)請求項8を、請求項7に繰り上げ、「請求項1から7までのいずれか1項記載の」を「請求項1から6までのいずれか1項記載の」と訂正する。
(i)請求項9を、請求項8に繰り上げ、「請求項1から8までのいずれか1項記載の」を「請求項1から7までのいずれか1項記載の」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張変更の存否
これらの訂正事項について検討する。
訂正事項(a)は、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正に該当する。
訂正事項(b)は、請求項1の削除に伴い、請求項2の項番を繰り上げると共に、請求項1を引用する形式で記載されていたものを、独立形式の記載に改めるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当する。
訂正事項(c)ないし(i)は、請求項1の削除に伴い、請求項3以下の項番を繰り上げ、合わせて引用する請求項の表示を適正化しようとするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当する。
そして、該訂正事項(a)ないし(i)は、特許明細書に記載された事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。

(3)むすび
したがって、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議申立について
3-1 本件発明
本件の請求項1ないし8に係る発明は、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】 支持体および微細球を含有する中間層からなる熱的染料拡散転写のための画像受容材料用の支持体材料において、中間層が、25℃以上の最低塗膜形成温度を有する塗膜形成結合剤と、中空のポリマーの微細球の形の顔料を含有し、その際、前記の微細球は、容量が全体の球体の10〜55%である内部空間を有し、中間層中の微細球の量が4〜30重量%であり、微細球の内部空間の容量が全体の球体の12.5〜25%であることを特徴とする熱的染料拡散転写のための画像受容材料用の支持体材料。
【請求項2】 中空の微細球が0.4〜1μmの直径を有する請求項1記載の支持体材料。
【請求項3】 中空のポリマーの微細球がスチレン-、アクリル-および/またはスチレン/アクリル-コポリマー樹脂からなる請求項1または2記載の支持体材料。
【請求項4】 結合剤が、ポリアクリルニトリル-、ポリビニルクロリド-、ポリビニルアセテート-、ポリビニリデンクロリド-、ポリアミド-、メラミン-、ポリウレタン樹脂またはこれらの混合物からなる樹脂である請求項1から3までのいずれか1項記載の支持体材料。
【請求項5】 結合剤がポリビニリデンクロリドを含有する混合物である請求項4記載の支持体材料。
【請求項6】 中間層がポリオレフィン被覆された原紙上に設けられている請求項1から5までのいずれか1項記載の支持体材料。
【請求項7】 中間層の塗布量が0.5〜50g/m2である請求項1から6までのいずれか1項記載の支持体材料。
【請求項8】 中間層上に受容層が設けられている請求項1から7までのいずれか1項記載の支持体材料。」

3-2 特許異議申立の理由の概要
特許異議申立人は、下記の甲第1号証ないし甲第3号証を提出して、訂正前の請求項1、3、5、8及び9に係る発明は、甲第2号証及び甲第3号証を参照すれば、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開された甲第1号証出願の願書に最初に添付した明細書に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願に係る上記の発明をしたものであるとも、またこの出願の時において、その出願人がその出願前の出願に係る上記特許出願の出願人と同一であるとも認められないので、特許法第29条の2第1項に規定する発明に該当することを理由として、訂正前の請求項1、3、5、8及び9の各発明に係る特許は、拒絶しなければならない特許出願に対して特許されたものであるからその特許を取り消すべき旨主張する。

甲第1号証 特願平3-339444号の願書に最初に添付した明細書(以下、「先願明細書」という。特開平5-147364号公報を以て代える。)
甲第2号証 共立出版発行「化学大事典 第8巻」第747〜748頁「ポリ塩化ビニル」の項
甲第3号証 日本接着協会編「接着ハンドブック(第2版)」第479頁第27行ないし第480頁の下から8行

3-3 先願明細書等に記載された事項
先願明細書には、次の事項が記載されている。
(a) 「【請求項1】 基材シートの一方の面に、少なくとも染料受容層を含む樹脂層を設けてなる熱転写受像シートにおいて、該樹脂層が、体積中空率が50%以上の中空カプセルを含むことを特徴とする熱転写受像シート。
・・・
【請求項3】 中空カプセルの粒径が0.2〜30μmである請求項1に記載の熱転写受像シート。
・・・
【請求項5】 中空カプセルを含む層の樹脂のTgが80℃以下である請求
項1に記載の熱転写受像シート。
・・・
【請求項10】樹脂層が、染料受容層と、中間層(バリヤー層)及び/又は接着剤層(又は粘着層)とからなり、これらの層の少なくとも1層が中空カプセルを含有している請求項1に記載の熱転写受像シート。
【請求項11】 接着剤層(又は粘着剤層)が中空カプセルを含有している
請求項10に記載の熱転写受像シート。」(特許請求の範囲)、
(b) 「【0011】 更に上記の受容層3と基材シートとの中間には、必要に応じて中間層3を形成する。中間層3は、基材シート面に形成してもよい接着剤層4中に上記の中空カプセルを含有させる場合、中空カプセルによる受容層3面の凹凸の発生や中空カプセルの破裂による受容層の破損を防ぐ作用をし、・・・比較的硬い樹脂や弾力性に富む樹脂から形成することが好ましい。この様な中間層は省略してもよく、中間層を設けることなく基材シート面に接着剤層を設けてもよい。」
(c)「【0012】 ・・・。中空カプセルの体積中空率は、50%以上であること必要であり、これ以下の体積中空率では十分なクッション性と断熱性とが得られない。最も好ましい結果は体積中空率が90%以上、例えば、90〜99.0%であるときに得られる。・・・」
(d)「【0013】中空カプセルは前記の理由から接着剤層に包含させることが好ましく、この接着剤層に中空カプセルを包含させる場合には、接着剤のTgが80℃以下であることが好ましく、この様な接着剤を使用することによって、中空カプセルのクッション性が十分に生かされ、又、受像シートを製造する際のドライラミネート工程において基材シートに対する良好な接着性を発揮させることが出来る。」

甲第2号証には、ポリ塩化ビニルのガラス転移温度はは79°であること(747頁右欄〜748頁左欄)、甲第3号証には、「エマルションが連続被膜を形成する最低の温度を最低造膜温度(・・・、MFT)と称し、・・・その温度は大体Tg付近にある。」(480頁2行〜下から8行)が記載されている。

3-4 判断
(1)訂正前の請求項1に係る発明は、上記の訂正によって削除されたので、請求項1に対する特許異議の申立は、その申立ての対象を失った。
(2)訂正前の請求項3、5、8及び9は、訂正後の請求項2、4、7及び8に対応するので、申立ての対象となる請求項2、4、7及び8について検討すると、該請求項2、4、7及び8に係る発明は、いずれも請求項1を引用する発明であり、請求項1に係る発明の構成である「微細球の内部空間の容量が全体の球体の12.5〜25%である」との構成を備えたものである。
しかしながら、先願明細書に記載の発明は、染料受容層を含む樹脂層中に含有させる「中空カプセル」(本件請求項に係る発明における「微細球」に相当する)の体積中空率を50%以上とするものであって、「微細球の内部空間の容量を全体の球体の12.5〜25%とする」ことは記載されていないから、甲第2号証及び甲第3号証を参酌しても、訂正後の請求項2、4、7及び8に係る発明は、先願明細書に記載された発明と同一であるとすることはできない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては本件請求項2、4、7、8に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項2、4、7、8に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件請求項2、4、7、8に係る発明の特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対して付与されたものと認めないから、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
熱的染料拡散転写のための画像受容材料用の支持体材料
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】支持体および微細球を含有する中間層からなる熱的染料拡散転写のための画像受容材料用の支持体材料において、中間層が、25℃以上の最低塗膜形成温度を有する塗膜形成結合剤と、中空のポリマーの微細球の形の顔料を含有し、その際、前記の微細球は、容量が全体の球体の10〜55%である内部空間を有し、中間層中の微細球の量が4〜30重量%であり、微細球の内部空間の容量が全体の球体の12.5〜25%であることを特徴とする熱的染料拡散転写のための画像受容材料用の支持体材料。
【請求項2】中空の微細球が0.4〜1μmの直径を有する請求項1記載の支持体材料。
【請求項3】中空のポリマーの微細球がスチレン-、アクリル-および/またはスチレン/アクリル-コポリマー樹脂からなる請求項1または2記載の支持体材料。
【請求項4】結合剤が、ポリアクリルニトリル-、ポリビニルクロリド-、ポリビニルアセテート-、ポリビニリデンクロリド-、ポリアミド-、メラミン-、ポリウレタン樹脂またはこれらの混合物からなる樹脂である請求項1から3までのいずれか1項記載の支持体材料。
【請求項5】結合剤がポリビニリデンクロリドを含有する混合物である請求項4記載の支持体材料。
【請求項6】中間層がポリオレフィン被覆された原紙上に設けられている請求項1から5までのいずれか1項記載の支持体材料。
【請求項7】中間層の塗布量が0.5〜50g/m2である請求項1から6までのいずれか1項記載の支持体材料。
【請求項8】中間層上に受容層が設けられている請求項1から7までのいずれか1項記載の支持体材料。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、支持体と中間層とを有する熱的染料拡散転写(Dye Diffusion Thermal Transfer,D2T2)用の画像受容材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
数年来、熱的染料拡散転写の方法が発展し、電子的に作られた画像を再現することがハードコピーの形で可能になった。このような方法の原則は、次のようなものである。デジタル画像を原色のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックに関して評価し、相応する電気的信号の形に変換し、この信号をサーマルヘッドを用いて熱の形に変換する。熱の影響により染料は、受容材料と接触する染料リボン(染料フィルム)のドナー層から昇華し、受容層中へと拡散する。
【0003】
熱的染料転写用の受容材料は、原則として、支持体とその前面に設けられた受容層とからなる。受容層のほかに、しばしばなお他の層が支持体の前面に設けられている。たとえば中間層、たとえば遮断層、分離層、接着層等または保護層がこれに属する。
【0004】
支持体として、プラスチックシート、たとえばポリエステルフィルムまたは被覆された紙を利用することができる。
【0005】
受容層の主成分は、原則として、染料リボンからの染料に対して親和性を有する熱可塑性樹脂である。これについて、たとえばエステル化合物(ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂およびスチレンアクリレート樹脂)、アミド結合を有するプラスチック(ポリアミド樹脂)ならびに前記した樹脂の混合物を使用することができる。しかし主成分として少なくとも前記した構造を有するコポリマー、たとえば塩化ビニル/酢酸ビニル-コポリマーも使用することができる。
【0006】
光学密度、色調(グラデーション再現性)および解像度に関して高い品質を有する画像を得るために、受容材料は次のことが要求される:
平滑な表面
熱安定性
光安定性
良好な染料可溶性
良好な引掻抵抗および磨耗抵抗
不粘着特性(粘着しない)
前記した特性の達成にもかかわらず質の悪い画像が生じ、これはプリンター中でのサーマルヘッドの対向する輸送ドラムへの接触が欠けることに起因し、印刷されない箇所が生じることは公知である。この効果を防止するために、受容材料に関してもう一つの柔軟性(Softness)が要求される。
【0007】
柔軟な密着性の受容材料は、たとえばクッション層の機能を満たす中間層を設けることにより製造することができる。
【0008】
この問題は、特開昭第62-146693号公報において、スチレン/ブタジエン-または酢酸ビニル-ラテックスからなるクッション層を設けることにより解決するとのことである。
【0009】
もう一つの特許明細書の特開平-02-274592号公報においては、発泡したポリプロピレンからなる中間層が設けられている。
【0010】
同じ問題はもう一つの特許明細書の特開平03-092382号公報において微細多孔性樹脂-中間層を設けることにより解決されるとのことである。
【0011】
さらに、クッション層中に球形の充填剤、たとえばポリプロピレンを混入することも公知である(特開平03110195号明細書)。
【0012】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3934014号明細書においては、中空の樹脂粒子および/または不均一な樹脂粒子の形で大きな分子量の微細球を含有する多孔性の断熱性の層が支持体上に設けられた受容材料を提案している。
【0013】
この受容材料に関する欠点は中間層の多孔性である。この多孔性により染料が受容層から下層の内部へと侵入してしまい、転写された画像が鮮鋭にならない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、画像受容層の種類および組成に無関係に、平面において均質な色の分配で、印刷されない箇所のない高度な色濃度および解像度を有する画像の印刷を可能にする熱的昇華方法のために画像受容材料用の支持体材料を提供することであった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、少なくとも25℃の最低の塗膜形成温度(MFFT)を有する塗膜形成結合剤および中空の高分子の微細球の形の顔料を含有し、その際、微細球は内部空間を有しており、その容量は全球体の10〜55%の間にあるような中間層により解決される。特に、内部空間容量が全球体の12.5〜25%である微細球が適している。
【0016】
中空の微細球は0.4〜1μm、有利に0.4〜0.6μmの直径を有している。
【0017】
本発明による中間層はポリオレフィン被覆された原紙、特にポリエチレン被覆されたまたはポリプロピレン被覆された原紙上に設けられる。
【0018】
中空の微細球の材料は、スチレン-、アクリル-および/またはスチレン/アクリルコポリマー樹脂から選択される。
【0019】
期待された効果に対して意想外に、中間層中での微細球が4〜30重量%の量、の場合に、転写された画像の高い解像度ならびに印刷されない箇所のない均質な外観を達成できることが示された。
【0020】
さらに、本発明による微細球を使用することにより中間層で被覆された材料の良好な不透明性が達成され、このことが付加的に通常の裏面のマークを不可視にする。
【0021】
本発明による中間層を使用することにより、受容層とポリオレフィン被覆された紙支持体との間の良好な遮断効果が達成される。それにより、熱の作用下に、不鮮明な外観を示すような染料の下層の紙への拡散およびポリオレフィン被覆および紙からなる材料からの伝播を生じさせない。
【0022】
本発明による中間層中に使用された25℃以上の最低の塗膜形成温度を有する塗膜形成結合剤は、アクリルニトリル-、アクリル酸エステル-、塩化ビニル-、酢酸ビニル-、塩化ビニリデン-、ポリアミド-、ウレタン-ホモポリマーまたは-コポリマーならびにこれらの樹脂からなる混合物からなる有機溶剤中に可溶性の樹脂である。
【0023】
前記した結合剤の代わりに塩化ポリビニリデンを常に含有する混合物、アクリレートコポリマーおよび塩化ポリビニリデンからなる約26℃の最低塗膜形成温度を有する混合物が特に有利であると判明した。
【0024】
さらに、中間層は、なお他の添加剤、たとえば分散助剤、離型剤、着色剤、特に助剤を含有することができる。
【0025】
中間層は、水性分散液として、通常の全ての塗布法および配量法、たとえばナイフ塗布、ローラー塗布、ブラシ塗布、グラビア塗布またはニップ塗布を用いて支持体上に塗布され、引き続き乾燥される。乾燥した層の塗布量は、0.5〜50g/m2、特に2〜10g/m2である。
【0026】
本発明の特別な態様において、受容材料の裏面に、材料の裏面上に画像の押し付けを妨げる層を設ける。この裏面層は、結合剤、たとえばデンプン、ゼラチンおよび他の助剤、たとえば顔料を含有することができる。
【0027】
【実施例】
本発明を、次の実施例につき詳説する。
【0028】
例1
被覆のために、両面ポリエチレン被覆原紙を使用した。この紙は次の特性を有していた。
面積重量:108g/cm2

塗布量:17.5g/m2

塗布量:17.5g/m2
前記の原紙の前面に、次の組成の水性分散液を用いて被覆し、引き続き乾燥させた:
【0029】
【表1】

【0030】
その他の試験条件
機械速度:130m/分
乾燥温度:110℃
乾燥時間:10秒
記載された中間層を備えた材料上に、次の組成の受容層を塗布した:
塩化ビニル/酢酸ビニル 50重量%
水中50%
塩化ビニル/アクリル酸メチルエステル 50重量%
水中50%
受容層の塗布量は6g/m2であった。
【0031】
このように得られた受容材料は、画像熱転写法の適用下に印刷され、引き続き分析された。この結果は第1表にまとめた。
【0032】
例2
例1と同様にPE被覆原紙を次の組成の水性分散液で被覆した:
【0033】
【表2】

【0034】
このように製造した支持体材料に、例1のように画像受容層を被覆し、引き続き印刷し、分析した。この結果は第1表にまとめた。
【0035】
例3
ポリプロピレン被覆原紙を次の組成の水性分散液で被覆した:
塩化ビニル/酢酸ビニル 95重量%
水中50%
MFFT=26℃
(Vinnol 50 30部+Vinnol 50/25C 70部)
中空微細球 5重量%
タイプA
水中40%
(Ropaque OP-90,Rohm&Haas)
塗布量は、この層の乾燥重量に対して8g/m2であった。
【0036】
支持体材料にさらに例1と同様に受容層を塗布し、引き続き印刷し、分析した(第1表)。
【0037】
例1〜3に従って製造された支持体材料を他の受容層で被覆した。試験結果は例1に記載された受容層を用いて得られた結果に外見上相当した。
比較例V1およびV2
ポリエチレン被覆原紙を例1と同様に次の分散液で被覆した:
【0038】
【表3】

【0039】
例および比較例に従って得られた画像受容材料の試験
本発明による画像受容材料は画像熱転写法にかけられる。このため日立製作所のカラービデオプリンターVY-25Eを、日立-カラーリボンを適用しながら使用した。このビデオプリンターは次のデータを示す:
画像メモリー:PAL 1完全画面メモリー
印刷画像:64カラー階調画像
画素:540:620ドット
印刷時間:2分/画像
印刷された画像受容材料(ハードコピー)において色濃度およびライン鮮鋭度を測定した。その他に印刷された材料の生じた画像(モトル(Mottle)およびトッピング(Topping)効果)を視覚的に評価した。
【0040】
密度測定は、オリジナルレフレクション濃度計SOS-45を用いて実施した。この測定は原色:シアン、マゼンタ、イエローに対して行った。表中に全ての3種類の色に対する濃度のそれぞれの平均値が記載されている。
【0041】
線鮮鋭度(解像度)は原色で印刷された試験画像に基づいて測定した。試験画像は水平ならびに垂直に印刷された直線を示した。この測定は3つの測定箇所での拡大鏡を用いて行った。そこから算数的手段で計算された。測定値が小さければそれだけ線幅であり、高ければそれだけ画像が鮮鋭である。
【0042】
線鮮鋭度の同じ測定は、試料を老化促進試験にかけた後に実施される。このため試料は75℃で24時間乾燥棚中に放置される。
【0043】
モトルとは、本明細書中では、印刷された材料の生じた画像における曇り度により表わされる作用を示している。これは内部試験において比較画像を基にして1〜5までの評点スケールによって判定され、その際、評点1は印刷された材料の著しく均質な画像を表わし、評点5は著しく曇った画像を表わす。
【0044】
同じ方法で、つまり比較画像を基にして、いわゆるトッピング効果も視覚的に判定される。トッピングとは画像中の印刷されていない白色箇所を表わし、これは、プリンター中での向かい合った転写ロールに対するサーマルヘッドの接触が乏しいために生じる。評点1は均質に印刷された材料を表わし、それに対して評点5は多くの印刷されていない箇所を有する材料を表わす。
【0045】
第1表にまとめられた結果は、本発明による支持体材料を用いて、良好な印刷適性(モトルおよびトッピング参照)を有し、かつ高い色密度および解像度を有する画像を印刷することができる画像受容材料を製造することができることを示している。
【0046】
【表4】

 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-10-28 
出願番号 特願平5-245038
審決分類 P 1 652・ 161- YA (B41M)
最終処分 維持  
前審関与審査官 赤木 啓二  
特許庁審判長 山口 由木
特許庁審判官 阿久津 弘
秋月 美紀子
登録日 2003-07-04 
登録番号 特許第3447338号(P3447338)
権利者 フェリックス シェラー ユニオール フォト― ウント スペチアルパピーレ ゲー エム ベー ハー ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
発明の名称 熱的染料拡散転写のための画像受容材料用の支持体材料  
代理人 矢野 敏雄  
代理人 ラインハルト・アインゼル  
代理人 山崎 利臣  
代理人 矢野 敏雄  
代理人 ラインハルト・アインゼル  
代理人 内田 亘彦  
代理人 韮澤 弘  
代理人 阿部 龍吉  
代理人 米澤 明  
代理人 蛭川 昌信  
代理人 青木 健二  
代理人 山崎 利臣  
代理人 菅井 英雄  
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