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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1130618
審判番号 不服2002-23417  
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-12-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-12-05 
確定日 2006-02-09 
事件の表示 平成 6年特許願第110985号「コンピュータシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年12月 8日出願公開、特開平 7-319569〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯

本願は、平成6年5月25日の出願であって、平成14年10月21日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月5日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同年12月10日付けで手続補正がなされたものである。

第2.補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成14年12月10日付けの手続補正を却下する。

[理由]

1.補正後の本願発明

本件補正により、特許請求の範囲の請求項5は、次のように補正された。

【請求項5】 コンピュータシステムの動作環境を変更可能な所定入力部を有する入力手段と、
前記所定入力部の入力が行われる度に前記システムの動作環境を予め決められた順序で順次変更する変更手段と、
前記所定入力部の入力に応じて、変更されたシステムの動作環境の情報を表示画面上に表示する表示手段と
を具備することを特徴とするコンピュータシステム。

本件補正は、請求項5に係る発明を特定するために必要な事項である「変更」について、「予め決められた順序で順次」との限定を付加するものであって、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであるから、上記補正は平成6年改正前特許法第17条の2第2項において準用する同法第17条第2項の規定に適合し、同法第17条の2第3項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的するものである。

2.独立特許要件

そこで、本件補正後の前記請求項5に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成6年改正前特許法第17条の2第4項において読み替えて準用する同法第126条第3項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)刊行物1記載の発明

本件出願前に頒布された特開平6-103019号公報(平成6年4月15日出願公開、以下、「刊行物1」という。)には、次のような記載がある。

【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ラップトップタイプまたはノートブックタイプのパ-ソナルポータブルコンピュータに関する。
【0037】図2には、このコンピュータの外観、およびステータスLCD44の表示画面の一例が示されている。
【0038】図示のように、コンピュータ本体にはキーボード51がその本体と一体に組み込まれると共に、ステータスLCD44が設けられている。また、LCDパネル49は、本体に対して解放位置と閉塞位置間を回動自在に設けられている。ステータスLCD44は、バッテリの残り使用時間などを数値表示するための表示領域R1と、10個のアイコン表示領域R2〜R11を有している。
【0039】…(中略)…アイコン表示領域R3には、水滴点灯数によってバッテリーセーブモードの設定状態を示す水道蛇口アイコンが表示される。このバッテリーセーブモードには、CPUクロック周波数、CPUスリープモードの設定の有無、さらにはデイスプレイやHDDのオートオフ機能の設定の有無などの動作モードの組み合わせからなる3つのモード(フルパワーモード、エコノミーモード、ローパワーモード)と、それら動作モードをそれぞれ任意に設定できるユーザセッティングモードとがある。電力消費量はフルパワーモードが最も多く、次にエコノミーモードが多く、ローパワーモードが最も少ない。水道蛇口アイコンの水滴点灯数も電力消費量に応じて変化され、フルパワーモード時にはすべての水滴が点灯され、エコノミーモード、ローパワーモードの順で水滴点灯数が少なくなる。ユーザセッティングモードの場合の水滴点灯数は、その時の各動作モードの設定状態に応じて決定される。また、ユーザセッティングモードでは、図示のような手アイコンが常時点灯される。この手アイコンは、ユーザセッティングモード以外、つまりフルパワーモード、エコノミーモード、ローパワーモードでは消灯されている。これらフルパワーモード、エコノミーモード、ローパワーモード、ユーザセッティングモードの切換えは、CPU21によって提供されるホットキー処理により実行される。
【0048】前述したように、ホットキー処理は、キーボード51上にホットキーとして割り当てられた特定のキーを操作することによって起動されるものである。具体的には、[Fn]キーと、[F1],[F2},…などの特定キーとを同時に押すことによって([Fn]+特定のキー)、特定キー毎に予め定義された幾つかのホットキー処理を選択的に呼び出すことができる。
【0175】図30には、[Fn]+[F2]キーで指定されるパワーセーブモード切り替え機能を実現するためのF2ルーチンが示されている。
【0176】Fnステータスレジスタ101からリードしたスキャンコードが[F2]キーに対応するものである場合、CPU21は、まず、現在設定されているパワーセーブモードをCMOSメモリからリードする(ステップS61)。次いで、そのパワーセーブモードを、「フルパワー」→「エコノミー」→「ローパワー」→「ユッザセッティング」→…の順でトグルする(ステップS62)。これにより、現在のモードがエコノミーモードであればローパワーモードに変更される。この後、CPU21は、新たなパワーセーブモードにしたがってCPUクロック、CPUスリープモード、HDDオートオフ、ディスプレイオートオフ等の設定を変更すると共に(ステップS63)、ステータスLCD制御ゲートアレイ(SLCDC GA)26の表示制御用レジスタの値を書き替えて、ステータスLCD44の水道蛇口アイコンの表示状態を更新する(ステップS64)。

これらの記載によれば、刊行物1には、次の発明(以下、「刊行物1記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。

コンピュータ本体にはキーボード51がその本体と一体に組み込まれると共に、ステータスLCD44が設けられ、キーボード51上にホットキーとして割り当てられた[Fn]キーと、[F1],[F2},…などの特定キーとを同時に押すことによって([Fn]+特定のキー)、特定キー毎に予め定義された幾つかのホットキー処理を選択的に呼び出すことができるパ-ソナルポータブルコンピュータであって、
ステータスLCD44は、バッテリの残り使用時間などを数値表示するための表示領域R1と、10個のアイコン表示領域R2〜R11を有し、
アイコン表示領域R3には、水滴点灯数によってバッテリーセーブモードの設定状態を示す水道蛇口アイコンが表示され、
バッテリーセーブモードには、3つのモード(フルパワーモード、エコノミーモード、ローパワーモード)と、それら動作モードをそれぞれ任意に設定できるユーザセッティングモードとがあり、その切換えは、CPU21によって提供されるホットキー処理により実行され、
[Fn]+[F2]キーで指定されるパワーセーブモード切換え機能を実現するためのF2ルーチンは、
Fnステータスレジスタ101からリードしたスキャンコードが[F2]キーに対応するものである場合、CPU21は、まず、現在設定されているパワーセーブモードをCMOSメモリからリードするステップS61と、
そのパワーセーブモードを、「フルパワー」→「エコノミー」→「ローパワー」→「ユッザセッティング」→…の順でトグルするステップS62と、
CPU21は、新たなパワーセーブモードにしたがってCPUクロック、CPUスリープモード、HDDオートオフ、ディスプレイオートオフ等の設定を変更するステップS63と、
ステータスLCD制御ゲートアレイ(SLCDC GA)26の表示制御用レジスタの値を書き替えて、ステータスLCD44の水道蛇口アイコンの表示状態を更新するステップS64とからなる、
パ-ソナルポータブルコンピュータ。

(2)本願補正発明と刊行物1記載の発明との対比

刊行物1記載の発明の「パ-ソナルポータブルコンピュータ」、「[Fn]キーと、[F1],[F2},…などの特定キー」、「キーボード51」、「パワーセーブモード」、「F2ルーチン」、「ステータスLCD44」は、それぞれ、本願補正発明の「コンピュータシステム」、「動作環境を変更可能な所定入力部」、「入力手段」、「システムの動作環境」、「変更手段」、「表示手段」に相当している。
また、刊行物1記載の発明の「F2ルーチン」は、パワーセーブモード(本願発明の「システムの動作環境」に相当)を、「フルパワー」→「エコノミー」→「ローパワー」→「ユッザセッティング」→…の順でトグルして、パワーセーブモード切換え機能を実現しているから、刊行物1記載の発明の「F2ルーチン」と本願補正発明の「変更手段」とは、どちらも「システムの動作環境を変更する変更手段」である点で一致している。
したがって、本願補正発明と刊行物1記載の発明とは、以下の点で一致ないし相違する。

[一致点]
コンピュータシステムの動作環境を変更可能な所定入力部を有する入力手段と、
前記システムの動作環境を変更する変更手段と、
前記所定入力部の入力に応じて、変更されたシステムの動作環境の情報を表示画面上に表示する表示手段と
を具備するコンピュータシステムである点。

[相違点]
変更手段が、本願発明では、前記所定入力部の入力が行われる度に前記システムの動作環境を予め決められた順序で順次変更するのに対して、
刊行物1記載の発明では、パワーセーブモード(本願発明の「システムの動作環境」に相当)を、「フルパワー」→「エコノミー」→「ローパワー」→「ユッザセッティング」→…の順でトグルするが、所定入力部の入力が行われる度に前記システムの動作環境を予め決められた順序で順次変更することが明らかでない点。

(3)判断
刊行物1記載の発明における、「トグルする」という表現は、刊行物1の段落【0149】の「[Fn]+[F10]キーが押される度に、「Arrowモード」→「通常キーモード」→…の順にトグルする。」、段落【0150】の「[Fn]+[F11]キーが押される度に、「数字キーモード」→「通常キーモード」→…の順にトグルする。」、段落【0151】の「[Fn]+[F12]キーが押される度に、「スクロールロックオン」→「スクロールロック オフ」→…の順にトグルする。」という使い方にもみられるように、「入力が行われる度に予め決められた順序で順次変更する」ことを意味することは明らかである。
したがって、上記相違点は表現上の相違であって実質的な相違点ではなく、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明であり、また、刊行物記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもあるから、特許法第29条第1項及び同条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3.むすび

以上のとおり、本件補正は、平成6年改正前特許法第17条の2第4項において読み替えて準用する同法第126条第3項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について

1.本願発明

平成14年12月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項5に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成14年6月17日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項5に記載された事項により特定される、以下のとおりのものと認める。

【請求項5】 コンピュータシステムの動作環境を変更可能な所定入力部を有する入力手段と、
前記所定入力部の入力に応じて、システムの動作環境を変更する変更手段と、
前記所定入力部の入力に応じて、変更されたシステムの動作環境の情報を表示画面上に表示する表示手段と
を具備することを特徴とするコンピュータシステム。

2.刊行物2記載の発明

原査定の拒絶理由に引用された特開平6-12209号公報(平成6年1月21日出願公開、以下、「刊行物2」という。)には、次のような記載がある。

【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実行すべき作業をアイコンにより選択するメニュ画面の表示機能をもつ、ハードディスクパックがオプションで実装可能なパーソナルコンピュータに関する。
【0022】28はディスプレイコントローラであり、ビデオRAM(VRAM)29をリード/ライト制御して、640×400ドットの解像度をもつ液晶ディスプレイ34を表示駆動制御する。
【0027】図3はそれぞれDOSーROM21のDOSによりシステムが立ち上がった際に、液晶ディスプレイ24に表示されるメニュ画面の具体的な構成を示す図である。
【0028】図3に於いて、a1乃至a12 はそれぞれ作業選択のためのメニュアイコンである。…(中略)…b1乃至b12 は上記各アイコンa1〜a12 に対応して表示されるアイコンタイトルである。c1はメッセージ行(タイトルバー)であり、選択状態にあるアイコン、即ち反転表示等により強調表示されたアイコンの作業内容等が表示される。
【0031】d10 はハードディスク装置(HDDパック)30が実装されたときのみ、有効表示となって、ハードディスクのパーティションを定義し、フォーマットを行なう、ファンクションキーF10の機能表示部であり、ハードディスク装置(HDDパック)30が実装されていないときは、表示ブランク状態にあり、ハードディスク装置(HDDパック)30が実装されているときは[HD設定]と表示される。この機能表示部d10 が有効表示状態となっているとき(即ち[HD設定]表示のとき)は、該当するファンクションキーF10を操作することにより、実装ハードディスクのパーティション定義等が可能となる。
【0042】図6はハードディスク装置(HDDパック)30が実装されているとき、図3に示すメニュ画面上の機能表示部d10 を有効表示状態に設定するための起動処理ルーチンの処理手順を示すフローチャートであり、図7は図3に示すメニュ画面上の機能表示部d10 が有効表示状態となっているとき(即ち[HD設定]表示のとき)に、該当するファンクションキーF10が操作されると実行されるハードディスク設定処理ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【0047】このハードディスク設定処理では、ファンクションキーF10を操作することにより、ハードディスクの情報を読込み、実装ハードディスクがパーティション定義されているか否かを判断する(図7ステップS11〜S14)。
【0048】ここで、パーティションが定義されていなければ、パーティション定義を許可して、パーティション定義によるフォーマット処理を実行して後、ハードディスク設定処理を終了し、図4のステップA4 (図5)に示すメニュ表示に戻る(図7ステップS15,S16)。

これらの記載によれば、刊行物2には、次の発明(以下、「刊行物2記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。

液晶ディスプレイ34を具備するパーソナルコンピュータにおいて、
液晶ディスプレイ34に表示されるメニュ画面には、作業選択のためのメニュアイコンa1乃至a12 、上記各アイコンa1〜a12 に対応して表示されるアイコンタイトルb1乃至b12 、選択状態にあるアイコン、即ち反転表示等により強調表示されたアイコンの作業内容等が表示されるメッセージ行(タイトルバー)c1、キーボード33上に設けられるファンクションキーF1〜F10の機能表示部d1乃至d10が表示され、
機能表示部d10 は、ハードディスク装置(HDDパック)30が実装されたときのみ、有効表示となって、ハードディスクのパーティションを定義し、フォーマットを行なう、ファンクションキーF10の機能表示部であり、
機能表示部d10 が有効表示状態となっているとき(即ち[HD設定]表示のとき)に、該当するファンクションキーF10が操作されると実行されるハードディスク設定処理ルーチンは、パーティションが定義されていなければ、パーティション定義を許可して、パーティション定義によるフォーマット処理を実行するパーソナルコンピュータ。

3.本願発明と刊行物2記載の発明との対比

刊行物2記載の発明の「パーソナルコンピュータ」、「ファンクションキーF10」、「キーボード33」、「パーティション定義」、「ハードディスク設定処理ルーチン」は、それぞれ、本願発明の「コンピュータシステム」、「動作環境を変更可能な所定入力部」、「入力手段」、「システムの動作環境」、「変更手段」に相当している。
また、刊行物2記載の発明の「液晶ディスプレイ34」は、選択状態にあるアイコン、即ち反転表示等により強調表示されたアイコンの作業内容等が表示されるメッセージ行(タイトルバー)c1等を表示しているから、刊行物2記載の発明の「液晶ディスプレイ34」と本願発明の「表示手段」は、情報を表示画面上に表示する点で一致する。
したがって、本願発明と刊行物2記載の発明とは、以下の点で一致ないし相違する。

[一致点]
コンピュータシステムの動作環境を変更可能な所定入力部を有する入力手段と、
前記所定入力部の入力に応じて、システムの動作環境を変更する変更手段と、
情報を表示画面上に表示する表示手段と
を具備するコンピュータシステムである点。

[相違点]
表示手段が、本願発明では、所定入力部の入力に応じて、変更されたシステムの動作環境の情報を表示するのに対して、
刊行物2記載の発明では、そのような情報を表示することが明らかでない点。

4.判断

刊行物1(図2の「ステータスLCD44」、図30の「パワーセーブモード切り替え機能を実現するためのF2ルーチン」参照)、特開平6-89121号公報(図3の「ポップアップメニューでの設定画面」、図4のポップアップメニューでの選択設定時のフローチャートの「キー入力402〜ポインタが指す項目の設定処理を行う405」、段落【0029】の「図4は、ポップアップメニューでの選択設定時のフローチャートを示している。選択画面内は、ユーザが上下の矢印キーを押下することにより、カーソルを上下に移動し設定項目の選択ができる(403)。また、左右の矢印キーを押下することにより現在選択されている項目の設定の変更ができる(405)。」参照)、特開平6-75783号公報(図4の「環境設定キー(C12)、環境設定画面(A13)、「テンキー1(C13)」参照)等により、所定入力部の入力に応じて、変更されたシステムの動作環境の情報を表示する表示手段は、周知であるから、刊行物2記載発明に、上記周知の表示手段を付加して、所定入力部の入力に応じて、変更されたシステムの動作環境の情報を表示することは、当業者が容易になし得ることである。
したがって、本願発明は、刊行物2記載の発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび

以上のとおり、本願発明は、刊行物2記載の発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-12-08 
結審通知日 2005-12-09 
審決日 2005-12-26 
出願番号 特願平6-110985
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 572- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 匡明  
特許庁審判長 大日方 和幸
特許庁審判官 和田 志郎
竹井 文雄
発明の名称 コンピュータシステム  
代理人 堀口 浩  
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