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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C30B
審判 全部申し立て 2項進歩性  C30B
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C30B
管理番号 1130826
異議申立番号 異議2003-73291  
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2001-09-04 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-24 
確定日 2005-11-28 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3446032号「無転位シリコン単結晶の製造方法」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3446032号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第3446032号は、平成12年2月25日に特許出願され、平成15年7月4日に特許の設定登録がなされたものであって、その請求項1に係る発明の特許につき、笹木久男より特許異議の申立がなされ、その特許異議申立の理由と証拠に基づき平成16年7月7日付けで取消理由を通知したところ、権利者により平成16年9月21日付けで訂正請求がなされたものである。
II.訂正の適否
II-1.訂正事項
平成16年9月21日付け訂正請求は、本件明細書につき、訂正請求書に添付された訂正明細書に記載されるとおりの、次の(ア)〜(ク)の訂正を求めるものである。
(ア)明細書の段落【0014】[表1]の第1欄において、「実施例/比較例」とあるのを削除し、「実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 実施例11 実施例12」とあるのを、「参照例 1 参照例2 参照例3 参照例4 参照例5 参照例6 実施例1 参照例7 参照例8 参照例9 参照例10 実施例2」と訂正する。
(イ)明細書の段落【0015】において、「上表1において、実施例7および比較例3ではSi融液にBを添加しないで初期B濃度を0にした。また実施例12では、Si融液にBを添加せずにP(リン)を5×1015atm/cm3だけ添加した。」とあるのを「上表1において、実施例1および比較例3ではSi融液にBを添加しないで初期B濃度を0にした。また実施例2では、Si融液にBを添加せずにP(リン)を5×1015atm/cm3だけ添加した。」と訂正する。
(ウ)明細書の段落【0016】において、「上表1に示したように、各実施例において種子結晶中に熱ショックによる転位が発生せず、また成長結晶中にミスフィット転位が発生しなかった。このように、本発明によりネッキング法を行わずに無転位結晶成長を行えることが確認できた。一方、比較例では、両結晶の少なくともいずれか一方に転位が発生して、無転位結晶成長は行われなかった。」とあるのを「上表1に示したように、各実施例および参照例において種子結晶中に熱ショックによる転位が発生せず、また成長結晶中にミスフィット転位が発生しなかった。このように、本発明によりネッキング法を行わずに無転位結晶成長を行えることが確認できた。一方、比較例では、両結晶の少なくともいずれか一方に転位が発生して、無転位結晶成長は行われなかった。」と訂正する。
(エ)明細書の段落【0017】において、「図1は、表1の実施例1〜9と比較例1〜8の各結果をまとめた図である。図1のハッチ線で囲まれた種子結晶中および成長結晶中のB濃度(無添加も含む)の範囲で、ネッキング無しで無転位Si単結晶成長が行えることが分かる。」とあるのを、「図1は、表1の実施例1および参照例1〜8と比較例1〜8の各結果をまとめた図である。図1のハッチ線で囲まれた種子結晶中および成長結晶中のB濃度(無添加も含む)の範囲で、ネッキング無しで無転位Si単結晶成長が行えることが分かる。」と訂正する。
(オ)明細書の段落【0018】において、「図2と図3は、CZ法で製造したSi単結晶の転位の発生状況を観察したX線トポグラフ写真の一例である。図2(a)は、比較のために示した従来のCZ技術で製造したSi単結晶の例であり、図2(b)と図2(c)、および図3は上記比較例および実施例で製造したSi単結晶の例である。なお、図2(a)〜(c)は種子結晶と成長結晶の境界近傍を観察した例であり、図の矢印が境界を示し、矢印から上が種子結晶、下が成長結晶である。図3は製造結晶全体を観察した例である。また、各図の上部の数値は種子結晶のB濃度を示し、下部の数値はSi融液の初期B濃度を示す。」とあるのを「図2と図3は、CZ法で製造したSi単結晶の転位の発生状況を観察したX線トポグラフ写真の一例である。図2(a)は、比較のために示した従来のCZ技術で製造したSi単結晶の例であり、図2(b)と図2(c)、および図3は上記比較例および参照例で製造したSi単結晶の例である。なお、図2(a)〜(c)は種子結晶と成長結晶の境界近傍を観察した例であり、図の矢印が境界を示し、矢印から上が種子結晶、下が成長結晶である。図3は製造結晶全体を観察した例である。また、各図の上部の数値は種子結晶のB濃度を示し、下部の数値はSi融液の初期B濃度を示す。」と訂正する。
(カ)明細書の段落【0021】において、「図2(c)は上述の実施例4で製造した単結晶であり、種子結晶および成長結晶の何れにおいても転位が発生せず、無転位結晶が成長していることが分かる。」とあるのを「図2(c)は上述の参照例4で製造した単結晶であり、種子結晶および成長結晶の何れにおいても転位が発生せず、無転位結晶が成長していることが分かる。」と訂正する。
(キ)明細書の段落【0022】において、「図3は、上述の実施例1で製造した無転位単結晶の全体を示す写真であり、やはり無転位単結晶が成長していることが分かる。」とあるのを「図3は、上述の参照例1で製造した無転位単結晶の全体を示す写真であり、やはり無転位単結晶が成長していることが分かる。」と訂正する。
(ク)明細書の段落【図面の簡単な説明】において、「【図1】本発明の実施例および比較例で得られた種子結晶中のB濃度と成長結晶中のB濃度との間の関係を示す図。
【図2】従来技術と本発明の実施例および比較例で得られたSi単結晶の結晶構造の一例を示す写真。
【図3】本発明の実施例で得られたSi単結晶の結晶構造の他の例を示す写真。」とあるのを「【図1】本発明の実施例1、参照例1〜8および比較例1〜8で得られた種子結晶中のB濃度と成長結晶中のB濃度との間の関係を示す図。
【図2】従来技術、比較例3および参照例4で得られたSi単結晶の結晶構造の一例を示す写真。
【図3】参照例1で得られたSi単結晶の結晶構造の他の例を示す写真。」と訂正する。
II-2.訂正の適否の判断
上記(ア)の訂正は、実施例1〜12のうち、特許請求の範囲から外れるものを参照例1〜10とし、特許請求の範囲に含まれるものを実施例1および2としたもので、特許法第120条の4第2項のただし書き3号で規定する明りょうでない記載の釈明に相当するものである。
(イ)〜(ク)の訂正は、上記(ア)の訂正に合わせて特許請求の範囲から外れるものを参照例とし、含まれるものを実施例とするもので、特許法第120条の4第2項のただし書き3号で規定する明りょうでない記載の釈明に相当するものである。
そして、(ア)〜(ク)の訂正は、願書に最初に添付した明細書または図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり、実質的に特許請求の範囲を拡張または変更するものではない。
したがって、(ア)〜(ク)の訂正は、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項から第4項の規定に違反するものではない。
III.本件発明
本件明細書は、前記のとおり、平成16年9月21日付けで訂正請求がなされ、その請求どおりに訂正されたものであって、訂正後の本件特許第3446032号の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲に記載されるとおりのものであり、その請求項1には、次のことが記載されている。
「【請求項1】CZ法またはFZ法による無転位シリコン単結晶の製造方法であって、種子結晶として1〜7×1018atoms/cm3のボロンが添加された無転位単結晶を用い、ネッキング工程を行わずに、ドーパント濃度が1〜9×1015atm/cm3である成長結晶を成長させることを特徴とする無転位シリコン単結晶の製造方法。」
IV.特許異議の申立及び取消理由通知の概要
IV-1.特許異議申立の概要
IV-1-1.特許異議申立人:笹木久男(以下、「申立人」という。)の主張
申立人は、以下の証拠を提示し、次のように主張する。
【理由1】特許明細書の請求項1に係る発明は、甲第1〜7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件出願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。したがって、特許明細書の請求項1に係る発明の特許は、取り消されるべきものである。
甲第1号証:特開平11-60379号公報
甲第2号証:ANNUAL BOOK OF ASTM STANDARDS Vol.10.05 Electronics(II)、第339頁〜第342頁
甲第3号証:特開平9-255490号公報
甲第4号証:特開平9-249492号公報
甲第5号証:阿部孝夫著「アドバンストエレクトロニクスシリーズI-5 シリコン 結晶成長とウェーハ加工」初版第4冊(1998年11月15日)株式会社培風館、第46頁〜第47頁
甲第6号証:特開平7-309693号公報
甲第7号証:特開平7-206583号公報
【理由2】特許明細書の請求項1に「種子結晶として1〜7×1018atoms/cm3のボロンが添加された無転位単結晶を用い、ドーパント濃度が1〜9×1015atm/cm3である成長結晶を成長させる」とあるが、本件明細書からは、1〜7×1018atoms/cm3という数値範囲を導くことができず、また、ドーパント濃度が1〜9×1015atm/cm3である成長結晶を成長させるという効果を確認することができないので、本件出願は、特許法第36条第4項及び同第6項第1号に規定する要件を満たすものでないので、特許を受けることができない。したがって、特許明細書の請求項1に係る発明の特許は、取り消されるべきものである。
IV-2.平成16年7月7日付け取消理由通知の理由
以下のように、本件発明についての特許は、特許法第29条第2項及び特許法第36条第4項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきものである。
IV-2-1.特許法第29条第2項について
引用刊行物1:特開平11-60379号公報(特許異議申立の甲第1号証)
引用刊行物2:特開平7-206583号公報(特許異議申立の甲第7号証)
引用刊行物3:阿部孝夫著「アドバンストエレクトロニクスシリーズI-5 シリコン 結晶成長とウェーハ加工」初版第4冊(1998年11月15日)株式会社培風館、第46頁〜第47頁(特許異議申立の甲第5号証)
引用刊行物4:特開平7-309693号公報(特許異議申立人の甲第6号証)
引用刊行物5:ANNUAL BOOK OF ASTM STANDARDS Vol.10.05 Electronics(II)、第339頁〜第342頁(特許異議申立の甲第2号証)
本件発明は、引用刊行物1乃至引用刊行物5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
IV-2-2.特許法第36条第4項について
(1)本件特許請求の範囲の請求項1には、「ドーパント濃度が1〜9×1015atoms/cm3である成長結晶を成長させることを特徴とする無転位シリコン単結晶の製造方法。」と記載されている。
ところが、本件明細書の【実施例】には、成長結晶のドーパント濃度が記載されておらず、上記【実施例】において成長結晶のドーパント濃度が1〜9×1015atoms/cm3となることが証明されておらず、かつ、本件発明において、成長結晶のドーパント濃度を1〜9×1015atoms/cm3とする方法も明らかとは云えないから、本件発明が、発明の詳細な説明に、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているとは云えない。
(2)本件特許請求の範囲においては、種子結晶として1〜7×1018atoms/cm3のボロンが添加された無転位単結晶を用いているが、たとえば実施例1〜4においては種子結晶のB濃度が上記数値範囲にない。
また、本件特許請求の範囲においては、ドーパント濃度が1〜9×1015atoms/cm3である成長結晶を成長させる、としているが、Si融液の初期B濃度が「0」の実施例7において、成長結晶のドーパント濃度が1〜9×1015atoms/cm3となることは通常考えられないので、これらの実施例は本件発明の実施例とは云えない。
また、他の実施例における成長結晶のドーパント濃度がいかなるものとなるかは不明であるが、上記他の実施例中で成長結晶のドーパント濃度が1〜9×1015atoms/cm3とならないものは、いずれも本件発明の実施例とは云えない。
そして、そのような例が本件発明の「実施例」として記載されているので、結果として、明細書に記載された本件発明が不明確となっている
V.証拠の記載内容
V-1.甲第1号証の記載事項
甲第1号証には、以下の事項が記載されている。
(1-A)「【発明の属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー法による無転位シリコン単結晶の製造方法に関する。特に、ダッシュ法によるネッキングを行わない無転位シリコン単結晶の製造方法に関する。」(段落【0001】)
(1-B)「【発明の実施の形態】
本発明は、無転位シリコン単結晶からなるシード結晶をシリコン融液に浸し、この浸漬が完了した時点におけるシード結晶のシリコン融液に浸されている部分の水平方向最大長さが5mm以上になるようにして、その後ネッキングを行わずに引き上げて無転位シリコン単結晶の本体部を育成する方法である。なお、ここでいう「水平方向最大長さ」とは、浸漬完了時点におけるシード結晶のシリコン融液に浸されている部分の任意の水平断面内における任意の2点間の距離の最大値を各水平断面ごとに求め、この各水平断面に対応する最大値の集合の中で最も値が大きいものをいう。」(段落【0022】)
(1-C)「また、本発明者らは、転位の発生を抑制するためには、p型、n型ともに1×1017cm-3以上の高ドープのシード結晶を用いることが有効であることを見出した。ドーパント(ドーピング材料)は転位を固着する効果があるため、ドーパントを多く含有した結晶内では転位の発生を抑制することができる。このドーパント濃度の上限値は、通常のシリコン単結晶で用いられているドーパント濃度を考えた場合、例えば、1×1020cm-3程度である。」(段落【0031】)
(1-D)「この条件で育成されたシリコン単結晶は、以下の性質を呈した。伝導型:p型。結晶径:310mm(12インチ)、抵抗率:5Ω・cm、酸素濃度:8.0〜8.5×1017atoms/cm3(日本電子工業振興協会による酸素濃度換算係数を用いて算出)、炭素濃度:<1.0×1017atoms/cm3(日本電子工業振興協会による炭素濃度換算係数を用いて算出)。また、育成されたシリコン単結晶は、無転位であった。」(段落【0084】)
V-2.甲第2号証の記載事項
甲第2号証には、以下の事項が記載されている。
(2-A)「7.1.3.1 ボロンをドープしたシリコンについては、ドーパント濃度は抵抗率から以下のように計算される
N=1.330×1016/ρ+1.082×1017/ρ[1+(54.56ρ)1.105]
ここで:
ρ=抵抗率
N=ドーパント濃度」(第341頁右欄第5行〜第10行)
V-3.甲第3号証の記載事項
甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
(3-A)「種結晶をシリコン融液に接触させて引き上げながら、種絞りを行った後、シリコン単結晶を成長させるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、種結晶として、2.7×1017atoms/cm3 以上、1.4×1019atoms/cm3 以下のドーパント濃度を有する種結晶を使用し、シリコン融液として、2×1017atoms/cm3 以上、2×1019atoms/cm3 以下のドーパント濃度を有するシリコン融液を使用することを特徴とする、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法。」(【請求項1】)
(3-B)「 ドーパントがボロンである、請求項1または2記載の方法。」(【請求項3】)
(3-C)「チョクラルスキー法においては、シリコン融液中のドーパント濃度により、引上げるシリコン単結晶の抵抗率が決定されるが、本発明においては、引上げるシリコン単結晶の抵抗率を一定の範囲内で自由に調整できることを意味している。」(段落【0014】)
V-4.甲第4号証の記載事項
甲第4号証には、以下の事項が記載されている。
(4-A)「上記単結晶引き上げ用種結晶(2)によれば、Bのドーパント濃度が5×1019〜6×1020/cm3 の範囲にあり、一般的なBドーパント濃度(1×1015/cm3 )よりも高いため、前記着液時に生じた転位が種結晶の上部方向に伝播するのに要する応力レベルを、通常よりも高くすることができる。よって、上記した単結晶引き上げ用種結晶(1)の場合と同様の効果が得られる。」(【0014】)
(4-B)「上記単結晶引き上げ用種結晶(2)によれば、Bのドーパント濃度が5×1019〜6×1020/cm3 の範囲にあり、一般的なBドーパント濃度(1×1015/cm3 )よりも高いため、前記着液時に生じた転位が種結晶の上部方向に伝播するのに要する応力レベルを、通常よりも高くすることができる。よって、上記した単結晶引き上げ用種結晶(1)の場合と同様の効果が得られる。」(段落【0014】)
V-5.甲第5号証の記載事項
甲第5号証には、以下の事項が記載されている。
(5-A)「3.3.2 成長方向の抵抗率分布
デバイス側から要求される抵抗率範囲は、たとえばボロンの場合9〜11Ω・cm、リンの場合8〜12Ω・cmとする。したがって、それぞれの濃度は1.2×1015/cm3〜1.5×1015/cm3(ボロン)、3.9×1014/cm3〜4.9×1014/cm3(リン)の範囲に制御しなければならない。…もちろん、単結晶は無転位の必要がある。」(第46頁第16行〜第47頁第7行)
V-6.甲第6号証の記載事項
甲第6号証には、以下の事項が記載されている。
(6-A)「単結晶製造においては、最初にルツボ内に原料(材料)が入れられ、その後原料を溶融した後単結晶の引き上げが行われる。MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタの製造用に用いられる半導体基板(ウエハ)は、たとえば、ボロン(B)を拡散させたP型のシリコン基板が使用される。また、この場合、半導体基板の抵抗値は9〜12Ω-cmのものが使用される。本実施例では、抵抗値が9〜12Ω-cmとなるインゴットの製造例について説明する。従来、インゴット内に原料となる多結晶シリコンと、P導電型決定用不純物材料としてのボロンを入れ、その後単結晶の引き上げを行った場合、抵抗値は図4の二点鎖線で示すように、インゴットのトップでは13Ω-cmとなり、テイルでは7Ω-cmとなり、トップ側とテイル側に単結晶製造の目標値(規格値)である12〜9Ω-cmから外れる部分が発生する。」(段落【0011】)
V-7.甲第7号証の記載事項
甲第7号証には、以下の事項が記載されている。
(7-A)「【請求項1】 チョクラルスキー法またはフローティングゾーン法による不純物添加シリコン単結晶の育成において、育成する単結晶と同程度の濃度の不純物を含む無転位単結晶を種結晶として用い、前記育成単結晶と種結晶との格子不整合率を小さくすることにより、無転位単結晶を得ることを特徴とする不純物添加シリコン単結晶の育成方法。」(特許請求の範囲)
(7-B)「【作用】
上記構成によれば、CZ法またはFZ法を用いて不純物添加量の多いシリコン単結晶を育成する場合に、育成単結晶と種結晶との格子不整合率が大きいと前記両者の接合部に欠陥が発生して無転位単結晶の成長を阻害する点に着目し、育成単結晶と種結晶との格子不整合率を小さくするため、育成単結晶と同程度の濃度の不純物を添加した無転位単結晶を種結晶として用いることにしたので、種結晶と育成単結晶との接合部における欠陥の発生が抑制される。従って、不純物を添加したシリコン単結晶、特に大口径のシリコン単結晶を無転位の状態で育成することができる。」(段落【0005】)
(7-C)「不純物としてたとえばGeを添加した単結晶の育成に当たり、育成単結晶と種結晶との格子不整合率を0.01%以下に抑えた場合は、種結晶と育成単結晶との接合部における欠陥が起こらず、転位も発生しなかった。しかし、前記格子不整合率が0.01%を超えた場合は育成単結晶に転位が発生した。従って、育成単結晶と種結晶との格子不整合率は0.01%以下とすることが望ましい。」(段落【0009】)
VI.当審の判断
VI-1.理由1について
甲第1号証には、(1-A)の記載からみて、「チョクラルスキー法」による「無転位シリコン単結晶の製造方法」であって、特に、「ダッシュ法によるネッキングを行わない無転位シリコン単結晶の製造方法」が記載されている。
また、(1-B)の記載からみて、上記「無転位シリコン単結晶の製造方法」は、無転位シリコン単結晶からなるシード結晶をシリコン融液に浸し、この浸漬が完了した時点におけるシード結晶のシリコン融液に浸されている部分の水平方向最大長さが5mm以上になるようにして、その後ネッキングを行わずに引き上げて無転位シリコン単結晶の本体部を育成する方法であって、(1-C)の記載からみて、上記方法において転位の発生を抑制するためには、p型、n型ともに1×1017cm-3以上の高ドープのシード結晶を用いることが有効であり、このドーパント濃度の上限値は、通常のシリコン単結晶で用いられているドーパント濃度を考えた場合、例えば、1×1020cm-3程度であるものである。
ここで、甲第1号証に記載された上記方法は、(1-A)の記載からみて、「チョクラルスキー法」による、「ダッシュ法によるネッキングを行わない無転位シリコン単結晶の製造方法」であるから、「CZ法またはFZ法による無転位シリコン単結晶の製造方法であって、ネッキング加工を行わずに、成長結晶を成長させることを特徴とする無転位シリコン単結晶の製造方法」と云え、上記方法は、(1-B)及び(1-C)の記載からみて、無転位シリコン単結晶からなるシード結晶として、ドーパント濃度が1×1017cm-3以上で上限値が1×1020cm-3程度の高ドープのシード結晶を用いるものである。
そうすると、甲第1号証には、「CZ法またはFZ法による無転位シリコン単結晶の製造方法であって、種子結晶としてボロンが添加された無転位単結晶を用い、ネッキング加工を行わずに、成長結晶を成長させることを特徴とする無転位シリコン単結晶の製造方法」の発明(以下、「引用1発明」という)が記載されていると云える。
そこで、本件発明と引用1発明とを比較すると、両者は、「CZ法またはFZ法による無転位シリコン単結晶の製造方法であって、種子結晶としてのボロンが添加された無転位単結晶を用い、ネッキング加工を行わずに、成長結晶を成長させることを特徴とする無転位シリコン単結晶の製造方法」である点で一致し、
(1)「種子結晶」として本件発明では「1〜7×1018atoms/cm3のボロンが添加された無転位単結晶」を用いるのに対して引用1発明では、「ドーパント濃度が1×1017cm-3以上で上限値が1×1020cm-3程度の高ドープのシード結晶を用いるものである」広い範囲で記載されている点、
(2)本件発明では「ドーパント濃度が1〜9×1015atoms/cm3である成長結晶を成長させる」のに対して、引用1発明においては、成長結晶におけるドーパント濃度が記載されていない点で相違している。
以下、上記相違点(1)及び(2)について検討する。
本件明細書(特に、段落【0011】の記載、種子結晶のB濃度と、単結晶のドーパント濃度を推定することができるSi融液の初期B濃度と、転位状況とを対比して示す表1の実施例及び比較例1〜8の記載)によれば、ネッキング工程を行わない無転位シリコン単結晶の製造方法において、本件発明では、上記相違点(1)及び(2)に関する特定事項を併せて採択することにより、その余の特定事項と相俟って、明細書記載の効果を奏したものである。
甲第1号証には、前記したとおり、種子結晶ドーパント濃度を1〜7×1018atoms/cm3とすることは具体的に記載されていない。また、甲第1号証で、別途記載されるシリコン単結晶が5Ω・cmの抵抗値を示し、甲第2号証の計算式を用いることによりその単結晶が2.7×1015/cm3であることが解るにしても、この単結晶は、ドーパント濃度が1〜7×1018atoms/cm3の種子結晶から育成されたものではない。
その他の各号証の記載を順次みる。
甲第3号証では、「2.7×1017atoms/cm3 以上、1.4×1019atoms/cm3 以下のドーパント濃度を有する種結晶を使用し、2×1017atoms/cm3 以上、2×1019atoms/cm3 以下のドーパント濃度を有するシリコン融液を使用する」ことが示されるものの、当該甲第3号証のものは、「種絞り」すなわち、ネッキング工程無転位単結晶の製造方法につき示唆するものではない。
甲第4号証にも「単結晶引き上げ用種結晶(2)によれば、Bのドーパント濃度が5×1019〜6×1020/cm3 の範囲にあり、一般的なBドーパント濃度(1×1015/cm3 )よりも高いため、前記着液時に生じた転位が種結晶の上部方向に伝播するのに要する応力レベルを、通常よりも高くすることができる。」という記載があるものの、種結晶については本件発明外の「5×1019〜6×1020/cm3 の範囲に」についてのもののみが開示されているだけである。甲第5号証の、「デバイス側から要求される抵抗率範囲は、たとえばボロンの場合9〜11Ω・cm、リンの場合8〜12Ω・cmとする。したがって、それぞれの濃度は1.2×1015/cm3〜1.5×1015/cm3(ボロン)、」という記載や、甲第6号証の「単結晶製造の目標値(規格値)である12〜9Ω-cm」であることが1.0〜1.9×1015/cm3にそれぞれ相当するものであったとしても、これらの単結晶のドーパント濃度に関する記載事項乃至は教示事項は、1018atoms/cm3 のボロンが添加された種子結晶との関連で示されるものではない。
さらに、甲第7号証には、「育成単結晶と種結晶との格子不整合率は0.01%以下とすることが望ましい。」という記載があるだけで、どのようにして育成単結晶と種結晶のドーパント濃度を決定するかについては記載がなく、本件発明の特定する成長結晶のドーパント濃度を想起することは当業者といえども困難である。
以上のとおり、甲第1〜7号証に記載のものからは上記相違点1及び2についての特定事項を一体に具備することにつき教示するものはない。
したがって、本件発明は甲第1号証乃至甲第7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるということはできず、本件出願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとはいえない。
VI-2.理由2について
本件明細書の段落【0014】の【表1】に、成長結晶のドーパント濃度の記載がなく、「実施例」において成長結晶のドーパント濃度が1〜9×1015atoms/cm3となることが証明されていない点については、本件明細書にはこの点について直接開示する記載はないが、段落【0011】の記載と、平成16年9月21日付け特許異議意見書の記載から、Si融液の初期B濃度が「0」である訂正後の実施例1,2が1〜9×1015atoms/cm3となることが明らかであり、成長結晶のドーパント濃度の調整についても説明されているので、本件発明が、発明の詳細な説明に、記載されており、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているので、特許法第36条第4項及び同第6項第1号に規定する要件を満足している。
VI-3.取消理由通知の理由について
平成16年7月7日付け取消理由通知のIV-2-1.及びIV-2-1.の理由の判断については、上記VI-2.で説示したとおりであり、平成16年9月21日付け全文訂正明細書により、請求項1の発明特定事項から外れるもの、すなわち種子結晶のボロン濃度が1〜7×1018atoms/cm3から外れるもの及び成長結晶のドーパント濃度が1〜9×1015atoms/cm3にならないものを「実施例」から「参照例」と訂正し、本件発明に含まれないことを明確化したので、これらの理由については、これ以上審及しない。
VII.まとめ
特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
無転位シリコン単結晶の製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】CZ法またはFZ法による無転位シリコン単結晶の製造方法であって、種子結晶として1〜7×1018atoms/cm3のボロンが添加された無転位単結晶を用い、ネッキング工程を行わずに、ドーパント濃度が1〜9×1015atoms/cm3である成長結晶を成長させることを特徴とする無転位シリコン単結晶の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大規模集積回路(LSI)製造に用いられる半導体シリコン(Si)単結晶の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、LSI製造に用いられるSi単結晶は、引き上げ(Czochralski:CZ)法、または浮遊帯(Floating Zone:FZ)法によって製造されており、特にCZ法によってSi単結晶の大部分が製造されている。CZ法は、種子結晶をSi融液へ接触(種子付け)させたのち引き上げてSi単結晶を成長させる方法である。FZ法は、種子結晶を多結晶Siの原料棒の一端に融着させた後、長さに沿って溶融帯を移動させてSi単結晶を成長させる方法である。
【0003】
CZ-Si単結晶成長では、無転位単結晶を育成するために、1959年にW.C.Dashにより提案されたネッキング法が用いられている。ネッキング工程は、種子付け後に直径3-5mmの細くて長いネック部を形成するものである。この工程によって、種子付け時の熱ショックによって種子結晶中に発生した転位が成長結晶へと引き継がれることが防止される。この方法は無転位単結晶を育成するための有効な方法であるが、無転位成長の確率が100%ではなく、製造工程に常に不安が残っていた。また、最近、数100kg以上の大形単結晶の育成が必要になり、細いネック部で成長結晶を支えることが出来なくなるという大きな問題点も明らかになってきている。また、FZ法を用いたSi単結晶成長においても、やはりネッキング工程を用いているため、同様の問題が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ネッキング工程の不要な無転位シリコン単結晶の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、現在LSIに用いられる全Si結晶の約2割ほどに当たるエピタキシャルウェハの下地基板に用いる高濃度B(ボロン)添加結晶の育成技術の研究の過程でなされた。より詳細には、本発明はこの研究中に明らかになった以下の2つの実験事実に基づく。
【0006】
(1)不純物Bを1018atoms/cm3以上添加した無転位単結晶を種子結晶に用いると、種子付け時に、この種子結晶中に熱ショックによる転位が発生しない。
【0007】
(2)種子結晶と成長結晶(特に種子付け直後の成長結晶)との間で不純物Bの濃度差があると、一般には格子不整合(ミスフィット)による新たな転位が発生するが、両者のB濃度の差を7×1018atoms/cm3以下にすることで、上記ミスフィット転位も発生しない。
【0008】
これらの2つの事実を組み合わせることで、ネッキング工程を必要とせずに無転位シリコン単結晶を成長させることができる。また、種子結晶と成長結晶との間にある程度のB濃度差が許容されることから、種子結晶にはBを添加しながらも、B無添加の無転位Si単結晶を成長させることができる。
【0009】
本発明に係る無転位シリコン単結晶の製造方法は、CZ法またはFZ法による無転位シリコン単結晶の製造方法であって、種子結晶として1〜7×1018atoms/cm3のボロンが添加された無転位単結晶を用い、ネッキング工程を行わずに、ドーパント濃度が1〜9×1015atoms/cm3である成長結晶を成長させることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明を実施する際には、CZ法においては、たとえば所定のB濃度の種子結晶およびSi融液を用意した後、この種子結晶をSi融液に接触させて引き上げて結晶成長させる。FZ法においては、たとえば所定のB濃度の種子結晶および多結晶Si原料棒を用意して両者を融着させた後、長さに沿って溶融帯を移動させて結晶成長させる。両方法においてネッキング工程は行わない。
【0011】
種子結晶中のB濃度は、1〜7×1018atoms/cm3であることが好ましい。この範囲であれば、Bが無添加のSi単結晶を無転位で成長させられるからである。特に、種子結晶中のB濃度は、3〜5×1018atoms/cm3であることが好ましい。この範囲であれば、B無添加の無転位Si単結晶を、より確実に転位の発生を防いで成長させられるからである。なお、B無添加のSi単結晶には、B濃度が一般的なドーパント濃度たとえば1×1015atoms/cm3以上、好ましくは1〜9×1015atoms/cm3、より好ましくは1〜3×1015atoms/cm3のSi単結晶が含まれる。また、B以外の他のドーパントたとえばP、As、Sbを上記濃度で含むSi単結晶も含まれる。
【0012】
【実施例】
以下、CZ法による本発明の実施例について述べるが、FZ法についても本発明は同様に適用できる。
【0013】
CZ法に従って、種子結晶としてB添加無転位単結晶を用いてSi融液からSi単結晶を製造した。ただしネッキング工程は行わなかった。また、種子結晶中のB濃度とSi融液中の初期B濃度とを変化させて、種子結晶と成長結晶中の転位の発生状況を調べた。各結晶製造条件と結果を下表1に示す。
【0014】
【表1】

【0015】
上表1において、実施例1および比較例3ではSi融液にBを添加しないで初期B濃度を0にした。また実施例2では、Si融液にBを添加せずにP(リン)を5×1015atoms/cm3だけ添加した。
【0016】
上表1に示したように、各実施例および参照例において種子結晶中に熱ショックによる転位が発生せず、また成長結晶中にミスフィット転位が発生しなかった。このように、本発明によりネッキング法を行わずに無転位結晶成長を行えることが確認できた。一方、比較例では、両結晶の少なくともいずれか一方に転位が発生して、無転位結晶成長は行われなかった。
【0017】
図1は、表1の実施例1および参照例1〜8と比較例1〜8の各結果をまとめた図である。図1のハッチ線で囲まれた種子結晶中および成長結晶中のB濃度(無添加も含む)の範囲で、ネッキング無しで無転位Si単結晶成長が行えることが分かる。
【0018】
図2と図3は、CZ法で製造したSi単結晶の転位の発生状況を観察したX線トポグラフ写真の一例である。図2(a)は、比較のために示した従来のCZ技術で製造したSi単結晶の例であり、図2(b)と図2(c)、および図3は上記比較例および参照例で製造したSi単結晶の例である。なお、図2(a)〜(c)は種子結晶と成長結晶の境界近傍を観察した例であり、図の矢印が境界を示し、矢印から上が種子結晶、下が成長結晶である。図3は製造結晶全体を観察した例である。また、各図の上部の数値は種子結晶のB濃度を示し、下部の数値はSi融液の初期B濃度を示す。
【0019】
図2(a)の従来技術では、種子結晶に熱ショックによる多量の転位が発生して成長結晶中に引き継がれるが、その後のネッキング操作(写真下部)によって無転位化が図られ、無転位結晶が製造されることが分かる。
【0020】
図2(b)は上述の比較例3で製造した単結晶であり、種子結晶には転位が発生していないが成長結晶中にはミスフィット転位が発生しているのが分かる。
【0021】
図2(c)は上述の参照例4で製造した単結晶であり、種子結晶および成長結晶の何れにおいても転位が発生せず、無転位結晶が成長していることが分かる。
【0022】
図3は、上述の参照例1で製造した無転位単結晶の全体を示す写真であり、やはり無転位単結晶が成長していることが分かる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、ネッキング工程の不要な無転位シリコン単結晶の製造方法が提供される。その結果、以下の効果が得られる。(1)ネック部の機械的強度が増大し、大直径、大重量の結晶製造が可能になる。(2)細くて長いネック部を成長させる時間が不必要になるため結晶製造の効率が上がり、またネック部の無くなった分だけ結晶を有効利用できるため結晶部分の長い結晶製造が可能になる。(3)ネッキング操作において、従来のように無転位化が達成されたか否かを特定の専門家が判断する必要がなくなるため、無転位結晶製造を誰でも(素人でも)簡単に行えるようになる。
【0024】
また本発明においては、B無添加の無転位シリコン単結晶を成長させることもできるため、LSI製造プロセスでの用途が非常に広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、参照例1〜8および比較例1〜8で得られた種子結晶中のB濃度と成長結晶中のB濃度との間の関係を示す図。
【図2】従来技術、比較例3および参照例4で得られたSi単結晶の結晶構造の一例を示す写真。
【図3】参照例1で得られたSi単結晶の結晶構造の他の例を示す写真。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-11-08 
出願番号 特願2000-49667(P2000-49667)
審決分類 P 1 651・ 121- YA (C30B)
P 1 651・ 536- YA (C30B)
P 1 651・ 537- YA (C30B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 横山 敏志  
特許庁審判長 松本 貢
特許庁審判官 増田 亮子
多喜 鉄雄
登録日 2003-07-04 
登録番号 特許第3446032号(P3446032)
権利者 国立大学法人信州大学
発明の名称 無転位シリコン単結晶の製造方法  
代理人 中村 誠  
代理人 河野 哲  
代理人 河野 哲  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 中村 誠  

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