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審決分類 審判 全部申し立て 特29条の2  B65C
審判 全部申し立て 2項進歩性  B65C
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  B65C
管理番号 1134334
異議申立番号 異議2003-71769  
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-03-19 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-07-10 
確定日 2006-01-14 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3366745号「ラベル貼付方法」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3366745号の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3366745号 の請求項1、2に係る発明についての出願は、平成6年8月30日に特許出願された特願平6-230411号出願であって、平成14年11月1日にその発明についての特許権の設定登録がなされ、その後、異議申立人金子しの、小杉益夫、および廣瀬康雄より特許異議の申立てがなされ、平成15年12月12日付けで取消しの理由が通知され、特許権者はその指定期間内の平成16年2月23日付けで訂正請求書が提出され、更に当審から取消理由通知が通知され、特許権者は平成16年2月23日付けの訂正請求を取り下げるとともに、平成17年11月4日付けの訂正請求書が提出された。

2.判断
2-1.訂正の適否についての判断
(1)平成17年11月4日付けの訂正の内容
訂正の内容は、平成17年11月4日に提出された訂正請求書及びそれに添付された訂正明細書の記載からみて、以下のとおりである。
1)訂正事項1
訂正前の【特許請求の範囲】の記載を、以下のとおり訂正する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通るように被貼付物を連続的に搬送するステップ、
前記第1のラベル貼付位置の上流側にある第1の検知手段によって、前記搬送手段で搬送されている前記被貼付物を検知するステップ、
第1のラベル貼付手段を前記第1のラベル貼付位置に接近させて作動させ、前記第1の検知手段に検知された前記被貼付物にラベルを貼付するステップ、
前記第1のラベル貼付位置にある前記第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付から前記第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、前記第1のラベル貼付手段を停止させ前記第1のラベル貼付位置から前記第1のラベル貼付手段を遠ざけるステップ、
前記第1のラベル貼付手段でラベルが貼付された前記被貼付物を前記第2のラベル貼付位置を通過させるステップ、および
前記第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、前記第1のラベル貼付手段の停止後に前記第1の検知手段を通過した前記被貼付物を検知し、その検知に基づいて前記第2のラベル貼付手段を前記第2のラベル貼付位置に接近させて作動させ、前記第2の検知手段に検知された前記被貼付物にラベルを貼付するステップを含み、
前記第1のラベル貼付位置または前記第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付 位置において、前記第1のラベル貼付手段または前記第2のラベル貼付手段により個々の前記被貼付物に同じ前記ラベルを同じ貼付方向から同じように貼付することを特徴とする、ラベル貼付方法。(以下、「訂正発明1」という。)
【請求項2】 搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通るように被貼付物を連続的に搬送するステップ、
前記第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、前記搬送手段で搬送されている前記被貼付物を検知するステップ、
第2のラベル貼付手段を前記第2のラベル貼付位置に接近させて作動させ、前記第2の検知手段に検知された前記被貼付物にラベルを貼付するステップ、
前記第2のラベル貼付位置にある前記第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付から前記第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、
前記第1のラベル貼付手段を前記第1のラベル貼付位置に接近させて作動させ、前記第1のラベル貼付位置の上流側にある前記第1の検知手段に検知された前記被貼付物にラベルを貼付するステップ、および
前記第2の検知手段によって、前記第1のラベル貼付手段の作動後に前記第1の検知手段を通過した前記被貼付物を検知し、その検知に基づいて前記第2のラベル貼付手段を停止させ前記第2の貼付位置から前記第2のラベル貼付手段を遠ざけるステップを含み、
前記第1のラベル貼付位置または前記第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、前記第1のラベル貼付手段または前記第2のラベル貼付手段により個々の前記被貼付物に同じ前記ラベルを同じ貼付方向から同じように貼付することを特徴とする、ラベル貼付方法。(以下、「訂正発明2」という。)
2)訂正事項2
明細書段落番号【0002】 の【従来の技術】の第1行目の記載「図11は、・・・斜視図である。」を、「図11は、・・・図解図である。」と訂正する。
3)訂正事項3
明細書段落番号【0005】の記載を次のとおり訂正する。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、第1のラベル貼付位置における第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第2のラベル貼付位置における第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換える切換作業と、第2のラベル貼付位置における第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第1のラベル貼付位置における第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換える切換作業とを、ラベル貼付作業を停止させずに効率的に行うことができる、ラベル連続体およびラベル貼付手段の損傷しにくいラベル貼付方法を提供することである。
4)訂正事項4
明細書段落番号【0006】の欄を削除する。
5)訂正事項5
明細書段落番号【0007】の【課題を解決するための手段】の欄を次のとおり訂正する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかるラベル貼付方法は、搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通るように被貼付物を連続的に搬送するステップと、第1のラベル貼付位置の上流側にある第1の検知手段によって、搬送手段で搬送されている被貼付物を検知するステップと、第1のラベル貼付手段を第1のラベル貼付位置に接近させて作動させ、第1の検知手段に検知された被貼付物にラベルを貼付するステップと、第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、第1のラベル貼付手段を停止させ第1のラベル貼付位置から第1のラベル貼付手段を遠ざけるステップと、第1のラベル貼付手段でラベルが貼付された被貼付物を第2のラベル貼付位置を通過させるステップと、第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、第1のラベル貼付手段の停止後に第1の検知手段を通過した被貼付物を検知し、その検知に基づいて第2のラベル貼付手段を第2のラベル貼付位置に接近させて作動させ、第2の検知手段に検知された被貼付物にラベルを貼付するステップとを含み、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付する、ラベル貼付方法である。
6)訂正事項6
明細書段落番号【0008】の欄の記載を以下のとおり訂正する。
【0008】
また、請求項2にかかるラベル貼付方法は、搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通るように被貼付物を連続的に搬送するステップと、第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、搬送手段で搬送されている被貼付物を検知するステップと、第2のラベル貼付手段を第2のラベル貼付位置に接近させて作動させ、第2の検知手段に検知された被貼付物にラベルを貼付するステップと、第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、第1のラベル貼付手段を第1のラベル貼付位置に接近させて作動させ、第1のラベル貼付位置の上流側にある第1の検知手段に検知された被貼付物にラベルを貼付するステップと、第2の検知手段によって、第1のラベル貼付手段の作動後に第1の検知手段を通過した被貼付物を検知し、その検知に基づいて第2のラベル貼付手段を停止させ第2の貼付位置から第2のラベル貼付手段を遠ざけるステップとを含み、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼止す手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付する、ラベル貼付方法である。
7)訂正事項7
明細書段落番号【0009】の欄の記載を削除する。
8)訂正事項8
明細書段落番号【0010】の欄の記載を以下のとおり訂正する。
【0010】
【作用】
請求頃1にかかるラベル貼付方法では、搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通過するように、ラベルを貼付すべき被貼付物が、複数、連続的に搬送される。第1のラベル貼付位置の上流側にある第1の検知手段によって、被貼付物が検知される。第1のラベル貼付手段を第1のラベル貼付位置に接近させて作動させることによって、第1の検知手段に検知された被貼付物にラベルが貼付される。第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、第1のラベル貼付手段が停止され、第1のラベル貼付位置から第1のラベル貼付手段が遠ざけられる。第1のラベル貼付手段でラベルが貼付された被貼付物は、第2のラベル貼付位置を通過する。第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、第1のラベル貼付手段の停止後に第1の検知手段を通過した被貼付物が検知されると、その検知に基づいて第2のラベル貼付手段は第2のラベル貼付位置に接近され作動されて、第2の検知手段に検知された被貼付物にラベルが貼付される。このラベル貼付方法では、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付する。
請求項2にかかるラベル貼付方法では、搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通過するように、ラベルを貼付すべき被貼付物が、複数、連続的に搬送される。第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、被貼付物が検知される。第2のラベル貼付手段を第2のラベル貼付位置に接近させて作動させることによって、第2の検知手段に検知された被貼付物にラベルが貼付される。第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、第1のラベル貼付手段を第1のラベル貼付位置に接近させて作動させることによって、第1のラベル貼付位置の上流側にある第1の検知手段に検知された被貼付物にラベルが貼付される。そして、第2の検知手段によって、第1のラベル貼付手段の作動後に第1の検知手段を通過した被貼付物が検知されると、その検知に基づいて第2のラベル貼付手段は、停止され、第2のラベル貼付位置から第2のラベル貼付手段が遠ざけられる。このラベル貼付方法では、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付する。
9)訂正事項9
明細書段落番号【0011】の欄の記載を以下のとおり訂正する。
【0011】
【発明の効果】
この発明にかかるラベル貼付方法によれば、搬送されてくる被貼付物に対して、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、それぞれの貼付位置にある第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付され、第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換える際、ラベルの貼付されていない被貼付物が第2の検知手段に検知されると、第2のラベル貼付手段を作動させるよう構成されているのでラベルの2度貼りが防止され、また、第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換える際、ラベルの貼付されている被貼付物が第2の検知手段に検知されると、第2のラベル貼付手段を停止させるよう構成されているのでラベルの貼りもれが防止される。したがって、この発明にかかるラベル貼付方法によれば、ラベル貼付作業の能率を向上させることができる。
さらに、この発明にかかるラベル貼付方法によれば、第1のラベル貼付手段および第2のラベル貼付手段は、それぞれ、被貼付物にラベルを貼付する時にラベル貼付位置に近づき、被貼付物にラベルを貼付しない停止時にラベル貼付位置から遠ざけられる。したがって、搬送される被貼付物によるラベル連続体の磨耗や、水滴による悪影響が生じなくなり、ラベル連続体およびラベル貼付手段が損傷しなくなる。
10)訂正事項10
【図面の簡単な説明】の欄の【図11】の「従来のラベル貼付装置の一実施例を示す図解図である。」の記載を、「従来のラベル貼付装置を示す図解図である。」に訂正する。

(2)訂正の適否・新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、請求項3を削除し、請求項1、2に記載に記載されている事項の一部を明細書に記載されていた下位概念のものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項2及び10は、図11の説明の記載の不備を解消するものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項3〜9は、上記訂正事項1によって付随的に生じる記載の不備を解消するものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1号の規定によりなお従前の例とされる、第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)申立ての理由の概要
1)異議申立人金子しのは、本件発明の特許に対して、証拠として甲第1号証(特開平7-10144号)を提出し、請求項1および2に係る発明の特許は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであるから、特許を取り消すべき旨主張している。
2)異議申立人小杉益夫は、本件発明の特許に対して、証拠として甲第1号証(特開昭61-11336号公報)、甲第2号証(特開平3-124539号公報)、甲第3号証(広辞苑第1810頁、第1欄26行〜32行の記載事項「どうじ【同時】」の意味)を提出し、請求項1〜3に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、特許を取り消すべき旨主張している。
3)異議申立人廣瀬康雄は、本件発明の特許に対して、証拠として甲第1号証(特開平7-10144号公報)、甲第2号証(実開昭61-14334号公報)、甲第3号証(特開昭61-133号公報)、甲第4号証(特開平3-124539号公報)、および甲第5号証(特開平5-305933号公報)を提出し、請求項1および2に係る発明の特許は、特許法第29条の2の規定および特許法第36条の規定に違反してなされたものであり、また、請求項1〜3に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、特許を取り消すべき旨主張している。
(2)これらの異議申し立てについて、当審ではこれらの3件を整理して、特許権者に対して平成15年12月12日付けで下記ア)〜ウ)の理由で取消理由通知を送付した。
<当審での取消理由通知>
ア)請求項1〜3に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記1の刊行物1〜4に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件の請求項1〜3に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
記1:
刊行物1:実願昭59-99083号(実開昭61-14334号公報)のマイクロフィルム(異議申立人廣瀬康雄の提出した甲第2号証)
刊行物2:特開昭61-133号公報(異議申立人廣瀬康雄の提出した甲第3号証)
刊行物3:特開平3-124539号公報(異議申立人小杉益夫の提出した甲第2号証、および、異議申立人廣瀬康雄の提出した甲第4号証)
刊行物4:特開平5-305933号公報(異議申立人廣瀬康雄の提出した甲第5号証)

イ)請求項1及び2に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公告又は出願公開がされた下記2の特許の出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、本件の請求項1及び2に係る発明は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものである。
記2:
特願平5-17250号公報(特開平7-10144号公報の公開公報参照)(異議申立人金子しの、および、異議申立人廣瀬康雄の提出した甲第1号証)

ウ)本件の明細書は、下記3の理由で記載が不備であるから、本件発明の特許は特許法第36条第4項の規定に違反してなされたものである。
記3:
異議申立人廣瀬康雄提出の異議申立書の第9頁末10行から第12頁2行の記載のとおりであって、当業者が実施可能なように明確に記載されているとは認めがたい。

エ)この取消理由通知に対して、特許権者は平成16年2月23日付けで訂正請求書を提出したが、その特許請求の範囲の請求項の記載には不備があったため、当審から特許法36条第4項及び第6項の取消理由通知を送付し、特許権者は平成16年2月23日付けの訂正請求を取り下げるとともに、平成17年11月4日付けの訂正請求書を提出した。

4.当審の判断
以上2.のとおり訂正は認められるので、「訂正発明1」について判断する。なお、上記3.(2)のウ)の特許法36条第4項の規定に違反する事項については、訂正請求により解消された。
刊行物1〜4に記載された発明はいずれも、本件訂正発明1の「搬送されてくる被貼付物に対して、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、それぞれの貼付位置にある第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付すること」の構成を有していないし、またこの構成は刊行物1〜4を組み合わせることにより格別の困難もなくなしうるものと認められないから、刊行物1〜4の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることができない。
また、特願平5-17250号公報(特開平7-10144号公報の公開公報参照)には、本件訂正発明1の「搬送されてくる被貼付物に対して、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、それぞれの貼付位置にある第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付すること」の構成はないので、両者は同一ではない。
訂正発明2についても同様の理由で、刊行物1〜4の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることができない。また、特願平5-17250号公報(特開平7-10144号公報の公開公報参照)に記載された発明とは同一ではない。
なお、異議申立人小杉益夫の提出した甲第1号証の特開昭61-11336号証について合わせて検討しても、それらから容易に発明をすることができたものとすることができない。

5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件の請求項1、2に係る発明を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ラベル貼付方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通るように被貼付物を連続的に搬送するステップ、
前記第1のラベル貼付位置の上流側にある第1の検知手段によって、前記搬送手段で搬送されている前記被貼付物を検知するステップ、
第1のラベル貼付手段を前記第1のラベル貼付位置に接近させて作動させ、前記第1の検知手段に検知された前記被貼付物にラベルを貼付するステップ、
前記第1のラベル貼付位置にある前記第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付から前記第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、前記第1のラベル貼付手段を停止させ前記第1のラベル貼付位置から前記第1のラベル貼付手段を遠ざけるステップ、
前記第1のラベル貼付手段でラベルが貼付された前記被貼付物を前記第2のラベル貼付位置を通過させるステップ、および
前記第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、前記第1のラベル貼付手段の停止後に前記第1の検知手段を通過した前記被貼付物を検知し、その検知に基づいて前記第2のラベル貼付手段を前記第2のラベル貼付位置に接近させて作動させ、前記第2の検知手段に検知された前記被貼付物にラベルを貼付するステップを含み、
前記第1のラベル貼付位置または前記第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、前記第1のラベル貼付手段または前記第2のラベル貼付手段により個々の前記被貼付物に同じ前記ラベルを同じ貼付方向から同じように貼付することを特徴とする、ラベル貼付方法。
【請求項2】搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通るように被貼付物を連続的に搬送するステップ、
前記第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、前記搬送手段で搬送されている前記被貼付物を検知するステップ、
第2のラベル貼付手段を前記第2のラベル貼付位置に接近させて作動させ、前記第2の検知手段に検知された前記被貼付物にラベルを貼付するステップ、
前記第2のラベル貼付位置にある前記第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付から前記第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、
前記第1のラベル貼付手段を前記第1のラベル貼付位置に接近させて作動させ、前記第1のラベル貼付位置の上流側にある前記第1の検知手段に検知された前記被貼付物にラベルを貼付するステップ、および
前記第2の検知手段によって、前記第1のラベル貼付手段の作動後に前記第1の検知手段を通過した前記被貼付物を検知し、その検知に基づいて前記第2のラベル貼付手段を停止させ前記第2ラベルの貼付位置から前記第2のラベル貼付手段を遠ざけるステップを含み、
前記第1のラベル貼付位置または前記第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、前記第1のラベル貼付手段または前記第2のラベル貼付手段により個々の前記被貼付物に同じ前記ラベルを同じ貼付方向から同じように貼付することを特徴とする、ラベル貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はラベル貼付方法に関し、特にたとえば、順次搬送されてくる被貼付物にラベルを貼付するための、ラベル貼付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、この発明の背景となる従来のラベル貼付装置を示す図解図である。このラベル貼付装置1は、たとえばゼリーなどの加工食品の容器の底面にラベルを貼付するためのものである。このラベル貼付装置1は、基台2を含む。基台2には、ラベルを貼付すべき被貼付物Wをラベル貼付位置に搬送するための搬送手段3が水平に設けられる。搬送手段3は、たとえばベルトコンベアからなる。搬送手段3の下方には、互いに補完しあうよう設けられた2つのラベル貼付手段4,5が、固定的に設けられる。ラベル貼付手段4,5は、ラベル連続体を移送し、ラベル連続体上に仮着されたラベルを剥離して、そのラベルを被貼付物に貼付するためのものである。ラベル貼付時には、ラベル貼付手段4,5の一方のみが使用され他方は休止される。また、ラベル貼付手段4,5は、それぞれ、ラベルをラベル連続体から剥離して、被貼付物の底面に貼付するための剥離プレート6,7を含む。剥離プレート6,7は、搬送手段3の下方から上方へ斜めに突き出し設けられ、その先端部が、搬送手段3上を搬送される被貼付物と接触するよう設けられる。そして、被貼付物が剥離プレート6,7と接触した際に、ラベル連続体Aから剥離されたラベルが被貼付物の底面に貼付される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一方のラベル貼付手段4,5のラベルの残量が少なくなったり切れたりした場合には、そのラベル貼付手段4,5を停止させ、他方のラベル貼付手段5,4を使用する必要が生じる。そして、他方のラベル貼付手段5,4を使用している間に、一方のラベル貼付手段4,5のラベルの補充作業などをしなければならない。この場合、従来のラベル貼付装置1では、一方のラベル貼付手段4,5を止めてから、他方のラベル貼付手段5,4を作動させるという操作を、それぞれのラベル貼付手段4,5について作業者が手動で行わなければならなかった。すなわち、まず、搬送手段3を停止させ、次に、使用中の一方のラベル貼付手段4,5を停止させる。そして、他方のラベル貼付手段5,4を作動させなければならない。そのため、ラベル貼付手段4,5の切換作業が完了するまでの間、ラベル貼付作業を止めなければならず、作業能率が低下した。また、上述の切り換え操作では、ラベルの二度貼りや貼りもれが起こりやすいという不都合があった。
【0004】
また、このラベル貼付装置1は、ラベル貼付手段4,5が固定的に設けられている。剥離プレート6,7の先端部には、それぞれラベル連続体Aの剥離台紙が鋭角に折り返されており、搬送されてくる被貼付物の底面に接触するよう配置されている。そのため、一方のラベル貼付手段4,5を使用している際にも、他方のラベル貼付手段5,4の剥離プレート7,6は、被貼付物に接触し続けることとなる。この時、他方のラベル貼付手段5,4は、ラベル連続体の移送を停止しているので、ラベル連続体Aの剥離台紙の同一箇所が、その上を搬送される被貼付物によって磨耗されることとなる。そのため、ラベル連続体Aが切断したりするなど損傷しやすかった。また、被貼付物が、たとえばゼリーなどの加工食品の場合には、ラベル貼付作業前に冷蔵保存されているため、被貼付物に水滴などが付着していることが多い。その場合には、紙材などからなるラベル連続体Aの剥離台紙がより損傷しやすくなる。さらに、この水滴が、他方の剥離プレート7,6の先端部から伝わり落ちて、ラベル貼付手段4,5の故障の原因となる場合があった。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、第1のラベル貼付位置における第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第2のラベル貼付位置における第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換える切換作業と、第2のラベル貼付位置における第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第1のラベル貼付位置における第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換える切換作業とを、ラベル貼付作業を停止させずに効率的に行うことができる、ラベル連続体およびラベル貼付手段の損傷しにくいラベル貼付方法を提供することである。
【0006】
(訂正により削除)
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかるラベル貼付方法は、搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通るように被貼付物を連続的に搬送するステップと、第1のラベル貼付位置の上流側にある第1の検知手段によって、搬送手段で搬送されている被貼付物を検知するステップと、第1のラベル貼付手段を第1のラベル貼付位置に接近させて作動させ、第1の検知手段に検知された被貼付物にラベルを貼付するステップと、第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、第1のラベル貼付手段を停止させ第1のラベル貼付位置から第1のラベル貼付手段を遠ざけるステップと、第1のラベル貼付手段でラベルが貼付された被貼付物を第2のラベル貼付位置を通過させるステップと、第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、第1のラベル貼付手段の停止後に第1の検知手段を通過した被貼付物を検知し、その検知に基づいて第2のラベル貼付手段を第2のラベル貼付位置に接近させて作動させ、第2の検知手段に検知された被貼付物にラベルを貼付するステップとを含み、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付する、ラベル貼付方法である。
【0008】
また、請求項2にかかるラベル貼付方法は、搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通るように被貼付物を連続的に搬送するステップと、第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、搬送手段で搬送されている被貼付物を検知するステップと、第2のラベル貼付手段を第2のラベル貼付位置に接近させて作動させ、第2の検知手段に検知された被貼付物にラベルを貼付するステップと、第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、第1のラベル貼付手段を第1のラベル貼付位置に接近させて作動させ、第1のラベル貼付位置の上流側にある第1の検知手段に検知された被貼付物にラベルを貼付するステップと、第2の検知手段によって、第1のラベル貼付手段の作動後に第1の検知手段を通過した被貼付物を検知し、その検知に基づいて第2のラベル貼付手段を停止させ第2のラベル貼付位置から第2のラベル貼付手段を遠ざけるステップとを含み、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付する、ラベル貼付方法である。
【0009】
(訂正により削除)
【0010】
【作用】
請求項1にかかるラベル貼付方法では、搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通過するように、ラベルを貼付すべき被貼付物が、複数、連続的に搬送される。第1のラベル貼付位置の上流側にある第1の検知手段によって、被貼付物が検知される。第1のラベル貼付手段を第1のラベル貼付位置に接近させて作動させることによって、第1の検知手段に検知された被貼付物にラベルが貼付される。第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、第1のラベル貼付手段が停止され、第1のラベル貼付位置から第1のラベル貼付手段が遠ざけられる。第1のラベル貼付手段でラベルが貼付された被貼付物は、第2のラベル貼付位置を通過する。第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、第1のラベル貼付手段の停止後に第1の検知手段を通過した被貼付物が検知されると、その検知に基づいて第2のラベル貼付手段は第2のラベル貼付位置に接近され作動されて、第2の検知手段に検知された被貼付物にラベルが貼付される。このラベル貼付方法では、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付する。
請求項2にかかるラベル貼付方法では、搬送手段によって、上流側の第1のラベル貼付位置および下流側の第2のラベル貼付位置を通過するように、ラベルを貼付すべき被貼付物が、複数、連続的に搬送される。第2のラベル貼付位置の上流側にある第2の検知手段によって、被貼付物が検知される。第2のラベル貼付手段を第2のラベル貼付位置に接近させて作動させることによって、第2の検知手段に検知された被貼付物にラベルが貼付される。第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換えるために、第1のラベル貼付手段を第1のラベル貼付位置に接近させて作動させることによって、第1のラベル貼付位置の上流側にある第1の検知手段に検知された被貼付物にラベルが貼付される。そして、第2の検知手段によって、第1のラベル貼付手段の作動後に第1の検知手段を通過した被貼付物が検知されると、その検知に基づいて第2のラベル貼付手段は、停止され、第2のラベル貼付位置から第2のラベル貼付手段が遠ざけられる。このラベル貼付方法では、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付する。
【0011】
【発明の効果】
この発明にかかるラベル貼付方法によれば、搬送されてくる被貼付物に対して、第1のラベル貼付位置または第2のラベル貼付位置のどちらかの貼付位置において、それぞれの貼付位置にある第1のラベル貼付手段または第2のラベル貼付手段により個々の被貼付物に同じラベルを同じ貼付方向から同じように貼付され、第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換える際、ラベルの貼付されていない被貼付物が第2の検知手段に検知されると、第2のラベル貼付手段を作動させるよう構成されているのでラベルの2度貼りが防止され、また、第2のラベル貼付位置にある第2のラベル貼付手段によるラベルの貼付から第1のラベル貼付位置にある第1のラベル貼付手段によるラベルの貼付に切り換える際、ラベルの貼付されている被貼付物が第2の検知手段に検知されると、第2のラベル貼付手段を停止させるよう構成されているのでラベルの貼りもれが防止される。したがって、この発明にかかるラベル貼付方法によれば、ラベル貼付作業の能率を向上させることができる。
さらに、この発明にかかるラベル貼付方法によれば、第1のラベル貼付手段および第2のラベル貼付手段は、それぞれ、被貼付物にラベルを貼付する時にラベル貼付位置に近づき、被貼付物にラベルを貼付しない停止時にラベル貼付位置から遠ざけられる。したがって、搬送される被貼付物によるラベル連続体の磨耗や、水滴による悪影響が生じなくなり、ラベル連続体およびラベル貼付手段が損傷しなくなる。
【0012】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0013】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例を示す正面図解図であり、図2はその平面図解図である。この実施例にかかるラベル貼付方法に用いられるラベル貼付装置100は、基台102を含む。基台102の両端部近傍から、それぞれ上方に延びるようにして、柱104,106が設けられる。また、ラベル貼付装置100は、ラベルを貼付すべき被貼付物Wを連続的に搬送するための略長矩形の搬送手段としての搬送装置200を含む。搬送装置200は、柱104,106に掛け渡されるようにして、略水平に設けられる。この実施例において、ラベルを貼付すべき被貼付物Wには、図1および図2に点線で示すように、たとえばゼリーなどの加工食品を収納するための、いわゆるカップ型の容器が適用される。なお、この実施例において、被貼付物Wは、ラベルCの未だ貼付されていない被貼付物を示し、被貼付物Wrは、ラベルCが既に貼付された被貼付物を示す。
【0014】
搬送装置200は、複数の回動自在の搬送ローラ202を含む。搬送ローラ202は、被貼付物Wの搬送方向に直交するようにして複数、平行に配置される。また、搬送装置200は、搬送ローラ202を回動するための駆動モータ204をたとえば3つ含む。駆動モータ204は、たとえば伝達ベルト,伝達ローラなどを介して搬送ローラ202を回動させる。さらに、この実施例の搬送装置200は、たとえば3本の環状の搬送ベルトを含む。被貼付物Wは、搬送ベルトの上に載置され、搬送ベルトの回転に伴って移送される。
【0015】
第1の搬送ベルト206は、被貼付物Wの搬送方向の上流側の搬送ローラ202間に掛け設けられる。第2の搬送ベルト208は、被貼付物Wの搬送方向の中流の搬送ローラ202間に、第1の搬送ベルト206と対向しつつ掛け設けられる。第2の搬送ベルト208と第1の搬送ベルト206との間の幅方向に細長い隙間は、第1のラベル貼付位置212となる。第1のラベル貼付位置212において、後述する第1のラベル貼付機300aによりラベルCが被貼付物Wの底面に貼付される。第1のラベル貼付位置212の上流側近傍には、搬送されてくる被貼付物Wを検知するための第1の通過センサ218が設けられる。さらに、第3の搬送ベルト210は、被貼付物Wの搬送方向の下流側の搬送ローラ202間に、第2の搬送ベルト208と対向しつつ掛け設けられる。第3の搬送ベルト210と第2の搬送ベルト208との間の幅方向に細長い隙間は、第2のラベル貼付位置214となる。第2のラベル貼付位置214において、後述する第2のラベル貼付機300bによりラベルCが被貼付物Wの底面に貼付される。第2のラベル貼付位置214の上流側近傍には、搬送されてくる被貼付物Wを検知するための第2の通過センサ220が設けられる。
【0016】
さらに、図2に示すように、被貼付物Wの搬送方向に対して両側方には、複数の長矩形状のガイド板216が設けられる。ガイド板216は、被貼付物Wを搬送ベルト上の適切な位置に誘導するためのものである。この実施例では、搬送方向に対して左側のガイド板216が、被貼付物Wを搬送ベルト上の適切な位置に誘導するために、搬送方向下流側から上流側になるに従い、搬送ベルトの幅方向外側から中央へと斜めに設けられる。また、搬送方向に対して右側のガイド板216は、搬送方向と平行に真っ直ぐに設けられる。
【0017】
また、この実施例のラベル貼付装置100は、第1のラベル貼付手段としての第1のラベル貼付機300a、および第2のラベル貼付手段としての第2のラベル貼付機300bを含む。第1のラベル貼付機300aおよび第2のラベル貼付機300bは、ラベル連続体Aを順次移送し、剥離台紙BからラベルCを剥離して、搬送されてくる被貼付物Wに順次貼付するためのものである。第1のラベル貼付機300aは、第1のラベル貼付位置212の下方に配置される。また、第2のラベル貼付機300bは、第2のラベル貼付位置214の下方に配置される。したがって、第1のラベル貼付機300aは、被貼付物Wの搬送方向上流側に配置され、第2のラベル貼付機300bは、被貼付物Wの搬送方向下流側に配置されることとなる。
【0018】
図3は、図1に示すラベル貼付装置の要部を示す図解図である。まず、説明をわかりやすくするために、ラベル連続体Aについて説明する。ラベル連続体Aは、第1のラベル貼付機300aおよび第2のラベル貼付機300bに適用されるものである。ラベル連続体Aは、剥離台紙BとラベルCとを含む。剥離台紙Bは、紙等からなる基材の表面に、たとえばシリコーン等からなる剥離剤層が形成され、帯状に形成されたものである。ラベルCは、その裏面に感圧型の粘着剤層が形成され、かつ、その表面には、文字,数字または図形等の画線が施され、あるいは施すための処理がされて、たとえば円形に打ち抜かれたものである。そして、剥離台紙B上にラベルCが仮着されて、ラベル連続体Aは形成される。
【0019】
図3を参照しながら、ラベル連続体Aの移送方向に従って、第1のラベル貼付機300aについて説明する。第1のラベル貼付機300aは、正面からみて略L字状のシャーシ302を含む。シャーシ302には、ラベル連続体Aを供給するための供給リール304が回動自在に突き出し設けられる。供給リール304は、モータ、それに結合した歯車、軸等からなるものであり、移送されるラベル連続体Aの撓みを修正するため、ラベル連続体Aの移送方向と逆方向に非常に弱い力をラベル連続体Aに加えるものである。供給リール304には、ラベル連続体Aの残量を検知するためのセンサが設けられる。供給リール304の下流には、ラベル連続体Aの移送方向を変えるためのローラ306が回動自在に設けられる。ローラ306の下流には、ラベル連続体Aをその厚み方向両側から挟むようにして、ラベルセンサ308が設けられる。ラベルセンサ308は、ラベル連続体A上に仮着されたラベルCを検知するためのものである。ラベルセンサ308は、後述する第1の制御装置500aに電気的に接続される。
【0020】
ラベルセンサ308の下流には、ラベル連続体Aの移送方向を変えるためのローラ310が回動自在に設けられる。ローラ310の下流には、ラベルC表面に文字,数字または図形等の画線を印字するためのラベル印字装置312が設けられる。ラベル印字装置312は、たとえば通常の印字装置,感熱転写型印字装置,および感熱発色型印字装置などを用いることができる。ラベル印字装置312は、後述する第1の制御装置500aに電気的に接続される。ラベル印字装置312の下流には、ラベル連続体Aを鋭角に折り返しラベルCのみを直進させて、ラベルCを被貼付物Wの搬送方向へ繰り出し剥離するための剥離プレート314が設けられる。この実施例の剥離プレート314は、薄い板状のものである。そして、剥離プレート314は、ラベルCをその裏面の粘着剤層が上向きになるように繰り出すために、第1のラベル貼付位置212の下方から、被貼付物Wの搬送方向へ斜めに突き出すようにして設けられる。したがって、この剥離プレート314によって剥離されたラベルCは、その裏面の粘着剤層が上向きになるように繰り出され、その裏面の粘着剤層により、搬送されてくる被貼付物Wの底面に貼付されることとなる。
【0021】
剥離プレート314の下流には、ラベルCの剥離された剥離台紙Bの移送方向を変えるためのローラ316が回動自在に設けられる。ローラ316の下流には、剥離台紙Bおよびラベル連続体Aを順次移送するための移送ローラ318が設けられる。移送ローラ318は、一対のローラからなり、一対のローラは、剥離台紙Bをその厚み方向両側から挟持するよう回動自在に設けられる。そして、移送ローラ318の一対のローラが、剥離台紙Bを挟持したまま、それぞれ逆方向に回動することにより、ラベル連続体AをラベルC一枚分ずつ移送させる。また、シャーシ302の背面には、移送ローラ318を回動させるための移送モータ320が設けられる。移送モータ320は、伝達ベルト322およびプーリ、ギヤなどを介して、移送ローラ318に接続される。移送モータ320は、後述する第1の制御装置500aに電気的に接続される。さらに、移送ローラ318の下流には、剥離台紙Bを巻き取るための巻取リール324が設けられる。巻取リール324は、モータ,それに結合した歯車,軸等からなり、剥離台紙Bの移送方向と同じ方向に弱い力で巻き取るためのものである。こうして、第1のラベル貼付機300aは形成される。また、第2のラベル貼付機300bも、第1のラベル貼付機300aと同様にして形成され、後述する第2の制御装置500bに電気的に接続される。
【0022】
ラベル貼付装置100は、第1の変位手段としての第1のシリンダ400a、および第2の変位手段としての第2のシリンダ400bを含む。この実施例の第1のシリンダ400aは、たとえば油圧シリンダからなる。第1のラベル貼付機300aのシャーシ302は、第1のシリンダ400aにより上下移動自在に支持される。図3を参照しながら、第1のシリンダ400aについて説明する。第1のシリンダ400aは、伸縮運動自在のロッド402を含む。第1のシリンダ400aは、そのロッド402が上下方向に伸縮運動するように、取付フランジにより基台102に垂直に固着される。ロッド402の上端には、略矩形の支持台404が水平に固着される。支持台404の両端部近傍には、シャーシ302を支持するための支持棒406がそれぞれ垂直に形成される。支持棒406の上端部は、第1のラベル貼付機300aのシャーシ302に接続される。こうして、第1のラベル貼付機300aは、第1のシリンダ400aにより上下移動自在に支持される。また、第2のシリンダ400bは、第1のシリンダ400aと同様に形成される。そして、第2のラベル貼付機300bは、第2のシリンダ400bにより上下移動自在に支持される。
【0023】
このラベル貼付装置100は、第1のラベル貼付機300aの動作を制御するための、第1の制御装置500aを含む。第1の制御装置500aは、図1に示すように、基台102から垂直に延びる一方の柱104の上端部に設けられる。第1の制御装置500aは、第1のラベル貼付機300aおよび第1の通過センサ218に電気的に接続される。第1の制御装置500aは、第1の通過センサ218からの信号に基づいて、第1のラベル貼付機300aを駆動させる。また、ラベル貼付装置100は、第2のラベル貼付機300bの動作を制御するための、第2の制御装置500bを含む。第2の制御装置500bは、図1に示すように、基台102から垂直に延びる他方の柱106の上端部に設けられる。第2の制御装置500bは、第2のラベル貼付機300bおよび第2の通過センサ220に電気的に接続される。第1の制御装置500aおよび第2の制御装置500bは、それぞれ、CPU、入力インタフェイス、RAM、ROM、および出力インタフェイスなどを含む。
【0024】
また、ラベル貼付装置100は、たとえば機械の異常、ラベル残量不足およびラベル切れなどを作業者に知らせるための第1の警報装置600a、および第2の警報装置600bを含む。第1の警報装置600aおよび第2の警報装置600bは、たとえば赤,青,黄色などに色分けされたランプにより警報するものである。この実施例では、ラベル連続体Aの残量が少なくなった場合には、第1のラベル貼付機300aのセンサまたは第2のラベル貼付機300bのセンサからの信号が、第1の制御装置500aまたは第2の制御装置500bに入力される。そして、第1の制御装置500aまたは第2の制御装置500bによって、第1の警報装置600aまたは第2の警報装置600bが駆動されて、たとえば黄色のランプが点滅する。さらに、ラベル連続体Aの残量が無くなったり切れたりした場合には、後述するように、第1の警報装置600a、または第2の警報装置600bが駆動されて、たとえば赤色のランプが点灯する。なお、警報装置として、ブザーなどを連動させてもよい。
【0025】
さらに、このラベル貼付装置100は、第1のラベル貼付機300aと第2のラベル貼付機300bとを連続的かつ自動的に切り換えるための切換手段としての第3の制御装置700を含む。第1の制御装置500aおよび第2の制御装置500bは、第3の制御装置700に電気的に接続される。第3の制御装置700は、第1のラベル貼付機300aか第2のラベル貼付機300bかを選択するための切換スイッチ702と接続される。切換スイッチ702は、第3の制御装置700の正面に配置される。
【0026】
図8は、図1に示すラベル貼付装置の回路構成を示すブロック図である。第3の制御装置700は、CPU704を含む。CPU704には、入力インタフェイス706を介して、第1の通過センサ218、第2の通過センサ220、第1の制御装置500a、第2の制御装置500b、および切換スイッチ702が電気的に接続される。また、このCPU704には、RAM708、および作動プログラムなどが書き込まれたROM710と接続される。そして、CPU704の出力には、出力インタフェイス712を介して、第1のシリンダ400a、第2のシリンダ400b、第1の制御装置500a、および第2の制御装置500bが電気的に接続される。
【0027】
次に、図1から図4を参照して、第1のラベル貼付機300aの作動状況について説明する。まず、搬送装置200によって、被貼付物W(ラベル未貼付)の搬送が開始される。被貼付物Wは、複数個、順次に搬送される。被貼付物Wは、ガイド板216によって搬送ベルト206,208,210上のラベル貼付のために適切な位置に誘導される。被貼付物Wが、第1のラベル貼付位置212の上流側にまで搬送されると、第1の通過センサ218によって検知される。第1のラベル貼付機300aは、図4に示すように、第1のシリンダ400aによって、被貼付物Wに接近するよう上昇されている。このとき、第2のラベル貼付機300bは、第2のシリンダ400bによって、被貼付物Wから遠ざかるよう下降されている。そのため、第2のラベル貼付機300bのラベル連続体Aが、被貼付物によって損傷することが防止される。
【0028】
第1の制御装置500aは、第1の通過センサ218が被貼付物Wを検知してから、第1のラベル貼付機300aにラベル連続体Aの移送を開始させる。ラベル連続体Aは、剥離プレート314により鋭角に折り返される。すると、ラベルCは、剥離台紙Bから剥離され、貼着剤層を上にして繰り出される。このラベルCの繰り出しは、被貼付物Wの搬送と同期して行われる。すなわち、搬送される被貼付物Wと同期して、剥離台紙Bは、ラベルC1枚分巻取リール324に巻き取られる。そして、繰り出されたラベルCは、ラベル貼付位置212に搬送されてきた被貼付物W(ラベル未貼付)の底面に貼着される。ラベルCは、図3に示すように、被貼付物Wの自重と第1の搬送ベルト206とが協働することによって、被貼付物Wの底面に押圧され、確実に貼着されることとなる。ラベル連続体Aの移送は、ラベルセンサ308によって次のラベルCが検知されると停止される。こうして、第1のラベル貼付機300aによって、ラベルCが順次、被貼付物Wに貼付される。
【0029】
次に、図5を参照して第2のラベル貼付機300bによって、ラベルCが被貼付物W(ラベル未貼付)に貼付される場合について説明する。この場合には、第2のラベル貼付機300bは、図5に示すように、第2のシリンダ400bによって、被貼付物Wに接近するよう上昇される。このとき、第1のラベル貼付機300aは、第1のシリンダ400aによって、被貼付物Wから遠ざかるよう下降される。そのため、第1のラベル貼付機300aのラベル連続体Aが、被貼付物によって損傷することが防止される。第2のラベル貼付機300bは、第1のラベル貼付機300aと同様に作動して、ラベルCを被貼付物Wに貼付する。
【0030】
次に、図4から図7に示した図解図、および図9に示すフロー図を参照して、第1のラベル貼付機300aと第2のラベル貼付機300bとを切り換える際の操作、および作動状況について説明する。ラベル貼付機の切換えは、たとえば一方のラベル貼付機のラベル連続体Aの残量が少なくなり、ラベル連続体Aを補充、交換しなければならない場合などに行われる。図9(A)は、第1のラベル貼付機300aから第2のラベル貼付機300bに切り換える際の操作および作動状況を示すフロー図である。ステップS101では、第1のラベル貼付機300aのラベル連続体Aの残量が少なくなると、第1の警報装置500aが駆動され、たとえば黄色のランプが点滅する。すると、作業者は、切換スイッチ702を、第1のラベル貼付機300aから第2のラベル貼付機300bに切り換える。次に、ステップS103では、図4に示す状態でそれまで作動していた第1のラベル貼付機300が、図6に示すように、作動を停止して下降する。次に、ステップS105では、第1の通過センサ218と第2の通過センサ220との間に搬送されている被貼付物Wr(ラベル貼付済)が第2の通過センサ220を通過してしまうまで待つ。そして、第2の通過センサ220が、第1のラベル貼付手段300aの停止後に第1の通過センサ218を通過した被貼付物W(ラベル未貼付)を検知すると、ステップS107に進む。ステップS107では、図5に示すように、第2のラベル貼付機300bが上昇し、第2の通過センサ220に検知された被貼付物W(ラベル未貼付)にラベルCを貼付する。したがって、ラベルCの2度貼りが防止される。
【0031】
また、図9(B)は、第2のラベル貼付機300bから第1のラベル貼付機300aに切り換える場合の操作および作動状況を示すフロー図である。ステップS111では、切換スイッチ702を、第2のラベル貼付機300bから第1のラベル貼付機300aに切り換える。次に、ステップS113では、図5に示す状態でそれまで下降および停止していた第1のラベル貼付機300aが、図7に示すように、ラベル貼付位置212に上昇して、被貼付物W(ラベル未貼付)にラベルCの貼付を開始する。次に、ステップS115では、第1の通過センサ218と第2の通過センサ220との間に搬送されている被貼付物(ラベル未貼付)が第2の通過センサ220を通過してしまうまで、第2のラベル貼付機300bの作動が継続される。そして、第2の通過センサ220が、第1のラベル貼付手段300aの作動後に第1の通過センサ218を通過した被貼付物Wr(ラベル貼付済)を検知すると、ステップS117に進む。ステップS117では、図4に示すように、第2のラベル貼付機300bが作動を停止して下降する。したがって、ラベルCの貼りもれが防止される。
【0032】
次に、図10を参照して、このラベル貼付装置100の第1の警報装置600aおよび第2の警報装置600bの作動状況について説明する。図10(A)は、第1のラベル貼付機300aが正常に作動している際のタイミング図である。被貼付物Wが第1の通過センサ218の側方を通過すると、第1の通過センサ218は被貼付物Wを検知する。すると、ラベル連続体Aの移送が開始され、ラベル連続体Aの移送信号がオンになる。同時に、ラベル連続体Aの移送状態をチェックするためのチェック信号がオンになる。そして、第1のラベル貼付機300aによってラベルCが被貼付物に貼付される。さらに、ラベルセンサ308が、次のラベルCを検知すると、ラベル連続体Cの移送信号がオフになる。次に、チェック信号が所定時間経過後オフになる。このとき、ラベル連続体Aの移送信号がオフになっていれば、警報信号はオフのままとなり、警報装置は駆動されない。第2のラベル貼付機300bについても同様である。
【0033】
図10(B)は、第1のラベル貼付機300aが異常作動した際のタイミング図である。被貼付物Wが第1の通過センサ218の側方を通過すると、通過センサ218は被貼付物Wを検知する。すると、ラベル連続体Aの移送が開始され、ラベル連続体Aの移送信号がオンになる。同時に、ラベル連続体Aの移送状態をチェックするためのチェック信号がオンになる。そして、第1のラベル貼付機300aによってラベルCが被貼付物に貼付される。ここで、ラベルCが無くなったり、剥離台紙Bが切断したりした場合には、次のラベルCが検知されない。そのため、チェック信号が所定時間経過後オフになる際には、ラベル連続体Aの移送信号は、オンのままとなる。この場合には、第1の警報装置600aの信号がオンになり、第1の警報装置600aが駆動され、たとえば赤色のランプが点灯される。
なお、第2のラベル貼付機300bが異常作動した場合には、第2の警報装置600bが同様に作動する。
【0034】
この実施例のラベル貼付装置100によれば、第1のラベル貼付機300aと第2のラベル貼付機300bとの切り換えを、搬送装置200を作動させたまま、ラベル貼付作業を停止させずに自動的かつ連続的に行うことができる。しかも、第1のラベル貼付機300aから第2のラベル貼付機300bへ切換える場合には、ラベルCの2度貼りが防止される。また、第2のラベル貼付機300bから第1のラベル貼付機300aへ切換える場合には、ラベルCの貼りもれが防止される。したがって、この実施例のラベル貼付装置100によれば、ラベル貼付作業の能率を向上させることができる。さらに、第1のシリンダ400aおよび第2のシリンダ400bによって、第1のラベル貼付機300aおよび第2のラベル貼付機300bは、それぞれ、不使用時に被貼付物Wから遠ざけられる。したがって、搬送される被貼付物Wによるラベル連続体Aの磨耗や、水滴による悪影響が生じなくなり、ラベル連続体Aおよびラベル貼付機が損傷しにくくなる。
【0035】
なお、上述の実施例では、第1のラベル貼付機300aと第2のラベル貼付機300bとの切り換えを、切換スイッチ702の切り換えにより行ったが、これに限らず、自動で行うようにしてもよい。すなわち、供給リール304のセンサが、ラベル連続体Aの残量少を検知した時に、警報装置を駆動させるとともに、第1のラベル貼付機300aと第2のラベル貼付機300bとを自動的に切り換えるように、シーケンス制御してもよい。
【0036】
また、第1のラベル貼付機300aおよび第2のラベル貼付機300bは、搬送装置200の下方に配置されることに限らず、たとえば、搬送装置200の側方や上方に配置されてもよい。搬送装置200の側方に設ける場合には、たとえば第1のラベル貼付機300aおよび第2のラベル貼付機300bを水平移動自在に、基台102に連設された柱などに固定すればよい。また、搬送装置200の上方に設ける場合には、たとえば第1のラベル貼付機300aおよび第2のラベル貼付機300bを上下移動自在に固定するためのフレームが、搬送装置200の上方に設けられる。そして、第1のラベル貼付機300aおよび第2のラベル貼付機300bが、上下移動自在にフレームに固定される。これらの水平移動や上下移動は、上述の実施例と同様に油圧シリンダにより行うことができる。これらの場合には、ラベルCを被貼付物Wの側面や上面に貼付することができ、しかも上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の一実施例を示す正面図解図である。
【図2】
図1に示すラベル貼付装置の平面図解図である。
【図3】
図1に示すラベル貼付装置の要部を示す図解図である。
【図4】
図1に示すラベル貼付装置の要部の作動状況を示す図解図である。
【図5】
図1に示すラベル貼付装置の要部の作動状況を示す図解図である。
【図6】
図1に示すラベル貼付装置の要部の作動状況を示す図解図である。
【図7】
図1に示すラベル貼付装置の要部の作動状況を示す図解図である。
【図8】
図1に示すラベル貼付装置の回路構成を示すブロック図である。
【図9】
図1に示すラベル貼付装置の作動状況を示すフロー図である。
【図10】
図1に示すラベル貼付装置の警報装置の作動状況を示すタイミング図である。
【図11】
従来のラベル貼付装置を示す図解図である。
【符号の説明】
100 ラベル貼付装置
102 基台
104,106 柱
200 搬送装置
202 搬送ローラ
204 駆動モータ
206 第1の搬送ベルト
208 第2の搬送ベルト
210 第3の搬送ベルト
212 第1のラベル貼付位置
214 第2のラベル貼付位置
216 ガイド板
218 第1の通過センサ
220 第2の通過センサ
300a 第1のラベル貼付機
300b 第2のラベル貼付機
302 シャーシ
304 供給リール
308 ラベルセンサ
312 ラベル印字装置
314 剥離プレート
318 移送ローラ
320 移送モータ
322 伝達ベルト
324 巻取リール
400a 第1のシリンダ
400b 第2のシリンダ
402 ロッド
404 支持台
406 支持棒
500a 第1の制御装置
500b 第2の制御装置
600a 第1の警報装置
600b 第2の警報装置
700 第3の制御装置
702 切換スイッチ
A ラベル連続体
B 剥離台紙
C ラベル
W 被貼付物(ラベル未貼付)
Wr 被貼付物(ラベル貼付済)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-12-20 
出願番号 特願平6-230411
審決分類 P 1 651・ 121- YA (B65C)
P 1 651・ 16- YA (B65C)
P 1 651・ 534- YA (B65C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 溝渕 良一  
特許庁審判長 松縄 正登
特許庁審判官 中西 一友
市野 要助
登録日 2002-11-01 
登録番号 特許第3366745号(P3366745)
権利者 大阪シーリング印刷株式会社
発明の名称 ラベル貼付方法  
代理人 岡田 全啓  
代理人 岡田 全啓  

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