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審決分類 審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  F16K
管理番号 1137792
異議申立番号 異議2003-73019  
総通号数 79 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-03-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-09 
確定日 2006-03-20 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3416160号「流体圧機器」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3416160号の請求項1に係る特許を取り消す。  
理由 第1.手続の経緯
特許第3416160号の請求項1に係る発明についての出願は、平成 3年 9月10日に特許出願され、平成15年 4月 4日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、請求項1に係る発明の特許について、異議申立人フェスト アクツィエンゲゼルシャフト ウント コーより特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知された後、平成17年 7月25日に訂正請求がされたものである。

第2.訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
上記平成17年 7月25日付け訂正請求書に添付された訂正明細書の記載によれば、特許権者が求めている訂正の内容は、以下の訂正を行うものと認められる。

(1)訂正事項a
【請求項1】について、
「機能の異なる複数のブロック体から構成される流体ユニットがマニホールドを介して複数並設され、外部機器に接続される流体圧機器において、
前記複数のブロック体を外部機器と電気的に接続すべく、複数の端子を前記流体ユニットの壁面に集約的に設け、単一のマルチコネクタ手段によって外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の電気信号接続部と、外部機器と前記流体ユニットの複数の流体通路とを相互に接続すべく、その接続部を前記流体ユニットの壁面に集約的に配設し、前記接続部に挿入される複数の挿入筒部材を介して外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部とを有し、
前記電気信号接続部の複数の端子と前記流体通路接続部とが前記流体ユニットの同一壁面に設けられた複合雌型接続部と、
前記電気信号接続部に接続されるマルチコネクタ手段と前記流体通路接続部に接続される接続部とからなる複合雄型接続部と、
を備え、前記複数の流体通路は、流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートを含み、前記流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、並設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が各接続部位に近接してそれぞれ設けられることを特徴とする流体圧機器。」
とある記載を、
「機能の異なる複数のブロック体から構成される流体ユニットがマニホールドを介して複数併設され、外部機器に接続される流体圧機器において、
前記複数のブロック体を外部機器と電気的に接続すべく、複数の端子を前記流体ユニットの壁面に集約的に設け、単一のマルチコネクタ手段によって外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の電気信号接続部と、外部機器と前記流体ユニットの複数の流体通路とを相互に接続すべく、その接続部を前記流体ユニットの壁面に集約的に配設し、前記接続部に挿入される複数の挿入筒部材を介して外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部とを有し、
前記電気信号接続部の複数の端子と前記流体通路接続部とが前記流体ユニットの同一壁面に設けられた複合第1接続部と、
前記電気信号接続部に接続されるマルチコネクタ手段と前記流体通路接続部に接続される接続部とが一体に形成された複合第2接続部と、
を備え、前記複数の流体通路は、流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートを含み、前記流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、併設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が各接続部位に近接してそれぞれ設けられることを特徴とする流体圧機器。」
と訂正する。

(2)訂正事項b
特許明細書の段落【0011】について、
「前記の目的を達成するために、本発明は、機能の異なる複数のブロック体から構成される流体ユニットがマニホールドを介して複数並設され、外部機器に接続される流体圧機器において、前記複数のブロック体を外部機器と電気的に接続すべく、複数の端子を前記流体ユニットの壁面に集約的に設け、単一のマルチコネクタ手段によって外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の電気信号接続部と、外部機器と前記流体ユニットの複数の流体通路とを相互に接続すべく、その接続部を前記流体ユニットの壁面に集約的に配設し、前記接続部に挿入される複数の挿入筒部材を介して外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部とを有し、前記電気信号接続部の複数の端子と前記流体通路接続部とが前記流体ユニットの同一壁面に設けられた複合雌型接続部と、前記電気信号接続部に接続されるマルチコネクタ手段と前記流体通路接続部に接続される接続部とからなる複合雄型接続部と、を備え、前記複数の流体通路は、流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートを含み、前記流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、並設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が各接続部位に近接してそれぞれ設けられることを特徴とする。」
とある記載を、
「前記の目的を達成するために、本発明は、機能の異なる複数のブロック体から構成される流体ユニットがマニホールドを介して複数併設され、外部機器に接続される流体圧機器において、
前記複数のブロック体を外部機器と電気的に接続すべく、複数の端子を前記流体ユニットの壁面に集約的に設け、単一のマルチコネクタ手段によって外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の電気信号接続部と、外部機器と前記流体ユニットの複数の流体通路とを相互に接続すべく、その接続部を前記流体ユニットの壁面に集約的に配設し、前記接続部に挿入される複数の挿入筒部材を介して外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部とを有し、
前記電気信号接続部の複数の端子と前記流体通路接続部とが前記流体ユニットの同一壁面に設けられた複合第1接続部と、
前記電気信号接続部に接続されるマルチコネクタ手段と前記流体通路接続部に接続される接続部とが一体に形成された複合第2接続部と、
を備え、前記複数の流体通路は、流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートを含み、前記流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、併設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が各接続部位に近接してそれぞれ設けられることを特徴とする。」
と訂正する。

(3)訂正事項c
特許明細書の段落【0004】について、
「表示部30を備ええ」とある記載を、「表示部30を備え」と訂正する。

(4)訂正事項d
特許明細書の段落【0006】について、
「機密状態」とある記載を、「気密状態」と訂正する。

(5)訂正事項e
特許明細書の段落【0009】について、
「機密性」とある記載を、「気密性」と訂正する。

(6)訂正事項f
特許明細書の段落【0012】について、
「遂行すことができる」とある記載を、「遂行することができる」と訂正する。

(7)訂正事項g
特許明細書の段落【0013】について、
「並設」とある記載を、「併設」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)訂正事項a
訂正事項aは、「並設」を「併設」として誤記の訂正をし、かつ、「複合雌型接続部」,「複合雄型接続部」をそれぞれ、「複合第1接続部」,「複合第2接続部」として明りょうでない記載の釈明をするとともに、発明を特定する事項である「複合第2接続部」について、「マルチコネクタ手段と・・・接続部とが一体に形成された」ものに限定するものであるから、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明とともに、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当するものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(2)訂正事項b
訂正事項bは、上記訂正事項aとの整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(3)訂正事項cないしg
訂正事項cないしgは、いずれも誤記の訂正を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

3.むすび
したがって、上記各訂正は、平成15年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第3.特許異議の申立てについての判断
1.特許請求の範囲の記載
上記第2.訂正の適否についての判断で示したように上記各訂正が認められるから、本件の特許請求の範囲の記載は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の欄に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】機能の異なる複数のブロック体から構成される流体ユニットがマニホールドを介して複数併設され、外部機器に接続される流体圧機器において、
前記複数のブロック体を外部機器と電気的に接続すべく、複数の端子を前記流体ユニットの壁面に集約的に設け、単一のマルチコネクタ手段によって外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の電気信号接続部と、外部機器と前記流体ユニットの複数の流体通路とを相互に接続すべく、その接続部を前記流体ユニットの壁面に集約的に配設し、前記接続部に挿入される複数の挿入筒部材を介して外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部とを有し、
前記電気信号接続部の複数の端子と前記流体通路接続部とが前記流体ユニットの同一壁面に設けられた複合第1接続部と、
前記電気信号接続部に接続されるマルチコネクタ手段と前記流体通路接続部に接続される接続部とが一体に形成された複合第2接続部と、
を備え、前記複数の流体通路は、流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートを含み、前記流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、併設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が各接続部位に近接してそれぞれ設けられることを特徴とする流体圧機器。」

2.特許法第36条第4項の要件不備について
(1)当審が通知した取消理由
平成17年 5月13日付けで当審がした取消理由通知は、以下のとおりである。
「本件特許請求の範囲中、請求項1の末尾には、
『・・・前記複数の流体通路は、流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートを含み、前記流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、並設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が各接続部位に近接してそれぞれ設けられることを特徴とする流体圧機器。』(下線は当審で加入)
との記載がある。
しかしながら、上記記載中の『並設された他の流体ユニットと連通する流路』(以下、単に『流路』という)に関して、発明の詳細な説明や図面には、並設された流体ユニット間が、どのような流路によって、どのように連通しているのかについては、一切記載がない。
そうすると、上記の流路と、『流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポート』とが、どのような関係にあるのか、また、『チェック弁』はどのような位置に設けられるのか、がいずれも不明であり、これらの点が不明である以上、発明の詳細な説明に、当業者が容易に実施をすることができる程度に、発明の目的、構成及び効果を記載したということはできない。」

(2)特許権者の主張
特許権者は、上記の訂正請求を行うのに際して、概略以下の主張をしている。(但し、アンダーラインは、当審にて附加。以下同じ。)
(a)「特許請求の範囲の請求項1の『並設』という文言を、『併設』という文言に誤記訂正しております。この場合、前記『並設』という文言は、例えば、岩波書店発行の『広辞苑』(第三版)及び日刊工業新聞社発行の『特許技術用語集-類語索引・使用例付-』(初版)等に何ら記載されておらずその意味内容が不明であるのに対し、訂正された『併設』という文言は、前記岩波書店発行の『広辞苑』(第三版)によりますと、『いっしょに設置すること。あわせて設備すること。』と記載されており、また、前記日刊工業新聞社発行の『特許技術用語集-類語索引・使用例付-』(初版)によりますと、『二つ以上のものを合わせて設けること。』と記載されております。」(平成17年 7月25日付け特許異議意見書第5頁2〜10行)
(b)「本件特許の出願当初の明細書の段落【0020】の末尾には、『前記圧縮空気供給ポート64、真空ポート68、排出ポート72の各接続部位の直前部に図示しないチェック弁を配設する。』と記載され、また、本件特許の出願当初の明細書の段落【0031】には、『ところで、前記の一連の吸着搬送動作中に、例えば、真空ユニット50cに何らかの原因により性能、機能等の低下を惹起した場合には、前記圧縮空気供給ポート64cと、真空ポート68cと、排出ポート72cの接続部位の直前部位にチェック弁が配設されているので、真空ユニット50cを交換すべく第1接続部73cと第2接続部75cとの接続の解除を遂行しても他のユニットと連通する圧力流体の流路がチェック弁により閉塞される。』と記載されております。」(同上第5頁17〜26行)
(c)「この場合、訂正された特許請求の範囲の請求項1に記載された『併設された他の流体ユニット』とは、例えば、図3及び図4に示される吸着用バッド106c〜106e等を示し、『併設された他の流体ユニット』と連通する『圧力流体の流路』とは、例えば、前記吸着用パッド106c〜106eと真空ユニット50c〜50eの真空ポートとを接続するチューブ62c〜62e及び吸着用パッド106c〜106e等を示しています。」(同上第5頁27行〜第6頁3行)

(3)本件特許明細書の記載
(a)特許明細書中、特許請求の範囲の【請求項1】には、まず、『機能の異なる複数のブロック体から構成される流体ユニットがマニホールドを介して複数併設され、外部機器に接続される流体圧機器において、」との記載があり、この記載によれば、本件発明における『流体ユニット」とは、「マニホールドを介して複数併設され』てなるものである。
また、特許権者は、「流体ユニットがマニホールドを介して複数併設され」の「併設」と、「併設された他の流体ユニット」の「併設」との両者において、「併設」の技術的意義を区別して解釈するべきとの主張をしておらず、これらを区別して解釈する根拠はないから、前者の「(マニホールドを介して複数併設される)流体ユニット」を実施例における真空ユニット50,80を意味すると解釈し、後者の「併設された他の流体ユニット」を実施例における吸着用パッド106c〜106eを意味すると、両者を殊更区別して解釈するべき合理的理由も存在しない。

(b)一方、特許明細書中、段落【0013】には、「また、当該流体圧ユニットを外部機器と流体通路を介して相互に接続する際に、前記流体ユニットの壁面に集約的に配設された接続部に対して複数の挿入筒部材を挿入可能なプラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部を用いているので、流体通路相互の接続を迅速且つ容易に遂行することができる。」との記載が、また、段落【0024】には、「第1の接続は、図示しない圧縮空気供給源から・・・の接続であり、第2の接続は、・・・真空吸引力を吸着パッド106に伝達すべく、・・・の接続であり、第3の接続は、・・・圧縮空気を排出するための・・・接続である。」との記載があり、これらの記載と第2〜4図の記載を参酌すれば、【請求項1】における「その接続部を前記流体ユニットの壁面に集約的に配設し、前記接続部に挿入される複数の挿入筒部材を介して外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部」との記載中、「外部機器」とは、少なくとも、「圧縮空気供給源」あるいは「吸着パッド106」を意味すると解することが合理的である。すなわち、少なくとも「吸着パッド106」は、上記「外部機器」に包含されるものと解されるべきである。そして、「吸着パッド106」をもって、「併設された他の流体ユニット」と定義するような記載は本件特許明細書中には存在しない。

(c)そうすると、特許権者が主張するように、訂正された特許請求の範囲の請求項1に記載された「併設された他の流体ユニット」を、「吸着用バッド106c〜106e」等を意味すると解釈し、また、「併設された他の流体ユニットと連通する流路」を、「吸着用パッド106c〜106eと真空ユニ50c〜50eの真空ポートとを接続するチューブ62c〜62e及び吸着用パッド106c〜106e」等を意味すると解釈することには無理があると言える。

(d)また、本件特許請求の範囲中、請求項1には「(流体ユニットの)複数の流体通路は、流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートを含み、前記流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、併設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が各接続部位に近接してそれぞれ設けられる」との記載があり、この記載によれば、「(流体ユニットの)複数の流体通路」とは、特許権者が引用する段落【0020】における、「圧縮空気供給ポート64」、「真空ポート68」、「排出ポート72」等を意味するものと解され、そして、「前記流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、併設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が・・・設けられる」ものである。

(e)以上によれば、本件特許請求の範囲中、請求項1の「併設された他の流体ユニット」は、同じく請求項1に記載されている「(機能の異なる複数のブロック体から構成される)流体ユニット」と同様に、実施例における「真空ユニット50,80」を意味すると解釈することが合理的である。
そして、上記「併設された他の流体ユニットと連通する流路」及び、当該流路を閉塞する「チェック弁」は、上記「真空ユニット50,80」に設けられていると解されることになる。

(4)判 断
(a)しかしながら、本件特許明細書中には、上記「併設された他の流体ユニットと連通する流路」に関して、発明の詳細な説明や図面において、併設された流体ユニット間が、どのような流路によって、どのように連通しているのかについては一切記載がない。
また、「チェック弁」に関しても、特許明細書中、段落【0031】の「一連の吸着搬送動作中に、例えば、真空ユニット50cに何らかの原因により性能、機能等の低下を惹起した場合には、前記圧縮空気供給ポート64cと、真空ポート68cと、排出ポート72cの接続部位の直前部位にチェック弁が配設されているので、真空ユニット50cを交換すべく第1接続部73cと第2接続部75cとの接続の解除を遂行しても他のユニットと連通する圧力流体の流路がチェック弁により閉塞される。」との記載から、段落【0031】に記載されている「他のユニット」は、「併設された他の流体ユニット」とは表現において異なっており、また、「チェック弁」は、実施例における「真空ユニット50,80」側(「第1接続部73c」側)に設けられるものではなく、「第2接続部75c」側に設けられていると解されるものであって、請求項1に記載の「チェック弁」とは別個のものである。

(b)そうすると、本件特許明細書においては、本件特許請求の範囲の請求項1で言うところの「併設された他の流体ユニットと連通する流路」と、「流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポート」とが、どのような関係にあるのか、また、「チェック弁」はどのような位置に設けられるのかがいずれも不明であり、これらの点が不明である以上、発明の詳細な説明に、当業者が容易に実施をすることができる程度に、発明の目的、構成及び効果を記載したということはできない。

3.まとめ
以上のとおり、本件発明は、平成2年改正特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていないから、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認められ、平成15年改正前の特許法第113条第2項に該当し、取り消されるべきものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
流体圧機器
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能の異なる複数のブロック体から構成される流体ユニットがマニホールドを介して複数併設され、外部機器に接続される流体圧機器において、
前記複数のブロック体を外部機器と電気的に接続すべく、複数の端子を前記流体ユニットの壁面に集約的に設け、単一のマルチコネクタ手段によって外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の電気信号接続部と、外部機器と前記流体ユニットの複数の流体通路とを相互に接続すべく、その接続部を前記流体ユニットの壁面に集約的に配設し、前記接続部に挿入される複数の挿入筒部材を介して外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部とを有し、
前記電気信号接続部の複数の端子と前記流体通路接続部とが前記流体ユニットの同一壁面に設けられた複合第1接続部と、
前記電気信号接続部に接続されるマルチコネクタ手段と前記流体通路接続部に接続される接続部とが一体に形成された複合第2接続部と、
を備え、前記複数の流体通路は、流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートを含み、前記流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、併設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が各接続部位に近接してそれぞれ設けられることを特徴とする流体圧機器。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、流体圧機器に関し、一層詳細には、該流体圧機器と外部機器とを迅速且つ容易に接続するとともに、流体圧機器を構成するブロック体を該流体圧機器から離脱する際に流体の外部への流失と、塵埃の侵入を阻止することが可能な流体圧機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体圧機器、例えば、真空発生用ユニットは、真空もしくは圧縮空気を供給するための供給弁や真空破壊弁、真空検出手段である吸着確認スイッチ、タイマ、表示装置等の外部機器等を備えた機能の異なる複数のブロック体を接続して構成されている。また電気的機構に対しては、個別のリード線等を用いた信号用配線によりシーケンサ等の制御機器と接続され、制御信号の伝達が行われている。
【0003】
従来技術に係る真空発生用ユニットを図5に示す。図5は、それぞれ異なる真空吸着条件を持つエゼクタを真空発生源とした真空発生機器2とシーケンサ4との間の信号用配線の接続構造を示している。真空発生用ユニット6aは、エゼクタを内装し且つ真空ポート8aを備えるブロック10aに圧縮空気供給弁12a、真空破壊弁14a、吸着確認スイッチ16a等の外部機器が接続され、これと同様に形成された真空発生用ユニット6b乃至6eとともにマニホールド18に戴置して真空機器2を構成する。圧縮空気は、図示しない圧縮空気供給源から圧縮空気供給ポート20を介して前記真空発生用ユニット6a乃至6eに供給され、エゼクタにより負圧力を発生させる。例えば、真空発生用ユニット6c乃至6eでは、前記負圧は、真空ポート8c乃至8eから真空チューブ22c乃至22eを介して吸着用パッド24c乃至24eに供給される。このようにして吸着パッド24c乃至24eは、ワーク26c乃至26eを吸着搬送する。
【0004】
シーケンサ4は、その上面に入力キー28とLCDからなる表示部30を備え、側面には、制御対象に接続された信号端子32を有する。
【0005】
そして、マニホールド18上の真空発生用ユニット6a乃至6eの外部機器は、夫々が複数の信号用配線34により、前記シーケンサ4の信号端子32に個別に接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記真空発生機器2は、前述のように外部機器と複数の信号用配線34で電気的に接続されており、圧縮空気供給ポート20および真空ポート8a乃至8eは、真空チューブ22a乃至22eにより圧縮空気圧と負圧力に耐え得るように堅固に周辺機器と接続され、また気密状態を保持している。
【0007】
従って、例えば、作業現場において、目的に応じて真空発生機器2の性能、機能の変更が希求された場合や不意の事故等により、真空発生機器2を構成する真空発生用ユニット6a乃至6eのいずれか一つ以上のユニットの全体を交換しようとすると、煩雑な作業工程により多大な時間が浪費される。特に、前記複数の信号用配線34および真空チューブ22a乃至22eの接続状態の解除と再接続の作業工程は煩雑で多大の時間を要するとともに信号用配線の誤配線等の作業ミスを生じる不都合が顕在化している。
【0008】
また、前記ユニットの交換、あるいは組み換えに際して、真空発生機器2全体と連通する圧力流体の流路が開放され、圧力流体が外部に流失しまた流路内に外気を吸引する。このため、当該作業は該真空圧機器2を用いたワークの吸着搬送等の作業全般を完全に中止して遂行する必要があり、作業効率の著しい低下を招いている。
【0009】
さらには、前記ユニットを個別に組み換える際、負圧状態にあった流路からの外気の吸引により塵埃等が該真空発生機器2内に侵入して、当該組み換え作業を遂行した後には気密性の悪化等の動作機能の低下を生じる。
【0010】
従って、本発明の目的は、作業現場において、流体圧機器の機能、性能に応じた組み換え、あるいは不意な事故に対応するための交換を、該流体圧機器を用いた作業ライン全般の稼働を中止することなく容易に遂行でき、併せて該流体圧機器の組み換えあるいは交換遂行後の性能の低下を回避することができる流体圧機器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、機能の異なる複数のブロック体から構成される流体ユニットがマニホールドを介して複数併設され、外部機器に接続される流体圧機器において、
前記複数のブロック体を外部機器と電気的に接続すべく、複数の端子を前記流体ユニットの壁面に集約的に設け、単一のマルチコネクタ手段によって外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の電気信号接続部と、外部機器と前記流体ユニットの複数の流体通路とを相互に接続すべく、その接続部を前記流体ユニットの壁面に集約的に配設し、前記接続部に挿入される複数の挿入筒部材を介して外部機器と接続するプラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部とを有し、
前記電気信号接続部の複数の端子と前記流体通路接続部とが前記流体ユニットの同一壁面に設けられた複合第1接続部と、
前記電気信号接続部に接続されるマルチコネクタ手段と前記流体通路接続部に接続される接続部とが一体に形成された複合第2接続部と、
を備え、前記複数の流体通路は、流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートを含み、前記流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、併設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が各接続部位に近接してそれぞれ設けられることを特徴とする。
【0012】
【作用】
本発明に係る流体圧機器は、流体圧ユニットを構成する機能の異なる複数のブロック体を外部機器と電気的に接続する際に、複数の端子を該流体圧機器の壁面に集約的に設け、これを単一のマルチコネクタ手段を用いたプラグイン/ワンタッチ方式で電気的接続をなしているので、電気的接続を迅速且つ容易に遂行することができるとともに誤配線を回避することができる。
【0013】
また、当該流体圧ユニットを外部機器と流体通路を介して相互に接続する際に、前記流体ユニットの壁面に集約的に配設された接続部に対して複数の挿入筒部材を挿入可能なプラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部を用いているので、流体通路相互の接続を迅速且つ容易に遂行することができる。さらに、流体圧供給ポート、真空ポートおよび排出ポートには、併設された他の流体ユニットと連通する流路を閉塞するチェック弁が各接続部位に近接して設けられているため、流体圧機器を構成する流体ユニットのいずれか一つ以上を交換した場合であっても、前記チェック弁のチェック作用によって圧力流体が外部に流失し、また流路内に外気を吸引することが阻止される。従って、他の流体ユニットによる作業ライン全般の稼動を完全に中止することが回避され、また、負圧状態にあった流路からの外気の吸引により塵埃等が流体圧機器内に侵入することを回避することができる。
【0014】
【実施例】
本発明に係る流体圧機器について、好適な実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、以下の実施例では、全て真空圧機器について説明したものであるが、真空圧機器に限定することなく他の流体圧機器についても対応可能であることは勿論である。
【0015】
図1において参照符号50は、所定の機能を画成する部位を有した複数のブロック体より構成される真空ユニットを示す。当該真空ユニット50は、基本的には、バルブブロック体52と、パイロット電磁弁ブロック体54と、フィルタブロック体56と、エゼクタブロック体58と、センサブロック体60とから構成される。
【0016】
該真空ユニット50の同一壁面には、図示しない圧縮空気供給源からチューブ62を介して供給される圧縮空気の供給口である圧縮空気供給ポート64と、エゼクタブロック体58によって発生された真空吸引力を真空チューブ66を介して、例えば、吸着パッド等の外部部材に伝達するための接続部である真空ポート68と、前記エゼクタブロック体58を通過した圧縮空気をチューブ70を介して排出する排出ポート72とからなる第1接続部73が配設されている。真空チューブ66とチューブ70とは、一つのユニットに集約化された第2接続部75を構成している。この場合、該第2接続部75と前記第1接続部73との接続は、プラグイン/ワンタッチ方式で迅速且つ容易になされ、接続後は、いずれかの接続部側に配設された爪状部材等により保持される。
【0017】
また、バルブブロック体52の内部には、エゼクタブロック体58への圧縮空気の供給と遮断を遂行する切換弁である圧縮空気供給弁と、真空ポート68の真空状態からの早期の解除を遂行するための真空破壊弁が内装されている。
【0018】
前記バルブブロック体52の上部には、前記圧縮空気供給弁を作動させるための供給弁用パイロット電磁弁55と、前記真空破壊弁を作動させるための真空破壊弁用パイロット電磁弁57とからなるパイロット電磁弁ブロック体54が配設されている。前記バルブブロック体52の側部には、エゼクタブロック体58に内装され、エゼクタ内の圧力状態を検出するためのセンサブロック体60が配設されている。
【0019】
そして、前記センサブロック体60、前記供給弁用パイロット電磁弁55、真空破壊弁用パイロット電磁弁57等を好適に駆動するため、制御手段であるシーケンサ74等の外部機器と接続すべく各々のブロック体からの電気配線を該真空ユニット50内部で配設し、その配線端子を該真空ユニット50の同壁面に端子部51として集約的に設け、単一のマルチコネクタ手段53によりプラグイン/ワンタッチ方式により迅速且つ容易に電気的接続をなすよう構成している。
【0020】
さらには、作業現場において、目的に応じて複数の真空ユニットから構成される真空機器の性能、機能の変更が希求された場合や不意の事故等により、真空機器を構成する真空ユニットのいずれか一つ以上のユニットの交換を遂行しようとする時に、真空ユニットの離脱により真空機器全体と連通する圧力流体の流路が開放され、圧力流体が外部に流失し、また流路内に外気を吸引することにより、該真空機器を用いた作業ライン全般が完全に中止されることを回避し、また負圧状態にあった流路からの外気の吸引により塵埃等が該真空機器内に侵入して、当該交換作業遂行後に気密性の悪化等の運行性能の低下を回避すべく、前記圧縮空気供給ポート64、真空ポート68および排出ポート72の各接続部位の直前部に図示しないチェック弁を配設する。
【0021】
図2に別異の第2の実施例を示す。図2において参照符号80は、複数のブロック体より構成される真空ユニットを示す。当該真空ユニット80は、基本的には、前記第1実施例の真空ユニット50と同様に、バルブブロック体82と、パイロット電磁弁ブロック体84と、フイルタブロック体86と、エゼクタブロック体88と、センサブロック体90とから構成される。当該真空ユニット80と前記真空ユニット50との違いは、第1接続部92の端子部91と圧縮空気供給ポート64、真空ポート68、排出ポート72とを同一壁面のごく近傍部に一体化して設けた複合雌型接続部94と、チューブ62、チューブ70からなる第2接続部96およびマルチコネクタ手段98を一体化した雄型接続部100とからなる接続手段として用い、電気的接続と流体通路相互間との接続を同時に遂行することを可能としたことである。
【0022】
次に、図3に沿って、当該真空ユニット50をマニホールド102により複数個連接した吸着搬送システム104を例示しその動作を説明する。
【0023】
図3に示す吸着搬送システム104は、マニホールド102上に夫々異なる真空吸着条件を持つエゼクタを真空発生源として真空ユニット50a乃至50eを載置し、該真空ユニット50a乃至50eに配設された第1接続部73c乃至73eに第2接続部75c乃至75eを接続している。
【0024】
この接続により、一度に以下の3つの部分の接続がなされる。第1の接続は、図示しない圧縮空気供給源からチューブ62a乃至62eを介して供給される圧縮空気供給ポート64a乃至64eとの接続であり、第2の接続は、エゼクタブロック体58によって発生された真空吸引力を吸着パッド106に伝達すべく、真空チューブ66a乃至66eを介した吸着パッド106a乃至106eと真空ポート68a乃至68eとの接続であり、第3の接続は、チューブ70a乃至70eを介して前記エゼクタブロック体58a乃至58eを通過した圧縮空気を排出するための排出ポート72a乃至72eとチューブ70a乃至70eとの接続である。
【0025】
当該真空ユニット50a乃至50eと、制御手段であるシーケンサ74との電気的接続は、該真空ユニット50a乃至50eの同一の壁面に集約的に設けられた複数の端子の末端からなる端子部51a乃至51eとマルチコネクタ手段53a乃至53eを介してバス線によってなされる。該シーケンサ74の上面には、入力キー108と、LCDからなる表示部110を備える。
【0026】
なお、以後の説明において、各々の真空ユニット50a乃至50eと実質的に同一の構造からなるので、その動作を真空ユニット50cに沿って説明し、他はその説明を省略する。さらに、図1に示した真空ユニット50と図3に示す真空ユニット50cは実質的に同一の構造からなり、従って、真空ユニット50の構成要素の参照符号にアルファベットの小文字を付与し、その詳細な説明を省略する。
【0027】
当該吸着搬送システム104を用いたワーク112cの搬送に際しては、先ずシーケンサ74から出力された信号が供給用パイロット電磁弁55cに作動信号として入力され、バルブブロック体52cに内装された圧縮空気供給弁を連動させて開弁する。この結果、エゼクダブロック体58cに内装されたエゼクタに圧縮空気が供給され、負圧が発生し、真空ポート68cから吸着用パッド106cに負圧が供給される。負圧が供給された吸着用パッド106cがワーク112cを吸着すると、真空ユニットの負圧がさらに上昇する。その負圧がセンサブロック体60cに予め設定された圧力を超過したことをセンサブロック体60cに内装された圧力センサが検知すると、該センサブロック体60cからシーケンサ74に吸着確認の信号を送る。
【0028】
シーケンサ74は、この信号を受けると、タイマーにより設定された一定時間後にワーク112cの移動完了を確認する。そして、前記動作信号と同様の経路を経て圧縮空気供給弁に停止信号を送り、該圧縮空気供給弁を閉塞させてエゼクタの負圧発生を停止する。
【0029】
この時、同時にシーケンサ74より真空破壊弁用パイロット電磁弁57cに作動信号を送り、これを作動させ、真空破壊弁を連動させて開弁する。これにより、真空ポート68cを経て吸着用パッド106cに圧縮空気が供給され、該吸着用パッド106cのワーク112cに対する吸着状態を解除する。
【0030】
さらに、シーケンサ74は、その内部にあるタイマにより設定された一定の時間を過ぎると真空破壊弁用パイロット電磁弁57cに停止信号を送り、真空破壊弁を閉塞させ、吸着搬送動作を終了する。
【0031】
ところで、前記の一連の吸着搬送動作中に、例えば、真空ユニット50cに何らかの原因により性能、機能等の低下を惹起した場合には、前記圧縮空気供給ポート64cと、真空ポート68cと、排出ポート72cの接続部位の直前部位にチェック弁が配設されているので、真空ユニット50cを交換すべく第1接続部73cと第2接続部75cとの接続の解除を遂行しても他のユニットと連通する圧力流体の流路がチェック弁により閉塞される。従って、圧力流体が外部に流失すること、また流路内に外気を吸引することが阻止されるので、他の真空ユニット50a、50b、50d乃至50eによる作業ライン全般の稼動を完全に中止することを回避し、また負圧状態にあった流路からの外気の吸引により塵埃等が該真空機器内に侵入することを回避できるので交換作業遂行後に気密性の悪化等の運行性能の低下を阻止することができる。
【0032】
図4にマニホールド102上にそれぞれ異なる真空圧条件を持つエゼクタを真空源とした複数の真空ユニット50a乃至50eに、該吸着搬送システム104全般に渡る制御をなし且つシリアル信号とパラレル信号の相互変換を遂行するコントローラ55を載設した吸着搬送システム104を示す。
【0033】
該吸着搬送システム104では、各々の真空ユニット50a乃至50eの同じ壁面に設けられた端子部51a乃至51eにマルチコネクタ手段53a乃至53eを接続し、該コネクタ手段53a乃至53eに接続するバス線等の信号配線110a乃至110eを介して真空ユニット50a乃至50eをコントローラ55と電気的に接続する。この時、前記真空ユニット50a乃至50eとコントローラ55との間は、パラレル信号により信号の伝達がなされる。
【0034】
また、コントローラ55に複数の端子を介して入力された各々のパラレル信号は、一系統からなるシリアル信号に変換され単一の端子111から一本のシリアル信号用配線112を介してシーケンサ74にシリアル伝送される。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係る流体圧機器では、外部機器との電気的接続をなす際に、複数の端子を該流体圧機器の壁面に集約的に設け、これを単一のマルチコネクタ手段を用いたプラグイン/ワンタッチ方式で電気的に接続し、また、外部機器との流体通路を相互に接続する際には、プラグイン/ワンタッチ方式の流体通路接続部を用いている。従って、作業現場において、流体圧機器の機能、性能に応じた流体ユニットの組み換え、あるいは不意な事故に対応するための交換を迅速容易に遂行でき、併せて該流体圧機器交換後の性能の低下を回避することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る流体圧機器の第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】
本発明に係る流体圧機器の第2の実施例を示す斜視図である。
【図3】
本発明に係る流体圧機器を用いた吸着搬送システムを示す斜視図である。
【図4】
本発明に係るコントローラを有する流体圧機器を用いた吸着搬送システムを示す斜視図である。
【図5】
従来技術に係る吸着搬送システムを示す斜視図である。
【符号の説明】
50…真空ユニット
52…バルブブロック体
54…パイロット電磁弁ブロック体
56…フィルタブロック体
58…エゼクタブロック体
60…センサブロック体
64…圧縮空気供給ポート
68…真空ポート
72…排出ポート
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-11-01 
出願番号 特願平3-258388
審決分類 P 1 651・ 531- ZA (F16K)
最終処分 取消  
前審関与審査官 渡邉 洋  
特許庁審判長 大野 覚美
特許庁審判官 永安 真
ぬで島 慎二
登録日 2003-04-04 
登録番号 特許第3416160号(P3416160)
権利者 SMC株式会社
発明の名称 流体圧機器  
代理人 千葉 剛宏  
代理人 千葉 剛宏  
代理人 佐藤 辰彦  
代理人 足立 勉  
代理人 佐藤 辰彦  

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