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審決分類 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1141199
審判番号 不服2002-17169  
総通号数 81 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-09-05 
確定日 2006-08-10 
事件の表示 平成 6年特許願第 38720号「プライズゲームマシン」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年 9月26日出願公開、特開平 7-246282〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯・本願発明
本願は、平成6年3月9日の出願され、平成13年3月9日付けで手続補正書が提出され、平成14年5月1日付けの拒絶理由通知に対して平成14年7月15日付けで手続補正書が提出され、平成14年7月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成14年9月5日付けで審判請求がされたものである。
本願の請求項1〜7に係る発明は、明細書及び図面の記載からみて、本願の特許請求の範囲の請求項1〜7に記載されたとおりの次のとおりのものである。

「【請求項1】操作部の操作により目標とする景品の上方へ把持部を移動さ
せ、該把持部で把持した景品を投入口に運搬して投入するクレーン機構を有するプライズゲームマシンにおいて、
該投入口に投入された景品の種類を判別する判別手段と、該景品の種類に応じて得点を表示する表示手段を具備してなることを特徴とするプライズゲームマシン。
【請求項2】内部に景品が収容された透明なケース部分を有し、遊戯者の操作に基づいて前記景品を獲得するゲームを行うプライズゲームマシンにおいて、
前記景品が獲得された場合に得点を加算し、該加算された得点を示すシートが前記プライズゲームマシンから排出されることを特徴とするプライズゲームマシン。
【請求項3】前記景品が、前記遊戯者の操作によって投入口に運搬された後も、前記プライズゲームマシン内に留まる景品であることを特徴とする請求項2に記載のプライズゲームマシン。
【請求項4】前記景品毎に該景品が取得された場合に加算される得点が設定されていることを特徴とする請求項2に記載のプライズゲームマシン。
【請求項5】遊戯者による操作部の操作によって景品を排出口まで移動するプライズゲームマシンにおいて、
前記景品排出口まで移動された景品の種類を判別する判別手段を有することを特徴とするプライズゲームマシン。
【請求項6】前記判別された景品が収容される収容室を有することを特徴とする請求項5に記載のプライズゲームマシン。
【請求項7】景品を排出口まで移動する手段と、前記景品排出口まで移動された景品の種類を判別する判別手段とを有するプライズゲームマシンに使用され、前記判別手段により景品の種類が判別可能とされた景品。」

2 原査定の理由
一方、原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。

平成13年3月9日付けでした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第2項において準用する同法第17条第2項に規定する要件を満たしていない。



イ.補正後の請求項2には、「内部に景品が収容された透明なケース部分を有し、遊戯者の操作に基づいて前記景品を獲得するゲームを行うプライズゲームマシン」と記載されているが、出願当初の明細書又は図面には、「把持部で把持した景品を投入口に運搬して投入するクレーン機構を有するプライズゲームマシン」以外のプライズゲームマシンは記載されていない。

ロ.補正後の請求項2には、「前記景品が獲得された場合に得点を加算し、」と記載されているが、出願当初の明細書又は図面には、投入口に投入された景品は、形状判別手段に送られ、該形状判別手段により景品の形状が判別され、形状から景品の種類が判別され、さらに、景品の種類に応じて予め定めておいた得点が表示されることしか記載されておらず、単に景品が獲得された場合に得点を加算することについては記載されていない。

ハ.補正後の請求項4には、「前記景品毎に該景品が取得された場合に加算される得点が設定されている」と記載されているが、出願当初の明細書又は図面には、「景品の種類に応じて予め定めておいた得点が表示される。」ことしか記載されておらず、単に景品が取得された場合に得点を加算することについては記載されていない。

ニ.補正後の請求項5には、「遊戯者による操作部の操作によって景品を排出口まで移動するプライズゲームマシン」と記載されているが、出願当初の明細書又は図面には、「把持部で把持した景品を投入口に運搬して投入するクレーン機構を有するプライズゲームマシン」以外のプライズゲームマシンは記載されていない。

ホ.補正後の請求項5には、「…プライズゲームマシンにおいて、前記景品排出口まで移動された景品の種類を判別する判別手段を有することを特徴とするプライズゲームマシン。」と記載されているが、出願当初の明細書又は図面には、景品の種類は判別する判別手段は記載されていない。また、景品の形状を判別する形状判別手段のみを有するプライズゲームマシンについても記載されていない。

ヘ.補正後の請求項7には、「景品を排出口まで移動する手段と、前記景品排出口まで移動された景品の種類を判別する判別手段とを有するプライズゲームマシン」と記載されているが、出願当初の明細書又は図面には、「把持部で把持した景品を投入口に運搬して投入するクレーン機構を有するプライズゲームマシン」以外のプライズゲームマシンは記載されていない。

3 当審の判断
拒絶理由の前記イについて検討する。

補正後の請求項2には、「内部に景品が収容された透明なケース部分を有し、遊戯者の操作に基づいて前記景品を獲得するゲームを行うプライズゲームマシン」との記載(以下、「本件補正事項」という。)がある。

そして、出願当初の明細書又は図面において、本件補正事項と関連があると認められる記載は、以下のとおりである。

「【請求項1】操作部の操作により目標とする景品の上方へ把持部を移動させ、該把持部で把持した景品を投入口に運搬して投入するクレーン機構を有するプライズゲームマシンにおいて、
該投入口に投入された景品の形状を判別する形状判別手段と、該景品の種類に応じて得点を表示する表示手段を具備してなることを特徴とするプライズゲームマシン。」

「【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプライズゲームマシンに係り、特にケース内に収容された景品の上方に設けたクレーン機構の把持部を移動させて目標とする景品を獲得するプライズゲームマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばゲームセンタ等に設置されるゲーム装置の一種に景品を獲得するプライズゲームマシンがある。このプライズゲームマシンは、主としてキャラクタ商品の人形などよりなる景品が多数収容された透明なケースと、このケースの前面に設けられた操作部の操作釦を操作することにより景品を把持する把持部を移動させるクレーン機構を有する。又、ケースの内部には、外部と連通する景品排出口が設けられ、把持部に把持された景品はこの景品排出口の上方に移動して把持部が開くと景品排出口へ落下して、外部に開口する景品受け取り口に至る。」

「【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のプライズゲームマシンでは、目標の景品を把持して取り出して獲得できるかどうかを楽しむもので、魅力のある景品を用意することでお客の人気を得てきた。しかしながら、基本的には、景品を獲得する以外の要素は無く、慣れにより飽きられ易いという問題がある。また、プレイヤの趣味趣向は幅広いものがある反面、、使用できる景品の種類にも限度があり、必ずしもプレイヤの好みを十分に満足させるものでなかった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、景品を獲得する以外の要素を持たせると共に、プレイヤが獲得できる景品の種類を増やすことを可能にするプライズゲームマシンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるプライズゲームマシンは、操作部の操作により目標とする景品の上方へ把持部を移動させ、該把持部で把持した景品を投入口に運搬して投入するクレーン機構を有するプライズゲームマシンにおいて、該投入口に投入された景品の形状を判別する形状判別手段と、該景品の種類に応じて得点を表示する表示手段を具備してなることを特徴とする。」

「【0035】ここで、上記構成になるプライズゲームマシンにおいて、クレーン機構3及び把持部30の操作と制御回路52が実行する処理につき説明する。
【0036】プレイヤは上記プライズゲームマシンでゲームを行う場合、先ずコイン投入口9に所定金額のコインを投入する。次に、操作部4のX方向操作スイッチ55を操作することにより移動レールを左右のX方向に所望の位置まで移動させる。次いでY方向操作スイッチ56を操作して移動レール13上を把持部30を前後方向(Y方向)に移動させて獲得したい所望の景品の上部位置にとめる。」

「【0043】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、景品を持ち帰るという要素に加え、把持する対象物によって、得点を競うという要素が加わり、クレーンゲームマシンとして新たな興味をもたせることができる。また、把持する対象物として、種々の形状のものを用意することができ、ゲーム機として新たな変化を与えることができる。」

これらの記載によれば、プライズゲームマシンに関して、一貫して「把持部で把持した景品を投入口に運搬して投入するクレーン機構を有するプライズゲームマシン」について説明されているものと認められる。
そして、本件補正事項に係る補正後の請求項2は、プライズゲームマシンについて、発明特定事項である「把持部で把持した景品を投入口に運搬して投入するクレーン機構を有する」点を発明特定事項としないものである。

ところで、一般に、プライズゲームマシンとは、プライズ(景品)を獲得することを目的としたアーケードゲーム機の総称として用いられており、景品を直接つかんだり、引っかけたりするタイプの外に、例えば、ルーレットの点数が一定点以上になると景品が払い出されるものや、ボタンを押すタイミングにより当たりとなり景品がもらえるもの、アクションゲームやシミュレーションゲーム、シューティングゲームの得点によって景品が払い出されるものなどを含むものと解される。
したがって、本件補正事項は、前記クレーン機構を有しないプライズゲームマシンを含む補正として、新規事項を含む補正である。

請求人は、請求項2に関する補正は、クレーン機構を有するプライズゲームマシン以外のプライズゲームマシンに関する事項を追加する補正をしたものではなく、プライズゲームマシンの前提となる構成を「内部に景品が収容された透明なケース部分を有し、遊戯者の操作に基づいて前記景品を獲得するゲームを行うプライズゲームマシン」におけるものとして記載するもので、この点の補正が特許法第17条第2項に規定する要件を満たすか否かは「内部に景品が収容された透明なケース部分を有し、遊戯者の操作に基づいて前記景品を獲得するゲームを行うプライズゲームマシン」の事項が出願当初の明細書又は図面に記載されていたか否かのみが問題となるのであって、それ以外の事項が記載されていたか否かは関係ない旨、主張する。
しかしながら、発明特定事項を削除して、請求項の発明特定事項を概念的に上位の事項に補正することにより出願当初の明細書又は図面に記載した事項以外の事項が追加されることになる場合は、出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内でする補正とはいえないというべきである。

出願当初の明細書又は図面には、「内部に景品が収容された透明なケース部分を有し、遊技者の操作に基づいて前記景品を獲得するゲームを行うプライズゲームマシン」の事項が記載されているものの、一貫して「把持部で把持した景品を投入口に運搬して投入するクレーン機構を有するプライズゲームマシン」について説明されており、当該クレーン機構を有さないものを含む「プライズゲームマシン」を上位概念として抽出することを可能ならしめるようなもの、すなわち、当該クレーン機構を有するプライズゲームマシンが「プライズゲームマシン」一般の一例示にすぎないと認識できるような記載や、当該クレーン機構を有さない「プライズゲームマシン」一般に適用されるものである旨の示唆はない。

したがって、出願当初の明細書又は図面の記載において、当該クレーン機構を有さない「プライズゲームマシン」一般に適用されるものと理解できる手がかりが全くない以上、当業者にとって、当該クレーン機構を有さない「プライズゲームマシン」一般が出願当初の明細書又は図面に記載されているのと同然であるとはいえないから、拒絶理由の前記ロ〜ヘについて検討するまでもなく、この補正は、出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内にするものといえない。

4 むすび
したがって、平成13年3月9日付けの手続補正書による補正は、特許法第17条の2第2項において準用する同法第17条第2項に規定する要件を満たしていないので、その余について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-06-08 
結審通知日 2006-06-13 
審決日 2006-06-27 
出願番号 特願平6-38720
審決分類 P 1 8・ 55- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 植野 孝郎  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 渡部 葉子
藤田 年彦
発明の名称 プライズゲームマシン  
代理人 伊東 忠彦  
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