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審決分類 再審 査定不服 その他 審決却下 F02B
管理番号 1143216
審判番号 再審1999-95002  
総通号数 82 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許再審公報 
発行日 1986-10-27 
種別 再審 
審判請求日 1999-03-13 
確定日 2001-10-01 
事件の表示 昭和61年特許願第 69507号「ピストン伝換のカム棒揺回運動回転機構」拒絶査定に対する審判事件[平成3年審判第15149号]についての平成7年6月16日付の審決に係る再審事件[平成8年再審第95007号]に関する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求を却下する。 
理由 1.審判請求書の記載
請求人高垣健雄が平成11年3月13日付けで提出した審判請求書には、次のような記載がある。
イ.「審判請求書(第121条(1)準用)」(1枚目1行)注)実際には、(1)は丸で囲った1
ロ.「審判事件の表示 特願昭61-69507号
平成3年 8月 1日提出「審判請求書」
平成7年 9月 6日提出「再審判請求書」
平成8年 3月16日提出「再審判請求書」
平成8年11月18日提出「再審判請求書」」(1枚目4〜8行)
ハ.「請求の趣旨
平成8年11月18日「再審判請求書」の継続請求
** 平成7年8月9日送達「拒絶審決書 謄本」は、審判官無印の審決書だから 原審判は終了してない。」(1枚目16〜19行)
ニ.「平成7年8月9日送達「審決書謄本」は、審判官無印の無効審決書である。」(2枚目4〜5行)」
ホ.「第157条(3)項及び第179条の法律解釈上「特許庁長官 審決書謄本の送達責任印必要」。しかるに 平成7年8月9日送達 審決書謄本-原審決書は、特許庁長官の謄本送達無印で 不適法である。」(3枚目2〜6行)注)実際には、(3)は丸で囲った3
ヘ.「平成7年9月6日提出「再審判請求書」〜平成8年11月18日提出「再審判請求書」の審判請求の趣旨は、「平成7年8月9日送達 原審決書を取りけし、この出願の発明について 特許審決を求める。」である。」(3枚目8〜14行)
ト.「平成7年8月9日送達 原審決書について、第157条(3)項規定による方式判断必要で不適法である。」(3枚目16〜18行)注)実際には、(3)は丸で囲った3

2.特許庁において顕著な事実
本件の審判請求に記載された事件(上記ロ)について、手続の経緯をみると、以下のようであることが特許庁において明らかである。
イ.「特願昭61-69507号」について
特願昭61-69507号、すなわち、昭和61年特許願第69507号の出願は、平成3年5月24日付けで拒絶の査定がされ、平成3年7月2日付けでその査定の謄本が出願人(審判請求人と同じ)に対して発送された。
ロ.「平成3年8月1日提出「審判請求書」」について
平成3年8月1日に、上記査定を不服として審判の請求がされ、平成3年審判第15149号として審理され、平成7年6月16日付けで「本件審判請求は、成り立たない。」との審決がされ、平成7年8月9日にその審決の謄本が審判請求人に対して送達され、平成7年9月8日にその審決が確定した。
ハ.「平成7年 9月 6日提出「再審判請求書」」について
平成7年9月6日に、平成7年6月16日付けの審決を不服として再審が請求され、平成7年再審第70001号として審理され、平成8年1月22日付けで「本件再審の請求を却下する。」との審決がされ、平成8年2月17日にその審決の謄本が審判請求人に対して送達され、平成8年3月18日にその審決が確定した。
ニ.「平成8年 3月16日提出「再審判請求書」」について
平成8年3月16日に、平成7年6月16日付けの審決を不服として再審が請求され、平成8年再審第95002号として審理され、平成8年9月25日付けで「本件審判の請求書を却下する。」との決定がされ、平成8年10月19日にその決定の謄本が審判請求人に対して送達され、平成8年11月18日にその決定が確定した。
ホ.「平成8年11月18日提出「再審判請求書」」について
平成8年11月18日に、平成8年9月25日付けの決定を不服として再審が請求され、平成8年再審第95007号として審理され、平成10年12月25日付けで「本件審判の請求書を却下する。」との決定がされ、平成11年2月20日にその決定の謄本が審判請求人に対して送達され、平成11年3月23日にその決定が確定した。
そして、上記ロないしホの審判請求の主たる理由は、「出願人又は請求人である高垣健雄に対して発送又は送達された拒絶理由通知、拒絶査定、審決及び決定に、その作成者である審判官の押印がされていないから、いずれも無効である。」(以下、「これまでの請求人の主たる主張」という。)というものである。

3.本件審判請求
上記「1.審判請求書の記載」及び「2.特許庁において顕著な事実」を総合すると、本件の審判請求は、
「昭和61年特許願第69507号の出願に係る平成3年審判第15149号の審判事件についての審決を不服とした平成8年再審第95007号の再審事件について、審理の継続を請求しているもの」と解される。

4.当審の判断
平成8年再審第95007号の再審事件は、平成10年12月25日付けで「本件審判の請求書を却下する。」との決定がされ、平成11年2月20日にその決定の謄本が審判請求人に対して送達され、平成11年3月23日にその決定が確定したことは、上記「2.特許庁において顕著な事実」のホで述べたとおり明らかである。
そうだとすると、本件審判請求は、決定の謄本が当該審判請求人に送達された平成8年再審第95007号の再審事件について、審理の継続を請求していることになる。
しかしながら、特許法第178条第1項及び第3項によると、「本件審判の請求書を却下する。」との決定の謄本が送達され、その決定に不服がある場合にその不服を申立てることができるのは、その謄本の送達があった日から30日を経過する前にその決定に対する訴えを東京高等裁判所にする場合に限られる。
そして、送達された決定の謄本が不適法であるとして、該決定に係る再審事件の継続審理を「審判請求として」請求することは、特許法の予定するところではなく、また、他に法律上何の根拠もない。
してみると、本件の審判請求は、不適法な審判請求であって、その補正ができないものであるといわざるを得ない。
また、仮に、本件の審判請求が、平成8年再審第95007号の再審事件について平成11年3月23日に確定した決定に対して再審を請求するものであったとしても、特許法第171条第1項によると、再審を請求できるのは確定した取消決定及び確定審決に対してであり、該決定はそのいずれにも該当しないので、不適法な審判請求であって、その補正ができないものであるといわざるを得ない。

なお、本件の審判請求書に、上記「2.特許庁において顕著な事実」における「これまでの請求人の主たる主張」と同旨の主張がされているのでこの主張について検討するに、特許法施行規則第16条第1項及び同施行規則第18条第1項の規定によると、「送達すべき書類は、当該書類の謄本又は副本であって、特許庁において作成すべき書類の謄本又は抄本には、原本と相違がないことを認証する旨を記載し、特許庁長官が指定する職員又は審判書記官が記名押印しなければならない。」のであるから、むしろ、審判請求人が主張するような「審判官が送達すべき審決又は決定の謄本に押印をする」ことは、特許庁長官が指定する職員でない審判官にとって不可能であるというべきであり、送達された審決又は決定の謄本に特許庁長官が指定する職員又は審判書記官が記名押印している以上、上記審判請求人の主張に法律上の合理性がないので、このような審判請求人の主張は、採用することができない。

5.むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法第135条の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2001-07-23 
結審通知日 2001-08-03 
審決日 2001-08-16 
出願番号 特願昭61-69507
審決分類 P 5 8・ 09- X (F02B)
最終処分 審決却下  
前審関与審査官 粟津 憲一  
特許庁審判長 舟木 進
特許庁審判官 清田 栄章
栗田 雅弘
発明の名称 ピストン伝換のカム棒揺回運動回転機構  

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