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審決分類 再審 査定不服 その他 審決却下 F24F
管理番号 1143222
審判番号 再審2004-95001  
総通号数 82 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許再審公報 
発行日 1995-08-01 
種別 再審 
審判請求日 2004-01-03 
確定日 2005-11-16 
事件の表示 平成 6年特許願第 25841号「消音換気装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年 8月 1日出願公開、特開平 7-198181〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求を却下する。 
理由 1)本件再審請求は、平成16年1月5日になされたもので、その請求書中の「請求の趣旨」を「不服平成6年特許願第025841号の審決を取り消す。特願の発明は特許すべきものである、との審決を求める。」と、「請求の理由」を「特許法第29条の適用が不適用の特開平7-198181号を引用により拒絶査定したことは特許法に違反し、無効である。」と記載し、また別に、「取消事由」を「本件審決は、特許法第171条第2項で準用する民法訴 法(審決注:「民事訴訟法」の誤記と認める。)第338条第1項第2号に該当し、取り消されるべきである。」と、「取消の理由」を「本件審決は、特許庁審判官 水谷万司 特許庁審判官 長浜義憲 特許庁審判官 原 慧の合議体によりなされたまの(審決注:「もの」の誤記と認める。)であるが、審判官水谷万司は、特許庁審判官(審決注:「特許庁審査官」の誤記と認める。)として、本件特許願の審査をなし、拒絶査定を行った者である。したがって、特許法第139条第6号に該当し、当然は(審決注:「当然に」の誤記と認める。)排斥されるべきである。」と記載するものである。

2)本件再審請求が取消しを請求する平成6年特許願第25841号の審決とは、再審請求書に添付された1番目の審決書謄本によれば、平成6年特許願第25841号の名称を「消音換気装置」とする発明について、その特許請求の範囲の請求項1に係る発明が本願出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開平5-187677号公報に記載された発明であるから、特許法29条1項3号の規定に該当し、特許を受けることができないと判断した平成10年審判第13964号審決のことであり、この審決は、特許庁審判官 大槻清寿、特許庁審判官 岡田和加子、特許庁審判官 岡本昌直の合議体によりなされたものである。そうすると、この審決は、本件再審請求がいう「特開平7-198181号」を引用するものではないし、「特許庁審判官 水谷万司 特許庁審判官 長濱義憲 特許庁審判官 原 慧の合議体」によりなされたものでもないから、本件再審請求の「請求の理由」と「取消の理由」は、まずその前提で誤りであって、再審事由に該当しないこと明らかである。

3)本件再審請求が挙げる引用例と審判官名そして再審請求書に添付された2番目の審決書謄本からみて、本件再審請求が取消しを請求する審決は、平成10年審判第13964号審決ではなく、正しくは、不服2001-18148号(平成10年特許願第301570号)審決(再審請求書に添付された2番目の審決書謄本参照。)であるものと解して、以下、検討する。

4)不服2001-18148号審決は、平成10年特許願第301570号の名称を「消音方法」とする発明について、その特許請求の範囲の請求項1に係る発明が本願出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開平7-198181号公報に記載された発明であるから、特許法29条1項3号の規定に該当し、特許を受けることができないと判断したものであり、この審決は、特許庁審判官 水谷万司、特許庁審判官 長濱義憲、特許庁審判官 原 慧の合議体によりなされたものである。

5)平成10年特許願第301570号の出願日は平成10年9月17日であるのに対し、引用例として引用された特開平7-198181号公報の頒布日は公開日である平成7年8月1日であるから、引用例は本願出願前に頒布された刊行物であると認められる。特許法29条の適用ができない引用例に基づいて本願発明を拒絶査定したことが特許法に違反するとの請求人の主張は、その具体的な理由が明らかではないが、特開平7-198181号公報を引用例とした同審決に、その事に基づく特段の瑕疵を見出すことはできないし、少なくとも、特許法171条2項が準用する民事訴訟法338条1項に掲記された再審事由に該当する瑕疵がないことは明らかである。

6)次に、本件再審請求が挙げる特許法139条6号は、「審判官が事件について不服を申し立てられた査定に審査官として関与したとき」、その審判官はその職務の執行から除斥されることを規定したものである。これを本件についてみると、不服2001-18148号審決の審判官である水谷万司、長濱義憲、原 慧は、いずれも当該審判事件において不服を申し立てられた平成10年特許願第301570号の(出願拒絶)査定に審査官として関与していない(特許庁の記録によれば、当該査定に関与した審査官は、千馬隆之、小菅一弘の両名である。)。したがって、この審決に、特許法139条6号に該当する瑕疵はない。

7)もっとも、不服2001-18148号審決の中で引用例として引用された特開平7-198181号公報に記載された出願である平成6年特許願第25841号は、その審査において、審査官 水谷万司により拒絶査定された事実が認められる。しかしながら、この出願は、その公開公報である特開平7-198181号公報が刊行物として、別出願に係る不服2001-18148号審決の中で引用例として引用された関係にあるのみであるから、特許法139条6号の規定の文理解釈上、これに該当しないことは明らかである。特許法139条6号の規定の趣旨は、同じ出願に係る審査と審判において、審査における拒絶査定に関与した審査官が審判官として審判に関与することを除斥したものであって、出願が異なる場合にまで及ぶものではない。
8)以上のとおり、本件審決には、特許法171条2項が準用する民事訴訟法338条1項2号に該当する瑕疵はないし、同項に掲記されたその余の再審事由に該当する瑕疵もないので、本件再審請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成15年法律第47号)附則2条8項の規定によりなお従前の例によるものとされた平成15年改正前の特許法174条2項の規定により同法121条1項の審判の確定審決に対する再審に準用する同法135条の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-09-12 
結審通知日 2005-09-20 
審決日 2005-09-27 
出願番号 特願平6-25841
審決分類 P 5 8・ 09- X (F24F)
最終処分 審決却下  
前審関与審査官 水谷 万司  
特許庁審判長 橋本 康重
特許庁審判官 間中 耕治
岡 千代子
佐野 遵
今井 義男
発明の名称 無  

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