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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 B41J
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41J
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B41J
管理番号 1145552
審判番号 不服2004-9684  
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-08-01 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-05-10 
確定日 2006-10-18 
事件の表示 平成 6年特許願第293488号「選択ステーションへの自動通知方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年 8月 1日出願公開、特開平 7-195805〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は平成6年11月28日の出願(米国出願に基づく優先権主張 1993年12月6日)であって、平成16年2月2日付けで拒絶の査定がされたため、これを不服として同年5月10日付けで本件審判請求がされるとともに、同年6月9日付けで明細書についての手続補正(以下「本件補正」という。)がされたものである。

第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成16年6月9日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正事項及び補正目的
本件補正は、【請求項1】及び段落【0010】における「第二の機械状態を検出し、」を「前記第一の機械状態とは異なる優先順位を有する第二の機械状態を検出し、」と補正するものであり、これは「第二の機械状態」について限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮(平成6年改正前特許法17条の2第3項2号該当)を目的とするものと認める。

2.新規事項追加
請求項1には、「第一の機械状態」に関して「第一の機械状態を検出し、この第一の機械状態が第一の遠隔ステーションに通知しなければならない状態であるか否かを判断し、第一の遠隔ステーションに対する通知を自動的に開始し、」(改行及び一字空白は省略した。)とある。すなわち、検出した後に遠隔ステーションに通知しなければならない状態であるか否かを判断するのであるから、「第一の機械状態」とは、例えば「トナーがない状態」を意味するのではなく、トナー残量に関する状態と理解しなければならない。トナー残量以外に、紙詰まりを例にあげれば、紙詰まりがあるかどうか等の紙詰まり関連状態のことであって、現実に紙詰まりが生じているという状態ではない。「第二の機械状態」も同様である。
請求人は、本件補正の根拠として、願書に最初に添付した明細書(以下、添付図面を含めて「当初明細書」という。)の「機械状態が所定の遠隔場所に対する通知を要する状態であると判断し、優先順位に基づいて遠隔場所に対する通知を自動的に開始することを含み、それは機械監視エレメントにより探知される第一の機械状態に応じた第一の遠隔ステーションに対する通知と、第二の機械状態に応じた第二の遠隔ステーションに対する通知とを含む」(段落【0009】、及び「離れた場所にいるオペレーターもしくは遠隔ステーションに自動呼び出しを要求する状態の優先順位を事前設定できるようにする」(段落【0008】)等の記載をあげている。
しかし、これら段落【0008】及び【0009】に記載されているのは、「所定の遠隔場所に対する通知を要する状態」又は「自動呼び出しを要求する状態」について優先順位を設定することである。上記例示したトナー残量を例にとれば、トナー残量が十分ある状態(通知を要しない状態と解される。)、枯渇していないけれども残量が乏しい状態(通知を要する状態になりうる。)、又はトナーが枯渇している状態(当然通知すべき状態である。)が想定でき、残量が乏しい状態と枯渇している状態では、当然緊急度が異なる。
また、紙詰まりを例にあげれば、紙詰まりが生じていない状態(通知を要しない状態と解される。)、紙詰まりが頻繁に起こるが紙を除去できる状態(通知を要する状態になりうる。)又は紙詰まりが発生しかつ紙を除去できない状態(当然通知すべき状態である。)が想定でき、紙詰まりが起こるが紙を除去できる状態と紙を除去できない状態では、当然緊急度が異なる。
そして、上記段落【0008】及び【0009】から把握される優先順位とは、通知しなければならない状態毎に設定された順位のことであって、それとは別の「第一の機械状態」及び「第二の機械状態」間の優先順位ではない。
したがって、本件補正は当初明細書に記載した事項の範囲内においてされたものではなく、自明な事項と認めることもできない。
すなわち、本件補正は平成6年改正前特許法17条の2第2項で準用する同法17条2項の規定に違反している。

3.独立特許要件欠如その1
本件補正は限定的減縮を目的としているから、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうか検討する。補正発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲【請求項1】に記載されたとおりの次のものである。
「媒体上に画像を形成するための画像処理構成部材、所定の機械状態を感知するための機械監視エレメントを含みかつ画像処理構成部材の操作を指示する自動制御装置、及び自動制御装置に接続されるオペレーターインターフェイスを具備する画像処理装置において、画像処理装置は複数の遠隔ステーションとの通信のために適合され、機械監視エレメントにより検出される機械状態を遠隔ステーションに自動通知する方法であって、
各遠隔ステーションに対する通知のための状態をオペレーターインターフェイスから選択的にプログラミングし、
媒体上に画像を形成することに関して、画像処理装置の動作を監視し、
第一の機械状態を検出し、
この第一の機械状態が第一の遠隔ステーションに通知しなければならない状態であるか否かを判断し、
第一の遠隔ステーションに対する通知を自動的に開始し、
前記第一の機械状態とは異なる優先順位を有する第二の機械状態を検出し、
この第二の機械状態が第二の遠隔ステーションに通知しなければならない状態であるか否かを判断し、
第二の遠隔ステーションに対する通知を自動的に開始する、ことを含む選択遠隔ステーションへの自動通知方法。」
「第一の機械状態」及び「第二の機械状態」の意味は1.で述べたとおりであり、補正発明ではこれら2つの機械状態に優先順位を設定している。「第一の機械状態」及び「第二の機械状態」については、検出,判断及び通知という3つの過程がなされるものであるが、どの過程において優先順位が設定されているのか明確でない。すなわち、1つの機械状態について、検出,判断及び通知が一連の過程として行われ、それら一連の過程について優先順位を設定しているのか、複数の機械状態について検出又は判断を行い、通知すべきと判断された機械状態を通知する過程のみに優先順位を設定しているのか不明である。
以上のとおり、請求項1は「特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載した項」であると認めることはできないから、本件補正後の明細書は平成6年改正前特許法36条5項2号に規定する要件を満たしていない。
そうである以上、補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないため、本件補正は平成6年改正前特許法17条の2第4項で読み替えて準用する準用する同法126条3項の規定に違反している。

4.独立特許要件欠如その2
(1)引用刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開平3-284971号公報(以下「引用例」という。)には次のア〜ウの記載が図示とともにある。
ア.「1つ又は複数のプリントデータ出力手段からのプリントデータを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶されているプリントデータを印字手段に出力する出力手段とを有するプリントサーバにおいて、
前記印字手段の動作状態を検出する検出手段と、
該検出手段の検出結果を前記プリントデータ出力手段に報知する報知手段とを有することを特徴とするプリントサーバ。」(1頁左下欄5〜14行)
イ.「プリント出力制御部PPが印字装置PUNITの正常/異常状態をPSTATUSにプリンタ状態として保存し、プリント制御部PSPがPSTATUSのプリンタ状態の内容に従って他システムに応答する。」(4頁左下欄8〜12行)
ウ.「本発明の他の実施例として、印字装置の動作状態に対応して選択的に他システムに送信してもよい。すなわち印字装置の動作状態、たとえば印字装置の用紙切れ、トナー切れ、オフライン、ジャム等の動作状態の別を各信号線あるいはステータス情報として予め受信して。PSTATUSに保持しておき、その動作状態に対応して送信すべきシステムを選択して、選択されたシステムに対して前記動作状態を表わす信号を送出する。さらに印字装置の異常状態が検出されたときにのみ、その旨を他システムに送信するようにしてもよい。
このような実施例では、たとえば印字装置がトナー切れである場合に、トナーを保管してある倉庫等又はその付近のシステムにその旨を報知し、トナーの補充を促すようにすることができる。」(5頁右上欄17行〜左下欄13行)

(2)引用例記載の発明の認定
引用例の記載ウによれば、「用紙切れ、トナー切れ、オフライン、ジャム等の動作状態の別」に応じて送信すべきシステムが選択されるのだから、異なる動作状態に対して異なるシステムに送信されると解するべきである。その場合、記載アの「検出手段」及び「検出結果」も複数存在し、検出結果が2以上のシステムに選択的に送信されると解すべきである。また、記載イの「他システムに応答」及び記載ウの「他システムに送信」若しくは「システムにその旨を報知」が記載アの「検出結果を・・・報知」と異なる意味であると解することは著しく困難であるから、記載アの「プリントデータ出力手段」と記載イ,ウの「システム」も同義と解するべきである。
また、「用紙切れ、トナー切れ、オフライン、ジャム等の動作状態」を直接検出する手段は、プリントサーバではなく、印字装置(記載アでは「印字手段」)に備わっていることが明らかである。そして、印字装置において検出された動作状態は、プリントサーバに送られ、プリンタサーバが、動作状態毎に報知先の「プリントデータ出力手段」を選択して報知する仕組みになっている。引用例には、プリントサーバが検出手段を有する旨記載されているが、プリントサーバが有する手段は印字装置から動作状態を受信する手段である。
したがって、引用例には、印字装置の動作状態を検出し、プリントデータ出力手段に報知する方法として、次のようなものが記載されていると認めることができる。
「印字装置が有する複数の検出手段にて、用紙切れ、トナー切れ、オフライン、ジャム等の複数の動作状態を検出し、
検出した複数の動作状態をプリントサーバに送り、前記プリントサーバは受信した動作状態を保持し、
動作状態に従って、複数接続されたプリントデータ出力手段から、報知先のプリントデータ出力手段を選択して動作状態を報知する方法。」(以下「引用発明」という。)

(3)補正発明と引用発明との一致点及び相違点の認定
引用発明では「用紙切れ、トナー切れ、オフライン、ジャム等の動作状態」を検出しているのであるが、「用紙切れ」を例にあげれば、用紙の有無を検出し、その検出結果が用紙切れであるから、検出対象は用紙の有無又は残量である。そうである以上、上記動作状態(検出対象)は補正発明の「機械状態」に相当する(引用発明の「検出手段」が補正発明の「機械監視エレメント」に相当する。)。
引用発明の「プリントデータ出力手段」は補正発明の「遠隔ステーション」に相当する。また、再び「用紙切れ」を例にあげれば、引用発明では用紙の有無を検出し、その検出結果が用紙切れである場合に、プリントサーバを介してプリントデータ出力手段に報知(補正発明の「通知」と異ならない。)されるのであるから、引用発明の動作状態(検出対象)は、プリントサーバ及びプリントデータ出力手段に通知しなければならない状態であるか否かを判断した後、自動的に「プリントデータ出力手段」に通知される仕組みになっている。さらに、引用発明では、動作状態(の検出結果)及び「プリントデータ出力手段」の組み合わせが複数あり、その複数の組み合わせのうちの1つが、補正発明の「第一の機械状態」及び「第一の遠隔ステーション」に相当し、他の1つが「第二の機械状態」及び「第二の遠隔ステーション」に相当する。
そして、引用発明の「印字装置」が「媒体上に画像を形成するための画像処理構成部材、所定の機械状態を感知するための機械監視エレメントを含みかつ画像処理構成部材の操作を指示する自動制御装置」を有することはいうまでもないから、それは補正発明の「画像処理装置」に相当するものであり、引用発明を「機械状態を遠隔ステーションに自動通知する方法」ということができる。
さらに、引用発明において「動作状態を検出」することが、補正発明の「媒体上に画像を形成することに関して、画像処理装置の動作を監視」に該当することも明らかである。
したがって、補正発明と引用発明とは、
「媒体上に画像を形成するための画像処理構成部材、及び所定の機械状態を感知するための機械監視エレメントを含みかつ画像処理構成部材の操作を指示する自動制御装置を具備する画像処理装置において、機械監視エレメントにより検出される機械状態を遠隔ステーションに自動通知する方法であって、
媒体上に画像を形成することに関して、画像処理装置の動作を監視し、
第一の機械状態を検出し、
この第一の機械状態が第一の遠隔ステーションに通知しなければならない状態であるか否かを判断し、
第一の遠隔ステーションに対する通知を自動的に開始し、
第二の機械状態を検出し、
この第二の機械状態が第二の遠隔ステーションに通知しなければならない状態であるか否かを判断し、
第二の遠隔ステーションに対する通知を自動的に開始する、ことを含む選択遠隔ステーションへの自動通知方法。」である点で一致し、以下の各点で相違する。
〈相違点1〉補正発明の「画像処理装置」は「自動制御装置に接続されるオペレーターインターフェイス」を具備するのに対し、引用発明の「印字装置」が同構成を有するかどうか明らかでない点。
〈相違点2〉補正発明は「画像処理装置は複数の遠隔ステーションとの通信のために適合され」たものであり、「各遠隔ステーションに対する通知のための状態をオペレーターインターフェイスから選択的にプログラミング」しているのに対し、引用発明では印刷装置(画像処理装置)とプリントデータ出力手段(遠隔ステーション)とは直接通信しておらず、プリントサーバを介して通信しており、「各遠隔ステーションに対する通知のための状態をオペレーターインターフェイスから選択的にプログラミング」していない点。
〈相違点3〉補正発明では、第一の機械状態と第二の機械状態の優先順位が異なるのに対し、引用発明では優先順位があるのかどうか不明である点。

(4)相違点についての判断
〈相違点1について〉
通常の印字装置は画像処理構成部材の操作を指示する自動制御装置」と接続される操作パネルを具備するものであり、操作パネルによって各種設定を行うものである。当然「オペレーターインターフェイス」が存する(操作パネル自体をオペレーターインターフェイスと解することもできる。)
そうである以上、相違点1は実質的相違点でないか、せいぜい設計事項程度の軽微な相違でしかない。

〈相違点2について〉
引用発明では、印字装置とプリントデータ出力手段は直接通信していないが、印字装置とプリントデータ出力手段が直接通信できるように接続する(プリントサーバに当たるものがないか、又は印字装置がプリントサーバ機能を有している。)ことは周知である。
そうである以上、引用発明においてプリントサーバ機能を印字装置に移設することは設計事項というべきである。
また、引用発明では、動作状態に従い報知先のプリントデータ出力手段が選択されるのであるから、どの動作状態をどのプリントデータ出力手段に報知するかをプログラミングしておかなければならない。そして、引用発明では、プリントサーバからプリントデータ出力手段に報知するのであるから、そのプログラミングはプリントサーバ又はプリントデータ出力手段のどちらかで行われなければならず、どちらで行うかは設計事項である。
そして、プリントサーバ機能を印字装置に移設した場合には(それが設計事項であることは前述のとおりである。)、プリントサーバで行っていたプログラミングは印字装置で行わなければならないことは当然である。印字装置には、前述のとおり各種設定を行う操作パネルがあるのだから、プログラミングは操作パネルによって行う(「オペレーターインターフェイスから選択的にプログラミング」に該当)こととなる。
したがって、相違点2に係る補正発明の構成を採用することが当業者にとって想到困難であるとは到底認めることができない。

〈相違点3について〉
引用発明において、プリントデータ出力手段に報知すべき動作状態が複数ある場合、同時に複数の動作状態を異なるプリントデータ出力手段に報知できないことは明らかである。その場合、報知順序を定めておくことは当然であり、報知順序を定めることは優先順位を定めることに等しい。
また、通知すべき機械状態が機械使用不可能な状態であるとすると、その復旧までに要する時間は相当長いかもしれないが、機械状態の検出,判断及び通知に多大の時間を要するとは考えられない。「優先順位」の意味は3.で述べたとおり明確ではないけれども、上記のとおり、検出,判断及び通知に多大の時間を要さない以上、優先順位がどのような意味であるとしても、優先順位を設けることには、複数の機械状態の検出,判断,通知に関して、同時に実行できないためのルール以上の技術的意義を認めることはできない。
以上のとおりであるから、相違点3に係る補正発明の構成を採用することは設計事項というべきである。

(5)補正発明の独立特許要件の判断
相違点1〜3に係る補正発明の構成を採用することは設計事項であるか、当業者にとって想到容易であり、これら構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。
したがって、補正発明は引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。すなわち、本件補正は平成6年改正前特許法17条の2第4項で読み替えて準用する準用する同法126条3項の規定に違反している。

[補正の却下の決定のむすび]
以上のとおり、本件補正は平成6年改正前特許法17条の2第2項で準用する同法17条2項の規定及び同法17条の2第4項で読み替えて準用する準用する同法126条3項の規定に違反しているから、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されなければならない。
よって、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本件審判請求についての判断
1.本願発明の認定
本件補正が却下されたから、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成15年9月3日付けで補正された明細書の特許請求の範囲【請求項1】に記載されたとおりの次のものと認める。
「媒体上に画像を形成するための画像処理構成部材、所定の機械状態を感知するための機械監視エレメントを含みかつ画像処理構成部材の操作を指示する自動制御装置、及び自動制御装置に接続されるオペレーターインターフェイスを具備する画像処理装置において、画像処理装置は複数の遠隔ステーションとの通信のために適合され、機械監視エレメントにより検出される機械状態を遠隔ステーションに自動通知する方法であって、
各遠隔ステーションに対する通知のための状態をオペレーターインターフェイスから選択的にプログラミングし、
媒体上に画像を形成することに関して、画像処理装置の動作を監視し、
第一の機械状態を検出し、
この第一の機械状態が第一の遠隔ステーションに通知しなければならない状態であるか否かを判断し、
第一の遠隔ステーションに対する通知を自動的に開始し、
第二の機械状態を検出し、
この第二の機械状態が第二の遠隔ステーションに通知しなければならない状態であるか否かを判断し、
第二の遠隔ステーションに対する通知を自動的に開始する、ことを含む選択遠隔ステーションへの自動通知方法。」

2.本願発明の進歩性の判断
本願発明と引用発明とは、「第2[理由]4(3)」で認定した一致点において一致し、相違点1及び相違点2において相違する(「補正発明」を「本願発明」と読み替える。)。
相違点1及び相違点2に係る本願発明の構成を採用することが設計事項又は当業者にとって想到容易であることは「第2[理由]4(4)」で述べたとおりであり(「補正発明」を「本願発明」と読み替える。)、これら構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。
したがって、本願発明は引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
本件補正は却下されなければならず、本願発明が特許を受けることができない以上、本願は拒絶を免れない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-05-17 
結審通知日 2006-05-23 
審決日 2006-06-06 
出願番号 特願平6-293488
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B41J)
P 1 8・ 121- Z (B41J)
P 1 8・ 561- Z (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 清水 康司畑井 順一  
特許庁審判長 津田 俊明
特許庁審判官 島▲崎▼ 純一
長島 和子
発明の名称 選択ステーションへの自動通知方法  
代理人 加藤 和詳  
代理人 中島 淳  

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