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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服200520720 | 審決 | 特許 |
不服200517420 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H01S 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 H01S 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 H01S 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01S |
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管理番号 | 1150821 |
審判番号 | 不服2004-22851 |
総通号数 | 87 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1999-10-08 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-11-04 |
確定日 | 2007-02-13 |
事件の表示 | 平成10年特許願第 77628号「レ-ザ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年10月 8日出願公開、特開平11-274663、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成10年3月25日の出願であって、平成16年9月27日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月4日付で拒絶査定に対する審判請求がなされ、同年12月6日付で特許法第17条の2第1項第3号の規定による手続補正がなされたものである。 2.平成16年12月6日付の手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成16年12月6日付の手続補正を却下する。 [理由] (1)補正の内容 本件補正は、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明を目的として、特許請求の範囲の請求項1及び発明の詳細な説明における(1)式及び(3)式の記号およびこれに関連する説明などを補正しようとするものであるところ、その請求項1は下記のとおりである。 「【請求項1】 レ-ザ発振器と、開口を有し上記レ-ザ発振器から出力されたレ-ザ光のビ-ム形状を成形する規制板と、多段に配置され上記開口を通過したレ-ザ光を順次増幅する複数のレ-ザ増幅器と、上記レ-ザ発振器から出力されたレ-ザ光および各レ-ザ増幅器から出力されたレ-ザ光をそれぞれ伝送する複数の結像光学系とを具備し、 最終段またはその前段の結像光学系の倍率をmx、最終段またはその前段のレ-ザ増幅器の励起領域をdx、そのレ-ザ増幅器へ入射するレ-ザ光の口径をDx、出射口径をφxとしたとき、下記(1)式ないし(3)式の条件を満たすことを特徴とするレ-ザ装置。 dx ・mx =φx …(1)式 Dx >dx …(2)式 Dx ・mx >φx (3)式」 (2)当審の判断 願書に最初に添付した明細書または図面(以下、「当初明細書」という。)には、請求項1及び発明の詳細な説明の【0013】、【0024】に、 「dx ・mx >φx …(1)式 Dx >dx …(2)式 Dx ・mx =φx (3)式」 と、記載されている。 さらに、図1の記載を見ると、 「Dn >dn …(2)式」 は、明確に示されているが、Dn径のレーザ光はレーザ増幅器14nの励起領域(網目で示されている)の外側を通過し、結像光学系15nを介して出射口径φnで出射するところが図示されているだけであるから、 「dn ・mn =φn …(1)式 Dn ・mn >φn (3)式」 まで、記載されているとはいえない。 すなわち、当初明細書には、 「dx ・mx >φx …(1)式 Dx >dx …(2)式 Dx ・mx =φx (3)式」 が、一貫して記載されているのであり、 「dx ・mx =φx …(1)式 Dx ・mx >φx (3)式」 については記載がなく、当初明細書の記載から自明な事項ではない。 よって、本件補正は、当初明細書に記載された事項の範囲内でなされたものではない。 (3)したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するから、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.本願発明について (1)本願発明 平成16年12月6日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成16年6月11日付手続補正書で補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。 「【請求項1】 レ-ザ発振器と、開口を有し上記レ-ザ発振器から出力されたレ-ザ光のビ-ム形状を成形する規制板と、多段に配置され上記開口を通過したレ-ザ光を順次増幅する複数のレ-ザ増幅器と、上記レ-ザ発振器から出力されたレ-ザ光および各レ-ザ増幅器から出力されたレ-ザ光をそれぞれ伝送する複数の結像光学系とを具備し、 最終段またはその前段の結像光学系の倍率をmx、最終段またはその前段のレ-ザ増幅器の励起領域をdx、そのレ-ザ増幅器へ入射するレ-ザ光の口径をDx、出射口径をφxとしたとき、下記(1)式ないし(3)式の条件を満たすことを特徴とするレ-ザ装置。 dx ・mx <φx …(1)式 Dx >dx …(2)式 Dx ・mx =φx (3)式」 (以下、「本願発明」という。) (2)特許法第36条第4項、第6項第2号違反について 原審における拒絶査定時の(理由1)として、下記の事項が指摘されている。 「発明の詳細な説明の「最終段のレ-ザ増幅器14nに入射するレ-ザ光Lの口径Dnは、その励起領域dnよりも大きくなるが、その増幅器14nの増幅利得が飽和している場合には効率の低下はほとんど起こらないから、実用上、無視できる。」(【0022】欄)、「(3)式は最終段のレ-ザ増幅器14nに入射するレ-ザ光Lのビ-ム径Dnと、出射光Lnの口径φnとが等しくなるよう結像光学系15nの倍率が設定されていることを示している。」(【0019】欄)という記載によれば、結局、本願発明においては、最終段に入射するレーザ光の口径、最終段の結像光学系から出射されるレーザ光の口径、最終段の結像光学系の倍率との間に、式(3)のDn・mn=φnが成り立つということであり、最終段の結像光学系の倍率はmnであるから、同じ口径(φn)の出射レーザ光が最終的に得られる従来技術(【0002】?【0009】)との間の差異を技術的に理解することができない。 よって、発明の詳細な説明の記載に基づいては、本願発明の技術的内容を正確に理解することができず、本願発明の技術上の意義を明確に把握することができない。」 そこで検討するに、本願発明において、レ-ザ増幅器へ入射するレ-ザ光の口径Dxは、最終段またはその前段のレ-ザ増幅器の励起領域dxよりも大きくなっている(Dx >dx)。そして、最終段のレーザ増幅器の増幅利得が飽和している場合には、レ-ザ増幅器の励起領域dxの外側では、レーザ光の外周部のフレネル回折等の影響を受けた光が比較的多く存在すると考えられるが、この部分では光は余り増幅されず、逆に、レーザ光の中央部の光は励起領域dxで増幅される。したがって、レーザ光全体としては、相対的にフレネル回折等の影響が少なくなるものと解される。 してみると、本願発明において、式(2)のDx >dxが成り立つ以上、式(3)のDn・mn=φnが成り立つからといって、従来技術と比べて技術的な差異がないとはいえない。 したがって、本願の出願は特許法第36条第4項及び第6項第2号に規定する要件を満たしていないということはできない。 (3)特許法第29条2項違反について (ア)刊行物記載の事項 原査定の拒絶理由に引用した刊行物1?7には、概ね下記の事項が記載されている。 刊行物1:特開平3-261191号公報 「レーザー発振器と少なくとも1台のレーザー増幅器を組み合わせたものにおいて、レーザービームをピンホールを通すことにより、集束性の低い自然放出光を除去し、集束性の高い高品質ビームとしたレーザー増幅システム。」 刊行物2:特開平1-257387号公報 「色素レーザ発振器から放出されたレーザ光を整形する光学系と、この整形された光を増幅器に集光するレンズを備えた色素レーザ装置。」 刊行物3:特開平3-233988号公報 「レーザー発振器とパルス幅伸長光学系と増幅器とからなるレーザー装置において、レーザー発振器とパルス幅伸長光学系との間にビーム径拡大光学系を配設したレーザー装置。」 刊行物4:特開平7-7234号公報 「色素レーザ発振器から出力された色素レーザ光をアパーチャによってその断面形状を増幅器の励起領域の形状に相似形状に形成し、この整形された色素レーザ光を集光レンズによって増幅器の励起領域に対して結像させることにより、フレネル回折による強度分布の不均一を極小化した色素レーザ発振装置。」 刊行物5:特開平8-78766号公報 「色素レーザ発振器から出力された色素レーザビームを、少なくとも1段の結像光学系及び増幅器セルを通して増幅する色素レーザ発振装置において、前記増幅器セルの媒質長さを前記色素レーザビームに生じる回折を抑制する所定のフレネル数に応じた長さに形成した。」 刊行物6:特開昭57-58379号公報 「パルスレーザ発振器と固体のレーザ活性物質を有するレーザ増幅器を1個もしくは複数個有し、上記レーザ発振器とレーザ増幅器との間に、上記レーザ発振器より発射されたレーザ光のビーム径と上記レーザ増幅器内の固体レーザ活性物質の断面の直径とを整合させる(第1段レーザ増幅器において、ビーム半径が固体レーザ活性物質の半径の0.85倍、第2段レーザ増幅器において、入射光のビーム半径が固体レーザ活性物質の半径と整合する)レーザ増幅装置。」 刊行物7:特開平3-88379号公報 「レーザ光源から出射する基本波レーザ光の、規制手段によって光強度が規制された光強度分布を、非線形光学結晶内を進行する基本波レーザ光の光強度分布に相似的に転送させる転送手段を備えたレーザ装置。」 (イ)対比・判断 本願発明と上記刊行物1?7記載のものとを対比する。 刊行物6には、レーザ増幅器において、入射光のビーム半径が固体レーザ活性物質の半径の0.85倍としたもの及び両者が整合するもの(本願発明の条件式の記号を用いて表すと、Dx≦dx)が記載されているが、その他の刊行物には、レーザ増幅器へ入射するレーザ光の口径Dxとレーザ増幅器の励起領域dxの関係が記載されていない。 すなわち、上記各刊行物には、本願発明の重要な発明特定事項である「最終段またはその前段の結像光学系の倍率をmx 、最終段またはその前段のレ-ザ増幅器の励起領域をdx 、そのレ-ザ増幅器へ入射するレ-ザ光の口径をDx 、出射口径をφx としたとき、下記(1)式ないし(3)式の条件を満たすことを特徴とするレ-ザ装置。 dx ・mx <φx …(1)式 Dx >dx …(2)式 Dx ・mx =φx (3)式」 、特に(2)式が記載されておらず、示唆もされていない。 したがって、本願発明は、刊行物1?7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2007-01-31 |
出願番号 | 特願平10-77628 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H01S)
P 1 8・ 561- WY (H01S) P 1 8・ 536- WY (H01S) P 1 8・ 537- WY (H01S) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 河原 正 |
特許庁審判長 |
向後 晋一 |
特許庁審判官 |
鈴木 俊光 小牧 修 |
発明の名称 | レ-ザ装置 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 鈴江 武彦 |