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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G07D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G07D
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G07D
管理番号 1153415
審判番号 不服2005-23110  
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-12-01 
確定日 2007-03-08 
事件の表示 特願2002- 39440「紙幣入出金機」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 8月23日出願公開、特開2002-236961〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件審判請求に係る出願は、平成10年6月29日に出願された特願平10-182050号の一部を分割して、平成14年2月18日に出願したものであって、平成17年10月25日付けで拒絶査定(発送日:平成17年11月1日)がなされたところ、平成17年12月1日に拒絶査定不服審判が請求され、特許法第17条の2第1項ただし書第4号の規定に基づき、同年12月28日に手続補正がなされたものである。

第2 平成17年12月28日付けの手続補正について
[結論]
平成17年12月28日付けの手続補正を却下する。

[補正の内容]
平成17年12月28日付手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、
「投入された紙幣を繰り出し又は放出する入出金口と、紙幣を判別する判別部と、紙幣を収納する複数の収納庫と、前記判別部を通過し、前記収納庫と前記入出金口との間で紙幣を搬送する搬送路とを有する紙幣入出金機において、
前記複数の収納庫は、垂直方向に積層して配置し、それぞれ水平方向に着脱構成し、
前記複数の収納庫は、前記搬送路で搬送される紙幣の取り込み及び前記搬送路へ紙幣を繰り出すスタック・分離機構を内蔵するリサイクル庫を含み、
前記垂直方向に前記収納庫を増設するとき、前記リサイクル庫及び、紙幣を取り込むスタック機構を内蔵する入金庫及び、紙幣を繰り出す分離機構を内蔵する出金庫の何れも前記紙幣入出金機の内部に増設可能であることを特徴とする紙幣入出金機。」
と補正された(以下、「本件補正発明」という。)。

[理由1]
本件補正は、収納庫を増設するとき、収納庫は「紙幣入出金機の内部に増設可能であること」を特定するものである。
審判請求人が補正の根拠とする(審判請求書の手続補正書2頁3?4行参照)、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「当初明細書又は図面」という。)の【0066】?【0068】及び図3、図13には、「紙幣入出金機の内部」なる記載はなく、又、当初明細書の他の記載をみても、「紙幣入出金機の内部」なる記載はない。
ただ、収納庫の増設に関連して、当初明細書の【0068】3行には「紙幣入出金機構1の上部の空間に」と記載されており、又、1?2行には「図13に示す紙幣入出金機構1aを、現金自動取引装置に実装する場合に、図3の紙幣入出金機構1に比べ後部の高さ寸法が拡大するだけであり、」と、4?5行には「本実施例によれば、収納庫を増設しても、実装スペースは、上方に拡大するのみであり、」と記載されている。
これらの記載によれば、収納庫の増設により、紙幣入出金機は「上部に拡大」するものであり、収納庫の増設が「紙幣入出金機の内部に」おいて行われるものでないことは明らかである。
以上のとおり、収納庫を紙幣入出金機の「内部に」増設することは、当初明細書又は図面に記載されておらず、又、当該事項は、当初明細書又は図面の記載から自明のものでもないから、収納庫が「紙幣入出金機の内部に増設可能であること」を含む本件補正は、当初明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものではない。
したがって、本件補正は特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

[理由2]
当初明細書の【0068】には「本実施例によれば、収納庫を増設しても、実装スペースは、上方に拡大するのみであり、図19に示す従来例のような装置後部に増設する場合と比較して床面積を拡大することなく、」(4?6行)とも記載されている。
上記記載を根拠として、仮に、(収納庫を)紙幣入出金機の「内部に」増設可能であることが、紙幣入出金機の「床面積を拡大することなく」収納庫が増設可能であることを意味しているのであれば、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものではないと言える。
そうであれば、本件補正は、収納庫の増設が「紙幣入出金機の内部に」行われることを限定ものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そこで、本件補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、即ち、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。

1.本件補正発明
本件補正発明は、上記[補正の内容]に記載したとおりである。

2.引用例に記載された事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用された特開平4-360299号公報(以下、「引用例1」という。)には、次の事項が図面と共に記載されている。
A.「顧客に対して紙幣を支払うための出金口と、出金用の紙幣を収納する着脱自在な金庫と、この金庫から紙幣を一枚づつ繰り出して分離する繰り出し分離部と、顧客に対して支払う紙幣を一時的に集積貯留する一時貯留部と、この一時貯留部と前記繰り出し分離部との間で紙幣を搬送する搬送路を備えた紙幣自動支払装置において、
前記金庫とこの金庫より紙幣を繰り出す繰り出し分離部と、該繰り出し分離部からの紙幣を受け取り搬送する第1の搬送路と、下方からの紙幣を上方へ搬送すると共に前記第1の搬送路と合流する第2の搬送路とを装置本体より着脱自在な出金モジュールとし、この出金モジュールを積み重ね自在な箱型とし、かつ、この出金モジュールに、積み重ねた時に上側の出金モジュールからの動力を受け搬送路を駆動する動力入力手段と、下側の出金モジュールへ動力を伝達し下側の出金モジュールの搬送路を駆動する動力出力手段を設けたことを特徴とする紙幣自動支払装置。」(【請求項1】)
B.「【産業上の利用分野】本発明は、金融機関等の店舗に設置され、顧客の操作により金庫より自動的に紙幣を支払う紙幣自動支払装置に関する。」(【0001】)
C.「【従来の技術】図8は2金種の紙幣の支払いが可能な従来の紙幣自動支払い装置の概略側面図で、図において1は装置の筐体、2は該筐体1の正面に設けられた出金口、3は同じく筐体1の背面に設けられた後部扉、4は筐体1内に設けられた支払い機構部である。」(【0002】)
D.「【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した構成の従来技術によれば、支払い用の紙幣を収納する金庫が2金庫と固定のため、例えば土曜・日曜稼働に耐えうるだけの紙幣を装填しようとした場合にも限界があり、取引件数の多い金融機関においては、休日途中に行員または委託会社の職員が現地に出向き紙幣補充または金庫の入れ替えを実施しなければならない。」(【0015】)
E.「本発明は、上記問題点を解決するために、各金融機関の取引状況や要求に応じて金庫の増設あるいは削除が安価で短期間にできる構成を得て、金融機関側の設備投資の無駄を無くすことを目的とする。さらに、装置ダウンを防止することで顧客に対するサービスを向上することを目的とする。」(【0017】)
F.「すなわち、21は前記出金口16に開閉可能に設けられたシャッタ、22,23は出金モジュールであり、この出金モジュール22,23は各々出金用の紙幣を収納する着脱可能な金庫25a,25b、金庫25a,25bから紙幣を繰り出し分離する繰り出し分離部26a,26b、繰り出された紙幣を挟持して搬送する搬送ベルト及びローラ等からなる第1の搬送路27a,27b、及び第2の搬送路28a,28bより構成されている。繰り出し分離部26a,26bは繰り出しローラと分離ローラで構成されており、その駆動源は各出金モジュール毎に搭載してある。」(【0025】)
G.「図3は、出金モジュール22単体の構成を示す概略側面図であり、箱型に構成され積み重ね容易な構造となっている。出金モジュール23及び後述する出金モジュール24(図6記載)も出金モジュール22と同一構成となっている。」(【0027】)
H.「図6は図1において、出金モジュール24を増設して3金庫を実装した時の概略側面図、図7は同じく図1において出金モジュール23を削除して1金庫タイプとした時の概略側面図であり、他の構成要素に一切触れることなく、金庫の増設・削除が可能となるよう構成されている。」(【0031】)
I.「34は前記繰り出し分離部26a及び26bにより金庫25a,25bから繰り出される紙幣の金種の鑑別、斜行や重送等の異常の有無の検出、及び計数等を行う鑑別部で、この鑑別部34は前記第3の搬送路33の所定の位置に配置されている。」(【0034】)

(2)同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開平7-267513号公報(以下、「引用例2」という。)には、次の事項が図面と共に記載されている。
J.「図1は紙幣入出金機を示し、この紙幣入出金機は、装置本体11の上部前面に入金口12と出金口13を設け、これらの入出金口12,13と連通する内方には、入出金される紙幣を識別する紙幣識別装置14と、紙幣を返却・取込み用に一時保留する一時保留部15と、紙幣を金種別に収納する第1スタッカS1と、第2スタッカS2」(【0024】2?8行)
K.「入金時に入金口12から上部搬送ラインL1 および下部搬送ラインL2を介して下部のスタッカS1,S2へと取込み処理し、出金時に金種対応するスタッカS1,S2から下部搬送ラインL2 および上部搬送ラインL1を介して出金口13へと放出処理する。」(【0026】6?11行)
L.「この接続ユニットU1 を装置本体11に着脱許容することにより、装置本体11の取扱い金種が1?2金種の場合は、図1に示すように、既設の第1スタッカS1と第2スタッカS2のみで紙幣を収納管理することができる。これに対し、取扱い金種が例えば4金種の場合は、図2に示すように、装置本体11と接続ユニットU1との間に各スタッカS3,S4を内蔵した2つの増設ユニットU2,U3を接続して、取扱い金種数と同数のスタッカS1?S4が対応するように設定する。このように、装置本体11と接続ユニットU1 との間に増設ユニットU1,U2を介在させることで4金種の紙幣を取扱い許容でき、金種要請数に応じて対応させることができる。」(【0027】6?18行)
M.「上述の着脱許容される接続ユニットU1は、図3にも示すように、下部搬送ラインL2のループ終端部を上部に有し、下部に第2スタッカS2を有して、この上下間を紙幣取込み・繰出し用に接続して、下部搬送ラインL2から紙幣を第2スタッカS2内に収納許容し、かつ第2スタッカS2内の紙幣を下部搬送ラインL2へと繰出し許容している。」(【0028】1?7行)
N.「図4は増設ユニットU2を示し、この増設ユニットU2は接続ユニットU1と同高さ位置に下部搬送ラインL2を有し、下部に第3スタッカS3を有して、この上下間を紙幣取込み・繰出し用に接続して、下部搬送ラインL2から紙幣を第3スタッカS3内に収納許容し、かつ第3スタッカS3内の紙幣を下部搬送ラインL2へと繰出し許容している。」(【0029】1?7行)

3.引用例1に記載された発明
上記各記載(特にE?H)及び図面(特に、図1、3、4、6)の記載からみて、引用例1には、次のような発明が記載されている(以下、「引用例1記載の発明」という。)。
紙幣を支払うための出金口と、紙幣の鑑別を行う鑑別部と、出金用の紙幣を収納する複数の金庫と、紙幣を搬送する搬送路を備えた紙幣自動支払装置において、
複数の金庫は、それぞれ着脱可能であり、紙幣を繰り出し分離する繰り出し分離部を有し、増設・削除が可能となるよう構成されている紙幣自動支払装置。

4.対比・判断
本件補正発明と引用例1記載の発明とを対比する。
引用例1記載の発明の「鑑別部」、「繰り出し分離部」は、本件補正発明の「判別部」、「分離機構」に相当し、又、引用例1記載の発明の「金庫」は、紙幣の「収納庫」であり、且つ、本件補正発明の「出金庫」に相当し、該金庫が「繰り出し分離部(分離機構)」を内蔵していることは、図3から明らかである。
又、引用例1記載の発明において、摘記事項A、図1及び図6からみて、紙幣自動支払装置本体より着脱自在な「出金モジュール」は、垂直方向に積み重ねて配置されており、又、装置本体より水平方向に着脱可能であると認められるから、出金モジュールに着脱自在に内蔵される「金庫」も垂直方向に積層して配置され、水平方向に着脱可能であると言える。
さらに、図1及び図6からみて、金庫(出金モジュール)は、「紙幣自動支払装置(「紙幣出金機」)」の「内部に」増設されていること(金庫を増設しても、出金機の床面積は拡大していない。)は明らかである。
そして、引用例1記載の発明の「紙幣自動支払装置」は、「紙幣出金機」と言い換えることができ、本件補正発明の「紙幣入出金機」とは、紙幣を取り扱う装置(「紙幣取扱機」)である点で共通するものである。
以上の点からみて、本件補正発明と引用例1記載の発明とは、次の一致点、相違点を有するものと認められる。
[一致点]
紙幣を放出する出金口と、紙幣を判別する判別部と、紙幣を収納する複数の収納庫と、前記判別部を通過し、前記収納庫と前記出金口との間で紙幣を搬送する搬送路とを有する紙幣取扱機において、
前記複数の収納庫は、垂直方向に積層して配置し、それぞれ水平方向に着脱構成し、
前記垂直方向に前記収納庫を増設するとき、紙幣を繰り出す分離機構を内蔵する出金庫を、紙幣取扱機の内部に増設可能であることを特徴とする紙幣取扱機。
[相違点1]
紙幣取扱機が、本件補正発明では紙幣入出金機であり、収納庫が、紙幣を取り込み及び繰り出すスタック・分離機構を内蔵するリサイクル庫を含むものであるのに対して、引用例1記載の発明では紙幣出金機であり、収納庫が、紙幣を繰り出す分離機構を内蔵する出金庫を含むものである点。
[相違点2]
収納庫を増設するとき、本件補正発明では、紙幣を取り込み及び繰り出すスタック・分離機構を内蔵するリサイクル庫、紙幣を取り込むスタック機構を内蔵する入金庫、紙幣を繰り出す分離機構を内蔵する出金庫の何れも増設可能であるのに対して、引用例1記載の発明では、紙幣を繰り出す分離機構を内蔵する出金庫を増設するものである点。

上記相違点について検討する。
[相違点1]について
紙幣取扱機として、入出金の両方を行う紙幣入出金機、出金のみを行う紙幣出金機はどちらも、引用例を挙げるまでもなく、周知の装置であるから、引用例1記載の紙幣出金機を、紙幣入出金機とすることに格別の困難性は認められない。
そして、例えば、上記引用例2に記載されるように、紙幣入出金機の収納庫が、紙幣を取り込み及び繰り出すスタック・分離機構を内蔵するリサイクル庫を含むことも公知の技術手段であるから、紙幣出金機を紙幣入出金機とする際に、紙幣収納庫として、スタック・分離機構を内蔵するリサイクル庫を含むようにすることは、当業者が容易に想到し得ることと認められる。

[相違点2]について
紙幣入出金機が、紙幣の収納部として、入金庫、出金庫を備えていることは周知の技術手段であり(例えば、特開平5-62046号公報等参照)、又、上記の「[相違点1]について」に記載したとおり、入出金機がリサイクル庫を紙幣収納庫として有することも公知の技術手段であるから、引用例1記載の出金機を入出金機とする際に、紙幣収納庫として、リサイクル庫、入金庫、出金庫を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得ることと認められる。
なお、上記周知例には、出金庫、入金庫が、分離機構或いは取り込み機構を内蔵する点について記載はないが、引用例1記載の出金庫は、紙幣を繰り出す分離機構を内蔵するもの(増設される出金庫も同様である)であり、又、分離及び取り込み機構を内蔵するからこそ増設が可能となるものと解されるから、入金庫を備えるに際し、入金庫にも、紙幣を取り込むスタック機構を内蔵させることに格別の困難性は認められない。
そして、リサイクル庫、入金庫、出金庫を備える入出金庫において収納庫を増設する場合、どの収納庫を増設するかは、入出金庫の設置場所、入金・出金の手続回数の比率、必要とされる金種、等により決定されることであるから、それら諸々の事情の何れにも対応できるように、リサイクル庫、入金庫、出金庫の何れも増設可能とすることは、当業者が当然に採用する技術的事項と認められる。

[作用効果]について
本件補正発明の奏する作用効果も、引用例1、2記載の発明及び周知の技術手段の奏する作用効果から、当業者が予測できる範囲のものである。

以上のとおり、本件補正発明は、引用例1、2記載の発明及び周知の技術手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
上記のとおり、平成17年12月28日付手続補正は却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、当初明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(以下、「本願発明」という。)。
「投入された紙幣を繰り出し又は放出する入出金口と、紙幣を判別する判別部と、紙幣を収納する複数の収納庫と、前記判別部を通過し、前記収納庫と前記入出金口との間で紙幣を搬送する搬送路とを有する紙幣入出金機において、
前記複数の収納庫は、垂直方向に積層して配置し、それぞれ水平方向に着脱構成し、
前記複数の収納庫は、前記搬送路で搬送される紙幣の取り込み及び前記搬送路へ紙幣を繰り出すスタック・分離機構を内蔵するリサイクル庫を含み、 前記垂直方向に前記収納庫を増設するとき、前記リサイクル庫及び、紙幣を取り込むスタック機構を内蔵する入金庫及び、紙幣を繰り出す分離機構を内蔵する出金庫の何れも増設可能であることを特徴とする紙幣入出金機。」

2.引用例に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、上記「[理由2]2.」に記載したとおりである。

3.引用例1に記載された発明
引用例1に記載された発明は、上記「[理由2]3.」に記載したとおりである。

4.対比・判断
本願発明と引用例1記載の発明とを対比する。
本願発明は、上記「第2 1.」に記載した本件補正発明から、収納庫が「紙幣入出金機の内部」に増設可能であることを限定する事項を省いたものであるところ、上記限定事項は、本件補正発明と引用例1記載の発明との一致点に含まれている事項であるから、結局、本願発明と引用例1記載の発明との相違点は、本件補正発明と引用例1記載の発明との相違点と同じであり、該相違点に関しては、上記「第2 4.」に記載したとおりであるから、本願発明も、引用例1、2記載の発明及び周知の技術手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-12-27 
結審通知日 2007-01-09 
審決日 2007-01-23 
出願番号 特願2002-39440(P2002-39440)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G07D)
P 1 8・ 561- Z (G07D)
P 1 8・ 575- Z (G07D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 氏原 康宏  
特許庁審判長 岡 千代子
特許庁審判官 新海 岳
長浜 義憲
発明の名称 紙幣入出金機  
代理人 井上 学  

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