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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C07D |
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管理番号 | 1157706 |
審判番号 | 訂正2007-390026 |
総通号数 | 91 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-07-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2007-03-02 |
確定日 | 2007-05-08 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3790472号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第3790472号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.請求の要旨 本件審判の請求の要旨は、特許第3790472号発明(平成12年8月18日特許出願、平成18年4月7日設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、明細書の特許請求の範囲の請求項5の 「 a) 式II: 【化2】(構造式省略) (式中、 ----は、単結合または二重結合を表し; XおよびYは、Nであり; Zは、Oであり; Ar1は、2-ピリジルであり、Ar2は、フェニルであり、ここで、Ar1およびAr2基のうちの少なくとも1つは、-F、-Cl、-Br、-I、-SR、-SOR、-SO2R、-SO2NRR'、-OCOR、-OCONRR'、-NRCOR'、-NRCO2R'、-CN、-CO2R、-CONRR'、-C(O)R、-CH(OR)R'、-CH2(OR)、および-Rからなる群から選択される1以上の基によって置換されており; ここで、RまたはR'は、H、CF3、C1-C10アルキル、シクロアルキル、アルキル-アリール、ヘテロシクロアルキル、アリールからなる群から選択され、その際、RとR'は結合して環を形成していてもよい。) で表される化合物(ただし、3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、または3-(2-ピリジル)-5-(3-トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾールを除く。);または b) 3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(5-メトキシピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(3-ニトロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-メチルフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-トリフルオロメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,3-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-クロロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(3-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-メトキシピリド-2-イル)-l,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール、 2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-ニトロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-ブロモフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、もしくは その薬学的に許容される塩から選択される化合物および製薬上許容される賦形剤を含む、医薬組成物。」 を 「 a) 式II: 【化2】(構造式省略) (式中、 ----は、単結合または二重結合を表し; XおよびYは、Nであり; Zは、Oであり; Ar1は、2-ピリジルであり、Ar2は、フェニルであり、ここで、Ar1およびAr2基のうちの少なくとも1つは、-F、-Cl、-Br、-I、-SR、-SOR、-SO2R、-SO2NRR'、-OCOR、-OCONRR'、-NRCOR'、-NRCO2R'、-CN、-CO2R、-CONRR'、-C(O)R、-CH(OR)R'、-CH2(OR)、および-Rからなる群から選択される1以上の基によって置換されており; ここで、RまたはR'は、H、CF3、C1-C10アルキル、シクロアルキル、アルキル-アリール、ヘテロシクロアルキル、アリールからなる群から選択され、その際、RとR'は結合して環を形成していてもよい。) で表される化合物(ただし、3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾールまたは3-(2-ピリジル)-5-フェニル-1,2,4-オキサジアゾールを除く。);または b) 3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(5-メトキシピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(3-ニトロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-メチルフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-トリフルオロメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,3-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-クロロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(3-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-メトキシピリド-2-イル)-l,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール、 2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-ニトロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-ブロモフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、もしくは その薬学的に許容される塩から選択される化合物および製薬上許容される賦形剤を含む、医薬組成物。」 と訂正することを求めるものである。 2.当審の判断 上記訂正は、訂正前の特許請求の範囲の請求項5の医薬組成物の有効成分である式IIで表される化合物から「3-(2-ピリジル)-5-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール」を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、上記訂正が、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。 また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由はない。 3.むすび したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 ヘテロ多環式化合物および代謝型グルタミン酸受容体アンタゴニストとしてのその使用 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 a)式II: 【化1】 (式中、 ----は、単結合または二重結合を表し; XおよびYは、Nであり; Zは、Oであり; Ar1は、2-ピリジルであり、Ar2は、フェニルであり、ここで、Ar1およびAr2基のうちの少なくとも1つは、-F、-Cl、-Br、-I、-SR、-SOR、-SO2R、-SO2NRR’、-OCOR、-OCONRR’、-NRCOR’、-NRCO2R’、-CN、-CO2R、-CONRR’、-C(O)R、-CH(OR)R’、-CH2(OR)、および-Rからなる群から選択される1以上の基によって置換されており; ここで、RまたはR’は、H、CF3、C1-C10アルキル、シクロアルキル、アルキル-アリール、ヘテロシクロアルキル、アリールからなる群から選択され、その際、RとR’は結合して環を形成していてもよい。) で表される化合物(ただし、3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾールまたは3-(2-ピリジル)-5-フェニル-1,2,4-オキサジアゾールを除く。);または b)3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(5-メトキシピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(3-ニトロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-メチルフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-トリフルオロメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,3-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-クロロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(3-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-メトキシピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール、 2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-ニトロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-ブロモフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、もしくは その薬学的に許容される塩 から選択される化合物。 【請求項2】 Ar2が、CF3、Cl、F、Br、CH3、SCH3、およびCNからなる群から選択される1以上の基により置換されている、請求項1に記載の化合物。 【請求項3】 Ar1が、CF3、F、およびClからなる群から選択される1以上の基により置換されている、請求項1に記載の化合物。 【請求項4】 3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,5-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-クロロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(3-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-ブロモフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールならびに薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。 【請求項5】 a)式II: 【化2】 (式中、 ----は、単結合または二重結合を表し; XおよびYは、Nであり; Zは、Oであり; Ar1は、2-ピリジルであり、Ar2は、フェニルであり、ここで、Ar1およびAr2基のうちの少なくとも1つは、-F、-Cl、-Br、-I、-SR、-SOR、-SO2R、-SO2NRR’、-OCOR、-OCONRR’、-NRCOR’、-NRCO2R’、-CN、-CO2R、-CONRR’、-C(O)R、-CH(OR)R’、-CH2(OR)、および-Rからなる群から選択される1以上の基によって置換されており; ここで、RまたはR’は、H、CF3、C1-C10アルキル、シクロアルキル、アルキル-アリール、ヘテロシクロアルキル、アリールからなる群から選択され、その際、RとR’は結合して環を形成していてもよい。) で表される化合物(ただし、3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾールまたは3-(2-ピリジル)-5-フェニル-1,2,4-オキサジアゾールを除く。);または b)3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(5-メトキシピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(3-ニトロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-メチルフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-トリフルオロメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,3-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-クロロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(3-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-メトキシピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール、 2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-ニトロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-ブロモフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、もしくは その薬学的に許容される塩 から選択される化合物および製薬上許容される賦形剤を含む、医薬組成物。 【請求項6】 Ar2が、CF3、Cl、F、Br、CH3、SCH3、およびCNからなる群から選択される1以上の基により置換されている、請求項5に記載の組成物。 【請求項7】 Ar1が、CF3、F、およびClからなる群から選択される1以上の基により置換されている、請求項5に記載の組成物。 【請求項8】 代謝型グルタミン酸受容体に関連する疾患の治療用薬剤を製造するための、 a)式II: 【化3】 (式中、 ----は、単結合または二重結合を表し; XおよびYは、Nであり; Zは、Oであり; Ar1は、2-ピリジルであり、Ar2は、フェニルであり、ここで、Ar1およびAr2基のうちの少なくとも1つは、-F、-Cl、-Br、-I、-SR、-SOR、-SO2R、-SO2NRR’、-OCOR、-OCONRR’、-NRCOR’、-NRCO2R’、-CN、-CO2R、-CONRR’、-C(O)R、-CH(OR)R’、-CH2(OR)、および-Rからなる群から選択される1以上の基によって置換されており; ここで、RまたはR’は、H、CF3、C1-C10アルキル、シクロアルキル、アルキル-アリール、ヘテロシクロアルキル、アリールからなる群から選択され、その際、RとR’は結合して環を形成していてもよい。) で表される化合物(ただし、3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、または3-(2-ピリジル)-5-(3-トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾールを除く。);または b)3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(5-メトキシピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 3-(2-ピリジル)-5-(3-ニトロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-メチルフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-トリフルオロメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,3-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-クロロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(3-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(5-メトキシピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-シアノフェニル)-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、 2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール、 2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-ニトロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、 2-(3-ブロモフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、もしくは その薬学的に許容される塩 から選択される化合物の使用。 【請求項9】 Ar2が、CF3、Cl、F、Br、CH3、SCH3、およびCNからなる群から選択される1以上の基により置換されている、請求項8に記載の使用。 【請求項10】 Ar1が、CF3、F、およびClからなる群から選択される1以上の基により置換されている、請求項8に記載の使用。 【請求項11】 代謝型グルタミン酸受容体に関連する疾患が神経学的疾患または障害である、請求項8に記載の使用。 【請求項12】 代謝型グルタミン酸受容体に関連する疾患が精神医学的疾患である、請求項8に記載の使用。 【請求項13】 疾患または障害が、脳卒中、頭部外傷、無酸素性損傷、虚血性損傷、低血糖症、癲癇、疼痛、片頭痛、パーキンソン病、老人性痴呆症、ハンティントン舞踏病およびアルツハイマー病からなる群から選択される、請求項8に記載の使用。 【請求項14】 疾患または障害が精神分裂病およびうつ病からなる群から選択される、請求項8に記載の使用。 【発明の詳細な説明】 【0001】 発明の属する技術分野 本発明は、代謝型グルタミン酸受容体に対して活性があり、かつ神経性および精神性の疾患および障害の治療に有用な化合物を提供する。 【0002】 発明の背景 代謝型グルタミン酸受容体は、その神経生理学的役割の解明における近年の進歩により、急性および慢性的神経および精神性の障害および疾患の治療における有望な薬剤の標的として確実視されるようになった。しかし、この期待を実現するための大きな試みとして、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ選択性のある化合物の開発がなされてきた。 【0003】 グルタミン酸は、哺乳動物の中枢神経系(CNS)における主要な興奮性神経伝達物質である。グルタミン酸は、細胞表面受容体に結合してそれを活性化することにより、中枢神経に作用する。該受容体は、受容体タンパク質の構造的特徴、受容体のシグナルを細胞内へ伝達する様式および薬理学的側面に基づいて、主にイオンチャネル型グルタミン酸受容体および代謝型グルタミン酸受容体の2つのクラスに分類される。 【0004】 代謝型グルタミン酸受容体(mGLuR)は、Gタンパク質共役型受容体であり、これにグルタミン酸が結合すると様々な細胞内二次メッセンジャー系が活性化される。完全な哺乳動物ニューロンのmGLuRの活性化は、以下の:ホスホリパーゼCの活性化;ホスホイノシチド(PI)の加水分解の増加;細胞内カルシウム放出;ホスホリパーゼDの活性化;アデニルシクラーゼの活性化または阻害;サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)生成の増加または減少;グアニリルシクラーゼの活性化;サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)生成の増加;ホスホリパーゼA2の活性化;アラキドン酸放出の増加;ならびに電位依存性およびリガンド依存性イオンチャネルの活性の増加または減少、のうちの1つ以上の応答を誘発する。Schoeppら、Trends Pharmacol.Sci.14;13(1993);Schoeppら、Neurochem.Int.24:439(1994);Pinら、Neuropharmacology34:1(1995)を参照のこと。 【0005】 分子クローニングにより、mGluR1?mGluR8までの8種の個別のmGluRサブタイプが同定されている。例えば、中西、Neuron13:1031(1994);Pinら、Neuropharmacology34:1(1995);Knopfelら、J.Med.Chem.38:1417(1995)を参照のこと。さらなる受容体の多様性は、特定のmGluRサブタイプの選択的スプライシング型の発現によりもたらされる。Pinら、PNSA89:10331(1992));Minakamiら、BBRC199:1136(1994);Knopfelら、J.Med.Chem.38:1417(1995)を参照のこと。 【0006】 代謝型グルタミン酸受容体サブタイプは、アミノ酸配列相同性、受容体が利用する二次メッセンジャー系、および薬理学的特徴に基づいて、グループI、グループIIおよびグループIIIのmGluRという3つのグループにさらに分類することができる。中西、Neuron13:1031(1994);Pinら、Neuropharmacology34:1(1995);Jolyら、J.Neurosci.15:3970(1995)を参照のこと。 【0007】 グループI mGluRは、mGluR1、mGluR5およびこれらの選択的スプライシング変異体を含む。これらの受容体に対するアゴニストの結合により、ホスホリパーゼCの活性化およびそれに続く細胞内カルシウム動員が起こる。例えば、組換え型mGluR1受容体発現アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞において、電気生理学的測定を用いてこれらの作用が証明された。例えば、Masuら、Nature349:760(1991);Pinら、PNAS89:10331(1992)参照のこと。同様の結果が、組換え型mGluR5受容体を発現させた卵母細胞でも得られている。Abeら、J.Biol.Chem.267:13361(1992);Minakamiら、BBRC199:1136(1994);Jolyら、J.Neurosci.15:3970(1995)を参照のこと。また、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で発現させた組換え型mGluR1受容体のアゴニストによる活性化は、標準的生化学的アッセイでの測定によると、PI加水分解、cAMP生成およびアラキドン酸の放出を刺激する。Aramoriら、Neuron8:757(1992)を参照のこと。 【0008】 比較すると、CHO細胞で発現させたmGluR5の活性化はPI加水分解およびこれに続く細胞内カルシウムの一過性の上昇を刺激するが、cAMP生成またはアラキドン酸の放出の刺激は認められない。Abeら、J.Biol.Chem.267:13361(1992)を参照のこと。しかし、LLC-PK1細胞で発現させたmGluR5受容体の活性化は、PI加水分解とcAMP生成の増加をもたらす。Jolyら、J.Neurosci.15:3970(1995)を参照のこと。グループIのmGluRに対するアゴニストの能力の図式は、キスカル酸>グルタミン酸=イボテン酸>(2S,1’S,2’S)-2-カルボキシシクロプロピル)グリシン(L-CCG-I)>(1S,3R)-1-アミノシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸(ACPD)となる。キスカル酸は、グループIIおよびグループIIIのmGluRと比較すると、相対的にグループI受容体に選択的であるが、イオンチャネル型AMPA受容体の潜在的活性化剤でもある。Pinら、Neuropharmacology34:1;Knopfelら、J.Med.Chem.38:1417(1995)を参照のこと。 【0009】 サブタイプ特異的mGluRアゴニストおよびアンタゴニストがないために、特定のmGluRの生理的機能の解明が妨げられ、CNSに作用するmGluRの関与する病理生理学的プロセスは未だに確定されていない。しかし、入手可能な非特異的アゴニストおよびアンタゴニストを用いる研究により、グループIIおよびグループIIIのmGluRと比較するとグループI mGluRに関しては一般的知見がいくらか得られている。 【0010】 グループI mGluRの生理学的役割を解明する試みにより、これらの受容体の活性化が神経興奮を誘発することが示唆されている。様々な研究が、海馬、大脳皮質、小脳、視床、ならびに脳の他の領域内のニューロンにACPDを作用させると、シナプス後興奮を起こしうることを証明している。この興奮がシナプス後のmGluRの直接的な活性化によるものであることが証拠により示されているが、シナプス前mGluRの活性化が起こり、それにより神経伝達物質の放出が増加することも示唆されている。Baskys,Trends Pharmacol.Sci.15:92(1992);Schoepp,Neurochem.Int.24:439(1994);Pinら、Neuropharmacology34:1(1995)を参照のこと。 【0011】 薬理学的実験により、グループI mGluRが上記興奮の機序におけるメディエーターとして関与していることが示されている。ACPDの作用は、iGluRアンタゴニストの存在下で低濃度のキスカル酸により再現することができる。Huら、Brain Res.568:339(1991);Greeneら、Eur.J.Pharmacol.226:279(1992)を参照のこと。mGluR1を活性化することが知られている2種のフェニルグリシン化合物、即ち(S)-3-ヒドロキシフェニルグリシン((S)-3HPG)および(S)-3,5-ジヒドロキシフェニルグリシン((S)-DHPG)もまた、興奮を誘起する。Watkinsら、Trends Pharmacol.Sci.15:33(1994)を参照のこと。さらに、mGluR1アンタゴニストであることが知られている化合物、(S)-4-カルボキシフェニルグリシン((S)-4CPG)、(S)-4-カルボキシ-3-ヒドロキシフェニルグリシン((S)-4C3HPG)および(+)-α-メチル-4-カルボキシフェニルグリシン((+)-MCPG)により興奮がブロックされる。Eatonら、Eur.J.Pharmacol.244:195(1993);Watkinsら、Trends Pharmacol.Sci.15:333(1994)参照のこと。 【0012】 代謝型グルタミン酸受容体は、哺乳動物のCNSにおいて多くの正常なプロセスに関係していると考えられてきた。mGluRの活性化が海馬の長期増強および小脳の長期抑制の誘導に必要であることが示されている。Bashirら、Nature363:347(1993);Bortolottoら、Nature368:740(1994);Aibaら、Cell79:365(1994);Aibaら、Cell79:377(1994)を参照のこと。痛覚および無痛覚におけるmGluRの活性化の役割もまた示されている。Mellerら、Neuroreport4:879(1993)を参照のこと。さらに、mGluRの活性化が他の様々な正常なプロセス(シナプス伝達、神経発達、アポトーシス神経細胞死、シナプス可塑性、空間学習、嗅覚記憶、心臓の活動の中枢制御、覚醒、運動制御、および前庭眼反射の制御が含まれる)において調節を担っていることが示唆されている。概論として、中西、Neuron13:1031(1994);Pinら、Neuropharmacology34:1;Knopfelら、J.Med.Chem.38:1417(1995)を参照のこと。 【0013】 代謝型グルタミン酸受容体がCNSに作用する様々な病理生理学的プロセスおよび疾患症状に関与していることも示唆されている。該疾患には、脳卒中、頭部外傷、無酸素性および虚血性損傷、低血糖症、癲癇、ならびにアルツハイマー病などの神経変性疾患が含まれる。Schoeppら、Trends Pharmacol.Sci.14:13(1993);Cunninghamら、Life Sci,54:135(1994);Hollmanら、Ann.Rev.Neurosci.17:31(1994);Pinら、Neuropharmacology34:1(1995);Knopfelら、J.Med.Chem.38:1417(1995)を参照のこと。これらの症状の病態の多くは、CNSニューロンの過度のグルタミン酸誘導性興奮に起因すると考えられている。グループI mGluRsはシナプス後の機序およびシナプス前グルタミン酸放出の増大を介してグルタミン酸介在性神経興奮を増大し、該受容体の活性化がかかる病態の原因であろうと考えられている。従って、グループI mGluR受容体の選択的アンタゴニストは、治療に有用であり、特に神経保護剤、鎮痛薬、または抗痙攣剤として有益であろう。 【0014】 入手可能なmGluRアゴニスおよびアンタゴニストを用いて治療薬としての可能性を調べる予備的な研究からは、矛盾していると思われる結果が得られた。例えば、海馬ニューロンにACPDを作用させると、発作および神経損傷を起こす(Sacaanら、Neurosci.Lett.139:77(1992);Lippartiら、Life Sci.52:85(1993)を参照のこと。しかし、他の研究は、ACPDは癲癇の活性を阻害し、神経保護特性も示しうる。Taschenbergerら、Neuroreport3:629(1992);Sheardown、Neuroreport3:916(1992);Kohら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:9431(1991);Chiamuleraら、Eur.J.Pharmacol.216:335(1992);Siliprandiら、Eur.J.Pharmacol.219:173(1992);Pizziら、J.Neurochem.61:683(1993)を参照のこと。 【0015】 これらの矛盾する結果は、ACPDに選択性が乏しく、ACPDが複数の異種のmGluRサブタイプの活性化を起こすことによると考えられる。神経損傷を見出した研究では、グループI mGluRは活性化され、その結果望ましくない興奮性神経伝達が増大したと考えられる。神経保護作用を示す研究では、グループIIおよび/またはグループIIIのmGluRの活性化が起こり、シナプス前グルタミン酸放出が阻害され、そして興奮性神経伝達が減少したと考えられる。 【0016】 この解釈は、グループI mGluRアンタゴニストであり、かつグループII mGluRアゴニストである(S)-4C3HPGは、DBA/2マウスにおいては聴原性発作から保護するが、グループII mGluR選択的アゴニストであるDCG-IVおよびL-CCG-IがNMDA-誘導性およびKA-誘導性の傷害からニューロンを保護する。Thomsenら、J.Neurochem.62:2492(1994);Brunoら、Eur.J.Pharmacol.256:109(1994);Pizziら、J.Neurochem.61:683(1993)を参照のこと。 【0017】 予測に基づくと、現在入手可能なmGluRアゴニストおよびアンタゴニストは、その能力および選択性が乏しいため限界があることが明らかである。さらに、現在入手可能な化合物のほとんどがアミノ酸またはアミノ酸誘導体であり、生物学的利用性も限られており、そのために、mGluRの生理学、薬理学およびそれらの治療薬としての可能性を調べるin vivoにおける研究が困難である。代謝型グルタミン酸受容体であるグループIサブタイプの活性化を選択的に阻害する化合物は、老人性痴呆症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティントン舞踏病、疼痛、片頭痛、癲癇、頭部外傷、無酸素性および虚血性損傷、精神性障害(精神分裂病、うつ病および不安症など)、眼性障害(例えば、糖尿病性網膜症、緑内障などの網膜症など)および耳鳴りなどの聴覚的症状の神経障害、神経障害性疾病障害(糖尿性ニューロパシー、化学療法誘発性ニューロパシー、ヘルペス後神経痛および三叉神経痛などを含む神経障害性疾患を含む)等の神経性障害および疾患の治療に有用であろう。 【0018】 従って、個別のmGluRサブタイプ、特にグループI受容体サブタイプに対して高い選択性を示す強力なmGluRアゴニストおよびアンタゴニストに対する要望がある。 【0019】 発明の概要 従って、本発明の目的は、個々の代謝型グルタミン酸受容体サブタイプに対して高度の力価(potency)と選択性を示す代謝型グルタミン酸受容体活性をもつ化合物を同定すること、およびこれらの化合物を製造する方法を提供することである。 【0020】 本発明のさらなる目的は、個々の代謝型グルタミン酸受容体サブタイプに対して高度の力価と選択性を示す化合物を含有する医薬組成物を提供すること、およびこれらの医薬組成物を製造する方法を提供することである。 【0021】 本発明のさらに別の目的は、mGluRグループI受容体の活性化を抑制する方法、およびmGluRグループI受容体、特にmGluR5の興奮活性化により起こるニューロン損傷を抑制する方法を提供することである。 【0022】 本発明のさらに別の目的は、mGluRグループI受容体、特にmGluR5の興奮活性化に関連する疾患を治療する方法を提供することである。 【0023】 上記目的およびその他の目的を達成するために、本発明はグループI mGluR、特にmGluR5の強力なアンタゴニストを提供する。これらのアンタゴニストは式I: Ar1-G-Ar2 (式中、Ar1は置換されていてもよいヘテロ芳香族基であり、そしてAr2は置換されていてもよいベンゼン環である)で表すことができる。G基は、Ar1およびAr2基と共有結合してAr1およびAr2基の正しい空間的配向の選択を容易にするだけでなく、それ自身がタンパク質と相互作用して受容体結合に影響を与えうる基である。 【0024】 本発明のある実施形態においては、Gは、-NH-、-S-、-O-、-CO-、-CONH-、-CONHCH2-、-CH2CONH-、-CNHNH-、-CNHNHCH2-、-C=NO-CH2-、-CH2NHCH2-、-CH2CH2NH-、-NHCH2CO-、-NHCH2CHOH-、-NHCNHNH-、-NHCONH-、シクロペンタン、シクロペンタジエン、フラン、チオフラン、ピロリジン、ピロール、2-イミダゾリン、3-イミダゾリン、4-イミダゾリン、イミダゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、オキサゾール、2-オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1H-1,2,4-トリアゾール、1H-1,2,3-トリアゾール、1,2,4-オキサチアゾール、1,3,4-オキサチアゾール、1,4,2-ジオキサゾール、1,4,2-オキサチアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1H-テトラゾール、シクロヘキサン、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、1,4-ジヒドロピリジン、ピリジン、ベンゼン、テトラヒドロピラン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン、2H-ピラン、4H-ピラン、テトラヒドロチオピラン、3,4-ジヒドロ-2H-チオピラン、2H-チイン、4H-チオピラン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリアジン、および1,2,4,5-テトラジンからなる群から選択される。 【0025】 本発明の他の実施形態においては、Ar1はフェニル、ベンジル、ナフチル、フルオレニル、アントレニル、インデニル、フェナントレニル、およびベンゾナフテニルからなる群から選択され、ならびにAr2はチアゾイル、フリル、ピラニル、2H-ピロリル、チエニル、ピロイル、イミダゾイル、ピラゾイル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、3H-インドリル、インドリル、インダゾイル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタリジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、イソチアゾリル、キノキサリニル、インドリジニル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、およびクロメニルからなる群から選択される。 【0026】 さらに他の実施形態においては、本発明の化合物は、式II: 【化4】 (式中、X、Y、およびZは、独立して、N、O、S、C、およびCOからなる群から選択され、ここで、X、Y、およびZの少なくとも1つはヘテロ原子であり; Ar1およびAr2は、独立して、N、O、およびSからなる群から選択される1?4個のヘテロ原子を含有するヘテロ環式基または縮合ヘテロ環式基、ならびにフェニル、ベンジル、1-ナフチル、2-ナフチル、フルオレニル、アントレニル、インデニル、フェナントレニル、およびベンゾナフテニルからなる群から選択される芳香族基からなる群から選択され、ここで、Ar1基およびAr2基は、-F、-Cl、-Br、-I,-OR,-SR,-SOR,-SO2R,-SO2NRR’,-OCOR,-OCONRR’,-NRCOR’,-NRCO2R’、-CN、-NO2,-CO2R、-CONRR’、-C(O)R、-CH(OR)R’、-CH2(OR)、-R、および-A-(CH2)n-NRR’からなる群から選択される1以上の基によって置換されていてもよく;ここで、RまたはR’は、H、CF3、C1-C10アルキル、シクロアルキル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールからなる群から選択され、その際、RとR’は結合して環を形成していてもよく、AはCH2、O、NH、S、SO、SO2として定義され、nは1、2、3、または4である。)で表すことができる。ヘテロ環式基または縮合ヘテロ環式基は好ましくは、キノリル、キナゾリル、キノキサリル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ピリミジル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、およびピラジルからなる群から選択される。 【0027】 本発明の好ましい実施形態においては、本発明の化合物は、3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(1-ナフチル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,5-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-クロロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(3-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-メトキシピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-キノリニル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-5-(3シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾールおよび3-(2-ピリジル)-5-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-ニトロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-ブロモフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールならびに薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される。 【0028】 本発明の他の実施形態においては、本発明の化合物は、2-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-メチルフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(1-ナフチル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-トリフルオロメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2,3-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(5-クロロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(3-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(5-メトキシピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(2-キノリニル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2-ブロモ-5メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾールおよび2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-ニトロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-ブロモフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾールならびに薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される。 【0029】 本発明の他の実施形態に従って、式Iおよび式IIにおいて上に記述した化合物を、製薬上許容される希釈剤または賦形剤と一緒に含んでなる医薬組成物が提供される。 【0030】 本発明のさらに別の実施形態に従って、上に記述した化合物を製造する方法を提供する。特定して説明すると、本発明の化合物は一般的に、適当なAr1とAr2基を含有する2つの前駆体化合物の間にG基を形成することによって調製することができる。リンカーが1,2,4-オキサジアゾールを含有するときには、周知の技術であるアミドキシムと酸塩化物との間の反応などを利用してまたはアミドキシムとアシルイミダゾールとの反応により、ヘテロ環を形成することができる。そのような変換の説明を以下の実施例3から6で提供する。 【0031】 アミドキシムは、Ar1置換ニトリルとヒドロキシルアミンとの反応により、周知の技術を利用して調製することができる。そのような変換の説明を、以下の実施例1で提供する。 【0032】 ほとんどの事例において、前駆体Ar2カルボニルクロリドは容易に入手しうるか、または単純明快な有機化学の技術を利用して調製することができる。例えば、カルボン酸を塩化チオニルまたは塩化オキサリルなどとの反応によって対応する酸塩化物に転化してもよい。 【0033】 リンカーが1,3-オキサゾールを含有する事例において、化合物を、Kellyら,J.Org.Chem.61,4623-4633(1996)に記載されたのと類似の方法により調製した。3,5-二置換-1,3-オキサゾールは、ハロケトンとカルボキサミドを還流トルエン中で3日間反応させて調製した。得られた混合物を室温まで冷却し、溶媒を除去し、そして残留物を精製した。 【0034】 本発明のさらなる実施形態に従って、mGluRグループI受容体を含有する細胞を上に記述した化合物の有効量を用いて処理することを含んでなる、mGluRグループI受容体、特にmGluR5の活性化を抑制する方法を提供する。 【0035】 本発明のさらに他の実施形態においては、ニューロンを上に記述した化合物の有効量を用いて処理することを含んでなる、mGluRグループI受容体の興奮活性化により起こるニューロンの損傷を抑制する方法を提供する。 【0036】 本発明のさらなる実施形態に従って、グルタミン酸誘導ニューロン損傷に関連する疾患もしくは障害を治療する方法、またはグループI mGluR活性化に関連するかもしくはmGluRグループIアンタゴニストによる治療介入に適合した疾患もしくは障害を治療する方法であって、前記疾患もしくは障害を患う患者に上に記述した組成物の有効量を投与することを含んでなり、ここで前記疾患もしくは障害が老人性痴呆症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティントン舞踏病、疼痛、片頭痛、癲癇、頭部外傷、無酸素性もしくは虚血性損傷、精神障害、例えば精神分裂病、うつ病、不安症、糖尿病性網膜症、緑内障、耳鳴り、糖尿病性ニューロパシー、化学療法誘発性ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、および三叉神経痛からなる群から選択される、方法を提供する。 【0037】 本発明の他の目的、特徴および利点は以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、説明に使うためにだけ記載したのであり、当業者にはこの詳細な説明から本発明の精神および範囲内の様々な改変と修正が明らかになるであろう。 【0038】 図面の簡単な説明 図面の簡単な説明については下記参照。 【0039】 発明の詳細な説明 本発明はmGluR5の強力かつ選択的なアンタゴニストである化合物を提供する。 本発明が意図する化合物は、一般式I: Ar1-G-Ar2 (I) (式中、Ar1は置換されていてもよいヘテロ環式基であり、そしてAr2は置換されていてもよい炭素環式基である)で表すことができる。G基は、Ar1およびAr2基と共有結合してAr1およびAr2基の正しい空間的配向の選択を容易にするだけでなく、それ自身がタンパク質と相互作用して受容体結合を可能にしうる基である。 【0040】 Ar1およびAr2基の構造 Ar1基は、ヘテロ環式基として一般的に定義され、Ar2基は炭素環式基として一般的に定義される。Ar1およびAr2は単環または縮合した二環式基であってもよい。Ar2は好ましくはアリールまたはアルカリール(alkaryl)基として定義される。Ar1は好ましくはヘテロ環、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル基として定義される。Ar1に包含される環系は、N、S、およびOからなる群から独立して選択される4個以下のヘテロ原子を含有できる。Ar1がヘテロアリール環または環系であるときは、好ましくは1もしくは2個のヘテロ原子を含有する。ヘテロ原子の少なくとも1つは好ましくは窒素(N)である。ヘテロ環式基または縮合ヘテロ環式基は、好ましくはキノリル、キナゾリル、キノキサリル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ピリミジル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、およびピラジルからなる群から選択される。 【0041】 単環式Ar1基としては、限定されるものでないが:チアゾイル、フリル、ピラニル、2H-ピロリル、チエニル、ピロイル、イミダゾイル、ピラゾイル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、およびピリダジニル基が挙げられる。単環式Ar2基としては、限定されるものでないが、フェニルおよびベンジルが挙げられる。縮合二環式Ar2基としては、限定されるものでないが、ナフチル、フルオレニル、アントレニル、インデニル、フェナントレニル、およびベンゾナフテニルが挙げられる。縮合二環式Ar1基としては、限定されるものでないが:ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、3H-インドリル、インドリル、インダゾイル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタリジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、イソチアゾリル、キノキサリニル、インドリジニル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、およびクロメニル基が挙げられる。Ar1基は好ましくは2-ピリジル基である。Ar2は好ましくは置換されたフェニル基である。 【0042】 Ar1およびAr2基は、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3O-アルキル、-OH、-OCF3、-COOR、-COR、-SOR、-SO2NRR’、-NRR’、-CN、-CF3、-CO-NRR’、-A-(CH2)n-NRR’(式中、AはC、O、N、SO、SO2であり、RとR’はC1-C3アルキル、H、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールからなる群から独立して選択され、そしてnは1、2、3、または4である)からなる群から選択される1以上の基によって独立して置換されていてもよい。 【0043】 G基の構造 G基は、一般的に1?14個の原子から成っている。Gは、原子団:C、H、N、O、およびSから独立して選択することができる。 【0044】 従って、G基は非環式基から成ってもよい。これらの複数の例は、例えば-NH-(アミン)、-S-(チオエーテル)、-O-(エーテル)、-CO-(ケトン)、-CONH-(アミド)、-CONHCH2-、-CH2CONH-、-CNHNH-(アミジン)、-CNHNHCH2-、-C=NO-CH2-(メトキシム)、-CH2NHCH2-、-CH2CH2NH-、-NHCH2CO-、-NHCH2CHOH-、-NHCNHNH-(グアニジン)、および-NHCONH-(尿素)である。 【0045】 G基の原子配置はまた、5員環を形成するように作ってもよい。これらの複数の例は、例えばシクロペンタン、シクロペンタジエン、フラン、チオフラン、ピロリジン、ピロール、2-イミダゾリン、3-イミダゾリン、4-イミダゾリン、イミダゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、オキサゾール、2-オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1H-1,2,4-トリアゾール、1H-1,2,3-トリアゾール、1,2,4-オキサチアゾール、1,3,4-オキサチアゾール、1,4,2-ジオキサゾール、1,4,2-オキサチアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、および1H-テトラゾールである。1,2,4-オキサジアゾールが最も好ましい。 【0046】 G基の原子配置はまた、6員環を形成するように作ってもよい。これらの複数の例は、例えばシクロヘキサン、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、1,4-ジヒドロピリジン、ピリジン、ベンゼン、テトラヒドロピラン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン、2H-ピラン、4H-ピラン、テトラヒドロチオピラン、3,4-ジヒドロ-2H-チオピラン、2H-チイン、4H-チオピラン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリアジン、および1,2,4,5-テトラジンである。 【0047】 G基の原子配置はまた、1以上のカルボニル基を含有する5または6員環を形成するように作ってもよい。これらの複数の例は、例えば2-アゼチジノン、1,2-ジアゼチジン-3-オン、シクロペンタノン、2-シクロペンテノン、2-ピロリジノン、3-ピロリン-2-オン、スクシンイミド、マレイミド、3-ピラゾリジノン、2-イミダゾリドン、4-イミダゾリン-2-オン、2H-イミダゾール-2-オン、4-イミダゾリノン、3-ピラゾリン-5-オン、ヒダントイン、1H-イミダゾール-2,5-ジオン、2-オキサゾリン-4-オン、2-オキサゾリジノン、3-オキサゾリン-5-オン、3(2H)-イソオキサゾロン、2,4-オキサゾリジンジオン、1,2,4-トリアゾリン-3,5-ジオン、2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン、2H-ピラン-2-オン、2(1H)-ピリドン、2(1H)-ピラジノン、4(3H)-ピリミドン、3,4-ジヒドロピリミジン-4-オン、グルタルイミド、4,6-(1H,5H)-ピリミジンジオン、1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン、およびシアヌル酸である。 【0048】 好ましい実施形態においては、Gはヘテロ環の5員環系を含んでなる。好ましくは、Gはオキサゾールまたは1,2,4-オキサジアゾール環である。G基は、Ar1およびAr2基に対する2つの可能な配向のいずれか1つを有しうる。従って、例えば、本発明は4-(Ar1)-2-(Ar2)-オキサゾールまたは3-(Ar1)-5-(Ar2)-1,2,4-オキサジアゾールの配置を有する化合物が好ましい。 【0049】 さらに他の実施形態においては、本発明の化合物は式II: 【化5】 (式中、X、Y、およびZは、独立して、N、O、S、C、およびCOからなる群から選択され、ここで、X、Y、およびZの少なくとも1つはヘテロ原子であり; Ar1およびAr2は、独立して、N、O、およびSからなる群から選択される1?4個のヘテロ原子を含有するヘテロ環式基または縮合ヘテロ環式基、ならびにフェニル、ベンジル、1-ナフチル、2-ナフチル、フルオレニル、アントレニル、インデニル、フェナントレニル、およびベンゾナフテニルからなる群から選択される芳香族基からなる群から選択され、ここで、Ar1基およびAr2基は、-F、-Cl、-Br、-I,-OR、-SR、-SOR、-SO2R、-SO2NRR’、-OCOR、-OCONRR’、-NRCOR’、-NRCO2R’、-CN、-NO2、-CO2R、-CONRR’、-C(O)R、-CH(OR)R’、-CH2(OR)、-R、および-A-(CH2)n-NRR’からなる群から選択される1以上の基によって置換されていてもよく;ここで、RまたはR’は、H、CF3、C1-C10アルキル、シクロアルキル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールからなる群から選択され、その際、RとR’は結合して環を形成していてもよく、AはCH2、O、NH、S、SO、SO2として定義され、nは1、2、3、または4である。)で表すことができる。 【0050】 本発明の好ましい実施形態においては、本発明の化合物は、3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(1-ナフチル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,5-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-クロロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(3-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(5-メトキシピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-キノリニル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾールおよび3-(2-ピリジル)-5-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2-ピリジル)-5-(3-ニトロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール、3-(2ピリジル)-5-(3-ブロモフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールならびに薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される。 【0051】 本発明の他の実施形態においては、本発明の化合物は、2-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2-クロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-メチルフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(1-ナフチル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-トリフルオロメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2,3-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(5-クロロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(3-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3,5-ジメトキシフェニル)-4-(5-フルオロピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(5-メトキシピリド-2-イル)-1,3オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(2-キノリニル)-1,3-オキサゾール、2-(3-シアノフェニル)-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-1,3-オキサゾール、2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾールおよび2-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-ニトロフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾール、2-(3-ブロモフェニル)-4-(2-ピリジル)-1,3-オキサゾールならびに薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される。 【0052】 グループI mGluRアンタゴニストの調製 本発明の化合物を調製するための多数の出発物質は、Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)などの会社から市販されている。さらに、本発明の化合物は市販の前駆体から、当業界で周知の直接的な変換を利用して容易に調製される。当業者は、本発明によるグループI mGluRアンタゴニストを、広く認識された有機化学の技術を利用して公知の方法により、調製し得ることを理解するであろう。適当な反応は有機化学の標準的教科書に記載されている。例えば、March,「最近の有機化学(ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY)」,第2版,McGraw Hill(1977)を参照。 【0053】 さらに具体的に説明すると、本発明の化合物は一般的に、適当なAr1とAr2基を含有する2つの前駆体化合物の間にG基を形成することによって調製することができる。リンカーが1,2,4-オキサジアゾールを含有するときは、周知の技術であるアミドキシムと酸塩化物との間の反応などを利用してまたはアミドキシムとアシルイミダゾールとの反応により、ヘテロ環を形成することができる。そのような反応の説明を後述の実施例3から6で提供する。 【0054】 アミドキシムは、Ar1置換ニトリルとヒドロキシルアミンとの反応により、周知の技術を利用して調製することができる。そのような変換の例は後述の実施例1で提供する。 【0055】 ほとんどの場合、前駆体Ar2酸塩化物は容易に入手し得るか、または有機化学の直接的な技術を用いて調製することができる。例えば、カルボン酸を対応する酸塩化物に、例えば塩化チオニルまたは塩化オキサリルとの反応によって転化してもよい。 【0056】 リンカーが1,3-オキサゾールを含有する場合は、化合物を、Kellyら,J.Org.Chem.61,4623-4633(1996)に記載されたものと類似の方法により調製した。従って、3,5-二置換-1,3-オキサゾールは、ハロケトンとカルボキサミドを還流トルエン中で3日間混合することによって調製した。得られた混合物を室温まで冷却し、溶媒を除去し、そして残留物を精製した。 【0057】 mGluRグループIアンタゴニスト活性に対する化合物の試験 本発明の化合物の薬理学的性質は、機能的活性に対する標準的アッセイを用いて分析することができる。グルタミン酸受容体アッセイの例は、当業界で周知であり、例えば、Aramoriら,Neuron8:757(1992);Tanabeら,Neuron8:169(1992);Millerら,J.Neuroscience15:6103(1995);Balazsら,J.Neurochemistry69:151(1997)を参照。これらの文献に記載の方法は参照により本明細書に組み入れられる。 【0058】 好都合なことに、本発明の化合物は、その化合物と結合しうるmGluR5を発現する細胞における細胞内カルシウム動員、[Ca2+]iを測定するアッセイを利用して調べることができる。この目的に適した周知の細胞系は、Millerら,J.Neuroscience15:6103(1995)に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。ラットの星状細胞を、成長因子である塩基性繊維芽細胞増殖因子、EGF、またはトランスフォーミング増殖因子αに曝露すると、内因性mGluR5のタンパク質発現および機能活性が顕著に増加することがわかっている(Millerら,J.Neuroscience15(9):6103-6109(1995))。 【0059】 簡単に説明すると、Millerらの方法を改変して用い、3?5日齢のSprague-Dawley系の幼齢ラットから初代培養星状細胞を調製し、ウシ胎仔血清(FCS)を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中のポリ-Lリジンでコートしたフラスコ上にプレーティングした。キュベットでの分析のために、培養物を成長因子を用いてフラスコ内で3?5日間アップレギュレーションさせ、次いで培養物を回収し、[Ca2+]i動員を測定するために、記載(Nemethら,1998)のとおり調製した。 【0060】 蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)分析のために、細胞を、底が透明で側部が黒いポリ-D-リジンでコートした96ウエルのプレート上にまいて、成長因子のアップレギュレーションの3日後に[Ca2+]i動員の分析を実施した。 【0061】 FLIPR実験は、0.800Wのレーザー設定と0.4秒のCCDカメラシャッター速度で実施した。それぞれのFLIPR実験は、細胞プレートの各ウエル内に180μLのバッファーがある状態で開始した。化合物をそれぞれ添加した後に、蛍光シグナルを1秒間隔で50回サンプリングし、その後、5秒間隔で3回サンプリングした。応答は、サンプリング期間内の応答のピークの高さとして測定した。 【0062】 EC50とIC50の決定は、2連で実施した8ポイントの濃度応答曲線(CRC)から得たデータを用いて行った。アゴニストのCRCは、全ての応答をそのプレートで観察された最大応答に対してスケーリングして作製した。アゴニストチャレンジのアンタゴニストブロックは、同じプレート上の14個の対照ウエルにおけるアゴニストチャレンジの平均応答に対して標準化した。本発明の化合物を試験するための詳細なプロトコルを後述の実施例4に提供した。 【0063】 mGluRアンタゴニストを含有する医薬組成物の製造および神経学的障害の治療におけるそれらの使用 本発明の化合物は神経性障害または疾患の治療に有用である。これらの化合物は典型的にはヒト患者の治療に用いられるが、類似または同一の疾患の治療のための獣医薬でも使用することができる。 【0064】 治療的および/または診断的適用では、本発明の化合物は、全身および局所または局部投与をはじめ、種々の投与様式のために処方することができる。技術および処方は、一般的にRemington’s Pharmaceutical Sciences:Drug Receptors and Receptor Theory,第18版,Mack Publishing Co.(1990)に示されている。 【0065】 本発明の化合物は広範な用量範囲にわたって有効である。例えばヒト成人の治療では、60?70kgの成人に対して1日当たり約0.01?約1000mg、好ましくは60?70kgの成人に対して約0.5?約100mgの用量が用いられる。さらに好ましい用量は60?70kgの成人に対して1日当たり約2mg?約70mgである。厳密な用量は投与経路、その化合物が投与される形態、治療される患者(被験体)、治療される患者の体重、および担当医の選択や経験によって異なる。 【0066】 薬学的に許容される塩は一般に当業者に周知であり、限定されるものではないが例示すれば、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベシル酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩(edisylate)、エストール酸塩(estolate)、エシル酸塩(esylate)、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフト酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩(lactobionate)、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩(mesylate)、粘液酸塩(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガロクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩またはテオクル酸塩が挙げられる。その他の薬学的に許容される塩は例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences;(第18版(前出)に見出せる。 【0067】 好ましい薬学的に許容される塩としては、例えば、酢酸塩、安息香酸塩、臭化物、炭酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、ナプシル酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、リン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩または酒石酸塩が挙げられる。 【0068】 治療される特定の症状にもよるが、かかる薬剤は液体または固形剤形に製剤化し、全身または局所投与すればよい。これらの薬剤は当業者に公知であるように、例えば持効性または徐放性剤形で送達され得る。製剤技術および投与はRemington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,(前出)に見出せる。好適な経路としては、経口、口内、舌下、直腸、経皮、膣内、経粘膜、経鼻または腸内投与;筋肉内、皮下、随内注射をはじめとする非経口送達;ならびに鞘内、直接心室内、静脈内、腹腔内、経鼻、または眼内注射などが挙げられる。 【0069】 注射については、本発明の薬剤は水溶液、好ましくはハンクス液、リンゲル液または生理食塩水緩衝液のような生理学上適合する緩衝液中に処方すればよい。かかる経粘膜投与については、浸透されるバリアに適当な浸透剤が製剤に用いられる。かかる浸透剤は一般に当技術分野で公知である。 【0070】 本発明の実施のために本明細書で開示される化合物を全身投与に好適な剤形に製剤化することを目的として製薬上許容される担体を用いることも本発明の範囲内にある。担体および好適な製造方法を適正に選択することで、本発明の組成物、特に溶液として製剤化されたものは、静脈注射によるなど非経口的に投与することができる。本発明の化合物は当技術分野で周知の製薬上許容される担体を用いて経口投与に好適な剤形へと容易に製剤化できる。かかる担体により本発明の化合物を、治療される患者による経口摂取用の錠剤、丸剤、カプセル剤、水剤、ゲル剤、シロップ、スラリー、懸濁剤などとして製剤化することが可能となる。 【0071】 本発明での使用に好適な医薬組成物としては、有効成分が意図される目的を達成するのに有効な量で含まれる組成物が挙げられる。有効量の決定は、特に本明細書に示されている詳細な開示を参照すれば、十分当業者の能力の範囲内にある。 【0072】 これらの医薬組成物は、有効成分の他、有効化合物の医薬上使用することができる製剤への加工を助ける賦形剤および補助剤を含んでなる好適な製薬上許容される担体を含んでいてもよい。経口投与向けに処方される製剤は、錠剤、糖衣錠、カプセル剤または溶液の形態であってもよい。 【0073】 経口使用のための医薬製剤は、有効化合物と固形賦形剤を混合し、所望により得られた混合物を摩砕し、さらに所望により好適な補助剤を加えた後にこの顆粒混合物を加工して錠剤または糖衣剤コアにすることで得ることができる。好適な賦形剤は特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールをはじめとする糖のような増量剤;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、および/またはポリビニルピロリドン(PVP:ポビドン)がある。所望により、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムのようなその塩といった崩壊剤を加えてもよい。 【0074】 糖衣錠コアには好適なコーティングを施す。この目的のためには濃縮糖溶液を用いてもよく、これは所望によりアラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール(PEG)、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含んでもよい。種々の組合せの有効化合物量を識別または特徴づけるために、染料または色素を錠剤または糖衣錠コーティングに加えてもよい。 【0075】 経口使用できる医薬製剤としては、ゼラチン製のプッシュ・フィットカプセル、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールのような可塑剤から製造された密閉軟カプセルが挙げられる。プッシュ・フィットカプセルは有効成分をラクトースのような増量剤、デンプンのような結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、ならびに場合によっては安定剤と混合して含むことができる。軟カプセルでは、有効化合物は、脂肪油、液体パラフィンまたは液体ポリエチレングリコール(PEG)のような好適な液体に溶解または懸濁すればよい。さらに安定剤を加えてもよい。 【0076】 このように概略的に説明した本発明は以下の実施例によってより容易に理解されるが、これらの実施例は例示のためのものであって、本発明を限定しようとするものではない。 【0077】 実施例 一般的実験法 キャピラリーガスクロマトグラフィーおよび質量スペクトルデータは、HP5971シリーズ質量選択検出器[Ultra-2超高性能キャピラリーカラム(架橋5%PhMeシリコーン)とつないだHewlett-Packard(HP)5890シリーズIIガスクロマトグラフを使って取得した;カラム長、25m;カラム内径、0.20mm;ヘリウム流量、60mL/分;インジェクター温度、250℃;温度プログラム、125から325℃まで10分間(20℃/分)、次いで325℃で6分間一定に保持]。薄層クロマトグラフィーは、Analtech Uniplate250-μmシリカゲルHF TLCプレートを使って実施した。TLCプレート上の化合物を検出するために、UV光を時折ニンヒドリンおよびドラゲンドルフ(Dragendorff)スプレー試薬(Sigma Chemical Co.)と組合せて用いた。反応に使用した試薬のほとんどは、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,WI)、Sigma Chemical Co.(Saint Louis,MO)、Fluka Chemical Corp.(Milwaukee,WI)、Fisher Scientific(Pittsburgh,PA)、TCI America(Portland,OR)、またはLancaster Synthesis(Windham,NH)から購入した。 【0078】 実施例1 アミドキシム中間体の合成 ピリド-2-イルアミドキシム 【化6】 Shineら,J.Heterocyclic Chem.(1989)26:125-128の方法を使い、ヒドロシルアミン塩酸塩(7.65g,110mmol)を含むエタノール(100mL)を水酸化ナトリウム溶液(10Nの11mL,110mmol)を用いて処理した。沈殿が速やかに形成し、反応混合物を周囲温度で30分間攪拌した。無機性沈殿を濾過し、エタノール(100mL)を用いてすすいだ。濾液とエタノール洗浄液を一緒にして、2-シアノピリジン(10.4g,100mmol)を用いて処理した。反応混合物を20時間、加熱還流した。次いで揮発物を真空にて除去し、13.3g(97%)のピリド-2-イルアミドキシムを得た。 【0079】 3-メトキシベンズアミドキシム 【化7】 アミドキシム合成の一般法を利用し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(7.65g,110mmol)、水酸化ナトリウム(10Nの11mL,110mmol)、および3-メトキシベンジルニトリル(12.2mL,100mmol)を使用して9.9g(60%)の3-メトキシベンズアミドキシムを得た。 【0080】 5-クロロピリド-2-イルアミドキシム 【化8】 2,5-ジクロロピリジン(1.48g,10mmol)、シアン化亜鉛(705mg,6mmol)、亜鉛(粉末,29mg,0.45mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(1:1)(0.18g,0.22mmol)の混合物を含むN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を5時間加熱還流した。冷却後、反応物を酢酸エチルを用いて希釈し、水とブラインを用いて抽出した。シリカゲルクロマトグラフィーによって735mg(53%)の2-シアノ-5-クロロピリジンを得た。 【0081】 アミドキシム合成の一般法を利用し、2-シアノ-5-クロロピリジン(735mg,5.3mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(5Mの1.2mL,6mmol)を含むエタノール(7mL)溶液、および水酸化ナトリウム(10Nの0.61mL,6.1mmol)を、24時間加熱還流した。標準的後処理によって707mg(77%)の5-クロロピリド-2-イルアミドキシムを得た。 【0082】 5-フルオロピリド-2-イルアミドキシム 【化9】 2-シアノ-5-クロロピリジン(1g,7.22mmol)およびフッ化カリウム(1.26g,21.68mmol)の混合物を含む1-メチル-2-ピロリジノン(25mL)を18時間加熱還流した。冷却後、反応物を酢酸エチルを用いて希釈し、水とブラインを用いて抽出した。次いで有機溶媒を真空で除去した。残留物のシリカゲルクロマトグラフィー処理により、425mg(48%)の2-シアノ-5-フルオロピリジンを得た。 【0083】 アミドキシム合成の一般法を利用し、2-シアノ-5-フルオロピリジン(425mg,3.48mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(5Mの0.79mL,3.95mmol)を含むエタノール(5mL)溶液、および水酸化ナトリウム(10Nの0.398mL,3.98mmol)を、24時間加熱還流した。標準的後処理によって330mg(61%)の5-フルオロピリド-2-イルアミドキシムを得た。 【0084】 5-メトキシピリド-2-イルアミドキシム 【化10】 2-シアノ-5-フルオロピリジン(0.65g,5.3mmol)を含むナトリウムメトキシド(25重量%メタノール溶液の1.83mL,7.95mmol)溶液を0℃で1.5時間、次いで周囲温度で2時間、攪拌した。次いで反応物を酢酸エチルを用いて希釈し、水とブラインを用いて洗浄した。溶媒を真空で除去することで、304mg(43%)の2-シアノ-5-メトキシピリジンを得た。 【0085】 アミドキシム合成の一般法を利用し、2-シアノ-5-メトキシピリジン(270mg,2.01mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(5Mの0.457mL,2.28mmol)を含むエタノール(4mL)溶液、および水酸化ナトリウム(10Nの0.230mL,2.30mmol)を、24時間加熱還流した。標準的後処理によって、79mg(24%)の5-メトキシピリド-2-イルアミドキシムを得た。 【0086】 3-フルオロピリド-2-イルアミドキシム 【化11】 2,3-ジクロロピリジン(1.48g,10mmol)、シアン化亜鉛(705mg,6mmol)、亜鉛(粉末,29mg,0.45mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(1:1)(0.18g,0.22mol)の混合物を含むN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を5時間加熱還流した。冷却後、反応物を酢酸エチルを用いて希釈し、水とブラインを用いて抽出した。溶媒を除去し、シリカゲルクロマトグラフィーによって1.05g(76%)の2-シアノ-3-クロロピリジンを得た。 【0087】 2-シアノ-3-クロロピリジン(1g,7.22mmol)を含む1-メチル-2-ピロリジノン(25mL)溶液をフッ化カリウム(1.26g,21.68mmol)で処理し、18時間加熱還流した。冷却後、反応物を酢酸エチルを用いて希釈し、水とブラインを用いて抽出した。シリカゲルクロマトグラフィー処理によって442mg(50%)の2-シアノ-3-フルオロピリジンを得た。 【0088】 アミドキシム合成の一般法を利用し、2-シアノ-3-フルオロピリジン(442mg,3.62mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(5Mの0.82mL,4.1mmol)を含むエタノール(5mL)溶液、および水酸化ナトリウム(10Nの0.415mL,4.15mmol)を24時間加熱還流した。標準的後処理によって368mg(66%)の3-フルオロピリド-2-イルアミドキシムを得た。 【0089】 キノル-2-イルアミドキシム 【化12】 アミドキシム合成の一般法を利用し、2-キノリンカルボニトリル(1.02g,6.6mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(5N溶液の1.44mL,7.2mmol)を含むエタノール(10mL)溶液、および水酸化ナトリウム(10N溶液の0.72mL,7.2mmol)を18時間加熱還流した。標準的後処理によって990mg(80%)のキノル-2-イルアミドキシムを得た。 【0090】 実施例2 カルボン酸中間体の合成 3-クロロ-5-シアノ安息香酸 【化13】 3,5-ジクロロ安息香酸メチル(14.66g,71.5mmol)、シアン化亜鉛(5.04g,42.9mmol)、亜鉛(粉末,0.21g,3.21mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(1:1)(1.3g,1.57mmol)の混合物を含むN,N-ジメチルホルムアミド(70mL)を5時間加熱還流した。冷却後、反応物を酢酸エチルを用いて希釈し、水とブラインを用いて抽出した。シリカゲルクロマトグラフィーによって2.34g(17%)の2-クロロ-5-シアノ安息香酸メチルを得た。 【0091】 中間体エステルを、水酸化ナトリウム(4N溶液の7.5mL,30mmol)を含むメタノール(50mL)溶液を用いて処理し、周囲温度で18時間攪拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を酢酸エチルに溶解した。有機溶液を5%HClとブラインを用いて洗浄した。溶媒を除去することで、1.8g(83%)の3-クロロ-5-シアノ安息香酸を得た。 【0092】 3-クロロ-5-フルオロ安息香酸 【化14】 1-ブロモ-3-クロロ-5-フルオロベンゼン(25.0g,120mmol)、シアン化亜鉛(8.45g,72mmol)、亜鉛(粉末,235mg,3.6mmol)、[1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(1:1)(1.5g,1.8mmol)の混合物を含むN,N-ジメチルホルムアミド(70mL)を1時間加熱還流した。冷却後、反応物を酢酸エチルを用いて希釈し、水とブラインを用いて抽出した。シリカゲルクロマトグラフィーによって、15.9g(85%)の3-クロロ-5-フルオロベンゾニトリルを得た。 【0093】 中間体ニトリルを、水酸化ナトリウム(10N溶液の100mL,1mol)を含む水(100mL)溶液を用いて処理し、2時間加熱還流した。その後、溶液を冷却し、濃塩酸を用いて酸性化した。ジクロロメタンを用いて抽出し、溶媒を蒸発することで、15.14g(85%)の3-クロロ-5-フルオロ安息香酸を得た。 【0094】 3-フルオロ-5-シアノ安息香酸 【化15】 3-クロロ-5-フルオロ安息香酸(13.74g,78.7mmol)を塩化チオニル50mLを用いて処理し、2時間加熱還流した。過剰の塩化チオニルを真空で除去し、残留物を無水メタノール100mLを用いて処理することで、13.6g(92%)の3-クロロ-5-フルオロ安息香酸メチルを得た。 【0095】 3-クロロ-5-フルオロ安息香酸メチル、シアン化亜鉛(8.46g,72.3mmol)、亜鉛(粉末,235mg,3.6mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(1:1)(1.5g,1.8mmol)の混合物を含むN,N-ジメチルホルムアミド(70mL)を、1時間加熱還流した。反応物を周囲温度まで冷却し、酢酸エチルを用いて希釈した。有機溶液を水とブラインを用いて抽出し、真空で濃縮することで、未精製3-クロロ-5-シアノ安息香酸メチルを得た。 【0096】 未精製3-クロロ-5-シアノ安息香酸メチルを、水酸化ナトリウム(4N溶液の45mL,180mmol)を含むメタノール(350mL)溶液を用いて周囲温度にて4時間処理した。溶媒を真空で除去し、残留物を酢酸エチルに溶解した。有機溶液を5%HCl水溶液とブラインを用いて洗浄した。シリカゲルクロマトグラフィーによって7.0g(54%)の3-フルオロ-5-シアノ安息香酸を得た。 【0097】 実施例3 酸塩化物から3,5-二置換-1,2,4-オキサジアゾールの合成 一般的に、Shineら,J.Heterocyclic Chem.(1989)26:125-128、に記載の方法を修正して利用した。3,5-二置換-1,2,4-オキサジアゾールは、典型的には、塩化アシルをアミドキシムを含むピリジン溶液に加えた後、反応混合物を還流まで加熱するかまたは密閉したチューブに入れて加熱するかのいずれかにより製造された。典型的には、そのオキサジアゾールを、冷水を用いて沈殿させて濾過するかまたは有機溶媒を用いて抽出することによって単離した。もし必要があれば、オキサジアゾールを、クロマトグラフィーまたは再結晶化によって精製した。 【0098】 3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(NPS64982)(404)B2 【化16】 3,5-ジクロロベンゾイルクロリド(2.1g,10mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(1.37g,10mmol)の混合物を含むピリジン(5mL)を密閉したチューブに入れて190℃にて2時間加熱した。その後、反応混合物を氷冷水に加えてオキサジアゾールを沈殿させた。固体を濾過して回収し、水で洗浄し、次いでエタノールから再結晶化することで、2.1g(72%)の3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た;融点162?166℃:GC/EI-MSは、m/z(相対強度)291(M+,38),293(25),261(1),173(6),145(13),120(100),90(20),78(28),51(15)を与えた。 【0099】 3-(2-ピリジル)-5-(3クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(NPS64983)(405)B3 【化17】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-クロロベンゾイルクロリド(127μL,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を4時間加熱還流した。標準的後処理によって、156mg(61%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点136?140℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)257(M+,64),259(21),227(3),120(100),111(22),90(24),78(32),75(26),51(20)を与えた。 【0100】 3-(2-ピリジル)-5-(3-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B1) 【化18】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-アニソイルクロリド(151μL,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を4時間加熱還流した。標準的後処理によって、200mg(79%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点96?99℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)253(M+,100),223(3),179(3),135(74),133(90),92(27),78(29),77(32),64(23),63(23)を与えた。 【0101】 3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B5) 【化19】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、2-クロロベンゾイルクロリド(127μL,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を4時間加熱還流した。標準的後処理によって、157mg(61%)の3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点93?94℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)257(M+,76),259(26),227(4),139(11),120(100),111(21),90(27),78(35),75(29),51(21)を与えた。 【0102】 3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール(B6) 【化20】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(151μL,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を16時間加熱還流した。標準的後処理によって、233mg(80%)の3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点116?118℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)291(M+,81),272(7),173(6),145(25),120(100),90(20),78(23),51(11)を与えた。 【0103】 3-(2-ピリジル)-5-(3-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B7) 【化21】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-フルオロベンゾイルクロリド(122μL,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を16時間加熱還流した。標準的後処理によって、176mg(73%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点88?98℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)241(M+,95),211(5),120(100),107(13),95(30),90(21),78(27),75(19),51(15)を与えた。 【0104】 3-(2-ピリジル)-5-(3-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B9) 【化22】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-トルオイルクロリド(264μL,2mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(274mg,2mmol)を含むピリジン(1mL)を密閉したチューブに入れて200℃で2時間加熱した。標準的後処理によって、387mg(82%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-トルオイル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点127?128℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)237(M+,100),222(2),207(8),120(68),117(24),91(29),90(29),78(32),65(26),51(23)を与えた。 【0105】 3-(2-ピリジル)-5-(1-ナフチル)-1,2,4-オキサジアゾール(B10) 【化23】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、1-ナフトイルクロリド(150μL,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を密閉したチューブに入れて200℃で3時間加熱した。標準的後処理によって、50mg(18%)の3-(2-ピリジル)-5-(1-ナフチル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点132?136℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)273(M+,75),195(5),169(88),153(100),139(12),127(66),126(29),105(23),78(14),51(14)を与えた。 【0106】 3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾール(B11) 【化24】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイルクロリド(220mg,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を密閉したチューブに入れて200℃で3時間加熱した。標準的後処理によって、175mg(57%)の3-(2-ピリジル)-5-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点86?88℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)307(M+,73),277(3),222(3),189(6),161(5),120(100),78(21),69(17),51(10)を与えた。 【0107】 3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B16) 【化25】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、2,3-ジフルオロベンゾイルクロリド(124μL,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を100℃で16時間加熱した。標準的後処理によって、158mg(61%)の3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点120?121℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)259(M+,97),229(5),228(4),141(11),120(100),113(26),90(27),78(34),51(17)を与えた。 【0108】 3-(2-ピリジル)-5-(2,5-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B17) 【化26】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、2,5-ジフルオロベンゾイルクロリド(124μL,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を100℃で16時間加熱した。標準的後処理によって、3-(2-ピリジル)-5-(2,5-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点120?126℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)259(M+,91),229(5),228(4),141(13),120(100),113(25),90(23),78(27),51(14)を与えた。 【0109】 3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B18) 【化27】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3,5-ジフルオロベンゾイルクロリド(1.25mL,10mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(1.37g,10mmol)を含むピリジン(5mL)を密閉したチューブに入れて200℃で4時間加熱した。標準的後処理によって、1.2g(46%)の3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点115?119℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)259(M+,100),229(4),228(5),141(9),125(13),113(30),90(19),78(27),63(23),51(15)を与えた。 【0110】 3-(2-ピリジル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B21) 【化28】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-シアノベンゾイルクロリド(165mg,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を100℃で72時間加熱した。標準的後処理によって、158mg(64%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点148?149℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)248(M+,85),218(5),130(6),120(100),114(9),102(28),90(26),78(37),75(19),51(30)を与えた。 【0111】 3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジメオキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B23) 【化29】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3,5-ジメトキシベンゾイルクロリド(200mg,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を100℃で72時間加熱した。標準的後処理によって、210mg(74%)の3-(2-ピリジル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点145?148℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)283(M+,100),253(3),165(69),163(19),137(36),122(33),107(17),90(10),78(25),63(19),51(19)を与えた。 【0112】 3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B25) 【化30】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、2,3-ジクロロベンゾイルクロリド(209mg,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を100℃で48時間加熱した。標準的後処理によって、236mg(81%)の3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た:融点128?133℃;GC/EI-MSはm/z(相対強度)291(M+,66),293(43),256(6),173(10),145(11),120(100),90(19),78(27),51(14)を与えた。 【0113】 3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B26) 【化31】 3-クロロ-5-シアノ安息香酸(0.82g,4.97mmol)を、塩化オキサリル(2.5Mジクロロメタン溶液の10mL,25mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応物を周囲温度で2.5時間攪拌した。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して3-クロロ-5-シアノベンゾイルクロリドを得た。 【0114】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-クロロ-5-シアノベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(682mg,5mmol,1当量)を含むピリジン(5mL)を密閉したチューブに入れて175℃で4時間加熱した。標準的後処理と2-プロパノールからの再結晶化によって、250mg(19%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロ-5-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た;GC/EI-MSはm/z(相対強度)282(M+,100),283(18),284(34),251(4),136(10),120(53),100(10),78(15),51(6)を与えた。 【0115】 3-(2-ピリジル)-5-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B27) 【化32】 3-フルオロ-5-シアノ安息香酸(2.5g,15.14mmol)を、塩化オキサリル(2.5Mジクロロメタン溶液の30mL,75mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応物を周囲温度で2.5時間攪拌した。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して3-フルオロ-5-シアノベンゾイルクロリドを得た。 【0116】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-フルオロ-5-シアノベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(2.076g,15.15mmol,1当量)を含むピリジン(5mL)を密閉したチューブに入れて175℃で4時間加熱した。標準的後処理と2-プロパノールからの再結晶化によって、1.5g(37%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-フルオロ-5-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た;GC/EI-MSはm/z(相対強度)266(M+,81),267(13),235(5),132(12),120(100),100(18),90(18),78(35),51(20)を与えた。 【0117】 3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B28) 【化33】 3-クロロ-5-フルオロ安息香酸(400mg,2.3mmol)を、塩化オキサリル(2.5Mジクロロメタン溶液の4.6mL,11.5mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応物を周囲温度で2.5時間攪拌した。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して3-クロロ-5-フルオロベンゾイルクロリドを得た。 【0118】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-クロロ-5-フルオロベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(314mg,2.3mmol,1当量)を含むピリジン(5mL)を、密閉したチューブに入れて175℃で4時間加熱した。標準的後処理と2-プロパノールからの再結晶化によって、250mg(39%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た;GC/EI-MSはm/z(相対強度)275(M+,89),276(14),277(29),129(26),120(100),109(7),90(20),78(31),51(14)を与えた。 【0119】 3-(5-クロロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B29) 【化34】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-シアノベンゾイルクロリド(675mg,4mmol)および5-クロロピリド-2-イルアミドキシム(686mg,4mmol)を含むピリジン(5mL)を、密閉したチューブに入れて175℃で4時間加熱した。標準的後処理と2-プロパノールからの再結晶化によって、357mg(32%)の3-(5-クロロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た;GC/EI-MSはm/z(相対強度)282(M+,85),283(14),284(27),156(31),154(100),112(19),102(30),76(28),64(13)を与えた。 【0120】 3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B30) 【化35】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-シアノベンゾイルクロリド(0.534g,3.2mmol)および5-フルオロピリド-2-イルアミドキシム(0.5g,3.2mmol)を含むピリジン(5mL)を、密閉したチューブに入れて175℃で4時間加熱した。標準的後処理と2-プロパノールからの再結晶化によって、370mg(43%)の3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た;GC/EI-MSはm/z(相対強度)266(M+,100),267(10),138(80),114(8),102(19),96(22),76(17),57(8)を与えた。 【0121】 3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B31) 【化36】 3-フルオロ-5-シアノ安息香酸(1.0g,6mmol)を、塩化オキサリル(2.5Mジクロロメタン溶液の12mL,30mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応物を周囲温度で2.5時間攪拌した。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して3-フルオロ-5-シアノベンゾイルクロリドを得た。 【0122】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-フルオロ-5-シアノベンゾイルクロリド(1.1g,6mmol)および5-フルオロピリド-2-イルアミドキシム(0.93g,6mmol)を含むピリジン(5mL)を、密閉したチューブに入れて175℃で4時間加熱した。標準的後処理と2-プロパノールからの再結晶化によって、0.41g(24%)の3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た;GC/EI-MSはm/z(相対強度)284(M+,100),285(16),253(2),138(99),120(23),108(16),96(25),82(15),57(11)を与えた。 【0123】 3-(3-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B32) 【化37】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-シアノベンゾイルクロリド(107mg,0.64mmol)および3-フルオロピリド-2-イルアミドキシム(0.1g,0.64mmol)を含むピリジン(5mL)を、密閉したチューブに入れて175℃で4時間加熱した。標準的後処理、シリカゲルクロマトグラフィー、および2-プロパノールからの再結晶化によって、32mg(19%)の3-(3-フルオロピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た;GC/EI-MSはm/z(相対強度)266(M+,75),267(12),138(100),114(11),102(19),96(17),76(16),57(5),51(5)を与えた。 【0124】 3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B33) 【化38】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3,5-ジメトキシベンゾイルクロリド(0.10g,0.5mmol)および5-フルオロピリド-2-イルアミドキシム(78mg,0.5mmol)を含むピリジン(3mL)をシールしたチューブに入れて175℃で4時間加熱した。標準的な後処理、シリカゲルクロマトグラフィー、および2-プロパノールからの再結晶によって、94mg(62%)の3-(5-フルオロピリド-2-イル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た;GC/EI-MSはm/z(相対強度)301(M+,100),302(17),165(41),137(23),122(27),96(15),77(11),63(12)を与えた。 【0125】 3-(5-メトキシピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B34) 【化39】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-シアノベンゾイルクロリド(79mg,0.47mmol)および5-メトキシピリド-2-イルアミドキシム(79mg,0.47mmol)を含むピリジン(2.5mL)をシールしたチューブに入れて175℃で4時間加熱した。標準的な後処理、シリカゲルクロマトグラフィー、および2-プロパノールからの再結晶によって、59mg(45%)の3-(5-メトキシピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た;GC/EI-MSはm/z(相対強度)278(M+,100),279(16),150(56),128(7),107(21),102(17),80(12),64(5)を与えた。 【0126】 3-(2-キノリニル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B35) 【化40】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-シアノベンゾイルクロリド(68mg,0.41mmol)およびキノル(quinol)-2-イルアミドキシム(75.9mg,0.405mmol)を含むピリジン(0.5mL)をシールしたチューブに入れて165℃で22時間加熱した。標準的な後処理、エタノールからの再結晶および固相抽出(SPE)によって、23.7mg(20%)の3-(2-キノリニル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。1H-NMR(CDCl3),δ(ppm):8.62(s,1H),8.54(d,1H),8.36(d,2H),8.28(d,1H),7.90(d,2H),7.80(t,1H),7.72(t,1H),7.64(t,1H)。 【0127】 3-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B36) 【化41】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-シアノベンゾイルクロリド(66mg,0.40mmol)および3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イルアミドキシム(96.5mg,0.403mmol)を含むピリジン(0.5mL)をシールしたチューブに入れて165℃で22時間加熱した。標準的な後処理、および固相抽出(SPE)によって、45.9mg(33%)の3-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリド-2-イル)-5-(3-シアノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。1H-NMR(CDCl3),δ(ppm):8.99(s,1H),8.57(s,1H),8.49(d,1H),8.19(s,1H),7.92(d,1H),7.72(t,1H)。 【0128】 3-(2-ピリジル)-5-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B37) 【化42】 5-クロロ-o-アニス酸(187mg,1mmol)を塩化オキサリル(2Mジクロロメタン溶液の1.5mL,3mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応を周囲温度で2時間攪拌して行った。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して5-クロロ-2-メトキシベンゾイルクロリドを得た。 【0129】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、5-クロロ-2-メトキシベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を115℃で17時間加熱した。標準的な後処理、およびシリカゲルクロマトグラフィーによって、49mg(17%)の3-(2-ピリジル)-5-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。1H-NMR(CDCl3),δ(ppm):4.00(s,3H),7.03(d,J=8.9Hz,1H),7.42-7.47(m,1H),7.50(dd,J=8.9Hz,2.8Hz,1H),7.87(ddd,J=1.4Hz,7.4Hz,8.2Hz,1H),8.22(d,J=8.2Hz,1H),8.28(d,J=2.4Hz,1H),8.84(m,1H)。 【0130】 3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B38) 【化43】 2,3-ジメトキシ安息香酸(182mg,1mmol)を塩化オキサリル(2Mジクロロメタン溶液の1.5mL,3mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応を周囲温度で2時間攪拌して行なった。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して2,3-ジメトキシベンゾイルクロリドを得た。 【0131】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、2,3-ジメトキシベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を115℃で17時間加熱した。標準的な後処理、およびシリカゲルクロマトグラフィーによって、120mg(42%)の3-(2-ピリジル)-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。 【0132】 3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B39) 【化44】 2-クロロ-5-メチルチオ安息香酸(182mg,1mmol)を塩化オキサリル(2Mジクロロメタン溶液の1.5mL,3mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応を周囲温度で2時間攪拌して行なった。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して2-クロロ-5-メチルチオベンゾイルクロリドを得た。 【0133】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、2-クロロ-5-メチルチオベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を115℃で17時間加熱した。標準的な後処理、およびシリカゲルクロマトグラフィーによって、250mg(82%)の3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロ-5-メチルチオフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。1H-NMR(CDCl3),δ(ppm):7.37(dd,J=2.4Hz,8.2Hz,1H),7.40-7.50(m,2H),7.89(ddd,J=1.4Hz,7.4Hz,8.2Hz,1H),8.05(d,J=2.4Hz,1H),8.23(dd,J=2.2Hz,8.0Hz,1xH),8.85(m,1H)。 【0134】 3-(2-ピリジル)-5-(3-フェノキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B40) 【化45】 3-フェノキシ安息香酸(214mg,1mmol)を塩化オキサリル(2Mジクロロメタン溶液の1.5mL,3mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応を周囲温度で一夜攪拌して行なった。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して3-フェノキシベンゾイルクロリドを得た。 【0135】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-フェノキシベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)をシールしたバイアルに入れて110℃で一夜加熱した。標準的な後処理によって、118mg(37%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-フェノキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを白色の固体として得た。 【0136】 3-(2-ピリジル)-5-(3-ベンゾイルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B41) 【化46】 3-ベンゾイル安息香酸(226mg,1mmol)を含むジクロロメタン(1.5mL)を、塩化オキサリル(2Mジクロロメタン溶液の1.5mL,3mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応を周囲温度で一夜攪拌して行なった。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して3-ベンゾイルベンゾイルクロリドを得た。 【0137】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3-ベンゾイルベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)をシールしたバイアルに入れて110℃で一夜加熱した。標準的な後処理およびシリカゲルを通しての濾過(ジクロロメタンを用いて)によって、200mg(61%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-ベンゾイルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを白色の固体として得た。1H NMR(CDCl3),δ(ppm):8.85(d,1H),8.68(m,1H),8.53(dd,1H),8.23(d,1H),8.07(m,1H),7.88(m,3H),7.70(m,2H),7.49(m,3H)。 【0138】 3-(2-ピリジル)-5-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B42) 【化47】 2-ブロモ-5-メトキシ安息香酸(231mg,1.0mmol)を含むジクロロメタン(1.5mL)を、塩化オキサリル(2Mジクロロメタン溶液の1.5mL,3mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応を周囲温度で一夜攪拌して行なった。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して2-ブロモ-5-メトキシベンゾイルクロリドを得た。 【0139】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、2-ブロモ-5-メトキシベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)をシールしたバイアルに入れて110℃で一夜加熱した。標準的な後処理、およびシリカゲルを通しての濾過(ジクロロロメタンを用いて)によって、147mg(44%)の3-(2-ピリジル)-5-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。1H-NMR(CDCl3),δ(ppm):8.85(d,1H),8.24(d,1H),7.89(m,1H),7.65(m,2H),7.47(m,1H),6.99(m,1H),3.89(s,3H)。 【0140】 3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B43) 【化48】 2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(224mg,1.0mmol)を含むジクロロメタン(1.5mL)を、塩化オキサリル(2Mジクロロメタン溶液の1.5mL,3mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応を周囲温度で一夜攪拌して行なった。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリドを得た。 【0141】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)をシールしたバイアルに入れて110℃で一夜加熱した。標準的な後処理、およびシリカゲルを通しての濾過(ジクロロロメタンを用いて)によって、136mg(42%)の3-(2-ピリジル)-5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾールをベージュ色の固体として得た。1H-NMR(CDCl3),δ(ppm):8.87(d,1H),8.56(s,1H),8.25(d,1H),7.89(m,1H),7.78(m,2H),7.50(m,1H)。 【0142】 3-(2-ピリジル)-5-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B44) 【化49】 3,4,5-トリフルオロ安息香酸(0.176g,1.0mmol)を含むジクロロメタン(1.5mL)を、塩化オキサリル(2Mジクロロメタン溶液の1.5mL,3mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応を周囲温度で一夜攪拌して行った。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して3,4,5-トリフルオロベンゾイルクロリドを得た。 【0143】 1,2,4-オキサジアゾール合成の一般法を利用し、3,4,5-トリフルオロベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)含むピリジン(1mL)をシールしたバイアルに入れて110℃で一夜加熱した。標準的な後処理およびシリカゲルクロマトグラフィー(10-30%酢酸エチルを含むヘキサンを用いて)によって、15mg(5%)の3-(2-ピリジル)-5-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを白色の固体として得た。 【0144】 3-(2-ピリジル)-5-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B45) 【化50】 2,5,6-トリフルオロ安息香酸(176mg,1mmol)を含むジクロロメタン(1.5mL)を、塩化オキサリル(2Mジクロロメタン溶液の1.5mL,3mmol)および触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を用いて処理した。反応を周囲温度で16時間攪拌して行なった。過剰の塩化オキサリルを真空で除去して2.5.6-トリフルオロベンゾイルクロリドを得た。 【0145】 中間体2,5,6-トリフルオロベンゾイルクロリドおよびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むジクロロメタンを周囲温度で0.5時間撹拌した。シリカゲルクロマトグラフィーによって、151mg(51%)のN-[(2,5,6-トリフルオロベンゾイル)オキシ]ピリジン-2-カルボキシミドアミドを得た。 【0146】 N-[(2,5,6-トリフルオロベンゾイル)オキシ]ピリジン-2-カルボキシミドアミド(50mg,0.169mmol)を含むピリジン(0.3mL)を115℃にて17時間加熱した。標準的な後処理、およびシリカゲルクロマトグラフィーによって9.5mg(20%)の3-(2-ピリジル)-5-(2,5,6-トリフルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。 【0147】 実施例4 アシルイミダゾールから3,5-二置換-1,2,4-オキサジアゾールの合成 3-(3メトキシフェニル)-5-(2-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール(B8) 【化51】 Shineら,J.Heterocyclic Chem.(1989)26:125-128の方法を修正して利用し、ピコリン酸(123mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)の溶液を1,1’-カルボニルジイミダゾール(162mg,1mmol)を用いて処理し、反応物を二酸化炭素の放出が停止するまで(30分)周囲温度で撹拌した。次いで中間体アシルイミダゾールを3-メトキシベンズアミドキシム(166mg,1mmol)を用いて処理し、1時間加熱還流して反応させた。氷冷水を反応混合物に加えてオキサジアゾールを沈降させた。固体を濾過により採集し、水で洗浄し、そして乾燥し、80mg(32%)の3-(3メトキシフェニル)-5-(2-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール:融点90-94℃を得た;GC/EI-MSはm/z(相対強度)253(M+,100),254(17),179(2),175(2),149(77),133(33),119(4),106(29),78(45),51(18)を与えた。 【0148】 実施例5 エステルから3,5-二置換-1,2,4-オキサジアゾールの合成 3-(ピリド-2-イル)-5-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B46) 【化52】 Korbonitsら,J.Chem.Soc.Perkin Trans.I(1982)759-766の方法を利用し、サリチル酸エチル(200mg,1.2mmol)、ピリド-2-イルアミドキシム(82.5mg,0.6mmol)、21%ナトリウムエトキシド(19.4mL,6mmol)の混合物を含むエタノール(12mL)を16時間加熱還流した。冷却後、反応混合物をジクロロメタン(50mL)を用いて希釈し、水および飽和炭酸水素ナトリウムを用いて洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、真空で濃縮した。ジエチルエーテルから再結晶して15mg(5%)の3-(ピリド-2-イル)-5-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。 【0149】 3-(2-ピリジル)-5-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B47) 【化53】 類似した方法で、5-クロロ-2-ヒドロキシ安息香酸メチル(372mg,2mmol)、ピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)、21%ナトリウムエトキシド(32.4mL,10mmol)の混合物を含むエタノール(20mL)を16時間加熱還流した。標準的な後処理とジエチルエーテルからの再結晶によって、14.2mg(5%)の3-(2-ピリジル)-5-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。 【0150】 実施例6 無水イサト酸から3,5-二置換-1,2,4-オキサジアゾールの合成 3-(2-ピリジル)-5-(2-アミノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B48) 【化54】 Nagaharaら,Chem.Pharm.Bull.,(1975)23:3178-3183の方法を修正して使い、無水イサト酸(163mg,1mmol)およびピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)の混合物を含むピリジン(1mL)を115℃にて17時間加熱した。反応物を冷却した後、混合物を50mLのジクロロメタンを用いて希釈し、水および飽和炭酸水素ナトリウムを用いて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルを通して濾過し、そして真空で濃縮した。ジエチルエーテルからの再結晶によって、45.6mg(19%)の3-(2-ピリジル)-5-(2-アミノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。 【0151】 3-(2-ピリジル)-5-(2-アミノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール(B49) 【化55】 類似した方法で、無水5-クロロイサト酸(197mg,1mmol)、ピリド-2-イルアミドキシム(137mg,1mmol)を含むピリジン(1mL)を115℃にて17時間加熱した。後処理によって、138mg(51%)の3-(2-ピリジル)-5-(2-アミノフェニル)-1,2,4-オキサジアゾールを得た。 【0152】 実施例7 2,4-二置換-1,3-オキサゾールの合成 2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール(B50) 【化56】 Kellyら,J.Org.Chem.,(1996)61:4623-4633の方法を利用し、2-ブロモアセチルピリジン(120mg,0.6mmol)を含むトルエン(5mL)溶液を3-クロロベンズアミド(300mg,1.9mmol)を用いて処理し、その混合物をシールしたバイアルに入れて60時間加熱還流した。次いで混合物を冷却し、溶媒を真空で除去した。ヘキサン対酢酸エチルの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーにより、38mg(9%)の2-[3-クロロフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾールを淡黄色の固体として得た。1H-NMR(CDCl3),δ(ppm):8.62(d,1H),8.35(s,1H),8.15(m,1H),8.00(m,2H),7.80(td,1H),7.42(m,2H),7.23(m,1H)。 【0153】 2-[3-ブロモフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール(B51) 【化57】 類似した方法で、2-ブロモアセチルピリジン(500mg,2.5mmol)および3-クロロベンズアミド(1.2g,6mmol)を含むトルエン(10mL)をシールしたバイアルに入れて60時間加熱還流した。後処理とヘキサン対酢酸エチルの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーにより、50mg(7%)の2-[3-ブロモフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾールを白色の固体として得た。1H-NMR(CDCl3),δ(ppm):8.60(d,1H),8.34(s,1H),8.30(t,1H),8.00(m,2H),7.80(td,1H),7.60(dd,1H),7.35(t,1H),7.23(m,1H) 【0154】 2-[3-シアノフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール(B52) 【化58】 2-[3-ブロモフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾール(23mg,0.076mmol)とシアン化亜鉛(112mg,0.96mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)の混合物をPd(PPh3)4(74mg,0.064mmol)を用いて処理し、一夜、80℃にて加熱した。標準的な後処理とクロマトグラフィーにより、6mg(32%)の2-[3-シアノフェニル]-4-[ピリジン-2-イル]-1,3-オキサゾールを白色の固体として得た。1H-NMR(CDCl3),δ(ppm):8.61(d,1H),8.45(s,1H),8.38(s,1H),8.36(m,1H),8.00(d,1H),7.80(m,2H),7.61(t,1H),7.23(m,1H). 実施例8 3,5-二置換-1,2-オキサゾールの合成 5-[3-ヒドロキシフェニル]-3-[ピリジン-2-イル]-1,2-オキサゾール(B53) 【化59】 ピリジン-2-カルボヒドロキシモイルクロリド(300mg,1.9mmol)および3-ヒドロキシフェニルアセチレン(760mg,6.4mmol)を含むTHF/CH2Cl2の1:1混合物(10mL)の攪拌溶液を、0℃にてトリエチルアミン(2mL,1.45g,15mmol)を用いて処理した。混合物が室温まで暖まるに任せて一夜置いた。溶媒を真空で加熱した。残留物をジクロロメタンに溶解し、食塩水を用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を真空で除去し、次に、10%酢酸エチルを含むヘキサンを用いて細かく擦り潰して、200mg(44%)の5-[3-ヒドロキシフェニル]-3-[ピリジン-2-イル]-1,2-オキサゾールをベージュ色の固体として得た。 【0155】 5-[3-シアノフェニル]-3-[ピリジン-2-イル]-1,2-オキサゾール(B54) 【化60】 5-[3-トリフルオロメタンスルホニルフェニル]-3-[ピリジン-2-イル]-1,2-オキサゾール(98mg,0.26mmol)、KCN(230mg,4mmol)、NiBr2(PPh3)2(52.4mg,0.07mmol)、およびPPh3(42mg,0.16mmol)を含むアセトニトリル(1mL)を、亜鉛粉末(20mg,0.3mmol)を用いて処理し、その混合物を一夜、60℃にて加熱した。得た混合物から、ヘキサン対酢酸のエチル勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーにより、15mg(23%)の5-[3-シアノフェニル]-3-[ピリジン-2-イル]-1,2-オキサゾールを白色の固体として得た。 【0156】 実施例9 3,5-二置換-1,2,4-トリアゾールの合成 3-クロロベンズヒドラジド 【化61】 3-クロロ安息香酸(0.5g,3.19mmol)、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.72g,3.51mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.04g,0.32mmol)の混合物を含むエタノールを、周囲温度にて1.5時間攪拌した。白色の固体を濾過除去し、濾液をジクロロメタン(100mL)を用いて希釈した。その有機溶液を1N硫酸水素ナトリウム(100mL)、飽和重炭酸ナトリウム(100mL)、水(100mL)および食塩水(100mL)を用いて洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を真空で濃縮した。未精製残留物をエタノール(15mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(0.46mL,9.58mmol)を用いて処理した。得た透明な溶液を一夜、周囲温度で攪拌した。次いで反応混合物を真空で濃縮乾固した。残留物から、3%メタノールを含むジクロロメタンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより、0.29g(53%)の3-クロロベンズヒドラジドを白色の固体として得た。 【0157】 3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロフェニル)-1,2,4-トリアゾール(B55) 【化62】 Browneら,Aust.J.Chem.,(1975)28:2543-2546の方法を利用し、2-シアノピリジン(0.1mL,1.00mmol)を含むメタノール(5mL)溶液を金属ナトリウム(6.9mg,0.30mmol)を用いて処理し、周囲温度にて1時間攪拌した。その後、3-クロロベンズヒドラジド(0.17g,1.0mmol)を含むメタノール(5mL)溶液を加え、得た溶液を3時間加熱還流した。反応混合物を真空で濃縮し、得た黄色の固体(100mg)をトルエン(2mL)に溶解した。その混合物を175℃にて3時間加熱し、次いで一夜周囲温度にて攪拌した。真空で溶媒を蒸発し、1%メタノールを含むジクロロメタンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって29mg(11%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-クロロフェニル)-1,2,4-トリアゾールを白っぽい固体として得た。 【0158】 3-(2-ピリジル)-5-(3-ヨードフェニル)-1,2,4-トリアゾール(B56) 【化63】 類似した様式で、2-シアノピリジン(0.15mL,1.53mmol)、金属ナトリウム(10.5mg,0.46mmol)および3-ヨードベンズヒドラジド(0.40g,1.53mmol)を用いて、後処理とクロマトグラフィー処理の後に、210mg(40%)の3-(2-ピリジル)-5-(3-ヨードフェニル)-1,2,4-トリアゾールを白色の固体として得た。 【0159】 実施例10 グループI受容体アゴニスト活性のアッセイ 星状細胞のスクリーニングアッセイ 一次星状細胞培養物を、Miller(Millerら,J.Neuroscience,15(9):6103-6109,1995)の方法を修正して使って、3-5日齢Sprague-Dawley仔ラットから調製した。簡単に説明すると、一次培養物を、ウシ胎仔血清(FCS)を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMED)中のポリ-Lリシンをコートしたフラスコ上にプレーティングした。6日後、細胞培養物を一夜、280rpmで振とうし、次に、mGluR5発現をアップレギュレーションする成長因子を含有する星状細胞規定培地(ADM)(Millerら,1995)に移した。キュベット分析のために、培養物を成長因子を用いてフラスコ内で3?5日間、アップレギュレートし、次いで収穫し、[Ca2+]i動員を測定するために、先に記載(Nemethら,1998)されたように調製した。 【0160】 蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)分析のために、細胞を、黒い側部をもつポリ-D-リシンでコートした透明底の96ウエルのプレート上にまいて、成長因子アップレギュレーションの3日後に[Ca2+]i動員の分析を実施した。96ウエル内の細胞培養物に、アセトキシメチルエステル型の蛍光性カルシウム指示薬fluo-3(Molecular Probes,Eugene,Oregon)4μM溶液を含む0.01%プルロニック(pluronic)をローディングした。全てのアッセイは、127mM NaCl、5mM KCl、2mM MgCl2、0.7mM NaH2PO4、2mM CaCl2、0.422mg/ml NaHCO3、2.4mg/ml HEPES、1.8mg/mlグルコースおよび1mg/ml BSA画分IV(pH7.4)を含有するバッファー中で実施した。 【0161】 FLIPR実験は0.800Wのレーザー設定と0.4秒のCCDカメラシャッター速度を用いて行った。それぞれのFLIPR実験は、最初に、細胞プレートの各ウエルに180μLのバッファーを入れた。アンタゴニストプレートから20μLを添加した後、アゴニストプレートから50μLを添加した。それぞれを添加した後に、蛍光シグナルを1秒間隔で50回サンプリングし、その後、5秒間隔で3回サンプリングした。応答をサンプリング期間内の応答のピーク高さとして測定した。 【0162】 EC50/IC50の決定は、重複して実施した8点濃度応答曲線(CRC)から得たデータを用いて行った。アゴニストCRCはプレートに対して観察された最高応答に対する全応答をスケーリングして作製した。アゴニストチャレンジのアンタゴニストブロックは、同じプレート上の14個の対照ウエルにおけるアゴニストチャレンジの平均応答に対して正規化した。 【0163】 CaR/mGluR5dスクリーニングアッセイ キメラCaR/mGluR5d受容体(クローン細胞系hCaR/hmGluR5d_hek6)を発現するHEK293細胞を、アッセイの24時間前に、1ウエル当たり100,000細胞の密度で、10%FBS(Hyclone)を補充したDMEM中のコラーゲンIをコートした96ウエル黒色、透明底のプレートにプレーティングする。 【0164】 アッセイの日に、組織培養培地をプレートのウエルからアスピレートし、そして6μMのCa2+感応性染料、Fluo-3 AM(Molecular Probes)および0.025%プルロニック(Pluronic)(Molecular Probes)を補充した80μLのアッセイバッファー(アッセイバッファーは:20mM HEPES,146mM NaCl,5mM KCI,1mM MgCl2,1mM CaCl2,1mg/ml BSA,1mg/mlグルコース,pH7.4である)を、各ウエルに加える。次いでプレートを、細胞が効率よくFLuo-3を取り込むように、暗所で1時間室温にてインキュベートする。インキュベーションの終結時に、アッセイバッファーを用いてプレートを洗浄して、細胞外Fluo-3を除去する。アッセイバッファーを各ウエルに戻す(最終容積=160μL)。 【0165】 プレートを、0.8ワットのレーザー設定で、FLIPRロボットデバイス(Molecular Device)にローディングする。アッセイ開始10秒後の時点に、62.5μM試験物質および2%DMSOを含有するアッセイバッファー40μLをプレートの各ウエル中のアッセイバッファー160μLに加え、最終濃度は試験物質が12μMおよびDMSOが0.4%となる。アッセイ開始75秒後の時点に、6mM CaCl2を含有するアッセイバッファー50μLを各ウエル内に存在する200μLに加え、最終Ca2+濃度が2.0mMおよび最終試験物質濃度が10nMとなる。アッセイ期間を通して適当な時間間隔に、相対蛍光強度(励起λ=488nm/放出λ=510nM)をモニタリングして受容体活性化および/または抑制を測定する。 【0166】 説明のために例を挙げると、「B21」(実施例3を参照)と名付けて上に開示した1,2,4-オキサジアゾールは、CaR/mGluR5dについては43nMのIC50値を有し、自然の受容体であるmGluR5dについては121nMのIC50値を有した。対応する「B52」(実施例7を参照)と名付けた1,3オキサゾールは、CaR/mGluR5dキメラについては等力価であって45nMのIC50値を有することがわかったが、自然のmGluR5dについては力価が増加し、74nMのIC50値を示した。 【0167】 以上のように、本発明を広く開示しかつ上記の代表的な実施例を参照して説明した。当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な改変がなし得ることを理解するであろう。 【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は、本発明の化合物の例を示す。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2007-04-24 |
出願番号 | 特願2001-517525(P2001-517525) |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(C07D)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 長部 喜幸 |
特許庁審判長 |
塚中 哲雄 |
特許庁審判官 |
福井 悟 弘實 謙二 |
登録日 | 2006-04-07 |
登録番号 | 特許第3790472号(P3790472) |
発明の名称 | ヘテロ多環式化合物および代謝型グルタミン酸受容体アンタゴニストとしてのその使用 |
代理人 | 平木 祐輔 |
代理人 | 新井 栄一 |
代理人 | 石井 貞次 |
代理人 | 藤田 節 |
代理人 | 平木 祐輔 |
代理人 | 新井 栄一 |
代理人 | 藤田 節 |
代理人 | 石井 貞次 |