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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B41J 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B41J |
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管理番号 | 1158407 |
審判番号 | 不服2003-25055 |
総通号数 | 91 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-12-25 |
確定日 | 2007-06-01 |
事件の表示 | 特願2000- 98462「画像形成装置および画像形成方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年10月 9日出願公開、特開2001-277631〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成12年3月31日の出願であって、拒絶査定以降の主な手続は以下のとおりである。 平成15年11月12日 拒絶査定 平成15年12月25日 審判請求 平成16年 1月26日 手続補正 平成18年 9月21日 平成16年1月26日付手続補正の補正却下の決定 平成18年 9月21日 当審拒絶理由(最後)通知 平成18年11月24日 手続補正 2.補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成18年11月24日付の手続補正を却下する。 [理由] (1)補正目的 平成18年11月24日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許法第17条の2第1項第3号の規定に基づく手続補正であり、本件補正後の請求項1は、本件補正前の請求項1に対応し、「着脱可能に装填して」に付き、「中間転写フィルム巻き取り側支軸端と中間転写フィルム巻き取り用支管の軸心が合うようにかつ中間転写フィルム支軸と中間転写フィルム支管の軸心が合うように各支管固定用圧力が加えられて」との限定を加えると共に、「中間転写フィルム基材側ブロック」につき「画像の書き込みに使用するプラテンロールを格納する」との限定を加えたものであるから、本件補正後の請求項1は本件補正前の請求項1の限定的減縮(特許法17条の2第4項2号該当)を目的とするものと認める。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうか検討する。 (2)補正発明 補正発明は、本件補正により補正された明細書の特許請求の範囲の【請求項1】に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。 「基材上に剥離可能な層として少なくとも画像形成層を備えており該画像形成層には少なくとも一部に画像を書き込んである中間転写フィルムを、該画像形成層側が被転写体に当接するように供給する供給手段と、 該中間転写フィルムと被転写体とのいずれか少なくとも一方の側から加熱及び加圧の両方を施す加熱加圧部を備え、該中間転写フィルムの一方向に沿って、該加熱加圧部か又は被転写体のいずれか少なくとも一方を移動させることにより、被転写体上の所期の転写領域へ、前記書き込んである画像を画像形成層と共に、被転写体側に転写する転写手段とを具備する画像形成装置であって、 前記中間転写フィルムを中から引き出すことで利用可能なように収納してあるカセット構造体である中間転写フィルムカセットを、着脱可能に中間転写フィルム巻き取り側支軸端と中間転写フィルム巻き取り用支管の軸心が合うようにかつ中間転写フィルム支軸と中間転写フィルム支管の軸心が合うように各支管固定用圧力が加えられて装填して使用可能であって、 該中間転写フィルムカセットを着脱する際に、前記画像の書き込みに使用するプラテンロールを格納する中間転写フィルム基材側ブロックが開閉式に可動であり、該中間転写フィルム基材側ブロックを閉じる際に、中間転写フィルムが該中間転写フィルムカセットから引き出されパスにセットされるか、 或いは、前記画像の書き込みに使用するプラテンロールを格納する中間転写フィルム基材側ブロックは固定されていて、該中間転写フィルムカセットを移動させることにより、中間転写フィルムのパスが形成されること、 を特徴とする画像形成装置。」(補正個所に下線を引いた。) なお、【請求項1】の第5段落における「移動する際させる」は、「移動させる」の誤記と認定した。 (3)引用例の記載事項 本願の出願日前の平成8年3月12日に頒布された特開平8-67018号公報(以下、「引用例」という。)には、補正発明に関連する事項として、図1と図2の図示とともに、以下の事項が記載されている。 ア.「図1及び図2は本発明の熱転写印刷装置の一実施例を示す構成図である。・・・図1は通常の動作状態を示しており、図2はインクフィルム1及び中間転写フィルム7を装着する際の状態を示している。まず、図1において、インクフィルム1はインク塗布面をプラテンローラ4側に向け、ガイドシャフト15a?15cによってその搬送路が案内されて供給リール5と巻き取りリール6との間に張架されている。供給リール5及び巻き取りリール6は図示していない駆動源により制御駆動され、供給リール5には図示していない摩擦クラッチによりバックテンションが与えられている。なお、インクフィルム1は、帯状ベースフィルム上に例えば溶融性のイエロ(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の3色もしくはイエロ(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の4色のインクを周期的に塗布したものである。中間転写フィルム7は、ガイドシャフト16a?16gによってその搬送路が案内されて供給リール8と巻き取りリール9との間に張架されている。供給リール8及び巻き取りリール9は図示していない駆動源により制御駆動される。」(段落【0010】?【0011】参照) イ.「記録媒体2への記録動作について説明する。まず、イニシャル状態において、サーマルヘッド3はプラテンローラ4より十分離間しており、・・・ホストコンピュータからの印刷指示を待つ。ホストコンピュータから指示がなされると、・・・サーマルヘッド3がプラテンローラ4に押圧し、プラテンローラ4を回転させながら中間転写フィルム7にYインクを転写する。Yインクの転写終了後、サーマルヘッド3をプラテンローラ4より離間し、インクフィルム1の第2色目であるMインクの頭出しを行う。・・・中間転写フィルム7を正確に巻き戻す。・・・中間転写フィルム7を3往復あるいは4往復して3色分もしくは4色分のインクを重ね合わせて転写することにより、中間転写フィルム7上にフルカラーの絵,文字等の画像(インク像)が形成されることとなる。次に、中間転写フィルム7の巻き取りリール9を回転させてインク像を加熱ローラ11の部分に次のようにして搬送する。・・・中間転写フィルム7に転写されたフルカラーのインク像を加熱ローラ11の直下まで移動させる。この動作と同時にホッパ20に収納されたカード等の記録用紙2を・・・加熱ローラ11の直下まで移動させる。・・・両者が停止したら、図示していない押圧機構により加熱ローラ11を再転写ローラ17に押圧すると同時に駆動系18を駆動して再転写ローラ17を一定速度で回転させ、中間転写フィルム7と記録用紙2とを密着させて搬送する。この時、加熱ローラ11の熱によって中間転写フィルム7に形成されたインク像を溶融させて記録用紙2に再転写する。」(段落【0014】?【0017】参照) ウ.「インクフィルム1及び中間転写フィルム7を装着する際の動作について図2を用いて説明する。図2に示すように、プラテンローラ4及びその駆動系(図示せず)、加熱ローラ11、中間転写フィルム7のガイドシャフト16e,16fは上方に逃げる構造となっており、後述のようにインクフィルム1及び中間転写フィルム7を装着した後に装置内に装着するよう構成されている。インクフィルム1及び中間転写フィルム7の装着は次のようにしてなされる。インクフィルム1を供給リール8,巻き取りリール9に巻かれている状態から必要量展開し、ガイドシャフト15a?15cに支えられ、サーマルヘッド3上に被せるように図示していないホルダに装着する。次に、ガイドシャフト16a?16dを所定の位置まで下ろし、同様に、中間転写フィルム7を供給リール5,巻き取りリール6より展開し、ガイドシャフト16a?16dに支えられ、インクフィルム1の上方となるように配置して図示していないホルダに装着する。その後、プラテンローラ4及びその駆動系(図示せず)、加熱ローラ11、中間転写フィルム7のガイドシャフト16e,16fを装置内に下ろし、図1の状態とされる。」(段落【0018】?【0019】参照。) エ.「給紙部分のホッパ20より排紙部分の搬送ローラ19a,19bまで記録用紙2の搬送経路が略々直線とされており、この搬送経路の上側に第1及び第2の加熱部を設けた構成により、中間転写フィルム7を交換する際、中間転写フィルム7を複雑に引き回す必要がない。よって、中間転写フィルム7の交換の作業性がよい。図2に示すように、中間転写フィルム7を装置に装着する際には中間転写フィルム7を概ね直線状に引き出せばよいので、中間転写フィルム7のカセット化も容易である。」(段落【0020】参照。) (4)引用発明の認定 ア.引用例に記載の熱転写印刷装置は、中間転写フィルム7と記録用紙2の両者を密着させるように両者を搬送して中間転写フィルム7上に形成された画像(インク像)を記録用紙2に再転写するものである(上記記載イ参照)から、中間転写フィルム7を、画像(インク像)が形成された側が記録用紙2に当接するように供給する供給手段を具備していることは自明である。 イ.画像(インク像)の形成に使用するプラテンローラ4が、図2に示される位置から図1に示される位置へ移動されるのである(上記記載ウ参照)から、プラテンローラ4を格納するブロックが存在しているということができる。 ウ.上記記載エにおける「図2に示すように、中間転写フィルム7を装置に装着する際には中間転写フィルム7を概ね直線状に引き出せばよいので、中間転写フィルム7のカセット化も容易である。」の記載から示唆される「中間転写フィルム7のカセット」とは、中間転写フィルム7を中から引き出すことで利用可能なように収納してあるカセット構造体である中間転写フィルムカセットであることが自明である。 エ.上記示唆される中間転写フィルムカセットを着脱可能に装填して使用可能にするに当たり、上記プラテンローラ4を格納するブロックが、中間転写フィルムカセットを装着可能位置と画像(インク像)の形成位置とに移動可能であることすなわち当該ブロックが開閉式に可動であること及び当該ブロックを閉じる際、中間転写フィルム7が該中間転写フィルムカセットから引き出されパスにセットされることも上記記載ウから明らかである。 以上のことから、上記記載ア?エを含む上記引用例には以下の発明が示唆されているといえる。 「画像(インク像)が形成された中間転写フィルム7を、該画像(インク像)が形成された側が記録用紙2に当接するように供給する供給手段と、 該中間転写フィルム7の側から加熱及び加圧の両方を施す加熱ローラ11を備え、該中間転写フィルム7の一方向に沿って、記録用紙2を移動させることにより、記録用紙2の転写領域へ、前記形成された画像(インク像)を記録用紙2側に転写する転写手段とを具備する熱転写印刷装置であって、 前記中間転写フィルム7を中から引き出すことで利用可能なように収納してあるカセット構造体である中間転写フィルムカセットを、着脱可能に装填して使用可能であって、 該中間転写フィルムカセットを着脱する際に、画像(インク像)の形成に使用するプラテンローラ4を格納するブロックが開閉式に可動であり、該ブロックを閉じる際に、中間転写フィルム7が該中間転写フィルムカセットから引き出されパスにセットされる熱転写印刷装置。」(以下、「引用発明」という。) (5)対比・判断 補正発明と引用発明を対比する。 ア.引用発明の「画像(インク像)」、「中間転写フィルム7」、「中間転写フィルムカセット」、「記録用紙2」、「加熱ローラ11」、「プラテンローラ4」、「プラテンローラ4を格納するブロック」及び「熱転写印刷装置」は、それぞれ、補正発明の「画像」、「中間転写フィルム」、「中間転写フィルムカセット」、「被転写体」、「加熱加圧部」、「プラテンロール」、「プラテンロールを格納する中間転写フィルム基材側ブロック」及び「画像形成装置」に相当している。 イ.引用発明の「画像(インク像)を形成する」ことと補正発明の「画像を書き込む」こととは異なるものでない。 ウ.引用発明の「中間転写フィルム7を画像(インク像)が形成された側が記録用紙2に当接するように供給する供給手段」と補正発明の「中間転写フィルム7を画像形成層側が被転写体に当接するように供給する供給手段」とは、画像が形成された側が被転写体に当接するように供給する供給手段である点で共通している。 エ.引用発明の「中間転写フィルム7の側から加熱及び加圧の両方を施す加熱ローラ11を備え、該中間転写フィルム7の一方向に沿って、記録用紙2を移動させることにより、記録用紙2の転写領域へ、前記形成された画像(インク像)を記録用紙2側に転写する転写手段」と補正発明の「中間転写フィルムと被転写体とのいずれか少なくとも一方の側から加熱及び加圧の両方を施す加熱加圧部を備え、該中間転写フィルムの一方向に沿って、該加熱加圧部か又は被転写体のいずれか少なくとも一方を移動させることにより、被転写体上の所期の転写領域へ、前記書き込んである画像を画像形成層と共に、被転写体側に転写する転写手段」とは、中間転写フィルム側から加熱及び加圧の両方を施す加熱加圧部を備え、該中間転写フィルムの一方向に沿って、被転写体を移動させることにより、被転写体上の所期の転写領域へ、前記書き込んである画像を被転写体側に転写する転写手段である点で共通している。 以上のことから、両者の一致点と相違点は以下のとおりである。 [一致点] 画像を書き込んである中間転写フィルムを、該画像が形成された側が被転写体に当接するように供給する供給手段と、 該中間転写フィルム側から加熱及び加圧の両方を施す加熱加圧部を備え、該中間転写フィルムの一方向に沿って、被転写体を移動させることにより、被転写体上の所期の転写領域へ、前記書き込んである画像を被転写体側に転写する転写手段とを具備する画像形成装置であって、 前記中間転写フィルムを中から引き出すことで利用可能なように収納してあるカセット構造体である中間転写フィルムカセットを、着脱可能に装填して使用可能であって、 該中間転写フィルムカセットを着脱する際に、中間転写フィルム基材側ブロックが開閉式に可動であり、該中間転写フィルム基材側ブロックを閉じる際に、中間転写フィルムが該中間転写フィルムカセットから引き出されパスにセットされる画像形成装置。 [相違点] A.補正発明では、中間転写フィルムが基材上に剥離可能な層として少なくとも画像形成層を備えていると共に、転写手段が中間転写フィルムに書き込んである画像を画像形成層と共に被転写体側に転写するのに対して、引用発明では、それらの点が定かでない点、 B.中間転写フィルムカセットを着脱可能に装填する態様が、補正発明では、「中間転写フィルム巻き取り側支軸端と中間転写フィルム巻き取り用支管の軸心が合うようにかつ中間転写フィルム支軸と中間転写フィルム支管の軸心が合うように各支管固定用圧力が加えられて」であるのに対して、引用発明では定かでない点。 [相違点の判断] 上記相違点について判断する。 相違点Aについて、 一般に、中間転写フィルムに書き込んだ画像を被転写体側に転写する画像形成装置において、中間転写フィルムが基材上に剥離可能な層として少なくとも画像形成層を備えていると共に、転写手段が中間転写フィルムに書き込んである画像を画像形成層と共に被転写体側に転写するように構成することは、例えば、特開平9-66617号公報の「任意の被転写体上に画像を形成可能とし、しかも被転写体の表面凹凸や地合いにより画像品質が影響を受けることを防止するために、まず画像受容層が基材シート上に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体の画像受容層上に、染料層が基材シート上に形成された熱転写シートより昇華染料を転写して画像を形成し、しかる後に中間転写記録媒体を加熱して、画像が形成された画像受容層を被転写体上に転写する方法が提案されている」(段落【0006】参照)との記載にあるように周知である。 そうすると、同じく中間転写フィルムに書き込んだ画像を被転写体側に転写する画像形成装置である引用発明に上記周知技術を適用することは、格別阻害するものがなく、当業者が容易に想到できることであり、その作用効果も格別なものでない。 相違点Bについて、 引用発明の中間転写フィルム7は、駆動源によりそれぞれ駆動される巻き取りリール9と供給リール8との間に張架されているものである(上記記載ア参照)から、引用発明において、中間転写フィルムカセットが、補正発明の「中間転写フィルム巻き取り用支管」及び「中間転写フィルム支管」にそれぞれに相当する巻き取りリール9及び供給リール8を備えていると共に、画像形成装置が、これらの巻き取りリール9及び供給リール8を駆動源にそれぞれ接続するための、補正発明の「中間転写フィルム巻き取り側支軸端」及び「中間転写フィルム支軸」のそれぞれに相当する部材を備えていることは自明である。 一般に、フィルムカセットを本体装置に着脱可能に装填する際に、フィルムカセットの2つの平行する支管それぞれを、駆動源に接続するためのそれぞれの部材に接続するに当たって、それらの接続のための係合が各支管の軸方向運動によってなされるようにすることは、例えば、上記特開平9-66617号公報の図7と図10、特開昭61-152475号公報の第4図にみられるように周知である。 そうすると、引用発明においても、中間フィルムカセットの巻き取りリール9及び供給リール8それぞれを、駆動源に接続するためのそれぞれの部材に接続するに当たって、それらの接続のための係合が各支管の軸方向運動によってなされるようにすることは当業者が容易に想起できることであり、そうすれば、中間転写フィルムカセットを着脱可能に装填する態様が、相違点Bの補正発明のように、巻き取りリール9及び供給リール8それぞれが、駆動源に接続するためのそれぞれの部材の軸心が合うように係合圧力(固定用圧力)が加えられるようになるのは当然である。 以上のとおり相違点A、Bは、いずれも当業者が想到容易であるから、補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (6)補正の却下の決定のむすび 以上のとおり、本件補正前の請求項1に係る発明を限定的に減縮した補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないから、本件補正は平成15年改正前特許法17条の2第5項で準用する同法126条4項の規定に違反しており、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されなければならない。 よって、補正の却下の結論のとおり決定する。 3.本件審判請求についての判断 (1)本願発明 本件補正が却下されたから、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成15年8月4日付けで補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲【請求項1】に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。 「基材上に剥離可能な層として少なくとも画像形成層を備えており該画像形成層には少なくとも一部に画像を書き込んである中間転写フィルムを、該画像形成層側が被転写体に当接するように供給する供給手段と、 該中間転写フィルムと被転写体とのいずれか少なくとも一方の側から加熱及び加圧の両方を施す加熱加圧部を備え、該中間転写フィルムの一方向に沿って、該加熱加圧部か又は被転写体のいずれか少なくとも一方を移動させることにより、被転写体上の所期の転写領域へ、前記書き込んである画像を画像形成層と共に、被転写体側に転写する転写手段とを具備する画像形成装置であって、 前記中間転写フィルムを中から引き出すことで利用可能なように収納してあるカセット構造体である中間転写フィルムカセットを、着脱可能に装填して使用可能であって、 該中間転写フィルムカセットを着脱する際に、中間転写フィルム基材側ブロックが開閉式に可動であり、該中間転写フィルム基材側ブロックを閉じる際に、中間転写フィルムが該中間転写フィルムカセットから引き出されパスにセットされるか、 或いは、中間転写フィルム基材側ブロックは固定されていて、該中間転写フィルムカセットを移動させることにより、中間転写フィルムのパスが形成されること、を特徴とする画像形成装置。」 なお、【請求項1】の第5段落における「移動する際させる」は、「移動させる」の誤記と認定した。 (2)本願発明の進歩性の判断 本願発明を限定的に減縮した補正発明が引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたことは「2.」で述べたとおりであり、補正発明から限定事項を省いた本願発明が引用発明と同一発明でないことは明らかである。 そうである以上、補正発明から限定事項を省いた本願発明も引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたというべきであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 4.むすび 本件補正は却下されなければならず、本願発明が特許を受けることができない以上、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶を免れない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-03-30 |
結審通知日 | 2007-04-03 |
審決日 | 2007-04-16 |
出願番号 | 特願2000-98462(P2000-98462) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(B41J)
P 1 8・ 575- WZ (B41J) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 尾崎 俊彦 |
特許庁審判長 |
番場 得造 |
特許庁審判官 |
島▲崎▼ 純一 國田 正久 |
発明の名称 | 画像形成装置および画像形成方法 |