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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G05D 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G05D |
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管理番号 | 1159685 |
審判番号 | 不服2003-19708 |
総通号数 | 92 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-08-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-10-08 |
確定日 | 2007-06-27 |
事件の表示 | 平成 8年特許願第521656号「自動最適化洗剤制御装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 7月18日国際公開、WO96/21891、平成11年 1月19日国内公表、特表平11-500841〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明 本願は、1995年12月12日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1995年3月21日 米国)を国際出願日とする出願であって、「自動最適化洗剤制御装置」に関するものと認められる。 2.当審の拒絶の理由 一方、当審において平成17年10月12日付で通知した拒絶の理由の内容は、次のとおりである。 「本願は、明細書および図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第4項および第6項に規定する要件を満たしていない。 記 (1)請求項1に「システムパラメータに基づいてフレキシブルな設定値を計算し」と記載されているが、「システムパラメータ」が具体的にどのようなものか不明であり、かつ、「フレキシブルな設定値」の意味が不明であり、また「システムパラメータに基づいて……計算」とはどのような計算をするのか特定されておらず不明である。 したがって、本願請求項に係る「装置」の構成が不明確である。 (2)明細書中に、「外部パラメータ」,「ユーザー設定のパラメータ」,「システムパラメータ」あるいは「制御パラメータ」という記載があるが、それぞれ何を意味するのか不明である。 また、「本発明の詳細な説明」の項に「洗浄装置用の、時間又はその他の要因により洗剤濃度設定値を制御するための装置を提供する」(明細書第5頁第22?23行目)、および「更に、制御パラメータ18を、ユーザー入力装置8からマイクロプロセッサ10に入力することが可能である。前記制御パラメータ18は、濃度設定値を割り出すために、以下のうちの幾つか、またはすべてを利用するようにマイクロプロセッサ10に指示する。その要素は……などがある。」(明細書第6頁第23行目?第7頁第1行目)と記載されてはいるが、制御パラメータがどのように利用されるかについての記載はなく、設定値を計算する方法に関しては何らの記載もない。 例えば「特定の操作履歴情報」なるもの(これ自体、構成を特定できないものであるが)を用いるとしても、それが設定値の計算にどのように反映されるのかが記載されていない。 そして、マイクロプロセッサが何をどのように判断して濃度設定値を更新するのかも記載されていない。 したがって、発明の詳細な説明の項には、請求項に係る発明を、当業者が容易に実施できる程度に明確かつ十分に記載されていると認めることができない。」 3.当審の判断 (1)請求項1の記載について (1-1)平成18年4月17日付の手続補正により補正された請求項1の記載内容は次のとおりである。 「洗浄装置における少なくとも1つの可変添加剤濃度レベルを制御するための装置であって、 クロック信号(22)を供給するためのタイマー手段(20)と、 ユーザー入力装置(8)から入力される特定の添加剤濃度設定値(14)、ユーザー時間設定値(16)、および処理手段(10)に指示を与えるためのユーザー制御パラメータ(18)を含むユーザー設定入力を確認し、さらにシステムパラメータを確認するための確認手段(10)と、 前記タイマー手段(20)および前記確認手段(10)に結合され、前記クロック信号、前記ユーザー設定入力、および前記システムパラメータに基づいてフレキシブルな濃度設定値を計算する前記処理手段(10)と、 前記処理手段(10)に結合され、計算された前記フレキシブルな濃度設定値を前記処理手段から受け取り、前記添加剤濃度が前記計算されたフレキシブルな濃度設定値に達するまで前記添加剤を供給するために調節手段(6)を自動的に制御する制御信号を生成するための制御手段(10)と、 前記制御手段に結合され、前記制御手段からの前記制御信号に基づいて前記添加剤濃度レベルを調節するための調節手段(6)とを備えたことを特徴とする装置。」 (1-2)請求項1の、「システムパラメータを確認するための確認手段(10)」および「前記システムパラメータに基づいてフレキシブルな濃度設定値を計算する」という記載によれば、「システムパラメータ」なるものが、確認可能であり、フレキシブルな濃度設定値の計算に寄与し得るものであることが窺えるが、「システムパラメータ」自体は、どのようにして導き出すことができ、また、その構成内容が如何なるものであるのか全く不明であるといわざるを得ない。 また、請求項2?6の記載を見ても、システムパラメータに関しては何ら定義されていない。 そこで、明細書の記載を参酌するに、「システムパラメータ」に関しては、4頁19行に「システムパラメータの同定に基づき」という記載があり、同頁21?25行に「システムパラメータを確認するための手段、システムパラメータに基づき設定値を決定するための処理能力、その設定値に基づきレギュレータを制御するための信号を発生させる制御装置、及び添加剤の注入を制御するレギュレータを備えている。」と記載されているのみであって、これら明細書中の記載及び図面を見ても、「システムパラメータ」が如何なるものなのか、その内容は不明である。 したがって、本願請求項に係る発明の構成が明確であるとはいえない。 なお、この点に付き請求人は、平成18年4月17日付意見書の1頁33?39行(2.補正の説明及びその根拠(1))において、「明細書の6頁25行?7頁1行には、制御パラメータ18が、「濃度設定値」を割り出すために、「特定の操作履歴情報、時間関数を基にマイクロプロセッサ10により判断される濃度設定値の継続的更新、マイクロプロセッサ10への測定入力28、他のユーザー設定に基づく経過時間、または処理工程の設定値の継続的更新など」を利用するようにマイクロプロセッサ10に指示するものであることが記載されています。それらの情報は、当業者には、添加剤濃度の制御に用いられるパラメータと知られており、システムパラメータがそのようなパラメータを意味することも明白です。」と主張している。 しかしながら、「濃度設定値」を割り出すために利用される上記のものが、添加剤濃度の制御に用いられるパラメータとして当業者に知られているとする証拠は示されておらず、また、明細書中には、上記のとおり記載されているのみであり、それらのものがシステムパラメータを意味するものとする記載、あるいは、それを示唆する記載はないので、上記請求人の主張は採用できない。 (1-3)請求項1の「前記システムパラメータに基づいてフレキシブルな濃度設定値を計算」および「前記処理手段(10)に結合され、計算された前記フレキシブルな濃度設定値を前記処理手段から受け取り、前記添加剤濃度が前記計算されたフレキシブルな濃度設定値に達するまで前記添加剤を供給する」という記載によれば、添加剤の濃度がシステムパラメータに基づいて計算されるものであることが窺えるが、システムパラメータを用いたフレキシブルな濃度設定値計算手段の構成は不明である。 そして、請求項2?6には、フレキシブルな濃度設定値に関して、「洗浄装置の固有の操作履歴に基づいて」(請求項2)、「ユーザ設定入力およびクロック信号に基き、フレキシブルな濃度設定値の連続的な更新を時間の関数として」(請求項3)、「対応する初期設定値と関連した少なくとも1つのユーザ時間設定値に基き、フレキシブルな濃度設定値の連続的な更新を処理工程の関数として」(請求項4)、「ユーザ設定入力、クロック信号、および制御パラメータに基き、フレキシブルな濃度設定値の連続的な更新を測定値入力(28)の関数として」(請求項5)、「制御パラメータ、経過時間、およびクロック信号に基き、フレキシブルな濃度設定値の連続的な更新を所定の時点からの経過時間の関数として」、それぞれ計算するものと記載されているが、システムパラメータを用いたフレキシブルな濃度設定値計算手段の構成は不明である。 そこで、明細書の記載を参酌するに、4頁26?28行に「本発明の一つの目的は、多くの様々な要因に基づいてユーザーが異なった設定値を選択できることにより、ユーザーにフレキシビリティを提供することである。」と記載され、6頁3?6行に、「同様に、設定値の決定においてフレキシビリティを持たせることにより、洗浄装置は、マイクロプロセッサにより継続的にまたは一日のうちのある一定時間により計算する場合でもその他の方法により計算する場合でも最も効果的にプログラムすることができる。」と記載されているものの、濃度設定値のどこにどのようなフレキシビリティが与えられるものであるのか、またその値をどのようにフレキシビリティを持たせて決定するのかは何ら具体的に記載されておらず、システムパラメータを用いた濃度設定値計算手段の構成は不明であるといわざるを得ない。 したがって、この点においても本願請求項に係る発明の構成が明確であるとはいえない。 なお、請求人は、上記意見書の3頁22?36行(3.拒絶理由について(1)の第5?8段落)において、「「システムパラメータ」は、補正(1)の根拠の記載において述べたとおり、「特定の操作履歴情報、時間関数を基にマイクロプロセッサ10により判断される濃度設定値の継続的更新、マイクロプロセッサ10への測定入力28、他のユーザー設定に基づく経過時間、または処理工程の設定値の継続的更新」(明細書の6頁25?28行(注:「7頁1行」の誤記と認められる。)参照)、などとして例示されたようなパラメータに該当するものであり、しかも、上述のとおり、フレキシブルな濃度設定値を割り出すために用いられるので、「システムパラメータ」が具体的にどのようなものであるかは明確である、と思料いたします。 また、上記の説明から、「フレキシブルな濃度設定値」の意味も明確である、と思料致します。 さらに、「システムパラメータに基づいて、・・・計算」の内容は、図3および明細書の11頁19行?13頁末尾までの記載が一例を示したものです。具体的な計算内容は、実際の用途に応じて異なるものであり、本願発明が、フレキシブルな濃度設定値に基づいて制御を行うこと自体に特徴がある以上、請求項の記載において特定することを要するものではないものと思料致します。 以上のとおり、本願請求項に係る「装置」の構成は明確であると思料致します。」と主張しているが、明細書の6頁25行?7頁1行に例示された「要素」は、請求人が上記意見書の1頁33?37行で述べているとおり、「制御パラメータ18」が、「濃度設定値」を割り出すために(それらの要素を)利用するようにマイクロプロセッサ10に指示するものであって、明細書の上記箇所の記載を見ても「システムパラメータ」については、上記「要素」との関係が特定されていない以上、その内容が不明であり、また、図3および明細書の11頁19行?13頁末尾には、添加剤の濃度を制御する装置の動作は記載されているものの、システムパラメータを用いてフレキシブルな設定値をどのように演算するかは記載されておらず、フレキシブルに設定値を計算する手段の構成は不明であるといわざるを得ない。 (2)明細書の記載について (2-1)「外部パラメータ」、「ユーザー設定のパラメータ」、「システムパラメータ」あるいは「制御パラメータ」という用語に関して、また「濃度設定値」の計算に関して、明細書での記載内容は下記のとおりである。 ・「本発明は、処理工程において添加剤の自動注入を制御する方法及び装置に関するものであり、特に、外部パラメータの測定、ユーザー設定のパラメータの入力、またはパラメータの測定及び入力を組み合わせ、それらを比較することにより、添加剤の注入を制御する方法及び装置に関するものである。」(1頁5?8行) ・「それは、添加剤濃度の設定値がすべてのサイクルにおいて単一のあらかじめ設定された値からなり、その設定値を手操作でリセットしない限り、添加剤の効能に影響を及ぼす可能性のあるあらゆる外部パラメータまたは内部パラメータに関係なく、工程に対して同じ濃度の添加剤が供給されてしまう点である。それゆえ、許容範囲の結果を確実に得るために最悪の場合の状態を想定して設定値が選択される。この事が、添加剤濫用の原因となっていた。」(2頁1?7行) ・「そこで、温度、相対湿度、または溶液の導電率のような外部測定値に基づき、特定の工程において注入される添加剤の量を制御する性能を向上させる必要性がある。 また、ユーザー入力パラメータに基づき、特定の工程への添加剤の注入を制御する性能を向上させる必要性がある。 また、ユーザー入力パラメータと外部測定値の比較に基づき、特定の工程への添加剤の注入を制御する性能を向上させる必要性がある。 同様に、制御装置は、添加剤設定値を時間の関数とする場合、経過時間または現在時刻のいずれにするか決定する必要がある。」(4頁5?13行) ・「本発明は、システムパラメータの同定に基づき、添加剤の注入を制御するための方法を提供することにより、上述した問題を解消する。 本発明の原理による装置は、クロック信号を供給するタイマー、システムパラメータを確認するための手段、システムパラメータに基づき設定値を決定するための処理能力、その設定値に基づきレギュレータを制御するための信号を発生させる制御装置、及び添加剤の注入を制御するレギュレータを備えている。」(4頁19?25行) ・「洗浄装置用の、時間又はその他の要因により洗剤濃度設定値を制御するための装置を提供する」(5頁22?23行) ・「図1は、様々な添加剤濃度設定装置において使用される本発明の一実施形態の構成図を示している。前記装置は、適切な添加剤濃度設定値を決定するため、マイクロプロセッサ10を備えている。前記マイクロプロセッサ10は、ユーザー入力装置8により、ユーザーからのいろいろなタイプの入力を受け取る。…… 特定の添加剤濃度設定値14が、ユーザー入力装置8からマイクロプロセッサ10に入力され得る。そして、ユーザー時間設定値16が、ユーザー入力装置8からマイクロプロセッサ10に入力される。……更に、制御パラメータ18を、ユーザー入力装置8からマイクロプロセッサ10に入力ことが可能である。前記制御パラメータ18は、濃度設定値を割り出すために、以下のうち幾つか、またはすべてを利用するようにマイクロプロセッサ10に指示する。その要素は、特定の操作履歴情報、時間関数を基にマイクロプロセッサ10により判断される濃度設定値の継続的更新、マイクロプロセッサ10への測定入力28、他のユーザー設定に基づく経過時間、または処理工程の設定値の継続的更新などがある。 ……マイクロプロセッサ10は、タイミング信号22をユーザー時間設定値16と比較し、工程を開始するためのユーザ設定時間の経過判定に使用し、または、制御パラメータ18を介して指示があれば、ソレノイドバルブ6を制御するための制御パラメータ値として使用する。」(6頁12行?7頁6行) ・「マイクロプロセッサ10が、制御パラメータ入力18を介してその他の比較値又は継続比較値を使用するように指示された場合、マイクロプロセッサ10は、その指示情報又は設定値を確定するために、センサー24からマイクロプロセッサへ入力された他のアナログ入力値28を使用する。」(7頁13?16行) ・「図2は、本発明の原理を適用した制御装置が、制御パラメータ、入力データ、タイミング要因に基づいて、どのようにして装置への添加剤注入を自動的に調節するかを示すフローチャートである。」(8頁28行?9頁1行) (2-2)「外部パラメータ」、「ユーザー設定のパラメータ」、「システムパラメータ」あるいは「制御パラメータ」という用語に関して、明細書での記載は上記のとおりであって、それぞれが何を意味するのか不明であり、また、各種パラメータを用いて、例えば、濃度設定値をどのように導き出すのか、またそれをどのように活用するのか等、具体的な制御手法について十分な記載があるとはいえない。 したがって、発明の詳細な説明の項には、請求項に係る発明を、当業者が容易に実施できる程度に明確かつ十分に記載されていると認めることができない。 なお、請求人は、上記意見書の「3.拒絶理由について (2)拒絶理由2について」において、「外部パラメータ」とは、測定値入力(28)を意味し、「ユーザー設定のパラメータ」とは、ユーザー入力装置(8)から入力されるパラメータ、すなわち特定の添加剤濃度設定値(14)、ユーザー時間設定値(16)、およびユーザー制御パラメータ(18)を意味することは明白である。そして、制御パラメータ18は、濃度設定値を割り出すために、「特定の操作履歴情報、時間関数を基にマイクロプロセッサ10により判断される濃度設定値の継続的更新、マイクロプロセッサ10への測定入力28、他のユーザー設定に基づく経過時間、または処理工程の設定値の継続的更新など」を利用するようにマイクロプロセッサ10に指示する。また、マイクロプロセッサ10は、タイミング信号22をユーザー時間設定値16と比較し、工程を開始するためのユーザー設定時間の経過判定に使用し、または、制御パラメータ18を介して指示があれば、ソレノイドバルブ6を制御するための制御パラメータ値として使用する。さらに、「マイクロプロセッサ10が、制御パラメータ入力18を介してその他の比較値又は継続比較値を使用するように指示された場合、マイクロプロセッサ10は、その指示情報又は設定値を確定するために、センサー24からマイクロプロセッサへ入力された他のアナログ入力値28を使用する。」と記載されている旨主張するが、パラメータという用語の明細書での記載は上記(2-1)のとおりであって、「外部パラメータ」、「ユーザー設定のパラメータ」、「システムパラメータ」および「制御パラメータ」が添加剤の注入制御に用いられるものであることは記載されているものの、それらの用語に関して、それぞれの定義が記載されておらず、明らかであるとはいえない。 さらに、請求人は、「制御パラメータ」に基づいてマイクロプロセッサがどのような処理を行うかは明白である旨、および、「制御パラメータ」は、マイクロプロセッサ10に入力される「制御パラメータ」以外のデータ、すなわち、特定の添加剤濃度設定値(14)、ユーザー時間設定値(16)、および測定値入力(28)を用いてフレキシブルな濃度設定値を計算するための指示を、マイクロプロセッサ10に与える機能を持ったものであることは明白である旨主張している。 しかしながら、特定の添加剤濃度設定値(14)、ユーザー時間設定値(16)、および測定値入力(28)以外に何がユーザーによって入力されるのかは明細書中に記載されておらず、「制御パラメータ」が何なのかは不明であるといわざるを得ない。 また、請求人は意見書の3.(2)の第5段落で「システムパラメータ」は、「特定の操作履歴情報、時間関数を基にマイクロプロセッサ10により判断される濃度設定値の継続的更新、マイクロプロセッサ10への測定入力28、他のユーザー設定に基づく経過時間、または処理工程の設定値の継続的更新」などとして例示されたようなパラメータに該当するものであり、しかも、フレキシブルな濃度設定値を割り出すために用いられるので、「システムパラメータ」が具体的にどのようなものであるかは明確である旨主張する。 しかしながら、請求人は上記のとおり上記意見書の「3.拒絶理由について (2)拒絶理由2について」において、「測定値入力28」は「外部パラメータ」である旨主張しており、この主張によれば、システムパラメータと外部パラメータが重複するものと解されるため、この点からも、明細書中で別のものとして記載されたシステムパラメータと外部パラメータの定義が不明であるといわざるを得ないものである。 さらに、請求人は上記意見書の3.(2)の第9,10段落において、「特定の操作履歴情報」は、システムパラメータの一例であり、他のシステムパラメータがどのようなものであり、フレキシブルな濃度設定値の計算にどのように反映されるかは明白である旨、および、洗浄装置の運転の履歴を考慮してフレキシブルな濃度設定値を計算するように動作するマイクロプロセッサ10の動作は、システムパラメータとして「特定の操作履歴情報」が与えられることにより可能となる旨主張するが、明細書中に、「特定の操作履歴情報」が、システムパラメータの一例である旨の記載はなく、他のシステムパラメータが不明であることも上記のとおりであるから、請求人の上記主張は採用できない。 4.むすび したがって、本願は、特許法第36条第4項および第6項に規定する要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-05-26 |
結審通知日 | 2006-05-29 |
審決日 | 2006-06-09 |
出願番号 | 特願平8-521656 |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WZ
(G05D)
P 1 8・ 536- WZ (G05D) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 藤本 信男 |
特許庁審判長 |
田良島 潔 |
特許庁審判官 |
田中 秀夫 渋谷 善弘 |
発明の名称 | 自動最適化洗剤制御装置 |
代理人 | 特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ |