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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01Q
管理番号 1164768
審判番号 不服2004-26559  
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-12-28 
確定日 2007-09-20 
事件の表示 平成11年特許願第178019号「モノパルスアンテナ装置およびアンテナ構造」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 1月12日出願公開、特開2001- 7641〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年6月24日の出願であって、平成16年5月26日付けの拒絶理由に対して同年7月27日付けで手続補正がなされたところ、同年11月18日付けで補正却下の決定と拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月28日に前記拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、前記審判請求の理由の中で前記補正却下の決定に対する不服の申し立てがなされ、これに対し、平成18年12月28日付けで当審による拒絶理由が通知され、平成19年3月6日付で手続補正がなされたものである。

2.原審における補正却下の決定の当否について
[補正却下の決定の当否の結論]
平成16年11月18日付けの補正却下の決定を取り消す。

[理由]
上記補正却下の決定にかかる手続補正は平成16年4月28日付けのものであるところ、当該補正は特許法第17条の2第1項第2号に規定する最後の拒絶理由通知を受けた場合になされたものではないから、当該補正に特許法第53条第1項の規定(特許法第17条の2第1項第2号に掲げる場合において・・・違反しているものと・・・認められたときは、審査官は、補正を却下しなければならない。)を適用した原審の判断は妥当でない。
また、他に上記補正を却下すべき理由は見あたらない。

以上のとおりであるから、特許法第53条第1項の規定により却下すべきものとした原審における補正却下の決定は妥当でない。

3.本願発明
本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成18年12月28日付けで通知された当審による拒絶理由に対する平成19年3月6日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
(本願発明)
「単一ホーンを使用したモノパルスアンテナ装置において、前記単一ホーンの内部に電磁界を発生させる電磁界発生手段と、前記電磁界の分布を、前記ホーンの中心軸に対称な少なくとも4位置に偏移させる偏移手段と、前記偏移により生じた水平偏波および/または垂直偏波をもとに角度誤差信号を得る手段を備え、
前記電磁界発生手段は導波管であり、また、前記偏移手段は、前記ホーンの中心軸に対して軸対称に4分割された各領域に配され、相互に90度離間して配された4本の誘電体線路であって、これらの誘電体線路は、その端部が前記導波管の内部の端部に接触するとともに固定され、前記導波管によって励振されることを特徴とするモノパルスアンテナ装置。」

4.引用発明及び周知技術
(1)当審の拒絶理由に引用された特公平1-25433号(平成1年5月17日公告、以下、「引用例」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。
イ.「従来,アンテナに自己追尾機能を具備せしめるため,アンテナの指向方向が通信の対象となる目標からそれた時にアンテナ内に誘起される高次モードのTM°01波を検出し,これを自己追尾のための誤差信号として使用する方法が採用されている。」(1頁1欄15?20行目)
ロ.「以下図面を参照してこの発明について詳細に説明する。
第3図はこの発明を円錐ホーンアンテナに適用した場合の一実施例を示した正面図および側断面図である。図において,1はテーパ部,2は探針である。通常の円錐ホーンアンテナのなかの追尾に使用されるTM°01波に対し伝送域にある直径部分に,使用周波数の約1/4波長の探針2(長さl)をホーンアンテナの周辺4個所でそれぞれ軸方向に設け,更にこれ等探針の根元部分には同軸線路により外部に導かれる検出素子がそれぞれ設けられている。この場合,ホーンアンテナに接続されている円形の給電用導波管(直径D)は通信に使用される基本モードTE°11波のみを伝播可能であり,TM°01モードに対しては遮断域にあるように設定される。そして,探針の挿入点寸法LはTM°01モード波が最も効率良く検出される位置に選ばれる。又,寸法dはできるだけ短かくなるよう配慮しておく。一方,θは基本モードTE°11波成分が探針2に検出されないためには0が望ましいが,TM°01波をより多く検出するために,ホーンアンテナの軸に平行になる程度に決める。
このような構造のホーンアンテナには,到来電波方向がホーンアンテナの軸上からそれた時,基本モードTE°11波と高次モードTM°01波とが受信される。両モード波とも,円錐ホーンの中では通常円形導波管内のTE°11モード,TM°01モードの変形モード波となるが,TE°11モードはアンテナの軸方向には電界成分が非常に少ない一方,TM°01はほとんど通常円形導波管内と変らない軸上電界成分を持つ。従つて,探針2はTM°01波のみにより励振され,TE°11波によつてはほとんど励振されない。そしてTE°11波はそのまま後段の円形導波管に伝送される。
第4図は,第3図の実施例に適合する追尾信号検出器全体の構成をブロツク図により示したものである。この図において,4本の探針2に励振されたTM°01波は同軸線路により外部にとり出され,合成回路に導かれる。即ち,互に対抗する探針2?1と2?3および2?2と2?4の出力端を180゜位相型のハイブリツド3および4の同相端子にそれぞれ接続する。さらに,ハイブリツド3,4の同相合成端子同志を同相関係を保つたまま別のハイブリツド5に接続すると,ハイブリツド5の同相合成出力端子にはホーンアンテナ内に誘起されているTM°01波のみによる電力が検出される。」(2頁3欄27行目?4欄29行目)
ハ.「以上の説明により明らかなように,本発明によれば,円偏波通信システムにおいて,給電路を形成する円形導波管のテーパ部に軸方向に長さを有する探針を挿入するのみで,小形,かつ,経済的な追尾信号検出器を備えることができる点,システムの簡易化に寄与すべく得られる効果は大である。」(3頁5欄8?14行目)

上記引用例の記載及び添付図面(特に第2図、第3図)ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、上記「ホーンアンテナ」、「導波管」、「探針」、「同軸線路」及び「追尾信号検出器」は「単一ホーンを使用した自己追尾機能を備えたアンテナ装置」を構成しており、前記「同軸線路」はいわゆる「前記単一ホーンの内部に電磁界を発生させる電磁界発生手段」であり、上記「ホーンアンテナ内に誘起されているTM°01波」を「検出する」手段は第3図、第4図を参照すると「前記ホーンの中心軸に対して軸対称に4分割された各領域に配され、相互に90度離間して配された4本の探針」を用いて「前記ホーンの中心軸から偏移した方向から到来する電波」を検出する手段である。
また上記「追尾信号検出器」はいわゆる「前記偏移に基づく角度誤差信号を得る手段」である。
したがって、上記引用例には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
(引用発明)
「単一ホーンを使用した自己追尾機能を備えたアンテナ装置において、前記単一ホーンの内部に電磁界を発生させる電磁界発生手段と、ホーンアンテナ内に誘起されている前記ホーンの中心軸から偏移した方向から到来する電波を検出する手段と、前記偏移に基づく角度誤差信号を得る手段を備え、
前記電磁界発生手段は同軸線路であり、また、前記検出手段は、前記ホーンの中心軸に対して軸対称に4分割された各領域に配され、相互に90度離間して配された4本の探針であって、これらの探針は、前記同軸線路によって励振される自己追尾機能を備えたアンテナ装置。」

(2)同じく当審の拒絶理由に引用された特開平2-165706号公報(以下、「周知例1」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。
イ.「従来の技術
誘電体アンテナとして,例えば第4図に示すものがある。これは,HE11モード用であり,導波管2の内奥部に先端部を挿入して棒状の励振器4が設けられ,この励振器4より先端側の導波管2内に筒状の支持体3が内設され,この支持体3内に誘電体棒1を通して誘電体棒1の基端側が導波管2に挿入されており,電磁波の発信または受信が行えるように構成されている。」(1頁左下欄17行目?右下欄5行目)

例えば上記周知例1に記載されているように「電磁波の発信または受信が行える誘電体棒状アンテナがその基端側に設けられた導波管により励振される」ことは周知技術である。

(3)同じく当審の拒絶理由に引用された特開平1-243601号公報(以下、「周知例2」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。
イ.「〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るアンテナ給電回路は,例えばストリツプ線路で構成される高次モード発生器をアンテナ側のオーバサイズ導波管に設け,送・受信機側の基本モードのみ伝搬可能な導波管と結合する同軸導波管変換器と上記高次モード発生器とを可変減衰器を挿入した同軸ケーブルで接続するようにしたものである。
〔作用〕
この発明においては,例えば送信の場合には送信機からの電力の一部を導波管からとり出し,ストリツプ線路で構成される高次モード発生器に入力すると,オーバサイズ導波管中にストリツプ線路のモードが励振される。このモードがTE11モードと合成されると,オーバサイズ導波管の端面での電界の最大位置は導波管の中央から管壁側に移動する。このため,アンテナを機械的に回転させなくても指向方向を変化させることができる。」(2頁右上欄9行目?左下欄6行目)
ロ.「一方,受信の場合には,アンテナの指向方向が目的物からずれると第1の円形導波管(1)内には,TE11モードの他に高次モードであるTM01モード,TE21モードおよびTE01モードが発生する。このうち高次モードのみが高次モード発生器(10a),(10b)のストリツプ線路に結合し,同軸モードに変換され,可変減衰器(12a),(12b),同軸導波管変換器(11a),(11b)を介して円形導波管(3)に結合する。従って,受信機の受信レベルが最大となるように,送信の場合と同様にダイオードD1?D4及び可変減衰器(12a),(12b)を調整することにより,指向方向を目的物の方向に修正することができる。
なお,今までの説明は送信の場合を先に行ったが,実際の運用では受信状態でダイオードD1?D4,可変減衰器(12a),(12b)を調整して指向方向のずれを検出し,その状態を保ったまま送信すればアンテナの正面方向と異なる方向に目的物が存在しても最大の電力を目的物に対して伝送することができる。」(3頁右下欄13行目?4頁左上欄11行目)
ハ.「第6図はこの発明の他の実施例を示したもので,第1図と同じものを周方向に90度毎に配置したものである。この場合は直交する2偏波に対し別別に指向方向を修正することができる。」(4頁左上欄19行目?右上欄2行目)

例えば上記周知例2に記載されているように「自己追尾のための角度誤差信号を得るためのアンテナ装置において、追尾アンテナの送受信機能が等価であることや、周方向に90度毎に配置したものは直交する2偏波に対し別別に指向方向を修正することができること」は周知である。

(4)例えば特開平6-244629号公報(以下、「周知例3」という。)には図面とともに以下の事項イが記載されており、また、例えば特開平10-79680号公報(以下、「周知例4」という。)には図面とともに以下の事項ロが記載されている。
イ.「【0016】[第4実施例、図4及び図5]図4に示されている誘電体ロッドアンテナ41は、誘電体ロッド42と金属製ハウジング50とで構成されている。誘電体ロッド42は横断面が円形をしており、その材料にはセラミックスが使用されている。誘電体ロッド42の基端部42aの側面には金属電極44が外周にわたって形成されている。誘電体ロッド42の基端部端面42bは平面状になっている。
【0017】金属製ハウジング50は一方の端部にスロット51を設け、他方の端部が開口している。スロット51は誘電体ロッド42内部の伝播信号モード(HE11モード)を後述の同軸ケーブル56の芯線57内部のTEMモードに変換できるように設計されている。ハウジング50の開口側から誘電体ロッド42の基端部42aが挿入され、誘電体ロッド42は金属電極44を介してハウジング50に接合している。スロット51を設けたハウジング50の一方の端面は誘電体ロッド42の端面42bに密着している。さらに、誘電体ロッド42とハウジング50の接合を堅固にするため、半田又は接着剤53にてハウジング50と金属電極44の接合部分を補強している。」(周知例3、3頁3?4欄、段落16?17)

ロ.「【請求項6】 前記アンテナ(2)に、誘電体たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る差込部材が配置されており、該差込部材は前記送信ワイヤ(5)の周囲においてアンテナの内部区間を充填している、請求項1記載の装置。」(周知例4、2頁1欄、請求項6)

例えば上記周知例3、4に記載されているように「誘電体ロッドをその端部が前記導波管の内部の端部に接触するように固定する」ことは周知である。

5.対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると、本願発明の「モノパルスアンテナ装置」と引用発明の「自己追尾機能を備えたアンテナ装置」はいずれも「ホーンアンテナ装置」であるという点で一致している。
また、本願発明の「前記電磁界の分布を、前記ホーンの中心軸に対称な少なくとも4位置に偏移させる偏移手段」と引用発明の「ホーンアンテナ内に誘起されている前記ホーンの中心軸から偏移した方向から到来する電波を検出する手段」はいずれも「ホーンアンテナの指向性を制御する制御手段」であるという点で一致している。
また、本願発明の「前記偏移により生じた水平偏波および/または垂直偏波をもとに角度誤差信号を得る手段」と引用発明の「前記偏移に基づく角度誤差信号を得る手段」はいずれも「角度誤差信号を得る手段」であるという点で一致している。
また、本願発明の「導波管」と引用発明の「同軸線路」はいずれも「励振部」であるという点で一致しており、本願発明の「誘電体線路」と引用発明の「探針」はいずれも「棒状アンテナ素子」であるという点で一致している。
したがって、本願発明と引用発明は、以下の点で一致し、また、相違している。
(一致点)
「単一ホーンを使用したホーンアンテナ装置において、前記単一ホーンの内部に電磁界を発生させる電磁界発生手段と、ホーンアンテナの指向性を制御する制御手段と、角度誤差信号を得る手段を備え、
前記電磁界発生手段は励振部であり、また、前記制御手段は、前記ホーンの中心軸に対して軸対称に4分割された各領域に配され、相互に90度離間して配された4本の棒状アンテナ素子であって、これらの棒状アンテナ素子は、前記励振部によって励振されるホーンアンテナ装置。」

(相違点1)「ホーンアンテナ装置」に関し、本願発明は「モノパルスアンテナ装置」であるのに対し、引用発明は「自己追尾機能を備えたアンテナ装置」である点。
(相違点2)「ホーンアンテナの指向性を制御する制御手段」に関し、本願発明の手段は「前記電磁界の分布を、前記ホーンの中心軸に対称な少なくとも4位置に偏移させる偏移手段」であるのに対し、引用発明の手段は「ホーンアンテナ内に誘起されている前記ホーンの中心軸から偏移した方向から到来する電波を検出する手段」である点。
(相違点3)「角度誤差信号を得る手段」に関し、本願発明の手段は「前記偏移により生じた水平偏波および/または垂直偏波をもとに角度誤差信号を得る手段」であるのに対し、引用発明の手段は「前記偏移に基づく角度誤差信号を得る手段」である点。
(相違点4)「励振部」に関し、本願発明は「導波管」からなるのに対し、引用発明は「同軸線路」からなる点。
(相違点5)「棒状アンテナ素子」に関し、本願発明の素子は「誘電体線路であって、これらの誘電体線路は、その端部が前記導波管の内部の端部に接触するとともに固定され」ているのに対し、引用発明の素子は「探針」である点。

そこで、まず、上記相違点1の「ホーンアンテナ装置」について検討するに、本願発明にかかる「モノパルスアンテナ装置」は「自己追尾のためのアンテナ装置」として周知の構成であり、当該周知の構成を引用発明の「自己追尾機能を備えたアンテナ装置」として採用する上での阻害要因は何ら見あたらないから、当該周知技術に基づいて、引用発明の「自己追尾機能を備えたアンテナ装置」を本願発明のような「モノパルスアンテナ装置」とする程度のことは当業者であれば適宜なし得ることである。
ついで、上記相違点2の「ホーンアンテナの指向性を制御する制御手段」と上記相違点3の「角度誤差信号を得る手段」について検討するに、例えば上記周知例2に記載されているように「自己追尾のための角度誤差信号を得るためのアンテナ装置において、追尾アンテナの送受信機能が等価であることや、周方向に90度毎に配置したものは直交する2偏彼に対し別別に指向方向を修正することができること」は周知であるところ、当該周知技術によれば、引用発明の「前記ホーンの中心軸から偏移した方向から到来する電波を検出する手段」はそのまま「前記ホーンの中心軸から偏移した方向に電波を送信する手段」となるのであるから、引用発明の「相互に90度離間して配された4本の棒状アンテナ素子を備えたホーンアンテナ装置」の「ホーンアンテナ内に誘起されている前記ホーンの中心軸から偏移した方向から到来する電波を検出する手段」を本願発明のような「前記電磁界の分布を、前記ホーンの中心軸に対称な少なくとも4位置に偏移させる偏移手段」とする程度のことは当業者であれば適宜なし得ることである。また上記周知例2における「直交する2偏彼」とはいわゆる水平偏波と垂直偏波のことであるから、引用発明の「相互に90度離間して配された4本の棒状アンテナ素子を備えたホーンアンテナ装置」の「前記偏移に基づく角度誤差信号を得る手段」を本願発明のような「前記偏移により生じた水平偏波および/または垂直偏波をもとに角度誤差信号を得る手段」とする程度のことも当業者であれば適宜なし得ることである。
ついで、上記相違点4の「励振部」と上記相違点5の「棒状アンテナ素子」について検討するに、例えば上記周知例1に記載されているように、「電磁波の発信または受信が行える誘電体棒状アンテナがその基端側に設けられた導波管により励振される」ことは周知技術であるところ、本願発明にかかる偏移手段の原理は、例えば上記周知例2にも開示されているように、ホーン内に所定の電磁波を供給すればよいのであるから、上記周知例1の周知の誘電体棒状アンテナを引用発明の探針に替えて用いる程度のことは当業者であれば適宜なし得ることであり、引用発明の棒状アンテナ素子である「探針」とその励振部である「同軸線路」の組み合わせを、本願発明のような棒状の「誘電体線路」とその励振部である「導波管」の組み合わせに変更する程度のことも当業者であれば適宜なし得ることである。また、「誘電体ロッドをその端部が前記導波管の内部の端部に接触するように固定する」こと自体も例えば上記周知例3、4に記載されているように周知の構成であるから、当該周知技術に基づいて本願発明の「誘電体線路」を「これらの誘電体線路は、その端部が前記導波管の内部の端部に接触するとともに固定され」るように構成することも当業者であれば適宜なし得ることである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-06-21 
結審通知日 2007-06-26 
審決日 2007-07-30 
出願番号 特願平11-178019
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮崎 賢司  
特許庁審判長 山本 春樹
特許庁審判官 中木 努
北村 智彦
発明の名称 モノパルスアンテナ装置およびアンテナ構造  
代理人 高橋 省吾  
代理人 中鶴 一隆  
代理人 村上 加奈子  
代理人 稲葉 忠彦  

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