ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01J 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01J |
---|---|
管理番号 | 1169373 |
審判番号 | 不服2005-22902 |
総通号数 | 98 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-02-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-11-28 |
確定日 | 2007-12-05 |
事件の表示 | 特願2003-272468「プラズマディスプレーパネル及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年1月8日出願公開、特開2004-6396〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件出願は、平成12年11月24日(パリ条約による優先権主張:1999年11月24日及び2000年11月17日、大韓民国)に出願した特願2000-358119号の一部を平成15年7月9日に新たな特許出願としたもの(特願2003-272468号)であって、平成17年8月23日付け(発送日:同月30日)で拒絶査定がなされ、これに対し同年11月28日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日に手続補正書が提出されたものであって、当審において、平成18年11月13日付け(発送日:同月14日)で拒絶の理由を通知したところ、平成19年2月13日に意見書及び手続補正書が提出され、さらに、平成19年3月12日付け(発送日:同月13日)で最後の拒絶の理由を通知したところ、平成19年6月13日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 平成19年6月13日付け手続補正書による補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成19年6月13日付け手続補正書による補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 平成19年6月13日付けの手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)は、上述のとおり最後の拒絶の理由を通知したことに応じてされたものであるから、特許法第17条の2第1項第3号に該当する補正である。 そして、本件補正は、特許請求の範囲を次のように補正するものである。 (1)本件補正前の特許請求の範囲 「【請求項1】 多数の電極を有する有効表示部と、前記電極に駆動波形を供給するための駆動波形の供給部と、前記多数の電極にそれぞれ接続される多数の連結部と前記多数の連結部にそれぞれ接続される多数のパッドとを有し、前記多数の電極と前記駆動波形の供給部とを電気的に連結するパッド部とを具備するプラズマディスプレーパネルにおいて、 前記パッドから前記電極までの距離が遠いほど、前記パッドの長さは短くなり、前記連結部の長さは長くなることを特徴とするプラズマディスプレーパネル。」 (2)本件補正後の特許請求の範囲 「【請求項1】 多数の電極を有する有効表示部と、前記電極に駆動波形を供給するための駆動波形供給部と、前記多数の電極にそれぞれ接続される多数の連結部と前記多数の連結部にそれぞれ接続される多数のパッドとを有し、前記多数の電極と前記駆動波形供給部とを電気的に連結するパッド部とを具備し、プラズマ放電の際に発生された紫外線を用いて画像を表示するプラズマディスプレーパネルにおいて、 前記パッドから前記電極までの距離が遠いほど、前記パッドの長さは短くなり、前記連結部の長さは長くなり、 前記パッドの長さが長くなるほど、前記連結部と前記パッドの連結角、及び、前記連結部と前記電極の連結角が小さくなり、 前記パッドの一段は前記連結部に直接接続され、他段は駆動波形を供給する駆動波形供給部のコネクタに直接接続され、前記コネクタの幅は前記有効表示部の幅より狭いことを特徴とするプラズマディスプレーパネル。」 2 本件補正の適否について 本件補正は、請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「プラズマディスプレーパネル」について「プラズマ放電の際に発生された紫外線を用いて画像を表示する」という限定を付加するとともに、請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「パッド部」及び「駆動波形供給部」について「前記パッドの長さが長くなるほど、前記連結部と前記パッドの連結角、及び、前記連結部と前記電極の連結角が小さくなり、前記パッドの一段は前記連結部に直接接続され、他段は駆動波形を供給する駆動波形供給部のコネクタに直接接続され、前記コネクタの幅は前記有効表示部の幅より狭い」という限定を付加するものであって、平成18年法律第55号による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 なお、上記の限定のうちの「パッドの一段」及び「他段」という記載については、平成19年6月13日付け意見書の『(2)・・・パッドの一段(一端)は連結部に直接接続され、他段(他端)は駆動波形を供給する駆動波形供給部のコネクタに直接接続され、』という記載及び『(4)・・・「パッドの一端が連結部に直接接続され、他端は駆動波形供給部のコネクタに直接接続され、』という記載からみて、それぞれ「パッドの一端」及び「他端」の意味であると認める。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。 (1)引用例 本件出願の優先権主張の日前に頒布された刊行物である特開平6-67191号公報(以下「引用例」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、2枚の基板間に形成された表示電極間に液晶を挟持した液晶表示器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の液晶表示器としては、たとえば図3に示す構成のものが知られている。 【0003】この図3に示す構成は、2枚のガラス基板1,2がほぼ平行に対向して設けられ、これらガラス基板1,2の対向する面には、第1および第2の電極パターン3,4が形成されている。そして、これら第1および第2の電極パターン3,4は、ガラス基板1,2の一辺に沿って長手方向が周辺に直角に複数平行に設けられた駆動信号入力用の端子部5,6が形成され、これら端子部5,6からは斜め方向にそれぞれ配線電極7,8が形成され、さらに、これら配線電極7,8の先端側には、複数の帯状の表示電極9,10がそれぞれ平行に形成され、表示電極9および表示電極10は相互に直交するようになっている。 【0004】また、ガラス基板1,2間には、図示しない液晶が挟持され、表示電極9,10間には、表示画素11が形成されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、端子部5,6と表示電極9,10とのピッチが異なるため、配線電極7,8の長さはそれぞれ異なり、配線電極7,8の長さによって、端子部5,6および表示電極9,10間の抵抗値が異なり、端子部5,6から入力される駆動信号の電圧降下量が異なる。したがって、端子部5,6の近傍の表示画素11では表示濃度が濃く、端子部5,6から遠方の表示画素11では表示濃度が薄くなり、表示画素11毎の明るさが異なり、全体で均一な表示が行なえない問題を有している。 【0006】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、全体で均一な表示を行なうことができる液晶表示器を提供することを目的とする。」 イ 「【0011】 【実施例】以下、本発明の液晶表示器の一実施例を図面を参照して説明する。なお、図3に示す従来例に対応する部分には、同一符号を付して説明する。 【0012】図1に示すように、異なる形状の2枚の第1および第2のガラス基板1,2がほぼ平行に対向して設けられている。そして、ガラス基板1のガラス基板2に対向する面には、ITO(酸化インジウム)などの第1の電極パターン3が形成され、ガラス基板2のガラス基板1に対向する面には、同様にITOなどの第2の電極パターン4が形成されている。 【0013】また、第1の電極パターン3は、ガラス基板2に対向しない部分に、ガラス基板1の一辺に沿って長手方向が周辺に直角に複数平行に駆動信号入力用の端子部5_(1) ,5_(2) ,…,5_(n) が形成され、これら端子部5_(1) ,5_(2) ,…,5_(n) には、配線電極7_(1) ,7_(2) ,…,7_(n) が接続され、これら配線電極7_(1) ,7_(2) ,…,7_(n) には、複数の帯状の表示電極9_(1) ,9_(2) ,…,9_(n) がそれぞれ平行に形成されている。そして、配線電極7_(1) ,7_(2) ,…,7_(n) は、端子部5_(1) ,5_(2) ,…,5_(n) からほぼ直線状に形成された直線配線電極部15_(1) ,15_(2) ,…,15_(n) と、この直線配線電極部15_(1) ,15_(2) ,…,15_(n) および表示電極9_(1) ,9_(2) ,…,9_(n) 間を接続する直線配線電極部15_(1) ,15_(2) ,…,15_(n) に対して斜め方向に配設された斜め配線電極部16_(1) ,16_(2) ,…,16_(n) とに分割されて形成されている。・・・ 【0014】一方、第2の電極パターン4は、ガラス基板1に対向しない部分に、ガラス基板2の一辺に沿って長手方向が周辺に直角に複数平行に駆動信号入力用の端子部6_(1) ,6_(2) ,…,6_(m) が形成され、これら端子部6_(1) ,6_(2) ,…,6_(m) には、配線電極8_(1) ,8_(2) ,…,8_(m) が接続され、これら配線電極8_(1) ,8_(2) ,…,8_(m) には、複数の帯状の表示電極10_(1) ,10_(2) ,…,10_(m) が表示電極9_(1) ,9_(2) ,…,9_(n) に対して直交するとともに、それぞれ平行に形成されている。そして、配線電極8_(1) ,8_(2) ,…,8_(m) は、端子部6_(1) ,6_(2) ,…,6_(m) からほぼ直線状に形成された直線配線電極部17_(1) ,17_(2) ,…,17_(m) と、この直線配線電極部17_(1) ,17_(2) ,…,17_(m) および表示電極10_(1) ,10_(2) ,…,10_(m) 間を接続する直線配線電極部17_(1) ,17_(2) ,…,17_(m) に対して斜め方向に配設された斜め配線電極部18_(1) ,18_(2) ,…,18_(m) とに分割されて形成されている。」 ウ 「【0019】なお、直線配線電極部15_(1) ,15_(2) ,…,15_(n) ,17_(1) ,17_(2) ,…,17_(m) の長さは、接続する表示電極9_(1) ,9_(2) ,…,9_(n) ,10_(1) ,10_(2) ,…,10_(m) 数の半分で最長となるように設定し、表示電極9_(1) ,10_(1) より一定間隔で長くしていくとよい。」 エ 「【0021】次に、他の実施例を図2を参照して説明する。 【0022】この図2に示す実施例は、たとえば図1に示すガラス基板1の第1の電極パターン3について示すものである。 【0023】直線配線電極部15_(1) ,15_(2) ,…,15_(n) は段階的に長さが変化し、これら直線配線電極部15_(1) ,15_(2) ,…,15_(n) に伴って斜め配線電極部16_(1) ,16_(2) ,…,16_(n) も段階的に長さが変化している。」 オ 上記摘記事項ア?エを参照しつつ図面の図1及び図2をみると、 (ア)上記端子部5,6及び上記直線配線電極部15,17は、後者が前者から直線状に形成されるものであって、両者併せて直線状の電極であり、 (イ)上記直線状の電極から上記表示電極9,10までの距離が遠いほど、上記直線状の電極の長さが短くなるとともに上記斜め配線電極部16,18の長さが長くなり、 (ウ)上記直線状の電極の長さが長くなるほど、上記斜め配線電極部16,18と上記直線状の電極の連結角及び上記斜め配線電極部16,18と上記表示電極9,10の連結角が小さくなり、 (エ)上記直線状の電極の一端は上記斜め配線電極部16,18に直接接続され、 (オ)上記直線状の電極の他端が駆動信号入力用の端子部5,6となり、 (カ)上記ガラス基板1,2上における上記端子部5,6の形成部分の幅は上記ガラス基板1,2上における上記表示電極9,10の形成部分の幅より狭い ことが読みとれる。 これらの事項によると、引用例には、 「ガラス基板1,2と、それぞれ平行に形成され、相互に直交する複数の帯状の表示電極9及び表示電極10と、前記表示電極9,10間に形成された表示画素11と、駆動信号入力用の端子部5,6及び前記端子部5,6から直線状に形成された直線配線電極部15,17からなる直線状の電極と、前記直線状の電極と前記表示電極9,10との間に形成された斜め配線電極部16,18とを有する表示器において、 前記直線状の電極から前記表示電極9,10までの距離が遠いほど、前記直線状の電極の長さは短くなり、前記斜め配線電極部16,18の長さは長くなり、 前記直線状の電極の長さが長くなるほど、前記斜め配線電極部16,18と前記直線状の電極の連結角及び前記斜め配線電極部16,18と前記表示電極9,10の連結角が小さくなり、 前記直線状の電極の一端は前記斜め配線電極部16,18に直接接続され、前記直線状の電極の他端が駆動信号入力用の端子部5,6となり、前記ガラス基板1,2上における前記端子部5,6の形成部分の幅は前記ガラス基板1,2上における前記表示電極9,10の形成部分の幅より狭い表示器。」 の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (2)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「それぞれ平行に形成され、相互に直交する複数の帯状の表示電極9及び表示電極10」は、本願補正発明の「多数の電極」に相当する。 また、引用発明の「前記表示電極9,10間に形成された表示画素11」は、画面が表示される有効表示部であるということができる。 したがって、引用発明の「それぞれ平行に形成され、相互に直交する複数の帯状の表示電極9及び表示電極10と、前記表示電極9,10間に形成された表示画素11」は、本願補正発明の「多数の電極を有する有効表示部」に相当する。 イ 引用発明の「駆動信号」は、本願補正発明の「駆動波形」に相当する。 そして、引用発明においても、上記「駆動信号」を「表示電極9及び表示電極10」に供給するための供給部が設けられることは自明であるから、引用発明と本願補正発明は、どちらも「前記電極に駆動波形を供給するための駆動波形供給部」を有する点で共通する。 ウ 引用発明の「斜め配線電極部16,18」は「前記直線状の電極と前記表示電極9,10との間に形成された」ものであることから、引用発明の「斜め配線電極部16,18」は本願補正発明の「前記多数の電極にそれぞれ接続される多数の連結部」に相当し、また、引用発明の「駆動信号入力用の端子部5,6及び前記端子部5,6から直線状に形成された直線配線電極部15,17からなる直線状の電極」は本願補正発明の「前記多数の連結部にそれぞれ接続される多数のパッド」に相当する。 そして、引用発明の上記「直線状の電極」及び上記「斜め配線電極部16,18」は、「表示電極9及び表示電極10」と駆動信号を供給するための供給部とを電気的に連結するものであることから、本願補正発明の「前記多数の電極と前記駆動波形供給部とを電気的に連結するパッド部」に相当する。 エ 引用発明の「表示器」と本願補正発明の「プラズマディスプレーパネル」とは、「ディスプレーパネル」である点で共通する。 オ 引用発明の「前記直線状の電極から前記表示電極9,10までの距離が遠いほど、前記直線状の電極の長さは短くなり、前記斜め配線電極部16,18の長さは長くなり」は、本願補正発明の「前記パッドから前記電極までの距離が遠いほど、前記パッドの長さは短くなり、前記連結部の長さは長くなり」に相当する。 カ 引用発明の「前記直線状の電極の長さが長くなるほど、前記斜め配線電極部16,18と前記直線状の電極の連結角及び前記斜め配線電極部16,18と前記表示電極9,10の連結角が小さくなり」は、本願補正発明の「前記パッドの長さが長くなるほど、前記連結部と前記パッドの連結角、及び、前記連結部と前記電極の連結角が小さくなり」に相当する。 キ 引用発明の「前記直線状の電極の一端は前記斜め配線電極部16,18に直接接続され」ることは、本願補正発明の「前記パッドの一段は前記連結部に直接接続され」ることに相当する。 ク 引用発明の「前記直線状の電極の他端が駆動信号入力用の端子部5,6とな」ることと本願補正発明の「他段は駆動波形を供給する駆動波形供給部のコネクタに直接接続され」ることとは、どちらも「他段は駆動波形を供給する駆動波形供給部に接続され」る点で共通する。 してみると、本願補正発明と引用発明とは、 「多数の電極を有する有効表示部と、前記電極に駆動波形を供給するための駆動波形供給部と、前記多数の電極にそれぞれ接続される多数の連結部と前記多数の連結部にそれぞれ接続される多数のパッドとを有し、前記多数の電極と前記駆動波形供給部とを電気的に連結するパッド部とを具備するディスプレーパネルにおいて、 前記パッドから前記電極までの距離が遠いほど、前記パッドの長さは短くなり、前記連結部の長さは長くなり、 前記パッドの一段は前記連結部に直接接続され、他段は駆動波形を供給する駆動波形供給部に接続されることを特徴とするディスプレーパネル。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点1 「ディスプレーパネル」が、本願補正発明では「プラズマ放電の際に発生された紫外線を用いて画像を表示するプラズマディスプレーパネル」であるのに対し、引用発明では「プラズマ放電の際に発生された紫外線を用いて画像を表示するプラズマディスプレーパネル」ではない点。 相違点2 パッドの他端(「他段」)について、本願補正発明では「駆動波形を供給する駆動波形供給部のコネクタに直接接続され、前記コネクタの幅は前記有効表示部の幅より狭い」のに対し、引用発明ではこれが明確ではない点。 (3)判断 上記各相違点について検討する。 ア パッドから電極までの距離が遠いほど連結部の長さが長くされた「ディスプレーパネル」が、プラズマ放電の際に発生された紫外線を用いて画像を表示するプラズマディスプレーパネルであるものは周知(必要ならば、例えば特開平10-69858号公報(特に【0032】?【0033】及び図面の図6(B))を参照。)であるから、上記相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項は、当業者が容易に想到し得たものである。 イ 引用発明において、パッドの「他端」は「駆動信号入力用の端子部5,6」に相当するところ、端子部と当該端子部に信号を入力するための手段とを、当該端子部に直接接続されるコネクタを用いて接続することは周知技術に過ぎない。 また、上記コネクタの幅について、接続対象である上記端子部の形成部分の幅と同程度とすることも周知技術に過ぎないところ、引用発明は「ガラス基板1,2上における前記端子部5,6の形成部分の幅は前記ガラス基板1,2上における前記表示電極9,10の形成部分の幅より狭い」ものであって、上記端子部5,6の形成部分の幅は有効表示部の幅より狭いということができるから、上記コネクタの幅を有効表示部の幅より狭いものとすることは、当業者が容易に想到し得る事項に過ぎない。 そうすると、上記相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項は、当業者が容易に想到し得たものである。 そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)むすび 以上のとおりであるから、本件補正後の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 そして、本件補正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、平成18年法律第55号による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明 平成19年6月13日付け手続補正書による補正は上記のとおり却下したので、本件出願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年6月29日付け手続補正書、平成17年11月28日付け手続補正書及び平成19年2月13日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記「第2」の「1」の「(1)本件補正前の特許請求の範囲」を参照。) 第4 平成19年3月12日付け当審拒絶理由 平成19年3月12日付け当審拒絶理由の概要は、本件出願の請求項1に係る発明は、本件出願の優先権主張の日前に頒布された刊行物である上記引用例に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 第5 引用例 引用例及びその記載事項は、上記「第2」の「2」の「(1)引用例」に記載したとおりである。 第6 対比・判断 本願発明は、上記「第2」の「2」で検討した本願補正発明から「プラズマディスプレーパネル」の限定事項である「プラズマ放電の際に発生された紫外線を用いて画像を表示する」という発明特定事項並びに「パッド部」及び「駆動波形供給部」の限定事項である「前記パッドの長さが長くなるほど、前記連結部と前記パッドの連結角、及び、前記連結部と前記電極の連結角が小さくなり、前記パッドの一段は前記連結部に直接接続され、他段は駆動波形を供給する駆動波形供給部のコネクタに直接接続され、前記コネクタの幅は前記有効表示部の幅より狭い」という発明特定事項を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2」の「2」の「(3)判断」に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本件出願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件出願は、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-07-04 |
結審通知日 | 2007-07-10 |
審決日 | 2007-07-23 |
出願番号 | 特願2003-272468(P2003-272468) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(H01J)
P 1 8・ 575- WZ (H01J) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 星野 浩一 |
特許庁審判長 |
瀧 廣往 |
特許庁審判官 |
堀部 修平 小川 浩史 |
発明の名称 | プラズマディスプレーパネル及びその製造方法 |
代理人 | 西山 修 |
代理人 | 山川 政樹 |
代理人 | 山川 茂樹 |
代理人 | 黒川 弘朗 |
代理人 | 紺野 正幸 |