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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F16C
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16C
管理番号 1171394
審判番号 不服2006-2878  
総通号数 99 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-02-16 
確定日 2008-01-17 
事件の表示 平成 8年特許願第247645号「円すいころ軸受」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 4月 7日出願公開、特開平10- 89353〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【一】手続の経緯
本願は、平成8年9月19日の出願であって、平成18年1月10日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成18年2月16日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年3月16日付けで平成15年法律第47号による改正前特許法第17条の2第1項第3号に該当する明細書についての手続補正がなされたものである。

【二】平成18年3月16日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年3月16日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「 【請求項1】 軌道面と大径側鍔部が同一部材で一体形成された内輪を有し、この内輪と外輪との間に複数の円すいころと、この円すいころを保持する保持器とを配設し、この内,外輪間を小径側から大径側へオイルが通過するオイル潤滑式の円すいころ軸受において、
潤滑油には異物が混入しており、
上記保持器の小径側端部と上記外輪の小径側端部との間の第1隙間Aを、上記保持器の小径側端部と上記内輪の小径側端部との間の第2隙間Bよりも大きくし、
潤滑油を吸入する上記第2隙間Bを、上記潤滑油の通過流量を抑えるべく、回転中に上記保持器が上記内輪に接触しない範囲で近接するような値にしたことを特徴とする円すいころ軸受。」
と補正された。(なお、下線は請求人が附したものであり、補正箇所を示すものである。)

上記補正は、
(1)請求項1に係る発明を特定するための事項である「内輪」について、「軌道面と大径側鍔部が同一部材で一体形成された内輪」と限定し、
(2)請求項1に係る発明を特定するための事項である「オイル潤滑式」について、「この内,外輪間を小径側から大径側へオイルが通過するオイル潤滑式」と限定し、
(3)請求項1に係る発明を特定するための事項である「第2隙間B」について、「潤滑油を吸入する上記第2隙間B」と限定するものである。
したがって、本件補正は、平成15年法律第47号による改正前特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものと認める。

そこで、本件補正後の前記請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成15年法律第47号による改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である「特開昭64-058813号公報」(以下「引用刊行物」という。)には、次の事項が記載されていると認める。

〔あ〕「この発明は、円すいころ軸受、とくに高速回転に適した円すいころ軸受に関する。」(1頁左下欄10?11行参照)
〔い〕「第1図および第2図は第1実施例を示す。
この円すいころ軸受は、内輪(10)、外輪(11)、つば輪(12)、円すいころ(13)および保持器(14)より構成されている。」(2頁左上欄5?8行参照)
〔う〕「上記の円すいころ軸受では、円すいころ(13)の小端面(13b)側から軸受内部に潤滑油が供給され、この潤滑油は、軸受回転中、その遠心作用でつば輪(12)のころ案内面(12a)に向って効率良く供給され、案内面(12a)に十分な潤滑油膜を形成することができる。……ジェット潤滑など油を多量に供給する潤滑法に対してとくに有効である。」(2頁左下欄15行?右下欄8行参照)
〔え〕「第9図は第7実施例を示す。
この円すいころ軸受は、内輪(26)、つば輪(27)、外輪(28)、円すいころ(29)および保持器(30)より構成されている。つば輪(27)は内輪(26)とは別に作られ、後述するように、内輪(26)の大径端部に固定されている。……外輪(28)にはつばは形成されておらず、その内周面が円すい状の軌道面(28a)となっている。」(4頁左上欄9?18行参照)
〔お〕「内輪(26)の外周面の両端部を除く部分は円すい状の軌道面(26a)となっており、内輪(26)の軌道面(26a)と外輪(28)の軌道面(28a)の間に複数のころ(29)が配置されている。内輪(26)の小径端部にはつば(31)が一体に形成されており、つば(31)の軌道面(26a)側の面にはころ(29)の小端面(29b)を案内するころ案内面(31a)が形成され、つば(31)の外周面は円筒面(31b)となっている。
内輪(26)の大径端部の外周面に、軌道面(26a)より外径の小さい円筒面(26b)が形成され、この円筒面(26b)の外側にこれとほぼ同じ長さのつば輪(27)が圧入によりはめ止められている。つば輪(27)の軌道面(26a)側の端面にはころ(29)の大端面(29a)を案内するころ案内面(27a)が形成され、つば輪(27)の外周面は円筒面(27b)となっている。」(4頁左上欄19行?右上欄15行参照)
〔か〕「保持器(30)にはころ(29)を保持する複数のポケット(33)が円周方向に等間隔をあけて形成されており、保持器(30)の両端部には内輪(26)のつば(31)の円筒面(31b)およびつば輪(27)の円筒面(27b)により案内される内向きフランジ(34)(35)がそれぞれ一体に形成されている。」(4頁右上欄16行?左下欄1行参照)
〔き〕「第7実施例の円すいころ軸受は、内輪(26)につば輪(27)が設けられているので、グリース潤滑を行なうのが望ましい。」(4頁左下欄2?4行参照)
等の記載があり、また、図面を参照すると、
〔く〕保持器(30)の小径端部と外輪(28)の円すい状の軌道面(28a)の小径端部との間の隙間が、保持器(30)の小径端部の内向きフランジ(34)先端と内輪(26)のつば(31)の円筒面(31b)との間の隙間よりも大きくなった構成(第9図参照)
が示されていると認める。
そして、第9図に示された第7実施例について、上記〔き〕のとおり、「グリース潤滑を行なうのが望ましい」の記載はあるものの、この記載は、「望ましい」態様を示したものに過ぎず、上記〔い〕、〔う〕に示される第1実施例のような「油」即ちオイルによる潤滑を除外する記載とは認められず、第1実施例の記載によれば、上記第9図に示された軸受を、ころ(29)の小端面(29b)側から軸受内部に潤滑油が供給され、この潤滑油が、軸受回転中、その遠心作用で、大径端部に向って供給される、オイル潤滑式で使用することが、実質上記載されていると認める。
したがって、引用刊行物には、
“軌道面(26a)、小径端部のつば(31)、大径端部のつば輪(27)が形成された内輪(26)を有し、この内輪(26)と外輪(28)との間に複数の円すいころ(29)と、この円すいころ(29)を保持する保持器(30)とを配設し、この内,外輪間を小径側から大径側へオイルが通過するオイル潤滑式の円すいころ軸受において、
上記保持器(30)の小径端部と上記外輪(28)の小径端部との間の第1隙間を、上記保持器(30)の小径端部と上記内輪(26)の小径端部の円筒面(31b)との間の第2隙間よりも大きくし、
回転中に上記保持器(30)の小径端部が、上記第2隙間を介して、上記内輪(26)の小径端部の円筒面(31b)により案内される円すいころ軸受”
の発明が実質上記載されていると認める。

3.対比・判断
(1)本願補正発明と上記引用刊行物に記載された発明とを対比すると、後者の「大径端部のつば輪(27)」が前者の「大径側鍔部」に対応し、両者は、
「軌道面と大径側鍔部が形成された内輪を有し、この内輪と外輪との間に複数の円すいころと、この円すいころを保持する保持器とを配設し、この内,外輪間を小径側から大径側へオイルが通過するオイル潤滑式の円すいころ軸受において、
上記保持器の小径側端部と上記外輪の小径側端部との間の第1隙間を、上記保持器の小径側端部と上記内輪の小径側端部との間の第2隙間よりも大きくした円すいころ軸受」
で一致し、次の点で相違すると認める。
[相違点A]
本願補正発明は、上記「内輪」が「軌道面と大径側鍔部が同一部材で一体形成された」ものであるのに対して、上記引用刊行物に記載された発明では、上記「内輪」が、軌道面と大径側鍔部が同一部材で一体形成されたものでない点
[相違点B]
本願補正発明は、「潤滑油には異物が混入して」いるのに対して、上記引用刊行物に記載された発明では、潤滑油に「異物が混入して」いると記載されたものでない点
[相違点C]
本願補正発明は、上記「第2隙間」を、「潤滑油を吸入する」隙間であって「潤滑油の通過流量を抑えるべく」したものであるのに対して、上記引用刊行物に記載された発明では、上記「第2隙間」を介して、回転中に上記保持器が上記内輪の小径端部により案内される点
[相違点D]
本願補正発明は、上記「第2隙間」を「回転中に上記保持器が上記内輪に接触しない範囲で近接するような値にした」のに対して、上記引用刊行物に記載された発明では、上記「第2隙間」が、回転中に上記保持器が上記内輪に接触しない範囲で近接するような値にしたものか否か不明な点

(2)次に、上記相違点について検討する。
(2-1)相違点Aについて
円すいころ軸受において、内輪を軌道面と大径側鍔部が同一部材で一体形成されたものとすることは、本願出願前に周知のことと認められる(例えば、特開平1-193411号公報、実願平3-26318号(実開平4-88717号)のマイクロフィルム、実願昭62-9969号(実開昭63-119931号)のマイクロフィルム、等参照)から、内輪を軌道面と大径側鍔部が同一部材で一体形成されたものとすることは、上記本願出願前周知の事項に基づいて当業者が容易に想到し得ることである。

(2-2)相違点Bについて
潤滑油は使用中に摩耗粉等の異物を含むものとなるが通常で、このことは当業者の技術常識であり、また、本願補正発明が意図的に異物を混入したものを潤滑油とするものとも認められないから、本願補正発明が「潤滑油には異物が混入しており」とした点は、実質上の相違点とは認められない。

(2-3)相違点Cについて
上記引用刊行物に記載されたものも、上記「第2隙間」から隙間の程度に応じた量の潤滑油が吸入されるものと認められる。
そして、引用刊行物に記載された発明の上記「第2隙間」は、これを介して、回転中に上記保持器(30)の小径端部が、上記内輪(26)の小径端部の円筒面(31b)により案内されるようになった程度のもので、上記保持器の小径側端部と上記外輪の小径側端部との間の第1隙間より小さくされたものであるから、該「第2隙間」から吸入される潤滑油量は少なく、実質的に「潤滑油の通過流量を抑える」構成と認められる。
したがって、引用刊行物に記載された発明の「第2隙間」も、上記「第2隙間」を「潤滑油を吸入する」隙間であって「潤滑油の通過流量を抑えるべく」した構成と、実質上相違しない。

(2-4)相違点Dについて
上記引用刊行物に記載された発明では、回転中に上記保持器が上記内輪の小径端部により案内されているから、上記「第2隙間」は、上記保持器が上記内輪に近接するような値と認められる。
他方で、保持器が円すいころで案内される構成の円すいころ軸受は、本願出願前に周知のものと認められる(例えば、特公昭38-9609号公報、実公昭44-401号公報、実願昭51-139708号(実開昭53-57148号)のマイクロフィルム、実願昭60-74098号(実開昭61-188026号)のマイクロフィルム、実願昭62-9969号(実開昭63-119931号)のマイクロフィルム、等参照)。
したがって、引用刊行物に記載された発明における上記「第2隙間」の大きさを、保持器が円すいころで案内される構成として、回転中に上記保持器が上記内輪に接触しない範囲で近接するような値とすることは、上記円すいころ軸受の周知の構成に基づいて当業者が容易に想到し得ることである。

(3)請求人の主張について
(3-1)請求人は、審判請求書の手続補正書において、引用刊行物に記載された発明について、
i)グリース潤滑を想定していることが明らかで、グリース潤滑では、保持器30の小径側端部と内輪の小径側端部との間の隙間は潤滑油の吸入部とはならず、保持器30の大径側端部と内輪の大径側端部との間の隙間は潤滑油の排出部とはならない.
ii)「軌道面と大径側鍔部が同一部材で一体形成された内輪を有し、この内輪と外輪との間に複数の円すいころと、この円すいころを保持する保持器とを配設し、この内,外輪間を小径側から大径側へオイルが通過するオイル潤滑式の円すいころ軸受において、潤滑油には異物が混入している」という基本構成(A0)、「上記保持器の小径側端部と上記外輪の小径側端部との間の第1隙間Aを、上記保持器の小径側端部と上記内輪の小径側端部との間の第2隙間Bよりも大きくし、潤滑油を吸入する上記第2隙間Bを、上記潤滑油の通過流量を抑えるべく、回転中に上記保持器が上記内輪に接触しない範囲で近接するような値にした」という構成(A2)、「異物かみ込みによる軸受はくりを防止する」という課題(A1)を開示しない.
iii)「潤滑油を吸入する第2隙間Bを回転中に上記保持器が上記内輪に接触しない範囲で近接するような値にしたことで、保持器を内輪に接触しない範囲で近接させて、小径側から大径側への潤滑油の通過流量を抑えて、潤滑油によって運ばれる異物の噛み込みを防止し、軸受はくりを防いで軸受寿命を向上できる」という作用効果(A3)を奏することはできない.
iv)鍔部がセラミック製の内輪で保持器を案内するタイプの円すいころ軸受では、本願発明のようなリッチな潤滑オイル条件での使用を排除している.
旨主張する。

(3-2)しかしながら、
i)引用刊行物には、第9図に示された第7実施例について、上記〔き〕のとおり、「グリース潤滑を行なうのが望ましい」の記載はあるものの、オイル潤滑式の軸受も「焼付き」が危惧される場合もあり、この記載は、「望ましい」態様を示したものに過ぎず、オイル潤滑式を除外する記載とは認められない。
ii)第1実施例の記載によれば、上記第9図に示された軸受を、ころ(29)の小端面(29b)側から軸受内部に潤滑油が供給され、この潤滑油が、軸受回転中、その遠心作用で、大径側端部に向って供給される、オイル潤滑式で使用することが、実質上記載されていると認められ、オイル潤滑式で、保持器30の小径側端部と内輪の小径側端部との間の隙間は潤滑油の吸入部となるものと認められる。
iii)上記相違点A及びBに関連して説示したように、内輪の軌道面と大径側鍔部が同一部材で一体形成された点、潤滑油に異物が混入している点は、円すいころ軸受における極めて普通の事項に過ぎない。
そして、引用刊行物に記載された発明も、第1隙間を第2隙間よりも大きくした構成を備えており、上記相違点C及びDに関連して説示したように、小さい第2隙間から吸入される潤滑油量は少なく、潤滑油の通過流量は抑えられるように構成されており、第2隙間を保持器が内輪に接触しない範囲の値とすることは、本願出願前周知の構成に基づいて当業者が適宜なし得ることである。
また、「異物かみ込みによる軸受はくりを防止する」という課題も、軸受における周知の課題といえる。
iv)引用刊行物の第9図に示された構成のものも、オイル潤滑で、小径側から大径側への潤滑油の通過流量を抑えられる点が実質的に記載されているものと認められので、潤滑油によって運ばれる異物の噛み込みを防止し、軸受はくりを防いで軸受寿命を向上できる作用効果が予測し得る。
v)引用刊行物に記載されたものが、鍔部がセラミック製の内輪で保持器を案内するタイプの円すいころ軸受であっても、第1実施例にオイル潤滑を採用することが記載されており、オイル潤滑式での使用を排除しているとは認められない。

(4)このように、本願補正発明は、その発明を特定する事項が上記引用刊行物に記載された事項及び本願出願前周知の事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものであり、作用効果も上記引用刊行物に記載された事項及び本願出願前周知の事項から予測し得る程度のもので格別顕著なものではないので、本願補正発明は、上記引用刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、平成15年法律第47号による改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合しないものであり、特許法第159条第1項の規定により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

【三】本願発明について
1.本願発明
平成18年3月16日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成17年4月8日付けの手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。
「 【請求項1】 内,外輪間に複数の円すいころと、この円すいころを保持する保持器とを配設したオイル潤滑式の円すいころ軸受において、
潤滑油には異物が混入しており、
上記保持器の小径側端部と上記外輪の小径側端部との間の第1隙間Aを、上記保持器の小径側端部と上記内輪の小径側端部との間の第2隙間Bよりも大きくし、
上記第2隙間Bを、上記潤滑油の通過流量を抑えるべく、回転中に上記保持器が上記内輪に接触しない範囲で近接するような値にしたことを特徴とする円すいころ軸受。」

2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である「特開昭64-058813号公報」(以下同様に「引用刊行物」という。)には、前記「【二】平成18年3月16日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.引用例」に記載したとおりの事項が記載されているものと認める。

3.対比・判断
本願発明は、前記「【二】平成18年3月16日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「3.対比・判断」で検討した本願補正発明から、
(1)「内輪」についての「軌道面と大径側鍔部が同一部材で一体形成された」、
(2)「オイル潤滑式」についての「この内,外輪間を小径側から大径側へオイルが通過する」、
(3)「第2隙間B」についての「潤滑油を吸入する」
との各事項を省いたものに相当する。
そうすると、本願発明を特定する事項のすべてを含み、さらに他の発明を特定する事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「【二】平成18年3月16日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「3.対比・判断」に記載したとおり、上記引用刊行物に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、上記引用刊行物に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、上記引用刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-11-15 
結審通知日 2007-11-20 
審決日 2007-12-03 
出願番号 特願平8-247645
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F16C)
P 1 8・ 575- Z (F16C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鳥居 稔冨岡 和人  
特許庁審判長 亀丸 広司
特許庁審判官 戸田 耕太郎
町田 隆志
発明の名称 円すいころ軸受  
代理人 青山 葆  
代理人 山崎 宏  

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