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審決分類 審判 訂正 判示事項別分類コード:813 訂正する G03G
審判 訂正 旧特126条1項1号 請求の範囲の減縮 訂正する G03G
審判 訂正 判示事項別分類コード:812 訂正する G03G
管理番号 1178050
審判番号 訂正2008-390035  
総通号数 103 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-07-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2008-03-31 
確定日 2008-05-08 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3384394号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3384394号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由
1.請求の要旨
本件審判請求の要旨は、特許第3384394号(平成3年5月15日に出願した特願平3-109975号の一部を平成12年12月18日に分割出願、平成14年12月27日に特許権の設定の登録)の明細書を、本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり、即ち次のように訂正することを求めるものである。

a.特許請求の範囲の請求項1の「トナー粒子によって画像を形成する電子写真方式に用いられる電子写真転写用受像紙において、前記受像紙は、澱粉類及び蛍光白色染料を含有する塗被液を塗布、乾燥して得られたものであり、かつその表面反射特性(JIS Z 8730に規定された表示法)が、L*≧90,a*=+4?-2,b*=+2?-9であることを特徴とする電子写真転写用受像紙。」における「塗被液」を「顔料塗被液」に訂正し、

b.本件明細書の段落【0006】の「塗被液を塗布」を「顔料塗被液を塗布」に訂正し、

c.本件明細書の段落【0011】の「塗被液が塗布」を「顔料塗被液が塗布」に訂正し、

d.本件明細書の段落【0013】の「塗被液を塗布」を「顔料塗被液を塗布」に訂正し、

e.本件明細書の段落【0013】の「その塗被液の組成については、併用する顔料としては」を「その顔料塗被液の組成については、使用する顔料としては」に訂正し、

f.本件明細書の段落【0014】の「塗被液」を「顔料塗被液」に訂正し、

g.本件明細書の段落【0014】の「ステレン-アクリル系サイズ剤」を「スチレン-アクリル系サイズ剤」に訂正し、

h.本件明細書の段落【0014】の「着色剤、蛍光白色染料、紫外線防止剤」を「着色剤、紫外線防止剤」に訂正し、

i.本件明細書の段落【0014】の記載
「実施例1
フリーネス450ccのNBKP35部と、LBKP65部の白色度が86.2%のパルプスラリーに、パルプ100部に対し、タルク15部、ロジンサイズ1.4部、硫酸バンド3部を添加した。このパルプスラリーを、長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、次いで酸化澱粉(商品名;エースA、王子コンスターチ社製)と蛍光白色染料(商品名;BSU-PN、バイエル社製)を1対0.75となるように調製した塗被液を、サイズプレス装置で乾燥重量3g/m^(2)となるように塗布乾燥させ、坪量85g/m^(2)の受像紙を得た。その評価結果は表1に示す通りであった。」を削除し、

j.本件明細書の段落【0018】(訂正後の段落【0017】)の「実施例2」を「実施例1」に訂正し、

k.本件明細書の段落【0024】(訂正後の段落【0023】)の表を、実施例1を削除し、実施例2を実施例1に訂正した表に訂正するものである。

2.当審の判断
そこで、これらの訂正事項につき以下に検討する。
(イ)訂正事項aは、特許請求の範囲の請求項1における「塗被液」を「顔料塗被液」と訂正するものであり、「顔料塗被液」とは、発明の詳細な説明の記載を参酌すれば「顔料を含有する塗被液」を意味することは明らかであり、顔料を含有する「塗被液」に限定するものであるから、この訂正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、この訂正事項が実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものでもない。
そうすると、訂正事項aは平成6年法律第116号による改正前の特許法(以下、単に「特許法」という。)第126条第1項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮に該当するとともに同条第2項の規定にも適合するものである。
(ロ)訂正事項b?d,fは、発明の詳細な説明の記載における「塗被液」を「顔料塗被液」に訂正するものであり、訂正事項aに伴って、発明の詳細な説明の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる明りょうでない記載の釈明に該当するものであり、かつ、同条第2項の規定に何ら触れるものではない。
(ハ)訂正事項eも、訂正事項b?d,fと同様、訂正事項aに伴って、発明の詳細な説明の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる明りょうでない記載の釈明に該当するものであり、かつ、同条第2項の規定に何ら触れるものではない。
(ニ)訂正事項gは、発明の詳細な説明の記載における「ステレン-アクリル系サイズ剤」を「スチレン-アクリル系サイズ剤」に訂正するものであり、「ステレン」は「スチレン」の誤記であることは明らかであるから、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤記の訂正に該当するものであり、かつ、同条第2項の規定に何ら触れるものではない。
(ホ)訂正事項hは、発明の詳細な説明の段落【0014】の記載において、適宜配合される成分としての「着色剤、蛍光白色染料、紫外線防止剤」から「蛍光白色染料」を削除するものであり、「蛍光白色染料」が「塗被液」の必須成分であることは特許請求の範囲の記載から明らかであるから、この訂正は、発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の記載に整合させるものである。したがって、この訂正は、誤記の訂正又は明りょうでない記載の釈明に該当するものであり、かつ、同条第2項の規定に何ら触れるものではない。
(ヘ)訂正事項i,j,kも、訂正事項b?d,fと同様に、訂正事項aに伴って、発明の詳細な説明の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる明りょうでない記載の釈明に該当するものであり、かつ、同条第2項の規定に何ら触れるものではない。
以上のとおり、上記訂正事項a?kは、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でもない。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、平成6年法律第116号附則第6条第1項により、「なお従前の例」とされる改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電子写真転写用受像紙
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】トナー粒子によって画像を形成する電子写真方式に用いられる電子写真転写用受像紙において、前記受像紙は、澱粉類及び蛍光白色染料を含有する顔料塗被液を塗布、乾燥して得られたものであり、かつその表面反射特性(JIS Z 8730に規定された表示法)が、L*≧90,a*=+4?-2,b*=+2?-9であることを特徴とする電子写真転写用受像紙。
【請求項2】前記受像紙の白色度が、81.8%?86.5%である、請求項1に記載の電子写真転写用受像紙。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機に用いられる電子写真転写用受像紙に関し、複写機によって転写された画像の色調が原版の色調を正確に再現するための受像紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の複写機、プリンター及びファクシミリ等は、セレン、アモルファスシリコン或は有機半導体等を含む感光ドラム又は感光ベルトの表面に電荷を形成し、これに対して逆極性に帯電したトナー粒子で現像するか(ポジ型)又は同極性のトナー粒子で反転現像するか(ネガ型)等によりトナー粒子を電荷像に付着させて可視像となし、次いで、受像紙をこの感光面に接し、受像紙の裏面よりコロナ放電処理を行うことにより、可視像を受像紙に転写し、更に、熱、光又は圧力等により定着されて、印字画像を得るものである。
【0003】
近年、オフィスオートメーションの進展に伴い、電子写真方式を利用した複写機、プリンター及びファクシミリも各種機能の改良がなされ、付加価値を高めるような指向がなされている。例えば複写機に於いては、高速化、拡大縮小、トリミンング、自動両面コピー、自動原稿送りなどの機械的構成機能の改良だけでなく、露光方法、トナー品質、現像方法の改良により、カラー単色転写、マルチカラー転写、フルカラー転写等の品質向上がなされ、単なるモノクロ転写から多色転写まで進展している。
【0004】
一方、最近の電子写真方式の複写機は、受像紙として普通紙タイプから塗工紙タイプまで使用でき、受像紙を選ばないという仕様である。しかし、複写機カラー化に伴い、従来の受像紙は、これに原版の画像を転写した場合、画像の色調、特に中間色調が受像紙の色合いの影響を受け、十分に再現されていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンター及びファクシミリ等で用いられる電子写真転写用受像紙に関し、特に受像紙の色合いを改良することにより、原版の色調の再現性に優れた電子写真転写用受像紙を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電子写真転写用受像紙は、トナー粒子によって画像を形成する電子写真方式に用いられ、前記受像紙は、澱粉類及び蛍光白色染料を含有する顔料塗被液を塗布、乾燥して得られたものであり、かつその表面反射特性(JIS Z 8730に規定された表示法)が、L*≧90,a*=+4?-2,b*=+2?-9であることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の受像紙において、その白色度は、81.8%?86.5%であることが好ましい。
【0008】
【作用】
受像紙において原版における画像の再現性は、受像紙の色合いに影響を受けることは前記したが、特に原版の画像の色調は受像紙の色合いにおいて、殊に蛍光の度合いにより、相当にずれが生じると言うのも事実である。而して、受像紙の表面反射特性の測定法としては、一般にJIS Z 8722(2度視野における物体色の測定法)が良く知られているが、蛍光を有するものについては適用されない。しかし、電子写真で得られた画像を見る場合、蛍光を加味した状態で色合いを評価する事が色調の実体を正確に表現する上で極めて重要であることを見出した。
【0009】
本発明者等はJIS Z 8730に規定された〔L*(エルスター),a*(エースター),b*(ビースター)〕表示法に従い、蛍光を含んだ状態で原版における画像を正確に再現させるための受像紙について鋭意検討を重ねた結果、受像紙の表面反射特性(JIS Z 8730に規定された表示法)が、L*≧90、a*=+4?-2、b*=+2?-9の範囲に調整せしめることが原版の色調再現に最も優れていることを見出した。
【0010】
L*は明度を表わし、値が大きい程白く、値が小さい程黒いことを示す。a*は赤味を表わし、数値が大きい程赤味が強く、(-)になると緑色味が強くなることを示す。b*は黄色味を表わし、数値が大きい程黄色味が強く、(-)になると青味が強くなることを示す。一般に、a*を横軸にとり、b*を縦軸にとったグラフの位置で色調を表わす。a*,b*がいずれも0の場合、その色は無色であると表現される。
【0011】
因に、L*が90より小さいと、複写された画像は原版より黒く見える。a*が+4より大きいと、複写された画像は、原版よりも赤味を帯び、-2より小さいと、緑味が強く成りすぎる。b*が+2以上であると、黄色味が強すぎて、-9より小さいと、青味が強すぎて、いずれの場合も原版の色調の再現が十分でない。この範囲内でもより優れたものにするためには、好ましくはL*≧93、a*=+3?-1、b*=±0?-8、より好ましくはL*≧93、a*=+3?±0、b*=-2?-7、に調整することが望ましい。この数値にする為に、本発明の受像紙には澱粉類と蛍光白色染料とを含む顔料塗被液が塗布され乾燥されている。
【0012】
本発明で用いられる蛍光白色染料としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体等が適宜使用される。受像紙を構成するパルプ繊維としては、その製法や種類等について特に限定するものではなく、例えば、KP,SP,AP法等によって得られる針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の化学パルプ、SCP、その他BCTMP,CTMP,CGP,RGP,SGP,TMP等の各種機械パルプ、DIP等の古紙パルプ、麻パルプのような非木材パルプ、合成パルプ、各種の合成繊維乃至ガラス繊維が適宜組合わされて使用される。又、受像紙を構成するための填料としては、当業界で一般に公知公用の、例えばタルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、珪酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、アルミノ珪酸塩、シリカ、ベントナイト等の鉱物質填料、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、熱膨張性微小中空粒子、非熱膨張性微小中空粒子、その他の有機系填料が適宜使用される。勿論、パルプスラリー中には、これらの他にロジン系サイズ、石油系サイズ、アルキルケテンダイマー系サイズ、アルケニル無水コハク酸サイズ及び無水ステアリン酸系サイズ等のサイズ剤、アニオン性、カチオン性、ノニオン性又は両性のポリアクリルアミド系重合体、ポリエチレンイミン及びその誘導体、ポリアミド、ポリアミン及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、植物ガム、ポリビニルアルコール、カチオン系ラテックス、カチオン性尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂等の有機系化合物の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤、染料、pH調整剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤、消泡剤、帯電防止剤等を必要に応じて適宜添加することが出来る。
【0013】
なお、抄紙機は特に限定するものではなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、短網抄紙機、丸網抄紙機やヤンキー抄紙機等が適宜使用できる。本発明の電子写真転写用受像紙は、前記の表面反射特性を充足させる範囲内において、顔料塗被液を塗布すると更に良好な効果が得られる。その顔料塗被液の組成に使用する顔料としては、通常の一般塗被紙に用いられる各種の顔料、例えばタルク、カオリン、デラミカオリン、クレー、焼成カオリン、サチンホワイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、珪酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、アルミノ珪酸塩、シリカ、ベントナイト、ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、セリサイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、熱膨張性微小中空粒子、非熱膨張性微小中空粒子、その他有機系顔料が適宜使用される。
【0014】
バインダー樹脂は、水溶性樹脂及び/又は水分散性の樹脂として澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン化澱粉、熱化学変性澱粉、両性澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類を含み、必要によりカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、完全又は不完全鹸化のポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、スチレン-ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等及びこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等で変性したアルカリ溶解性或はアルカリ非溶解性の重合体ラテックス、メラミン樹脂等の1種或は2種以上を適宜選択して併用してもよい。なお、一般にバインダー樹脂類は顔料100重量部に対して8?200重量部程度の範囲で配合される。また、顔料塗被液中には、用途に応じて、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、無水マレイン酸系サイズ剤、スチレン-アクリル系サイズ剤、アミド系サイズ剤等各種カチオン性、アニオン性、ノニオン性及び両性の表面サイズ剤、導電処理剤、消泡剤、着色剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、可塑剤、pH調整剤、離型剤、流動変性剤、固化促進剤、耐水化剤、サイズ剤等の各種助剤が必要に応じて添加剤として適宜配合される。
【0015】
尚、塗被装置としては特に限定されるものではなく、ツーロール或はメータリングブレード式のサイズプレス、グラビアコート、ゲートロール、ビルブレード及びショートドエルコーター、エヤーナイフコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター等の通常の塗被装置が適宜使用できる。この場合の塗布量は片面で1乃至5g/m^(2)が適当である。5g/m^(2)以上であれば普通紙からはかけ離れたものとなる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限りそれぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
実施例で得られた受像紙については、白色度、表面反射特性を測定し、更にCANON COLOR LASER COPIER 500を用い、原版としては電子写真学会テストチャート,NO.5-1,5-2を使用して転写画像を得、それぞれについて評価を行った。
【0017】
実施例1
フリーネス450ccのNBKP35部と、LBKP65部の白色度が82%のパルプスラリーに、パルプ100部に対し、タルク15部、ロジンサイズ1.4部、硫酸バンド3部を添加した。このパルプスラリーを、長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、次いでサイズプレス装置で酸化澱粉を乾燥重量1.5g/m^(2)となるように塗布乾燥し、次いでショートドウエルコー夕ーにてカオリン70部、軽質炭酸カルシウム30部、酸化澱粉3部、SBRラテックス14部、蛍光白色染料を2部とポリビニールアルコール1部からなる塗被液を両面にそれぞれ乾燥重量4g/m^(2)になるように塗布乾燥させ、坪量85g/m^(2)の受像紙を得た。その評価結果は表1に示す通りであった。
【0018】
比較例1
フリーネス450ccのNBKP10部と、LBKP40部と、新聞再生古紙パルプ50部からなる白色度75%のパルプスラリーに、パルプ100部に対し、炭酸カルシウム8部、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.07部、カチオン化澱粉0.5部、歩留向上剤0.02部を添加した。このパルプスラリーを、長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、次いでサイズプレス装置で酸化澱粉を乾燥重量1.5g/m^(2)となるように塗布乾燥させ、坪量85g/m^(2)の受像紙を得た。その評価結果は表1に示す通りであった。
【0019】
比較例2
フリーネス450ccのNBKP35部と、LBKP65部の白色度が72%のパルプスラリーに、パルプ100部に対し、染料BLUE(SST-BG)1×10^(-3)部、YELLOW(DFY-BC)1×10^(-3)部、タルク15部、ロジンサイズ1.4部、硫酸バンド3部を添加した。このパルプスラリーを、長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、次いでサイズプレス装置で酸化澱粉を乾燥重量1.5g/m^(2)となるように塗布乾燥させた坪量85g/m^(2)の受像紙を得た。その評価結果は表1に示す通りであった。
【0020】
比較例3
フリーネス450ccのNBKP35部と、LBKP65部の白色度が72%のパルプスラリーに、パルプ100部に対し、染料RED(LRF-3B)2×10^(-3)部、タルク15部、ロジンサイズ1.4部、硫酸バンド3部を添加した。このパルプスラリーを、長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、次いでサイズプレス装置で酸化澱粉を乾燥重量1.5g/m^(2)となるように塗布乾燥させた坪量85g/m^(2)の受像紙を得た。その評価結果は表1に示す通りであった。
【0021】
比較例4
フリーネス450ccのNBKP35部と、LBKP65部の白色度が72%のパルプスラリーに、パルプ100部に対し、染料YELLOW(BFY-5G)2×10^(-3)部、タルク15部、ロジンサイズ1.4部、硫酸バンド3部を添加した。このパルプスラリーを、長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、次いでサイズプレス装置で酸化澱粉を乾燥重量1.5g/m^(2)となるように塗布乾燥させた坪量85g/m^(2)の受像紙を得た。その評価結果は表1に示す通りであった。
【0022】
比較例5
フリーネス450ccのNBKP35部と、LBKP65部の白色度が72%のパルプスラリーに、パルプ100部に対し、染料BLUE(SST-BG)2×10^(-3)部、タルク15部、ロジンサイズ1.4部、硫酸バンド3部を添加した。このパルプスラリーを、長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、次いでサイズプレス装置で酸化澱粉を乾燥重量1.5g/m^(2)となるように塗布乾燥させた坪量85g/m^(2)の受像紙を得た。その評価結果は表1に示す通りであった。
【0023】
【表1】

【0024】
尚、得られた受像紙の白色度、表面反射特性は以下の方法により測定したものである。
1)白色度の測定;JIS P 8123に準じ、ハンター反射率計でブルーフィター(457nm)で測定した反射率%で表わした。
2)表面反射特性(L*,a*、b*):Macbeth COLOR-EYEを用いて測定した数値である。(キセノン光源、CIE-Lab表示、蛍光を含む)
3)転写画像の外観評価;転写画像と原版における画像の色調との差について目視評価した。
◎:原版の色調と非常に近似している。
○:原版の色調と少し差がある。
×:原版の色調とかなり差がある。
【0025】
【発明の効果】
表の如く、本発明の電子写真転写用受像紙は、原版の色調の再現性に優れた受像紙であることは明らかである。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2008-04-24 
出願番号 特願2000-384201(P2000-384201)
審決分類 P 1 41・ 813- Y (G03G)
P 1 41・ 811- Y (G03G)
P 1 41・ 812- Y (G03G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 菅野 芳男  
特許庁審判長 山下 喜代治
特許庁審判官 赤木 啓二
伏見 隆夫
登録日 2002-12-27 
登録番号 特許第3384394号(P3384394)
発明の名称 電子写真転写用受像紙  
代理人 中村 和広  
代理人 青木 篤  
代理人 石田 敬  
代理人 古賀 哲次  
代理人 福本 積  
代理人 青木 篤  
代理人 石田 敬  
代理人 古賀 哲次  
代理人 渡辺 陽一  
代理人 渡辺 陽一  
代理人 福本 積  
代理人 中村 和広  

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