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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  B22D
管理番号 1181367
審判番号 無効2007-800189  
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2007-09-04 
確定日 2008-06-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3381750号発明「連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第3381750号の請求項1、2に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
本件特許第3381750号についての手続きの経緯の概要は、以下のとおりである。

平成 7年 2月28日 本件出願(特願平7-40323号)
平成14年12月20日 特許権の設定登録
平成19年 9月 4日 無効審判請求
平成19年11月22日 被請求人:訂正請求書、答弁書提出
平成19年12月28日 請求人:弁駁書提出
平成20年 2月22日 請求人:口頭審理陳述要領書提出
平成20年 2月29日 被請求人:口頭審理陳述要領書提出
平成20年 3月 7日 口頭審理
平成20年 3月21日 被請求人:ファクシミリ提出

第2.訂正の適否
(1)訂正の内容
平成19年11月22日付訂正請求書による訂正(以下、本件訂正という)は、本件特許明細書を下記のとおり訂正しようとするものである。
訂正事項A.特許請求の範囲中、請求項1の第2行(特許掲載公報第1欄第4行)の 「、、」を「、」と訂正する。
訂正事項B.特許請求の範囲中、請求項1の第6行(同第1欄第8行)の「第1の軸受」の前に、「、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた」と加入する。
訂正事項C.特許請求の範囲中、請求項2の第2行(同第1欄第14行)の「、、」を「、」と訂正する。
訂正事項D.特許請求の範囲中、請求項2の第6行(同第2欄第3行)の「円筒ころ軸受」の前に、「、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた」と加入する。
訂正事項E.発明の詳細な説明の欄の段落番号【0006】の本文中の第2行(同第3欄第49行)の「第1の軸受」の前に、「、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた」と加入する。
訂正事項F.発明の詳細な説明の欄の段落番号【0006】の本文中の第3?4行(同第3欄第50行)の「支持下」を、「支持した」と訂正する。
訂正事項G.発明の詳細な説明の欄の段落番号【0006】の本文中の第6行(同第4欄第2?3行)の「円筒ころ軸受」の前に、「、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた」と加入する。
訂正事項H.発明の詳細な説明の欄の段落番号【0007】の本文中の第6行(同第4欄第16行)の「円筒ころ軸受」の前に、「、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた」と加入する。

(2)訂正の適否に対する検討
訂正事項A、C、Fは、誤記の訂正であって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項Bは、軸受の場所を限定しているから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、第1の軸受が、「、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた」構成については、図4に示されているから、当該訂正は新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項Dは、軸受の場所を限定しているから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、訂正事項Bにおいて検討したのと同様の理由により、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項E、G、Hは、訂正事項B、Fと各々整合を図る為の明細書の記載の訂正であるから、各訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)まとめ
以上の検討から、本件訂正は、平成6年改正前特許法第134条第2項ただし書の規定に適合し、特許法第134条の2第5項において準用する平成6年改正前特許法第126条第2項の規定に適合するので当該訂正を認める。

第3.本件発明1、2
本件訂正は上記のとおりに認められるので、本件特許の請求項1ないし2に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」、「本件発明2」という。)は、当該訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1?2に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 連続鋳造設備においてモールドから流出する帯状のスラブの両側にその長手方向に沿って隔設され、スラブの幅方向において分割された一対の分割ロールを支持するために使用される連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体において、
前記各分割ロールは、前記スラブの中央側において前記分割ロールの軸方向の伸縮を許容する、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた第1の軸受により支承され、両端部側において前記分割ロールの軸方向の移動を阻止する第2の軸受により支持されていることを特徴とする連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体。」
「【請求項2】 連続鋳造設備においてモールドから流出する帯状のスラブの両側にその長手方向に沿って隔設され、スラブの幅方向において分割された一対の分割ロールを支持するために使用される連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体において、
前記各分割ロールは、前記スラブの中央側において前記スラブからラジアル荷重を受ける、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた円筒ころ軸受により支承され、両端部側において前記スラブからラジアル荷重及びスラスト荷重を受ける自動調心ころ軸受により支持されていることを特徴とする連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体。」

第4.請求人の主張の概要
請求人は、本件発明1、2の特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、証拠方法として、審判請求書に添付して甲第1号証?甲第4号証を提出し、以下の無効理由を主張している。

無効理由:本件発明1、2は、甲第1?4号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。したがって、本件発明1、2は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであって、本件特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効にすべきものである。

証拠方法として提出された甲第1?4号証及び参考資料1?5は下記のとおりである。

甲第1号証:実願昭61-71115号(実開昭62-183953号)のマイクロフィルム
甲第2号証:特開昭61-229453号公報
甲第3号証:ドイツ特許公開3630217号公報
甲第4号証:ドイツ特許公開3245461号公報

参考資料1:実願昭47-76163号(実開昭49?33112号)のマイクロフイルム
参考資料2:実願昭47-75802号(実開昭49?33108号)のマイクロフイルム
参考資料3:実願昭47-75803号(実開昭49?33109号)のマイクロフイルム
参考資料4:特開昭60-141356号公報
参考資料5:実願昭58-143699号(実開昭60?52053号)のマイクロフイルム

なお、審判請求書においては、甲第1号証は、「実開昭62-183953号のCD-ROM」と記載されているところ、甲第1号証の添付書類が全文明細書であること及び、昭和62年にはCD-ROMによる全文公開は発行されておらず、マイクロフィルムによる全文公開が行われていることから、上記のように認定した。
また、請求人は、弁駁書に添付して甲第5号証?甲第7号証を、平成20年 2月22日付口頭審理陳述要領書に添付して甲第8号証、甲第9号証を提出しているが、いずれも周知技術を立証するものであるので、口頭審理の際にそれぞれ順に「参考例1」?「参考例5」となったものである(第1回口頭審理調書参照)。

第5.被請求人の主張の概要
これに対し、被請求人は、答弁書、口頭審理陳述要領書、及び下記乙第1号証を提出して、請求人の主張する無効理由は成り立たない旨主張している。

乙第1号証:川崎製鉄技報28(1996)1,p.20?26

第6.甲号証及び参考文献の記載事項
(1)甲第1号証(実願昭61-71115号(実開昭62-183953号)のマイクロフィルム)
(1a)「本考案は、連続鋳造機用2分割ロールに係り、特に信頼性が高く寿命の長いロールに関し、連続鋳造の分野で利用される。
[従来の技術]
従来の連続鋳造機用2分割ロールは、第5図に示す如く完全に独立した長ロール2および短ロール4の2つのロールを組合せて同一軸心に並べて1本のロールとして扱つている。一般的に中央の中間軸受6はロール2、4の固定端として、第6図に示す如き自動調心ころ軸受8であり、ラジアル荷重とスラスト荷重を同時に受けられるようになつている。両端の端部軸受10はロール2、4の熱膨張を逃がすため固定せず自動調心ころ軸受8の外輪11が軸受の内面を滑れる構造となつている。また、中間軸受6は水冷ジャケット12により鋳片からの熱を遮断されている。上記の如き構造の従来のロールは中央の中間軸受6が全荷重の70%以上を受け、左右のロール2、4に不均等に荷重がかかつた場合、中間軸受6の片方に荷重が集中することが多い。また、第7図に示す如く鋳片14からの荷重によりフレーム16がたわみ、そのため、ロール2、4をそれぞれ外方向へ移動させようとする力がスラスト荷重として働くが、その荷重も中間軸受6に作用するため中間軸受6の負荷が増大し、破損することが多かつた。」(2頁3行?3頁8行)
(1b)「〔考案が解決しようとする問題点〕
本考案の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、中間軸受の破損を防止できる連続鋳造機用2分割ロールを提供するにある。
[問題点を解決するための手段および作用]
本考案の要旨とするところは次の如くである。すなわち、並列して設けられた内部空洞を有する2つのロールと、前記2つのロールを貫通して設けられた軸と、前記軸に設けられ前記内部空洞に連通する冷却水路と、前記軸を支持する中央の中間軸受および両端の端部軸受と、前記軸の両端部に設けられたパツキンと、を有して成ることを特徴とする連続鋳造機用2分割ロールである。」(3頁9行?4頁1行)
(1c)「本考案の詳細を第1図により説明する。並列して2つのロール18が設けられ、軸20が貫通している。軸20には冷却水路22が設けられロール18に設けられた内部空洞24と連通しロール18は水冷される。」(4頁2?6行)
(1d)「上記の軸受類は強度を増強するため、第2図に示す如く中間軸受6は自動調心ころ軸受等のスラスト荷重を支持できる軸受8を固定側として使用し、ロール全体を固定する。端部軸受10には第3図(A)、(B)に示す如き円筒ころ軸受30をスラスト方向に移動自在に使用し端部軸受10の負荷容量を向上させている。」(5頁9?15行)
(1e)「第4図は軸受類の他の実施形態を示したもので、端部軸受10の1つに自動調心ころ軸受等のスラスト荷重を支持できる軸受8を固定側として使用しロールを固定し、中間軸受6と端部軸受10の他の1つは第3図(A)に示す円筒ころ軸受30をスラスト方向に移動自在に使用し負荷容量を向上させたもので、この構造により鋳片16からの荷重条件の最も厳しい中間軸受6の強度を向上し、ロール全体の寿命を飛躍的に向上した。」(5頁19行?6頁7行)
(1f)第5図の従来の2分割ロールを示す断面図には、連続鋳造機用2分割ロールが、「中央側において、各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた中間軸受6により支承され、両端部側において端部軸受10により支持されている」ことが示されている(第1回口頭審理調書参照)。
(1g)第7図のスラスト荷重を示す従来の2分割ロールの断面図には、連続鋳造機用2分割ロールの上に、断面長方形の鋳片14を、2つの中間軸受6が鋳片14断面の長辺方向中央にあたるように、長辺方向とロール軸方向とを平行に配置することが示されている。
(1h)第4図の本考案における軸受の構成のその他の実施態様を示す断面図には、2つのロールを貫通した軸に設けられ、ロール18の左端を端部軸受としての自動調芯ころ等のスラスト荷重を支持できる軸受で、中央を中間軸受としての円筒ころ軸受で、右端を端部軸受としての円筒ころ軸受で支持する分割ロールが示されている。
(1i)第2図の本考案における軸受の構成を示す断面図には、2つのロールを貫通した軸に設けられ、ロール18の右端を端部軸受としての円筒ころ軸受で、中央を中間軸受としての自動調芯ころ等のスラスト荷重を支持できる軸受で支持する分割ロールが示されている。
(1j)第1図の本考案における軸受の構成を示す断面図には、2つのロールを貫通した軸の右側のロールと対応する部分に冷却水路22があり、左側のロールと軸との間に内部空洞24が形成された分割ロールが示されている。

(2)甲第2号証:特開昭61-229453号公報、甲第3号証:ドイツ特許公開3630217号公報、甲第4号証:ドイツ特許公開3245461号公報
甲第2?4号証には、それぞれ連続鋳造設備のロール軸受が記載されている。

(3)参考資料1:実願昭47-76163号(実開昭49?33112号)のマイクロフイルム
(2a)「この考案は、連続鋳造装置とくに湾曲形の連続鋳造装置に使用せられるスプリツト・ロール装置に関する」(1頁下から2行?2頁1行)
(2b)「上記スプリツト・ロール(4)の詳細は、第2図ないし第4図に示されている。(5A)(5B)は両端中央にボス(6)を有するロール構成体、(7)は複数のロール構成体(5A)(5B)の間に配置せられた中間ロール構成体(5A)(5B)より小径の筒部(8)とこれより下にのびた基部(9)とよりなり、相対する2つのボス(6)をベアリング(10)を介して受けている。」(4頁下から5行?5頁3行)
(2c)「(17)はロール構成体(5A)(5B)の外端に配置せられた端部ロール支持体で、詳細図示は略したが、中間ロール支持体(7)と同様ベアリングを介してロール構成体(5A)(5B)のボス(6)をそれぞれ受けている。」(6頁4?8行)
(2d)「第3図には、端部側については別として、分割ロール5A、5Bの中央側をラジアル荷重を受けて軸方向の伸縮を許容する円筒ころ軸受で支持する」ことが記載されている(第1回口頭審理調書参照)。

(4)参考資料4:特開昭60-141356号公報
(3a)「本発明は高速連続鋳造機における駆動用ロール、さらに詳しくは高負荷に耐え、高トルク伝達可能な駆動用分割ロールに関する。」(1頁左下欄12?14行)
(3b)「第3図は中央の自由側軸受6bの1例の説明図で、ロール5b、5cはジャーナル部を有し、球面座付円筒コロ軸受9により支承され、」(第2頁右上欄19行目?左下欄1行目)
(3c)第2図、第3図には、分割ロール5b、5cの中央側を中央のラジアル荷重を受けて軸方向の伸縮を許容する自由側軸受6bで支持すること、また、この自由側軸受6bの一例として球面座付円筒ころ軸受9がある」ことが記載されている(第1回口頭審理調書参照)。

第7.無効理由について
(1)甲第1号証記載の発明
摘記事項(1a)には、従来の連続鋳造機用2分割ロールが記載され、また、摘記事項(1f)、(1g)に摘記したとおり、該2分割ロールの断面が図示されている。

上記摘記事項(1a)、(1f)、(1g)の「従来の連続鋳造機用2分割ロール」に着目しながら、摘記事項(1a)?(1j)を総合すると、甲第1号証には、以下の発明が記載されているといえる。(以下、「甲第1号証記載発明」という。)
「完全に独立した長ロール2及び短ロール4の2つのロールを組合わせて同一軸心に並べて1本のロールとして扱い、
中央の中間軸受6はロール2、4の固定端として、自動調心ころ軸受8であり、ラジアル荷重とスラスト荷重を同時に受けられるようになっており、
両端の端部軸受10はロール2、4の熱膨張を逃がすため固定せず自動調心ころ軸受8の外輪11が軸受の内面を滑れる構造となっており、
断面長方形の鋳片14を、2つの中間軸受6が、鋳片14の断面の長辺方向中央にあたるように2分割ロールの上に、長辺方向とロール軸方向とを平行に配置するものであって、
ロールの中央側において、各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた中間軸受6により支承され、ロールの両端部側において端部軸受10により支持されており、
中央の中間軸受6が全荷重の70%以上を受け、スラスト荷重も中間軸受6に作用するため中間軸受6の負荷が増大し、破損することが多い、
連続鋳造機用2分割ロール」

(2)本件発明1と甲第1号証記載発明との対比
本件発明1と甲第1号証記載発明とを対比する。
本件特許の訂正明細書【0002】には「分割された二つのロールからなる「分割ロール」を含む軸受組立体」と記載されているところ、甲第1号証記載発明において、中央の中間軸受6はロール2、4の固定端とし、2つのロールを組合わせているから、甲第1号証記載発明における「連続鋳造機用2分割ロール」、「ロール2、4」は、それぞれ本件発明1の、「分割ロール支持軸受組立体」、「一対の分割ロール」に相当する。
また、甲第1号証記載発明における「連続鋳造機」は、本件発明1の「連続鋳造設備」に相当するから、甲第1号証記載発明における「断面長方形の鋳片14」は、本件発明1の「連続鋳造設備においてモールドから流出する帯状のスラブ」に相当する。
また、甲第1号証記載発明において、「断面」に垂直な方向に沿って、ロールが複数隔設されていることは明らかであるから、甲第1号証記載発明における「断面」に垂直な方向、「鋳片14の断面の長辺方向」は、それぞれ、本件発明1の、「長手方向」、「スラブの幅方向」に相当する。
また、甲第1号証記載発明における2分割ロール軸方向は、断面長方形の鋳片14の断面の長辺と平行であるから、甲第1号証記載発明における「ロールの中央側において、各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた中間軸受6により支承され」ること、「ロールの両端部側において端部軸受10により支持され」ること、とは、それぞれ、本件発明1の「(スラブの中央側において)前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた(第1の)軸受により支承され」ていること、「(両端部側において)(第2の)軸受により支持されている」ことに相当する。

よって、両者は、「連続鋳造設備においてモールドから流出する帯状のスラブの両側にその長手方向に沿って隔設され、スラブの幅方向において分割された一対の分割ロールを支持するために使用される連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体において、
前記各分割ロールは、前記スラブの中央側において、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた軸受により支承され、両端部側において軸受により支持されている連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体。」である点で一致し、次の点で相違している。

本件発明1と甲第1号証記載発明との相違点:本件発明1においては、スラブ中央側の軸受が、分割ロールの軸方向の伸縮を許容する第1の軸受であり、両端部側の軸受が、分割ロールの軸方向の移動を阻止する第2の軸受であるのに対して、甲第1号証記載発明では、スラブ中央側の軸受が、ロール2、4の固定端として、自動調心ころ軸受8であり、ラジアル荷重とスラスト荷重を同時に受けられるようになっており、両端部側の軸受が、ロール2、4の熱膨張を逃がすため固定せず自動調心ころ軸受8の外輪11が軸受の内面を滑れる構造となっている点。

(3)本件発明1と甲第1号証記載発明との相違点についての検討
甲第1号証記載発明の「ロール2、4の熱膨張を逃がすため固定せず自動調心ころ軸受8の外輪11が軸受の内面を滑れる」軸受の構造とは、本願発明1における「分割ロールの軸方向の伸縮を許容する」軸受の構造に相当するものである。
また、甲第1号証記載発明の「ロール2、4の固定端として、自動調心ころ軸受8であり、ラジアル荷重とスラスト荷重を同時に受けられる」軸受の構造とは、「分割ロールの軸方向の移動を阻止する」軸受の構造に相当するものである。
すなわち、本件発明1と甲第1号証記載発明との相違点は、中央側の軸受、端部側の軸受のうち、分割ロールの軸方向の伸縮(移動)の点に関し、本件発明1では、中央側の軸受を伸縮を許容する構造とし、端部側の軸受を伸縮を阻止する構造とするのに対し、甲第1号証記載発明では、中央側の軸受を伸縮を阻止する構造とし、端部側の軸受を伸縮を許容する構造としており、対応関係が逆になっていること、と理解できる。

ここで、甲第1号証記載発明は、「中央の中間軸受6が全荷重の70%以上を受け、スラスト荷重も中間軸受6に作用するため中間軸受6の負荷が増大し、破損することが多い」という問題点を持つものであり、中間軸受6の負荷が増大することを解決するための手段を必要としていることは明らかである。そして、上記問題点を解決するための手段として、摘記事項(1d)、(1e)に、連続鋳造機用2分割ロールの2つの態様が挙げられ、態様の1つは、第4図に記載の「端部軸受10の1つに自動調心ころ軸受等のスラスト荷重を支持できる軸受8を固定側として使用しロールを固定し、中間軸受6と端部軸受10の他の1つは第3図(A)に示す円筒ころ軸受30をスラスト方向に移動自在に使用し負荷容量を向上させたもので、この構造により鋳片16からの荷重条件の最も厳しい中間軸受6の強度を向上し、ロール全体の寿命を飛躍的に向上した。」態様である。
第4図に示される連続鋳造機用2分割ロールは、2つのロールを貫通した軸に設けられるものである点で第5図に示される2分割ロールと形式が異なっているが、摘記事項(1c)、(1j)によれば、貫通した軸の作用は、軸に冷却水路と内部空洞とを設けて左右のロールを水冷する通路を形成することを目的としており、中間軸受の荷重条件が厳しいこととは別の課題に対応するものであるので、上記態様は、冷却手段が異なり、2つのロールを貫通した軸を用いない第5図に示される2分割ロールにおいても、当然適用できるものである。

上記(1c)?(1e)、(1h)?(1j)の記載により、連続鋳造機用2分割ロールにおける軸受の配置として、鋳片16からの荷重条件の最も厳しい中間軸受6の強度を向上し、ロール全体の寿命を飛躍的に向上するべく、端部軸受を伸縮を阻止する構造とし、中間軸受を伸縮を許容する構造とすることが、示唆されている、といえる。

また、一般的な、軸受の選択において、定格寿命等を考慮して、ラジアル(半径方向)荷重の小さい側を伸縮を阻止する構造、他方、即ちラジアル荷重の大きい側を伸縮を許容する構造とすることは、下記の周知例1に記載されているように、周知のことである。

周知例1:NACHI ころがり軸受技術ハンドブック(昭和50年2月7日 特許庁資料館受入)
(周1a)「1軸に数個の軸受を取付ける場合には,その1個を固定側軸受とし,外輪を軸方向に固定してスラスト荷重を受けさせる。他の軸受は自由側軸受としてラジアル荷重のみを受けさせ,温度上昇による軸の膨張を逃がし,かつ組立ての際の軸受間隔の誤差を調節する。」(14.3固定側および自由側軸受 14-3頁、最上段右側欄1?6行)
(周1b)「固定側軸受をどの位置におくかは,その機械の用途あるいはそれぞれの軸受の定格寿命のバランスを考えて定める。・・・また電動機においては,軸受の等価荷重および軸受の両側軸受とも均等にするため,ラジアル荷重の少ない反駆動側を固定側軸受とするのが普通である。」(14.3固定側および自由側軸受 14-4頁、最下段右側欄1?10行)

そうすると、甲第1号証記載発明における「中間軸受6の負荷が増大し、破損することが多い」という問題点を解決すべく、甲第1号証(1c)?(1e)、(1h)?(1j)の記載乃至周知技術に基づき、ラジアル荷重の大きい中央側を伸縮を許容する構造とし、独立したロールのそれぞれ端部側を伸縮を阻止する構造とすることは、当業者が容易に想到しうることである。
そして、本件発明1によって奏される効果も、甲第1号証及び周知技術から当業者が予期し得る程度のものにすぎず、格別顕著であるとは認められない。
以上のとおりであるから、本件発明1は、甲第1号証記載の発明を主として、甲第1号証の記載及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)本件発明2と甲第1号証記載発明との対比
本件発明2は、本件発明1の「前記分割ロールの軸方向の伸縮を許容する、第1の軸受」、「前記分割ロールの軸方向の移動を阻止する第2の軸受」という記載を、それぞれ、「前記スラブからラジアル荷重を受ける、円筒ころ軸受」、「前記スラブからラジアル荷重及びスラスト荷重を受ける自動調心ころ軸受」、に置き換えたものといえる。
よって、本件発明2と甲第1号証記載発明とを対比すると、上記置き換えた点以外の点においては、上記(2)本件発明1と甲第1号証記載発明との対比、において指摘したことと、同様のことがいえる。
したがって、本件発明2と甲第1号証記載発明とは、
「連続鋳造設備においてモールドから流出する帯状のスラブの両側にその長手方向に沿って隔設され、スラブの幅方向において分割された一対の分割ロールを支持するために使用される連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体において、
前記各分割ロールは、前記スラブの中央側において、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた軸受により支承され、両端部側において軸受により支持されている連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体。」である点で一致し、次の点で相違している。

本件発明2と甲第1号証記載発明との相違点:本件発明2においては、スラブ中央側の軸受が、スラブからラジアル荷重を受ける、円筒ころ軸受であり、両端部側の軸受が、スラブからラジアル荷重及びスラスト荷重を受ける自動調心ころ軸受であるのに対して、甲第1号証記載発明では、スラブ中央側の軸受が、ロール2、4の固定端として、自動調心ころ軸受8であり、ラジアル荷重とスラスト荷重を同時に受けられるようになっており、両端部側の軸受が、ロール2、4の熱膨張を逃がすため固定せず自動調心ころ軸受8の外輪11が軸受の内面を滑れる構造となっている点。

(5)本件発明2と甲第1号証記載発明との相違点についての検討
上記(3)において、検討したとおり、甲第1号証記載発明において、ラジアル荷重の多い中央側を伸縮を許容する構造とし、他方の両端側を伸縮を阻止する構造とすることは、当業者が容易に想到しうることである。
そして、甲第1号証(1d)には、「自動調心ころ軸受等のスラスト荷重を支持できる軸受8を固定側として使用」すること及び、「円筒ころ軸受30をスラスト方向に移動自在に使用」することが、記載されているから、該記載に基づく軸受の選定を行って、中央側を円筒ころ軸受とし、他方の両端側を自動調心ころ軸受とすることも、当業者が容易に想到しうることである。
そして、本件発明2によって奏される効果も、甲第1号証及び周知技術から当業者が予期し得る程度のものにすぎず、格別顕著であるとは認められない。

以上のとおりであるから、本件発明2は、甲第1号証記載の発明を主として、甲第1号証の記載及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(6)被請求人の主張についての検討
被請求人は、答弁書において、要するところ、次のように主張している。
「本件特許の出願前において、一対の分割ロール同士が近づきうる乃至遠近動しうるように軸受で支持する形態とすることは、温度上昇時に分割ロール同士が近づきあって、スラブに傷、変形、ブレークアウト等の損傷が発生したり、スラブから落下した異物が呼吸作用による転がり軸受に引き込まれること等に伴って転がり軸受の耐久性が低下するため、そのような形態は不可能である乃至避けなければならないと考えられていた」という事情(以下、本件事情という。)があった、すなわち、中央側を伸縮を許容する構造に変更することは阻害要因があった旨を主張している。
しかしながら、本件事情が存在することについて唯一提示された乙第1号証には「分割ロールでは特に中央部軸受が重荷重および水やスケールの悪影響下で使用されるため従来から比較的短寿命である場合が多い。」(24頁左欄下から14?12行目)及び「さらに従来は中央軸受を固定側としていたが,本機では端部を固定側とすることにより中央軸受はラジアル荷重のみを負担することとし,負荷分散による中央軸受の長寿命化をはかった。」(同頁右欄7?10行目)の記載がされているだけで、それらの記載は、前述の本件事情が存在していたことを示すものとはいえない。
また、被請求人に対し、本件事情が存在していたことを示す証拠のさらなる提示を求めたが、追加の提示はなされなかった。
一方、参考文献1乃至4には、連続鋳造設備の分割ロールに関し、それぞれ、「分割ロール5A、5Bの中央側をラジアル荷重を受けて軸方向の伸縮を許容する円筒ころ軸受で支持する」(摘記事項(2d))こと、「分割ロール5b、5cの中央側を中央のラジアル荷重を受けて軸方向の伸縮を許容する自由側軸受6bで支持すること、また、この自由側軸受6bの一例として球面座付円筒ころ軸受9がある」(参考資料4(3c))ことが記載(第1回口頭審理調書参照)されており、端部軸受の種類や分割ロールの分割数の相違はあるが、被請求人が主張するところの、不可能である乃至避けなければならないと考えられていた形態のものが本願出願前に存在していたことが示されているといえる。
そして、該形態において、温度上昇時に分割ロール同士が近づきあうことや、スラブから落下した異物が呼吸作用による転がり軸受に引き込まれることにより、仮に、スラブに傷、変形、ブレークアウト等の損傷が発生したり、転がり軸受の耐久性が低下する問題が生じるとしても、軽微もしくは対策が可能な程度であって、本願出願前の当業者にとって、阻害要因となるほどでは無かった、といえる。
してみると、被請求人の、中央側を伸縮を許容する構造に変更することは阻害要因があったとの主張は妥当なものとはいえない。

(7)無効理由についての検討のまとめ
上記(3)、(5)において検討したとおり、本件発明1、本件発明2は、いずれも、甲第1号証記載の発明を主として、甲第1号証の記載及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第8.むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1、2に係る発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法第123条第1項第2号に該当する。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続鋳造設備においてモールドから流出する帯状のスラブの両側にその長手方向に沿って隔設され、スラブの幅方向において分割された一対の分割ロールを支持するために使用される連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体において、
前記各分割ロールは、前記スラブの中央側において前記分割ロールの軸方向の伸縮を許容する、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた第1の軸受により支承され、両端部側において前記分割ロールの軸方向の移動を阻止する第2の軸受により支持されていることを特徴とする連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体。
【請求項2】
連続鋳造設備においてモールドから流出する帯状のスラブの両側にその長手方向に沿って隔設され、スラブの幅方向において分割された一対の分割ロールを支持するために使用される連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体において、
前記各分割ロールは、前記スラブの中央側において前記スラブからラジアル荷重を受ける、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた円筒ころ軸受により支承され、両端部側において前記スラブからラジアル荷重及びスラスト荷重を受ける自動調心ころ軸受により支持されていることを特徴とする連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、連続鋳造設備において分割ロールを支持するために使用される軸受組立体に関し、より詳しくは寿命が向上した軸受組立体に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】
連続鋳造設備においては図1に示すように、タレット10により支持されたレードル12からノズル14を通してタンディシュ16に注がれる溶鋼15は、モールド18において所定形状(帯状)のスラブ20に成形されるとともに表面を冷却される。その後、スラブ20の両側にその軸線がスラブ20の表面と平行となるように隔設された多数のロール30によって案内及び搬送されることにより徐々に冷却される。ここで、ロール30の組付けの利便性及びスラブ20から加わる高熱及び半径方向の荷重を考慮して、従来から図2に示すように、分割された二つのロールからなる「分割ロール」を含む軸受組立体が使用されている。詳述すると、各ロール30は軸方向中間部の大径部30aと、その両側の小径部30b、30cとから成り、端部同士が所定の間隔をもって対向し、同一直線上に位置するように配置されている。
【0003】
各ロール30の軸方向外側の小径部30bは円筒ころ軸受32により、また内側(対向側)の小径部30cは自動調心ころ軸受34により、夫々ハウジング40に対して回転可能に支承されている。円筒ころ軸受32はつばなし内軸32aと、外周面が調心面とされたつば付き外輪32bと、調心座32cとを含む。一方、自動調心ころ軸受34はつば付き内輪34aと、内周面が調心面とされた外輪34bとを含む。よって小径部30bはロール30が軸方向に伸縮可能な自由側となり、小径部30c側はロール30が軸方向に移動不能な固定側となっている。なお、図2において36はラビリンスシールであり、37はグリース給油孔であり、38はカバーである。
【0004】
しかし、上記従来例においては、自由側が円筒ころ軸受32とされ、固定側が自動調心円筒ころ軸受34とされていたため、以下の不具合があった。即ち、スラブ20からロール30に加わる半径方向(ラジアル)荷重は図3に示すようにスラブ20の中央側の方が端部側よりも格段に大きいが、スラブ20の中央側に配置された自動調心ころ軸受34はラジアル荷重とともに軸方向(スラスト)荷重をも負担するものであるため、スラブ20から加わるラジアル荷重を十分に負担することができない。その結果、スラブ中央側の軸受34がスラブ端部側の軸受32に比べてより早期に摩耗し易い。
【0005】
本発明は、上記従来例における課題を解決すること、即ちスラブの中央側において軸受組立体に加わる負担を低減することにより、スラブ中央側の軸受組立体の寿命を向上させ、もってスラブの中央側と端部側との軸受組立体の寿命をバランスさせることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用】
上記目的を達成するために、本発明においては、前記各分割ロールを、スラブの中央側において分割ロールの軸方向の伸縮を許容する、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた第1の軸受により支承し、両端部側において分割ロールの軸方向の移動を阻止する第2の軸受により支持したのである。また本発明では、各分割ロールを、スラブの中央側においてスラブからラジアル荷重を受ける、前記各分割ロールの外周面とハウジングの内周面との間に設けられた円筒ころ軸受により支承し、両端部側においてスラブからラジアル荷重及びスラスト荷重を受ける自動調心ころ軸受により支持したのである。このようにすれば、円筒ころ軸受は大きなラジアル荷重を負担することができるので、スラブから加わるラジアル荷重によって早期に摩耗、損傷することが防止される。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図4をもとに説明する。なお、本実施例が図2の従来例と異なる点は主にスラブ中央側及び端部側の軸受の配置であるので、以下では相違点のみを説明し、共通部分は従来例と同一の番号を付して説明は省略する。図4に示すように、各ロール30の内側(対向側)即ちスラブ20の中央側の小径部30cは、前記ロール30の外周面とハウジング40の内周面との間に設けられた円筒ころ軸受42により支承し、ロール30の外側即ちスラブ20の端部側の小径部30bは自動調心ころ軸受44により支承した。円筒ころ軸受42はつばなし内輪42aと、外周面が調心面とされた外輪42bと、調心座42cを含み、一方自動調心ころ軸受44はつば付き内輪44aと、外周面が調心面とされた外輪44bとを含む。すなわち、本実施例では、スラブ20の中央側が自由側になり、端部側が固定側になっている。
【0008】
本実施例によれば、スラブ20の中央部に対応するロール30の内側の小径部30cを円筒ころ軸受42により支承したので、スラブ20から加わる大きなラジアル荷重を良好に負担することができ、短期間で軸受34が摩耗するようなことはない。ロール30の軸方向の伸張は軸受34が許容する。一方、ロール30の外側の小径部30bを支承する自動調心ころ軸受44はロール30の調心を許す。なお、本発明は上記実施例に限定して解釈されるべきでなく、その趣旨を損ねない範囲で変更、改良が可能である。例えば、ロール30の具体的形状(大径部30a及び小径部30b、30cの長さ、直径等)や、軸受42、44の種類(例えば複列円筒ころ軸受、複列自動調心ころ軸受を使用する)は必要に応じて適宜選択される。
【0009】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明によれば、連続鋳造設備において分割ロールを支持するための軸受組立体において、スラブの中央側に円筒ころ軸受を配置して自由側とするとともに、両端部側に自動調心ころ軸受を配置して固定側とした。しかして、円筒ころ軸受は大きなラジアル荷重を負担することができるので、スラブから加わるラジアル荷重によって早期に摩耗、損傷することが防止され、その寿命が向上する効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造設備の一例を示す全体図である。
【図2】従来の軸受組立体の一例を示す断面図である。
【図3】軸受に加わる荷重を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
12‥‥‥レードル
16‥‥‥タンデッシュ
18‥‥‥モールド
20‥‥‥スラブ
30‥‥‥ロール
30a‥‥‥大径部
30b、30c‥‥‥小径部
42、44‥‥‥軸受
42a、44a‥‥‥内輪
42b、44b‥‥‥外輪
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2008-04-14 
結審通知日 2008-04-17 
審決日 2008-05-01 
出願番号 特願平7-40323
審決分類 P 1 113・ 121- ZA (B22D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田中 則充  
特許庁審判長 綿谷 晶廣
特許庁審判官 市川 裕司
小川 武
登録日 2002-12-20 
登録番号 特許第3381750号(P3381750)
発明の名称 連続鋳造設備用分割ロール支持軸受組立体  
代理人 小山 欽造  
代理人 大田 隆史  
代理人 山崎 宏  
代理人 武藤 正樹  
代理人 小山 欽造  
代理人 田中 光雄  
代理人 小山 武男  
代理人 小山 武男  
代理人 仲倉 幸典  
代理人 武藤 正樹  
代理人 大田 隆史  

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