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審決分類 審判 全部無効 特38条共同出願  H01L
管理番号 1185431
審判番号 無効2006-80239  
総通号数 107 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-11-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2006-11-17 
確定日 2008-10-14 
事件の表示 上記当事者間の特許第3629244号発明「ウエーハ用検査装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3629244号の請求項1?35に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由
第1 手続の経緯

平成14年 2月19日 出願(特願2002-42398号)
平成16年12月17日 設定の登録(特許権者:本多エレクトロン株式会社、東芝セラミックス株式会社)
平成17年11月 2日 株式会社ネットインデックスへ登録名義人中本多エレクトロン株式会社の表示の変更
平成18年 5月 1日 芝浦メカトロニクス株式会社へ本特許権中株式会社ネットインデックスの持分移転
同 年11月17日 日本エレクトロセンサリデバイス株式会社による本件審判請求
平成19年 2月 6日 被請求人芝浦メカトロニクス株式会社、東芝セラミックス株式会社による答弁書提出
同 年 4月20日 請求人による口頭審理陳述要領書提出
同 年 5月11日 被請求人による口頭審理陳述要領書提出
同 年 5月11日 口頭審理


第2 請求人の主張及び提示した証拠方法

請求人は、審判請求書で下記の甲第1?28号証を、口頭審理陳述要領書で下記の甲第29?32号証を提示し、本多エレクトロン株式会社を登録時権利者甲、東芝セラミックス株式会社を被請求人乙として、「本件発明は、登録時権利者甲側の林義典が請求人側の大山洋一郎にウエーハ用検査装置の開発を依頼し、請求人側の大山洋一郎、山本真一郎、藤戸学が登録時権利者甲及び被請求人乙側の技術者(特許公報では、登録時権利者甲側の林義典、西風館広幸、遊田博明、被請求人乙側の田邊淳、磯貝宏道、泉妻宏治)と共同で発明したものである」(審判請求書第6頁第8?12行)から、本件特許は、特許法第38条に違反してなされたものであり、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである旨主張している(第1回口頭審理調書の請求人側の項目1を参照)。
なお、審判請求書第3頁の「(3)特許無効の理由の要点」では、本件特許の第123条第1項第6号違反(冒認出願)を請求人は主張しているが、審判請求書における無効理由全体から、上記のとおりの無効理由(第123条第1項第2号違反)といえ、被請求人もこれを認めている。


甲第1号証:特許第3629244号公報(本件特許公報)の写し
甲第2号証:2004年9月1日付け拒絶理由通知の写し
甲第3号証:2004年10月13日付け意見書の写し
甲第4号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社大山洋一郎ら作成の2000年3月9日付け実験報告書の写し
甲第5号証:本多エレクトロン株式会社林作成の2000年9月27日付け電子メールの写し
甲第6号証:本多エレクトロン株式会社林義典作成の2000年10月12日付けレターの写し
甲第7号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社山本作成の2000年10月19日付け仕様書の写し
甲第8号証:本多エレクトロン株式会社林及び日本エレクトロセンサリデバイス株式会社山本作成の2000年10月20日の打合せ議事録の写し
甲第9号証:東芝セラミックス株式会社田辺作成の2000年11月1日付けレターの写し
甲第10号証:東芝セラミックス株式会社田辺淳作成の2000年11月8日付けレターの写し
甲第11号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社作成の2000年12月11日付け見積仕様書の写し
甲第12号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社渡辺作成の2000年12月11日付け見積書の写し
甲第13号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社山本及び本多エレクトロン株式会社林作成の2001年1月18日の打合せ議事録の写し
甲第14号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社山本及び本多エレクトロン株式会社林作成の2001年2月6日の打合せ議事録の写し
甲第15号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年2月9日付け電子メールの写し
甲第16号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年2月9日付け電子メール(その2)の写し
甲第17号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年2月17日付け電子メールの写し
甲第18号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年2月19日付け電子メールの写し
甲第19号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年2月20日付け電子メールの写し
甲第20号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年2月23日付け電子メールの写し
甲第21号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年3月1日付け電子メールの写し
甲第22号証:東芝セラミックス株式会社黒川作成の2001年3月2日付け送り状及びレターの写し
甲第23号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年3月5日に作成された構成図の写し
甲第24号証:本多エレクトロン株式会社瀬川作成の2001年6月23日の打合せ議事録の写し
甲第25号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年3月21日付けレターの写し
甲第26号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年3月26日付け仕様書の写し
甲第27号証:本多エレクトロン株式会社小原作成の2001年4月12日付けの評価器材借用の依頼書の写し
甲第28号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社作成の2001年10月24日付け取扱説明書兼メンテナンスマニュアルの写し
甲第29号証:本多エレクトロン株式会社西風館作成の平成12年10月3日作成の設計図面の写し
甲第30号証:本多エレクトロン株式会社西風館ら作成の平成12年10月16日付け見積り仕様書の写し
甲第31号証:本多エレクトロン株式会社作成の平成13年3月5日の打合せの議事録の写し
甲第32号証:本多エレクトロン株式会社作成の平成13年10月17日作成の契約に関するメモの写し


第3 被請求人の主張及び提示した証拠方法

被請求人は、答弁書で下記の乙第1?15号証を、口頭審理陳述要領書で下記の乙第16?27号証を提示し、本件特許発明は、請求人の大山洋一郎らの関与なく、林義典ら発明者によって独自になされたものであるから、本件特許は、特許法第123条第1項第2号に該当しない旨主張している(第1回口頭審理調書の被請求人側の項目1を参照)。


乙第1号証:東芝セラミックス株式会社泉妻宏治作成の1998年9月29日付け要求仕様書の写し
乙第2号証:本多エレクトロン株式会社林義典ら作成の1998年11月27日付け提案仕様書の写し
乙第3号証:東芝セラミックス株式会社吉川淳作成の1999年10月12日付けウエーハサンプル送り状の写し
乙第4号証:推定本多エレクトロン株式会社林義典作成の推定1999年10月23日付け撮影写真の写し
乙第5号証:推定本多エレクトロン株式会社林義典作成の湘南工科大学での平成11年11月5日付け日報の写し
乙第6号証:推定本多エレクトロン株式会社林義典作成の湘南工科大学での平成11年11月6日付け日報の写し
乙第7号証:特開平10-38539号公報
乙第8号証:本多エレクトロン株式会社林作成の2000年9月30日付け電子メールの写し
乙第9号証:本多エレクトロン株式会社蛯沢秀一作成の2000年10月11日付け電子メールの写し
乙第10号証:本多エレクトロン株式会社西風館設計の平成12年10月23日付け作成の図面の写し
乙第11号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社作成の2001年1月9日付け見積仕様書の写し
乙第12号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社山本作成の2001年1月18日付け納入仕様書の写し
乙第13号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社山本作成の2001年1月24日付け納入仕様書の写し
乙第14号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社藤戸作成の2001年3月5日付け仕様書の写し
乙第15号証:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社作成の2001年1月8日付け作成の図面の写し
乙第16号証:林義典が使用していたノート
乙第17号証:DRIP(Defect Recognition,Imaging and Physics in Semiconductor)-VIIIの参加申込書
乙第18号証:湘南工科大学寺嶋一高作成の林義典のDRIPへの参加推薦状
乙第19号証:本多エレクトロン株式会社林義典ら作成のDRIP-VIIIに向けたAbstract(アブストラクト)の下書き(その1)
乙第20号証:DRIP-VIIIに向けたAbstract(アブストラクト)の下書き(その2)
乙第21号証:本多エレクトロン株式会社林義典ら作成のDRIP-VIIIに提出されたAbstract(アブストラクト)
乙第22号証:DRIP-VIIIのProgram Chair(プログラム議長)であるMichio Tajima作成のAbstract(アブストラクト)の受け取り確認レター
乙第23号証:DRIP-VIIIに向けたAbstract(アブストラクト)の下書き(その1)の裏面に書かれたメモ書き
乙第24号証:DRIP-VIIIに向けたAbstract(アブストラクト)の下書き(その2)の裏面に書かれたメモ書き
乙第25号証:本多エレクトロン株式会社と日本エレクトロセンサリデバイス株式会社との間でウエーハ端面欠陥座標検査システムについて取り交わされた覚書
乙第26号証:本多エレクトロン株式会社作成の甲第31号証に対応する書面
乙第27号証:本多エレクトロン株式会社作成の甲第32号証に対応する書面


第4 当審の判断

1 本件発明

(1) 本件の請求項1?35に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、設定登録時の明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?35に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1?35に係る発明は次のとおりのものである。

「【請求項1】 周端縁に底部及び両側部を有して略U字状に切り欠かれたノッチがある円盤状のウエーハを検査するウエーハ用検査装置であって、該ウエーハを回転可能に支持する支持部と、該支持部に支持されて回転させられるウエーハの周端縁を連続的に撮像する周端縁撮像部と、上記ウエーハの周端縁を照明する周端縁照明部と、上記周端縁撮像部で撮像した撮像データを処理する制御部とを備えたウエーハ用検査装置において、
上記周端縁撮像部を、上記ウエーハの周端縁の厚さ方向の異なる部位を撮像する複数の撮像カメラを配置して構成し、
上記周端縁撮像部の撮像カメラを上記周端縁の厚さ方向に沿って略直線状に撮像するラインセンサで構成し、
上記ノッチを撮像するノッチ撮像部を設け、上記ノッチを照明するノッチ照明部を設け、上記制御部に該ノッチ撮像部で撮像した撮像データを処理する機能を備え、上記ノッチ撮像部を、上記ノッチの厚さ方向の異なる部位を撮像するエリアセンサで構成した複数の撮像カメラを配置して構成したことを特徴とするウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明1」という。)

「【請求項2】 上記ウエーハの周端縁は、ウエーハの面に対して略直角な側面,該側面に対して傾斜して面取りされた上面及び下面を備えて構成され、上記周端縁撮像部において、上記側面,上面及び下面に対応し各面に対して撮像方向を略直角に対面させて夫々配置した側面用撮像カメラ,上面用撮像カメラ及び下面用撮像カメラを備え、該周端縁撮像部の各撮像カメラを、該各撮像カメラの撮像部位が上記ウエーハの周端縁の同じ位相位置を撮像し得るように配置したことを特徴とする請求項1記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明2」という。)

「【請求項3】 上記周端縁照明部を、上記ウエーハの周端縁の厚さ方向に沿う所定の円弧に沿って照射面を形成し該円弧の中心に向けて収束するように照射光を放光する光ファイバの集合体を備えて構成するとともに、上記周端縁撮像部の各撮像カメラが該周端縁照明部からの照明光が反射した反射光の明視野範囲に位置するように配置したことを特徴とする請求項2記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明3」という。)

「【請求項4】 上記制御部を、撮像データ処理部と、CRT等の表示部とを備えて構成し、上記撮像データ処理部を、上記周端縁撮像部の複数の撮像カメラで撮像したウエーハの周端縁をウエーハの角度位置の位相を合わせて上記表示部に同時表示する周端縁表示手段を設けて構成したことを特徴とする請求項1,2または3記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明4」という。)

「【請求項5】 上記撮像データ処理部を、ウエーハの周端縁の画像データから基準にする基準輝度に対して所定以上の輝度差のあるエリアを欠陥部として認識する欠陥部認識手段と、該欠陥部認識手段が認識した欠陥部を上記表示部に座標表示する欠陥部座標表示手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項4記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明5」という。)

「【請求項6】 上記欠陥部座標表示手段を、ウエーハの周端縁の周方向に沿う角度座標を表示する角度座標表示機能と、ウエーハの周端縁の厚さ方向に沿う相対位置を表示する厚さ方向座標表示機能とを備えて構成したことを特徴とする請求項5記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明6」という。)

「【請求項7】 上記撮像データ処理部を、上記欠陥部認識手段が認識した欠陥部の形状を認識する欠陥部形状認識手段と、該欠陥部形状認識手段が認識した形状を上記表示部に表示する欠陥部形状表示手段を備えて構成したことを特徴とする請求項5または6記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明7」という。)

「【請求項8】 上記欠陥部形状認識手段を、予め定められたしきい値に基づいて点欠陥部,線欠陥部及び面欠陥部のいずれかに区分けして認識する機能を備えて構成したことを特徴とする請求項7記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明8」という。)

「【請求項9】 上記周端縁撮像部の各撮像カメラの撮像面毎に、点欠陥部,線欠陥部及び面欠陥部の分布を所定の角度単位で算出する欠陥分布算出手段を備えたことを特徴とする請求項8記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明9」という。)

「【請求項10】 上記周端縁撮像部の各撮像カメラの撮像面毎に、点欠陥部,線欠陥部及び面欠陥部の程度を所定の角度単位でランク付けする欠陥ランク付け手段を備えたことを特徴とする請求項9記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明10」という。)

「【請求項11】 上記撮像データ処理部を、上記欠陥部認識手段が認識した欠陥部の面積を算出する欠陥部面積算出手段と、該欠陥部面積算出手段が算出した面積を上記表示部に表示する欠陥部面積表示手段と、上記欠陥部認識手段が認識した欠陥部が外接する外接矩形の大きさを算出する欠陥部外接矩形大きさ算出手段と、該欠陥部外接矩形大きさ算出手段が算出した大きさを上記表示部に表示する欠陥部外接矩形大きさ表示手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項5,6,7,8,9または10記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明11」という。)

「【請求項12】 上記撮像データ処理部を、上記欠陥部面積算出手段が算出した欠陥部の面積と、欠陥部外接矩形大きさ算出手段が算出した外接矩形の大きさとから欠陥部の密度を算出する欠陥部密度算出手段と、該欠陥部密度算出手段が算出した欠陥部の密度を上記表示部に表示する欠陥部密度表示手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項11記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明12」という。)

「【請求項13】 上記撮像データ処理部を、上記欠陥部認識手段が認識した欠陥部の平均輝度を算出する欠陥部輝度算出手段と、該欠陥部輝度算出手段が算出した欠陥部の平均輝度を上記表示部に表示する欠陥部輝度表示手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項5,6,7,8,9,10,11または12記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明13」という。)

「【請求項14】 上記撮像データ処理部を、上記欠陥部認識手段が認識した欠陥部に基づいて、当該ウエーハの良否を判定する良否判定手段と、該良否判定手段が判定した当該ウエーハの良否を上記表示部に表示するウエーハ良否表示手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項5,6,7,8,9,10,11,12または13記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明14」という。)

「【請求項15】 上記ノッチがウエーハの面に対して略直角な側面,該側面に対して傾斜して面取りされた上面及び下面を備えて構成され、上記ノッチ撮像部の撮像カメラを、上記側面,上面及び下面に対応し各面に対して撮像方向を略直角に対面させて夫々配置したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13または14記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明15」という。)

「【請求項16】 上記ノッチ撮像部において、上記ノッチの底部の側面に対応した底部側面撮像カメラ,該底部の上面に対応した底部上面撮像カメラ,該底部の下面に対応した底部下面撮像カメラ,上記ノッチの一方の側部の側面に対応した一方側部側面撮像カメラ,上記ノッチの他方の側部の側面に対応した他方側部側面撮像カメラを備えたことを特徴とする請求項15記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明16」という。)

「【請求項17】 上記ノッチ照明部を、上記ノッチに向けて照射光を放光する発光ダイオードの集合体を備えて構成するとともに、上記ノッチ撮像部の各撮像カメラが該ノッチ照明部からの照明光が反射した反射光の明視野範囲に位置するように配置したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15または16記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明17」という。)

「【請求項18】 上記ノッチ照明部を、上記ノッチに向けて照射光を放光する発光ダイオードの集合体を備えて構成するとともに、上記ノッチ撮像部の各撮像カメラが該ノッチ照明部からの照明光が反射した反射光の明視野範囲に位置するように配置し、上記底部上面撮像カメラ及び底部下面撮像カメラに夫々設けられ該各撮像カメラの撮像面が中央に臨むドーム状の照射面を形成し上記ノッチに向けて照射光を放光するドーム照射体と、上記底部側面撮像カメラ,一方側部側面撮像カメラ及び他方側部側面撮像カメラの撮像面が臨むスリットを形成するように設けられた略平面状の照射面を一対有し上記ノッチに向けて照射光を放光する平面照射体とを備えて構成したことを特徴とする請求項17記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明18」という。)

「【請求項19】 上記制御部を、撮像データ処理部と、CRT等の表示部とを備えて構成し、上記撮像データ処理部を、上記ノッチ撮像部の複数の撮像カメラで撮像したノッチの画像を上記表示部に同時表示するノッチ表示手段を設けて構成したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17または18記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明19」という。)

「【請求項20】 上記撮像データ処理部を、上記表示部に表示される各撮像カメラに対応するノッチの画像の最適画像範囲を、基準位置を基準にして設定する画像範囲設定手段を備えて構成したことを特徴とする請求項19記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明20」という。)

「【請求項21】 上記基準位置を、各撮像カメラに対応してノッチの表面に行列状の点を付した基準ウエーハを撮像し、該撮像画面の行列状の点に基づいて決定することを特徴とする請求項20記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明21」という。)

「【請求項22】 上記撮像データ処理部を、ノッチの画像データから基準にする基準輝度に対して所定以上の輝度差のあるエリアを欠陥部として認識する欠陥部認識手段と、該欠陥部認識手段が認識した欠陥部を上記表示部に座標表示する欠陥部座標表示手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項19,20または21記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明22」という。)

「【請求項23】 上記撮像データ処理部を、上記欠陥部認識手段が認識した欠陥部の形状を認識する欠陥部形状認識手段と、該欠陥部形状認識手段が認識した形状を上記表示部に表示する欠陥部形状表示手段を備えて構成したことを特徴とする請求項22記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明23」という。)

「【請求項24】 上記欠陥部形状認識手段を、予め定められたしきい値に基づいて点欠陥部,線欠陥部及び面欠陥部のいずれかに区分けして認識する機能を備えて構成したことを特徴とする請求項23記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明24」という。)

「【請求項25】 上記撮像データ処理部を、上記欠陥部認識手段が認識した欠陥部の面積を算出する欠陥部面積算出手段と、該欠陥部面積算出手段が算出した面積を上記表示部に表示する欠陥部面積表示手段と、上記欠陥部認識手段が認識した欠陥部が外接する外接矩形の大きさを算出する欠陥部外接矩形大きさ算出手段と、該欠陥部外接矩形大きさ算出手段が算出した大きさを上記表示部に表示する欠陥部外接矩形大きさ表示手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項22,23または24記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明25」という。)

「【請求項26】 上記撮像データ処理部を、上記欠陥部面積算出手段が算出した欠陥部の面積と上記欠陥部外接矩形大きさ算出手段が算出した外接矩形の大きさとから欠陥部密度を算出する欠陥部密度算出手段と、該欠陥部密度算出手段が算出した欠陥部の密度を上記表示部に表示する欠陥部密度表示手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項25記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明26」という。)

「【請求項27】 上記撮像データ処理部を、上記欠陥部認識手段が認識した欠陥部の平均輝度を算出する欠陥部輝度算出手段と、該欠陥部輝度算出手段が算出した欠陥部の平均輝度を上記表示部に表示する欠陥部輝度表示手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項22,23,24,25または26記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明27」という。)

「【請求項28】 上記撮像データ処理部を、上記欠陥部認識手段が認識した欠陥部に基づいて、当該ウエーハの良否を判定するウエーハ良否判定手段と、該ウエーハ良否判定手段が判定した当該ウエーハの良否を上記表示部に表示するウエーハ良否表示手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項22,23,24,25,26または27記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明28」という。)

「【請求項29】 上記支持部を、中心軸を回転中心として回転可能に設けられ該中心軸を中心とする円周上に上記ウエーハの周端縁を支承する複数の支承フィンガを備えた支承盤と、該支承盤を回転させる駆動部とを備えて構成したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27または28記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明29」という。)

「【請求項30】 上記支承フィンガを、上記中心軸側に向けて下に傾斜する上記ウエーハの周端縁を支承する支承面を備えて構成したことを特徴とする請求項29記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明30」という。)

「【請求項31】 上記支持部を、上記支承盤の支承フィンガに支承されたウエーハの支承位置を可変にする支承位置可変機構を備えて構成したことを特徴とする請求項29または30記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明31」という。)

「【請求項32】 上記支承位置可変機構を、上記支承盤と同軸の中心軸を中心に相対回転可能に設けられ該中心軸を中心とする円周上に上記ウエーハの周端縁を担持可能な複数の担持フィンガを備えるとともに該担持フィンガを上記支承盤の支承フィンガより上位の位置であって該ウエーハを担持して持ち上げる担持位置及び該支承フィンガより下位の位置であって該ウエーハを上記支承フィンガに受け渡す受渡位置の2位置に移動可能な担持盤と、該担持盤を上記担持位置及び受渡位置の2位置に移動させる移動機構とを備えて構成したことを特徴とする請求項31記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明32」という。)

「【請求項33】 ウエーハの貯留部から検査対象のウエーハを搬送して上記支持部の支承盤の支承フィンガに該ウエーハを芯出しして支承させるウエーハ搬送部を備えたことを特徴とする請求項29,30,31または32記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明33」という。)

「【請求項34】 上記ウエーハ搬送部を、該ウエーハの周端縁に係合する係合部を備えるとともに該係合部を係合させて該ウエーハを該ウエーハの面方向に挾持して把持する把持位置及び該把持を解除する把持解除位置の2位置に相対移動可能な一対の把持ハンドを備えて構成し、上記係合部に上記把持位置で該ウエーハに弾接する弾接体を設けたことを特徴とする請求項33記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明34」という。)

「【請求項35】 上記支持部に支持されて回転させられるウエーハの直径を計測する直径計測部を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33または34記載のウエーハ用検査装置。」(以下、「本件発明35」という。)


(2) 設定登録時の明細書の発明の詳細な説明には、次の記載があることが認められる。

ア 「以上説明したように、本発明のウエーハ用検査装置によれば、ウエーハの周端縁撮像部を、ウエーハの周端縁の厚さ方向の異なる部位を撮像する複数の撮像カメラを配置して構成したので、複数の撮像カメラがウエーハの周端縁の厚さ方向の異なる部位を撮像することから、ウエーハの周端縁が面取りされていても、撮像カメラの位置を逐一移動させることなく、厚さ方向全部を明瞭にしかも同時に撮像でき、操作性を向上させることができるとともに、撮像精度を向上させることができる。
そして、撮像カメラをラインセンサで構成した場合には、周端縁を狭い幅で撮像してこれを連続させることができ、解像度が良く、撮像精度を向上させることができる。」(第21頁第27?35行)


イ 「また、ウエーハの周端縁がウエーハの面に対して略直角な側面,この側面に対して傾斜して面取りされた上面及び下面を備えて構成された場合、側面,上面及び下面に対応し各面に対して撮像方向を略直角に対面させて夫々配置した側面用撮像カメラ,上面用撮像カメラ及び下面用撮像カメラを備えた場合には、ウエーハの周端縁の各面を明瞭にしかも同時に撮像でき、操作性を向上させることができるとともに、撮像精度を向上させることができる。
更に、各撮像カメラを、各撮像カメラの撮像部位がウエーハの周端縁の同じ位相位置を撮像し得るように配置した場合には、撮像カメラを集約できるので、装置をコンパクトにすることができる。」(第21頁第36?45行)


ウ 「この構成において、ウエーハの周端縁を照明する周端縁照明部を設け、この周端縁照明部を、ウエーハの周端縁の厚さ方向に沿う所定の円弧に沿って照射面を形成し該円弧の中心に向けて収束するように照射光を放光する光ファイバの集合体を備えて構成するとともに、各撮像カメラが周端縁照明部からの照明光が反射した反射光の明視野範囲に位置するように配置した場合には、各撮像カメラは、C型の周端縁照明部からの照明を正反射で受けるよう配置されているので、周端縁の各面を明瞭に撮像でき、特に、欠陥を良く撮像でき、この点でも撮像精度を向上させることができる。」(第21頁第46行?第22頁第2行)


エ 「そして、本発明において対象とするウエーハは、その周端縁に底部及び両側部を有して略U字状に切り欠かれたノッチがあるウエーハであり、本発明は、ノッチを撮像するノッチ撮像部を設け、このノッチ撮像部を、ノッチの厚さ方向の異なる部位を撮像する複数の撮像カメラを配置した構成にしたことから、複数の撮像カメラでノッチの厚さ方向の異なる部位を撮像するので、ノッチが面取りされていても、撮像カメラの位置を逐一移動させることなく、厚さ方向全部を明瞭にしかも同時に撮像でき、操作性を向上させることができるとともに、撮像精度を向上させることができる。
また、撮像カメラを面状に撮像するエリアセンサで構成した場合には、ウエーハを回転させることなく、一時に撮像できる。」(第23頁第4?13行)


オ 「そしてまた、ノッチがウエーハの面に対して略直角な側面,この側面に対して傾斜して面取りされた上面及び下面を備えて構成された場合、撮像カメラを、側面,上面及び下面に対応し各面に対して撮像方向を略直角に対面させて夫々配置した構成とした場合には、ノッチの各面を明瞭にしかも同時に撮像でき、操作性を向上させることができるとともに、撮像精度を向上させることができる。」(第23頁第14?18行)


カ 「この場合、ノッチの底部の側面に対応した底部側面撮像カメラ,底部の上面に対応した底部上面撮像カメラ,底部の下面に対応した底部下面撮像カメラ,ノッチの一方の側部の側面に対応した一方側部側面撮像カメラ,ノッチの他方の側部の側面に対応した他方側部側面撮像カメラを備えた場合には、ノッチの各面を明瞭にしかも同時に撮像でき、操作性を向上させることができるとともに、撮像精度を向上させることができる。」(第23頁第19?23行)


キ 「また、ノッチを照明するノッチ照明部を設け、ノッチ照明部を、ノッチに向けて照射光を放光する発光ダイオードの集合体を備えて構成するとともに、各撮像カメラがノッチ照明部からの照明光が反射した反射光の明視野範囲に位置するように配置した場合には、ノッチ照明部からの照明光が反射した反射光の明視野範囲に位置するように配置されているので、ノッチの各面を明瞭に撮像でき、特に、欠陥を良く撮像でき、この点でも撮像精度を向上させることができる。」(第23頁第25?30行)


ク 「更に、ノッチ照明部を、底部上面撮像カメラ及び底部下面撮像カメラに夫々設けられ各撮像カメラの撮像面が中央に臨むドーム状の照射面を形成しノッチに向けて照射光を放光するドーム照射体と、底部側面撮像カメラ,一方側部側面撮像カメラ及び他方側部側面撮像カメラの撮像面が臨むスリットを形成するように設けられた略平面状の照射面を一対有しノッチに向けて照射光を放光する平面照射体とを備えて構成した場合には、ノッチを照明するノッチ照明部が、ドーム照射体及び平面照射体を備え、ノッチを良く照明するとともに、各撮像カメラは、ノッチ照明部からの照明光が反射した反射光の明視野範囲に位置するように配置されているので、ノッチの各面を明瞭に撮像でき、特に、欠陥を良く撮像でき、この点でも撮像精度を向上させることができる。」(第23頁第31?39行)


(3) 以上の明細書の記載からすれば、本件発明1は、特に「周端縁に底部及び両側部を有して略U字状に切り欠かれたノッチがある円盤状のウエーハを検査するウエーハ用検査装置であって、回転させられるウエーハの周端縁を連続的に撮像する周端縁撮像部と、上記ウエーハの周端縁を照明する周端縁照明部と、上記周端縁撮像部で撮像した撮像データを処理する制御部とを備えたウエーハ用検査装置において、上記周端縁撮像部を、上記ウエーハの周端縁の厚さ方向の異なる部位を撮像する複数の撮像カメラを配置して構成し、上記周端縁撮像部の撮像カメラを上記周端縁の厚さ方向に沿って略直線状に撮像するラインセンサで構成し、上記ノッチを撮像するノッチ撮像部を設け、上記ノッチを照明するノッチ照明部を設け、上記制御部に該ノッチ撮像部で撮像した撮像データを処理する機能を備え、上記ノッチ撮像部を、上記ノッチの厚さ方向の異なる部位を撮像するエリアセンサで構成した複数の撮像カメラを配置した構成」(以下、「技術的特徴a」という。)により、上記ア及びエの効果を奏するものと認められる。
そして、本件発明2の構成(以下、「技術的特徴b」という。)により上記イの効果を、本件発明3の構成(以下、「技術的特徴c」という。)により上記ウの効果を、本件発明15の構成(以下、「技術的特徴d」という。)により上記オの効果を、本件発明16の構成(以下、「技術的特徴e」という。)により上記カの効果を、本件発明17の構成(以下、「技術的特徴f」という。)により上記キの効果を、本件発明18の構成(以下、「技術的特徴g」という。)により上記クの効果を、それぞれ奏するものと認められる。


2 証拠の記載事項等

当事者間に成立について争いのない証拠(甲第1?30号証、乙第1?15,17?22,25?27号証、第1回口頭審理調書の請求人側の項目2及び被請求人側の項目2参照)及び両当事者の主張によれば、時系列的にみて以下のとおりの事実が認められる。


(1) 1998年9月頃より、本多エレクトロン株式会社(以下、「本多エレクトロン」という。)は、東芝セラミックス株式会社(以下、「東芝セラミックス」という。)向けのウエーハエッジ検査装置の開発を行っていた。(乙第1?6号証)

乙第1号証の東芝セラミックスの泉妻宏治(以下、「東芝セラミックス泉妻」という。)による「要求仕様書」の「品名」には、ウエーハエッジ検査装置と記載され、「用途、目的、性能」には、シリコンウエーハ外周部(端面)上のキズ、カケ等の不良を非接触にて検出することが記載されている。
乙第2号証の本多エレクトロンの林義典(以下、「本多エレクトロン林」という。)による「東芝セラミックス(株)開発研究所向け SWI1204C用12インチ端面検査システム改造提案仕様」の「品名」には、ウェーハエッジ検査装置と記載され、「用途、目的、性能」には、シリコンウェーハ外周部(端面)上のキズ、カケ等の不良を非接触にて検出することが記載されている。


(2) 2000年9月頃より、東芝セラミックス向けの本多エレクトロン製端面欠陥座標計測装置の端面検査ユニットを日本エレクトロセンサリデバイス株式会社(以下、「NED」という。)が担当することとなった。(甲第5号証、乙第8号証、乙第9号証、甲第30号証、甲第7号証)

甲第5号証の本多エレクトロン林による電子メールには、
「最終納め先:東芝セラミックス株式会社
・・・
必要書類:
1.本多エレクトロン社製:端面欠陥座標計測装置提案仕様書(1次提出)
・・・
3.NED殿社製:端面検査ユニット提案仕様書」と記載されている。

(3) 2000年10月20日に、NED技術センターにおいて、NEDの大山洋一郎(以下、「NED大山」という。)、NEDの山本真一郎(以下、「NED山本」という。)、NEDの藤戸学(以下、「NED藤戸」という。)、本多エレクトロンの蛯沢(以下、「本多エレクトロン蛯沢」という。)、本多エレクトロンの遊田博明(以下、「本多エレクトロン遊田」という。)、本多エレクトロン林、東芝セラミックスの田辺淳(以下、「東芝セラミックス田辺」という。)らが出席して、φ300mm自動端面欠陥座標計測装置仕様打合せが行われた。(甲第8号証)

甲第8号証の本多エレクトロン林による議事録には、
「2.画像処理について
1)「φ300mm自動端面欠陥座標計測装置画像処理部仕様」をTC殿←NED殿
・・・
4)ベベルの形状について回答するものとする。(データ、種類) TC殿→NIC殿11/1
・・・
9)ノッチの欠陥サンプルをTC殿に送付頂くものとする。TC殿→NED殿11/1発送
10)ノッチは検査の手方を検討して頂く。要回答 NED殿→弊社11/13
11)ベベルの限度見本サンプルを送付頂くものとする。 TC殿→NED殿11/1発送
12)カメラ、照明等の光学配置を再検討し回答するものとする。 NED殿→弊社11/13」
と記載され、
甲第8号証のNED山本による打合せ記録には、
「ノッチ内部も検査したい→サンプルを頂く。(11/1発送)
ノッチに多い欠陥は 欠け、非ミラー、ヒビ割れ(林氏)
レンズ系、照明を検討する
・ベベル形状は11/1発送 東セラ殿→日商→本多→NED
設計データ、サンプル含む(ノッチサンプル含む) 着は11/6
カメラ位置回答は?11/13 NED→本多」
と記載されている。


(4) 平成12年10月23日(2000年10月23日)付けで「自動端面欠陥座標計測装置カメラ取付範囲図」が、本多エレクトロンの西風館広幸(以下、「本多エレクトロン西風館」という。)の設計により作成された。(乙第10号証)

乙第10号証の図面には、3つで1組のカメラが2組示されている。


(5) 2000年11月1日付けの「300mmウェーハ端面検査装置について」と題するレターが、東芝セラミックス田辺から、NED山本らに送られた。(甲第9号証)

甲第9号証のレターには、Type-A、Type-Bのウエーハの形状を示した図面が記載され、同図には、周端縁に底部及び両側部を有して略U字状に切り欠かれたノッチが示されている。


(6) 2001年1月8日付けで「Wafer Edge Inspection System」の「Outline」図面が、NED側で作成された。(乙第15号証)


(7) 2001年1月18日に、本多エレクトロン本社において、本多エレクトロン林・蛯沢、NED大山・山本らが出席して、φ300mm自動端面欠陥座標計測装置画像処理部仕様打合せが行われた。(甲第13号証)

甲第13号証のNED山本による打合せ記録には、
「ノッチベベル部画像取り込みする・・・
エリア ラインセンサの画像表示倍率合わせる
・・・仕様書1/26再提出」
と記載され、
甲第13号証の本多エレクトロン林による議事録には、
「3.提出物(本日)
1)φ300mm自動端面欠陥座標計測装置画像処理部→NED殿→弊社
2)自動端面欠陥座標計測装置カメラ取付範囲図 →NED殿←弊社
3)白板資料(この内容に基づき仕様書を修正するものとする。)8頁
4.今後のアクションアイテム
・・・
2)仕様書の再提出日-1/26迄 NED殿→弊社
3)ノッチの評価実験-1/26迄 〃 」
と記載されている。
そして、甲第13号証の本多エレクトロン林により記載された白板資料には、画像処理システム仕様を、エリアセンサー1、エリアセンサー2、ラインセンサー1、ランセンサー2、ラインセンサー3を有する構成に変更し、ノッチのベベル上面をラインセンサーで、ノッチ側面の左側をエリアセンサー1で、ノッチ側面の右側をエリアセンサー2で、ノッチのベベル下面をランセンサーで撮影することが示されている。


(8) 2001年2月6日に、NED技術センターにおいて、本多エレクトロン蛯沢・林、NED大山・山本が出席して、自動端面欠陥座標計測装置画像処理部仕様打合せが行われた。(甲第14号証)

甲第14号証のNED山本による打合せ記録には、
「11.日程
仕様書見直し (NED→本多殿) ?2/26着
8インチノッチテスト (NED→本多殿) ?2/9着
12インチ実験方法案 (本多殿→NED) ?2/16着 」
と記載され、
甲第14号証の本多エレクトロン林による議事録には
「2.アクションアイテムの確認
1)NED殿仕様書再提出 -NED殿→弊社 2/26着
2)8インチウェーハのノッチ実験結果提出-NED殿→弊社 2/9着
3)弊社300mm端実験用要領提出 -NED殿←弊社 2/16着」
と記載されている。


(9) 2001年2月9日に、NED藤戸より、本多エレクトロン林に電子メールが送られた。(甲第15号証、甲第16号証)

甲第15?16号証の電子メールには、二次元CCDカメラによるノッチ端面画像(ノッチ左側面、ノッチ右側面)と、ラインセンサカメラによるノッチベベル面画像を送る旨が記載されている。


(10) 2001年2月17日から同年2月23日にかけて、NED藤戸より、NED大山に電子メールが送られた。(甲第17?20号証)

甲第17号証の2001年2月17日付け電子メール及び甲第18号証の同年2月19日付け電子メールには、ノッチベベル面をラインセンサカメラで撮影したこと、ノッチ端面(側面)をエリアセンサカメラで撮影したこと、ノッチ端面は、「照明1で、十分な照度が得られ」たが、ノッチベベル面は、「上記いずれの照明でも、かなり暗く、実用レベルでは」ないこと、「ノッチベベル面を他のベベル面と同様にラインセンサカメラで見るというのは照明が煩雑になります。エリアセンサカメラで見るのが実用的と思います。またノッチをエリアセンサカメラで見る場合、上、横、下の3箇所から見るというのが妥当ではないでしょうか。ノッチのすべての面を正面から見る必要は本当にあるのでしょうか?」と記載されている。
甲第19号証の2001年2月20日付け電子メールには、
「本日は、C型リング照明に加え、PGA検査装置で使用しているスポット状のライトガイドを用いて、ノッチおよびその近傍のベベル面を撮ってみました。添付画像をご覧ください。二つの画像はそれぞれ、C型リングの右側からスポット照明を与えたもの、および、C型リングの左側からスポット照明を与えたものです。後者は、C型リングが障壁になり前者と同様の照明ができませんでした。この方法がうまく行ったとしても、ラインセンサ用に照明が5つ必要になります。・・・それとも、ノッチのベベル面はエリアセンサカメラで見るように、方針を変えるというのはいかがでしょうか?」
と記載されている。
甲第20号証の2001年2月23日付け電子メールには、
「ノッチの端面の画像で、暗い領域があり、レンズがテレセンのためと思っていましたが、普通のレンズで見ても、同様でした(添付画像をご覧ください)。これまでの実験からは、ノッチの撮影は次の構成になるかと思います。
上下ベベル:それぞれカメラ一台、円錐上LED照明一つ。
ノッチ側面:左右、それぞれカメラ1台、メタハラ面照明2枚(間から覗きます)。
ノッチ正面:カメラ1台、照明は上記メタハラ面照明を併用。
カメラは計5台、照明はLEDが2個、メタハラが4個になります。」
と記載されている。


(11) 2001年3月1日に、NED藤戸より、本多エレクトロン林に電子メールが送られた。(甲第21号証)

甲第21号証の電子メールには、
「ノッチベベル面の撮影をラインセンサカメラで行うことを断念し、エリアカメラに切り替えた理由を記します。添付画像をご覧下さい。左は、C型メタハラ照明のみの場合で、光軸のやや左側より照射しています。右は、それに加え、光軸の右側に100Wの白熱電球を配置したものです。左側面が見えるようになりましたが、右側面用にもう一つ電球が必要です。結局、上下で計4個の電球が必要になり、照明が非常に煩雑になります。また、電球は、破損、寿命の問題もあります。・・・一方、エリアカメラで撮影したノッチベベル面は、分解能はラインセンサカメラの場合に比べ劣りますが、十分なものが得られていると思います。現在使用中のLED照明を使えば、さらに照度、均一性は上がります。これから撮ります。ノッチ側面についても、本日、同じ照明で撮影します。」
と記載されている。


(12) 2001年3月5日に、NED大山・山本、本多エレクトロン蛯沢・遊田・西風館・林が出席して、自動端面欠陥座標計測システム極秘ミーティングが行われた。(乙第26号証)

乙第26号証の本多エレクトロン側による議事録には、
「1.目的1)8”ウェーハサンプルの取得画像評価
2)12”ウェーハサンプルの評価実験検討
2.内容1)8”ウェーハサンプルの撮像方式について
1 カメラ台数の確認 (現状5台→?)
・・・
4 照明レイアウト〃 (現状3灯→?)
2)12”ウェーハサンプルの評価実験検討
1 カメラ台数の確認 (現状5台→?)
・・・
4 照明レイアウト〃 (現状3灯→?)
3.進捗1)提案仕様書(本体) 提出済H12,12,1 TC殿←弊社
2) 〃 (画像処理) 提出済H13,01,24 弊社
←NED殿
3)納入仕様書(本体) 予定 H13,05,E TC殿←弊社
4) 〃 (画像処理) 予定 H13,05,E 〃 ← 〃
←NED殿
5)12”ウェーハサンプ評価実験 〃 H13,05,E 〃 ←〃
← 〃
6) 〃 確定〃 〃 H13,06,E 〃 ←〃
← 〃
・・・
4.Agenda
・・・
13:10 実験機器と方法の説明 大山副社長殿 & 山本チーフ殿
13:20 取得済画像の説明 〃 & 〃
13:40 画像取得デモ第1回 〃 & 〃
13:50 取得画像の説明 〃 & 〃
14:00 打ち合せ,及びカメラの段取り換え 〃 & 〃
14:30 画像取得デモ第2回 〃 & 〃
14:40 取得画像の説明 〃 & 〃
・・・
LW-300DX仕様打ち合せ
1.仕様書内容の確認
1)5ページ3搬送装置仕様は削除とする。 NED殿→弊社
2)8ページファイバーケーブル長を確認するものとする。NED殿→弊社
・・・
5)12ページノッチ部の取り込みを先にするとして修正 〃
6)12ページエリアカメラ2台→5台 〃 」
と記載されている。


(13) 2001年3月5日付けで、本多エレクトロン宛「φ300mm自動端面欠陥座標計測装置 LW-300DX 仕様書」がNED藤戸により作成された。(乙第14号証)

乙第14号証の仕様書の第5頁の「II 仕様」には、「1.概要」、「2.対象物仕様」、「3.搬送装置仕様」、「4.画像処理部仕様」が記載され、「3.搬送装置仕様」が手書きで削除されている。
「4.画像処理部仕様」については、後述の甲第26号証の第5頁の端面検出光学系とノッチ部検査光学系と同様のものが記載されている。
第7?8頁の「III.システム仕様」には、甲第26号証の第8?9頁に示されたカメラ構成及び装置構成図と同様のものが記載されている。
第12頁の「4.検査手順」には、「ラインセンサ3台とエリアカメラ2台で画像を取り込みます。・・・ラインセンサで取り込んだ後、エリアカメラでノッチ部を取り込みます。」と記載され、「エリアカメラ2台」の「2」が手書きで「5」に修正されている。


(14) 2001年3月5日付けで、ウェーハエッジ検査装置ノッチ検査用光学系図面がNED藤戸により作成された。(甲第23号証)


(15) 2001年3月26日付けで、本多エレクトロン宛「φ300mm自動端面欠陥座標計測装置 LW-300DX 仕様書」がNED藤戸により作成された。(甲第26号証)

甲第26号証の仕様書第1頁の「用途」には、「φ300mmシリコンウエハー端面欠陥座標計測装置画像処理部」と記載されている。
第2頁の「2.1号機検収条件」には、「ウエハー端面(上面ベベル・側面・下面ベベル)の良質な画像を撮像出来ること。」と記載されている。
第5?6頁の「II 仕様」には、「1.概要」、「2.対象物仕様」、「3.画像処理部仕様」が記載されている。
「2.対象物仕様」には、「(2)ウエハー端面形状 ユーザー提供別紙<Type-A,Type-Bウエハー端面/ノッチ形状>資料に準ずる」と記載されている。
「3.画像処理部仕様」には、端面検出光学系のラインセンサカメラとして、1024画素高速デジタルラインセンサカメラ(3台)を、端面検出光学系のレンズとして、3.5倍テレセントリックタイプ(3本)を、端面検出光学系の照明として、高輝度メタルハライドランプ(1台)及びライトガイド(特殊C型リングライト)を、ノッチ部検出光学系のエリアCCDカメラとして、768×494画素カメラ(5台)を、ノッチ部検出光学系のレンズとして、2.0倍高解像度レンズ(5本)を、ノッチ部検出光学系の照明として、LED無影照明 ベベル部(2本)及びLED面照明 側面(3本)を、それぞれ用いることが示されている。
第8頁の「2.1カメラ構成」には、「エッジは、表面、側面、裏面の3方向より、3台のラインセンサカメラで取り込みます。但し、ノッチ部側面については、エリアカメラにて5方向からみるものとします。」と記載され、図面には、エリアカメラ2(ノッチ左側面観察用)、エリアカメラ3(ノッチ右側面観察用)、エリアカメラ4(ノッチ上ベベル用)、エリアカメラ1(ノッチ底面用)、エリアカメラ5(ノッチ下ベベル用)、ラインセンサ2(表面観察用)、ラインセンサ1(側面観察用)、ラインセンサ3(裏面観察用)が記載されている。また、ウエハーが回転させられること、ラインセンサ1?3は、ウエハーのエッジの同じ位相位置を観測し得るように配置されていることが示されている。
第9頁の「2.2装置構成図」には、エリアカメラ1?5及びラインセンサカメラ1?3からのデータを処理するパソコンが示されている。


(16) 平成13年4月12日(2001年4月12日)に、NED大山・山本宛で、本多エレクトロン西風館らにより作成された評価器材借用の依頼書が送られた。(甲第27号証)

甲第27号証の依頼書には、平成13年3月5日の打合せで本多エレクトロン側が評価器材借用を依頼した旨が記載され、「φ300mm自動端面欠陥座標計測装置 評価機材借用品リスト」には、端面検出光学系として、ラインセンサカメラ3台、レンズ3本、高輝度メタルハライドランプ1台等が、ノッチ部検出光学系として、エリアCCDカメラ5台、レンズ5本、LED無影照明2本、LED面照明3本が記載され、「LED無影照明2本」の「本」が「個」に、「LED面照明3本」の「3本」が「2個」に、それぞれ手書きで修正されている。


(17) H13.10.17(2001年10月17日)付けで、NED藤戸、本多エレクトロン林・西風館らにより、契約に関するメモが作成された。(乙第27号証)

乙第27号証のメモの「NED殿の申し入れ事項」には、「LW-300DXの光学販売権はNEDにあると主張」と記載され、「本多見解」には、「LW-300-DXの光学部販売権はNED殿と本多にあると主張」と記載されている。


(18) 2001年10月24日付けで、本多エレクトロン宛「φ300mmウェーハ端面欠陥座標検査システム 初号機及びその開発 LW-300DX-1A 取扱説明書兼メインテナンスマニュアル」がNED藤戸により作成された。(甲第28号証)

甲第28号証の取扱説明書第3頁の「図1-1.光学系概観」には、「エリアセンサカメラ、LED照明(ノッチ観察用)」、「ラインセンサカメラ(エッジ上面観察用)」、「ラインセンサカメラ(エッジ側面観察用)」、「ラインセンサカメラ(エッジ下面観察用)」、「C型ライトガイド」、「メタルハライド光源」、「ラインセンサカメラ取り付けステージ」、「ラインセンサカメラ取り付けステージ固定台」が記載されている。
第4?11頁の「2.ラインセンサの光学系」には、「各ラインセンサは、C型ライトガイドからの照明を、正反射で受けるよう配置します。」、「図2-6は、C型照明を、ファイバ接続部のファイバ軸まわりに少し回転させ」と記載され、図2-8には、C型ライトガイドが、ウエーハのエッジの厚さ方向に沿う所定の円弧に沿って照射面を形成し該円弧の中心に向けて収束するように配置されていることが示されている。
第12頁の「3.ラインセンサの取り付け、調整手順」には、「側面、上面、下面用の各カメラ取り付けステージを、垂直に立った固定台の側面に取り付けます」と記載されている。
第14頁の「4.エリアセンサの光学系」には、「図では、角型照明と円錐状同軸無影照明がウェーハ上に映っていますが、実際も、このようにウェーハに対して上下に対象に照明が配置されています(ウェーハが透けているとイメージしてください)。
ノッチ部側面にあたる、底面、左側面、右側面は、2枚の角型照明の隙間から覗く形で撮影します。隙間は5mm程度が適当です。
上、下テーパ面は、円錐状同軸無影照明の中央部から覗く形で撮影します。」と記載されている。
第15頁の「5.エリアセンサの取り付け、調整手順」には、「照明に関しても、光軸方向に移動させ、最適な場所を探します。」と記載されている。
第16頁の「6.構成品リスト」には、ラインセンサ光学系のラインセンサカメラ3個、ラインセンサ光学系のメタルハライドランプ1個、ラインセンサ光学系のC型ライトガイド1個、エリアセンサ光学系のエリアセンサカメラ5個、エリアセンサ光学系のLED照明器(1)2個、エリアセンサ光学系のLED照明器(2)2個が記載されている。
第18頁の「8.保守体制」には、「お問合せ先:日本エレクトロセンサリデバイス株式会社EMI事業部 担当:藤戸」と記載されている。


(19) 平成13年11月1日(2001年11月1日)付けで、本多エレクトロンとNEDにより、覚書が作成された。(乙第25号証)

乙第25号証の覚書には、双方は、本多エレクトロンがウェハー端面欠陥座標検査システムを10月度に検収する条件を確認したこと、条件の一つが、NEDは、ウェハー端面欠陥座標検査システムに係る情報を第三者に公開する場合、事前に本多エレクトロンの同意を得ることである旨が記載されている。


(20) 2002年2月19日に、本多エレクトロンと東芝セラミックスは、本多エレクトロン林、本多エレクトロン西風館、本多エレクトロン遊田、東芝セラミックス田辺、東芝セラミックスの磯貝宏道、東芝セラミックス泉妻を発明者とする本件の特許出願をした。


(21) 本多エレクトロンとNEDとの間で、本件発明の特許出願に関する取り決めはない。(第1回口頭審理調書の請求人側の項目4及び被請求人側の項目5)


3 判断

(1) 甲第26号証及び甲28号証について検討する。

ア 上記2(15)によれば、甲第26号証の仕様書には、用途がφ300mmシリコンウエハー端面欠陥座標計測装置画像処理部であること、ウエハー端面が、側面、上面ベベル、下面ベベルを有すること、ノッチは、ノッチ左側面、ノッチ右側面、ノッチ上ベベル、ノッチ底面、ノッチ下ベベルを備えていること、画像処理部は、端面検出光学系のラインセンサカメラ(3台)、端面検出光学系の照明、ノッチ部検出光学系のエリアCCDカメラ(5台)、ノッチ部検出光学系の照明、及びパソコンを有すること、端面検出光学系のラインセンサカメラ(3台)は、ラインセンサ2(表面観察用)、ラインセンサ1(側面観察用)、ラインセンサ3(裏面観察用)であること、ノッチ部検出光学系のエリアCCDカメラ(5台)は、エリアカメラ2(ノッチ左側面観察用)、エリアカメラ3(ノッチ右側面観察用)、エリアカメラ4(ノッチ上ベベル用)、エリアカメラ1(ノッチ底面用)、エリアカメラ5(ノッチ下ベベル用)であること、パソコンは、エリアカメラ1?5及びラインセンサカメラ1?3からのデータを処理するものであること、ラインセンサ1?3は、ウエハーのエッジの同じ位相位置を観測し得るように配置されていることが示されている。また、ウエハーは回転させられていることから、3台のラインセンサカメラは、ウエハー端面を連続的に観測するものと認められる。


イ 甲第26号証に記載される「ウエハー端面」は、本件発明1の「周端縁」に相当し、以下同様に、「ノッチ」は「底部及び両側部を有して略U字状に切り欠かれたノッチ」に、「ウエハー」は「円盤状のウエーハ」に、「φ300mmシリコンウエハー端面欠陥座標計測装置」は「ウエーハ用検査装置」に、「観測」及び「観察」は「撮像」に、「端面検出光学系のラインセンサカメラ(3台)」は「周端縁撮像部」に、「端面検出光学系の照明」は「周端縁照明部」に、「パソコン」は「制御部」に、「ノッチ部検出光学系のエリアCCDカメラ(5台)」は「ノッチ撮像部」に、「ノッチ部検出光学系の照明」は「ノッチ照明部」に、「エリアカメラ」は「エリアセンサ」に、それぞれ相当しており、ラインセンサ2、ラインセンサ1、ラインセンサ3が、それぞれ表面観察用、側面観察用、裏面観察用であることから、ラインセンサ1?3は、ウエーハの周端縁の厚さ方向の異なる部位を撮像しているといえ、エリアカメラ4、エリアカメラ1、エリアカメラ5が、それぞれノッチ上ベベル用、ノッチ底面用、ノッチ下ベベル用であることから、エリアカメラ4,1,5は、ノッチの厚さ方向の異なる部位を撮像しているといえるから、甲第26号証には、技術的特徴aが記載されている。


ウ 甲第26号証に記載されるウエハー端面の「側面」は、本件発明2の「ウエーハの面に対して略直角な側面」に相当し、以下同様に、ウエハー端面の「上面ベベル」及び「下面ベベル」は「該側面に対して傾斜して面取りされた上面及び下面」に、「ラインセンサ1(側面観察用)」は「側面用撮像カメラ」に、「ラインセンサ2(表面観察用)」は「上面用撮像カメラ」に、「ラインセンサ3(裏面観察用)」は「下面用撮像カメラ」に、それぞれ相当しているから、甲第26号証には、技術的特徴bが記載されている。


エ 甲第26号証に記載される「ノッチ底面」、「ノッチ上ベベル」及び「ノッチ下ベベル」は、本件発明15の「ウエーハの面に対して略直角な側面」、「該側面に対して傾斜して面取りされた上面及び下面」に、それぞれ相当しているから、甲第26号証には、技術的特徴dが記載されている。


オ 甲第26号証に記載される「エリアカメラ1(ノッチ底面用)」は、本件発明16の「底部側面撮像カメラ」に相当し、以下同様に、「エリアカメラ4(ノッチ上ベベル用)」は「底部上面撮像カメラ」に、「エリアカメラ5(ノッチ下ベベル用)」は「底部下面撮像カメラ」に、「エリアカメラ2(ノッチ左側面観察用)」は「一方側部側面撮像カメラ」に、「エリアカメラ3(ノッチ右側面観察用)」は「他方側部側面撮像カメラ」に、それぞれ相当しているから、甲第26号証には、技術的特徴eが記載されている。


カ 上記2(18)によれば、甲第28号証の取扱説明書には、φ300mmウェーハ端面欠陥座標検査システム初号機は、ラインセンサ光学系のラインセンサカメラ3個、ラインセンサ光学系のメタルハライドランプ1個、ラインセンサ光学系のC型ライトガイド1個、エリアセンサ光学系のエリアセンサカメラ5個、エリアセンサ光学系のLED照明器(1)2個、エリアセンサ光学系のLED照明器(2)2個を有すること、各ラインセンサは、C型ライトガイドからの照明を、正反射で受けるよう配置されること、C型照明は、ファイバであること、C型ライトガイドが、ウエーハのエッジの厚さ方向に沿う所定の円弧に沿って照射面を形成し該円弧の中心に向けて収束するように配置されていること、ノッチ部側面にあたる、底面、左側面、右側面は、2枚の角型照明の隙間から覗く形で撮影すること、ノッチ部の上、下テーパ面は、円錐状同軸無影照明の中央部から覗く形で撮影すること、ウェーハに対して上下に対象に角型照明と円錐状同軸無影照明が配置されていることが示されている。


キ 甲第28号証に記載される「C型ライトガイド」は、本件発明3の「光ファイバの集合体」に相当し、以下同様に、「ラインセンサカメラ3個」は「周端縁撮像部の各撮像カメラ」に相当しているから、甲第28号証には、技術的特徴cが記載されている。


ク 甲第28号証に記載される「エリアセンサカメラ5個」は、本件発明17の「ノッチ撮像部の各撮像カメラ」に相当し、以下同様に、「LED照明器(1)」及び「LED照明器(1)」は「発光ダイオードの集合体」に相当しているおり、各エリアセンサカメラは、ラインセンサカメラと同様に、照明部からの照明光が反射した反射光の明視野範囲に位置するように配置されているものと認められるから、甲第28号証には、技術的特徴fが記載されている。


ケ 甲第28号証に記載される「ノッチ部の上テーパ面」は、本件発明18の「底部上面」に相当し、以下同様に、「ノッチ部の下テーパ面」は「底部下面」に、「円錐状同軸無影照明」は「ドーム照射体」に、「ノッチ部側面にあたる底面」は「底部側面」に、「ノッチ部側面にあたる左側面」は「一方側部側面」に、「ノッチ部側面にあたる右側面」は「他方側部側面」に、「2枚の角型照明」は「平面照射体」に、それぞれ相当しているから、甲第28号証には、技術的特徴gが記載されている。


(2) NED藤戸が本件発明の発明者の一人であるか否かについて検討する。

ア 東芝セラミックス向けの本多エレクトロン製端面欠陥座標計測装置について、2000年9月頃から、少なくとも2001年11月1日まで、本多エレクトロンとNEDとの間に協力関係があったこと、及びNEDが画像処理部の担当であったことが認められる(上記2の(1)?(19))。


イ NEDがノッチの検査手法の検討や評価実験を行っており(上記2の(3),(7),(8),(12))、NED藤戸が、ノッチを撮影し、その結果に基づきカメラ及び照明の構成について着想を得ている(上記2(10))。その結果、NED藤戸により、甲第26号証の「φ300mm自動端面欠陥座標計測装置 LW-300DX 仕様書」及び甲第28号証の「φ300mmウェーハ端面欠陥座標検査システム 初号機及びその開発 LW-300DX-1A 取扱説明書兼メインテナンスマニュアル」が作成されたが(上記2の(15),(18))、甲第26号証又は甲第28号証には、上記(1)のとおり、本件発明の技術的特徴a?gが記載されている。


ウ また、本件発明が、協力関係が開始するよりも前に、被請求人の主張する発明者によって完成していたことを認めるに足りる証拠はない。


エ そして、当該発明者による実験方法等の具体的な指示がなされたとする証拠もなく、むしろNED藤戸からカメラ及び照明の構成を提案していることから(上記2(11))、NED藤戸は、単なる補助者でもない。


オ したがって、NED藤戸は、本件発明の完成に深く関与しており、本件発明の発明者の一人であるというべきである。


(3) 被請求人は、乙第16号証、乙第23号証及び乙第24号証にあるように、本件特許発明は、NED大山らの関与なく、本多エレクトロン林ら発明者によって独自になされたものであると主張している。

ア 乙第16号証

乙第16号証のノートの24頁に描かれたウエーハ端面検査装置の図では、「エッジユニットは、ウエーハの周端縁の厚さ方向に異なる3つの部位を3つのカメラにて撮影する構成となっており、ノッチユニットは、ノッチの厚さ方向に異なる3つの部位を3つのカメラにて撮影する構成となっている。」(口頭審理陳述要領書第4頁第35?38行)
同25頁には、「ノッチ検査(撮影)で得られる画像であると見て取れる複数の図」が描かれており、「24頁に描かれるノッチユニットの3つのカメラによる半導体ウエーハのノッチの撮影により得られる画像及びエッジユニットの3つのカメラによる半導体ウエーハのエッジの撮影により得られる画像がそれぞれ描かれている。」(口頭審理陳述要領書第5頁第13?30行)
同50頁には、「「製品化イメージ」と題するメモが書き記されている。ここでは、ノッチの厚さ方向に異なる3つの部位を3つのカメラにて撮影する構成となるノッチ部に対してアドイン・浜フォトシステムと名づけられている。「アドイン」は、画像処理のソフトウエアを担当する会社であったアドイン研究所を指し、「浜フォト」は、エリアセンサカメラを供給する浜松フォトニクス社を指している。浜松フォトニクス社がエリアセンサカメラを供給することは、当該ノートの46頁の「1024×1024カメラ 浜フォト」という記載や21頁の「浜フォトのエリアセンサ」という記載からも判る。
また、ウエーハの周端縁の厚さ方向に異なる3つの部位を3つのカメラにて撮影する構成となるエッジ部に対してアドイン・竹中システムと名づけられている。「アドイン」については前述と同様にアドイン研究所を指すものであり、「竹中」は、ラインセンサカメラを供給する竹中システム機器社を指している。竹中システム機器社がラインセンサカメラを供給することは当該ノートの47頁の「1024×1カメラ 竹中」という記載、21頁の「竹中のラインセンサ」という記載等からも判る。」(口頭審理陳述要領書第5頁第31行?第6頁第4行)
「乙第16号証のノートの24頁、25頁及び50頁の記載及び他の頁の記載から、林義典は、このノートを使用していた期間に半導体ウエーハの周端縁及びそのノッチの欠陥を可視的に検出する技術についてまじめに研究を行い、その結果として、
ウエーハの周端縁の厚さ方向に異なる部位をラインセンサで構成された複数のカメラにて撮影し(構成要件b、c)、
ウエーハのノッチの厚さ方向に異なる部位をエリアセンサで構成された複数のカメラにて撮影する(構成要件d)ことを要件とする
技術思想たるウエーハ端面検査装置に係る本件特許発明がなされたことが判る。」(口頭審理陳述要領書第6頁第5?13行)
そして、「乙第16号証のノートの最終頁である58頁には、NED社の提案を採用するか否かの検討についてのメモが書き記されていることから、その書き記された時期は、登録時権利者甲(本多エレクトロン)と請求人(NED社)とが共同してウエーハ端面検査装置の製品化を開始する時期、例えば、林義典が大山洋一郎氏に相談を持ちかけたと請求人が主張する2000年7月17日よりも以前であることは明らかである。従って、林義典が乙第16号証のノートを使用していた時期は、どんなに遅くとも、2000年7月17日より以前の時期である。従って、前述したように、このノートを使用していた期間の研究の結果としてなされた本件特許発明は、どんなに遅くとも2000年7月17日より以前になされたものである。2000年7月17日より以前ということは、登録時権利者甲と請求人とが共同してウエーハ端面検査装置の製品化を開始するより以前ということであるので、本件発明は、請求人側の大山洋一郎氏らの関与なくなされたことになる。」(口頭審理陳述要領書第7頁第7?16行参照)


イ 乙第23号証及び乙第24号証

国際学会である「DRIPに提出する英文アブストラクトの検討中に作成された書面(乙第19号証)の裏面に、2つのカメラ(ラインセンサカメラであると推定される)でウエーハの周端縁の厚さ方向に異なる2つの部位を撮影する構成が描かれている(乙第23号証)。また、英文アブストラクトの検討中に作成された他の書面(乙第20号証)の裏面に、2つのエリアセンサカメラ(1024×1024)でノッチの厚さ方向に異なる2つの部位を撮影する構成が描かれている(乙第24号証)。これら乙第23号証及び乙第24号証の書面の記載内容からも、
ウエーハの周端縁の厚さ方向に異なる部位をラインセンサで構成された複数のカメラにて撮影し(構成要件b、c)、
ウエーハのノッチの厚さ方向に異なる部位をエリアセンサで構成された複数のカメラにて撮影する(構成要件d)ことを要件とする
技術思想たるウエーハ端面検査装置に係る本件特許発明が、前記英文アブストラクトのDRIPでの受け取り確認の日である1999年5月17日より以前になされたものであるといい得る。」(口頭審理陳述要領書第7頁第24?37行)


(4) しかしながら、被請求人の主張は、以下のとおり採用することができない。

ア 乙第16号証について

乙第16号証の第21頁には、「竹中のラインセンサー」、「浜フォトのエリアセンサー」と記載されている。
第24頁の上半分には、SWC1204Cに後付けの場合として、ウエーハの周端縁の厚さ方向に異なる3つの部位を撮影する3つのカメラ(竹中エッジ・ユニット)及びそれぞれのカメラに接続する3つのPC(アドインシステム)、ノッチの厚さ方向に異なる3つの部位を撮影する3つのカメラ(本多エレノッチユニット)とそれぞれのカメラに接続する3つのPC(アドインシステム)が描かれており、第24頁の下半分には、専用機として新規開発する場合として、ウエーハの周端縁の厚さ方向に異なる3つの部位を撮影する3つのカメラ及びそれぞれのカメラに接続する3つのPCからなるセットが2組描かれている。
第25頁には、ノッチ検査で得られる画像とみられる表、裏、水平の図、エッジの厚さ方向に異なる3つの部位を撮影する3つのカメラにより得られる画像とみられる3つの図が描かれている。
第26?28頁には、DRIP-VIIIのアブストラクトの下書きとみられるものが記載されている。
第46頁には、「1024×1024 カメラ 浜フォト」と記載され、第47頁には、「1024×1 カメラ 竹中」と記載されている。
第50頁には、製品化イメージとして、「ノッチ部 アドイン・浜フォトシステム」と記載された横に厚さ方向に異なる3つの部位を撮影する3つのカメラが描かれ、「エッジ部 アドイン・竹中システム」と記載された横に厚さ方向に異なる3つの部位を撮影する3つのカメラが描かれ、「ノッチ部 Moritex レンズ 照明 エッジ部 Moritex レンズ 照明」と記載された横に3つの照明とみられるものが、下にC型の照明とみられるものが描かれている。
第52?53、56?57頁には、NED見学について記載されている。
第58頁には、アドイン・竹中システムとNEDの提案についての比較が記載されている。

乙第16号証のノートには、日付は一切記載されておらず、一部鉛筆書きである。そして、表紙から最初の記述頁まで、第3頁、第9頁、第11頁の下半分、第19頁、第33頁、第35頁、第41頁の下半分、第49頁の約4/5が空白であるなど空欄も多く、本人の署名、具体的な実験結果も記載されていないことから、乙第16号証のノートはメモであって実験ノートではない。
第26?28頁は、アブストラクトの受け取りの確認がなされた1999年5月17日(乙第22号証)よりも前に、そして、第52?53、56?58頁は、本多エレクトロンとNEDの協力関係が開始する前頃に記載されたものであるとしても、それ以外の頁については作成時点が不明である。
また、乙16号証には、製品化イメージは記載されているが、カメラ、レンズの性能及び配置、照明機器の性能及び配置等の具体的な光学条件について記載されていない。


イ 乙第23号証及び乙第24号証について

乙第23号証には、ウエーハの周端縁の厚さ方向に異なる部位を撮影する複数のカメラが描かれているだけであり、乙第24号証には、ノッチの厚さ方向に異なる2つの部位を撮影する2つのカメラが描かれており、「1024×1024」と記載されているだけである。
また、乙第23号証及び乙第24号証は、作成時点が不明であり、具体的な光学条件も記載されていない。


ウ 乙第4号証の写真は、推定1999年10月23日付け撮影写真の写しであるが、単に一つのエリアセンサで撮影したものにすぎず、乙第21号証の写真は、単に一つのラインセンサで撮影したものにすぎない。


エ 本多エレクトロンとNEDとの協力関係が始まる前に、本多エレクトロン林ら発明者によって本件発明が完成していたとするならば、カメラ、照明等の構成について当該発明者からNED側に具体的に指示してしかるべきであるが、そのような指示があったとする証拠はなく、また、「ノッチは検査の手方を検討して頂く。」との依頼を当該発明者からNED側にしたり(上記2(3))、NED藤戸の方から発明者である本多エレクトロン林にカメラ及び照明の構成を提案している(上記2(11))。


オ 以上のことから、本多エレクトロン林ら発明者によって本件発明1が完成していたものとは認められない。
本件発明2及び15についても同様に、本多エレクトロン林ら発明者によって完成していたものとは認められない。


カ また、本件発明3,16?18の構成について、乙第16号証、乙第23号証及び乙第24号証に記載されておらず、本多エレクトロン林ら発明者によって本件発明3,16?18が完成されていたものとも認められない。


(5) そして、NED藤戸は、本件発明について特許を受ける権利の持分を本多エレクトロン及び東芝セラミックスに譲渡していない(審判請求書第17頁第27?28行)。


(6) したがって、本件は、本件発明1?3,15?18及びそれらの発明を引用して記載された本件発明4?14,19?35について特許を受ける権利が共有に係るものであるにも関わらず、共同によりその特許出願をしたものでないから、特許法第38条の規定に違反してなされたものである。


第5 むすび

以上のとおりであるから、本件発明1?35についての特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

よって、本件審判費用の負担については特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条を適用して、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-06-04 
結審通知日 2007-06-06 
審決日 2007-06-19 
出願番号 特願2002-42398(P2002-42398)
審決分類 P 1 113・ 151- Z (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 坂本 薫昭  
特許庁審判長 城所 宏
特許庁審判官 宮崎 園子
綿谷 晶廣
登録日 2004-12-17 
登録番号 特許第3629244号(P3629244)
発明の名称 ウエーハ用検査装置  
代理人 樋口 正樹  
代理人 藤井 正弘  
代理人 後藤 政喜  
代理人 樋口 正樹  
代理人 木島 俊博  
代理人 飯田 雅昭  
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