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審決分類 |
審判 全部無効 2項進歩性 A47C 審判 全部無効 1項3号刊行物記載 A47C |
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管理番号 | 1187809 |
審判番号 | 無効2007-800131 |
総通号数 | 109 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-01-30 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2007-07-11 |
確定日 | 2008-10-29 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第3150247号発明「エアマッサージ装置」の特許無効審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 訂正を認める。 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第3150247号は,平成5年12月27日に出願され,平成13年1月19日に,特許権の設定登録がされたものであって,その後,平成19年7月11日に請求人ファミリー株式会社より無効審判が請求され,これに対して被請求人株式会社フジ医療器より平成19年10月2日付けで答弁書が提出されるとともに,同日付けで訂正請求がなされ,これに対し請求人より平成19年11月12日付けで弁駁書が提出され,平成20年1月30日に口頭審理が行われ,同日付けで請求人,被請求人より口頭審理陳述要領書が提出され,その後,請求人より平成20年2月18日付けで上申書が提出され,被請求人より平成20年3月12日付けで上申書が提出され,平成20年4月14日付けで無効理由が通知され,これに対し被請求人から平成20年5月16日付けで意見書が提出されるとともに,同日付けで訂正請求書がなされ,これに対し請求人より平成20年7月10日付けで弁駁書が提出されたものである。 第2 平成20年5月16日付の訂正の適否に対する判断 1.訂正事項 平成20年5月16日付の訂正の内容は,本件特許発明の明細書を当該訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであり,その内容は以下のとおりである。(下線部は訂正箇所を示す。) なお,平成19年10月2日付の訂正の請求は,特許法第134条の2第4項の規定により,取り下げられたものとみなす。 ・訂正事項a 特許請求の範囲を下記の通り訂正する。 「【請求項1】エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と、これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え,前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置において、前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と、給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と、給気と排気を、給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって、給気時間(T1)において、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し、空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において、前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ、その後、時間(T3)において、給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い、身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段を備えたことを特徴とする椅子式エアマッサージ装置。 【請求項2】エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と、これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え、前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置において、前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と、給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と、給気と排気を、給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって、給気時間(T1)において、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し、空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において、前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ、その後、時間(T3)において、給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返し、その後空気袋のエアを全量排気させる制御手段を備えたことを特徴とする椅子式エアマッサージ装置。」 ・訂正事項b 明細書の段落番号【0007】を下記の通り訂正する。 「【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と、これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え、前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置において、前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と、給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と、給気と排気を、給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって、給気時間(T1)において、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し、空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において、前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ、その後、時間(T3)において、給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い、身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段を備えたことを特徴とする。請求項2の発明は、エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と、これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え、前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置において、前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と、給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と、給気と排気を、給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって、給気時間(T1)において、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し、空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において、前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ、その後、時間(T3)において、給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返し、その後空気袋のエアを全量排気させる制御手段を備えたことを特徴とする。」 2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 ・訂正事項aについて、 訂正事項aは、特許明細書(甲第1号証)の特許請求の範囲の請求項3、特許明細書の段落【0044】、【0045】及び【図12】の記載に基づき、訂正前の請求項1及び請求項2の「エアマッサージ装置」を「椅子式エアマッサージ装置」に訂正し、特許明細書段落【0041】ないし【0043】、【0079】ないし【0081】及び【図11】、【図16】の記載に基づき、空気袋への給排気の制御動作について、訂正前の請求項1に記載されていた「前記エア給排気装置は、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後、この給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間よりも短時間給気させる制御手段」を「前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と、給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と、給気と排気を、給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって、給気時間(T1)において、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し、空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において、前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ、その後、時間(T3)において、給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い、身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段」に訂正し、訂正前の請求項2に記載されていた「前記エア給排気装置は、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気して膨張させた後、この給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間よりも短時間給気させて膨張させる膨縮動作を数回繰り返し、その後空気袋のエアを全量排気させる制御手段」を「前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と、給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と、給気と排気を、給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって、給気時間(T1)において、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し、空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において、前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ、その後、時間(T3)において、給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返し、その後空気袋のエアを全量排気させる制御手段」に訂正するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当する。 ・訂正事項bについて、 上記訂正事項bは、訂正事項aの訂正に伴い発明の詳細な説明の記載を整合させるものであるから明りょうでない記載の釈明に該当する。 そして,上記訂正事項a及びbは,いずれも特許明細書に記載した事項の範囲内のものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。 3.訂正の適否のむすび 以上のとおりであるから,本件訂正は,特許法第134条の2第1項ただし書各号に掲げる事項を目的とするものであり,また,同条第5項で準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するので,本件訂正を認める。 第3 本件発明 上記訂正が認められるので,本件の請求項1ないし2に係る発明(以下順に,「本件発明1」ないし「本件発明2」という。)は,上記訂正にかかる訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と,これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え,前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置において,前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え,前記制御手段は,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって,給気時間(T1)において,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において,前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ,その後,時間(T3)において,給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段を備えたことを特徴とする椅子式エアマッサージ装置。 【請求項2】エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と,これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え,前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置において,前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え,前記制御手段は,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって,給気時間(T1)において,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気して膨張させた後に給気を停止し,空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において,前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ,その後,時間(T3)において,給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋を膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返し,その後空気袋のエアを全量排気させる制御手段を備えたことを特徴とする椅子式エアマッサージ装置。」 第4 当事者の主張の概要 1.請求人の主張 請求人は,「特許第3150247号の特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」(平成19年7月11日付け審判請求書における請求の趣旨)との審決を求め,証拠方法として以下の甲第1号証?甲第18号証を提出し,無効とすべき理由を次のように主張している。 (1)理由1 本件特許第3150247号(以下,「本件特許」という)の請求項1及び請求項2に係る発明は,本件特許の出願前に日本国内において頒布された甲第2号証に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものである。 したがって,その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とされるべきである。 (2)理由2 本件特許の請求項1に係る発明は,本件特許の出願前に日本国内において頒布された甲第2号証及び周知技術(甲第3号証ないし甲第5号証)に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,また,本件特許の請求項2に係る発明は,本件特許の出願前に日本国内において頒布された甲第2号証及び周知技術(甲第3号証ないし甲第8号証)に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって,その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とされるべきである。 (3)理由3 本件特許の請求項3に係る特許発明は,本件特許の出願前に日本国内において頒布された甲第2号証及び周知技術(甲第9号証ないし甲第11号証)に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって,その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とされるべきである。 また,請求人は,平成20年2月18日付け上申書において,本件特許出願前に複数種類のマッサージ動作を組み合わせて行うことが周知技術(甲第12号証ないし甲第15号証)であることから,甲第2号証に記載された発明と甲第6号証に記載された発明との組み合わせ,及び,甲第2号証に記載された発明と甲第7号証に記載された発明との組み合わせは当業者が容易になし得るものである旨主張している。 また,本件特許の給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)は,周知のロータリバルブ(甲第16号証ないし甲第18号証)から構造上必然的に行われる動作である旨主張している。 なお,証拠のうち甲第1号証ないし甲第11号証は審判請求書に添付され,甲第12号証ないし甲第18号証は,その後提出されたものである。 <証拠方法> 甲第1号証 特許第3150247号公報 甲第2号証 特開平3-212271号公報 甲第3号証 実公平2-15499号公報 甲第4号証 特開平2-77251号公報 甲第5号証 特公平3-48825号公報 甲第6号証 特開平2-241452号公報 甲第7号証 実願昭62-185655号(実開平1-90529号) のマイクロフィルム 甲第8号証 実公平3-10993号公報 甲第9号証 実願平3-90792号(実開平5-39543号)のC D-ROM 甲第10号証 実願平4-28378号(実開平5-7239号)のCD -ROM 甲第11号証 実願平3-101785号(実開平5-70533号)の CD-ROM 甲第12号証 特開平4-132518号公報 甲第13号証 特開昭60-194952号公報 甲第14号証 特開平3-193053号公報 甲第15号証 特開昭61-45758号公報 甲第16号証 特公昭61-16179号公報 甲第17号証 実公昭61-10685号公報 甲第18号証 実公昭64-4350号公報 2.被請求人の主張 被請求人は,「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」(平成19年10月2日付け答弁書における答弁の趣旨)との審決を求め,訂正の請求をするとともに,答弁書において,下記の理由から,本件特許は無効とされるべきものではない旨を主張している。 (1)理由1に対して, 訂正後の請求項1及び請求項2に係る発明と甲第2号証に記載された発明及とは明らかに構成が異なることから,特許法第29条第1項3号に該当しない。 (2)理由2に対して, 訂正後の請求項1に係る発明は,甲第2号証に記載された発明及び周知技術(甲第3号証ないし甲第5号証)に基いて,当業者といえども容易に創作できたものでもなく,また,訂正後の請求項2に係る発明は,甲第2号証に記載された発明及び周知技術(甲第3号証ないし甲第8号証)に基いて,当業者者といえども容易に創作できたものでもないから,許法第29条第2項に該当しない。 また,請求人は,平成20年3月12日付け上申書とともに乙第1号証及び乙第2号証を提出し,通常の知識と経験を有する一般人であれば,たたきや指圧等といった表示ないし名称から,それらの各種動作を想起して区別することができる(乙第1号証)旨主張し,また,指圧動作とは,力を入れて押圧し,一定圧を持続した後に,力を抜いてゆく動作を繰り返すマッサージであり,押圧によって圧が一定圧に達したら,そのまま圧を緩めず,一定時間同じ圧に持続するものである(乙第2号証)から,甲第6号証ないし甲第7号証に記載されたマッサージ動作は,その記載からみて,押圧によって圧が一定に達すると,そのまま圧を緩めず,一定時間同じ圧に持続した後に,力を抜いてゆく動作を繰り返す指圧動作によるマッサージであるから,本件特許の給気と排気を繰り返すたたき動作とは異なる旨主張している。 また,新たに提出された甲第12号証ないし甲第15号証によっても,甲第2号証と甲第6号証等の組み合わせからは,甲第6号証の第6図に示される複数回の繰り返し行われる往復動作(指圧動作)が終了した後に,甲第2号証の第4図に示される動作が開始される構成にしかならず,訂正された請求項1および請求項2に係る発明特定事項とは異なる旨主張している。 また,ロータリーバルブの構造自体が本件特許の出願前に日本国内において周知であったとしても,その構造上,必然的に給気動作から排気動作に移る際,給気および排気が共に一定時間(T2)停止する動作になるという請求人の主張は誤りである旨主張している。 <証拠方法> 乙第1号証 「ファミリーメディカルチェア i.neo 取扱説明書」,第17?18頁 乙第2号証 「図解基本術式 あん摩・マッサージ・指圧による全身調整」,第82?83頁、2006年3月1日発行 第5 平成20年4月14日付け無効理由通知 当審が,平成20年4月14日付けで通知した無効理由(以下,「当審無効理由」という。)の概要は,以下のとおりである。 1.本件特許の請求項1に記載の発明と引用発明1(甲第2号証に記載の発明)との対比・判断 本件特許の請求項1に記載の発明と引用発明1を対比すると, 両者は, 「エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と,これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え,前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージするエアマッサージ装置において,前記エア給排気装置は,空気袋への給排気を制御する制御手段を備え,前記制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段を備えたエアマッサージ装置。」 の点で一致し, 次の点で相違している。 相違点1:前者が椅子式エアマッサージ装置であるのに対して,後者はそのようなエアマッサージ装置ではない点。 相違点2:前者の制御手段は,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって,給気時間(T1)において,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において,前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ,その後,時間(T3)において,給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返すものであるのに対し,後者の制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御を行うものではあるが,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものではない点。 そこで上記相違点について検討する。 まず,相違点1について検討する。 独立した複数の空気袋を備え,これらの空気袋にエアを給排気して空気袋を膨張・収縮させて人体をマッサージするエアマッサージ装置を椅子式とすることは,本願出願前周知の技術(例えば,甲第11号証として提示された実願平3-101785号(実開平5-70533号)のCD-ROM,段落【0007】,【0008】参照)であるから,引用発明1のエアマッサージ装置を椅子式とすることは,前記周知の技術に基いて当業者が容易に想到し得たことである。 次に,相違点2について検討する。 引用発明2(甲第6号証に記載の発明)には,「空気袋22の膨張収縮によって指圧子3を出没駆動するマッサージ機」において,「空気袋22」の膨張収縮を制御する「制御ユニット7」の「制御回路」は,圧力センサーSによって検出される圧力が設定圧となるまで空気袋22に空気を供給する時間t1と,この後にエアポンプPを停止させるとともに排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる時間t2と,この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気を繰り返す時間t3を有するように,エアポンプPと排気弁Vの動作を制御する点が示されている。 また,本件特許の請求項1に記載の発明の発明特定事項である「給気と排気を繰り返す時間(T3)とによるたたき動作」について,特許明細書(甲第1号証)の段落【0043】の「高い位置で身体に圧迫を掛けながら短時間で空気袋18bを最高点にまで到達させることが出来,短時間T3の間に多数回の膨縮を行い,ツボに有効な押圧を行うことが出来る。すなわち,空気袋18bだけが短時間の間に膨縮が繰り返されるので,人体の一部をたたくことになり,たたきマッサージ効果が得られる。」の記載を参酌すれば,本件特許の請求項1に記載の発明の「たたき動作」とは,空気袋により,身体に圧迫を掛けながら膨縮動作を複数回繰り返すことで,ツボに有効な押圧を行うものといえ,引用発明2においても,空気袋22に対して給気と排気を繰り返す時間t3においては,空気袋22の膨張収縮によって指圧子3を出没駆動し,身体を押圧するマッサージ動作を行うものであるから,引用発明2も本件特許の請求項1に記載の発明の「たたき動作」に相当する発明特定事項を備えている。 また,引用発明1と引用発明2はともに,空気袋にエアを給排気することで人体に対するマッサージを行うものであることを考慮すれば,引用発明1の空気袋の膨張・収縮の制御に,引用発明2の制御回路による空気袋22の膨張・収縮の制御を適用し,上記相違点2に係る本件特許の請求項1に記載の発明の発明特定事項とすることは当業者であれば容易に想到し得たことである。 そして,本件特許の請求項1に記載の発明による効果も,引用発明1,引用発明2及び周知の技術から当業者が予測し得た程度のものであって,格別のものとはいえない。 したがって,本件特許の請求項1に記載の発明は,引用発明1,引用発明2及び周知の技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものである。 2.本件特許の請求項2に記載の発明と引用発明1(甲第2号証に記載の発明)との対比・判断 両者は, 「エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と,これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え,前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージするエアマッサージ装置において,前記エア給排気装置は,空気袋への給排気を制御する制御手段を備え,前記制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気して膨張させた後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋を膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段を備えたエアマッサージ装置。」の点で一致し, 次の点で相違している。 相違点3:前者が椅子式エアマッサージ装置であるのに対して,後者はそのようなエアマッサージ装置ではない点。 相違点4:前者の制御手段は,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって,給気時間(T1)において,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気して膨張させた後に給気を停止し,空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において,前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ,その後,時間(T3)において,給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋を膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返し,その後空気袋のエアを全量排気させるものであるのに対し,後者の制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気して膨張させた後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋を膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返すものではあるが,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御した後,空気袋のエアを全量排気させる制御を行うものではない点。 そこで上記相違点について検討する。 まず,相違点3について検討する。 上記相違点1の検討で記載したとおり,独立した複数の空気袋を備え,これらの空気袋にエアを給排気して空気袋を膨張・収縮させて人体をマッサージするエアマッサージ装置を椅子式とすることは,本願出願前周知の技術であるから,引用発明1のエアマッサージ装置を椅子式とし,上記相違点3に係る本件特許の請求項2に記載の発明の発明特定事項とすることは当業者であれば容易に想到し得たことである。 次に,相違点4について検討する。 上記相違点2の検討で記載したとおり,引用発明2には,空気袋22の膨張収縮によって指圧子3を出没駆動するマッサージ機」において,「空気袋22」の膨張収縮を制御する「制御ユニット7」の「制御回路」は,圧力センサーSによって検出される圧力が設定圧となるまで空気袋22に空気を供給する時間t1と,この後にエアポンプPを停止させるとともに排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる時間t2と,この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気を繰り返す時間t3を有するように,エアポンプPと排気弁Vの動作を制御する点が示され,本件特許の請求項1に記載の発明の「たたき動作」に相当する発明特定事項も備えている。 また,引用発明2には,マッサージの終了時に空気袋22内の空気を全部排出するように,エアポンプPと排気弁Vの動作を制御する点も示されている。 そして,引用発明1と引用発明2はともに,空気袋にエアを給排気することで人体に対するマッサージを行う点で共通しているから,引用発明1の空気袋の膨張・収縮の制御に,上記引用発明2の制御回路による空気袋22の膨張・収縮の制御を適用し,上記相違点4に係る本件特許の請求項2に記載の発明の発明特定事項とすることは当業者であれば容易に想到し得たことである。 そして,本件特許の請求項2に記載の発明による効果も,引用発明1,引用発明2及び周知の技術から当業者が予測し得た程度のものであって,格別のものとはいえない。 したがって,本件特許の請求項2に記載の発明は,引用発明1,引用発明2及び周知技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものである。 3.むすび 以上のとおり,本件特許の請求項1に記載の発明及び本件特許の請求項2に記載の発明は,引用発明1,引用発明2及び周知技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件特許の請求項1に記載の発明及び本件特許の請求項2に記載の発明についての特許は,特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり,同法第123条第1項第2号に該当するから,無効とすべきものである。 第6 無効理由通知に対する被請求人の主張の概要 被請求人は,平成20年5月16日付け意見書において,引用発明1は,給排気動作における給気時間と排気時間とを比較して後者が短時間であることが開示されているのであって,当初の給気時間と,その後の全ての給気時間及び排気時間とを比較して後2者が短時間であることを開示するものではない旨主張している。 そして、本件特許の請求項1に記載の発明及び本件特許の請求項2に記載の発明が、複数回繰り返さえる膨縮動作を実行する全ての給気時間は,当初の給気時間に比較して短時間である点,及び,空気袋の膨縮を実行する給気と排気を繰り返す制御は,時間(T1)及び(T2)を経た後の制御である点で異なる旨主張し,無効理由通知において,本件発明1および本件発明2が,引用発明1と「前記制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段を備えたエアマッサージ装置。」で一致するとした点は誤りである旨主張している。 そして,被請求人は,引用発明2が記載されている甲第6号証の第3頁左上欄2?12行の「第5図及び第6図に示すように,マッサージの開始にあたっては,圧力センサーSによって検出される圧力が設定圧となるまで空気袋22に空気を供給して指圧子3を突出させることで身体を押圧した後,エアポンプPを停止させるとともに排気弁Vをしばし閉じたままの状態とし,この後に排気弁Vをしばし開いて指圧子3が身体に軽く接触するだけのところまで後退させ,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,指圧子3を突出させて身体を押圧するのである。」の記載から,引用発明2は,「空気袋22の膨張収縮を制御する制御ユニット7の制御回路は,(i)圧力センサーSによって検出される圧力が設定圧となるまで空気袋22に空気を供給する時間と,(ii)この後にエアポンプPを停止させると共に排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる時間と,(iii)この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気する時間,とからなる一連の給排気動作((i)?(iii))を複数回繰り返すように,エアポンプPと排気弁Vの動作を制御する点が示されている。」と認定すべきであるとし,意見書と同日付の訂正請求によって訂正された本件発明1および本件発明2の,給気と排気を繰り返す時間(T3)とによるたたき動作が,給気と排気の間に空気袋に供給された空気がとどまる時間を介することなく,給気と排気を連続的に繰り返す点を、引用発明2は備えていない旨主張している。 そして,引用発明1の空気袋の膨張・収縮の制御に,上記引用発明2の制御回路による空気袋22の膨張・収縮の制御を適用したとしても,本件発明1及び本件発明2の「前記制御手段は,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御する」の構成に至ることはない旨主張している。 第7 甲各号証に記載された発明 1.甲第2号証(特開平3-212271号公報)には次の事項が記載されている。 a.「布団体に内蔵された複数個の袋体と,該袋体に空気を送出するエアーコンプレッサーと,該エアーコンプレッサーから前記袋体へ送出する空気の量を可変する弁体と,前記エアーコンプレッサーと前記弁体を制御駆動するコントローラーとからなり,前記複数個の袋体のうち1番目の袋体を空気で膨らませ,次に2番目の袋体が膨らみ始める時には前記1番目の袋体の空気が抜け始めるという波状マッサージを行うエアーマッサージ器内蔵の布団体において,前記袋体への空気の流入量を,袋体からの空気の流出量よりも大きくして,前記袋体内の空気圧の増加,減少を交互に繰り返しつつ,前記袋体内の空気圧を漸増させるべく,前記弁体を断続的に開閉する制御回路を前記コントローラーに設けたことを特徴とするエアーマッサージ器内蔵の布団体。」(特許請求の範囲,請求項1) b.「[産業上の利用分野]本発明は,エアーマッサージ器を内蔵した布団体に係り,特に柔らかで身体にフィットする波状マッサージ効果と,断続的なバイブレーター的指圧効果の双方を発揮し得るエアーマッサージ器内蔵の布団体に関する。」(第1頁右下欄7?12行) c.「また,前述した従来の波状マッサージ器内蔵の布団体にあっては,身体に心地よくフィットして使用者の腰部から肩首部に亘って全般的に柔らかくマッサージするのには好適であるものの,肩こり,腰痛,筋肉痛等に効果的な所謂「ツボ」の如く身体の各部位に対する局所的なバイブレーター的指圧効果を発揮させることはできなかった。・・・(中略)・・・本発明は,前述した不都合を解消するために案出されたものであり,空気袋体による柔らかで身体にフィットするマッサージを波状に作用させつつ,併せて身体の同一個所に断続的なバイブレーター的指圧作用を相乗的に発揮させることにより,肩こり,腰痛,筋肉痛等の身体の各部位に対して局所的な指圧効果をも発揮し,更に一段と優れた新陳代謝効果,疲労回復効果を発揮することのできるエアーマッサージ器内蔵の布団体を提供することを目的とする。」(第2頁左下欄9行?右下欄13行) d.「第1図乃至第3図は,本発明の一実施例を示すもので,第1図はブロック図,第2図は一部開口斜視図,第3図は要部断面図である。図中1は,エアーマッサージ器内蔵の布団体,2は圧縮空気を生成するエアーコンプレッサー,3はエアーコンプレッサー2から送出された空気を貯留するチャンバー,4はチャンバー3と連通し,空気の流入,排出により自在に膨張,収縮する伸縮性に富むゴムもしくはウレタン等から成る袋体,5はチャンバー3内の空気を外部に排出する電磁バルブ等から成る弁体,6は弁体5を開閉させるソレノイド,7はソレノイド6を駆動するソレノイド駆動手段7aと,ソレノイド駆動手段7aの駆動時間間隔を自在に設定することができる。例えば発振回路から成る時間間隔設定手段7bとから成る制御回路である。 そして,前記時間間隔設定手段7bにおいて2?30Hzの方形波を発振させ,ソレノイド駆動手段7aによりソレノイド6を駆動し,弁体5を0.03?0.5秒周期で開閉することにより,チャンバー3内の空気を0.03?0.5秒周期で外部に排出する。前記チャンバー3内の空気が排出されると,チャンバー3に連通する袋体4内の空気圧も同時に減少する。また,弁体5を閉じると,エアーコンプレッサー2からチャンバー3を介して袋体4に空気が送出され,袋体4内の空気圧が上昇する。然して,第4図の袋体内の空気圧変化特性図に示す如く,袋体4への空気の流入量を袋体4からの空気の流出量よりも大きくして,袋体4内の空気圧の増加,減少を交互に繰返しつつ袋体4内の空気圧が漸増するように,エアーコンプレッサー2の空気圧縮率及び弁体5の開閉動作等を設定することにより,第4図のグラフにおける鋸状の各山部分において断続的なバイブレーター的指圧効果を発揮するものである。また,この指圧効果は,袋体4の内容積に応じた最大の空気圧となった状態においても発揮し得る。」(第3頁左上欄15行?左下欄11行) e.「布団体8は,・・・(中略)・・・上層9と,・・・(中略)・・・中層10と,・・・(中略)・・・下層11の三層から構成されている。・・・(中略)・・・この三層構造布団における中層10の凹部10a”上面と上層9下面間の各空間には,8個の袋体4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4hが各袋体の両側縁部を中層l0の上面凸部10a’に止着されて設けられている。そして,この袋体4a?4hは,エアーコンプレッサー2から空気を送出されていない状態では偏平であり,且つ前記中層10の凹部10a”上面と上層9下面間の空間内に収納されるものであり,三層構造の布団体8に備わる形状・弾力性等の特性を損なうことがないものである。 前記した8個の袋体4a?4hは,布団体における使用者の膜部分から肩首部分にかけて配されており,そしてコントローラー12に内蔵されたエアーコンプレッサー2から,同じくコントローラー12に内蔵されたチャンバー3を介して使用者の足方向の袋体4aに対して空気が送出されて,袋体4aが膨らむ。この袋体4aに対する空気の送出方法は,前述した如く空気圧の増加,減少を交互に繰返しながら漸増させる方法であるが,コントローラー12に切換スイッチ(図示せず)を設けて,従来の波状マッサージ器のように空気圧が一定に増加し続ける方法を選択できるようにしてもよい。次に,コントローラー12に内蔵された自動調節装置(図示せず)により,隣の袋体4bを膨らませるが,この時に前記袋体4a内の空気を排気して,袋体4aを収縮させ,袋体4bが一杯に膨張した時には,袋体4aは完全に排気される。そして,同様に袋体4cが膨張する時には,袋体4bが収縮し始めるという動作を首部分の袋体4hに至るまで繰り返すものであり,この袋体4hが収縮し始めるときには再び前記袋体4aが膨張するという動作を繰り返す。然して,使用者は布団体8の上に仰臥してコントローラー12を操作し,エアーコンプレッサー2と弁体5とを制御駆動することで,断続的なバイブレータ的指圧効果を受けながら波状のマッサージ効果を相乗的に享受し得るものである。 尚,コントローラー12にボリューム(図示せず)を設けて,前記断続的なバイブレーター的指圧動作の時間間隔を可変できるようにしたり,タイマーを設けたり,一つの袋体4のみを固定してバイブレーター的指圧作用を発揮させるようにしてもよい。」(第3頁左下欄15行?第4頁右上欄11行) f.「[発明の効果]以上詳述の如く,本発明のエアーマッサージ器内蔵の布団体によれば,空気袋体による柔らかで身体にフィットする波状マッサージ効果と,身体の特定個所に対する断続的なバイブレーター的指圧効果の双方を発揮することができることから,使用者は二つの有用な相乗的効果を享受することができ,特に肩こり,腰痛,筋肉痛等を有する人にあっては,前述したソフトなマッサージとあいまって,局所的なバイブレーター的指圧効果をも享受でき,さらに一段と効果的な疾病治療効果が発揮される。」(第4頁右上欄17行?左下欄第8行) g.上記記載事項「d.」の「第4図の袋体内の空気圧変化特性図に示す如く,袋体4への空気の流入量を袋体4からの空気の流出量よりも大きくして,袋体4内の空気圧の増加,減少を交互に繰返しつつ袋体4内の空気圧が漸増するように,エアーコンプレッサー2の空気圧縮率及び弁体5の開閉動作等を設定する」の記載,上記記載事項「e.」の「8個の袋体4a?4hは,布団体における使用者の膜部分から肩首部分にかけて配されており,そしてコントローラー12に内蔵されたエアーコンプレッサー2から,同じくコントローラー12に内蔵されたチャンバー3を介して使用者の足方向の袋体4aに対して空気が送出されて,袋体4aが膨らむ。この袋体4aに対する空気の送出方法は,前述した如く空気圧の増加,減少を交互に繰返しながら漸増させる方法である」の記載,及び,「使用者は布団体8の上に仰臥してコントローラー12を操作し,エアーコンプレッサー2と弁体5とを制御駆動することで,断続的なバイブレータ的指圧効果を受け」の記載から,「布団体8」に内蔵された複数個の「袋体4(4a?4h)」は,人体当接面に沿って設けられた独立した複数の袋体であり,複数の袋体のうちの一部の袋体に所定量の空気を流入させ,その後,流入した空気よりも少量の空気をその流入させた時間よりも短時間流出させ,袋体4内への空気の流入,流出を交互に繰返して袋体の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記袋体の膨縮動作を複数回繰り返すことにより,人体に対して断続的なバイブレータ的指圧効果を及ぼすものであることが理解される。 上記記載事項を総合すると,甲第2号証には,次の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 「エアーマッサージ器内蔵の布団体1の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の袋体4(4a?4h)と,これら袋体4に空気を送出するエアーコンプレッサー2と,該エアーコンプレッサー2から送出された空気を貯留するチャンバー3と,前記袋体4はチャンバー3と連通し,チャンバー3内の空気を外部に排出する弁体5と,弁体5を開閉させるソレノイド6とを備え,前記袋体4への空気の流入,排出により,袋体4が膨張,収縮して身体の同一個所に断続的なバイブレーター的指圧作用を発揮させるエアーマッサージ器内蔵の布団体1において,前記ソレノイド6を駆動する制御回路7を備え,前記制御回路7が,複数の袋体のうちの一部の袋体に所定量の空気を流入させ,その後,流入した空気よりも少量の空気をその流入させた時間よりも短時間流出させ,袋体4内への空気の流入,流出を交互に繰返して袋体の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返すように,前記弁体5を断続的に開閉するようにソレノイド6を駆動するエアーマッサージ器内蔵の布団体1。」 2.甲第3号証(実公平2-15499号公報)には次の事項が記載されている。 a.「例えば,第8図に示す従来例は,バイブレーターを内蔵するとともに,身体と接触する部分を加温する機構を兼備しているマツサージ器80である。 即ち,基台81に載置されたトランス82の上部に,バイブレーシヨンボード83及びバイブレーシヨンボード83にはバイブレーヨンレシーバ83bが配設され,このバイブレーシヨンボード83に一対のコイルスプリング84が固定されている。 加えて,該コイルスプリング84の上部には,ヒーター85が取付けられ,このヒーター85の上に適宜の間隔をおいてゆび玉86が左右に2個並設されている。 なお,前記トランス82には,電源コード87が直結され,更に当該コード87とコンセント(図示省略)との間には後述の各機能を選択可能とし,かつその選択によつて前記各部材を動作させるコントローラ88が配設されている。 しかして,前記マツサージ器80は,コントローラー88によつてバイブレーター部分とヒーター部分とを同時,又は個別に作動して,温灸,バイブレーター,及び指圧の各機能を行うものである。 即ち,金属などの材質により形成されたゆび玉86を患部やツボに当て,コリや神経痛の痛みを緩和する。 更に,トランス82によつて発生された振動がバイブレーシヨンボード83に伝わり,そのバイブレーシヨンボードに固定されているコイルスプリング84と,その上方に配設されているゆび玉86を連続振動させ,ゆび玉86が当接している身体部分を揉みほぐす。 また,コントローラー88によりバイブレーター83を断続的に稼働させ,そのたたき効果によつてコリをたたきほぐす動作を行うことができるものである。」(第1欄23行?第3欄3行) 3.甲第4号証(特開平2-77251号公報)には次の事項が記載されている。 a.「一方,前記制御ユニット7には,上記エアベローズ22にエアチューブ9を介して圧縮空気を供給するエアポンプPや,操作スイッチ,制御回路等が配設されている。そして,エアポンプPからエアベローズ22に至る空気経路には,第5図に示すように,電気的制御で開閉される排気弁Vと,圧力センサーSとが接続されている。エアポンプPや排気弁V,そして上記振動駆動装置4は,圧力センサーSを通じて空気圧が入力される制御回路によってその動作が制御される。 排気弁Vを閉じた状態でエアポンプPを作動させたならば,エアベローズ22がシリンダー部21によるガイドを受けた状態で膨張を行って,施療子3を可動ブロック2の上面より上方へ大きく突出させる。この状態で振動駆動装置4を作動させたならば,施療子4は振動を行う。そしてエアポンプPを停止させるとともに,排気弁Vを開けば,エアベローズ22内の空気が排出されるために,エアベローズ22が収縮し,施療子3を引き込ませる。 今,圧力センサーSによって検出される圧力が設定圧となるまでエアベローズ22に空気を供給した後,エアポンプPを停止させるとともに排気弁Vをしばし閉じたままの状態とし,この後に排気弁Vを開くという動作を周期的に行わせるとともに,エアベローズ22に空気を供給している加圧中と,エアポンプPは停止させるものの排気弁Vは閉じておく保圧中の期間だけ,振動駆動装置4を作動させたならば,エアベローズ22の膨張に伴って突出する施療子3による指圧力は,第1図及び第6図(a)に示すように変化する。振動駆動装置4を作動させる期間は,これに限るものではなく,第6図(b)(c)(d)に示すように,各種のパターンを得ることができる。」(第2頁左下欄10行?第3頁左上欄3行) b.「しかし,モータ60を正転で高速回転させる時には,ワンウェークラッチ62はシャフト63に回転を伝達せず,従って施療子3が揉捏動作を行うことがないものの,この時には遠心振り子56に働く遠心力がねじりコイルばね67による付勢に打ち勝って遠心振り子56が外周側へと移動するために,両遠心振り子55,56のバランスがくずれるものであり,このために生ずる振動が施療子3に伝達される。 エアベローズ22を膨張収縮させることで指圧動作を行う施療子3に対して,揉捏動作もしくは振動動作を選択的に加えることができるものである。尚,遠心力で外周側に移動した遠心振り子56は,モータ60の停止もしくは回転数の低下に伴い,ねじりコイルばね67の付勢で遠心振り子55とバランスする位置に復帰する。またモータ60を正転で超高速回転させたならば,疑似的なたたきマッサージ動作を得ることができる。」(第3頁右下欄6行?第4頁左上欄3行) 4.甲第5号証(特公平3-48825号公報)には次の事項が記載されている。 「本発明が用いられる打ち叩き具は,右手あるいは左手の一方の手で第2図図示右下の把手1を持ち,第2図図示左方向にある円筒状のスペースガイド2を人の顔の皮膚などに軽く押しあてて用いる。そして把手1の上方右側第2図図示スイツチ3を押下することにより,電源がONとなり,前記円筒状のスペースガイド2の内部に格納されている円筒状の打ち叩き体4が矢印の如く左右に振動して皮膚を打ち叩くとともに,スペースガイド2にもうけられている斜め方向に切りそいだ切り欠き部2-1によつて温風が矢印の如くスーペスガイド2の左端を包むように吹き出し,皮膚を暖める。 このように美容器具である打ち叩き具は,温風により皮膚を効率よく暖めながら皮膚を打ち叩くことが必要であり,適度の打ち叩き力を有し,軽量かつ効率のよいものが望まれる。」(第3欄30行?第4欄2行) 5.甲第6号証(特開平2-241452号公報)には次の事項が記載されている。 a.「【産業上の利用分野】本発明はマッサージ機,殊に空気袋の膨張収縮によって指圧子を出没駆動するマッサージ機に関する。」(第1頁左下欄12?15行) b.「本発明はこのような点に鑑み為されたものであり,その目的とするところは指圧子の出没ストロークが大きくて十分な指圧効果を得られる上に,マツサージ機全体の高さを低く抑えることができるマツサージ機を提供するにある。」(第2頁左上欄2?6行) c.「このマッサージ機は第1図に示すように,機構ユニット1と,制御ユニット7とから構成され,両者は制御コードを一体に備えているエアチューブ9によって接続されている。 機構ユニット1は,第2図にも示すように,ベースプレート10と,ベースプレート10上に配した背受け用の複数個のクッション11と,指圧子3を各々備えた一対の可動ブロック2,2とから構成されている。・・・(中略)・・・さて,各可動ブロック2は,第3図に示すように,円筒状のケース21と,このケース21内に配されたベローズ状の空気袋22と,空気袋22の上面開口を閉じている取付板23上に下端部が固着された指圧子3とからなるもので,上端が半球状となっている指圧子3は,その上端部をケース21の上面開口部から覗かせている。 そして,ここにおけるケース21は,3重のシリンダー24,24,24によってテレスコピックに形成されているもので,上記取付板23が最も内側のシリンダー24と一体となっていることから,空気袋22が膨張する時,これに伴って,第7図に示すように,内側に位置するシリンダー24が外側に位置するシリンダー24にガイドされた状態でスライドし,ケース21が伸びるものである。・・・(中略)・・・一方,前記制御ユニット7には,上記空気袋22にエアチューブ9を介して圧縮空気を供給するエアポンプPや,操作スイッチ,制御回路等が配設されている。そして,エアポンプPから空気袋22に至る空気経路には,第5図(「第4図」の誤記。)に示すように,電気的制御で開閉される排気弁Vと,圧力センサーSとが接続されている。エアポンプPや排気弁V,そして上記振動駆動装置4は,圧力センサーSを通じて空気圧が入力される制御回路によってその動作が制御される。 排気弁Vを閉じた状態でエアポンプPを作動させたならば,空気袋22がケース21によるガイドを受けた状態で膨張を行って,指圧子3を上方に移動させるものであり,この時,前述のように,また第7図に示すように,ケース21も伸びることから,指圧子3の移動ストロークはきわめて大きいものとなる。そしてエアポンプPを停止させるとともに,排気弁Vを開けば,空気袋22内の空気が排出されるために,空気袋22が収縮するとともにケース21が縮み,指圧子3を引き込ませる。 エアポンプP及び排気弁Vの制御は,実際には次のようになされる。すなわち,第5図及び第6図に示すように,マッサージの開始にあたっては,圧力センサーSによって検出される圧力が設定圧となるまで空気袋22に空気を供給して指圧子3を突出させることで身体を押圧した後,エアポンプPを停止させるとともに排気弁Vをしばし閉じたままの状態とし,この後に排気弁Vをしばし開いて指圧子3が身体に軽く接触するだけのところまで後退させ,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,指圧子3を突出させて身体を押圧するのである。マッサージの終了時は,空気袋22内の空気を全部排出して,第3図に示す状態,つまり指圧子22が身体に当たらないところまで戻す。」(第2頁右上欄1行?第3頁左上欄15行) d.上記記載事項「c.」及び第6図から,マッサージの開始時に空気袋22に,圧力センサーSによって検出される圧力が設定圧となるまで空気袋22に空気を供給する時間と,この後にエアポンプPを停止させるとともに排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる時間と,この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間を有するように,制御ユニット7の制御回路がエアポンプPと排気弁Vの動作を制御し,また,マッサージの終了時は,空気袋22内の空気を全部排出するように,制御ユニット7の制御回路がエアポンプPと排気弁Vの動作を制御していることが理解できる。 上記記載事項を総合すると,甲第6号証には,次の発明(以下,「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。 「空気袋22の膨張収縮によって指圧子3を出没駆動するマッサージ機において、機構ユニット1と、制御ユニット7は、制御コードを一体に備えているエアチューブ9によって接続され、前記機構ユニット1は、ベースプレート10と、該ベースプレート10上に指圧子3を各々備えた一対の可動ブロック2を備え、 前記各可動ブロック2は、円筒状のケース21と、このケース21内に配されたベローズ状の空気袋22と、該空気袋22の上方に指圧子3を設け、前記制御ユニット7には、該空気袋22にエアチューブ9を介して圧縮空気を供給するエアポンプPと、操作スイッチと、制御回路が配設され、エアポンプPから空気袋22に至る空気経路には、制御回路によってその動作が制御される排気弁Vと、圧力センサーSとが接続され、マッサージの開始時に空気袋22に、圧力センサーSによって検出される圧力が設定圧となるまで空気袋22に空気を供給する時間と、この後にエアポンプPを停止させるとともに排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる時間と、この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し、次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより、空気袋22に空気を供給し、空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間を有するように、制御ユニット7の制御回路がエアポンプPと排気弁Vの動作を制御し、また、マッサージの終了時は、空気袋22内の空気を全部排出するように、制御ユニット7の制御回路がエアポンプPと排気弁Vの動作を制御するマッサージ機。」 6.甲第7号証(実願昭62-185655号(実開平1-90529号)のマイクロフィルム)には次の事項が記載されている。 a.「この考案は,身体の所望部位に巻着されるエアーベルトへ周期的に空気を送給することによりマッサージする加圧マッサージ装置に関する。」(第1頁14行?16行) b.「加圧マッサージ装置1は,第1図乃至第2図に示すように,磁性体2を保持する複数の小突起3を一方面に形成した突起板4をエアーベルト5の片面に重着し,該エアーベルト5の片面側の一端部分と他面側の巻着時対応部分にマジックテープなどの重着部材6を設けて身体の所望部位に巻きつけ着脱可能にして設け,更に前記エアーベルト5にエアーホース7を介して連通し該エアーベルト5内に所定時間持続する所定圧力を周期的に発生させるためのポンプ8を備えた空気送給調節機9を設けたものである。」(第4頁19行?第5頁9行) c.「空気送給調節機9の構成は,第5図において示されるように,作動時間設定タイマー10によって設定される時間だけ作動するポンプ8と,該ポンプ8の吐出口より通常1本又は2本のエアーホース7に送給される空気の圧力を制御する圧力設定スイッチ11a,11bと,この設定圧力を一定時間だけ持続させる圧力持続時間設定タイマー12a,12bと,エアーホース7内又はエアーベルト5内の圧力を検出する圧力センサー13a,13bと,送気,排気を3方向に切り換えできる自動開閉弁14a,14bとからなる。一方のエアーベルト5a内の圧力Paは,第6図において示すように,ポンプ8の作動時間をT,一方のエアーベルト5a内の設定圧力P_(1),圧力持続時間をt_(1)に設定すると,最初自動開閉弁14aを介してポンプPとエアーホース7が連通されるので,エアーベルト5a内の圧力PaがP_(1)まで上昇したとき,圧力センサー13aがこれを感知すると同時に圧力持続時間設定タイマー12aが計時を開始して時間t_(1)だけ自動開閉弁14aを閉じ圧力をP_(1)に保持する。そして時間t_(1)が経過した後,エアーホース7を大気に連通するように自動開閉弁14aを作動させて,エアーベルト5a内の圧力を降圧させる。この降圧は,伸縮性の袋状部材5dの縮む力で行われる。圧力センサー13aが所定の圧力降下を感知すると,自動開閉弁14aによってポンプPとエアーホース7を連通するので,圧力Paは再びP_(1)まで上昇し,以下これを作動時間Tだけ周期的に繰り返す。更に,他方のエアーベルト5bにおいても,設定圧力をP_(2),圧力持続時間をt_(2)に設定すると,同様な順序でエアーベルト5b内の圧力Pbの昇圧,降圧が行われ,使用者は2つのエアーベルト5a,5bから身体の所望部位に前記小突起3を介した指圧及びマッサージ作用を受ける。」(第7頁3行?第8頁17行) d.「設定した作動時間Tが経過すると,作動時間設定タイマー10と連絡する加圧マッサージ装置1の電源スイッチ18は切れ,自動開閉弁14a,14bはエアーホース7を大気に連通した状態で停止し,エアーベールト5は降圧して加圧マッサージは終了する。」(第10頁9?14行) e.上記記載事項「c.」、「d.」及び第6図から,マッサージの開始時に,エアーベルト5a内の圧力が設定圧となるまでエアーベルト5aに空気を供給する時間と,エアーベルト5a内の圧力を所定時間設定圧力に保持するために自動開閉弁を閉じた状態を維持してエアーベルト5aに供給された空気がとどまる時間t_(1)と,この後にエアーベルト5a内の圧力が所定の圧力となるまでエアーベルト5aの空気を排気し,再び,エアーベルト5a内の圧力が設定圧となるまでエアーベルト5aに空気を供給し,エアーベルト5aに対して給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間を有するように,空気送給調節機9の作動時間設定タイマー10によって設定される時間だけ作動するポンプ8と,圧力設定スイッチ11aと,圧力持続時間設定タイマー12a,圧力センサー13a,自動開閉弁14aが制御され,また,マッサージの終了時は,エアーベルト5a内の空気を全部排出するように,自動開閉弁14aの動作を制御していることが理解できる。 7.甲第8号証(実公平3-10993号公報)には次の事項が記載されている。 「第1図において,1は空気圧などの流体圧を発生させる加圧部であつて,ポンプ部1aと弁装置1bから成つており,チユーブ4を介して袋状弾性マツト30に接続されている。弁装置1bは,ポンプ部1aから送られてきた流体のマツト30への排出を制御して,マツト30に加えられる流体圧を一定の周期にて変化させ,該マツト30をゆつくりと膨脹収縮させるものであり,この周期はたとえば1秒?数秒に一回など比較的長周期に設定されている。 5はマツト30に短周期にて振動する流体圧を加える第2の加圧部であつて,排気孔を有せず,弾性マツト30に脈流を付与させるための手段,例えば電磁的に駆動される脈流発生装置などから成り,チユーブ6を通して上記チユーブ4に接続されている。この短周期は例えば3000回/分程度であり,人体にここち良いさすり効果を与える。71,72はチユーブ4,6を開閉するためのバルブから成る開閉部である。 第2図はマツト30に加えられる流体圧Pの時間的変化を示すものであつて,aは加圧部1により加えられる長周期にて膨脹,収縮を繰り返す流体圧曲線,bは加圧部5により加えられる短周期にて振動する流体圧曲線であり,マツト30は2つの曲線a,bの合成曲線cにて示すように,短周期にて小刻みに高速振動しながら,長周期にてゆつくりと膨脹収縮する。」(第2欄23行?第3欄24行) 8.甲第9号証(実願平3-90792号(実開平5-39543号)のCD-ROM)には次の事項が記載されている。 「上記構成のマッサ-ジ装置Mは図9に示す椅子71あるいは図10に示すベット72に組み込まれる。図9に示す椅子71は矩形板状の一対の肘掛け体73(一方のみ図示)を有する。これら肘掛け体73間には,座部体74が連結部材75によって上下方向に揺動自在に取付けられている。この座部体74の後端には背部体76の下端が回動自在に連結されている。この背部体76は上記座部体74の下面に設けられたガススプリング77によって任意の回動角度で保持できるようになっている。上記座部体74の下面にはリンク機構78が設けられ,このリンク機構78の先端には足載せ体79が連結されている。この足載せ体79は,上記背部体76を後方へ倒すことで,上記座部体74を上端側が上昇する方向へ回動させたときに,上記リンク機構78が折り畳み状態から伸長することで,座部体74の前方上方へほぼ水平に突出するようになっている。 上記背部体76には,図示しない駆動源によって回転駆動される駆動ねじ軸81が上下方向に沿って回転自在に支持されている。この駆動ねじ軸81には作動体82が取付けられ,この作動体82は上記駆動ねじ軸81が回転することでこのねじ軸81に沿って移動するようになっている。なお,背部体76にはガイドロッド83が上記駆動ねじ軸81と平行に架設されている。このガイドロッド83には上記作動体82の側面に設けられたガイドロ-ラ84が係合している。それによって,作動体82はねじ軸81とともに回転することなく移動するようになっている。そして,上記作動体82に上記マッサ-ジ装置Mが取付けられている。 このような構成によれば,利用者が座部体74に座って背部体76に寄り掛かることで,背中のほぼ全体に上記マッサ-ジ装置Mのマッサ-ジロ-ラ17により,マッサ-ジを受けることができる。」(段落【0030】ないし【0032】) 9.甲第10号証(実願平4-28378号(実開平5-7239号)のCD-ROM)には次の事項が記載されている。 「以下に,本考案を図面に基づいて説明する。 まず,図1から説明すると,本考案を組み込んだマッサージ装置が矢印10の方向に示されている。この新規なマッサージ装置は,例えば座席のシートとか椅子のような様々な形態になる上張りした家具に使用され得るし,あるいは又,使用者がその上でうつぶせの姿勢になるようなクッションやマットレスあるいはパッドにも使用されてよい。 例としてのマッサージ装置10は,実線で示されるように平らに置かれたり,あるいは椅子やソファ等に合うように,破線で示されたように折り曲げられるという細長いパッド11を含んでいる。折り曲げられた場合に,上方部分12はシートの背もたれを構成し,符号13で示された中央部または中間部パッドはシート部分を構成し,下方に折り曲げられた時の下方部分は下部脚部分14を構成する。」(段落【0002】ないし【0003】) 10.甲第11号証(実願平3-101785号(実開平5-70533号)のCD-ROM)には次の事項が記載されている。 「図7,図8,図9に示すのは,この考案のエアマッサージ器(X')であり,台布(B) 上に配置,取り付けする例で,空気袋(a_(1))?(a_(n))の下面の,中心よりずらした位置に,面接着用の一方の接合具[通常マジックテープといわれるもの](c)を取り付け,台布(B) は他方の面接着用の接合具の布地自体,あるいはその全長にわたり,長片状の面接着用の同じく他方の接合具(c'),(c') を取り付けて,空気袋(a_(1))に取り付けた接合具(c) を係止させる。つぎに図10に示すようにその空気袋(a_(1))の接合具(c) の無い方の端部が,つぎの空気袋(a_(2))に重なるようにして取り付ける。すなわち空気袋(a_(1))が,空気袋(a_(2))の取り付け位置の上方に位置するように重ねて取り付ける。以下順次,空気袋(a_(2))?(a_(n))についても同様に取り付ける。なお各空気袋(a_(1))?(a_(n))において図示していないが,エアー(空気)出入り管がそれぞれに取り付けられている。そして図11(1)?(3)((1),(3)は丸数字の1,3)に示すように各空気袋(a_(1)),(a_(2))?(a_(n))に順次空気を吹き込み,そして排出することによって,空気袋(a_(1))?(a_(n))は順次,膨れ,それらの膨張した個処が連続的に空気圧を身体に伝えることとなる。 図12は椅子(D) において,カバー(E) を掛け,それに空気袋(a_(1))?(a_(n))を取り付けた例である。図13,図14は各空気袋(a_(1))?(a_(n))の取り付け位置を適宜変更した例である。各空気袋(a_(1))?(a_(n))の取り付け位置の重なりを多くすることによって,膨張部分の重なりが多くなり,きめ細かな連続圧を付与し,それによって滑らかな揉み具合を得ることができる。これらはその重なり具合を調節することにより,任意の状態の連続圧迫を得ることができることとなる。また空気袋(a_(1))?(a_(n))を面接合用の布自体で構成し,その上に直接,空気袋(a_(1))?(a_(n))を取り付けようにしてもよい。この例においても重なり具合は任意に調節できる。図15(1)?(4)((1),(4)は丸数字の1,4)は,空気袋(a_(1))?(a_(n))に取り付け片(f) をミシン線(g) などを介して設けて,そこに接合具(c) を取り付けた例による,各空気袋(a_(1))?(a_(n))の膨張状態を示す。ベッド,マット,椅子などにこの考案のエアーマッサージ器(X')を取り付けるに当たっては,それらに相互に接合具を取り付けて着脱自在とする,また前記面接合用の接合具(c')を取り付けたシーツ状の布地,またはその布地自体を,他方の面接合用の布地で形成したものなどを敷いて,その上に各空気袋(a_(1))?(a_(n))を着脱自在に取り付けてもよい。また台布,ベッドなどや各空気袋などの布地の生地を,それぞれ面接合用の布地自体で形成することによってそれらを接合してもよい。またここにのべた接合具は面接合用のものでに限らず,ホック,ボタン,フックなどとそれらの係合手段などでもよい。」(段落【0007】ないし【0008】) 11.甲第12号証(特開平4-132518号公報)には次の事項が記載されている。 「また,ここにおける制御回路83は,上記の圧力制御だけでなく,各気室の空気圧の設定を組み合わせることによる各種動作の制御も行うものとなっている。たとえば-日の疲れをとるためのものとして,順次膨張させる気室の動きが後退進行波となるようにすることによるマッサージや,この時の気室の空気圧を少し低めにしたさすりマッサージ,これらを組み合わせたコースマッサージを行えるようになっており,また快適入眠のためのものとして,上記のマッサージの時の圧力と速度とを順次おとす動作並びに冬季のための初期暖房を行えるようになっており,更に熟睡を得られるようにするためのものとして,前記体圧分散のほか,温度調整やエアを噴出させることによる除湿を行えるようになっており,快適起床のためのものとして,朝の冷え込み対策としての起床暖房や,血行を良くするためのマッサージを行えるようになっている。」(第4頁右下欄16行?第5頁左上欄13行) 12.甲第13号証(特開昭60-194952号公報)には次の事項が記載されている。 a.「第2図はマイクロコンピユーター(4)に使用するROMに書込む番地と動作内容を表に示したもので動作設定ROM番地は例えば01から22まであり動作内容の項目別に説明すると01の作動開始準備(20)はマツサージ機のスイツチオンクリヤー信号(14)とは別に選択スイツチ(1)のいずれかのスイツチONによりすべての動作に先立ち動作するものであり,全自動選択(21)は選択スイツチのコース選択の時動作する。」(第2頁左下欄9行?17行) b.「第3図および第4図は肩もみコース,腰もみコース,全身ローリング,全身もみコースの動作手順をコンピユーター(4)のROM(15)に書込を行つた状態を示し,各コースのROM(15)番地と第2図で示した動作設定ROM番地を組合せたものである。」(第3頁左上欄3行?7行) c.「また本発明は第3図第4図に示した通りROM(15)に書込まれた信号をRAM(16)に送り順次動作を命令処理するものでROM(15)を取換えないかぎり,誰でも簡単に操作ができるものである。」(第3頁左下欄14?17行) d.上記記載事項「a.」ないし「c.」及び第2図から,甲第13号証に記載されたマツサージ機は,複数種類のマツサージ動作を組み合わせて,肩もみコース,腰もみコース,全身ローリング,全身もみコース等のコースマツサージを行うものであることが理解される。 13.甲第14号証(特開平3-193053号公報)には,次の事項が記載されている。 a.「施療子の動作モードや動作位置,動作回数もしくは動作時間といった施療動作に関するパラメーターを多数のステップ毎に記憶保持して,各ステップのパラメーターに基づく動作をステップ順に実行するプログラム式のマッサージ機において,施療子は電動リクライング式の椅子の背もたれに設けられているとともに,この椅子の背もたれのリクライニング角度が上記パラメーターの一つとされていることを特徴とするマッサージ機。」(特許請求の範囲) b.「そして,制御記憶回路Cは,操作器6のスイッチSW_(5)?SW_(7)に対応する上半身コースと首・肩コースと腰コースの各コースマッサージのための3種のテーブルT_(1),T_(2),T_(3)を備えているとともに,これらテーブル中の各ステップに付されたアドレスを指し示すテーブルポインタPとを備えている。 ここにおけるテーブルT_(1),T_(2),T_(3)は,施療子4にどの種類のマッサージ動作を行わせるかの動作モード(動作方法),その動作位置(動作範囲),動作回数もしくは動作時間といった施療動作に関するパラメーターと,背もたれ10のリクラニン角度のパラメーターとを多数のステップ毎に記憶保持しているもので,たとえば上半身コースのためのテーブルT_(1)には,表1のようなパラメーターが格納されている。」(第5頁右上欄3行?18行) c.上記記載事項「a.」ないし「b.」及び表1から,甲第14号証に記載されたマッサージ機は,「ローリング」,「たたきローリング」,「もみ上げ」,「もみ下げ」及び「たたき」の複数種類のマッサージ動作を組み合わせたコースマッサージを行うものであることが理解される。 14.甲第15号証(特開昭61-45758号公報)には,次の事項が記載されている。 a.「第7図は作動制御用の指令信号を発するリモコン装置(49)を示し,該リモコン装置(49)は,運転または停止を指令するメインスイッチ(50)と,指部(10),(10)の上下移動およびその間隔の広挟を指令する4個の位置移動スイッチ(51a)?(51d)と,指圧,2段指圧,叩き・振動,指圧振動の4つの手技パターンを選択指令する手技パターンスイッチ(52a)?(52d)と,指部(10),(10)の所定間隔(例えば3cm)毎の上昇移動および下降移動を指令する自動移動スイッチ(53)と,該自動移動スイッチ(53)の機能に加えて,予め定めた2種以上の手技パターンの連続動作を指令するメニュースイッチ(54)と,椅子(1)の背当部(1b)の傾倒,起立を指令する2個のリクライニングスイッチ(55a),(55b)と,指部(10),(10)が体の望む部位に位置付けられたとき受療者により押し操作されるつぼ検出スイッチ〈56)と,指圧等の強さ,速さ,保持時間を適宜に補正指令する操作つまみ(57a)?(57c)とを備えており,上記各指令信号は第8図のコントローラ(60)に入力されている。」(第4頁左上欄3行?右上欄4行) b.「さらに,ステップS_(11)でメニュー指令信号を受信しているYESの場合には,ステップS_(16)でメニュール-チンに進んで上記ステップS_(16)での制御に加えて,指部(10),(10)の上下移動の3往復のあいだに順次「軽い叩き」,「指圧」,「軽い振動」をそれぞれ行うよう,指部上下動用モータ(7)及び電磁比例減圧弁(35)を作動制御する。」(第5頁左上欄14行?右上欄1行) c.上記記載事項「a.」ないし「b.」から,甲第15号証に記載されたマッサージ機は,「軽い叩き」,「指圧」,及び「軽い振動」の複数種類のマッサージ動作を組み合わせたマッサージを行うものであることが理解される。 15.甲第16号証(特公昭61-16179号公報)には次の事項が記載されている。 「順次供給される圧縮空気によつて袋体43,43……は順次膨張する。一定時間,圧縮空気が空気袋の中に導入されると,ロータリ弁13の回転に伴ない導通孔19は対応する固定弁体15の通気孔18から離れるために圧縮空気の供給は停止する。モータ11は回転を休止することがないので,引きつづきロータリ弁13が回転すると,上記圧縮空気の供給を停止された通気孔18より1個前に位置する別の通気孔18が排気孔20と重なつたときに圧縮空気は逆流が可能になり,排気孔20を通つて外部に排出され,マツサージ体内にあつて膨張状態を保つていた1個の袋体は収縮する。このようにして個々の袋体43,43……は順次膨張と収縮を繰り返えし,この運動によつてマツサージ体は全体に亘つて律動的な波動運動を繰り返えし行なうから,マツサージ体に体を仰臥すれば,腰から背中,肩,頭にかけて律動的な押圧マツサージが行なわれる。」(第3頁6欄5行?22行) 16.甲第17号証(実公昭61-10685号公報)には次の事項が記載されている。 a.「そこで,かかる構造の加圧気体分配器作動装置を具えたマツサージ器を使用するに際しては,圧迫用マツサージ袋2を第2図に示す如くマツサージ部位に装着し,プラグ28を第1図の矢印方向に押込んでソケツト57内に嵌合し,その後加圧気体発生装置1を作動させる。すると,加圧気体は給気管4を通つてマツサージ袋2のたとえば気のう22内に供給され,次第にマツサージ圧力を高めていく。この間,羽根車31が回転して弁体53を低速で回転させる。次いでマツサージ圧が所定値に達すると圧力調整弁41が開くと共に羽根車31は回転を続け,弁体53の溝52が図示の気体通過孔56から離れて図示しない別の同心円位置にある気体通過孔56に連通して気のう23に対する加圧気体の供給を開始すると同時に,先の気体通過孔56が弁体53に設けた軸方向の排気孔59に連通されて気のう22内の加圧気体が排出され,以後上述の繰返えしによつて気のう22,23,24および25に対して順次加圧気体の供給,排出がおこなわれる。」(第2頁4欄36行?第3頁5欄11行) b.第4図には,弁体53に「溝52」と「排気孔59」が設けられ,「溝52」と「排気孔59」は,周方向に離間して形成されている点が図示されている。 17.甲第18号証(実公昭64-4350号公報)には,次の事項が記載されている。 「次に,上述したように構成した弁機構14を使用して,袋体10a,10bの各空気室12を給排気操作する場合の動作について説明する。 まず,第2図および第3図に示す弁機構を使用する場合には,第4図および第5図に示すように,2つの回転体26,26′を矢印の方向に回転することにより,袋体10a,10bの各空気室と分岐パイプ16a,16bを介して連通する分配板24,24′の給排気口22a?22cおよび22′a?22′cが回転体26,26′の給気通孔部28,28′と排気通孔部30,30′とに順次一定の異なる位相角関係で連通し,第7図a?fに示す給排気動作が達成される。」(第3頁5欄30?42行) 第8 当審の判断 1.理由1及び理由2について (1)本件発明1に対する理由1について 本件発明1と引用発明1を対比すると,後者の「エアーマッサージ」は,その機能・構造・文言からみて前者の「エアマッサージ」に相当し,以下同様に後者の「エアーマッサージ器内蔵の布団体1」は「エアマッサージ装置本体」に,「人体当接面に沿って設けられた独立した複数の袋体4(4a?4h)」は「人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋」に,「袋体4への空気の流入,排出により,袋体4が膨張,収縮して身体の同一個所に断続的なバイブレーター的指圧作用を発揮させる」は「空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする」に,「制御回路7」は「制御手段」にそれぞれ相当する。 また,後者の「エアーマッサージ器内蔵の布団体1」は,「袋体4に空気を送出するエアーコンプレッサー2と,該エアーコンプレッサー2から送出された空気を貯留するチャンバー3と,前記袋体4はチャンバー3と連通し,チャンバー3内の空気を外部に排出する弁体5と,弁体5を開閉させるソレノイド6」とを備え,「ソレノイド6を駆動する制御回路7」によって,「袋体4への空気の流入,排出により,袋体4が膨張,収縮」させるものであるから,後者も「空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置」に相当する発明特定事項を備えているといえる。 また,後者の「袋体4への空気の流入,排出により,袋体4が膨張,収縮して身体の同一個所に断続的なバイブレーター的指圧作用を発揮させるエアーマッサージ器内蔵の布団体1」と,前者の「空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置」とは,「空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージするエアマッサージ装置」の点で共通している。 また,後者は,「制御回路7が,複数の袋体のうちの一部の袋体に所定量の空気を流入させ,その後,流入した空気よりも少量の空気をその流入させた時間よりも短時間流出させ,袋体4内への空気の流入,流出を交互に繰返して袋体の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返すように,前記弁体5を断続的に開閉するようにソレノイド6を駆動」しているから,後者も本件発明1の「エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え」に相当する発明特定事項を備えているといえる。 また,後者の「制御回路7が,複数の袋体のうちの一部の袋体に所定量の空気を流入させ,その後,流入した空気よりも少量の空気をその流入させた時間よりも短時間流出させ,袋体4内への空気の流入,流出を交互に繰返して袋体の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返すように,前記弁体5を断続的に開閉するようにソレノイド6を駆動する」ことと,前者の「制御手段は,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって,給気時間(T1)において,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において,前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ,その後,時間(T3)において,給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す」こととは,「制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す」の点で共通している。 したがって,本件発明1と引用発明1とを対比すると両者は, 「エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と,これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え,前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージするエアマッサージ装置において,前記エア給排気装置は,空気袋への給排気を制御する制御手段を備え,前記制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段を備えたエアマッサージ装置。」 の点で一致し,以下の点で相違する。 相違点1 エアマッサージ装置が,本件発明1では椅子式エアマッサージ装置であるのに対して,引用発明1ではそのような椅子式エアマッサージ装置ではない点。 相違点2 本件発明1の制御手段は,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって,給気時間(T1)において,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において,前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ,その後,時間(T3)において,給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御を行うものであるのに対し,引用発明1の制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御を行うものではあるが,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものではない点。 以上のように,本件発明1と引用発明1とを対比すれば,少なくとも相違点1ないし相違点2が存在し,相違点1ないし相違点2は,引用発明1から自明のことともいえない。 したがって,本件発明1が,引用発明1であるとはいえず,特許法第29条第1項3号の規定に該当しない。 (2)本件発明1に対する理由2ついて 上記「(1)本件発明1に対する理由1について」で検討したように,本件発明1と引用発明1は上記相違点1,2で相違するので,これら相違点について検討する。 相違点1について 独立した複数の空気袋を備え,これらの空気袋にエアを給排気して空気袋を膨張・収縮させて人体をマッサージするエアマッサージ装置を椅子式とすることは,本願出願前周知の技術(例えば,甲第11号証として提示された実願平3-101785号(実開平5-70533号)のCD-ROM,段落【0007】,【0008】参照)であるから,本件発明1のエアマッサージ装置を椅子式とすることは,前記周知の技術に基いて当業者が容易に想到し得たことである。 相違点2について, 請求人の提出した甲第3号証ないし甲第5号証の何れにも,上記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項は記載されていない。 また,上記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項は,引用発明及び甲第3号証に記載されている事項ないし甲第5号証に記載されている事項に基いて,当業者が容易に想到し得たものでもない。 したがって,本件発明1が,引用発明1及び周知技術(甲第3号証ないし甲第5号証)に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件発明2に対する理由1ついて 本件発明2と引用発明1を対比すると,後者の「エアーマッサージ」は,その機能・構造・文言からみて前者の「エアマッサージ」に相当し,以下同様に後者の「エアーマッサージ器内蔵の布団体1」は「エアマッサージ装置本体」に,「人体当接面に沿って設けられた独立した複数の袋体4(4a?4h)」は「人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋」に,「袋体4への空気の流入,排出により,袋体4が膨張,収縮して身体の同一個所に断続的なバイブレーター的指圧作用を発揮させる」は「空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする」に,「制御回路7」は「制御手段」にそれぞれ相当する。 また,後者の「エアーマッサージ器内蔵の布団体1」は,「袋体4に空気を送出するエアーコンプレッサー2と,該エアーコンプレッサー2から送出された空気を貯留するチャンバー3と,前記袋体4はチャンバー3と連通し,チャンバー3内の空気を外部に排出する弁体5と,弁体5を開閉させるソレノイド6」とを備え,「ソレノイド6を駆動する制御回路7」によって,「袋体4への空気の流入,排出により,袋体4が膨張,収縮」させるものであるから,後者も「空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置」に相当する発明特定事項を備えているといえる。 また,後者の「袋体4への空気の流入,排出により,袋体4が膨張,収縮して身体の同一個所に断続的なバイブレーター的指圧作用を発揮させるエアーマッサージ器内蔵の布団体1」と,前者の「空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置」とは,「空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージするエアマッサージ装置」の点で共通している。 また,後者は,「制御回路7が,複数の袋体のうちの一部の袋体に所定量の空気を流入させ,その後,流入した空気よりも少量の空気をその流入させた時間よりも短時間流出させ,袋体4内への空気の流入,流出を交互に繰返して袋体の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返すように,前記弁体5を断続的に開閉するようにソレノイド6を駆動」しているから,後者も本件発明1の「エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え」に相当する発明特定事項を備えているといえる。 また,後者の「制御回路7は,複数の袋体のうちの一部の袋体に所定量の空気を流入させ,その後,流入した空気よりも少量の空気をその流入させた時間よりも短時間流出させ,袋体4内への空気の流入,流出を交互に繰返して袋体の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返すように,前記弁体5を断続的に開閉するようにソレノイド6を駆動する」ことと,前者の「制御手段は,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって,給気時間(T1)において,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において,前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ,その後,時間(T3)において,給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す」こととは,「制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す」の点で共通している。 したがって,本件発明2と引用発明1を対比すれば,両者は, 「エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と,これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え,前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージするエアマッサージ装置において,前記エア給排気装置は,空気袋への給排気を制御する制御手段を備え,前記制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋を膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段を備えたエアマッサージ装置。」 の点で一致し,以下の点で相違する。 相違点3:エアマッサージ装置が,本件発明2では椅子式エアマッサージ装置であるのに対して,引用発明1ではそのような椅子式エアマッサージ装置ではない点。 相違点4:本件発明2の制御手段は,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって,給気時間(T1)において,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気して膨張させた後に給気を停止し,空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において,前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ,その後,時間(T3)において,給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返し,その後空気袋のエアを全量排気させる制御を行うものであるのに対し,引用発明1の制御手段は,給気と排気を繰り返す時間を制御するものであって,前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し,その後,給気時間の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ再びエアを短時間給気させて空気袋を膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御を行うものではあるが,空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御した後,空気袋のエアを全量排気させる制御を行うものではない点。 以上のように,本件発明2と引用発明1とを対比すれば,少なくとも相違点3ないし相違点4が存在し,相違点3ないし相違点4は,引用発明1に記載された発明から自明のことともいえない。 したがって,本件発明2が,引用発明1であるとはいえず,特許法第29条第1項3号の規定に該当しない。 (4)本件発明2に対する理由2ついて 上記「(3)本件発明2に対する理由1について」で検討したように,本件発明2と引用発明1は上記相違点3,4で相違するので,これら相違点について検討する。 相違点3について 独立した複数の空気袋を備え,これらの空気袋にエアを給排気して空気袋を膨張・収縮させて人体をマッサージするエアマッサージ装置を椅子式とすることは,本願出願前周知の技術(例えば,甲第11号証として提示された実願平3-101785号(実開平5-70533号)のCD-ROM,段落【0007】,【0008】参照)であるから,本件発明2のエアマッサージ装置を椅子式とすることは,前記周知の技術に基いて当業者が容易に想到し得たことである。 相違点4について 請求人の提出した甲第3号証ないし甲第8号証の何れにも,上記相違点4に係る本件発明2の発明特定事項は記載されていない。 また,上記相違点4に係る本件発明2の発明特定事項は,引用発明及び甲第3号証に記載されている事項ないし甲第8号証に記載されている事項に基いて,当業者が容易に想到し得たものでもない。 したがって,本件発明2が,引用発明1及び周知技術(甲第3号証ないし甲第8号証)に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 2.理由3について 本件特許の請求項3に係る発明は,訂正により削除されたから,請求人の主張する理由3は採用することができない。 3.無効理由通知について (1)本件発明1が引用発明1,引用発明2及び周知技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものか否か検討する。 相違点1について 上記「1.(2)本件発明1に対する理由2について」で検討したように,相違点1は、本願出願前周知の技術(例えば,甲第11号証として提示された実願平3-101785号(実開平5-70533号)のCD-ROM,段落【0007】,【0008】参照)であるから,本件発明1のエアマッサージ装置を椅子式とすることは,前記周知の技術に基いて当業者が容易に想到し得たことである。 相違点2について、 甲第6号証の上記記載事項「第7 5.a.ないしd.」からみて,引用発明2は,空気袋22の膨張収縮によって指圧子3を出没駆動し,指圧子3が身体を押圧することで指圧効果の得られるマッサージ機の発明といえ,また,空気袋22の上方に設けられる指圧子3の出没を制御するために,引用発明2は,「制御ユニット7には,空気袋22にエアチューブ9を介して圧縮空気を供給するエアポンプPと,操作スイッチと,制御回路が配設され,エアポンプPから空気袋22に至る空気経路には,制御回路によってその動作が制御される排気弁Vと,圧力センサーSとが接続され」ており,「マッサージの開始時に空気袋22に,圧力センサーSによって検出される圧力が設定圧となるまで空気袋22に空気を供給する時間」と,「この後にエアポンプPを停止させるとともに排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる時間」と,「この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間留める時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間」を有するように,「制御ユニット7の制御回路がエアポンプPと排気弁Vの動作を制御」しているから,上記「この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間留める時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間」においては,空気袋22の上方の指圧子3が身体を押圧している状態から,排気弁Vを開いて空気袋22の空気が排気され,指圧師3が空気袋22の収縮によって身体を押圧しない位置へ後退し,再び,排気弁Vを閉じ,空気袋22に空気が供給されるから,指圧子3が身体を押圧する状態となり,次いでエアポンプPを停止させるとともに排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる状態が継続されているから,指圧子3が身体を押圧した状態が継続されていることは明らかであり,空気袋22に対して給気と排気を繰り返す時間においては,給気と排気の間に,空気袋22を一定時間とどめる時間が介在しているものと理解される。 よって,引用発明2の「空気袋22」に対する給気及び排気の制御は,本件発明1の発明特定事項である「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)」を備えておらず,引用発明2に基いて,上記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項とすることが容易になし得ることであるとはいえない。 また,請求人は,平成20年7月10日付けの弁駁書において,本件発明1が「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)」としている点は,当業者にとって単なる設計事項に過ぎず,また,引用発明1及び引用発明2に基いて容易になし得る旨主張しているが,引用発明2の上記「この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間留める時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間」においては,空気袋22の上方の指圧子3が身体を押圧している状態から,排気弁Vを開いて空気袋22の空気が排気され,指圧師3が空気袋22の収縮によって身体を押圧しない位置へ後退し,再び,排気弁Vを閉じ,空気袋22に空気が供給されるから,指圧子3が身体を押圧する状態となり,次いでエアポンプPを停止させるとともに排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる状態が継続されているものであるから,空気袋22の膨張収縮によって出没駆動される指圧子3の身体へのマッサージ動作は,まず,指圧子3による身体への押圧から始まり,次に,指圧子3による身体への一定圧の押圧が継続され,その後に,指圧子3による身体の押圧が解除され,再び指圧子3による身体への一定圧の押圧が継続されるという一連のマッサージ動作を繰り返すものといえ,引用発明2のマッサージ動作は,乙第2号証に記載の指圧マッサージ動作であると理解される。 したがって,指圧マッサージ動作を行っている引用発明2の「この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間留める時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間」の構成を,本件発明1の「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)」へと変更することは,「指圧マッサージ動作」を行っている引用発明2から,指圧子3による身体への一定圧の押圧が継続されるという構成を排除し,指圧子3による身体への押圧をした後に,この押圧が解除されるという一連の動作を繰り返すマッサージ動作を実行する構成への変更を意味するものといえ,このような全く異なるマッサージ動作を実行する構成へ変更する格別の理由は,提出された証拠を参酌しても見あたらないから,このような異なるマッサージ動作を実行するための設計の変更を,格別の理由なくして当業者が容易に想到し得るものとはいえない。 また,請求人は,同弁駁書において,本件発明1は引用発明1に基いて容易になし得るものであると主張しているが,仮に引用発明1の「複数の袋体のうちの一部の袋体に所定量の空気を流入させ,その後,流入した空気よりも少量の空気をその流入させた時間よりも短時間流出させ,袋体4内への空気の流入,流出を交互に繰返して袋体の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す」を「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す」ものであると解釈したとしても,本件発明1の「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)」は,「空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するもの」において,「時間(T3)において,給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御を行う」ものであり,引用発明1は,このような本件発明1の「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)」を備えているとはいえない。 また,引用発明1に引用発明2を適用する際に,指圧マッサージ動作を行っている引用発明2から,「空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間留める時間を介在させ」る構成のみを排除した構成を引用発明1の空気袋の膨縮動作を行う制御に適用し,上記相違点2に係る発明特定事項とすることの格別の理由が引用発明1,引用発明2及び提出された甲第2号証ないし甲第11号証に存在しているとはいえない。 したがって,本件発明1は,引用発明1,引用発明2及び提出された甲第2号証ないし甲第11号証に基いて当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 また,請求人は,平成20年2月18日付け上申書と共に甲第12号証ないし甲第15号証を提出し,複数種類のマッサージ動作を組み合わせてマッサージを行うマッサージ機が周知であると主張しているが,このような構成が周知であったとしても,引用発明1及び引用発明2に基いて,本件発明1に係る発明特定事項の「空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御する」構成を当業者が容易に想起しえたものとはいえない。 また,請求人は,同上申書と共に甲第16号証ないし甲第18号証を提出し,給気動作から排気動作に移る際,給気及び排気が共に一定時間停止するロータリーバルブが周知である旨主張しているが,例えこのような構成が周知であったとしても,本件発明1の発明特定事項である「空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御する」ことを示唆するものではないから,請求人の当該主張は採用できない。 また,甲第7号証の上記記載事項(上記「第7 6.a.ないしe.」参照)から,甲第7号証の「エアーベルト5a」に対する給気および排気の制御も,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介在させているから,甲第7号証に記載された事項に基いて,上記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項を当業者が容易に想到し得るものではない。 また,請求人の提出した他の証拠に記載された事項に基いて,上記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項を当業者が容易に想到し得るものでもない。 したがって,本件発明1は,引用発明1,引用発明2及び周知技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 (2)本件発明2が引用発明1,引用発明2及び周知技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものか否か検討する。 相違点3について 上記「1.(4)本件発明2に対する理由2について」で検討したように,相違点3は,本願出願前周知の技術(例えば,甲第11号証として提示された実願平3-101785号(実開平5-70533号)のCD-ROM,段落【0007】,【0008】参照)であるから,本件発明3のエアマッサージ装置を椅子式とすることは,前記周知の技術に基いて当業者が容易に想到し得たことである。 相違点4について 甲第6号証の上記記載事項「第7 5.a.ないしd.」からみて,引用発明2は,空気袋22の膨張収縮によって指圧子3を出没駆動し,指圧子3が身体を押圧することで指圧効果の得られるマッサージ機の発明といえ,また,空気袋22の上方に設けられる指圧子3の出没を制御するために,引用発明2は,「制御ユニット7には,空気袋22にエアチューブ9を介して圧縮空気を供給するエアポンプPと,操作スイッチと,制御回路が配設され,エアポンプPから空気袋22に至る空気経路には,制御回路によってその動作が制御される排気弁Vと,圧力センサーSとが接続され」ており,「マッサージの開始時に空気袋22に,圧力センサーSによって検出される圧力が設定圧となるまで空気袋22に空気を供給する時間」と,「この後にエアポンプPを停止させるとともに排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる時間」と,「この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間留める時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間」を有するように,「制御ユニット7の制御回路がエアポンプPと排気弁Vの動作を制御」しているから,上記「この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間留める時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間」においては,空気袋22の上方の指圧子3が身体を押圧している状態から,排気弁Vを開いて空気袋22の空気が排気され,指圧師3が空気袋22の収縮によって身体を押圧しない位置へ後退し,再び,排気弁Vを閉じ,空気袋22に空気が供給されるから,指圧子3が身体を押圧する状態となり,次いでエアポンプPを停止させるとともに排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる状態が継続されているから,指圧子3が身体を押圧した状態が継続されていることは明らかであり,空気袋22に対して給気と排気を繰り返す時間においては,給気と排気の間に,空気袋22を一定時間とどめる時間が介在しているものと理解される。 よって,引用発明2の「空気袋22」に対する給気及び排気の制御は,本件発明2の発明特定事項である「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)」を備えておらず,引用発明2に基いて,上記相違点4に係る本件発明2の発明特定事項とすることが容易になし得ることであるとはいえない。 また,請求人は,平成20年7月10日付けの弁駁書において,本件発明2が「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)」としている点は,当業者にとって単なる設計事項に過ぎず,また,引用発明1及び引用発明2に基いて容易になし得る旨主張しているが,引用発明2の上記「この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間留める時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間」においては,空気袋22の上方の指圧子3が身体を押圧している状態から,排気弁Vを開いて空気袋22の空気が排気され,指圧師3が空気袋22の収縮によって身体を押圧しない位置へ後退し,再び,排気弁Vを閉じ,空気袋22に空気が供給されるから,指圧子3が身体を押圧する状態となり,次いでエアポンプPを停止させるとともに排気弁Vを閉じた状態を維持して空気袋22に供給された空気がとどまる状態が継続されているものであるから,空気袋22の膨張収縮によって出没駆動される指圧子3の身体へのマッサージ動作は,まず,指圧子3による身体への押圧から始まり,次に,指圧子3による身体への一定圧の押圧が継続され,その後に,指圧子3による身体の押圧が解除され,再び指圧子3による身体への一定圧の押圧が継続されるという一連のマッサージ動作を繰り返すものといえ,引用発明2のマッサージ動作は,乙第2号証に記載の指圧マッサージ動作であると理解される。 したがって,指圧マッサージ動作を行っている引用発明2の「この後に排気弁Vを開いて空気袋22の空気を排気し,次いで排気弁Vを閉じてエアポンプPを駆動することにより,空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間留める時間を介在させて給気と排気を繰り返す時間」の構成を,本件発明2の「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)」へと変更することは,「指圧マッサージ動作」を行っている引用発明2から,指圧子3による身体への一定圧の押圧が継続されるという構成を排除し,指圧子3による身体への押圧をした後に,この押圧が解除されるという一連の動作を繰り返すマッサージ動作を実行する構成への変更を意味するものといえ,このような全く異なるマッサージ動作を実行する構成へ変更する格別の理由は,提出された証拠を参酌しても見あたらないから,このような異なるマッサージ動作を実行するための設計の変更を,格別の理由なくして当業者が容易に想到し得るものとはいえない。 また,請求人は,同弁駁書において,本件発明2は引用発明1に基いて容易になし得るものであると主張しているが,仮に引用発明1の「複数の袋体のうちの一部の袋体に所定量の空気を流入させ,その後,流入した空気よりも少量の空気をその流入させた時間よりも短時間流出させ,袋体4内への空気の流入,流出を交互に繰返して袋体の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す」を「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す」ものであると解釈したとしても,本件発明2の「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)」は,「空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するもの」において,「時間(T3)において,給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い,身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御を行う」ものであり,引用発明1は,このような本件発明2の「給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)」を備えているとはいえない。 また,引用発明1に引用発明2を適用する際に,指圧マッサージ動作を行っている引用発明2から,「空気袋22に空気を供給し,空気袋22に対して給気と排気の間に空気袋を一定時間留める時間を介在させ」る構成のみを排除した構成を引用発明1の空気袋の膨縮動作を行う制御に適用し,上記相違点4に係る発明特定事項とすることの格別の理由が引用発明1,引用発明2及び提出された甲第2号証ないし甲第11号証に存在しているとはいえない。 したがって,本件発明2は,引用発明1,引用発明2及び提出された甲第2号証ないし甲第11号証に基いて当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 また,請求人は,平成20年2月18日付け上申書と共に甲第12号証ないし甲第15号証を提出し,複数種類のマッサージ動作を組み合わせてマッサージを行うマッサージ機が周知であると主張しているが,このような構成が周知であったとしても,引用発明1及び引用発明2に基いて,本件発明2に係る発明特定事項の「空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御する」構成を当業者が容易に想起しえたものとはいえない。 また,請求人は,同上申書と共に甲第16号証ないし甲第18号証を提出し,給気動作から排気動作に移る際,給気及び排気が共に一定時間停止するロータリーバルブが周知である旨主張しているが,例えこのような構成が周知であったとしても,本件発明2の発明特定事項である「空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と,給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と,給気と排気を,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御する」ことを示唆するものではないから,請求人の当該主張は採用できない。 また,甲第7号証の上記記載事項(上記「第7 6.a.ないしe.」参照)から,甲第7号証の「エアーベルト5a」に対する給気および排気の制御も,給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介在させているから,甲第7号証に記載された事項に基いて,上記相違点4に係る本件発明2の発明特定事項を当業者が容易に想到し得るものではない。 また,請求人の提出した他の証拠に記載された事項に基いて,上記相違点4に係る本件発明2の発明特定事項を当業者が容易に想到し得るものでもない。 したがって,本件発明2は,引用発明1,引用発明2及び周知技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 第9 むすび 以上,請求人の主張する理由および提出した証拠方法によっては,本件発明1ないし本件発明2に係る特許を無効とすることができない。 また他に,本件発明1ないし本件発明2に係る特許を無効とすべき理由を発見しない。 審判に関する費用については,特許法第169条第2項の規定において準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。 よって,結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 エアマッサージ装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と、これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え、前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置において、前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と、給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と、給気と排気を、給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって、給気時間(T1)において、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し、空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において、前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ、その後、時間(T3)において、給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い、身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段を備えたことを特徴とする椅子式エアマッサージ装置。 【請求項2】エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と、これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え、前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置において、前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と、給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と、給気と排気を、給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって、給気時間(T1)において、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し、空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において、前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ、その後、時間(T3)において、給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返し、その後空気袋のエアを全量排気させる制御手段を備えたことを特徴とする椅子式エアマッサージ装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、空気袋の膨張・収縮によってマッサージを行なうエアマッサージ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】この種のエアマッサージ装置としては、例えば、図17及び図18に示した様な座椅子式エアマッサージ装置が考えられている。 【0003】この図17に示した座椅子式エアマッサージ装置は、座部200の後縁部に背凭れ部201を前後回動自在に装着して、座部200および背凭れ部201内に複数の空気袋203a?203fを配設すると共に、エア給排気装置204と各空気袋203a?203fをエアホース205a?205fで接続した構成となっている。 【0004】しかも、このエアマッサージ装置においては、エア給排装気置204により各空気袋203a?203fを順番に膨張・収縮させる様になっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、この様な構成において各空気袋203a?203fは、膨張後すぐに、排気を行い、収縮させられていた。図18では、各空気袋203a?203fの高さの変化を時間経過を追って示している。この図18からも分かるように、各空気袋203a?203fは、排気により全ての内部の空気が排出され、次の給気に備えている。このため、各空気袋203a?203fが次の給気で最高点に達するまでの時間は長くなり、短時間の間に多数回の膨縮で身体のツボを刺激するいわゆるたたきマッサージを行なうことが出来なかった。 【0006】そこで、この発明は、短時間の間に多数回の膨縮を行い、ツボに有効な押圧を行うことが出来るエアマッサージ装置を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と、これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え、前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置において、前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と、給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と、給気と排気を、給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって、給気時間(T1)において、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し、空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において、前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ、その後、時間(T3)において、給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮を行い、身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返す制御手段を備えたことを特徴とする。請求項2の発明は、エアマッサージ装置本体の人体当接面に沿って設けられた独立した複数の空気袋と、これら空気袋にエアを給排気して前記空気袋を膨張・収縮させるエア給排気装置とを備え、前記空気袋を膨張・収縮させて人体を部分的にマッサージする椅子式エアマッサージ装置において、前記エア給排気装置は空気袋への給排気を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、空気袋に給気のみを行う給気時間(T1)と、給気された空気袋を一定時間とどめる時間(T2)と、給気と排気を、給気と排気の間に空気袋を一定時間とどめる時間を介することなく繰り返す時間(T3)とによるたたき動作を制御するものであって、給気時間(T1)において、前記複数の空気袋のうちの一部の空気袋に所定量のエアを給気した後に給気を停止し、空気袋を一定時間とどめる時間(T2)において、前記所定量のエアが給気された空気袋を一定時間とどめ、その後、時間(T3)において、給気時間(T1)の間に給気したエアよりも少量のエアをその給気時間(T1)よりも短時間排気させ再びエアを前記給気時間(T1)よりも短時間給気させて空気袋の膨縮させて身体に圧迫を掛けながら前記空気袋の膨縮動作を複数回繰り返し、その後空気袋のエアを全量排気させる制御手段を備えたことを特徴とする。 【0008】請求項1の発明によれば、一部の空気袋に所定量のエアを給気して膨張させた後、その給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ、再びエアを前記給気時間よりも短時間給気させるものであるから、所定圧に膨張した空気袋は、少量のエアが短時間排気されて収縮し、再びエアが短時間給気されて元の所定圧に膨張されるものである。このように短時間におこなわれる一部の空気袋の収縮膨張によって、ツボに有効な押圧を行うことができるとともに、人体の一部をたたくような、いわゆるたたきマッサージ効果を得ることができる。 【0009】請求項2の発明によれば、一部の空気袋に所定量のエアを給気して膨張させた後、その給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ、再びエアを前記給気時間よりも短時間給気させるものであるから、所定圧に膨張した空気袋は、少量のエアが短時間排気されて収縮し、再びエアが短時間給気されて元の所定圧に膨張されるものである。このように短時間におこなわれる一部の空気袋の収縮膨張が複数回繰り返されることによって、ツボに有効な押圧を行うことができるとともに、人体の一部をたたくような、いわゆるたたきマッサージ効果を得ることができる。 【0010】 【実施例】以下、この発明に係るエアマッサージ装置をエアマットマッサージ装置Aに適用した実施例により図面に基づいて説明する。前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。 【0011】[第1実施例]図1および図2において、10は肩等を受ける首・肩受部10aと腰等を受ける腰受部10bと足等を受ける足受部10cとの3つに区画された人体当接面を有するマット本体である。マット本体10は、エステル起毛からなる表生地11と綿からなる裏生地12とで覆われたウレタンホームからなる上層部14および下層部15を有している。 【0012】そして、上層部14と下層部15の間には、短冊状の空気袋18a?18hが配置されている。空気袋18a,18bは首・肩受部10aに配置され、空気袋18c?18gは腰受部10bに配置され、空気袋18hは足受部10cに配置されている。足受部10cの下層部14と上層部15との間には電床帯18iが設けられている。このマット本体10は裏返して使用できるようになっており、寒い時期には保温性のある表生地11を上にして使用し、暑い時期には通気性のよい裏生地12を上にして使用する。 【0013】マット本体10の一側部にはホース接続部17が設けられており、ホース接続部17はチューブ19a?19hによって空気袋18a?18hに接続している。また、ホース接続部17の隣接位置にコード接続部16が設けられており、コード接続部16は電床帯18iに接続されているリード線と接続している。 【0014】ホース接続部17には複数のチューブからなるホース3の一端部が着脱自在に接続され、ホース3の他端部はエア給排気装置20を内蔵した本体ケース20Kに着脱自在に接続されるようになっている。このホース3を本体ケース20Kおよびマット本体10のホース接続部17に接続することにより各空気袋18a?18hにそれぞれ別個にエア給排気装置20によって空気が供給されるようになる。この空気の供給により各空気袋18a?18hは膨張していき、この膨張により空気袋18a?18hが上層部14を上方へ突出させ、これによりマッサージを行なう。 【0015】エア給排気装置20の本体ケース20Kの正面には操作パネル21が設けられており、この操作パネル21には、図4に示すように、電源スイッチ22と、操作部23と、目覚し設定部24と、動作や設定などを表示する表示部25とが設けられている。 【0016】操作部23には、マッサージする箇所を全身,背中,腰のいずれかを選択するローリングスイッチ23aと、空気袋18a?18hの内の一つを選択して体の一部分をマッサージするためのポイントスイッチ23bと、空気袋18a?18hの膨張・収縮の時間を速めたり遅くしたりする速さスイッチ23cと、動作時間を設定するタイマースイッチ23dと、Aコース(寝るときに使用するコース)を設定するAコーススイッチ23eと、短時間に多数回の膨縮を行ういわゆる「たたきマッサージ」を行なうたたきマッサージスイッチ23fと、エアマッサージを行うエアマッサージスイッチ27と、電位治療を行う電位治療スイッチ28とが設けられている。また、操作部23には図示しないリモコン本体から発せられる赤外光を受光する受光部26が設けられている。 【0017】目覚し設定部24には、目覚し(Bコース)を設定する目覚し設定スイッチ24aと、起床時刻を設定する時刻設定スイッチ24bと、現在の時刻を表示する表示部24gとが設けられている。24bはBコースが設定されたとき点灯する発光ダイオードである。 【0018】表示部25には、エアマッサージスイッチ27が押されると点灯する発光ダイオード25aと、ポイントスイッチ23bが押されると発光する発光ダイオード25bと、電位治療スイッチ28が押されると発光する発光ダイオード25cと、たたきスイッチ23fが押されると発光する発光ダイオード25fと、各空気袋18a?18hに対応して設けられた発光ダイオードa?hとが設けられている。発光ダイオードa?hは膨張している空気袋18a?18hに対応して点灯する他に、ポイントスイッチ23bを押す毎に発光ダイオードa?hが順次点灯していき、その点灯した発光ダイオードa?hに対応した空気袋18a?18hが選択され、その選択された空気袋18a?18hのみが膨張・収縮が行われる。 【0019】リモコン本体(図示せず)には、操作パネル21に設けたスイッチと同様な機能を有するスイッチが設けられており、各スイッチにより上記と全く同様な操作が行えるようになっている。 【0020】本体ケース20Kは、ロータリバルブ60を内蔵しており、このロータリバルブ60は、図5に示すようにステッピングモータ65によって回転する回転体61を有しており、この回転体61の回転によって空気袋18a?18hのうちの1つをフィルタタンク92に連通させていくとともに他の空気袋を外気と連通させるものである。例えば、空気袋18aがフィルタタンク92に連通されると、空気袋18aに圧縮空気が供給されて空気袋18aが膨張していき、他の空気袋18b?18hは外気と連通されて排気状態となり、膨張された空気袋は収縮していくこととなる。 【0021】そして、回転体がさらに回転すると空気袋18bがフィルタタンク92と連通し、空気袋18a,18c?18hが外気と連通される。つまり、ロータリバルブ60は回転体の回転によってフィルタタンク92と連通する空気袋18a?18hを順次切り換えていくものである。 【0022】このロータリバルブ60は、回転自在な回転体61と、この回転体61を回転自在に挟持した固定体62,63とを有している。固定体62は本体ケース40a内に設けたフレーム64のフレーム板64aに取り付けられており、この固定体62の中心部には上下方向(図5において)に延びた貫通孔62aが形成されている。 【0023】この貫通孔62aは圧縮空気を貯えるフィルタタンク92を介してエアコンプレッサー91と接続されている。 【0024】回転体61の下面(図5において)の中心部には上記貫通孔62aと対向するとともに連通する孔61aが形成され、この孔61aは、回転体61の上面の周端側に設けた孔61bに連通孔61cによって連通されている。回転体61の周面にはギヤ61dが形成され、このギヤ61dがステッピングモータ65の駆動軸66に設けたギヤ67に噛合している。これにより、回転体61はステッピングモータ65によって中心軸線61e廻りに回転され、回転体61の回転に拘らず回転体61の孔61aと固定体62の貫通孔62aとは常に連通状態を保つようになっている。 【0025】回転体61の上面には、図6に示すように、外周に沿って形成されたC字状の円弧溝61fが設けられており、この円弧溝61fの両端部に孔61bが挟まれる状態となっている。さらに、円弧溝61fの中央部から回転体61の中心部まで延びた直線溝61gが設けられている。 【0026】固定体63は、フレーム64のフレーム板64b(図5参照)に固定されており、図7に示すように、中心部に大気に開放する貫通孔63aが設けられ、この貫通孔63aの周囲には等間隔に8つの貫通孔63b?63iが設けられている。63jは貫通孔63aに設けたフィルタである。 【0027】貫通孔63aの下側(図5において)の開口は回転体61の直線溝61gと常に対向するとともに連通した状態にあり、貫通孔63b?63iの下側の開口のうちの1つが回転体61の孔61bと対向して連通するようになっている。このとき、他の貫通孔の前記開口は回転体61の円弧溝61fと対向して連通する。例えば、貫通孔63bの下側の開口が回転体61の孔61bと対向して連通しているときは、貫通孔63c?63iの下側の開口が円弧溝61fと対向して連通する。 【0028】なお、固定体62はスプリングによって上方(図5において)へ常時付勢され、この付勢により回転体61と固定体62,63との接合面の気密性を保っており、各接合面から圧縮空気が漏れないように設定されている。 【0029】(位置検出手段C)位置検出手段Cは、図5に示した如く、回転体61に取り付けられたエンコーダ板70と、エンコーダ板70の回転位置を検出する光センサ80を有する。 【0030】(a)エンコーダ板70 このエンコーダ板70には、図6に示すように、半径方向に延びた8本の径線E1?E8が45度間隔で設定されており、経線E1は、経線E1上に孔61bがくる位置に設定されている。 【0031】そして、各経線E1?E8上には内周側から外周側に向けてビットb0からビットb3までの位置が設定されており、経線E1のビットb3の位置に孔71dが設けられている。経線E2のビットb1,b3の位置に孔72a,72dが、経線E3のビットb1,b3の位置に孔73b,73dが、経線E4のビットb0,b1,b3の位置に孔74a,74b,74dが、経線E5のビットb2,b3の位置に孔75c,75dが、経線E6のビットb0,b2,b3の位置に孔76a,76c,76dが、経線E7のビットb1,b2,b3の位置に孔77b,77c,77dが、経線E8のビットb0,b1,b2,b3の位置に孔78a,78b,78c,78dがそれぞれ設けられている。 【0032】91は圧縮空気を生成するエアコンプレッサ、92は前記圧縮空気を浄化して貯えるフィルタタンクであり、これらエアコンプレッサ91,フィルタタンク92等は本体ケース20K内に設けられている。100は操作パネル21に設けた各スイッチの操作に基づいてステッピングモータ65や電床帯25等を制御する制御回路(制御手段)である。 【0033】制御回路100は、図9に示すように、マイクロコンピュータ101とインターフェース102?105等から構成され、この制御回路100も本体ケース20K内に設けてある。 【0034】<制御回路>上述したステッピングモータ65,エアコンプレッサー91は図9に示した様に制御回路100により駆動制御されるようになっている。この制御回路100は、図10に示すように、マイクロコンピュータ101とインターフェース102?106等から構成され、この制御回路100も前記エア給排気装置20の本体ケース20K内に設けてある。尚、光センサ80の受光ダイオード82a?82dからの位置検出信号はインターフェース105を介して制御回路100のマイクロコンピュータ101に入力され、マイクロコンピュータ101はこの位置検出信号に基づいてステッピングモータ65を駆動制御する様になっている。 【0035】この制御回路100は、前記操作パネル14に設けられ且つエンコーダ板70の位置E1?E8に対応するスイッチ(図示せず)を操作すると、この操作されたスイッチに対応する位置E1?E8が光センサ80により検出されるまでステッピングモータ95を駆動制御するようになっている。 【0036】また、制御回路100は、操作パネル15に設けた所定の連続揉み動作を行わせるスイッチの操作により、位置E1?E8が光センサ80により所定の順序で検出されるように、ステッピングモータ95を駆動制御して、各空気袋18a?18hを予め設定された所定の順序に従って順次膨出・収縮させるようにもなっている。 【0037】これらの動作の際に、制御回路100が位置E1からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63bに連通し、制御回路100が位置E2からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63cに連通し、制御回路100が位置E3からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63dに連通し、制御回路100が位置E4からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63eに連通するようになっている。 【0038】また、制御回路100が位置E5からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63fに連通し、制御回路100が位置E6からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63gに連通し、制御回路100が位置E7からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63hに連通し、制御回路100が位置E8からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63iに連通するようになっている。 【0039】次に、上記のように構成されるエアマットマッサージ装置Aの実施例の動作について説明する。 【0040】先ず、エア給排気装置20の操作パネル21に設けた電源スイッチ22を入れる。そして、たたきスイッチ23fを押すと、制御回路100はコンプレッサ91を作動させて圧縮空気をフィルタタンク92を介して給気する。そして、制御回路100はステッピングモータ65を制御していく。 【0041】ステッピングモータ65の制御により、図11に示すように、例えば、指定された空気袋18bが膨張・収縮される。 【0042】このとき、空気袋18bは、エア給排気装置20のオンによって一定時間T1給気された後、エア給排気装置20のオフによりコンプレッサ91の駆動が停止されて給気が停止される。このとき、回転体61は回転させず、空気袋18bは、最高点で、一定時間T2とどまる。一定時間T2経過後、回転体61を回転させて、貫通孔63cを一定時間だけ外気に連通させ、一定量の空気Dを排気する。そして、全量の排気が行なわれる前に排気を停止させる。すなわち、全量の排気が行なわれる前に、再び回転体61を回転させ、貫通孔63cを孔61bに連通させるとともにエア給排気装置20をオンさせる。エア給排気装置20の一定時間のオン、つまり、コンプレッサ91の一定時間の駆動により一定量の給気が行なわれる。この一定量の排気Dと給気とを数回繰り返し、空気袋18bを短時間T3に複数回膨縮させる。 【0043】このため、従来、空気袋18b内の空気を全量排気してから給気を行なっていたものに比して、高い位置で身体に圧迫を掛けながら短時間で空気袋18bを最高点にまで到達させることが出来、短時間T3の間に多数回の膨縮を行い、ツボに有効な押圧を行うことが出来る。すなわち、空気袋18bだけが短時間の間に膨縮が繰り返されるので、人体の一部をたたくことになり、たたきマッサージ効果が得られる。 【0044】[第2実施例]図12?図16はこの発明にかかるエアマッサージ装置の第2実施例を示したものである。図12はエアマッサージ装置を椅子式エアマッサージ装置Bに適用した例を示したものである。なお、ロータリーバルブ60等については、前記第1実施例のエアマットマッサージ装置Aと略同一構成なので、同一図面である図5?図8を用いて説明する。 【0045】図12において椅子式エアマッサージ装置Bは、使用者の身体の太股から上部をマッサージさせるマッサージ椅子本体30と、エア給排気装置40とを有する。 【0046】<マッサージ椅子本体30>マッサージ椅子本体30は、座部31と、座部31の両側部に一体に設けられ且つ座部31より上方に突出するアームレスト部32,32と、座部31の後縁部に前後に起倒調整可能に装着された背凭れ部33とを有する。この背凭れ部33の前面即ち人体当接面33aは、座部31及び背凭れ部33の左右幅方向の中心線から左右両側が前側に湾曲傾斜させられている。 【0047】なお、図中符号34は一方のアームレスト部32に設けられた操作パネルである。 【0048】座部31及び背凭れ部33は、図示しないフレームにスポンジゴム等のクッションを保持させた本体を設けて、この本体を図示しないカバーで覆った構成となっている。 【0049】(背凭れ部33)背凭れ部33の本体の人体当接面33aとそのカバー(図示せず)との間には本体に固定され且つ空気袋保持用ポケットが設けられた布製の背凭れ用空気袋保持シート(共に図示せず)が配設されている。 【0050】この背凭れ用空気袋シートには、人体当接面33aの縦方向に並列配置された空気袋a1?a6が配設されている。 【0051】空気袋a6は人体の腰部中央に位置するツボの大腸愈(だいちょうゆ)や陽関(ようかん)に、空気袋a5は人体の腰部左右に位置するツボの秩辺(ちっぺん)や膀胱愈(ぼうこうゆ)に、空気袋a4は人体の腰部に位置するツボの肝愈(かんゆ)や胃愈(いゆ)に、空気袋a3は人体の肩部下方に位置するツボの心愈(しんゆ)や天宗(てんそう)に、空気袋a2は人体の肩部に位置するツボの肩井(けんせい)や大椎(だいつい)に、空気袋a1は人体の首部に位置するツボの天柱(てんちゅう)にそれぞれ対応している。 【0052】(座部31)最前部に位置する空気袋a8は、後部に位置する空気袋a7よりも容量が大きく設定されていると共に、空気袋a8よりも膨出高さが大きく設定されている。また、空気袋a8は人体の大腿部に位置するツボのいん門(もん)に対応し、空気袋a7は人体の臀部に位置するツボの承扶(しょうふ)に対応している。 【0053】<エア給排気装置40>図12において、エア給排気装置40は空気袋a1?a8に空気を供給したり、空気袋a1?a8内の空気を排気したりするエア給排気装置である。このエア給排気装置40は座部31の後部下面に着脱可能に取り付けられている。 【0054】エア給排気装置40は、図5に示すエア分配手段と、エア分配手段の回転位置検出のための位置検出手段Cを有する。 【0055】(エア分配手段)このエア分配手段はロータリーバルブ60を有し、前記第1実施例と略同一の構成を有する。このロータリバルブ60は、回転自在な回転体61と、この回転体61を回転自在に挟持した固定体62,63とを有している。固定体62は本体ケース40a内に設けたフレーム64のフレーム板64aに取り付けられており、この固定体62の中心部には上下方向(図5において)に延びた貫通孔62aが形成されている。 【0056】この貫通孔62aはフィルタタンク92を介してエアコンプレッサー91と接続されている。 【0057】回転体61の下面(図5において)の中心部には上記貫通孔62aと対向するとともに連通する孔61aが形成され、この孔61aは、回転体61の上面の周端側に設けた孔61bに連通孔61cによって連通されている。回転体61の周面にはギヤ61dが形成され、このギヤ61dがステッピングモータ65の駆動軸66に設けたギヤ67に噛合している。これにより、回転体61はステッピングモータ65によって中心軸線61e廻りに回転され、回転体61の回転に拘らず回転体61の孔61aと固定体62の貫通孔62aとは常に連通状態を保つようになっている。 【0058】回転体61の上面には、図4に示すように、外周に沿って形成されたC字状の円弧溝61fが設けられており、この円弧溝61fの両端部に孔61bが挟まれる状態となっている。さらに、円弧溝61fの中央部から回転体61の中心部まで延びた直線溝61gが設けられている。 【0059】固定体63は、フレーム64のフレーム板64b(図5参照)に固定されており、図5に示すように、中心部に大気に開放する貫通孔63aが設けられ、この貫通孔63aの周囲には等間隔に8つの貫通孔63b?63iが設けられている。63jは貫通孔63aに設けたフィルタである。 【0060】貫通孔63aの下側(図5において)の開口は回転体61の直線溝61gと常に対向するとともに連通した状態にあり、貫通孔63b?63iの下側の開口のうちの1つが回転体61の孔61bと対向して連通するようになっている。このとき、他の貫通孔の前記開口は回転体61の円弧溝61fと対向して連通する。例えば、貫通孔63bの下側の開口が回転体61の孔61bと対向して連通しているときは、貫通孔63c?63iの下側の開口が円弧溝61fと対向して連通する。 【0061】なお、固定体62はスプリングによって上方(図5において)へ常時付勢され、この付勢により回転体61と固定体62,63との接合面の気密性を保っており、各接合面から圧縮空気が漏れないように設定されている。 【0062】(位置検出手段C)位置検出手段Cは、図3に示した如く、回転体61に取り付けられたエンコーダ板70と、エンコーダ板70の回転位置を検出する光センサ80を有する。 【0063】(a)エンコーダ板70 このエンコーダ板70には、図4に示すように、半径方向に延びた8本の径線E1?E8が45度間隔で設定されており、経線E1は、経線E1上に孔61bがくる位置に設定されている。 【0064】そして、各経線E1?E8上には内周側から外周側に向けてビットb0からビットb3までの位置が設定されており、経線E1のビットb3の位置に孔71dが設けられている。経線E2のビットb1,b3の位置に孔72a,72dが、経線E3のビットb1,b3の位置に孔73b,73dが、経線E4のビットb0,b1,b3の位置に孔74a,74b,74dが、経線E5のビットb2,b3の位置に孔75c,75dが、経線E6のビットb0,b2,b3の位置に孔76a,76c,76dが、経線E7のビットb1,b2,b3の位置に孔77b,77c,77dが、経線E8のビットb0,b1,b2,b3の位置に孔78a,78b,78c,78dがそれぞれ設けられている。 【0065】(b)光センサ80 この光センサ80は、フレーム64内に配設されていて、エンコーダ板70に設けた孔71?78を検知して4ビットの検知信号を出力するようになっている。 【0066】この光センサ80は、エンコーダ板70に設定された各ビットb0?b3位置と対向する位置に設けられた発光ダイオード81a?81dと、この発光ダイオード81a?81dが発光する光をエンコーダ板70に設けた孔71d…78dを介して受光する受光ダイオード82a?82d等とから構成されている。 【0067】この受光ダイオード82a?82dの受光・不受光状態は回転体61の回転位置によって異なる。例えば、回転体61の孔61bと固定体63の貫通孔63bが連通しているとき、受光ダイオード82dのみが受光し、経線E1上の孔71dが検出される。このような受光ダイオード82a?82dの受光・不受光と、経線E1?E8との関係を図8の真理表に示す。 【0068】この真理表では、ビットb0?b3が受光ダイオード82a?82dに対応し、「1」が受光していることを示し、「0」が不受光を示す。また、E1?E8が貫通孔63b?63iに対応する。 【0069】<エア給排気装置40と空気袋a1?a8との接続関係>ところで、図1および図2に示すように、各空気袋a1?a8はホースb1?b8と連通されている。このホースb1?b8は接続部材36,37を介してエア給排気装置40に接続された給排気ホースc1?c8に1対1で対応して連結されている。 【0070】<制御回路>上述したステッピングモータ65,エアコンプレッサー91は図18に示した様に制御回路100により駆動制御されるようになっている。この制御回路100は、図19に示すように、マイクロコンピュータ101とインターフェース102?106等から構成され、この制御回路100も前記エア給排気装置40の本体ケース40a内に設けてある。尚、光センサ80の受光ダイオード82a?82dからの位置検出信号はインターフェース105を介して制御回路100のマイクロコンピュータ101に入力され、マイクロコンピュータ101はこの位置検出信号に基づいてステッピングモータ65を駆動制御する様になっている。 【0071】この制御回路100は、前記操作パネル34に設けられ且つエンコーダ板70の位置E1?E8に対応するスイッチ(図示せず)を操作すると、この操作されたスイッチに対応する位置E1?E8が光センサ80により検出されるまでステッピングモータ95を駆動制御するようになっている。 【0072】また、制御回路100は、操作パネル15に設けた所定の連続揉み動作を行わせるスイッチの操作により、位置E1?E8が光センサ80により所定の順序で検出されるように、ステッピングモータ95を駆動制御して、各空気袋a1?a8を予め設定された所定の順序に従って順次膨出・収縮させるようにもなっている。 【0073】これらの動作の際に、制御回路100が位置E1からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63bに連通し、制御回路100が位置E2からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63cに連通し、制御回路100が位置E3からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63dに連通し、制御回路100が位置E4からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63eに連通するようになっている。 【0074】また、制御回路100が位置E5からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63fに連通し、制御回路100が位置E6からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63gに連通し、制御回路100が位置E7からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63hに連通し、制御回路100が位置E8からの信号を光センサ80から受けると回転体61の孔61bが固定体63の貫通孔63iに連通するようになっている。 【0075】<実施例の作用>この様な構成においては、操作パネル34のスイッチ操作をすると、制御回路100が位置検出手段Cからの位置信号を基にエア給排気装置40のステッピングモータ65を作動制御して、回転体61の孔61bを固定体63の貫通孔63b?63iのいずれかに連通させる。 【0076】これにより、各空気袋a1?a8に対してエアコンプレッサー91からのエアが供給されたり、各空気袋a1?a8のエアが排気されたりする。この際、エアは各空気袋a1?a8に接続されたホースb1?b8並びに給排気ホースc1?c8を経由して給排気されることになる。 【0077】(a)たたき動作 上記の構成において、本発明の椅子式エアマッサージ装置Bのマッサージ椅子本体30に座ると共に、操作パネル34の空気袋a1?a8のうち空気袋a2を選択し、所定のたたきスイッチを操作してマッサージを開始する。 【0078】制御回路100はコンプレッサ91を作動させて圧縮空気をフィルタタンク92を介して給気する。そして、制御回路100はステッピングモータ65を制御していく。 【0079】ステッピングモータ65の制御により、図16に示すように、例えば、指定された空気袋a2が膨張・収縮される。 【0080】このとき、空気袋a2は、エア給排気装置40のオンによって一定時間T1給気動作が行なわれた後、エア給排気装置40のオフによりエアコンプレッサ91の駆動が停止されて給気が停止される。このとき、回転体61は回転させず、空気袋a2は、最高点で、一定時間T2とどまる。一定時間T2経過後、回転体61を回転させて、貫通孔63cを一定時間だけ外気に連通させ、一定量の空気Dを排気する。そして、全量の排気動作が行なわれる前に排気を停止させる。すなわち、全量の排気が行われる前に、再び、回転体61を回転させ、貫通孔63cを孔61bに連通させるとともにエア給排気装置40をオンさせる。エア給排気装置40の一定時間のオン、つまり、エアコンプレッサ91の一定時間の駆動により一定量の給気が行なわれる。この一定量の排気Dと給気とを数回繰り返し、空気袋a2を短時間に複数回膨縮させる。 【0081】このため、従来、空気袋a2内の空気を全量排気してから給気を行なっていたものに比して、高い位置で身体に圧迫を掛けながら短時間で空気袋a2を最高点にまで到達させることが出来、短時間の間に多数回の膨縮を行い、ツボに有効な押圧を行うことが出来る。すなわち、空気袋a2だけが短時間の間に膨縮が繰り返されるので、人体の一部をたたくことになり、たたきマッサージ効果が得られる。 【0082】この実施例では、前記たたきスイッチ23fを解除することにより、通常のマッサージも行なうことが出来る。 【0083】(b)通常動作との組合せ 制御回路100はコンプレッサ91を作動させて圧縮空気をフィルタタンク92を介して給気する。そして、制御回路100はステッピングモータ65を制御していく。 【0084】このとき、各空気袋の膨張並びに収縮順序は、空気袋a1?a8の順で膨縮する。 【0085】そして、ステッピングモータ65の制御により、空気袋a1?a8までは、エア給排気装置40によって一定時間給気された後、一定時間、エアコンプレッサ91を停止し、この一定時間停止後、更に、ロータリーバルブ60の切換によって排気が行なわれるという動作を反復する。この停止時間は、約5秒に設定されている。 【0086】このため、空気袋a1?a8の押圧力がツボに作用する時間が長くなり、効果的にマッサージできる。 【0087】なお、操作パネル34にローリングスイッチを設けて、空気袋a1?a3の膨張・収縮が順次繰り返し行ない背中の部分のマッサージを行ってもよい。このとき、空気袋a1?a3までは、エア給排気装置40によって一定時間給気された後、一定時間、エアコンプレッサ91を停止し、この一定時間停止後、更に、ロータリーバルブ60の切換によって一定量Dの排気が行なわれるという動作を反復するようにしてもよい。 【0088】腰を選択した場合も同様で空気袋a4?a7の膨張・収縮を順次繰り返し行って腰の部分のマッサージを行ってもよい。このとき、空気袋a4?a7までは、エア給排気装置40によって一定時間給気された後、一定時間、エアコンプレッサ91を停止し、この一定時間停止後、更に、ロータリーバルブ60の切換によって一定量Dの排気が行なわれるという動作を反復するようにしてもよい。 【0089】請求項1の発明によれば、一部の空気袋に所定量のエアを給気して膨張させた後、その給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ、再びエアを前記給気時間よりも短時間給気させるものであるから、所定圧に膨張した空気袋は、少量のエアが短時間排気されて収縮し、再びエアが短時間給気されて元の所定圧に膨張されるものである。このように短時間におこなわれる一部の空気袋の収縮膨張によって、ツボに有効な押圧を行うことができるとともに、人体の一部をたたくような、いわゆるたたきマッサージ効果を得ることができる。 【0090】請求項2の発明によれば、一部の空気袋に所定量のエアを給気して膨張させた後、その給気したエアよりも少量のエアをその給気時間よりも短時間排気させ、再びエアを前記給気時間よりも短時間給気させるものであるから、所定圧に膨張した空気袋は、少量のエアが短時間排気されて収縮し、再びエアが短時間給気されて元の所定圧に膨張されるものである。このように短時間におこなわれる一部の空気袋の収縮膨張が複数回繰り返されることによって、ツボに有効な押圧を行うことができるとともに、人体の一部をたたくような、いわゆるたたきマッサージ効果を得ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】この発明に係わるエアマットマッサージ装置Aである空気マット装置の全体を示した外観斜視図である。 【図2】空気袋をマット本体に配置した状態を示した平面図である。 【図3】マット本体の構成の構成を示した断面図である。 【図4】操作パネルに設けた各スイッチの配置を示した正面図である。 【図5】(A)は図2に示した各空気袋にエアを分配するロータリーバルブの断面図、(B)は(A)の回転体(回転弁体)の説明図である。 【図6】図5(A)のエンコーダ板の説明図である。 【図7】図5(A)の固定体の説明図である。 【図8】図5(A)のエンコーダ板と光センサを用いた位置検出の論理値を示す説明図である。 【図9】図1,2に示した椅子式エアマッサージ装置の制御を説明するための回路図である。 【図10】図9の制御回路のより詳細な説明図である。 【図11】空気袋の制御の一例を示す説明図である。 【図12】この発明に係る第2実施例の椅子式マッサージ装置Bの斜視図である。 【図13】図12に示した椅子式マッサージ装置のホース接続の模式図である。 【図14】図12に示した椅子式エアマッサージ装置の制御を説明するための回路図である。 【図15】図14の制御回路のより詳細な説明図である。 【図16】空気袋の制御の一例を示す説明図である。 【図17】従来の座椅子式エアマッサージ装置の斜視図である。 【図18】従来の座椅子式エアマッサージ装置の空気袋の制御の一例を示す説明図である。 【符号の説明】 A…エアマットマッサージ装置 B…椅子式エアマッサージ装置 10…マット本体 30…マッサージ椅子本体 10a?10c, 31a…人体当接面 18a?18h, a1?a8…空気袋 20,40…エア給排気装置 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2008-08-27 |
結審通知日 | 2008-09-02 |
審決日 | 2008-09-16 |
出願番号 | 特願平5-333599 |
審決分類 |
P
1
113・
113-
YA
(A47C)
P 1 113・ 121- YA (A47C) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 豊原 邦雄 |
特許庁審判長 |
北川 清伸 |
特許庁審判官 |
仲村 靖 豊永 茂弘 |
登録日 | 2001-01-19 |
登録番号 | 特許第3150247号(P3150247) |
発明の名称 | エアマッサージ装置 |
代理人 | 窪田 雅也 |
代理人 | 辻本 一義 |
代理人 | 森田 拓生 |
代理人 | 特許業務法人有古特許事務所 |
代理人 | 窪田 雅也 |
代理人 | 辻本 希世士 |
代理人 | 種市 傑 |
代理人 | 上野 康成 |
代理人 | 辻本 希世士 |
代理人 | 神吉 出 |
代理人 | 森田 拓生 |
代理人 | 上野 康成 |
代理人 | 辻本 一義 |
代理人 | 神吉 出 |
代理人 | 種市 傑 |